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  • 特許-苗箱並べ機 図1
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  • 特許-苗箱並べ機 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-05
(45)【発行日】2023-10-16
(54)【発明の名称】苗箱並べ機
(51)【国際特許分類】
   A01G 9/00 20180101AFI20231006BHJP
   A01G 9/02 20180101ALI20231006BHJP
【FI】
A01G9/00 Z
A01G9/02 610
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020011847
(22)【出願日】2020-01-28
(65)【公開番号】P2021114964
(43)【公開日】2021-08-10
【審査請求日】2023-01-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000100469
【氏名又は名称】みのる産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100135013
【弁理士】
【氏名又は名称】西田 隆美
(72)【発明者】
【氏名】吉田 慎吾
(72)【発明者】
【氏名】檜垣 進
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 明
【審査官】吉原 健太
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-210908(JP,A)
【文献】特開2001-346444(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01G 9/00 ー 9/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
圃場に複数の苗箱を並べる苗箱並べ機であって、
左右に位置する一対の車輪と、
前記車輪により前方へ移動しつつ、苗箱を後方へ送るコンベアと、
を備え、
前記コンベアは、
一対のサイドフレームと、
前記一対のサイドフレームの間において回動するコンベアベルトと、
前記サイドフレームに対して、選択的に取り付け可能な第1ガイドユニットおよび第2ガイドユニットと、
を有し、
前記サイドフレームに前記第1ガイドユニットを取り付けたときの前記コンベア上における搬送路の幅と、前記サイドフレームに前記第2ガイドユニットを取り付けたときの前記コンベア上における搬送路の幅とが、異なる苗箱並べ機。
【請求項2】
請求項1に記載の苗箱並べ機であって、
前記第1ガイドユニットは、
前記一対のサイドフレームに沿って配置される一対の第1端部プレートと、
前記一対の第1端部プレートの間において、左右方向に延びるガイドシャフトと、
前記ガイドシャフトに固定される仕切プレートと、
を有し、
前記ガイドシャフトに対する前記仕切プレートの固定位置を、変更可能である、苗箱並べ機。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の苗箱並べ機であって、
前記第2ガイドユニットは、
前記一対のサイドフレームに沿って配置される一対の第2端部プレート
を有し、
前記一対の第2端部プレートは、それぞれ、
前記コンベアベルトの上面と略同一の高さにおいて、左右方向の外側へ広がる底板部と、
前記底板部の外端から上方へ延びる側板部と、
を有する、苗箱並べ機。
【請求項4】
請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の苗箱並べ機であって、
前記車輪に対する前記コンベアの高さを調節する高さ調節機構
をさらに備えた、苗箱並べ機。
【請求項5】
請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の苗箱並べ機であって、
前記コンベアの後端部と圃場との間に位置する平板状の後部スライダ
をさらに備え、
前記後部スライダは、前記コンベアの後端部を中心として回動可能である、苗場並べ機。
【請求項6】
請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の苗箱並べ機であって、
前記車輪の回転により生じる動力を前記コンベアへ伝達する動力伝達機構
