(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-05
(45)【発行日】2023-10-16
(54)【発明の名称】作業機
(51)【国際特許分類】
A01B 73/04 20060101AFI20231006BHJP
【FI】
A01B73/04
(21)【出願番号】P 2019223180
(22)【出願日】2019-12-10
【審査請求日】2022-11-10
(73)【特許権者】
【識別番号】390010836
【氏名又は名称】小橋工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】末平 直土
【審査官】中村 圭伸
(56)【参考文献】
【文献】欧州特許出願公開第01008286(EP,A1)
【文献】特開平10-113028(JP,A)
【文献】特開2015-043739(JP,A)
【文献】米国特許第03967684(US,A)
【文献】米国特許第06035942(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01B 33/00 - 33/16
A01B 73/00 - 73/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
左側端部及び右側端部を有する支持部材と、
左側連結部を有し、前記左側端部に対して、第1左側回動軸を中心として回動可能に支持された第1左側作業体と、
第2左側回動軸を中心として前記左側連結部に回動可能に支持され、前記第1左側作業体に対して回動可能に構成された第2左側作業体と、
右側連結部を有し、前記右側端部に対して第1右側回動軸を中心として回動可能に支持された第1右側作業体と、
第2右側回動軸を中心として前記右側連結部に回動可能に支持され、前記第1右側作業体に対して回動可能に構成された第2右側作業体と、を有
し、
前記第1左側作業体、前記第2左側作業体、前記第1右側作業体、及び前記第2右側作業体が最大耕幅となるよう左右方向に略一直線に並んだ状態である展開状態において、前記支持部材は、前記第1左側回動軸と前記第1右側回動軸を含む第1面と、前記第2左側回動軸と前記第2右側回動軸を含む第2面との間に位置するように配置される、
作業機。
【請求項2】
前記展開状態において、
前記第1面は、
前記第2面と、略平行な面であり、かつ、同一の面でない、
請求項
1に記載の作業機。
【請求項3】
前記第1面は、前記第2面よりも高い位置となるように構成されている、
請求項
2に記載の作業機。
【請求項4】
左側端部及び右側端部を有する支持部材と、
左側連結部を有し、前記左側端部に対して、第1左側回動軸を中心として回動可能に支持された第1左側作業体と、
第2左側回動軸を中心として前記左側連結部に回動可能に支持され、前記第1左側作業体に対して回動可能に構成された第2左側作業体と、
右側連結部を有し、前記右側端部に対して第1右側回動軸を中心として回動可能に支持された第1右側作業体と、
第2右側回動軸を中心として前記右側連結部に回動可能に支持され、前記第1右側作業体に対して回動可能に構成された第2右側作業体と、を有し、
前記第1左側作業体、前記第2左側作業体、前記第1右側作業体、及び前記第2右側作業体が最大耕幅となるよう左右方向に略一直線に並んだ状態である展開状態において、
前記第1左側回動軸と前記第1右側回動軸を含む第1面は、前記第2左側回動軸と前記第2右側回動軸を含む第2面と交差する
、
作業機。
【請求項5】
前記第1面に対し、前記第2面は、後方に行くほど低くなるように構成されている、
請求項
4に記載の作業機。
【請求項6】
前記展開状態の背面視において、
前記第1左側作業体は、前記第1左側回動軸を中心とし前記支持部材に対して、時計回りに略90度回動可能であり、
前記第2左側作業体は、前記第2左側回動軸を中心とし前記第1左側作業体に対して、時計回りに略180度回動可能であり、
前記第1右側作業体は、前記第1右側回動軸を中心とし前記支持部材に対して、反時計回りに略90度回動可能であり、
前記第2右側作業体は、前記第2右側回動軸を中心とし前記第1右側作業体に対して、反時計回りに略180度回動可能である、
請求項1乃至5の何れか一に記載の作業機。
【請求項7】
背面視において、前記第2左側作業体を前記第1左側作業体に対して時計回りに略180度回動させ、前記第2左側作業体を前記第1左側作業体に重畳させ、前記第2右側作業体を前記第1右側作業体に対して反時計回りに略180度回動させ、前記第2右側作業体を前記第1右側作業体に重畳させ、
さらに、前記第1左側作業体を前記第1左側回動軸を中心とし前記支持部材に対して時計回りに略90度回動させ、前記第1右側作業体を前記第1右側回動軸を中心とし前記支持部材に対して反時計回りに略90度回動させた状態において、
作業機の全幅は、前記展開状態の半分の幅以下である、
請求項
6に記載の作業機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は農作業に供する作業機に関する。特に、作業機の中央に設けられた作業体、及び中央に設けられた作業体に対して回動可能に連結された側方作業体を有する折り畳み式の作業機に関する。
【背景技術】
【0002】
