(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-05
(45)【発行日】2023-10-16
(54)【発明の名称】シンクの排水構造及び調理台
(51)【国際特許分類】
E03C 1/30 20060101AFI20231006BHJP
E03C 1/12 20060101ALI20231006BHJP
E03C 1/264 20060101ALI20231006BHJP
E03C 1/284 20060101ALI20231006BHJP
E03C 1/126 20060101ALI20231006BHJP
【FI】
E03C1/30
E03C1/12 D
E03C1/264
E03C1/284
E03C1/126
(21)【出願番号】P 2019101724
(22)【出願日】2019-05-30
【審査請求日】2022-04-18
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】稲岡 和彦
(72)【発明者】
【氏名】潮田 栄二
【審査官】七字 ひろみ
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-291461(JP,A)
【文献】実開平06-087474(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E03C 1/12-1/33
B08B 3/00-3/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シンクの底に位置し、網かごが収容される凹部と、
前記凹部に接続され、前記凹部に洗浄水を供給する供給管と、
前記凹部の底面につながった曲管型の排水トラップと、を備え、
前記供給管は、前記洗浄水が前記凹部の内周面の周方向に旋回して流れるように、前記洗浄水を供給
し、
前記凹部の前記底面に設けられた排水口は開いており、
前記排水トラップは、前記凹部の前記底面上を流れる旋回流が、前記排水トラップの封水部よりも上流側の部分の内周面に旋回して流れるように、前記排水口につながっている、
シンクの排水構造。
【請求項2】
前記底面は、前記網かごの底面との間に隙間を形成して位置する、
請求項1に記載のシンクの排水構造。
【請求項3】
前記内周面は、平面視円形状である、
請求項1又は2に記載のシンクの排水構造。
【請求項4】
前記供給管は、前記内周面の接線に沿うように前記洗浄水を供給する、
請求項1から3のいずれか一項に記載のシンクの排水構造。
【請求項5】
前記供給管は、前記内周面の上部に接続されている、
請求項1から4のいずれか一項に記載のシンクの排水構造。
【請求項6】
前記供給管の上流側の端部は、食器洗浄機の排水口に接続される、
請求項1から5のいずれか一項に記載のシンクの排水構造。
【請求項7】
天板と、
前記天板の一部に設けられたシンクと、を備え、
前記シンクは、請求項1から6のいずれか一項に記載のシンクの排水構造を有する、
調理台。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、シンクの排水構造及び調理台に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、食器洗い機の洗浄排水を誘導する誘導管を、シンクの排水を流す排水管に連結した排水構造が、記載されている。
【0003】
この排水構造では、排水管のうち、ゴミカゴが収容されるカゴ収容部に、誘導管が接続され、洗浄排水が、カゴ収容部の内壁に沿って旋回流を発生させるように構成されている。排水管のうち、カゴ収容部の下流側である底部分には、トラップ部が設けられている。
【0004】
この排水構造では、誘導管から供給される洗浄排水によって、カゴ収容部の内壁や、ゴミカゴの外周面が洗浄される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1に記載の排水構造では、排水管の底部のトラップ部に封水が常時溜まるため、トラップ部に隣接するゴミカゴの底面には、菌やカビが発生して、ぬめりや汚れが生じるおそれがある。
【0007】
上記事情に鑑みて、本開示は、シンクの底の排水部分にぬめりや汚れが生じにくい、シンクの排水構造及び調理台を提案することを、目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示に係る一態様のシンクの排水構造は、シンクの底に位置し、網かごが収容される凹部と、前記凹部に接続され、前記凹部に洗浄水を供給する供給管と、前記凹部の底面につながった曲管型の排水トラップと、を備える。前記供給管は、前記洗浄水が前記凹部の内周面の周方向に旋回して流れるように、前記洗浄水を供給する。
