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特許7361254情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-05
(45)【発行日】2023-10-16
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20231006BHJP
【FI】
G06Q50/10
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2022532469
(86)(22)【出願日】2021-06-01
(86)【国際出願番号】 JP2021020795
(87)【国際公開番号】W WO2021256235
(87)【国際公開日】2021-12-23
【審査請求日】2022-10-03
(31)【優先権主張番号】P 2020105134
(32)【優先日】2020-06-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】513217311
【氏名又は名称】株式会社ジオクリエイツ
(74)【代理人】
【識別番号】110004222
【氏名又は名称】弁理士法人創光国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【弁理士】
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【弁理士】
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【弁理士】
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】本田 司
【審査官】▲高▼瀬 健太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-049956(JP,A)
【文献】特開2013-050979(JP,A)
【文献】特開2018-180610(JP,A)
【文献】特開2020-166685(JP,A)
【文献】特開2021-026694(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 -99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空間内の複数の位置から視認される前記空間の複数の領域に対応する複数の空間内画像を閲覧する閲覧者が前記複数の空間内画像から選択した一以上の選択画像を識別するための選択画像識別情報を取得する情報取得部と、
前記閲覧者が選択した前記一以上の選択画像それぞれの閲覧時間を特定する閲覧状態特定部と、
前記閲覧時間に対応する態様で、前記一以上の選択画像に対応する一以上のサムネイル画像を出力する出力部と、
を有し、
前記情報取得部は、前記閲覧者が前記空間内画像において視認した位置である視認位置と、それぞれの前記視認位置が視認された時間である視認時間とを示す視認状態情報をさらに取得し、
前記出力部は、前記一以上のサムネイル画像又は前記一以上のサムネイル画像の拡大画像における前記視認位置に、前記視認時間に対応する態様の視認状態表示画像を重ねて出力する、
情報処理装置。
【請求項2】
前記情報取得部は、前記閲覧者が前記空間内画像を閲覧している間の前記閲覧者の生体情報をさらに取得し、
前記出力部は、前記生体情報に基づいて前記視認時間を重みづけした結果に対応する態様の前記視認状態表示画像を出力する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記出力部は、前記複数の空間内画像内で前記閲覧者が視認した位置における前記視認時間に基づいて、前記閲覧者から所定の操作を受け付けるためのアイコン画像を配置する位置を決定し、決定した位置を示すデータを出力する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
空間内の複数の位置から視認される前記空間の複数の領域に対応する複数の空間内画像を閲覧する閲覧者が前記複数の空間内画像から選択した一以上の選択画像を識別するための選択画像識別情報と、前記閲覧者が前記空間内画像において視認した位置である視認位置を示す視認状態情報と、を取得する情報取得部と、
前記閲覧者が選択した前記一以上の選択画像それぞれの閲覧時間を特定する閲覧状態特定部と、
前記閲覧時間に対応する態様で、前記一以上の選択画像に対応する一以上のサムネイル画像を出力する出力部と、
前記空間内画像に含まれている構図を特定する構図特定部と、
前記構図特定部が特定した構図と、前記視認状態情報が示す前記視認位置との関係に基づいて、前記閲覧者が前記空間内画像に対して抱いた感情を特定する感情特定部と、
を有し、
前記出力部は、前記感情特定部が特定した感情に対応する態様で、前記一以上のサムネイル画像を出力する、
情報処理装置。
【請求項5】
空間内の複数の位置から視認される前記空間の複数の領域に対応する複数の空間内画像を閲覧する複数の閲覧者が前記複数の空間内画像から選択した一以上の選択画像を識別するための複数の選択画像識別情報を取得する情報取得部と、
前記閲覧者が選択した前記一以上の選択画像それぞれの閲覧時間を特定する閲覧状態特定部と、
前記閲覧時間に対応する態様で、前記一以上の選択画像に対応する一以上のサムネイル画像を出力する出力部と、
を有し、
前記閲覧状態特定部は、前記複数の空間内画像に含まれる2つ以上の空間内画像の複数のセットそれぞれに対して、前記セットに含まれる前記2つ以上の空間内画像が連続して選択された回数である遷移回数を特定し、
前記出力部は、前記遷移回数に対応する態様の結合線で、前記2つ以上の空間内画像に対応する2つ以上の前記サムネイル画像を結合した状態で、前記複数のサムネイル画像を出力する、
情報処理装置。
【請求項6】
前記出力部は、前記複数の閲覧者に対応する複数の前記閲覧時間の統計値に対応する態様で前記複数のサムネイル画像を出力する第1モードと、前記複数の閲覧者のうちの一人の閲覧者に対応する前記閲覧時間に対応する態様で前記複数のサムネイル画像を出力する第2モードとを切り替える、
請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
空間内の複数の位置から視認される前記空間の複数の領域に対応する複数の空間内画像を閲覧する閲覧者が前記複数の空間内画像から選択した一以上の選択画像を識別するための選択画像識別情報を取得する情報取得部と、
前記閲覧者が選択した前記一以上の選択画像それぞれの閲覧時間を特定する閲覧状態特定部と、
前記閲覧時間に対応する態様で、前記一以上の選択画像に対応する一以上のサムネイル画像を前記空間のレイアウトを示すレイアウト図に重ねて出力する出力部と、
を有し、
前記情報取得部は、前記レイアウト図において選択された経路を示す経路情報をさらに取得し、
前記出力部は、前記複数の空間内画像のうち、前記経路情報が示す経路に対応する一以上の空間内画像に対応する一以上のサムネイル画像を特定するための情報を出力する、
情報処理装置。
【請求項8】
空間内の複数の位置から視認される前記空間の複数の領域に対応する複数の空間内画像を閲覧する閲覧者が前記複数の空間内画像から選択した一以上の選択画像を識別するための選択画像識別情報を取得する情報取得部と、
前記閲覧者が選択した前記一以上の選択画像それぞれの閲覧時間を特定する閲覧状態特定部と、
