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特許7361193マルチモーダルトリプレットロスを使用した時系列およびTEXTのための教師ありクロスモーダル検索
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-04
(45)【発行日】2023-10-13
(54)【発明の名称】マルチモーダルトリプレットロスを使用した時系列およびTEXTのための教師ありクロスモーダル検索
(51)【国際特許分類】
   G06F 16/901 20190101AFI20231005BHJP
【FI】
G06F16/901
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2022501278
(86)(22)【出願日】2020-07-02
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-15
(86)【国際出願番号】 US2020040629
(87)【国際公開番号】W WO2021011205
(87)【国際公開日】2021-01-21
【審査請求日】2022-01-21
(31)【優先権主張番号】16/918,257
(32)【優先日】2020-07-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/873,255
(32)【優先日】2019-07-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】504080663
【氏名又は名称】エヌイーシー ラボラトリーズ アメリカ インク
【氏名又は名称原語表記】NEC Laboratories America, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100123788
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 昭夫
(74)【代理人】
【識別番号】100127454
【弁理士】
【氏名又は名称】緒方 雅昭
(72)【発明者】
【氏名】チェン、 ユンコン
(72)【発明者】
【氏名】ソン、 ドンジン
(72)【発明者】
【氏名】ルメザヌ、 クリスチャン
(72)【発明者】
【氏名】チェン、 ハイフォン
(72)【発明者】
【氏名】溝口 毅彦
【審査官】早川 学
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-041206(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0130221(US,A1)
【文献】Cheng DENG et al.,“Triplet-Based Deep Hashing Network for Cross-Modal Retrieval”,IEEE Transactions on Image Processing,2018年08月,Vol. 27, No. 8,p.3893-3903,DOI: 10.1109/TIP.2018.2821921
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 16/00-16/958
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
クロスモーダルデータ検索のためのコンピュータ処理システムであって、
(i)時系列と(ii)自由形式テキストコメントとの2つの異なるモダリティに関連するトリプレットロスに基づいて共同して訓練され、それぞれが時系列の訓練セットと自由形式テキストコメントの訓練セットとに対応する時系列符号器(211)とテキスト符号器(212)とを有するニューラルネットワークと、
前記訓練セットの符号化から抽出された特徴ベクトルと共に前記訓練セットを記憶し、前記符号化は、前記時系列符号器を使用して時系列の前記訓練セット内の前記時系列を符号化し、前記テキスト符号器を使用して自由形式テキストコメントの前記訓練セット内の前記自由形式テキストコメントを符号化することによって得られる、データベース(205)と、
テスト時系列とテスト自由形式テキストコメントとのうちの少なくとも1つに関連するテスト入力に対応する少なくとも1つの特徴ベクトルと共に特徴空間に挿入するための、前記データベースから前記2つの異なるモダリティのうちの少なくとも1つに対応する特徴ベクトルを検索し、距離基準に基づいて前記特徴空間内の前記特徴ベクトルの中から最近傍のセットを決定し、前記最近傍のセットに基づいて前記テスト入力に対するテスト結果を出力するためのハードウェアプロセッサ(110)とを有し、
前記テスト入力は、ハードウェアシステムの異常検出のための少なくとも1つのハードウェアセンサの所与の時系列データを含み、
前記ハードウェアプロセッサ(110)は、テスト結果に応答して前記ハードウェアシステムを制御する、コンピュータ処理システム。
【請求項2】
前記トリプレットロスは、第1および第2のトリプレットの値が同じ意味クラスからのものであり、第3のトリプレットの値が、前記2つの異なるモダリティのうちの様々な1つが特徴付けられる複数の意味クラスのうちの異なる意味クラスからのものであるように、前記2つの異なるモダリティの両方からのトリプレットに対するものである、請求項1に記載のコンピュータ処理システム。
【請求項3】
前記ハードウェアプロセッサ(110)は、時系列の前記訓練セットと自由形式テキス
トコメントの前記訓練セットとのうちの少なくとも1つに対応するトリプレットにサンプリング方法を適用することによって、前記特徴空間への挿入を実行し、前記サンプリング方法は、所定のタプル内の少なくとも2つの異なる意味クラスを閾値マージン違反量未満だけ分離する事前に指定されたマージンの外側にある前記特徴ベクトルのうちの特定の1つのみを選択する、請求項1に記載のコンピュータ処理システム。
【請求項4】
前記時系列符号器(211)および前記テキスト符号器(212)は、前記訓練セットからの同じ意味クラスのインスタンスに学習変換を適用した後、前記同じ意味クラスのインスタンスが、所与の閾値距離内の前記特徴空間内で近接したままである一方、異なる意味クラスのインスタンスが、前記所与の閾値距離とは異なる少なくとも指定されたマージン距離だけ前記特徴空間内で分離されるように、前記学習変換によって共同で訓練される、請求項1に記載のコンピュータ処理システム。
