(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-05
(45)【発行日】2023-10-16
(54)【発明の名称】竿受け具
(51)【国際特許分類】
D06F 57/12 20060101AFI20231006BHJP
【FI】
D06F57/12 H
(21)【出願番号】P 2019225453
(22)【出願日】2019-12-13
【審査請求日】2022-07-14
(31)【優先権主張番号】P 2019117130
(32)【優先日】2019-06-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】390021083
【氏名又は名称】森田アルミ工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100130513
【氏名又は名称】鎌田 直也
(74)【代理人】
【識別番号】100074206
【氏名又は名称】鎌田 文二
(72)【発明者】
【氏名】木村 天童
(72)【発明者】
【氏名】藤本 樹
(72)【発明者】
【氏名】山下 公章
【審査官】伊藤 孝佑
(56)【参考文献】
【文献】実開昭58-032792(JP,U)
【文献】特開2010-031971(JP,A)
【文献】特開2000-007312(JP,A)
【文献】特開平07-198068(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F 57/12
D06F 57/02
F16B 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物干し竿の端部を支持するために、室内等の壁面に取り付けられる竿受け具であって、
裏面から表面に向けて上り勾配に傾斜するピン孔が設けられ、前記壁面に裏面を当接させ、表面からピン孔にピンを挿入することで前記壁面に固定されるベースと、
前記ベースに支持され、物干し竿の端部がはめ込まれる竿受け部と、を備え、
前記ベースは、
ベース本体と、ガイドブロックとに分割されており、
前記ベース本体は、
その表裏面間を貫通する差込口を有し、その差込口内に設けられた裏面から表面に向けて上り勾配に傾斜する斜面には、溝状のピン孔半部が形成されており、
前記ガイドブロックは、
その外面に設けられた前記差込口の斜面と同方向に傾斜する斜面に、溝状のピン孔半部が形成されており、
前記ベース本体の差込口に前記ガイドブロックを差し込むと、前記ベース本体のピン孔半部と前記ガイドブロックのピン孔半部とが合致して、ピン孔が形成されるようになっている竿受け具。
【請求項2】
前記ベース本体の
裏面における差込口の開口縁には、段部が形成されており、
前記ガイドブロックには、前記ガイドブロックを前記ベース本体の差込口に差し込んだ際に前記段部に当接するフランジが形成されている請求項1に記載の竿受け具。
【請求項3】
前記ガイドブロックの外面には、前記差込口への差込方向に延びるガイド凸条が形成されている請求項1または2に記載の竿受け具。
【請求項4】
前記ガイドブロックには、前記差込口への差し込みにより差込口の壁面に係合し、前記ガイドブロックを前記差込口から抜き取り不能とする爪が形成されている請求項1から3のいずれかに記載の竿受け具。
【請求項5】
前記ベースのピン孔形成箇所を表面から覆うカバーをさらに備え、
前記カバーは、前記ベースの表面の側から水平方向にはめ込み、次いで落とし込むことで前記ベースに取り付けられるようになっている、請求項1から4のいずれかに記載の竿受け具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物干し竿の端部を室内等の壁面上に支持するための竿受け具に関する。
【背景技術】
【0002】
降雨時など、主として洗濯物を室内で干すために用いられるものとして、特許文献1のような竿受け具が知られている。
特許文献1の竿受け具は、ベースと、ベースの表面の側に連設された竿受け部とからなる。そのベースは、室内の壁面に裏面の側を当接させ、表面の側からピン孔を通じて固定ピンを差し込んだりすることで前記壁面へと固定される。また竿受け部は、半円筒形に凹んで物干し竿の端部がはめ込まれるようになっている。
一対の竿受け具を室内の対向する壁面にそれぞれ取り付け、その竿受け部で物干し竿の両端部を支持することで、物干し竿を室内に架け渡すことができる。
【0003】
