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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-05
(45)【発行日】2023-10-16
(54)【発明の名称】浴室用カウンター
(51)【国際特許分類】
   A47K 4/00 20060101AFI20231006BHJP
【FI】
A47K4/00
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2019158200
(22)【出願日】2019-08-30
(65)【公開番号】P2021035478
(43)【公開日】2021-03-04
【審査請求日】2022-06-22
(73)【特許権者】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100161506
【弁理士】
【氏名又は名称】川渕 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(72)【発明者】
【氏名】長瀬 徳彦
(72)【発明者】
【氏名】今村 竜太
(72)【発明者】
【氏名】小川 朋位
【審査官】秋山 斉昭
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-179987(JP,A)
【文献】実開平5-42528(JP,U)
【文献】特開2017-64302(JP,A)
【文献】実開平2-28684(JP,U)
【文献】実開昭62-16348(JP,U)
【文献】特開2015-192849(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47K 4/00
A47K 3/12
A47K 1/00
A47B 81/00
E04H 1/00-1/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
浴室の側壁間に架設される浴室用カウンターであって、
前記側壁間の略全長にわたって設けられ、前記浴室の後壁との間に全長にわたって隙間が形成されているカウンター本体を備え
前記カウンター本体の上面が、前記後壁に向かって下り傾斜になっている浴室用カウンター。
【請求項2】
前記後壁に対向する前記カウンター本体の背面が、上方から下方に向かって前記後壁から離れるテーパ面で構成されている請求項1に記載の浴室用カウンター。
【請求項3】
対の側壁に取り付けられた一対の支持ブラケットと、
前記一対の支持ブラケットの間を架け渡すように設けられた梁と、を備え、
前記カウンター本体は、前記梁を隠蔽するように前記一対の支持ブラケットに支持されている請求項1または請求項2に記載の浴室用カウンター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴室用カウンターに関する。
【背景技術】
【0002】
浴室を構成する部品を予め工場で製造して、施工現場で各部品を組み立てて浴室を構築する浴室ユニットは、工期を短縮でき、且つ、品質を一定に保つことができるため、広く普及している。近年、例えば、少人数用の住居、宿泊施設の個室、スポーツジムの個室バスルーム、住居の第二バスルームなど、狭い空間用の浴室ユニットのニーズが高まっている。
【0003】
従来、在来工法の浴室や浴室ユニット内の壁面には、石鹸、洗面器など、浴室で使用する物品を載置するカウンターが取り付けられている。この他、使用者が着座姿勢で髪や身体を洗えるように、浴室内に着座可能なカウンターが設置された浴室がある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2013-179987号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のカウンター付き浴室は、露出した梁でカウンター本体を支持しているため、梁とカウンター本体との境界などに汚れが付きやすく清掃に手間がかかるという問題があった。
【0006】
