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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-05
(45)【発行日】2023-10-16
(54)【発明の名称】装飾方法
(51)【国際特許分類】
   E04F 13/08 20060101AFI20231006BHJP
   E04F 13/07 20060101ALI20231006BHJP
   E04F 15/16 20060101ALI20231006BHJP
【FI】
E04F13/08 101K
E04F13/07 B
E04F15/16 A
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019138552
(22)【出願日】2019-07-29
(65)【公開番号】P2021021250
(43)【公開日】2021-02-18
【審査請求日】2022-03-29
(73)【特許権者】
【識別番号】519275179
【氏名又は名称】株式会社アートビークルー
(74)【代理人】
【識別番号】100110629
【弁理士】
【氏名又は名称】須藤 雄一
(74)【代理人】
【識別番号】100166615
【弁理士】
【氏名又は名称】須藤 大輔
(72)【発明者】
【氏名】林 武広
【審査官】須永 聡
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-060888(JP,A)
【文献】特開2018-039870(JP,A)
【文献】特開2011-136418(JP,A)
【文献】特開2002-036408(JP,A)
【文献】特開2012-077411(JP,A)
【文献】特開平06-041875(JP,A)
【文献】実開平06-047470(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04F 13/08
E04F 13/07
E04F 15/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被装飾面に対して感圧粘着剤を貼り付け、
前記感圧粘着剤に対して装飾シートを貼り付け、
前記装飾シートは、樹脂製の経糸及び緯糸からなる織物を樹脂フィルムで被覆し、前記樹脂フィルムの表面に前記織物による凹凸が形成されたものであり、前記感圧粘着剤への貼り付け時に前記凹凸により空気が抜け或いは保持されると共に前記感圧粘着剤に対する粘着力が前記被装飾面と前記感圧粘着剤との間の粘着力よりも低下る、
装飾方法。
【請求項2】
請求項1記載の装飾方法であって、
前記装飾シートは、繊度が50d~300dである、
装飾方法。
【請求項3】
請求項1又は2記載の装飾方法であって、
前記装飾シートは、重量が80g/m~550g/mであり、
前記感圧粘着剤は、対SUS板粘着力が19.0N/25mm~21.0N/25mmである、
装飾方法。
【請求項4】
請求項1~3の何れか一項に記載の装飾方法であって、
前記装飾シートは、前記経糸及び緯糸がポリエステル製の糸であり、前記樹脂フィルムが塩化ビニル樹脂フィルム、ポリウレタン樹脂フィルム、又はエチレン・酢酸ビニル共重合樹脂フィルムであり、
前記感圧粘着剤は、アクリル系粘着剤である、
装飾方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物の壁面、床面等の被装飾面を装飾シートにより装飾する装飾方法に関する。
【背景技術】
【0002】
建物の壁面等の被装飾面に絵柄を付ける場合等には、例えば絵柄を印刷した装飾シートとしての壁紙を被装飾面に貼り付けることが行われている。貼り付けの際は、壁紙の裏面に糊を塗布し、この糊により被装飾面に壁紙を接着する。
【0003】
この方法は、糊の乾燥時に壁紙が縮むため、例えば複数枚の壁紙によって一つの絵柄を完成させるような場合に、壁紙相互間の繋目で絵柄を合わせることが困難であり、熟練した作業者によって作業を行う必要があった。
