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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-05
(45)【発行日】2023-10-16
(54)【発明の名称】電球形ランプ
(51)【国際特許分類】
   F21K 9/238 20160101AFI20231006BHJP
   H05B 45/00 20220101ALI20231006BHJP
   F21K 9/237 20160101ALI20231006BHJP
   F21K 9/235 20160101ALI20231006BHJP
   F21V 23/00 20150101ALI20231006BHJP
   F21L 4/00 20060101ALI20231006BHJP
【FI】
F21K9/238
H05B45/00
F21K9/237
F21K9/235
F21V23/00 160
F21L4/00 100
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2022113251
(22)【出願日】2022-07-14
【審査請求日】2023-06-08
(31)【優先権主張番号】P 2022059857
(32)【優先日】2022-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】300018253
【氏名又は名称】株式会社エコミナミ
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100189555
【弁理士】
【氏名又は名称】徳山 英浩
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 央
(72)【発明者】
【氏名】元澤 和希
【審査官】山崎 晶
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-26203(JP,A)
【文献】特開2005-123045(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0247840(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21K 9/238
H05B 45/00
F21K 9/237
F21K 9/235
F21V 23/00
F21L 4/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光部と、
前記発光部の点灯状態を制御する制御部と、
前記制御部に電気的に接続され、前記発光部に直流電力を供給するバッテリと、
前記バッテリ及び制御部を収容する本体ケースと、
前記発光部を覆うように前記本体ケースに取り付けられた透光性を有するカバー部材と、
前記制御部の第1電源用電極に電気的に接続された第1電源用配線と、
前記制御部の第2電源用電極に電気的に接続された第2電源用配線と、
前記本体ケースに取り付けられ、側面電極部と底面電極部とを有する口金と、
を備え、
前記第1電源用配線と前記側面電極部とを電気的に接続するとともに前記第2電源用配線と前記底面電極部とを電気的に接続する第1接続状態と、前記第1電源用配線と前記底面電極部とを電気的に接続するとともに前記第2電源用配線と前記側面電極部とを電気的に接続する第2接続状態とに切り替え可能に構成されている、電球形ランプ。
【請求項2】
前記第1電源用配線として2つの第1電源用配線を備え、
前記口金は、前記本体ケースに対して第1位置と第2位置とに相対移動可能に取り付けられ、
前記口金が前記第1位置に相対移動されることにより、前記2つの第1電源用配線の一方と前記側面電極部とを電気的に接続するとともに前記第2電源用配線と前記底面電極部とを電気的に接続する第1接続状態に切り替えられ、
前記口金が前記第2位置に相対移動されることにより、前記2つの第1電源用配線の他方と前記底面電極部とを電気的に接続するとともに前記第2電源用配線と前記側面電極部とを電気的に接続する第2接続状態に切り替えられる、
ように構成されている、請求項1に記載の電球形ランプ。
【請求項3】
前記口金は、前記本体ケースに対して軸周りに回転されることによって前記第1位置と前記第2位置とに相対移動可能に取り付けられ、前記口金の前記軸周りの回転量に応じて前記第1接続状態と前記第2接続状態とに切り替えられるように構成されている、請求項2に記載の電球形ランプ。
