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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-04
(45)【発行日】2023-10-13
(54)【発明の名称】分割型保持器を備えた深溝玉軸受
(51)【国際特許分類】
   F16C 33/38 20060101AFI20231005BHJP
   F16C 19/06 20060101ALI20231005BHJP
   F16C 33/78 20060101ALI20231005BHJP
【FI】
F16C33/38
F16C19/06
F16C33/78 Z
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2022534633
(86)(22)【出願日】2021-09-16
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-23
(86)【国際出願番号】 CN2021118718
(87)【国際公開番号】W WO2023272953
(87)【国際公開日】2023-01-05
【審査請求日】2022-06-07
(31)【優先権主張番号】202110736966.1
(32)【優先日】2021-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】522226410
【氏名又は名称】人本股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】C&U COMPANY LIMITED.
【住所又は居所原語表記】No.515,5th Binhai Street,Economic & Technological Development Zone,Wenzhou City,Zhejiang 325011,China
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】白 雪峰
(72)【発明者】
【氏名】徐 家良
【審査官】倉田 和博
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-040383(JP,A)
【文献】中国実用新案第210830170(CN,U)
【文献】実開平06-001848(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2018/0010641(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2006/0291763(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16C 33/38-33/44
F16C 19/06
F16C 33/78
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外輪、内輪、保持器及び鋼球を備え、前記保持器は外輪と内輪との間に設けられる分割型保持器を備えた深溝玉軸受であって、前記保持器は上部保持器本体、キャリア及び下部保持器本体を形成するように分割して設けられ、前記キャリアには鋼球を収容するためのポケット溝が間隔をあけて設けられ、前記キャリアの隣接するポケット溝の間に接続台が設けられ、前記接続台の外壁に第1差し込み溝が形成され、前記接続台の内壁に第2差し込み溝が設けられ、前記ポケット溝の底面に接続溝が開けられ、前記上部保持器本体に潤滑油貯蔵室が形成され、前記潤滑油貯蔵室の開口は接続溝を向いて設けられ、前記潤滑油貯蔵室内に潤滑油貯蔵綿が設けられ、前記潤滑油貯蔵室の開口の周方向に位置決めフランジが形成され、前記位置決めフランジは接続溝と差し込み嵌合して上部保持器本体とキャリアとを固定的に接続し、前記下部保持器本体のポケット溝に対応する位置に弧状溝が設けられ、前記弧状溝はポケット溝と組み合わせてポケットを形成し、前記下部保持器本体の弧状溝の間に接続ベースが形成され、前記接続ベースに第1差し込みブロック及び第2差し込みブロックが設けられ、前記第1差し込みブロックと第2差し込みブロックとの間に挟持隙間が形成され、前記第1差し込みブロックは第1差し込み溝と差し込み嵌合し、前記第2差し込みブロックは第2差し込み溝と差し込み嵌合し、前記第1差し込みブロック及び第2差し込みブロックの端部はキャリアを貫通して設けられ、位置決めブロックが形成され、前記上部保持器本体の位置決めブロックに対応する位置に位置決め孔が設けられ、前記位置決めブロックは位置決め孔と差し込み嵌合することを特徴とする分割型保持器を備えた深溝玉軸受。
