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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-05
(45)【発行日】2023-10-16
(54)【発明の名称】硬貨収納箱および硬貨処理装置
(51)【国際特許分類】
   G07D 11/10 20190101AFI20231006BHJP
【FI】
G07D11/10
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2019166406
(22)【出願日】2019-09-12
(65)【公開番号】P2021043798
(43)【公開日】2021-03-18
【審査請求日】2022-02-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000116079
【氏名又は名称】ローレルバンクマシン株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】500267170
【氏名又は名称】ローレル機械株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】500265501
【氏名又は名称】ローレル精機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100161702
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 宏之
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(72)【発明者】
【氏名】茂木 開
【審査官】石井 茂
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-148974(JP,A)
【文献】特開2010-049007(JP,A)
【文献】国際公開第1997/002549(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 23/00-25/56
G07D 1/00-3/16
G07D 9/00-13/00
G07F 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
硬貨処理装置の硬貨処理を行う本体部に対して着脱可能に構成される硬貨収納箱であって、
前記本体部に装着された状態で、前記本体部から落下する硬貨を収納する収納部と、
棒状体と前記棒状体の両端を支持して前記収納部に回動可能に連結される支持部とを有し、前記本体部から落下する硬貨が衝突する位置に前記棒状体が配置される第1の状態と、前記収納部の重心位置上に前記棒状体が配置される第2の状態との間で回動する取っ手部と、
を備え、
前記支持部は、前記棒状体を回転可能に支持する軸受部材を有し、
前記棒状体は、軸部と前記軸部の全周にわたって設けられる弾性部材で構成された胴部とを有し、
前記棒状体は、前記本体部から落下する硬貨の衝突の際および硬貨収納箱の着脱時の前記第1の状態と前記第2の状態との状態が変化するときの前記取っ手部の回動の際に回転する硬貨収納箱。
【請求項2】
硬貨処理を行う本体部と、
請求項1に記載の硬貨収納箱と、
を備える硬貨処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、硬貨を収納する硬貨収納箱および硬貨処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の硬貨処理装置において、硬貨収納箱に上部の投入口から硬貨を投入し続けると、狭い範囲に集中して落下するため硬貨収納箱のスペースを充分に活用することができないことがあった。そこで、対応策として、硬貨収納箱に案内部材を設け、この案内部材に硬貨を衝突させることで、硬貨を拡散させる方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2006-202131号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の硬貨収納箱では硬貨を拡散させるために専用の案内部材が必要であり、コストが増大してしまう。
【0005】
本発明は、このような事情を鑑みてなされたものであり、コスト増を抑制することができる硬貨収納箱および硬貨処理装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係る第1の態様は、硬貨処理装置の硬貨処理を行う本体部に対して着脱可能に構成される硬貨収納箱であって、前記本体部に装着された状態で、前記本体部から落下する硬貨を収納する収納部と、棒状体と前記棒状体の両端を支持して前記収納部に回動可能に連結される支持部とを有し、前記本体部から落下する硬貨が衝突する位置に前記棒状体が配置される第1の状態と、前記収納部の重心位置上に前記棒状体が配置される第2の状態との間で回動する取っ手部と、を備え、前記支持部は、前記棒状体を回転可能に支持する軸受部材を有し、前記棒状体は、軸部と前記軸部の全周にわたって設けられる弾性部材で構成された胴部とを有し、前記棒状体は、前記本体部から落下する硬貨の衝突の際および硬貨収納箱の着脱時の前記第1の状態と前記第2の状態との状態が変化するときの前記取っ手部の回動の際に回転する。
