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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-05
(45)【発行日】2023-10-16
(54)【発明の名称】照明システム
(51)【国際特許分類】
   H05B 47/105 20200101AFI20231006BHJP
   F21S 8/02 20060101ALI20231006BHJP
   A47C 7/62 20060101ALI20231006BHJP
   A61G 7/043 20060101ALI20231006BHJP
   F21Y 103/00 20160101ALN20231006BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20231006BHJP
   F21Y 115/15 20160101ALN20231006BHJP
   F21Y 115/30 20160101ALN20231006BHJP
【FI】
H05B47/105
F21S8/02 200
A47C7/62 Z
A61G7/043
F21Y103:00
F21Y115:10
F21Y115:15
F21Y115:30
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2019056372
(22)【出願日】2019-03-25
(65)【公開番号】P2020161222
(43)【公開日】2020-10-01
【審査請求日】2021-12-20
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】薮亀 順平
(72)【発明者】
【氏名】田中 俊靖
(72)【発明者】
【氏名】藤原 ゆり
(72)【発明者】
【氏名】池淵 昌幸
【審査官】野木 新治
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-235985(JP,A)
【文献】特開2008-200486(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 47/00
F21S 8/02
A47C 7/62
A61G 7/043
F21Y 103/00
F21Y 115/10
F21Y 115/15
F21Y 115/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
椅子またはベッドと、
前記椅子またはベッドの左右側方のいずれか一方に設けられた壁部と、
前記椅子の背もたれ部の上端または前記ベッドの後端を基準位置として、前記基準位置よりも下側に配置された照明器具と
を備え、
前記照明器具は、極大出力にある状態では、前記基準位置から前記壁部への垂線の位置を中心とした半径40cmの平均輝度L(cd)が、下記式(1)であり、極小出力にある状態では、平均輝度L’(cd)が下記式(2)であることを特徴とする照明システム。
L=ax +bx+c ・・・(1)
x(m):前記基準位置から前記壁部までの距離
a:0.1155≦a≦0.6977
b:0.0771≦b≦0.2337
c:c≧0.01
0<L’≦0.04 ・・・(2)
【請求項2】
請求項1記載の照明システムにおいて、
前記照明器具は、少なくとも上側が覆われていることを特徴とする照明システム。
【請求項3】
請求項1または2記載の照明システムにおいて、
前記照明器具は、光軸が前記基準位置の上端を直接貫かないように配置されていることを特徴とする照明システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、睡眠制御、特に、入眠制御を効果的に行うために用いられる照明システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、睡眠または覚醒を効果的に行うための照明システムが知られている。特許文献1では、睡眠を制御するための睡眠制御灯が設けられた照明システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-159803号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1では、覚醒を促す照明器具の配置・制御については、具体的に言及されている一方、入眠に効果的な照明器具の配置・制御については、具体的に言及されていない。
