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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-04
(45)【発行日】2023-10-13
(54)【発明の名称】ケーブル駆動装置
(51)【国際特許分類】
   B66D 1/39 20060101AFI20231005BHJP
   A01K 1/01 20060101ALI20231005BHJP
【FI】
B66D1/39
A01K1/01 A
【請求項の数】 31
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022037659
(22)【出願日】2022-03-11
(62)【分割の表示】P 2020005554の分割
【原出願日】2015-01-21
(65)【公開番号】P2022078264
(43)【公開日】2022-05-24
【審査請求日】2022-04-11
(31)【優先権主張番号】61/929,748
(32)【優先日】2014-01-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516216531
【氏名又は名称】ゲア ファーム テクノロジーズ カナダ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100185269
【弁理士】
【氏名又は名称】小菅 一弘
(72)【発明者】
【氏名】コートマンシェ アラン
(72)【発明者】
【氏名】デスロシャー ヤン
(72)【発明者】
【氏名】コートマンシェ デニス
(72)【発明者】
【氏名】デマンシェ ノルマン
【審査官】三宅 達
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2004/0261205(US,A1)
【文献】米国特許第03456899(US,A)
【文献】英国特許出願公開第02183212(GB,A)
【文献】実開平01-062291(JP,U)
【文献】実開昭48-070671(JP,U)
【文献】特開昭53-033878(JP,A)
【文献】実開昭50-059274(JP,U)
【文献】仏国特許出願公開第02437367(FR,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66D 1/00-5/34
A01K 1/01
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フリーストール・クリーニングシステムと共に使用するためのケーブル駆動装置であって、
ベースフレーム、
対応する変位アセンブリを介して前記ベースフレームに関して変位可能である支持フレーム、および、
前記支持フレームのまわりに旋回軸的に装着可能なドラムであって、前記ドラムのまわりに巻回されるケーブルを受け入れるためにそれとともに変位可能である、ドラム、
を備え、前記ドラムは、少なくとも1つの歯付き外周エッジを備え、前記少なくとも1つの歯付き外周エッジは、対応する駆動アセンブリによって駆動されるように構成され、
前記ドラムのまわりに巻回されるケーブルセグメント間には、1/16インチと1/8インチとの間の範囲の間隔が設けられ、
前記支持フレームは、前記ベースフレームの少なくとも1つの対応するレールを通じて移動するための少なくとも1つの車輪を備え、
前記少なくとも1つの対応するレールは、前記支持フレームがその上を移動するように構成される第1および第2の対応するレールを備え、
前記少なくとも1つの車輪は、前記ベースフレームの前記第1の対応するレールを通じて移動するための車輪の第1のペア、および前記ベースフレームの前記第2の対応するレールを通じて移動するための車輪の第2のペアを備え、
前記ドラムのまわりに前記ケーブルを巻き付けておよび巻き戻すように、したがって、2つの異なる方向に沿ってフリーストール・クリーニングシステムを動作可能にするように、前記駆動アセンブリは、第1の回転方向に沿って、および第2の逆の回転方向に沿って、前記ドラムを駆動するように構成され、
前記ドラムの軸と前記変位アセンブリとの間に動作的に接続可能な伝達アセンブリであって、前記ドラムの回転変位ごとの特定の横変位によって前記支持フレームおよび対応するドラムを前記ベースフレームに関して横に変位させるように構成されており、
前記伝達アセンブリは、所与のスパンの範囲内で前記支持フレームのまわりに旋回軸的に装着可能なウォームギアを備え、前記ウォームギアの回転が前記ベースフレームに関して前記支持フレームの横変位を次々に駆動するように、前記ウォームギアは、前記ベースフレームの固定コンポーネントの範囲内で螺合可能である、
ケーブル駆動装置。
【請求項2】
フリーストール・クリーニングシステムと共に使用するためのケーブル駆動装置であって、
ベースフレーム、
前記ベースフレーム上に動作的に装着可能な支持フレームであって、対応する変位アセンブリを介して前記ベースフレームに関して横に変位可能である、支持フレーム、および、
ドラムのまわりに巻回されるケーブルを受け入れるための、前記支持フレームのまわりに旋回軸的に装着可能である、ドラム、
を備え、前記ドラムは、少なくとも1つの歯付き外周エッジを備え、前記少なくとも1つの歯付き外周エッジは、対応する駆動アセンブリによって駆動されるように構成され、
前記ドラムのまわりに巻回されるケーブルセグメント間には、1/16インチと1/8インチとの間の範囲の間隔が設けられ、
前記支持フレームは、前記ベースフレームの少なくとも1つの対応するレールを通じて移動するための少なくとも1つの車輪を備え、
前記少なくとも1つの対応するレールは、前記支持フレームがその上を移動するように構成される第1および第2の対応するレールを備え、
前記少なくとも1つの車輪は、前記ベースフレームの前記第1の対応するレールを通じて移動するための車輪の第1のペア、および前記ベースフレームの前記第2の対応するレールを通じて移動するための車輪の第2のペアを備え、
前記ドラムのまわりに前記ケーブルを巻き付けておよび巻き戻すように、したがって、2つの異なる方向に沿ってフリーストール・クリーニングシステムを動作可能にするように、前記駆動アセンブリは、第1の回転方向に沿って、および第2の逆の回転方向に沿って、前記ドラムを駆動するように構成され、
前記ドラムの軸と前記変位アセンブリとの間に動作的に接続可能な伝達アセンブリであって、前記ドラムの回転変位ごとの特定の横変位によって前記支持フレームおよび対応するドラムを前記ベースフレームに関して横に変位させるように構成されており、
前記伝達アセンブリは、所与のスパンの範囲内で前記支持フレームのまわりに旋回軸的に装着可能なウォームギアを備え、前記ウォームギアの回転が前記ベースフレームに関して前記支持フレームの横変位を次々に駆動するように、前記ウォームギアは、前記ベースフレームの固定コンポーネントの範囲内で螺合可能である、