【請求項4】
前記第1電源用配線として2つの第1電源用配線を備え、
前記本体ケースに対して第1位置と第2位置とに相対移動可能に取りけられた切替部材を備え、
前記切替部材が前記第1位置に相対移動されることにより、前記2つの第1電源用配線の一方と前記側面電極部とを電気的に接続するとともに前記第2電源用配線と前記底面電極部とを電気的に接続する第1接続状態に切り替えられ、
前記切替部材が前記第2位置に相対移動されることにより、前記2つの第1電源用配線の他方と前記底面電極部とを電気的に接続するとともに前記第2電源用配線と前記側面電極部とを電気的に接続する第2接続状態に切り替えられる、
ように構成されている、請求項1に記載の電球形ランプ。
【請求項5】
前記口金に着脱可能に構成された第1口金及び第2口金を備え、
前記第1口金は、第1側面電極部と、第1底面電極部と、前記口金の側面電極部と前記第1側面電極部とを電気的に接続する第1側面用配線と、前記口金の底面電極部と前記第1底面電極部とを電気的に接続する第1底面用配線と、を備え、前記口金に取り付けられたとき、前記第1接続状態になり、
前記第2口金は、第2側面電極部と、第2底面電極部と、前記口金の側面電極部と前記第2底面電極部とを電気的に接続する第2側面用配線と、前記口金の底面電極部と前記第2側面電極部とを電気的に接続する第2底面用配線と、を備え、前記口金に取り付けられたとき、前記第2接続状態になる、
ように構成されている、請求項1に記載の電球形ランプ。
【請求項6】
前記制御部は、予め決められた切替信号を受信したとき、前記第1接続状態と前記第2接続状態とを切り替え可能に構成されている、請求項1に記載の電球形ランプ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電球形ランプに関し、特に、バッテリを備えた電球形ランプに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の電球形ランプとしては、例えば、特許文献1(特開2005-123045号公報)に記載にされた電球形ランプが知られている。特許文献1の電球形ランプは、バッテリを内蔵し、停電等によって商用電源から交流電力の供給が停止したとき、バッテリから直流電力が供給されて発光部が点灯するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2005-123045号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の電球形ランプでは、バッテリから直流電力が供給された際に、意図に反して発光部が消灯しないなどの不具合が発生することがある。
【0005】
従って、本発明の目的は、前記問題を解決することにあって、バッテリから直流電力が供給された際に不具合が発生することを抑えることができる電球形ランプを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本発明は以下のように構成する。
本発明によれば、発光部と、
前記発光部の点灯状態を制御する制御部と、
前記制御部に電気的に接続され、前記発光部に直流電力を供給するバッテリと、
前記バッテリ及び制御部を収容する本体ケースと、
前記発光部を覆うように前記本体ケースに取り付けられた透光性を有するカバー部材と、
前記制御部の第1電源用電極に電気的に接続された第1電源用配線と、
前記制御部の第2電源用電極に電気的に接続された第2電源用配線と、
前記本体ケースに取り付けられ、側面電極部と底面電極部とを有する口金と、
を備え、
前記第1電源用配線と前記側面電極部とを電気的に接続するとともに前記第2電源用配線と前記底面電極部とを電気的に接続する第1接続状態と、前記第1電源用配線と前記底面電極部とを電気的に接続するとともに前記第2電源用配線と前記側面電極部とを電気的に接続する第2接続状態とに切り替え可能に構成されている、電球形ランプを提供する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、バッテリから直流電力が供給された際に不具合が発生することを抑えることができる電球形ランプを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態に係る電球形ランプの断面図である。