【0005】
そこで、本発明は、ユーザに対して、睡眠制御、特に、入眠を促す入眠制御を効果的に行うことができる照明システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、照明システムは、椅子またはベッドと、前記椅子またはベッドの左右側方のいずれか一方に設けられた壁部と、前記椅子の背もたれ部の上端または前記ベッドの後端を基準位置として、前記基準位置よりも下側に配置された照明器具とを備える。前記照明器具は、極大出力にある状態では、前記基準位置から前記壁部への垂線の位置を中心とした半径40cmの平均輝度Lが、下記式(1)であり、極小出力にある状態では、平均輝度L’が下記式(2)である。
【0007】
L=ax2+bx+c ・・・(1)
x:前記基準位置から前記壁部までの距離
a:0.1155≦a≦0.6977
b:0.0771≦b≦0.2337
c:c≧0.01
0<L’≦0.04 ・・・(2)
【発明の効果】
【0008】
本発明によると、ユーザに対して、睡眠制御、特に、入眠を促す入眠制御を効果的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施形態に係る照明システムの平面図。
図2】本実施形態に係る照明システムの側面図。
図3】背もたれ部の上端Pから交点Oまでの距離xと領域Sにおける平均輝度Lとの関係を示す図。
図4】背もたれ部の上端Pから交点Oまでの距離xと領域Sにおける平均輝度Lとの関係を示すグラフ。
図5】照明器具の入眠制御時における動作を説明する図。
図6】照明器具の入眠制御時における動作を説明する図。
図7】照明器具の入眠制御時における動作を説明する図。
図8】本実施形態に係る照明システムの他の例を示す側面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物あるいはその用途を制限することを意図するものでは全くない。
【0011】
-照明システムの構成-
図1は本実施形態に係る仮眠システムの平面図であり、図2は本実施形態に係る仮眠システムの側面図である。なお、図1および図2では、椅子1にユーザUが着座した状態を図示している。また、図1では、開閉部材3を省略して図示しており、図2では、小屋体2における左側壁部22を省略して図示している。また、以下の説明において、水平方向は、床部24における上面と平行をなす方向であり、鉛直方向は、床部24における上面と垂直をなす方向である。
【0012】
図1および図2に示すように、本実施形態に係る仮眠システムは、背もたれ部10を有する椅子1と、椅子1を取り囲むように形成された小屋体2とを備える。
【0013】
椅子1は、ユーザUが椅子1に自然に着座したときに、側面視において、背もたれ部10の上端がユーザUの目の位置と揃うように形成されている。
【0014】
小屋体2は、椅子1の右側に配置された右側壁部21と、椅子1の左側に配置された左側壁部22と、椅子1の後側に配置された後側壁部23と、椅子1が載置されている床部24と、開閉部材3とを備える。右側壁部21および左側壁部22は、それぞれ、側面視において、上辺が後方から前方にかけて傾斜するように形成されている。
【0015】
床部24には、第1照明器具4と第2照明器具5と第3照明器具6とが設置されている。
【0016】
第1照明器具4は、床部24に埋め込んで設置されており、上部が透光性の部材で覆われている。また、第1照明器具4は、平面視において、椅子1の前側に配置されており、光軸が上側を向くように配置されている。第2照明器具5は、平面視において、椅子1の後側に配置されており、光軸が上側を向くように配置されている。第3照明器具6は、平面視において、椅子1の後側に配置されており、光軸が後側を向くように配置されている。
【0017】
右側壁部21には、第4照明器具7が設けられている。第4照明器具7は、右側壁部21に埋め込んで設置されており、左側に向かって光を照射する。また、第4照明器具7は、光の拡散を行う拡散パネル9によって覆われている。このため、第4照明器具7から照射された光は、拡散パネル9によって拡散され、小屋体2内に照射される。
【0018】
左側壁部22には、給気装置11が設置されており、給気装置11によって小屋体2内に空気が供給される。
【0019】
