(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-04
(45)【発行日】2023-10-13
(54)【発明の名称】回転翼航空機のための集合制御システム
(51)【国際特許分類】
B64C 27/56 20060101AFI20231005BHJP
【FI】
B64C27/56
(21)【出願番号】P 2021509979
(86)(22)【出願日】2019-06-03
(86)【国際出願番号】 US2019035227
(87)【国際公開番号】W WO2020046436
(87)【国際公開日】2020-03-05
【審査請求日】2022-03-11
(32)【優先日】2018-11-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-12-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-08-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513079797
【氏名又は名称】エセックス インダストリーズ, インク.
(74)【代理人】
【識別番号】100136630
【氏名又は名称】水野 祐啓
(74)【代理人】
【識別番号】100201514
【氏名又は名称】玉井 悦
(72)【発明者】
【氏名】カルプ, チャールズ
(72)【発明者】
【氏名】ケムナー, グレッグ
(72)【発明者】
【氏名】ヘイル, ボブ
【審査官】山本 賢明
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-081528(JP,A)
【文献】特開2016-016739(JP,A)
【文献】実開平1-95500(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B64C 27/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転翼航空機の集合レバーに取り付けるための制御システムであって、
集合レバーの端部に取り付けるための概して平坦な下面と、
概して凸状の形態を有する本体と、
前記本体の側面から延出するホーン部分と、
前記本体から前記ホーン部分を延出させる延出部分と、
複数の制御装置と、を備え、前記複数のうちの少なくとも1つの制御装置は前記本体上に配置され、前記複数のうちの少なくとも1つの制御装置は前記ホーン部分上に配置され、
前記制御システムは、前記本体上に人の手の指、および前記ホーン部分上に前記人の手の親指をともなう前記人の手によって開放球形グリップで把持されるように構成されており、
前記延出部分は、前記制御システムを把持したときに、前記親指とその他の指との指間部の内側に配置され、
前記制御システムは、前記制御システムを把持する前記人の手が、前記人の手の前記指を前記本体かつ前記人の手の前記親指を前記ホーン部分から離さずに、前記集合レバーを動かすように構成されている、制御システム。
【請求項2】
前記本体は、概して、断面においてスクワークル形状である、請求項1に記載の制御システム。
【請求項3】
前記本体は、概して、断面において直線的である、請求項1に記載の制御システム。
【請求項4】
前記ホーン部分は、概して、延出部分と、別個の支持部分と、を含むマッシュルーム形状である、請求項1に記載の制御システム。
【請求項5】
前記ホーン部分は、前記本体の延出部である、請求項1に記載の制御システム。
【請求項6】
前記ホーン部分は、前記本体の少なくとも片側に張り出している、請求項1に記載の制御システム。
【請求項7】
前記人の手が前記制御システムを把持するとき、前記人の手の前記指の少なくとも1本は、前記本体上の前記制御装置上に位置付けられ、前記人の手の前記親指は、前記ホーン部分上の前記制御装置上に位置付けられる、請求項1に記載の制御システム。
【請求項8】
前記人の手の前記親指は、前記本体上の追加の制御装置を操作するために前記ホーン部分から移動され得る、請求項7に記載の制御システム。
【請求項9】
回転翼航空機の集合レバーおよび制御システムであって、
2つの対向端を有する集合レバーと、
前記集合レバーの前記2つの対向端のうちの1つに取り付けられた制御システムであって、
概して凸状の形態を有する本体と、
前記本体の側面から延出するホーン部分と、
前記本体から前記ホーン部分を延出させる延出部分と、
複数の制御装置を備え、前記複数のうちの少なくとも1つの制御装置は、前記本体上に配置され、前記複数のうちの少なくとも1つの制御装置は、前記ホーン部分上に配置され、
前記制御システムは、前記本体上に人の手の指、および前記ホーン部分上に前記人の手の親指をともなう前記人の手によって開放球形グリップで把持されるように構成されており、
前記延出部分は、前記制御システムを把持したときに、前記親指とその他の指との指間部の内側に配置され、
前記制御システムを把持する前記人の手は、前記人の手の前記指を前記本体かつ前記人の手の前記親指を前記ホーン部分から離さずに、前記集合レバーを動かす、集合レバーおよび制御システム。
【請求項10】
前記本体は、概して、断面においてスクワークル形状である、請求項9に記載の制御システム。
【請求項11】
前記本体は、概して、断面において直線的である、請求項9に記載の制御システム。
【請求項12】
前記ホーン部分は、概して、延出部分と、別個の支持部分と、を含むマッシュルーム形状である、請求項9に記載の制御システム。
【請求項13】
前記ホーン部分は、前記本体の延出部である、請求項9に記載の制御システム。
【請求項14】
前記ホーン部分は、前記本体の少なくとも片側に張り出している、請求項9に記載の制御システム。
【請求項15】
前記人の手が前記制御システムを把持するとき、前記人の手の前記指の少なくとも1本は、前記本体上の前記制御装置上に位置付けられ、前記人の手の前記親指は、前記ホーン部分上の前記制御装置上に位置付けられる、請求項9に記載の制御システム。
【請求項16】
前記人の手の前記親指は、
前記ホーン部分から移動して、前記本体上で追加の制御装置を操作し得る、請求項15に記載の制御システム。
【請求項17】
回転翼航空機の集合レバーおよび制御システムを操作する方法であって、
2つの対向端を有する集合レバーを提供することと、
前記集合レバーの前記2つの対向端のうちの1つに取り付けられた制御システムを提供することであって、前記制御システムは、