前記閲覧時間に対応する態様で、前記一以上の選択画像に対応する一以上のサムネイル画像を出力する出力部と、
を有し、
前記情報取得部は、1つの空間に対応する第1空間内画像に対応する第1選択画像識別情報と、前記1つの空間に対応し、前記第1空間内画像と撮影位置又は撮影方向が異なる第2空間内画像に対応する第2選択画像識別情報と、を取得し、
前記閲覧状態特定部は、前記第1空間内画像の第1閲覧時間と、前記第2空間内画像の第2閲覧時間と、を特定し、
前記出力部は、前記第1閲覧時間に対応する態様で、前記第1選択画像識別情報に関連付けられた前記第1空間内画像に対応する第1サムネイル画像を出力し、前記第2閲覧時間に対応する態様で、前記第2選択画像識別情報に関連付けられた前記第2空間内画像に対応する第2サムネイル画像を出力する、
情報処理装置。
【請求項9】
空間内の複数の位置から視認される前記空間の複数の領域に対応する複数の空間内画像を閲覧する閲覧者が前記複数の空間内画像から選択した一以上の選択画像を識別するための選択画像識別情報を取得する情報取得部と、
前記閲覧者が選択した前記一以上の選択画像それぞれの閲覧時間を特定する閲覧状態特定部と、
前記閲覧時間に対応する態様で、前記一以上の選択画像に対応する一以上のサムネイル画像を出力する出力部と、
を有し、
前記情報取得部は、前記閲覧者が前記選択画像の閲覧端末に表示された時間を示す閲覧時間情報、及び前記閲覧者が前記閲覧端末において操作した位置を示す操作位置情報又は前記閲覧者が視認した位置を示す視認状態情報をさらに取得し、
前記出力部は、前記情報取得部が取得した前記選択画像識別情報、前記閲覧時間情報及び前記操作位置情報又は前記視認状態情報に基づいて、前記空間内画像に対応する空間又は商品に対する前記閲覧者の検討内容を特定し、特定した前記閲覧者の検討内容に基づいて選択した広告情報を前記閲覧者が使用する端末に出力する、
情報処理装置。
【請求項10】
コンピュータが実行する、
空間内の複数の位置から視認される前記空間の複数の領域に対応する複数の空間内画像を閲覧する閲覧者が前記複数の空間内画像から選択した一以上の選択画像を識別するための選択画像識別情報を取得するステップと、
前記閲覧者が選択した前記一以上の選択画像それぞれの閲覧時間を特定するステップと、
前記閲覧時間に対応する態様で、前記一以上の選択画像に対応する一以上のサムネイル画像を出力するステップと、
前記閲覧者が前記空間内画像において視認した位置である視認位置と、それぞれの前記視認位置が視認された時間である視認時間とを示す視認状態情報をさらに取得するステップと、
前記一以上のサムネイル画像又は前記一以上のサムネイル画像の拡大画像における前記視認位置に、前記視認時間に対応する態様の視認状態表示画像を重ねて出力するステップと、
を有する情報処理方法。
【請求項11】
コンピュータを、
空間内の複数の位置から視認される前記空間の複数の領域に対応する複数の空間内画像を閲覧する閲覧者が前記複数の空間内画像から選択した一以上の選択画像を識別するための選択画像識別情報を取得する情報取得部、
前記閲覧者が選択した前記一以上の選択画像それぞれの閲覧時間を特定する閲覧状態特定部、及び
前記閲覧時間に対応する態様で、前記一以上の選択画像に対応する一以上のサムネイル画像を出力する出力部、
として機能させるためのプログラムであって、
前記情報取得部は、前記閲覧者が前記空間内画像において視認した位置である視認位置と、それぞれの前記視認位置が視認された時間である視認時間とを示す視認状態情報をさらに取得し、
前記出力部は、前記一以上のサムネイル画像又は前記一以上のサムネイル画像の拡大画像における前記視認位置に、前記視認時間に対応する態様の視認状態表示画像を重ねて出力する、
プログラム。
【請求項12】
コンピュータを、
空間内の複数の位置から視認される前記空間の複数の領域に対応する複数の空間内画像を閲覧する閲覧者が前記複数の空間内画像から選択した一以上の選択画像を識別するための選択画像識別情報と、前記閲覧者が前記空間内画像において視認した位置である視認位置を示す視認状態情報と、を取得する情報取得部、
前記閲覧者が選択した前記一以上の選択画像それぞれの閲覧時間を特定する閲覧状態特定部、
前記閲覧時間に対応する態様で、前記一以上の選択画像に対応する一以上のサムネイル画像を出力する出力部、
前記空間内画像に含まれている構図を特定する構図特定部、及び
前記構図特定部が特定した構図と、前記視認状態情報が示す前記視認位置との関係に基づいて、前記閲覧者が前記空間内画像に対して抱いた感情を特定する感情特定部、
として機能させるためのプログラムであって、
前記出力部は、前記感情特定部が特定した感情に対応する態様で、前記一以上のサムネイル画像を出力する、
プログラム。
【請求項13】
コンピュータを、
空間内の複数の位置から視認される前記空間の複数の領域に対応する複数の空間内画像を閲覧する複数の閲覧者が前記複数の空間内画像から選択した一以上の選択画像を識別するための複数の選択画像識別情報を取得する情報取得部、
前記閲覧者が選択した前記一以上の選択画像それぞれの閲覧時間を特定する閲覧状態特定部、及び
前記閲覧時間に対応する態様で、前記一以上の選択画像に対応する一以上のサムネイル画像を出力する出力部、
として機能させるためのプログラムであって、
前記閲覧状態特定部は、前記複数の空間内画像に含まれる2つ以上の空間内画像の複数のセットそれぞれに対して、前記セットに含まれる前記2つ以上の空間内画像が連続して選択された回数である遷移回数を特定し、
前記出力部は、前記遷移回数に対応する態様の結合線で、前記2つ以上の空間内画像に対応する2つ以上の前記サムネイル画像を結合した状態で、前記複数のサムネイル画像を出力する、
プログラム。
【請求項14】
コンピュータを、
空間内の複数の位置から視認される前記空間の複数の領域に対応する複数の空間内画像を閲覧する閲覧者が前記複数の空間内画像から選択した一以上の選択画像を識別するための選択画像識別情報を取得する情報取得部、
前記閲覧者が選択した前記一以上の選択画像それぞれの閲覧時間を特定する閲覧状態特定部、及び
前記閲覧時間に対応する態様で、前記一以上の選択画像に対応する一以上のサムネイル画像を前記空間のレイアウトを示すレイアウト図に重ねて出力する出力部、
として機能させるためのプログラムであって、
前記情報取得部は、前記レイアウト図において選択された経路を示す経路情報をさらに取得し、
前記出力部は、前記複数の空間内画像のうち、前記経路情報が示す経路に対応する一以上の空間内画像に対応する一以上のサムネイル画像を特定するための情報を出力する、
プログラム。
【請求項15】
コンピュータを、
空間内の複数の位置から視認される前記空間の複数の領域に対応する複数の空間内画像を閲覧する閲覧者が前記複数の空間内画像から選択した一以上の選択画像を識別するための選択画像識別情報を取得する情報取得部、
前記閲覧者が選択した前記一以上の選択画像それぞれの閲覧時間を特定する閲覧状態特定部、及び
前記閲覧時間に対応する態様で、前記一以上の選択画像に対応する一以上のサムネイル画像を出力する出力部、
として機能させるためのプログラムであって、
前記情報取得部は、1つの空間に対応する第1空間内画像に対応する第1選択画像識別情報と、前記1つの空間に対応し、前記第1空間内画像と撮影位置又は撮影方向が異なる第2空間内画像に対応する第2選択画像識別情報と、を取得し、
前記閲覧状態特定部は、前記第1空間内画像の第1閲覧時間と、前記第2空間内画像の第2閲覧時間と、を特定し、