【0007】
上記第1の態様によれば、取っ手部を第1の状態とすれば、本体部から落下する硬貨が衝突する位置に棒状体が配置されることになる。これにより、本体部から落下する硬貨を棒状体に衝突させることで収納部に分散させて収納することができる。よって、収納部のスペースを充分に活用することができるため、収納効率を上げることができる。また、取っ手部を第2の状態とすれば、収納部の重心位置上に棒状体が配置されることになる。これにより、棒状体を掴んで持ち上げると、硬貨を収納することにより重くなっている場合でもバランス良く持つことができ、その運搬も容易となる。このように、持ち上げる際に掴まれる棒状体を、本体部から落下する硬貨を衝突させて分散させる案内部材として使用することができる。したがって、コスト増を抑制することができる。しかも、取っ手部が第1の状態と第2の状態との間で回動するため、本体部から硬貨が落下する位置と収納部の重心位置とが一致していなくても対応できる。
【0009】
上記第の態様によれば、本体部から落下する硬貨を、棒状体の弾性部材からなる胴部に衝突させるため、硬貨が大きく跳ねることになり、硬貨を収納部の広範囲に分散させて収納することができる。よって、収納部のスペースを、より一層充分に活用することができる。また、持ち上げる際に掴まれる棒状体の胴部が弾性部材からなるため、滑りにくく持ちやすい。よって、運搬等が容易となる。また、棒状体に硬貨を衝突させることにより発生する衝突音を抑制することができる。
【0011】
上記第の態様によれば、棒状体が支持部に軸受部材で回転可能に支持されているため、棒状体を持って取っ手部を収納部に対し回動させる際に、持つ手に対して棒状体を良好に停止させておくことができる。よって、棒状体を持って取っ手部を収納部に対し回動させる操作がしやすい。また、棒状体の両端に軸受部材を用いることで、棒状体が容易に回転することになるため、棒状体の同一箇所での硬貨との接触を防ぎ、棒状体の磨耗を低減させることができる。
【0012】
本発明に係る第の態様は、硬貨処理を行う本体部と、上記第1の態様の硬貨収納箱と、を備える。
【0013】
上記第の態様によれば、硬貨収納箱の取っ手部を第1の状態とすれば、本体部から落下する硬貨が衝突する位置に棒状体が配置されることになる。これにより、本体部から落下する硬貨を棒状体に衝突させることで硬貨収納箱の収納部に分散させて収納することができる。よって、硬貨収納箱の収納部のスペースを充分に活用することができるため、収納効率を上げることができる。また、硬貨収納箱の取っ手部を第2の状態とすれば、硬貨収納箱は、収納部の重心位置上に棒状体が配置されることになる。これにより、棒状体を掴んで持ち上げると、硬貨を収納することにより重くなっている硬貨収納箱をバランス良く持つことができ、その運搬も容易となる。このように、硬貨収納箱を持ち上げる際に掴まれる棒状体を、本体部から落下する硬貨を衝突させて分散させる案内部材として使用することができる。したがって、コスト増を抑制することができる。しかも、取っ手部が第1の状態と第2の状態との間で回動するため、本体部から硬貨が落下する位置と収納部の重心位置とが一致していなくても対応できる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、コスト増を抑制することができる硬貨収納箱および硬貨処理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明に係る一実施形態の硬貨処理箱である出金リジェクト庫を含む硬貨処理装置の構成を概略的に示す正面図である。
図2】本発明に係る一実施形態の硬貨処理箱である出金リジェクト庫を含む硬貨処理装置を示す斜視図である。
図3】本発明に係る一実施形態の硬貨処理箱である出金リジェクト庫を示す第1の状態の斜視図である。
図4】本発明に係る一実施形態の硬貨処理箱である出金リジェクト庫を示す第2の状態の斜視図である。
図5】本発明に係る一実施形態の硬貨処理箱である出金リジェクト庫の取っ手部を示す斜視図である。
図6】本発明に係る一実施形態の硬貨処理箱である出金リジェクト庫の棒状体を示す斜視図である。
図7】本発明に係る一実施形態の硬貨処理箱である出金リジェクト庫への本体部からの硬貨の落下状況を示す側面図である。
図8】本発明に係る一実施形態の硬貨処理箱である出金リジェクト庫の変形例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明に係る一実施形態の硬貨処理箱および硬貨処理装置を図面を参照して以下に説明する。
【0017】
