(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-05
(45)【発行日】2023-10-16
(54)【発明の名称】ゲル状の洗浄料
(51)【国際特許分類】
A61K 8/34 20060101AFI20231006BHJP
A61K 8/36 20060101ALI20231006BHJP
A61K 8/39 20060101ALI20231006BHJP
A61K 8/73 20060101ALI20231006BHJP
A61K 8/86 20060101ALI20231006BHJP
A61Q 19/10 20060101ALI20231006BHJP
【FI】
A61K8/34
A61K8/36
A61K8/39
A61K8/73
A61K8/86
A61Q19/10
(21)【出願番号】P 2020019362
(22)【出願日】2020-02-07
(62)【分割の表示】P 2018002408の分割
【原出願日】2012-12-22
【審査請求日】2020-02-28
【審判番号】
【審判請求日】2021-11-24
(31)【優先権主張番号】P 2011288222
(32)【優先日】2011-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】503283098
【氏名又は名称】株式会社ネーゼコーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110001508
【氏名又は名称】弁理士法人 津国
(72)【発明者】
【氏名】田口 裕一
【合議体】
【審判長】瀬良 聡機
【審判官】野田 定文
【審判官】齊藤 真由美
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-88852(JP,A)
【文献】特許第5020415(JP,B1)
【文献】特開2008-255019(JP,A)
【文献】特開2002-161297(JP,A)
【文献】特開2008-7430(JP,A)
【文献】特開2006-347914(JP,A)
【文献】特開2005-272658(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00- 8/99
A61Q 1/00-90/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記(A-1)および(A-2-2)に示すA群から選択される1種もしくは2種以上のアニオン性界面活性剤に、キシログルカン(グリロイド6C)、あるいはキシログルカン(グリロイド6C)とローカストビーンガム
、グルコマンナン及びキサンタンガムからなる群から選ばれる1種もしくは2種以上である水溶性天然高分子と、グリセリンであるアルコールとを、あるいはグリセリンとグリセリン以外の下記(D-1)、(D-2)および(D-3)に示すD群から選択される1種もしくは2種以上とからなるアルコールとを、配合してなり、
1重量%水溶液としたときのpHが8以上11以下であることを特徴とするゲル状の皮膚洗浄用洗浄料。
(A群)カルボン酸塩を有するアニオン性界面活性剤
(A-1)
【化1】
(A-2-2)
ポリオキシエチレンラウリルエーテル酢酸塩
R-O(CH
2CH
2O)
nCH
2COOM
R:炭素数12の飽和アルキル基
M:Na,K,アミン塩
n:4または5
(D群)ヒドロキシル基を有する1価アルコールまたは多価アルコール
(D-1)
【化2】
(D-2)
【化3】
(D-3)
【化4】
【請求項2】
ラウリン酸アミドプロピルヒドロキシスルホベタインおよびヤシ油脂肪酸プロピルベタインから選ばれる1種または2種の両イオン性界面活性剤をさらに含む、請求項1記載のゲル状の皮膚洗浄用洗浄料。
【請求項3】
前記アルコールが、グリセリンと、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、イソペンチルジオール、プロピレングリコール、ペンチレングリコール及び1.3ブチレングリコールからなる群から選ばれる1種もしくは2種以上のアルコールとからなるアルコールである、請求項1または2記載のゲル状の皮膚洗浄用洗浄料。