ケーブル駆動装置。
【請求項3】
前記ベースフレームに関する前記支持フレームの変位は、インクリメンタルになされる、請求項1に記載のケーブル駆動装置。
【請求項4】
前記ベースフレームに関する前記支持フレームの変位は、前記ドラムの回転変位と同期する、請求項1に記載のケーブル駆動装置。
【請求項5】
前記ベースフレームに関する前記支持フレームの変位は、前記伝達アセンブリの対応する伝達比を介して前記ドラムの回転変位と同期する、請求項1に記載のケーブル駆動装置。
【請求項6】
前記伝達アセンブリは、前記ドラムを前記ウォームギアに動作的に連結しているチェーンを備える、請求項1に記載のケーブル駆動装置。
【請求項7】
前記ドラムの軸の一部は、第1のギアを備え、前記ウォームギアの一部は、第2のギアを備え、前記チェーンは、前記伝達アセンブリの前記第1および第2のギア上に取り付けられていて、前記第1および第2のギア間に所与のギア比が確立している、請求項に記載のケーブル駆動装置。
【請求項8】
前記伝達アセンブリは、前記チェーンの範囲内で所与のテンションを確実にするためのチェーン・テンショナを備える、請求項に記載のケーブル駆動装置。
【請求項9】
前記ギア比は、前記ドラムの直径に関して選択される、請求項に記載のケーブル駆動装置。
【請求項10】
前記支持フレームおよび対応するドラムの変位は、前記ドラムのまわりに巻回される前記ケーブルの直径に関して選択される、請求項1に記載のケーブル駆動装置。
【請求項11】
前記ケーブル駆動装置の前記ドラムは、前記支持フレームおよび対応するドラムのインクリメンタル横変位ごとに1回転するように構成され、前記インクリメンタル横変位は、前記ドラムのまわりに巻回される前記ケーブルの直径に実質的に対応する、請求項1に記載のケーブル駆動装置。
【請求項12】
前記ベースフレームは、前記支持フレームがその上を移動するように構成される少なくとも1つのレールを備える、請求項1に記載のケーブル駆動装置。
【請求項13】
前記支持フレームの各車輪は、前記ベースフレームの対応するレールの対応するサイドエッジを通じて移動するために位置決めされ、成形され、サイズ合せされた円周方向溝を備える、請求項1に記載のケーブル駆動装置。
【請求項14】
前記レールの前記サイドエッジは、前記レール上にしっかりと取り付け可能な角バーである、請求項13に記載のケーブル駆動装置。
【請求項15】
各車輪の円周方向溝は、前記車輪がその上を移動することを意図する前記レールの形状と相補的である、請求項13に記載のケーブル駆動装置。
【請求項16】
各車輪の円周方向溝は、前記車輪がその上を移動することを意図する前記レールの前記サイドエッジの形状と相補的である、請求項13に記載のケーブル駆動装置。
【請求項17】
前記支持フレームの各車輪の各回転軸は、前記ドラムに向かって内向きに傾斜している、請求項1に記載のケーブル駆動装置。
【請求項18】
各レールは、前記ベースフレームに関して実質的に傾斜している、請求項1に記載のケーブル駆動装置。
【請求項19】
変位可能な前記支持フレームは、前記ケーブル駆動装置の傾斜したレールに対して形状において相補的な底部部分を備える、請求項1に記載のケーブル駆動装置。
【請求項20】
前記ドラムの周面は、滑らかである、請求項1に記載のケーブル駆動装置。
【請求項21】
前記ドラムの周面は、前記ドラム上に前記ケーブルの対応する巻回セグメントを受け入れるための凹んだ列を備える、請求項1に記載のケーブル駆動装置。
【請求項22】
前記ドラムは、少なくとも1つの歯付き外周エッジを備え、前記歯付き外周エッジは、対応する駆動アセンブリによって駆動される、請求項1に記載のケーブル駆動装置。
【請求項23】
前記ケーブル駆動装置は、前記ベースフレームに関して前記支持フレームの移動の距離を制限するための範囲制限アセンブリを備える、請求項1に記載のケーブル駆動装置。
【請求項24】
範囲制限アセンブリは、変位可能な前記支持フレーム上に動作的に載置される第1のおよび第2のプレートを備え、その各々は、移動の終端で所与のスイッチと接触するように構成され、その結果、前記移動の前記終端で、前記スイッチと接触した対応するプレートは、前記駆動アセンブリの所与の回転駆動方向をオフにして、別の逆の所与の回転駆動方向をオンにし、これにより、前記ケーブル駆動装置の動作の間、変位可能な前記支持フレームをレシプロ式に横に往復移動させる、請求項23に記載のケーブル駆動装置。
【請求項25】
前記スイッチは、前記ベースフレームの前記固定コンポーネント上に装着可能である、請求項24に記載のケーブル駆動装置。
【請求項26】
請求項1に記載の少なくとも1つのケーブル駆動装置を備える、フリーストール・クリーニングシステム。
【請求項27】
前記フリーストール・クリーニングシステムは、スクレーパ、車輪、プーリおよびケーブルから成る群から選択される少なくとも1つのアクセサリを備える、請求項26に記載のフリーストール・クリーニングシステム
【請求項28】
請求項1に記載のケーブル駆動装置を組み立てるための対応するコンポーネントを有するキット。
【請求項29】
フリーストール・クリーニングシステムと共に使用するためのケーブル駆動装置であって、
ベースフレーム、
対応する変位アセンブリを介して前記ベースフレームに関して変位可能である支持フレーム、および、
前記支持フレームのまわりに旋回軸的に装着可能なドラムであって、前記ドラムのまわりに巻回されるケーブルを受け入れるためにそれとともに変位可能である、ドラム、
を備え、前記ドラムは、少なくとも1つの歯付き外周エッジを備え、前記少なくとも1つの歯付き外周エッジは、対応する駆動アセンブリによって駆動されるように構成され、
前記ドラムのまわりに巻回されるケーブルセグメント間には、1/16インチと1/8インチとの間の範囲の間隔が設けられ、
前記支持フレームは、前記ベースフレームの少なくとも1つの対応するレールを通じて移動するための少なくとも1つの車輪を備え、
前記少なくとも1つの対応するレールは、前記支持フレームがその上を移動するように構成される第1および第2の対応するレールを備え、
前記少なくとも1つの車輪は、前記ベースフレームの前記第1の対応するレールを通じて移動するための車輪の第1のペア、および前記ベースフレームの前記第2の対応するレールを通じて移動するための車輪の第2のペアを備え、
前記ドラムの軸と前記変位アセンブリとの間に動作的に接続可能な伝達アセンブリであって、前記ドラムの回転変位ごとの特定の横変位によって前記支持フレームおよび対応するドラムを前記ベースフレームに関して横に変位させるように構成されており、
前記ベースフレームに関する前記支持フレームの変位は、前記ドラムの回転変位と同期し、