【請求項5】
前記ハードウェアプロセッサ(110)は、前記訓練セットのうちの少なくとも1つに対応するトリプレットにサンプリング方法を適用することによって、前記特徴空間への挿入を実行し、前記サンプリング方法は、閾値マージン違反量未満だけ前記事前に指定されたマージン距離の外側にある前記特徴ベクトルのうちの特定の1つのみを選択する、請求項に記載のコンピュータ処理システム。
【請求項6】
前記テスト入力は、前記時系列符号器に適用される任意の長さの入力時系列であり、1つ以上の自由形式テキストコメントの形式で前記入力時系列の説明として前記テスト結果を取得する、請求項1に記載のコンピュータ処理システム。
【請求項7】
前記テスト入力は、前記テキスト符号器に適用される任意の長さの入力自由形式テキストコメントであり、前記テスト結果を、前記入力自由形式テキストコメントと同じ意味クラスを有する1つまたは複数の時系列として取得する、請求項1に記載のコンピュータ処理システム。
【請求項8】
前記テスト入力は、前記特徴空間への挿入のための第1のベクトルを得るために前記時系列符号器に適用される任意の長さの入力時系列と、前記特徴空間への挿入のための第2のベクトルを得るために前記テキスト符号器に適用される任意の長さの入力自由形式テキストコメントとの両方を含む、請求項1に記載のコンピュータ処理システム。
【請求項9】
前記トリプレットロスは、確率的勾配降下を使用して前記ニューラルネットワークのパラメータを更新することによって最適化される、請求項1に記載のコンピュータ処理システム。
【請求項10】
前記テスト入力は、テキストセグメント、時系列セグメント、および別のテキストセグメントのタプルを含む、請求項1に記載のコンピュータ処理システム。
【請求項11】
前記ニューラルネットワークの複数の畳み込み層がローカルコンテキストを捕捉する、請求項1に記載のコンピュータ処理システム。
【請求項12】
クロスモーダルデータ検索のためのコンピュータ実装された方法であって、
トリプレットロスに基づく時系列符号器とテキスト符号器とを有するニューラルネットワークを共同で訓練すること(300)を含み、前記トリプレットロスは、(i)時系列と(ii)自由形式テキストコメントとの2つの異なるモダリティに関連し、これらはそれぞれ、時系列の訓練セットと自由形式テキストコメントの訓練セットとに対応し、
データベースに、前記訓練セットの、前記時系列符号器を使用して時系列の訓練セット内の前記時系列を符号化し、前記テキスト符号器を使用して自由形式テキストコメントの
前記訓練セット内の前記自由形式テキストコメントを符号化することによって得られる符号化から抽出された特徴ベクトルと共に前記訓練セットを記憶すること(330)と、
テスト時系列とテスト自由形式テキストコメントとの少なくとも1つに関連するテスト入力に対応する少なくとも1つの特徴ベクトルと共に特徴空間に挿入するため、前記データベースから前記2つの異なるモダリティの少なくとも1つに対応する特徴ベクトルを検索すること(360)と、
ハードウェアプロセッサによって、距離基準に基づいて前記特徴空間内の前記特徴ベクトルの中から最近傍のセットを決定し(370)、前記最近傍のセットに基づいて前記テスト入力に対するテスト結果を出力すること(370)とを含み、
前記テスト入力は、ハードウェアシステムの異常検出のための少なくとも1つのハードウェアセンサの所与の時系列データを含み、
前記ハードウェアプロセッサは、テスト結果に応答して前記ハードウェアシステムを制御する、コンピュータ実装された方法。
【請求項13】
前記トリプレットロスは、第1および第2のトリプレットの値が同じ意味クラスからのものであり、第3のトリプレットの値が、前記2つの異なるモダリティのうちの様々な1つが特徴付けられる複数の意味クラスのうちの異なる意味クラスからのものであるように、前記2つの異なるモダリティの両方からのトリプレットに対するものである、請求項12に記載のコンピュータ実装された方法。
【請求項14】
前記特徴空間への挿入は、時系列の前記訓練セットと自由形式テキストコメントの前記訓練セットとのうちの少なくとも1つに対応するトリプレットにサンプリング方法を適用することによって実行され、前記サンプリング方法は、所定のタプル内の少なくとも2つの異なる意味クラスを閾値マージン違反量未満だけ分離する事前に指定されたマージンの外側にある前記特徴ベクトルのうちの特定の1つのみを選択する、請求項12に記載のコンピュータ実装された方法。
【請求項15】
前記時系列符号器および前記テキスト符号器は、前記訓練セットからの同じ意味クラスのインスタンスに学習変換を適用した後、前記同じ意味クラスのインスタンスが、所与の閾値距離内の前記特徴空間内で近接したままである一方で、異なる意味クラスのインスタンスが、前記所与の閾値距離とは異なる少なくとも指定されたマージン距離だけ前記特徴空間内で分離されるように、前記学習変換によって共同で訓練される、請求項12に記載のコンピュータ実装された方法。
【請求項16】
前記特徴空間への挿入は、前記訓練セットのうちの少なくとも1つに対応するトリプレットにサンプリング方法を適用することによって実行され、前記サンプリング方法は、閾値マージン違反量未満だけ前記事前に指定されたマージン距離の外側にある前記特徴ベクトルのうちの特定の1つのみを選択する、請求項14に記載のコンピュータ実装された方法。
【請求項17】
前記テスト入力は、前記時系列符号器に適用される任意の長さの入力時系列であり、1つ以上の自由形式テキストコメントの形式で前記入力時系列の説明として前記テスト結果を取得する、請求項12に記載のコンピュータ実装された方法。
【請求項18】
コンピュータにクロスモーダルデータ検索を実現する方法を実行させるためのコンピュータプログラムであって、前記コンピュータに実行させる方法は、
トリプレットロスに基づく時系列符号器とテキスト符号器とを有するニューラルネットワークを共同で訓練すること(300)を含み、前記トリプレットロスは、(i)時系列と(ii)自由形式テキストコメントとの2つの異なるモダリティに関連し、これらはそれぞれ、時系列の訓練セットと自由形式テキストコメントの訓練セットに対応し、
データベースに、前記訓練セットの、前記時系列符号器を使用して時系列の訓練セット内の前記時系列を符号化し、前記テキスト符号器を使用して自由形式テキストコメントの前記訓練セット内の前記自由形式テキストコメントを符号化することによって得られる符号化から抽出された特徴ベクトルと共に前記訓練セットを記憶すること(330)と、