開閉部材3は、例えば、カーテンやシャッター等であり、折り畳み可能な部材により形成されている。開閉部材3は、椅子1の上側を覆うように、右側壁部21と左側壁部22との間に設けられる。具体的に、開閉部材3は、右側壁部21および左側壁部22の上辺に沿って、折り畳み可能に設けられる。すなわち、ユーザUは、開閉部材3を折り畳むことにより、小屋体2の前部に形成された開口部(右側壁部21、左側壁部22、後側壁部23および床部24により形成される開口)が開放され、小屋体2内に入室することができる一方、開閉部材3を伸張することにより、小屋体2の開口部を閉塞することができる。なお、図2では、折り畳まれた状態(開状態)の開閉部材3を実線で図示しており、伸張された状態(閉状態)の開閉部材3を二点鎖線で図示している。
【0020】
また、開閉部材3は、遮光性の高い遮光性部材と光反射性の高い光反射性部材とを備える。開閉部材3は、閉状態において、小屋体2の外側に遮光性の高い部材が配置され、小屋体2の内面に沿って光反射性の高い光制御部材が配置されるように設けられている。
【0021】
-第3照明器具について-
第3照明器具6は、例えば、LED、蛍光灯、レーザー照明、または、有機EL等の光源を備える。第3照明器具6の種別は、例えば、埋め込み型、バータイプ、スタンドタイプなどである。
【0022】
図1および図2に示すように、第3照明器具6は、小屋体2の後側壁部23に光軸が向くように、椅子1の後側および下側に配置されている。すなわち、第3照明器具6は、光軸が直接背もたれ部10の上端P(基準位置に相当)を貫かないように配置されている。また、第3照明器具6は、被覆部材25により、前側および上側が覆われている。したがって、第3照明器具6は、照射した光が、直接背もたれ部10の上端Pに当たらないように配置されている。
【0023】
また、第3照明器具6は、椅子1に座っているユーザUに対して、入眠を促すように、光を照射する。具体的に、第3照明器具6は、右側壁部21において、背もたれ部10の上端Pから右側壁部21への垂線の位置である交点Oを中心とした半径40cmの領域Sにおける平均輝度が、所定範囲に収まるように、光を照射(出力)する。
【0024】
図3は背もたれ部の上端Pから交点Oまでの距離xと領域Sにおける平均輝度L,L’との関係を示す図である。具体的に、図3(a)は、第3照明器具6の極大出力時における、距離xと、平均輝度Lの実測値との関係を示す図であり、図3(b)は、第3照明器具6の極小出力時における、距離xと、平均輝度L’の実測値との関係を示す図である。なお、平均輝度Lは、第3照明器具6の極大出力時における領域Sの平均輝度であり、平均輝度L’は、第3照明器具6の極小出力時における領域Sの平均輝度である。
【0025】
図3では、第3照明器具6の極大出力時および極小出力時における各距離xに対する領域Sの平均輝度を64回測定し、その平均値をそれぞれ平均輝度L,L’としている。また、標準偏差σは、第3照明器具6の極大出力時における平均輝度Lの標準偏差であり、標準偏差σ’は、第3照明器具6の極大出力時における平均輝度L’の標準偏差である。
【0026】
図3(a)に示す距離xと平均輝度Lとの関係から、以下の式(3)に示す、平均輝度Lの近似式が求められる。
L=0.4066x+0.1554x+0.01 ・・・(3)
【0027】
また、距離xと平均輝度L+2σとの関係から、以下の式(4)に示す、平均輝度L+2σの近似式が求められる。
L+2σ=0.6977x+0.0771x+0.01 ・・・(4)
【0028】
また、距離xと平均輝度L-2σとの関係から、以下の式(5)に示す、平均輝度L-2σの近似式が求められる。
L-2σ=0.1155x+0.2337x+0.01 ・・・(5)
【0029】
図4は背もたれ部の上端Pから交点Oまでの距離xと領域Sにおける平均輝度Lとの関係を示すグラフである。曲線A,B,Cは、それぞれ、式(3)、式(4)、式(5)をグラフにしたものである。図4に示すように、曲線Bと曲線Cとの間の領域に、平均輝度Lの実測値がほぼ収まっていることが分かる。すなわち、第3照明器具6の極大出力時における平均輝度Lは、以下の式(6)で求められる。
L=ax+bx+c ・・・(6)
【0030】
ただし、0.1155≦a≦0.6977、0.0771≦b≦0.2337、c≧0.01となる。
【0031】
図3(b)に示す距離xと平均輝度L’との関係から、以下の式(7)に示す、第3照明器具6の極小出力時における平均輝度L’の範囲が求められる。
0<L’≦0.04 ・・・(7)
【0032】