前記出力部は、前記第1閲覧時間に対応する態様で、前記第1選択画像識別情報に関連付けられた前記第1空間内画像に対応する第1サムネイル画像を出力し、前記第2閲覧時間に対応する態様で、前記第2選択画像識別情報に関連付けられた前記第2空間内画像に対応する第2サムネイル画像を出力する、
プログラム。
【請求項16】
コンピュータを、
空間内の複数の位置から視認される前記空間の複数の領域に対応する複数の空間内画像を閲覧する閲覧者が前記複数の空間内画像から選択した一以上の選択画像を識別するための選択画像識別情報を取得する情報取得部、
前記閲覧者が選択した前記一以上の選択画像それぞれの閲覧時間を特定する閲覧状態特定部、及び
前記閲覧時間に対応する態様で、前記一以上の選択画像に対応する一以上のサムネイル画像を出力する出力部、
として機能させるためのプログラムであって、
前記情報取得部は、前記閲覧者が前記選択画像の閲覧端末に表示された時間を示す閲覧時間情報、及び前記閲覧者が前記閲覧端末において操作した位置を示す操作位置情報又は前記閲覧者が視認した位置を示す視認状態情報をさらに取得し、
前記出力部は、前記情報取得部が取得した前記選択画像識別情報、前記閲覧時間情報及び前記操作位置情報又は前記視認状態情報に基づいて、前記空間内画像に対応する空間又は商品に対する前記閲覧者の検討内容を特定し、特定した前記閲覧者の検討内容に基づいて選択した広告情報を前記閲覧者が使用する端末に出力する、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空間の様子を示す画像に関する情報を処理する情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、住宅展示場又は店舗等の室内空間を仮想空間上で再現したVR(Virtual Reality)画像を表示して、実際の室内空間を歩いているような体験を閲覧者にさせるための技術が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2006-40053号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
住宅展示場又は店舗等に顧客が訪問している場合、営業担当者は、顧客の様子を見ながら説明することで、顧客が建物、空間又は空間内に設置された商品(以下、「商品等」という場合がある)にどのような印象を持っているかを把握することができる。しかしながら、仮想空間上で再現された画像を顧客が閲覧している場合、実在の住宅展示場又は店舗等に比べて多数の人が商品等を閲覧することができるが、商品等を販売している企業の担当者は、顧客が商品等にどのような印象を持っているかを把握することが困難であるという問題が生じていた。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、顧客が所定の建物、空間、又は空間内の商品等にどのような印象を持っているかを把握しやすくするための情報処理装置、情報処理方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様の情報処理装置は、空間内の複数の位置から視認される前記空間の複数の領域に対応する複数の空間内画像を閲覧する閲覧者が前記複数の空間内画像から選択した一以上の選択画像を識別するための選択画像識別情報を取得する情報取得部と、前記閲覧者が選択した前記一以上の選択画像それぞれの閲覧時間を特定する閲覧状態特定部と、前記閲覧時間に対応する態様で、前記一以上の選択画像に対応する一以上のサムネイル画像を出力する出力部と、を有する。
【0007】
前記情報取得部は、前記閲覧者が前記空間内画像において視認した位置である視認位置と、それぞれの前記視認位置が視認された時間である視認時間とを示す視認状態情報をさらに取得し、前記出力部は、前記一以上のサムネイル画像又は前記一以上のサムネイル画像の拡大画像における前記視認位置に、前記視認時間に対応する態様の視認状態表示画像を重ねて出力してもよい。
【0008】
前記情報取得部は、前記閲覧者が前記空間内画像を閲覧している間の前記閲覧者の生体情報をさらに取得し、前記出力部は、前記生体情報に基づいて前記視認時間を重みづけした結果に対応する態様の前記視認状態表示画像を出力してもよい。
【0009】
前記出力部は、前記複数の空間内画像内で前記閲覧者が視認した位置における前記視認時間に基づいて、前記閲覧者から所定の操作を受け付けるためのアイコン画像を配置する位置を決定し、決定した位置を示すデータを出力してもよい。
【0010】
前記情報取得部は、前記閲覧者が前記空間内画像において視認した位置である視認位置を示す視認状態情報をさらに取得し、前記情報処理装置は、前記空間内画像に含まれている構図を特定する構図特定部と、前記構図特定部が特定した構図と、前記視認状態情報が示す前記視認位置との関係に基づいて、前記閲覧者が前記空間内画像に対して抱いた感情を特定する感情特定部と、をさらに有し、前記出力部は、前記感情特定部が特定した感情に対応する態様で、前記一以上のサムネイル画像を出力してもよい。
【0011】
前記情報取得部は、複数の前記閲覧者に対応する複数の前記選択画像識別情報を取得し、前記出力部は、前記複数の閲覧者に対応する複数の前記閲覧時間の統計値に対応する態様で、前記複数の空間内画像に対応する複数の前記サムネイル画像を出力してもよい。
【0012】
前記閲覧状態特定部は、前記複数の空間内画像に含まれる2つ以上の空間内画像の複数のセットそれぞれに対して、前記セットに含まれる2つ以上の空間内画像が連続して選択された回数である遷移回数を特定し、前記出力部は、前記遷移回数に対応する態様の結合線で、前記2つの空間内画像に対応する2つ以上の前記サムネイル画像を結合した状態で、前記複数のサムネイル画像を出力してもよい。
【0013】
前記出力部は、前記複数の閲覧者に対応する前記複数の閲覧時間の統計値に対応する態様で前記複数のサムネイル画像を出力する第1モードと、前記複数の閲覧者のうちの一人の閲覧者に対応する前記閲覧時間に対応する態様で前記複数のサムネイル画像を出力する第2モードとを切り替えてもよい。
【0014】
前記出力部は、前記空間のレイアウトを示すレイアウト図に重ねて出力し、前記情報取得部は、前記レイアウト図において選択された経路を示す経路情報をさらに取得し、前記出力部は、前記複数の空間内画像のうち、前記経路情報が示す経路に対応する一以上の空間内画像に対応する一以上のサムネイル画像を特定するための情報を出力してもよい。
【0015】
前記情報取得部は、1つの空間に対応する第1空間内画像に対応する第1選択画像識別情報と、前記1つの空間に対応し、前記第1空間内画像と撮影位置又は撮影方向が異なる第2空間内画像に対応する第2選択画像識別情報と、を取得し、前記閲覧状態特定部は、前記第1空間内画像の第1閲覧時間と、前記第2空間内画像の第2閲覧時間と、を特定し、前記出力部は、前記第1閲覧時間に対応する態様で、前記第1選択画像識別情報に関連付けられた前記第1空間内画像に対応する第1サムネイル画像を出力し、前記第2閲覧時間に対応する態様で、前記第2選択画像識別情報に関連付けられた前記第2空間内画像に対応する第2サムネイル画像を出力してもよい。
【0016】
前記情報取得部は、前記閲覧者が前記選択画像の閲覧端末に表示された時間を示す閲覧時間情報、及び前記閲覧者が前記閲覧端末において操作した位置を示す操作位置情報又は前記閲覧者が視認した位置を示す視認状態情報をさらに取得し、前記出力部は、前記情報取得部が取得した前記選択画像識別情報、前記閲覧時間情報及び前記操作位置情報又は前記視認状態情報に基づいて、前記空間内画像に対応する空間又は商品に対する前記閲覧者の検討内容を特定し、特定した前記閲覧者の検討内容に基づいて選択した広告情報を前記閲覧者が使用する端末に出力してもよい。