テスト時系列とテスト自由形式テキストコメントとの少なくとも1つに関連するテスト入力に対応する少なくとも1つの特徴ベクトルと共に特徴空間に挿入するため、前記データベースから前記2つの異なるモダリティの少なくとも1つに対応する特徴ベクトルを検索すること(360)と、
前記コンピュータのハードウェアプロセッサによって、距離基準に基づいて前記特徴空間内の前記特徴ベクトルの中から最近傍のセットを決定し(370)、前記最近傍のセットに基づいて前記テスト入力に対するテスト結果を出力することとを含み、
前記テスト入力は、ハードウェアシステムの異常検出のための少なくとも1つのハードウェアセンサの所与の時系列データを含み、
前記ハードウェアプロセッサは、テスト結果に応答して前記ハードウェアシステムを制御する、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願情報
本出願は、2020年7月1日に出願された米国非仮特許出願第16/918,257号の優先権を主張し、該出願は、2019年7月12日に出願された米国仮特許出願第62/873,255号の優先権を主張し、両方ともその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
本発明は、情報処理に関し、より詳細には、マルチモーダルトリプレットロスを用いた時系列および自由形式テキストコメントのための教師ありクロスモーダル検索に関する。
関連技術の説明
【0003】
時系列データは、例えば、金融および産業の世界で普及している。時系列解析の有効性は、多くの場合、人間のユーザによって理解可能なフィードバックの欠如によって妨げられる。時系列の解釈は、しばしば、領域の専門知識を必要とする。多くの現実世界のシナリオでは、時系列は、人間の専門家によって書かれたコメントでタグ付けされる。場合によっては、コメントはカテゴリラベルにすぎないが、自由形式の自然テキストであることが多い。時系列分析を、時系列および関連する自由形式テキストに関する領域認識および解釈可能性に向けて進めることが望ましい。
【発明の概要】
【0004】
本発明の態様によれば、クロスモーダルデータ検索のためのコンピュータ処理システムが提供される。コンピュータ処理システムは、トリプレットロスに基づいて共同で訓練される時系列符号器およびテキスト符号器を有するニューラルネットワークを含む。トリプレットロスは、(i)時系列および(ii)自由形式テキストコメントの2つの異なるモダリティに関連し、これらはそれぞれ、時系列の訓練セットと自由形式テキストコメントの訓練セットとに対応する。コンピュータ処理システムは、訓練セットの符号化から抽出された特徴ベクトルと共に訓練セットを記憶するためのデータベースをさらに含む。符号化は、時系列符号器を使用して時系列の訓練セット内の時系列を符号化し、テキスト符号器を使用して自由形式テキストコメントの訓練セット内の自由形式テキストコメントを符号化することによって得られる。コンピュータ処理システムはまた、テスト時系列およびテスト自由形式テキストコメントのうちの少なくとも1つに関連するテスト入力に対応する少なくとも1つの特徴ベクトルと共に特徴空間に挿入するために、2つの異なるモダリティのうちの少なくとも1つに対応する特徴ベクトルをデータベースから検索し、距離基準に基づいて特徴空間内の特徴ベクトルの中から最近傍のセットを決定し、最近傍のセットに基づいてテスト入力に対するテスト結果を出力するためのハードウェアプロセッサを含む。
【0005】
本発明の他の側面によれば、クロスモーダルデータ検索のためのコンピュータ実装された方法が提供されている。この方法は、トリプレットロスに基づいて時系列符号器およびテキスト符号器を有するニューラルネットワークを共同で訓練することを含む。トリプレットロスは、(i)時系列と(ii)自由形式テキストコメントとの2つの異なるモダリティに関連し、これらはそれぞれ、時系列の訓練セットと自由形式テキストコメントの訓練セットとに対応する。この方法はさらに、データベースに、訓練セットの符号化から抽出された特徴ベクトルと共に訓練セットを記憶することを含む。符号化は、時系列符号器を使用して時系列の訓練セット内の時系列を符号化し、テキスト符号器を使用して自由形式テキストコメントの訓練セット内の自由形式テキストコメントを符号化することによって得られる。また、本方法は、特徴空間への挿入のために、テスト時系列とテスト自由形式テキストコメントとの少なくとも1つに関連するテスト入力に対応する少なくとも1つの特徴ベクトルと共に、データベースから2つの異なるモダリティの少なくとも1つに対応する特徴ベクトルを検索することを含む。本方法は、さらに、ハードウェアプロセッサによって、距離基準に基づいて特徴空間内の特徴ベクトルの中から最近傍のセットを決定することと、最近傍のセットに基づいてテスト入力のためのテスト結果を出力することとを含む。
【0006】
本発明のさらに他の態様によれば、クロスモーダルデータ検索のためのコンピュータプログラム製品であって、プログラム命令が具現化された非一時的なコンピュータ可読記憶媒体を含むコンピュータプログラム製品であって、コンピュータによって実行可能なプログラム命令は、方法をコンピュータに実行させる。この方法は、トリプレットロスに基づいて時系列符号器およびテキスト符号器を有するニューラルネットワークを共同で訓練することを含む。トリプレットロスは、(i)時系列と(ii)自由形式テキストコメントとの2つの異なるモダリティに関連し、これらはそれぞれ、時系列の訓練セットと自由形式テキストコメントの訓練セットとに対応する。この方法はさらに、データベースに、訓練セットの符号化から抽出された特徴ベクトルと共に訓練セットを記憶することを含む。符号化は、時系列符号器を使用して時系列の訓練セット内の時系列を符号化し、テキスト符号器を使用して自由形式テキストコメントの訓練セット内の自由形式テキストコメントを符号化することによって得られる。また、本方法は、特徴空間への挿入のために、テスト時系列とテスト自由形式テキストコメントとの少なくとも1つに関連するテスト入力に対応する少なくとも1つの特徴ベクトルと共に、データベースから2つの異なるモダリティの少なくとも1つに対応する特徴ベクトルを検索することを含む。本方法は、さらに、コンピュータのハードウェアプロセッサによって、距離基準に基づいて特徴空間内の特徴ベクトルの中から最近傍のセットを決定することと、最近傍のセットに基づいてテスト入力のためのテスト結果を出力することとを含む。
