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特許7361264肌分析装置、肌分析方法、及び、コンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-05
(45)【発行日】2023-10-16
(54)【発明の名称】肌分析装置、肌分析方法、及び、コンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/107 20060101AFI20231006BHJP
   A61B 5/00 20060101ALI20231006BHJP
   G06T 7/00 20170101ALI20231006BHJP
【FI】
A61B5/107 800
A61B5/00 M
G06T7/00 660A
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2019106043
(22)【出願日】2019-06-06
(65)【公開番号】P2020075080
(43)【公開日】2020-05-21
【審査請求日】2022-05-12
(31)【優先権主張番号】P 2018208075
(32)【優先日】2018-11-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松本 博志
(72)【発明者】
【氏名】田岡 宏毅
(72)【発明者】
【氏名】武井 一朗
(72)【発明者】
【氏名】西村 明夫
【審査官】▲高▼ 芳徳
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-000410(JP,A)
【文献】国際公開第2015/015793(WO,A1)
【文献】特開2004-321793(JP,A)
【文献】特開2014-115821(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/00
A61B 5/06 - 5/22
G06T 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラが撮影したユーザの顔画像から顔部位を認識する顔部位認識部と、
前記顔部位を示す顔部位マークを前記顔画像に配置したUI(User Interface)をディスプレイに表示させ、前記顔部位マークに対する操作を受け付けるUI部と、
前記操作された顔部位マークの位置に基づいて、前記顔画像に対して肌分析領域を設定する分析領域設定部と、
前記設定された肌分析領域に対して肌分析を実行する肌分析実行部と、
を備え、
前記UI部は、
前記ディスプレイに表示された前記顔部位マークに対する修正を受け付ける画面として、修正対象を顔全体または顔部位別のいずれとするかの選択操作を受付ける画面を表示し、
顔全体が選択された場合、全ての顔部位マークの一括修正を受付け、
顔部位別が選択された場合、選択された個々の顔部位マークの修正を受付ける、
肌分析装置。
【請求項2】
前記UI部は、前記顔部位認識部が前記顔部位の認識に成功したと判定した場合、前記認識された顔部位の位置に前記顔部位マークを配置する、
請求項1に記載の肌分析装置。
【請求項3】
前記UI部は、
前記顔部位認識部が前記顔部位の認識に成功したと判定した場合、前記認識された顔部位の位置に前記顔部位マークを配置し、
前記顔部位認識部が前記顔部位の認識に失敗したと判定した場合、前記顔部位の認識とは無関係の予め決められた位置に前記顔部位マークを配置する、
請求項1に記載の肌分析装置。
【請求項4】
前記UI部は、前記顔部位認識部が前記顔部位の認識に失敗したと判定した場合、前記ユーザを撮影した過去の顔画像において認識に成功したときの前記顔部位マークを、前記顔画像に配置する、
請求項1に記載の肌分析装置。
【請求項5】
前記UI部は、前記顔部位認識部が前記顔部位の認識に失敗したと判定した場合、前記ユーザを撮影した過去の顔画像に対して前記操作によって配置された前記顔部位マークを、前記顔画像に配置する、
請求項1に記載の肌分析装置。
【請求項6】
前記UI部は、前記顔部位認識部が前記顔部位の認識に失敗したと判定した場合、前記ユーザから顔画像上の目の位置の操作入力を受付け、他の顔部位マークは予め登録された設定に従って自動的に、前記受付けた目の位置に対して相対的な位置に配置する、
請求項1に記載の肌分析装置。
【請求項7】
前記顔画像及び前記過去の顔画像は、それぞれ、前記ユーザを撮影した正面の顔画像、左横顔の顔画像、及び、右横顔の顔画像のうちの何れかである、
請求項4又は5に記載の肌分析装置。
【請求項8】
前記顔部位認識部は、前記正面の顔画像と、前記左横顔の顔画像と、前記右横顔の顔画像との間における顔のサイズが所定以上異なっている場合、前記顔部位の認識に失敗したと判定する、
請求項7に記載の肌分析装置。
【請求項9】
前記顔部位は、顔の輪郭、目、鼻、口、眉、及び、髪の生え際のうちの少なくとも1つの部位であり、
前記顔部位マークは、前記顔部位の形状に対応する形状を有する、
請求項1に記載の肌分析装置。
【請求項10】
肌分析装置が、
カメラが撮影したユーザの顔画像から顔部位を認識し、
前記顔部位を示す顔部位マークを前記顔画像に配置したUIをディスプレイに表示させ、
前記ディスプレイに表示された前記顔部位マークに対する修正を受け付ける画面として、修正対象を顔全体または顔部位別のいずれとするかを選択する操作を受付ける画面を表示し、
顔全体が選択された場合、全ての顔部位マークの一括修正を受付け、