概して凸状の形態を有する本体と、
前記本体の側面から延出するホーン部分と、
前記本体から前記ホーン部分を延出させる延出部分と、
複数の制御装置であって、前記複数のうちの少なくとも1つの制御装置は、前記本体上に配置され、前記複数のうちの少なくとも1つの制御装置は、前記ホーン部分上に配置されている、複数の制御装置と、を備える、提供することと、
指が前記本体上にあり、かつ親指が前記ホーン部分上にあるように、前記制御システムを把持することと、
前記延出部分は、前記制御システムを把持したときに、前記親指とその他の指との指間部の内側に配置されることと、
前記本体から前記指を離さずに前記集合レバーを引くことと、 前記親指を前記ホーン部分から前記本体に移動させることと、前記本体から前記指を離すことなく、前記指と前記親指のうちの少なくとも1本で前記複数の制御装置を操作することと、を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2018年11月29日に提出された米国実用特許出願第16/203,989号の継続であり、2018年8月30日に提出された米国仮特許出願第62/725,019号の利益を主張する。本出願はまた、2018年12月27日に出願された米国意匠特許出願第29/674,985号の一部継続(CIP)である。上記のすべての文書の開示全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、制御デバイスの分野に関し、より具体的には、回転翼航空機の集合ピッチ制御装置の端部上に設置し得る制御システムに関する。
【背景技術】
【0003】
ほとんどの航空機の飛行制御システムは、地上の車両とは相当異なる。その理由は直ちに明らかであり、航空機が3次元空間で動作する一方、乗用車、トラック、または船舶などの地上の車両は、典型的には、地面と接触したままである必要があるため、2次元空間でのみ動作するからである。
別の問題は、ある動作への変更が、動きの一部を別の動作と対抗させる必要があるため、航空機の動きが一度に多数の相互作用を必要とすることが多いことである。
【0004】
これが顕著に示される場所の1つが、回転翼航空機を操縦しているところである。回転翼航空機は、乗用キャビンをともなう全翼機である。実際には、回転翼航空機のパイロットは、翼、ひいては、回転翼航空機を所望の行き先に向けるために、様々な制御装置を通して翼がどのように空中を移動しているかを調整している。この動きは、翼がキャビンに「固定」され、翼の上で空気がどのように動いているかについて制御装置がより向けられる固定翼航空機とは対照的である。基本的に、回転翼航空機では、一次エンジンが翼を移動させる一方、固定翼航空機では、一次エンジンは空気を移動させる。
【0005】
習得が最も難しい能力の1つは、回転翼航空機のホバリングの方法だと言われてきた。その理由は、ホバリングする(空中で静止する)には、基本的に、他の小さな調整の影響に対抗するために、小さな調整の絶えず続く選択を必要とするからである。これは、自動車やボートでもより少ない程度で当てはまるが、回転翼航空機では著しく強調される。
【0006】
回転翼航空機には、基本的に、サイクリックスティック、集合レバー、反トルクペダルの3つの制御装置がある。制御装置を実践することは非常に複雑であるとしても、それらが行うことは比較的単純である。集合レバーは、実質的に大型のレバーであり、上下に引くことができ、回転子ブレードのピッチを「集合的に」制御する。回転子は実質的に空中を移動する1つの大きい翼であるため、これが実質的に回転子の垂直移動を制御する。ピッチを上げると、回転子はより多くの空気を押し込み、回転翼航空機を上方に移動させる一方、ピッチを下げると、回転子は対照的に空気を通過し、回転翼航空機を下方に向ける。回転翼航空機は、そのエンジンおよび他の構成要素からの質量を有するため、回転翼航空機を上方に移動させるために、下方に押し込まれる空気の力は、回転翼航空機の質量よりも大きい必要がある。空気の力が小さい場合、重力下の回転翼航空機の質量は、回転翼航空機を地表に引き寄せるであろう。
【0007】
ブレードをより早く回転させると、ブレードをより遅く回転させるよりも、ブレードは(すべてのピッチで)また、より多くの空気を移動させるため、回転子が回転している速度は、こうした効果をもたらす。ただし、ピッチおよびスロットルの変更は連動している必要がある。ピッチが大きくなるにつれて、ブレードはより抗力に直面し、スロットルが大きくならない限り減速する。多くのモデム回転翼航空機は自動的にこれを補償するが、もともとは手動で行われたため、スロットル制御装置は、典型的には、集合レバー上に位置する。スロットルは、典型的には、エンジン速度を増加または減少させる回転ハンドグリップである。このようにして、パイロットは集合レバーとスロットルをともに利用することができる。
【0008】
サイクリックは、基本的に、回転翼航空機を移動させたい方向に回転子「翼」を傾ける働きをする。実際には、サイクリックはシステム全体を実際に傾けることはなく、代わりに個々の回転子を「周期的に」傾け、それらの回転子が回転の異なる部分では異なるピッチにあるようにするが、同じ場所の各回転子は同じピッチにあるようにする。この変更は、翼をより高いピッチの位置から離れ、より低いピッチの位置に向かって移動させる働きをする。
【0009】
反トルクペダルは、回転翼航空機の機体が回転子の回転と反対方向に回転しないように動作する。反トルクペダルは、(単一のメインブレードをともなう従来のヘリコプターにおける)尾翼上の回転子のピッチを制御して、ヘリコプターに加えられる力を増減する。このことは、回転する主回転子から回転翼航空機に付与される回転力に抵抗するために使用されるが、回転力を増減させると、回転翼航空機をいずれかの方向に所定の位置で回転させることができる。
【0010】
回転翼航空機を飛行させる場合、パイロットは、典型的には、一方の手を集合レバーに置き、もう一方の手をサイクリックに置く。このようにして、パイロットは、回転子運動の両方の部分にわずかな(多くの場合、ほぼ一定の)調整を行うことができる。これにより、回転翼航空機はまっすぐ円滑に飛ぶことが可能になる。反トルクペダルは、その名が示すように、典型的には、足で操作される。
【0011】
