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特許7361194デバイス管理装置、デバイス管理方法及びデバイス管理システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-04
(45)【発行日】2023-10-13
(54)【発明の名称】デバイス管理装置、デバイス管理方法及びデバイス管理システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/20 20230101AFI20231005BHJP
【FI】
G06Q10/20
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2022501688
(86)(22)【出願日】2021-01-08
(86)【国際出願番号】 JP2021000505
(87)【国際公開番号】W WO2021166481
(87)【国際公開日】2021-08-26
【審査請求日】2022-05-27
(31)【優先権主張番号】P 2020024441
(32)【優先日】2020-02-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】515068502
【氏名又は名称】株式会社ソラコム
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【弁理士】
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【弁理士】
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【弁理士】
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】中西 数樹
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 洋徳
(72)【発明者】
【氏名】松本 悠輔
【審査官】西村 純
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-203412(JP,A)
【文献】特開2018-205608(JP,A)
【文献】特開平07-246758(JP,A)
【文献】特開2005-112499(JP,A)
【文献】特開2016-194904(JP,A)
【文献】特開2017-016095(JP,A)
【文献】特開2016-185623(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を消費又は消耗する複数のデバイスを管理するためのデバイス管理装置であって、
前記デバイス及び前記デバイスの利用者の少なくとも一方を識別するためのデバイス識別情報と、前記物品を提供する提供者に関する提供者情報とを関連付けて記憶するとともに、前記デバイス識別情報と、前記デバイスにおける前記物品の残量、前記物品を使用できる残期間、前記物品の使用量、又は前記物品が使用された使用時間とを関連付けて記憶する記憶部と、
前記複数のデバイスのいずれかが送信した、前記デバイス識別情報と、前記物品の消費状況又は消耗状況を示す物品情報とを受信する受信部と、
前記受信部が受信した前記物品情報が示す前記消費状況又は前記消耗状況に基づいて更新された前記残量、前記残期間、前記使用量又は前記使用時間が判定条件を満たすか否かを判定する判定部と、
前記判定部が前記判定条件を満たすと判定したことを条件として、前記受信部が受信した前記デバイス識別情報に関連付けられた前記提供者情報に基づいて特定される前記提供者に関連付けられた提供者装置に、前記受信部が受信した前記デバイス識別情報により識別される前記デバイスにて消費又は消耗される前記物品に関するアクションのための通知を行う通知部と、
を有し、
前記判定部は、前記デバイスが設置されている位置と前記提供者の位置との関係を用いて、前記通知部が前記提供者装置に前記物品を注文するための前記アクションのための通知を行ってから前記利用者が前記物品を受け取るために掛かる推定期間を算出し、算出した前記推定期間に対応する基準値と、更新された前記残量、前記残期間、前記使用量又は前記使用時間との間の関係が前記判定条件を満たすか否かを判定
前記判定部は、前記通知部が前記提供者装置に前記物品を注文するための前記アクションのための通知を行った場合に前記判定条件の判定を中断し、前記受信部が前記デバイスにおいて前記物品が補充又は交換されたことを示す情報を受信した場合に前記判定条件の判定を再開する、
デバイス管理装置。
【請求項2】
前記判定部は、前記デバイス識別情報に対応する前記デバイスの種別に関連付けられた前記判定条件を満たすか否かを判定する、
請求項1に記載のデバイス管理装置。
【請求項3】
前記通知部は、前記提供者装置に前記物品を注文するための前記アクションのための前記通知を行った場合に、前記アクションに応じて前記記憶部に記憶された前記残量、前記残期間、前記使用量又は前記使用時間を更新する、
請求項1又は2に記載のデバイス管理装置。
【請求項4】
前記通知部は、前記提供者が前記物品を提供するための価格の変更があった場合に、前記利用者が利用する利用者端末に前記価格の変更の通知を行う、
請求項1からのいずれか一項に記載のデバイス管理装置。
【請求項5】
前記通知部は、前記提供者装置に、前記複数のデバイスが過去に送信した前記物品情報に基づいて推定された前記物品の注文予定時期の通知を行う、
請求項1からのいずれか一項に記載のデバイス管理装置。
【請求項6】
前記記憶部は、前記複数のデバイスそれぞれの前記デバイス識別情報と、前記複数のデバイスそれぞれが消費又は消耗する前記物品を提供する複数の前記提供者それぞれの前記提供者情報とを関連付けて記憶し、
前記通知部は、複数の前記提供者から選択された一の前記提供者に関連付けられた前記提供者装置に前記アクションのための通知を行う、
請求項1からのいずれか一項に記載のデバイス管理装置。
【請求項7】
前記通知部は、複数の前記提供者それぞれが前記物品を提供するための価格と、前記利用者が複数の前記提供者それぞれから前記物品を受け取るまでに掛かる期間との少なくとも一方に基づいて、複数の前記提供者から一の前記提供者を選択する、
請求項に記載のデバイス管理装置。
【請求項8】
前記記憶部は、前記利用者が利用する利用者端末において予め設定された、前記判定条件と前記アクションとの少なくとも一方をさらに記憶する、
請求項1からのいずれか一項に記載のデバイス管理装置。
【請求項9】
前記判定部は、前記受信部が受信した前記物品情報に基づいて、前記デバイスに不具合が発生しているか否かをさらに判定し、