図2図1の電球形ランプが備える切替用基板の平面図である。
図3図1の電球形ランプが備える接続用基板の平面図である。
図4】本発明の第2実施形態に係る電球形ランプの断面図である。
図5図4の電球形ランプが備える切替部材の上下方向の相対移動を示す説明図である。
図6図4の電球形ランプが備える切替部材の左右方向の相対移動を示す説明図である。
図7】本発明の第3実施形態に係る電球形ランプの構成を示す説明図である。
図8】本発明の第4実施形態に係る電球形ランプの断面図である。
図9図8の電球形ランプの制御部の制御フローを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(本発明の基礎となった知見)
本発明者らは、バッテリから直流電力が供給された際に不具合が発生することを抑えるために鋭意検討した結果、以下の知見を得た。
【0010】
バッテリを内蔵した電球形ランプは、例えば、住宅やオフィスのダウンライトの電球として用いられることがある。通常、複数のダウンライトの点灯/消灯を1つのスイッチで切り替えるように構成されている。
【0011】
本発明者らは、複数のダウンライトの電球としてバッテリを内蔵した電球形ランプを用い、スイッチを切り替えたところ、意図に反して消灯しない電球形ランプがあることを知見した。このような不具合が発生した場合、当該電球形ランプの取り付けを諦め、バッテリを内蔵しない電球形ランプを取り付けることが通常であった。
【0012】
そこで、本発明者らは、不具合が発生する原因を鋭意検討した結果、ダウンライトへの電気配線に問題があることを知見した。ダウンライトへの電気配線は、陽極用導線及び陰極用導線を正しく配線することが求められている。しかしながら、ダウンライトの電球は、商用電源から交流電力を受けて点灯するものであるので、陽極用導線及び陰極用導線が間違えて配線されていても点灯する。このため、陽極用導線及び陰極用導線が間違えて配線されていても使用者が気付くことは困難である。これに対して、陽極用導線及び陰極用導線を正しく配線し直したところ、意図に反して消灯しなかった電球形ランプが消灯することを見出した。しかしながら、陽極用導線及び陰極用導線を再配線するには、天井裏での電気工事を行う必要があり、時間も費用もかかることになる。
【0013】
そこで、本発明者らは、電球形ランプ側で再配線を行えるように構成することによって、バッテリから直流電力が供給された際に不具合が発生することを抑え、天井裏での電気工事を行うよりも時間及び費用を節約することができることを見出した。この新規な知見に基づき、本発明者らは、以下の発明に至った。
【0014】
本発明の第1態様によれば、発光部と、
前記発光部の点灯状態を制御する制御部と、
前記制御部に電気的に接続され、前記発光部に直流電力を供給するバッテリと、
前記バッテリ及び制御部を収容する本体ケースと、
前記発光部を覆うように前記本体ケースに取り付けられた透光性を有するカバー部材と、
前記制御部の第1電源用電極に電気的に接続された第1電源用配線と、
前記制御部の第2電源用電極に電気的に接続された第2電源用配線と、
前記本体ケースに取り付けられ、側面電極部と底面電極部とを有する口金と、
を備え、
前記第1電源用配線と前記側面電極部とを電気的に接続するとともに前記第2電源用配線と前記底面電極部とを電気的に接続する第1接続状態と、前記第1電源用配線と前記底面電極部とを電気的に接続するとともに前記第2電源用配線と前記側面電極部とを電気的に接続する第2接続状態とに切り替え可能に構成されている、電球形ランプを提供する。
【0015】
本発明の第2態様によれば、前記第1電源用配線として2つの第1電源用配線を備え、
前記口金は、前記本体ケースに対して第1位置と第2位置とに相対移動可能に取り付けられ、
前記口金が前記第1位置に相対移動されることにより、前記2つの第1電源用配線の一方と前記側面電極部とを電気的に接続するとともに前記第2電源用配線と前記底面電極部とを電気的に接続する第1接続状態に切り替えられ、
前記口金が前記第2位置に相対移動されることにより、前記2つの第1電源用配線の他方と前記底面電極部とを電気的に接続するとともに前記第2電源用配線と前記側面電極部とを電気的に接続する第2接続状態に切り替えられる、
ように構成されている、第1態様に記載の電球形ランプを提供する。
【0016】