【0017】
本発明の第2の態様の情報処理方法は、コンピュータが実行する、空間内の複数の位置から視認される前記空間の複数の領域に対応する複数の空間内画像を閲覧する閲覧者が前記複数の空間内画像から選択した一以上の選択画像を識別するための選択画像識別情報を取得するステップと、前記閲覧者が選択した前記一以上の選択画像それぞれの閲覧時間を特定するステップと、前記閲覧時間に対応する態様で、前記一以上の選択画像に対応する一以上のサムネイル画像を出力するステップと、を有する。
【0018】
本発明の第3の概要のプログラムは、コンピュータを、空間内の複数の位置から視認される前記空間の複数の領域に対応する複数の空間内画像を閲覧する閲覧者が前記複数の空間内画像から選択した一以上の選択画像を識別するための選択画像識別情報を取得する情報取得部、前記閲覧者が選択した前記一以上の選択画像それぞれの閲覧時間を特定する閲覧状態特定部、及び前記閲覧時間に対応する態様で、前記一以上の選択画像に対応する一以上のサムネイル画像を出力する出力部、として機能させる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、顧客が所定の建物、空間、又は空間内の商品等にどのような印象を持っているかを把握しやすくなるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】情報処理システムの概要を説明するための図である。
図2】情報処理装置の構成を示す図である。
図3】出力部が出力する画像の一例を示す図である。
図4】出力部が出力するサムネイル画像の他の例を示す図である。
図5】管理者端末が表示するサムネイル画像とレイアウト図を含む画面の一例を示す図である。
図6】管理者端末が表示するサムネイル画像とレイアウト図を含む画面の一例を示す図である。
図7】出力部が出力する週単位の分析結果の一例を示す図である。
図8】情報処理システムにおける処理の流れを示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
[情報処理システムSの概要]
図1は、情報処理システムSの概要を説明するための図である。情報処理システムSは、空間内を視認した状態を示す複数の空間内画像を閲覧者が閲覧することを可能にするとともに、複数の空間内画像を閲覧した閲覧者の状態を分析することを可能にするシステムである。閲覧者は、空間内の複数の位置から視認される空間の複数の領域に対応する複数の空間内画像を閲覧する人である。閲覧者の状態は、閲覧者が閲覧した空間内画像が示す空間若しくは空間内画像に含まれている商品を閲覧した時間、視認した位置、閲覧者が商品等に抱いている印象、又は閲覧者の感情等により表される。
【0022】
情報処理システムSは、画像提供装置1と、管理者端末2と、閲覧端末3と、情報処理装置4と、を備える。画像提供装置1、管理者端末2、閲覧端末3及び情報処理装置4は、インターネット等のネットワークNを介して各種のデータを送受信する。
【0023】
複数の空間内画像は、例えば、閲覧者が住宅やオフィス等の不動産の購入若しくは賃貸に際して不動産を内覧するための画像、商品を販売する店舗若しくはショールーム等のように商品を購入するための空間を示す画像、又は観光地、テーマパーク若しくは博物館等のように体験サービスを受ける空間を示す画像等である。空間内画像は例えば仮想現実画像(VR画像)であり、建物内の空間が実際に撮影されることにより作成された画像であってもよく、コンピュータグラフィックス技術を用いて作成された画像であってもよい。
【0024】
画像提供装置1は、閲覧者に閲覧させる複数の空間内画像を記憶しているサーバである。画像提供装置1は、例えば、住宅展示場、不動産会社、又は商品を販売する店舗を運営する事業者により管理されている。
【0025】
画像提供装置1は、例えばHTML(Hyper Text Markup Language)のようなマークアップ言語で記述されたウェブサイトを介して複数の空間内画像を閲覧者が閲覧可能な態様で、閲覧者が使用する閲覧端末3に複数の空間内画像を示すデータ(すなわち空間内画像データ)を提供する。当該マークアップ言語には、閲覧者が複数の空間内画像を閲覧している状況を情報処理装置4が送信するためのスクリプトが埋め込まれている。
【0026】
スクリプトにおいては、閲覧端末3が表示した空間内画像を識別するための選択画像識別情報(以下、「選択画像ID」という)、それぞれの空間内画像が閲覧端末3に表示された閲覧時間を示す閲覧時間情報、閲覧者が閲覧端末3において操作した位置を示す操作位置情報又は閲覧者が視認した位置を示す視認状態情報等を送信するためのコマンドが記述されている。当該スクリプトは、例えば、情報処理装置4を管理する事業者から画像提供装置1を管理する事業者に提供される。スクリプトは、APIとして構成されたものであってもよい。
【0027】
管理者端末2は、画像提供装置1又は複数の空間内画像を管理する管理者が使用するコンピュータである。管理者端末2は、画像提供装置1が提供する複数のウェブサイトのうち、一部のウェブサイトのみを管理する管理者が使用するコンピュータであってもよい。管理者端末2は、管理者により格納された複数の空間内画像を、ネットワークNを介して画像提供装置1にアップロードする。
【0028】
また、管理者端末2は、閲覧者による複数の空間内画像の閲覧結果が分析された結果を閲覧端末3から受信し、受信した結果を出力する。出力結果には、閲覧者が複数の空間内画像のうちどの空間内画像に関心を持ったか、又は空間内画像内のどこを視認したかを示す情報が含まれている。管理者は、当該出力結果を見ることにより、閲覧者に適切な説明を行ったり、空間内画像の内容(例えば撮影位置、撮影方向又は構図)を改善したりすることが可能になる。
【0029】
閲覧端末3は、閲覧者が複数の空間内画像を閲覧するために用いられる端末であり、例えばコンピュータ、スマートフォン又はタブレットである。閲覧端末3は、閲覧者が所有する端末であってもよく、住宅展示場又は店舗に設置された端末であってもよい。閲覧端末3は、画像提供装置1から受信したマークアップ言語に記述された処理を実行することにより、空間内画像を示す空間内画像データを受信し、受信した空間内画像データに基づく画像をディスプレイに表示する。
【0030】
閲覧者が閲覧端末3を操作して住宅展示場又は店舗等のウェブサイトにアクセスすると、閲覧端末3は、閲覧者が選択可能な状態で複数の空間内画像を表示する。図1に示す例においては、閲覧端末3は、複数の空間内画像を一覧表示しており、複数の空間内画像のうちの1枚の空間内画像を閲覧者が選択すると、選択された空間内画像を表示する。閲覧端末3は、空間内画像を1枚ずつ表示し、表示する空間内画像を切り替えるためのアイコンを閲覧者が選択したことに応じて、表示する空間内画像を切り替えてもよい。空間内画像が、例えば全方位カメラで撮影された画像である場合、閲覧端末3は、閲覧者の操作に基づいて、表示する空間内画像の視認方向を変化させてもよい。
【0031】
閲覧端末3は、画像提供装置1から送信されたマークアップ言語に埋め込まれているスクリプトを実行することにより、閲覧者が空間内画像を閲覧している状態を示す情報を情報処理装置4に送信する。閲覧端末3は、例えば、閲覧者が複数の空間内画像から選択した一以上の選択画像を識別するための選択画像ID、それぞれの空間内画像が閲覧端末3に表示された閲覧時間を示す閲覧時間情報、又は閲覧者が空間内画像において視認した位置である視認位置を示す視認状態情報等を情報処理装置4に送信する。視認状態情報は、それぞれの視認位置が視認された時間である視認時間をさらに含んでいてもよい。なお、閲覧端末3が視線位置を特定する手段は任意であるが、閲覧端末3は、例えば閲覧者の目を撮影して作成された撮像画像における瞳孔の向きに基づいて視線位置を特定する。