顔部位別が選択された場合、選択された個々の顔部位マークの修正を受付け、
前記操作された顔部位マークの位置に基づいて、前記顔画像に対して肌分析領域を設定し、
前記設定された肌分析領域に対して肌分析を実行する、
肌分析方法。
【請求項11】
カメラが撮影したユーザの顔画像から顔部位を認識し、
前記顔部位を示す顔部位マークを前記顔画像に配置したUIをディスプレイに表示させ、
前記ディスプレイに表示された前記顔部位マークに対する修正を受け付ける画面として、修正対象を顔全体または顔部位別のいずれとするかを選択する操作を受付ける画面を表示し、
顔全体が選択された場合、全ての顔部位マークの一括修正を受付け、
顔部位別が選択された場合、選択された個々の顔部位マークの修正を受付け、
前記操作された顔部位マークの位置に基づいて、前記顔画像に対して肌分析領域を設定し、
前記設定された肌分析領域に対して肌分析を実行する、
ことをコンピュータに実行させる、
コンピュータプログラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、肌分析装置、肌分析方法、及び、コンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザの顔を撮影した顔画像に基づき、顔の肌の状態を分析し、分析結果を可視化及び定量化することが行われている。特許文献1には、顔画像から顔部位の位置を自動的に認識し、その認識した顔部位の位置に基づいて、肌の分析対象の領域(以下「肌分析領域」という)を自動的に設定する装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開第2015/015793号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1のように、顔画像から、目、鼻及び口などの顔部位の位置を自動的に認識する場合、その認識結果が正しくない場合もある。このような場合に、特許文献1の装置は、顔部位の認識結果を容易に修正することができない。
【0005】
本開示の非限定的な実施例は、顔画像に対する顔部位の認識を容易に修正できる肌分析装置、肌分析方法、及び、コンピュータプログラムを提供することに資する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る肌分析装置は、カメラが撮影したユーザの顔画像から顔部位を認識する顔部位認識部と、前記顔部位を示す顔部位マークを前記顔画像に配置したUI(User Interface)をディスプレイに表示させ、前記顔部位マークに対する操作を受け付けるUI部と、前記操作された顔部位マークの位置に基づいて、前記顔画像に対して肌分析領域を設定する分析領域設定部と、前記設定された肌分析領域に対して肌分析を実行する肌分析実行部と、を備える。
【0007】
なお、これらの包括的または具体的な態様は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム、または、記録媒体で実現されてもよく、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラムおよび記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【発明の効果】
【0008】
本開示の一態様によれば、顔画像に対する顔部位の認識を容易に修正できる。
【0009】
本開示の一態様における更なる利点および効果は、明細書および図面から明らかにされる。かかる利点および/または効果は、いくつかの実施形態並びに明細書および図面に記載された特徴によってそれぞれ提供されるが、1つまたはそれ以上の同一の特徴を得るために必ずしも全てが提供される必要はない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】一実施の形態に係る肌分析装置の利用例を示す図である。
図2】一実施の形態に係る肌分析装置の動作概要を示すフローチャートである。
図3】一実施の形態に係る肌分析装置の構成例を示す図である。
図4】一実施の形態に係る肌分析装置によって撮影された正面顔の顔画像の例を示す図である。
図5】一実施の形態に係る肌分析装置によって撮影された右横顔の顔画像の例を示す図である。
図6】一実施の形態に係る肌分析装置によって撮影された左横顔の顔画像の例を示す図である。
図7】一実施の形態に係る顔部位認識部の処理例を示すフローチャートである。
図8】一実施の形態に係る正面顔の認識結果確認用UIの例を示す図である。
図9】一実施の形態に係る左横顔の認識結果確認用UIの例を示す図である。
図10】一実施の形態に係る右横顔の認識結果確認用UIの例を示す図である。
図11】一実施の形態に係る顔部位マークの修正用UIの第1の例を示す図である。
図12】一実施の形態に係る顔部位マークの修正用UIの第2の例を示す図である。
図13】一実施の形態に係る顔部位マークの設定用UIの例を示す図である。
図14】一実施の形態に係る顔部位マークの形状を顔部位の形状に変形する例を示す図である。
図15】一実施の形態に係る顔部位マークの変形パターンの例を示す図である。
図16】一実施の形態に係る顔部位マークを用いて顔部位の特徴点を設定する例を示す図である。
図17】一実施の形態に係る肌分析領域の確認画面の例を示す図である。
図18】本開示に係る本開示の実施の形態に係るハードウェア構成の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を適宜参照して、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