本発明の第3態様によれば、前記口金は、前記本体ケースに対して軸周りに回転されることによって前記第1位置と前記第2位置とに相対移動可能に取り付けられ、前記口金の前記軸周りの回転量に応じて前記第1接続状態と前記第2接続状態とに切り替えられるように構成されている、第2態様に記載の電球形ランプを提供する。
【0017】
本発明の第4態様によれば、前記第1電源用配線として2つの第1電源用配線を備え、
前記本体ケースに対して第1位置と第2位置とに相対移動可能に取りけられた切替部材を備え、
前記切替部材が前記第1位置に相対移動されることにより、前記2つの第1電源用配線の一方と前記側面電極部とを電気的に接続するとともに前記第2電源用配線と前記底面電極部とを電気的に接続する第1接続状態に切り替えられ、
前記切替部材が前記第2位置に相対移動されることにより、前記2つの第1電源用配線の他方と前記底面電極部とを電気的に接続するとともに前記第2電源用配線と前記側面電極部とを電気的に接続する第2接続状態に切り替えられる、
ように構成されている、第1態様に記載の電球形ランプを提供する。
【0018】
本発明の第5態様によれば、前記口金に着脱可能に構成された第1口金及び第2口金を備え、
前記第1口金は、第1側面電極部と、第1底面電極部と、前記口金の側面電極部と前記第1側面電極部とを電気的に接続する第1側面用配線と、前記口金の底面電極部と前記第1底面電極部とを電気的に接続する第1底面用配線と、を備え、前記口金に取り付けられたとき、前記第1接続状態になり、
前記第2口金は、第2側面電極部と、第2底面電極部と、前記口金の側面電極部と前記第2底面電極部とを電気的に接続する第2側面用配線と、前記口金の底面電極部と前記第2側面電極部とを電気的に接続する第2底面用配線と、を備え、前記口金に取り付けられたとき、前記第2接続状態になる、
ように構成されている、第1態様に記載の電球形ランプを提供する。
【0019】
本発明の第6態様によれば、前記制御部は、予め決められた切替信号を受信したとき、前記第1接続状態と前記第2接続状態とを切り替え可能に構成されている、第1態様に記載の電球形ランプを提供する。
【0020】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施形態によって本発明が限定されるものではない。また、図面において実質的に同一の部材については同一の符号を付している。
【0021】
また、以下では、説明の便宜上、「上」、「下」、「側」、「底」等の方向を示す用語を用いるが、本発明に係る電球形ランプの使用状態等を限定することを意味するものではない。
【0022】
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態に係る電球形ランプの構成について説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る電球形ランプの断面図である。
【0023】
図1に示すように、本第1実施形態に係る電球形ランプは、発光部1と、制御部2と、バッテリ3と、本体ケース4と、カバー部材5と、口金6とを備えている。
【0024】
発光部1は、例えば、LED(Light Emitting Diode)素子などの発光素子を有するものである。本第1実施形態において、発光部1は、基板11と、基板11上に実装された複数のLED素子12とを備えている。
【0025】
制御部2は、発光部1に電気的に接続され、発光部1の点灯状態を制御する。本第1実施形態において、制御部2は、発光部1の制御用回路(図示せず)が実装された回路基板21を備えている。制御用回路は、バッテリ用点灯回路(図示せず)と、電源用点灯回路(図示せず)と、バッテリ用点灯回路から発光部1に電力を供給するか、電源用点灯回路から発光部1に電力を供給するかを切り替えるスイッチ部(図示せず)とを備えている。
【0026】
バッテリ用点灯回路は、第1バッテリ用電極22aと第2バッテリ用電極22bとを備えている。第1バッテリ用電極22aは、第1バッテリ用配線71によってバッテリ3の陽極3aに電気的に接続されている。第2バッテリ用電極22bは、第2バッテリ用配線72によってバッテリ3の陰極3bに電気的に接続されている。すなわち、バッテリ3は、第1バッテリ用配線71及び第2バッテリ用配線72によって制御部3に電気的に接続されている。バッテリ用点灯回路は、第1バッテリ用配線71及び第2バッテリ用配線72を通じてバッテリ3から供給される直流電力によって発光部1の点灯状態を制御するように構成されている。