前記ベースフレームに関する前記支持フレームの変位は、前記伝達アセンブリの対応する伝達比を介して前記ドラムの回転変位と同期し、
前記伝達アセンブリは、所与のスパンの範囲内で前記支持フレームのまわりに旋回軸的に装着可能なウォームギアを備え、前記ウォームギアの回転が前記ベースフレームに関して前記支持フレームの横変位を次々に駆動するように、前記ウォームギアは、前記ベースフレームの固定コンポーネントの範囲内で螺合可能であり、
前記伝達アセンブリは、前記ドラムを前記ウォームギアに動作的に連結しているチェーンを備え、
前記ドラムの軸の一部は、第1のギアを備え、前記ウォームギアの一部は、第2のギアを備え、前記チェーンは、前記伝達アセンブリの前記第1および第2のギア上に取り付けられていて、前記第1および第2のギア間に所与のギア比が確立している、
ケーブル駆動装置。
【請求項30】
前記支持フレームの各車輪は、前記ベースフレームの各対応するレールの対応するサイドエッジを通じて移動するために位置決めされ、成形され、サイズ合せされた円周方向溝を備え、
各対応するレールの前記サイドエッジは、前記ベースフレーム上にしっかりと取り付け可能な角バーであり、
各車輪の円周方向溝は、前記車輪がその上を移動することを意図する各レールの形状と相補的であり、
各車輪の円周方向溝は、前記車輪がその上を移動することを意図する各レールの前記サイドエッジの形状と相補的であり、
前記支持フレームの各車輪の各回転軸は、前記ドラムに向かって内向きに傾斜しており、
各レールは、前記ベースフレームに関して実質的に傾斜しており、
変位可能な前記支持フレームは、前記ケーブル駆動装置の傾斜した各レールに対して形状において相補的な底部部分を備え、
前記ドラムの周面は、滑らかであり、
ケーブル駆動装置の前記少なくとも1つの歯付き外周エッジは、前記ドラムの反対端に一対の歯付き外周エッジを備え、対応する駆動アセンブリは一対の駆動アセンブリを備え、各1つは、所与の回転方向に沿って前記ドラムを駆動するために使用され、
前記ドラムのまわりに前記ケーブルを巻き付けておよび巻き戻すように、前記駆動アセンブリは、第1の回転方向に沿って、および第2の逆の回転方向に沿って、前記ドラムを駆動するように構成される、請求項29に記載のケーブル駆動装置。
【請求項31】
前記ケーブル駆動装置は、前記ベースフレームに関して前記支持フレームの移動の距離を制限するための範囲制限アセンブリを備え、
範囲制限アセンブリは、変位可能な前記支持フレーム上に動作的に載置される第1のおよび第2のプレートを備え、各プレートは、前記支持フレームの移動の終端で所与のスイッチと接触するように構成され、その結果、前記移動の前記終端で、前記所与のスイッチと接触したプレートの1つは、前記伝達アセンブリの所与の回転駆動方向をオフにして、別の逆の所与の回転駆動方向をオンにし、これにより、前記ケーブル駆動装置の動作の間、変位可能な前記支持フレームをレシプロ式に横に往復移動させ、
前記所与のスイッチは、前記ベースフレームの前記固定コンポーネント上に装着可能である、請求項29に記載のケーブル駆動装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケーブル駆動装置(以後、単に「駆動装置」とも称される)に関する。より詳しくは、本発明は、ケーブル駆動装置に関し、ケーブル駆動装置をアセンブルするためのキットに関し、この種のケーブル駆動装置および/または結果として生じるアセンブリを備えるプラント(例えば、農場、牛舎など)に関し、そしてそれに結びついた組立ておよび操作の対応する方法に関する。本願は、2014年1月21日付けの米国仮特許出願第61/929,748号の優先権を主張し、そしてその内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
フリーストール・クリーナシステムおよびそれと共に使用される対応するケーブル駆動装置は、公知技術である。
【0003】
例えば、フリーストール・クリーナは、フリーストール牛舎の路地を掃除するために概して使用される。
【0004】
実際、ウシを連れて行く1つの可能な例として、図1に示すように、それらは牛舎を歩くことが概してできて、そして、ウシから生じる肥料は路地に定着する。
【0005】
従来のフリーストール・クリーナの主コンポーネントは、概して、
a)スクレーパ(図1に例示される)、
b)少なくとも1つのケーブル駆動装置(図2に例示される)、
c)車輪および/またはプーリ(図3に例示される)、および、
d)ナイロン・ロープまたは鋼線(図4に例示される)、である。
【0006】
図1図8から、そして特に図5からよく理解できるように、概して、ケーブル駆動装置は、一側上でドラムのまわりをケーブルで巻いて、スクレーパの1つを引く。同時に、ドラムの他側上のケーブルは、巻き戻される。このように、他のスクレーパが位置に戻るために駆動装置に戻る一方で、スクレーパは、肥料を放出するために側溝まで概して進行している。
【0007】
ドラムのまわりのケーブルの巻き付けの間、駆動装置の稼動の間のケーブル・アラインメントが非常に重要であることも公知である。ケーブルセグメント間の摩擦がケーブルに早期に摩耗を引き起こすので、ケーブルがそれ自体に重なる(すなわち、ケーブルの1つの列またはセグメントが別の列またはセグメントに重なる)ことを、人は望まない。
【0008】
図6に例示されるように、従来公知であり、適正なアラインメントを確実にすることを目的とする従来のシステムは、「ケーブルガイド」である。概して、ケーブルは、チェーンおよびスプロケットによって駆動されるウォーム軸上に取り付けられる2つのガイド間を通過する。互いにこすれている各ケーブル・ラップを回避するために良好な巻きを確実にするために、ピッチまたは送り速度は、慎重に算出される。
【0009】
この種の従来のケーブル駆動装置および/またはチェーンガイドと関連したいくつかの不利点も、従来公知である。すなわち、そして残念なことに、アラインメントのための圧力をケーブルガイドが適用するときに、ケーブルは摺り減る。(すなわち、所与の日に数回転ありえて、実際に年間の間などに、大部分のケーブル駆動装置が24/7稼動されると想定すれば、ドラムの回転ごとに所望の位置/列でドラムのまわりに巻回されていることを確実にするためにチェーンガイドがケーブルを押すときに、チェーンガイドとケーブルとの間に相当数の擦れがある。)
【0010】
特に、図8に例示されるように、スクレーパがそのストロークの終端にあるときに(すなわち、ケーブルに多くのテンション(約2500~3000ポンド)があるときに、そして、ドラムに関してケーブルが相当な「角度」にあるときに)、チェーンガイドとケーブルとの間の圧力は、かなり増加する。対応する欠点(点検および/または交換、交換が必要とされる牛舎の故障時間による産生ロスなどと関連したかなりの時間および経費)とともに、チェーンガイドとケーブルとの間のこの摩擦は、ケーブルの早まった摩耗に結果としてなる。いくらかの場合/牛舎において、ケーブルは、4ヵ月毎に交換されることを必要とする。そしてそれは、先に簡単に述べられる明らかな理由のために、非常に望ましくない。
