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特許7361160フットウェアの物品のための制御デバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-04
(45)【発行日】2023-10-13
(54)【発明の名称】フットウェアの物品のための制御デバイス
(51)【国際特許分類】
   A43B 3/34 20220101AFI20231005BHJP
   A43C 11/16 20060101ALI20231005BHJP
   A41B 11/10 20060101ALI20231005BHJP
   A41D 13/00 20060101ALI20231005BHJP
【FI】
A43B3/34
A43C11/16
A41B11/10 B
A41D13/00 115
【請求項の数】 10
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022089727
(22)【出願日】2022-06-01
(62)【分割の表示】P 2017561685の分割
【原出願日】2016-05-13
(65)【公開番号】P2022133272
(43)【公開日】2022-09-13
【審査請求日】2022-06-27
(31)【優先権主張番号】14/724,007
(32)【優先日】2015-05-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514144250
【氏名又は名称】ナイキ イノベイト シーブイ
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】100174023
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 怜愛
(72)【発明者】
【氏名】ピアーズ、ティファニー エイ.
(72)【発明者】
【氏名】オーウィングス、アンドリュー エイ.
【審査官】新井 浩士
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-342076(JP,A)
【文献】実開平6-13502(JP,U)
【文献】中国実用新案第203692654(CN,U)
【文献】米国特許第05530626(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0301919(US,A1)
【文献】特開2000-316623(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A43B 3/34、5/04
A43C 11/00,11/16
A41D 13/00,13/05
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アッパー及びソール構造体と、
制御デバイスであって、前記制御デバイスは、パネルを含んでなる、制御デバイスとからなるフットウェアの物品において、
前記アッパーは、第1の表面及び第2の表面を有し、前記第1の表面の一部分と前記第2の表面の一部分との間にコンパートメントが形成されており、
前記第1の表面は、1つ以上のアパーチャからなり、前記1つ以上のアパーチャは、第1のアパーチャを含み、
前記パネルは、1つ以上のボタンを有し、前記1つ以上のボタンは、第1のボタンを含み、
前記パネルは、前記コンパートメントの中に設けられ、
前記第1のボタンは、前記第1のアパーチャと整合させられており、
前記コンパートメントは、スロットを含み、
前記スロットは、少なくとも前記パネルの第1の縁部を受け入れるように構成されており、それにより、前記パネルが前記スロットを介して前記コンパートメント内に移動されることができるようにされており、
前記スロットは、前記アッパーの内部空洞に開口しており、それにより、前記パネルが前記内部空洞から前記スロットへ挿入されるようにされており、
前記パネルは、フック部分をさらに含み、
前記フック部分は、前記コンパートメントの中に前記パネルを固定するように構成されており、
前記フック部分は、前記パネルの前記第1の縁部の近傍に設けられており、
前記パネルは、前記第1の縁部が先に前記スロットに入るように、前記スロットへ挿入されるように構成されており、
前記フック部分は、前記第2の表面に引っ掛かるように構成されている、フットウェアの物品。
【請求項2】
前記第1の表面は、前記アッパーの最も外側の表面である、請求項1に記載の物品。
【請求項3】
前記コンパートメントは、前記第1の表面と前記第2の表面との間に形成されたトンネルからなる、請求項1に記載の物品。
【請求項4】
第1のボタン・カバーをさらに含み、前記第1のボタン・カバーは、前記第1のボタンに隣接して設けられる、請求項1に記載の物品。
【請求項5】
前記制御デバイスは、前記フットウェアの物品に関連付けられた電動式テンショニング・システムにコマンドを送信するために使用される、請求項1に記載の物品。
【請求項6】
前記コンパートメントは、前記アッパーの甲領域に沿って位置付けされている、請求項1に記載の物品。
【請求項7】
フットウェアの物品の中に制御デバイスを載置する方法において、
前記フットウェアの物品の中のアッパーの内部空洞に前記制御デバイスを関連付ける工程と、
前記アッパーの一部分の中に形成されたスロットの中へ前記制御デバイスのパネルの縁部を挿入する工程と、
前記アッパーの中に形成されたコンパートメントの中に前記パネルが設けられるように、前記スロットを通して前記パネルを移動させる工程と、
前記パネルの上に設けられる少なくとも1つのボタンを、前記アッパーの上に形成された少なくとも1つのアパーチャに整合させる工程とを備え、
前記スロットは、少なくとも前記パネルの第1の縁部を受け入れるように構成されており、それにより、前記パネルが前記スロットを介して前記コンパートメント内に移動されることができるようにされており、
前記スロットは、前記アッパーの前記内部空洞に開口しており、それにより、前記パネルが前記内部空洞から前記スロットへ挿入されるようにされており、
前記パネルは、フック部分をさらに含み、
前記フック部分は、前記コンパートメントの中に前記パネルを固定するように構成されており、
前記アッパーは、第1の表面及び第2の表面を有し、前記第1の表面の一部分と前記第2の表面の一部分との間に前記コンパートメントが形成されており、
前記フック部分は、前記パネルの前記第1の縁部の近傍に設けられており、
前記パネルは、前記第1の縁部が先に前記スロットに入るように、前記スロットへ挿入されるように構成されており、
前記フック部分は、前記第2の表面に引っ掛かるように構成されている、方法。
【請求項8】
前記制御デバイスのポートを前記フットウェアの物品の中の接続要素に接続する工程をさらに備える、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
少なくとも1つのボタン・カバーを前記パネルの上に載置する工程をさらに備える、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記少なくとも1つのボタンが前記フットウェアの物品の甲領域に沿って位置付けされるように、前記パネルを位置決めする工程をさらに備える、請求項7に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フットウェアの物品、及び、フットウェアの物品を製造する方法一般に関する。
【背景技術】
【0002】
フットウェアの物品は、一般的に、2つの主要な要素、すなわち、アッパー及びソール構造体を含む。アッパーは、複数の材料要素(たとえば、テクスタイル、ポリマー・シート層、発泡体層、皮革、合成皮革)から形成されることが多く、複数の材料要素は、一緒に縫い合わせられ、又は、接着剤によって結合され、快適にしっかりと足を受け入れるために、フットウェアの内部に空洞を形成する。より具体的には、アッパーは、足の甲エリア及びつま先エリアにわたって、足の内側及び外側に沿って、ならびに、足のヒール・エリアの周りに延在する、構造体を形成している。また、アッパーは、レーシング・システムを組み込み、フットウェアのフィット感を調節することが可能であり、アッパーの中の空洞への足の進入、及び、空洞からの足の引き出しを可能にする。同様に、いくつかのアパレルの物品は、アパレルのフィット感を調節するためのさまざまな種類のクロージャ・システムを含むことが可能である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
1つの態様では、本開示は、フットウェアの物品に関し、フットウェアの物品は、アッパー及びソール構造体と、制御デバイスと、からなり、制御デバイスは、パネルからなる。アッパーは、第1の表面及び第2の表面を有しており、コンパートメントが、第1の表面の一部分と第2の表面の一部分との間に形成されている。また、第1の表面は、1つ以上のアパーチャを有しており、1つ以上のアパーチャは、第1のアパーチャを含む。パネルは、1つ以上のボタンを含み、1つ以上のボタンは、第1のボタンを含み、パネルは、コンパートメントの中に設けられている。そのうえ、第1のボタンは、第1のアパーチャと整合させられている。
【0004】
別の態様では、本開示は、アパレルの物品に関し、アパレルの物品は、第1の表面及び第2の表面からなり、第1の表面は、第2の表面とは別々の材料の部分からなる。また、アパレルの物品は、制御デバイスを有しており、制御デバイスは、パネルからなる。コンパートメントは、第1の表面と第2の表面との間に形成されており、第1の表面は、1つ以上のアパーチャを有しており、1つ以上のアパーチャは、第1のアパーチャを含む。また、パネルは、1つ以上のボタンを含み、1つ以上のボタンは、第1のボタンを含む。パネルは、コンパートメントの中に設けられており、第1のボタンが第1のアパーチャを通して露出されるようになっている。
【0005】
別の態様では、本開示は、フットウェアの物品の中に制御デバイスを載置する方法に関し、その方法は、フットウェアの物品の中のアッパーの内部空洞に制御デバイスを関連付ける工程と、アッパーの一部分の中に形成されたスロットの中へ制御デバイスのパネルの縁部を挿入する工程と、からなる。方法は、アッパーの中に形成されたコンパートメントの中にパネルが設けられるように、スロットを通してパネルを移動させる工程と、パネルの上に設けられている少なくとも1つのボタンを、アッパーの上に形成された少なくとも1つのアパーチャに整合させる工程と、をさらに含む。
【0006】
本実施形態の他のシステム、方法、特徴、及び利点は、以下の図及び詳細な説明を検討すると、当業者に明らかであることとなり、又は、当業者に明らかになることとなる。この説明及びこの概要の中に含まれているすべてのそのような追加的なシステム、方法、特徴、及び利点は、実施形態の範囲の中にあり、また以下の特許請求の範囲によって保護されるということが意図されている。
【0007】
実施形態は、以下の図面及び説明を参照して、より良好に理解され得る。図の中の構成部品は、必ずしも縮尺通りになっているわけではなく、その代わりに、本発明の原理を図示することに強調が置かれている。そのうえ、図において、同様の参照番号は、異なる図の全体を通して、対応するパーツを指定している。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】フットウェアの物品の実施形態の概略を示す等角側面図。