農作業用の作業機として、トラクタに連結されて使用される代掻き作業機などに代表される折り畳み式の作業機が知られている。折り畳み式作業機は、作業時は左右作業部を展開することにより、広い範囲の圃場の耕耘処理が可能であり、非作業時は左右の作業部を折り畳むことにより移動(運搬)及び格納に適した大きさとすることが可能である。折り畳み式作業機は、運搬及び格納に適していることが求められる。
【0003】
運搬及び格納に適した折り畳み式作業機として、例えば、特許文献1及び特許文献2に記載の折り畳み式作業機が知られている。特許文献1及び特許文献2に記載の折り畳み式作業機は、作業機の中央部に設けられた作業体に対して左右に設けられた作業体が折り畳まれる構成を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第4634951号公報
【文献】特許第5813669号公報
【0005】
例えば、広い範囲の圃場の耕耘処理を効率よく行うため、折り畳み式作業機は大型化される傾向にある。しかしながら、大型化された折り畳み式作業機において、特許文献1及び特許文献2に記載されたような構成を採用すると、中央部に設けられた作業体、又は中央部に設けられた作業体に対して左右に設けられた作業体の元々のサイズが大きくなるため、例え作業機を折り畳んだとしても、上下方向に高くなるという問題がある。また、例え作業機を折り畳んだとしても、トラクタよりも横幅が大きくなりやすいという問題がある。また、近年の規制緩和に伴い、一定の要件を満たした保安部品を設置することで、トラクタに作業機を装着したまま公道を走ることが可能となったため、大型化された折り畳み式作業機において運搬及び格納に適した構成とすることは、トラクタに作業機を装着したまま公道を走ることを満たす上でも重要となってきている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、運搬及び格納に適した構成を有する折り畳み式作業機を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態における作業機は、左側端部及び右側端部を有する支持部材と、左側連結部を有し、左側端部に対して、第1左側回動軸を中心として回動可能に支持された第1左側作業体と、第2左側回動軸を中心として左側連結部に回動可能に支持され、第1左側作業体に対して回動可能に構成された第2左側作業体と、右側連結部を有し、右側端部に対して第1右側回動軸を中心として回動可能に支持された第1右側作業体と、第2右側回動軸を中心として右側連結部に回動可能に支持され、第1右側作業体に対して回動可能に構成された第2右側作業体と、を有する。
【0008】
第1左側作業体、第2左側作業体、第1右側作業体、及び第2右側作業体が最大耕幅となるよう左右方向に略一直線に並んだ状態である展開状態の背面視において、第1左側作業体は、第1左側回動軸を中心とし支持部材に対して、時計回りに略90度回動可能であり、第2左側作業体は、第2左側回動軸を中心とし第1左側作業体に対して、時計回りに略180度回動可能であり、第1右側作業体は、第1右側回動軸を中心とし支持部材に対して、反時計回りに略90度回動可能であり、第2右側作業体は、第2右側回動軸を中心とし第1右側作業体に対して、反時計回りに略180度回動可能であってもよい。
【0009】
展開状態において、第1左側回動軸と第1右側回動軸を結んだ線を含む第1面は、第2左側回動軸と第2右側回動軸を結んだ線を含む第2面と、略平行な面であり、かつ、同一の面でなくてもよい。
【0010】
第1面は、第2面よりも高い位置となるように構成されてもよい。
【0011】
展開状態において、第1左側作業体、第2左側作業体、第1右側作業体、及び第2右側作業体は、並んだ状態となり、展開状態の側面視において、第1左側回動軸と第1右側回動軸を含む第1面は、第2面と交差してもよい。
【0012】
背面視において、第2左側作業体を第1左側作業体に対して時計回りに略180度回動させ、第2左側作業体を第1左側作業体に重畳させ、第2右側作業体を第1右側作業体に対して反時計回りに略180度回動させ、第2右側作業体を第1右側作業体に重畳させ、さらに、第1左側作業体を第1左側回動軸を中心とし支持部材に対して時計回りに略90度回動させ、第1右側作業体を第1右側回動軸を中心とし支持部材に対して反時計回りに略90度回動させた状態において、作業機の全幅は、展開状態の半分の幅以下であってもよい。
【0013】
第1面に対し、第2面は、後方に行くほど低くなるように構成されてもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、運搬及び格納に適した構成を有する折り畳み式作業機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】走行機体に連結した本発明の一実施形態における作業機を後方から見た背面図である。
【
図2】(A)は、本発明の一実施形態における作業機の構成を示す左側面図であり、(B)は、作業機の構成を前方左斜め上方から見た斜視図である。
【
図3】(A)は、本発明の一実施形態における作業機の第2左側作業体及び第2右側作業体を折り畳んだ状態の構成を示す左側面図であり、(B)は、(A)の状態を前方から見た正面図であり、(C)は、(A)の状態を前方左斜め上方から見た斜視図である。
【
図4】(A)は、本発明の一実施形態における作業機の第2左側作業体及び第2右側作業体を折り畳んだ状態から、さらに、第1左側作業体及び第1右側作業体を折り畳んだ状態の構成を示す左側面図であり、(B)は、(A)の状態を前方から見た正面図であり、(C)は、(A)の状態を前方左斜め上方から見た斜視図である。