【請求項4】
前記アルコールがグリセリンである、請求項1~3のいずれか1項記載のゲル状の皮膚洗浄用洗浄料。
【請求項5】
前記水溶性天然高分子がキシログルカン(グリロイド6C)である、請求項1~4のいずれか1項記載のゲル状の皮膚洗浄用洗浄料。
【請求項6】
前記(A-1)に示すA群から選択される1種もしくは2種以上のアニオン性界面活性剤と、ラウリン酸アミドプロピルヒドロキシスルホベタインおよびヤシ油脂肪酸プロピルベタインから選ばれる1種または2種の両イオン性界面活性剤とを含む、請求項1~5のいずれか1項記載のゲル状の皮膚洗浄用洗浄料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カルボン酸塩を有するアニオン性界面活性剤や両イオン性界面活性剤に水溶性天然高分子を配合してなるゲル状の化粧料等として安全で有用性のある皮膚洗浄用ゲル組成物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の身体を洗う洗浄料は脂肪酸ナトリウムからなる固形状の所謂石鹸であり、天然の動物油脂、植物油脂からの油脂を苛性ソーダで分解し、脂肪酸ナトリウムを塩析により分別し、高温の流動性のある時点に、大きな箱状容器に流し込み、室温に静置し、固化させ、洗浄し易い大きさの長方形状に切り洗浄料としている。
【0003】
しかし、室温静置の固形化石鹸は、脂肪酸ナトリウムの固い結晶構造の為、常温の水では直ぐ泡が立たず、洗浄力も発揮されにくいもので、この固い結晶構造を持たない固形石鹸を製造する為に、脂肪酸ナトリウムを高温に加熱し、真空中に霧状に噴霧して、水分を取り顆粒状にするもので、この顆粒状を練り上げ棒状にして、型打ちし楕円形状のデスク(disk)状にしている。
【0004】
その強力な練り上げにより無定形の固い脂肪酸ナトリウムの塊状であり、無定形の為、水に溶けやすく泡も立ち、洗浄力は発揮され、使いやすくなっているが、この無定形固形石鹸を製造する為に、水分を取る乾燥、棒状から形作りに莫大を電気と労力を消耗している。塩析で分別された流動石鹸を水で薄めた液状石鹸はそのまま、使い易い容器に充填した液状洗浄料も増えている。しかし、使い易い容器は液状石鹸を使いきると、捨てられて、資源の無駄な消耗になっている。 莫大な電気、労力、資源の無駄使いの洗浄料を製造することは、検討すべき課題であった。
【0005】
例えば、先に開示された(イ)アルカリ石鹸、(ロ)スピルリナプラテンシス又はスピルリナマキシマの噴霧乾燥物の水抽出物に含有される水不溶物を遠心分離機で分離し、次に、前記水不溶物を遠心分離機で分離した水抽出物に含有されるスピルリナ色素成分を限外濾過膜で分離して得た廃スピルリナ水抽出物、及び/又は、2-カルボキシエチルゲルマニウムセスキオキシド、並びに、(ハ)水、を含有するアルカリ石鹸組成物とする。前記アルカリ石鹸は、例えば、脂肪酸ナトリウム塩又は脂肪酸カリウム塩である。前記廃スピルリナ水抽出物は、前記スピルリナ色素成分を限外濾過膜で分離した水抽出物とトレハロースとを混合してこれらを噴霧乾燥することにより得たものであってもよいもの(特許文献1参照)や、石鹸系の界面活性剤(脂肪酸アルカリ金属塩など)を含む水系冷媒を用いて、加熱した鋼板などの金属品を冷却する。水系冷媒は、前記界面活性剤と、水と、有機溶媒(アルカノール、アルキレングリコール及びグルコシドから選択された少なくとも一種など)と、キレート成分とを含有してもよい。界面活性剤1重量部に対して、キレート成分の割合は、0.1~5重量部程度であってもよく、有機溶媒の割合は、0.0001~5重量部程度であってもよい。水系冷媒は、鋼板に対して、例えば、1流体ノズルなどで、噴霧してもよいもの(特許文献2参照)が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2011-1316号公報
【文献】特開2010-7110号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