前記通知部は、前記判定部が前記デバイスに不具合が発生していると判定した場合に、前記提供者装置及び前記利用者が利用する利用者端末の少なくとも一方に、前記デバイスに不具合が発生していることの通知を行う、
請求項1からのいずれか一項に記載のデバイス管理装置。
【請求項10】
物品を消費又は消耗する複数のデバイスを管理するためのデバイス管理装置が実行する、
前記複数のデバイスのいずれかが送信した、前記デバイス及び前記デバイスの利用者の少なくとも一方を識別するためのデバイス識別情報と、前記物品の消費状況又は消耗状況を示す物品情報とを受信するステップと、
前記受信するステップにおいて受信した前記物品情報が示す前記消費状況又は前記消耗状況に基づいて、前記受信するステップにおいて受信した前記デバイス識別情報に関連付けて記憶部に記憶された前記デバイスにおける前記物品の残量、前記物品を使用できる残期間、前記物品の使用量、又は前記物品が使用された使用時間を更新するステップと、
前記受信するステップにおいて受信した前記物品情報が示す前記消費状況又は前記消耗状況に基づいて更新された前記残量、前記残期間、前記使用量又は前記使用時間が判定条件を満たすか否かを判定するステップと、
前記判定するステップにおいて前記判定条件を満たすと判定したことを条件として、前記受信するステップにおいて受信した前記デバイス識別情報に関連付けて前記記憶部に記憶された、前記物品を提供する提供者に関する提供者情報に基づいて特定される前記提供者に関連付けられた提供者装置に、前記受信するステップにおいて受信した前記デバイス識別情報により識別される前記デバイスにて消費又は消耗される前記物品に関するアクションのための通知を行うステップと、
前記通知を行うステップにおいて前記提供者装置に前記物品を注文するための前記アクションのための通知を行った場合に、前記判定するステップにおける前記判定条件の判定を中断するステップと、
前記判定するステップにおける前記判定条件の判定を中断した後に、前記デバイスにおいて前記物品が補充又は交換されたことを示す情報を受信した場合に、前記判定するステップにおける前記判定条件の判定を再開するステップと、
を有し、
前記判定するステップにおいて、前記デバイスが設置されている位置と前記提供者の位置との関係を用いて、前記通知を行うステップで前記提供者装置に前記物品を注文するための前記アクションのための通知を行ってから前記利用者が前記物品を受け取るために掛かる推定期間を算出し、算出した前記推定期間に対応する基準値と、更新された前記残量、前記残期間、前記使用量又は前記使用時間との間の関係が、前記判定条件を満たすか否かを判定する、
デバイス管理方法。
【請求項11】
物品を消費又は消耗する複数のデバイスと、
前記複数のデバイスを管理するためのデバイス管理装置と、
を含み、
前記複数のデバイスそれぞれは、
前記物品の消費状況又は消耗状況を検出する検出部と、
前記デバイス及び前記デバイスの利用者の少なくとも一方を識別するためのデバイス識別情報と、前記検出部が検出した前記消費状況又は前記消耗状況を示す物品情報とを送信する送信部と、
を有し、
前記デバイス管理装置は、
前記デバイス識別情報と、前記物品を提供する提供者に関する提供者情報とを関連付けて記憶するとともに、前記デバイス識別情報と、前記デバイスにおける前記物品の残量、前記物品を使用できる残期間、前記物品の使用量、又は前記物品が使用された使用時間とを関連付けて記憶する記憶部と、
前記複数のデバイスのいずれかが送信した、前記デバイス識別情報と、前記物品情報とを受信する受信部と、
前記受信部が受信した前記物品情報が示す前記消費状況又は前記消耗状況に基づいて更新された前記残量、前記残期間、前記使用量又は前記使用時間が判定条件を満たすか否かを判定する判定部と、
前記判定部が前記判定条件を満たすと判定したことを条件として、前記受信部が受信した前記デバイス識別情報に関連付けられた前記提供者情報に基づいて特定される前記提供者に関連付けられた提供者装置に、前記受信部が受信した前記デバイス識別情報により識別される前記デバイスにて消費又は消耗される前記物品に関するアクションのための通知を行う通知部と、
を有し、
前記判定部は、前記デバイスが設置されている位置と前記提供者の位置との関係を用いて、前記通知部が前記提供者装置に前記物品を注文するための前記アクションのための通知を行ってから前記利用者が前記物品を受け取るために掛かる推定期間を算出し、算出した前記推定期間に対応する基準値と、更新された前記残量、前記残期間、前記使用量又は前記使用時間との間の関係が前記判定条件を満たすか否かを判定
前記判定部は、前記通知部が前記提供者装置に前記物品を注文するための前記アクションのための通知を行った場合に前記判定条件の判定を中断し、前記受信部が前記デバイスにおいて前記物品が補充又は交換されたことを示す情報を受信した場合に前記判定条件の判定を再開する、
デバイス管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品を消費又は消耗する複数のデバイスを管理するためのデバイス管理装置、デバイス管理方法及びデバイス管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
インターネットに接続されることによって様々な機能を実行するIoT(Internet of Things)デバイスの普及が進んでいる。特許文献1には、消耗品の残量及び使用量に基づいて消耗品の不足時期を予測し、予測した不足時期に応じてネットワークを介して消耗品の発注処理を行う印刷デバイスが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2004-240110号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されたデバイスでは、発注処理においてデータ形式等のAPI(Application Programming Interface)の仕様が変更された場合に、複数のデバイス全てに記憶されているファームウェア等のプログラムを更新する必要がある。このような構成において、物品に関するアクション(例えば物品の発注や、情報の通知等)のための処理を変更することは、プログラムの更新が失敗するリスクを伴い、またプログラムの更新が完了するまでアクションを実行できない不便が発生するため、容易ではない。
【0005】