【
図5】(A)は、本発明の一実施形態における作業機の構成を示す左側面図であり、(B)は、作業機の構成を前方左斜め上方から見た斜視図である。
【
図6】(A)は、本発明の一実施形態における作業機の第2左側作業体及び第2右側作業体を折り畳んだ状態の構成を示す左側面図であり、(B)は、(A)の状態を前方から見た正面図であり、(C)は、(A)の状態を前方左斜め上方から見た斜視図である。
【
図7】(A)は、本発明の一実施形態における作業機の第2左側作業体及び第2右側作業体を折り畳んだ状態から、さらに、第1左側作業体及び第1右側作業体を折り畳んだ状態の構成を示す左側面図であり、(B)は、(A)の状態を前方から見た正面図であり、(C)は、(A)の状態を前方左斜め上方から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して本発明の作業機の実施形態について説明する。但し、本発明の作業機は多くの異なる態様で実施することが可能であり、以下に示す例の記載内容に限定して解釈されるものではない。本発明の一実施形態における作業機は、例えば、折り畳み式ロータリ作業機であってもよく、折り畳み式代掻き機であってもよく、ディスクを有する作業機であってもよく、カゴローラを有する作業機であってもよい。本発明の一実施形態における作業機は、折り畳むことが可能で、運搬及び格納に適した構成を有する作業機であればよい。
【0017】
なお、本実施の形態で参照する図面において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号又は類似の記号を付し、その繰り返しの説明は省略する場合がある。例えば、本発明の作業機が、左側作業体及び右側作業体で構成される場合、それぞれの作業体が有する部分であることを示すために、数字の後に、「L」及び「R」を付すことがある。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の構成等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。
【0018】
本願の明細書及び特許請求の範囲(以下「本明細書等」という。)において、「上」は圃場から垂直に遠ざかる方向を示し、「下」は圃場に向かって垂直に近づく方向を示す。また、「前」は作業機を基準として走行機体が位置する方向を示し、「後」は前とは180度反対の方向を示す。また、「左」は作業機を基準として走行機体が位置する方向に向かったときの左を示し、「右」は左とは180度反対の方向を示す。さらに、平面視における作業機の中心線(進行方向に平行な線)を基準としたとき、相対的に、中心線に近い側を「内側」と呼び、中心から遠い側を「外側」という。
【0019】
<1.第1実施形態>
本発明の一実施形態における作業機として、運搬及び格納に適した構成を有する折り畳み式ロータリ作業機100の構成について、
図1乃至
図4を用いて説明する。なお、
図1乃至
図4に示す構成は一例に過ぎず、本発明は、これら図面に示す構成に限定されるものではない。以下において、折り畳み式ロータリ作業機100を、ロータリ作業機100と呼ぶ。
【0020】
<1-1.ロータリ作業機100の構成>
図1及び
図2に示されるように、本実施形態のロータリ作業機100は、支持部材20、及び作業体を備え、作業体は、第1左側作業体100L、第2左側作業体101L、第1右側作業体100R及び第2右側作業体101Rの4つに分割された構造となっている。第1左側作業体100L及び第2左側作業体101Lと、第1右側作業体100R及び第2右側作業体101Rとは、ロータリ作業機100の幅方向(略)中央を中心に、左右対称又は略対称に備えられ、第1左側作業体100L及び第1右側作業体100Rが、ロータリ作業機100の中央部に配置されている。
【0021】
第2左側作業体101Lは、第1左側作業体100Lの左側端部、すなわち第1右側作業体100Rが設けられる側とは反対側の端部に上下方向に回動可能に連結されている。同様に、第2右側作業体101Rは、第1右側作業体100Rの右側端部、すなわち第1左側作業体100Lが設けられる側とは反対側の端部に上下方向に回動可能に連結されている。詳細は後述するが、ロータリ作業機100は、第2左側回動軸104Lを中心として、第2左側作業体101Lをロータリ作業機100の中央側に向かって回動させることにより第2左側作業体101Lを第1左側作業体100Lの上方に重ねて折り畳むことができ、第2右側回動軸104Rを中心として、第2右側作業体101Rをロータリ作業機100の中央側に向かって回動させることにより第2右側作業体101Rを第1右側作業体100Rの上方に重ねて折り畳むことができる(
図3参照)。また、ロータリ作業機100は、第2左側作業体101L、第2右側作業体101Rを折り畳む方向とは反対の方向、すなわちロータリ作業機100の外側に向かって回動させることにより
図1及び
図2(B)に示すように展開することができる。
【0022】
また、後述するが、ロータリ作業機100では、第2左側作業体101L及び第2右側作業体101Rが、第1左側作業体100L及び第1右側作業体100Rの上方に折り畳まれた状態から、さらに、第1左側回動軸102Lを中心として、第1左側作業体100Lを支持部材20に対して90度上方に回動させ、第1右側回動軸102Rを中心として、第1右側作業体100Rを支持部材20に対して90度上方に回動させることにより、第2左側作業体101Lと第2右側作業体101Rとを向かい合うように折り畳むことができ(