【0027】
電源用点灯回路は、第1電源用電極23aと第2電源用電極23bとを備えている。第1電源用電極23aは、2つの第1電源用配線73に電気的に接続されている。第2電源用電極23bは、1つの第2電源用配線74に電気的に接続されている。電源用点灯回路は、1つの第1電源用配線73及び1つの第2電源用配線74を通じて商用電源から供給される交流電力を直流電力に変換し、当該直流電力によって発光部1の点灯状態を制御するように構成されている。
【0028】
スイッチ部は、停電等により商用電源から電源用点灯回路に交流電力が供給されないとき、バッテリ用点灯回路から発光部1に電力を供給するように切り替えるよう構成されている。
【0029】
本体ケース4は、制御部2とバッテリ3とを収容するように構成されている。本第1実施形態において、本体ケース4は、筒状に形成され、一端部41から他端部42に向かうに従い直径が小さくなるように形成されている。制御部2は、本体ケース4の一端部41側に収容される。バッテリ3は、本体ケース4の一端部41と他端部42との間で延在するように収容される。発光部1は、制御部2を介してバッテリ3と対向する位置に配置されている。
【0030】
カバー部材5は、発光部1を覆うように本体ケース4に取り付けられる。カバー部材5は、発光部1から発せられる光を透過させるように透光性を有する部材で構成されている。例えば、カバー部材5は、ポリカーボネートなどの樹脂又はガラスで構成されている。本第1実施形態において、カバー部材5は、半球状に形成され、円形端部が本体ケース4の一端部41の外周面に係合するように構成されている。
【0031】
口金6は、本体ケース4の他端部42の外周面に取り付けられている。口金6は、本電球形ランプを照明器具の電球用ソケット(図示せず)にネジ込むことにより商用電源に電気的に接続するためのものである。口金6は、略有底筒状の形状を有し、側面電極部61と、底面電極部62と、絶縁体63とを有している。絶縁体63は、側面電極部61と底面電極部62とを電気的に絶縁するように、側面電極部61と底面電極部62との間に設けられた環状の絶縁部材である。
【0032】
本第1実施形態において、口金6は、本体ケース4に対して第1位置と第2位置とに相対移動可能に取り付けられている。より具体的には、口金6は、本体ケース4に対して軸周りに回転されることによって、第1位置と第2位置とに相対移動可能に取り付けられている。本体ケース4の他端部42の外周面には、雄ネジ部42aが設けられている。口金6の側面電極部61の内周面には、雌ネジ部61aが設けられている。口金6の雌ネジ部61aを本体ケース4の雄ネジ部42aにネジ込む量に応じて、口金6を本体ケース4に対して第1位置と第2位置とに相対移動させることができる。図1は、口金6が第1位置に位置する状態を示している。
【0033】
口金6の側面電極部61の外周面には、雄ネジ部61bが設けられている。口金6を軸周りに回転させて、口金6の雄ネジ部61bを電球用ソケットの雌ネジ(図示せず)にネジ込むことによって、本電球形ランプが照明器具に接続される。本実施形態においては、口金6を電球用ソケットにネジ込んだ状態で更に口金6を軸周りに回転させることによって、雌ネジ部61aを雄ネジ部42aにネジ込む量を増加させ、口金6を本体ケース4に対して相対移動させるように構成されている。
【0034】
本体ケース4の他端部42の内周面には、円形の切替用基板43が取り付けられている。切替用基板43は、図2に示すように、第1切替用電極43aと、第2切替用電極43bと、第3切替用電極43cとを備えている。第1切替用電極43aには、2つの第1電源用配線73のうちの一方が電気的に接続されている。第2切替用電極43bには、第2電源用配線74が電気的に接続されている。第3切替用電極43cには、2つの第1電源用配線73のうちの他方が電気的に接続されている。
【0035】
口金6には、切替用基板43に対向する位置に円形の接続用基板64が取り付けられている。接続用基板64は、図3に示すように、第1接続用電極64aと、第2接続用電極64bとを備えている。第1接続用電極64aは、第1接続用配線75を介して側面電極部61に電気的に接続されている。第2接続用電極64bは、第2接続用配線76を介して底面電極部62に電気的に接続されている。
【0036】