【0012】
(一実施の形態)
<肌分析装置の概要>
図1は、肌分析装置の利用例を示す。図2のフローチャートは、肌分析装置の動作概要の一例を示す。次に、図1及び図2を参照して、肌分析装置の概要について説明する。
【0013】
ユーザ2は、図1に示すように、肌分析装置10の前に座り、肌分析装置10に対して肌分析の開始を指示する。肌分析装置10は、この開始の指示を受けて、次の動作を開始する。
【0014】
肌分析装置10は、カメラ101からユーザ2の顔を撮影する(S11)。以下、カメラ101によって撮影されたユーザ2の顔の画像を「顔画像」と表現する。
【0015】
肌分析装置10は、S11にて撮影した顔画像から、顔部位を認識する(S12)。顔部位とは、例えば、顔の輪郭、目、鼻、口、眉、及び、髪の毛の生え際など、顔において特徴的な部分である。なお、顔部位は、顔パーツ、顔器官、又は顔特徴部分などと表現されてもよい。
【0016】
肌分析装置10は、S12にて認識した顔部位の位置などに基づいて、顔画像に、肌分析を行う領域(以下「肌分析領域」という)を設定する(S13)。
【0017】
肌分析装置10は、S13にて設定した各肌分析領域に対して、肌分析を実行する(S14)。
【0018】
肌分析装置10は、S14にて実行した肌分析の結果を、ディスプレイ102に表示する(S15)。
【0019】
上述のとおり、ユーザ2は、肌分析装置10を利用することにより、簡単に肌分析を受けることができる。以下、詳細に説明する。
【0020】
<肌分析装置の構成>
次に、図3を参照して、肌分析装置10の構成を説明する。
【0021】
肌分析装置10は、例えば、カメラ101、ディスプレイ102、入力I/F103、記憶部104、及び、制御部105を備える。また、肌分析装置10は、データベース20に接続してよい。
【0022】
カメラ101は、ユーザ2の顔を撮影する。なお、図1では、カメラ101が肌分析装置10に内蔵されているが、カメラ101は肌分析装置10とは別の装置であってもよい。この場合、カメラ101は、所定の有線通信又は無線通信を通じて、撮影した顔画像を肌分析装置10へ送信する。
【0023】
ディスプレイ102は、画像及び情報などを表示する。なお、図1では、ディスプレイ102が肌分析装置10に内蔵されているが、ディスプレイ102は肌分析装置10とは別の装置であってもよい。この場合、肌分析装置10は、表示用のデータを、所定の有線通信又は無線通信を通じて、ディスプレイ102へ送信する。
【0024】
入力I/F103は、ユーザ2からの指示を受け付ける。なお、肌分析装置10は、複数の入力I/F103を備えてもよい。例えば、肌分析装置10は、入力I/F103として、タッチパネル、マウス、キーボード、撮影指示用のボタン、及び音声入力用のマイクなどを備えてもよい。また、入力I/F103は、肌分析装置10とは別の装置であってもよい。この場合、入力I/F103は、入力されたデータを、所定の有線通信又は無線通信を通じて、肌分析装置10へ送信する。
【0025】
記憶部104は、制御部105に使用されるデータを記憶する。記憶部104は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)などの揮発性メモリであってもよいし、SSD(Solid State Drive)などの不揮発性メモリであってもよい。或いは、記憶部104は、
これらの組み合わせであってもよい。
【0026】
制御部105は、例えばCPU(Central Processing Unit)であり、肌分析装置10
が有する機能を実現する。例えば、制御部105は、記憶部104に記憶されたコンピュータプログラムを実行することにより、後述する、撮影処理部201、顔部位認識部202、顔部位マークUI部203、分析領域設定部204及び肌分析実行部205に係る機能を実現する。
【0027】
撮影処理部201は、カメラ101を制御してユーザ2の顔を撮影し、顔画像を生成する。なお、撮影処理部201は、カメラ101で撮影中の顔画像をリアルタイムにディスプレイ102に表示してもよい。これにより、ユーザ2は、ディスプレイ102を見ながら、自分の顔が正しく撮影されるように、顔の位置及び向きなどを調整することができる。
【0028】
また、撮影処理部201は、ユーザ2の正面顔、左横顔、及び右横顔を撮影してよい。左横顔及び右横顔が適切に撮影されるように、肌分析装置10には、図1に示すように、ユーザ2から向かってカメラ101よりも左側に鏡11aが備えられ、ユーザ2から向かってカメラ101よりも右側に鏡11bが備えられてよい。左側の鏡11aの向き(角度)は、ユーザ2がその左側の鏡11aに正面顔が映るように顔を向けたときに、カメラ101がユーザ2の適切な右横顔を撮影できる向き(角度)であってよい。右側の鏡11bの向き(角度)は、ユーザ2がその右側の鏡11bに正面顔が映るように顔を向けたときに、カメラ101がユーザ2の適切な左横顔を撮影できる向き(角度)であってよい。
【0029】
また、撮影処理部201は、撮影に際し、ユーザ2に対して正面を向くように指示し、カメラ101から正面顔を撮影してよい。図4は、ユーザ2の正面顔を撮影した顔画像250aの一例である。次に、撮影処理部201は、ユーザ2に対して左側の鏡11aに正面顔が映るように顔を向けるよう指示し、カメラ101から右横顔を撮影してよい。図5は、ユーザ2の右横顔を撮影した顔画像250bの一例である。最後に、撮影処理部201は、ユーザ2に対して右側の鏡11bに正面顔が映るように顔を向けるようを指示し、カメラ101から左横顔を撮影してよい。図6は、ユーザ2の左横顔を撮影した顔画像250cの一例である。以下、正面顔、左横顔及び右横顔を区別しない場合は、顔画像250と表現する。