【0007】
これらおよび他の特徴および利点は、添付の図面に関連して読まれるべき、その例示的な実施形態の以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本開示は、以下の図面を参照して、好ましい実施形態の以下の説明において詳細を提供する。
【0009】
図1】本発明の一実施形態による、例示的な計算装置を示すブロック図である。
【0010】
図2】本発明の一実施形態による、時系列と自由形式のテキストコメントとの間のクロスモーダル検索のための例示的なシステム/方法を示す高レベルブロック図である。
【0011】
図3】本発明の一実施形態による、時系列と自由形式のテキストコメントとの間のクロスモーダル検索のための方法のフロー図である。
図4】本発明の一実施形態による、時系列と自由形式のテキストコメントとの間のクロスモーダル検索のための方法のフロー図である。
【0012】
図5】本発明の一実施形態による、図2のテキスト符号器212の例示的なアーキテクチャを示すブロック図である。
【0013】
図6】本発明の一実施形態による、図2のテキスト符号器の例示的なアーキテクチャを示すブロック図である。
【0014】
図7】本発明の一実施形態による、例示的なコンピューティング環境を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施形態によれば、マルチモーダルトリプレットロスを使用して時系列および自由形式テキストコメントのための教師ありクロスモーダル検索のためのシステムおよび方法が提供される。
【0016】
本発明の実施形態は、時系列および関連する自由形式テキストから共同で学習することによって、領域認識および解釈可能性に向けて時系列分析を進めることができる。
【0017】
一実施形態では、本発明は、クエリおよび取り出された結果がいずれかのモダリティであり得るクロスモーダル取り出しタスクに焦点を当てる。具体的には、本発明の1つまたは複数の実施形態は、以下の3つのアプリケーションシナリオに対処するためのニューラルネットワークアーキテクチャおよび関連する検索アルゴリズムを提供する。
【0018】
(1)説明:時系列セグメントが与えられると、時系列セグメントの人間が読むことができる説明として使用することができる関連コメントを取り出す。
【0019】
(2)自然言語検索:文章またはキーワードのセットを指定すると、関連する時系列セグメントを取得する。
【0020】
(3)共同モダリティ探索:時系列セグメントと文章またはキーワードのセットとを与えられ、属性の部分集合がキーワードに一致し、属性の残りが与えられた時系列セグメントに類似するように、関連する時系列セグメントを検索する。
【0021】
一般に、本発明の1つまたは複数の実施形態は、データアイテムのペア間の類似性のモダリティに依存しない概念の学習を可能にするアーキテクチャを提供し、クエリが与えられた場合にクローズアイテムを検索するための検索アルゴリズムを提案する。
【0022】
この目的のために、2つのシーケンス符号器(時系列符号器およびテキスト符号器)が、クラス情報でラベル付けされた、両方のモダリティにおけるデータのセットから学習される。符号器は、同じクラスのインスタンスが互いに接近し、異なるクラスのインスタンスが互いに遠くなるように、データインスタンスを共通の潜在空間にマッピングするように訓練される。次いで、検索は、この共通の潜在空間内のクエリ(任意のモダリティにもあり得る)に対する(任意のモダリティの)最近傍を見つけることに基づく。学習が成功すると、ほとんどの近傍はクエリと同じクラスを共有する。つまり、取得結果はクエリと高い関連性を持つ。
【0023】
図1は、本発明の一実施形態による例示的な計算装置100を示すブロック図である。計算装置100は、図2に関して以下で説明するシステム200の一部とすることができる。計算装置100は、時系列と自由形式テキストコメントとの間のクロスモーダル検索を実行するように構成される。
【0024】
計算装置100は、限定されるものではないが、コンピュータ、サーバ、ラックベースのサーバ、ブレードサーバ、ワークステーション、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、ノートブックコンピュータ、タブレットコンピュータ、モバイル計算装置、ウェアラブル計算装置、ネットワークアプライアンス、Webアプライアンス、分散計算システム、プロセッサベースのシステム、および/または消費者電子装置を含む、本明細書に記載する機能を実行することができる任意のタイプの計算またはコンピュータデバイスとして実施することができる。さらに、または代替として、計算装置100は、物理的に分離された計算装置の1つまたは複数のコンピューティングスレッド、メモリスレッド、または他のラック、スレッド、コンピューティングシャーシ、または他の構成要素として実施され得る。図1に示すように、計算装置100は、例示的に、プロセッサ110、入出力サブシステム120、メモリ130、データ記憶装置140、通信サブシステム150、および/またはサーバまたは同様の計算装置に一般的に見られる他の構成要素および装置を含む。もちろん、計算装置100は、他の実施形態では、サーバコンピュータ(例えば、様々な入力/出力装置)に一般に見られるような他のまたは追加のコンポーネントを含むことができる。さらに、いくつかの実施形態では、例示的な構成要素のうちの1つまたは複数は、別の構成要素に組み込まれてもよく、または別の方法で別の構成要素の一部を形成してもよい。例えば、いくつかの実施形態では、メモリ130またはその一部をプロセッサ110に組み込むことができる。
【0025】
プロセッサ110は、本明細書に記載する機能を実行することができる任意のタイプのプロセッサとして実施することができる。プロセッサ110は、シングルプロセッサ、マルチプロセッサ、中央処理装置(CPU)、グラフィックス処理装置(GPU)、シングルまたはマルチコアプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、マイクロコントローラ、または他のプロセッサまたは処理/制御回路として具現化されてもよい。
【0026】
