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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-04
(45)【発行日】2023-10-13
(54)【発明の名称】医療データの自動化された検証
(51)【国際特許分類】
   G16H 10/00 20180101AFI20231005BHJP
【FI】
G16H10/00
【請求項の数】 9
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022194641
(22)【出願日】2022-12-06
(62)【分割の表示】P 2020140547の分割
【原出願日】2020-08-24
(65)【公開番号】P2023016929
(43)【公開日】2023-02-02
【審査請求日】2022-12-06
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2019/102636
(32)【優先日】2019-08-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】WO
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】591003013
【氏名又は名称】エフ. ホフマン-ラ ロシュ アーゲー
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN-LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
(73)【特許権者】
【識別番号】520321650
【氏名又は名称】チル・ホスピタル・オブ・シャントン・ユニバーシティ
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100119781
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 彰吾
(72)【発明者】
【氏名】ダクアン・リウ
(72)【発明者】
【氏名】イン・チエン
(72)【発明者】
【氏名】シヤオジュン・タオ
(72)【発明者】
【氏名】ホーンチュン・ワーン
(72)【発明者】
【氏名】ウエイビン・シーン
(72)【発明者】
【氏名】チェンシイ・ジャーン
(72)【発明者】
【氏名】イー・ジャーン
(72)【発明者】
【氏名】チイ・ジョウ
【審査官】今井 悠太
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-091324(JP,A)
【文献】国際公開第19/111327(WO,A1)
【文献】特開平11-047096(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00-80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療データを検証するための機械学習モデルを提供するためのコンピュータ実装方法であって、
履歴医療データおよび関連するラベル付け情報を含む訓練データを取得するステップであって、前記ラベル付け情報が、前記履歴医療データに対して実行された所定のアクションを示す、ステップと、
第1の機械学習モデルが、前記医療データと、前記医療データに対して選択および実行されるべき、前記所定のアクションに関する情報を示す検証結果との間の関連付けを表すように、前記訓練データに基づいて医療データを検証するための前記第1の機械学習モデルを生成するステップと
を含み、前記所定のアクションが、前記医療データに関連する医療検査を要求するエンティティに前記医療データを公開するという第1のアクションを含む、方法。
【請求項2】
記訓練データを取得するステップが、
前記第1のアクションを示すラベル付け情報に関連付けられているとマークされた利用可能な履歴医療データの第1のセットを取得するステップと、
利用可能な履歴医療データの前記第1のセットから、前記第1のセット中の他の履歴医療データよりも前記ラベル付け情報の信頼性が高い履歴医療データを選択するステップと、
前記選択された履歴医療データおよび前記関連するラベル付け情報を前記訓練データとして決定するステップと
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記訓練データを取得するステップが、
利用可能な履歴医療データの第2のセットから外れ値(outlier)の履歴医療データを選択するステップと、
前記外れ値の履歴医療データをユーザに提示するステップと、
前記ユーザから前記所定のアクションのうちの1つを示すユーザ入力を受たことに応答して、前記外れ値の履歴医療データを、前記示されたアクションを示すラベル付け情報に関連付けるようにマークするステップと、
前記外れ値の履歴医療データおよび前記関連するラベル付け情報を前記訓練データとして決定するステップと
を含む、請求項1または2のいずれかに記載の方法。
【請求項4】
記訓練データを取得するステップが、
利用可能な履歴医療データの第3のセットから、第1の医療データの量と第2の医療データの量との所定の比率に基づいて、第1の履歴医療データおよび第2の履歴医療データを選択するステップを含み、前記第1の履歴医療データが、前記第1のアクションを示すラベル付け情報に関連付けられ、前記第2の履歴医療データが、前記所定のアクションのうちの前記第1のアクションとは異なるアクションを示すラベル付け情報に関連付けられる、請求項1から3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
モデル進化のための所定のトリガに応答して、
前記第1の機械学習モデルを更新すること、または
前記訓練データに基づいて新しい機械学習モデルを生成すること
によって、医療データを検証するための第2の機械学習モデルを決定するステップをさらに含み、前記新しい機械学習モデルが、前記第1の機械学習モデルとは異なるモデル構成を有する、請求項1から4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記第2の機械学習モデルを決定するステップが、
医療データに対してさらなるアクションが実行されるべきであるとの決定に応答して、さらなる履歴医療データおよび前記さらなるアクションを示す関連するさらなるラベル付け情報を前記訓練データに追加するステップと、
前記第2の機械学習モデルが、前記医療データと、前記所定のアクションおよび前記医療データに対して実行されるべき前記さらなるアクションを示すさらなる検証結果との関連付けを表すように、前記新しい機械学習モデルを前記第2の機械学習モデルとして生成するステップと
を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
医療データを検証するために使用されている前記第1の機械学習モデルが提供され、前記方法が、
前記第1の機械学習モデルの第1の性能測定値および前記第2の機械学習モデルの第2の性能測定値を決定するステップと、
前記第2の性能測定値が前記第1の性能測定値を超えたことに応答して、使用されている前記第1の機械学習モデルを置き換えるための前記第2の機械学習モデルを提供するステップと
をさらに含む、請求項5または6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
前記履歴医療データが、複数の所定の検査項目のうちの少なくとも1つの検査項目の検査結果を含み、前記第1の機械学習モデルを生成するステップが、
前記複数の所定の検査項目のうちの、前記少なくとも1つの検査項目以外の他の検査項目の検査結果を記入することによって、前記履歴医療データを処理するステップであって、前記記入される検査結果が、他の履歴医療データに含まれる前記他の検査項目の検査結果から決定される、ステップと、
前記処理された履歴医療データに基づいて前記第1の機械学習モデルを生成するステップと
を含む、請求項1から7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
前記所定のアクションが、さらに、以下の、
前記医療データをさらに検証する第2のアクション、
前記医療データに関連する前記医療検査を再実行する第3のアクション、
患者の履歴医療記録を確認する第4のアクション、
前記医療検査における試薬の反応を確認する第5のアクション、
前記医療検査で使用するために収集された検査試料(test sample)を確認する第6のアクション、
前記医療データを臨床診断と組み合わせて確認する第7のアクション、および
患者の薬剤使用を確認する第8のアクション
のうちの少なくとも1つを含む、請求項1から8のいずれかに記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本開示の実施形態は、一般に、コンピュータサイエンスの分野に関し、詳細には、医療データの自動化された検証のための方法、デバイス、およびコンピュータプログラム製品に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]医療検査はほぼ毎日医療検査室で実施されており、そこから大量の医療検査レポートが生成されて医療データが提示される。患者に対する誤診を回避するように、レポートに提示された医療データが有効であることを保証するために、医療検査レポートを臨床科または患者に公開する前に検証手順が開始される。しかしながら、いくつかの自動化された機能が導入されているにもかかわらず、現在の検証手順は多くの労力を必要とする。
【0003】
[0003]現在、医療検査レポートを検証するために、ルールベースのエンジンが使用されている。ルールベースのエンジンは、レポート内の検査結果が所定のルールを満たすかどうかを判定することによって、医療検査レポートを臨床科または患者に直接渡すことができるかどうかを検証するように構成される。所定のルールのうちの1つまたは複数を満たさない医療検査レポートは、検査室の専門家の医療経験および知識を用いて手動で見直すために、検査室の専門家に提供されることになる。
【0004】
[0004]現在のルールベースの機能の支援を受けたとしても、医療データの検証に多大な労力が払われなければならない。人件費に加えて、検証の正確度および効率が、検査技師の経験および専門レベルによって変化する場合がある。したがって、手作業を減らして高い正確度および効率を達成するために医療データの自動化された検証のための解決策を得ることが望ましい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
[0005]一般に、本開示の例示的な実施形態は、医療データの自動化された検証のための解決策を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
[0006]第1の態様では、医療データ検証のための方法が提供される。方法は、医療検査で生成された目標医療データを取得するステップと、医療データを検証するための機械学習モデルを取得するステップとを含む。機械学習モデルは、医療データと検証結果との間の関連付けを表し、検証結果は、医療データに対して実行されるべき所定のアクションに関する情報を示す。方法は、目標医療データを機械学習モデルに適用することによって目標医療データの目標検証結果を決定するステップをさらに含み、目標検証結果は、目標医療データに対して実行されるべき所定のアクションから選択された目標アクションに関する情報を示す。
【0007】
[0007]第2の態様では、医療データを検証するための機械学習モデルを提供する方法が提供される。方法は、履歴医療データおよび関連するラベル付け情報を含む訓練データを取得するステップを含む。ラベル付け情報は、履歴医療データに対して実行された所定のアクションを示す。方法は、第1の機械学習モデルが医療データと医療データに対して実行されるべき所定のアクションに関する情報を示す検証結果との間の関連付けを表すように、訓練データに基づいて医療データを検証するための第1の機械学習モデルを生成するステップをさらに含む。
【0008】
[0008]第3の態様では、電子デバイスが提供される。電子デバイスは、少なくとも1つのプロセッサと、電子デバイスの少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、電子デバイスに、上記の第1の態様における方法のステップを実行させるコンピュータ可読命令を含む少なくとも1つのメモリとを備える。
【0009】
[0009]第4の態様では、電子デバイスが提供される。電子デバイスは、少なくとも1つのプロセッサと、電子デバイスの少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、電子デバイスに、上記の第2の態様における方法のステップを実行させるコンピュータ可読命令を含む少なくとも1つのメモリとを備える。
【0010】
[0010]第5の態様では、コンピュータプログラム製品が提供される。コンピュータプログラム製品は、装置のプロセッサによって実行されると、装置に上記の第1の態様における方法のうちのいずれか1つのステップを実行させる命令を含む。
【0011】