図1に示すように、本実施形態の硬貨処理装置10は、バラの硬貨(以下、硬貨と称す)に関する処理を行う硬貨処理部11と、棒金(包装硬貨)に関する処理を行う棒金処理部12とを有している。以下の説明においては、図2に示すように、硬貨処理装置10の主な操作時に操作者が立つ側を「前」、その反対側を「後」とする。また、このとき操作者が見て右を「右」、左を「左」とする。
【0018】
[硬貨処理部]
図1に示すように、硬貨処理部11は、外部から入金された硬貨の入金処理を行う硬貨入金部21と、硬貨入金部21から硬貨を受け入れて収納する収納処理を行うと共に収納している硬貨を外部に取り出し可能に出金する硬貨収納出金部22とを有している。硬貨入金部21は、外部から硬貨が投入されると共に投入された硬貨を一枚ずつ分離して繰り出す入金ホッパ31を有している。図2に示すように、入金ホッパ31は、開閉可能なシャッタ30を有しており、硬貨処理装置10の上部に上方に向いて設けられている。
【0019】
図1に示すように、硬貨入金部21は、入金ホッパ31から繰り出された硬貨を搬送しつつ入金識別計数部32で真偽、金種及び正損を識別して計数する入金搬送部33と、入金識別計数部32で偽つまり受け入れ不可と識別された硬貨を入金搬送部33から落下案内する開閉式の入金リジェクト案内部34と、入金リジェクト案内部34で入金搬送部33から案内された硬貨を収容する入金リジェクト部35とを有している。入金リジェクト部35は、図2に示すように、硬貨処理装置10の硬貨処理を行う本体部41の前面に設けられて本体部41に対し着脱可能に構成される入金リジェクト箱36を有している。入金リジェクト部35は、入金リジェクト箱36が本体部41に押し込まれた状態で本体部41からの硬貨を収容することになり、入金リジェクト箱36が本体部41から前方に引き出されて取り外されることで、収容した硬貨が外部に取り出し可能となる。
【0020】
図1に示すように、硬貨入金部21は、入金識別計数部32で真つまり受け入れ可能と識別された硬貨を入金搬送部33から落下案内する開閉式の放出案内部51と、放出案内部51で入金搬送部33から案内された硬貨を外部に放出する放出部52とを有している。放出部52は、図2に示すように、硬貨処理装置10の本体部41の前面に設けられており、本体部41から前方に引き出されることで、図示略の収納袋が装着可能となり、装着された収納袋内に、放出案内部51で案内された硬貨を放出する。
【0021】
図1に示すように、硬貨入金部21は、入金識別計数部32で真つまり受け入れ可能と識別された硬貨を入金搬送部33から落下案内する開閉式の包装案内部55を有している。包装案内部55で案内された硬貨は棒金処理部12に搬送される。
【0022】
硬貨入金部21は、入金識別計数部32で受け入れ可能と識別された硬貨を入金搬送部33から金種別に分類しつつ落下案内する貯留案内部61と、貯留案内部61で入金搬送部33から案内された硬貨を金種別に分類した状態のまま一時貯留する入金貯留部62とを有している。
【0023】
硬貨入金部21は、入金貯留部62が分類して貯留している硬貨を外部に取り出し可能に返却する硬貨返却部75を有している。硬貨返却部75は、図2に示すように、硬貨処理装置10の本体部41の前面に設けられて本体部41に対し着脱可能に構成される硬貨返却箱76を有している。硬貨返却部75は、硬貨返却箱76が本体部41に押し込まれた状態で本体部41からの硬貨を収容することになり、硬貨返却箱76が本体部41から前方に引き出されて取り外されることで、収容した硬貨が外部に取り出し可能となる。
【0024】
図1に示すように、硬貨収納出金部22は、入金貯留部62が分類して貯留している硬貨を、分類状態のまま出金可能に収納する硬貨収納繰出部81を有している。入金貯留部62は、硬貨を貯留すると共に貯留している硬貨の収納先を、硬貨収納繰出部81と硬貨返却部75とに選択的に切り替える。
【0025】
硬貨収納出金部22は、硬貨収納繰出部81から計数しつつ繰り出された硬貨を識別しつつ搬送する硬貨出金搬送部91と、硬貨出金搬送部91で搬送されてきた硬貨のうち出金に適した硬貨を収容する硬貨出金部92と、硬貨出金搬送部91で搬送されてきた硬貨のうち出金に適さない硬貨を収容する出金リジェクト部94とを有している。硬貨収納繰出部81は、硬貨を硬貨出金搬送部91に加えて、棒金処理部12にも繰り出し可能である。
【0026】
硬貨出金部92は、図2に示すように、本体部41の前面に設けられて本体部41に対し着脱可能に構成される硬貨出金箱93を有している。硬貨出金部92は、硬貨出金箱93が本体部41に押し込まれた状態で本体部41からの硬貨を収容することになり、硬貨出金箱93が本体部41から前方に引き出されて取り外されることで、収容した硬貨が外部に取り出し可能となる。
【0027】
出金リジェクト部94は、本体部41の前面に設けられて本体部41に対し着脱可能に構成される出金リジェクト庫95(硬貨収納箱)を有している。出金リジェクト部94は、出金リジェクト庫95が本体部41に押し込まれた状態で本体部41からの硬貨を収容することになり、出金リジェクト庫95が本体部41から前方に引き出されて取り外されることで、収容した硬貨が外部に取り出し可能となる。