【0032】
閲覧端末3は、空間内画像を閲覧している閲覧者の生体情報を取得する生体情報取得装置を備えていてもよい。生体情報は、例えば脳波、心拍、脈波、発汗量、皮膚電位又は体温である。閲覧端末3は、取得した生体情報を情報処理装置4に送信する。閲覧端末3が各種の情報を送信するタイミングは任意であるが、閲覧端末3は、例えばスクリプトに記述された時間間隔(一例として30秒間隔)や視認時間の取得間隔(一例として視認時間のヒートマップ用に取得している0.05秒間隔)で各種の情報を送信する。
【0033】
情報処理装置4は、閲覧端末3から受信した選択画像ID、閲覧時間情報、視認状態情報又は生体情報等に基づいて、空間内画像が閲覧された状態を分析するためのコンピュータである。情報処理装置4は、分析した結果をディスプレイに表示したり、印刷したり、外部装置に送信したりする。以下の説明においては、情報処理装置4が、分析結果を管理者端末2に送信する場合の動作を主に例示する。
【0034】
[情報処理装置4の構成]
図2は、情報処理装置4の構成を示す図である。情報処理装置4は、通信部41と、記憶部42と、制御部43と、を有する。制御部43は、情報取得部431と、閲覧状態特定部432と、出力部433と、構図特定部434と、感情特定部435と、を有する。
【0035】
通信部41は、ネットワークNを介して画像提供装置1、管理者端末2又は閲覧端末3との間でデータを送受信するための通信インターフェースを有する。通信部41は、画像提供装置1から受信した空間内画像データ、及び閲覧端末3から受信した選択画像ID、閲覧時間情報、視認状態情報又は生体情報等を情報取得部431に入力する。また、通信部41は、出力部433から入力された分析結果を示すデータを管理者端末2に向けて送信する。
【0036】
記憶部42は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)及びハードディスク等の記憶媒体を含む。記憶部42は、画像提供装置1から受信した空間内画像データを、空間内画像データを識別するための空間内画像識別情報(以下、「空間内画像ID」という)に関連付けて記憶する。また、記憶部42は、制御部43が実行するプログラムを記憶する。
【0037】
制御部43は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。制御部43は、記憶部42に記憶されたプログラムを実行することにより、情報取得部431、閲覧状態特定部432、出力部433、構図特定部434及び感情特定部435として機能する。
【0038】
情報取得部431は、通信部41が受信した各種の情報を取得する。情報取得部431は、例えば、閲覧端末3が送信した選択画像ID、閲覧時間情報、視認状態情報又は生体情報を取得する。情報取得部431は、取得した選択画像ID、閲覧時間情報及び視認状態情報を閲覧状態特定部432に入力する。また、情報取得部431は、取得した選択画像ID及び生体情報を構図特定部434に入力する。情報取得部431は、取得した情報の少なくとも一部を出力部433に入力してもよい。
【0039】
情報取得部431は、複数の閲覧端末3が送信した複数の閲覧者に対応する複数の選択画像ID、閲覧時間情報、視認状態情報又は生体情報を取得する。情報取得部431は、閲覧者を識別するための閲覧者IDに関連付けてこれらの情報を取得してもよく、閲覧者IDに関連付けることなくこれらの情報を取得してもよい。
【0040】
閲覧状態特定部432は、閲覧者が選択した一以上の選択画像それぞれの閲覧状態(例えば閲覧時間又は閲覧位置)を特定する。閲覧状態特定部432は、特定した閲覧状態を出力部433に通知する。閲覧状態特定部432は、複数の閲覧端末3から受信した複数の選択画像IDに対応する複数の空間内画像の閲覧状態を集計し、空間内画像IDに関連付けて、集計した結果を出力部433に通知する。
【0041】
閲覧状態特定部432は、例えば、情報取得部431から入力された選択画像IDと閲覧時間情報とに基づいて、それぞれの選択画像が連続して閲覧された時間を特定する。また、閲覧状態特定部432は、情報取得部431から入力された選択画像IDと視認状態情報とに基づいて、それぞれの選択画像において閲覧者が視認した位置、及びそれぞれの位置を閲覧者が視認した時間を特定する。閲覧状態特定部432は、複数の閲覧端末3が送信した選択画像ID及び閲覧時間情報に基づいて、複数の閲覧者に対応する複数の閲覧時間の統計値(例えば、平均値、中央値、最小値又は最大値)を特定してもよい。
【0042】
閲覧状態特定部432は、複数の空間内画像に含まれる2つ以上の空間内画像の複数のセットそれぞれに対して、セットに含まれる2つ以上の空間内画像が連続して選択された回数である遷移回数を特定してもよい。閲覧状態特定部432は、例えば複数の閲覧端末3が選択画像IDを送信した順序に基づいて、閲覧者が複数の空間内画像を閲覧した順序を特定する。そして、第1の空間内画像が選択された後に第2の空間内画像が選択された回数を遷移回数としてカウントする。
【0043】
閲覧状態特定部432は、例えば、エントランスの空間内画像を閲覧した後に廊下Aの空間内画像を閲覧した閲覧者が60人いる場合、エントランスから廊下Aに遷移した回数を60回と特定する。閲覧状態特定部432は、例えば、エントランスの空間内画像を閲覧した後に廊下Bの空間内画像を閲覧した閲覧者が40人いる場合、エントランスから廊下Bに遷移した回数を40回と特定する。
【0044】
閲覧状態特定部432は、特定した遷移回数に基づいて、2つの空間内画像のセットそれぞれに対して、閲覧者が遷移した割合を特定してもよい。上述の例の場合、閲覧状態特定部432は、エントランスから廊下Aに遷移した割合を60%、エントランスから廊下Bに遷移した割合を40%と特定する。閲覧状態特定部432は、特定した遷移回数又は割合を出力部433に通知する。
【0045】
出力部433は、閲覧状態特定部432が特定した閲覧状態(例えば閲覧時間又は閲覧位置)に対応する態様で、一以上の選択画像に対応する一以上のサムネイル画像を出力する。サムネイル画像は、空間内画像と同一の画像又は空間内画像が縮小された画像である。出力部433は、一以上のサムネイル画像に分析結果を示す画像を重ねた状態で一以上のサムネイル画像データを出力する。出力部433は、例えば、分析結果を要求した管理者端末2に対して、分析結果を含むサムネイル画像データを送信して、当該サムネイル画像データを管理者端末2に表示させる。
【0046】
図3は、出力部433が出力する画像の一例を示す図である。図3は、建物内の複数の部屋に対応する複数のサムネイル画像を示している。出力部433は、例えば、閲覧者の閲覧時間が長い空間内画像に対応するサムネイル画像の枠線を、閲覧時間が長い空間内画像に対応するサムネイル画像の枠線よりも太い態様で表示する。
【0047】
図3に示す例においては、リビング及びキッチンの空間内画像の枠線が他の部屋の空間内画像の枠線よりも太く、閲覧者が、リビング及びキッチンの空間内画像の閲覧時間が、他の部屋の空間内画像の閲覧時間よりも長いことを示している。出力部433は、閲覧時間によって色が異なる態様の枠線を出力してもよい。出力部433が、このように閲覧時間に応じた態様でサムネイル画像を出力することで、空間内画像を管理する管理者が、当該サムネイル画像を含む分析結果を見ることで、閲覧者がどの空間内画像に対応する空間に関心を持っていたかを把握しやすくなる。