[0011]第6の態様では、コンピュータプログラム製品が提供される。コンピュータプログラム製品は、装置のプロセッサによって実行されると、装置に上記の第2の態様における方法のうちのいずれか1つのステップを実行させる命令を含む。
【0012】
[0012]要約のセクションは、本開示の実施形態の主要なまたは本質的な特徴を特定することを意図しておらず、本開示の範囲を限定するために使用されることも意図していないことを理解されたい。本開示の他の特徴は、以下の説明を通して容易に理解できるであろう。
【0013】
[0013]本開示の実施形態の以下の詳細な説明は、以下の図面と併せて読むことで、最も良く理解され得る。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】[0014]本開示の実施形態が実装され得る例示的な環境を示す図である。
図2】[0015]本開示のいくつかの実施形態による、医療データ検証のためのシステムのブロック図である。
図3】[0016]本開示のいくつかの実施形態による、図2のシステムにおける1つまたは複数の機械学習モデルの訓練のためのコンピューティングデバイスのブロック図である。
図4】[0017]本開示のいくつかの実施形態による、履歴医療データのセットの例示的なクラスタリングの結果を示す図である。
図5】[0018]本開示のいくつかの実施形態による、図2のシステムにおける1つまたは複数の機械学習モデルの適用のためのコンピューティングデバイスのブロック図である
図6】[0019]本開示のいくつかの実施形態による、例示的な医療検査レポートを示す図である。
図7】[0020]本開示のいくつかの他の例示的な実施形態による、図2のシステムにおける1つまたは複数の機械学習モデルの訓練のためのコンピューティングデバイスのブロック図である。
図8】[0021]本開示のいくつかの実施形態による、1つまたは複数の機械学習モデルがルールベースのエンジンおよび検査室情報システム(LIS:laboratory information system)と互換可能なシステムのブロック図である。
図9】[0022]本開示のいくつかの実施形態による、医療データを検証するための例示的なプロセスのフローチャートである。
図10】[0023]本開示のいくつかの実施形態による、医療データを検証するための機械学習モデルを提供するための例示的なプロセスのフローチャートである。
図11】[0024]本開示の例示的な実施形態を実装するのに適した例示的なコンピューティングシステム/デバイスのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
[0025]図面全体を通して、同じまたは類似の参照番号は、同じまたは類似の要素を表す。
[0026]次に、本開示の原理について、いくつかの実施形態を参照して説明する。これらの実施形態は、例示の目的でのみ説明され、当業者が本開示を理解し、実施するための助けとなるものであり、本開示の範囲に関するいかなる制限も示唆するものではないことを理解されたい。本明細書に記載の開示は、以下に記載されたもの以外の様々な方法で実施され得る。
【0016】
[0027]以下の説明および特許請求の範囲において、別段の定義がない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、本開示が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。
【0017】
[0028]本開示における「一実施形態」、「実施形態」、「例示的な実施形態」などに対する言及は、説明される実施形態が特定の特徴、構造、または特性を含み得ることを示すが、すべての実施形態が特定の特徴、構造、または特性を含む必要はない。さらに、このような語句は、必ずしも同じ実施形態を指しているわけではない。さらに、特定の特徴、構造、または特性が例示的な実施形態に関連して説明されるとき、他の実施形態に関連してそのような特徴、構造、または特性に影響を及ぼすことが、明示的に説明されているかどうかにかかわらず当業者の知識の範囲内であることが提示される。
【0018】
[0029]本明細書において「第1の」および「第2の」などの用語を使用して様々な要素が説明され得るが、これらの要素はこれらの用語によって限定されるべきではないことを理解されたい。これらの用語は、ある要素を別の要素と区別するためにのみ使用される。たとえば、例示的な実施形態の範囲から逸脱することなく、第1の要素を第2の要素と呼ぶことができ、同様に、第2の要素を第1の要素と呼ぶことができる。「および/または」という用語は、本明細書で使用される場合、列挙された用語のうちの1つまたは複数の任意の組合せおよびすべての組合せを含む。
【0019】
[0030]本明細書で使用される専門用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的とし、例示的な実施形態を限定することを意図するものではない。単数形「a」、「an」、および「the」は、本明細書で使用される場合、文脈上特に明記されていない限り、複数形も含むことを意図している。「備える(comprises)」、「備える(comprising)」、「有する(has)」、「有する(having)」、「含む(includes)」、および/または「含む(including)」という用語は、本明細書で使用される場合、記載された特徴、要素、および/または構成要素などの存在を明示するが、1つまたは複数の他の特徴、要素、構成要素、および/もしくはその組合せの存在または追加を除外するものではないことが理解されよう。
例示的な環境
[0031]上述のように、検証手順は、様々な医療検査で生成される医療データの有効性を保証するために重要である。図1は、本開示の例示的な実施形態が実装され得る環境100を示す。環境100は、医療診断検査のための典型的なワークフローを含む。ワークフローは一般に、医療診断用の検査試料に対して医療検査を実行すること、医療検査で医療データを生成すること、および生成された医療データを検証することを含む。
【0020】
[0032]図1に示す環境100において、医療検査システム110は、検査試料102に
対して医療検査を実行し、検査試料102に関連する医療データ112を生成するように構成される。医療検査には、生化学的検出検査または免疫検出検査などのインビトロ診断検査が含まれてもよい。医療検査システム110は、様々な化学的、生物学的、物理的、または他の医療検査手順による検査試料の分析のために設計された1つまたは複数の自動化された検査室用機器または分析装置を含んでもよい。いくつかの例では、機器または分析装置は、測定値を得るために試料と試薬との反応を誘発するように構成され得る。このような機器または分析装置の例は、化学的もしくは生物学的反応の結果を検出するため、かつ/または化学的もしくは生物学的反応の進行を監視するために、試料中に存在する分析物の定性的かつ/または定量的な検出に使用される、臨床化学分析器、凝固分析器、免疫化学分析器、血液分析器、尿分析器、および核酸分析器である。
【0021】
[0033]医療検査システム110は、試料または試料の少なくとも1つの分析物のパラメータを測定するための医療検査を実行するように動作可能であってもよい。医療検査は、試料102に対して実施される1つまたは複数の検査項目を含んでもよい。医療検査システム110は、各検査項目に対応する検査結果を医療データ112として返してもよい。医療検査システム110によって返される可能性のある検査結果は、試料中の分析物の濃度、試料中の(検出レベルを超える濃度に相当する)分析物の存在を示すデジタル(はい、またはいいえ)の結果、タンパク質または代謝物の質量分析および様々なタイプの物理的、機械的、光学的、電気的、または化学的パラメータから得られるデータなどを決定することによって得られてもよい。
【0022】
[0034]検査項目のタイプのいくつかの特定の例には、アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)、グルタミン酸デヒドロゲナーゼ(GLDH)、ナトリウム濃度(NA)、年齢、ヘモグロビン、血漿タンパク質、アルブミン(ALB)、グロブリン(GLB)、総ビリルビン(TBIL)、直接ビリルビン(DBIL)、総胆汁酸(TBA)、血中尿素窒素(BUN)などのレベルが含まれてもよい。ここに列挙されている例は、網羅的なものではない。特定の医療検査で実行されるべき検査項目は、診療科、健康診断センター、医師、患者など、医療検査を要求するエンティティによって指定されてもよい。
【0023】
[0035]検査試料102は、生物試料と呼ばれることもあり、これは、対象の1つまたは複数の分析物を含むことが疑われ、その分析物の定性的かつ/または定量的な検出が臨床状態に関連し得る生物学的物質である。生物試料は、血液、唾液、眼球水晶体液、脳脊髄液、汗、尿、便、精液、母乳、腹水液、粘液、滑液、腹水、羊水、組織、細胞などを含む、生理液などの生物源に由来する。このような生物源は、生物体、たとえば、患者、人間、動物などから収集されてもよい。
【0024】
[0036]生物試料は、血液から血漿または血清を調製するなど、使用前に前処理され得る。処理方法は、対象の分析物を含む試料成分の遠心分離、濾過、蒸留、希釈、濃縮、および/または分離、干渉成分の不活性化、ならびに試薬の添加を含むことができる。生物試料は、供給源から得られたものとして直接使用されるか、または試料の特性を修飾する前処理に続いて使用されてもよい。いくつかの実施形態では、当初固体または半固体の生物学的物質は、その物質を適切な液状媒体で溶解または懸濁させることによって液体に変えられ得る。
【0025】
[0037]「試薬」という用語は、生物試料に対して特定の医療検査を実行して試料中の特定の反応を誘発するときに、生物試料に添加される物質を指す。試薬は、特定の検査またはアッセイに対して特異的なものとすることができる。たとえば、血液試料の部分トロンボプラスチン時間を決定する必要がある状況では、分析器は、凝固の内因性経路を活性化するための試薬として活性剤を血液試料に添加するように構成され得る。特定の物質は、
様々な状況において「変性剤」または「試薬」とすることができる。いくつかの例では、検査される生物試料に、試薬が添加されない場合がある。
【0026】
[0038]検査試料102に関連する医療データ112は、医療検査システム110での医療検査で実施された検査項目の1つまたは複数の検査結果を含んでもよい。検査結果のタイプは、医療検査システム110のオペレータ(たとえば、検査技師)によって指定されてもよく、あるいは、医療検査システム110に接続された情報システムを介して電子オーダから自動的に識別されてもよい。いくつかの例では、医療データ112は、特定の検査項目および対応する検査結果がリスト化された医療検査レポート内で編成されてもよい。いくつかの例では、医療検査で生成された検査結果に加えて、医療データ112は、検査試料102および/または検査試料102が収集された生物体(患者など)に関連する情報などの補助情報を含んでもよい。
【0027】
[0039]医療データ112の有効性を評価し、医療データ112を公開することができるかどうかを判定するために、医療データ112は検証システム120に提供される。試料の収集および検査プロセス中に多くの問題が発生するおそれがあるので、検証の必要性がある。たとえば、患者の試料に誤ったラベルが付けられ、検査結果が間違った患者に関連付けられて報告されるおそれがある。別の例として、患者の試料が不適切に引き出されたか、または不適切に処理されたために、試料の汚染および誤った検査結果が生じるおそれがある。さらに、検査室の分析器が誤動作しているか、または較正から外れている可能性があり、この場合も分析器が誤った結果を報告する原因になる。
【0028】
[0040]検証システム120は、医療データ112の検証結果122を提供する。医療データ112が検証に合格した場合、検証結果122は、医療データ112が、医療検査を依頼する要求者に直接公開される(または、簡単な手作業による見直しの後に公開される)のに十分有効であることを示してもよい。医療データ112が疑わしいまたは異常であると判定された場合、検証結果122は、医療データ112が検証で不合格になったことを示してもよい。この場合、医療データ112に対してさらにアクションを実行する必要がある場合がある。検証結果122および医療データ112は、アーカイブ、記録、提示、さらなる処理などのために、検査室情報システム(LIS)などの情報システムに提供されてもよい。検証結果122に応じて、以下の手作業が含まれる場合と含まれない場合がある。
【0029】
[0041]現在の検証手順では、医療検査レポートを検証するためのルールベースのエンジンが提案されている。ルールベースのエンジンは、レポート内の検査結果が所定のルールを満たすかどうかを判定することによって、医療検査レポートを臨床科または患者に直接渡すことができるかどうかを検証するように構成される。このようなルールは一般に、各検査項目の正常値範囲として設定される。所定のルールのうちの1つまたは複数が満たされない場合、検査室の専門家の医療経験および知識を用いて手動で見直すために、医療検査レポートが検査室の専門家に提供されることになる。手順全体で間違いが発生しやすく、人材/時間の消費が多くなる。したがって、手作業を減らして高い正確度および効率を達成するために医療データの自動化された検証のための解決策を得ることが望ましい。