【0030】
顔部位認識部202は、例えば、次の処理によって顔部位を認識する。すなわち、顔部位認識部202は、まず、公知の画像処理技術を用いて、顔画像250から特徴点を抽出する。次に、顔部位認識部202は、その抽出した特徴点から、顔の輪郭、目、鼻、口、眉、及び髪の毛の生え際などの顔部位を認識する。
【0031】
しかし、特徴点の抽出精度が低い場合など、顔部位認識部202が、顔部位の認識に失敗する場合がある。また、顔部位認識部202が顔部位の認識に成功したと判定しても、実際には顔部位の位置などが正しく認識されていない場合がある。本実施の形態に係る肌分析装置10は、このような場合において、顔部位の認識を効率的に修正することができる。
【0032】
顔部位マークUI部203は、顔部位マークを顔画像に配置した顔部位マークのUIをディスプレイに表示させ、顔部位マークに対する操作を受け付ける。顔部位マークとは、後述の図8等に示すように、各顔部位を示すマーク(イラスト)である。例えば、顔部位「目」を示す顔部位マークは、目のマーク(イラスト)であり、顔部位「口」を示す顔部位マーク301は、口のマーク(イラスト)である。
【0033】
なお、顔部位マークUI部203は、顔部位認識部202が顔部位の認識に成功したと判断した場合、その認識された顔部位の位置に、当該顔部位を示す顔部位マークを配置してよい。
【0034】
また、顔部位マークUI部203は、顔部位認識部202が顔部位の認識に失敗したと判定した場合、所定の位置に顔部位マークを配置してもよい。或いは、顔部位マークUI部203は、顔部位認識部202が顔部位の認識に失敗したと判定した場合、ユーザ2の他の顔画像(例えば過去の顔画像)において認識に成功したときの顔部位マークを、顔画像に配置してもよい。或いは、顔部位マークUI部203は、顔部位認識部202が顔部位の認識に失敗したと判定した場合、ユーザ2の他の顔画像(例えば過去の顔画像)に対して操作によっては位置された顔部位マークを、顔画像に配置してもよい。なお、顔部位マークUI部203の詳細については後述する。
【0035】
分析領域設定部204は、顔部位マークUI部203によって配置された顔部位マークの位置に基づいて、顔画像に少なくとも1つの肌分析領域を設定する。なお、分析領域設定部204は、顔部位認識部202によって認識された各顔部位の位置に基づいて、顔画像に肌分析領域を設定してもよい。なお、分析領域設定部204の詳細については後述する。
【0036】
肌分析実行部205は、分析領域設定部204によって顔画像に設定された各肌分析領域に対して、肌分析を実行する。例えば、肌分析実行部205は、顔画像における肌分析領域内に対して公知の画像処理を適用して、皺、シミ、及び/又は、毛穴などの量を分析する。
【0037】
データベース20は、各ユーザ2の顔画像と、当該顔画像の肌分析結果とを対応付けて管理する。なお、図3において、データベース20は、肌分析装置10とは別の装置であるが、データベース20は、肌分析装置10に内蔵されてもよい。
【0038】
<顔部位マークUI部の詳細>
次に、図7に示すフローチャートを参照して、顔部位マークUI部203の詳細について説明する。なお、正面顔、左横顔及び右横顔の3つの顔画像250a、250b、250cを撮影する場合、顔部位認識部202は、顔画像250a、250b、250cのそれぞれについて、当該フローチャートを実行してよい。
【0039】
顔部位認識部202は、公知の画像処理技術を用いて、顔画像250ら、顔部位を認識する(S101)。そして、顔部位認識部202は、顔部位の認識に成功したか否かを判定する(S102)。例えば、顔部位認識部202は、顔の輪郭、目、鼻、口、眉、及び、髪の毛の生え際などの全ての顔部位を認識できた場合、認識成功と判定する。或いは、顔部位認識部202は、これらのうち、少なくとも1つの顔部位を認識できた場合、認識成功と判定してもよい。或いは、顔部位認識部202は、正面顔の顔画像250aと、右横顔の顔画像250bと、左横顔の顔画像250cとを比較し、少なくとも2つにおいて顔のサイズが所定以上異なっている場合、認識失敗と判定してもよい。
【0040】
S101において顔部位認識部202が顔部位の認識失敗と判定した場合(S102:NO)、顔部位マークUI部203は、デフォルトの位置に顔部位マークを配置した顔部位マークのUI500(図13参照)をディスプレイ102に表示し、ユーザ2からの操作を受け付ける(S103)。ユーザ2は、顔部位マークのUI500をマニュアル(手動)操作して、顔画像の各顔部位の正しい位置に、その顔部位を示す顔部位マーク301(図8参照)を配置する(S104)。
【0041】
顔部位マークUI部203は、ユーザ2からの完了指示を受領すると、ユーザ2が再配置した顔部位マーク301の位置を確定する(S105)。そして、本フローは終了する。
【0042】
S101において顔部位認識部202が顔部位の認識成功と判定した場合(S102:YES)、顔部位マークUI部203は、顔部位認識部202が認識した位置に顔部位マーク301を配置した顔部位マークのUI300(図8図9及び図10参照)を、ディスプレイ102に表示し(S106)、ユーザ2からの操作を受け付ける。
【0043】