本発明は上述の点に鑑みてなされたものであり、複数のデバイスが消費又は消耗する物品に関するアクションのための処理を容易に変更できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様のデバイス管理装置は、物品を消費又は消耗する複数のデバイスを管理するためのデバイス管理装置であって、前記デバイス及び前記デバイスの利用者の少なくとも一方を識別するためのデバイス識別情報と、前記物品を提供する提供者に関する提供者情報とを関連付けて記憶する記憶部と、前記複数のデバイスのいずれかが送信した、前記デバイス識別情報と、前記物品の消費状況又は消耗状況を示す物品情報とを受信する受信部と、前記受信部が受信した前記物品情報が示す前記消費状況又は前記消耗状況が判定条件を満たすか否かを判定する判定部と、前記判定部が前記判定条件を満たすと判定したことを条件として、前記受信部が受信した前記デバイス識別情報に関連付けられた前記提供者情報に基づいて特定される前記提供者に関連付けられた提供者装置に、前記受信部が受信した前記デバイス識別情報により識別される前記デバイスにて消費又は消耗される前記物品に関するアクションのための通知を行う通知部と、を有する。
【0007】
前記判定部は、前記デバイス識別情報に対応する前記デバイスの種別に関連付けられた前記判定条件を満たすか否かを判定してもよい。
【0008】
前記記憶部は、前記デバイス識別情報と、前記デバイスにおける前記物品の残量、前記物品を使用できる残期間、前記物品の使用量、又は前記物品が使用された使用時間とを関連付けてさらに記憶し、前記受信部は、受信した前記物品情報が示す前記消費状況又は前記消耗状況に基づいて、前記記憶部に記憶された前記残量、前記残期間、前記使用量又は前記使用時間を更新し、前記判定部は、更新された前記残量、前記残期間、前記使用量又は前記使用時間が前記判定条件を満たすか否かを判定してもよい。
【0009】
前記通知部は、前記提供者装置に前記物品を注文するための前記アクションのための前記通知を行った場合に、前記アクションに応じて前記記憶部に記憶された前記残量、前記残期間、前記使用量又は前記使用時間を更新してもよい。
【0010】
前記判定部は、前記通知部が前記提供者装置に前記物品を注文するための前記アクションのための通知を行ってから前記利用者が前記物品を受け取るために掛かる期間に基づいて基準値を決定し、前記残量、前記残期間、前記使用量又は前記使用時間と、前記基準値との間の関係を用いて前記判定条件を満たすか否かを判定してもよい。
【0011】
前記判定部は、前記通知部が前記提供者装置に前記物品を注文するための前記アクションのための通知を行った場合に前記判定条件の判定を中断し、前記受信部が前記デバイスにおいて前記物品が補充又は交換されたことを示す情報を受信した場合に前記判定条件の判定を再開してもよい。
【0012】
前記通知部は、前記提供者が前記物品を提供するための価格の変更があった場合に、前記利用者が利用する利用者端末に前記価格の変更の通知を行ってもよい。
【0013】
前記通知部は、前記提供者装置に、前記複数のデバイスが過去に送信した前記物品情報に基づいて推定された前記物品の注文予定時期の通知を行ってもよい。
【0014】
前記記憶部は、前記複数のデバイスそれぞれの前記デバイス識別情報と、前記複数のデバイスそれぞれが消費又は消耗する前記物品を提供する複数の前記提供者それぞれの前記提供者情報とを関連付けて記憶し、前記通知部は、複数の前記提供者から選択された一の前記提供者に関連付けられた前記提供者装置に前記アクションのための通知を行ってもよい。
【0015】
前記通知部は、複数の前記提供者それぞれが前記物品を提供するための価格と、前記利用者が複数の前記提供者それぞれから前記物品を受け取るまでに掛かる期間との少なくとも一方に基づいて、複数の前記提供者から一の前記提供者を選択してもよい。
【0016】
前記記憶部は、前記利用者が利用する利用者端末において予め設定された、前記判定条件と前記アクションとの少なくとも一方をさらに記憶してもよい。
【0017】
前記判定部は、前記受信部が受信した前記物品情報に基づいて、前記デバイスに不具合が発生しているか否かをさらに判定し、前記通知部は、前記判定部が前記デバイスに不具合が発生していると判定した場合に、前記提供者装置及び前記利用者が利用する利用者端末の少なくとも一方に、前記デバイスに不具合が発生していることの通知を行ってもよい。
【0018】
本発明の第2の態様のデバイス管理方法は、物品を消費又は消耗する複数のデバイスを管理するためのデバイス管理装置が実行する、前記複数のデバイスのいずれかが送信した、前記デバイス及び前記デバイスの利用者の少なくとも一方を識別するためのデバイス識別情報と、前記物品の消費状況又は消耗状況を示す物品情報とを受信するステップと、前記受信するステップにおいて受信した前記物品情報が示す前記消費状況又は前記消耗状況が判定条件を満たすか否かを判定するステップと、前記判定するステップにおいて前記判定条件を満たすと判定したことを条件として、前記受信するステップにおいて受信した前記デバイス識別情報に関連付けて記憶部に記憶された、前記物品を提供する提供者に関する提供者情報に基づいて特定される前記提供者に関連付けられた提供者装置に、前記受信するステップにおいて受信した前記デバイス識別情報により識別される前記デバイスにて消費又は消耗される前記物品に関するアクションのための通知を行うステップと、を有する。
【0019】
本発明の第3の態様のデバイス管理システムは、物品を消費又は消耗する複数のデバイスと、前記複数のデバイスを管理するためのデバイス管理装置と、を含み、前記複数のデバイスそれぞれは、前記物品の消費状況又は消耗状況を検出する検出部と、前記デバイス及び前記デバイスの利用者の少なくとも一方を識別するためのデバイス識別情報と、前記検出部が検出した前記消費状況又は前記消耗状況を示す物品情報とを送信する送信部と、を有し、前記デバイス管理装置は、前記デバイス識別情報と、前記物品を提供する提供者に関する提供者情報とを関連付けて記憶する記憶部と、前記複数のデバイスのいずれかが送信した、前記デバイス識別情報と、前記物品情報とを受信する受信部と、前記受信部が受信した前記物品情報が示す前記消費状況又は前記消耗状況が判定条件を満たすか否かを判定する判定部と、前記判定部が前記判定条件を満たすと判定したことを条件として、前記受信部が受信した前記デバイス識別情報に関連付けられた前記提供者情報に基づいて特定される前記提供者に関連付けられた提供者装置に、前記受信部が受信した前記デバイス識別情報により識別される前記デバイスにて消費又は消耗される前記物品に関するアクションのための通知を行う通知部と、を有する。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、複数のデバイスが消費又は消耗する物品に関するアクションのための処理を容易に変更できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】実施形態に係るデバイス管理システムの模式図である。