動作原理および例示的な検証システム
[0042]本開示の例示的な実施形態によれば、医療データの自動化された検証のための解決策が提案される。この解決策では、1つまたは複数の機械学習モデルは、履歴医療データ、および履歴医療データに対して実行された所定のアクションを示す関連するラベル付け情報から学習される。機械学習モデルは、医療データと検証結果との間の関連付けを表す。1つまたは複数の機械学習モデルを利用して、目標医療データを検証し、目標医療データに対して実行されるべき所定のアクションのうちの1つに関する情報を示す目標検証結果を出力することができる。解決策を通じて、医療データの高度に自動化された検証を実施するために、情報が履歴データから学習されることが可能であり、これにより、医療データの見直しにかかる手作業を大幅に削減し、医療データ検証の正確度および品質を向上させることができる。
【0030】
[0043]以下では、本開示の例示的な実施形態について図面を参照して説明する。まず、本開示のいくつかの実施形態による医療データ検証のためのシステムを示す図2を参照する。図2のシステムは、図1の検証システム120として実装されることが可能であり、医療診断検査のワークフロー全体の検証フェーズで使用される。検証システム120は、自動検証システム120と呼ばれることもある。
【0031】
[0044]本開示の実施形態によれば、1つまたは複数の機械学習技法を使用して、人間のような正確度で医療データを自動的に分析および検証する。機械学習技法は、人工知能(AI)技法と呼ばれることもある。一般に、入力情報を受信し、入力情報に基づいて予測を行う機械学習モデルを構築され得る。たとえば、分類モデルは、所定のクラスのセットの中から入力情報のクラスを予測してもよい。
【0032】
[0045]機械学習の実行は通常、次の3つのフェーズ、すなわち、入力と期待される出力とを対にすることによって訓練データセットで機械学習モデルを訓練するための訓練フェーズ、評価データセットおよび/または検査データセットを使用してモデルの性能特性(たとえば、分類器の分類誤差など)を推定することによってモデルがどの程度訓練されているかを推定するための評価/検査フェーズ、ならびに実世界のデータを訓練済みの機械学習モデルに適用して結果を取得するための適用フェーズを含む。図2に示す検証システム120では、コンピューティングデバイス210は、機械学習の訓練フェーズおよび場合によっては評価/検査フェーズを実装するように構成され、コンピューティングデバイス230は、機械学習の適用フェーズを実装するように構成される。コンピューティングデバイス210および230は、別々に示されているが、本明細書に記載のそれらの機能を実行するための単一の物理デバイスとして実装され得ることが理解されよう。
【0033】
[0046]具体的には、コンピューティングデバイス210は、医療データを検証するための1つまたは複数の機械学習モデル、たとえば、機械学習モデル212-1、212-2、...、212-Nを訓練するように構成される。Nは、1以上の任意の整数である。以下、機械学習モデル212-1、212-2、...、212-Nを、集合的または個別に機械学習モデル212と称する。機械学習モデル212は、入力された医療データを自動的に処理し、入力された医療データの検証結果を出力するように訓練される。訓練済みの機械学習モデル212はそれぞれ、医療データと検証結果との間の関連付けを表す。関連付けにより、機械学習モデル212に、入力された医療データの適切な検証結果を予測させることが可能になる。
【0034】
[0047]検証中の医療データは、検査試料の医療検査で生成されてもよく、たとえば、医療検査レポートの形式で編成されてもよい。医療データは、検査項目に関連する測定値、および/または検査試料中の一定の分析物の存在を示すデジタル(はい、またはいいえ)の結果を含み得る、検査項目の1つまたは複数の検査結果を含む。検証結果は、医療データに対して実行されるべきアクションに関する情報を示し、この情報は、システムまたはユーザが、医療診断検査ワークフロー全体の次のステップで医療データをどのように処理できるかをシステムまたはユーザが自動または手動で決定するための提案と見なされ得る。アクションは、医療データの後続の処理に適した複数の所定のアクションから機械学習モデル212によって選択される。
【0035】
[0048]検証手順は、医療検査を要求するエンティティ(臨床科または患者など)に医療データが公開される前に、医療データ中の潜在的な誤りを見つけ出すことである。医療デ
ータが正しいと検証され、誤りがない場合、医療データに対する次のステップは、医療データをそのエンティティに公開すること(または簡単な手作業による見直しを要求し、その後にエンティティに公開すること)である。この場合、医療データに対して実行されるべき1つの可能なアクションは、直接または簡単な手作業による見直しの後に、医療データに関連する医療検査を要求するエンティティに医療データを公開することである。説明の便宜上、このアクションは、本明細書において第1のアクションと呼ばれることがある。
【0036】
[0049]他の場合では、医療データは、検査試料、実行された医療診断検査手順、医療検査で使用された試薬、検査試料の生物体の物理的状態との不適合、決定するには不十分な情報などを原因とし得る、誤りを有すると検証される。このような場合、誤りを修正するために、対応するアクションを実行する必要がある。医療データの検証結果に示されるアクションは、医療データのさらなる検証を提案することである(「第2のアクション」と呼ばれる)。第2のアクションは一般的な提案であり、これは現在の医療データを公開するべきではなく、医療データがさらにどのように検証され得るかを決定するために手作業による見直しが必要であることを意味する。
【0037】
[0050]いくつかの例では、医療データに関連する医療検査を再実行するアクション(「第3のアクション」と呼ばれる)、患者の履歴医療記録を確認するアクション(「第4のアクション」と呼ばれる)、試薬反応曲線の確認などの医療検査における試薬の反応を確認するアクション(「第5のアクション」と呼ばれる)、医療検査で使用するために収集された検査試料を確認するアクション(「第6のアクション」と呼ばれる)、医療データを臨床診断と組み合わせて確認するアクション(「第7のアクション」と呼ばれる)、および患者の薬剤使用を確認するアクション(「第8のアクション」と呼ばれる)などを含む、さらなる検証のために実行できる1つまたは複数の特定のアクションを決定するように、機械学習モデル212が訓練され得る。上記で列挙した次のステップのアクションはいくつかの特定の例にすぎず、実際の使用例において必要に応じて、より多い、より少ない、または異なるアクションも指定され得ることが理解されよう。
【0038】
[0051]これらの次のステップのアクションのうちの1つを検証結果の中で示すことによって、システムまたは検査技師が医療診断検査ワークフローで実行されるべき次のステップを決定することがより容易かつより効率的になる。たとえば、検証結果が医療検査を再実行する第3のアクションを示す場合、検証システム120は、図1の医療検査システム110に、医療検査を再実行して医療データを更新するよう自動的に要求してもよい。機械学習モデル212は、経験および知識の履歴から学習してアクションのうちの1つを提供するので、検査技師に対する要件および責任が大幅に低減され得る。経験および知識が限られている検査技師は、医療データを手動で見直すのに多くの時間を費やすことなく、さらなる検証の次のステップを決定することが可能であり得る。
【0039】
[0052]いくつかの実施形態では、機械学習モデル212からの検証結果は、医療データに対して実行されるべきアクションの明示的な指示および/または現在の医療データに対するアクションを選択する際の機械学習モデル212の信頼レベルを含んでもよい。出力されるアクションを決定する際に、機械学習モデル212は、所定のアクションのそれぞれの確率を測定し、最も高い確率を有するアクションを選択する。アクションの確率は、そのアクションを次のステップのアクションとして選択することについて、機械学習モデル212がどの程度確信があるかを示すことができる。信頼レベルは、アクションのリスク評価と見なされてもよい。信頼レベルは、検査技師またはシステムが、提案されたアクションが医療データ112に適しているかどうかを確認するための基準として使用することもできる。
【0040】
[0053]機械学習モデル212の入力(すなわち、医療データ)および出力(すなわち、検証結果)について説明した。コンピューティングデバイス210に実装される機械学習の訓練フェーズは、機械学習モデル212に、入力と出力の間の関連付けを学習させることである。機械学習モデル212は、データベース201からの訓練データ202に基づいて、教師ありの方式で訓練される。訓練データ202は、履歴医療データおよびそれに関連するラベル付け情報を含む。履歴医療データは、1人または複数の患者の様々な医療検査で生成されたいくつかの医療検査レポートを含んでもよい。ラベル付け情報は、医療検査レポートに対して実行されたそれぞれのアクションを示す。したがって、ラベル付け情報は、履歴医療データに対して実行されるアクションのグラウンドトゥルース表示として使用されてもよい。一般に、履歴医療データのラベル付けされたアクションは、医療データに対する正しいアクションであると見なされたアクション、および/または検査室の専門家によって手動でマークされたアクションである。
【0041】
[0054]機械学習モデル212は、関連するラベル付け情報に示される入力医療データと同じまたは類似のアクションを示す検証結果を提供するように訓練される。したがって、訓練済みの機械学習モデル212は、医療データと検証結果との間の関連付けを表すことができる。コンピューティングデバイス210による機械学習モデル212の訓練について、以下で詳細に説明する。
【0042】
[0055]生成された機械学習モデル212は、通信ネットワークを介してコンピューティングデバイス210によってコンピューティングデバイス230に提供されてもよく、またはコンピューティングデバイス210によってアクセス可能なストレージに、コンピューティングデバイス210によって格納されてもよい。コンピューティングデバイス210は、生成された機械学習モデル212のうちの1つまたは複数を利用して医療データを検証してもよい。コンピューティングデバイス210は、検証すべき医療データ112を取得し、その医療データ112を1つまたは複数の機械学習モデル212に適用して、医療データ112の検証結果122を取得するように構成される。
【0043】
[0056]医療データ112は、目標医療データと呼ばれることもあり、ストレージから検索されるか、または医療検査システム210から受信されてもよい。検証結果122は、目標検証結果と呼ばれることもあり、目標医療データに対して実行される複数の所定のアクションから選択された目標アクションに関する情報を示す。検証結果122は、目標アクションの指示および/または目標アクションを選択する際の機械学習モデル212の信頼レベルを含んでもよい。コンピューティングデバイス230は、検証結果122をユーザ(検査技師など)に提示してもよく、またはさらなる使用のために検証結果122を記憶してもよい。コンピューティングデバイス230による機械学習モデル212の適用について、以下で詳細に説明する。
機械学習モデルの訓練
[0057]図3は、コンピューティングデバイス210において1つまたは複数の機械学習モデル212の訓練を実施するアーキテクチャのブロック図を示す。図示されるように、コンピューティングデバイス210は、訓練データ202を前処理するためのデータ準備モジュール310と、データ準備モジュール310によって準備された訓練データに基づいてモデル訓練プロセスを実施するためのモデル訓練モジュール320とを含む。図3では、例示のみを目的として、1つの訓練済みの機械学習モデル212が描写されている。場合によっては、複数の機械学習モデル212が訓練され得る。
【0044】
[0058]実世界のシナリオでは、医療検査レポートの大半は、検査室の専門家によって有効であると検証されて公開されることが可能であり、すなわち、その関連するラベル付け情報が、上述の第1のアクションを示している可能性があることを意味する。このような医療データおよび関連するラベル付け情報は、モデル訓練の陽性試料と見なされ得る。利
用可能な陽性試料が大量にあるため、信頼性の高いものを選択して、後続の機械学習の正確度を確保することが望ましい。
【0045】
[0059]具体的には、データ準備モジュール310は、訓練データ202から、第1のアクションを示すラベル付け情報に関連付けられているとマークされた利用可能な履歴医療データのセット(「履歴医療データの第1のセット」とも呼ばれる)を取得するように構成される。ラベル付け情報は、検査室の専門家によって手動で、かつ/またはルールベースの検証エンジンなどのいくつかの知られている利用可能な検証システムによって自動的に、履歴医療データの第1のセットにラベル付けされてもよい。データ準備モジュール310はさらに、履歴医療データの第1のセットから、このセット中の他の履歴医療データよりもラベル付け情報の信頼性が高い履歴医療データをフィルタリングし、選択された履歴医療データおよび関連するラベル付け情報を、機械学習モデル212を訓練するためのモデル訓練モジュールに提供してもよい。