図4参照)、作業体をよりコンパクトに折り畳むことができる。
【0023】
本明細書等において、例えば、第1左側作業体100L、第2左側作業体101L、第1右側作業体100R、及び第2右側作業体101Rが最大耕幅となるよう左右方向に略一直線に並んだ状態を展開状態と呼ぶ。また、本明細書等において、第2左側作業体101L及び第2右側作業体101Rを、第1左側作業体100L及び第1右側作業体100Rに重ねて折り畳んだ状態を第1折り畳み状態と呼び、第1折り畳み状態から、さらに、第1左側作業体100L及び第1右側作業体100Rを支持部材20に対して90度上方に回動させ、第2左側作業体101Lと第2右側作業体101Rを向かい合うように折り畳んだ状態を、第2折り畳み状態と呼ぶ。また、第1左側作業体100L及び第2左側作業体101Lを併せて左側作業体、第1右側作業体100R及び第2右側作業体101Rを併せて右側作業体と呼ぶことがある。そして、左側作業体及び右側作業体の両方を第2折り畳み状態とした状態を格納状態と呼ぶ。なお、展開状態において、ロータリ作業機100の全幅はW1とし(
図1又は
図2(B))、第1折り畳み状態において、ロータリ作業機100の全幅はW2とし(
図3(B))、第2折り畳み状態、又は格納状態において、ロータリ作業機100の全幅はW3とする(
図4(B))。
【0024】
展開状態は、作業体が走行機体200の進行方向に対して直交する方向(すなわち、ロータリ作業機100の幅方向、又は左右方向)に広げられた状態である。第1折り畳み状態及び格納状態は、作業体がロータリ作業機100の幅方向に対して幅が狭められた状態である。ロータリ作業機100は、例えば、展開状態、又は少なくとも第2左側作業体101L及び第2右側作業体101Rの一方を第1折り畳み状態とした状態でロータリ作業を行うことができる。一方、トラックなどによる運搬時や、作業機の収納時には、格納状態で収納される。なお、格納状態のロータリ作業機100の幅方向の長さは、走行機体200にロータリ作業機100を装着したまま公道を走ることを満たす長さであることが好ましい。
【0025】
図1及び
図2(A)に示すように、展開状態のロータリ作業機100において、第1左側回動軸102L及び第1右側回動軸102Rは、同じ高さとなるように構成されている。第2左側回動軸104L及び第2右側回動軸104Rは、第1左側回動軸102L及び第1右側回動軸102Rの高さ位置とは異なるものの、同じ高さとなるように構成されている。したがって、第1左側回動軸102Lと第1右側回動軸102Rを含む第1面108は、第2左側回動軸104Lと第2右側回動軸104Rを含む第2面106と、略平行な(水平)面であり、かつ、同一な面でない。
【0026】
この場合、作業体の外側に位置する回動軸(第2左側回動軸104L及び第2右側回動軸104R)の高さ位置は、作業体の内側に位置する回動軸(第1左側回動軸102L及び第1右側回動軸102R)の高さ位置よりも低い位置となるように構成することが好ましい。すなわち、本発明の一実施形態におけるロータリ作業機100においては、第1折り畳み状態のときに、上下に重なり合う左作業体又は右作業体の上下方向の間隔ができるだけ狭くなるように、これらの連結部の高さも低く構成されている。これにより、収納状態において、連結部の高さに起因した厚みを抑えることができると共に、外側の回動軸(104L、104R)と内側の回動軸(102L、102R)の高さ位置が同じである場合に比べ、第1左側作業体100Lと第1右側作業体100Rとを近づけて配置することができ、収納状態における作業体幅をコンパクトにすることができる(
図4(B)参照)。
【0027】
次に、支持部材20について説明する。
図1及び
図2(B)に示されるように、支持部材20は、第1左側作業体100L及び第1右側作業体100Rの上方に配置されている。支持部材20は、走行機体200から動力が伝達される入力軸18と、ロータリ作業機100の中央又は略中央に配置され、走行機体200から伝達された動力を各作業体に伝達する役割を有するギヤボックス22と、ギヤボックス22から左右方向に延設され、作業体を支持する支持フレーム24と、を備えている。支持フレーム24は、第1左側作業体100Lを回動自在に支持する左側端部24Lと、第1右側作業体100Rを回動自在に支持する右側端部24Rを有している。
【0028】
また、図示及び詳述は省略するが、例えば、支持部材20は、ロータリ作業機100の中央付近の前方に設けられた装着部を含む。装着部は、トラクタ等の走行機体との連結部として機能するトップマスト及び左右2箇所に設けられたロアリンク連結部などを含む。装着部を走行機体200の3点リンクヒッチ機構に連結することにより、ロータリ作業機100は、走行機体200の後部に昇降可能に装着される。なお、ロータリ作業機100と走行機体200との連結は、走行機体200の3点リンクヒッチ機構に装着されるオートヒッチフレームを介してもよい。
【0029】