図2】制御デバイスの実施形態の概略を示す図。
図3】コンパートメントを備えたフットウェアの物品の実施形態の概略を示す等角 図。
図4】コンパートメント及び制御デバイスを備えたフットウェアの物品の実施形態 の概略を示す等角図。
図5】コンパートメント及び制御デバイスを備えたフットウェアの物品の実施形態 の概略を示す等角図。
図6】コンパートメント及び制御デバイスを備えたフットウェアの物品の実施形態 の概略を示す等角図。
図7】コンパートメントの中の制御デバイスの実施形態の概略を示す分解図。
図8】カバーを備えたコンパートメントの中の制御デバイスの実施形態の概略を示 す等角図。
図9】制御デバイス・インターフェースの実施形態の側部断面図。
図10】制御デバイス・インターフェースの実施形態の側部断面図。
図11】フットウェアの物品の実施形態の概略を示す等角側面図。
図12】制御デバイス・インターフェースの実施形態の側部断面図。
図13】制御デバイス・インターフェースの実施形態の側部断面図。
図14】制御デバイスを備えた物品の等角図。
図15】制御デバイスを備えた物品の等角図。
図16】制御デバイスを備えた物品の等角図。
図17】物品の中に制御デバイスを載置する方法を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下の議論及び添付の図は、フットウェアの物品、及び、フットウェアの物品の組み立ての方法を開示している。本明細書で開示されているフットウェアに関連付けられる概念は、たとえば、ランニング・シューズ、バスケットボール・シューズ、サッカー・シューズ、ベースボール・シューズ、フットボール・シューズ、及びゴルフ・シューズを含む、さまざまな運動用フットウェア・タイプに適用され得る。したがって、本明細書で開示されている概念は、多種多様なフットウェア・タイプに適用する。
【0010】
さまざまな実施形態の後続の説明を支援及び明確化するために、さまざまな用語が、本明細書で定義される。別段の指示がない限り、以下の定義は、この明細書(特許請求の範囲を含む)の全体を通して適用される。一貫性及び便宜のために、方向の形容詞が、図示されている実施形態に対応するこの詳細な説明の全体を通して用いられている。
【0011】
この詳細な説明の全体を通して、及び、特許請求の範囲の中で使用されているように、「長手方向」という用語は、構成部品の長さに延在する方向を表している。たとえば、フットウェアの物品の長手方向は、フットウェアの物品のフォアフット領域とヒール領域との間に延在している。「前方」という用語は、足のつま先が向く一般的な方向を表すために使用されており、「後方」という用語は、反対側方向、すなわち、足のヒールが向いている方向を表すために使用される。
【0012】
この詳細な説明の全体を通して、及び、特許請求の範囲の中で使用されているように、「横方向」という用語は、構成部品の幅に延在する左右方向を表している。換言すれば、横方向は、フットウェアの物品の内側と外側との間に延在することが可能であり、フットウェアの物品の外側は、他方の足から離れる方を向く表面であり、内側は、他方の足の方を向く表面である。
【0013】
この明細書及び特許請求の範囲の中で使用されているように、「側部」という用語は、上向き方向又は下向き方向とは対照的に、概して外側方向、内側方向、前方方向、又は後方方向を向く、構成部品の任意の部分を表している。
【0014】
この詳細な説明の全体を通して、及び、特許請求の範囲の中で使用されているように、「垂直方向」という用語は、横方向及び長手方向の両方に対して概して垂直の方向を表している。たとえば、ソールが地面表面の上に平坦に置かれているケースでは、垂直方向は、地面表面から上向きに延在することが可能である。これらの方向の形容詞のそれぞれは、ソールの個々の構成部品に適用され得るということが理解されることとなる。「上向き」という用語は、地面表面から離れる方に向かう垂直の方向を表しており、一方、「下向き」という用語は、地面表面の方に向かう垂直の方向を表している。同様に、「上部」、「上側」という用語、及び、他の同様の用語は、垂直方向に地面から実質的に最も遠い物体の部分を表しており、「底部」、「下側」という用語、及び、他の同様の用語は、垂直方向に地面に実質的に最も近い物体の部分を表している。
【0015】
シューズの「内部」は、シューズが着用されているときに着用者の足によって占有されているスペースを表している。パネル又は他のシューズ・要素の「内側」は、完成したシューズの中のシューズ内部に向けて配向されている(又は、配向されることとなる)そのパネル又は要素の面を表している。要素の「外側」又は「外部」は、完成したシューズの中のシューズ内部から離れる方に配向されている(又は、配向されることとなる)その要素の面を表している。いくつかのケースでは、要素の内側は、完成したシューズの中の内側と内部との間に他の要素を有することが可能である。同様に、要素の外側は、その外側と完成したシューズの外部のスペースとの間に他の要素を有することが可能である。さらに、「内向き」及び「内向きに」という用語は、シューズの内部に向かう方向を表しているはずであり、「外向き」及び「外向きに」という用語は、シューズの外部に向かう方向を表しているはずである。
【0016】
この開示の目的のために、先述の方向の用語は、フットウェアの物品に関連して使用されるときに、ソールが地面方向を向いた状態で直立した位置になっているときのフットウェアの物品を参照しているはずであり、すなわち、実質的に水平な表面の上に立っている着用者によって着用されているときにそれが位置決めされることとなるようなフットウェアの物品を参照しているはずである。
【0017】
それに加えて、この開示の目的のために、「固定して取り付けられている」という用語は、(たとえば、構成部品のうちの一方又は両方を破壊することなく)構成部品が容易に分離されることができないような様式で接合されている2つの構成部品を表しているはずである。固定された取り付けの例示的な様式は、恒久的な接着剤、リベット、縫い合わせ、ネイル、ステープル、溶着、もしくは他の熱結合によって接合すること、又は、他の接合技法を含むことが可能である。それに加えて、2つの構成部品は、たとえば、成形プロセスで、一体的に形成されているおかげで、「固定して取り付けられている」ことも可能である。
【0018】
この開示の目的のために、「取り外し可能に取り付けられている」又は「取り外し可能に挿入されている」という用語は、2つの構成部品が一緒に固定されるが互いから容易に取り外され得る様式で、2つの構成部品、又は、構成部品及び要素を接合することを表しているはずである。取り外し可能な取り付けメカニズムの例は、面ファスナー、摩擦フィット接続、締まり嵌め接続、ネジ式コネクター、カム・ロッキング・コネクター、1つの材料を別の材料とともに圧縮すること、及び、他のそのような容易に取り外し可能なコネクターを含むことが可能である。
【0019】
図1は、テンショニング・システム150を備えて構成されている物品の物品100の実施形態の概略等角図を図示している。本実施形態では、物品の物品100は、以降では、単に物品100とも称されており、フットウェアの物品100は、ランニング・シューズなどのような運動靴の形態で示されている。しかし、他の実施形態では、テンショニング・システム150は、それに限定されないが、ハイキング・ブーツ、サッカー・シューズ、フットボール・シューズ、スニーカ、ランニング・シューズ、クロス・トレーニング・シューズ、ラグビー・シューズ、バスケットボール・シューズ、ベースボール・シューズ、及び、他の種類のシューズを含む、任意の他の種類のフットウェアとともに使用され得る。そのうえ、いくつかの実施形態では、物品100は、それに限定されないが、スリッパ、サンダル、ハイヒールのフットウェア、ローファ、及び、任意の他の種類のフットウェアを含む、さまざまな種類の非スポーツ関連のフットウェアとともに使用するように構成され得る。下記にさらに詳細に議論されているように、テンショニング・システムは、フットウェアに限定されなくてもよく、他の実施形態では、テンショニング・システム、及び/又は、テンショニング・システムに関連付けられる構成部品は、衣類、スポーツウェア、スポーツ機器、及び、他の種類のアパレルを含む、さまざまな種類のアパレルとともに使用され得る。さらなる他の実施形態では、テンショニング・システムは、医療用ブレースなどのようなブレースとともに使用され得る。
【0020】
上述のように、一貫性及び便宜のために、方向の形容詞が、この詳細な説明の全体を通して用いられている。物品100は、長手方向軸線180に沿って3つの一般的な領域、すなわち、フォアフット領域105、ミッドフット領域125、及びヒール領域145に分割され得る。フォアフット領域105は、一般的に、つま先、及び、中足骨と指骨を接続する関節に対応する物品100の部分を含む。ミッドフット領域125は、一般的に、足の土踏まずエリアに対応する物品100の部分を含む。ヒール領域145は、一般的に、踵骨を含む足の後方部分に対応している。フォアフット領域105、ミッドフット領域125、及びヒール領域145は、物品100の正確なエリアを画定することは意図されていない。むしろ、フォアフット領域105、ミッドフット領域125、及びヒール領域145は、以下の議論を支援するために、物品100の一般的に相対的なエリアを表すことが意図されている。物品100のさまざまな特徴は、物品100の1つの領域を越えて延在しているので、フォアフット領域105、ミッドフット領域125、及びヒール領域145という用語は、物品100に適用するだけでなく、物品100のさまざまな特徴にも適用する。
【0021】
図1を参照すると、参照目的のために、物品100の横方向軸線190、及び、物品100に関連する任意の構成部品は、足の内側165と外側185との間に延在することが可能である。追加的に、いくつかの実施形態では、長手方向軸線180は、フォアフット領域105からヒール領域145へ延在することが可能である。また、これらの方向の形容詞のそれぞれは、アッパー及び/又はソール部材などのような、フットウェアの物品の個々の構成部品に適用され得るということが理解されることとなる。それに加えて、垂直方向の軸線170は、長手方向軸線180及び横方向軸線190によって画定される水平方向の表面に対して垂直な軸線を表している。
【0022】
物品100は、アッパー102及びソール構造体104を含むことが可能である。一般的に、アッパー102は、任意のタイプのアッパーであることが可能である。とりわけ、アッパー102は、任意の設計、形状、サイズ、及び/又は色を有することが可能である。たとえば、物品100がバスケットボール・シューズである実施形態では、アッパー102は、足首の上にハイ・サポートを提供するように形状決めされたハイ・トップ・アッパーであることが可能である。物品100がランニング・シューズである実施形態では、アッパー102は、ロー・トップ・アッパーであることが可能である。
【0023】