【0046】
[0060]関連するラベル付け情報の信頼性は、様々な要因、たとえば、履歴医療データおよび/またはラベル付け情報が収集されるデータソース、履歴医療データおよび/またはラベル付け情報が関連する患者の状態などに依存する場合がある。たとえば、別の診療所の患者と比較して、検査対象の比較的多くの患者が健康である健康診断センターから履歴医療データおよびラベル付け情報が収集される場合、ラベル付け情報はより高い信頼性を有すると判断される。加えて、一般的な診療所から収集された履歴医療データのラベル付け情報は、一部の集中治療科からのものよりも高い信頼性を有する場合がある。さらなる例として、患者の年齢、診断された疾患、職業、および/または他の側面が、より信頼性の高いラベル付け情報をフィルタリングするための一定の基準として設定されてもよい。若い成人に関連する履歴医療データおよびラベル付け情報が、高齢者に関連するものと比較して選択されてもよい。
【0047】
[0061]陽性試料に加えて、陰性試料、すなわち第1のアクション以外のアクションを示すラベル付け情報を有する履歴医療データも、機械学習モデル212の訓練に必要になる場合がある。一部の条件では、直接公開できる医療データが大量であることに起因して、さらに検証が必要である(たとえば、第1のアクション以外のいずれかのアクション)とラベル付けされる医療データの割合は低くなる。陰性試料の十分な訓練データを取得するには手動のラベル付けが可能な選択肢であるが、その主な欠点はコストおよび時間がかかることである。いくつかの実施形態では、データ準備モジュール310は、特に、医療データをさらに検証する第2の一般的なアクションを示すラベル付け情報を決定するために、訓練データ202内のいくつかの履歴医療データのラベル付けを容易にするように構成され得る。
【0048】
[0062]データ準備モジュール310は、訓練用の陰性試料の選択およびラベル付けを容易にするために、教師なしの方法を利用してもよい。具体的には、データ準備モジュール310は、利用可能な履歴医療データのセット(「履歴医療データの第2のセット」と呼ばれる)から外れ値の履歴医療データを選択するように構成される。履歴医療データの第2のセットのいくつかは、関連するラベル付け情報、たとえば第1のアクションを示すラベル付け情報でマークされている場合がある。いくつかの例では、履歴医療データの第2のセットは、データベース201に格納された訓練データ202の一部またはすべてから取得されてもよい。外れ値の履歴医療データは、いくつかの検査項目の検査結果の外れ値を有するデータでもよい。一般的に言えば、外れ値を有する医療データは、さらなる検証を必要とする可能性が高く、したがって第2のアクションに関連付けられる傾向がある。
【0049】
[0063]データ準備モジュール310は、外れ値の履歴医療データを見つけ出すために、履歴医療データの第2のセットをクラスタリングするように構成されてもよい。たとえば
図4は、履歴医療データのセットの例示的なクラスタリングの結果を示す。この例では、例示のみを目的として、各履歴データ(たとえば、各履歴医療検査レポート)が2次元データを含むように示されていることに留意されたい。履歴医療データをクラスタリングした後、3つのクラスタ410、420、430が形成される。いくつかの外れ値の医療データ401-1から401-9は、3つのクラスタの重心から離れており、したがって外れ値の履歴医療データと見なされ得る。図4に示す例は、本開示の範囲に対するいかなる制限も示唆することなく、単に例示の目的で提供されていることが理解されよう。
【0050】
[0064]外れ値の履歴医療データの一部またはすべてに、さらなる検証を必要とする第2のアクションを示すラベル付け情報がマークされてもよい。いくつかの実施形態では、データ準備モジュール310は、外れ値の履歴医療データをクロスラベリングのためにユーザに提示するように構成される。外れ値の履歴医療データは、コンピューティングデバイス230または他の端末デバイスのユーザインターフェースを介して提示されてもよい。所定のアクションのうちの1つを示すユーザ入力を受信すると、データ準備モジュール310は、外れ値の履歴医療データを、示されたアクションのラベル付け情報に関連付けるように、マークするように構成される。
【0051】
[0065]ユーザは、自分の経験および知識を用いて、外れ値の履歴医療データに対して複数の所定のアクションを明示的に指定してもよい。この場合、ユーザは、関連するラベル付け情報にマークをして第1のアクション以外のすべてのアクションを示すことができる。他のいくつかの例では、外れ値の履歴医療データが第2のアクションでラベル付けされ得るかどうかを確認するために、単純なユーザ確認が必要とされる。その場合、データ準備モジュール310は、外れ値の履歴医療データおよび関連するラベル付け情報を、モデル訓練で使用するための陰性試料として決定してもよい。外れ値の履歴医療データを手動でラベル付けするためにのみフィルタリングすることによって、データ準備フェーズで必要とされる手作業および時間の消費およびコストが削減される。
【0052】
[0066]いくつかの実施形態では、機械学習モデル212は、比較的多数の検査項目の検査結果を含む医療データを検証するように訓練されてもよい。しかしながら、いくつかの医療検査レポートの履歴医療データは、問題としている検査項目のすべてではなく一部の過去の検査結果を含む場合があり、機械学習モデル212が対象とするすべての検査項目をカバーする医療検査レポートが少ないため、疎性が高くなる。データの疎性に対処するために、データ準備モジュール310は、使用される訓練データ、たとえば、上述のように陽性試料および陰性試料の決定後に得られた訓練データをさらに処理するように構成されてもよい。
【0053】
[0067]データ準備モジュール310は、実際の値を持たない他の検査項目の検査結果を記入することによって履歴医療データを処理するように構成されてもよい。各検査項目の記入される検査結果は、他の履歴医療データに含まれるその検査項目の実際の検査結果から決定されてもよい。たとえば、検査項目の記入される検査結果は、各検査項目の基準範囲の中央値または平均として算出されてもよく、基準範囲は、検査項目の実際の検査結果の実際の値から決定される。基準範囲はまた、検査項目の公称基準範囲として決定されてもよい。代替として、データ準備モジュール310は、特異値分解(SVD)および主成分分析(PCA)などの次元削減技法を使用することによって、高次元でありながら疎な履歴医療データを、低次元であるが密な履歴医療データに変換してもよい。
【0054】
[0068]陰性試料の履歴医療データおよびラベル付け情報は上記のように取得され得るが、利用可能な陰性試料の量は、(ラベル付け情報が第1のアクションを示す)陽性試料の量よりも依然として少ない場合があり、結果として訓練データが不均衡になる。不均衡を制御するために、データ準備モジュール310は、各機械学習モデル212の訓練における陰性試料と陽性試料の比率を適正なレベルに制限するように構成されてもよい。
【0055】
[0069]具体的には、データ準備モジュール310は、第1の医療データの量と第2の医療データの量との所定の比率に基づいて、利用可能なすべての履歴医療データのセット(「履歴医療データの第3のセット」と呼ばれる)から第1の履歴医療データおよび第2の履歴医療データを選択するように構成されてもよい。ここで、「第1の履歴医療データ」とは、第1のアクションを示すラベル付け情報に関連付けられた履歴医療データを指し、「第2の履歴医療データ」とは、所定のアクションのうちの第1のアクションとは異なるアクションを示すラベル付け情報に関連付けられた履歴医療データを指す。選択される第1の医療データと選択される第2の医療データの比率は、所定の比率以下であってもよい。所定の比率は、モデル訓練における実際の要件に応じて、任意の適正な値、たとえば10:1、5:1、20:1などとして設定され得る。データ準備モジュール310は、利用可能な訓練データ全体から、第1の履歴医療データおよび第2の履歴医療データを無作為にサンプリングしてもよい。
【0056】
[0070]訓練フェーズでのデータ準備について、上記で説明した。データ準備モジュール310の処理後に決定された訓練データ202は、モデル訓練モジュール320に提供されてもよい。モデル訓練モジュール320は、1つまたは複数の機械学習モデル212を訓練するように構成されてもよい。一実施形態では、データ準備モジュール310からの訓練データ202は、異なる機械学習モデル212を訓練するために、訓練データの異なるセットに分割されてもよい。さらなる実施形態では、同じ訓練データ202を使用して、2つ以上の異なる機械学習モデル212を訓練してもよい。機械学習モデル212のそれぞれは、医療データと可能性がある検証結果との間の異なる関連付けを表す。異なる機械学習モデルを構築するために、異なるタイプの機械学習および/または同じタイプの機械学習の異なるモデル構成が利用され得る。同じタイプの機械学習の場合、モデルを設計するときに異なるハイパーパラメータを選択することによって異なる構成が可能である。複数の機械学習モデルの利用は、様々なタイプのモデルの利点を活用し、様々なモデル構成に基づいて医療データとその検証結果との間の様々な可能な関連付けを調査することから、有益である場合がある。
【0057】
[0071]上述のように、機械学習モデル212は、検証結果122に示される複数の所定のアクションから目標アクションを識別するように訓練されることが期待される。いくつかの実施形態では、機械学習モデル212は、医療データを複数の所定のアクションに対応するクラスのうちの1つに分類する/割り当てるための分類モデルとして設計されてもよい。分類を実装する機械学習モデル212は、分類器と呼ばれる。
【0058】
[0072]本明細書では、分類モデルの例として、たとえば決定木、ベイズモデル、ランダムフォレストモデル、サポートベクターマシン、K最近傍(KNN)モデル、ニューラルネットワークなどが提供される。可能なクラスの総数(すなわち、医療データに対して実行されるアクションの数)に応じて、機械学習モデル212は、2値分類または多クラス分類に基づいてもよい。いくつかの実施形態では、機械学習モデル212は、単一の分類器の予測性能を向上させるために複数の学習アルゴリズム(たとえば、ニューラルネットワークまたは決定木)を統合することによって構築されてもよい。
【0059】
[0073]教師あり機械学習を実行するために、検証結果は、履歴医療データについて知る必要がある。機械学習モデル212は、どの新しい医療データが分類されるべきかを予測または分類するために、膨大な量の訓練データから学習する必要がある。しかしながら、モデルを訓練するために大量のデータにラベルを付けることは、時間がかかり、多くの手作業に関わる。結果として、いくつかの実施形態では、機械学習モデル212は、特に小さい訓練データセット用に設計されてもよく、それにより、複数のアクションと区別する
ためにできるだけ多くの情報を収集することが可能になる。
【0060】
[0074]モデル訓練モジュール320は、機械学習モデル212を訓練する際に、既存のまたは将来開発され得る様々な訓練方法を使用してもよい。本開示の実施形態の範囲は、この点に関して限定されない。モデル訓練プロセス中、モデル訓練モジュール320は、モデル212が医療データと検証結果との間の関連付けを表すことができるまで、たとえば、ラベル付け情報に示されるようなグラウンドトゥルースアクションを示す検証結果に、入力履歴医療データを正確にまたはほぼ正確にマッピングできるまで、機械学習モデル212のパラメータを繰り返し更新してもよい。
【0061】
[0075]いくつかの実施形態では、モデル訓練モジュール320またはコンピューティングデバイス210内の他のモジュール(図示せず)は、モデル212が過剰適合せずに訓練データで満足のいく性能を確実に得ることができるように、機械学習モジュール320によって訓練された機械学習モデル212に対して交差検証を実行するように構成されてもよい。モデルの交差検証のための様々な方法を適用することができ、本開示の実施形態の範囲は、この点に関しても限定されない。
機械学習モデルの適用
[0076]図5は、コンピューティングデバイス230における1つまたは複数の訓練済みの機械学習モデル212の適用を実装するアーキテクチャのブロック図を示す。図5では、例示のみを目的として、1つの訓練済みの機械学習モデル212が描写されている。図示されるように、コンピューティングデバイス230は、コンピューティングデバイス210によって訓練された機械学習モデル212を取得し、次いで、取得した機械学習モデル212に目標医療データ112を適用するためのモデル適用モジュール510を含む。目標医療データ112は、各機械学習モデル212への入力として提供される。次いで、機械学習モデル212は、目標医療データ112を処理し、それを所定のアクションのうちのアクションに関連付ける。次いで、機械学習モデル212のそれぞれは、アクションの指示および/またはその目標アクションを選択する際の機械学習モデル212の信頼レベルを含む検証結果を生成する。
