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特許7361282自律走行型掃除機、制御装置、及び制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-05
(45)【発行日】2023-10-16
(54)【発明の名称】自律走行型掃除機、制御装置、及び制御方法
(51)【国際特許分類】
   A47L 9/28 20060101AFI20231006BHJP
【FI】
A47L9/28 E
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020035654
(22)【出願日】2020-03-03
(65)【公開番号】P2021137153
(43)【公開日】2021-09-16
【審査請求日】2022-11-28
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100123102
【弁理士】
【氏名又は名称】宗田 悟志
(72)【発明者】
【氏名】土田 英也
(72)【発明者】
【氏名】古賀 理基
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 毅
【審査官】粟倉 裕二
(56)【参考文献】
【文献】特表2019-526857(JP,A)
【文献】特開2013-048724(JP,A)
【文献】特開平04-210024(JP,A)
【文献】特開2019-141313(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47L 9/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
前記筐体の内部に設けられた収納部に着脱可能に収納される容器と、
前記収納部の開口を開閉する蓋と、
前記筐体の周囲の状況を検知するためのセンサと、
を備え、
前記容器が前記収納部に収納されていない状態では、前記蓋が閉まらないように構成され、
前記蓋が開いている状態では、前記センサの検知範囲の少なくとも一部を前記蓋が遮るように構成され
塵埃を吸引して前記容器に蓄積するための清掃動作を制御する清掃制御部を更に備え、
前記清掃制御部は、前記センサにより前記蓋が閉じていないことが検知された場合、前記清掃動作を実行しない
自律走行型掃除機。
【請求項2】
前記蓋を閉じた状態に保持するための閉状態保持部を更に備え、
前記容器が前記収納部に収納されていても、前記閉状態保持部により前記蓋が閉じた状態に保持されていない状態では、前記センサの検知範囲の少なくとも一部を前記蓋が遮るように構成される請求項1に記載の自律走行型掃除機。
【請求項3】
前記筐体の移動を制御する移動制御部を更に備え、
前記移動制御部は、前記センサにより前記蓋が閉じていないことが検知された場合、前記筐体を移動させない請求項1又は2に記載の自律走行型掃除機。
【請求項4】
自律走行型掃除機による清掃動作を制御する清掃制御部と、
前記自律走行型掃除機に設けられ、前記自律走行型掃除機の周囲の状況を検知するためのセンサから、検知データを取得する検知データ取得部と、
を備え、
前記清掃制御部は、前記検知データ取得部により、前記自律走行型掃除機により集塵された塵埃を蓄積するための容器を着脱可能に収納する収納部の蓋が閉じていないことを示す検知データが取得された場合、前記清掃動作を実行しない制御装置。
【請求項5】
前記自律走行型掃除機の移動を制御する移動制御部を更に備え、
前記移動制御部は、前記検知データ取得部により、前記自律走行型掃除機により集塵された塵埃を蓄積するための容器を着脱可能に収納する収納部の蓋が閉じていないことを示す検知データが取得された場合、前記自律走行型掃除機を移動させない請求項に記載の制御装置。
【請求項6】
自律走行型掃除機による清掃動作を制御するステップと、
前記自律走行型掃除機に設けられ、前記自律走行型掃除機の周囲の状況を検知するためのセンサから、検知データを取得するステップと、
を備え、
前記自律走行型掃除機により集塵された塵埃を蓄積するための容器を着脱可能に収納する収納部の蓋が閉じていないことを示す検知データが取得された場合、前記清掃動作を実行しない制御方法。
【請求項7】
前記蓋が閉じていないことを示す検知データが取得された場合、前記自律走行型掃除機を移動させない請求項に記載の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、自律走行型掃除機、自律走行型掃除機を制御するための制御装置及び制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年では、使用者が留守中に自動的に部屋の中を掃除する自律走行型掃除機に関する技術が数多く特許出願されている。例えば特許文献1には、筐体の前面に距測センサを搭載した自律走行型掃除機が記載されている。特許文献1に記載されたロボット掃除機では、吸入された空気中の塵を分離して集塵するダストボックスが、ダストボックス収容部に着脱可能に結合される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特表2019-516505号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
