(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-05
(45)【発行日】2023-10-16
(54)【発明の名称】ワイヤレス送電装置、充電器
(51)【国際特許分類】
H02J 50/40 20160101AFI20231006BHJP
H02J 50/12 20160101ALI20231006BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20231006BHJP
H01F 38/14 20060101ALI20231006BHJP
H01F 27/28 20060101ALI20231006BHJP
【FI】
H02J50/40
H02J50/12
H02J7/00 301D
H01F38/14
H01F27/28 K
(21)【出願番号】P 2019065944
(22)【出願日】2019-03-29
【審査請求日】2022-02-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000116024
【氏名又は名称】ローム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【氏名又は名称】森下 賢樹
(74)【代理人】
【識別番号】100133215
【氏名又は名称】真家 大樹
(72)【発明者】
【氏名】内本 大介
【審査官】岩井 一央
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-239590(JP,A)
【文献】特開2011-259534(JP,A)
【文献】特表2018-509128(JP,A)
【文献】国際公開第2015/097813(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01F 17/00-21/12
H01F 27/00
H01F 27/02
H01F 27/06
H01F 27/08
H01F 27/23
H01F 27/26-27/30
H01F 27/32
H01F 27/36
H01F 27/42
H01F 38/14
H01F 38/18
H01F 38/42
H02J 7/00-7/12
H02J 7/34-7/36
H02J 50/00-50/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
送信電力を、少なくとも、第1レンジあるいは値と、第2レンジあるいは値と、で切り替えることをサポートするQi規格とPMA規格の少なくとも一方に準拠したワイヤレス送電装置であって、
送信アンテナと、
前記送信アンテナの両端と接続されるフルブリッジ回路と、
を備え、
前記送信アンテナは、
前記両端である第1端および第2端と、
前記第1端および前記第2端の間に、電気的に直列に接続された、第1キャパシタ、第1コイル、第2コイル、第2キャパシタと、
前記第1コイルと前記第2コイルの接続ノードに設けられたタップと、
前記タップと前記第2端の間に、前記第2コイルおよび前記第2キャパシタの直列接続回路と並列に設けられるスイッチと、
を備え、
前記第1コイルと前記第2コイルは、少なくとも一部がオーバーラップする態様で積層され、
前記送信電力が前記第1のレンジあるいは値であるとき、送電中において前記スイッチはオフに固定され、
前記送信電力が前記第2のレンジあるいは値であるとき、送電中において前記スイッチはオンに固定されることを特徴とするワイヤレス送電装置。
【請求項2】
前記第1コイルと前記第2コイルそれぞれの中心が一致することを特徴とする請求項1に記載のワイヤレス送電装置。
【請求項3】
前記第1コイルと前記第2コイルは、内径が実質的に等しいことを特徴とする請求項1または2に記載のワイヤレス送電装置。
【請求項4】
前記第1コイルと前記第2コイルは、外径が実質的に等しいことを特徴とする請求項1または2に記載のワイヤレス送電装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれかに記載のワイヤレス送電装置を備えることを特徴とする充電器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワイヤレス給電技術に関し、特にワイヤレス送電装置の送信コイルに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子機器への給電方式として、ワイヤレス給電が普及の兆しを見せている。ワイヤレス給電には、電磁誘導(MI:Magnetic Induction)方式と磁気共鳴(MR:Magnetic Resonance)方式の2つの方式が存在するが、MI方式では、現在、WPC(Wireless Power Consortium)が策定した規格「Qi」が主流となっている。
