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特許7361281自転車用スタンド及びこれを備えた自転車
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  • 特許-自転車用スタンド及びこれを備えた自転車 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-05
(45)【発行日】2023-10-16
(54)【発明の名称】自転車用スタンド及びこれを備えた自転車
(51)【国際特許分類】
   B62H 1/04 20060101AFI20231006BHJP
【FI】
B62H1/04
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2019208976
(22)【出願日】2019-11-19
(65)【公開番号】P2021079831
(43)【公開日】2021-05-27
【審査請求日】2022-10-17
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】堀内 久史
(72)【発明者】
【氏名】山口 雄大
【審査官】渡邊 義之
(56)【参考文献】
【文献】特開平9-48375(JP,A)
【文献】実開昭55-147980(JP,U)
【文献】実公昭40-31220(JP,Y1)
【文献】特開2006-205954(JP,A)
【文献】特開2019-172054(JP,A)
【文献】特開昭51-100554(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62H 1/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一本の棒状部材で形成され、左右方向に離れて位置する一対の脚部と、前記一対の脚部の先端部間に設けられた接地部とを有するスタンド本体を備え、
前記一対の脚部のそれぞれは、自転車本体に接続される基部を有し、
前記スタンド本体は、前記基部を除いた残りの部分のうちの一部に扁平部を有し、
前記扁平部は、前記残りの部分のうちの他部よりも前後方向に長
前記扁平部は、前記一対の脚部に設けられている、
自転車用スタンド。
【請求項2】
左右方向に離れて位置する一対の脚部と、前記一対の脚部の先端部間に設けられた接地部とを有するスタンド本体を備え、
前記一対の脚部のそれぞれは、自転車本体に接続される基部を有し、
前記スタンド本体は、前記基部を除いた残りの部分のうちの一部に扁平部を有し、
前記扁平部は、前記残りの部分のうちの他部よりも前後方向に長く、
前記扁平部の断面の外郭は、楕円状である、
自転車用スタンド。
【請求項3】
左右方向に離れて位置する一対の脚部と、前記一対の脚部の先端部間に設けられた接地部とを有するスタンド本体を備え、
前記一対の脚部のそれぞれは、自転車本体に接続される基部を有し、
前記スタンド本体は、前記基部を除いた残りの部分のうちの一部に扁平部を有し、
前記扁平部は、前記残りの部分のうちの他部よりも前後方向に長く、
前記他部は、直径が5mm以上25mm以下であり、
前記扁平部の前後方向の長さは、前記直径の1.2倍以上1.5倍以下である、
自転車用スタンド。
【請求項4】
前記扁平部は、前記一対の脚部に設けられている、
請求項2又は3に記載の自転車用スタンド。
【請求項5】
前記一対の脚部は、前記基部と、前記先端部と、前記基部と前記先端部の間に位置する中間部と、を有し、
前記扁平部は、前記中間部に設けられている、
請求項1又は4に記載の自転車用スタンド。
【請求項6】
前記中間部は、前記先端部側ほど左右方向外側に位置するように湾曲している、
請求項5に記載の自転車用スタンド。
【請求項7】
前記扁平部は、前記残りの部分のうち他部よりも左右方向に短い、
請求項1、4から6のいずれか一項に記載の自転車用スタンド。
【請求項8】
前記扁平部の断面の長手方向は、前後方向に対して平行、又は、前後方向に対して40°未満の範囲で傾いている、
請求項1から7のいずれか一項に記載の自転車用スタンド。
【請求項9】
前記扁平部の断面の外郭は、直線と曲線との組み合わせで形成される、
請求項1又は3に記載の自転車用スタンド。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか一項に記載の自転車用スタンドと、
前記自転車用スタンドが取り付けられる前記自転車本体と、を備える、