そこで、本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、清掃しやすい浴室用カウンターを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る浴室用カウンターは、浴室の側壁間に架設される浴室用カウンターであって、前記側壁間の略全長にわたって設けられ、前記浴室の後壁との間に全長にわたって隙間が形成されているカウンター本体を備え、前記カウンター本体の上面が、前記後壁に向かって下り傾斜になっている
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施形態の浴室ユニットを示す斜視図である。
図2】本実施形態の浴室用カウンターの平面図である。
図3】本実施形態の浴室用カウンターの斜視図である。
図4】本実施形態の浴室用カウンターの水平断面図である。
図5】本実施形態の第一支持ブラケットの斜視図である。
図6】本実施形態の第二支持ブラケットの斜視図である。
図7図2のB-B線に沿う断面図である。
図8】本実施形態の浴室用カウンターの分解斜視図である。
図9】本実施形態の浴室用カウンターの使用例を示す模式図である。
図10】本実施形態の浴室用カウンターの施工態様を示す斜視図である。
図11】本実施形態の浴室用カウンターの施工態様を示す正面図である。
図12】本実施形態の浴室用カウンターの設置例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本実施形態に係る浴室用カウンター1について、図面を参照して説明する。なお、図面において、同一又は類似の部分には同一の符号を付して、重複する説明を省く場合がある。また、以下の説明では、特に断らない限り、浴室ユニット100が組み立てられた状態における各部材の姿勢について説明する。
【0010】
図1に示すように、本実施形態に係る浴室用カウンター1(以下、「カウンター1」とする。)は、浴室ユニット100の対向する一対の壁間に架設される。カウンター1は、浴室ユニット100の使用者が着座して使用することができる。
【0011】
浴室ユニット100は、フレームとパネルとを用いて、床、壁、天井および扉等を組み立てて建物の所定位置に設置される。
【0012】
以下の説明において、浴室ユニット100の複数の壁のうち、カウンター1が取り付けられる一対の壁を第一側壁110および第二側壁120と称する。第一側壁110および第二側壁120は一対の側壁に対応する。第一側壁110および第二側壁120に対して交差して配置される壁のうち、一方を後壁130と称し、後壁130に対向する壁を前壁170と称する。また、以下の説明において、一対の側壁110,120に沿う水平方向であり、前壁170と後壁130とを結ぶ方向を前後方向Yと称する。前後方向Yの前壁170側を前側Fと称し、後壁130側を後側Rと称する。また、前後方向Yに直交する水平方向を幅方向Xと称して説明する。さらに、前後方向Yおよび幅方向Xに直交する方向を上下方向Zと称して説明する。
【0013】
本実施形態では、第一側壁110が設けられている側面は全面壁材で覆われている。第二側壁120が設けられている側面には出入口121が形成されている。出入口121は、第二側壁120の前端と前壁170との間に形成される開口である。出入口121の周縁にはドア枠123が設けられ、ドア枠123にドア140が設けられている。ドア140は、前壁170側が回転軸中心となり、浴室側に回動する片持ちドアである。ドアは、片持ちドア、折戸、引き戸などいずれの形態であってもよい。
【0014】
図1に示す浴室ユニット100は、浴槽を備えないシャワーブースの例を示しているが、浴室ユニットは、浴槽を備えていてもよい。カウンター1は、浴室ユニット100に限らず、在来工法により施工された浴室においても適用可能である。
【0015】
図2図4に示すように、カウンター1は、一対の支持ブラケット5,6と、梁7A,7Bと、カウンター本体2とを備える。一対の支持ブラケット5,6は、一対の側壁110,120に取り付けられる。具体的には、第一側壁110に第一支持ブラケット5が取り付けられ、第二側壁120に第二支持ブラケット6が取り付けられている。カウンター本体2の幅方向Xの端部が一対の支持ブラケット5,6に取り付けられることにより、カウンター本体2が一対の側壁110,120間に架設される。カウンター1の後端は、後壁130から離間している。つまり、カウンター本体2は、一対の支持ブラケット5,6を介して、一対の側壁110,120のみに支持固定されている。
【0016】