メモリ130は、本明細書で説明する機能を実行することができる任意のタイプの揮発性または不揮発性メモリまたはデータ記憶装置として実施することができる。動作において、メモリ130は、オペレーティングシステム、アプリケーション、プログラム、ライブラリ、ドライバなど、計算装置100の動作中に使用される様々なデータおよびソフトウェアを記憶することができる。メモリ130は、I/Oサブシステム120を介してプロセッサ110に通信可能に結合され、これは、プロセッサ110、メモリ130、および計算装置100の他の構成要素との入出力操作を容易にするための回路および/または構成要素として具現化され得る。例えば、I/Oサブシステム120は、メモリコントローラハブ、入力/出力制御ハブ、プラットフォームコントローラハブ、集積制御回路、ファームウェアデバイス、通信リンク(例えば、ポイントツーポイントリンク、バスリンク、ワイヤ、ケーブル、光ガイド、プリント回路基板トレースなど)、および/または入力/出力動作を容易にするための他の構成要素およびサブシステムとして具現化されてもよく、またはそうでなければそれらを含んでもよい。いくつかの実施形態では、I/Oサブシステム120は、システムオンチップ(SOC)の一部を形成し、プロセッサ110、メモリ130、および計算装置100の他の構成要素とともに、単一の集積回路チップ上に組み込まれ得る。
【0027】
データ記憶装置140は、例えば、メモリ装置および回路、メモリカード、ハードディスクドライブ、ソリッドステートドライブ、または他のデータ記憶装置などの、データの短期または長期記憶のために構成された任意のタイプの装置または複数の装置として具現化され得る。データ記憶装置140は、時系列と自由形式のテキストコメントとの間のクロスモーダル検索のためのプログラムコード140Aを記憶することができる。計算装置100の通信サブシステム150は、ネットワークを介して計算装置100と他のリモート装置との間の通信を可能にすることができる、任意のネットワークインターフェースコントローラまたは他の通信回路、装置、またはそれらの集合として実施することができる。通信サブシステム150は、任意の1つ以上の通信技術(例えば、有線または無線通信)および関連プロトコル(例えば、イーサネット(登録商標)、InfiniBand(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)、WiMAX(登録商標)など)を使用して、そのような通信を行うように構成されてもよい。
【0028】
図示のように、計算装置100は、1つまたは複数の周辺装置160を含むこともできる。周辺装置160は、任意の数の追加の入力/出力装置、インターフェース装置、および/または他の周辺装置を含むことができる。例えば、いくつかの実施形態では、周辺装置160は、ディスプレイ、タッチスクリーン、グラフィック回路、キーボード、マウス、スピーカシステム、マイクロフォン、ネットワークインターフェース、および/または他の入力/出力装置、インターフェース装置、および/または周辺装置を含むことができる。
【0029】
もちろん、計算装置100は、当業者によって容易に企図されるように、他の要素(図示せず)を含むこともでき、特定の要素を省略することもできる。例えば、当業者によって容易に理解されるように、様々な他の入力装置および/または出力装置を、同じものの特定の実装に応じて、計算装置100に含めることができる。例えば、様々なタイプの無線および/または有線の入力および/または出力装置を使用することができる。さらに、様々な構成の追加のプロセッサ、コントローラ、メモリなどを利用することもできる。処理システム100のこれらおよび他の変形は、本明細書で提供される本発明の教示を与えられれば、当業者によって容易に企図される。
【0030】
本明細書で採用されるように、「ハードウェアプロセッササブシステム」または「ハードウェアプロセッサ」という用語は、1つ以上の特定のタスクを実行するために協働するプロセッサ、メモリ、ソフトウェアまたはそれらの組み合わせを指すことができる。有用な実施形態では、ハードウェアプロセッササブシステムは、1つまたは複数のデータ処理要素(例えば、論理回路、処理回路、命令実行デバイスなど)を含むことができる。1つまたは複数のデータ処理要素は、中央処理ユニット、画像処理ユニットおよび/または別個のプロセッサまたはコンピューティング要素ベースのコントローラ(たとえば、論理ゲートなど)に含めることができる。ハードウェアプロセッササブシステムは、1つ以上のオンボードメモリ(例えば、キャッシュ、専用メモリアレイ、読み出し専用メモリなど)を含むことができる。いくつかの実施形態では、ハードウェアプロセッササブシステムは、オンボードまたはオフボードにすることができるか、またはハードウェアプロセッササブシステム(例えば、ROM、RAM、基本入出力システム(BIOS)など)によって使用するために専用にすることができる1つ以上のメモリを含むことができる。
【0031】
ある実施形態では、ハードウェアプロセッササブシステムは、1つ以上のソフトウェア要素を含むことができ、実行することができる。1つ以上のソフトウェア要素は、特定の結果を達成するために、オペレーティングシステムおよび/または1つ以上のアプリケーションおよび/または特定のコードを含むことができる。
【0032】
他の実施形態では、ハードウェアプロセッササブシステムは、指定された結果を達成するために1つまたは複数の電子処理機能を実行する専用の専用回路を含むことができる。そのような回路は、1つまたは複数のアプリケーション専用集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、および/またはプログラマブルロジックアレイ(PLA)を含むことができる。
【0033】
ハードウェアプロセッササブシステムのこれらおよび他の変形もまた、本発明の実施形態に従って企図される。
【0034】
図2は、本発明の一実施形態による、時系列と自由形式のテキストコメントとの間のクロスモーダル検索のための例示的なシステム/方法200を示す高レベルブロック図である。
【0035】
システム/方法200は、時系列符号器211およびテキスト符号器212を有する符号化部分210を含み、さらにデータベース220を含む。
【0036】
システム/方法200の要素の動作は、図3を参照して説明される。
【0037】
図3~4は、本発明の一実施形態による、時系列と自由形式のテキストコメントとの間のクロスモーダル検索のための方法のためのフロー図である。
【0038】
ブロック310で、時系列または自由形式テキストコメントのいずれかである一組の訓練データインスタンス231を受信する。