【0004】
一方、複数枚分の大きさを有する一枚の大型の壁紙を用いることも考えられるが、作業性の悪化により絵柄に歪みが生じたり、大型であることにより空気抜きに手間がかかるおそれがある。
【0005】
従って、大型の壁紙を貼り付ける際には、空気抜き作業を容易にし又はなくすことと、壁紙を部分的に剥がして微調整するといった調整作業が必要になるが、一般的な壁紙を被装飾面に貼り付ける装飾方法では、空気を逃がしにくく、また調整作業を行うと壁紙に破れやシワが生じやすいという問題があった。
【0006】
これに対し、従来の装飾方法としては、粘着シートによって化粧シート(装飾シート)を貼り付けるものがある(例えば、特許文献1)。この装飾方法では、化粧シートの表地の外周縁部に縫合されている粘着シート(感圧粘着剤)により、化粧シートをパネル基材(被装飾面)に粘着する。
【0007】
従って、化粧シートをパネル基材に貼り付ける際に、空気を逃がす必要性が無く、粘着シートを部分的にパネル基材から剥がして貼り直すこともできる。
【0008】
しかし、かかる従来の装飾方法は、パネル基材から化粧シートを剥がして貼り直すと、粘着シートの重量及び表地の重量の双方が掛かる界面で粘着シートの粘着力が低下するおそれがあり、化粧シートが剥がれやすくなるおそれがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】特開2012-240339号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明が解決しようとする問題点は、貼り付け時に空気抜き作業を無くし且つ装飾シートを剥がして貼り直す微調整を可能にしつつ、貼り付け後に装飾シートを剥がれにくくできない点である。
【課題を解決するための手段】
【0012】
明は、被装飾面に対して感圧粘着剤を貼り付け、前記感圧粘着剤に対して装飾シートを貼り付け、前記装飾シートは、樹脂製の経糸及び緯糸からなる織物を樹脂フィルムで被覆し、前記樹脂フィルムの表面に前記織物による凹凸が形成されたものであり、前記感圧粘着剤への貼り付け時に前記凹凸により空気が抜け或いは保持されると共に前記感圧粘着剤に対する粘着力を前記被装飾面と前記感圧粘着剤との間の粘着力よりも低下させる装飾方法を提供する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、飾シートを感圧粘着剤に貼り付けるだけで凹凸により空気を抜き又は保持することができ、貼り付け時に空気抜き作業をなくすことができる。また、装飾シートと感圧粘着剤との間の粘着力が被装飾面と感圧粘着剤との間の粘着力よりも低下しているので、装飾シートを剥がして貼り直す微調整を可能にする。しかも、微調整時には、装飾シートの剥離及び貼り直しが感圧粘着剤との界面で行われるため、貼り付け後に装飾シートを剥がれにくくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】被装飾面に装飾シートを貼り付けた装飾構造を概略的に示す断面図である(実施例1)。
図2図1の装飾シートの一部を示す拡大平面図である(実施例1)。
図3】装飾方法を示す概略断面図である(実施例1)。
図4】装飾方法に係り被装飾面に粘着シートを貼り付けた状態を示す概略正面図である(実施例1)。
図5】装飾方法に係り装飾シートを貼り付ける際の概略平面図である(実施例1)。
図6】装飾シートを示す概略断面図である(実施例2)。
【発明を実施するための形態】
【0016】
貼り付け時に空気抜き作業を無くし且つ装飾シートを剥がして貼り直す微調整を可能にしつつ、貼り付け後に装飾シートを剥がれにくくするという目的を、被装飾面に対して感圧粘着剤を貼り付け、その感圧粘着剤に対して装飾シートを貼り付ける装飾方法により実現した。
【0017】
かかる装飾方法では、装飾シートを樹脂製の経糸及び緯糸からなる織物とするか、或いはその織物を樹脂フィルムで被覆したものとする。