然し乍ら、特許文献1-2に記載のものも、脂肪酸ナトリウムの固い結晶構造をもつもので、常温の水では直ぐ泡が立たず、洗浄力も発揮されにくいものであり、本発明は、常温の水で直ちに水に溶解し、泡を立て使用時に刺激感なく皮脂汚れを除去し、使用後には肌のキメを整え、滑らかで明度の高い肌状態にすることができるゲル状の皮膚洗浄料を提供するものである。
【0008】
つまり、本発明は、塩折で分別された流動石鹸をゲル状にするべく、脂肪酸塩(ナトリウム、カリウム、アミン等)を筆頭に、アニオン性界面活性剤、両イオン性界面活性剤の洗浄料をゲル化する水溶性高分子を探索した。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1)本発明は、下
記(A-1)
および(A-2-2
)に示すA群から選択される1種もしくは2種以上の
アニオン性界面活性剤に、
キシログルカン(グリロイド6C)、あるいはキシログルカン(グリロイド6C)とローカストビーンガム、カラギーナン、グルコマンナン及びキサンタンガムからなる群から選ばれる1種もしくは2種以上である水溶性天然高分子と、グリセリンであるアルコールとを、あるいはグリセリンとグリセリン以外の下記(D-1)、(D-2)および(D-3)に示すD群から選択される1種もしくは2種以上とからなるアルコールとを、配合してなり、
1重量
%水溶液としたとき
のpHが8以上11以下
であることを特徴とする
ゲル状の皮膚洗浄用洗浄料である。
(A群)カルボン酸塩を有するアニオン性界面活性剤
(A-1)
【化1】
(A-2-2)
ポリオキシエチレンラウリルエーテル酢酸塩
R-O(CH
2
CH
2
O)
n
CH
2
COOM
R:炭素数12の飽和アルキル基
M:Na,K,アミン塩
n:4または5
(D群)ヒドロキシル基を有する1価
アルコールまたは多価アルコール
(D-1)
【化2】
(D-2)
【化3】
(D-3)
【化4】
【0010】
(2)上記(1)の発明において、ゲル状の皮膚洗浄用洗浄料は、ラウリン酸アミドプロピルヒドロキシスルホベタインおよびヤシ油脂肪酸プロピルベタインから選ばれる1種又は2種の両イオン性界面活性剤をさらに含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、塩析で分別された流動石鹸をゲル状にするべく、脂肪酸塩(ナトリウム、カリウム、アミン等)を筆頭に、アニオン性界面活性剤、両イオン性界面活性剤の洗浄料をゲル化する水溶性高分子を探索し、その結果、植物、海藻から得られる水溶性天然高分子及び微生物発酵産生の水溶性天然高分子から、カルボン酸塩を有するアニオン性界面活性剤、両イオン性界面活性剤洗浄料をゲル化出来る水溶性天然高分子を配合したもので、画期的で実用性の高い有効な発明である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明のゲル状
の皮膚洗浄用洗浄料を具体的に説明すると、カルボン酸塩を有するアニオン性界面活性剤や両イオン性界面活性剤に水溶性天然高分子を配合してなるゲル
状の化粧料等として安全で有用性のある皮膚洗浄用ゲル組成物に関するものであり、請求項1に記載の下
記(A-1)
および(A-2-2
)に示すA群から選択される1種もしくは2種以上の
アニオン性界面活性剤に、
キシログルカン(グリロイド6C)、あるいはキシログルカン(グリロイド6C)とローカストビーンガム、カラギーナン、グルコマンナン及びキサンタンガムからなる群から選ばれる1種もしくは2種以上である水溶性天然高分子と、グリセリンであるアルコールとを、あるいはグリセリンとグリセリン以外の下記(D-1)、(D-2)および(D-3)に示すD群から選択される1種もしくは2種以上とからなるアルコールとを、配合してなり、
1重量
%水溶液としたとき
のpHが8以上11以下
であることを特徴とするゲル状
の皮膚洗浄用洗浄料
である。
(A群)カルボン酸塩を有するアニオン性界面活性剤
(A-1)
【化5】
(A-2-2)
ポリオキシエチレンラウリルエーテル酢酸塩
R-O(CH
2
CH
2
O)
n
CH
2
COOM
R:炭素数12の飽和アルキル基
M:Na,K,アミン塩
n:4または5