図5は、第一支持ブラケット5の幅方向内側を示す斜視図である。第一支持ブラケット5は、第一側壁110に対向する壁固定部51と、一対の梁7A,7Bを支持する保持部59と、を備える。壁固定部51は、第一側壁110に取り付けられる際に、第一側壁110に当接する部分である。
【0017】
壁固定部51は、固定面511と、複数のネジ孔512とを有する。固定面511は、第一側壁110に取り付けられる際に、第一側壁110に対向配置されて当接する面である。複数のネジ孔512は、壁固定部51を幅方向Xに貫通する孔であり、第一支持ブラケット5を第一側壁110にネジ固定するためのネジ孔である。複数のネジ孔512は、前後方向Yおよび上下方向Zにそれぞれ離間して形成されている。本実施形態では、ネジ孔512は、例えば、3箇所に設けられているが、ネジ孔512は2以上であれば限定されない。
【0018】
壁固定部51は、後述する底部材4の凹部49と側面視形状が略同一の相似形状であり、凹部49より僅かに小さい寸法を有する。
【0019】
保持部59は、壁固定部51から幅方向Xに突出して形成され、カウンター本体2内に収容される部分である。第一支持ブラケット5が第一側壁110に取り付けられた状態で、保持部59は、壁固定部51から第二側壁120側に突出する。保持部59は、ベース体55と、梁7A,7Bをベース体55内に挿入する挿入凹部52と、梁7A,7Bを保持する梁保持部54と、カウンター本体2を固定するカウンター固定部552と、を備える。
【0020】
ベース体55は、上面551および下面553が固定面511に対して直交する面であり、上面551の方が下面553よりも前後方向Yの長さが長い。ベース体55は幅方向Xから見た側面視形状が壁固定部51よりも大きい。
【0021】
挿入凹部52は、前後方向Yにおける上面551の中央部に形成され、壁固定部51側に窪む切り欠き部である。挿入凹部52は、梁7A,7Bの端部が挿入可能な大きさを有する。挿入凹部52の下方には空間が形成されている。
【0022】
梁保持部54は、ベース体55の内部に前後方向Yに離間して2箇所形成されている。一対の梁保持部54,54は、挿入凹部52の前後方向Yの前側Fおよび後側Rに形成されている。梁保持部54は、梁7A,7Bを支持する支持面53と、梁7A,7Bを第一支持ブラケット5に固定する固定部56とを有する。支持面53は、梁7A,7Bを下方から支持する。支持面53は、梁7A,7Bの設置高さを位置決めする。
【0023】
固定部56は、支持面53と対向して上方に離間配置されている。固定部56には、上下方向Zに貫通するネジ孔561が形成されている。一対の梁保持部54,54は、前側Fまたは後側Rに支持面53から上下方向Zに延びる縦保持面58を有する。支持面53と、固定部56と、縦保持面58とにより、梁7A,7Bの幅方向Xの一方の端部が挿入可能な空間が形成されている。梁保持部54は、挿入凹部52側に開口部57が形成されている。挿入凹部52の下方に形成された空間と、梁保持部54に形成された空間とは開口部57を介して連通されている。
【0024】
カウンター固定部552は、ベース体55の下面553を備えている。カウンター固定部552には、前後方向Yに離間して上下方向Zに貫通するネジ孔554が2箇所形成されている。
【0025】
図6は、第二支持ブラケット6の幅方向内側を示す斜視図である。第二支持ブラケット6は、固定具61と、外装体62と、を備えている。外装体62は、固定具61のカバーに相当する。固定具61は、金属製の型材である。固定具61は、上下方向Zに延びる縦板部613と、縦板部613の上端から幅方向Xの内側に延びる上側横板部614と、縦板部613の下端から幅方向Xの内側に延びる下側横板部616とを有する。
【0026】
縦板部613には、幅方向Xに貫通し、第一側壁110に固定する際のネジ孔611が複数形成されている。上側横板部614には、上下方向Zに貫通し、梁7A,7Bを固定する際に用いるネジ孔615が形成されている。ネジ孔615は、幅方向Xに沿って長い長孔である。
【0027】
下側横板部616は、幅方向Xの内側の端部から下方に曲折するとともに、その下端で幅方向Xの外側にさらに屈曲した断面L字状の突出部617が形成されている。突出部617の下側の板部618には、上下方向Zに貫通し、カウンター本体2の底部材4を固定する際に用いるネジ孔619が形成されている。
【0028】