使用者がダストボックスに集塵された塵を捨てるためにダストボックス収容部からダストボックスを取り外したときに、ダストボックスをダストボックス収容部に戻し忘れることがありうる。ダストボックスが取り外されたままロボット掃除機が清掃動作を実行すると、吸い込まれた塵が筐体内に散乱してしまう。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本開示のある態様の自律走行型掃除機は、筐体と、筐体の内部に設けられた収納部に着脱可能に収納される容器と、収納部の開口を開閉する蓋と、筐体の周囲の状況を検知するためのセンサと、を備える。容器が収納部に収納されていない状態では、蓋が閉まらないように構成され、蓋が開いている状態では、センサの検知範囲の少なくとも一部を蓋が遮るように構成される。
【0006】
本開示の別の態様は、制御装置である。この装置は、自律走行型掃除機による清掃動作を制御する清掃制御部と、自律走行型掃除機に設けられ、自律走行型掃除機の周囲の状況を検知するためのセンサから、検知データを取得する検知データ取得部と、を備える。清掃制御部は、検知データ取得部により、自律走行型掃除機により集塵された塵埃を蓄積するための容器を着脱可能に収納する収納部の蓋が閉じていないことを示す検知データが取得された場合、清掃動作を実行しない。
【0007】
本開示の更に別の態様は、制御方法である。この方法は、自律走行型掃除機による清掃動作を制御するステップと、自律走行型掃除機に設けられ、自律走行型掃除機の周囲の状況を検知するためのセンサから、検知データを取得するステップと、を備える。自律走行型掃除機により集塵された塵埃を蓄積するための容器を着脱可能に収納する収納部の蓋が閉じていないことを示す検知データが取得された場合、清掃動作を実行しない。
【0008】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本開示の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本開示の態様として有効である。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、自律走行型掃除機の製造コストを抑えつつ、利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本実施例装置である自律走行型掃除機の斜視図である。
図2】本実施例装置である自律走行型掃除機の左側面図である。
図3】カバーが開いているときの自律走行型掃除機の斜視図である。
図4】カバーが開いているときの自律走行型掃除機の左側面図である。
図5】カバーが開いているときの自律走行型掃除機の左後方斜視図である。
図6】リブとレバーとの関係について説明するための図である。
図7】リブとレバーとの関係について説明するための図である。
図8】カバーが閉状態に保持されていないときの自律走行型掃除機の斜視図である。
図9】カバーが閉状態に保持されていないときの自律走行型掃除機の左側面図である。
図10】本実施例装置のブロック図である。
図11】実施の形態に係る制御部の機能ブロック図である。
図12】実施の形態に係る制御方法の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明では、同一または相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。また、本実施の形態によって、本発明が限定されるものではない。
【0012】
図1は、本実施例装置である自律走行型掃除機の斜視図である。図1において、自律走行型掃除機の前側、後ろ側、左側、右側を夫々矢印で図示している。
【0013】
図1において、自律走行型掃除機の筐体1は、上ボデー2と下ボデー3を有しており、筐体1の前方にはバンパ4が配置されている。このバンパ4の内側には1又は複数の衝突検知用のスイッチ(図示せず)が配置されており、バンパ4が障害物に衝突すると、バンパ4が筐体1内側に向けて移動すると共にスイッチがオンし、バンパ4が障害物に衝突したことが検知される。
【0014】
筐体1の上面でかつバンパ4の後方には、カバー5が配置されている。このカバー5内部にはダストボックス(後述)を収納するための収納部が設けられており、使用者がカバー5を押下するとカバー5の前方又は後方が外れ、収納部からダストボックスを取り出すことができる。
【0015】