【0003】
MI方式のワイヤレス給電は、送信コイルと受信コイル間の電磁誘導を利用したものである。給電システムは、送信コイルを有する給電装置と、受信コイルを有する受電装置で構成される。
【0004】
図1は、Qi規格に準拠したワイヤレス給電システム10の構成を示す図である。給電システム10は、送電装置20(TX、Power Transmitter)と受電装置30(RX、Power Receiver)と、を備える。受電装置30は、携帯電話端末、スマートフォン、オーディオプレイヤ、ゲーム機器、タブレット端末などの電子機器に搭載される。
【0005】
送電装置20は、送信コイル(1次コイル)22、ドライバ24、送電コントローラ26、復調器28を備える。ドライバ24は、Hブリッジ回路(フルブリッジ回路)あるいはハーフブリッジ回路を含み、送信コイル22に駆動信号S1、具体的にはパルス信号を印加し、送信コイル22に流れる駆動電流により、送信コイル22に電磁界の電力信号S2を発生させる。送電コントローラ26は、送電装置20全体を統括的に制御するものであり、具体的には、ドライバ24のスイッチング周波数、スイッチングのデューティ比、位相などを制御することにより、送信電力を変化させる。
【0006】
受電装置30は、受信コイル(2次コイル)32、整流回路34、平滑コンデンサ36、変調器38、負荷40、受電コントローラ42、電源回路44を備える。受信コイル32は、送信コイル22からの電力信号S2を受信する。整流回路34および平滑コンデンサ36は、電力信号S2に応じて受信コイル32に誘起される電流S4を整流・平滑化し、直流電圧に変換する。
【0007】
電源回路44は、送電装置20から供給された電力を利用して図示しない二次電池を充電し、あるいは直流電圧VRECTを昇圧あるいは降圧し、受電コントローラ42やその他の負荷40に供給する。
【0008】
Qi規格では、送電装置20と受電装置30の間で通信プロトコルが定められており、受電装置30から送電装置20に対して、制御信号S3による情報の伝達が可能となっている。この制御信号S3は、後方散乱変調(Backscatter modulation)を利用して、AM(Amplitude Modulation)変調された形で、受信コイル32(2次コイル)から送信コイル22に送信される。この制御信号S3には、たとえば、受電装置30に対する電力供給量を制御する電力制御データ(パケットともいう)や、受電装置30の固有の情報を示すデータなどが含まれる。
【0009】
電力制御について説明する。受電装置30の受電コントローラ42は、送電装置20からの電力供給量(送信電力)を制御する電力制御データを生成する。たとえば受電コントローラ42は、平滑コンデンサ36の電圧VRECTがその目標値(DP:Desired Point)に近づくように電力制御パケットを生成する。変調器38は、電力制御パケットにもとづいて、受信コイル32の電流(あるいは電圧)を変調する。これにより受信コイル32が送信アンテナとなり、制御信号S3が送信される。
【0010】
送電装置20において、送信コイル22には、制御信号S3に応じた電流成分が流れる。復調器28は、送信コイル22の電流あるいは電圧に含まれる制御信号S3を復調する。送電コントローラ26は、復調された制御信号S3に含まれる電力制御データが指示する送信電力が得られるように、ドライバ24を制御する。
【0011】
このようにしてQi規格に準拠した給電システム10では、受電装置側が要求する電力と一致するように送信電力がフィードバック制御される。PMA規格においても同様に、送信電力がフィードバック制御される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【文献】特開2013-38854号公報
【文献】特許第5071574号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
現時点で、Qi規格の送信電力は5~15W(EPP)であるが、次世代では60W~100W(Medium Power)まで増やすことが計画されている。同じ送電装置によって、15Wと60Wの両方をサポートする場合、アレイ状に配置された複数の送信コイルを使用するというアプローチを採りうるが、面積が大きくなり、コストが高くなるという問題がある。