【0048】
出力部433は、複数の閲覧者に対応する複数の閲覧時間の統計値に対応する態様で複数のサムネイル画像を出力する第1モードと、複数の閲覧者のうちの一人の閲覧者に対応する閲覧時間に対応する態様で複数のサムネイル画像を出力する第2モードとを切り替えてもよい。第1モードにおいて、出力部433は、例えば、複数の閲覧者に対応する複数の閲覧時間の統計値に対応する態様で、複数の空間内画像に対応する複数のサムネイル画像を出力する。
【0049】
出力部433がこのようなサムネイル画像を出力することで、当該サムネイル画像を見る管理者が、多くの閲覧者がどの空間内画像に対応する空間に関心を持っていたかという傾向を把握しやすくなる。例えば多数の閲覧者が、天井の照明を全く視認していないということが特定された場合、照明は簡素なものであっても閲覧者の意思決定に大差ないということを管理者が確認することができるので、管理者が提供する建物又は空間の仕様の決定に活かすことができる。
【0050】
一方、第2モードにおいて、出力部433は、閲覧者IDに関連付けて、当該閲覧者IDに対応する閲覧者の各空間内画像の閲覧時間の長さに対応する態様で複数のサムネイル画像を出力する。出力部433が、このように閲覧者IDに関連付けてサムネイル画像を出力することで、例えば閲覧者に対して営業をする担当者が、閲覧者が関心を持っている箇所を把握した上で閲覧者に各種の説明をすることが可能になる。
【0051】
また、図3に示すように、出力部433は、閲覧状態特定部432から通知された遷移回数に対応する態様の結合線(例えば図3における両方向矢印)で、2つ以上の空間内画像に対応する2つ以上のサムネイル画像を結合した状態で、複数のサムネイル画像を出力してもよい。図3に示す例において、閲覧者がエントランスと廊下Aとの間で遷移した回数の方がエントランスと廊下Bとの間で遷移した回数よりも多いため、出力部433は、エントランスと廊下Aとを結ぶ結合線を、エントランスと廊下Bとを結ぶ結合線よりも太く表示している。閲覧者が廊下Aとリビングとの間で遷移した回数は、エントランスと廊下Aとの間で遷移した回数よりも多いため、出力部433は、廊下Aとリビングとを結ぶ結合線を、エントランスと廊下Aとを結ぶ結合線よりもさらに太く表示している。出力部433がこのような結合線を出力することで、空間内画像を提供する管理者が、閲覧者の遷移の傾向を把握して、管理者が期待するように閲覧者が遷移するための空間内画像の配置を改善したり、動線を把握して建物の設計にフィードバックしたりすることが可能になる。
【0052】
なお、図3においては、出力部433が、閲覧者が2つの空間内画像を遷移した向きによらず、いずれかの向きに遷移した回数が多ければ多いほど太い結合線を表示する場合を例示しているが、出力部433は、向きごとに異なる結合線を出力してもよい。この場合、出力部433は、閲覧者が廊下Aからリビングに遷移する回数の方が、リビングから廊下Aに遷移する回数よりも多い場合、廊下Aからリビングに向かう結合線を、リビングから廊下Aに向かう結合線よりも太い線にする。出力部433がこのような結合線を出力することで、空間内画像を提供する管理者は、閲覧者が閲覧する空間内画像の遷移の傾向をより正確に把握することができる。
【0053】
図4は、出力部433が出力するサムネイル画像の他の例を示す図である。図4(a)に示すように、出力部433は、一以上のサムネイル画像又は一以上のサムネイル画像の拡大画像における視認位置に、視認時間に対応する態様の視認状態表示画像Hを重ねて出力してもよい。視認状態表示画像Hは、閲覧者が視認した位置を示す所定の色の画像である。出力部433は、それぞれの視認位置が視認された時間の長さに応じて異なる色又は異なる模様の視認状態表示画像Hをサムネイル画像又は拡大画像に重ねて出力してもよい。この場合の視認状態表示画像Hは、いわゆるヒートマップ画像であり、空間内画像を提供する管理者は、視認状態表示画像Hを見ることにより、閲覧者が空間内画像におけるどの位置に関心を持っていたかを容易に把握することが可能になる。
【0054】
出力部433は、情報取得部431が閲覧端末3から取得した生体情報に基づいて視認時間を重みづけした結果に対応する態様の視認状態表示画像Hを出力してもよい。出力部433は、例えば、視認時間が閾値以上の視認位置を閲覧者が視認している間の生体情報が、閲覧者がリラックスしていることを示している場合等に、実際の視認時間よりも長い視認時間に対応する態様の視認状態表示画像Hを出力する。
【0055】
一例として、出力部433は、空間内画像を閲覧している閲覧者のリラックスの度合いによって異なる態様で、図5に示すようなサムネイル画像や視認状態表示画像Hを出力してもよい。出力部433は、例えば、閲覧者がリラックスしている時に図4(b)に示すような破線の枠線を表示し、リラックスの度合いが向上した場合に図4(c)に示すように実線の枠線を表示する。出力部433は、閲覧者がリラックスしている時に赤色の枠線を表示し、リラックスの度合いが向上した場合に枠線の色を変化させて、例えば青色に近づけてもよい。
【0056】
出力部433は、逆に、視認時間が閾値以上の視認位置を閲覧者が視認している間の生体情報が、閲覧者の平常時の生体情報と同等である場合に、実際の視認時間よりも短い視認時間に対応する態様の視認状態表示画像Hを出力してもよい。このように、出力部433が、生体情報により視認時間を重み付けして作成した視認状態表示画像Hを出力することで、空間内画像を管理する管理者が、閲覧者が関心を持っている位置をさらに把握しやすくなる。
【0057】
なお、出力部433が分析結果を含むサムネイル画像を更新するタイミングは任意であるが、出力部433は、例えば情報取得部431が新たな選択画像ID及び閲覧状態情報等を受信するたびに分析結果を更新する。情報取得部431は、多数の閲覧端末3から選択画像ID及び閲覧状態情報を受信しているので、出力部433は、実質的にリアルタイムに分析結果を更新する。出力部433がこのように動作することで、管理者端末2を使用する管理者は、閲覧者の最新の状態を確認することができる。
【0058】
(構図に基づく閲覧者の感情の特定)
構図特定部434は、空間内画像に含まれている構図を特定する。構図特定部434は、例えば、情報取得部431から取得した選択画像IDに対応する空間内画像IDに関連付けて予め記憶部42に記憶されている空間内画像に含まれている輪郭線を抽出し、抽出した輪郭線に基づいて、空間内画像における各領域が一点透視の構図が含まれている領域か、二点透視の構図が含まれている領域かを特定する。一点透視の構図は、1つの消失点のみ有する構図である。二点透視の構図は、2つの消失点を有する構図である。構図特定部434は、特定した構図を感情特定部435に通知する。構図特定部434は、空間内画像における位置を示す座標情報に関連付けて、特定した構図を感情特定部435に通知してもよい。
【0059】
感情特定部435は、構図特定部434が特定した構図と、視認状態情報が示す視認位置との関係に基づいて、閲覧者が空間内画像に対して抱いた感情を特定する。感情特定部435は、例えば、一点透視の構図が含まれていると構図特定部434が特定した領域を閲覧者が視認していると判定した場合、閲覧者が安定感を抱いていることを特定する。一方、感情特定部435は、二点透視の構図が含まれていると構図特定部434が特定した領域を閲覧者が視認していると判定した場合、閲覧者が開放感を抱いていることを特定する。感情特定部435は、特定した閲覧者の感情を出力部433に通知する。