口金6が第1位置に位置するとき、第1接続用電極64aと第1切替用電極43aとが電気的に接続されるとともに、第2接続用電極64bと第2切替用電極43bとが電気的に接続される。これにより、2つの第1電源用配線73の一方と側面電極部61とが第1接続用配線75を介して電気的に接続されるとともに、第2電源用配線74と底面電極部62とが第2接続用配線76を介して電気的に接続される。この状態を「第1接続状態」という。
【0037】
口金6が軸周りに回転されて第1位置から第2位置に相対移動(図3の矢印の方向)されると、第1接続用電極64aと第2切替用電極43bとが電気的に接続されるとともに、第2接続用電極64bと第2切替用電極43bとが電気的に接続される。これにより、2つの第1電源用配線73の他方と底面電極部62とが第2接続用配線76を介して電気的に接続されるとともに、第2電源用配線74と側面電極部61とが第1接続用配線75を介して電気的に接続される。この状態を「第2接続状態」という。
【0038】
本第1実施形態によれば、第1接続状態と第2接続状態とに切り替えられるように構成されているので、電球形ランプ側で再配線を行うことができ、バッテリ3から直流電力が供給された際に不具合が発生することを抑えることができる。その結果、天井裏での電気工事を行うよりも時間及び費用を節約することができる。
【0039】
また、本第1実施形態によれば、口金6を本体ケース4に相対移動させることで第1接続状態と第2接続状態とに切り替えられるように構成されているので、当該切り替えを容易に行うことができる。
【0040】
また、本第1実施形態によれば、口金6の軸周りの回転量に応じて第1接続状態と第2接続状態とに切り替えられるように構成されているので、当該切り替えを容易に行うことができる。
【0041】
なお、前記では、口金6を電球用ソケットにネジ込んだ状態で更に口金6を軸周りに回転させることによって、第1接続状態から第2接続状態に切り替えるように構成したが、本発明はこれに限定されない。例えば、口金6を電球用ソケットにネジ込んだ状態で口金6を軸周りに逆回転させることによって、第1接続状態から第2接続状態に切り替えるように構成してもよい。
【0042】
また、前記では、発光部1は、LED素子を有するものとしたが、本発明はこれに限定されない。例えば、発光部1は、抵抗体又は蛍光体を有してもよい。すなわち、本発明の電球形ランプは、LED電球に限定されるものではなく、白熱電球や電球形蛍光灯であってもよい。
【0043】
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態に係る電球形ランプの構成について説明する。図4は、本発明の第2実施形態に係る電球形ランプの断面図である。
【0044】
本第2実施形態に係る電球形ランプが第1実施形態に係る電球形ランプと異なる点は、切替用基板43及び接続用基板64に代えて、切替部材8を備える点である。
【0045】
図4に示すように、切替部材8は、2つの第1電源用配線73と第2電源用配線74と第1接続用配線75と第2接続用配線76とに電気的に接続されている。また、切替部材8は、本体ケース4に対して第1位置と第2位置とに相対移動可能に取り付けられている。図4は、切替部材8が第1位置に位置する状態を示している。本第2実施形態において、切替部材8は、図示されていないが、一部が本体ケース4の外側に突出し、当該一部を押圧することで本体ケース4に対して相対移動可能に構成されている。
【0046】
図5は、切替部材8の相対移動を示す説明図である。図5の左側は、切替部材8が第1位置に位置する状態を示している。図5の右側は、切替部材8が第2位置に位置する状態を示している。
【0047】
切替部材8が第1位置(図5の左側)に位置するとき、2つの第1電源用配線73の一方と第1接続用配線75を介して側面電極部61とが電気的に接続されるとともに、第2電源用配線74と第2接続用配線76を介して底面電極部62とが電気的に接続される。これにより、第1接続状態になる。一方、切替部材8が第2位置(図5の右側)に位置するとき、2つの第1電源用配線73の他方と第2接続用配線76を介して底面電極部62とが電気的に接続されるとともに、第2電源用配線74と第1接続用配線75を介して側面電極部61とが電気的に接続される。これにより、第2接続状態になる。
【0048】