(D群)ヒドロキシル基を有する1価
アルコールまたは多価アルコール
(D-1)
【化6】
(D-2)
【化7】
(D-3)
【化8】
【0013】
さらに、請求項2に記載のゲル状の皮膚洗浄用洗浄料は、ラウリン酸アミドプロピルヒドロキシスルホベタインおよびヤシ油脂肪酸プロピルベタインから選ばれる1種又は2種の両イオン性界面活性剤をさらに含むゲル状の皮膚洗浄用洗浄料である。
【実施例】
【0014】
(1)下記に示すカルボン酸塩を有するアニオン性界面活性剤A群の1種もしくは2種以上の混合組成物に下記に示す水溶性天然高分子C群の1種もしくは2種以上を配合することにより、ゲル状の洗浄料を作ることができる。
【0015】
(2)下記に示すカルボン酸塩を有するアニオン性界面活性剤A群の1種もしくは2種以上の混合組成物に下記に示す両イオン性界面活性剤B群の1種もしくは2種以上を配合する混合組成物に下記に示す水溶性天然高分子C群の1種もしくは2種以上を配合することにより、ゲル状の洗浄料を作ることができる。
【0016】
そして、A群はカルボン酸塩を有するアニオン性界面活性剤又はポリオキシエチレンアルキル(炭素数12の飽和)エーテルプロピオン酸であり、後述する化学式(A-1)および(A-2-2)の1種もしくは2種以上の混合組成物を用いるものである。
【0017】
次には、C群は、水溶性天然高分子で後述する(C-1)および(C-2)の1種もしくは2種以上を配合するものである。
【0018】
〔配合原料の説明〕
更に、本発明に用いられる(A群)の説明
カルボン酸塩を有するアニオン性界面活性剤としては、以下のものが挙げられる。
(A-1)動物、植物由来の油脂からの脂肪酸
《イ》炭素数8~22の飽和、不飽和脂肪酸で直鎖および分岐しているものである。
脂肪酸名
・直鎖飽和
カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、エイコ酸、ベヘン酸
・直鎖不飽和
オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、エルカ酸
・分岐飽和
イソパルミチン酸、インステアリ酸、ネオデカン酸
・分岐不飽和
《ロ》カルボン酸塩の塩としては汎用されている
・無機塩基
水酸化ナトリウム、水酸化カリウム
・有機アミン基
塩基性アミノ酸のLーアルギニン
モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の脂肪・アルキルアミン、多価アルコールアミンのエタノールアミン、アミノメチルプロパノール、アミノエチルプロパンジオール、アミノメチルプロパンジオール、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、モノイソプロパノールアミン等を用いる。
好ましくは、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アミノ酸L-アルギニンである。
配合量はPH11以下(1重量%水溶液)に調整する範囲で決める。
(A-2)ポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボキシレートはラウリルアルコールにエチレンオキサイドを4~5モル付加重合させて、モノクロル酢酸を反応させたものが代表される。
(化学式A-2-2)に示すn=4、R=C12、M=Ndはネオハイテノール ECL-30S(第一工業)、ビューライトLCA(三洋)、エナジコールEC-30(ライオン)である。
耐硬水性があり、ラウリン酸ナトリウム、ミリスチン酸ナトリウムとの混合使用で好ましい洗浄性を具備する。
【0019】
更には、本発明に用いられる(B群)の説明
両性イオン性界面活性剤は、アルキルアミドプロピルベタインが代表される。
肌への低刺激性、耐硬質性、起泡力が優れる。
さらに、2-アルキル-N-カルボキシメチル-N-ヒドロキシエチル、イミダゾリニウムベタインは低い眼膜刺激性でベビーシャンプー、洗顔に汎用される。
特にヒドロキシル基を有するものは水溶性天然高分子との相互作用があり、ゲル化には大きく寄与する。
【0020】
更には、本発明に用いられる(C群)の水溶性天然高分子の説明