【0039】
ブロック320において、2つのシーケンス符号器211,212を含むニューラルネットワークを構築する。テキスト符号器212は、gtxtによって示され、トークン化されたテキストコメント(例えば、フレーズ、ワード、ワードルートなど)を入力として受け取る。gsrsで示される時系列符号器211は、時系列を入力とする。テキスト符号器212は、図4に関してさらに詳細に示されている。時系列符号器211(図5に関してさらに詳細に示す)は、単語埋め込み511が完全接続層611に置き換えられていることを除いて、図6のテキスト符号器212について示したものと同じアーキテクチャを有する。
【0040】
図4に示すテキスト符号器212のアーキテクチャ400は、一連の畳み込み層413,422に続いて変換器ネットワーク490を含む。畳み込み層は、ローカルコンテキスト(例えば、テキストデータのフレーズ)を捕捉する。変換器は、シーケンス内の長期依存性を符号化する。
【0041】
ニューラルネットワークの訓練フェーズでは、データセットからトリプレットがサンプリングされる。トリプレットは、3つのデータインスタンス(a、p、n)のタプルであり、各データインスタンスは、pがaと同じクラスを有し、nが異なるクラスからのものであるように、いずれのモダリティであってもよい。
【0042】
両符号器211,212のパラメータは、トリプレットロスを最小化することによって共同で訓練される。このロスは、変換後、同じクラスのインスタンスが接近したままであり、異なるクラスのインスタンスが指定されたマージンaだけ分離されるように、変換の学習を促進する。Ωで示されるトリプレットのバッチのトリプレットロスは、以下のように定義される。
【0043】
【数1】
【0044】
ここで、入力が時系列の場合はf=gtxtであり、入力がテキストコメントの場合はf=gsrsである。
【0045】
「セミハード」であるトリプレットを選択するために、ハード実施例マイニング戦略が使用され、これは、訓練が、ランダムに一様にトリプレットを選択するよりも著しく速く進行することを可能にする。セミハードトリプレット(a、p、n)は、現在の変換の下で、マージン基準にほとんど違反しないものである。形式的には、以下の条件を満たす。
【0046】
【数2】
【0047】
トリプレットにおけるインスタンスのモダリティに制限はなく、単一モダリティのトリプレット、ならびに(テキスト、シリーズ、テキスト)、(シリーズテキスト、シリーズ)などの混合モダリティを可能にする。
【0048】
訓練は反復して進行する。各反復において、セミハードトリプレットの固定バッチがサンプリングされる。バッチのトリプレットロスを最適化し、確率的勾配降下を用いてネットワークのパラメータを更新する。
【0049】
ブロック330で(ネットワークが訓練された後に対応して)、将来の検索の候補となることを意図した一組の時系列およびテキストインスタンスを選択する。時系列インスタンスを時系列符号器211に通し、テキストインスタンスをテキスト符号器212に通して、それぞれ特徴ベクトル211A,212Aを得る。インスタンスを、特徴ベクトルと共に、それらの生の形態でデータベースに記憶する。
【0050】
ブロック340で、最近傍探索を使用して、符号器211,212ならびにデータベース220が利用可能な状態で、未知のクエリに関する関連データを取り出す。3つのアプリケーションシナリオのそれぞれについての具体的な手順を以下に説明する。
【0051】
(1)説明:クエリが任意の長さの時系列として与えられると、それは、特徴ベクトルxを得るために時系列符号器を通過させられる。次に、データベース220から、このベクトル(別名最近傍)までの最小(ユークリッド)距離を有するk個のテキストインスタンスを見つける。これらのテキストインスタンスは、人間が書いた自由形式のコメントであり、検索結果として返される。
【0052】
(2)自然言語による時系列の検索:クエリが自由形式テキスト節(すなわち、単語または短文)として与えられると、それは、特徴ベクトルyを得るためにテキスト符号器212を通過する。次に、データベース220から、yまでの距離が最小であるk個の時系列インスタンスを見つける。クエリテキストと同じ意味クラスを持ち、クエリとの関連性が高いこれらの時系列は、検索結果として返される。
【0053】
(3)共同モダリティ探索:クエリを(時系列セグメント、テキスト節)のペアとして与え、時系列を時系列符号器211に通して特徴ベクトルx211Aを取得し、テキスト節をテキスト符号器212に通して特徴ベクトルy212Aを取得する。次に、データベース220から、xの時系列最近傍240をn個見つけ、yの時系列最近傍をn個見つけ、それらの共通部分を求める。n=kから始める。共通部分内のインスタンスの数がkよりも小さい場合、nをインクリメントし、少なくともk個のインスタンスが検索されるまで検索を繰り返す。これらのインスタンスは、クエリ時系列とクエリテキストとの両方に意味的に類似しており、検索結果250として返される。
【0054】
ブロック350で、クエリ232を受信する。クエリ232は、時系列またはテキスト形式とすることができる。
【0055】
ブロック360で、時系列符号器211および/またはテキスト符号器212を使用してクエリを処理し、特徴空間に含まれる特徴ベクトルを生成する。
【0056】
ブロック370で、データベース220からのクエリおよび特徴ベクトルの処理から得られた1つ以上の特徴ベクトルが入力された特徴空間で最近傍探索を実行して、2つのモダリティの少なくとも1つで探索結果を出力する。一実施形態では、入力モダリティは、検索結果内のその対応する出力モダリティに関連付けることができ、入力モダリティおよび出力モダリティは、いずれかの端部(本明細書で提供される教示が与えられると容易に理解されるように、その端部に対する実装および対応するシステム構成に応じた入力または出力)で同じモダリティのうちの1つまたは複数が異なるか、またはそれらを含む。
【0057】
ブロック380で、検索結果に応答してアクションを実行する。
【0058】