図2】実施形態に係るデバイス管理システムのブロック図である。
図3】デバイス管理装置の記憶部が記憶する情報の模式図である。
図4】デバイスの検出部が検出する消費状況又は消耗状況の模式図である。
図5】判定部が行う判定方法を説明するための模式図である。
図6】複数のデバイスに対する判定方法を説明するための模式図である。
図7】通知部が行う通知方法の模式図である。
図8】情報を表示している提供者装置の正面図である。
図9】実施形態に係るデバイス管理システムが実行するデバイス管理方法のシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
[デバイス管理システムSの概要]
図1は、本実施形態に係るデバイス管理システムSの模式図である。デバイス管理システムSは、デバイス管理装置1と、複数のデバイス2と、複数の提供者装置3とを含む。デバイス管理システムSは、その他のサーバ、端末等の機器を含んでもよい。
【0023】
デバイス管理装置1は、管理者によって管理される、複数のデバイスを管理するためのコンピュータである。管理者は、例えば、デバイス管理システムSを利用したサービスを提供する人間又は事業者である。デバイス管理装置1は、インターネット、ローカルエリアネットワーク等のネットワークを介して、デバイス2及び提供者装置3と通信可能である。
【0024】
デバイス2は、利用者によって利用される、物品を消費又は消耗する機器である。利用者は、例えば、デバイス2を所有し、借用し又は管理する人間又は事業者である。デバイス2は、例えば、飲料提供機、洗濯機、食器洗浄機、印刷機、電動歯ブラシ、電動髭剃り等の様々な種類の機器である。デバイス2が消費又は消耗する物品は、例えば、飲料、洗剤、プリントカートリッジ、電動歯ブラシのヘッド、電動髭剃りの刃等の消耗品である。デバイス管理システムSにおいて、複数のデバイス2は、一種類又は複数種類のデバイス2を含む。
【0025】
デバイス2は、デバイス管理装置1とは異なるサーバを介して、情報をデバイス管理装置1へ送信してもよい。この場合に、サーバは、デバイス2から受信した情報に電子署名を追加した上で、デバイス管理装置1へ転送する。これにより、デバイス2が送信した情報がデバイス管理装置1に到達するまでに改ざんされるリスクを低減できる。
【0026】
提供者装置3は、提供者に関連付けられた、デバイス管理装置1が送信した通知を受け取るコンピュータ(例えば情報端末又はサーバ)である。提供者装置3は、例えば提供者自身が管理するサーバ、又は提供者が利用するサーバ等である。提供者は、デバイス2が消費又は消耗する物品に関するアクションをする人間又は事業者である。提供者が行うアクションは、例えば利用者への物品の送付、デバイス2への物品の補充又は交換、提供者への物品に関する情報の通知等、デバイス2が消費又は消耗する物品に関する作業である。提供者装置3は、情報を表示可能な液晶ディスプレイ等の表示部を有する。
【0027】
本実施形態に係るデバイス管理システムSが行う処理の概要を以下に説明する。複数のデバイス2それぞれは、物品の消費状況又は消耗状況を検出する(a)。消費状況は、例えば、物品の使用量によって表される。消耗状況は、例えば、物品の使用回数によって表される。デバイス2は、検出した消費状況又は消耗状況を示す物品情報を、デバイス2を識別するためのデバイス識別情報とともにデバイス管理装置1へ送信する。
【0028】
デバイス管理装置1は、デバイス識別情報と、物品を提供する提供者に関する提供者情報とを関連付けて予め記憶している。デバイス管理装置1は、デバイス2が送信したデバイス識別情報及び物品情報を受信する(b)。デバイス管理装置1は、受信した物品情報が示す消費状況又は消耗状況が判定条件を満たすか否かを判定する(c)。判定条件は、例えば物品の残量又は物品を使用できる残期間が所定の基準値以下であることである。
【0029】
デバイス管理装置1は、判定条件を満たすと判定したことを条件として、デバイス識別情報に関連付けられた提供者情報に基づいて特定される提供者に関連付けられた提供者装置3に、デバイス識別情報により識別されるデバイス2にて消費又は消耗される物品に関するアクションのための通知を行う(d)。
【0030】
提供者装置は、デバイス管理装置1が送信した通知を表示部上に表示する。提供者は、提供者装置3が表示した通知に基づいて、利用者への物品の送付、デバイス2への物品の補充又は交換等のアクションを実行する(e)。
【0031】
このように本実施形態に係るデバイス管理システムSにおいて、デバイス管理装置1は、デバイス2から受信した情報に基づいて、デバイス2が消費又は消耗する物品に関する判定条件が満たされたか否かを判定するとともに、当該物品の提供者を特定し、特定した提供者に関連付けられた提供者装置3に対して当該物品に関するアクションのための通知を行う。このような構成によれば、複数のデバイス2が消費又は消耗する物品に関するアクションのための処理を変更する場合に、複数のデバイス2それぞれのプログラムを更新する必要がないため、当該物品に関するアクションのための処理を容易に変更できる。
【0032】
[デバイス管理システムSの構成]
図2は、本実施形態に係るデバイス管理システムSのブロック図である。図2において、矢印は主なデータの流れを示しており、図2に示したもの以外のデータの流れがあってよい。図2において、各ブロックはハードウェア(装置)単位の構成ではなく、機能単位の構成を示している。そのため、図2に示すブロックは単一の装置内に実装されてよく、あるいは複数の装置内に分かれて実装されてよい。ブロック間のデータの授受は、データバス、ネットワーク、可搬記憶媒体等、任意の手段を介して行われてよい。
【0033】
デバイス管理装置1は、制御部11と、記憶部12とを有する。制御部11は、受信部111と、判定部112と、通知部113とを有する。制御部11は、例えばCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサであり、記憶部12に記憶されたプログラムを実行することにより、受信部111、判定部112及び通知部113として機能する。受信部111は、デバイス2から情報を受信する。判定部112は、デバイス2から受信した情報が判定条件を満たすか否かを判定する。通知部113は、提供者装置3に、物品に関するアクションのための通知を行う。受信部111、判定部112及び通知部113が実行する詳細な処理については後述する。
【0034】
制御部11の機能の少なくとも一部は電気回路によって実行されてもよい。また、制御部11の機能の少なくとも一部は、制御部11がネットワーク経由で実行されるプログラムを実行することによって実現されてもよい。