をさらに備える、苗箱並べ機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圃場に複数の苗箱を並べる苗箱並べ機に関する。
【背景技術】
【0002】
苗箱においてポット苗やマット苗を育苗する場合、まず、苗箱に床土を入れて、播種、鎮圧する。その後、それらの苗箱を、ビニルハウス内や露地の圃場(苗床)に並べた状態で、育苗する。しかしながら、圃場に苗箱を1つ1つ腰をかがめて並べる作業は、極めて重労働である。そこで、この作業を補助するために、苗箱並べ機が使用される場合がある。
【0003】
従来の苗箱並べ機については、例えば、特許文献1,2に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第3095216号
【文献】特許第3095212号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
大規模農家では、ポット苗の育苗と、マット苗の育苗との両方を行っている農家もある。しかしながら、一般的に、ポット苗の苗箱とマット苗の苗箱は、サイズが異なる。このため、ポット苗の苗箱を並べる作業と、マット苗の苗箱を並べる作業とを、同一の苗箱並べ機を用いて行うことはできなかった。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであり、サイズが異なる複数種類の苗箱に対応可能な、苗箱並べ機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本願の第1発明は、圃場に複数の苗箱を並べる苗箱並べ機であって、左右に位置する一対の車輪と、前記車輪により前方へ移動しつつ、苗箱を後方へ送るコンベアと、を備え、前記コンベアは、一対のサイドフレームと、前記一対のサイドフレームの間において回動するコンベアベルトと、前記サイドフレームに対して、選択的に取り付け可能な第1ガイドユニットおよび第2ガイドユニットと、を有し、前記サイドフレームに前記第1ガイドユニットを取り付けたときの前記コンベア上における搬送路の幅と、前記サイドフレームに前記第2ガイドユニットを取り付けたときの前記コンベア上における搬送路の幅とが、異なる。
【0008】
本願の第2発明は、第1発明の苗箱並べ機であって、前記第1ガイドユニットは、前記一対のサイドフレームに沿って配置される一対の第1端部プレートと、前記一対の第1端部プレートの間において、左右方向に延びるガイドシャフトと、前記ガイドシャフトに固定される仕切プレートと、を有し、前記ガイドシャフトに対する前記仕切プレートの固定位置を、変更可能である。
【0009】
本願の第3発明は、第1発明または第2発明の苗箱並べ機であって、前記第2ガイドユニットは、前記一対のサイドフレームに沿って配置される一対の第2端部プレートを有し、前記一対の第2端部プレートは、それぞれ、前記コンベアベルトの上面と略同一の高さにおいて、左右方向の外側へ広がる底板部と、前記底板部の外端から上方へ延びる側板部と、を有する。
【0010】
本願の第4発明は、第1発明から第3発明までのいずれか1発明の苗箱並べ機であって、前記車輪に対する前記コンベアの高さを調節する高さ調節機構をさらに備える。
【0011】
本願の第5発明は、第1発明から第4発明までのいずれか1発明の苗箱並べ機であって、前記コンベアの後端部と圃場との間に位置する平板状の後部スライダをさらに備え、前記後部スライダは、前記コンベアの後端部を中心として回動可能である。
【0012】
本願の第6発明は、第1発明から第5発明までのいずれか1発明の苗箱並べ機であって、前記車輪の回転により生じる動力を前記コンベアへ伝達する動力伝達機構をさらに備える。
【発明の効果】
【0013】
本願の第1発明から第6発明によれば、第1ガイドユニットと第2ガイドユニットとを付け替えることで、コンベア上における搬送路の幅を変更することができる。したがって、1つの苗箱並べ機を用いて、サイズが異なる複数種類の苗箱を搬送することができる。
【0014】
特に、本願の第2発明によれば、仕切プレートの左右方向の位置を変更できる。これにより、コンベア上における苗箱の配置を、より自由に変更できる。
【0015】
特に、本願の第3発明によれば、左右の側板部の間の、コンベアベルトよりも広い搬送路において、苗箱を搬送することができる。
【0016】
特に、本願の第4発明によれば、圃場の畝の高さに応じて、コンベアの高さを変更できる。
【0017】