【0011】
図5から容易に理解できるように、従来のケーブル駆動装置と関連した他の実質的な欠点は、掃除される長い路地があるときに、より長いケーブルがドラムに巻き付けられることを必要とするということである。そしてそれは、コーナ車輪の存在という事実、および従来のケーブル駆動装置が固定された支点フレームを有し、そしてケーブルをドラムのまわりに巻き付けるためにケーブルがドラムの全体を非常に長い横断の幅に沿ってケーブルガイドとともに強制的に移動しなければならないという事実に起因して、ストロークの終端で発生している有意な(すなわち、大きく、広い、などの)角度に、結果としてなる。ケーブル駆動装置の通常の稼動を確実にするために必要とされるこれらの有意な角度は、次に、ケーブルのあまりに誇張されたまたは過酷な角度を防止するために、ケーブル駆動装置の両側の前方(すなわち、図5に示すようにケーブル駆動装置とコーナ車輪との間)において特定の最小クリアランス(例えば、6フィート)を尊重しなければならないことを必要とし、そしてそれは、次に、他のさまざまな異なるフリーストール・クリーニング・レイアウトにおける(特に制限された空間などを伴う領域における)従来のケーブル駆動装置を使用から農業従事者を妨げる。
【0012】
従来のケーブル駆動装置と関連した他の実質的な欠点は、図6に示すように、チェーンガイドが地面に非常に近いということである。そしてそれは、明らかな理由のためにも望ましくない不必要な破片および物質(例えば、牛舎からの肥料)を蓄積しがちである。
【0013】
それ故、前述の観点から、上述した従来技術の課題のいくらかを解決しておよび/または直すことが可能な改良されたケーブル駆動装置の必要性がある。より詳しくは、稼動中(例えば、巻き付け、引き付け、など)、ケーブルの適正なアラインメントを保つことを確実にすると共に、ケーブルとの摩擦を排除することを可能にするケーブル駆動装置を提供することは、特に役立つ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の目的は、その設計およびコンポーネントによって、上述のニーズのいくらかを満たすケーブル駆動装置、そしてしたがって、従来公知の他の関連したケーブル駆動装置および/またはケーブル駆動方法の改良を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明によれば、本明細書において簡潔に述べられるもののような、そして、添付図面に例示されるもののようなケーブル駆動装置を用いて、本説明から容易に理解されるように、上記目的は、達成される。
【0016】
より詳しくは、本発明の一態様によれば、
ベースフレーム、
対応する変位(displacement)アセンブリを介してベースフレームに関して変位可能である支持フレーム、および、
支持フレームのまわりに旋回軸的に装着可能なドラムであって、ドラムのまわりに巻回されるケーブルを受け入れるためにそれとともに変位可能である、ドラム、
を備える、ケーブル駆動装置が提供される。
【0017】
本発明の別の態様によれば、
ベースフレーム、
ベースフレーム上に動作的に(operatively)装着可能な支持フレームであって、対応する変位アセンブリを介してベースに関して横に変位可能である、支持フレーム、および、
ドラムのまわりに巻回されるケーブルを受け入れるための、支持フレームのまわりに旋回軸的に装着可能である、ドラム、
を備える、ケーブル駆動装置が提供される。
【0018】
本発明の別の態様によれば、上述のケーブル駆動装置を備えるアセンブリ(例えば、フリーストール・クリーナなど)および/またはプラント(例えば、農場、牛舎など)も提供される。
【0019】
本発明のさらに別の態様によれば、上述のケーブル駆動装置、アセンブリおよび/またはプラントを組み立てる方法も提供される。
【0020】
本発明のさらに別の態様によれば、上述のケーブル駆動装置、アセンブリおよび/またはプラントの操作方法も提供される。
【0021】
より詳しくは、本発明の所与の態様によれば、ケーブル駆動装置のドラムのまわりにケーブルを巻き付ける方法であって、ケーブルがドラムのまわりに巻き付けられている間、ベースフレームに関してドラムを変位させるステップを含む、方法も提供される。方法は、ケーブルがドラムから巻き戻されている間、ベースフレームに関してドラムを反対に変位させるステップをさらに含んでよい。本ケーブル駆動装置の異なるコンポーネントの動作および特徴を参照して本明細書においてより詳細に述べるように、方法は、さまざまな他の付加的および/またはサブステップを含んでよい。
【0022】
本発明の別の態様によれば、上述のケーブル駆動装置、アセンブリおよび/またはプラントを組み立てるための対応するコンポーネントを有するキットも提供される。
【0023】
本発明のさらに別の態様によれば、上述のキットのコンポーネントと交換するためのコンポーネントセットも提供される。
【0024】
本発明のさらに別の態様によれば、上述のキットおよび/またはセットのコンポーネントを組み立てる方法も提供される。
【0025】
本発明のさらに別の態様によれば、上述のケーブル駆動装置、アセンブリ、プラント、キット、セットおよび/または方法を用いたビジネスを行うも提供される。
【0026】
本発明の目的、利点、および他の特徴は、添付図面を参照して、例証のためにだけ与えられる、好ましい実施形態の以下の非限定的な説明を読むと、即座に、より明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1図1は、従来技術によるケーブル駆動装置のおよび/またはその対応するコンポーネント/アクセサリの異なる図である。
図2図2は、従来技術によるケーブル駆動装置のおよび/またはその対応するコンポーネント/アクセサリの異なる図である。
図3図3は、従来技術によるケーブル駆動装置のおよび/またはその対応するコンポーネント/アクセサリの異なる図である。
図4図4は、従来技術によるケーブル駆動装置のおよび/またはその対応するコンポーネント/アクセサリの異なる図である。
図5図5は、従来技術によるケーブル駆動装置のおよび/またはその対応するコンポーネント/アクセサリの異なる図である。
図6図6は、従来技術によるケーブル駆動装置のおよび/またはその対応するコンポーネント/アクセサリの異なる図である。
図7図7は、従来技術によるケーブル駆動装置のおよび/またはその対応するコンポーネント/アクセサリの異なる図である。
図8図8は、従来技術によるケーブル駆動装置のおよび/またはその対応するコンポーネント/アクセサリの異なる図である。