自転車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、自転車用スタンド及びこれを備えた自転車に関し、詳しくは、一対の脚部とその先端部間に設けられた接地部とを有する自転車用スタンド及びこれを備えた自転車に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、一対の脚部とその先端部間に設けられた接地部とを有する自転車用スタンドが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】実用新案登録第3150111号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1には、自転車用スタンドの剛性を確保しつつ、軽量化を図ることについて、何ら記載されていない。
【0005】
上記事情に鑑みて、本開示は、剛性を確保しつつ、軽量化を図ることができる自転車用スタンド及びこれを備えた自転車を提供することを、目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る自転車用スタンドは、左右方向に離れて位置する一対の脚部と、前記一対の脚部の先端部間に設けられた接地部とを有するスタンド本体を備える。前記一対の脚部のそれぞれは、自転車本体に接続される基部を有する。前記スタンド本体は、前記基部を除いた残りの部分のうちの一部に扁平部を有する。前記扁平部は、前記残りの部分のうちの他部よりも前後方向に長い。
【0007】
本開示の一態様に係る自転車は、前記の自転車用スタンドと、前記自転車用スタンドが取り付けられる前記自転車本体と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本開示の一態様に係る自転車用スタンド及びこれを備えた自転車では、剛性を確保しつつ、軽量化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1Aは、一実施形態の自転車用スタンドを示す正面図であり、図1Bは、同上の自転車用スタンドを示す側面図である。
図2図2Aは、同上の自転車用スタンドのスタンド本体を示す正面図であり、図2Bは、同上のスタンド本体を示す側面図である。図2Cは、図2A及び図2BのA-A線における断面図であり、図2Dは、図2A及び図2BのB-B線における断面図であり、図2Eは、図2A及び図2BのC-C線における断面図である。
図3図3は、同上の自転車用スタンドを備える自転車の一例を概略的に示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
1.概要
図1A,Bに示す一実施形態の自転車用スタンド1は、左右方向に離れて位置する一対の脚部2,3と、一対の脚部2,3の先端部20,30間に設けられた接地部4とを有するスタンド本体5を備える。一対の脚部2,3のそれぞれは、自転車本体101に接続される基部21,31を有する。スタンド本体5は、基部21,31を除いた残りの部分のうちの一部に扁平部6を有する。扁平部6は、前記残りの部分のうちの他部よりも前後方向に長い。
【0011】
上記構成を備える一実施形態の自転車用スタンド1では、スタンド本体5の一部に他部よりも前後方向に長い扁平部6を設けることで、自転車100の停車時にかかる前後方向の負荷に対する剛性を高めることができる。そのため、一実施形態の自転車用スタンド1では、スタンド本体5全体として必要な剛性を確保するにあたって、スタンド本体5の他部を細く設けることができて、剛性を確保しつつ、軽量化を図ることができる。
【0012】
また、図3に示す一実施形態の自転車100は、前記の自転車用スタンド1と、自転車用スタンド1が取り付けられる自転車本体101と、を備える。
【0013】
上記構成を備える一実施形態の自転車100では、自転車用スタンド1の剛性を確保しつつ、軽量化を図ることができるため、自転車100の軽量化を図ることができる。
【0014】
2.詳細
続いて、図1A,Bに示す自転車用スタンド1と図3に示す自転車100について更に詳しく説明する。本明細書では、図1A,Bに示す前後方向、左右方向及び上下方向を用いて、各構成について詳しく説明する。
【0015】
2-1.自転車用スタンド
自転車用スタンド1は、スタンド本体5、自転車本体101に固定される左右一対の固定板7、ロックレバー8、係止部材9、左右一対のコイルバネ10、及び左右一対の補強部材11を備える。
【0016】
2-1-1.スタンド本体