また、詳述は省略するが、支持フレーム24は、入力軸18から延び、左側端部24Lを含む左中央フレーム及び右側端部24Rを含む右中央フレームを有する中央フレームと、2つの側部フレームとで構成されている。支持フレーム24内には、ギヤボックス22からの動力を伝達する伝動シャフト(図示省略)が挿通されている。伝動シャフトは、中央フレームに挿通される中央シャフトと側部フレームに挿通される側部シャフトとで分割構成されており、中央シャフトと側部シャフトとはクラッチを介して接続可能に構成されている。第1左側作業体100Lの左端部には、左側チェーン駆動部(図示省略)が設けられている。左側チェーン駆動部は、チェーンケース内に収容されたチェーンとスプロケットとを有し、伝動シャフト(側部シャフト)からの動力を後述の耕耘ロータ30に伝達する。
【0030】
次に、第1左側作業体100Lについて説明する。
図1及び
図2(B)に示されるように、第1左側作業体100Lは、左中央耕耘ロータ30LC、第1左側シールドカバー14L、左側端部連結部26L、第1左側連結部28L、及び第1左側整地体10Lを備えている。左中央耕耘ロータ30LCは、左側チェーン駆動部に接続されると共に回転自在に軸支された爪軸(図示省略)と、フランジやホルダ等の装着手段(図示省略)を介して爪軸に装着された複数の耕耘爪とを有する。走行機体200から入力された動力は、ギヤボックス22内で変速された後、伝動シャフト(中央シャフト、中央シャフトにクラッチ接続した側部シャフト)、チェーン駆動部の順で爪軸に伝達され、爪軸を回転させる。これにより、爪軸の周囲に配置された複数の耕耘爪が一斉に回転し、圃場に対して耕耘作業が行われる。
【0031】
第1左側シールドカバー14Lは、左中央耕耘ロータ30LCの上方を覆うように配置される。第1左側シールドカバー14Lは、左中央耕耘ロータ30LCによって巻き上げられた土の上方への飛散を防止する役割を有する。
図1及び
図2に示すように、第1左側シールドカバー14Lの上面には、支持部材20の左側端部24Lに回転自在に支持される左側端部連結部26Lと、第2左側作業体101Lを回転自在に支持する第1左側連結部28Lが設けられている。左側端部連結部26Lは、第1左側シールドカバー14Lに立設された一対(2枚)の板状部材で構成され、この間に左側端部24Lが挟み込まれるように配置される。左側端部24L及び左側端部連結部26Lには、これらを接続するための貫通孔(図示省略)が設けられており、この貫通孔にボルトを挿通させ、ナットで固定することにより、左側端部24Lに左側端部連結部26Lが回動自在に支持される。この場合、ボルトが回動軸として作用し、ボルトの中心が第1左側回動軸102Lと一致する。なお、中央シャフトと側部シャフトとを繋ぐクラッチの着脱スペースを確保するため、左側端部24L及び左側端部連結部26Lに形成される貫通孔は、挿通する伝動シャフトの上端面よりも高い位置に形成されている。
【0032】
第1左側整地体10Lは、左中央耕耘ロータ30LCの後方に配置され、第1左側シールドカバー14Lに対して回動可能に接続されている。第1左側整地体10Lは、耕耘ロータ30によって巻き上げられた土の後方への飛散を防止する役割を有するとともに、圃場の整地作業を行う整地部材としての役割も有する。
【0033】
次に、第2左側作業体101Lについて説明する。
図1及び
図2(B)に示すように、第2左側作業体101Lは、第2左側シールドカバー16L、第2左側シールドカバー16Lの下方に設けられた左端耕耘ロータ30LE、第2左側連結部32L、及び第2左側整地体12Lを備えている。左端耕耘ロータ30LEの構成は、上述の左中央耕耘ロータ30LCの構成と略同様であるが、左端耕耘ロータ30LEの爪軸は、左中央耕耘ロータ30LCの爪軸とクラッチを介して接続可能に構成されている。作業体が展開状態にあるときには、左端耕耘ロータ30LEの爪軸及び左中央耕耘ロータ30LCの爪軸がクラッチ接続され、左中央耕耘ロータ30LCの爪軸の回転を左端耕耘ロータ30LEの爪軸に伝達できるようになっている。その他、第2左側シールドカバー16L、第2左側整地体12L、の担う役割については、それぞれ前述の第1左側作業体100Lにおける対応する各要素と同様であるため、ここでの説明は省略する。
【0034】
第2左側シールドカバー16Lには、第1左側連結部28Lを介して、第2左側作業体101Lを第1左側作業体100Lに支持させるための第2左側連結部32Lが設けられている。第1左側回動軸102Lと同様、第1左側連結部28Lと第2左側連結部32Lとは、ボルトとナットにより回動自在に連結されており、ボルトが第2左側回動軸104Lとして機能する。
【0035】
ここで、第2左側回動軸104Lは、高さ方向における第2左側シールドカバー16Lから第2左側回動軸104Lまで距離が、第2左側回動軸104Lから支持フレーム24(側部フレーム)の上端面までの距離よりも大きくなる位置に設けられている。これにより、第1折り畳み状態とするときに、第2左側作業体101Lが支持フレーム24の上端面に干渉することがなく、第2左側作業体101Lを180度回動させることができる。なお、この場合も、第2左側回動軸104Lは、第1左側回動軸102Lの高さ位置よりも下に位置している。また、作業体の幅方向において、第2左側回動軸104Lは、第2左側作業体101L側(すなわち、背面視第2左側作業体101Lの上側)に位置してもよい。
【0036】
第1右側作業体100Rは、上述した第1左側作業体100Lと左右対称に構成されており同様の構成であるため、説明は省略する。同様に、第2右側作業体101Rも、上述した第2左側作業体101Lと略同一構成のため、説明は省略する。
【0037】