【0060】
感情特定部435は、閲覧者が空間内画像に対して抱いた感情を特定する際に、他の情報をさらに用いてもよい。感情特定部435は、例えば閲覧者が空間内画像を閲覧している間に取得された生体情報を情報取得部431から取得し、取得した生体情報に基づいて、閲覧者の感情を特定してもよい。感情特定部435は、例えば閲覧者の心拍数が上昇した場合、閲覧者が閲覧している空間内画像に高い関心を抱いたことを特定する。
【0061】
また、感情特定部435は、閲覧者が空間内画像を閲覧している間の閲覧者の視線の動きに基づいて閲覧者の感情を特定してもよい。感情特定部435は、閲覧者が同じ視認対象を所定の時間(例えば0.2秒以上1秒未満)にわたって視認し続ける「確認」をしている場合、視認対象が何であるかを把握できていないことを特定する。感情特定部435は、閲覧者が同じ視認対象を所定の時間以上(例えば1秒以上)にわたって視認し続けている「注視」をしている場合、閲覧者が視認対象に対して高い関心を持っていることを特定する。感情特定部435は、閲覧者が同じ視認対象を短時間(例えば0.2秒以下)だけ視認した後に、他の視認対象を短時間だけ視認するという動作を繰り返す「見回し」をしている場合、視認対象に関心を抱いていないことを特定する。
【0062】
出力部433は、感情特定部435が特定した感情に対応する態様で、一以上のサムネイル画像を出力する。出力部433は、例えば、閲覧者が安定感を抱いていることを特定した場合、及び開放感を抱いていることを特定した場合のそれぞれに対応する態様の枠線で複数のサムネイル画像を囲んだ状態で、複数のサムネイル画像を出力する。出力部433は、構図特定部434が構図を特定することができた空間内画像に対応するサムネイル画像のみを閲覧者の感情に対応する態様で出力してもよい。
【0063】
出力部433は、サムネイル画像において、構図特定部434が一点透視の構図又は二点透視の構図を特定した領域を示す画像をサムネイル画像に重ねて出力してもよい。出力部433が、サムネイル画像に関連付けて閲覧者の感情を示す情報を出力することで、空間内画像を提供する管理者は、閲覧者が空間内画像を閲覧した時の閲覧者の感情を参考にして、閲覧者向けの建物の設計をしたり、閲覧者の感情に応じた説明をしたりすることが可能になる。
【0064】
(レイアウト図の表示)
出力部433は、サムネイル画像とともに、空間内画像に対応する空間のレイアウトを示すレイアウト図を管理者端末2に表示させてもよい。図5及び図6は、管理者端末2が表示するサムネイル画像とレイアウト図を含む画面の一例を示す図である。図5(a)及び図6(a)はサムネイル画像を示しており、図5(b)及び図6(b)はレイアウト図を示している。レイアウト図内の△マークは空間内画像が撮影された地点を示しており、△マークにおける黒い部分が、撮影の向きを示している。
【0065】
図5(b)及び図6(b)における破線の矢印は、管理者端末2の管理者が入力した経路を示している。情報取得部431は、管理者が入力した経路を示す経路情報を取得し、取得した経路情報を出力部433に通知する。出力部433は、複数の空間内画像のうち、経路情報が示す経路に対応する一以上の空間内画像に対応する一以上のサムネイル画像を特定するための情報を出力する。
【0066】
図5に示す例の場合、管理者により、図5(b)に示す経路K1が入力され、出力部433は、図5(a)に示すように、経路K1に対応する複数のサムネイル画像を囲む破線R1を管理者端末2に表示させる。このように、出力部433が経路に対応するサムネイル画像を特定するための情報を出力することで、空間内画像を管理する管理者は、閲覧者が抱いている印象を確認したい場所のサムネイル画像を容易に確認することが可能になる。
【0067】
図6に示す例の場合、管理者により、図6(b)に示す経路K2が入力され、出力部433は、図6(a)に示すように、経路K2に対応する複数のサムネイル画像を囲む破線R2を管理者端末2に表示させる。図5及び図6に示す一部のサムネイル画像は、例えば閲覧者が閲覧した時間の長さや閲覧者の感情に対応する態様の枠線で囲まれている。このように、出力部433が、閲覧者が閲覧した時間の長さや閲覧者の感情に対応する態様の画像をレイアウト図及びサムネイル画像とともに出力することで、管理者は、どの場所で閲覧者がどのような印象を持ったかを容易に把握することが可能になる。
【0068】
さらに、管理者は、レイアウト図において入力する経路を変更しながら、サムネイル画像に表示される閲覧時間や閲覧者の感情を確認することにより、どの経路で部屋に入る方がリラックスして部屋を見ることができるかといった点を確認することができる。例えば、図5(a)に示す実線の枠線が、閲覧者が安定感を抱いたことを示し、図6(b)に示す破線の枠線が、閲覧者が開放感を抱いたことを示している場合、管理者は、開放感をアピールしたい部屋を閲覧する経路として、図6(b)に示す経路K2の方が適しているということを確認することができる。出力部433は、数種類の経路の中から成約し易い経路のみを表示させたり、成約し易い経路を強調表示したりしてもよい。
【0069】
(操作用アイコンの配置の最適化)
情報処理システムSにおいては、閲覧者が、空間内画像を閲覧している間に追加情報を見たり、電子コマースサイト等の外部リンクにアクセスしたりするための操作を行うことができる。そのために、閲覧端末3は、閲覧者が所定の操作を行うためのアイコン画像を空間内画像に重ねて表示する。この場合、閲覧者がアイコン画像を操作する確率を高めるためには、閲覧者が視認する確率が高い位置にアイコン画像を配置することが望ましい。
【0070】
そこで、出力部433は、閲覧者が複数の空間内画像内で視認した位置における視認時間に基づいて、閲覧者から所定の操作を受け付けるためのアイコン画像を配置する位置を決定し、決定した位置を示すデータを出力してもよい。具体的には、出力部433は、多数の閲覧者が視認している時間が比較的長い位置にアイコン画像を配置するように決定し、空間内画像IDに関連付けて、決定した位置の座標を管理者端末2に送信する。出力部433は、空間内画像データ又はサムネイル画像データに所定のマークを重ねた状態の画像データを管理者端末2に出力してもよい。
【0071】
管理者端末2の管理者は、出力部433が出力したデータが示す位置にアイコン画像を配置した空間内画像データを作成し、作成した空間内画像データを閲覧端末3に送信する。出力部433がこのように動作することで、閲覧者が視認しやすい位置に操作を受け付けるためのアイコン画像が配置された空間内画像が閲覧端末3に表示されるので、閲覧者がアイコン画像を用いて操作をする確率が向上する。その結果、例えば、アイコン画像が操作させることにより商品が購入される確率、又は他のサイトがアクセスされる確率が向上する。
【0072】
(撮影視点の違いによる比較)
1つの空間を撮影した画像であっても、撮影された位置及び撮影方向によって閲覧者が受ける印象が異なる。そこで、どの位置及び方向に対応する空間内画像が望ましいかを管理者が確認できるように、情報処理装置4は、撮影位置又は撮影方向が異なる複数の空間内画像のそれぞれの閲覧時間、又は感情特定部435が特定した閲覧者の感情に対応する態様の複数のサムネイル画像を出力してもよい。
【0073】