ユーザ2は、顔部位マークのUI300を見て、顔画像の各顔部位の位置に、その顔部位を示す顔部位マーク301が正しく配置されているか否かを判断する(S107)。
【0044】
ユーザ2が顔部位マーク301が正しく配置されていると判断した場合(S107:YES)、顔部位マークUI部203は、その配置されている顔部位マーク301の位置を確定する(S108)。そして、本フローは終了する。
【0045】
ユーザ2が顔部位マーク301が正しく配置されていないと判断した場合(S107:NO)、顔部位マークUI部203は、顔部位認識部202が認識した位置に顔部位マーク301を配置した顔部位マークのUI400(図11及び図12参照)を、ディスプレイ102に表示し、ユーザ2からの操作を受け付ける(S109)。ユーザ2は、顔部位マークのUI400をマニュアル(手動)操作して、顔画像の各顔部位の正しい位置に、その顔部位を示す顔部位マーク301を再配置(修正)する(S110)。
【0046】
顔部位マークUI部203は、ユーザ2からの完了指示を受領すると、ユーザ2が再配置した顔部位マーク301の位置を確定する(S111)。そして、本フローは終了する。
【0047】
<顔部位マークのUIの例>
図8図9及び図10は、図7のS106にて表示される顔部位マークのUI300の一例である。なお、図8図9及び図10は、顔部位の認識に成功し、かつ、顔部位マーク301が正しく配置されている例である。また、図8は、正面顔の顔部位マークのUI300の例であり、図9は、右横顔の顔部位マークのUI300の例であり、図10は、左横顔の顔部位マークのUI300の例である。
【0048】
図8図9及び図10に示すように、顔部位の認識に成功した場合、顔部位マークUI部203は、顔画像の認識した顔部位の位置に、その顔部位を示す顔部位マーク301を配置した顔部位マークのUI300を生成し、ディスプレイ102に表示する。
【0049】
図8図9及び図10では、目の顔部位マーク301aが、顔画像の目の位置に正しく配置されている。また、鼻の顔部位マーク301bが、顔画像の鼻の位置に正しく配置されている。また、口の顔部位マーク301cが、顔画像の口の位置に正しく配置されている。また、眉の顔部位マーク301dが、顔画像の眉の位置に正しく配置されている。顔輪郭の顔部位マーク301eが、顔画像の顎から耳にかけての輪郭の位置に正しく配置されている。また、髪の生え際の顔部位マーク301fが、顔画像の髪の生え際の位置に正しく配置されている。
【0050】
ユーザ2は、全ての顔部位マーク301が、顔画像の顔部位に正しく配置されている場合、OKボタン311を押下する。この場合、図7のS107の判定結果が「YES」となる。
【0051】
ユーザ2は、少なくとも1つの顔部位マーク301が、顔画像の顔部位に正しく配置されていない場合、要調整ボタン312を押下する。この場合、図7のS107の判定結果が「NO」となり、図7のS109において、顔部位マークのUI400が表示される。なお、ユーザ2は、図8図9及び図10に示す顔画像のそれぞれについて、OKボタン311又は要調整ボタン312を選択できてよい。この場合、顔部位マークUI部203は、要調整ボタン312を押下された顔画像についてのみ、顔部位マークのUI400を表示してよい。
【0052】
また、ユーザ2が、図8図9及び図10に示す再撮影ボタン313を押下した場合、図7に示すフローはS107からS101へ戻り、顔の再撮影が行われてよい(図7には図示せず)。この場合、撮影処理部201は、再撮影ボタン313を押下された顔画像に対応する顔の向きについてのみ、再撮影を行ってもよい。
【0053】
図11及び図12は、それぞれ、図7のS109にて表示される顔部位マークのUI400の一例である。上述のとおり、顔部位マークのUI400は、顔部位の認識に成功したものの、顔部位マークの修正が必要な場合に用いられる。
【0054】
顔部位マークのUI400は、全ての顔部位マーク301をまとめて修正するための顔全体ボタン401と、顔部位マーク301を個別に修正するための部位別ボタン402とを有する。また、顔部位マークのUI400には、図8図10と同様、顔部位認識部202が認識(誤認識)した顔部位の位置に、その顔部位を示す顔部位マーク301が配置されている。
【0055】
図11に示すように、顔部位マーク301の位置及び/又は大きさが全体的にずれているような場合、ユーザ2は、顔全体ボタン401を押下するとよい。顔全体ボタン401が押下されると、顔部位マークのUI400では、破線420のように、全ての顔部位マーク301が選択された状態となる。これにより、ユーザ2は、全ての顔部位マーク301を一度に修正できる。この修正には、移動、回転、拡大、縮小、及び、縦横アスペクト比の変更のうちの少なくとも1つが含まれてよい。
【0056】
図12に示すように、個々の顔部位マーク301の位置及び/又は大きさがずれているような場合、ユーザ2は、部位別ボタン402を押下するとよい。部位別ボタン402が押下されると、顔部位マークのUI400では、各顔部位マーク301を選択可能な状態となる。ユーザ2は、破線430に示すように、修正したい顔部位マーク301を選択し、その選択した顔部位マーク301を修正できる。この修正には、移動、回転、拡大、縮小、及び、縦横アスペクト比の変更のうちの少なくとも1つが含まれてよい。
【0057】