図1に示されているように、アッパー102は、1つ以上の材料要素(たとえば、メッシュ、テクスタイル、発泡体、皮革、及び合成皮革)を含むことが可能であり、それは、着用者の足を受け入れるように構成されている内部空洞を画定するために接合させられ得る。材料要素は、軽量性、耐久性、通気性、耐摩耗性、柔軟性、及び快適性などのような、特性を選択的に付与するように選択及び配置され得る。アッパー102は、開口部130を画定することが可能であり、開口部130を通して、着用者の足は、内部空洞の中へ受け入れられ得る。
【0024】
ソール構造体104の少なくとも一部分は、(たとえば、接着剤、縫い合わせ、溶着、又は、他の適切な技法によって)アッパー102に固定して取り付けられ得、また、アッパー102と地面との間に延在する構成を有することが可能である。ソール構造体104は、地面反力を軽減するための設備を含むことが可能である(すなわち、垂直方向の及び水平方向の荷重の間に、足の衝撃を和らげ、足を安定化させる)。それに加えて、ソール構造体104は、トラクションを提供し、安定性を付与し、また、回内運動、回外運動、又は他の運動などのような、さまざまな足の運動を制御又は制限するように構成され得る。
【0025】
いくつかの実施形態では、ソール構造体104は、物品100のためのトラクションを提供するように構成され得る。トラクションを提供することに加えて、ソール構造体104は、ウォーキング、ランニング、又は、他の歩行活動の間に、足と地面との間で圧縮されるときに、地面反力を軽減することが可能である。ソール構造体104の構成は、異なる実施形態において、さまざまな従来の又は非従来の構造体を含むように、著しく変化することが可能である。いくつかのケースでは、ソール構造体104の構成は、ソール構造体104がその上で使用され得る1つ以上のタイプの地面表面にしたがって構成され得る。
【0026】
たとえば、開示されている概念は、インドア表面又はアウトドア表面を含む、さまざまな表面のいずれかの上で使用するように構成されているフットウェアに適用可能であり得る。ソール構造体104の構成は、物品100がその上で使用されることが予想される表面の特性及び条件に基づいて変化することが可能である。たとえば、ソール構造体104は、表面がより硬いか又はより柔らかいかということに応じて変化することが可能である。それに加えて、ソール構造体104は、濡れた条件又は乾燥した条件で使用するように仕立てられ得る。
【0027】
いくつかの実施形態では、ソール構造体104は、とりわけ、特殊化した表面又は条件に関して構成され得る。提案されているフットウェア・アッパー構築体は、バスケットボール、サッカー、フットボール、及び他の体育活動などのような、任意の種類のフットウェアに適用可能であり得る。したがって、いくつかの実施形態では、ソール構造体104は、硬いインドア表面(たとえば、ハードウッドなど)、柔らかい天然芝表面、又は、硬い人工芝表面の上で、トラクション及び安定性を提供するように構成され得る。いくつかの実施形態では、ソール構造体104は、複数の異なる表面の上で使用するように構成され得る。
【0028】
さらに下記に議論されることとなるように、異なる実施形態では、ソール構造体104は、異なる構成部品を含むことが可能である。たとえば、ソール構造体104は、アウトソール、ミッドソール、クッショニング層、及び/又はインソールを含むことが可能である。それに加えて、いくつかのケースでは、ソール構造体104は、地面表面とのトラクションを増加させるように構成されている1つ以上のクリート部材又はトラクション・要素を含むことが可能である。
【0029】
いくつかの実施形態では、ソール構造体104は、複数の構成部品を含むことが可能であり、それは、サポート、剛性、柔軟性、安定性、クッショニング、快適性、低減された重量、又は他の属性などのような、複数の属性を有する物品100を個別に又は集合的に提供することが可能である。いくつかの実施形態では、ソール構造体104は、インソール/中敷き、ミッドソール151、及び、地面に接触する外側ソール部材(「アウトソール」)162を含むことが可能であり、外側ソール部材(「アウトソール」)162は、地面に接触する露出された下側表面を有することが可能である。しかし、いくつかのケースでは、これらの構成部品のうちの1つ以上は、省略されている可能性がある。1つの実施形態では、ソール構造体104は、さらに下記に議論されることとなるように、ソール・プレートを含むことが可能である。
【0030】
そのうえ、いくつかの実施形態では、インソールは、アッパー102によって画定される空洞の中に設けられ得る。インソールは、フォアフット領域105、ミッドフット領域125、及びヒール領域145のそれぞれを通って延在することが可能であり、また、物品100の外側185と内側165との間に延在することが可能である。インソールは、ポリウレタン発泡体、又は、他のポリマー発泡体材料などのような、変形可能な(たとえば、圧縮可能な)材料から形成され得る。したがって、インソールは、その圧縮可能性のおかげで、クッショニングを提供することが可能であり、また、快適性、サポート、及び安定性を提供するために、足に一致することが可能である。
【0031】
ミッドソール151は、たとえば、縫い合わせ、接着剤結合、熱結合(たとえば、溶着など)、又は他の技法を通して、アッパー102の下側エリアに固定して取り付けられ得、又は、アッパー102と一体化され得る。ミッドソール151は、物品100が意図される活動にしたがって、上記に説明されている特性を有する任意の適切な材料から形成され得る。いくつかの実施形態では、ミッドソール151は、発泡ポリマー材料を含むことが可能であり、それは、たとえば、ポリウレタン(PU)、エチル酢酸ビニル(EVA)、又は、ソール構造体104がウォーキング、ランニング、もしくは他の歩行活動の間に地面に接触するときに地面反力を軽減するように動作する任意の他の適切な材料などのようなものである。
【0032】
ミッドソール151は、フォアフット領域105、ミッドフット領域125、及びヒール領域145のそれぞれを通って延在することが可能であり、また、物品100の外側185と内側165との間に延在することが可能である。いくつかの実施形態では、ミッドソール151の部分は、図1に示されているように、物品100の周囲の周りに露出され得る。他の実施形態では、ミッドソール151は、アッパー102からの材料層などのような、他の要素によって完全にカバーされ得る。たとえば、いくつかの実施形態では、ミッドソール151、及び/又は、アッパー102の他の部分は、ブーティに隣接して設けられ得る(図3及び図4を参照)。
【0033】
そのうえ、図1に示されているように、物品100は、タン172を含むことが可能であり、タン172は、スロート開口部132の近くに、又は、スロート開口部132に沿って設けられ得る。いくつかの実施形態では、タン172は、物品100の甲領域110の中又は近くに設けられ得る。しかし、他の実施形態では、タン172は、フットウェアの物品の他の部分に沿って設けられることができ、又は、物品は、タンを含まなくてもよい。
【0034】
それに加えて、上述のように、異なる実施形態では、物品100は、テンショニング・システム150を含むことが可能である。テンショニング・システム150は、内部空洞につながる開口部130のサイズを調節するための(図2を参照)、及び、着用者の足の周りのアッパー102を締め付ける(又は、緩める)ための、さまざまな構成部品及びシステムを含むことが可能である。いくつかの実施形態では、テンショニング・システム150は、1つ以上のレース、及び電動式テンショニング・デバイスを含むことが可能である。レースは、さまざまなレーシング・ガイド154を通過するように構成され得、レーシング・ガイド154は、スロート開口部132の縁部にさらに関連付けられ得る。いくつかのケースでは、レーシング・ガイド154は、アッパーの上の伝統的なアイレットと同様の機能を提供することが可能である。とりわけ、レースが引っ張られ又はテンションをかけられるときに、スロート開口部132は、一般的に収縮することが可能であり、アッパー102が足の周りに締め付けられるようになっている。
【0035】
図1のレーシング・ガイド154の配置は、単に例示的なものであるということが意図されており、他の実施形態は、レーシング・ガイド154に関して特定の構成に限定されないということが理解されることとなる。そのうえ、実施形態に図示されている特定のタイプのレーシング・ガイド154も、例示的なものであり、他の実施形態は、任意の他の種類のレーシング・ガイド又は同様のレーシング設備を組み込むことが可能である。いくつかの他の実施形態では、たとえば、レースは、伝統的なアイレットを通して挿入され得る。実施形態の中に組み込まれ得るレース・ガイディング設備のいくつかの例が、2012年1月5日に公開された「レース・ガイド(Lace Guide)」という標題のコッターマンら(Cotterman et al.)による米国特許出願公開第2012/0000091号に開示されており、その開示は、その全体を参照により本願明細書に援用する。追加的な例は、2011年11月3日に公開された「リール・ベースのレーシング・システム(Reel Based Lacing System)」という標題のグッドマンら(Goodman et al.)による米国特許出願公開第2011/0266384号に開示されており、その開示は、その全体を参照により本願明細書に援用する。レース・ガイドのさらなる追加的な例は、2011年9月22日に公開された「レーシング・システムのためのガイド(Guides For Lacing Systems)」という標題のケルンスら(Kerns et al.)による米国特許出願公開第2011/0225843号に開示されており、その開示は、その全体を参照により本願明細書に援用する。
【0036】
物品100とともに使用されるようなレースは、当技術分野で公知の任意のタイプのレーシング材料を含むことが可能である。使用され得るレースの例は、低い弾性係数及び高い引張強度を有するケーブル又はファイバーを含む。レースは、単一のストランドの材料を含むことが可能であり、又は、複数のストランドの材料を含むことが可能である。レースに関する例示的な材料は、Honeywell of Morris Township NJによって製造されているSPECTRA(商標)であるが、他の種類の拡張鎖(extended chain)の高弾性ポリエチレン・ファイバー材料も、レースとして使用され得る。一層さらなる例示的なレースの特性が、上述のリール・ベースのレーシング用途の中に見出され得る。
【0037】
したがって、いくつかの実施形態では、レースは、レーシング・ガイド154を通過させられ得る。他の実施形態では、レースは、レーシング・ガイド154の近くにあるチャネル開口部156に進入した後に、アッパー102の中の内部チャネル153を通過することが可能である。いくつかの実施形態では、内部チャネル153は、アッパー102の側部の周りに延在し、また、ソール構造体104の中に設けられる電動式テンショニング・デバイスに向けて、レースを案内する。いくつかのケースでは、電動式テンショニング・デバイスは、レースの一部分を受け入れるための設備を含むことが可能である。いくつかのケースでは、レースの端部部分は、アッパー102の内部チャネル153から出ていくことが可能であり、また、電動式テンショニング・デバイスを含有するハウジング・ユニットの中のアパーチャを通過することが可能である。
【0038】