このような竿受け具のベースとして、そのピン孔を室内の壁面に当接される裏面から表面に向けて上り勾配に傾斜させたものが市販されている。こうしてピン孔を傾斜させることで、ピン孔に挿入されるピンが、壁面に対して斜め下方に向けて突き刺さることになる。
したがって、ピンが壁面に対してほぼ水平方向に突き刺さっている場合と比較して、物干し竿に洗濯物を吊り下げた際に竿受け具にかかる上方からの荷重に対する耐荷重が増し、竿受け具の壁面からの落下を抑制することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来はこの種の竿受け具のベースは、金型を用いて一体成形していたが、ピン孔が傾斜していることからそもそも型抜きが難しいうえに、ピン孔の径が小さいため、これに対応する金型のピン状の突起部分が細く型抜きの際に折れやすかった。したがって、型抜き時に金型の破損を招きやすく、生産性が向上しない問題があった。
【0006】
そこで本発明の解決すべき課題は、竿受け具において、そのベースを金型で成形する際の型抜きを容易とし、生産性を向上させることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記した課題を解決するため、発明にかかる竿受け具を、裏面から表面に向けて上り勾配に傾斜するピン孔が設けられ、前記壁面に裏面を当接させ、表面からピン孔にピンを挿入することで前記壁面に固定されるベースと、前記ベースに支持され、物干し竿の端部がはめ込まれる竿受け部と、を備え、前記ベースは、ベース本体と、ガイドブロックとに分割されており、前記ベース本体は、その表裏面間を貫通する差込口を有し、その差込口内に設けられた裏面から表面に向けて上り勾配に傾斜する斜面には、溝状のピン孔半部が形成されており、前記ガイドブロックは、その外面に設けられた前記差込口の斜面と同方向に傾斜する斜面に、溝状のピン孔半部が形成されている構成としたのである。
そして、前記ベース本体の差込口に前記ガイドブロックを差し込むと、前記ベース本体のピン孔半部と前記ガイドブロックのピン孔半部とが合致して、ピン孔が形成されるようになっている構成としたのである。
【0008】
竿受け具のベースを、ピン孔が設けられた箇所を境にベース本体とガイドブロックに分割することで、ベース本体とガイドブロックを個別に金型成形できるようになる。したがって、ベースの型抜きが容易となり、生産性を向上させることが可能となる。
ベース本体とガイドブロックとは、ベース本体の差込口にガイドブロックを差し込むことで、ベースへと容易に組み立てることが可能である。
【0009】
発明にかかる竿受け具において、前記ベース本体の差込口の開口縁には、段部が形成されており、前記ガイドブロックには、前記ガイドブロックを前記ベース本体の差込口に差し込んだ際に前記段部に当接するフランジが形成されている構成を採用するのが好ましい。
【0010】
竿受け具のベース本体とガイドブロックをこのように構成すると、段部とフランジとの当接により、差込口へのガイドブロックの差し込み深さを一定量に規制することができるため、過剰に差し込んで破損等することがなく、組み立ての利便性が向上する。
【0011】
発明にかかる竿受け具において、前記ガイドブロックの外面には、前記差込口への差込方向に延びるガイド凸条が形成されている構成を採用するのが好ましい。
【0012】
ガイドブロックをこのように構成すると、ガイドブロックを差込口内で所望の位置に向けてスムーズに案内することができ、組み立ての利便性が向上する。
【0013】
発明にかかる竿受け具において、前記ガイドブロックには、前記差込口への差し込みにより差込口の壁面に係合し、前記ガイドブロックを前記差込口から抜き取り不能とする爪が形成されている構成を採用するのが好ましい。
【0014】
ガイドブロックをこのように構成して爪によりガイドブロックが差込口内に固定されることで、竿受け具のベースが使用中などに分解してしまうことが防止される。
【0015】
発明にかかる竿受け具において、前記ベースのピン孔形成箇所を表面から覆うカバーをさらに備え、前記カバーは、前記ベースの表面の側から水平方向にはめ込み、次いで落とし込むことで前記ベースに取り付けられるようになっている構成を採用するのが好ましい。
【0016】
竿受け具のベースのピン孔形成箇所をカバーで覆うことで、ピンが外部から視認できないようになり、竿受け具の美観が向上する。カバーの取り付けは、ベースの表面の側から水平方向にはめ込み、次いで落とし込むことにより、また、取り外しは逆の手順を踏むことで、着脱の作業が容易となる。
【発明の効果】
【0017】