【請求項2】
前記下部保持器本体の弧状溝内に塗布綿が設けられ、前記塗布綿に冷却液が吸着されていることを特徴とする請求項1に記載の分割型保持器を備えた深溝玉軸受。
【請求項3】
前記下部保持器本体の弧状溝に対応する位置に冷却液を貯蔵するための貯液室が形成され、前記貯液室と塗布綿は接続管を介して接続されることを特徴とする請求項2に記載の分割型保持器を備えた深溝玉軸受。
【請求項4】
前記第1差し込みブロックは楔状に設けられ、前記第1差し込み溝の形状は第1差し込みブロックの形状にマッチングすることを特徴とする請求項1又は2又は3に記載の分割型保持器を備えた深溝玉軸受。
【請求項5】
前記第1差し込みブロックの両側壁は波状に設けられ、前記第1差し込み溝の両側壁に当接弾性片が間隔をあけて設けられ、前記当接弾性片は傾斜して設けられることを特徴とする請求項4に記載の分割型保持器を備えた深溝玉軸受。
【請求項6】
前記第1差し込みブロックの両側壁に案内溝が設けられ、前記上部保持器本体の案内溝に対応する位置にガイド挿入ブロックが設けられ、前記キャリアの案内溝に対応する位置にガイド貫通孔が設けられ、前記ガイド挿入ブロックはガイド貫通孔を挿通して案内溝と差し込み嵌合することを特徴とする請求項4に記載の分割型保持器を備えた深溝玉軸受。
【請求項7】
前記第2差し込み溝と第2差し込みブロックとの間にガイドブロックとガイド溝が設けられ、前記ガイドブロックとガイド溝は滑り嵌めすることを特徴とする請求項1に記載の分割型保持器を備えた深溝玉軸受。
【請求項8】
前記上部保持器本体、キャリア及び下部保持器本体はいずれも射出成形材料で製造されることを特徴とする請求項1に記載の分割型保持器を備えた深溝玉軸受。
【請求項9】
前記外輪と内輪との間に防塵カバーが設けられることを特徴とする請求項1に記載の分割型保持器を備えた深溝玉軸受。
【請求項10】
前記外輪の内壁に第1接続段差が形成され、前記内輪の外壁に第2接続段差が形成され、前記防塵カバーは第1接続段差と第2接続段差との間に係止されることを特徴とする請求項9に記載の分割型保持器を備えた深溝玉軸受。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は軸受の技術分野に関し、特に分割型保持器を備えた深溝玉軸受に関する。
【背景技術】
【0002】
深溝玉軸受では、通常、保持器が設けられており、保持器は通常、内輪と外輪軌道との間に組み立てられ、通常、環状本体構造と、円周に沿って均等に分布するポケット部と、を備える。ポケット部は通常、玉軸受の転動体と類似し且つ曲率半径がやや大きい凹球状面を採用し、保持器本体の内径面と外径面でそれぞれ開口している。しかしながら、使用過程において、急加速又は急減速の高速動作状態では、高い温度上昇が発生しやすく、その結果、保持器は解けて割れたり、保持器のポケットやほかの位置で衝撃を受けて破断したりしてしまい、従って、保持器のボールの潤滑状態に注意し、保持器に潤滑油をタイムリーに補充する必要があり、しかしながら、従来の保持器は潤滑油補充が困難であり、組み立ても非常に不便であり、保持器全体の使用効果が低下し、生産加工効率の向上に不利である。
【発明の概要】
【0003】
従来技術の欠陥に鑑みて、本発明は、構造が簡単で、全体構造の取り付けが容易であり、安定性がより高く、全体構造の使用効果及び生産加工効率を向上させる分割型保持器を備えた深溝玉軸受を提供する。
【0004】