いくつかの実施形態では、電動式テンショニング・デバイスは、一般的に、アッパー102を締め付け及び緩める目的のために、テンションをレースに自動的に印加するように構成され得る。したがって、電動式テンショニング・デバイスは、電動式テンショニング・デバイスの内部のスプールの上にレースを巻き取るための、及び、スプールからレースを巻き出すための設備を含むことが可能である。そのうえ、設備は、電気モータを含むことが可能であり、電気モータは、さまざまな入力又は制御に応答して、スプールを自動的に巻き取り及び巻き出す。
【0039】
異なる実施形態では、電動式レーシング・システムの制御、又は、物品の中の他の電気的なもしくは自動化された特徴の制御が、さまざまなプロセス及び装置を使用して達成され得る。図1を参照して上記に述べられているように、物品100のいくつかの実施形態は、電動式テンショニング・システムもしくはレーシング・システム又は他のメカニズムにコマンドを送る又は送信するためのさまざまな種類のデバイスを利用することが可能である。ここで図2を参照すると、さまざまな物品は、物品に関連付けられたシステムにコマンドを送るための異なる種類のデバイスを利用することが可能である。いくつかの実施形態では、物品は、制御デバイス200を含むことが可能である。
【0040】
いくつかの実施形態では、制御デバイスは、物品100の中の電流、圧力、又は他の特性を測定するために利用され得る、さまざまなボタン、スイッチ、メカニズム、又は構成部品を含むことが可能である。異なる実施形態では、制御デバイスは、力の相対的な変化又は印加される荷重を検出及び測定することができ、力の変化のレートを検出及び測定することができ、力の閾値を識別することができ、ならびに/又は、接触及び/もしくはタッチを検出することができる、構成部品又は要素を含むことが可能である。
【0041】
したがって、異なる実施形態では、物品は、他のデバイス又はシステムの機能を管理し、コマンドを送り、指示し、活性化させ、又は、そうでなければ調整するための設備を含むことが可能である。図2では、制御デバイス200は、ボタン・ボード又はパネル204として示されている制御ユニットを含む。いくつかの実施形態では、パネル204は、実質的に平坦な又は2次元の材料又は構造体からなることが可能である。この詳細な説明及び特許請求の範囲の全体を通して使用されているような「2次元」という用語は、材料の厚さよりも実質的に大きい長さ及び幅を示す任意の概して平坦な材料を表している。2次元の材料は、滑らかな又は全体的にテクスチャー加工されていない表面を有することが可能であるが、いくつかの2次元の材料は、テクスチャー加工、又は、たとえば、ディンプリング、突出部、リブ、もしくは、さまざまなパターンなどのような、他の表面特性を示すこととなる。他の実施形態では、パネル204の幾何学形状は、変化することが可能であり、足のパーツ、たとえば、足の甲領域に関連付けられたさまざまな輪郭又は特徴を含むことが可能である。
【0042】
パネル204は、異なる実施形態では、異なる寸法及び/又は形状をさらに有することが可能である。図2では、ボタン206は、パネル204を含む実質的に連続的な長方形形状の及び比較的に幅の狭いストリップに沿って設けられている。しかし、他の実施形態では、パネル204の寸法及び/又は形状は、異なっていることが可能であり、それは、それに限定されないが、長方形、正方形、卵形、楕円形、又は、他の規則的なもしくは不規則的な形状を含む。図2では、パネル204が、パネル幅240及びパネル長さ242を有するということがわかる。パネル長さ242は、第1の端部246から第2の端部244へ延在している。いくつかの実施形態では、第2の端部244は、リード・ワイヤー236に接合されたパネル204の領域に関連付けられており、一方、第1の端部246は、パネル204の実質的に自由な(取り付けられていない)端部に関連付けられている。
【0043】
そのうえ、パネル204は、第1の厚さ250を含む。第1の厚さ250は、パネル204の全体を通して概して一貫していることが可能であり、又は、変化することが可能である。それに加えて、パネル幅240、パネル長さ242、及び/又は第1の厚さ250は、図3図10を参照して下記に議論されることとなるように、物品の中のコンパートメントの中に挿入するように構成され得る。
【0044】
図2を参照すると、いくつかの実施形態では、制御デバイス200は、パネル204に沿って設けられている1つ以上のボタン206を含むことが可能である。ボタン206は、任意のタイプのシステム又は他のメカニズムにコマンドを手動で入力又はエンターするように使用され得る。電動式テンショニング・システム150を参照して説明されているように、いくつかの実施形態では、ボタン206は、たとえば、インクリメンタルに締め付けるコマンド、及び、インクリメンタルに緩めるコマンドを開始させる際に使用され得る。他の実施形態では、追加的なボタンが、開けるコマンド(又は、完全に緩めるコマンド)、テンションを記憶するコマンド、及び、記憶されたテンションに戻るコマンドを含む、任意の他のコマンドを開始させるために含まれ得る。さらなる他の実施形態は、任意の他の種類のコマンドを出すための任意の他のボタンを組み込むことが可能である。異なる実施形態では、レースを締め付けるためのボタン、レースを緩めるためのボタン、及び/又は、他の機能を果たすためのボタンが、物品の上又は中に直接的に位置付けされ得る。この開示の目的のために、ボタンは、ボタン、スイッチ、ノブ、コントロール、レバー、ハンドル、又は、他のそのような制御手段などのような、メカニズムを動作させるために押圧されるか、又はその他の方法で扱われ得る材料又は要素を表している。
【0045】
そのうえ、異なる実施形態では、それぞれのボタンの底部側が、パネル204の上に設けられている対応するオス型の機械的なコネクターを把持して係合するメス型嵌合部分を有するように、ボタン206が機械的に構成され得る。いくつかの実施形態では、ボタンの内側表面は、作動突出部を含むことが可能であり、作動突出部は、パネル204の中に位置付けされている圧電ボタン又はソレノイド・ボタンを押圧するように設計されている。他の実施形態では、ボタン206は、当技術分野で公知の信号を発生させる任意の他の手段を組み込むか、又は利用することが可能である。
【0046】
上述のように、いくつかの実施形態では、パネル204は、1つ以上のボタン206を含むことが可能である。図2では、パネル204は、第1のボタン208、第2のボタン210、及び第3のボタン212を含む。しかし、他の実施形態では、パネル204は、任意の所望の物体もしくは要素、及び/又は、任意の数のボタンを含むことが可能である。そのうえ、それぞれのボタンは、内側部分232及び外側部分234を含むことが可能である。内側部分232は、ボタンの主要な接触部分又は反応部分に関連付けられ得、それは、一般的に、ボタンの中心のより近くに設けられている。外側部分234は、内側部分232の境界を定めるか、又は、そうでなければ、内側部分232のフレームを構成することが可能であり、また、ボタン206に対する安定性及び弾性を提供することが可能である。
【0047】
ボタン206は、異なる実施形態では、異なる形状及び/又はサイズを含むことが可能である。たとえば、ボタン206は、丸形、正方形、三角形、又は、他の規則的なもしくは不規則的な形状であることが可能である。そのうえ、2つ以上のボタン206は、実質的に同様の形状を含むことが可能であり、又は、それぞれのボタンは、別のものとは異なっていることが可能である。例として、第1のボタン208は、丸形形状であることが可能であり、一方、第2のボタン210は、正方形形状であることが可能であり、第3のボタン212は、三角形形状であることが可能である。
【0048】
図2では、それぞれのボタンは、実質的に丸形形状である。1つの実施形態では、ボタン206のそれぞれの内側部分232は、直径に関連付けられ得る。たとえば、第1のボタン208は、第1の直径252を有しており、第2のボタン210は、第2の直径254を有しており、第3のボタン212は、第3の直径256を有している。いくつかの実施形態では、第1の直径252、第2の直径254、及び第3の直径256は、図2に示されているように、実質的に同様になっていることが可能であり、ボタン206は、パネル204を横切って、サイズが概して均一になるようになっている。また、それぞれのボタンの内側部分232は、第2の厚さ248を含むことが可能であり、第2の厚さ248は、外側部分234の上方に延在するように生じるか又は設けられているボタンの高さに関連付けられ得る。ボタンに関連付けられた第2の厚さ248は、図11図13を参照して議論されることとなるように、ボタンが押圧されるときに、変化又は減少することが可能であるということが理解されるべきである。そのうえ、異なる実施形態では、第1のボタン208、第2のボタン210、及び第3のボタン212は、互いに対して変化するボタン厚さをそれぞれ含むことが可能である。
【0049】
他の実施形態では、第1の直径252、第2の直径254、及び第3の直径256は、異なっており、たとえば、特定のボタンに関する視覚フィードバック又は触覚フィードバックをユーザに提供することが可能である。いくつかのケースでは、ボタン206は、触覚フィードバック又は視覚フィードバックをユーザに提供するように、異なって形状決め又は寸法決めされ得る。他の実施形態では、変化するボタン形状又はサイズの結果として形成され得る、所望の設計又は審美性が存在することが可能である。そのうえ、それぞれのボタン直径及び/又は厚さは、図5図10を参照してさらに下記に議論されることとなるように、物品の他の構成部品又は部分に整合するように構成され得る。
【0050】
そのうえ、パネル204は、物品の中への制御デバイス200の挿入又は組み込みを促進させるための設備を含むことが可能である。いくつかの実施形態では、パネル204は、制御デバイス200がリンク接続され又は引っ張られることを許容するために、1つ以上のアパーチャ又は孔部を含むことが可能である。たとえば、図2では、パネル204は、第1の孔部222及び第2の孔部224を有している。異なる実施形態では、第1の孔部222及び/又は第2の孔部224は、他の要素をループするために把持又は使用され得、制御デバイス200が物品100の中の所望の場所に移動又は構成することを助けるようになっている。1つの実施形態では、ワイヤー又は他の引張要素は、第1の孔部222及び/又は第2の孔部224を把持し、制御デバイス200のインストレーションの間にコンパートメント302を通してパネル204を引っ張るために使用され得る。
【0051】
そのうえ、制御デバイス200は、制御デバイス200が物品の中にアンカー又は固定されることを可能にする設備を含むことが可能である。たとえば、パネル204は、第1のフック部分218及び第2のフック部分220を含む、1つ以上のフック部分216を含むことが可能である。フック部分216は、湾曲した又は屈曲した材料を含むことが可能であり、また、制御デバイス200の任意の部分に沿って設けられ得る。図2では、フック部分216は、パネル204の第1の端部246に沿って設けられている。いくつかの実施形態では、フック部分216は、下記に議論されることとなるように、別の要素を掴むために使用され得、ならびに/又は、物品の中にパネル204を固定及び/もしくはアンカーするために使用され得る。