発明にかかる竿受け具のベースを、以上のように構成したので、ベースの型抜きが容易となり、生産性を向上させることが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】(a)は起伏パネルが倒伏位置にある時の、(b)は起伏パネルが起立位置にある時の、竿受け具の斜視図
【
図2】(a)は竿受け具の分解斜視図、(b)は竿受け部を下方から見た斜視図
【
図4】(a)は竿受け具の要部縦断面図、(b)は竿受け具の横断面図、(c)は回動規制部の拡大図
【
図5】(a)は竿受け具の要部分解斜視図、(b)および(c)は仮止め機構の拡大図
【
図6】(a)はベースの裏面からの斜視図、(b)はガイドブロックの斜視図、(c)はベースの要部縦断面図、(d)は(c)の矢印断面図
【
図7】(a)はベースの裏面図、(b)は(a)の要部拡大図
【
図9】(a)はガイドブロックの斜視図、(b)はベースの斜視図
【
図10】(a)はベースの要部正面図、(b)は(a)の縦断面図、(c)は(b)の拡大図
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態について説明する。
図1から
図7に示す第1実施形態の竿受け具1は、
図8のように、室内などの壁面W上に取り付けられ、物干し竿Pの両端部を支持するのに用いられる。
図1および
図2のように、実施形態の竿受け具1は、壁面Wに固定されるベース10と、物干し竿がはまり込む竿受け部20と、ベース10と竿受け部20との間に介在する起伏パネル30と、ベース10の一部を覆うカバー40と、を備える。
【0020】
図1から
図5のように、ベース10は、背面板11、左右の側面板12、正面板13、底面板14とからなる。
図2のように、背面板11の上半部には、上下左右に並列するピン孔11aが形成されている。
図3のように、ピン孔11aは、背面板11の壁面Wに当接する裏面の側から表面の側に向けて上り勾配に傾斜している。
図3のように、各ピン孔11aには、背面板11の表面の側からピンpが差し込まれ、このピンpは壁面Wへと先端が斜め下方に向けて突き刺さっている。こうしてピンpにより、ベース10は壁面Wに固定されている。
図2のように、背面板11の上半部の左右の側面には、表裏面方向に延びる取り付け溝11bが形成されている。取り付け溝11bは、背面板11の裏面の側で若干下方に屈曲している。
【0021】
図2および
図3のように、左右の側面板12は、ベース10の背面板11の下半部にのみ連設されている。
背面板11の下半部には、ピン孔11aは設けられておらず、背面板11の下半部、左右の側面板12により囲まれる空間は、竿受け具1の正面に向けて開放された収納凹部15となっている。
図5のように、左右の側面板12の対向面には、円柱形の横軸12aが形成されている。各横軸12aの外周には、外向きに突出する仮止め機構としての外突起12bが連設されている。
ベース10の正面板13は、左右の側面板12の正面側に連設されており、底面板14は、背面板11、側面板12、正面板13の各下端に連設されて、ベース10の底を閉鎖している。
【0022】
図6および
図7のように、ベース10の背面板11は、個別に成形された背面板本体11cと、複数のガイドブロック11dとを組み立てることで形成されている。
図6(a)のように、背面板本体11cは、その裏面がリブ11eにより縦横に区画されており、上半部に上下左右に並列する4つの差込口11fが形成されている。
図6(c)のように、差込口11fは、背面板本体11cの裏面の側から表面の側に向けて上下方向に狭まっているが、表面へと連通している。図示のように、差込口11fはその底面が背面板本体11cの裏面の側から表面の側に向けて上り勾配に傾斜する斜面となっている。この差込口11fの底面には、背面板本体11cの表裏面方向に延びる半円柱溝状のピン孔下半部11a´が形成されている。
図6(a)および
図7のように、差込口11fの背面板本体11cの裏面の側の開口の左右縁には、段部11gが形成されている。
なお、
図6(d)および
図7のように、差込口11fの左右方向の幅は段部11gを除いてほぼ均一である。
【0023】
図6(a)および(b)のように、ガイドブロック11dは、背面板本体11cの差込口11fとほぼ補完形状をなしている。
すなわちガイドブロック11dは、裏面の側から表面の側に向けてその上下方向の厚みが小さくなっており、その底面は、差込口11fの底面とほぼ同じ角度で傾斜する斜面となっており、その左右方向の幅はほぼ均一となっている。