【0014】
本発明は係る課題に鑑みてなされたものであり、そのある態様の例示的な目的のひとつは、送信コイルの小型化にある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明のある態様は、ワイヤレス送電装置に用いられる送信コイルに関する。送信コイルは、第1コイルと、第1コイルと電気的に直列に接続される第2コイルと、第1コイルと第2コイルの接続ノードに設けられたタップと、を備える。第1コイルと第2コイルは、少なくとも一部がオーバーラップして積層される。
【0016】
第1コイルと第2コイルの両方を駆動することで大電力を送電でき、一方のみを駆動することで小さい電力を送電できる。この態様によると、2つのコイルを重ねることで、面積を小さくできる。
【0017】
第1コイルと第2コイルは、それぞれの中心が一致してもよい。
【0018】
第1コイルと第2コイルは、内径が実質的に等しく、外径が異なっていてもよい。
【0019】
第1コイルと第2コイルは、外径が実質的に等しく、内径が異なっていてもよい。
【0020】
本発明の別の態様は、送信アンテナに関する。送信アンテナは、送信コイルと、送信コイルと直列に接続される第1キャパシタおよび第2キャパシタと、送信コイルの第2コイルと第2キャパシタの直列接続回路と並列に設けられるスイッチと、を備えてもよい。
【0021】
本発明の別の態様は、ワイヤレス送電装置に関する。ワイヤレス送電装置は、送信アンテナと、送信アンテナを駆動するブリッジ回路と、を備えてもよい。
【0022】
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせや、本発明の構成要素や表現を、方法、装置、システムなどの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0023】
本発明のある態様によれば、送信コイルを小型化できる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】Qi規格に準拠したワイヤレス給電システムの構成を示す図である。
【
図2】実施例1に係る送信コイルの等価回路図である。
【
図3】
図3(a)~(c)は、送信コイルの斜視図、平面図および断面図である。
【
図6】送信コイルの巻き方の別の一例を示す図である。
【
図7】送信コイルの巻き方の別の一例を示す図である。
【
図8】送信コイルの巻き方の別の一例を示す図である。
【
図9】
図9(a)~(c)は、実施例2に係る送信コイルの斜視図、平面図および断面図である。
【
図10】実施例2に係る送信コイルの巻き方の一例を示す図である。
【
図11】
図11(a)、(b)は、変形例に係る送信コイルを示す図である。
【
図12】送信コイルを備えるワイヤレス送電装置の回路図である。
【
図13】変形例に係るワイヤレス送電装置の回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明を好適な実施の形態をもとに図面を参照しながら説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
【0026】
本明細書において、「部材Aが、部材Bと接続された状態」とは、部材Aと部材Bが物理的に直接的に接続される場合のほか、部材Aと部材Bが、それらの電気的な接続状態に実質的な影響を及ぼさない、あるいはそれらの結合により奏される機能や効果を損なわせない、その他の部材を介して間接的に接続される場合も含む。
【0027】
同様に、「部材Cが、部材Aと部材Bの間に設けられた状態」とは、部材Aと部材C、あるいは部材Bと部材Cが直接的に接続される場合のほか、それらの電気的な接続状態に実質的な影響を及ぼさない、あるいはそれらの結合により奏される機能や効果を損なわせない、その他の部材を介して間接的に接続される場合も含む。
【0028】
(実施例1)
図2は、実施例1に係る送信コイル500の等価回路図である。送信コイル500は、ワイヤレス給電装置に搭載される。このワイヤレス給電装置は、送信電力を少なくとも2つのレンジ(あるいは値)で切り替えることをサポートするQi規格あるいはPMA規格に準拠もしくは対応する。
【0029】
図2に示すように、送信コイル500は、第1コイル502、第2コイル504、タップTPを備える。第1コイル502およびタップTPは電気的に直列に接続され、それらの接続ノードにはタップTPが設けられる。
【0030】