上記目的を実現するために、本発明は、外輪、内輪、保持器及び鋼球を備え、前記保持器は外輪と内輪との間に設けられ、前記保持器は上部保持器本体、キャリア及び下部保持器本体を形成するように分割して設けられ、前記キャリアには鋼球を収容するためのポケット溝が間隔をあけて設けられ、前記キャリアの隣接するポケット溝の間に接続台が設けられ、前記接続台の外壁に第1差し込み溝が形成され、前記接続台の内壁に第2差し込み溝が設けられ、前記ポケット溝の底面に接続溝が開けられ、前記上部保持器本体に潤滑油貯蔵室が形成され、前記潤滑油貯蔵室の開口は接続溝を向いて設けられ、前記潤滑油貯蔵室内に潤滑油貯蔵綿が設けられ、前記潤滑油貯蔵室の開口の周方向に位置決めフランジが形成され、前記位置決めフランジは接続溝と差し込み嵌合して上部保持器本体とキャリアとを固定的に接続し、前記下部保持器本体のポケット溝に対応する位置に弧状溝が設けられ、前記弧状溝はポケット溝と組み合わせてポケットを形成し、前記下部保持器本体の弧状溝の間に接続ベースが形成され、前記接続ベースに第1差し込みブロック及び第2差し込みブロックが設けられ、前記第1差し込みブロックと第2差し込みブロックとの間に挟持隙間が形成され、前記第1差し込みブロックは第1差し込み溝と差し込み嵌合し、前記第2差し込みブロックは第2差し込み溝と差し込み嵌合し、前記第1差し込みブロック及び第2差し込みブロックの端部はキャリアを貫通して設けられ、位置決めブロックが形成され、前記上部保持器本体の位置決めブロックに対応する位置に位置決め孔が設けられ、前記位置決めブロックは位置決め孔と差し込み嵌合する分割型保持器を備えた深溝玉軸受を提供する。
【0005】
このような形態による有益な効果について、このような形態によれば、保持器は上部保持器本体、キャリア及び下部保持器本体を形成するように分割して設けられ、キャリアのポケット溝に鋼球を入れた後、下部保持器本体とキャリアとの差し込み接続を行い、キャリアにおける第1差し込みブロック及び第2差し込みブロックをそれぞれ対応する差し込み溝に差し込み、位置決めを完了するとともに、第1差し込みブロック及び第2差し込みブロックはさらに挟持位置決めの作用を有し、全体構造の安定性を向上させ、取り付け完了後、弧状溝とポケット溝とを組み合わせてポケットを形成し、鋼球の位置決めを実現し、次に、上部保持器本体を取り付け、上部保持器本体における位置決め孔を2つの差し込みブロックにおける位置決めブロックに固定的に差し込むとともに、上部保持器本体における位置決めフランジを接続溝に差し込み、保持器本体全体の組み合わせ・取り付けを実現し、この構造は簡単で、実現しやすく、組み立てが容易であるとともに、安定性に優れ、また、このような形態によれば、部材の交換が容易であり、上部保持器本体における潤滑油が切れると、迅速に交換でき、組み立て効率を向上させる。
【0006】
本発明のさらなる形態として、前記下部保持器本体の弧状溝内に塗布綿が設けられ、前記塗布綿に冷却液が吸着されている。
【0007】
このような形態による有益な効果について、このような形態によれば、鋼球を効果的に冷却し、高い温度上昇を回避し、保持器構造の安定性を確保し、全体構造の使用安定性を向上させることができる。
【0008】
本発明のさらなる形態として、前記下部保持器本体の弧状溝に対応する位置に冷却液を貯蔵するための貯液室が形成され、前記貯液室と塗布綿は接続管を介して接続される。
【0009】
このような形態による有益な効果について、このような形態によれば、下部保持器本体における塗布綿はより長時間使用でき、交換頻度を低減させ、鋼球を効果的に冷却することができるとともに、構造が簡単で、実現しやすい。
【0010】
本発明のさらなる形態として、前記第1差し込みブロックは楔状に設けられ、前記第1差し込み溝の形状は第1差し込みブロックの形状にマッチングする。
【0011】
このような形態による有益な効果について、このような形態によれば、それらの差し込みによって優れたガイド効果を示すだけでなく、ポカヨケの作用を発揮でき、また、構造が簡単で、生産が容易で、全体構造の使用効果を向上させる。
【0012】
本発明のさらなる形態として、前記第1差し込みブロックの両側壁は波状に設けられ、前記第1差し込み溝の両側壁に当接弾性片が間隔をあけて設けられ、前記当接弾性片は傾斜して設けられる。
【0013】
このような形態による有益な効果について、このような形態によれば、第1差し込みブロックが第1差し込み溝に挿入されると、当接弾性片を圧縮し、完全に所定の位置に到達すると、当接弾性片が復帰し、各弾性片が第1差し込みブロックの側壁における波状隙間内に係止され、それにより第1差し込みブロックの差し込みがより安定し、脱落し難いとともに、構造が簡単で、実現しやすい。
【0014】