図9図9は、本発明の可能な実施形態によるケーブル駆動装置のおよび/またはその対応するコンポーネント/アクセサリの異なる図であり、特定の図は、ケーブル駆動装置の内部のコンポーネントおよび特徴をよりよく示すためにケーブル駆動装置の外部のコンポーネント/パネルのいくつかが取り外されて示される。
図10図10は、本発明の可能な実施形態によるケーブル駆動装置のおよび/またはその対応するコンポーネント/アクセサリの異なる図であり、特定の図は、ケーブル駆動装置の内部のコンポーネントおよび特徴をよりよく示すためにケーブル駆動装置の外部のコンポーネント/パネルのいくつかが取り外されて示される。
図11図11は、本発明の可能な実施形態によるケーブル駆動装置のおよび/またはその対応するコンポーネント/アクセサリの異なる図であり、特定の図は、ケーブル駆動装置の内部のコンポーネントおよび特徴をよりよく示すためにケーブル駆動装置の外部のコンポーネント/パネルのいくつかが取り外されて示される。
図12図12は、本発明の可能な実施形態によるケーブル駆動装置のおよび/またはその対応するコンポーネント/アクセサリの異なる図であり、特定の図は、ケーブル駆動装置の内部のコンポーネントおよび特徴をよりよく示すためにケーブル駆動装置の外部のコンポーネント/パネルのいくつかが取り外されて示される。
図13図13は、本発明の可能な実施形態によるケーブル駆動装置のおよび/またはその対応するコンポーネント/アクセサリの異なる図であり、特定の図は、ケーブル駆動装置の内部のコンポーネントおよび特徴をよりよく示すためにケーブル駆動装置の外部のコンポーネント/パネルのいくつかが取り外されて示される。
図14図14は、本発明の可能な実施形態によるケーブル駆動装置のおよび/またはその対応するコンポーネント/アクセサリの異なる図であり、特定の図は、ケーブル駆動装置の内部のコンポーネントおよび特徴をよりよく示すためにケーブル駆動装置の外部のコンポーネント/パネルのいくつかが取り外されて示される。
図15図15は、本発明の可能な実施形態によるケーブル駆動装置のおよび/またはその対応するコンポーネント/アクセサリの異なる図であり、特定の図は、ケーブル駆動装置の内部のコンポーネントおよび特徴をよりよく示すためにケーブル駆動装置の外部のコンポーネント/パネルのいくつかが取り外されて示される。
図16図16は、本発明の可能な実施形態によるケーブル駆動装置のおよび/またはその対応するコンポーネント/アクセサリの異なる図であり、特定の図は、ケーブル駆動装置の内部のコンポーネントおよび特徴をよりよく示すためにケーブル駆動装置の外部のコンポーネント/パネルのいくつかが取り外されて示される。
図17図17は、本発明の可能な実施形態によるケーブル駆動装置のおよび/またはその対応するコンポーネント/アクセサリの異なる図であり、特定の図は、ケーブル駆動装置の内部のコンポーネントおよび特徴をよりよく示すためにケーブル駆動装置の外部のコンポーネント/パネルのいくつかが取り外されて示される。
図18図18は、本発明の可能な実施形態によるケーブル駆動装置のおよび/またはその対応するコンポーネント/アクセサリの異なる図であり、特定の図は、ケーブル駆動装置の内部のコンポーネントおよび特徴をよりよく示すためにケーブル駆動装置の外部のコンポーネント/パネルのいくつかが取り外されて示される。
図19図19は、本発明の可能な実施形態によるケーブル駆動装置のおよび/またはその対応するコンポーネント/アクセサリの異なる図であり、特定の図は、ケーブル駆動装置の内部のコンポーネントおよび特徴をよりよく示すためにケーブル駆動装置の外部のコンポーネント/パネルのいくつかが取り外されて示される。
図20図20は、本発明の可能な実施形態によるケーブル駆動装置のおよび/またはその対応するコンポーネント/アクセサリの異なる図であり、特定の図は、ケーブル駆動装置の内部のコンポーネントおよび特徴をよりよく示すためにケーブル駆動装置の外部のコンポーネント/パネルのいくつかが取り外されて示される。
図21図21は、本発明の可能な実施形態によるケーブル駆動装置のおよび/またはその対応するコンポーネント/アクセサリの異なる図であり、特定の図は、ケーブル駆動装置の内部のコンポーネントおよび特徴をよりよく示すためにケーブル駆動装置の外部のコンポーネント/パネルのいくつかが取り外されて示される。
図22図22は、本発明の可能な実施形態によるケーブル駆動装置のおよび/またはその対応するコンポーネント/アクセサリの異なる図であり、特定の図は、ケーブル駆動装置の内部のコンポーネントおよび特徴をよりよく示すためにケーブル駆動装置の外部のコンポーネント/パネルのいくつかが取り外されて示される。
図23図23は、本発明の可能な実施形態によるケーブル駆動装置のおよび/またはその対応するコンポーネント/アクセサリの異なる図であり、特定の図は、ケーブル駆動装置の内部のコンポーネントおよび特徴をよりよく示すためにケーブル駆動装置の外部のコンポーネント/パネルのいくつかが取り外されて示される。
図24図24は、本発明の可能な実施形態によるケーブル駆動装置のおよび/またはその対応するコンポーネント/アクセサリの異なる図であり、特定の図は、ケーブル駆動装置の内部のコンポーネントおよび特徴をよりよく示すためにケーブル駆動装置の外部のコンポーネント/パネルのいくつかが取り外されて示される。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下の説明では、同じ参照番号は、同じ要素を参照する。さらに、単純性および明確性のために、すなわち、いくつかの参照番号で図に過度に負担をかけないように、数図のみが参照番号を備え、そして、他の図に示される本発明のコンポーネントおよび特徴は、そこから容易に推定されることができる。図に示される実施形態、幾何学的構成、記載の材料および/または寸法は、例証目的のためにだけ好ましい。
【0029】
さらに、本発明がケーブル駆動装置(好ましくは農場、牛舎および/または等のような所でストールの掃除のために使用するもの)と協働しているケーブルの用途に主に設計されたにもかかわらず、当業者にとって明らかなように、それは、他の目的と共におよび/または他のタイプの用途において使用されてよい。この理由で、本明細書において用いられる「ケーブル」、「ストール」、「クリーナ」、「農場」、「牛舎」、「ウシ」などの表現は、本発明の範囲を制限するようにとられてはならず、そして、本発明が使用されることができて、役立ってよい、他の全ての種類の目的および/または用途を含む。
【0030】