図3(a)~(c)は、送信コイル500の斜視図、平面図および断面図である。第1コイル502と第2コイル504は、それぞれの中心Oが一致し、かつ少なくとも一部においてオーバーラップする態様で積層される。
【0031】
実施例1において、第1コイル502と第2コイル504の内径r1,r2は実質的に同一であり(r1≒r2)、それらの外径R1,R2が異なっている(R1>R2)。
【0032】
以上が送信コイル500の構成である。この送信コイル500によれば、端子E1,E2の一方と、タップTPの間に交流駆動信号を印加することで、第1コイル502と第2コイル504の一方のみを励磁し、相対的に小さい電力を送信することができる。
【0033】
また端子E1とE2の間に交流駆動信号を印加し、第1コイル502と第2コイル504の両方を励磁することで、相対的に大きい電力を送信することができる。
【0034】
また、内周を揃えることで、内周側において第1コイル502と第2コイル504のタップを設けることが容易となる。なお第1コイル502と第2コイル504は、独立した2本の巻線で形成した後に、それらを接続してもよい。あるいは第1コイル502と第2コイル504を、共通の1本の巻線で形成してもよい。
【0035】
送信コイル500の利点は、比較技術との対比によって明確となる。
図4は、比較技術に係る送信コイル510を示す図である。送信コイル510は、第1コイル512、第2コイル514を備える。比較技術において、第1コイル512、第2コイル514は同一平面に設けられ、第2コイル514は、第1コイル512の内周側に収まっている。すなわち、第1コイル512の内径r
1は、第2コイル514の外径R
2より大きくなっている(r
1>R
2)。この比較技術において、実施例1と同じ電気的特性(アンテナ特性)を実現しようとした場合、第1コイル512の外径R
1は、第1コイル502の外径R
1よりも大きくする必要がある。逆に言えば、実施例1によれば、第1コイル502と第2コイル504を積層構造とすることで、送信コイル500全体のサイズ(面積)を小さくすることができる。
【0036】
続いて、送信コイル500の巻き方について、いくつかの例を説明する。
【0037】
図5は、送信コイル500の巻き方の一例を示す図である。なお、第1コイル502、第2コイル504それぞれの巻線の種類は特に限定されず、平角線、角線、丸線を用いることができる。この例では、第1コイル502、第2コイル504それぞれは1層であり、送信コイル500全体として、2層α巻となっている。
【0038】
図6は、送信コイル500の巻き方の別の一例を示す図である。
図6の例では、第1コイル502は1層であり、第2コイル504は2層α巻となっている。
【0039】
図7は、送信コイル500の巻き方の別の一例を示す図である。
図7の例では、第1コイル502は2層巻であり、第2コイル504は1層となっている。
【0040】
図8は、送信コイル500の巻き方の別の一例を示す図である。
図8の例では、第1コイル502、第2コイル504はそれぞれ、2層α巻である。
【0041】
第1コイル502、第2コイル504それぞれの層数をさらに増やしてもよい。
【0042】
(実施例2)
図9(a)~(c)は、実施例2に係る送信コイル500Aの斜視図、平面図および断面図である。送信コイル500Aの等価回路は、
図2の送信コイル500と同じであり、第1コイル502Aと第2コイル504Bを備える。
【0043】
実施例2に係る送信コイル500Aは、第1コイル502Aと第2コイル504Aの中心Oが一致し、かつ巻線同士が一部においてオーバーラップする態様で積層される点で、実施例1の送信コイル500と同様である。
【0044】
実施例2では、第1コイル502Aと第2コイル504Aの外径R1,R2は実質的に同一であり(R1≒R2)、それらの内径r1,r2が異なっている(r1>r2)。
【0045】
以上が送信コイル500Aの構成である。この送信コイル500Aによれば、実施例1と同じ効果を得ることができる。実施例1と実施例2では、異なる電磁界の強度分布(プロファイル)を得ることができ、用途に応じて適切な一方を選択すればよい。
【0046】
図10は、実施例2に係る送信コイル500Aの巻き方の一例を示す図である。この例では、第1コイル502、第2コイル504それぞれは1層であり、送信コイル500全体として、2層α巻となっている。第1コイル502と第2コイル504は、内周側において接続することが容易である。
図10の巻き方は、
図4に対応付けることができ、円の外周と内周を入れ替えたものと把握することができる。同様に、
図5~
図8の巻き方を利用して、実施例2に係る送信コイル500Aを構成することができる。