【0028】
[棒金処理部]
図1に示すように、棒金処理部12は、硬貨収納出金部22から硬貨を受け入れて包装し棒金とする包装処理を行う包装部101と、包装部101で作製した棒金を収納する棒金収納部102と、包装部101及び棒金収納部102から棒金を受け入れて外部に取り出し可能に出金する棒金出金部103とを有している。
【0029】
包装部101は、硬貨収納繰出部81から繰り出された硬貨を受け取って包装する。また、包装部101は、入金ホッパ31から繰り出され、包装案内部55で案内されてきた硬貨を受け取って包装する。包装部101は、硬貨処理部11から硬貨を受け入れると共に、受け入れた硬貨を、金種識別しつつ計数して包装単位枚数(50枚)ずつ繰り出す硬貨識別計数部111と、硬貨識別計数部111から繰り出された包装単位枚数の硬貨を集積させて包装紙で包装して棒金とする硬貨集積包装部112とを有している。
【0030】
包装部101は、硬貨集積包装部112で作製された棒金を2方向に振り分けて搬送する棒金振分搬送部113と、棒金振分搬送部113で第1の方向に振り分けられた棒金を収納する端数棒金収納部114とを有している。端数棒金収納部114は、包装単位枚数に満たない数の硬貨を包装した端数棒金や包装処理で生じた端数貨を収納する。端数棒金収納部114は、図2に示すように、本体部41の前面に設けられて本体部41に対し着脱可能に構成される棒金収納箱115を有している。端数棒金収納部114は、棒金収納箱115が本体部41に押し込まれた状態で本体部41からの端数棒金を収容することになり、棒金収納箱115が本体部41から前方に引き出されて取り外されることで、収容した端数棒金や端数貨が外部に取り出し可能となる。
【0031】
図1に示すように、棒金出金部103は、棒金振分搬送部113で第2の方向に振り分けられた棒金を受け取って昇降搬送する棒金出金リフト121と、棒金出金リフト121で搬送されてきた棒金を外部に放出する下部棒金放出口122と、棒金出金リフト121で搬送されてきた棒金を受け取って外部に取り出し可能に収容する上部棒金出金口123と、棒金出金リフト121で搬送されてきた棒金を外部に取り出し可能に収納する棒金一括収納部124とを有している。
【0032】
図2に示すように、下部棒金放出口122は、本体部41の前面に設けられており、棒金出金リフト121から受け取った棒金を、硬貨処理装置10の前方に置かれた図示略の受箱に向けて放出する。上部棒金出金口123は、本体部41の前面から上面にかけて設けられており、棒金出金リフト121から受け取った棒金を外部に取り出し可能に収容する。上部棒金出金口123は、開閉可能なシャッタ126を有している。棒金一括収納部124は、本体部41の前面に設けられて本体部41に対し着脱可能に構成される棒金収納箱125を有している。棒金一括収納部124は、棒金収納箱125が本体部41に押し込まれた状態で本体部41からの棒金を収容することになり、棒金収納箱125が本体部41から前方に引き出されて取り外されることで、収容した棒金が外部に取り出し可能となる。
【0033】
図1に示すように、棒金収納部102は、棒金出金リフト121で搬送されてきた棒金を受け取って搬送する棒金収納搬送部131と、棒金収納搬送部131から棒金を受け取って上方に搬送する棒金収納リフト132と、棒金収納リフト132で搬送されてきた棒金を受け取って金種別に分類して収納する棒金収納本体部133と、棒金収納本体部133から金種別に棒金を計数しつつ棒金出金リフト121に繰り出す棒金繰出部134とを有している。棒金出金リフト121は、棒金繰出部134で棒金収納本体部133から繰り出された棒金を受け取って、上部棒金出金口123及び棒金一括収納部124に振り分ける。
【0034】
図2に示すように、本体部41の前部の上面には、操作者に対して表示を行う表示画面141が設けられている。図1に示すように、本体部41には、硬貨処理装置10の全体を制御する制御部142が設けられている。
【0035】
硬貨処理装置10の本体部41に対して着脱可能に構成される上記した出金リジェクト庫95について、さらに説明する。
【0036】
図3に示すように、出金リジェクト庫95は、上方に向けて開口する矩形箱状の収納部201を有している。収納部201は、前壁部202と、前壁部202と平行に配置される後壁部203と、前壁部202および後壁部203の下端縁部同士を連結する底部204と、前壁部202および後壁部203の左右方向同側の端縁部同士を連結する一対の側壁部205と、を有している。前壁部202には、その前面側に、出金リジェクト庫95を本体部41から引き出したり、本体部41に押し込んだりする際に、操作者により把持される把持部208が設けられている。
【0037】