回転翼航空機の飛行に加えて、パイロットはまた、回転翼航空機の補助制御装置にアクセスする必要がある。これには、照明制御装置、ペイロードについての制御装置、ディスプレイ用の制御装置、軍用回転翼機の武器システムの操作など、あらゆるものが含まれる。これらの制御装置の多くは、容易にアクセスできるパイロットの前方または頭上のパネル上に位置する。しかしながら、パイロットは、典型的には、飛行中、集合レバーとサイクリックの各々に手を置き、反トルクペダル上に足を置いているため、パイロットは通常、前方または頭上のパネル上にある任意の制御装置を操作するために、これらの制御要素の1つから手を離さなければならない。したがって、これらの場所は多くの場合、回転翼航空機が着陸してるときに使用される制御装置の位置であり、パイロットが集合レバーおよびサイクリックを握り続ける必要はない。
【0012】
飛行中に必要な補助制御装置は、多くの場合、サイクリックまたは集合レバーに取り付けられるボックスまたは「制御システム」上に位置しており、通常、手をそれぞれの制御装置から離す必要なくボタンを操作することを可能にするように、手が位置付けられるところの近くの上部または手が位置付けられるところに配置される。このようにして、ボタンは、完全な飛行制御を維持しながら、ユーザによって簡単に調整または操作することができる。サイクリック上のボタンおよび制御装置は、多くの場合、親指で操作することができるハンドグリップの上部から上向きに、またはグリップから手を離すことなく複数の指によって操作することができるハンドグリップ(いわゆる「ピストルグリップ」)の片側または前面に位置付けられる。
【0013】
スロットルを把持するために手が集合レバーの周りに同様に位置付けられるため、集合レバー上の制御システムは、典型的には、ユーザに向かって上向きの集合レバーの端部において、平面パネルの一部として位置付けられる。これらは、手を移動させる、またはスロットルと集合レバーのグリップを完全に離すことなく、親指で操作することができる。
図1は、UH-1H/V陸軍回転翼機からの集合レバー(1)および関連する制御システム(3)、ならびに制御システム上の制御装置(4)の例を示し、制御装置(4)が典型的にはどのように配置され得るかを示す。グリップ(5)は、スロットルである。
【0014】
図1の制御システム(3)上の制御装置(4)の配置の問題は、親指が行う動作に大きく依存しており、親指は、概して、手をスロットル(5)、したがって、集合レバー(1)から離すことなく、制御装置(4)にすぐにアクセスできる唯一の指である。もともと(または一般的に「真の」回転翼航空機と呼ばれるものにおいて)、これは実質的にすべてのケースで集合レバー(1)の動きとスロットルグリップ(5)の調整が同時に行われる必要があるため、設計の必須の構成要素であった。
【0015】
しかしながら、より最新の回転翼航空機では、集合レバー(1)位置とモータ自体との間に自動フィードバックループを提供するスロットル制御装置または調整機がモータ上に設置されることが一般的である。具体的には、集合レバー(1)の調整は、多くの場合、フィードバックループに基づいてモータ上の調整機によって自動的に行われるため、スロットルグリップ(5)への対応する手動調整をもはや必要としない。これにより、パイロットはスロットル(5)を調整する必要なく、集合レバー(1)を調整することが可能になる。しかしながら、手はまだ集合レバー(1)上の位置から解放されておらず、集合レバー(1)上の制御装置は、概して、集合レバー(1)上の手の位置を維持するために依然として親指によって操作されている。
【発明の概要】
【0016】
本明細書に記載の当該技術分野におけるこれらおよび他の問題のために、とりわけ、回転翼航空機内の集合レバー(1)に取り付けられるように設計され、集合レバーの端部またはその近くに着座し、かつグリップおよび制御装置への支持として機能する制御システムがある。制御システムは、スロットル(5)および/または集合レバー(1)を把持するために使用されるより伝統的な円筒形グリップとは対照的に、開放球形グリップの形態で、概して、手のひらを載せて、端部で集合レバーを握るための場所を提供するように輪郭が付けられる、延出されたホーン部分を有する本体を備える。制御システムは、概して、ボタン、スイッチ、タッチセンサなどの複数の制御装置を含み、これらは、手のひらを実質的に動かす必要なく、手の4つの指および親指のうちのいずれかまたはすべてによって操作され得る。集合レバー(1)はまた、制御システムから手をまたは制御装置から指を離すことなく動かすこともできる。
【0017】
とりわけ、回転翼航空機の集合レバーに取り付けるための制御システムであって、集合レバーの端部に取り付けるための概して平坦な下面と、概して凸状の形態を有する本体と、本体の側面から延出するホーン部分と、複数の制御装置と、を備え、複数のうちの少なくとも1つの制御装置は、本体上に配置され、複数のうちの少なくとも1つの制御装置は、ホーン部分上に配置されており、制御システムは、本体上に人の手の指、およびホーン部分上に人の手の親指をともなう人の手によって開放球形グリップで把持されるように構成されており、制御システムは、制御システムを把持する人の手が、人の手の指を本体かつ人の手の親指をホーン部分から離さずに、集合レバーを動かすように構成されている、制御システムが、本明細書に記載される。
【0018】
また、回転翼航空機の集合レバーおよび制御システムであって、2つの対向端を有する集合レバーと、集合レバーの2つの対向端のうちの1つに取り付けられた制御システムと、を備え、制御システムは、概して凸状の形態を有する本体と、本体の側面から延出するホーン部分と、複数の制御装置と、を備え、複数のうちの少なくとも1つの制御装置は、本体上に配置され、複数のうちの少なくとも1つの制御装置は、ホーン部分上に配置されており、制御システムは、本体上に人の手の指、およびホーン部分上に人の手の親指をともなう人の手によって開放球形グリップで把持されるように構成されており、制御システムを把持する人の手は、人の手の指を本体かつ人の手の親指をホーン部分から離さずに、集合レバーを動かす、集合レバーおよび制御システムが、本明細書に記載される。
【0019】
制御システムの実施形態では、本体は、概して、断面においてスクワークル形状である。
【0020】
制御システムの実施形態では、本体は、概して、断面において直線的である。
【0021】
制御システムの実施形態では、ホーン部分は概して、延出部分と、別個の支持部分と、を含むマッシュルーム形状である。
【0022】
制御システムの実施形態では、ホーン部分は、本体の延出部である。