【0009】
また、本開示に係る一実施形態の調理台は、天板と、前記天板の一部に設けられたシンクと、を備え、前記シンクは、前記シンクの排水構造を有する。
【発明の効果】
【0010】
本開示に係る一態様のシンクの排水構造及び調理台は、シンクの底の排水部分にぬめりや汚れが生じにくい。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、一実施形態のシンクの排水構造を示す正面断面図である。
【
図2】
図2は、同上のシンクの排水構造において洗浄水が流れる様子を示す平断面図である。
【
図3】
図3は、同上のシンクの排水構造を備えた調理台の一例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
1.概要
図1に示す一実施形態のシンクの排水構造は、シンク1の底に位置し、網かご2が収容される凹部3と、凹部3に接続され、凹部3に洗浄水を供給する供給管4と、凹部3の底面30につながった曲管型の排水トラップ5と、を備える。供給管4は、洗浄水が凹部3の内周面31の周方向に旋回して流れるように、洗浄水を供給する(
図2参照)。
【0013】
上記構成を備えることで、一実施形態のシンクの排水構造では、供給管4から供給された洗浄水が、凹部3の内周面31において、凹部3の内周面31の周方向に旋回して流れ、その後、凹部3の底面30において、内周面31の周方向に旋回して流れる。これにより、一実施形態のシンクの排水構造では、洗浄水の旋回流によって凹部3の内周面31と底面30を洗浄することができ、シンク1の底の排水部分(つまり凹部3)に、ぬめりや汚れを生じることを抑制することができる。
【0014】
2.詳細
続いて、一実施形態のシンクの排水構造について更に詳しく説明する。
図3には、本実施形態のシンクの排水構造を備える調理台100が示されている。以下では、
図3に示す前後、上下及び左右方向を用いて、各構成について説明する。調理台100に対して設計上利用者が位置する方向を前方と規定し、その反対方向を後方と規定し、調理台100の利用者から見た方向を基準にして、左右方向を規定している。
【0015】
調理台100は、シンク1、網かご2、供給管4、及び排水トラップ5(
図1参照)に加えて、天板6と、天板6を下方から支持するキャビネット7とを備える。調理台100は更に、天板6に設置された加熱調理器8と、キャビネット7に内蔵された食器洗浄機9と、シンク1に設けられた水栓10とを備える。
【0016】
天板6は、平面視矩形の板状であり、左右方向に長さを有し、前後方向に幅を有する。天板6の一部に、シンク1が設けられる。本実施形態では、天板6の長さ方向の一方の端部(右端部)に、シンク1が設置される第一設置孔60を有し、天板6の長さ方向の他方の端部(左端部)に、加熱調理器8が設置される第二設置孔61を有する。設置孔60,61のそれぞれは、天板6を上下方向に貫通する。設置孔60,61は、互いに左右方向に離れて位置する。天板6のうち、左右の設置孔60,61の間の部分の上面は、調理スペースとして利用される調理面を構成する。天板6は、例えば、人造大理石製である。
【0017】
キャビネット7は、床に設置されて、天板6の全体を下方から支持する。キャビネット7は、その内部に収納空間を有する。キャビネット7は、その正面側(前面側)に、前方に引出し可能な複数(本実施形態では六つ)の前板70と、固定された二つの幕板71とを有する。キャビネット7の前面のうち、シンク1と加熱調理器8のそれぞれの前方に位置する部分が、幕板71である。
【0018】
複数の前板70のうち、キャビネット7の前面の左右方向の中央部に位置する前板70aは、食器洗浄機9の前扉91を構成している。前板70aは、左右の幕板71の間からその下方の左右の前板70の間にわたって位置している。残りの前板70のそれぞれは、キャビネット7の収納空間に出し入れ可能な引出しの前板を構成している。
【0019】
加熱調理器8は、ガスコンロ又は電磁加熱調理器である。加熱調理器8は、第二設置孔61に挿入されるビルドイン型の調理器である。
【0020】