また、図示省略したが、本発明の一実施形態におけるロータリ作業機100においては、作業体を折り畳むための回動機構が設けられている。回動機構は、作業体を第1折り畳み状態とするための第1回動機構と、作業体を第2折り畳み状態とするための第2回動機構と、を備えている。第1回動機構は、支持部材20と第2左側シールドカバー16L、又は第2右側シールドカバー16Rとを接続する左右一対(2つ)の第1油圧シリンダを有しており、これら2つの第1油圧シリンダを個別に伸縮制御することで、第2左側作業体101L及び第2右側作業体101Rを独立した状態で180度回動させることができるようになっている。第2回動機構も独立制御される左右一対(2つ)の第2油圧シリンダを有しており、各第2油圧シリンダの一端は支持フレーム24に、他端は第1左側シールドカバー14L又は第1右側シールドカバー14Rに固定されている。そして、2つの第2油圧シリンダを個別に伸縮させることにより、第1左側作業体100L及び第1右側作業体100Rを独立して90度回動させることができるようになっている。
【0038】
<1-2.ロータリ作業機100の第1折り畳み状態>
図2及び
図3を用いて、本発明の一実施形態におけるロータリ作業機100の第1折り畳み状態を説明する。展開状態から第1折り畳み状態に遷移するとき、正面視において、第2左側作業体101Lは、第2左側回動軸104Lを中心として、第1左側作業体100Lに対して、作業体の中心に向かって内側に、すなわち黒矢印の方向(反時計回りに)に180度回動する。また、第2右側作業体101Rも、第2右側回動軸104Rを中心として、第1右側作業体100Rに対して、作業体の中心に向かって内側に、すなわち黒矢印の方向(時計回りに)に180度回動する。
【0039】
図3(A)及び
図3(B)に示されるように、第1折り畳み状態においては、第2左側シールドカバー16Lは、第1左側シールドカバー14Lの上側に重畳し、第2右側シールドカバー16Rは、第1右側シールドカバー14Rの上側に重畳する。このとき、上側に位置する第2左側シールドカバー16L又は第2右側シールドカバー16Rが、下側に位置する第1左側シールドカバー14Lの表面(上端面)に接触しないよう、第2左側回動軸104L及び第2右側回動軸104Rの幅方向の位置及び高さ位置が決定されている。そして、第2左側回動軸104L及び第2右側回動軸104Rの高さ位置は、第1左側回動軸102L及び第1右側回動軸102Rの高さ位置よりも低くなるように構成されている。ロータリ作業機100の第1折り畳み状態の側面視において、第1左側回動軸102L、第1右側回動軸102R、第2左側回動軸104L、及び第2右側回動軸104Rは全て互いに平行であると共に、第1左側回動軸102Lは、第1右側回動軸102Rと互いに重なり、第2左側回動軸104Lは第2右側回動軸104Rと互いに重なるよう構成されている。換言すると、第1左側回動軸102Lは第1右側回動軸102Rと、第2左側回動軸104Lは第2右側回動軸104Rと、同じ高さ位置であり、第1左側回動軸102L及び第1右側回動軸102Rに対して、第2左側回動軸104L及び第2右側回動軸104Rは、同一線上にはなく、ずれている。また、第1左側回動軸102Lと第1右側回動軸102Rを含む第1面108は、第2左側回動軸104Lと第2右側回動軸104Rを含む第2面106と、略平行な面であり、かつ、同一な面でない。
【0040】
また、ロータリ作業機100は、第2左側シールドカバー16Lを作業体の外側に向かって折り畳む方向とは反対の方向(正面視において時計回り、背面視において反時計回り)に回動させ、第2右側シールドカバー16Rを作業体の外側に向かって折り畳む方向とは反対の方向(正面視において反時計回り、背面視において時計回り)に回動させることにより、
図3(C)に示された第1折り畳み状態から
図2(B)に示された展開状態に遷移する。
【0041】
<1-3.ロータリ作業機100の格納状態>
図3及び
図4を用いて、本発明の一実施形態におけるロータリ作業機100の格納状態を説明する。本実施形態のロータリ作業機100では、第1折り畳み状態となった後、格納状態に遷移するときに、第1左側作業体100Lは、正面視において、第1左側回動軸102Lを中心とし、左中央耕耘ロータ30LCが外側を向くよう、支持部材20に対して、作業体の中心に向かって内側に黒矢印の方向(反時計回りに)に90度回動する。第1右側作業体100Rも同様であり、第1右側回動軸102Rを中心とし、右中央耕耘ロータ30RCが外側を向くよう、支持部材20に対して、作業体の中心に向かって内側に黒矢印の方向(時計回りに)に90度回動する。
【0042】
これにより、格納状態の作業体は、左から第1左側作業体100L、第2左側作業体101L、第2右側作業体101R、第1右側作業体100Rの順番で重なり、第2左側作業体101Lの左端耕耘ロータ30LEと第2右側作業体101Rの右端耕耘ロータ30REとが内側(ロータリ作業機100中心側)で向かい合った状態で折り畳まれる(
図4(B)参照)。
【0043】
なお、収納状態から第1折り畳み状態への動作は、上述した収納状態までの動作と逆の動作をさせればよい。第1左側作業体100Lを折り畳む方向とは反対の方向の外側に向かって(正面視において時計回り、背面視において反時計回りに)90度回動させる。第1右側作業体100Rも同様に回動させることにより、ロータリ作業機100は、収納状態から第1折り畳み状態に遷移する。