【0062】
[0077]コンピューティングデバイス230はまた、目標医療データ112の目標検証結果122を提供するための結果結合モジュール520も含む。1つの機械学習モデル212が利用される場合、このモデルによって出力された検証結果は、目標医療結果122として直接提供されてもよい。2つ以上の機械学習モデル212が利用される場合、結果結合モジュール520が、それらのモデル212からのそれぞれの検証結果に基づいて目標検証結果122を決定する。
【0063】
[0078]いくつかの実施形態では、結果結合モジュール520は、たとえばそれぞれの検証結果に含まれる信頼レベルを示す値を平均することによって、検証結果の加重平均を算出してもよい。検証結果が、目標医療データ112に対して実行されるべき異なるアクションを示す場合、異なるアクションの加重平均が決定されてもよい。結果結合モジュール520は、使用されたすべての機械学習モデル212によって予測された同じアクションを示すために、かつ/または加重平均を信頼レベルとして示すために、目標検証結果122を決定してもよい。2つ以上の可能なアクションが予測される場合、結果結合モジュール520は、加重平均を互いに比較して、より高い加重平均および/または目標検証結果122に示すべき対応するアクションを選択してもよい。代替として、加重平均を算出する代わりに、結果結合モジュール520は、機械学習モデル212によって決定された検証結果を、他の検証結果で示されたものよりも高い信頼レベルを有するものとして直接選択してもよい。次いで、結果結合モジュール520は、選択された検証結果を目標検証結果122として決定する。
【0064】
[0079]目標検証結果122および目標医療データ112は、互いに関連付けて格納されてもよい。目標検証結果122が第1のアクション以外の目標アクションに関する情報を示す場合、すなわち、目標医療データ112に対して一定のタイプのさらなる検証が必要である場合、動作の次のステップを案内するために、目標検証結果122および目標医療データ112が共にユーザに提示されてもよい。
【0065】
[0080]図6は、対応する検査項目の検査結果の医療データ部分610-1、補助情報の医療データ部分610-2、ならびに次のステップのアクションおよび次のステップのアクションに関する信頼レベルを示す検証結果部分620を提示する、例示的な医療検査レポート600を示す。図示されるように、機械学習モデル212によって医療検査を再実行することが提案されており、このような提案の信頼レベル(すなわち、リスク評価)は高い(スコア100)。一般に、機械学習モデルによって算出される信頼レベルは0から1の範囲である。リスクをより良く示すため、図6の例では信頼レベルが0から100の範囲にマッピングされている。信頼レベルが、他の任意の値の範囲で、または非数値的指標によって示されてもよいことが理解されよう。
【0066】
[0081]いくつかの実施形態では、コンピューティングデバイス210が、使用可能な複数の機械学習モデル212を訓練した場合、それに含まれるモデル適用モジュール520などのコンピューティングデバイス230は、1つまたは複数の機械学習モデル212のそれぞれの性能測定値に基づいて、使用するための1つまたは複数の機械学習モデル212を選択するように構成されてもよい。性能測定値は、たとえばコンピューティングデバイス210による訓練データに基づいて、検証/検査フェーズで決定されてもよい。当然ながら、コンピューティングデバイス230は、それ自体の性能測定値を算出してもよい。いくつかの実施形態では、機械学習モデル212の性能測定値は、コンピューティングデバイス210で算出され、次いで、コンピューティングデバイス230に提供されてもよい。
【0067】
[0082]各訓練済みの機械学習モデル212の性能は、モデルに関連する異なる特性に基づいて測定されてもよい。いくつかの実施形態では、モデル212の性能を示すために、検証フェーズにおいて受信者動作特性(ROC:receiver operating
characteristic)曲線および/または曲線下面積(AUC:area under the curve)が算出されてもよい。統計では、ROC曲線は、様々な決定閾値についての偽陽性率(FPR:false positive rate)に対する真陽性率(TPR:true positive rate)のプロットである。真陽性率は、感度または再現率とも呼ばれる。偽陽性率は、1-特異度である。ROC曲線は、感度および特異度の観点から分類器の識別能力を評価し、最適な決定閾値を特定することができる。識別能力のないモデルのROC曲線は、45度の対角線になる。曲線下面積(AUC)は、無作為に選択された陰性の観測値よりも無作為に選択された陽性の観測値の方が分類器のスコアが高い確率である。AUCは、単一の値で分類器の性能を要約することができる。
【0068】
[0083]代替として、または追加として、機械学習モデルの混同行列が性能測定値として決定され得る。混同行列は、分類問題に対する予測の正確度を要約した表である。表の各行は各予測クラスのインスタンス数を表し、各列は各真のクラスのインスタンス数を表す。混同行列は、各クラスの予測の正確度を示すこともできる。
【0069】
[0084]目標医療データ112の目標検証結果122を提供することに加えて、または代替として、コンピューティングデバイス230はさらに、目標医療データ112と同様の特性を有する他の医療データをユーザに提供してもよく、これにより、ユーザ、特にジュニアテクニシャンまたはジュニアドクターが目標医療データおよび/または検証結果を見
直して理解する際に支援および案内をすることができる。図5を再び参照すると、コンピューティングデバイス230は、このような基準医療データを提供するように構成された基準決定モジュール530を含む。
【0070】
[0085]具体的には、基準決定モジュール530は、目標医療データ112と候補医療データとの間の類似性を決定するように構成される。候補医療データは、実行された、または実行されることが予想される所定のアクションのうちの1つに関する情報でラベル付けまたは割り当てられている場合がある。このような候補医療データは、図5に示すように訓練データ202に含まれるものなど、機械学習モデル212を生成するために使用される履歴医療データから選択されてもよい。代替として、または追加として、候補医療データは、以前に機械学習モデル212に適用された履歴医療データから選択されてもよい。
【0071】
[0086]候補医療データとして選択できる医療データを絞り込み、基準医療データの決定を高速化するために、いくつかの実施形態では、候補医療データは、データに対して実行される目標アクションが同じである、かつ/または目標医療データと同じタイプの検査項目を有するものとして選択されてもよい。このような候補医療データは、目標医療データ112のためのより重要で有意義な基準と見なすことが可能である。
【0072】
[0087]いくつかの実施形態では、基準決定モジュール530は、目標医療データに示される検査項目の1つまたは複数の検査結果と、候補医療データに示される検査項目の1つまたは複数の検査結果との間の1つまたは複数の検査項目の類似性を算出することによって類似性を決定してもよい。検査項目の類似性は、2つのデータポイント(すなわち、2つの検査結果)間の距離を計算する数式に基づいたユークリッド距離で測定されてもよい。検査結果の複数のペア間のユークリッド距離は、検査項目の類似性を表すために組み合わされてもよい(たとえば、重み付けおよび合計)。他の例では、任意の他のアルゴリズムを使用して、2つのデータポイント間の距離を測定することができる。
【0073】
[0088]類似性が所定の類似性閾値を超えた場合、基準決定モジュール530は、候補医療データを、目標医療データ112の基準医療データ532として選択してもよい。いくつかの実施形態では、候補医療データは、1つの医療検査における医療検査レポートとすることができ、目標医療データ112と他の候補医療データ(他の医療検査レポート)との間の類似性が算出される。この場合、基準決定モジュール530は、類似性に基づいて候補医療データをランク付けし、高い順位にランク付けされた候補医療データを選択してもよい。
【0074】
[0089]類似性測定は、リアルタイムで実行されてもよく、または事前に算出されてもよい。事前に算出される類似性測定は、一定の基準によって、たとえば、コンピューティングリソースが使用されていない夜間に毎日トリガされてもよい。事前に算出される類似性測定の場合、基準決定モジュール530は、すべての履歴医療データおよび/または以前に検証された医療データの間の類似性を計算し、次いで医療データを異なるクラスタに分割してもよい。新しい医療データが受信および検証される場合、基準決定モジュール530は、新しい医療データとクラスタ(クラスタの重心における医療データなど)との間の類似性のみを決定してもよい。新しい医療データは、類似性に基づいてクラスタのうちの1つ(たとえば、新しい医療データとの類似性が比較的高いまたは最も高いもの)に分類されてもよく、以前の医療データが、新しい医療データのための基準医療データとして使用されてもよい。このようにして、基準決定が適時に達成され得る。
機械学習モデルの進化
[0090]訓練済みの機械学習モデル212が一定期間適用されるとき、および/または医療データ検証に対する要件が変わるとき、医療データ検証の性能をさらに向上させるために新しいモデルを訓練することが期待される。図7は、医療データを検証するための1つ
または複数のさらなる機械学習モデル212を決定するためのモデル進化モジュール730をさらに含むコンピューティングデバイス210のさらなる例を示す。
【0075】
[0091]モデル進化モジュール730における機械学習モデルの進化は、1つまたは複数の所定のトリガに基づいて開始されてもよい。機械学習モデルの進化のためのトリガは、モデル訓練に利用可能な訓練データに基づいてもよい。初期段階では、訓練データが限られている可能性があり、したがって、1つまたは複数の機械学習モデル212は、使用が限られた訓練データで訓練される場合がある。モデル212の適用により、新しい医療データを収集することができ、そのラベル付け情報を、以前のモデルによって自動的に、かつ/またはユーザのフィードバックに基づいて手動で決定することができる。新しい訓練データの量が特定の閾値に達した場合、機械学習モデルの進化を開始することができる。
【0076】
[0092]訓練データベースのトリガに対する代替として、または追加として、いくつかの実施形態では、実際の要件に従って、1つまたは複数の検査項目が医療検査で実行されることになり、したがって、それらの結果が、生成された医療データに追加されることになる。この場合、新しい機械学習モデル212は、そのような新しい検査項目で医療データをどのように分類するかを学習するように訓練されることになる。場合によっては、1つまたは複数の新しいアクションが、検査室の専門家によって、異常または疑わしいと検証された医療データに対して実行される可能性のあるアクションとして識別されてもよく、かつ/または1つまたは複数の既存のアクションが、自動化された検証では不要であると識別されてもよい。したがって、1つまたは複数の新しい機械学習モデル212は、アクションの更新されたセットからの目標アクションに関する情報を示す検証結果を出力するように訓練されてもよい。このようにして、機械学習モデルを進化させて、医療診断検査における技術的な更新および経験の蓄積に適応させることができる。機械学習モデルの進化のいくつかの可能な他のトリガには、ユーザ(検査技師/専門家など)からの明示的な指示、時間ベースのトリガなどが含まれる場合がある。
【0077】
[0093]いくつかの実施形態では、モデル進化モジュール730がモデル進化をトリガするように決定された場合、モデル進化モジュール730は、訓練済みの機械学習モデル212を更新することによって、モデル訓練モジュール320にさらなる機械学習モデル212を決定するように要求してもよい。機械学習モデル212の更新は、新しい訓練データを使用してモデルパラメータを改良することによって実行されてもよい。モデル進化モジュール730はさらに、以前に取得された訓練データおよび/または新しい訓練データに基づいて新しい機械学習モデルを生成することによって、さらなる機械学習モデル212を決定するように構成されてもよい。新しい機械学習モデルは、訓練された機械学習モデル212とは異なるモデル構成を有するように設計されてもよい。異なるモデル構成は、訓練済みの機械学習モデル212とは異なるハイパーパラメータを有する、および/または異なるタイプの機械学習に関連するように設定されてもよい。
【0078】
[0094]1つまたは複数の新しいアクションが追加される場合、かつ/または1つまたは複数の既存のアクションが取り消されるべき場合、新しいモデル構成を有する新しいモデルが必要であり、この新しいモデルは、医療データと、医療データに対して実行されるべき更新されたアクションを示すさらなる検証結果との間の関連付けを表すように訓練されるように設計されてもよい。たとえば、初期段階では訓練データが限られているので、1つまたは複数の機械学習モデル212は、まず、モデルの正確度を確保するために、第1のアクションと、一般にさらなる検証を提案する第2のアクションとの間の2値分類のみを実装するように設計されてもよい。利用可能な訓練データの増加に伴い、1つまたは複数のさらなる機械学習モデル212を、多クラス分類用に訓練することができる。