食器洗浄機9は、キャビネット7の左右方向の中央部に内蔵されている。食器洗浄機9は、洗浄機本体90と、洗浄機本体90の前端部に設けられた前扉91とを備えている。洗浄機本体90及び前扉91は、前方に引出し可能に構成されており、キャビネット7から引き出した状態で、洗浄機本体90の内部に食器等を収納することができる。洗浄機本体90は、キャビネット7内に収容された状態で、食器等の洗浄を行うことができる。洗浄機本体90の底部には、排水口が設けられている。この排水口には、排出管の上流側の端部が接続されている。排出管の下流側の端部は、洗浄機本体90のうち、凹部3と上下方向において略同じ位置から後方に突出している。この排出管の下流側の端部に、供給管4の上流側の端部(凹部3に接続される側の端部とは反対側の端部)を接続することで、供給管4は、食器洗浄機9の排水口につながる。
【0021】
食器洗浄機9は、洗浄機本体90内に供給する、食器類を洗浄するための洗浄水を昇温させるヒータと、洗浄水の供給等に用いられるポンプを更に有する。本実施形態では、ポンプは、供給管4に排出された洗浄水を加圧する機能を更に有する。
【0022】
食器洗浄機9では、ヒータで昇温され、ポンプで加圧された洗浄水が、洗浄機本体90内の食器類に噴射され、洗浄機本体90内に投入された食器洗浄機専用の洗剤と混ざって、食器類の洗浄が行われる。食器洗浄機専用の洗剤は、手洗い用の洗剤には一般的に含まれない、漂白成分、酵素等を含んだ洗浄効果の高い洗剤である。
【0023】
洗浄機本体90の排水口からは、食器洗浄機専用の洗剤を含んだ比較的高温(60℃程度)の洗浄排水が、供給管4に排出される。供給管4内の洗浄排水は、食器洗浄機9のポンプによって加圧されて、凹部3に送られる。
【0024】
シンク1は、例えば、有機ガラス系の材料で形成される。シンク1は、その底面11(つまり底部)の一部に、下方に向けて凹んだ凹部3を有する。
【0025】
図1及び
図2に示すように、凹部3は、有底の円筒状である。凹部3は、平面視円形状の底面30と、底面30の外周縁から上方に立ち上がった平面視円形状の内周面31と、を有する。
【0026】
底面30の中央部に、排水口300が設けられている。排水口300に排水トラップ5がつながる。本実施形態では、凹部3には、排水トラップ5の上流端が直接接続されているが、エルボ(L型の配管継ぎ手)を介して排水トラップ5の上流端が間接的に接続されてもよい。
【0027】
凹部3の内周面31の上部に、供給管4が接続されている。内周面31の上部には、凹部3の外側に向けて突出した円筒状の接続部310が設けられている。接続部310の下流端の開口は、凹部3の内周面31の後端部に位置する。接続部310に供給管4の下流端部が接続される。
【0028】
接続部310の軸方向は、凹部3の内周面31の接線に沿う方向である。これにより、供給管4から凹部3内には、内周面31の接線に沿うように、洗浄水が供給される。洗浄水は、内周面31上を、内周面31の周方向に沿って時計回りに旋回して流れる。
【0029】
凹部3には、排水中のごみを回収する網かご2が設置される。凹部3と網かご2と後述する排水プレートとは、対応した形状を有している。凹部3の内周面31の上部には、網かご2を支持するための段差311が設けられている。段差311は、平面視円環状である。
【0030】
網かご2は、半球状の網体からなるかご本体20と、かご本体20の上端から突出した円環状のフランジ21と、を有する。網かご2は、フランジ21を凹部3の内周面31の段差311に引っ掛けることで、凹部3内の所定位置に設置される。
【0031】
なお、図示していないが、凹部3には、網かご2の上方に排水プレートが設置される。排水プレートは、網かご2のかご本体20の上端開口よりも小さい開口面積の排水孔を有し、網かご2で回収したごみを覆い隠す。
【0032】
網かご2を凹部3内の所定位置に設置した状態で、凹部3の内周面31と網かご2のかご本体20の外周面との間には、所定の隙間が形成される。またこの状態で、凹部3の底面30と網かご2のかご本体20の底面との間には、所定の隙間が形成される。これらの隙間は、旋回する洗浄水が流れる隙間である。これらの隙間を旋回する洗浄水が、網かご2のかご本体20の外周面と底面に接触する。
【0033】
排水トラップ5は、本実施形態では、管がS字状に曲がったSトラップである。排水トラップ5は、排水経路の一部に、排水経路を塞ぐように水が溜まる封水部50を有する。封水部50に溜まる封水の喫水線は、凹部3の底面30よりも下流側(下方)に位置する。排水トラップ5の下流端には、下水管につながる排水管が接続される。排水トラップ5には、凹部3の内周面31の周方向に旋回する洗浄水が流入する。
【0034】
3.作用効果
以上説明した本実施形態のシンクの排水構造では、食器洗浄機9を駆動すると、食器洗浄機9内の食器類を洗浄した後の洗浄排水が、供給管4に排水される。供給管4内の洗浄排水は、食器洗浄機9のポンプによって加圧され、凹部3へ洗浄水として供給される。