この場合、情報取得部431は、1つの空間に対応する第1空間内画像に対応する第1選択画像識別情報と、当該1つの空間に対応し、第1空間内画像と撮影位置又は撮影方向が異なる第2空間内画像に対応する第2選択画像識別情報と、を取得する。閲覧状態特定部432は、第1空間内画像の第1閲覧時間と第2空間内画像の第2閲覧時間とを特定する。出力部433は、第1閲覧時間に対応する態様で、第1選択画像識別情報に関連付けられた第1空間内画像に対応する第1サムネイル画像を出力し、第2閲覧時間に対応する態様で、第2選択画像識別情報に関連付けられた第2空間内画像に対応する第2サムネイル画像を出力する。
【0074】
管理者は、第1サムネイル画像の態様と第2サムネイル画像の態様とを比較することで、例えば、閲覧時間が長いサムネイル画像に対応する空間内画像を継続的に用いて、他方の空間内画像の使用を中止するという判断をすることができる。その結果、より不動産販売や賃貸の成約数を高めたり、商品販売の成約率を高めたりすることができる空間内画像を閲覧端末3に表示させることが可能になる。
【0075】
(週単位の分析結果の出力)
出力部433は、一定の時間間隔(例えば1週間間隔)で分析結果を出力してもよい。図7は、出力部433が出力する週単位の分析結果の一例を示す図である。
【0076】
図7の表の領域には、1週間ごとに、複数の空間内画像(VR画像)それぞれと、空間内画像の角度、閲覧者の平均注視回数及び閲覧者の平均滞在時間とが関連付けられた状態で示されている。また、表の上には、閲覧者の合計滞在時間とコンバージョン率(閲覧した人に対する成約数の割合)の変化が示されている。成約数は、資料の請求があった回数、問合せがあった回数、又は購入があった回数の一部又は全部である。空間内画像に、商品又はサービスに対する問い合わせをしたり購入したりするためのアイコン画像が含まれており、アイコン画像が押された回数が成約数であってもよい。出力部433は、例えば、平均注視回数と平均滞在時間とを加算又は乗算することによりコンバージョン率を算出する。
【0077】
図7に示すように、空間内画像の角度が変化することにより、平均注視回数及び平均滞在時間も変化する。その結果、コンバージョン率も変化する。画像提供装置1を管理する事業者は、図7に示すような分析結果を確認して空間内画像の角度を最適化することにより、コンバージョン率が向上するように、それぞれの空間内画像の角度を調整することが可能になる。特に、出力部433が、図7に示すようにコンバージョン率と、各空間内画像に対応する平均注視回数及び平均滞在時間とを関連付けて示すことにより、画像提供装置1を管理する事業者が、どの空間内画像を修正することによりコンバージョン率を向上させることができるかを判断しやすくなる。
【0078】
[情報処理システムSにおける処理の流れ]
図8は、情報処理システムSにおける処理の流れを示すシーケンス図である。図8に示すシーケンス図は、管理者端末2が空間内画像データを画像提供装置1に送信する時点から開始している。画像提供装置1は、管理者端末2から受信した複数の空間内画像を記憶媒体(例えばハードディスク)に記憶させる(S11)。画像提供装置1は、閲覧端末3からアクセスされることにより、記憶している空間内画像データ及びスクリプトを閲覧端末3に送信する。
【0079】
閲覧端末3は、空間内画像データを受信すると、複数の空間内画像を表示する(S12)。閲覧端末3は、閲覧者による空間内画像の選択操作を受け付けて(S13)、選択された画像を表示する(S14)。また、閲覧端末3は、スクリプトを実行することにより、選択された画像の選択画像ID、閲覧時間情報及び視認状態情報を情報処理装置4に送信する。
【0080】
情報処理装置4においては、出力部433が、管理者が分析をするために用いる複数のサムネイル画像データ及び分析データを含む分析画面(例えば、図3図7に示した画面)を作成する(S15)。分析データは、例えば、閲覧時間、閲覧者の視認位置又は閲覧者の感情等を示す画像データである。情報処理装置4は、サムネイル画像データ及び分析データを管理者端末2に送信する。管理者端末2は、受信したサムネイル画像データ及び分析データを含む分析画面を表示する(S16)。
【0081】
[変形例]
以上の説明においては、出力部433が、管理者が分析をするために用いる複数のサムネイル画像データ及び分析データを含む分析画面を管理者端末2に出力したが、出力部433は、分析結果に基づいて特定した閲覧者のニーズに合った情報を閲覧者に提供してもよい。具体的には、出力部433は、情報取得部431が取得した選択画像ID、閲覧時間情報及び操作位置情報又は視認状態情報に基づいて、空間内画像に対応する建物、空間、又は空間内の商品等に対する閲覧者の検討内容を特定し、特定した閲覧者の検討内容に基づいて選択した広告情報を閲覧者が使用する端末に出力してもよい。
【0082】
一例として、閲覧端末3が閲覧者である法人の端末である場合、出力部433は、情報取得部431が取得した選択画像ID、閲覧時間情報、操作位置情報又は視認状態情報に基づいて閲覧者の検討内容を特定し、閲覧者の検討内容に基づいて選択した広告情報を閲覧端末3に送信する。広告情報は、空間内画像に対応する建物、空間、又は空間内の商品等に関する情報であれば任意の態様でよく、例えばメール、メールマガジン、又は閲覧者が閲覧するウェブサイトを介して閲覧端末3に送信される。検討内容は、閲覧者が関心を持っている場所若しくは商品がどれであるか、又は購買したいと考えている度合いの大きさ等である。
【0083】
画像提供装置1は、閲覧端末3においてスクリプトを実行させるとともに、又はスクリプトを実行することに代えて、選択画像ID、閲覧時間情報、操作位置情報又は視認状態情報を含むCookieを閲覧端末3のブラウザに記録してもよい。情報取得部431は、画像提供装置1が提供するサイトに閲覧端末3がアクセスした場合にCookieに含まれる情報を取得し、取得した情報に基づいて選択した広告情報を画像提供装置1に提供することにより、画像提供装置1を介して閲覧端末3に広告情報を表示させる。情報処理装置4及び画像提供装置1がこのように動作することで、閲覧者である顧客が所定の建物、空間、又は空間内の商品等にどのような印象を持っているかを把握した結果をマーケティングに活用することが可能になる。
【0084】
[情報処理システムSによる効果]
以上説明したように、閲覧状態特定部432は、複数の空間内画像それぞれに対して、閲覧者が選択した一以上の選択画像それぞれの閲覧時間を特定し、出力部433は、閲覧状態特定部432が特定した閲覧時間に対応する態様で、一以上の選択画像に対応する一以上のサムネイル画像を分析結果とともに出力する。情報処理装置4がこのように構成されていることで、空間内画像を管理する管理者が分析結果を含むサムネイル画像を見ることで、管理者は、閲覧者がどの空間内画像をどれくらいの時間にわたって継続して閲覧したかを容易に知ることができる。その結果、管理者が、閲覧者である顧客が建物又は空間にどのような印象を持っているかを把握しやすくなり、閲覧者に閲覧させる空間内画像を改良したり、閲覧者に適した説明をしたりすることで、成約率を向上させることができる。
【0085】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【符号の説明】
【0086】
1 画像提供装置
2 管理者端末
3 閲覧端末
4 情報処理装置
41 通信部
42 記憶部
43 制御部
431 情報取得部
432 閲覧状態特定部
433 出力部
434 構図特定部
435 感情特定部
図1
図2
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図8