特に、本願の第5発明によれば、コンベアから後部スライダを介して圃場へ、苗箱を円滑に送ることができる。また、後部スライダは回動可能であるため、圃場の高さの変動に対応できる。また、使用後は、後部スライダを立ち上げて、苗箱並べ機をコンパクトに収納できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】第1ガイドユニットを取り付けた苗箱並べ機を、斜め上側から見た斜視図である。
図2】第1ガイドユニットを取り付けた苗箱並べ機を、斜め下側から見た斜視図である。
図3】第1ガイドユニットを取り付けた苗箱並べ機の側面図である。
図4】第2ガイドユニットを取り付けた苗箱並べ機を、斜め上側から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0020】
なお、以下の説明においては、牽引台車により苗箱並べ機1が移動する方向を「前後方向」とし、前後方向に対して垂直かつ水平な方向を「左右方向」として、各部の位置関係を説明する。
【0021】
<1.苗箱並べ機の構成>
図1は、本発明の一実施形態に係る苗箱並べ機1を斜め上側から見た斜視図である。図2は、苗箱並べ機1を斜め下側から見た斜視図である。図3は、苗箱並べ機1の側面図である。この苗箱並べ機1は、ポット苗やマット苗の苗箱9を、圃場に並べるための装置である。ポット苗は、例えば、タマネギ等の野菜を栽培する場合に使用される。マット苗は、例えば、水稲を栽培する場合に使用される。図1中に二点鎖線で示したように、苗箱9は、上面視において長方形状の扁平な容器である。ポット苗の苗箱9は、ポット苗を保持するための多数の円形の凹部を有する。マット苗の苗箱9は、マット苗を保持するための矩形の凹部を有する。
【0022】
ポット苗およびマット苗の栽培を行う作業者は、まず、苗箱9の凹部に床土を入れて、播種、鎮圧された多数の苗箱9を用意する。そして、それらの苗箱9を、苗箱並べ機1を使用して、ビニルハウス内や露地の圃場に並べる。その後、圃場に苗箱9を配置した状態で、苗箱9内の種子を発芽させ、ポット苗またはマット苗を育苗する。
【0023】
図1および図2に示すように、苗箱並べ機1は、一対の車輪10、動力伝達機構20、コンベア30、および後部スライダ40を備えている。
【0024】
一対の車輪10は、苗箱並べ機1の左右の両端に配置されている。各車輪10は、左右方向に延びる車軸11を中心として回転する。苗箱並べ機1の使用時には、苗箱並べ機1の前端に設けられたジョイント部60に、自走式の牽引台車(図示省略)が接続される。そして、牽引台車が前方へ走行することにより、苗箱並べ機1が牽引される。その際、一対の車輪10は、圃場に接地しながら、車軸11を中心として回転する。
【0025】
動力伝達機構20は、車輪10の回転により得られる動力を、コンベア30へ伝達するための機構である。動力伝達機構20は、例えば、ギアやチェーンなどの複数の動力伝達要素(図示省略)と、それらを覆うカバー21とを有する。車輪10の回転運動は、動力伝達機構20により適切な回転数に変速されながら、コンベア30の後述する駆動プーリ32へ伝達される。
【0026】
コンベア30は、苗箱9を後方へ送るための機構である。コンベア30は、一対のサイドフレーム31、駆動プーリ32、従動プーリ33、およびコンベアベルト34を有する。一対のサイドフレーム31は、コンベア30の左右の両端に配置されている。各サイドフレーム31は、前後方向に延び、かつ、後方へ向かうにつれて徐々に高さが低くなるように、傾斜している。
【0027】
駆動プーリ32は、一対のサイドフレーム31の後端の間に位置する。従動プーリ33は、一対のサイドフレーム31の前端の間に位置する。駆動プーリ32の高さは、従動プーリ33の高さよりも低い。駆動プーリ32および従動プーリ33は、それぞれ、左右方向に延びる回転軸を中心として回転する、円筒状の部材である。コンベアベルト34は、一対のサイドフレーム31の間に位置する、環状の平ベルトである。コンベアベルト34は、駆動プーリ32と従動プーリ33との間に掛け渡されている。コンベアベルト34の上面は、後方へ向かうにつれて徐々に高さが低くなるように、傾斜している。
【0028】
苗箱並べ機1の使用時には、牽引台車に牽引されて車輪10が回転することにより、コンベア30が前方へ移動する。その際、車輪10から、動力伝達機構20を介して駆動プーリ32へ、動力が伝達される。そうすると、駆動プーリ32の回転により、コンベアベルト34が回動する。このとき、従動プーリ33は、コンベアベルト34の回動に伴い、従動回転する。コンベアベルト34は、その上面が前方から後方へ向けて移動するように、回動する。