【0035】
記憶部12は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、ハードディスクドライブ等を含む記憶媒体である。記憶部12は、制御部11が実行するプログラムを予め記憶している。記憶部12は、デバイス管理装置1の外部に設けられてもよく、その場合にネットワークを介して制御部11との間でデータの授受を行ってもよい。
【0036】
デバイス2は、制御部21と、記憶部22とを有する。制御部21は、検出部211と、送信部212とを有する。制御部21は、例えばCPU等のプロセッサであり、記憶部22に記憶されたプログラムを実行することにより、検出部211及び送信部212として機能する。検出部211は、物品の消費状況又は消耗状況を検出する。送信部212は、物品の消費状況又は消耗状況を示す情報をデバイス管理装置1へ送信する。検出部211及び送信部212が実行する詳細な処理については後述する。制御部21の機能の少なくとも一部は電気回路によって実行されてもよい。また、制御部21の機能の少なくとも一部は、制御部21がネットワーク経由で実行されるプログラムを実行することによって実現されてもよい。
【0037】
記憶部22は、ROM、RAM、ハードディスクドライブ等を含む記憶媒体である。記憶部22は、制御部21が実行するプログラムを予め記憶している。記憶部22は、デバイス2の外部に設けられてもよく、その場合にネットワークを介して制御部21との間でデータの授受を行ってもよい。
【0038】
本実施形態に係るデバイス管理システムSは、図2に示す具体的な構成に限定されない。デバイス管理装置1、デバイス2及び提供者装置3は、それぞれ2つ以上の物理的に分離した装置が有線又は無線で接続されることにより構成されてもよい。また、デバイス管理装置1は、コンピュータ資源の集合であるクラウドによって構成されてもよい。
【0039】
[デバイス管理方法の説明]
以下、本実施形態に係るデバイス管理システムSが実行するデバイス管理方法を詳細に説明する。デバイス管理装置1の記憶部12は、複数のデバイス2に関するデバイス関連情報と、アクションに関するアクション関連情報とを記憶している。
【0040】
図3(a)は、デバイス管理装置1の記憶部12が記憶するデバイス関連情報の模式図である。デバイス関連情報は、互いに関連付けられた、デバイス2及びデバイス2の利用者の少なくとも一方を識別するためのデバイス識別情報(デバイスID(Identification))と、物品を識別するための物品識別情報(物品ID)と、デバイス2の種別(種類)を示すデバイス種別と、物品の残量又は物品を使用できる残期間を示す残物品情報(残量/残期間)とを含む。残量は、物品の残り数量、又は物品の残り使用回数によって表される。残期間は、物品が使用可能な残り時間によって表される。また、デバイス関連情報は、残物品情報に代えて又は加えて、物品の使用量又は物品が使用された使用期間を示す使用情報を含んでもよい。
【0041】
デバイス識別情報は、例えば、デバイス2に割り振られたデバイスID、又はデバイス2の利用者に割り振られたユーザIDである。物品識別情報は、例えば、デバイス2が消費又は消耗する物品の種類ごとに異なる物品IDである。1つのデバイス2が複数の種類の物品を使用する場合には、デバイス関連情報において、1つのデバイス識別情報に対して複数の物品識別情報が関連付けられてもよい。また、デバイス2が使用し得る物品が一種類の場合には、物品識別情報は省略されてもよい。
【0042】
デバイス種別は、例えば、飲料提供機、洗濯機、食器洗浄機、印刷機、電動歯ブラシ、電動髭剃り等、デバイス2の種別(種類)を示す情報である。デバイス種別は、種別を表す文字列によって表されてもよく、種別に割り振られたIDによって表されてもよい。
【0043】
残物品情報は、例えばデバイス2が使用可能な物品(すなわち、デバイス2にセットされた物品)の残り割合、残り量、残り回数又は残り時間によって表される。デバイス管理装置1は、デバイス2から受信した消費状況又は消耗状況に基づいて残物品情報を自動的に更新する。また、デバイス管理装置1は、デバイス2から受信した消費状況又は消耗状況に基づいて、物品の使用量又は使用期間を示す使用情報を更新してもよい。
【0044】
デバイス関連情報が含むデバイス識別情報、物品識別情報及びデバイス種別は、デバイス管理装置1の管理者によって予め設定されてもよく、利用者が利用する利用者端末(情報端末)において設定されてもよい。
【0045】
図3(b)は、デバイス管理装置1の記憶部12が記憶するアクション関連情報の模式図である。アクション関連情報は、互いに関連付けられた、デバイス識別情報(デバイスID)と、物品識別情報(物品ID)と、物品を提供する提供者に関する提供者情報(提供者ID)と、物品に関するアクションを示すアクション情報とを含む。
【0046】
提供者情報は、物品を提供する提供者を特定するための情報である。提供者情報は、例えば、物品を提供する提供者に割り振られた提供者IDである。提供者情報は、提供者を表す文字列によって表されてもよい。
【0047】
アクション情報は、利用者への物品の送付、デバイス2への物品の補充又は交換、提供者への物品に関する情報の通知等、物品に関するアクションを示す情報である。アクション情報は、アクションを表す文字列によって表されてもよく、アクションに割り振られたIDによって表されてもよい。
【0048】
1つの物品を複数の提供者が提供し得る場合には、アクション関連情報において、1つのデバイス識別情報及び1つの物品識別情報の組み合わせに対して複数の提供者情報が関連付けられてもよい。また、デバイス2が使用し得る物品が一種類の場合(すなわち、物品識別情報を用いずに提供者を特定できる場合)には、物品識別情報は省略されてもよい。
【0049】
アクション関連情報が含むデバイス識別情報、物品識別情報、提供者情報及びアクション情報は、デバイス管理装置1の管理者によって予め設定されてもよく、利用者が利用する利用者端末において設定されてもよい。
【0050】
デバイス関連情報及びアクション関連情報は、図3(a)、図3(b)に示した具体的な形式に限られず、任意の形式で記憶部12に記憶される。デバイス関連情報及びアクション関連情報は、例えば、データベースとして記憶部12に記憶される。
【0051】
(消費状況又は消耗状況の検出)
利用者又は管理者が図3(a)、図3(b)に示したデバイス関連情報及びアクション関連情報を設定すると、デバイス2は利用可能になる。利用可能な複数のデバイス2それぞれにおいて、検出部211は、デバイス2が使用する物品の消費状況又は消耗状況を検出する。
【0052】