【0023】
制御システムの実施形態では、ホーン部分は、本体の少なくとも片側に張り出している。
【0024】
制御システムの一実施形態では、人の手が制御システムを把持するとき、人の手の指の少なくとも1本は、本体上の制御装置上に位置付けられ、人の手の親指は、ホーン部分上の制御装置上に位置付けられる。
【0025】
制御システムの実施形態では、人の手の親指は、本体上で追加の制御装置を操作するために、ホーン部分から移動させることができる。
【0026】
また、回転翼航空機の集合レバーおよび制御システムを操作する方法であって、2つの対向端を有する集合レバーを提供することと、集合レバーの2つの対向端のうちの1つに取り付けられた制御システムを提供することであって、制御システムは、概して凸状の形態を有する本体と、本体の側面から延出するホーン部分と、複数の制御装置であって、複数のうちの少なくとも1つの制御装置は、本体上に配置され、複数のうちの少なくとも1つの制御装置は、ホーン部分上に配置されている、複数の制御装置と、を備える、提供することと、指が本体上にあり、かつ親指がホーン部分上にあるように、制御システムを把持することと、本体から指を離さずに集合レバーを引くことと、親指をホーン部分から本体に移動させることと、本体から指を離すことなく、指と親指のうちの少なくとも1本で複数の制御装置を操作することと、を含む、方法が、本明細書に記載される。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】従来技術の集合レバー上に位置付けられた集合制御システム、具体的には、米国陸軍モデルUH-1H/Vヘリコプターの集合制御システムおよび集合レバーの図を提供する。
【
図2】本発明の制御システムの実施形態の背面斜視図および右側面斜視図を提供する。
【
図9】
図2の実施形態の第1の右側面図を提供し、人の手が集合制御システムを開放球面グリップで把持している。
図9では、親指は、本体のホーン部分上の第1の制御装置上に位置付けられる。
【
図10】
図9の実施形態の第2の右側面図を提供する。
図10では、親指は、本体のホーン部分上の第2の制御装置上に位置付けられる。
【
図11】
図9の実施形態の第3の右側面図を提供する。
図11では、親指は、本体の主要部分上の第1の制御装置上に位置付けられる。
【
図12】
図9の実施形態の第4の右側面図を提供する。
図12では、親指は、本体の主要部分上の第2の制御装置上に位置付けられる。
【
図13】
図9の実施形態の第1の正面図を提供する。
図13では、指は、本体の主要部分およびホーン部分の両方の上にある第1の選択の制御装置上に位置付けられる。
【
図14】
図9の実施形態の第2の正面図を提供する。
図14では、指は、本体の主要部分のみの上にある第2の選択の制御装置上に位置付けられる。
【
図15】本発明の制御システムの第2の実施形態の背面斜視図および右側面斜視図を提供する。
【
図22】本発明の制御システムの第3の実施形態の正面斜視図および左側面斜視図を提供する。
【
図23】
図22の実施形態の正面斜視図および右側面斜視図を提供する。
【
図30】本発明の制御システムの第2の実施形態の正面斜視図および左側面斜視図を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下の詳細な説明および開示は、限定するものではなく、例として例示する。本説明は、開示される構造および方法を作製および使用することを当業者に可能にし、開示される構造および方法のいくつかの実施形態、適応、変形、代替、および使用を説明する。上記の構成において、開示の範囲から逸脱することなく様々な変更を行うことができるため、説明に含まれる、または添付の図面に示されるすべての事項は、例示的であり、限定的な意味ではないと解釈されるべきであることが意図される。
【0029】
本明細書で考察される制御システムは、回転子の集合レバー(1)上に制御装置を提供するための概して新しい構造、システム、および方法、ならびに回転子の集合ピッチを操作するための新しい方法論および構造の両方を提供する。
上で考察されたように、従来、集合レバー(1)は、第1の端部の一部分の周りに配置された(スロットルを制御するための)ツイストハンドル(5)をともなう単純な概して円筒形のシャフトを備える。パイロットは、従来、しばしば円筒形グリップまたはパワーグリップと称されるツイストハンドル(5)を把持する。これは、手のひらをツイストハンドル(5)の外側に置き、指をハンドル(5)に第1の方向に巻き付け、親指をハンドル(5)に他の方向に巻き付けることである。親指は、概して、人差し指および/または中指に触れ、その結果、集合レバーのシャフトが手の全体にわたって、親指および人差し指/中指によって形成された円を通して動くようになる。
【0030】
パワーグリップまたは円筒形グリップは、器具の操作において人が使用するごく一般的なグリップであり、ユーザがツイストハンドル(5)、ひいては集合レバー(1)を非常に固くしっかりと把握することを可能にするため、集合レバー(1)の操作に適している。また、ユーザが(指の筋肉ではなく)腕の筋肉を利用して集合レバー(1)を引くことも可能にする。その代わりに、指は、単に腕の筋肉を集合レバー(1)につなげるために使用され、指の強度を用いて内部骨構造を使用することで集合レバー(1)を支持する指の巻き付け位置は、単にそれらの相対的な位置を維持するために使用される。
【0031】
パイロットの(概して左)側における集合レバー(1)の位置のため、左手は、典型的には、手を概して下方に保持した状態で集合レバー(1)を把持するために使用される。したがって、指は、集合レバー(1)が上に引かれるときにレバーアームに押し付けるために使用され、親指は、集合レバー(1)が下に押されるときに集合レバー(1)に押し付けるために使用される。これはまた、パイロットから見て、親指が集合レバー(1)の「上」にあることを意味する。集合レバー(1)の端子端に位置する制御システム(3)上のボタンもまた、概して、集合レバー(1)の端から延出するボックスまたは類似の構造上に位置付けられ、制御装置もまた、概して、制御システム(3)の上部に、例えば
図1に示すように、親指が容易にアクセスできるように配置される。
【0032】
