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  • 特許-折り畳み回転できるLED卓上三面鏡 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-05
(45)【発行日】2023-10-16
(54)【発明の名称】折り畳み回転できるLED卓上三面鏡
(51)【国際特許分類】
   A47G 1/16 20060101AFI20231006BHJP
【FI】
A47G1/16 C
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2019145941
(22)【出願日】2019-08-08
(65)【公開番号】P2021023688
(43)【公開日】2021-02-22
【審査請求日】2022-03-15
(73)【特許権者】
【識別番号】512227904
【氏名又は名称】寧波東誠家居用品製造有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100091465
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 久夫
(72)【発明者】
【氏名】陳 大明
【審査官】粟倉 裕二
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3160837(JP,U)
【文献】登録実用新案第3179710(JP,U)
【文献】米国特許第10016045(US,B1)
【文献】特開2008-272333(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47G 1/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
鏡本体が両側の副鏡部を主鏡部に対して開閉自在に設けて構成され、上記主鏡部及び副鏡部はケースに鏡板を嵌め込んで構成される一方、床面に置かれるベースにスタンドが立設され、該スタンド上端部にはブラケット部が形成され、該ブラケット部に上記主鏡部の背面が水平軸回りに回転可能に取付けられて上記主鏡部が傾動し得るように設けられた卓上三面鏡において、
上記主鏡部のケース背面には取付けベースがケース背面に対して垂直な垂直軸回りに上記主鏡部及び副鏡部の縦姿勢と横姿勢との間で回転し得るように取付けられ、上記スタンド上端部のブラケット部はコ字状をなし、上記主鏡部のケース背面の取付けベースは上記スタンド上端部のコ字状ブラケット部に上記ケース背面の垂直軸に対して直交する水平軸回りに回転し得るように取付けられている一方、
上記スタンド端部にはコ字状ブラケット部が形成され、上記スタンドが立設されるベースには受け部が形成され、該受け部には上記スタンド下端部のコ字状ブラケットが水平軸回りに回転自在に取付けられて上記スタンドは上記スタンドが立設されるベースに対する起立姿勢と倒伏姿勢との間で傾動し得るように設けられていることを特徴とする卓上三面鏡。
【請求項2】
上記スタンド上端部のコ字状ブラケット部には円筒部分が突設され、上記主鏡部のケース背面の取付けベースには円筒部分が外側方に突設され、上記スタンド上端部のコ字状ブラケット部の円筒部分と上記主鏡部のケース背面の取付けベースの円筒部分とは相互に回転自在に嵌入されることによって上記スタンド上端部の水平軸が構成されている請求項1記載の卓上三面鏡。
【請求項3】
上記スタンド下端部のコ字状ブラケット部には円筒部分が突設され、上記スタンドが立設されるベース受け部には円筒部分が外側方に突設され、上記スタンド下端部のコ字状ブラケット部の円筒部分と上記スタンドが立設されるベース受け部の円筒部分とは相互に回転自在に嵌入されることによって上記スタンド下端部の水平軸が構成されている請求項1記載の卓上三面鏡。
【請求項4】
上記スタンド下端部の水平軸の円筒部分の一方には円弧板部が、他方には上記スタンドの縦姿勢及び横姿勢に対応する位置に突起が形成され、該突起と円弧板部が競ることによって上記スタンドが起立姿勢と倒伏姿勢に制動されるようになっている請求項2記載の卓上三面鏡。
【請求項5】
上記スタンドは把持が容易な側面円弧状をなしている請求項1記載の卓上三面鏡。
【請求項6】
上記主鏡部のケース上端部及び下端部の中央には人の指を引っ掛け得る凹部が形成されている請求項1記載の卓上三面鏡。
【請求項7】
上記主鏡部は鏡板裏面に半透光性のシートが貼付けられて上記ケースに嵌め込まれており、上記シートによって鏡板破損時の飛散防止機能が付与されている請求項1記載の卓上三面鏡。
【請求項8】
上記副鏡部は上記ケースに鏡板が嵌め込まれ上記ケースに嵌合される枠体によって取付け状態を保持されている請求項1記載の卓上三面鏡。
【請求項9】
上記主鏡部内には照明用LED列が横方向又は縦方向に延びて設けられている請求項1記載の卓上三面鏡。
【請求項10】