例示的なアクションは、例えば、コンピュータ処理システムにおける異常を認識し、異常が検出されるシステムを制御することを含むことができるが、これに限定されない。例えば、ハードウェアセンサまたはセンサネットワーク(例えば、メッシュ)からの時系列データの形態のクエリは、テキストメッセージをラベルとして使用して、異常な挙動(危険な、またはそうでなければ動作速度が速すぎる(例えば、モータ、ギアジャンクション)、危険な、またはそうでなければ過剰な動作熱(例えば、モータ、ギアジャンクション)、危険な、またはそうでなければ許容範囲外の整列(例えば、モータ、ギアジャンクションなど)として特徴付けることができる。処理パイプラインでは、初期入力時系列は、複数のテキストメッセージに処理され、次いで、所与のトピック(例えば、異常タイプ)に関して、よりフォーカスされた結果の出力時系列のためのテキストメッセージのサブセットを含むように再結合されることができる。したがって、装置は、実装に基づいて、オフにされ、その動作速度が低減され、アラインメント(例えば、ハードウェアベースの)手順が実行され、等々であり得る。
【0059】
別の例示的なアクションは、履歴データに対する所与の出力時系列および/またはテキストコメントに等しい所与の動作状態の検出時に、オンまたはオフにすること、減速すること、スピードアップすること、位置調整することなどを含むハードウェアマシン制御機能などの他の機能を実行するために使用されるように、パラメータの経時変化の履歴をログ記録することができる動作パラメータトレーシングであり得る。
【0060】
図5は、本発明の一実施形態による、図2のテキスト符号器212の例示的なアーキテクチャ500を示すブロック図である。
【0061】
アーキテクチャ500は、単語埋め込み511、位置符号器512、畳み込み複数層513、正規化複数層521、畳み込み複数層522、スキップ接続523、正規化複数層531、自己注意複数層532、スキップ接続533、正規化複数層541、フィードフォワード複数層542、およびスキップ接続543を含む。アーキテクチャ500は、埋め込み出力550を提供する。
【0062】
上記の要素は、変換ネットワーク590を形成する。
【0063】
入力はテキスト節である。入力の各トークンは、単語埋め込み層511によって単語ベクトルに変換される。次に、位置符号器512は、各トークンの位置埋め込みベクトルをトークンの単語ベクトルに追加する。結果として得られる埋め込みベクトルは、最初の畳み込み層513に供給され、その後、一連の残差畳み込みブロック501(図示および簡潔さのために1つが示されている)が続く。各残差畳み込みブロック501は、バッチ正規化層521および畳み込み層522と、スキップ接続523とを含む。次に、残差自己注意ブロック502がある。残差自己注意ブロック502は、バッチ正規化層531、自己注意層532、およびスキップ接続533を含む。次に、残差フィードフォワードブロック503がある。残差フィードフォワードブロック503は、バッチ正規化層541と、完全に接続された線形フィードフォワード層542と、スキップ接続543とを含む。このブロックからの出力ベクトル550は、変換ネットワーク全体の出力であり、入力テキストの特徴ベクトルである。
【0064】
この特定のアーキテクチャ500は、テキストメッセージをベクトルに符号化する目的を満たすことができる多くの可能なニューラルネットワークアーキテクチャのうちの1つにすぎない。上記の特定の実装に加えて、テキスト符号器は、再帰的ニューラルネットワークまたは1次元畳み込みニューラルネットワークの多くの変形を使用して実装することができる。これらおよび他のアーキテクチャの変形は、本明細書で提供される本発明の教示を前提として、当業者によって容易に企図される。
【0065】
図6は、本発明の一実施形態による、図2の時系列符号器211の例示的なアーキテクチャ600を示すブロック図である。
【0066】
アーキテクチャ600は、単語埋め込み611、位置符号器612、畳み込み層613、正規化層621、畳み込み層622、スキップ接続623、正規化層631、自己注意層632、スキップ接続633、正規化層641、フィードフォワード層642、およびスキップ接続643を含む。アーキテクチャは、出力650を提供する。
【0067】
上記の要素は、変換ネットワーク690を形成する。
【0068】
入力は、固定長の時系列である。各時点におけるデータベクトルは、完全接続層によって高次元潜在ベクトルに変換される。次に、位置符号器は、各タイムポイントの潜在ベクトルに位置ベクトルを付加する。結果として得られる埋め込みベクトルは、最初の畳み込み層613に供給され、その後に、一連の残差畳み込みブロック601(図示および簡潔さのために1つが示されている)が続く。各残差畳み込みブロック601は、バッチ正規化層621および畳み込み層622と、スキップ接続623とを含む。次に、残差自己注意ブロック602がある。残差自己注意ブロック602は、バッチ正規化層631、自己注意層632、およびスキップ接続633を含む。次に、残差フィードフォワードブロック603がある。残差フィードフォワードブロック603は、バッチ正規化層641と、完全に接続された線形フィードフォワード層642と、スキップ接続643とを含む。このブロックからの出力ベクトル650は、変換ネットワーク全体の出力であり、入力時系列の特徴ベクトルである。
【0069】
この特定のアーキテクチャ600は、時系列をベクトルに符号化する目的を満たすことができる多くの可能なニューラルネットワークアーキテクチャのうちの1つにすぎない。さらに、時系列符号器は、再帰的ニューラルネットワークまたは時間的拡張畳み込みニューラルネットワークの多くの変形を使用して実施することができる。
【0070】
図7は、本発明の一実施形態による例示的なコンピューティング環境700を示すブロック図である。
【0071】
環境700は、サーバ710、複数のクライアント装置(図参照番号720によって総称される)、被制御システムA741、被制御システムB742、および遠隔データベース750を含む。
【0072】
環境700のエンティティ間の通信は、1つまたは複数のネットワーク730を介して実行することができる。説明のために、無線ネットワーク730が示されている。他の実施形態では、エンティティ間の通信を容易にするために、有線、無線、および/またはそれらの組合せのいずれかを使用することができる。
【0073】
サーバ710は、クライアント装置720からクエリを受信する。クエリは、時系列形式またはテキストコメント形式にすることができる。サーバ710は、(クエリから抽出された特徴ベクトルと共に特徴空間を移入するための特徴ベクトルを得るために)遠隔データベース750にアクセスすることによって導出されたクエリ結果に基づいて、システム741および/または742のうちの1つを制御することができる。一実施形態では、クエリは、制御されるシステム741および/または742に関連するデータ、例えば、センサデータであってもよいが、これに限定されない。