ここで、第3照明器具6は、極小出力時において、平均輝度L’が0より大きくなるように光を照射する。これにより、第3照明器具6の完全消灯を防止することができるため、第3照明器具6の明滅によってユーザUが受ける刺激を抑えることができる。
【0033】
図5図7は第3照明器具において実行される入眠制御の例を示す図である。なお、図5および図6における最大輝度は、第3照明器具6の極大出力時における、領域Sの平均輝度Lに相当し、最小輝度は、第3照明器具6の極小出力時における、領域Sの平均輝度L’に相当する。
【0034】
図5に示すように、第3照明器具6は、入眠制御時に、領域Sにおける平均輝度が最大輝度から最小輝度までの間の輝度となるように、光の照射を行う。例えば、第3照明器具6は、入眠制御時において、領域Sの平均輝度が最大輝度と最小輝度とを繰り返すように出力を変化させる光ゆらぎ制御を行う。この場合、入眠制御時における第3照明器具6の制御パラメータとして、例えば、入眠制御時の時間の長さ、最大輝度および最小輝度、輝度を上げる上昇所要時間、最大輝度が維持される時間、輝度を下げる下降所要時間、最小輝度が維持される時間、周期、輝度を上げるときの変化の仕方(例えば、傾き)を示す上昇カーブ、および、輝度を下げるときの変化の仕方(例えば、傾き)を示す下降カーブが含まれてもよい。
【0035】
図6に示すように、第3照明器具6は、入眠制御時に、領域Sにおける平均輝度の最大輝度が時間の経過とともに変化する光ゆらぎ制御を行ってもよい。この場合、入眠制御時に、例えば、最大輝度、最小輝度、各種時間、および、各種カーブの少なくとも1つは、時間の経過とともに変化してもよい。また、入眠制御時における第3照明器具6の制御パラメータとして、例えば、最大輝度の変化を開始する変化開始時間、最大輝度の変化を終了する変化終了期間、最大輝度の変化の仕方を示す変化カーブ、及び、変化後の最大輝度を示す変化目標値が含まれてもよい。
【0036】
図7は色度図を示す。第3照明器具6は、入眠制御時に、輝度に加えて、発光色を変更する光ゆらぎ制御を行ってもよい。例えば、入眠制御時に色度図上のb点からa点まで発光色を変化させる場合、入眠制御時における第3照明器具6の制御パラメータとして、a点の色度及びb点の色度、a点の色度に到達するまでの時間、a点の色度が維持される時間、b点の色度に到達するまでの時間、b点の色度が維持される時間、周期、a点の色度に到達するまでカーブの形状、及び、b点の色度に到達するまでのカーブの形状が含まれてもよい。また、入眠制御時にa点の色度、b点の色度、各種期間、及び、各種カーブの少なくとも1つは、時間の経過とともに変化してもよい。また、例えば、入眠制御時にa点の色度が時間の経過とともに変化する場合、入眠制御の第3照明器具6の制御パラメータとして、a点の色度が変化を開始する変化開始時間、a点の色度の変化を終了する変化終了期間、a点の色度の変化の仕方を示す変化カーブ、及び、変化後のa点の色度を示す変化目標値が含まれてもよい。
【0037】
-照明システムの動作-
次に、本実施形態に係る照明システムの動作について、説明する。
【0038】
まず、ユーザUは、小屋体2の外部に設けられたコントローラ(図示省略)に、入眠時刻を入力する。そして、ユーザUは、開閉部材3を開状態にして、小屋体2内に入室する。そして、ユーザUは、開閉部材3を閉状態にして、椅子1に着座し、仮眠を行う。
【0039】
その後、コントローラに入力された入眠時刻になったとき、第3照明器具6は、入眠制御を行う。具体的に、第3照明器具6は、極大出力時における、椅子1の背もたれ部10の上端Pから右側壁部21への垂線の位置である交点Oを中心とした半径40cmの領域Sにおける平均輝度Lが式(6)であり、極大出力時における領域Sの平均輝度L’が式(7)であるように、光を照射(出力)する。
【0040】
以上の構成により、第3照明器具6は、椅子1の背もたれ部10の上端P(基準位置)の後側および下側に配置される。また、第3照明器具6は、入眠制御時において、極大出力である状態では、背もたれ部10の上端Pから右側壁部21への垂線の位置である交点Oを中心とした半径40cmの領域Sにおける平均輝度Lが式(6)であり、極小出力である状態では、領域Sにおける平均輝度L’が式(7)である。これにより、第3照明器具6から照射された光が直接背もたれ部10の上端Pに当たらないように、すなわち、椅子1に着座したユーザUに刺激を与えないように、ユーザUに対して、入眠に効果的な光を照射することができる。したがって、ユーザUに対して、効果的な睡眠制御(特に、入眠制御)を行うことができる。