本発明のさらなる形態として、前記第1差し込みブロックの両側壁に案内溝が設けられ、前記上部保持器本体の案内溝に対応する位置にガイド挿入ブロックが設けられ、前記キャリアの案内溝に対応する位置にガイド貫通孔が設けられ、前記ガイド挿入ブロックはガイド貫通孔を挿通して案内溝と差し込み嵌合する。
【0015】
このような形態による有益な効果について、このような形態によれば、さらに全体構造の接続の安定性を高めるとともに、構造が簡単で、実現しやすい。
【0016】
本発明のさらなる形態として、前記第2差し込み溝と第2差し込みブロックとの間にガイドブロックとガイド溝が設けられ、前記ガイドブロックとガイド溝は滑り嵌めする。
【0017】
このような形態による有益な効果について、このような形態によれば、全体構造の安定性を向上させ、使用過程において割れにくいとともに、構造が簡単で、実現しやすく、全体構造の使用効果を向上させる。
【0018】
本発明のさらなる形態として、前記上部保持器本体、キャリア及び下部保持器本体はいずれも射出成形材料で製造される。
【0019】
このような形態による有益な効果について、このような形態によれば、材料は射出成形材料を使用し、好ましくは、PA66+ガラス繊維、PA46+ガラス繊維、PEEK+ガラス繊維などの材料であり、それにより保持器の強度要件を満たすことを確保する。
【0020】
本発明のさらなる形態として、前記外輪と内輪との間に防塵カバーが設けられる。
【0021】
このような形態による有益な効果について、このような形態によれば、鋼球の遮蔽を確保し、全体構造の使用効果を向上させるとともに、構造が簡単で、実現しやすく、潤滑油の漏れを効果的に回避し、全体的な潤滑効果を高めるとともに、構造が簡単で、実現しやすい。
【0022】
本発明のさらなる形態として、前記外輪の内壁に第1接続段差が形成され、前記内輪の外壁に第2接続段差が形成され、前記防塵カバーは第1接続段差と第2接続段差との間に係止される。
【0023】
このような形態による有益な効果について、防塵カバーの接続効果を効果的に向上させるとともに、構造が簡単で、実現しやすく、全体構造の使用安定性を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の第1の実施例、第2の実施例、第3の実施例、第4の実施例及び第5の実施例の全体構造の分解模式図である。
図2】本発明の第1の実施例、第2の実施例、第3の実施例、第4の実施例及び第5の実施例における保持器の構造模式図である。
図3】本発明の第1の実施例における保持器の分解構造模式図である。
図4】本発明の第2の実施例及び第4の実施例における保持器の分解構造模式図である。
図5】本発明の第3の実施例及び第5の実施例における保持器の分解構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明の分割型保持器を備えた深溝玉軸受の第1の実施例は、図1図3に示すように、外輪2、内輪1、保持器及び鋼球を備え、上記保持器は外輪2と内輪1との間に設けられ、上記保持器は上部保持器本体3、キャリア4及び下部保持器本体5を形成するように分割して設けられ、上記キャリア4には鋼球を収容するためのポケット溝41が間隔をあけて設けられ、上記キャリア4の隣接するポケット溝41の間に接続台が設けられ、上記接続台の外壁に第1差し込み溝42が形成され、上記接続台の内壁に第2差し込み溝43が設けられ、上記ポケット溝41の底面に接続溝44が開けられ、上記上部保持器本体3に潤滑油貯蔵室が形成され、上記潤滑油貯蔵室の開口は接続溝44を向いて設けられ、上記潤滑油貯蔵室内に潤滑油貯蔵綿が設けられ、上記潤滑油貯蔵室の開口の周方向に位置決めフランジ31が形成され、上記位置決めフランジ31は接続溝44と差し込み嵌合して上部保持器本体3とキャリア4とを固定的に接続し、上記下部保持器本体5のポケット溝41に対応する位置に弧状溝51が設けられ、上記弧状溝51はポケット溝41と組み合わせてポケットを形成し、上記下部保持器本体5の弧状溝51の間に接続ベースが形成され、上記接続ベースに第1差し込みブロック52及び第2差し込みブロック53が設けられ、上記第1差し込みブロック52と第2差し込みブロック53との間に挟持隙間が形成され、上記第1差し込みブロック52は第1差し込み溝42と差し込み嵌合し、上記第2差し込みブロック53は第2差し込み溝43と差し込み嵌合し、上記第1差し込みブロック52及び第2差し込みブロック53の端部はキャリア4を貫通して設けられ、位置決めブロックが形成され、上記上部保持器本体3の位置決めブロックに対応する位置に位置決め孔32が設けられ、上記位置決めブロックは位置決め孔32と差し込み嵌合する。