カバー5の後方には、LiDAR(Light Detection and Ranging)6が配置されている。このLiDAR6は、LiDAR6の中心を軸として発光部と受光部を回転させることにより、筐体1の周囲の障害物等を検知することができる。また、このLiDAR6を用いることにより、部屋の地図を作成することも可能である。
【0016】
図2は、本実施例装置である自律走行型掃除機の左側面図である。図2において、自律走行型掃除機の前側、後ろ側、上側、下側を夫々矢印で図示している。
【0017】
筐体1の前方にはバンパ4が配置され、その後方には上ボデー2が配置されている。また、上ボデー2の左右側面には、排気口7が形成されており、上ボデー2の後方上面にはLiDAR6が配置されている。下ボデー3の前方にはサイドブラシ8が配置されている。
【0018】
図3は、カバー5が開いているときの自律走行型掃除機の斜視図である。図4は、カバー5が開いているときの自律走行型掃除機の左側面図である。図5は、カバー5が開いているときの自律走行型掃除機の左後方斜視図である。カバー5は、前端部において筐体1に軸支されており、後部が上方に持ち上がるようにして開かれる。したがって、カバー5が開いているときは、LiDAR6の前方の検知範囲の一部がカバー5によって遮られる。
【0019】
カバー5の下方の筐体1内には、ダストボックス(後述)を収納するための収納部32が設けられる。カバー5の下面には、リブ30と突起部31が設けられる。収納部32には、カバー5が閉じられたときにリブ30と収納部32又はダストボックスとが干渉しないようにするための凹部33と、凹部33を開閉するためのレバー34と、突起部31を係止するための係止部が設けられている。突起部31と係止部は、カバー5を閉じた状態に保持するための閉状態保持部として機能する。
【0020】
図6及び図7は、リブとレバーとの関係について説明するための図である。図6(a)は、カバー5が開いているときの自律走行型掃除機の左側面図であり、図6(b)は、図6(a)のAA断面図であり、図6(c)は、図6(b)の部分拡大図である。図7(a)は、カバー5が閉じているときの自律走行型掃除機の左側面図であり、図7(b)は、図7(b)のAA断面図であり、図7(c)は、図7(b)の部分拡大図である。
【0021】
レバー34は、筐体1に軸支されており、バネ(図示せず)などによって時計回りの方向に付勢されている。したがって、収納部32にダストボックス35が収納されていないときには、図6(b)及び図6(c)に示すように、凹部33がレバー34によって閉じられる。このとき、カバー5を閉めようとしても、リブ30がレバー34に当たって凹部33に嵌まり込むことができないので、カバー5が閉まらない。これにより、ダストボックス35が収納部32から取り出されていることを使用者に気づかせることができるので、ダストボックス35が収納部32に収納されないまま放置されるのを防ぐことができる。また、カバー5が開いているときには、カバー5がLiDAR6の前方の視界を遮るように構成されているので、自律走行型掃除機は、LiDAR6の検知結果に基づいて、カバー5が開いていることや、ダストボックス35が収納部32に収納されていないことを検知して、清掃動作や走行を実行しないように制御することができる。これにより、ダストボックス35が収納部32に収納されないまま自律走行型掃除機が清掃動作を実行したり、カバー5が開いたまま自律走行型掃除機が走行したりするのを防ぐことができる。
【0022】
ダストボックス35が収納部32に収納されると、図7(b)及び図7(c)に示すように、ダストボックス35の側面がレバー34の下部を押し込むことによってレバー34が反時計回りの方向に回動し、凹部33が開かれる。この状態においては、リブ30が凹部33に嵌まり込むことができるので、カバー5を閉じることができる。
【0023】
突起部31と係止部は、例えばプッシュラッチ方式のラッチ機構であってもよい。この場合、カバー5を上方から押し込むことにより突起部31が係止部にラッチされ、カバー5が閉じた状態に保持される。カバー5を上方から再度押し込むことにより突起部31と係止部のラッチが解除され、カバー5が開かれる。
【0024】
図8は、カバー5が閉状態に保持されていないときの自律走行型掃除機の斜視図である。図9は、カバー5が閉状態に保持されていないときの自律走行型掃除機の左側面図である。突起部31が係止部に係合せずに係止部の上に乗った状態のままであると、カバー5が閉まりきらずに浮いた状態になる。このときにも、カバー5がLiDAR6の前方の検知範囲の一部を遮るように構成される。自律走行型掃除機は、LiDAR6の検知結果に基づいて、カバー5が閉状態に保持されていないことを検知して、清掃動作や走行を実行しないように制御することができる。これにより、カバー5が閉状態に保持されていない状態で自律走行型掃除機が走行し、走行中にカバー5が開いてしまうのを防ぐことができる。
【0025】
図10は、本実施例装置のブロック図である。図10において、制御部40は、例えばCPU(Central Processing Unit)のようなマイクロコンピュータからなり、各回路の制御を司る。