【0029】
作業者は、苗箱並べ機1に追従して歩行しながら、コンベアベルト34の上面の前端付近に、苗箱9を載置する。この作業は、腰をかがめることなく行うことができる。コンベアベルト34に載置された苗箱9は、コンベアベルト34の回動により、後方へ送られる。これにより、後方の圃場へ、苗箱9が順次に並べられる。
【0030】
後部スライダ40は、苗箱並べ機1の後端部に位置する平板状の部材である。後部スライダ40の前端部は、一対のサイドフレーム31の後端部に、回動可能に接続されている。苗箱並べ機1の使用時には、コンベアベルト34の後端部と、後方の圃場との間に、後部スライダ40が配置される。コンベアベルト34から送られる苗箱9は、後部スライダ40の上面を介して、圃場へ円滑に送られる。後部スライダ40の傾斜角度は、圃場の高さの変動に応じて、変化する。また、苗箱並べ機1を収納するときには、後部スライダ40を、コンベア30側へ立ち上げることができる。これにより、苗箱並べ機1をコンパクトに収納できる。また、後進で圃場から退出する際、後部スライダ40を立ち上げておけば、並べた苗箱9に干渉することなく退出できる。
【0031】
また、苗箱並べ機1は、図示を省略した高さ調節機構を有する。高さ調節機構は、一対の車輪10に対するコンベア30の高さを調節する機構である。高さ調節機構は、例えば、車軸11を支持するフレームに、回転可能に立設されたねじ付きシャフトと、サイドフレーム31に固定されたナットとで、構成することができる。ねじ付きシャフトを回転させると、ねじ付きシャフトに螺合したナットが上下方向に移動する。これにより、車輪10に対するサイドフレーム31の高さを、変更することができる。
【0032】
苗箱9は、圃場に形成された畝の上面に配置される。しかしながら、畝の高さは一定ではない。また、苗箱9は、畝の無い平坦な圃場に配置される場合もある。上記の高さ調節機構を設ければ、このような苗箱9の配置面の高さに応じて、コンベア30の高さを調節できる。これにより、コンベア30から圃場へ、よりスムーズに苗箱9を送ることができる。
【0033】
<2.ガイドユニットについて>
この苗箱並べ機1のコンベア30は、一対のサイドフレーム31に対して選択的に取り付け可能な第1ガイドユニット70および第2ガイドユニット80を有する。以下では、これらのガイドユニット70,80について説明する。
【0034】
<2-1.第1ガイドユニットについて>
図1図3は、コンベア30の一対のサイドフレーム31に、第1ガイドユニット70を取り付けた状態を示している。
【0035】
第1ガイドユニット70は、ポット苗の苗箱9を搬送する場合に使用される。第1ガイドユニット70は、一対の第1端部プレート71と、2本のガイドシャフト72と、仕切プレート73と、を有する。一対の第1端部プレート71は、一対のサイドフレーム31に、それぞれ固定される。サイドフレーム31に対する第1端部プレート71の固定方法は、例えばねじ止めであるが、他の方法であってもよい。各第1端部プレート71は、サイドフレーム31に沿って、前後方向に延びる。
【0036】
2本のガイドシャフト72は、一対の第1端部プレート71の間において、左右方向に延びる。ガイドシャフト72の右側の端部は、右側の第1端部プレート71に固定されている。ガイドシャフト72の左側の端部は、左側の第1端部プレート71に固定されている。仕切プレート73は、コンベアベルト34の上面に沿って、前後方向に延びる部材である。仕切プレート73は、2本のガイドシャフト72に固定されている。
【0037】
コンベア30に第1ガイドユニット70を取り付けると、一対の第1端部プレート71の間に、複数の苗箱9を搬送する第1搬送経路74が形成される。また、第1搬送経路74は、仕切プレート73によって、2本の搬送レーン741,742に仕切られる。図1の例では、仕切プレート73の右側に、苗箱9を縦向きの姿勢で搬送する右側搬送レーン741が形成され、仕切プレート73の左側に、苗箱9を横向きの姿勢で搬送する左側搬送レーン742が形成されている。
【0038】
仕切プレート73は、ガイドシャフト72の左右方向の任意の位置に、固定することができる。このため、苗箱9の大きさや、苗箱9の搬送姿勢に応じて、仕切プレート73の左右方向の位置を変更できる。これにより、右側搬送レーン741と左側搬送レーン742のそれぞれの幅を、変更できる。また、仕切プレート73を2本以上用意することにより、一対の第1端部プレート71の間に、3本以上の搬送レーンを形成してもよい。