上記下部保持器本体5の弧状溝51内に塗布綿が設けられ、上記塗布綿に冷却液が吸着されている。上記下部保持器本体5の弧状溝51に対応する位置に冷却液を貯蔵するための貯液室が形成され、上記貯液室と塗布綿は接続管を介して接続される。上記第1差し込みブロック52は楔状に設けられ、上記第1差し込み溝42の形状は第1差し込みブロック52の形状にマッチングする。上記第2差し込み溝43と第2差し込みブロック53との間にガイドブロック45とガイド溝が設けられ、上記ガイドブロック45とガイド溝は滑り嵌めする。上記上部保持器本体3、キャリア4及び下部保持器本体5はいずれも射出成形材料で製造される。上記外輪2と内輪1との間に防塵カバー6が設けられる。上記外輪2の内壁に第1接続段差21が形成され、上記内輪1の外壁に第2接続段差が形成され、上記防塵カバー6は第1接続段差21と第2接続段差との間に係止される。
【0026】
本発明の分割型保持器を備えた深溝玉軸受の第2の実施例は図1図2及び図4に示すように、外輪2、内輪1、保持器及び鋼球を備え、上記保持器は外輪2と内輪1との間に設けられ、上記保持器は上部保持器本体3、キャリア4及び下部保持器本体5を形成するように分割して設けられ、上記キャリア4には鋼球を収容するためのポケット溝41が間隔をあけて設けられ、上記キャリア4の隣接するポケット溝41の間に接続台が設けられ、上記接続台の外壁に第1差し込み溝42が形成され、上記接続台の内壁に第2差し込み溝43が設けられ、上記ポケット溝41の底面に接続溝44が開けられ、上記上部保持器本体3に潤滑油貯蔵室が形成され、上記潤滑油貯蔵室の開口は接続溝44を向いて設けられ、上記潤滑油貯蔵室内に潤滑油貯蔵綿が設けられ、上記潤滑油貯蔵室の開口の周方向に位置決めフランジ31が形成され、上記位置決めフランジ31は接続溝44と差し込み嵌合して上部保持器本体3とキャリア4とを固定的に接続し、上記下部保持器本体5のポケット溝41に対応する位置に弧状溝51が設けられ、上記弧状溝51はポケット溝41と組み合わせてポケットを形成し、上記下部保持器本体5の弧状溝51の間に接続ベースが形成され、上記接続ベースに第1差し込みブロック52及び第2差し込みブロック53が設けられ、上記第1差し込みブロック52と第2差し込みブロック53との間に挟持隙間が形成され、上記第1差し込みブロック52は第1差し込み溝42と差し込み嵌合し、上記第2差し込みブロック53は第2差し込み溝43と差し込み嵌合し、上記第1差し込みブロック52及び第2差し込みブロック53の端部はキャリア4を貫通して設けられ、位置決めブロックが形成され、上記上部保持器本体3の位置決めブロックに対応する位置に位置決め孔32が設けられ、上記位置決めブロックは位置決め孔32と差し込み嵌合する。上記下部保持器本体5の弧状溝51内に塗布綿が設けられ、上記塗布綿に冷却液が吸着されている。上記下部保持器本体5の弧状溝51に対応する位置に冷却液を貯蔵するための貯液室が形成され、上記貯液室と塗布綿は接続管を介して接続される。上記第1差し込みブロック52は楔状に設けられ、上記第1差し込み溝42の形状は第1差し込みブロック52の形状にマッチングする。上記第1差し込みブロック52の両側壁は波状に設けられ、上記第1差し込み溝42の両側壁に当接弾性片421が間隔をあけて設けられ、上記当接弾性片421は傾斜して設けられる。上記上部保持器本体3、キャリア4及び下部保持器本体5はいずれも射出成形材料で製造される。上記外輪2と内輪1との間に防塵カバー6が設けられる。上記外輪2の内壁に第1接続段差21が形成され、上記内輪1の外壁に第2接続段差が形成され、上記防塵カバー6は第1接続段差21と第2接続段差との間に係止される。
【0027】