【0079】
[0095]いくつかの実施形態では、利用可能な機械学習モデル212の数が進化に伴って
増加する場合、使用のために提供される機械学習モデル212は、それらの性能測定値に基づいて決定されてもよい。すなわち、更新された/新しい機械学習モデル212すべてが、現在使用されている以前の機械学習モデル212を置き換えるために直接提供されるわけではなく、検証性能を向上させるためには、高い性能測定値を伴うモデル212のみが使用に適している。
【0080】
[0096]いくつかの実施形態では、新しい/更新された機械学習モデル212が、コンピューティングデバイス230で現在使用されている機械学習モデル212よりも高い性能測定値を有すると判定された場合、以前の機械学習モデル212を置き換えるために、新しい/更新された機械学習モデルが提供され得る。機械学習モデルの性能測定値は、上記と同様の方法で決定され得る。使用されているモデルを置き換えるかどうかの判定は、コンピューティングデバイス210またはコンピューティングデバイス230によって行われてもよい。
機械学習モデルの互換性
[0097]機械学習モデル212は、医療データを検証するために単独で適用され得る。いくつかの実施形態では、本開示で提案される機械学習モデルはまた、医療データ検証のための旧来のコンポーネント/機能と容易に互換可能であり得る。いくつかの旧来の検証手順では、上述のように、医療データを検証するためにルールベースのエンジンが適用される。場合によっては、LISは、医療データおよび検証結果のアーカイブ、記録、提示、および/またはさらなる処理にも関与することがある。本明細書で提案される機械学習モデルは、旧来の医療データ検証環境にも適合され得る。
【0081】
[0098]図8は、1つまたは複数の機械学習モデル212がルールベースのエンジン810およびLIS820と互換可能なシステムのブロック図を示す。図8では、例示のみのために1つの機械学習モデル212が示されており、2つ以上の機械学習モデル212が、ルールベースのエンジン810およびLIS820と互換可能であり得る。他のいくつかの場合では、ルールベースのエンジン810またはLIS820が省略され得ることが理解されよう。図8の例では、ルールベースのエンジン810および/またはLIS820は、コンピューティングデバイス230とは別個のデバイスで実装されてもよく、またはコンピューティングデバイス230内に統合されてもよい。
【0082】
[0099]従来においては、医療データ検証を実施するために、ルールベースのエンジン810とLIS820が共に結合される場合がある。本明細書で提案される1つまたは複数の機械学習モデル212に基づく自動化された検証は、たとえば、ルールベースのエンジン810およびLIS820の現在の通信インターフェースを再利用することによって、ルールベースのエンジン810とLIS820との間を接続する独立したシステムとして実装され得る。医療データを処理し、検証結果を提供するために、ルールベースのエンジン810、機械学習モデル212、およびLIS820は、アダプタモジュールを介して接続され得る。
【0083】
[00100]図8に具体的に示すように、検証される医療データ802は、まず、1つまた
は複数の所定のルールに基づく検証のために、ルールベースのエンジン810に入力されてもよい。ルールベースのエンジン810によって、医療データ802が、医療検査を要求するエンティティに公開され得ると検証された場合、この検証結果および医療データは、LIS820に提供され得る。ルールベースエンジン810によって、いくつかの医療データ802がさらに検証されるように判定された場合(すなわち、医療データ802を公開できない場合)、医療データ802は、さらなる処理のために、目標医療データ112として機械学習モデル212に提供される。
【0084】
[00101]このプロセスを通じて、公開するのに信頼できる医療データをフィルタリング
するために、ルールベースのエンジン810が使用され、したがって機械学習モデル212によって処理される医療データはより少なくなり、その結果、通常モデルの実行にはより多くのリソースが必要になるため全体的なリソース消費量を削減することができる。一般に、高い保守性を有するように一定のルールが手動で設定され、それにより医療データを公開するというアクションを示す検証結果がより高い信頼性を有すると考えられるという事実を考慮すると、ルールベースのエンジンのフィルタリングは、性能を犠牲にすることにはならない。いくつかの実施形態では、ルールベースのエンジン810の検証結果は、機械学習モデル212からの検証結果と共に医療検査レポート内に提示されてもよい。たとえば、再び図6を参照すると、医療検査レポート600は、検証結果部分630をさらに提示するように示されている。検証結果部分630は、ルールベースのエンジン810が医療データを「不合格」と判定し、それによりさらなる検証が必要であることを示す。
【0085】
[00102]いくつかの実施形態では、機械学習モデル212は、実際の要件に従ってコン
ピューティングデバイス230によって無効にされてもよく、医療データ検証は、この場合に限り、ルールベースのエンジン810によって実行される。いくつかの実施形態では、ルールベースのエンジン810は無効にされてもよく、したがって、すべての医療データ802が、機械学習モデル212を介して検証され得る。機械学習モデル212および/またはルールベースのエンジン810の有効化ならびに無効化は、ユーザ(検査技師/専門家など)からのフィードバックに基づいて決定されてもよい。
【0086】
[00103]いくつかの実施形態では、LIS820との通信は、いくつかの所定の仕様に
従ってもよい。一般に、LIS820は、医療データ内の検査項目のそれぞれの検査結果の受信をサポートすることができ、各検査結果は、医療データを含む医療検査レポート内の1つのデータ項目と見なされる。機械学習モデルによって決定された目標検証結果は、目標医療データと関連付けてLIS820に提供されてもよい。LIS820によってサポートされる仕様を満たすために、LIS820との通信は、目標検証結果が、医療検査レポートに含まれるダミーのカスタマイズされた検査項目(すなわち、新しいデータ項目)の検査結果として扱われ得るように、容易に拡張され得る。したがって、機械学習モデルからの特別な検証結果をサポートするために、LIS820との通信の仕様を変更する必要はない。LIS820は、このダミーの検査項目を解析して、機械学習モデル212から目標検証結果を取得することができる。
【0087】
[00104]機械学習モデル212/ルールベースのエンジン810とLIS820との間
の通信は、非同期デカップリング処理を実装できるメッセージバススケジューリングなどの任意のメッセージスケジューリング方法に基づいてスケジュールされてもよい。メッセージバススケジューリングを通じてシステムの処理性能を拡張し、LIS820に複数のメッセージ受信機を追加することによって、処理能力を拡張することが簡便である。ルールベースのエンジン810、1つまたは複数の機械学習モデル212、およびLIS820を分散システムに実装するいくつかの実施形態では、各機械学習モデル212は、マイクロサービスを通じて機械学習モデルサービスとしてパッケージ化されてもよい。したがって、サービス登録、サービスディスカバリ、およびサービスバージョン管理は、モデルファクトリを介して実行され得る。
例示的なプロセス
[00105]図9は、本開示のいくつかの実施形態による、医療データを検証するための例
示的なプロセス900のフローチャートを示す。方法900は、図2のコンピューティングデバイス230によって実施され得る。考察のために、方法900について図2を参照して説明する。
【0088】
[00106]ブロック910において、コンピューティングデバイス230は、医療検査で
生成された目標医療データを取得する。ブロック920において、コンピューティングデバイス230は、医療データを検証するための機械学習モデルを取得する。機械学習モデルは、医療データと検証結果との間の関連付けを表し、検証結果は、医療データに対して実行されるべき所定のアクションに関する情報を示す。ブロック930において、コンピューティングデバイス230は、目標医療データを機械学習モデルに適用することによって目標医療データの目標検証結果を決定する。目標検証結果は、目標医療データに対して実行されるべき所定のアクションから選択された目標アクションに関する情報を示す。
【0089】
[00107]いくつかの実施形態では、目標検証結果を決定するステップは、医療データを
検証するためのさらなる機械学習モデルを取得するステップであって、さらなる機械学習モデルが、医療データと検証結果との間の、機械学習モデルによって表される関連付けとは異なる関連付けを表す、ステップと、目標医療データを機械学習モデルおよびさらなる機械学習モデルにそれぞれ適用してそれぞれの検証結果を取得するステップと、それぞれの検証結果に基づいて目標検証結果を決定するステップとを含む。
【0090】
[00108]いくつかの実施形態では、プロセス900は、目標医療データと候補医療デー
タとの間の類似性を決定するステップであって、候補医療データが、機械学習モデルを生成するために使用される履歴医療データおよび/または機械学習モデルに適用された履歴医療データから選択される、ステップと、類似性が所定の類似性閾値を超えたことに応答して、候補医療データを目標医療データのための基準医療データとして選択するステップと、目標医療データの閲覧者への提示のために目標医療データに関連する基準医療データを提供するステップとをさらに含む。
【0091】
[00109]いくつかの実施形態では、類似性を決定するステップは、以下の、候補医療デ
ータに対して目標アクションが実行されるべきであるとの決定、および目標医療データと同じである1つまたは複数の検査項目を候補医療データが有するとの決定のうちの少なくとも1つに基づいて、候補医療データを選択するステップを含む。
【0092】
[00110]いくつかの実施形態では、所定のアクションは、以下の、医療データに関連す
る医療検査を要求するエンティティに医療データを公開する第1のアクション、医療データをさらに検証する第2のアクション、医療データに関連する医療検査を再実行する第3のアクション、患者の履歴医療記録を確認する第4のアクション、医療検査における試薬の反応を確認する第5のアクション、医療検査で使用するために収集された検査試料を確認する第6のアクション、医療データを臨床診断と組み合わせて確認する第7のアクション、および患者の薬剤使用を確認する第8のアクションのうちの少なくとも1つを含む。
【0093】
[00111]いくつかの実施形態では、機械学習モデルは、医療データを所定のアクション
に対応するクラスに分類するための分類モデルを含む。
[00112]いくつかの実施形態では、目標アクションに関する情報は、以下の、目標アク
ションの指示、および機械学習モデルによって目標医療データに対する目標アクションを選択することの信頼レベルのうちの少なくとも1つを含む。
【0094】
[00113]いくつかの実施形態では、目標医療データは、インビトロ診断検査で生成され
た医療データを含む。
[00114]いくつかの実施形態では、機械学習モデルは、複数の利用可能な機械学習モデ
ルのそれぞれの性能測定値に基づいて、複数の利用可能な機械学習モデルから選択される。
【0095】
[00115]いくつかの実施形態では、目標医療データを取得するステップは、さらに検証
されるようにルールベースのエンジンによって決定される目標医療データを取得するステ
ップを含み、ルールベースのエンジンは、少なくとも1つの所定のルールに基づいて目標医療データを検証するように構成される。
【0096】
[00116]いくつかの実施形態では、プロセス900は、目標医療データに関連する目標
検証結果を検査情報システム(LIS)に提供するステップをさらに含み、目標医療データは、医療検査レポートに提示された少なくとも1つのデータ項目と、さらなるデータ項目として医療検査レポートに提示された目標検証結果とを含む。
【0097】
[00117]いくつかの実施形態では、機械学習モデルは、図10を参照して以下で説明す
るように、プロセス1000によって提供または訓練される。
[00118]図10は、本開示のいくつかの実施形態による、医療データを検証するための
機械学習モデルを提供するための例示的なプロセス1000のフローチャートを示す。方法1000は、図2のコンピューティングデバイス210によって実施され得る。考察のために、方法1000について図2を参照して説明する。
【0098】
[00119]ブロック1010では、コンピューティングデバイス210は、履歴医療デー
タおよび関連するラベル付け情報を含む訓練データを取得する。ラベル付け情報は、履歴医療データに対して実行された所定のアクションを示す。ブロック1020では、コンピューティングデバイス210は、第1の機械学習モデルが医療データと医療データに対して実行されるべき所定のアクションに関する情報を示す検証結果との間の関連付けを表すように、訓練データに基づいて医療データを検証するための第1の機械学習モデルを生成する。