【0041】
(その他の実施形態)
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施形態について説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、適宜、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施形態にも適用可能である。また、上記実施形態で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。
【0042】
図8は第3照明器具の他の配置を示す図である。図8に示すように、右側壁部21または左側壁部22に、光軸が下側に向くように、第3照明器具6aが設けられる。すなわち、第3照明器具6aは、椅子1の背もたれ部10の上端P(基準位置)よりも下側に設けられていればよい。この場合、第3照明器具6aは、光軸が、下側を向くように配置されなくてもよいが、直接背もたれ部10の上端Pを貫かないように配置される。また、図示は省略するが、第3照明器具6aは、被覆部材により、側方および上側が覆われていてもよい。
【0043】
また、上記実施形態において、平均輝度L,L’の計測範囲は、右側壁部21において、中心Pを中心とした半径40cmの領域Sとしたが、これに限られない。例えば、平均輝度L,L’の計測範囲は、椅子1に自然に座ったユーザUから中心視方向(すなわち、前方)へ延長した直線と開閉部材3との交点を中心とした領域でもよい。すなわち、平均輝度L,L’の計測範囲は、椅子1に自然に座ったユーザUの視野範囲内における所定範囲としてもよい。この場合、計測範囲によって、第3照明器具6の極大出力時および極小出力時の平均輝度Lを変更してもよい。
【0044】
また、上記実施形態において、背もたれ部10の上端P(基準位置)は、側面視において、ユーザUが椅子1に自然に着座したときに、ユーザUの目の位置に揃うように形成されているものとする。すなわち、上記実施形態における背もたれ部10の上端Pとは、側面視において、ユーザUが椅子1に自然に着座したときに、背もたれ部10における、ユーザUの目に揃う位置のことを指す。このため、ユーザUが椅子1に自然に着座したときに、側面視において、実際の背もたれ部10の上端PがユーザUの目の位置に揃っていない場合(例えば、背もたれ部10が上側に非常に長い場合等)、背もたれ部10における、ユーザUの目の位置に揃う箇所が背もたれ部10の上端Pに相当する。
【0045】
また、上記実施形態において、椅子1に代えてベッド等のフラットな形状のものを含んでもよい。この場合、ベッド等の後端が基準位置に相当する。このときのベッドの後端は、ベッドにユーザUが自然に寝たときの頭部の位置に相当する。
【0046】
また、上記実施形態において、開閉部材3、すなわち、小屋体2の天井部に相当する部分の形態は、第3照明器具6の極大出力時および極小出力時における平均輝度L,L’の式をそれぞれ満たすものであれば、他の形態であってもよい。
【0047】
また、上記実施形態において、第3照明器具6は、被覆部材25により被覆されていなくてもよい。ただし、第3照明器具6は、光軸が背もたれ部10の上端Pを貫かないように配置される。
【0048】
また、上記実施形態において、第3照明器具6が入眠制御を実行しているとき、第1照明器具4、第2照明器具5および第4照明器具7から光を照射してもよい。
【0049】
また、上記実施形態において、コントローラにより起床時刻を設定できるようにしてもよい。この場合、起床時刻になったときに、第1照明器具4、第2照明器具5、第3照明器具6および第4照明器具7が、それぞれ、ユーザに対して覚醒を促す光を照射してもよい。
【0050】
また、上記実施形態において、椅子1は、リクライニング式であってもよい。
【0051】
また、上記実施形態において、小屋体2にスピーカを設けて、第3照明器具6が入眠制御を実行するときに、スピーカから入眠を促す音声を出力してもよい。
【0052】
また、上記実施形態における照明システムは、小屋体2以外にも適用可能である。例えば、飛行機や列車などの移動体に対して適用することが可能である。
【符号の説明】
【0053】
1 椅子
2 小屋体
6,6a 第3照明器具
10 背もたれ部
21 右側壁部
22 左側壁部
25 被覆部材
U ユーザ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8