【0052】
また、制御デバイス200は、パネル204を他の要素に接続するための設備を含むことが可能である。たとえば、パネル204とポート230との間に延在するように設けられている接続部分228が存在することが可能である。いくつかの実施形態では、接続部分228は、1つ以上のワイヤーを入れるシース238を含むことが可能である。図2では、パネル204の第2の端部244は、リード・ワイヤー236に接合されており、リード・ワイヤー236は、シース238の中に入れられている。リード・ワイヤー236(及び、シース238)は、異なる実施形態では、変化する長さのものであることが可能であり、また、制御デバイス200がその中に載置されることとなるコンパートメント及び/又は物品に応じて調節され得る。それに加えて、1つの実施形態では、接続部分228は、ポート230を含む。いくつかの実施形態では、ポート230は、物品に関連付けられるさまざまな機械的な又は電子的な接点などのような、追加的な要素とのリンク部分又は接触部分を提供することが可能である。
【0053】
そのうえ、いくつかの実施形態では、制御デバイス200のパネル204及び他の構成部品は、さまざまな材料組成を含むことが可能である。いくつかの実施形態では、パネル204は、アッパー102よりも高い剛性又は硬度に関連付けられ得る。1つの実施形態では、ボタン206及びパネル204を含む制御デバイス200の部分は、プラスチックもしくは金属材料、ポリマー、及び/又は、ポリマー材料から、少なくとも部分的に形成され得る。制御デバイス200の製造において使用される材料は、改善された電気的な特性もしくは絶縁特性、柔軟性、弾性、重量、耐久性、及び/又はエネルギー効率を有する構成部品を提供することに基づいて選択され得る。
【0054】
制御デバイス200を参照して本明細書で説明されている実施形態は、テンショニング・システムを含まない物品とともに使用するために適用可能であり得るということが理解されるべきである。換言すれば、制御デバイス200は、任意のタイプ又は構成のフットウェア又はアパレルの物品において利用され得る。
【0055】
図1を参照して上記に述べられているように、異なる実施形態では、物品100は、アッパー102又はソール構造体104などのような、フットウェアの物品の中に伝統的に含まれる態様、部分、及び/又は構成部品を含むことが可能である。また、本開示では、他の非伝統的な態様、部分、及び/又は構成部品が、物品100の製造の間に含まれ得る。いくつかの実施形態では、そのような非伝統的な特徴は、物品100のさまざまな部分の全体を通して設けられている1つ以上のコンパートメントを含むことが可能である。この開示の目的のために、コンパートメントは、物品100の別々の又は別個のセクション又は部分を表している。いくつかの実施形態では、コンパートメントは、物品100の中に設けられているスリーブ状の領域、トンネル、もしくはチュービングを含むことが可能であり、及び/又は、物体、要素、もしくは構成部品を受け入れるように構成されている凹部、キャビティー、ポケット、チャンバー、スロット、ポーチ、もしくは他のスペースを含むことが可能である。いくつかの実施形態では、物品100の製造の間に、1つ以上のコンパートメントが、下記に議論されることとなるように、物品100の中に含まれ得る。
【0056】
図3図4を参照すると、ヒール領域145に関連付けられた物品100の一部分が示されており、アッパー102の中の内部空洞318の図を読者に提供している。いくつかの実施形態では、アッパー102は、上記に説明されているように、コンパートメントを含むことが可能である。アッパー102の一部分の中に設けられている、コンパートメント302の実施形態は、図3図4の中の点線によって示されている。1つの実施形態では、コンパートメント302は、アッパー102の2つ以上の層の間に形成され得る。
【0057】
それに加えて、図3図6に示されているように、いくつかの実施形態では、アッパー102は、2つの側部を含むことが可能であり、そのときに、それぞれの側部は、アッパー102の概して対向する側部を表している。たとえば、アッパー102の外側表面321が存在することが可能であり、そのときに、外側表面321は、アッパー102の外部(外向きに面する)表面の少なくとも一部分を形成するように設けられている。そのうえ、アッパー102の内側表面320が存在することが可能であり、そのときに、内側表面320は、足が内部空洞318の中に設けられているときに足に向けて面する、アッパー102の表面である。異なる実施形態において、外側表面321と内側表面322との間に設けられている1つ以上の材料の層が存在することが可能であるということが理解されるべきである。
【0058】
いくつかの実施形態では、コンパートメント302は、アッパー102の一部分に沿って設けられているスリーブ状の領域を含むことが可能である。コンパートメント302は、トンネル375を一緒に形成する1つ以上のアッパー層によって、少なくとも部分的に境界を定められ得る。コンパートメント302は、スロット330を追加的に含むことが可能であり、スロット330は、トンネル375の内部へのアクセスを提供することが可能であるということが理解されるべきである。1つの実施形態では、スロット330は、図2の制御デバイス200などのような、構成部品の挿入の後に固定されるか、又は実質的に閉じられ得る。
【0059】
いくつかの実施形態では、トンネル375は、アッパー102の第1の層350と第2の層360との間に形成され得る。いくつかの実施形態では、第1の層350は、アッパー102の最も内側の層(すなわち、内側表面320)からなることが可能である。いくつかの実施形態では、第2の層360は、アッパー102の最も外側の層(すなわち、外側表面321)からなることが可能である。しかし、他の実施形態では、第1の層350及び/又は第2の層360は、アッパー102の追加的な層に隣接して設けられ得る。したがって、いくつかの実施形態では、第1の層350は、アッパー102の最も内側の層からならなくてもよい。同様に、第2の層360は、いくつかの実施形態では、アッパー102の最も外側の層からならなくてもよい。換言すれば、異なる実施形態では、アッパー102は、異なる領域に設けられ、異なる材料を含み得る、コンパートメントを有することが可能である。
【0060】
図4を参照すると、異なる実施形態では、物品100は、制御デバイス200に関連して使用され得る、さまざまな構成部品、デバイス、又は要素を含むことが可能である。換言すれば、制御デバイス200は、テンショニング・システムの一部として動作するように、及び/又は、物品100に関連付けられる追加的な構成部品に接続するように構成され得る。たとえば、上述のように、物品100は物品100の1つ以上の領域の全体を通して設けられている、さまざまな機械的な又は電子的な接点を含むことが可能である。したがって、いくつかの実施形態では、コンパートメント302の中への制御デバイス200の挿入の前又は後に、制御デバイス200は、接続要素に接合もしくは取り付けられ得、又は、その他の方法でリンク接続され得る。いくつかのケースでは、ポート230(図2を参照)は、物品100の中の1つ以上の接続要素との接続を形成することが可能である。しかし、また、制御デバイス200のインストレーションは、物品100の要素への任意の事前の接続又は後の接続なしに起こることが可能であるということが理解されるべきである。
【0061】
図4に示されているように、いくつかの実施形態では、制御デバイス200の少なくとも一部分は、アッパー102のさまざまな層の取り外しを必要とすることなく、又は、アッパー102のさまざまな層への損傷を必要とすることなく、アッパー102のトンネル375の中へ容易にスライド又は挿入され得る。いくつかの実施形態では、このプロセスは、スロット330を含むことによって促進させられ得、スロット330は、制御デバイス200の一方の端部の進入を受容するようにサイズ決めされ得る。パネル204は、挿入されると、トンネル375の長さの全体を通して案内され得る。異なる実施形態では、トンネル375の長さ又は他の寸法は、制御デバイス200を収容するように、及び/又は、ユーザにとっての物品の快適性を妨げない様式で制御デバイス200の挿入を可能にするように、調節又は構成され得る。
【0062】
いくつかの実施形態では、図2に参照して上記に述べられているように、第1の孔部222及び/又は第2の孔部224は、他の要素又は構成部品(たとえば、ガイディング・ケーブル、ループ、又はフックなど)とともに使用され、スロート開口部132のより近位の場所に向けてパネル204を移動させることが可能である。パネル204の所望の位置に到達すると、フック部分216(図2を参照)は、制御デバイス200をアンカー又は固定するために使用され得る。たとえば、第1のフック部分218及び/又は第2のフック部分220(図2に示されている)は、アッパー102の一部分に接触することが可能であり、また、フック部分216の湾曲に起因して、アッパー102の一部分に引っ掛かるか、又は、その他の方法で接続することが可能である。
【0063】
いくつかの実施形態では、パネル204は、アッパー102の内側165又は外側185のいずれかに沿って設けられ得るということが理解されるべきである。そのうえ、他の実施形態では、パネル204は、内側165及び外側185の両方に沿って延在する様式で設けられ得、また、フォアフット領域105、ミッドフット領域125、及びヒール領域145のいずれかの中に位置付けされ得る。
【0064】
提案されている実施形態のさらなる理解を読者に提供するために、インストレーション・プロセスの追加的な図が、図5及び図6に示されている。図5及び図6では、アッパー102の2つの等角側面図が示されている。アッパー102は、一連の点線によって図示されており、一方、コンパートメント302は、実線で示されている。上述のように、いくつかの実施形態では、トンネル375の寸法は、制御デバイス200の固定及び/又はぴったりとした受け入れのために、設計又は構成され得る。図5では、トンネル375は、一般的に、パネル204のパネル幅240(図2を参照)よりも大きい直径を含む。そのうえ、図2に示されているようなパネル長さ242は、トンネル375に関連付けられる長さよりも小さくなっていることが可能である。換言すれば、トンネル375は、制御デバイス200の少なくとも一部分を少なくとも部分的に包含又は保持するように寸法決めされ得る。いくつかの実施形態では、たとえば、トンネル375の長さは、パネル長さ242よりもわずかにだけ大きくなっていることが可能であり、実質的にぴったりとしたフィットが、パネル204とトンネル375との間に形成されるようになっている。しかし、他の実施形態では、制御デバイス200又はコンパートメント302のいずれかの寸法は、異なっていることが可能であり、一方が他方とは実質的に異なるようになっている。たとえば、アッパー102の中へ組み込まれるシース238の部分の長さ及びサイズに応じて、トンネル375は、制御デバイス200に関連付けられる配線を収容するように延在することが可能である。
【0065】