図4は、デバイス2の検出部211が検出する消費状況又は消耗状況の模式図である。検出部211は、消費状況として、例えばデバイス2が備えるセンサを用いて物品の使用量を検出する。検出部211は、消耗状況として、例えばデバイス2が備えるセンサを用いて物品の使用回数又は使用時間を検出する。デバイス2が複数の種類の物品を使用する場合には、検出部211は、物品の種類と、消費状況又は消耗状況とを関連付けて検出する。
【0053】
送信部212は、デバイス2を識別するためのデバイス識別情報と、検出部211が検出した消費状況又は消耗状況を示す物品情報とを、デバイス管理装置1へ送信する。また、送信部212は、消費状況又は消耗状況に加えて、物品を識別するための物品識別情報を示す物品情報を、デバイス管理装置1へ送信してもよい。
【0054】
送信部212は、定期的に、又は消費状況若しくは消耗状況に応じて、物品情報を送信する。また、送信部212は、利用者によって予め設定されたタイミングで物品情報を送信してもよい。また、送信部212は、物品が使用されたタイミングで毎回物品情報を送信し、物品が使用されていない場合であっても所定期間(例えば1週間)ごとに物品情報を送信してもよい。
【0055】
デバイス管理装置1において、受信部111は、複数のデバイス2のいずれかが送信した、デバイス識別情報及び物品情報を受信する。受信部111は、受信したデバイス識別情報及び物品情報に基づいて、記憶部12に記憶されたデバイス関連情報が含む残物品情報を更新する。例えば、受信部111は、記憶部12に記憶された残物品情報が示す残量から、受信した物品情報が示す使用量又は使用回数を減算する。例えば、受信部111は、記憶部12に記憶された残物品情報が示す残期間から、受信した物品情報が示す使用時間を減算する。また、受信部111は、記憶部12に記憶された使用情報が示す使用量又は使用期間に、受信した物品情報が示す使用量(使用回数)又は使用時間を加算してもよい。
【0056】
(判定条件の判定)
判定部112は、物品情報の判定に用いる判定条件を取得し、取得した判定条件を用いて判定を行う。図5は、判定部112が行う判定方法を説明するための模式図である。判定条件は、提供者装置3に対して物品に関するアクションのための通知を行う条件である。判定条件は、例えば、残物品情報が示す残量又は残期間が所定の基準値以下であることである。また、判定条件は、使用情報が示す使用量又は使用期間が所定の基準値以上であることであってもよい。判定条件は、例えば、デバイス2の種別に関連付けられて予め記憶部12に記憶されている。これにより、デバイス管理装置1は、交換が必須でない電動歯ブラシのヘッドを注文するよりも、補充が必須である飲料提供機の飲料を注文するための通知を早く行う等、デバイス2の種類によって判定条件を変えることができる。
【0057】
また、判定条件は、デバイス管理装置1の管理者によって予め設定されてもよく、利用者が利用する利用者端末において設定されてもよい。これにより、判定部112は、管理者又は利用者の意向に応じて判定条件を調整できる。
【0058】
判定部112は、判定条件の基準値を、デバイス2ごとに決定してもよい。この場合に判定部112は、図5に示すように、後述の通知部113が提供者装置3に物品を注文するアクションのための通知を行ってから、利用者が物品を受け取るまでに掛かる推定期間を算出する。推定期間は、例えばデバイス2が設置されている位置(地域)と、提供者の位置(地域)との間の距離を用いて算出される。そして判定部112は、算出した推定期間に基づいて、判定条件の基準値を決定する。判定部112は、例えば推定期間が長いほど基準値を大きくし、推定期間が短いほど基準値を小さくする。これにより、デバイス管理装置1は、提供者からの物品の配送に時間が掛かるデバイス2に関しては注文のための通知を早期に行うことができ、物品が適切なタイミングで利用者に届くようにできる。
【0059】
判定部112は、受信部111が受信した物品情報が示す消費状況又は消耗状況に基づいて更新された残量又は残期間(あるいは使用量又は使用期間)が、取得した判定条件を満たすか否かを判定する。すなわち、判定部112は、残量又は残期間が基準値以下である場合に判定条件を満たすと判定し、そうでない場合に判定条件を満たさないと判定する。また、判定部112は、使用量又は使用期間が基準値以上である場合に判定条件を満たすと判定し、そうでない場合に判定条件を満たさないと判定してもよい。判定部112は、ここに示した具体的な判定条件に限られず、その他の判定条件を用いて判定を行ってもよい。
【0060】
判定部112は、複数のデバイス2それぞれに対して独立に判定条件を判定する。一方、1人の利用者が複数のデバイス2を利用している場合に、複数のデバイス2が使用する物品をまとめて利用者に送付できると便利である。図6は、複数のデバイス2に対する判定方法を説明するための模式図である。図6は、1人の利用者が第1デバイス2A及び第2デバイス2Bを利用している状況を表している。
【0061】
判定部112は、第1デバイス2Aから受信した物品情報が判定条件を満たすと判定した場合に、第2デバイス2Bから受信した物品情報が判定条件を実際には満たしていなくても、判定条件を満たすと判定する。このとき、判定部112は、第2デバイス2Bの判定条件を無視し、第2デバイス2Bから受信した物品情報に対する判定を行わなくてもよい。また、判定部112は、第2デバイス2Bが通常用いる第1判定条件とは異なる第2判定条件を用いて、第2デバイス2Bから受信した物品情報に対する判定を行ってもよい。このとき、第2判定条件の基準値を第1判定条件の基準値よりも大きくすることによって、第2判定条件は第1判定条件よりも緩和されている。
【0062】
このような構成により、デバイス管理装置1は、第1デバイス2Aが判定条件を満たした場合に第2デバイス2Bの判定条件を緩和し、複数のデバイス2が使用する物品をまとめて注文するための通知を行うことができる。
【0063】
(アクションのための通知)
図7は、通知部113が行う通知方法の模式図である。通知部113は、判定部112が判定条件を満たすと判定したことを条件として、記憶部12においてデバイス識別情報(又はデバイス識別情報及び物品識別情報の組み合わせ)に関連付けられた、提供者情報及びアクション情報を特定する。
【0064】
