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▶ ケーエルピーピー インシュアランス アンド リインシュアランス カンパニー リミテッドの特許一覧

特許7361199圧送される媒体の2つの平行な流れを有する多段遠心ポンプ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-04
(45)【発行日】2023-10-13
(54)【発明の名称】圧送される媒体の2つの平行な流れを有する多段遠心ポンプ
(51)【国際特許分類】
   F04D 29/62 20060101AFI20231005BHJP
   F04D 1/08 20060101ALI20231005BHJP
【FI】
F04D29/62 A
F04D1/08 Z
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2022504574
(86)(22)【出願日】2020-01-31
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-29
(86)【国際出願番号】 RU2020000050
(87)【国際公開番号】W WO2021015642
(87)【国際公開日】2021-01-28
【審査請求日】2022-03-16
(31)【優先権主張番号】2019123176
(32)【優先日】2019-07-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】RU
(73)【特許権者】
【識別番号】523216229
【氏名又は名称】ケーエルピーピー インシュアランス アンド リインシュアランス カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】クシュナレフ,ウラジミール イヴァノヴィッチ
(72)【発明者】
【氏名】クシュナレフ,イヴァン ウラジーミロヴィチ
(72)【発明者】
【氏名】オボジンジ,ユーリー セルゲイヴィチ
【審査官】中村 大輔
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第202273912(CN,U)
【文献】中国特許出願公開第101892991(CN,A)
【文献】米国特許第02601828(US,A)
【文献】中国実用新案第202597113(CN,U)
【文献】中国特許出願公開第102606485(CN,A)
【文献】中国実用新案第204851653(CN,U)
【文献】特開昭47-028502(JP,A)
【文献】特開2014-074359(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04D 1/00-13/16
F04D 17/00-19/02
F04D 21/00-25/16
F04D 29/00-35/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧送される媒体の2つの平行な流れを有する遠心半径方向分割式のポンプであって、
各々がインペラおよびガイドベーンを収容する2つの個別部分と、それらの間に設置された中央排出カバーとを備え、ポンプケーシングであって、
排出カバーおよび移送カバーに設けられ、それらと一体の移送チャネルを介して前記ポンプケーシングの第1の部分から前記ポンプケーシングの第2の部分に液体を移送するための移送端カバーがさらに設けられ、
シャフトに取り付けられ、前記ポンプケーシングの前記第1の部分および前記第2の部分に収容された前記インペラは、前記中央排出カバーに対して互いに対向して配置され、
前記ポンプケーシングの前記第1の部分は、前記ポンプの駆動端に配置される、ポンプケーシングと、
単一の鋳造部品として構成された、水平吸引管と、垂直排出管とを備え、
前記ポンプケーシング及び前記ポンプケーシングに設けられた前記シャフトは、当該ポンプケーシングとは別体の前記水平吸引管と前記垂直排出管に対して、着脱可能に構成され、
前記垂直排出管は、前記ポンプケーシングに設けられた移送管によって前記中央排出カバーの環状チャンバに接続されることを特徴とする、ポンプ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本解決策は、ポンプ工学の分野に関し、具体的には、流体を高圧下で注入することによって油田の層間圧力を維持するために使用される遠心半径方向分割ポンプの設計に関する。この種のポンプは、火力および原子力発電、鉱業でも使用することができる。
【背景技術】
【0002】
インペラの片側配置を有するポンプが知られており、2014年10月10日の特許文献1を参照されたい。このポンプでは、圧送された液体は、まず吸引管に入り、1段目以降のインペラに移動して徐々に圧力エネルギーを得て、所定の圧力および流量で排出カバーの排出管に排出される。さらに、ポンプ設計は、ポンプの駆動端に配置された吸引管と、ポンプの非駆動端に配置された排出管とを設ける。所与の設計の欠点は、軸力の液圧アンロードのためのクイックウェアユニット、すなわち液圧バランス装置の存在である。
【0003】