図2A,Bに示すように、スタンド本体5は、左右方向に離れて位置する一対の脚部2,3と、一対の脚部2,3の先端部20,30間に設けられた接地部4とを有する。スタンド本体5は、一本の中実の棒状部材に対して曲げ加工とプレス加工を行うことで、所定の形状に形成される。スタンド本体5は、本実施形態では、アルミニウム製である。スタンド本体5は、左右対称な形状に設けられている。
【0017】
一対の脚部2,3のそれぞれは、接地部4に連続する先端部20,30と、自転車本体101に接続される基部21,31と、先端部20,30と基部21,31の間に位置する中間部22,32を有する。扁平部6は、一対の脚部2,3に設けられており、更に詳しくは、中間部22,32に設けられている。扁平部6の断面(詳しくは軸方向に直交する断面)の長手方向は、前後方向に対して平行、又は、前後方向に対して40°未満の範囲で傾いている。本実施形態では、扁平部6の断面(詳しくは軸方向に直交する断面)の外郭は、楕円状であり、扁平部6の長軸60は、前後方向に対して平行である。
【0018】
図2A,Bに示すように、基部21,31のそれぞれは、本実施形態では、矩形の板状であり、上下方向に対して平行な長手方向と、前後方向に対して平行な短手方向と、左右方向に対して平行な厚み方向とを有する。基部21,31のそれぞれには、固定板7を接続するための接続孔210,310と、ロックレバー8又は係止部材9を接続するための接続孔211,311が設けられている。基部21,31のそれぞれの厚みは、先端部20,30の厚み(直径)の半分程度である。
【0019】
先端部20,30のそれぞれは、V字状に曲がった部分である。先端部20,30のそれぞれは、円弧状の円弧部200,300と、円弧部200,300の一端から左右方向内側上方に延びた直線部201,301と、円弧部200,300の他端から左右方向内側に延びた直線部202,302と、を有する。先端部20,30のそれぞれは、軸方向に直交する断面が、軸方向の全長にわたって一定であり、円形である(図2C参照)。先端部20,30のそれぞれの軸方向に直交する断面の直径L1は、例えば5mm以上25mm以下であり、本実施形態では、12mmである。
【0020】
中間部22,32のそれぞれは、一対の脚部2,3のうち、先端部20,30と基部21,31を除いた残りの部分である。本実施形態では、中間部22,32のそれぞれは、先端部20,30側ほど左右方向外側に位置するように湾曲している。中間部22,32のそれぞれは、左右方向内側下方に凸の円弧状である。中間部22,32のそれぞれは、曲げ加工及びプレス加工が行われた部分である。中間部22,32のそれぞれは、軸方向に直交する断面が、先端部20,30の直径L1よりも左右方向に短く、かつ前後方向に長い。
【0021】
中間部22,32のそれぞれは、図2D,Eに示すように、円弧の頂点部分220,320と、円弧の端部221,321とで、軸方向に直交する断面の前後方向及び左右方向の寸法が互いに異なる。ここで、軸方向に直交する断面の左右方向の長さとは、断面と平行な方向における左右方向の長さを意味する。以下では、中間部22,32の各部分の左右方向の長さについての記載は、各部分の軸方向に直交する断面と平行な方向における左右方向の長さを意味する。
【0022】
頂点部分220,320は、前後方向の長さL2が、例えば、先端部20,30の直径L1の1.2倍以上1.5倍以下であり、左右方向の長さL3が、例えば、先端部20,30の直径L1の0.5倍以上0.8倍以下である。頂点部分220,320の前後方向の長さL2は、例えば、6mm以上37.5mm以下であり、本実施形態では、16.10mmである。頂点部分220,320の左右方向の長さL3は、例えば、2.5mm以上20mm以下であり、本実施形態では、7.5mmである。
【0023】
端部221,321の前後方向の長さL4は、頂点部分220,320の前後方向の長さL2よりも短く、かつ先端部20,30の直径L1よりも長い。端部221,321の左右方向の長さL5は、頂点部分220,320の左右方向の長さL3よりも長く、かつ先端部20,30の直径L1よりも短い。
【0024】
本実施形態では、中間部22,32のそれぞれには、軸方向の全長にわたって、扁平部6が設けられている。扁平部6の軸方向に直交する断面の前後方向の長さ(詳しくは前後方向の最大長さ)は、先端部20,30の直径L1の1.2倍以上1.5倍以下である。
【0025】
接地部4は、先端部20,30の直線部202,302間に設けられている。接地部4は、直線部202,301に連続する左右一対の直線状の直線部40と、接地部4の左右方向の中央部に位置する第二直線部41と、直線部40と左右一対の第二直線部41とを連結する左右一対の傾斜部42と、を有する。