1つのデバイス識別情報(又はデバイス識別情報及び物品識別情報の組み合わせ)に対して複数の提供者情報が関連付けられている場合に、通知部113は、当該複数の提供者情報に対応する複数の提供者から一の提供者を選択する。例えば、通知部113は、複数の提供者情報に対応する複数の提供者装置3から、複数の提供者それぞれが物品を提供するための価格と、利用者が複数の提供者それぞれから物品を受け取るために掛かる期間との少なくとも一方を取得する。そして通知部113は、取得した価格及び期間の少なくとも一方に基づいて、複数の提供者情報に対応する複数の提供者から一の提供者(例えば、価格が最も低い提供者、又は期間が最も短い提供者)を選択する。通知部113が価格及び期間のどちらを優先して提供者を選択するかの条件は、利用者が利用する利用者端末において予め設定されてもよい。これにより、デバイス管理装置1は、利用者に物品を提供する提供者を動的に変更できる。
【0065】
通知部113は、提供者装置3にアクションのための通知を行う前に、提供者装置3から提供者が物品を提供するための価格を取得し、過去の価格と比較して提供者が物品を提供するための価格の変更があった場合に、利用者が利用する利用者端末に価格の変更の通知を行ってもよい。利用者端末は、デバイス管理装置1が送信した通知を表示部上に表示する。さらに、通知部113は、価格が上がった場合に、利用者端末から利用者が同意したか否かを示す情報を取得し、利用者が同意したことを条件として、提供者装置3にアクションのための通知を行ってもよい。これにより、価格が上がったことを利用者が認識しないまま、デバイス管理装置1が物品を注文することを避けることができる。
【0066】
また、通知部113は、価格が下がった場合であって、かつ利用者が同意した場合に、判定部112が判定条件を満たさないと判定した場合であっても、提供者装置3にアクションのための通知を行ってもよい。これにより、デバイス管理装置1は、期間限定で物品が値下げされた場合等に、デバイス2の物品が不足していない状況であっても物品を注文することを利用者に提案できる。
【0067】
そして通知部113は、特定した提供者情報が示す提供者に関連付けられた提供者装置3に、特定したアクション情報が示すアクションのための通知を行う。アクションが利用者への物品の送付である場合に、通知部113は、利用者への物品の送付を依頼すること(すなわち、物品を注文すること)を示す通知を行う。アクションがデバイス2への物品の補充又は交換である場合に、通知部113は、デバイス2の設置場所への訪問を依頼することを示す通知を行う。また、通知部113は、判定条件を満たした物品に関する情報(デバイス識別情報、物品識別情報、残物品情報等)の通知を行ってもよい。
【0068】
このような構成により、デバイス管理装置1は、デバイス2から受信した情報に基づいて、デバイス2が消費又は消耗する物品に関する判定条件が満たされたか否かを判定するとともに、当該物品の提供者を特定し、特定した提供者に関連付けられた提供者装置3に対して当該物品に関するアクションのための通知を行うことができる。
【0069】
提供者装置3は、デバイス管理装置1が送信した通知を表示部上に表示する。提供者装置3は、音声の出力、紙への印刷等、その他の方法によって通知を出力してもよい。提供者は、提供者装置3から出力された通知に応じて、物品に関するアクションを実行する。
【0070】
すなわち、提供者は、通知が物品を注文することを示す場合に、利用者に物品を送付する。その後、利用者は、提供者から受け取った物品を、デバイス2において補充又は交換する。また、提供者は、通知がデバイス2の設置場所への訪問を依頼することを示す場合に、デバイス2の設置場所へ訪問してデバイス2において物品を補充又は交換する。また、提供者は、通知が判定条件を満たした物品に関する情報を示す場合に、どのようなアクションを行うかを提供者自身で判断してもよい。
【0071】
通知部113は、物品を注文することを示す通知を行った場合に、記憶部12に記憶されたデバイス関連情報が含む残物品情報又は使用情報を更新してもよい。例えば、通知部113は、物品の利用者への到着予定日が過ぎた後に、記憶部12に記憶された残物品情報が示す残量に、注文した物品の量又は使用可能回数を加算する。例えば、通知部113は、物品の利用者への到着予定日が過ぎた後に、記憶部12に記憶された残物品情報が示す残期間に、注文した物品の使用可能時間を加算する。また、通知部113は、物品の利用者への到着予定日が過ぎた後に、記憶部12に記憶された使用情報が示す使用量又は使用期間から、注文した物品の量(使用可能回数)又は使用可能時間を減算してもよい。到着予定日は、例えばデバイス2が設置されている位置(地域)と、提供者の位置(地域)との間の距離を用いて推定される。これにより、通知部113は、物品を注文するための通知を行ったことに応じて、デバイス管理装置1が管理している残物品情報又は使用情報を自動的に更新できる。
【0072】
判定部112は、物品を注文することを示す通知を行った場合に判定条件の判定を中断してもよい。デバイス2の送信部212は、デバイス2において物品が補充又は交換された場合に、物品が補充又は交換されたことを示す情報を、デバイス管理装置1へ送信する。判定部112は、受信部111がデバイス2において物品が補充又は交換されたことを示す情報を受信した場合に判定条件の判定を再開する。これにより、デバイス管理装置1は、物品を注文してから物品が利用者に届くまでの間に、無駄に判定条件の判定をすることを抑制できる。
【0073】
さらにデバイス管理装置1は、デバイス2から受信した物品情報に基づいて、デバイス2又は利用者に異常が発生したことの通知を行ってもよい。この場合に、デバイス2は、消費状況又は消耗状況に加えて、デバイス2の利用時刻等、異常の判断に必要な情報を示す物品情報を、デバイス管理装置1へ送信する。判定部112は、受信部111が受信した物品情報に基づいて、デバイス2又は利用者に異常が発生したか否かを判定する。
【0074】
例えば判定部112は、消費状況又は消耗状況が予め定義された正常範囲外であることを物品情報が示す場合に、デバイス2に異常が発生したと判定する。これにより、判定部112は、デバイス2が通常とは異なる程度で物品を消費又は消耗していることを検知することによって、デバイス2に何らかの異常が発生しているか否かを判定できる。また、判定部112は、受信部111がデバイス2から物品情報を所定期間以上受信しない場合に、異常が発生していると判定してもよい。
【0075】
例えば判定部112は、消費状況又は消耗状況が所定時間以上変動していないことを物品情報が示す場合に、利用者に異常が発生したと判定する。これにより、判定部112は、定期的に利用されるデバイス2であれば利用者が動けない状態にあること、薬を提供するデバイス2であれば利用者が薬を飲み忘れていること等を判定できる。
【0076】
通知部113は、判定部112がデバイス2又は利用者に異常(不具合)が発生していると判定した場合に、提供者装置3及び利用者が利用する利用者端末の少なくとも一方に、デバイス2又は利用者に異常が発生していることの通知を行う。提供者装置3及び利用者端末の少なくとも一方は、デバイス管理装置1が送信した通知を、表示部上に表示する。