ガイドブロック11dの底面には、表裏面方向に延びる半円柱溝状のピン孔上半部11a´´が形成されている。
図6(a)および(b)のように、ガイドブロック11dの裏面の側の左右縁には、フランジ11hが形成されている。また、ガイドブロック11dの天面およびフランジ11hの左右の側面には、表裏面方向に延びるガイド凸条11iが形成されている。
【0024】
図6および
図7のように、各ガイドブロック11dは、背面板本体11cの上半部に差上下左右に並列する4つの差込口11fにそれぞれ背面の側から差し込まれている。ガイドブロック11dを差し込む際には、そのガイド凸条11iが差込口11fの天面および左右の側面に摺動するため、スムーズに奥側へと案内されるようになっている。また、一定程度差し込むと、ガイドブロック11dのフランジ11hが差込口11fの段部11gに当接して位置決めがなされるようになっている。
このとき、
図6(d)および
図7(b)のように、差込口11fのピン孔下半部11a´とガイドブロック11dのピン孔上半部11a´´とが上下に合致して、ピン孔11aが形成されるようになっている。
【0025】
図1から
図4のように、竿受け部20は、その天面が半円柱形に窪む竿受け面21となっており、ここに物干し竿Pの端部の下半周部がはまり込むようになっている。
図2(b)のように、竿受け部20の底面の中央部には、下方に突出する縦軸22が形成されており、縦軸22の外周上には爪23が形成されている。縦軸22と爪23とは境界上に入れられたスリットにより分断されており、爪23は縦軸22の径方向に弾性変形して出没可能となっている。
図2(b)のように、竿受け部20の底面には、縦軸22を中心とする、円環状のロック歯列24が設けられている。ロック歯列24は、その円環の周方向に沿って歯が並列している。
また、
図4のように、縦軸22の外周上には、径方向に突出する回動規制部としてのストッパ25が形成されている。ストッパ25は、縦軸22上で爪23と180度位相がずれた位置にあり、かつ縦軸22の全長のうち、根元箇所にのみ設けられている。
【0026】
図1のように、起伏パネル30は、ベース10の背面板11に対してほぼ平行をなす倒伏位置と、ベース10の背面板11に対してほぼ垂直をなす起立位置との間で、水平方向の回転軸を中心に回動可能となっている。起伏パネル30の倒伏位置で、竿受け部20は、ベース10の収納凹部15に収納されている。
図5のように、起伏パネル30は、その左右の側面に略円柱状に窪む横軸穴31を有し、この横軸穴31が、ベース10の左右の側面板12に設けられた横軸12aとはまり込むことで、ベース10に対して取り付けられている。横軸穴31は、円柱の径の大きな大径部と径の小さな小径部とに等分され、横軸12aの外突起12bは、その大径部に収納されている。大径部の内周には、内向きに突出する仮止め機構としての内突起32が連設されている。
【0027】
図5(b)および(c)のように、起伏パネル30の倒伏位置において、その内突起32が弾性変形してベース10の横軸12aの外突起12bを乗り越え、外突起12bと係合した状態にあるため、起伏パネル30は仮止めされ、自重等により意図せずに回動することが防止されている。起伏パネル30を起立位置に回動させる場合には、下向きの力を加えて内突起32を弾性変形させ、横軸12aの外突起12bを乗り越えさせて、両突起の係合状態を解除する。
【0028】
図2(a)および
図5(a)のように、起伏パネル30の天面には、略円柱状に窪む縦軸穴33が形成されている。縦軸穴33の開口側は、扇型に拡径する回動規制部としての拡径部34となっている。
同図のように、起伏パネル30の天面には、縦軸穴33を中心とする、円環状のロック歯列35が設けられている。ロック歯列35は、その円環の周方向に沿って歯が並列している。
【0029】
図1のように、起伏パネル30の天面には、竿受け部20の底面が重ね合わされて、
図4のように、竿受け部20の縦軸22は、起伏パネル30の縦軸穴33に差し込まれている。このようにして、竿受け部20は、起伏パネル30の天面上に、縦軸22を回転軸として回動可能に取り付けられている。
差し込み時には、縦軸22の付属する爪23は、縦軸穴33の開口付近で縦軸22に弾性変形して径方向に没入し、ついで開口を通り抜けると縦軸穴33の内部で復元弾性により径方向に突出する。このため、縦軸22は縦軸穴33に対して抜け止めされる。
【0030】
縦軸22を縦軸穴33の奥まで差し込んだ状態で、竿受け部20の底面のロック歯列24と、起伏パネル30の天面のロック歯列35とはかみ合っている。