いくつかの実施形態では、インストレーションのときにユーザによって制御デバイス200がより容易に利用されることを可能にする様式で、アッパー102を構成させることが可能であり得る。いくつかの実施形態では、コンパートメント302は、制御デバイス200に関連付けられるボタン又は他の制御メカニズムへのアクセスを可能にするための設備を含むことが可能である。図5及び図6では、たとえば、アパーチャ500は、甲領域110に沿ってアッパー102の中に形成されることを見ることが可能である。第1のアパーチャ582、第2のアパーチャ564、及び第3のアパーチャ566を含む、アパーチャ500が示されている。いくつかの実施形態では、制御デバイス200がアッパー102の中に載置されるときに、第1のアパーチャ562は、第1のボタン208に整合させられ得、第2のアパーチャ564は、第2のボタン210に整合させられ得、第3のアパーチャ566は、第3のボタン212に整合させられ得る。したがって、パネル204がアパーチャ500に対応するように位置決めされているときに、第1のボタン208の少なくとも一部分は、第1のアパーチャ562によって提供される開口部を通して露出され、第2のボタン210の少なくとも一部分は、第2のアパーチャ564によって提供される開口部を通して露出され、第3のボタン212の少なくとも一部分は、第3のアパーチャ566によって提供される開口部を通して露出される。換言すれば、コンパートメント302に関連付けられるアッパー102の部分は、載置された構成部品の少なくとも一部分との接触を可能にする、露出されたエリア又はギャップを含むことが可能である。したがって、異なる実施形態では、ユーザによる制御デバイス200との相互作用を許容することができる、物品100の全体を通して含まれた設備に適合又は一貫する方式で、パネル204は、コンパートメント302の中に設けられ得る。そのうえ、ボタン206のアライメントは、図7図10を参照して下記に議論されることとなるように、制御デバイス200に沿って、追加的な構成部品又は要素のインストレーションを促進させることが可能である。
【0066】
ここで図7を参照すると、アッパー102の一部分(具体的には、コンパートメント302に関連付けられたアッパー102の一部分)の中の制御デバイス200の一部分の分解等角図が示されている。図7及び図8では、トンネル375を含むコンパートメント302の部分が、第1の層350及び第2の層360に沿って、一連の点線によって図示されている。ボタン206を備えたパネル204が、第1の層350と第2の層360との間に設けられていることが示されている。
【0067】
異なる実施形態では、制御デバイス200は、増加した保護、耐久性、ユーサビリティ、快適性、審美性、及び/又は機能性を制御デバイス200に提供することができる、追加的な要素に関連付けられ得る。たとえば、1つ以上のボタン206は、コーティング、蓋、カバー、キャップ、シールド、ベニヤ、又は、他のタイプの層に接合され得る。1つの実施形態では、カバーは、ボタン206の上に載置され得、ボタン206に接合され得、又は、ボタン206の上に設けられ得る。図7では、第1のカバー702、第2のカバー704、及び第3のカバー706を含む、一連のカバー700が示されている。いくつかの実施形態では、カバー700は、形状がボタン206と実質的に同様になっていることが可能である。しかし、他の実施形態では、カバー700は、望まれる機能性及び/又は外観に応じて、異なって形状決めされ得る。
【0068】
図5及び図6を参照して示されているように、アパーチャ500が、第1の層350のいくつかのエリアの中に形成されている。組み立ての前に、カバー700、アパーチャ500、及びボタン206は、それらが互いに概して整合させられるように配置され得るということがわかる。具体的に図7を参照すると、第1のボタン208、第1のアパーチャ562、及び第1のカバー702が、概して整合させられ、第2のボタン210、第2のアパーチャ564、及び第2のカバー704が整合させられ、また、第3のボタン212、第3のアパーチャ566、及び第3のカバー706が整合させられる。
【0069】
そのうえ、それぞれの整合させられたカバー、アパーチャ、及びボタンのサイズは、相関させられ得、及び/又は、いくつかの実施形態では、実質的にマッチすることが可能である。換言すれば、制御デバイス200、アッパー102、及び、カバー700などのような要素は、物品の中のより容易なインストレーションを可能にする寸法を含むことが可能である。たとえば、図7では、第3のボタン212は、第3の直径256に関連付けられており、第3のアパーチャ566は、アパーチャ直径756に関連付けられており、また、第3のカバー706は、カバー直径766に関連付けられている。いくつかの実施形態では、それぞれの直径は、構成部品間のフィット性を増加することを可能にするように、及び/又は、物品との組み立てプロセスを合理化するように選択され得る。したがって、図7に示されているように、第3の直径256は、カバー直径766よりも小さくなっていることが可能であり、第3のカバー706が第3のボタン212の全体を包含することができるようになっている。そのうえ、カバー直径766は、いくつかの実施形態では、アパーチャ直径756よりも小さくなっていることが可能であり、第3のカバー706が第3のアパーチャ566の中へ容易に挿入され得るようになっている。しかし、他の実施形態では、アパーチャ直径756は、カバー直径766よりも小さくなっていることが可能であり、第3のカバー706が第3のボタン212に接合されるときに、アッパー102の中の第3のカバー706との間のよりしっかりとした又は確実なフィットを可能にする。同様に、第第3のボタン212の第3の直径256は、いくつかの実施形態では、カバー直径766又はアパーチャ直径756のいずれかよりも大きくなっていることが可能である。
【0070】
異なる実施形態では、カバー700は、アッパー102の中へのパネル204の挿入及び/又は組み込みの後に、制御デバイス200に適用され得る。たとえば、図8を参照すると、パネル204は、コンパートメント302の中に載置されて示されている。パネル204は、トンネル375の中に挿入されており、トンネル375は、点線によって示されている領域に沿って一緒に接合された第1の層350及び第2の層360の一部分から形成されている。内側部分232に関連付けられるボタン206の一部分は、外側部分234に関連付けられるいくつかの部分と同様に、アパーチャ500を通して見ることができる。したがって、第1のボタン208は、第1のアパーチャ562を通して少なくとも部分的に露出されており、第2のボタン210は、第2のアパーチャ564を通して少なくとも部分的に露出されており、また、第3のボタン212は、第3のアパーチャ566を通して少なくとも部分的に露出されている。そのうえ、第1のカバー702は、パネル204の上方に示されており、第1のアパーチャ562に概して整合させられており、第2のカバー704は、パネル204の上方に示されており、第2のアパーチャ564に概して整合させられており、また、第3のカバー706は、パネル204の上方に示されており、第3のアパーチャ566に概して整合させられている。
【0071】
パネル204に沿って、カバー700のインストレーションをより良好に図示するために、図9及び図10は、パネル204の中の第1のカバー702及び第1のボタン208の側断面図を示している。図9では、第1のカバー702は、インストレーションの前に、第1のボタン208の上方に示されている。第1のカバー702は、中央部分902及びリム部分904を含む。中央部分902は、いくつかの実施形態では、リム部分904によって境界を定められ得る。そのうえ、リム部分904は、中央部分902の周りに設けられており、第1のカバー702の中に凹部906を形成することが可能である。第1のカバー702が第1のアパーチャ562の中へ挿入されるときに、リム部分904が第1の層350に接触することが可能である。力910が印加され、第1のカバー702を押し、第1のカバー702と制御デバイス200を接続するときに、リム部分904は、第1のアパーチャ562に進入するために、撓み、屈曲し、又はその他の方法で変形することが可能である。
【0072】
図10を参照すると、第1のカバー702が第1のボタン208の上方に載置されていることがわかる。いくつかの実施形態では、リム部分904は、第1のボタン208の一部分に接触することが可能である。他の実施形態では、リム部分904は、第1の層350及び/又は第2の層360の一部分に接触することが可能である。したがって、1つの実施形態では、第1のカバー702と第1のボタン208と機械的に接合するために、力が印加され得る。異なる実施形態では、カバーを載置し、又は、カバーとパネル204を接合する任意の他の手段が利用され得、それは、結合、接着剤、化学的な成形、溶着、縫い合わせ、又は、任意の他の手段を含む。そのうえ、他の実施形態では、ボタンが、事前に載置されたカバーとともに製造され得、物品の中への制御デバイス200の挿入の前に、カバーがボタンに接合されるようになっているということが理解されるべきである。
【0073】
ここで図11を参照すると、物品100は、制御デバイス200が載置された状態で図示されている。図11では、物品100のアッパー102及びソール構造体104が、実線で示されており、一方、制御デバイス200及びコンパートメント302が、点線で示されている。ユーザ1100は、制御デバイス200を利用することができ、物品100のさまざまな機能と相互作用し、係合し、それらを動作させ、及び/又は、活性化させることが可能である。いくつかの実施形態では、機能は、図1を参照して説明されているように、テンショニング・システム150の異なる態様を含むことが可能である。制御デバイス200と相互作用するために、ユーザは、パネル204の一部分に接触し、及び/又は、パネル204の一部分に対して力を働かせることが可能である。図11では、ユーザ1100の人差し指が、第2のボタン210に適用されている。
【0074】
図12では、アッパー102の中の載置されているときの制御デバイス200のパネル204の実施形態の側断面図が示されており、対応するカバー700とともにボタン206を示している。ここで図13を参照すると、力1300が第2のカバー704に印加されているときに、第2のカバー704の表面は変形することが可能である。変形の結果として、第2のカバー704の一部分は、第2のボタン210の一部分に接触することが可能である。第2のカバー704と第2のボタン210との間の接触、及び/又は、力1300によって働かされる圧力は、信号を引き起こすことが可能であり、又は、そうでなければ、パネル204の要素の中の変化を作り出すことが可能であり、それは、制御デバイス200又は他のシステムによって認識される。したがって、いくつかの実施形態では、ボタン206は、人によって使用され、制御デバイス200、及び、制御デバイス200に関連付けられたシステムと相互作用することが可能である。
【0075】