【0018】
装飾シートが織物である場合は、感圧粘着剤への貼り付け時に織物の織り目から空気が抜けると共に感圧粘着剤に対する粘着力を被装飾面と感圧粘着剤との間の粘着力よりも低下させる。
【0019】
装飾シートが織物を樹脂フィルムで被覆したものとした場合は、感圧粘着剤への貼り付け時に凹凸により空気が抜け或いは保持されると共に感圧粘着剤に対する粘着力を被装飾面と感圧粘着剤との間の粘着力よりも低下させる。
【0020】
何れの場合も、装飾シートの繊度を50d~300dとしてもよい。
【0021】
また、装飾シートは、重量が80g/m~550g/mであり、感圧粘着剤は、対SUS板粘着力が19.0N/25mm~21.0N/25mmである構成としてもよい。
【0022】
また、装飾シートは、経糸及び緯糸がポリエステル製の糸であり、感圧粘着剤は、アクリル系粘着剤である構成としてもよい。装飾シートが織物を樹脂フィルムで被覆したものとした場合は、さらに樹脂フィルムを塩化ビニル樹脂フィルム、ポリウレタン樹脂フィルム、又はエチレン・酢酸ビニル共重合樹脂フィルムとしてもよい。
【実施例1】
【0023】
[装飾構造]
図1は、本発明の実施例1に係り、被装飾面に装飾シートを貼り付けた装飾構造を示す概略断面図である。
【0024】
本実施例の装飾構造1は、被装飾面3に感圧粘着剤としての粘着シート5により装飾シート7が貼り付けられて構成されている。
【0025】
被装飾面3は、例えば建物や舞台セットの壁面、床面等であり、平面又は曲面によって構成されている。本実施例の被装飾面3は、繊維板、特に中密度繊維板(MDF板)で構成された壁又は床等の被装飾部材9の表面からなる。なお、被装飾部材9の材質や被装飾面3は、特に限定されるものではなく、被装飾部材9が装飾の必要な面としての被装飾面3を有していればよい。
【0026】
粘着シート5は、アクリル系粘着剤からなる。ただし、粘着シートとしては、基本的に、エマルジョン系、ウレタン系、シリコン系粘着剤等の各種の粘着剤を適用可能である。本実施例において、粘着シート5は、両面テープとして構成されており、図示しないが基材の両側に粘着剤が積層されている。
【0027】
粘着シート5の対SUS板粘着力は、19.0N/25mm~21.0N/25mm程度に設定される。対SUS板粘着力は、JISZ0237準拠した測定方法により得られる180度剥離力である。なお、粘着シート5の対SUS板粘着力は、装飾シート7の重量との関係で適宜設定される。
【0028】
この粘着シート5は、幅が1.2m程度である。ただし、粘着シート5の幅は特に限定されるものではない。また、粘着シート5の厚みや重量等も適宜設定可能である。
【0029】
図2は、図1の装飾シート7の一部を示す拡大平面図である。
【0030】
装飾シート7は、樹脂製の経糸7a及び緯糸7bからなる織物である。本実施例の装飾シート7は、トロマットと称されるポリエステル生地により構成されている。すなわち、装飾シート7は、経糸7a及び緯糸7bがポリエステル製の糸からなっている。なお、装飾シート7は、他の樹脂製の生地等を用いることも可能である。
【0031】
経糸7a及び緯糸7bで囲まれた領域には織り目7c(隙間)が形成されている。この織り目7cにより、装飾シート7は、ガス透過性を有している。
【0032】
装飾シート7の平面サイズは、一枚のシートとして最大で50m×5m程であり、表面にインクジェット等により絵柄を形成することを可能としている。これにより、一枚の装飾シート7に一つの絵柄を継ぎ目無く表現することが可能となっている。
【0033】
この装飾シート7は、厚みが0.15mm~0.45mm程度、繊度が50d~300d程度、重量が80g/m~550g/m程度となっている。なお、装飾シート7の厚み、繊度、重量は、特に限定されるものではない。
【0034】
[装飾方法]
図3は、本実施例の装飾方法を示す概略断面図、図4は、被装飾面3に粘着シート5を貼り付けた状態を示す概略正面図、図5は、装飾シート7を貼り付ける際の概略平面図である。