したがって、竿受け部20が所望の回転位置から意図せずして左右にずれ動くのを防止することができる。竿受け部20を回動操作する際には、ロック歯列24、35の歯同士が乗り越えるように大きな力を加える。
図4のように、竿受け部20のストッパ25は、起伏パネル30の拡径部34に収容されている。したがって、ストッパ25が拡径部34の周方向の両端部に当接する角度内に、竿受け部20の回動範囲が規制されている。
【0031】
図1および
図2のように、カバー40は、ベース10の背面板11のピン孔11aが形成された上半部を覆うように、背面板11に対して取り付けられている。カバー40は、正面板41、左右の側面板42、天面板43、底面板44を有して、その側面板42の内面に図示されない凸部が形成されている。
カバー40を取り付ける際には、ベース10の正面側から、この凸部を背面板11の両側面に形成された取り付け溝11bに差し込んで、取り付け溝11bの背面板11裏面側の折曲がり箇所に落とし込むことによる。
図1のように、カバー40の正面板41と、ベース10の正面板13とは、ほぼ同一平面を構成する。また、同図のように、起伏パネル30の倒伏時には、起伏パネル30の裏面も正面板41、13と同一平面を構成する。したがって、竿受け具1を折り畳んだ際に外観をシンプルなまとまりの良いものとすることができる。
【0032】
図9および
図10に、第2実施形態の竿受け具2を示す。この実施形態では、ベース10の各ガイドブロック11dは、背面板本体11cの上半部に上下左右に並列する4つの差込口11fにそれぞれ正面の側から差し込まれている。
竿受け部20、起伏パネル30、カバー40、ベース10の背面板以外の構成については、第1実施形態と同様であるため説明を省略する。
【0033】
図示のように、差込口11fの内部には、突起状のピン孔形成部11jが設けられている。このピン孔形成部11jは、差込口11fの内部を横断し、その左右端が差込口11fの内部の壁面にそれぞれ連結されている。
ピン孔形成部11jの下面は背面板本体の裏面の側から表面の側に向けて上り勾配に傾斜する斜面となっており、この斜面には、背面板本体の表裏面方向に延びる半円柱溝状のピン孔上半部11a´´が形成されている。
各差込口11fの上下は、ピン孔形成部に隔てられた横長のスリット11kとなっている。
【0034】
図9(a)のように、ガイドブロック11dは、背面板本体の差込口11fおよびその内部のピン孔形成部11jとほぼ補完形状をなしている。すなわちガイドブロック11dの底面は、差込口11fの内部の斜面とほぼ同じ角度で傾斜する斜面となっており、この底面に、表裏面方向に延びる半円柱溝状のピン孔下半部11a´が形成されている。
また、
図9(a)および
図10(c)のように、ガイドブロック11dには上下一対の爪11lが設けられている。
【0035】
図10(b)および(c)のように、各ガイドブロック11dを、差込口11fにそれぞれ表面の側から差し込むと、ガイドブロック11dの上下の爪11lは上下のスリット11kにそれぞれ差し込まれかつ係合するため、ガイドブロック11dは背面板本体に対して固定されることになる。
同時に、
図10(b)および(c)のように、差込口11fのピン孔上半部11a´´とガイドブロック11dのピン孔下半部11a´とが上下に合致して、ピン孔11aが形成されるようになっている。
【0036】
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲内およびこれと均等の意味でのすべての修正と変形を含む。
【0037】
たとえば、竿受け具1、2の竿受け部20は、実施形態のような首振り可能な構成に限定されず、また竿受け具1、2が折り畳み可能な構成にも限定されない。
【符号の説明】
【0038】
1 第1実施形態の竿受け具
2 第2実施形態の竿受け具
10 ベース
11 背面板
11a ピン孔
11a´ ピン孔下半部
11a´´ ピン孔上半部
11b 取り付け溝
11c 背面板本体
11d ガイドブロック
11e リブ
11f 差込口
11g 段部
11h フランジ
11i ガイド凸条
11j ピン孔形成部
11k スリット
11l 爪
12 側面板
12a 横軸
12b 外突起
13 正面板
14 底面板
15 収納凹部
20 竿受け部
21 竿受け面
22 縦軸
23 爪
24 ロック歯列
25 ストッパ
30 起伏パネル
31 横軸穴
32 内突起
33 縦軸穴
34 拡径部
35 ロック歯列
40 カバー
41 正面板
42 側面板
43 天面板
44 底面板
W 壁面
P 物干し竿
p ピン