異なる実施形態では、ユーザ1100が制御デバイス200に係合しているときに、さまざまな異なる動作が、活性化又は無効化され得る。詳細な説明の全体を通して、及び、特許請求の範囲の中に、テンショニング・システムのさまざまな動作モード又は構成が、図示の目的のために説明されている。これらの動作モードは、テンショニング・システム自体の状態を表すことが可能であり、また、テンショニング・システムの個々のサブシステム及び/又は構成部品の動作モードを表すことが可能である。例示的なモードは、「インクリメンタルに締め付けるモード」、「インクリメンタルに緩めるモード」、及び、「完全に緩める」モードを含む。後半の2つのモードは、「インクリメンタルな解放モード」及び「完全な解放モード」とも称され得る。インクリメンタルに締め付けるモードでは、テンショニング・システムは、レース又は他の引張要素をインクリメンタルに(又は、徐々に)締め付けるか、又は、レース又は他の引張要素のテンションを増加させる様式で、動作することが可能である。インクリメンタルに緩めるモードでは、電動式締め付けデバイスは、引張要素の中のテンションをインクリメンタルに(又は、徐々に)緩めるか、又は、引張要素の中のテンションを解放する様式で、動作することが可能である。完全な解放モードでは、ユーザが自分の足を物品から容易に引き出すことができるレベルまで、システムによってレースに印加されるテンションが実質的に低減されるような様式で、テンショニング・システムは動作することが可能である。これは、インクリメンタルな解放モードとは対照的であり、インクリメンタルな解放モードでは、システムは、引張要素に関して、現在のテンションに対して、より低いテンションを実現するように動作するが、必ずしも、引張要素からテンションを完全に除去するように動作するわけではない。そのうえ、完全な解放モードは、ユーザが物品を取り外すことができるように、レース又は引張要素・テンションを急速に解放するために利用され得るが、インクリメンタルな解放モードは、ユーザが所望の量のテンションを探すときに、レース・テンションに対して小さい調節を行うために利用され得る。他の動作モードも可能であり得る。
【0076】
再び図11図13を参照すると、いくつかの実施形態では、ユーザ1100は、制御デバイス200を使用し、制御コマンドを開始させることが可能である。制御コマンドのいくつかの例は、それに限定されないが、左/右のシューズ選択、インクリメンタルに締め付ける、インクリメンタルに緩める、開ける/完全に緩める、テンションを記憶する、及び、テンションを呼び戻す/回復させる、を含むことが可能である。たとえば、1つの実施形態では、第1のボタン208及び第2のボタン210は、フットウェアの物品(すなわち、左又は右)を選択するために使用され得、それは、制御コマンドを受け入れて応答することとなる。いくつかの実施形態では、第1のボタン208又は第2のボタン210のいずれかが選択され得るが、両方ともが同時に選択されなくてもよい。他のケースでは、第1のボタン208及び第2のボタン210の両方を同時に選択することが可能であり得、ユーザが両方の物品を同時に締め付ける、緩める、開ける、又は、他のある機能を開始させることを可能にする。別の例では、第3のボタン212は、テンショニング・システム150の「インクリメンタルに締め付ける」コマンドを開始させるために使用され得る。
【0077】
また、いくつかの実施形態では、制御デバイス200は、好適なテンション設定を記憶及び使用するための設備を含むことが可能である。1つの実施形態では、第1のボタン208が使用され、たとえば、第1のボタン208が押圧されている持続期間に応じて、「現在のテンションを記憶する」コマンド、及び/又は、「記憶されたテンションに戻る」コマンドを開始させることが可能である。さらなる他の実施形態は、複数のテンション設定を記憶するための設備を含むことが可能である。たとえば、ユーザは、スポーツをするために、よりきついフィット感を好む可能性があり、また、カジュアルな活動のために、より緩いフィット感を好む可能性がある。そのようなケースでは、制御デバイス200は、ユーザが、少なくとも2つの異なるレース・テンションの好みに対応する、2つ以上のテンション設定を記憶することを可能にすることができる。単一のアイテムの一部であろうと、1対のシューズなどのような複数のアイテムであろうと、テンショニング・システム150に関するテンションの記憶又は呼び戻しは、制御デバイス200によって出される単一のコマンドによって、又は、一連の制御コマンドによって、実施され得るということを、当業者は理解する。
【0078】
いくつかのケースでは、この物品100をインクリメンタルに緩めること、又は、インクリメンタルに締め付けることは、離散的な工程で起こることが可能であり、着用者がボタン(たとえば、第1のボタン208)を押圧するたびに、引張要素が所定の量だけ緩めたり締めたり(let out up)されるようになっている(たとえば、所定の角度にわたって、電動式テンショニング・デバイスの中のスプールを回転させることによって)。他のケースでは、このインクリメンタルに緩めることは、着用者が第1のボタン208にタッチし続ける限り、連続的な様式で起こることが可能である。いくつかのケースでは、緩める速度は、システムが締め付けの好適なレベルを通り過ぎないように設定され得(すなわち、システムは、きつ過ぎる状態と、十分にきつくはない状態との間で速く移動しすぎない)、同時に、物品100を完全に緩めるための過度に長い時間を回避するのに十分に大きくなっている。この配置によって、ユーザ1100は、アッパー102のための締め付けの好適なレベルが実現されるまで、(インクリメンタルに締め付けるモード、及び、インクリメンタルに緩めるモードを使用して)物品100の全体を通してテンションを増加及び減少させ続けることが可能である。
【0079】
異なる実施形態では、本明細書で説明されている構成部品のいずれかは、アッパー及び/又はソール構造体のさまざまな領域を含む、物品の任意の他の部分の中に設けられ得る。いくつかのケースでは、いくつかの構成部品・パーツ(たとえば、リード・ワイヤーなど)が、物品の1つの部分の中に設けられ得、他の構成部品・パーツ(たとえば、パネルなど)が、別の異なる部分の中に設けられ得る。1つ以上の構成部品・パーツの場所は、それに限定されないが、サイズの制約、製造の制約、審美的な好み、最適な設計及び機能的な設置、取り外しやすさ、又は、物品の他の部分へのアクセスしやすさ、ならびに、場合によっては他の要因を含む、さまざまな要因にしたがって選択され得る。
【0080】
本明細書で説明されている実施形態及び特徴は、電動式テンショニング・デバイス又はテンショニング・システムを動作させるための特定のユーザ・インターフェース又はアプリケーションに限定されないということが理解されるべきである。そのうえ、ここでの実施形態は、例示的なものであることが意図されており、他の実施形態は、任意の追加的な制御ボタン、インターフェース設計、及びソフトウェア・アプリケーションを組み込むことが可能である。さまざまな動作コマンドを開始させるための制御ボタンは、さまざまな要因、すなわち、使いやすさ、設計者の審美的な好み、ソフトウェア設計コスト、システムの動作特性、及び、場合によっては他の要因にしたがって選択され得る。そのうえ、アパレル(たとえば、シャツ、パンツ、フットウェア)を含む、さまざまな製品は、本明細書で説明されている制御デバイスの実施形態、ならびに、他のタイプの物品、たとえば、ベッド・カバー、テーブル・カバー、タオル、フラグ、テント、セイル、及びパラシュートなどを組み込むことが可能であり、又は、自動車用途及び航空宇宙用途、フィルター材料、医療用テクスタイル、ジオテクスタイル、アグロテクスタイル、及び産業用アパレルを含む、産業用目的を備えた物品を組み込むことが可能である。
【0081】
本明細書で説明されている制御デバイスならびに組み立て及びインストレーションの方法はさまざまな製品において利用され得るが、以下の議論は、制御デバイスを組み込むアパレルの他の物品の例を提供する。すなわち、図14図16を参照した以下の議論は、制御デバイスがシャツ1400、1対のパンツ1500、及びグローブ1600の中へ組み込まれ得る、いくつかの方式を実証している。
【0082】
図14を参照すると、第1の例では、シャツ1400が示されている。シャツ1400は、第1の制御デバイス1402、第2の制御デバイス1404、第3の制御デバイス1406、及び第4の制御デバイス1408を含む。図示の目的のために、それぞれの制御デバイスは、シャツ1400の異なる領域の中に設けられて示されている。図14では、例として、第1の制御デバイス1402は、カラー領域1410の中に位置付けされており、第2の制御デバイス1404は、ショルダー部領域の近くに位置付けされており、第3の制御デバイス1406は、スリーブの縁部に沿って位置付けされており、また、第4の制御デバイス1408は、シャツ1400の胴の底縁部に沿って位置付けされている。シャツ1400の中への制御デバイスの組み込みをより良好に図示するために、カラー領域1410の拡大図1490が示されている。カラー領域1410では、第1の制御デバイス1402が、カラー領域1410を含む材料の層の中に形成された第1のコンパートメント1450の中に示されている。3つのボタン1420を見ることができ、それは、パネル1430に沿って設けられている。したがって、シャツ1400の着用者は、さまざまな制御デバイスにアクセスすることができ、また、1つ以上のボタン1420と容易に相互作用することが可能である。制御デバイスは、LED、温度制御、引張要素、及び/又は、シャツ1400に関連付けられた任意の他のデバイス、ならびに、他のリモート・メカニズム(すなわち、シャツ1400の中に設けられていないメカニズム)などのような、シャツ1400の中のさまざまな機能に接続し、及び/又は、シャツ1400の中のさまざまな機能を動作させることが可能である。
【0083】
ここで図15を参照すると、パンツ1500が示されている。パンツ1500は、第5の制御デバイス1502及び第6の制御デバイス1504を含む。図示の目的のために、それぞれの制御デバイスは、パンツ1500の異なる領域の中に設けられて示されている。図15では、例として、第5の制御デバイス1502は、ベルト領域1510の中に位置付けされており、第6の制御デバイス1504は、ポケット領域に沿って位置付けされている。パンツ1500の中への制御デバイスの組み込みをより良好に図示するために、ベルト領域1510の拡大図1590が示されている。ベルト領域1510の中において、第5の制御デバイス1502が、ベルト領域1510を含む材料の層の中に形成された第2のコンパートメント1550の中に示されている。3つのボタン1520を見ることができ、それは、パネル1530に沿って設けられている。したがって、パンツ1500の着用者は、さまざまな制御デバイスにアクセスすることができ、また、ボタン1520と容易に相互作用することが可能である。図14のシャツ1400と同様に、制御デバイスは、LED、温度制御、引張要素、及び/又は、パンツ1500に関連付けられた任意の他のデバイス、ならびに、他のリモート・メカニズム(すなわち、パンツ1500の中に設けられていないメカニズム)などのような、パンツ1500に関連付けられたシステムのさまざまな機能に接続し、及び/又は、パンツ1500に関連付けられたシステムのさまざまな機能を動作させることが可能である。
【0084】