【0047】
(変形例1)
続いて送信コイル500の変形例を説明する。
図11(a)、(b)は、変形例1に係る送信コイル500Bを示す図である。送信コイル500Bは、矩形コイルである。その他の点については、実施例1あるいは2と同様である。
【0048】
(変形例2)
実施の形態では、2個のコイルの中心が実質的に一致したがその限りでなく、それらはオフセットしていてもよい。
【0049】
(変形例3)
実施例1では、第1コイル502と第2コイル504の内径が等しく、実施例2では第1コイル502と第2コイル504の外径を等しいとしたがその限りでない。たとえば、r1<r2<R2<R1の関係が成り立っていてもよい。
【0050】
続いて、送信コイル500(あるいは送信コイル500A)を備える送電装置を説明する。
図12は、送信コイル500を備えるワイヤレス送電装置100の回路図である。
【0051】
ワイヤレス送電装置100は、送信アンテナ600、ブリッジ回路700を備える。送信アンテナ600は、送信コイル500、第1キャパシタC1、第2キャパシタC2、スイッチSW1を含む。第1キャパシタC1および第2キャパシタC2は、送信コイル500と直列に接続される。スイッチSW1は、送信コイル500の第2コイル504と第2キャパシタC2の直列接続回路と並列に設けられる。
【0052】
ブリッジ回路700は、送信アンテナ600の両端間に交流の駆動電圧VDRVを印加する。たとえばブリッジ回路700は、フルブリッジ回路(Hブリッジ回路)である。プリドライバ720は、図示しないコントローラからの制御信号にもとづいてブリッジ回路700を駆動する。
【0053】
このワイヤレス送電装置100によれば、送信電力のレンジに応じて、スイッチSW1のオン、オフを切り替えることにより、第1コイル502のみが励磁される状態と、第1コイル502と第2コイル504の両方が励磁される状態と、を切り替えることができる。
【0054】
スイッチSW1がオンのとき、送信コイル500のインダクタンスは第1コイル502のインダクタンス成分L1であり、スイッチSW2がオフのとき、送信コイル500のインダクタンスは2個のコイル502、504のインダクタンスの和L1+L2である。
【0055】
また、2個のキャパシタC1,C2を設け、それらの容量値を最適化することにより、スイッチSW1がオンのときと、オフのときのアンテナの共振周波数を独立に規定することができる。
【0056】
図13は、変形例に係るワイヤレス送電装置100Bの回路図である。スイッチSW1に代えて、スイッチSW2が設けられる。スイッチSW2は、タップTPと接地の間に設けられる。大きな電力を送信するモードでは、ブリッジ回路700はフルブリッジ回路として動作するが、小さな電力を送信するモードでは、ブリッジ回路700はハーフブリッジ回路として動作する。具体的には、ブリッジ回路700の一方の出力OUT2はローに固定され、ブリッジ回路700の他方の出力OUT1のみがスイッチングする。
【0057】
続いて送電装置100の用途を説明する。
【0058】
図14は、充電器50と電子機器60を示す図である。電子機器60は、充電器50の充電台52の上に載置される。充電器50の充電台52の下には、送信コイル500が設けられている。
【0059】
図15は、送電装置100を備える充電器400を示す図である。充電器400は、受電装置を備える電子機器(不図示)を充電する。充電器400は、筐体402、充電台404、回路基板406、を備える。給電対象の電子機器は、充電台404上に載置される。ブリッジ回路やプリドライバ、送電コントローラ、復調器などの回路部品は、回路基板406上に実装される。送信コイル500は、充電台404の直下にレイアウトされる。
【0060】
充電器400は、AC/DCコンバータ410からの直流電圧を受けてもよいし、AC/DCコンバータを内蔵してもよい。あるいは充電器400は、USB(Universal Serial Bus)などの給電線を備えるバスを介して、外部からDC電力の供給を受けてもよい。
【0061】
実施の形態にもとづき、具体的な用語を用いて本発明を説明したが、実施の形態は、本発明の原理、応用を示しているにすぎず、実施の形態には、請求の範囲に規定された本発明の思想を逸脱しない範囲において、多くの変形例や配置の変更が認められる。
【符号の説明】
【0062】
100 ワイヤレス送電装置
500 送信コイル
502 第1コイル
504 第2コイル
TP タップ
700 ブリッジ回路
C1 第1キャパシタ
C2 第2キャパシタ
SW1 スイッチ