さらに、本発明の文脈において、表現「装置」、「クリーナ」、「デバイス」、「システム」、「アセンブリ」、「製品」、並びに業界で公知の他のいかなる等価な表現および/または合成語も、当業者にとって明らかなように、取り換えて使用される。これはまた、例えば以下のような、他のいかなる相互に等価な表現にも適用する。(a)「ケーブル」、「ロープ」、「リンク」、「コネクタ」、など、(b)「変位する」、「移動する」、「動く」、「回る」、「摺動する」、「並進する」、「滑空する」、など、(c)「横の」、「横断」、「横切って」、「曲げられる」、など、(d)、「ウォーム」、「ギア」、など(e)「列」、「セグメント」、「部分」、など、(f)「レール」、「トラック」、など、(g)「プラント」、「農場」、「牛舎」、など、(h)「横断」、「横断線」、「垂直」、「横切って」、「交差する」、など、(i)「巻く」、「ラップ」、「ロール」、「コイル」、など、並びに、当業者にとって明らかなように、上述した表現に関連するおよび/または本発明の他のいかなる構造および/または機能的態様にも関連する、他のいかなる相互に等価な表現に関しても同様である。
【0031】
さらに、本説明の文脈において、例えば拡張される(そしてその結果、縦軸ごとに実質的に「垂直な」「横断線の軸」、などがある)構成にあるときに、すべての細長い対象物が潜在的な「縦軸」または「中心線」(例えばシャフトの縦軸、またはケーブルの中心線)を有すること、並びに、結果として生じる完全に組立てられて使用可能なケーブル駆動装置を組立てるための対応するコンポーネントを有するキット(および/または同じものを含む結果として生じるアセンブリおよび/またはプラント(例えば、農場、牛舎、レイアウトなど))にも本発明が関するという点で、「接続されて」および「接続可能な」、または、「装着されて」および「装着可能な」のような表現が交換可能でもよいこと、は考慮される。
【0032】
加えて、添付図面に示したように、本発明の好ましい実施形態は、さまざまなコンポーネントを備えるけれども、そして、ケーブル駆動装置1および対応するパーツの好ましい実施形態は、図示されるように、本明細書において説明されて例示されるような特定の幾何学的構成から成るけれども、これらのコンポーネントおよびジオメトリの全部ではないものは、本発明にとって重要であり、したがって、それらの制限される感覚に取り入れられてはならず、すなわち、本発明の範囲を制限するようにとられてはならない。また、当業者にとって明らかなように、本明細書において簡単に説明されるように、そして、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、当業者によって本明細書から容易に推定されるように、他の適切なコンポーネントおよびそれらの間の協力、並びに他の適切な幾何学的構成は、本発明によるケーブル駆動装置1および対応するパーツの用に供されてよいことが理解される。
【0033】
広く記載されて、そして、添付図面によりよく例示されるように、本発明は、より良好な、より簡単な、より便利な、より信頼性が高い、そしてより耐久性のあるケーブル駆動/巻き付け用途を可能にする、改良された形状、コンポーネントおよび特徴を有するケーブル駆動装置(1)に関する。
【符号の説明】
【0034】
添付図面に示される対応する可能なコンポーネントのいくつかのための参照番号のリスト。
1 ケーブル駆動装置
3 ベースフレーム
5 支持フレーム
7 変位アセンブリ
9 ドラム
11 ケーブル
13 伝達アセンブリ
15 軸(ドラムの)
17 ウォームギア
19 固定されたコンポーネント(ベースフレームの)
21 チェーン
23 第1のギア
25 第2のギア
27 チェーン・テンショナ
29 レール
31 車輪
33 円周方向溝(車輪の)
35 サイドエッジ(レールの)
37 V字形バー(レールの)
39 回転軸(車輪の)
41 底部部分(支持フレームの)
43 周面(ドラムの)
45 歯付き外周エッジ(ドラムの)
47 駆動アセンブリ
49 範囲制限アセンブリ
51 プレート(範囲制限アセンブリの)
51a 第1のプレート(範囲制限アセンブリの)
51b 第2のプレート(範囲制限アセンブリの)
53 スイッチ
55 チェーンガイド
57 パネル
59 アクセサリ(ケーブル駆動装置の)
61 凹んだ列(ドラムの)
101 フリーストール・クリーニングシステム
【0035】
容易に理解されるように、本ケーブル駆動装置1は、添付図面に例示されるその設計、コンポーネントおよび特徴によって、ケーブル駆動装置1の動作(巻き付け、引き付け、など)の間、ケーブル11の適正なアラインメントを保つことを確実にすると共に、ケーブル11との摩擦を排除する(または、実質的に減少するために、非常に小さいものである)ことを可能にするという点で、特に有利である。
【0036】
出願人の努力は、交換部品の高いコストに起因して、ケーブル11の長寿命に集中した。したがって、本発明の目的は、ケーブル摩耗を防止して、摩擦を回避することができるかまたは少なくとも実質的に減らすことができる新規なケーブル巻き付け方法を提供するために可能な限り摩擦を排除することである。
【0037】
本説明および添付図面(すなわち、例えば図9)を参照するときによりよく理解されるように、従来システムの場合のように、「ケーブルガイド」によってケーブル11が「左」から「右」(そして、逆もまた同じ)に連続的に移動する「固定フレーム」を有する代わりに、ケーブル11が巻き付けられておよび/または巻き戻されるにつれてドラム9に関してケーブル11をアラインメントするために、本ケーブル駆動装置1の重要な特徴は、駆動装置フレーム(本明細書において「支持フレーム」9とも称される)が対応する変位アセンブリ7を介してベースフレーム3に関して「移動する」ようにそれが設計されるということである。
【0038】
1つの可能な実施形態によれば、図10に例示されるように、ベースフレーム3は、床に固定される。そして、例えば、チェーン、スプロケットおよび/またはウォーム軸により駆動されてよい変位アセンブリ7によって、駆動装置1は、ベースフレーム3に関して移動する。この特定の設計を用いて、ケーブル11と他のパーツとの間の摩擦は、排除されておよび/または実質的に減らされる。
【0039】
ケーブル駆動装置1は、以下の可能性があるコンポーネントおよび特徴(および/またはその異なる組合せ)の1つおよび/またはいくつかを含んでいるケーブル駆動装置1の形で構成されてよい。
【0040】
1つの可能な実施形態によれば、ケーブル駆動装置1は、ベースフレーム3、対応する変位アセンブリ7を介してベースフレーム3に関して変位可能な支持フレーム5、および、支持フレーム5のまわりに旋回軸的に装着可能で、そしてドラム9のまわりに巻回されるケーブル11を受け入れるためにそれとともに変位可能なドラム9、を備えてよい。
【0041】
他の可能な実施形態によれば、ケーブル駆動装置1は、ベースフレーム3、ベースフレーム3上に動作的に装着可能で、そして対応する変位アセンブリ7を介して前記ベースに関して横に変位可能である支持フレーム5、および、ドラム9のまわりに巻回されるケーブル11を受け入れるための支持フレーム5にまわりに旋回軸的に装着可能なドラム9、を備えてよい。