水溶性天然高分子は、キシログルカン(グリロイド6C)、キサンタンガム、カラギーナン、ローカストピーガム、グルコマンナン等で代表される。好ましくは、アルカリ耐性、耐塩性、耐熱性であることが望まれる。
【0021】
従って、本発明ではゲル状の洗浄料を高アルカリ側にせず、極力PH8~11の範囲(1重量%水溶液)に調整して、かつ、肌への低刺激性も配慮している。
【0022】
タマリンド種子ガムからのキシログルカン(グリロイド6C)、ローカストビーカムは耐塩性、耐熱性のあるガム類の水溶性天然高分子で植物由来もあって環境保護の面から益々汎用されており、日常の衛生用洗浄料にはエコロジーな用途開発になる。
【0023】
キサンタンガムは微生物発酵産性ガムであり、これも地球環境保護の面から発明された水溶性天然高分子で繁用されている。
【0024】
いづれもゲル状の形を構築するために用いる水溶性天然高分子は0.1~10重量%の範囲で好ましくは1~5重量%であり、10重量%以上の配合に近づくと気泡性が損なわれ過度の固い固形化は使用時に容易に泡が立たず洗浄力も発揮されないものである。
【0025】
例えば、水溶性セルロース系のカルボキシメチルセルロース、セルロース硫酸ナトリウム;アクリル酸系のポリアクリル酸ナトリウム、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体;デンプン系のカルボキシメチルデンプン、リン酸化デンプンなど、いづれも、適、不適は有るもののアニオン性、両イオン性、界面活性剤、洗浄料と併用し、高粘性液状の洗浄料にしているが、ゲル化には多量配合となり、洗浄力が損なわれる。
【0026】
また、(D群)増粘効果に寄与する成分として、水溶性天然高分子は、ヒドロキシル基を有する1価アルコールまたは多価アルコールのエタノール、グリセリン、プロピレングコール等であり、相互作用により増粘性を示し、アニオン性、両イオン性界面活性剤、洗浄料組成をゲル化する働き、作用があり、特に、化粧品の保湿剤として汎用されるアルコール類、グリコール類、糖アルコール類がゲル化に寄与するものである。
【0027】
1価アルコールまたは多価のアルコール(D群)としては、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、イソペンチルジオール、プロピレングリコール、ペンチレングリコール、1.3ブチレングリコール、グリセリン等を2~50重量%の配合範囲であり、好ましくは10~40重量%である。
【0028】
この他に、糖アルコール又は糖類としては、蔗糖、乳糖、キシリトール、マルチトール、マンニトール、マルトース、ソルビトール、フラクトース、グルコース、トレハロース、エリスリトール、ラフイノース、ラクチトール、スルトース、イソスルトース、水飴等を0.5~50重量%の配合範囲であり、好ましくは3~30重量%である。
【0029】
以下に実施例を記す。
〔実施例-1〕
〈1〉精製水 67.90重量%
〈2〉グリセリン 10.0重量%
〈3〉ジプロピレングリコール 7.0重量%
〈4〉1.2ヘキサングリコール 2.5重量%
〈5〉キシログルカン(グリロイド6C) 0.8重量%
〈6〉キサンタンガム 0.2重量%
〈7〉ラウリン酸 5.9重量%
〈8〉ミリスチン酸 2.2重量%
〈9〉パルミチン酸 1.0重量%
〈10〉ステアリン酸 0.4重量%
〈11〉オレイン酸 0.6重量%
〈12〉苛性ソーダ 1.50重量%
合 計 100.0重量%
製法
a)成分〈2〉-〈4〉混合物に成分〈5〉、〈6〉を湿潤、分散させ、〈1〉精製水に加え、85℃に加熱し、攪拌し、溶解する。
b)a)に成分〈7〉-〈12〉を混合、 融解し、撹拌させ、均一なる高粘液を得る。
c)b)を65-80℃に保ちながら、鋳型に流し込み、室温に静置し、ゲル状洗浄料を得る。
【0030】
〔参考例-1〕
〈1〉精製水 48.4重量%
〈2〉ソルビトール 10.0重量%
〈3〉プロパンジオール 10.0重量%
〈4〉1.2ヘキサングリコール 2.5重量%
〈5〉キシログルカン(グリロイド6C) 1.0重量%
〈6〉キサンタンガム 0.5重量%
〈7〉ラウリン酸 5.9重量%