一対の側壁部205は、相互対向側に一対(図3図4において一方のみ図示)の取付ブラケット211を有している。一対の取付ブラケット211は、それぞれが、側壁部205に固定されるブラケット本体212と、ブラケット本体212から、その固定側の側壁部205とは反対側の側壁部205に向けて突出する回動支持軸213とを有している。ブラケット本体212は、一枚の板材が折り曲げられて形成されており、側壁部205に固定される固定板部216と、固定板部216の前部の下縁部から、その固定側の側壁部205とは反対側の側壁部205に向けて突出するストッパ部217と、を有している。
【0038】
ここで、一対の側壁部205にそれぞれ設けられた回動支持軸213は、中心軸線が同一直線上に配置されている。両側の回動支持軸213の中心軸線が共に配置される直線は、前壁部202、後壁部203および底部204に平行であり、一対の側壁部205に垂直である。両側の回動支持軸213の中心軸線が共に配置される直線は、前壁部202、後壁部203および一対の側壁部205を鉛直方向に配置し、底部204を水平方向に配置した収納部201の重心位置と、水平方向の位置を一致させている。言い換えれば、両側の回動支持軸213の中心軸線が共に配置される直線における両側の回動支持軸213の間の中央位置は、収納部201の重心位置を通る鉛直線上に配置されている。
【0039】
収納部201の両側の回動支持軸213には、それぞれ同形状の支持部221(図3図4においては一方のみ図示)が回動可能に連結されている。これら支持部221は、それぞれが、連結された回動支持軸213からこの回動支持軸213の径方向に沿って延出する板状の支持本体部222と、支持本体部222の延出先端側に取り付けられた軸受部材223とを有している。軸受部材223は、ボールベアリングあるいはローラベアリングであり、中心軸線を回動支持軸213の中心軸線と平行させて支持本体部222に取り付けられている。
【0040】
図5に示すように、両側の支持部221の軸受部材223に、これらを繋ぐように棒状体231が取り付けられている。棒状体231が取り付けられることによって、棒状体231および両側の軸受部材223は、中心軸線を一致させる。棒状体231は、両側の軸受部材223に、これらを繋ぐように支持される円柱状の軸部232と、一対の支持部221間の軸部232の周囲に設けられる円筒状の胴部233とを有している。両側の支持部221は、軸受部材223と胴部233との間に軸部232を露出させるように棒状体231を支持している。
【0041】
軸部232は、両側の軸受部材223に回転可能に支持されており、胴部233は軸部232に固定されている。図6に示すように、軸部232には、両端部に係止溝235が形成されており、これら係止溝235のそれぞれに、図5に示すように、Eリング236が係止される。両側のEリング236は、両側の軸受部材223のそれぞれの他方の軸受部材223とは反対側に配置されており、軸部232に対する軸受部材223の抜け方向の移動を規制する。
【0042】
軸部232は金属部材で構成されており、胴部233は弾性部材で構成されている。胴部233を構成する弾性部材は、ゴム部材であり、機械的強度、耐磨耗性に優れる材質のゴム、例えば、ウレタンゴムで構成されている。
【0043】
図3図4に示すように、両側の支持部221は、棒状体231の両端を軸受部材223によって回転可能に支持しつつ収納部201に回動可能に連結される。棒状体231は、収納部201の両側の側壁部205に対し垂直をなす状態を維持しつつ、言い換えれば収納部201の前壁部202、後壁部203および底部204に対し平行をなす状態を維持しつつ、収納部201に対して回動することになる。
【0044】
支持本体部222と軸受部材223とからなる支持部221と、軸部232と胴部233とからなる棒状体231とが、出金リジェクト庫95を持ち上げる際に操作者に手で掴まれる取っ手部238となっている。取っ手部238は、図3に示すように、両側の支持部221が、回動支持軸213よりも前壁部202側に延出して支持本体部222において収納部201のストッパ部217の底部204とは反対側の面に当接する第1の状態と、図4に示すように、回動支持軸213よりも底部204とは反対側に延出する第2の状態と、の間で回動可能となっている。
【0045】
取っ手部238は、図3に示すように第1の状態にあると、両側の支持部221が、支持本体部222においてストッパ部217の上面に当接して、それ以上の第2の状態とは反対側への回動が規制される。第1の状態にあるとき、取っ手部238は、両側の支持部221および取っ手部238の全体が、底部204に平行となり、水平に配置される。
【0046】
取っ手部238は、図4に示すように第2の状態にあると、両側の支持部221が、支持本体部222においてストッパ部217の後面に当接して、それ以上の第1の状態とは反対側への回動が規制される。第2の状態にあるとき、取っ手部238は、両側の支持部221および取っ手部238の全体が、底部204に垂直となり、鉛直に配置される。
【0047】
よって、取っ手部238は、水平状態である第1の状態から、鉛直状態である第2の状態まで、90°の範囲で回動可能となっている。取っ手部238は、第1の状態にあるとき、全体が収納部201内に収容されることになり、棒状体231が最も前壁部202に近づく。取っ手部238は、第2の状態にあるとき、棒状体231が収納部201から外に出ることになり、棒状体231が最も後壁部203に近づく。