外装体62は、カウンター本体2と同様の樹脂製の立体部材である。外装体62は、カウンター本体2の色と同じ色の樹脂材料を用いて形成されている。外装体62は、壁固定部621と、収容部622と、フランジ部624とを備える。
【0029】
壁固定部621は、固定面625と、複数のネジ孔627(図3参照)とを有する。固定面625は、第二側壁120に取り付けられる際に、第二側壁120に対向配置されて当接する面である。複数のネジ孔627は、壁固定部621を貫通する孔であり、第二支持ブラケット6を第二側壁120にネジ固定するためのネジ孔である。複数のネジ孔627は前後方向Yおよび上下方向Zにそれぞれ離間して形成されている。本実施形態では、ネジ孔627は、例えば、3箇所に設けられているが、ネジ孔は2以上であれば限定されない。
【0030】
収容部622は、固定具61が収容される凹部である。収容部622は、壁固定部621の外縁から幅方向Xに延びて略筒状に形成されている。収容部622の外形は、後述する底部材4の凹部49と側面視形状が略同一の相似形状である。収容部622の開口縁部には、フランジ部624が形成されている。フランジ部624の外周縁は凹部49より大きい寸法を有する。
【0031】
図7図8に示すように、梁は、2本の梁7A,7Bで構成されている。梁7A,7Bは、それぞれ幅方向Xに沿って配置され、同じ高さで前後に平行に配置される。
【0032】
梁7A,7Bは同じ構成を有する共通部品である。梁7A,7Bは、例えば、アルミニウム型材からなる。梁7A,7Bは、角筒形状の本体部78と、下固定部73と、緩衝材77と、を備える。
【0033】
本体部78は、幅方向Xである長手方向の両端部71,72に支持ブラケット5,6への固定孔75が形成されている。本体部78には、上下方向Zに貫通する天板部材固定孔76が形成されている。図8では、一例として天板部材固定孔76が長手方向に間隔を空けて2カ所形成されている例を示している。天板部材固定孔76の数は、2つに限定されず、1つ形成される例や、長手方向に間隔を空けて3つ以上形成されていてもよい。
【0034】
本体部78の上面には、緩衝材77が設けられている。緩衝材77は、例えば、ゴム、スポンジなどからなるシート状の部材である。緩衝材77は、本体部78の上面に接着剤などを用いて貼り付けられている。
【0035】
下固定部73は、本体部78の長手方向の略中央部に、本体部78の下面781から下方に突出して設けられている。下固定部73は、長手方向から見て略U字状の支持片である。下固定部73は、本体部78の下面781と略平行であって、下方に離間した板状の固定部731を有する。固定部731には、上下方向Zに貫通するネジ孔732が形成されている。
【0036】
なお、梁は、一対の支持ブラケット5,6に連結されて、カウンター本体2を支持可能な構成であれば、2本の梁7A,7Bからなる構成に限定されない。例えば、幅方向Xのみならず前後方向Yの長さが長い1本の梁や、3本以上の長尺部材からなる梁であってもよい。
【0037】
図2図4図7図8に示すように、カウンター本体2は、平面視略長方形を有し、上面15および下面17が略平坦であり、幅方向Xに直交する縦断面が略台形の立体部材である。カウンター本体2の前後方向Yの長さは、上面15が下面17より長い。カウンター本体2は、前面が下端に向かって後方に傾斜するテーパ面16を有する。カウンター本体2は、後面が下端に向かって前方に傾斜するテーパ面18を有する。テーパ面16とテーパ面18は、下面17に対して同じ傾斜角度で形成されている。
【0038】
カウンター本体2は、天板部材3および底部材4を備える。カウンター本体2は、梁7A,7Bを覆うように配置され、梁7A,7Bに支持される部材である。天板部材3は、梁7A,7Bの上方に配置され、梁7A,7Bに支持される。底部材4は、梁7A,7Bの下方に配置されるとともに、梁7A,7Bに固定される。底部材4は、天板部材3と連結される。天板部材3および底部材4は例えば樹脂製である。天板部材3および底部材4を同一の材料および色で構成するとカウンター1の外観上、一体感が得られる。
【0039】
天板部材3は、略平板状の部材である。天板部材3の上面31は、カウンター本体2の上面15を構成し、使用者が着座可能な平坦面を有する。図7に示すように、天板部材3の下面32の外縁部には、下方に開口する挿入溝33が形成されている。下面32には、梁7A,7Bの天板部材固定孔76に対応する位置にネジ固定孔(不図示)が形成されている。