【0026】
通信部41は、通信端末やルーター等と無線接続可能であり、例えば、Wi-Fi(登録商標)やBluetooth(登録商標)等の通信機能を有している。
【0027】
記憶部42は、例えば、フラッシュメモリのような不揮発性メモリからなり、制御部40が実行する制御プログラムや各種パラメータ等を格納する。
【0028】
吸引モータ43は、吸引風を発生させるためのモータである。吸引モータ43と吸込口は連通しており、吸引モータ43によって吸込口から外気が吸引される。
【0029】
右駆動部44は、右駆動輪を駆動するためのモータである。左駆動部45は、左駆動輪を駆動するためのモータである。
【0030】
段差センサ24は、床面の段差を検知するためのセンサであり、例えば赤外線の発光素子と受光素子を有する。バンパセンサ46は、バンパ4が障害物と衝突したことを検知するためのセンサである。
【0031】
LiDAR6は、発光部及び受光部と、これらの素子を回転させるための回転機構及びモータを有している。このLiDAR6は、LiDAR6の中心を軸として発光部と受光部を回転させることにより、筐体1周囲の障害物等を検知することができる。また、このLiDAR6を用いることにより、部屋の地図を作成することも可能である。
【0032】
右上センサ12と右下センサ14、左上センサ11と左下センサ13は、例えば赤外線の発光素子と受光素子からなり、障害物までの距離等を検知する。
【0033】
地図作製部50は、障害物の形状を検知する機能や、地図情報を作成する機能等を有している。
【0034】
尚、本実施例装置は、これらの構成の他に、超音波センサ、メインブラシを駆動するためのモータ、サイドブラシ8を駆動するためのモータ等も搭載しているが、本開示と直接関係がないため図10での説明を省略する。
【0035】
図11は、実施の形態に係る制御部の機能ブロック図である。制御部40は、検知データ取得部51、カバー検知部52、清掃制御部53、及び移動制御部54を備える。
【0036】
検知データ取得部51は、LiDAR6により検知された検知データをLiDAR6から取得する。検知データは、反射点の方向、距離、受光した光の強度などの情報を含んでもよい。
【0037】
カバー検知部52は、検知データ取得部51により取得された検知データに基づいて、カバー5の開閉状態を検知する。カバー検知部52は、LiDAR6の前方の所定の検知範囲において、LiDAR6からカバー5までの距離に相当する距離の反射点が所定数以上検知された場合に、カバー5が開いたままであることを検知してもよい。カバー検知部52は、カバー5が完全に開いている状態(図3図5)と、カバー5が閉状態に保持されずに浮いている状態(図8図9)とを区別せずに検知してもよいし、両者を区別して検知してもよい。カバー5が完全に開いている状態では、LiDAR6によりカバー5の前方の下面が検知され、カバー5が浮いている状態では、LiDAR6によりカバー5の後方の下面又は側面が検知される。したがって、カバー検知部52は、LiDAR6により検知された反射点までの距離に基づいて、カバー5が完全に開いている状態と、カバー5が浮いている状態とを区別して検知してもよい。カバー検知部52は、カバー5が開いていることを検知すると、図示しない表示部やスピーカーなどを介して、その旨を使用者に報知してもよい。
【0038】
清掃制御部53は、吸引モータ43、サイドブラシ8、メインブラシ(図示せず)などによる清掃動作を制御する。清掃制御部53は、カバー検知部52によりカバー5が閉じていることが検知された場合は、吸引モータ43、サイドブラシ8、メインブラシなどを駆動して清掃動作を実行する。清掃制御部53は、カバー検知部52によりカバー5が開いていることが検知された場合は、ダストボックス35が収納部32に収納されていない可能性があるので、清掃動作を実行しない。これにより、ダストボックス35が収納部32に収納されないまま周囲の塵埃を吸引することにより、筐体1の内部に塵埃が散乱してしまうのを防ぐことができる。清掃制御部53は、清掃を開始する前にカバー検知部52による検知結果を取得し、カバー5が開いていることが検知されている間は清掃動作を開始しない。また、清掃制御部53は、清掃中にカバー検知部52による検知結果を取得し、カバー5が開いていることが検知された場合は清掃動作を強制的に停止し、カバー検知部52によりカバー5が閉じていることが検知されるまで清掃動作を開始しない。
【0039】