上記ベースには重錘が内蔵されて上記スタンドの起立時における倒れ防止機能が付与されている請求項1記載の卓上三面鏡。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は折り畳み回転できる卓上三面鏡に関し、特に使用しないときにはコンパクトにして小さなスペースに収納できるようにした三面鏡に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、女性が化粧をする場合、卓上型の三面鏡を利用することがある。この卓上三面鏡では主鏡部の両側に副鏡部を折畳み展開可能に枢支して鏡本体を構成し、鏡本体の背面にスタンドの上端部を水平軸回りに回転可能に枢支し、副鏡部を展開するとともに、鏡本体をスタンドに対して所望の角度に傾けることにより、顔や頭髪の広い範囲を鏡に写せるようになっている。
【0003】
例えば、主鏡部の背面にベースを鏡面に対して垂直な軸回りに旋回自在に取付け、スタンドの上端部に水平軸の取付けブラケットを形成する一方、ベースに軸受を一体的に形成し、スタンドの取付けブラケットの間にベースの軸受を嵌め込み、水平軸を差し込んで、ベースをスタンドの上端部を水平軸回りに回転自在に取付け、両側の副鏡部を主鏡部に対して展開するとともに、鏡本体を所望の角度に傾け、あるいは鏡本体を横長から縦長に旋回できるようにした卓上三面鏡が提案されている(特許文献1)。
【0004】
また、主鏡部のケースにベース及び軸受を一体的に形成し、軸受をスタンド上端部の取付けブラケットの間に嵌め込み、軸受及び取付けブラケットの軸穴に水平軸を差し込んで抜け止めすることによって、鏡本体をスタンド上端部に傾動自在に設け、旋回機能のない簡易で低コストの卓上三面鏡も提案されている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】実用新案登録第3160837号公報
【文献】実用新案登録第3179710号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1、2記載の卓上三面鏡ではスタンドベースにスタンドが固定されているので、三面鏡を使用しないときにも嵩ばって収納に大きなスペースが必要であるという問題があった。
【0007】
本発明はかかる問題点に鑑み、使用しないときにはコンパクトにして小さなスペースに収納できるようにした卓上三面鏡を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そこで、本発明に係る卓上三面鏡は、鏡本体が両側の副鏡部を主鏡部に対して開閉自在に設けて構成され、上記主鏡部及び副鏡部はケースに鏡板を嵌め込んで構成される一方、床面に置かれるベースにスタンドが立設され、該スタンド上端部にはブラケット部が形成され、該ブラケット部に上記主鏡部の背面が水平軸回りに回転可能に取付けられて上記主鏡部が傾動し得るように設けられた卓上三面鏡において、上記主鏡部のケース背面には取付けベースがケース背面に対して垂直な垂直軸回りに上記主鏡部及び副鏡部の縦姿勢と横姿勢との間で回転し得るように取付けられ、上記スタンド上端部のブラケット部はコ字状をなし、上記主鏡部のケース背面の取付けベースは上記スタンド上端部のコ字状ブラケット部に上記ケース背面の垂直軸に対して直交する水平軸回りに回転し得るように取付けられている一方、上記スタンド端部にはコ字状ブラケット部が形成され、上記スタンドが立設されるベースには受け部が形成され、該受け部には上記スタンド下端部のコ字状ブラケットが水平軸回りに回転自在に取付けられて上記スタンドは上記スタンドが立設されるベースに対する起立姿勢と倒伏姿勢との間で傾動し得るように設けられていることを特徴とする。
【0009】
本発明の特徴の1つはスタンドをベースに対して起立・倒伏可能に設けるようにした点にある。
これにより、三面鏡を使用するときにはベースに対してスタンドを起立させ、鏡本体を旋回させることによって、顔や頭髪の広い範囲を鏡に写すことができる。
三面鏡を使用しないときには副鏡部を主鏡部に対して折り畳み、スタンドをベースに対して倒すと、全体としてコンパクトになり、小さなスペースに収納することができる。
【0010】
スタンド上側及び下側の水平軸の構造は特に限定されず、例えば通常の回転軸と軸受とによって構成することができるが、相互に対向する円筒部分を組合わせて水平軸を構成することもできる。
【0011】
すなわち、スタンド上端のコ字状ブラケット部には円筒部分を相互に対向して突設し、主鏡部のケース背面の取付けベースには円筒部分を外側方に突設し、スタンド上端のコ字状ブラケット部の円筒部分と主鏡部のケース背面の取付けベースの円筒部分とを相互に回転自在に嵌入させることによって、スタンド上側の水平軸を構成することができる。
【0012】
また、スタンド下端部のコ字状ブラケット部には円筒部分を相互に対向して突設し、ベース受け部には円筒部分を相互に外側方に突設し、スタンド上端のコ字状ブラケット部の円筒部分とベース受け部の円筒部分とを相互に回転自在に嵌入させることによって、スタンド下側の水平軸を構成することができる。
【0013】
すなわち、スタンド下側の水平軸の円筒部分の一方には円弧板部を、他方にはスタンドの縦姿勢及び横姿勢に対応する位置に突起を形成し、突起と円弧板部を競らせることによってスタンドを起立姿勢と倒伏姿勢に制動するようにしてもよい。
【0014】
スタンドは直線的な形状であってもよく、把持が容易な側面円弧状としてもよい。
【0015】
また、主鏡部のケース上端部及び下端部の中央には人の指を引っ掛け得る凹部を形成するのがよい。
【0016】