【0048】
また、取っ手部238は、第2の状態にあるとき、棒状体231の中心軸線が、収納部201の重心位置と、水平方向の位置を一致させる。言い換えれば、取っ手部238は、第2の状態にあるとき、棒状体231の軸線方向の中央位置が、収納部201の重心位置を通る鉛直線上に配置されている。よって、取っ手部238は、第2の状態にあるとき、収納部201の重心位置上(すなわち鉛直上方)に棒状体231が配置されることになる。取っ手部238は、第1の状態にあるときと、第2の状態にあるときとで、棒状体231の水平方向位置および鉛直方向位置の両方が変化する。
【0049】
出金リジェクト庫95は、後壁部203を先頭にして本体部41に、図2に示す本体部41の出金リジェクト開口部241を介して押し込まれて装着される。このとき、制御部142は、本体部41の表示画面141に、出金リジェクト庫95を押し込む際には取っ手部238を臥位させた状態で押し込むことをガイダンス表示している。なお、このときたとえ第2の状態にあったとしても、取っ手部238は、出金リジェクト庫95の本体部41への挿入中に本体部41の前面に当接して前壁部202側に押され、倒れて自重により第1の状態になる。
【0050】
出金リジェクト庫95が本体部41に押し込まれるとき、棒状体231は、出金リジェクト庫95の本体部41への挿入方向に直交するように延在している。よって、棒状体231は、出金リジェクト庫95の本体部41からの引き出し方向に対しても直交するように延在している。出金リジェクト庫95は、本体部41に装着されると、収納部201において本体部41に対し図示略のロック機構で着脱不可にロックされる。
【0051】
出金リジェクト庫95は、このようにして本体部41に装着されロックされた装着状態で、収納部201が、図7に示すように、硬貨出金搬送部91のリジェクト放出口245の鉛直下方に配置される。この状態で、リジェクト放出口245は、水平方向の全方向において、収納部201の内側の範囲内に配置される。よって、出金リジェクト庫95は、本体部41への装着状態で、本体部41のリジェクト放出口245から落下する硬貨Cを収納部201に収納する。
【0052】
また、本体部41への装着状態の出金リジェクト庫95は、その第1の状態にある取っ手部238の棒状体231が、リジェクト放出口245の鉛直下方に配置される。言い換えれば、本体部41への装着状態の出金リジェクト庫95は、その第1の状態にある取っ手部238の棒状体231が、鉛直方向の投影面上でリジェクト放出口245と重なり合う。
【0053】
具体的に、本体部41への装着状態の出金リジェクト庫95は、その第1の状態にある取っ手部238の棒状体231が、リジェクト放出口245の水平方向の中央位置の鉛直下方に配置されることになり、リジェクト放出口245の前後方向の中央位置の全体を左右方向に横断するように配置されることになる。よって、本体部41への装着状態の出金リジェクト庫95は、その第1の状態にある取っ手部238の棒状体231が、本体部41のリジェクト放出口245から落下する硬貨Cが衝突する位置に配置される。
【0054】
例えば、硬貨処理装置10で硬貨出金処理を行う場合、リジェクト放出口245から放出された硬貨Cを出金リジェクト庫95に収納する場合がある。すなわち、硬貨出金処理では、図示略の操作部に出金させる硬貨の金種別の枚数を含む出金処理操作が入力されると、図1に示す制御部142の制御で、硬貨収納繰出部81の対応する金種のものから硬貨を繰り出す繰出処理を行って、繰り出された硬貨を硬貨出金搬送部91で識別しつつ搬送する。そして、硬貨出金搬送部91は、出金に適すると識別した硬貨を、硬貨出金部92に向け搬送する一方で、出金に適さないと識別した硬貨を図7に示すリジェクト放出口245から落下させる。すると、リジェクト放出口245から落下する硬貨Cは、出金リジェクト庫95の収納部201内に収納されることになるが、落下位置によっては、出金リジェクト庫95の棒状体231に当たって、棒状体231よりも前壁部202側に落下したり、棒状体231よりも後壁部203側に落下したりする。言い換えれば、第1の状態にある取っ手部238の棒状体231は、上方から落下する硬貨Cを分散して収納部201に収納させる。
【0055】
また、出金リジェクト庫95に収納している硬貨を回収する場合、図1に示す制御部142は、図2に示す本体部41の表示画面141に、出金リジェクト庫95を引き出す際には取っ手部238を立位させて運搬可能なことをガイダンス表示しつつ、本体部41の図示略のロック機構による出金リジェクト庫95のロックを解除する。すると、操作者は、図2に示す出金リジェクト庫95を把持部208を掴んで引き出す。そして、例えば、その途中で、本体部41よりも図3に示す取っ手部238の全体が前方に位置した状態で、棒状体231を掴んで取っ手部238を回動させて図4に示す第2の状態とし、出金リジェクト庫95を、持ちながら、さらに引き出して、本体部41から引き抜く。なお、図3に示す第1の状態にあった取っ手部238を、図4に示す第2の状態にする際に、操作者の手で掴まれた棒状体231は、回動する支持部221に対し相対的に回動して、操作者の手に対しては回転が停止した状態を維持する。