【0099】
[00120]いくつかの実施形態では、所定のアクションは、医療データに関連する医療検
査を要求するエンティティに医療データを公開する第1のアクションを含み、訓練データを取得するステップは、第1のアクションを示すラベル付け情報に関連付けられているとマークされた利用可能な履歴医療データの第1のセットを取得するステップと、利用可能な履歴医療データの第1のセットから、第1のセット中の他の履歴医療データよりもラベル付け情報の信頼性が高い履歴医療データを選択するステップと、選択された履歴医療データおよび関連するラベル付け情報を訓練データとして決定するステップとを含む。
【0100】
[00121]いくつかの実施形態では、訓練データを取得するステップは、利用可能な履歴
医療データの第2のセットから外れ値の履歴医療データを選択するステップと、外れ値の履歴医療データをユーザに提示するステップと、ユーザから所定のアクションのうちの1つを示すユーザ入力を受信したことに応答して、外れ値の履歴医療データを、示されたアクションを示すラベル付け情報に関連付けるようにマークするステップと、外れ値の履歴医療データおよび関連するラベル付け情報を訓練データとして決定するステップとを含む。
【0101】
[00122]いくつかの実施形態では、所定のアクションは、医療データに関連する医療検
査を要求するエンティティに医療データを公開する第1のアクションを含み、訓練データを取得するステップは、利用可能な履歴医療データの第3のセットから、第1の医療データの量と第2の医療データの量との所定の比率に基づいて、第1の履歴医療データおよび第2の履歴医療データを選択するステップを含み、第1の履歴医療データは、第1のアクションを示すラベル付け情報に関連付けられ、第2の履歴医療データは、所定のアクションのうちの第1のアクションとは異なるアクションを示すラベル付け情報に関連付けられる。
【0102】
[00123]いくつかの実施形態では、プロセス1000は、モデル進化のための所定のト
リガに応答して、第1の機械学習モデルを更新すること、または訓練データに基づいて新
しい機械学習モデルを生成することによって、医療データを検証するための第2の機械学習モデルを決定するステップをさらに含み、新しい機械学習モデルは、第1の機械学習モデルとは異なるモデル構成を有する。
【0103】
[00124]いくつかの実施形態では、第2の機械学習モデルを決定するステップは、医療
データに対してさらなるアクションが実行されるべきであるとの決定に応答して、さらなる履歴医療データおよびさらなるアクションを示す関連するさらなるラベル付け情報を訓練データに追加するステップと、第2の機械学習モデルが、医療データと、所定のアクションおよび医療データに対して実行されるべきさらなるアクションを示すさらなる検証結果との関連付けを表すように、新しい機械学習モデルを第2の機械学習モデルとして生成するステップとを含む。
【0104】
[00125]いくつかの実施形態では、医療データを検証するために使用されている第1の
機械学習モデルが提供され、方法は、第1の機械学習モデルの第1の性能測定値および第2の機械学習モデルの第2の性能測定値を決定するステップと、第2の性能測定値が第1の性能測定値を超えたことに応答して、使用されている第1の機械学習モデルを置き換えるための第2の機械学習モデルを提供するステップとをさらに含む。
【0105】
[00126]いくつかの実施形態では、履歴医療データは、複数の所定の検査項目のうちの
少なくとも1つの検査結果を含み、第1の機械学習モデルを生成するステップは、複数の所定の検査項目のうちの、少なくとも1つの検査項目以外の検査項目の検査結果を記入することによって履歴医療データを処理するステップであって、記入される検査結果が、他の履歴医療データに含まれる他の検査項目の検査結果から決定される、ステップと、処理された履歴医療データに基づいて第1の機械学習モデルを生成するステップとを含む。
【0106】
[00127]いくつかの実施形態では、所定のアクションは、以下の、医療検査を要求する
エンティティに医療データを公開する第1のアクション、医療データをさらに検証する第2のアクション、医療データに関連する医療検査を再実行する第3のアクション、患者の履歴医療記録を確認する第4のアクション、医療検査における試薬の反応を確認する第5のアクション、医療検査で使用するために収集された検査試料を確認する第6のアクション、医療データを臨床診断と組み合わせて確認する第7のアクション、および患者の薬剤使用を確認する第8のアクションのうちの少なくとも1つを含む。
例示的なデバイス
[00128]図11は、本開示の例示的な実施形態を実装するのに適した例示的なコンピュ
ーティングシステム/デバイス1100のブロック図を示す。システム/デバイス1100は、図2のコンピューティングデバイス210および/またはコンピューティングデバイス230として実装され得るか、またはそれらの中に実装され得る。システム/デバイス1100は、汎用コンピュータ、物理コンピューティングデバイス、もしくはポータブル電子デバイスでもよく、または通信ネットワークを通じてリンクされたリモート処理デバイスによってタスクが実行される分散型クラウドコンピューティング環境で実施されてもよい。システム/デバイス1100は、図9のプロセス900および/または図10のプロセス1000を実施するために使用され得る。
【0107】
[00129]図示されるように、システム/デバイス1100は、読み取り専用メモリ(R
OM)1102に記憶されたプログラム、または記憶ユニット1108からランダムアクセスメモリ(RAM)1103にロードされたプログラムに従って様々なプロセスを実行できるプロセッサ1101を含む。RAM1103には、必要に応じて、プロセッサ1101が様々な処理を実行するときに必要なデータなども記憶される。プロセッサ1101、ROM1102、およびRAM1103は、バス1104を介して相互に接続される。入力/出力(I/O)インターフェース1105も、バス1104に接続される。
【0108】
[00130]プロセッサ1101は、ローカル技術ネットワークに適した任意のタイプのも
のとすることができ、非限定的な例として、以下のもの、すなわち汎用コンピュータ、専用コンピュータ、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、グラフィック処理ユニット(GPU)、コプロセッサ、およびマルチコアプロセッサアーキテクチャに基づくプロセッサのうちの1つまたは複数を含んでもよい。システム/デバイス1100は、メインプロセッサを同期させるクロックに時間的にスレーブされる特定用途向け集積回路チップなどの複数のプロセッサを有してもよい。
【0109】
[00131]システム/デバイス1100内の複数のコンポーネントは、キーボード、マウ
スなどの入力ユニット1106、陰極線管(CRT)、液晶ディスプレイ(LCD)などのディスプレイおよび拡声器などを含む出力ユニット1107、ディスクおよび光ディスクなどの記憶ユニット1108、ならびにネットワークカード、モデム、ワイヤレストランシーバなどの通信ユニット1109を含む、I/Oインターフェース1105に接続される。通信ユニット1109は、システム/デバイス1100が、インターネット、様々な電気通信ネットワークなどの通信ネットワークを介して他のデバイスと情報/データを交換することを可能にする。
【0110】
[00132]プロセス900および/またはプロセス1000などの上記の方法およびプロ
セスも、プロセッサ1101によって実行され得る。いくつかの実施形態では、プロセス900および/またはプロセス1000は、コンピュータ可読媒体、たとえば記憶ユニット1108に有形に含まれるコンピュータソフトウェアプログラムまたはコンピュータプログラム製品として実装され得る。いくつかの実施形態では、コンピュータプログラムは、ROM1102および/または通信ユニット1109を介して、システム/デバイス1100に部分的にまたは完全にロードおよび/または具体化され得る。コンピュータプログラムは、関連するプロセッサ1101によって実行されるコンピュータ実行可能命令を含む。コンピュータプログラムがRAM1103にロードされ、プロセッサ1101によって実行されると、上述のプロセス900および/またはプロセス1000のうちの1つまたは複数の動作が実施され得る。代替として、他の実施形態では、プロセッサ1101は、プロセス900および/またはプロセス1000を実行するように他の任意の適切な方式を用いて(たとえば、ファームウェアによって)構成され得る。
例示的な実施形態の列挙
[00133]本開示の実施形態は、本明細書に記載の任意の形態で具体化されてもよい。た
とえば、以下の列挙された例示的な実施形態は、本明細書で開示される本開示のいくつかの態様のいくつかの構造、特徴、および機能について説明する。
【0111】
[00134]第1の態様では、本開示の例示的な実施形態は、医療データ検証のための方法
を提供する。方法は、医療検査で生成された目標医療データを取得するステップと、医療データを検証するための機械学習モデルを取得するステップであって、機械学習モデルが、医療データと検証結果との間の関連付けを表し、検証結果が、医療データに対して実行されるべき所定のアクションに関する情報を示すステップと、目標医療データを機械学習モデルに適用することによって目標医療データについての目標検証結果を決定するステップであって、目標検証結果が、目標医療データに対して実行されるべき所定のアクションから選択された目標アクションに関する情報を示すステップとを含む。
【0112】
[00135]いくつかの実施形態では、目標検証結果を決定するステップは、医療データを
検証するためのさらなる機械学習モデルを取得するステップであって、さらなる機械学習モデルが、医療データと検証結果との間の、機械学習モデルによって表される関連付けとは異なる関連付けを表す、ステップと、目標医療データを機械学習モデルおよびさらなる機械学習モデルにそれぞれ適用してそれぞれの検証結果を取得するステップと、それぞれ
の検証結果に基づいて目標検証結果を決定するステップとを含む。
【0113】
[00136]いくつかの実施形態では、方法は、目標医療データと候補医療データとの間の
類似性を決定するステップであって、候補医療データが、機械学習モデルを生成するために使用される履歴医療データおよび/または機械学習モデルに適用された履歴医療データから選択される、ステップと、類似性が所定の類似性閾値を超えたことに応答して、候補医療データを目標医療データのための基準医療データとして選択するステップと、目標医療データの閲覧者への提示のために目標医療データに関連する基準医療データを提供するステップとをさらに含む。
【0114】
[00137]いくつかの実施形態では、類似性を決定するステップは、以下の、候補医療デ
ータに対して目標アクションが実行されるべきであるとの決定、および目標医療データと同じである1つまたは複数の検査項目を候補医療データが有するとの決定のうちの少なくとも1つに基づいて、候補医療データを選択するステップを含む。
【0115】
[00138]いくつかの実施形態では、所定のアクションは、以下の、医療データに関連す
る医療検査を要求するエンティティに医療データを公開する第1のアクション、医療データをさらに検証する第2のアクション、医療データに関連する医療検査を再実行する第3のアクション、患者の履歴医療記録を確認する第4のアクション、医療検査における試薬の反応を確認する第5のアクション、医療検査で使用するために収集された検査試料を確認する第6のアクション、医療データを臨床診断と組み合わせて確認する第7のアクション、および患者の薬剤使用を確認する第8のアクションのうちの少なくとも1つを含む。
【0116】
[00139]いくつかの実施形態では、機械学習モデルは、医療データを所定のアクション
に対応するクラスに分類するための分類モデルを含む。
[00140]いくつかの実施形態では、目標アクションに関する情報は、以下の、目標アク
ションの指示、および機械学習モデルによって目標医療データに対する目標アクションを選択することの信頼レベルのうちの少なくとも1つを含む。
【0117】
[00141]いくつかの実施形態では、目標医療データは、インビトロ診断検査で生成され
た医療データを含む。
[00142]いくつかの実施形態では、機械学習モデルは、複数の利用可能な機械学習モデ
ルのそれぞれの性能測定値に基づいて、複数の利用可能な機械学習モデルから選択される。
【0118】
[00143]いくつかの実施形態では、目標医療データを取得するステップは、さらに検証
されるようにルールベースのエンジンによって決定される目標医療データを取得するステップを含み、ルールベースのエンジンは、少なくとも1つの所定のルールに基づいて目標医療データを検証するように構成される。
【0119】
[00144]いくつかの実施形態では、方法は、目標医療データに関連する目標検証結果を
検査情報システム(LIS)に提供するステップをさらに含み、目標医療データは、医療検査レポートに提示された少なくとも1つのデータ項目と、さらなるデータ項目として医療検査レポートに提示された目標検査結果とを含む。
【0120】
[00145]いくつかの実施形態では、機械学習モデルは、第2の態様における方法によっ