さらに、主鏡部の裏面には半透光性のシートを貼り付けてケースに嵌め込み、後述のLEDの発光によって主鏡部が透けて見えないようにするとともに、シートによって鏡板破損時の飛散防止機能を付与するのがよい。
【0017】
他方、副鏡部はケースに鏡板を嵌め込み、ケースに嵌合される枠体によって取付け状態に保持するのがよい。この副鏡部については鏡板は3倍~10倍の拡大鏡を採用することもできる。
【0018】
主鏡部内には照明用LED列を横方向又は縦方向に延びて設けるのがよい。この場合、LED列の前方の鏡背面の塗膜を任意の形状、例えば三角形、四角形、円形、直線状、星形、その他の形状に研磨して鏡の裏面を透明又は半透明とし、任意の形状の光を照射させることもできる。
【0019】
また、ベースには重錘を内蔵し、スタンドの起立時における倒れ防止機能を付与するのがよい。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明に係る卓上三面鏡の好ましい実施形態を示す正面図である。
図2】上記実施形態において副鏡部を閉じたときを示す正面図である。
図3図2の背面図である。
図4図2の底面図である。
図5】上記実施形態における主鏡部ケースの内部構造を示す図である。
図6】上記実施形態におけるスタンドと受け部の関係を示す図である。
図7】上記実施形態におけるベースと受け部を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明を図面に示す具体例に基づいて詳細に説明する。図1ないし図7は本発明に係る卓上三面鏡の好ましい実施形態を示す。図において、卓上三面鏡は鏡本体10とスタンド20とから構成され、鏡本体10は四角形状の主鏡部11と縦長四角形状の両側の副鏡部12とから構成され、副鏡部12は主鏡部11に折畳・展開し得るように枢支されている。
【0022】
主鏡部11及び副鏡部12では合成樹脂製ケース11A、12A内に正面から鏡板11B、12Bを嵌め込んで構成され、主鏡部11は鏡板11Bの裏面に半透光性のシートが貼り付けられて接着剤によって接着され、副鏡部12はケース12Aに枠体12Cが嵌め込まれて接着され、副鏡部12の鏡板12Bは枠体12Cによって取付け状態に保持されている。
【0023】
主鏡部11のケース11Aには上縁及び下縁の中央の指を引っ掛けるための凹部11Dが形成され、又ケース11A背面中央には取付けベース13がケース11A背面に対して垂直な垂直軸回りに回転自在に取付けられ、ロック片13Aとストッパー11Cとが相互に係合されることによって取付けベース13は主鏡部11及び副鏡部12の縦姿勢及び横姿勢に制動されるようになっている。
【0024】
また、取付けベース13はスタンド20上端部のコ字状ブラケット20Aに水平軸回りに回転自在に設けられている。取付けベース13には円筒部分が外側方に突出て形成され、スタンド20上端部のコ字状ブラケット20Aには円筒部分が相互に対向して形成され、取付けベース13の円筒部分とコ字状ブラケット20Aの円筒部分とは相互に回転自在にかつ密接するように嵌合されて上記水平軸が構成され、これによって主鏡部11及び副鏡部12は所望の角度に傾動されるようになっている。
【0025】
さらに、スタンド20の下端部にはコ字状ブラケット20Bが形成され、コ字状ブラケット20Bはスタンド20のベース20Kの受け部20Dに水平軸回りに回転自在に設けられている。コ字状ブラケット20Bには円筒部分20Eが相互に対向して形成され、受け部20Dには円筒部分20Fが外側方に突出して形成され、コ字状ブラケット20Bの円筒部分20Eと受け部20Dの円筒部分20Fとは相互に回転自在に嵌合されて水平軸が構成されている。
【0026】
また、受け部20Dの円筒部分20Fには半円形状のガイド溝20Gが形成され、コ字状ブラケット20Bの円筒部分20Eには円弧板部20Hが形成され、円弧板部20Hはガイド溝20G内に挿入されて回転角度が規定され、又ガイド溝20G内には突起20Jが形成され、円弧板部20Hは突起20Jと競られ、これによってスタンド20は起立姿勢及び倒伏姿勢に制動されるようになっている。
【0027】
さらに、主鏡部11のケース11A内上縁及び下縁にはLED基板11Eが設けられ、LED基板11EにはLED列が搭載され、スイッチ操作又はタッチセンサーによってケース11A内の電池がLEDに通電してLEDが点灯され、主鏡部11か照明されるようになっている。
【0028】
また、スタンド20のベース20K内には重錘が内蔵され、三面鏡の点灯が防止されている。
【0029】
以上のように、スタンド20をベース20Kに対して起立・倒伏可能に設けたので、三面鏡を使用するときにはベース20Kに対してスタンド20を起立させ、鏡本体10を旋回させることによって、顔や頭髪の広い範囲を鏡に写すことができる。
他方、三面鏡を使用しないときには副鏡部11Bを主鏡部11Aに対して折り畳み、スタンド20をベース20Kに対して倒すと、全体がコンパクトになり、小さなスペースに収納することができる。
【符号の説明】
【0030】
11 主鏡部 11A 主鏡部ケース
11B 主鏡部鏡板 12 副鏡部
12A 副鏡部ケース 12B 副鏡部鏡板
20 スタンド 20K ベース


図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7