【0044】
上述したように、本実施形態のロータリ作業機100では、作業体を第1左側作業体100L、第2左側作業体101L、第1右側作業体100R及び第2右側作業体101Rの4分割構成とし、外側に位置する作業体(第2左側作業体101L、第2右側作業体101R)を180度回動させて内側に折り畳んだ後、折り畳んだ作業体同士が向かい合うよう、さらに中央側の作業体(第1左側作業体100L、第1右側作業体100R)を90度回動させる構成となっている。このような構成により、本実施形態のロータリ作業機100では、格納状態の全幅W3を展開状態の全幅W1の半分より小さくすることが可能となり、作業幅を広く確保しつつも、走行機体200にロータリ作業機100を装着したまま公道走行する際に必要となる作業機幅の条件を満たすことができるようになっている。
【0045】
なお、本発明の本旨に反しない限り、実施の態様は適宜変更可能であり、本実施形態に限定されるものではない。例えば、本実施形態における耕耘ロータ30の駆動系では、走行機体200から入力された動力は、ギヤボックス22内で左右に振り分けられた後、シールドカバー上に配置された(2本の)伝動シャフト、(2つの)チェーン駆動部を介して、第1左側作業体100L及び第1右側作業体100Rの爪軸、第2左側作業体101L及び第2右側作業体101Rの爪軸の順に伝達される。
【0046】
これに対し、耕耘ロータ30の駆動系をセンタードライブ方式とすることも可能である。この場合、ギヤボックス22の略真下にチェーン駆動部を配し、チェーン駆動部の左右両側それぞれクラッチ機構を設けるようにする。そして、このクラッチ機構を介し、第1左側作業体100L及び第1右側作業体100Rの爪軸に入力軸18からの動力を伝達する。なお、第1左側作業体100L及び第1右側作業体100Rの爪軸から、第2左側作業体101L及び第2右側作業体101Rの爪軸への動力伝達は、本実施形態と同様、クラッチ機構を設ければよい。このようなセンタードライブ駆動では、シールドカバー上に伝動シャフトがないため、第1折り畳み状態へ遷移させる際に、第2左側作業体101L及び第2右側作業体101Rの伝動シャフトへの干渉を考慮する必要がない。
【0047】
<2.第2実施形態>
図5乃至
図7を参照し、第2実施形態における折り畳み式ロータリ作業機について、説明する。本実施形態におけるロータリ作業機100は、第1実施形態のロータリ作業機100と略同様の構成であるが、作業体の折り畳みに係る構成が異なっている。そこで、ここでは、第1実施形態のロータリ作業機100と比較して、主に異なる点を説明し、その他の点の説明を省略する。なお、図面においても
図1乃至
図4と同一、又は類似する構成の説明は、省略されることがある。ただし、
図5に示す構成は一例に過ぎず、本実施形態におけるロータリ作業機100の構成は、
図5に示す構成に限定されるものではない。
【0048】
<2-1.ロータリ作業機100の構成>
図5に示するように、本実施形態のロータリ作業機100は、第1実施形態のロータリ作業機100と比較して、第1左側連結部28L、第1右側連結部28R、第2左側連結部32L、及び第2右側連結部32Rの構成が異っており、第2左側回動軸104L及び第2右側回動軸104Rは、前方が後方に比べて高くなるよう構成されている。
【0049】
詳述すると、第1左側シールドカバー14L上に設けられた第1左側連結部28Lは、第1左側シールドカバー14Lの表面(上面)に対する上下方向の垂線に対して後方に傾いており、第2左側シールドカバー16L上に設けられた第2左側連結部32Lも、第2左側シールドカバー16Lの表面(上方の面)に対する上下方向の垂線に対して後方に傾いている。同様に、第1右側シールドカバー14R上に設けられた第1右側連結部28R第2右側シールドカバー16Rに設けられた第2右側連結部32Rも、シールドカバー(14R、16R)の表面(上面)に対する上下方向の垂線に対して後方に傾いている。そして、第1左側連結部28Lに対する第2左側連結部32Lの回動軸である第2左側回動軸104L、及び第1右側連結部28Rに対する第2右側連結部32Rの回動軸である第2右側回動軸104Rは、互いに同一平面上にあると共に、後方に向かう程低く下がっている。
【0050】
本実施形態では、このように第2左側回動軸104L及び第2右側回動軸104Rを傾斜させることで、第1折り畳み状態時に第2左側作業体101L、第2右側作業体101Rを、第1左側作業体100L、第1右側作業体100Rに対して平面視位置ずれさせて折り畳むことができる。すなわち、前後幅方向において、第1折り畳み状態時に、第2左側作業体101L、第2右側作業体101Rが第1左側作業体100L、第1右側作業体100Rと完全に重なり合うことがない(一部分のみしか重ならない)ため、第1左側作業体100L、第1右側作業体100R上の構造物との干渉を避けることが可能である。
【0051】
これにより、本実施形態のロータリ作業機100では、第1実施形態のロータリ作業機100に比べ、レイアウトの自由度を高めることができるようになっている。例えば、第1左側作業体100L、第1右側作業体100R上に支持フレーム24(伝動シャフト)が設けられていたとしても、第1折り畳み状態時に、第2左側作業体101L及び第2右側作業体101Rがこれらに干渉することがないため、第1実施形態のロータリ作業機100に比べ、第2左側作業体101L及び第2右側作業体101Rの幅をより長く設定することが可能である。また、作業機の中央近傍に広い空間を確保することができるため、第1左側作業体100L、第1右側作業体100R上に部品を配置する場合のレイアウト自由度を高めることが可能である。