他の実施形態では、制御デバイスが、他の物品の中に設けられ得る。図16を参照すると、グローブ1600が示されている。グローブ1600は、第7の制御デバイス1602を含む。図16では、例として、第7の制御デバイス1602が、手背部(手の背面)に関連付けられたグローブ1600のアッパー部分に沿って位置付けされており、それは、対応する(反対側の)手による容易なアクセスを提供することが可能である。グローブ1600の中への制御デバイスの組み込みをより良好に図示するために、拡大図1690が含まれており、グローブ1600を含む材料の層の中に形成された第3のコンパートメント1650の中に設けられている第7の制御デバイス1602を示している。3つのボタン1620を見ることができ、それは、パネル1630に沿って設けられている。したがって、グローブ1600の着用者は、さまざまな制御デバイスにアクセスすることができ、また、ボタン1620と容易に相互作用することが可能である。図14のシャツ1400及び図15のパンツ1500と同様に、制御デバイスは、LED、温度制御、引張要素、及び/又は、グローブ1600に関連付けられた任意の他のデバイス、ならびに、他のリモート・メカニズム(すなわち、グローブ1600の中に設けられていないメカニズム)などのような、グローブ1600の中のさまざまな機能に接続し、及び/又は、グローブ1600の中のさまざまな機能を動作させることが可能である。
【0085】
本明細書で示されている制御デバイスは、異なる方式で載置され得るということが理解されるべきである。図示の目的のために、図17は、フットウェアの物品又はアパレルの物品の中に制御デバイスを載置する1つの方法を示すフローチャートを提供している。1つの実施形態では、インストレーションの方法は、制御デバイスを物品と関連付ける第1の工程1710を含むことが可能である。異なるケースでは、物品は、上記に議論されているように、コンパートメントとともに製造され得る。第2の工程1720では、制御デバイスのパネルは、物品の一部分の中に形成されたスロットの中へ挿入され得る。第3の工程1730は、物品の中に形成されたコンパートメントの中にパネルが設けられるように、スロットを通してパネルを移動させる工程からなることが可能である。第4の工程1740では、パネルの上に設けられている少なくとも1つのボタンが、アッパーの上に形成された少なくとも1つのアパーチャに整合させられ得る。他の実施形態では、他の工程は、制御デバイスのポートを物品の中の接続要素と接続する工程を含むことが可能である。また、いくつかの実施形態では、少なくとも1つのボタン・カバーが、パネルの上に載置され得る。そのうえ、上記に議論されているように、いくつかのケースでは、パネルは、パネルに沿って形成されたフック部分を使用して、コンパートメントの中にアンカー又は固定され得る。他の実施形態では、スロットを通してパネルを移動させることは、パネルの中に形成された孔部を把持すること、及び、引張要素を使用してコンパートメントを通してパネルを案内することをさらに含む(図2を参照して議論されているように)。
【0086】
そのうえ、本明細書で説明されている実施形態は、また、「フットウェアの物品、及び、フットウェアの物品の組み立ての方法(An Article of Footwear and a Method of Assembly of the Article of Footwear)」という標題の_に公開された米国特許出願公開第_号(以前に2015年5月28に出願された米国特許出願第_号)(現在の代理人整理番号51-4835)、「制御デバイスのためのロックアウト・フィーチャ(A Lockout Feature for a Control Device)」という標題の_に公開された米国特許出願公開第_号(以前に2015年5月28に出願された米国特許出願第_号)(現在の代理人整理番号51-4836)、「フットウェアの物品のための充電システム(A Charging System for an Article of Footwear)」という標題の_に公開された米国特許出願公開第_号(以前に2015年5月28に出願された米国特許出願第_号)(現在の代理人整理番号51-4838)、及び、「フットウェアの物品のためのソール・プレート(A Sole Plate for an Article of Footwear)」という標題の_に公開された米国特許出願公開第_号(以前に2015年5月28に出願された米国特許出願第_号)(現在の代理人整理番号51-4839)からの技法、概念、特徴、要素、方法、及び/又は構成部品を含むか、又は、それらを表すことが可能であり、それぞれの出願の全体を、参照により本願明細書に援用する。
【0087】
さまざまな実施形態が説明されてきたが、説明は、限定するというよりもむしろ、例示的であるということが意図されており、本実施形態の範囲の中にある、より多くの実施形態及び実装形態が可能であるということが当業者に明らかになることとなる。特徴の多くの可能な組み合わせが、添付の図に示されており、この詳細な説明の中で議論されているが、開示されている特徴の多くの他の組み合わせが可能である。任意の実施形態の任意の特徴は、具体的に制限されていなければ、任意の他の実施形態の中の任意の他の特徴又は要素と組み合わせて使用され得、又は、それと代替され得る。したがって、本開示において示され、及び/又は議論されている特徴のいずれかは、任意の適切な組み合わせで一緒に実装され得るということが理解されることとなる。したがって、添付されている特許請求の範囲及びその均等物の観点を除いて、実施形態は、制限されるべきではない。また、さまざまな修正及び変化が、添付されている特許請求の範囲の中で行われ得る。
【0088】
疑義を避けるために記すと、本開示は、以下の付番された段落又は「項」の主題に拡張する。
項1.
アッパー及びソール構造体と、
制御デバイスであって、制御デバイスは、パネルからなる、制御デバイスと、からなるフットウェアの物品であって、
アッパーは、第1の表面及び第2の表面からなり、コンパートメントが、第1の表面の一部分と第2の表面の一部分との間に形成されており、
第1の表面は、1つ以上のアパーチャからなり、1つ以上のアパーチャは、第1のアパーチャを含み、
パネルは、1つ以上のボタンを含み、1つ以上のボタンは、第1のボタンを含み、
パネルは、コンパートメントの中に設けられており、
第1のボタンは、第1のアパーチャと整合させられている、フットウェアの物品。
【0089】
第1及び第2の表面は、物品の層であることが可能である。
項2.
第1の表面は、アッパーの最も外側の表面である、項1に記載のフットウェアの物品。
【0090】
項3.
コンパートメントは、第1の表面と第2の表面との間に形成されたトンネルからなる、項1又は2に記載のフットウェアの物品。
【0091】
項4.
コンパートメントは、スロットをさらに含み、スロットは、少なくともパネルの第1の縁部を受け入れるように構成されている、項1乃至3のいずれか1項に記載のフットウェアの物品。
【0092】
項5.
第1のボタン・カバーをさらに含み、第1のボタン・カバーは、第1のボタンに隣接して設けられている、項1乃至4のいずれか1項に記載のフットウェアの物品。
【0093】
項6.
制御デバイスは、フットウェアの物品に関連付けられた電動式テンショニング・システムにコマンドを送信するために構成されている、項1乃至5のいずれか1項に記載のフットウェアの物品。
【0094】
項7.
コンパートメントは、アッパーの甲領域に沿って位置付けされている、項1乃至6のいずれか1項に記載のフットウェアの物品。
【0095】
項8.
第1の表面及び第2の表面であって、第1の表面は、第2の表面とは別々の材料の部分からなる、第1の表面及び第2の表面と、
制御デバイスであって、制御デバイスは、パネルからなる、制御デバイスと、
第1の表面と第2の表面との間に形成されているコンパートメントと、
からなるアパレルの物品であって、
第1の表面は、1つ以上のアパーチャからなり、1つ以上のアパーチャは、第1のアパーチャを含み、
パネルは、1つ以上のボタンを含み、1つ以上のボタンは、第1のボタンを含み、
パネルは、コンパートメントの中に設けられており、
第1のボタンは、第1のアパーチャを通して露出されている、アパレルの物品。
【0096】
項9.
パネルは、フック部分をさらに含み、フック部分は、コンパートメントの中にパネルを固定することを助けるように構成されている、項8に記載のアパレルの物品。
【0097】
フック部分は、コンパートメントの中にパネルを固定するように構成され得る。フック部分は、別の要素を掴むように構成され得、ならびに/又は、物品の中にパネルを固定及び/もしくはアンカーするように構成され得る。フック部分は、物品の一部分に引っ掛かるか、又は、その他の方法で物品の一部分に接続するように、湾曲していることが可能である。
【0098】
項10.
パネルは、実質的に2次元の材料から構成されている、項8又は9に記載のアパレルの物品。
【0099】
項11.
第1のボタンの形状、及び、第1のアパーチャの形状は、実質的に同様である、項8乃至10のいずれか1項に記載のアパレルの物品。
【0100】
項12.
制御デバイスは、ポートとの接続部分をさらに含み、ポートは、物品に関連付けられた接続要素と制御デバイスを接合するように構成されている、項8乃至11のいずれか1項に記載のアパレルの物品。
【0101】
接続要素は、物品の一部であることが可能であり、又は、物品及び接続要素は、2つの別々の構成部品であることが可能である。
項13.
コンパートメントは、トンネルからなり、トンネルは、パネルをしっかりと受け入れるように構成されている、項8乃至12のいずれか1項に記載のアパレルの物品。
【0102】
項14.
第1の表面は、物品の最も外側の表面である、項8乃至13のいずれか1項に記載のアパレルの物品。
【0103】
項15.
アッパーを含むフットウェアの物品の中に制御デバイスを載置する方法であって、方法は、
フットウェアの物品のアッパーの内部空洞に制御デバイスを関連付ける工程と、
アッパーの一部分の中に形成されたスロットの中へ制御デバイスのパネルの縁部を挿入する工程と、
アッパーの中に形成されたコンパートメントの中にパネルが設けられるように、スロットを通してパネルを移動させる工程と、
パネルの上に設けられている少なくとも1つのボタンを、アッパーの上に形成された少なくとも1つのアパーチャに整合させる工程と、
からなる、方法。
【0104】
フットウェアの物品のアッパーの内部空洞に制御デバイスを関連付ける工程は、内部空洞の中の物品のアッパーに制御デバイスを連結する工程、又は、内部空洞の中に制御デバイスを設置する工程を含むことが可能である。
【0105】
項16.
制御デバイスのポートをフットウェアの物品の中の接続要素に接続する工程をさらに含む、項15に記載の方法。
【0106】
項17.
少なくとも1つのボタン・カバーをパネルの上に載置する工程をさらに含む、項15又は16に記載の方法。
【0107】
項18.
パネルに沿って形成されたフック部分を使用して、コンパートメントの中にパネルを固定する工程をさらに含む、項15乃至17のいずれか1項に記載の方法。
【0108】
項19.
スロットを通してパネルを移動させる工程は、パネルの中に形成された孔部を把持する工程、及び、引張要素を使用してコンパートメントを通してパネルを案内する工程をさらに含む、項15乃至18のいずれか1項に記載の方法。
【0109】
項20.
少なくとも1つのボタンがフットウェアの物品の甲領域に沿って位置付けされるように、パネルを位置決めする工程をさらに含む、項15乃至19のいずれか1項に記載の方法。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17