本第2実施形態によれば、切替部材8を本体ケース4に対して相対移動させることで、第1接続状態と第2接続状態とに切り替えられるように構成されている。これにより、電球形ランプ側で再配線を行うことができ、バッテリ3から直流電力が供給された際に不具合が発生することを抑えることができる。その結果、天井裏での電気工事を行うよりも時間及び費用を節約することができる。
【0049】
なお、本第2実施形態では、切替部材8が上下方向に相対移動するように構成されるものとしたが、本発明はこれに限定されない。図6に示すように、切替部材8は、左右方向に相対移動するように構成されてもよい。
【0050】
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態に係る電球形ランプの構成について説明する。図7は、本発明の第3実施形態に係る電球形ランプの構成を示す説明図である。
【0051】
本第3実施形態に係る電球形ランプが第1実施形態に係る電球形ランプと異なる点は、切替用基板43及び接続用基板64に代えて、第1口金9A及び第2口金9Bを備える点である。
【0052】
第1口金9Aと第2口金9Bとは、口金6に着脱可能に構成されている。例えば、口金6のサイズはE17であり、第1口金9A及び第2口金9BのサイズはE26である。
【0053】
第1口金9A及び第2口金9Bは、本電球形ランプを照明器具の電球用ソケット(図示せず)にネジ込むことにより商用電源に電気的に接続するためのものである。第1口金9A及び第2口金9Bは、略有底筒状の形状を有し、側面電極部91と、底面電極部92と、絶縁体93とを有している。絶縁体93は、側面電極部91と底面電極部92とを電気的に絶縁するように、側面電極部91と底面電極部92との間に設けられた環状の絶縁部材である。
【0054】
第1口金9Aは、第1側面用配線94Aと、第1底面用配線95Aとを備えている。第1側面用配線94Aは、口金6の側面電極部61と側面電極部91とを電気的に接続するように構成されている。第1底面用配線95Aは、口金6の底面電極部62と底面電極部92とを電気的に接続するように構成されている。第1口金9Aが口金6に取り付けられたとき、前記第1接続状態になる。
【0055】
第2口金9Bは、第2側面用配線94Bと、第2底面用配線95Bとを備えている。第2側面用配線94Bは、口金6の側面電極部61と底面電極部92とを電気的に接続するように構成されている。第2底面用配線95Bは、口金6の底面電極部62と側面電極部91とを電気的に接続するように構成されている。第2口金9Bが口金6に取り付けられたとき、前記第2接続状態になる。
【0056】
本第3実施形態によれば、第1口金9A又は第2口金9Bを装着することで第1接続状態と第2接続状態とに切り替えられるように構成されている。これにより、電球形ランプ側で再配線を行うことができ、バッテリ3から直流電力が供給された際に不具合が発生することを抑えることができる。その結果、天井裏での電気工事を行うよりも時間及び費用を節約することができる。
【0057】
なお、前記では、口金6のサイズがE17であるとしたが、本発明はこれに限定されない。例えば、口金6のサイズは、第1口金9A及び第2口金9Bのサイズよりも小さければよい。また、口金6は、雄ネジ部61bを備えるような通常の口金の形態ではなくてもよい。例えば、口金6は、円筒形の外周面を有するものであってもよい。すなわち、口金6は、第1口金9A及び第2口金9Bに対して着脱可能な構成であればよい。
【0058】
(第4実施形態)
本発明の第4実施形態に係る電球形ランプの構成について説明する。図8は、本発明の第4実施形態に係る電球形ランプの断面図である。
【0059】
本第4実施形態に係る電球形ランプが第2実施形態に係る電球形ランプと異なる点は、切替部材8に代えて、制御部2が、予め決められた切替信号を受信したとき、第1接続状態と第2接続状態とを切替可能に構成されている点である。
【0060】
本第4実施形態において、電源用配線77は、電源用電極23cと底面電極部62とを電気的に接続する。電源用配線78は、電源用電極23dと側面電極部61とを電気的に接続する。
【0061】
制御部2の電源用点灯回路は、予め決められた切替信号を受信したとき、第1接続状態と第2接続状態とを切替可能に構成されている。本第4実施形態において、「第1接続状態」は、電源用電極23dが第1電源用電極として機能し、電源用配線78が第1電源用配線として機能し、電源用電極23cが第2電極用電極として機能し、電源用配線77が第2電源用配線として機能する状態である。「第2接続状態」は、電源用電極23cが第1電源用電極として機能し、電源用配線77が第1電源用配線として機能し、電源用電極23dが第2電極用電極として機能し、電源用配線78が第2電源用配線として機能する状態である。電源用点灯回路は、予め決められた切替信号を受信したとき、第1接続状態と第2接続状態とを切替可能にするために、例えば、ICチップ、スイッチング素子、受信素子等を備えている。