例えば、図12の場合、目の顔部位マーク301aの大きさが顔画像の目の大きさよりも小さいので、ユーザ2は、目の顔部位マーク301aを選択し、顔画像の目の大きさに合うように、目の顔部位マーク301aを拡大してよい。また、眉の顔部位マーク301dの角度が顔画像の眉の角度よりも急なので、ユーザ2は、眉の顔部位マーク301dを選択し、顔画像の眉の角度に合うように、眉の顔部位マーク301dを回転してよい。また、鼻の顔部位マーク301bの縦の長さが顔画像の鼻の長さよりも短いので、ユーザ2は、鼻の顔部位マーク301bを選択し、顔画像上の鼻の縦の長さに合うように、鼻の顔部位マーク301bのアスペクト比を変更してよい。
【0058】
また、顔部位マークUI部203は、顔部位マークの位置と、その顔部位マークに対応する顔部位の位置とが所定距離未満になると、その顔部位マーク301を、その顔部位の位置に自動的にスナップさせてもよい。この場合、顔部位マークUI部203は、顔部位マーク301の近傍の顔画像に対して部分的なパターンマッチングを行って、その顔部位マークに対応する顔部位を認識(つまり再認識)し、その認識した顔部位の位置へ顔部位マークをスナップさせてよい。これにより、ユーザ2が顔部位マークを微調整する手間が省けるので、顔部位マーク301の修正作業の効率が向上する。
【0059】
なお、顔部位マークUI部203は、位置関係において関連性の高い顔の構成パーツに対応する顔部位マーク301同士を、1つのグループにまとめてもよい。位置関係において関連性の高い顔の構成パーツとは、例えば、目と眉、又は、鼻と口のように、位置する距離が比較的近い顔の構成パーツ、或いは、筋肉又は骨格によって互いに連動している顔の構成パーツである。顔部位マークUI部203は、グループの単位でまとめて顔部位マーク301を移動させてもよい。グループで移動させる場合、或いは、グループの単位ではなく、1つの顔部位マーク301を移動させる場合における顔部位マークのUIには、顔全体ボタン401、部位別ボタン402と同様のボタンが別途配置されてもよい。また、キーボード及び/又はマウスなどの操作デバイスのボタン等には、特定の機能が割り当られてもよい。
【0060】
図13は、図7のS103にて表示される顔部位マークのUI500の一例である。上述のとおり、顔部位マークのUI500は、顔部位の認識に失敗した場合に用いられる。
【0061】
顔部位マークのUI500は、図11及び図12と同様、顔全体ボタン401と、部位別ボタン402とを有する。なお、顔部位認識部202が顔部位の認識に失敗しており、顔部位の位置が不明なので、顔部位マーク301のUI500では、デフォルト(予め登録済み)の位置に、デフォルトの形状の顔部位マーク301が配置されてよい。
【0062】
ユーザ2は、図11又は図12の場合と同様、顔部位マークのUI500を操作して、顔部位マーク301を、その顔部位マークに対応する顔部位の位置に再配置(修正)する。
【0063】
顔検出に失敗した場合において、顔部位マーク301を配置する際、顔部位マークのUI500は、顔画像上の目の位置をユーザーに指定してもらい、他の顔部位マーク301を、デフォルト設定に従って自動的に、その指定された目の位置に対して相対的な位置に配置してもよい。なぜなら、顔のパーツ配置において、最も特徴的なパーツは目であるからである。
【0064】
なお、顔部位の認識に失敗した場合における顔部位マーク301の修正の手順は、予め定められてよい。例えば、次の(A1)から(A3)の何れかのように、予め修正の手順が定められてよい。
【0065】
(A1)顔部位マークUI部203は、顔部位マークのUI500において、まず、顔全体に対する顔部位マーク301を修正するためのUIを表示し(例えば図11)、次に、顔部位別に顔部位マーク301を修正するためのUIを表示する(例えば図12)。当該A1によれば、ユーザ2が迷うことなく顔部位マーク301を修正できるので、顔部位マーク301の修正作業の効率が向上する。
【0066】
(A2)顔部位マークUI部203は、同一ユーザ2について過去に認識に成功した顔部位マーク301がデータベース20に存在する場合、その顔部位マーク301をデフォルトの顔部位マーク301として使用する。同一ユーザ2の過去の顔部位マーク301の方が、デフォルトの顔部位マーク301よりも、そのユーザ2に類似している可能性が高い。したがって、当該A2によれば、顔部位マークの修正の手間を軽減できる。
【0067】
(A3)顔部位マークUI部203は、複数回撮影された同一ユーザ2の顔画像を用いて、顔部位マーク301を類推する。例えば、左横顔において顔部位の認識に成功し、右横顔において顔部位の認識に失敗した場合、顔部位マークUI部203は、認識に成功した左横顔に対応する顔部位マーク(例えば図9)301を左右反転させたものを、認識に失敗した右横顔におけるデフォルトの顔部位マーク301に使用する。同一ユーザ2の顔画像から類推した顔部位マーク301の方が、デフォルトの顔部位マーク301よりもそのユーザ2に類似している可能性が高い。したがって、当該A3によれば、顔部位マークの修正の手間を軽減できる。
【0068】
次に、図14図16を参照して、顔画像の特徴点と顔部位マーク301との関係について説明する。
【0069】
上述のとおり、顔部位認識部202は、顔画像から顔部位601の特徴点610を抽出する。また、顔部位マーク602は、図14に示すように、顔部位601に対応する形状を構成する点(以下「構成点」という)620を有する。
【0070】
顔部位マークUI部203は、顔部位認識部202が顔部位601の認識に成功した場合、デフォルトの顔部位マーク602の形状を、その認識に成功した顔部位601の形状に変形させてよい。なお、形状の変形とは、デフォルトの顔部位マーク602の複数の構成点620の相対位置を、認識した顔部位601の複数の特徴点610の相対位置と適合するように変形することであってよい。