本発明の分割型保持器を備えた深溝玉軸受の第3の実施例は図1図2及び図5に示すように、外輪2、内輪1、保持器及び鋼球を備え、上記保持器は外輪2と内輪1との間に設けられ、上記保持器は上部保持器本体3、キャリア4及び下部保持器本体5を形成するように分割して設けられ、上記キャリア4には鋼球を収容するためのポケット溝41が間隔をあけて設けられ、上記キャリア4の隣接するポケット溝41の間に接続台が設けられ、上記接続台の外壁に第1差し込み溝42が形成され、上記接続台の内壁に第2差し込み溝43が設けられ、上記ポケット溝41の底面に接続溝44が開けられ、上記上部保持器本体3に潤滑油貯蔵室が形成され、上記潤滑油貯蔵室の開口は接続溝44を向いて設けられ、上記潤滑油貯蔵室内に潤滑油貯蔵綿が設けられ、上記潤滑油貯蔵室の開口の周方向に位置決めフランジ31が形成され、上記位置決めフランジ31は接続溝44と差し込み嵌合して上部保持器本体3とキャリア4とを固定的に接続し、上記下部保持器本体5のポケット溝41に対応する位置に弧状溝51が設けられ、上記弧状溝51はポケット溝41と組み合わせてポケットを形成し、上記下部保持器本体5の弧状溝51の間に接続ベースが形成され、上記接続ベースに第1差し込みブロック52及び第2差し込みブロック53が設けられ、上記第1差し込みブロック52と第2差し込みブロック53との間に挟持隙間が形成され、上記第1差し込みブロック52は第1差し込み溝42と差し込み嵌合し、上記第2差し込みブロック53は第2差し込み溝43と差し込み嵌合し、上記第1差し込みブロック52及び第2差し込みブロック53の端部はキャリア4を貫通して設けられ、位置決めブロックが形成され、上記上部保持器本体3の位置決めブロックに対応する位置に位置決め孔32が設けられ、上記位置決めブロックは位置決め孔32と差し込み嵌合する。上記下部保持器本体5の弧状溝51内に塗布綿が設けられ、上記塗布綿に冷却液が吸着されている。上記下部保持器本体5の弧状溝51に対応する位置に冷却液を貯蔵するための貯液室が形成され、上記貯液室と塗布綿は接続管を介して接続される。上記第1差し込みブロック52は楔状に設けられ、上記第1差し込み溝42の形状は第1差し込みブロック52の形状にマッチングする。上記第1差し込みブロック52の両側壁に案内溝521が設けられ、上記上部保持器本体3の案内溝521に対応する位置にガイド挿入ブロック33が設けられ、上記キャリア4の案内溝521に対応する位置にガイド貫通孔422が設けられ、上記ガイド挿入ブロック33はガイド貫通孔422を貫通して案内溝521と差し込み嵌合する。上記第2差し込み溝43と第2差し込みブロック53との間にガイドブロック45とガイド溝が設けられ、上記ガイドブロック45とガイド溝は滑り嵌めする。上記上部保持器本体3、キャリア4及び下部保持器本体5はいずれも射出成形材料で製造される。上記外輪2と内輪1との間に防塵カバー6が設けられる。上記外輪2の内壁に第1接続段差21が形成され、上記内輪1の外壁に第2接続段差が形成され、上記防塵カバー6は第1接続段差21と第2接続段差との間に係止される。
【0028】
本発明の分割型保持器を備えた深溝玉軸受の第4の実施例は図1図2及び図4に示すように、外輪2、内輪1、保持器及び鋼球を備え、上記保持器は外輪2と内輪1との間に設けられ、上記保持器は上部保持器本体3、キャリア4及び下部保持器本体5を形成するように分割して設けられ、上記キャリア4には鋼球を収容するためのポケット溝41が間隔をあけて設けられ、上記キャリア4の隣接するポケット溝41の間に接続台が設けられ、上記接続台の外壁に第1差し込み溝42が形成され、上記接続台の内壁に第2差し込み溝43が設けられ、上記ポケット溝41の底面に接続溝44が開けられ、上記上部保持器本体3に潤滑油貯蔵室が形成され、上記潤滑油貯蔵室の開口は接続溝44を向いて設けられ、上記潤滑油貯蔵室内に潤滑油貯蔵綿が設けられ、上記潤滑油貯蔵室の開口の周方向に位置決めフランジ31が形成され、上記位置決めフランジ31は接続溝44と差し込み嵌合して上部保持器本体3とキャリア4とを固定的に接続し、上記下部保持器本体5のポケット溝41に対応する位置に弧状溝51が設けられ、上記弧状溝51はポケット溝41と組み合わせてポケットを形成し、上記下部保持器本体5の弧状溝51の間に接続ベースが形成され、上記接続ベースに第1差し込みブロック52及び第2差し込みブロック53が設けられ、上記第1差し込みブロック52と第2差し込みブロック53との間に挟持隙間が形成され、上記第1差し込みブロック52は第1差し込み溝42と差し込み嵌合し、上記第2差し込みブロック53は第2差し込み溝43と差し込み嵌合し、上記第1差し込みブロック52及び第2差し込みブロック53の端部はキャリア4を貫通して設けられ、位置決めブロックが形成され、上記上部保持器本体3の位置決めブロックに対応する位置に位置決め孔32が設けられ、上記位置決めブロックは位置決め孔32と差し込み嵌合する。