【0042】
実際、容易に理解されることができるように、そして本発明の任意の実施形態によれば、ドラムが「固定されて」、ケーブルが広範囲にわたる有意な角度を介して、一側から他側まで連続的に移動していて、「チェーンガイド」で前記ケーブル上へ強制的に押していて、早期の摩耗および他の望ましくない欠点を引き起こす従来の駆動装置に反して、巻き付けられておよび/または巻き戻されるケーブル11が実質的に固定状態において最適構成に保たれるように、そのまわりにケーブル11が巻き付けられておよび/または巻き戻される「ドラム」9は、駆動装置1の動作の間、「変位される」。
【0043】
容易に理解されることができるように、そして本発明によれば、ベースフレーム3に関してドラム9がレシプロモーション(例えば、行ったり来たりするなど)において変位される(すなわち、位置がずれる)方法は、さまざまでありえる。そして、ケーブル駆動装置1の動作の間、異なるコンポーネントおよび特徴は、支持フレーム5およびそれのまわりに旋回軸的に装着される対応するドラム9のこの変位を達成するために用いられうる。
【0044】
1つの可能な実施形態によれば、ケーブル駆動装置1は、ドラム9の軸15と変位アセンブリ7との間に動作的に接続可能な伝達アセンブリ13であって、ドラム9の回転変位ごとの特定の横変位によって支持フレーム5および対応するドラム9をベースフレーム3に関して横に変位させるために構成されている、伝達アセンブリ13、を備えてよい。
【0045】
ベースフレーム3に関する支持フレーム5の変位(例えば、横変位および/または他の)は、段階的なおよび/または革新的な方法でなされることができ、あるいは代わりに、ベースフレーム3に関する支持フレーム5の横変位は、インクリメンタルに(例えば、小さいインクリメント、ステップの方法などで)なされることができる。
【0046】
いずれの方法でも、好ましくは、ベースフレーム3に関する支持フレーム5の変位は、ドラム9の回転変位と同期するようになされる。
【0047】
任意の実施形態によれば、ベースフレーム3に関する支持フレーム5の変位は、伝達アセンブリ13の対応する伝達比またはステップを介してドラム9の回転変位と同期するようになされる。
【0048】
添付図面に例示されるように、伝達アセンブリ13は、所与のスパンの範囲内で支持フレーム5のまわりに旋回軸的に装着可能なウォームギア17を備えてよく、ウォームギアの回転がベースフレーム3に関して支持フレーム5の横変位を次々に駆動するように、前記ウォームギア17は、ベースフレーム3の固定コンポーネント19(例えば、垂直なポストなど)の範囲内で螺合可能である。
【0049】
1つの可能な実施形態によれば、例えば、図9によりよく示されるように、伝達アセンブリ13は、ドラム9をウォームギア17に動作的に連結しているチェーン21を備えてよい。
【0050】
また示されるように、ドラム9の軸15の一部は、第1のギア23を備えることができ、ウォームギア17の一部は、第2のギア25を備えることができる。そして、チェーン21は、伝達アセンブリ13の前記第1および第2のギア25上に取り付けられていて、そして、前記第1および第2のギア25間に所与のギア比が確立している。
【0051】
任意にも、伝達アセンブリ13は、チェーン21の範囲内で所与のテンションを確実にするためのチェーン・テンショナ27を備えてよい。
【0052】
1つの可能な実施形態によれば、ギア比は、ドラム9の直径に関して選択され、そして、支持フレーム5および対応するドラム9の変位は、ドラム9のまわりに巻回されるケーブル11の直径に関して選択される。
【0053】
好ましくは、ケーブル駆動装置1のドラム9は、支持フレーム5および対応するドラム9のインクリメンタル変位ごとに一回転するように構成され、前記インクリメンタル変位は、ドラム9のまわりに巻回されるケーブル11の直径に実質的に対応する。
【0054】
ケーブルセグメント間の間隔およびドラム9の構成は本システムにしたがって変化することができるけれども、1つの可能な実施形態によれば、ドラム9に巻回されるケーブルセグメント(または列など)間には、約1/16インチと約1/8インチとの間の範囲の間隔が設けられうる。
【0055】
添付図面を参照して容易に理解されることができるように、より詳しくは図9および図10によりよく示されるように、例えば、本発明の可能な実施形態によれば、ベースフレーム3は、支持フレーム5がその上を移動するように構成される少なくとも1つのレール29を備え、支持フレーム5は、ベースフレーム3の対応するレール29を通じて移動するための少なくとも1つの車輪31を備える。
【0056】
1つの任意の実施形態によれば、図9図24に例示されるように、ベースフレーム3は、支持フレーム5がその上を移動するように構成される一対のレール29を備え、支持フレーム5は、ベースフレーム3の第1の対応するレール29を通じて移動するための車輪31の第1のペア、およびベースフレーム3の第2の対応するレール29を通じて移動するための車輪31の第2のペアを備える。
【0057】
図10によりよく示されるように、支持フレーム5の各車輪31は、ベースフレーム3の対応するレール29の対応するサイドエッジ35を通じて移動するために位置決めされ、成形され、サイズ合せされた円周方向溝33を備えてよい。
【0058】
各車輪31の円周方向溝33は、車輪31がその上を移動することを意図するレール29の形状と相補的であるように好ましくは構成される、または少なくとも、各車輪31の円周方向溝33は、車輪31がその上を移動することを意図するレール29のサイドエッジ35の形状と相補的である、という点で、レール29のサイドエッジ35は、レール29上にしっかりと取り付け可能な角(例えば、V字状などの)バー37、または他の任意の適切な形状であることができる。
【0059】
図10にもよりよく例示されるように、そして本発明の可能な実施形態によれば、支持フレーム5の各車輪31の各回転軸39は、ドラム9に向かって内向きに傾斜していて、そして任意にも、各レール29は、ベースフレーム3に関して実質的に傾斜している。さらに、例えば、図9を参照して容易に理解されることができるように、支持フレーム5がいかなる干渉もなくベースフレーム3に沿って行ったり来たりする移動を許容するように、変位可能な支持フレーム5は、ケーブル駆動装置1の傾斜したレール29に対して形状において相補的な底部部分41を備えてよい。
【0060】
容易に理解されるように、ドラム9およびそれと協働している対応するアクセサリは、さまざまな形状および形でありえる。例えば、ドラム9の周面43は、最終的に「滑らかで」ありえるが、本システムの任意の実施形態によれば、添付図面に例示されるように、ドラム9の周面43は、ドラム9上にケーブル11の対応する巻回セグメント(すなわち列、部分など)を受け入れるための凹んだ列61を備える。