【0035】
凹部3の内周面31の上部に接続された供給管4から、洗浄水が、内周面31の接線に沿うように供給される。これにより、内周面31上に、内周面31の周方向に旋回する洗浄水の流れが形成される。内周面31上を洗浄水が旋回した後、底面30上に、同方向に旋回する洗浄水の流れが形成され、底面30の排水口300へと旋回する洗浄水の流れが流入する。
【0036】
本実施形態のシンクの排水構造では、内周面31上を流れる旋回流が、網かご2のかご本体20の外周面に接触することで、この外周面に付着したぬめりや汚れが洗浄される。また、底面30上を流れる旋回流が、網かご2のかご本体20の底面に接触することで、この底面に付着したぬめりや汚れが洗浄される。また、底面30の排水口300へと流れ込む旋回流が排水トラップ5の封水部50よりも上流側の部分に旋回して流れ込むため、排水トラップ5の封水部50よりも上流側の部分の内周面のぬめりや汚れが洗浄される。
【0037】
したがって、本実施形態のシンクの排水構造では、凹部3、網かご2のかご本体20、及び排水トラップ5に付着したぬめりや汚れを、食器洗浄機9を利用するだけで自動的に洗浄することができる。これにより、本実施形態のシンクの排水構造では、シンク1の底の排水部分のお手入れ性が向上する。
【0038】
また、本実施形態のシンクの排水構造では、凹部3の内周面31に沿って旋回する流れが、網かご2のかご本体20の外周面の上部から下部にわたって形成されるため、網かご2のかご本体20の外周面を、上部から下部にわたって洗浄することができる。
【0039】
また、本実施形態のシンクの排水構造では、供給管4から供給される洗浄水として、食器洗浄機9の洗浄排水を用いることで、凹部3、網かご2及び排水トラップ5の洗浄効果を高めることができ、また、洗浄コストも抑えることもできる。
【0040】
また、本実施形態のシンクの排水構造では、食器洗浄機9のポンプによって供給管4から供給される洗浄水の勢いを所定以上とすることができて、凹部3の内周面31上を旋回する洗浄水の流れを形成しやすい。
【0041】
4.変形例
以上説明した本実施形態のシンクの排水構造は、下記の変形例を採用可能である。
【0042】
供給管4から凹部3に供給される洗浄水は、洗剤が混入した比較的温度の高いものに限らず、洗剤が混入していないものであってもよいし、ヒータで温めていない水であってもよい。また、供給管4は、食器洗浄機9の排水口に限らず、専用のタンクに接続されてもよい。専用のタンクには、洗剤の投入が可能であることや、ヒータで温めることが可能であることが好ましい。また、専用のタンクは、ポンプを有することが好ましく、供給管4へ供給する洗浄水の圧力は調整可能であることが好ましい。
【0043】
曲管型の排水トラップ5は、S字状に曲がったSトラップに限らず、P字状に曲がったPトラップや、U字状に曲がったUトラップであってもよく、排水経路の途中に水で塞がれる封水部50が形成されるように曲がった管状のものであればよい。
【0044】
凹部3の底面30は、網かご2の底面から、底面30上を流れる旋回する洗浄水に当たらないように離れて位置してもよい。この場合も、底面30上にぬめりや汚れが付着しにくいことで、網かご2の底面にぬめりや汚れを付着することを抑制できる。
【0045】
凹部3の内周面31の平面視形状は、円形に限らず、矩形等のその他の形状であってもよく、供給管4から供給される洗浄水が、内周面31の周方向に旋回する流れを形成することが可能な形状であればよい。
【0046】
供給管4は、内周面31の接線に沿うように洗浄水を供給しなくてもよく、内周面31の周方向に旋回する流れを形成するように、洗浄水を供給するものであればよい。
【0047】
供給管4は、凹部3の内周面31の上部に限らず、内周面31の下部に接続されてもよい。
【0048】
シンク1は、有機ガラス系の材料に限らず、ステンレス製や、樹脂製であってもよい。
【0049】
調理台100は、天板6と、天板6の一部に設けられたシンク1とを備え、シンク1が、上述したシンクの排水構造を有するものであればよく、
図3に示す構造のものに限定されない。例えば、調理台100は、加熱調理器8や調理面を有さなくてもよい。
【0050】
5.まとめ
以上説明した一実施形態及びその変形例のように、第一態様のシンクの排水構造は、下記の構成を備える。
【0051】
すなわち、第一態様のシンクの排水構造は、シンク(1)の底に位置し、網かご(2)が収容される凹部(3)と、凹部(3)に接続され、凹部(3)に洗浄水を供給する供給管(4)と、を備える。第一態様のシンクの排水構造は更に、凹部(3)の底面(30)につながった曲管型の排水トラップ(5)を備える。供給管(4)は、洗浄水が凹部(3)の内周面(31)の周方向に旋回して流れるように、洗浄水を供給する。