上記第1差し込みブロック52は楔状に設けられ、上記第1差し込み溝42の形状は第1差し込みブロック52の形状にマッチングする。上記第1差し込みブロック52の両側壁は波状に設けられ、上記第1差し込み溝42の両側壁に当接弾性片421が間隔をあけて設けられ、上記当接弾性片421は傾斜して設けられる。上記上部保持器本体3、キャリア4及び下部保持器本体5はいずれも射出成形材料で製造される。上記外輪2と内輪1との間に防塵カバー6が設けられる。上記外輪2の内壁に第1接続段差21が形成され、上記内輪1の外壁に第2接続段差が形成され、上記防塵カバー6は第1接続段差21と第2接続段差との間に係止される。
【0029】
本発明の分割型保持器を備えた深溝玉軸受の第5の実施例は図1図2及び図5に示すように、外輪2、内輪1、保持器及び鋼球を備え、上記保持器は外輪2と内輪1との間に設けられ、上記保持器は上部保持器本体3、キャリア4及び下部保持器本体5を形成するように分割して設けられ、上記キャリア4には鋼球を収容するためのポケット溝41が間隔をあけて設けられ、上記キャリア4の隣接するポケット溝41の間に接続台が設けられ、上記接続台の外壁に第1差し込み溝42が形成され、上記接続台の内壁に第2差し込み溝43が設けられ、上記ポケット溝41の底面に接続溝44が開けられ、上記上部保持器本体3に潤滑油貯蔵室が形成され、上記潤滑油貯蔵室の開口は接続溝44を向いて設けられ、上記潤滑油貯蔵室内に潤滑油貯蔵綿が設けられ、上記潤滑油貯蔵室の開口の周方向に位置決めフランジ31が形成され、上記位置決めフランジ31は接続溝44と差し込み嵌合して上部保持器本体3とキャリア4とを固定的に接続し、上記下部保持器本体5のポケット溝41に対応する位置に弧状溝51が設けられ、上記弧状溝51はポケット溝41と組み合わせてポケットを形成し、上記下部保持器本体5の弧状溝51の間に接続ベースが形成され、上記接続ベースに第1差し込みブロック52及び第2差し込みブロック53が設けられ、上記第1差し込みブロック52と第2差し込みブロック53との間に挟持隙間が形成され、上記第1差し込みブロック52は第1差し込み溝42と差し込み嵌合し、上記第2差し込みブロック53は第2差し込み溝43と差し込み嵌合し、上記第1差し込みブロック52及び第2差し込みブロック53の端部はキャリア4を貫通して設けられ、位置決めブロックが形成され、上記上部保持器本体3の位置決めブロックに対応する位置に位置決め孔32が設けられ、上記位置決めブロックは位置決め孔32と差し込み嵌合する。上記下部保持器本体5の弧状溝51内に塗布綿が設けられ、上記塗布綿に冷却液が吸着されている。上記下部保持器本体5の弧状溝51に対応する位置に冷却液を貯蔵するための貯液室が形成され、上記貯液室と塗布綿は接続管を介して接続される。上記第1差し込みブロック52は楔状に設けられ、上記第1差し込み溝42の形状は第1差し込みブロック52の形状にマッチングする。上記第1差し込みブロック52の両側壁に案内溝521が設けられ、上記上部保持器本体3の案内溝521に対応する位置にガイド挿入ブロック33が設けられ、上記キャリア4の案内溝521に対応する位置にガイド貫通孔422が設けられ、上記ガイド挿入ブロック33はガイド貫通孔422を貫通して案内溝521と差し込み嵌合する。上記第2差し込み溝43と第2差し込みブロック53との間にガイドブロック45とガイド溝が設けられ、上記ガイドブロック45とガイド溝は滑り嵌めする。上記上部保持器本体3、キャリア4及び下部保持器本体5はいずれも射出成形材料で製造される。上記外輪2と内輪1との間に防塵カバー6が設けられる。上記外輪2の内壁に第1接続段差21が形成され、上記内輪1の外壁に第2接続段差が形成され、上記防塵カバー6は第1接続段差21と第2接続段差との間に係止される。
【0030】
以上の例は単なる本発明の好ましい具体例の1つであり、当業者が本発明の技術案の範囲内に行った一般的な変化や置換はすべて本発明の保護範囲に属する。
図1
図2
図3
図4
図5