まず、集合制御システムに含まれる、または集合レバー(1)に任意の方法で位置付けられる制御装置の種類は、回転翼航空機のモデルおよびその回転翼航空機が使用される目的に応じて、非常に多様であり、多種多様な機能をともなうことを認識すべきである。例えば、軍用戦闘用回転翼航空機は、概して、重量物運搬用回転翼航空機またはレクリエーションスポーツ用回転翼航空機とは異なる制御装置を有する。しかしながら、これらの相違内であっても、いくつかの制御装置は同じままであり得る。例えば、多くの制御システムは、集合制御システム上に位置する着陸灯のためのトグルまたは同様の制御装置を含む。
【0033】
さらに、パイロットに提供される、操作するための制御装置の種類は、多くの場合、回転翼航空機の種類および用途、ならびに現行のコックピット技術に依存する。例えば、より旧式または単純な回転翼航空機は、異なる内部位置および対応する機能をともなうトグルスイッチ、プッシュボタン、または機械的スライドの形態で、より多くの制御装置を必要とする場合がある。他の回転翼航空機は、マルチポジショントグル、ホイール、回転球(例えば「マウスホイール」)、または浮遊式マルチポジションプレート(例えば、元来のIpod(商標)で使用されるものなど)などのより最新の制御装置を必要とする場合がある。さらにより最新の回転翼航空機制御装置は、例えば、タッチパッド、動きセンサもしくは熱センサ、または照明ベースのスイッチを利用し得る。
【0034】
本開示は、制御システム上に提示される制御装置の種類に向けられていない。代わりに、制御システムの構造と、その構造上のそのような制御装置の位置付けに向けられる。このため、本開示は、本明細書に示される「ボタン」を、実際は多数の潜在的な入力位置をともなう高度なタッチスクリーンを指し得るとしても、ユーザによって制御システム上で操作されるアイテムを単に「制御装置」または「ボタン」として一般的に称するであろう。この簡略化された用語の使用は、制御システムの概念の明確な説明のためにのみ行われ、決して本開示を限定するものと見なされるべきではない。したがって、特定の種類の制御装置が
図2~36の特定の位置に示されるという事実は、決して、任意の特定の位置に位置し得る制御装置の種類を制限するものと見なされるべきではない。
【0035】
図2~8は、本開示による制御システム(101)の第1の実施形態を示し、
図15~21は、制御システム(1101)の第2の実施形態を示す。
図22~29は、制御システム(2101)の第3の実施形態を示し、
図30~36は、制御システム(4101)の第4の実施形態を示す。明らかであるように、
図2~8の制御システム(101)は、スロットルグリップ(5)が存在する場合でも、概してスロットルグリップ(5)の前の集合レバー(1)の端部に取り付けられるように設計される。図示の制御システム(101)、(1101)、(2101)、または(3101)は、概して、シャフト上のボールターミネータの脱着可能な形態で取り付けられる。すなわち、制御システム(101)の本体(103)は、概して、
図2~8に示されるように、集合レバー(1)のシャフトから全方向に外側に延出する。
したがって、制御システム(101)は、集合レバー(1)上にバルブ状端を形成する。制御システム(1101)、制御システム(2101)、および制御システム(3101)の場合についても、集合レバー(1)に制御システム(101)を取り付けるのと同様の様式である。
【0036】
図2~8に見ることができるように、制御システム(101)の本体(103)は、典型的には、集合レバー(1)の端部が取り付けられた概して平坦な下面(105)を有するであろう。これは、一般的には、取り付けプレート(151)およびネジ(153)の使用を通して行われるが、概して強固な取り付けの任意の方法が使用され得る。平坦な下面(105)は、典型的には、
図5および6に最良に示されるように、集合レバー(1)の主軸に対して、概して約45度の鋭角(201)(上部で)で配置される。しかしながら、角度(201)は、鋭角である必要はまったくなく、平坦な下面(105)は、0度~180度の間の任意の角度で配置され得る。一実施形態では、概して平坦な下面(105)は、概して90度の角度で配置され、これにより、概して平坦な下面(105)は、集合レバー(1)の軸に概して垂直になる。再び、他の制御システムの実施形態(1101)、(2101)、および(3101)もまた、それぞれ、それらの関連する概して平坦な下面(1105)、(2105)、および(3105)を介して、概して同様の様式で取り付けられる。
【0037】
制御システム(101)、(1101)、(2101)、および(3101)は、概して立体のバルブ状形態の本体(103)、(1103)、(2103)、および(3103)を備える。上で考察されたように、概して平坦な下面(105)、(1105)、(2105)、および(3105)をともなうと、上面(106)、(1106)、(2106)、および(3106)は通常、それぞれ平坦な下面(105)、(1105)、(2105)、または(2105)から離れて延出する概して凸状形状を有する。実際には、制御システムに最も近い従来の数学的構造は半球と見なされ得るが、図に見ることができるように、4つの実施形態のうちのいずれにおいても、上面(106)、(1106)、(2106)、および(3106)は一般的な平滑曲線ではないが、それらは概して、バルブ形状を提供するために複数の相互作用するアークおよび曲線を含む。
【0038】
本体(103)、(1103)、(2103)、および(3103)の凸状上面(106)、(1106)、(2106)、および(3106)は、概して、それらの表面全体にわたって平滑弧ではないが、様々な輪郭および形状の一連の複数の相互作用アークを含む。特定の輪郭および形状は、異なる図示の実施形態にわたって異なり、図示の実施形態は、すべての可能な輪郭および形状を提供するわけではなく、それらは例示的なものと見なされる。図から明らかであるように、制御システム(101)、(1101)、(2101)、および(3101)の非平坦な上面(106)、(1106)、(2106)、および(3106)は、典型的には弓形であるか、または概して非規則的な波状凸形である。したがって、波形の一部として、上面(106)、(1106)、(2106)、または(3106)の一部分が実際に凹状になる可能性がある。例えば、
図22~29の実施形態は、そのような部分(2501)を有する。しかしながら、明らかであるように、結果として生じる上面(2106)の構造は、依然として概して凸状である。
【0039】