プロトタイプとして選択される最も近い技術的解決策は、インペラの両側配置を有するポンプであり、2016年10月27日の特許文献2を参照されたい。このポンプでは、圧送された液体は、最初に吸引管に入り、次にセクションの第1のパッケージの第1段のインペラに入り、次に後続の段に入り、次に中央カバーの環状チャンバに入り、そこから移送管を通って移送カバーの環状チャンバに移送され、次に第2のパッケージの第1段のインペラに移送され、次にセクションの第2のパッケージの後続の段に移送され、所定の圧力および流量で中央カバーの排出管に排出される。さらに、ポンプ設計は、ポンプの駆動端に配置された吸引管と、ポンプの中心に対して垂直に配置された排出管とを設ける。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第RU2529979号
【文献】特許第RU2600662号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この設計の欠点は、排出管がポンプの中心に配置され、ポンプケーシングの2つの追加の支持部が設けられていることであり、このことは、このファミリのポンプの設計には典型的ではなく、その取り付けのための追加の設置および構築作業を必要とするが、特許第RU2529979号よりも、クイックウェア液圧バランスユニットが存在しない点で有利である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本技術的解決策の主な一般的目的は、設置場所に設置し、油田、鉱業、原子力および火力の層間圧力を維持し、運転に導入するために使用される共通のパイプラインシステムに接続するのが容易で便利な、圧送される媒体の2つの平行な流れを有する遠心半径方向分割ポンプを提供することである。さらに、ポンプが接続されるパイプラインシステムは、排出管および吸引管がポンプの入口カバーの領域内に配置されているという事実のために、著しくよりコンパクトになる。
【0007】
技術的結果は、設置の簡素化(時間の節約)、運転条件下でのポンプの取り付けおよび修理、ポンプ配管の長さの短縮、解体および修理の可能性、ならびに吸引および排出パイプラインを切断することなくポンプの流れ部分の取り付けおよび修理にある。
【0008】
技術的結果は、圧送された媒体の2つの平行な流れを有する遠心半径方向分割ポンプが、各々がインペラおよびガイドベーンを収容する2つの個別の部分と、それらの間に設置された中央排出カバーとを備え、垂直の中心に向けられた排出管を有するポンプケーシングとして構成されるという事実によって達成される。さらに、ケーシングの第1の部分から排出カバーおよび移送カバーに設けられた移送チャネルを介してケーシングの第2の部分に液体を移送するための移送端カバーが設けられ、シャフトに取り付けられ、ケーシングの第1および第2の部分に収容されたインペラは、中央排出カバーに対して互いに対向して配置される。さらに、ポンプケーシングの第1の部分は、ポンプの駆動端に配置され、単一の鋳造部品として構成された、水平吸引管と、垂直排出管とを備え、垂直排出管は、移送管によって中央排出カバーの環状チャンバに接続される。
【0009】
さらに、排出管と中央排出カバーとを接続する移送管は、ポンプケーシングの第1の部分の全長に沿って水平に延びる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】圧送される媒体の2つの平行な流れを有する遠心断面ポンプである。
図2】本ポンプの流れ部分の解体および取り付け図である。 圧送される媒体の2つの平行な流れを有する遠心半径方向分割ポンプは、以下からなる。
【符号の説明】
【0011】
1-吸引管、
2-第1段インペラ、
3-中央排出カバー、
4-移送管、
5-第2段インペラ、
6-移送カバー、
7-中央カバーの環状チャンバの移送管;
8-排出管、
9-吸引カバーの排出フランジ。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本遠心ポンプは以下のように動作する:圧送された液体は、最初に吸引管1に入り、次いで第1段インペラに入り、次いでセクションの第1パッケージの第2段の後続インペラに入り、次いで中央排出カバー3の環状チャンバに入り、そこから移送管4を介して移送カバー6の環状チャンバに移送され、次いで第1段のインペラに移送され、次いでセクションの第2パッケージの後続の段5に移送され、次いで中央カバー3の環状チャンバの移送管7を通って第1段の初めに設置された排出管8に移送され、次いで所定の圧力および流量で吸引カバー9の排出フランジに排出される。さらに、ポンプ設計は、ポンプの駆動端に配置され、異なる環状チャンバ、吸入チャンバ、および吐出チャンバを有する単一の鋳造部品として構成された吸引管1および排出管8を備える。
【0013】
本発明は、最初の特許第2529979号、すなわち液圧バランス装置の欠点が全くない。管の元々の配置のおかげで、特許第2600662号の欠点(すなわち排出管および追加の支持脚(6つの脚の代わりに4つの脚)の典型的でない(中央の)配置)が全くない。さらに、軸力を補償するためにインペラが反対に配置されたポンプの利点が維持され、これはポンプ設計の信頼性を向上させ、現場条件でポンプを使用可能にし、したがって運転コストを大幅に削減する。
【0014】
本発明の主な利点は、図2に示すように、解体および修理の可能性、ならびに吸引および排出パイプラインを切断することなくポンプの流れ部分を取り付け可能であることである。
【図 】
【図 】
【図 】