【0056】
以上に述べた出金リジェクト庫95およびこれを備える硬貨処理装置10によれば、出金リジェクト庫95の取っ手部238を第1の状態とすれば、硬貨処理装置10の本体部41から落下する硬貨Cが衝突する位置に棒状体231が配置されることになる。これにより、本体部41から落下する硬貨Cを棒状体231に衝突させることで収納部201に分散させて収納することができるため、収納部201のスペースを充分に活用することができる。よって、出金リジェクト庫95の収納効率を上げることができる。また、取っ手部238を第2の状態とすれば、収納部201の重心位置上に棒状体231が配置されることになる。これにより、棒状体231を掴んで持ち上げると、硬貨Cを収納することにより重くなっている出金リジェクト庫95をバランス良く持つことができ、その運搬も容易となる。このように、持ち上げる際に掴まれる棒状体231を、本体部41から落下する硬貨Cを衝突させて分散させる案内部材として使用することができる。したがって、コスト増を抑制することができる。しかも、取っ手部238が第1の状態と第2の状態との間で回動するため、本体部41から硬貨Cが落下する位置と収納部201の重心位置とが一致していなくても対応できる。
【0057】
すなわち、ある程度の重量が見込まれる物の取っ手部は、そのものの重心の鉛直上方あるいは鉛直下方に配置されていることが望ましい。しかし、硬貨の放出口が必ずしも取っ手部の鉛直上方位置にあるとは限らず、その場合は取っ手部の位置を重心位置からずらす必要がある。すると、硬貨の分散収納は可能であるものの、持ち上げる際にバランスが悪く運搬がしにくい。これに対して、出金リジェクト庫95は、第1の状態として硬貨の分散収納を可能とし、第2の状態とすることでバランス良く持つことを可能とする。
【0058】
また、本体部41から落下する硬貨Cを、棒状体231の弾性部材からなる胴部233に衝突させるため、硬貨Cが大きく跳ねることになり、硬貨Cを収納部201の広範囲に分散させて収納することができる。よって、収納部201のスペースを、より一層充分に活用することができる。また、持ち上げる際に掴まれる棒状体231の胴部233が摩擦係数が高い弾性部材からなるため、滑りにくく持ちやすい。よって、出金リジェクト庫95の運搬等が容易となる。また、棒状体231に硬貨Cを衝突させることにより発生する衝突音を抑制することができる。
【0059】
また、棒状体231が支持部221に軸受部材223で回転可能に支持されているため、棒状体231を持って取っ手部238を収納部201に対し回動させる際に、持つ手に対して棒状体231を良好に停止させておくことができる。よって、棒状体231を持って取っ手部238を収納部201に対し回動させる操作がしやすい。棒状体231の両端に軸受部材223を用いることで、軸部232が容易に回転することになるため、棒状体231が硬貨Cとの接触で回転することになって、胴部233の同一箇所での硬貨Cとの接触を防ぎ、胴部233の磨耗を低減させることができる。硬貨衝突時の棒状体231の回転の方向や回転速度は異なるが、軸受部材223を用いることで特に回転速度の差を大きくできるため、分散効果も期待できる。
【0060】
また、棒状体231が支持部221にEリング236で取り付けられているため、棒状体231の支持部221に対する着脱が容易となる。よって、棒状体231の交換作業等が容易となる。
【0061】
<変形例1>
取っ手部238の棒状体231または胴部233を交換可能に構成することで、ゴム部材からなる胴部233の劣化に対応できる。例えば、金属部材である軸部232にゴム部材を螺旋状に巻いて胴部233を形成することで、胴部233のみを容易に交換可能にすることができる。さらに、胴部233において、硬貨が衝突する衝突部を分離可能に形成することで、交換部材を最小限に抑えることができる。胴部233の両端を軸部232に対しEリング固定にすることで、胴部233のみの容易な交換が可能である。あるいは、例えば胴部233を3分割にするなどで汚れた部位のみの交換も可能になる。
【0062】
<変形例2>
上記のように、出金リジェクト庫95を硬貨処理装置10の本体部41に押し込む動作に伴って、出金リジェクト庫95の取っ手部238が収納部201に対して臥位した状態となるようにしたが、このように構成しなくても良い。その場合、出金リジェクト庫95を本体部41に押し込んだ際に、取っ手部238が第1の状態となっていないことを検知するセンサを設け、取っ手部238が第1の状態となっていないことを検知した場合には、その旨をアラームで表示画面141に報知するようにするのが良い。
【0063】
<変形例3>