【0062】
「予め決められた切替信号」とは、例えば、商用電源からの交流電力の供給がオン状態からオフ状態になった後で再びオン状態になるまでに要した時間が、予め決められた閾時間(例えば、0.3秒)以下であることを示す信号である。制御部2は、電源用配線77,78を介して商用電源からの交流電力の供給のオン状態又はオフ状態を検知する。また、「予め決められた切替信号」は、例えば、接続状態を切り替えることに直接的に示す信号であってもよい。
【0063】
図9は、図8の電球形ランプの制御部の制御フローの一部を示すフローチャートである。
【0064】
ステップS1において、制御部2は、予め決められた切替信号を受信したか否かを検知する。制御部2は、予め決められた切替信号を受信しないとき、ステップS1に戻る(ステップS1の「No」)。一方、制御部2は、予め決められた切替信号を受信したとき、ステップS2に移行する(ステップS1の「Yes」)。
【0065】
ステップS2において、制御部2は、接続状態を切り替える。より具体的には、制御部2は、第1接続状態から第2接続状態に、又は、第2接続状態から第1接続状態に切り替える。
【0066】
本第4実施形態によれば、制御部2は、予め決められた切替信号を受信したとき、第1接続状態と第2接続状態とを切り替え可能に構成されている。これにより、電球形ランプ側で再配線を行うことができ、バッテリ3から直流電力が供給された際に不具合が発生することを抑えることができる。その結果、天井裏での電気工事を行うよりも時間及び費用を節約することができる。
【0067】
本発明は、添付図面を参照しながら好ましい実施の形態に関連して充分に記載されているが、この技術に熟練した人々にとっては種々の変形や修正は明白である。そのような変形や修正は、添付した請求の範囲による本発明の範囲から外れない限りにおいて、その中に含まれると理解されるべきである。
【符号の説明】
【0068】
1 発光部
2 制御部
3 バッテリ
3a 陽極
3b 陰極
4 本体ケース
5 カバー部材
6 口金
8 切替部材
9A 第1口金
9B 第2口金
11 基板
12 LED素子
21 回路基板
22a 第1バッテリ用電極
22b 第2バッテリ用電極
23a 第1電源用電極
23b 第2電源用電極
23c 電源用電極
23d 電源用電極
41 一端部
42 他端部
42a 雄ネジ部
43 切替用基板
43a 第1切替用電極
43b 第2切替用電極
43c 第3切替用電極
61 側面電極部
61a 雌ネジ部
61b 雄ネジ部
62 底面電極部
63 絶縁体
64 接続用基板
64a 第1接続用電極
64b 第2接続用電極
71 第1バッテリ用配線
72 第2バッテリ用配線
73 第1電源用配線
74 第2電源用配線
75 第1接続用配線
76 第2接続用配線
77 電源用配線
78 電源用配線
91 側面電極部
92 底面電極部
93 絶縁体
94A 第1側面用配線
94B 第2側面用配線
95A 第1底面用配線
95B 第2底面用配線
【要約】
【課題】バッテリから直流電力が供給された際に不具合が発生することを抑えることができる電球形ランプを提供する。
【解決手段】本発明に係る電球形ランプは、発光部と、発光部の点灯状態を制御する制御部と、発光部に直流電力を供給するバッテリと、バッテリ及び制御部を収容する本体ケースと、発光部を覆うように本体ケースに取り付けられたカバー部材と、制御部の第1電源用電極に電気的に接続された第1電源用配線と、制御部の第2電源用電極に電気的に接続された第2電源用配線と、本体ケースに取り付けられ、側面電極部と底面電極部とを有する口金とを備え、第1電源用配線と側面電極部とを電気的に接続するとともに第2電源用配線と底面電極部とを電気的に接続する第1接続状態と、第1電源用配線と底面電極部とを電気的に接続するとともに第2電源用配線と側面電極部とを電気的に接続する第2接続状態とに切り替え可能に構成されている。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9