【0035】
本実施例の装飾方法では、まず被装飾面3に対して粘着シート5を貼り付ける。粘着シート5を貼り付ける際は、図3(A)のように粘着シート5の一側面の離型紙11aを剥がし、図3(B)のように露出した粘着シート5の粘着面13aを被装飾面3に押し付ける。
【0036】
このとき、被装飾面3の全体を粘着シート5で覆うようにする。このとき、被装飾面3の幅が粘着シート5の幅よりも大きい場合は、図4のように複数の粘着シート5を被装飾面3の幅方向に複数並列に配置する。例えば高さ3m×幅12mの場合は、幅1.2mの粘着シート5を被装飾面3の幅方向に10枚隣接させて貼り付ける。複数の粘着シート5を相互に隣接させて配置する場合は、隣接する粘着シート5間に若干の隙間を設けてもよい。
【0037】
次いで、本実施例の装飾方法では、粘着シート5に対して装飾シート7を貼り付ける。装飾シート7を貼り付ける際は、図3(C)のように粘着シート5の他側面の離型紙11bを剥がし、図3(D)のように露出した粘着シート5の粘着面13bに装飾シート7を押し付ける。
【0038】
装飾シート7は、図5のように、ロール15として用意され、ロール15を展開しながら徐々に粘着シート5に貼り付けられる。
【0039】
この貼り付け時には、装飾シート7が樹脂製の経糸7a及び緯糸7bからなる織物であるため、装飾シート7の織り目7cから空気が抜ける。また、貼り付けた後は、織物である装飾シート7と粘着シート5との間の密着性が被装飾面3と粘着シート5との間の密着性よりも低下することになる。結果として、装飾シート7と粘着シート5との間の粘着力は、被装飾面3と粘着シート5との間の粘着力よりも低下する。
【0040】
特に、本実施例では、装飾シート7の繊度が50d~300dであるため、確実に空気を抜くことができると共に、装飾シート7と粘着シート5との間の粘着力を被装飾面3と粘着シート5との間の粘着力よりも低下させることができる。
【0041】
また、装飾シート7は、繊度が50d~300dであることにより、適度なハリがでて、粘着シート5への貼り付け作業性を向上することができる。
【0042】
かかる装飾シート7の貼り付けの際には、大型の装飾シート7を一度で正確に貼り付けることは困難であり、装飾シート7ひいてはその絵柄に歪みが生じるおそれがある。
【0043】
これに対し、本実施例では、装飾シート7と粘着シート5との間の粘着力が被装飾面3と粘着シート5との間の粘着力よりも低下しているので、装飾シート7を貼り付けていく過程において、装飾シート7を部分的に剥がして貼り直す微調整を容易に行うことができる。
【0044】
しかも、本実施例では、装飾シート7の経糸7a及び緯糸7bがポリエステル製の糸であり、粘着シート5がアクリル系粘着剤であることにより、粘着シート5に対する装飾シート7の剥離性を向上し、より容易に微調整を行わせることができる。
【0045】
また、本実施例では、粘着シート5の対SUS板粘着力が19.0N/25mm~21.0N/25mmであるため、より確実に粘着シート5に対する装飾シート7の剥離性を向上できる。
【0046】
こうして貼り付けられた装飾シート7は、粘着シート5によって確実に保持される。すなわち、微調整の際の剥離及び貼り直しが粘着シート5との界面で行われ、その界面において微調整により界面に粘着シート5の粘着力が低下したとしても、粘着シート5が、従来のように自身と装飾シート7との双方を保持する必要が無く、装飾シート7のみを確実に保持できる。
【0047】
また、装飾シート7は、軽量の樹脂製の織物であるため、粘着シート5から剥離しやすいものであっても、粘着シート5により被装飾面3に確実に保持することができる。
【0048】
特に、装飾シート7は、重量が80g/m~550g/mであり、粘着シート5は、対SUS板粘着力が19.0N/25mm~21.0N/25mmであるため、より確実に粘着シート5により被装飾面3に保持することができる。
【0049】