出金リジェクト庫95を硬貨処理装置10の本体部41から引き出すと、取っ手部238が収納部201に対して自動的に第2の状態になり、出金リジェクト庫95を硬貨処理装置10の本体部41に対し押し込むと、取っ手部238が収納部201に対して自動的に第1の状態になるようにしても良い。例えば、取っ手部238が収納部201に対して第2の状態になるように付勢するネジリバネを設けると共に、出金リジェクト庫95を本体部41に対し押し込むと、本体部41に設けられたガイドが取っ手部238の支持本体部222に当接して取っ手部238を第1の状態に維持するようにする。
【0064】
<変形例4>
以上の出金リジェクト庫95の構成は、硬貨処理装置10の本体部41に対し着脱可能であって、硬貨を収納する硬貨収納庫であれば、いずれに適用することも可能である。例えば、入金貯留部62から落下した硬貨を返却のために収納する硬貨返却部75の硬貨返却箱76や、硬貨収納繰出部81から繰り出され硬貨出金搬送部91で搬送されて落下した硬貨を収納する硬貨出金部92の硬貨出金箱93等にも適用可能である。また、例えば、入金貯留部62が本体部41に対し着脱可能であれば、これに適用することも可能であり、硬貨収納繰出部81が本体部41に対し着脱可能であれば、これに適用することも可能である。すなわち、硬貨処理装置に用いられ、落下する硬貨を収納する硬貨収納箱であれば、収納する媒体の種別(金種別、混合金種、異金種、損貨等)を問わず、いずれにも適用することができる。
【0065】
<変形例5>
なお、以上においては、収納部201の一対の側壁部205を繋ぐように取っ手部238を配置したが、図8に示す変形例5のように、収納部201の前壁部202および後壁部203を繋ぐように取っ手部238を配置しても良い。この変形例5は、出金リジェクト庫95の本体部41への挿入方向および本体部41からの引き出し方向に沿って棒状体231が延在している。
【0066】
変形例5では、前壁部202および後壁部203にそれぞれ回動支持軸213が設けられることになり、これらの回動支持軸213は、中心軸線が同一直線上に配置されることになる。また、変形例5では、両側の回動支持軸213の中心軸線が共に配置される直線は、一対の側壁部205および底部204に平行となり、前壁部202および後壁部203に垂直となる。また、変形例5では、両側の回動支持軸213の中心軸線が共に配置される直線は、収納部201の重心位置と、水平方向の位置を一致させている。言い換えれば、両側の回動支持軸213の中心軸線が共に配置される直線における両側の回動支持軸213の間の中央位置は、収納部201の重心位置を通る鉛直線上に配置されている。
【0067】
また、変形例5では、取っ手部238は、第2の状態にあるとき、全体として一対の側壁部205に平行となる。また、変形例5では、取っ手部238は、第2の状態にあるとき、棒状体231の中心軸線が、収納部201の重心位置と、水平方向の位置を一致させる。言い換えれば、取っ手部238は、第2の状態にあるとき、棒状体231の軸線方向の中央位置が、収納部201の重心位置を通る鉛直線上に配置されている。よって、変形例5では、取っ手部238は、第2の状態にあるとき、収納部201の重心位置上に棒状体231が配置されることになる。
【0068】
例えば、金種別に硬貨を分類して収納するため硬貨収納繰出部81が一の水平方向に直線状に長く延びる場合に、この硬貨収納繰出部81から落下した硬貨を出金リジェクトのために収納する出金リジェクト部94の出金リジェクト庫95も一の水平方向に直線状に長く延びることがある。このような場合に、出金リジェクト庫95の長手方向に沿うように取っ手部238を配置すれば、その棒状体231によって、出金リジェクト庫95の長手方向の全体にわたって効率的に硬貨を分散することができる。
【0069】
また、例えば、金種別に硬貨を分類して収納するため硬貨収納繰出部81が一の水平方向に直線状に長く延びる場合に、この硬貨収納繰出部81から落下した硬貨を出金のために収納する硬貨出金部92の硬貨出金箱93も一の水平方向に直線状に長く延びることがある。このような場合に、硬貨出金箱93の長手方向に沿うように取っ手部238を配置すれば、その棒状体231によって、硬貨出金箱93の長手方向の全体にわたって効率的に硬貨を分散することができる。
【0070】
また、例えば、金種別に硬貨を分類して貯留するため入金貯留部62が一の水平方向に直線状に長く延びる場合に、この入金貯留部62から落下した硬貨を返却のために収納する硬貨返却部75の硬貨返却箱76も一の水平方向に直線状に長く延びることがある。このような場合に、硬貨返却箱76の長手方向に沿うように取っ手部238を配置すれば、その棒状体231によって、硬貨返却箱76の長手方向の全体にわたって効率的に硬貨を分散することができる。
【符号の説明】
【0071】
10 硬貨処理装置
41 本体部
95 出金リジェクト庫(硬貨収納箱)
201 収納部
221 支持部
223 軸受部材
231 棒状体
232 軸部
233 胴部
238 取っ手部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8