【0074】
データベース750は、リモートとして示されており、分散環境内の複数の被監視システム間で共有されることが想定されているが(741および742など、数百の被監視制御システムを有することは可能ではないが)、他の実施形態では、データベース750をサーバ710に組み込むことができる。
【0075】
本明細書に記載する実施形態は、完全にハードウェアであってもよく、完全にソフトウェアであってもよく、または、ハードウェアおよびソフトウェア要素の両方を含むものであってもよい。好ましい実施形態では、本発明は、ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコードなどを含むが、これらに限定されないソフトウェアで実施される。
【0076】
実施形態は、コンピュータまたは任意の命令実行システムによって、またはそれに関連して使用するためのプログラムコードを提供する、コンピュータ使用可能またはコンピュータ可読媒体からアクセス可能なコンピュータプログラム製品を含むことができる。コンピュータ使用可能媒体またはコンピュータ可読媒体は、命令実行システム、装置、またはデバイスによって、またはそれに関連して使用するためのプログラムを格納、通信、伝搬、またはトランスポートする任意の装置を含むことができる。媒体は、磁気、光学、電子、電磁気、赤外線、または半導体システム(または装置またはデバイス)、または伝搬媒体とすることができる。媒体は、半導体または固体ステートメモリ、磁気テープ、リムーバブルコンピュータディスケット、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、リジッド磁気ディスクおよび光ディスクなどのコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を含むことができる。
【0077】
各コンピュータプログラムは、本明細書に記載する手順を実行するために、記憶媒体または装置がコンピュータによって読み取られるときに、コンピュータの操作を構成し制御するために、汎用または特殊目的のプログラム可能コンピュータによって読み取り可能な、機械読み取り可能な記憶媒体または装置(例えば、プログラムメモリまたは磁気ディスク)に実体的に記憶することができる。本発明のシステムはまた、コンピュータプログラムで構成された、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体で実施されるものと考えることができ、その場合、構成された記憶媒体は、コンピュータを特定の所定の方法で動作させて、本明細書に記載する機能を実行させる。
【0078】
プログラムコードを記憶および/または実行するのに適したデータ処理システムは、システムバスを介してメモリ要素に直接的または間接的に結合された少なくとも1つのプロセッサを含んでもよい。メモリ要素は、プログラムコードの実際の実行中に採用されるローカルメモリ、バルクストレージ、および実行中にバルクストレージからコードが検索される回数を減らすために少なくとも何らかのプログラムコードの一時記憶を提供するキャッシュメモリを含むことができる。入力/出力またはI/O装置(キーボード、ディスプレイ、ポインティング装置などを含むが、これらに限定されない)は、直接または介在するI/Oコントローラを介してシステムに結合され得る。
【0079】
介在する専用ネットワークまたは公衆ネットワークを介して、データ処理システムを他のデータ処理システムあるいはリモートプリンタまたはストレージデバイスに結合できるようにするために、ネットワークアダプタをシステムに結合することもできる。モデム、ケーブルモデム、およびイーサネット(登録商標)カードは、現在使用可能なネットワークアダプタのタイプの一例に過ぎない。
【0080】
本明細書において、本発明の「一実施形態」又は「一実施形態」とは、その他の変形例と同様に、その実施形態に関連して説明した特定の特徴、構造、特性等が、本発明の少なくとも一実施形態に含まれることを意味するものであり、「一実施形態において」又は「一実施形態において」の語句の出現、並びに本明細書全体の様々な箇所に出現する他の変形例は、必ずしも全て同一の実施形態を意味するものではない。しかしながら、本明細書で提供される本発明の教示を前提として、1つまたは複数の実施形態の特徴を組み合わせることができることを理解されたい。
【0081】
以下の「/」、「および/または」、および「少なくとも1つ」、例えば、「A/B」、「Aおよび/またはB」、および「AおよびBの少なくとも1つ」のいずれかの使用は、第1のリストされた実施例(A)のみの選択、または第2のリストされた実施例(B)のみの選択、または両方の実施例(AおよびB)の選択を包含することが意図されることを理解されたい。さらなる例として、「A、B、および/またはC」、および「A、B、およびCの少なくとも1つ」の場合、このような句は、第1のリストされた実施例(A)のみの選択、または第2のリストされた実施例(B)のみの選択、または第3のリストされた実施例(C)のみの選択、または第1および第2のリストされた実施例(AおよびB)のみの選択、または 第1および第3のリストされた実施例(AおよびC)のみの選択、または第2および第3のリストされた実施例(BおよびC)のみの選択、または3つすべての実施例(AおよびBおよびC)の選択を包含することを意図する。これは、列挙された項目の数だけ拡張することができる。
【0082】
上記は、あらゆる点で例示的かつ例示的であるが、限定的ではないと理解されるべきであり、本明細書に開示される本発明の範囲は、詳細な説明からではなく、むしろ特許法によって許容される全範囲に従って解釈されるような特許請求の範囲から決定されるべきである。本明細書に示され、説明された実施形態は、本発明の例示にすぎず、当業者は、本発明の範囲および精神から逸脱することなく、様々な修正を実施することができることを理解されたい。当業者は、本発明の範囲および精神から逸脱することなく、様々な他の特徴の組み合わせを実施することができる。このように、本発明の態様を、特許法によって要求される詳細および特殊性と共に説明してきたが、特許状によって保護されることが請求され、望まれるものは、添付の特許請求の範囲に記載されている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7