【0026】
第二直線部41は、左右一対の直線部40よりも上方に位置し、左右一対の直線部40に対して平行である。左右一対の傾斜部42は、左右方向内側の部分ほど上方に位置するように傾斜している。
【0027】
接地部4は、軸方向の全長にわたって、軸方向に直交する断面形状が一定であり、円形である。接地部4の直径L6は、先端部20,30の直径L1と同じであり、例えば、5mm以上25mm以下であり、本実施形態では、12mmである。
【0028】
2-1-2.固定板
図1A,Bに示すように、左右一対の固定板7は、スタンド本体5の左右一対の基部21,31に回転可能に接続されている。左右一対の固定板7は、自転車本体101の後側の車輪103の車軸付近に固定される部分である。スタンド本体5の基部21,31は、左右一対の固定板7を介して自転車本体101に接続される。
【0029】
左右一対の固定板7のそれぞれは、基部21,31の接続孔210,310に通したピン等の固定具によって基部21,31に回転可能に接続される。
【0030】
2-1-3.ロックレバー
ロックレバー8は、スタンド本体5の右側の基部21に回転可能に接続されている。ロックレバー8は、右側の固定板7に対して引っ掛かることで、右側の固定板7に対するスタンド本体5の回転を止める部分である。
【0031】
ロックレバー8と右側の固定板7には、コイルバネ10が接続されている。ロックレバー8は、右側の固定板7に引っ掛かってスタンド本体5の回転を止めるロック位置と、右側の固定板7から離れてスタンド本体5の回転を許容するロック解除位置との間で移動可能である。ロックレバー8は、コイルバネ10からの付勢力を受けて、通常、ロック位置に位置している。ロックレバー8は、自転車100の利用者が足先等で操作することで、ロック位置からロック解除位置へと移動することができる。
【0032】
2-1-4.係止部材
係止部材9は、スタンド本体5の左側の基部31に固定されている。係止部材9と左側の固定板7には、コイルバネ10が接続されている。コイルバネ10からの付勢力によって、左側の基部31には、右側の基部21と同じ方向の付勢力が付与される。
【0033】
2-1-5.補強部材
左右一対の補強部材11は、図2A,Bに示すように、スタンド本体5のうち、地面に接地する部分に取り付けられている。左右一対の補強部材11のそれぞれは、スタンド本体5のうち、地面に接地する部分を補強するための部材である。
【0034】
本実施形態では、左右一対の補強部材11のそれぞれは、周方向の一部が非連続の円筒状(つまりC字状)である。左右一対の補強部材11のそれぞれは、スタンド本体5よりも硬質な材料で形成される。左右一対の補強部材11のそれぞれは、例えば、鋼製である。
【0035】
左右一対の補強部材11のそれぞれは、本実施形態では、一対の脚部2,3の先端部20,30の直線部202,302と、接地部4の左右の直線部40にわたるように、スタンド本体5に取り付けられている。
【0036】
2-2.自転車
図3に示す自転車100は、上述した自転車用スタンド1と、自転車用スタンド1が取り付けられる自転車本体101と、を備える。図3に示す自転車100の一例は、電動アシスト自転車である。
【0037】
自転車本体101は、フレーム102、前後一対の車輪103、ハンドル104、サドル105、ペダル106、リアキャリア107、及びかご108等を備える。
【0038】
フレーム102、前後一対の車輪103、ハンドル104、サドル105、ペダル106、リアキャリア107のそれぞれは、主体がアルミニウムで形成されている。かご108は、例えば、合成樹脂製である。
【0039】
自転車用スタンド1は、自転車本体101の後側の車輪103の車軸付近に、左右一対の固定板7を固定することで、自転車本体101に取り付けられる。自転車用スタンド1は、自転車100の走行方向を前方としたときに、ロックレバー8が自転車本体101の左側に位置するように、自転車本体101に取り付けられる。
【0040】
自転車用スタンド1は、接地部4が後側の車輪103の下方で地面に接地して自転車本体101が自立した状態となる停車位置と、接地部4が後側の車輪103の下端よりも上方に位置して自転車本体101が走行可能な状態となる走行位置との間で回動可能である。
【0041】
3.変形例
以上説明した本実施形態の自転車用スタンド1及び自転車100の変形例について説明する。
【0042】