〈8〉ミリスチン酸 2.2重量%
〈9〉パルミチン酸 1.0重量%
〈10〉ステアリン酸 0.3重量%
〈11〉オレイン酸 0.6重量%
〈12〉KOH 2.60重量%
〈13〉ラウリン酸アミドプロピルヒドロキシ
スルホベタイン液ソフタゾリンLSB) 15.0重量%
合 計 100.0重量%
製法
a)成分〈2〉-〈4〉混合物に成分〈5〉、〈6〉を湿潤、分散させ、〈1〉精製水に加え、85℃に加熱し、攪拌し、溶解する。
b)成分〈7〉-〈12〉を混合、融解し、a)に加え、75-85℃に加熱し、ジェル状とし、得る。
c)b)に成分〈13〉を加え、撹拌混合し、均一な高粘物を得る。
d)c)を75-80℃に保温しながら、鋳型に流しこむ。透明のゲル状洗浄を得る。
【0031】
〔参考例-2〕
〈1〉精製水 48.0重量%
〈2〉ジプロピレングリコール 7.0重量%
〈3〉1.2ヘキサングリコール 2.5重量%
〈4〉キサンタンガム 0.5重量%
〈5〉カラギーナン 2.0重量%
〈6〉ヤシ油脂肪酸プロピルベタイン液
(オバゾリンCAB30) 40.0重量%
合 計 100.0重量%
製法
a)成分〈2〉、〈3〉に成分〈4〉、〈5〉を湿潤、分散させ、〈1〉精製水に加え、85℃に加熱し、攪拌し、溶解する。
b)a)に成分〈6〉を加え、攪拌溶解させ、均一な高粘物を得る。
c)b)を68-80℃に保温しながら、鋳型に流しこむ。室温に静置し、ゲル状の洗浄料を得る。
【0032】
〔参考例-3〕
〈1〉精製水 58.5重量%
〈2〉ジプロピレングリコール 7.0重量%
〈3〉1.2ヘキサングリコール 2.5重量%
〈4〉カラギーナン 2.0重量%
〈5〉ポリオキシエチレンラウリルエーテル
酢酸ナトリウム(ネオハイテノール
ECL-30S) 30.0重量%
合 計 100.0重量%
製法
a)成分〈2〉、〈3〉に成分〈4〉を湿潤、分散させ、〈1〉精製水に加え、85℃に加熱し、攪拌し、溶解させる。
b)a)に成分〈5〉を混合し、85℃に加熱し、これにa)を加える。均一なる高粘液を得る。
c)b)を60-75℃に保ちながら、鋳型に流し込み、室温に静置し、硬いゲル状洗浄料を得る。
【0033】
〔実施例-2〕
〈1〉精製水 58.5重量%
〈2〉1.2ヘキサングリコール 2.5重量%
〈3〉キシログルカン(グリロイド6C) 0.7重量%
〈4〉キサタンガム 0.3重量%
〈5〉カリ石ケン素地(100%) 12.0重量%
〈6〉ラウリン酸アミドプロピルヒドロキシ
スルホベタイン液(ソフタゾリンLSB) 15.0重量%
〈7〉グリセリン 10.0重量%
〈8〉クエン酸 適量
〈9〉クエン酸Na 適量
合 計 100.0重量%
製法
a)成分〈2〉に成分〈3〉、〈4〉を湿潤、分散させ、〈1〉精製水に加え、85℃に加熱し、攪拌し、溶解する。
b)a)に成分〈5〉-〈6〉を順次加え、65-85℃に加熱しながら、攪拌溶解し、均一なる高粘液を得る。
c)b)に成分〈7〉-〈9〉を加え、PHを10.5に調整する。
d)c)を鋳型に流し、室温に靜置し、ゲル状の石鹸を得る。
【0034】
〔参考例-4〕
〈1〉精製水 36.5重量%
〈2〉ジプロピレングリコール 10.0重量%
〈3〉1.2ヘキサングリコール 2.5重量%
〈4〉キサンタンガム 0.5重量%
〈5〉ローカストビーンガム 0.5重量%
〈6〉ヤシ油脂肪酸プロピルベタイン液
(オバゾリンCAB30) 50.0重量%
合 計 100.0重量%
製法
a)成分〈2〉、〈3〉混合物に成分〈4〉、〈5〉を湿潤、分散させ、〈1〉精製水に加え、85℃に加熱し、攪拌し、溶解する。
b)a)に成分〈6〉を加え、70-85℃に加熱しながら、撹拌溶解し、均一なる高粘液を得る。
c)b)を鋳型に流し込み、室温に静置し、ゲル状の石鹸を得る。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明のゲル状の洗浄料は、エネルギー、労力の消失量を極力少なくした製造方法で製造できる洗浄料組成物であり、特に、天然由来のゲル化成分をカルボン酸塩を有するアニオン性界面活性剤、又は該アニオン性界面活性剤と両性界面活性剤の混合物に配合して作られるゲル状の洗浄料の提供である。