さらに、明らかであるように、上面(106)、(1106)、(2106)、および(3106)は、典型的には、本明細書において、本体(103)、(1103)、(2103)、および(3103)の「側面」を含むとも見なされる。これは、第1の実施形態では、
図7で最もよく見られるように、通常領域(111)、(113)、(115)、および(117)であり、その実施形態では、側面(111)、(113)、(115)、および(117)が上部(119)内に自由に流れるためである。他の実施形態もまた、概して、同様の様式で、上面(1106)、(2106)、および(3106)の一部として側面を含むことが明らかである。
図20で最もよく見られるように、第2の実施形態では、側面(1111)、(1113)、(1115)、および(1117)は、上部(1119)内に自由に流れる。
図28で最もよく見られるように、第3の実施形態では、側面(2111)、(2113)、(2115)、および(2117)は、上部(2119)内に自由に流れる。最後に、
図35で最もよく見られるように、第4の実施形態では、側面(3111)、(3113)、(3115)、および(3117)は、上部(3119)内に自由に流れる。
【0040】
実施形態間および実施形態内の両方の上面(106)、(1106)、(2106)、および(3106)における変形の理由の一部は、凸状の第2の表面が様々な特定の形状を有し得る一方で、その形状は、概して、概して開放された球形グリップにおける人の手の位置に少なくとも部分的に適合するように設計される。球形グリップは、円筒形とは対照的に、ボールを把持するために使用されるグリップであり、円筒形グリップのように、指の関節が概して互いに、および隣接して位置合わせされる代わりに、指は通常広げられ、各指の特定の曲がりは同様であってもなくてもよい一方で、主要な関節は概して位置合わせされておらず、単純または均一の複雑な曲線上に配置される。球形グリップは、多くの場合、手が本質的に管を形成する円筒形グリップとは対照的に、鉤爪または爪型の配置として手を提示することにより近い。また、親指は、人差し指/中指とともに円を形成するように配置されておらず、手のひらの側方に向けてより伸ばされる。
【0041】
本発明のデバイスでは、使用される球形グリップは、典型的には、より開放的な球形グリップである。すなわち、指は、一般的には、平滑な曲線に沿って広げられないであろう。球状グリップにおいて一般的であるように、親指はまた、手のひらの下に置かれて他の指の一本に触れるのではなく、より手の側方に位置付けられるように設計される。したがって、制御システム(101)、(1101)、(2101)、および(3101)の上面(106)、(1106)、(2106)、および(3106)は、それぞれ、標準的な人の手とほぼ同じ大きさであるか、またはわずかに大きい凸状の上面(106)、(1106)、(2106)、および(3106)を提示するように設計されており、その結果、指は、概して、平坦な下面(105)、(1105)、(2105)、または(3105)に接触するために、それぞれ凸状の上面(106)、(1106)、(2106)、および(3106)の周りに巻き付けることができない。しかしながら、パイロット間の手のサイズの単純な差異は、制御システム(101)、(1101)、(2101)、または(3101)と相互作用するいかなるパイロットも、他のどのパイロットともわずかに異なる結果として生じるハンドグリップ位置を有する可能性があることを意味するものと認識されたい。
【0042】
上で考察された実施形態は、いくつかの共通の特徴を共有するが、それらはまた、それらの形状および配向において相対的に異なる。したがって、本開示は、様々な実施形態の特定の形状について考察する。
図7および8で最もよく見られるように、第1の実施形態は、本体(103)の水平断面が、典型的には、大まかに言って四角形、すなわち「スクワークル」(丸みを帯びた角をともなう四角)形状を有することを提供する。
図2~8の実施形態の断面における本体(103)はまた、
図8で最もよく見られるように、延出された角(121)を含む。
図15~21の第2の実施形態は、
図20~21で最もよく見られるように、本体(1103)と本質的に同一の形状を有する。
【0043】
延出された角(121)および(1121)は、
図2~8および
図15~21の実施形態に存在し、システム(101)または(1101)のホーン部分(301)または(1301)の支持体として機能する。両方の実施形態では、ホーン部分(301)または(1301)は、延出部分(303)または(1303)と、上部に配置されたより大きい支持部分(305)または(1305)とを含む。したがって、ホーン部分(301)および(1301)は、概してバルブ状のマッシュルームの形をしており、概してマッシュルーム形または傘形と見なすことができる。しかしながら、
図2~8および15~21に見られるようにマッシュルームまたは傘体の「キャップ」は規則的な形状ではないが、代替の実施形態ではそうであってもよい。
【0044】
図7で最もよく見られるように、水平断面におけるホーン部分(301)の第1の実施形態は、大まかに言って鋭角台形または台形形状であるマッシュルームの支持部分(305)またはキャップを提供するが、これは必須ではない。これにより、支持部(305)は概して非円錐形を有する。支持部分(305)の形状は、本体部分(103)と同様に、典型的には、制御装置の取り付け位置を提供するように選択され、したがって、制御装置の性質、および指または親指がそれとどのように相互作用するかは、典型的には、支持部分(305)の特定の形状を決定付ける。第2の実施形態では、ホーン部分(1301)は同様の形状であるが、概してそこから延出するシリンダの形態において、別個の延出部(1302)を有する。
【0045】
図22~29の第3の実施形態を参照すると、この構造は、前の2つの実施形態とは少し異なるが、依然として本体(2103)および取り付けられたホーン部分(2301)と同じ基本形状および配置を保持することが明らかである。最も注目すべきことに、第3の実施形態は、第1および第2の実施形態のおおよそ「マッシュルーム」形状を有する分離されたホーン部分を利用しないが、代わりに、延出部分(3303)および支持部分(2305)は、本体(2103)からより自由に流れるホーン部分(2301)を提示するように、より相互につながっており、同様のサイズである。これによって、2つの部分(本体(2103)およびホーン部分(2301))がより一体的に見える構造を提供する。したがって、第3の実施形態は、ホーン部分(2301)が本体(103)に対して見えるよりも、本体(2103)からより直接流れるように見えるため、第1および第2の実施形態よりも、大まかに言って外観がモノリシックな形状を有する。