自転車用スタンド1は、スタンド本体5のうち、基部21,31を除いた残りの部分のうちの一部に扁平部6を有すればよく、扁平部6は、一対の脚部2,3の中間部22,32に限らず、一対の脚部2,3の先端部20,30や接地部4に設けられてもよい。
【0043】
扁平部6は、中間部22,32の全長にわたって設けられるのではなく、中間部22,32の一部に設けられてもよい。
【0044】
中間部22,32は、湾曲していなくてもよく、直線状のものや、一部で折れ曲がったものであってもよい。
【0045】
扁平部6の断面の長手方向は、前後方向に対して平行でなくてもよく、前後方向に対して40°未満の範囲(詳しくは-40°から+40°の範囲)で傾いていてもよい。
【0046】
扁平部6の断面の外郭は、楕円状に限らず、その他の形状であってもよい。また、楕円状とは、厳密な楕円に限定されない。つまり、扁平部6の断面の外郭は、曲線のみで形成されるのではなく、プレス加工により形成される左右一対の互いに平行な直線と、その他の部分を構成する曲線とで形成された略楕円状であってもよい。また、扁平部6の断面の外郭は、直線と曲線との組み合わせで形成される、その他の形状であってもよい。また、扁平部6の断面の外郭は、直線のみで形成されてもよい。
【0047】
スタンド本体5のうち、基部21,31及び扁平部6を除いた他部(先端部20,30及び接地部4)の直径L1,L6は、5mm以上25mm以下に限定されない。また、扁平部6の前後方向の長さL2は、他部の直径L1,L6の1.2倍以上1.5倍以下に限定されない。
【0048】
スタンド本体5は、中実の棒状部材に限らず、中空の棒状部材から形成されてもよい。また、スタンド本体5は、一本の棒状部材で形成されなくてもよく、複数の棒状部材を溶接等で組み合わせて形成してもよい。また、スタンド本体5は、アルミニウム製に限らず、その他の材料で形成されてもよい。
【0049】
自転車100は、図3に示す電動アシスト自転車に限らず、電動アシスト機能を有さない自転車であってもよい。
【0050】
4.まとめ
以上説明した一実施形態及びその変形例のように、第一態様の自転車用スタンド(1)は、下記の構成を備える。
【0051】
すなわち、第一態様の自転車用スタンド(1)は、左右方向に離れて位置する一対の脚部(2,3)と、一対の脚部(2,3)の先端部(20,30)間に設けられた接地部(4)とを有するスタンド本体(5)を備える。一対の脚部(2,3)のそれぞれは、自転車本体(101)に接続される基部(21,31)を有する。スタンド本体(5)は、基部(21,31)を除いた残りの部分のうちの一部に扁平部(6)を有する。扁平部(6)は、前記残りの部分のうちの他部よりも前後方向に長い。
【0052】
上記構成を備える第一態様の自転車用スタンド(1)では、スタンド本体(5)の一部に他部よりも前後方向に長い扁平部(6)を設けることで、自転車(100)の停車時にかかる前後方向の負荷に対する剛性を高めることができる。そのため、第一態様の自転車用スタンド(1)では、スタンド本体(5)全体として必要な剛性を確保するにあたって、スタンド本体(5)の他部を細く設けることができて、剛性を確保しつつ、軽量化を図ることができる。
【0053】
また、上述した一実施形態及びその変形例のように、第二態様の自転車用スタンド(1)は、第一態様の自転車用スタンド(1)の構成に加えて、下記の構成を付加的に備える。
【0054】
すなわち、第二態様の自転車用スタンド(1)では、扁平部(6)は、一対の脚部(2,3)に設けられている。
【0055】
上記構成を備える第二態様の自転車用スタンド(1)では、自転車(100)の停車時に前後方向の負荷がかかりやすい一対の脚部(2,3)の剛性を扁平部(6)によって高めることができる。
【0056】
また、上述した一実施形態及びその変形例のように、第三態様の自転車用スタンド(1)は、第二態様の自転車用スタンド(1)の構成に加えて、下記の構成を付加的に備える。
【0057】
すなわち、第三態様の自転車用スタンド(1)では、一対の脚部(2,3)は、基部(21,31)と、先端部(20,30)と、基部(21,31)と先端部(20,30)の間に位置する中間部(22,32)と、を有する。扁平部(6)は、中間部(22,32)に設けられている。
【0058】
上記構成を備える第三態様の自転車用スタンド(1)では、一対の脚部(2,3)の中間部(22,32)の剛性を高めることで、一対の脚部(2,3)の剛性を効果的に高めることができる。
【0059】
また、上述した一実施形態及びその変形例のように、第四態様の自転車用スタンド(1)は、第三態様の自転車用スタンド(1)の構成に加えて、下記の構成を付加的に備える。
【0060】