【0052】
なお、左側端部24L、左側端部連結部26L、右側端部24R、及び右側端部連結部26Rは、上述した第1実施形態と同様の構成であり、左側端部24Lと左側端部連結部26Lとの回動軸である第1左側回動軸102Lと、右側端部24Rと右側端部連結部26Rとの回動軸である第1右側回動軸102Rとは、同一高さ、同一平面上となるよう構成されている。そして、第1左側回動軸102Lと第1右側回動軸102Rを含む第1面108は、第2左側回動軸104Lと第2右側回動軸104Rを含む第2面106と、側面視において交差している(
図5(A)参照)。
【0053】
<2-2.ロータリ作業機100の第1折り畳み状態>
図5及び
図6を用いて、本実施形態におけるロータリ作業機100の第1折り畳み状態を説明する。本実施形態においても、第1実施形態と同様に、正面視において、第2左側作業体101Lは、第2左側回動軸104Lを中心として、第1左側作業体100Lに対して、作業体の中心に向かって内側に、すなわち黒矢印の方向(反時計回りに)に180度回動する。また、第2右側作業体101Rも、第2右側回動軸104Rを中心として、第1右側作業体100Rに対して、作業体の中心に向かって内側に、すなわち黒矢印の方向(時計回りに)に180度回動する。
【0054】
図6(A)に示すように、本実施形態の第1折り畳み状態の側面視においては、前後方向に対し、第2左側作業体101Lの一部のみが、第1左側作業体100Lに重畳する。同様に、第2右側作業体101Rの一部が、第1右側作業体100Rに重畳する。また、
図6(B)に示すように、ロータリ作業機100の第1折り畳み状態の正面視においては、第2左側作業体101Lは第1左側作業体100Lに重畳し、第2右側作業体101Rは第1右側作業体100Rに重畳する。
【0055】
<2-3.ロータリ作業機100の格納状態>
図5及び
図7を用いて、本実施形態におけるロータリ作業機100の格納状態を説明する。本実施形態においても、第1実施形態と同様に、第1左側作業体100Lは、正面視において、第1左側回動軸102Lを中心とし、左中央耕耘ロータ30LCが外側を向くよう、支持部材20に対して、作業体の中心に向かって内側に黒矢印の方向(反時計回りに)に90度回動する。第1右側作業体100Rも同様であり、第1右側回動軸102Rを中心とし、右中央耕耘ロータ30RCが外側を向くよう、支持部材20に対して、作業体の中心に向かって内側に黒矢印の方向(時計回りに)に90度回動する。
【0056】
なお、上述したように、第2左側回動軸104L及び第2右側回動軸104Rを傾斜させ、第1折り畳み状態において、外側の作業体(第2左側作業体101L、第2右側作業体101R)が内側の作業体(第1左側作業体100L、第1右側作業体100R)に対して前後方向に位置ずれる構成とすると、第1折り畳み状態、又は格納状態においては、第1実施形態に比べ、折り畳んだ作業体の前後方向の厚みが増してしまう。この時、折り畳んだ作業体の厚みが走行機体200側へ増してしまうと、作業体が走行機体200に干渉する虞が生じる。そこで、本実施形態では、第2左側回動軸104L及び第2右側回動軸104Rの傾斜を後ろに行くほど低くなるように構成しており、折り畳んだ外側の作業体(第2左側作業体101L、第2右側作業体101R)は、内側の作業体(第1左側作業体100L、第1右側作業体100R)よりも後方に位置ずれするようになっている。したがって、折り畳んだ外側の作業体が走行機体200側に突出することがない。
【0057】
以上説明したように、本実施形態におけるロータリ作業機100は、第1面108が第2面106に交差するように設けることができるため、さらに小さい状態まで折り畳むことが可能である。したがって、本発明の構成を備えることで、さらに運搬及び格納に適した構成を有する折り畳み式作業機を提供することができる。
【0058】
本発明の実施形態として上述した各構成は、相互に矛盾しない限りにおいて、適宜組み合わせて実施してもよい。
【0059】
なお、本発明は上記の実施形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
【符号の説明】
【0060】
10L:第1左側整地体、10R:第1右側整地体、12L:第2左側整地体、12R:第2右側整地体、14L:第1左側シールドカバー、14R:第1右側シールドカバー、16L:第2左側シールドカバー、16R:第2右側シールドカバー、18:入力軸、20:支持部材、22:ギヤボックス、24:支持フレーム、24L:左側端部、24R:右側端部、26L:左側端部連結部、26R:右側端部連結部、28L:第1左側連結部、28R:第1右側連結部、30:耕耘ロータ、30LC:左中央耕耘ロータ、30LE:左端耕耘ロータ、30RC:右中央耕耘ロータ、RE:右端耕耘ロータ30、32L:第2左側連結部、32R:第2右側連結部、100:ロータリ作業機、100L:第1左側作業体、100R:第1右側作業体、101L:第2左側作業体、101R:第2右側作業体、102L:第1左側回動軸、102R:第1右側回動軸、104L:第2左側回動軸、104R:第2右側回動軸、106:第2面、108:第1面、110:回転軸、200:走行機体