【0046】
第3の実施形態(
図22~29)では、本体(2103)の水平断面は、典型的には、大まかに言って長方形または他の四角形の形状を有し、丸い角を有し得るが、一般に第1の実施形態の本体(103)よりも正方形ではなく、多くの点で側面(2117)全体が延出しているため、延出された角(121)を欠くことになる。
図25で最もよく見られるように、本体(2103)は、本体(2103)が終わることが正確に示され、ホーン部分(2301)が始まると見なされる場所に応じて、張り出し部(2104)を提供するベース(2105)において、完全に延出する必要はないことに留意されたい。第3の実施形態のより流れるような性質のため、本体(2103)とホーン部分(2301)との間の特定の境界線を引くことは、実質的に不可能である。
【0047】
第3の実施形態は、第1または第2の実施形態よりも概してサドル形状であり、第3の実施形態上に位置付けられた手は、多くの場合、第1または第2の実施形態よりも、手のひらをより右に傾けており、下方に向けられることが少ないため、概して手が本体(2103)から滑り落ちないように補助する凹み(2501)を含む。また、ホーン部分(2301)は、別個の延出部分(303)および支持部分(305)を含まないが、制御装置(107)のいくつかは、本書の後述で想定されるように、異なる組の制御装置(107)間の親指移動を可能にする方式でホーン部分(2301)上に依然として位置付けられることも明らかである。したがって、図示の実施形態では、いくつかの制御装置(107)は、側面(117)上でより低く位置付けられる一方、1つの例示的な制御装置(107A)は、より高く位置付けられる。この後者の制御装置(107A)は、ホーン部分(2301)の「支持部分」上に効果的に位置付けられるが、そのような要素は、本実施形態では実際には区別できない。
【0048】
第4の実施形態は、本質的に、第3の実施形態の変形であり、さらに一体化されたホーン部分(3301)を示す。第4の実施形態において、本体(3103)の水平断面は同様に、大まかに言って長方形または他の四角形の形状を有し、丸い角を有し得るが、一般に第1の実施形態の本体(103)よりも正方形ではなく、延出された角(121)を欠くことになる。第3の実施形態とは対照的に、第4の実施形態は、第4の実施形態のホーン部分(3301)が、側面(3117)の周囲に構造を単純に延出することによって効果的に形成され、ややバルブ状の外観を与えるため、明確に区別できる細長いホーン部分(2301)を含まない。したがって、側面(3117)は、
図36で最もよく見られるように、側面(3113)よりも少し大きく、本体(3103)に正面から非対称な外観を与える。これによって、より別個のホーン部分(301)、(1301)、または(2301)を提供する他の3つの実施形態とは対照的に、正面からさらにより平行六面体の外観形状を提供する。また、第3の実施形態と同様に、第4の実施形態では分離された支持部は正式には含まれないが、異なる組の制御装置(107)の間の親指移動を可能にする方式で、制御装置(107B)のいくつかは、側面(3117)上により高く位置付けられ、いくつかは側面(3117)上により低く位置付けられる。したがって、少なくとも1つの制御装置(107B)は、他の制御装置(107)に対してより高く位置付けられ、支持部(3305)上に効果的に位置付けられる。さらに、任意の制御装置(107)と接触することなく親指を載せることができる空白領域(3118)が提供される。
【0049】
制御システム(101)、(1101)、(2101)、または(3101)の実施形態にかかわらず、目的は概して、本体(103)、(1103)、(2103)、または(3103)上で手の快適な位置付けを提供し、指および/または親指の制御装置(107)への容易なアクセスを提供することである。上で考察されたように、制御装置(107)は、設計選択の問題として本質的に交換可能であるため、制御装置(107)は、各実施形態内および実施形態をまたがっての両方で普遍的に標識付けされる。制御システム(101)、(1101)、(2101)、および(3101)の様々な実施形態の態様の1つはまた、制御装置(107)が依然として主に親指によって作動されることであり、したがって、親指は、制御装置(107)のオンおよびオフの両方をするように、ならびに異なる制御装置(107)の間で移動することが予想され、一方、各指は、通常、単一の制御装置(107)をオンまたはオフするように移動する。
【0050】
図2および3で最もよく見られるように、第1の実施形態の本体(103)の凸状上面(106)上に、概して前面(115)および右側面(117)に複数の制御装置(107)が位置付けられるための位置がある。これらの位置は、概して、手のひらが裏側(111)から凸状上面(106)の上部(119)に置かれるとき、指(403)、(405)、(407)、および(409)の先端および親指(401)はそれぞれ、適切な位置に対応する。そして、ホーン部分(301)の延出部分(303)は、概して、親指(401)を人差し指(403)につなぐ皮膚の曲面部(411)にまたはその付近に配置される。制御システム(1101)の第2の実施形態は、概して、制御装置(107)のほぼ同一の位置付けを有するであろう。
【0051】
制御システム(2101)および(3101)の第3および第4の実施形態は、概して、指による操作のために前面(2115)および(3115)に位置するいくつかの制御装置(107)、ならびに親指による操作のために右側面(2117)および(3117)に位置する制御装置(107)の選択と同様の位置付けを利用する。しかしながら、制御システム(2101)および(3101)は、最初の2つの実施形態の別個のホーン部分(117)および(1117)を欠いているため、これらの後続の実施形態のホーン部分(2117)および(3117)は、親指と指との間の曲面部内ではそれほど明確ではない。代わりに、ホーン部分(2117)および(3117)は、手の曲面部に対して論理的な支えをより提供する。さらに、後続の実施形態のホーン部分(2117)および(3117)上で、制御装置(107)の多くは、依然として概して親指によって使用するためにアクセス可能である。