すなわち、第四態様の自転車用スタンド(1)では、中間部(22,32)は、先端部(20,30)側ほど左右方向外側に位置するように湾曲している。
【0061】
上記構成を備える第四態様の自転車用スタンド(1)では、スタンド本体(5)を所定の形状に製造する際に、曲げ加工とプレス加工とを合わせて行うことができて、製造しやすい。
【0062】
また、上述した一実施形態及びその変形例のように、第五態様の自転車用スタンド(1)は、第二から第四のいずれか一つの態様の自転車用スタンド(1)の構成に加えて、下記の構成を付加的に備える。
【0063】
すなわち、第五態様の自転車用スタンド(1)では、扁平部(6)は、前記残りの部分のうちの他部よりも左右方向に短い。
【0064】
上記構成を備える第五態様の自転車用スタンド(1)では、扁平部(6)の左右方向の長さ(つまり厚み)を抑えることができて、軽量化を図りやすい。
【0065】
また、上述した一実施形態及びその変形例のように、第六態様の自転車用スタンド(1)は、第一から第五のいずれか一つの態様の自転車用スタンド(1)の構成に加えて、下記の構成を付加的に備える。
【0066】
すなわち、第六態様の自転車用スタンド(1)では、扁平部(6)の断面の長手方向は、前後方向に対して平行、又は、前後方向に対して40°未満の範囲で傾いている。
【0067】
上記構成を備える第六態様の自転車用スタンド(1)では、扁平部(6)によって自転車(100)の停車時にかかる前後方向の負荷に対する剛性を効果的に高めることができる。
【0068】
また、上述した一実施形態及びその変形例のように、第七態様の自転車用スタンド(1)は、第一から第六のいずれか一つの態様の自転車用スタンド(1)の構成に加えて、下記の構成を付加的に備える。
【0069】
すなわち、第七態様の自転車用スタンド(1)では、扁平部(6)の断面の外郭は、楕円形状である。
【0070】
上記構成を備える第七態様の自転車用スタンド(1)では、例えば、丸棒状の部材の一部にプレス加工を行うことで扁平部(6)を形成することができて、扁平部(6)を形成しやすい。
【0071】
また、上述した一実施形態及びその変形例のように、第八態様の自転車用スタンド(1)は、第一から第六のいずれか一つの態様の自転車用スタンド(1)の構成に加えて、下記の構成を付加的に備える。
【0072】
すなわち、第八態様の自転車用スタンド(1)では、扁平部(6)の断面の外郭は、直線と曲線との組み合わせで形成される。
【0073】
上記構成を備える第八態様の自転車用スタンド(1)では、断面の外郭が直線と曲線との組み合わせで形成される扁平部(6)によって、自転車(100)の停車時にかかる前後方向の負荷に対する剛性を高めることができる。
【0074】
また、上述した一実施形態及びその変形例のように、第九態様の自転車用スタンド(1)は、第一から第八のいずれか一つの態様の自転車用スタンド(1)の構成に加えて、下記の構成を付加的に備える。
【0075】
すなわち、第九態様の自転車用スタンド(1)では、前記他部は、直径(L1,L6)が5mm以上25mm以下である。扁平部(6)の前後方向の長さ(L2)は、前記直径(L1,L6)の1.2倍以上1.5倍以下である。
【0076】
上記構成を備える第九態様の自転車用スタンド(1)では、一般的な自転車用スタンドよりも他部の直径を小さくできて、自転車用スタンド(1)の軽量化が図れるうえ、扁平部(6)によって前後方向の負荷に対する剛性を効果的に高めることができる。
【0077】
また、上述した一実施形態及びその変形例のように、第十態様の自転車(100)は、下記の構成を備える。
【0078】
すなわち、第十態様の自転車(100)は、第一から第九のいずれか一つの態様の自転車用スタンド(1)と、自転車用スタンド(1)が取り付けられる自転車本体(101)と、を備える。
【0079】
上記構成を備える第十態様の自転車(100)では、自転車用スタンド(1)の剛性を確保したうえで、軽量化が図れるため、その結果、自転車(100)の軽量化を図ることができる。
【0080】
以上、本開示を添付図面に示す実施形態に基づいて説明したが、本開示は上記の各実施形態に限定されるものではなく、本開示の意図する範囲内であれば、適宜の設計変更が可能である。
【符号の説明】
【0081】
1 自転車用スタンド
2 脚部
20 先端部
21 基部
22 中間部
3 脚部
30 先端部
31 基部
32 中間部
4 接地部
5 スタンド本体
6 扁平部
60 長軸
100 自転車
101 自転車本体
L1 直径
L2 前後方向の長さ
L6 直径
図1
図2
図3