【0077】
図8(a)は、異常が発生していることの通知を表示している提供者装置3の正面図である。提供者装置3は、デバイス識別情報、判定部112がデバイス2に異常が発生したと判定した時刻、判定した内容等を表示する。利用者端末は、図8(a)と同様に異常が発生していることの通知を表示してもよい。これにより、提供者又は利用者は、デバイス2又は利用者に発生した異常を容易に把握できる。
【0078】
さらにデバイス管理装置1は、複数のデバイス2が過去に送信した物品情報を分析することによって、物品の注文予定時期を推定してもよい。デバイス管理装置1において、受信部111は、複数のデバイス2から受信した物品情報を、記憶部12に記憶させる。通知部113は、記憶部12に記憶された複数のデバイス2から受信した物品情報を用いて、一又は複数の物品それぞれの所定期間ごとの消費状況又は消耗状況を集計する。そして通知部113は、集計した過去の消費状況又は消耗状況に基づいて、将来の期間(例えば日、週、月)の消費状況又は消耗状況を推定する。例えば通知部113は、前年の同日、同週又は同月の消費状況又は消耗状況を、将来の日、週、月における消費状況又は消耗状況として推定する。通知部113は、その他の方法で将来の期間の消費状況又は消耗状況を推定してもよい。
【0079】
そして通知部113は、推定した消費状況又は消耗状況に基づいて、一又は複数の物品それぞれについて、注文予定時期及び注文予定数を推定する。例えば通知部113は、将来の期間において、推定した消費状況又は消耗状況に対応する量又は期間から複数のデバイス2の残量又は残期間を減算した値に対応する物品の数を、注文予定数として推定する。
【0080】
通知部113は、提供者装置3に判定部112が推定した注文予定時期及び注文予定数の通知を行う。提供者装置3は、デバイス管理装置1が送信した通知を、表示部上に表示する。図8(b)は、注文予定時期及び注文予定数を表示している提供者装置3の正面図である。提供者装置3は、物品ごとに、注文予定時期及び注文予定数を表示する。これにより、提供者は、複数のデバイス2が過去に送信した物品情報に基づいて推定された物品の注文予定時期を把握し、注文を受ける態勢を整えることができる。
【0081】
[デバイス管理方法のシーケンス]
図9は、本実施形態に係るデバイス管理システムSが実行するデバイス管理方法のシーケンス図である。利用可能な複数のデバイス2それぞれにおいて、検出部211は、デバイス2が使用する物品の消費状況又は消耗状況を検出する(S11)。送信部212は、デバイス2を識別するためのデバイス識別情報と、検出部211が検出した消費状況又は消耗状況を示す物品情報とを、デバイス管理装置1へ送信する。物品情報は、消費状況又は消耗状況に加えて、物品識別情報を示してもよい。
【0082】
デバイス管理装置1において、受信部111は、複数のデバイス2のいずれかが送信した、デバイス識別情報及び物品情報を受信する。受信部111は、受信したデバイス識別情報及び物品情報に基づいて、記憶部12に記憶されたデバイス関連情報が含む残物品情報又は使用情報を更新する(S12)。
【0083】
判定部112は、物品情報の判定に用いる判定条件を取得し、受信部111が受信した物品情報が示す消費状況又は消耗状況に基づいて更新された残量又は残期間(あるいは使用量又は使用期間)が、取得した判定条件を満たすか否かを判定する(S13)。
【0084】
通知部113は、判定部112が判定条件を満たすと判定したことを条件として、記憶部12においてデバイス識別情報(又はデバイス識別情報及び物品識別情報の組み合わせ)に関連付けられた、提供者情報及びアクション情報を特定する(S14)。通知部113は、特定した提供者情報が示す提供者に関連付けられた提供者装置3に、特定したアクション情報が示すアクションのための通知を行う(S15)。
【0085】
提供者装置3は、デバイス管理装置1が送信した通知を、表示部上の表示、音声の出力、紙への印刷等によって出力する(S16)。提供者は、提供者装置3から出力された通知に応じて、物品に関するアクションを実行する。利用者又は提供者は、デバイス2において物品を補充又は交換する(S17)。
【0086】
[実施形態の効果]
本実施形態に係るデバイス管理システムSによれば、デバイス管理装置1は、デバイス2から受信した消費状況又は消耗状況と、デバイス識別情報とに基づいて、デバイス2が消費又は消耗する物品に関する判定条件が満たされたか否かを判定するとともに、当該物品の提供者を特定し、特定した提供者に関連付けられた提供者装置3に対して当該物品に関するアクションのための通知を行う。このような構成によれば、複数のデバイス2が消費又は消耗する物品に関するアクションのための処理を変更する場合に、複数のデバイス2それぞれのプログラムを更新する必要がないため、当該物品に関するアクションのための処理を容易に変更できる。
【0087】
デバイス管理装置1において、複数のデバイス2(すなわち、複数個又は複数種類のデバイス2)は、複数の提供者に多対多で関連付けられる。これにより、デバイス管理装置1は、利用者が提供者から物品を受け取るまでに掛かる期間や、提供者が物品を提供するための価格等に応じて、複数のデバイス2それぞれに対して物品を提供する提供者をフレキシブルに選択できる。
【0088】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の分散・統合の具体的な実施の形態は、以上の実施の形態に限られず、その全部又は一部について、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を合わせ持つ。
【0089】
デバイス管理装置1、デバイス2及び提供者装置3のプロセッサは、図9に示すデバイス管理方法に含まれる各ステップ(工程)の主体となる。すなわち、デバイス管理装置1、デバイス2及び提供者装置3のプロセッサは、図9に示すデバイス管理方法を実行するためのプログラムを記憶部から読み出し、該プログラムを実行してデバイス管理システムSの各部を制御することによって、図9に示すデバイス管理方法を実行する。図9に示すデバイス管理方法に含まれるステップは一部省略されてもよく、ステップ間の順番が変更されてもよく、複数のステップが並行して行われてもよい。
【符号の説明】
【0090】
S デバイス管理システム
1 デバイス管理装置
11 制御部
111 受信部
112 判定部
113 通知部
2 デバイス
21 制御部
211 検出部
212 送信部
3 提供者装置

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9