【0052】
実施形態にかかわらず、制御システム(101)、(1101)、(2101)および(3101)の様々な実施形態における制御装置(107)の操作および使用は、通常、類似するであろう。手の位置付けを示すために、
図9~14は、制御システム(101)を握るために使用され得る手の位置を示す。制御システム(101)の第1の実施形態は、実施形態全体の例示的な手の位置を例示するためにこれらの図で使用され、第1および第2の実施形態は、概して、保持するのがより少し複雑であると見なされる(第3および第4の実施形態はより単純なグリップ配置を有する)。
【0053】
集合レバーは概してパイロットの左側にあるため、
図9~14に図示される人の手は左手である。当業者は、制御システム(101)が右手によって使用される場合、
図2~8の鏡像設計が使用され得ることを認識するであろう。
【0054】
図9~14はまた、親指(401)および/または指(403)、(405)、(407)、および(409)をどのように動かして、異なる制御装置(107)を操作するか、または手(400)が制御装置システム(101)上に有する概して球状のグリップを解放することなく、制御装置(107)から指を離すことができるかを示す。制御装置を操作する能力は、パイロットが、それらのグリップを解放することなく、その親指(401)だけでなく、その他の指(403)、(405)、(407)および(409)で制御装置(107)を操作することを可能にし、したがって、制御装置システムは、制御装置(107)の操作をはるかに容易にするとともに、より多くの制御装置(107)を提供する能力を提供し、より多くの制御装置は、
図1に示されるような制御装置システムのすぐ近くでまたは同時に操作される。
【0055】
また、
図9~14に示すようにパイロットが制御システム(101)を把持しているにもかかわらず、制御システム(101)の集合レバー(1)への取り付け位置のために、パイロットは、制御システム(101)から手(400)を離すことなく回転翼航空機の集合レバー(1)を依然として操作することができることも明らかである。具体的には、ユーザが制御システムの位置に基づいて制御システムを握っているとき、制御システム(101)を引くパイロットは、集合レバー(1)を上方に移動させる。
同様に、制御システム(101)を押すと、集合レバー(1)が下方に移動する。図示の実施形態では、ホーンの位置付けは、曲面部(411)が延出部分(303)に押し付けられて、追加の力の伝達を提供する役割を果たすとき、移動をさらに増強する。
【0056】
追加の制御装置(107)を上に取り付けるための支持部分(305)を提供することに加えて、ホーン(301)はまた、追加の利便を提供する。
図9~14に示すように、パイロットは制御システム(101)の本体(103)を握っているが、突然集合レバー(1)を大きく変更する必要がある場合、ホーン(301)は、把持するための追加の点を提供する。パイロットは、本体(103)から手を離し、本体(103)の周りを回って集合レバー(1)を直接把持する必要がある代わりに(そうすることも依然できるが)、本体(103)を放して、手をホーン(301)に巻き付けることができる。支持部(305)が典型的には本体(103)よりもはるかに小さいため、ユーザは支持部(305)の下に指を巻き付け、より多くの円筒形グリップを提供することを可能にする。なお、ホーン部分(301)の円筒形グリップは、シリンダレバー(1)が直接握られている場合と同様に、指が左側に向いているのではなく、パイロットの前方に向いている方が多い。
【0057】
ホーン部分(301)が集合レバー(1)の端子端(15)を効果的に超えているため、このようなグリップは、いずれかの方向でより大きい距離にわたって集合レバー(1)を素早く操作するために改善された梃子作用を実際に提供する。さらに、パイロットがホーン部分(301)の周りにより円筒形グリップまたはパワーグリップを有するため、手(400)が本体(103)上に置かれるときよりも、より容易に増加した力を集合レバー(1)に伝達する能力を与えることができる。さらに、より最新の回転翼航空機は、集合レバー(1)によるスロットル(5)の操作を必要としないため、パイロットは、集合レバー(1)を調整するためにスロットル(5)を把持する必要はない。
【0058】
本事例で使用された修飾語句「概して」、および同様の修飾語句は、装置を修飾用語に適合させるための認識可能な試みに対応するが、それにもかかわらずそうすることに達しない場合もあることが、当業者に理解されるであろう。これは、「平面」などの用語は純粋に幾何学的な定数であり、現実世界の構成要素は幾何学的な意味で真の「平面」ではないからである。特に、形状の相違、欠陥および不完全性、不均一な熱膨張、および自然な摩耗をもたらす製造公差により、幾何学的および数学的記述からの相違は避けられない。さらに、すべての物体に対して、物質の性質により幾何記述子および数学記述子が機能しない倍率レベルが存在する。したがって、当業者は、「概して」という用語、およびそのような修飾語の含有にかかわらず、これらおよび他の考慮事項を考慮して、この用語の文字通りの幾何学的意味からの一連の相違を含むように本明細書で企図される関係を理解するであろう。
【0059】
本発明は、現在好ましい実施形態であると考えられる実施形態を含む特定の実施形態の説明と併せて開示されてきたが、詳細な説明は例示的であることが意図され、本開示の範囲を限定するように理解されるべきではない。当業者に理解されるように、本明細書に詳細に説明される実施形態以外の実施形態は、本発明によって包含される。記載された実施形態の修正および変形は、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく行われ得る。
【0060】
本開示の任意の単一の構成要素に対して与えられる範囲、値、性質、または特性のいずれも、互換性がある場合、本明細書全体を通して与えられるように、本開示の他の構成要素のいずれかに対して与えられる任意の範囲、値、性質、または特性と互換的に使用されて、構成要素の各々について定義された値を有する実施形態を形成し得ることをさらに理解されたい。さらに、特に断りのない限り、属またはカテゴリに提供される範囲は、属またはカテゴリのメンバー内の種にも適用され得る。