【0071】
例えば、図14に示すように、顔部位マークUI部203は、顔画像の目の部分から抽出した特徴点610の相対位置に適合するように、目の顔部位マーク602の構成点620の相対位置を変形する。この変形には、図15(a)~(e)に例示するように、拡大、縮小、回転、及び、アスペクト比変更の少なくとも1つが含まれてよい。これにより、ユーザ2の顔部位601に適した顔部位マーク620を生成できるので、顔部位マーク620の修正の手間を軽減できる。
【0072】
また、認識された顔部位601の特徴点610と、その顔部位601に対応する顔部位マーク620の構成点620とは対応付けられてよい。この場合、顔部位マークの修正用UI400において、顔部位マーク602が修正されると、顔部位マークUI部203は、その顔部位マーク602の構成点620に対応付けられている特徴点610を修正してよい。すなわち、顔部位マークのUI400は、認識された顔部位601の特徴点610を容易に修正することができるUIともいえる。
【0073】
また、顔部位マークのUI500において、顔部位マーク602が配置されると、顔部位マークUI部203は、その配置された顔部位マーク602の構成点620を、その顔部位マーク602に対応する顔部位601の特徴点610として顔画像に設定してよい。
【0074】
例えば、まず、図16(a)、(b)に示すように、ユーザ2が、顔部位マークのUI500において、顔部位「目」601に適合するように目の顔部位マーク602を変形させて、顔部位「目」601の位置に配置する。次に、図16(c)に示すように、顔部位マークUI203は、配置された顔部位マーク601の構成点620を、顔部位「目」601の特徴点610として顔画像に設定する。
【0075】
これにより、顔部位の認識に失敗した場合であっても、容易に顔部位601の特徴点610を設定できる。すなわち、顔部位マークのUI500は、顔部位601の特徴点610を容易に設定できるUIともいえる。
【0076】
<分析領域設定部の詳細>
図17は、肌分析領域のUI700の一例を示す。次に、図17を参照して、肌分析領域部204について詳細に説明する。
【0077】
分析領域設定部204は、各顔部位マーク301の位置に基づいて、顔画像に対して肌分析領域を設定する。或いは、分析領域設定部204は、顔部位の特徴点に基づいて、顔画像に対して肌分析領域を設定してもよい。なお、この顔部位の特徴点は、顔部位マークのUI400によって修正されたものであってよい。
【0078】
分析領域設定部204は、図17に例示するように、髪の生え際の顔部位マーク301fと、眉の顔部位マーク301dとの間を、額の肌分析領域701aに設定してよい。また、分析領域設定部204は、目の顔部位マーク301aの下の所定領域を、目周りの肌分析領域701bに設定してよい。また、分析領域設定部204は、鼻の顔部位マーク301bの重畳領域を、鼻の肌分析領域701cに設定してよい。また、分析領域設定部204は、口の顔部位マーク301cの左右の所定領域を、口周りの肌分析領域701dに設定してよい。また、分析領域設定部204は、顔の輪郭線の顔部位マーク301eと、目の顔部位マーク301aと、鼻の顔部位マーク301bと、口の顔部位マーク301cとに囲まれた所定領域を、頬の肌分析領域701eに設定してよい。
【0079】
なお、顔部位マークUI部203は、図17に示すように、分析領域設定部204によって設定された肌分析領域と、顔画像及び顔部位マークとを含む肌分析領域のUI700を生成し、ディスプレイ102に表示してよい。これにより、ユーザ2は、肌分析領域が正しく設定されているか否かを判断できる。
【0080】
また、顔部位マークUI部203は、顔部位マークのUI400に、分析領域設定部204によって設定された肌分析領域を合わせて表示してもよい。この場合、分析領域設定部204は、顔部位マークの修正に応じて、リアルタイムに肌分析領域を再設定してよい。そして、顔部位マークUI部203は、その再設定された肌分析領域をリアルタイムに顔部位マークのUI400に表示してもよい。これにより、ユーザ2は、肌分析領域が正しく設定されるように、顔部位マークを修正できる。
【0081】
また、肌分析実行部205は、上述のように設定された各肌分析領域に対して、公知の画像処理技術を適用し、肌分析を実行してよい。肌分析実行部205は、異なる肌分析領域に対して、異なる肌分析を実行してよい。例えば、肌分析実行部205は、額の肌分析領域701a、目周りの肌分析領域701b、及び、口周りの肌分析領域701dに対して、皺の量を分析してよい。また、肌分析実行部205は、鼻の肌分析領域701cに対して、毛穴の量を分析してよい。また、肌分析実行部205は、頬の肌分析領域701eに対して、シミ及び毛穴の量を分析してよい。
【0082】
<注記>
顔部位認識部202において顔画像における顔部位の認識に失敗した場合、当該顔画像と、顔部位マークUI部203の操作を通じて配置された顔部位マークの位置などの情報と、を対応付けてよい。そして、当該対応関係を用いた機械学習を実機することにより、顔部位認識部202における顔部位認識の精度を向上させることも可能である。
【0083】
また、上述では、顔部位マークUI部203は、図7のS107において、図8から図10のUI300に示すような画面を表示して、ユーザ2に、顔部位と顔部位マークとの位置関係を確認させることを例示した。しかし、顔部位マークUI部203は、図7のS107において、図17に例示するような肌分析領域を含む画面を表示して、ユーザ2に、顔部位、顔部位マーク及び肌分析領域の位置関係を確認させてもよい。