移動制御部54は、右駆動部44及び左駆動部45による筐体1の移動を制御する。移動制御部54は、地図作製部50により作成された地図を参照しつつ、段差センサ24、バンパセンサ46、LiDAR6、左上センサ11、右上センサ12、左下センサ13、右下センサ14などの検知データに基づいて、右駆動部44及び左駆動部45を制御する。移動制御部54は、清掃制御部53は、カバー検知部52によりカバー5が開いていることが検知された場合は、筐体1を移動させない。これにより、移動中にカバー5が開閉を繰り返したり、周囲の物体に接触したりして破損してしまうのを防ぐことができる。移動制御部54は、移動を開始する前にカバー検知部52による検知結果を取得し、カバー5が開いていることが検知されている間は筐体1を移動させない。また、移動制御部54は、移動中にカバー検知部52による検知結果を取得し、カバー5が開いていることが検知された場合は移動を強制的に停止し、カバー検知部52によりカバー5が閉じていることが検知されるまで移動を開始しない。
【0040】
図12は、実施の形態に係る制御方法の手順を示すフローチャートである。制御部40は、清掃開始が指示されるまで待機し(S10のN)、清掃開始が指示されると(S10のY)、LiDAR6による測量を開始する(S12)。検知データ取得部51がLiDAR6から検知データを取得し、カバー検知部52がカバー5の開閉状態を検知する(S14)。カバー検知部52によりカバー5が開いていることが検知されている間(S14のY)、清掃制御部53は、清掃動作を禁止し(S16)、カバー5が開いていることをユーザーに報知する(S18)。このとき、移動制御部54は、自律走行型掃除機の移動を禁止してもよい。カバー検知部52によりカバー5が閉じていることが検知されると(S14のN)、清掃制御部53は清掃動作を開始する(S20)。このとき、移動制御部54は、自律走行型掃除機を必要に応じて移動させる。
【0041】
清掃制御部53は、清掃終了のタイミングが到来すると(S22のY)、清掃を終了する。清掃終了のタイミングではない場合は(S22のN)、カバー検知部52は、清掃中にもカバー5の開閉状態を検知する(S24)。カバー検知部52によりカバー5が開いていることが検知されると(S24のY)、清掃制御部53は、清掃動作を強制的に停止し(S26)、カバー5が開いていることをユーザーに報知する(S28)。このとき、移動制御部54は、自律走行型掃除機の移動を強制的に停止してもよい。清掃制御部53は、カバー検知部52によりカバー5が開いていることが検知されている間(S24のY)、清掃動作を実行しない。カバー検知部52によりカバー5が閉じていることが検知された場合(S24のN)、清掃制御部53は、清掃動作を実行する(S30)。清掃動作が強制的に停止された後、ユーザーがカバー5を閉じた場合は、カバー検知部52によりカバー5が閉じていることが検知されるので(S24のN)、清掃制御部53は、清掃動作を再開する(S30)。以上の手順を、清掃終了のタイミングが到来するまで繰り返す。
【0042】
本実施の形態の技術によれば、カバー5が開いていることや、収納部32にダストボックス35が収納されていないことを自動的に検知して、自律走行型掃除機による清掃動作や移動を制限することができるので、自律走行型掃除機における不具合の発生を防ぎ、利便性を向上させることができる。また、自律走行型掃除機が走行のために使用するLiDARによってカバー5が開いていることを検知することができるので、カバー5の開閉状態やダストボックス35の収納状態を検知するためのセンサを新たに搭載する必要がない。これにより、自律走行型掃除機の製造コストを抑えつつ、利便性を向上させることができる。
【0043】
以上、本開示を、実施例をもとに説明した。これらの実施例は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本開示の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0044】
上述した実施例は当業者が実施可能な最良の形態であるが、以下のように実施することも考えられる。
【0045】
本実施例では、筐体1を上ボデー2、下ボデー3、カバー5を有していると説明したが、筐体1が下ボデー3、カバー5を含む下ボデー3を有している、と定義しても良い。
【0046】
本実施形態の技術は、自律走行型掃除機以外にも、自動運転車、無人航空機、自走式ロボットなど、自走可能な各種の移動体に適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明の自律走行型掃除機は、家庭用の電気掃除機、或いはオフィスや工場等で使用される業務用の電気掃除機等に広く利用することができる。
【符号の説明】
【0048】
1 筐体、2 上ボデー、3 下ボデー、4 バンパ、5 カバー、6 LiDAR、7 排気口、8 サイドブラシ、11 左上センサ、12 右上センサ、13 左下センサ、14 右下センサ、24 段差センサ、30 リブ、31 突起部、32 収納部、33 凹部、34 レバー、35 ダストボックス、40 制御部、41 通信部、42 記憶部、43 吸引モータ、44 右駆動部、45 左駆動部、46 バンパセンサ、50 地図作製部、51 検知データ取得部、52 カバー検知部、53 清掃制御部、54 移動制御部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12