さらに、本実施例では、装飾シート7の経糸7a及び緯糸7bがポリエステル製の糸であり、粘着シート5がアクリル系粘着剤であることにより、粘着シート5に対する装飾シート7の剥離性と保持性とが両立される。
【0050】
[実施例1の効果]
以上説明したように、本実施例の装飾方法は、被装飾面3に対して粘着シート5を貼り付け、粘着シート5に対して装飾シート7を貼り付け、装飾シート7が、樹脂製の経糸7a及び緯糸7bからなる織物であり、粘着シート5への貼り付け時に織物の織り目7cから空気が抜けると共に粘着シート5に対する粘着力を被装飾面3と粘着シート5との間の粘着力よりも低下させる。
【0051】
従って、本実施例の装飾方法では、装飾シート7を粘着シート5に貼り付けるだけで織り目7cから空気を抜くことができるので、特別な空気抜き作業を行う必要が無く、作業性を向上することができる。一般的に、装飾シート7が大型になると空気抜き作業に手間が掛かるが、本実施例では、そのような空気抜き作業の手間を省略できる。
【0052】
また、本実施例の装飾方法では、装飾シート7と粘着シート5との間の粘着力が被装飾面3と粘着シート5との間の粘着力よりも低下しているので、装飾シート7を部分的に剥がして貼り直す微調整を容易に行うことができる。しかも、装飾シート7が樹脂製の織物であるから、微調整時に、装飾シート7がシワになりにくく破れることもない。
【0053】
さらに、微調整の際には、装飾シート7の剥離及び貼り直しが粘着シート5との界面で行われるため、その界面での粘着シート5の粘着力の低下があったとしても、貼り付け後には、低下した粘着力により装飾シート7のみを保持すればよいので、装飾シート7を剥がれにくくすることができる。
【0054】
本実施例の装飾方法では、装飾シート7の繊度が50d~300dであるため、確実に空気を抜くことができると共に、装飾シート7と粘着シート5との間の粘着力を被装飾面3と粘着シート5との間の粘着力よりも低下させることができる。また、装飾シート7は、繊度が50d~300dであることにより、適度なハリがでて、粘着シート5への貼り付け作業性を向上することができる。
【0055】
また、本実施例の装飾方法では、装飾シート7の重量が80g/m~550g/mであり、粘着シート5の対SUS板粘着力が19.0N/25mm~21.0N/25mmであるため、より確実に粘着シート5に対する装飾シート7の剥離性及び保持性を向上できる。
【0056】
本実施例の装飾方法では、装飾シート7の経糸7a及び緯糸7bがポリエステル製の糸であり、粘着シート5がアクリル系粘着剤であるため、粘着シート5に対する装飾シート7の剥離性と保持性とが確実に両立される。
【実施例2】
【0057】
図6は、本発明の実施例2に係り、装飾シートを示す概略断面図である。なお、本実施例では、実施例1と対応する構成に同符号を付して重複した説明を省略する。
【0058】
本実施例の装飾構造1及び装飾方法は、実施例1に対し、装飾シート7を変更したものである。その他は、実施例1と同一である。
【0059】
装飾シート7は、樹脂製の経糸7a及び緯糸7bからなる織物の基部17を樹脂フィルム19a,19bで被覆し、樹脂フィルム19a,19bの表面に織物の基部17による凹凸21が形成されている。
【0060】
基部17は、実施例1の装飾シート7と同一構成となっている。樹脂フィルム19a,19bは、塩化ビニル樹脂フィルム、ポリウレタン樹脂フィルム、又はエチレン・酢酸ビニル共重合樹脂フィルムであり、80~800μm程度の厚みを有する。
【0061】
かかる装飾シート7を用いた装飾方法では、装飾シート7の粘着シート5への貼り付け時に凹凸21により空気が抜け或いは保持されると共に粘着シート5に対する粘着力を被装飾面3と粘着シート5との間の粘着力よりも低下させる。
【0062】
従って、本実施例でも、上記実施例1と同様の作用効果を奏することができる。
【符号の説明】
【0063】
3 被装飾面
5 粘着シート
7 装飾シート
7a 経糸
7b 緯糸
7c 織り目
19a,19b 樹脂フィルム
図1
図2
図3
図4
図5
図6