【0084】
<本開示のまとめ>
本実施の形態では、肌分析装置10は、カメラ101が撮影したユーザ2の顔画像から顔部位を認識する顔部位認識部202と、顔部位を示す顔部位マーク301を顔画像に配置した顔部位マークのUIをディスプレイ102に表示させ、顔部位マーク301に対する操作を受け付ける顔部位マークUI部203と、操作された顔部位マーク301の位置に基づいて、顔画像に対して肌分析領域を設定する分析領域設定部204と、設定された肌分析領域に対して肌分析を実行する肌分析実行部205とを備える。当該構成によれば、例えば以下の(1)及び(2)のような作用効果が得られる。
【0085】
(1)特許文献1に代表される従来の構成では、顔部位認識部202の許容範囲に収まらない顔画像が撮影された場合、顔部位の認識に失敗し、肌分析領域を設定できない。典型的には、髪の毛により顔部位の一部が隠れて撮影された場合、又は、横顔の顔画像の撮影時に横顔の角度が深くなり過ぎて目などの顔部位が撮影されなかった場合などに、顔部位の認識に失敗する。これに対して、本実施の形態に係る肌分析装置10によれば、顔部位マークUI部203の操作を通じて顔部位に関する情報を設定(修正)するにより、肌分析領域を設定することが可能となる。
【0086】
(2)従来の構成では、肌分析領域に含まれる毛髪領域が肌分析結果に影響を及ぼすことがあったため、美容皮膚科などの医療現場では、毛髪領域を肌分析領域から除外することが課題の1つであった。これに対して、本実施の形態に係る肌分析装置10によれば、髪の毛の生え際など顔部位を顔部位マークUI部203の操作を通じて指定できるため、毛髪領域を簡単かつ適切に除外することができる。
【0087】
以上、本開示に係る実施形態について図面を参照して詳述してきたが、上述した肌分析装置10の機能は、コンピュータプログラムにより実現され得る。
【0088】
図18は、各装置の機能をプログラムにより実現するコンピュータのハードウェア構成を示す図である。このコンピュータ2100は、キーボード又はマウス、タッチパッドなどの入力装置2101、ディスプレイ又はスピーカーなどの出力装置2102、CPU(Central Processing Unit)2103、ROM(Read Only Memory)2104、RAM(Random Access Memory)2105、ハードディスク装置又はSSD(Solid State Drive)などの記憶装置2106、DVD-ROM(Digital Versatile Disk Read Only Memory)又はUSB(Universal Serial Bus)メモリなどの記録媒体から情報を読み取る読取装置2107、ネットワークを介して通信を行う通信装置2108を備え、各部はバス2109により接続される。
【0089】
そして、読取装置2107は、上記各装置の機能を実現するためのプログラムを記録した記録媒体からそのプログラムを読み取り、記憶装置2106に記憶させる。あるいは、通信装置2108が、ネットワークに接続されたサーバ装置と通信を行い、サーバ装置からダウンロードした上記各装置の機能を実現するためのプログラムを記憶装置2106に記憶させる。
【0090】
そして、CPU2103が、記憶装置2106に記憶されたプログラムをRAM2105にコピーし、そのプログラムに含まれる命令をRAM2105から順次読み出して実行することにより、上記各装置の機能が実現される。
【0091】
本開示はソフトウェア、ハードウェア、又は、ハードウェアと連携したソフトウェアで実現することが可能である。
【0092】
上記実施の形態の説明に用いた各機能ブロックは、部分的に又は全体的に、集積回路であるLSIとして実現され、上記実施の形態で説明した各プロセスは、部分的に又は全体的に、一つのLSI又はLSIの組み合わせによって制御されてもよい。LSIは個々のチップから構成されてもよいし、機能ブロックの一部または全てを含むように一つのチップから構成されてもよい。LSIはデータの入力と出力を備えてもよい。LSIは、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
【0093】
集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路、汎用プロセッサ又は専用プロセッサで実現してもよい。また、LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成
可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。本開示は、デジタル処理又はアナログ処理として実現されてもよい。
【0094】
さらには、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適用等が可能性としてありえる。
【産業上の利用可能性】
【0095】
本開示の一態様は、人体の部位を認識するシステムに有用である。
【符号の説明】
【0096】
10 肌分析装置
20 データベース
101 カメラ
102 ディスプレイ
103 入力I/F
104 記憶部
105 制御部
201 撮影処理部
202 顔部位認識部
203 顔部位マークUI部
204 分析領域設定部
205 肌分析実行部
300、400、500 顔部位マークのUI
700 肌分析領域のUI
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18