【0061】
他の可能な実施形態によれば、ドラム9は、少なくとも1つの歯付き外周エッジ45を備え、前記歯付き外周エッジ45は、対応する駆動アセンブリ47によって駆動され、ドラム9のまわりにケーブル11を巻き付けて(例えば、回り付けてなど)および巻き戻す(例えば、回り戻すなど)ように、駆動アセンブリ47は、第1の回転方向(例えば、時計回り)に沿って、および第2の逆の回転方向(例えば、反時計回り)に沿って、前記ドラム(9)を駆動するように構成される。
【0062】
当業者によって理解されることができるように、駆動アセンブリ47は、モータ、ギア、スプロケット、径違い継手、チェーン、リンクおよびコネクタ、などからなる群から選択される少なくとも1つのコンポーネントを含んでよい。そして、他の可能な実施形態によれば、添付図面に例示されるように、ケーブル駆動装置1は、一対の逆の歯付き外周エッジ45を備え、したがって、一対の駆動アセンブリ47の各1つは、所与の回転方向に沿ってドラム9を駆動するために使用される。
【0063】
本発明の別の可能な実施形態によれば、ケーブル駆動装置1は、ベースフレーム3に関して支持フレーム5の移動の距離を制限するための範囲制限アセンブリ49を備える。
【0064】
この種の範囲制限アセンブリ49は、さまざまな形状および形であってよいが、添付図面に例示される1つの可能な実施形態によれば、範囲制限アセンブリ49は、変位可能な支持フレーム5上に動作的に載置される第1のおよび第2のプレート51a、51bを備え、その各々は、移動の終端で所与のスイッチ53と接触するように構成され、その結果、前記移動の前記終端で、スイッチ53と接触した対応するプレート51は、駆動アセンブリ47の所与の回転駆動方向をオフにして、別の逆の所与の回転駆動方向をオンにし、これにより、ケーブル駆動装置1の動作の間、変位可能な支持フレーム5をレシプロ式に横に往復移動させる。スイッチ53は、例えば、ベースフレーム3の固定コンポーネント19(例えば、垂直なポストなど)上に装着可能でありえる。
【0065】
本ケーブル駆動装置1は、少なくとも1つのチェーンガイド55を備えてもよく、そして、各チェーンガイド55は、ベースフレーム3に関して固定されてよくて、および/またはベースフレーム3の下に位置してよい。この種のチェーンガイド55の存在が本ケーブル駆動装置1の適切な稼動にとって重要でなく、任意の/付加的な特徴としてのみ示されることもまた、言及する価値がある。
【0066】
添付図面に例示される異なる図から理解できるように、ケーブル駆動装置1は、ケーブル駆動装置1の異なる部分をカバーするための異なるパネル57を備えてよい。そして、任意の実施形態によれば、それのユーザがケーブル駆動装置1を、そして必要があればそれの異なるコンポーネントを、適切に点検して、保守しておよび/またはサービスすることを可能にするように、これらのパネル57は、ケーブル駆動装置1の前記対応する異なる部分上に着脱自在に装着可能である。
【0067】
本発明の別の態様によれば、少なくとも1つのケーブル駆動装置1(例えば本明細書において図と共に説明されるもの)を備えるフリーストール・クリーニングシステム101が提供される。フリーストール・クリーナは、スクレーパ、車輪(例えば、コーナ車輪)、プーリおよびケーブルおよび/または従来技術において公知のさまざまな他のアクセサリの全てから成る群から選択される少なくとも1つのアクセサリ59を備えてよい。
【0068】
本発明の別の態様によれば、ケーブル駆動装置1および/またはフリーストール・クリーニングシステム101(例えば本明細書において図と共に説明されるもの)を組み立てるための対応するコンポーネントを有するキットも提供される。
【0069】
本発明の別の態様によれば、対応するケーブル駆動装置1のドラム9のまわりにフリーストール・クリーニングシステム101のケーブル11を巻き付ける方法であって、ケーブル11がドラム9のまわりに巻き付けられている間、ベースフレーム3に関してドラム9を変位(例えば、横になど)させるステップを含む、方法も提供される。方法は、ケーブル11がドラム9から巻き戻されている間、ベースフレーム3に関してドラム9を反対に変位(例えば、逆の横になど)させるステップをさらに含んでよい。
【0070】
ここでよりよく認識されてよいように、本発明は、本明細書において説明されるように、その設計およびコンポーネントによって、そして、ケーブル駆動装置1および/またはそのコンポーネント/アクセサリの特定の構成の点で、従来技術を越える相当な改良である。本発明によるケーブル駆動装置1は、従来技術で利用可能な他のケーブル駆動装置に関して可能であるものに比べて、より速い、より簡単な、より単純な、より効果的な/信頼性が高い、およびより耐久性のある方法のために可能である。
【0071】
例えば、本ケーブル駆動装置1は、本明細書においてよりよく記載されて例示されるように、その設計、コンポーネントおよび特徴によって、ケーブル駆動装置1の動作(巻き付け、引き付け、など)の間、ケーブル11の適正なアラインメントを保つことを確実にすると共に、ケーブル11との摩擦を排除する(または、実質的に減少するために、非常に小さいものである)ことを可能にするという点で、特に有利である。巻き付けられておよび/または巻き戻されるケーブル11は、好ましくは、ドラム9に関して「まっすぐに」(すなわち、中央に位置決めされて)保たれる。というのも、ケーブルがドラム9のまわりに巻き付けられておよび/または巻き戻されるにつれてドラム9が横に移動するからである。これにより、早期のケーブル摩耗を回避しておよび/または最小化して、その結果、対応する利点(より清潔な牛舎、より良好な牛舎レイアウト、より少ないケーブル交換、より少ない故障時間、などに起因する牛舎にとっての使用の増加および生産性の向上)と共に、ケーブル11の実用寿命を実質的に延長する。
【0072】
もちろん、そして当業者によって容易に理解できるように、請求項の範囲は、実施形態に記載される可能な実施形態によって制限されてはならなくて、全体として説明と整合した最も幅広い解釈を与えられなければならない。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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図15
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図17
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図19
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