て提供される。
[00146]第2の態様では、本開示の例示的な実施形態は、医療データを検証するための
機械学習モデルを提供する方法を提供する。方法は、履歴医療データおよび関連するラベル付け情報を含む訓練データを取得するステップであって、ラベル付け情報が、履歴医療
データに対して実行された所定のアクションを示す、ステップと、第1の機械学習モデルが医療データと医療データに対して実行されるべき所定のアクションに関する情報を示す検証結果との間の関連付けを表すように、訓練データに基づいて医療データを検証するための第1の機械学習モデルを生成するステップとを含む。
【0121】
[00147]いくつかの実施形態では、所定のアクションは、医療データに関連する医療検
査を要求するエンティティに医療データを公開する第1のアクションを含み、訓練データを取得するステップは、第1のアクションを示すラベル付け情報に関連付けられているとマークされた利用可能な履歴医療データの第1のセットを取得するステップと、利用可能な履歴医療データの第1のセットから、第1のセット中の他の履歴医療データよりもラベル付け情報の信頼性が高い履歴医療データを選択するステップと、選択された履歴医療データおよび関連するラベル付け情報を訓練データとして決定するステップとを含む。
【0122】
[00148]いくつかの実施形態では、訓練データを取得するステップは、利用可能な履歴
医療データの第2のセットから外れ値の履歴医療データを選択するステップと、外れ値の履歴医療データをユーザに提示するステップと、ユーザから所定のアクションのうちの1つを示すユーザ入力を受信したことに応答して、外れ値の履歴医療データを、示されたアクションを示すラベル付け情報に関連付けるようにマークするステップと、外れ値の履歴医療データおよび関連するラベル付け情報を訓練データとして決定するステップとを含む。
【0123】
[00149]いくつかの実施形態では、所定のアクションは、医療データに関連する医療検
査を要求するエンティティに医療データを公開する第1のアクションを含み、訓練データを取得するステップは、利用可能な履歴医療データの第3のセットから、第1の医療データの量と第2の医療データの量との所定の比率に基づいて、第1の履歴医療データおよび第2の履歴医療データを選択するステップを含み、第1の履歴医療データは、第1のアクションを示すラベル付け情報に関連付けられ、第2の履歴医療データは、所定のアクションのうちの第1のアクションとは異なるアクションを示すラベル付け情報に関連付けられる。
【0124】
[00150]いくつかの実施形態では、方法は、モデル進化のための所定のトリガに応答し
て、第1の機械学習モデルを更新すること、または訓練データに基づいて新しい機械学習モデルを生成することによって、医療データを検証するための第2の機械学習モデルを決定するステップをさらに含み、新しい機械学習モデルは、第1の機械学習モデルとは異なるモデル構成を有する。
【0125】
[00151]いくつかの実施形態では、第2の機械学習モデルを決定するステップは、医療
データに対してさらなるアクションが実行されるべきであるとの決定に応答して、さらなる履歴医療データおよびさらなるアクションを示す関連するさらなるラベル付け情報を訓練データに追加するステップと、第2の機械学習モデルが、医療データと、所定のアクションおよび医療データに対して実行されるべきさらなるアクションを示すさらなる検証結果との関連付けを表すように、新しい機械学習モデルを第2の機械学習モデルとして生成するステップとを含む。
【0126】
[00152]いくつかの実施形態では、医療データを検証するために使用されている第1の
機械学習モデルが提供され、方法は、第1の機械学習モデルの第1の性能測定値および第2の機械学習モデルの第2の性能測定値を決定するステップと、第2の性能測定値が第1の性能測定値を超えたことに応答して、使用されている第1の機械学習モデルを置き換えるための第2の機械学習モデルを提供するステップとをさらに含む。
【0127】
[00153]いくつかの実施形態では、履歴医療データは、複数の所定の検査項目のうちの
少なくとも1つの検査結果を含み、第1の機械学習モデルを生成するステップは、複数の所定の検査項目のうちの、少なくとも1つの検査項目以外の検査項目の検査結果を記入することによって履歴医療データを処理するステップであって、記入される検査結果が、他の履歴医療データに含まれる他の検査項目の検査結果から決定される、ステップと、処理された履歴医療データに基づいて第1の機械学習モデルを生成するステップとを含む。
【0128】
[00154]いくつかの実施形態では、所定のアクションは、以下の、医療検査を要求する
エンティティに医療データを公開する第1のアクション、医療データをさらに検証する第2のアクション、医療データに関連する医療検査を再実行する第3のアクション、患者の履歴医療記録を確認する第4のアクション、医療検査における試薬の反応を確認する第5のアクション、医療検査で使用するために収集された検査試料を確認する第6のアクション、医療データを臨床診断と組み合わせて確認する第7のアクション、および患者の薬剤使用を確認する第8のアクションのうちの少なくとも1つを含む。
【0129】
[00155]第3の態様では、本開示の例示的な実施形態は、電子デバイスを提供する。電
子デバイスは、少なくとも1つのプロセッサと、電子デバイスの少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、電子デバイスに、上述の第1の態様における方法のステップを実行させるコンピュータ可読命令を含む少なくとも1つのメモリとを備える。
【0130】
[00156]第4の態様では、本開示の例示的な実施形態は、電子デバイスを提供する。電
子デバイスは、少なくとも1つのプロセッサと、電子デバイスの少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、電子デバイスに、上述の第2の態様における方法のステップを実行させるコンピュータ可読命令を含む少なくとも1つのメモリとを備える。
【0131】
[00157]第5の態様では、本開示の例示的な実施形態は、装置のプロセッサによって実
行されると、装置に上記の第1の態様における方法のうちのいずれか1つのステップを実行させる命令を含むコンピュータプログラム製品を提供する。
【0132】
[00158]第6の態様では、本開示の例示的な実施形態は、装置のプロセッサによって実
行されると、装置に上記の第2の態様における方法のうちのいずれか1つのステップを実行させる命令を含むコンピュータプログラム製品を提供する。
【0133】
[00159]第7の態様では、本開示の例示的な実施形態は、装置に少なくとも上記の第1
の態様における方法を実行させるためのプログラム命令を含むコンピュータ可読媒体を提供する。コンピュータ可読媒体は、いくつかの実施形態では、非一時的コンピュータ可読媒体でもよい。
【0134】
[00160]第8の態様では、本開示の例示的な実施形態は、装置に少なくとも上記の第2
の態様における方法を実行させるためのプログラム命令を含むコンピュータ可読媒体を提供する。コンピュータ可読媒体は、いくつかの実施形態では、非一時的コンピュータ可読媒体でもよい。
【0135】
[00161]一般に、本開示の様々な例示的な実施形態は、ハードウェアもしくは専用回路
、ソフトウェア、ロジック、またはそれらの任意の組合せで実装されてもよい。いくつかの態様はハードウェアで実装されてもよく、他の態様は、コントローラ、マイクロプロセッサ、または他のコンピューティングデバイスによって実行され得るファームウェアまたはソフトウェアで実装されてもよい。本開示の例示的な実施形態の様々な態様が、ブロック図、フローチャートとして、または他のいくつかの図形表現を使用して示され、説明されているが、本明細書に記載のブロック、装置、システム、技法、または方法は、非限定
的な例として、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、専用回路もしくはロジック、汎用ハードウェアもしくはコントローラ、もしくは他のコンピューティングデバイス、またはそれらの何らかの組合せで実装されてもよいことを理解されたい。
【0136】
[00162]本開示はまた、非一時的コンピュータ可読記憶媒体上に有形に記憶された少な
くとも1つのコンピュータプログラム製品も提供する。コンピュータプログラム製品は、上記の方法/プロセスを実行するために、対象となる実プロセッサ上または仮想プロセッサ上のデバイスで実行される、プログラムモジュールに含まれるものなどのコンピュータ実行可能命令を含む。一般に、プログラムモジュールには、特定のタスクを実行する、または特定の抽象データ型を実装するルーチン、プログラム、ライブラリ、オブジェクト、クラス、コンポーネント、データ構造などが含まれる。プログラムモジュールの機能は、様々な実施形態において所望されるように、プログラムモジュール間で組み合わされるか、または分割されてもよい。プログラムモジュール用のコンピュータ実行可能命令は、ローカルデバイスまたは分散デバイス内で実行されてもよい。分散デバイスでは、プログラムモジュールはローカルとリモートの両方の記憶媒体に配置されてもよい。
【0137】
[00163]コンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読信号媒体またはコンピュータ可読
記憶媒体でもよい。コンピュータ可読媒体には、電子、磁気、光学、電磁気、赤外線、もしくは半導体の、システム、装置、もしくはデバイス、または上記の任意の適切な組合せが含まれるが、これらに限定されない。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例には、1つまたは複数のワイヤを有する電気接続、ポータブルコンピュータディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、消去可能プログラマブル読み取り専用メモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、光ファイバ、ポータブルコンパクトディスク読み取り専用メモリ(CD-ROM)、光学式記憶デバイス、磁気記憶デバイス、または上記の任意の適切な組合せが含まれる。
【0138】
[00164]本明細書に開示される方法を実行するためのコンピュータプログラムコードは
、1つまたは複数のプログラミング言語の任意の組合せで書かれてもよい。プログラムコードがプロセッサまたはコントローラによって実行されると、フローチャートおよび/またはブロック図で指定された機能/動作が実行されるように、プログラムコードは、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、または他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサまたはコントローラに提供されてもよい。プログラムコードは、完全にコンピュータ上で実行されるか、スタンドアロンソフトウェアパッケージとして部分的にコンピュータ上で実行されるか、部分的にコンピュータ上かつ部分的にリモートコンピュータ上で実行されるか、または完全にリモートコンピュータ上もしくはサーバ上で実行されてもよい。プログラムコードは、本明細書で一般に「モジュール」と呼ばれ得る特別にプログラムされたデバイスに配布されてもよい。モジュールのソフトウェアコンポーネント部分は、任意のコンピュータ言語で書かれてもよく、モノリシックコードベースの一部分であってもよく、またはオブジェクト指向コンピュータ言語で典型的であるような、より離散的なコード部分で開発されてもよい。加えて、モジュールは、複数のコンピュータプラットフォーム、サーバ、端末、モバイルデバイスなどにわたって分散されてもよい。さらに、説明された機能が別個のプロセッサおよび/またはコンピューティングハードウェアプラットフォームによって実行されるように、所与のモジュールが実装されてもよい。
【0139】
[00165]動作は特定の順序で示されているが、望ましい結果を得るために、そのような
動作が、示された特定の順序で、もしくは順次に実行されること、またはすべての図示された動作が実行されることを要求するものとして理解されるべきではない。一定の状況では、マルチタスクおよび並列処理が有利な場合がある。同様に、上記の説明にいくつかの特定の実装の詳細が含まれているが、これらは本開示の範囲に対する制限として解釈されるべきではなく、むしろ特定の実施形態に特有であり得る特徴の説明として解釈されるべ
きである。別個の実施形態の文脈で説明される一定の特徴は、単一の実施形態において組み合わせて実装されてもよい。逆に、単一の実施形態の文脈で説明される様々な特徴は、複数の実施形態において別々に、または任意の部分的組合せで実装されてもよい。
【0140】
[00166]本開示は、構造的特徴および/または方法論的行為に特有の言語で記載されて
いるが、添付の特許請求の範囲で定義される本開示は、必ずしも上記の特定の特徴または行為に限定されないことを理解されたい。むしろ、上記の特定の特徴および行為は、特許請求の範囲を実施する例示的な形態として開示されている。
図1
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