【0052】
上記構成を備えることで、第一態様のシンクの排水構造では、供給管(4)から供給された洗浄水が、凹部(3)の内周面(31)において、凹部(3)の内周面(31)の周方向に旋回して流れる。その後、洗浄水は、凹部(3)の底面(30)において、内周面(31)の周方向に旋回して流れる。これにより、第一態様のシンクの排水構造では、洗浄水の旋回流によって凹部(3)の内周面(31)と底面(30)を洗浄することができ、シンク(1)の底の排水部分(つまり凹部3)に、ぬめりや汚れを生じることを抑制することができる。
【0053】
また、上述した一実施形態及びその変形例のように、第二態様のシンクの排水構造は、第一態様のシンクの排水構造の構成に加えて、下記の構成を付加的に備える。
【0054】
すなわち、第二態様のシンクの排水構造では、底面(30)は、網かご(2)の底面との間に隙間を形成して位置する。
【0055】
上記構成を備えることで、第二態様のシンクの排水構造では、凹部(3)の底面(30)上を流れる洗浄水の旋回流によって、網かご(2)の底面を洗浄しやすく、網かご(2)の底面にぬめりや汚れが生じることも抑制することができる。
【0056】
また、上述した一実施形態及びその変形例のように、第三態様のシンクの排水構造は、第一又は第二態様のシンクの排水構造の構成に加えて、下記の構成を付加的に備える。
【0057】
すなわち、第三態様のシンクの排水構造では、内周面(31)は、平面視円形状である。
【0058】
上記構成を備えることで、第三態様のシンクの排水構造では、内周面(31)の周方向に旋回する洗浄水の流れを形成しやすくて、洗浄効果が向上する。
【0059】
また、上述した一実施形態及びその変形例のように、第四態様のシンクの排水構造は、第一から第三態様のいずれか一つのシンクの排水構造の構成に加えて、下記の構成を付加的に備える。
【0060】
すなわち、第四態様のシンクの排水構造では、供給管(4)は、内周面(31)の接線に沿うように洗浄水を供給する。
【0061】
上記構成を備えることで、第四態様のシンクの排水構造では、内周面(31)の周方向に旋回する洗浄水の流れを形成しやすくて、洗浄効果が向上する。
【0062】
また、上述した一実施形態及びその変形例のように、第五態様のシンクの排水構造は、第一から第四態様のいずれか一つのシンクの排水構造の構成に加えて、下記の構成を付加的に備える。
【0063】
すなわち、第五態様のシンクの排水構造では、供給管(4)は、内周面(31)の上部に接続されている。
【0064】
上記構成を備えることで、第五態様のシンクの排水構造では、内周面(31)の周方向に旋回する洗浄水の流れを、内周面(31)の上部においても形成しやすく、内周面(31)を上部から下部にわたって洗浄することができる。
【0065】
また、上述した一実施形態及びその変形例のように、第六態様のシンクの排水構造は、第一から第五態様のいずれか一つのシンクの排水構造の構成に加えて、下記の構成を付加的に備える。
【0066】
すなわち、第六態様のシンクの排水構造では、供給管(4)の上流側の端部は、食器洗浄機(9)の排水口に接続される。
【0067】
上記構成を備えることで、第六態様のシンクの排水構造では、食器洗浄機(9)からの洗浄排水を、凹部(3)を洗浄する洗浄水として用いることができる。食器洗浄機(9)からの洗浄排水は、一般に、比較的洗浄効果の高い洗剤を含み、かつ比較的温度が高いため、凹部(3)を洗浄する効果が高い。
【0068】
また、上述した一実施形態及びその変形例のように、第七態様の調理台(100)は、天板(6)と、天板(6)の一部に設けられたシンク(1)と、を備える。シンク(1)は、第一から第六態様のいずれか一つのシンクの排水構造を有する。
【0069】
上記構成を備えることで、第七態様の調理台(100)では、供給管(4)から供給された洗浄水の旋回流によって、シンク(1)の底の凹部(3)の内周面(31)と底面(30)を洗浄でき、この部分にぬめりや汚れを生じることを抑制することができる。
【0070】
以上、本開示を添付図面に示す実施形態に基づいて説明したが、本開示は上記の実施形態に限定されるものではなく、本開示の意図する範囲内であれば、適宜の設計変更が可能である。
【符号の説明】
【0071】
1 シンク
2 網かご
3 凹部
30 底面
31 内周面
4 供給管
5 排水トラップ
6 天板
9 食器洗浄機
100 調理台