【0039】
仕切プレート73を固定するガイドシャフト72の数は、2本には限られない。ただし、2本以上のガイドシャフト72を設けることにより、仕切プレート73の姿勢を、より安定させることができる。
【0040】
<2-2.第2ガイドユニットについて>
図4は、コンベア30の一対のサイドフレーム31に、第2ガイドユニット80を取り付けた状態を示す斜視図である。
【0041】
第2ガイドユニット80は、マット苗の苗箱9を搬送する場合に使用される。第2ガイドユニット80は、一対の第2端部プレート81を有する。一対の第2端部プレート81は、一対のサイドフレーム31に、それぞれ固定される。サイドフレーム31に対する第2端部プレート81の固定方法は、例えばねじ止めであるが、他の方法であってもよい。一対の第2端部プレート81は、コンベアベルト34の左右方向両側に位置する。各第2端部プレート81は、サイドフレーム31に沿って、前後方向に延びる。また、各第2端部プレート81は、後方へ向かうにつれて、地面からの高さが徐々に低くなるように、傾斜している。
【0042】
図4に示すように、各第2端部プレート81は、底板部811と側板部812とを有する。底板部811の上面は、コンベアベルト34の上面と略同一の高さにおいて、コンベアベルト34の端部付近から、左右方向の外側へ広がる。側板部812は、底板部811の外端から上方へ向けて延びている。すなわち、第2端部プレート81は、前方または後方から見たときに、L字状に屈曲している。
【0043】
コンベア30に第2ガイドユニット80を取り付けると、一対の第2端部プレート81の側板部812の間に、複数の苗箱9を搬送する第2搬送経路84が形成される。上述の通り、第2端部プレート81はL字状であるため、第2搬送経路84の左右方向の幅は、コンベアベルト34の左右方向の幅よりも大きい。また、第2搬送経路84の左右方向の幅は、上述した第1搬送経路74の幅よりも大きい。これにより、第2搬送経路84において、ポット苗の苗箱9よりもサイズが大きいマット苗の苗箱9を、搬送することができる。
【0044】
以上のように、この苗箱並べ機1では、コンベア30のサイドフレーム31に、第1ガイドユニット70と第2ガイドユニット80とを、選択的に取り付けることができる。そして、第1ガイドユニット70と第2ガイドユニット80とを付け替えることで、コンベア30上における搬送路の幅を変更することができる。したがって、1つの苗箱並べ機1を用いて、サイズが異なる複数種類の苗箱9を搬送することができる。
【0045】
<3.変形例>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではない。
【0046】
上記実施形態の第1ガイドユニット70は、ポット苗の苗箱9を搬送する場合に使用されるものであった。また、上記実施形態の第2ガイドユニット80は、マット苗の苗箱9を搬送する場合に使用されるものであった。しかしながら、各ガイドユニットは、他の種類の苗箱9の搬送のために使用されるものであってもよい。例えば、上記実施形態の第1ガイドユニット70と同等の構造を、マット苗の苗箱9を搬送するために使用してもよい。また、上記実施形態の第2ガイドユニット80と同等の構造を、ポット苗の苗箱9を搬送するために使用してもよい。
【0047】
また、上記実施形態の苗箱並べ機1は、選択的に取り付け可能な2種類のガイドユニット70,80を備えていた。しかしながら、苗箱並べ機1は、選択的に取り付け可能な3種類以上のガイドユニットを備えていてもよい。そして、各ガイドユニットを取り付けた場合の搬送経路の幅が、互いに異なるようにしてもよい。
【0048】
また、苗箱並べ機1の細部の構成については、本願の各図に示された形状と、相違していてもよい。また、上記の実施形態や変形例に登場した各要素を、矛盾が生じない範囲で、適宜に組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0049】
1 苗箱並べ機
9 苗箱
10 車輪
11 車軸
20 動力伝達機構
21 カバー
30 コンベア
31 サイドフレーム
32 駆動プーリ
33 従動プーリ
34 コンベアベルト
40 後部スライダ
60 ジョイント部
70 第1ガイドユニット
71 第1端部プレート
72 ガイドシャフト
73 仕切プレート
74 第1搬送経路
80 第2ガイドユニット
81 第2端部プレート
84 第2搬送経路
741 右側搬送レーン
742 左側搬送レーン
811 底板部
812 側板部
図1
図2
図3
図4