【0040】
天板部材3の下面32の前後方向Yの中央部には位置決め部34が形成されている。位置決め部34は、天板部材3が梁7A,7Bに支持されたときに、梁7A,7Bに当接する部分である。位置決め部34は天板部材3の梁7A,7Bに対する高さを位置決めできる。天板部材3の上面31から位置決め部34の下端までの長さL3は、前後方向Yで異なる。位置決め部34の前側Fの方が後側Rよりも長さL3が長い。そのため、天板部材3が梁7A,7Bに支持されたとき、天板部材3の上面31が前側から後側に向かって僅かに下降するように傾斜させることができる。
【0041】
図7図8に示すように、底部材4は、底板部44と、前板部45と、後板部46と、一対の側板部47,48とを有する薄板の立体部材である。底部材4の底板部44は平面視略長方形を有する。前板部45および後板部46は、底板部44の前後端からそれぞれ斜め上方に延びる傾斜面である。一対の側板部47,48は、底板部44の幅方向Xの両端部から上方に延びて形成されている。各側板部47,48には、支持ブラケット5,6が挿入される凹部49が形成されている。底板部44には、幅方向X及び前後方向Yに離間した複数の凸部421,422が形成されている。幅方向Xの中央部に位置する凸部421は、梁7A,7Bの下固定部73に当接する。幅方向Xの両端部に位置する凸部422は、支持ブラケット5,6に当接する。各凸部421,422には、上下方向Zに貫通する貫通孔43が形成されている。貫通孔43は、幅方向Xに長い長孔形状を有する。
【0042】
図2図9に示すように、本実施形態では、浴室ユニット100の一対の側壁110,120間に架設されるカウンター1であって、側壁110,120間の略全長にわたって設けられ、浴室ユニット100の後壁130との間に全長にわたって隙間dが形成されているカウンター本体2を備えている。
【0043】
カウンター本体2の上面15が、後壁130に向かって下り傾斜になっている。
【0044】
後壁130に対向するカウンター本体2の後板部46が、上方から下方に向かって後壁130から離れるテーパ面18で構成されている。
【0045】
図8に示すように、一対の側壁110,120に取り付けられる一対の支持ブラケット5,6と、一対の支持ブラケット5,6の間を架け渡すように設けられた梁7A,7Bと、を備え、カウンター本体2は、梁7A,7Bを隠蔽するように一対の支持ブラケット5,6に支持されている。
【0046】
次に、浴室ユニット100へのカウンター1の取付方法について説明する。
【0047】
第一支持ブラケット5を第一側壁110に固定し、第二支持ブラケット6を第二側壁120に固定する。
【0048】
図8図10に示すように、第一支持ブラケット5の固定面511を第一側壁110に当接させ、ネジ903で第一支持ブラケット5を第一側壁110に固定する。第一側壁110の裏面には不図示の裏板が設けられており、第一側壁110および裏板には予めネジ孔が形成されており、このネジ孔に固定面511のネジ孔512の位置を合わせてネジ903で固定する。
【0049】
第二支持ブラケット6の収容部622内に固定具61を挿入した状態で、外装体62の固定面625を第二側壁120に当接させ、ネジ904で第二側壁120に第二支持ブラケット6を固定する。第二側壁120の裏面には不図示の裏板が設けられており、第二側壁120および裏板には予めネジ孔が形成されており、このネジ孔に壁固定部621のネジ孔627および固定具61のネジ孔611の位置を合わせてネジ904で固定する。
【0050】
第一支持ブラケット5および第二支持ブラケット6を側壁110,120に取り付ける順序は特に限定されない。
【0051】
次に、第二支持ブラケット6に梁7A,7Bを仮固定する。梁7A,7Bの第二端部72を固定具61の上側横板部614と下側横板部616との間に挿入し、梁7A,7Bの固定孔75と固定具61のネジ孔615とを位置合わせした状態で、ネジ902で仮固定する。
【0052】
続いて、第一支持ブラケット5に梁7A,7Bを固定する。梁7Bの第一端部71を第一支持ブラケット5の挿入凹部52に上方から挿入し、梁7Bを後壁130側にずらして開口部57を経由して梁保持部54内に挿入する。梁保持部54内に挿入された梁7Bの第一端部71の下面が支持面53に支持され、上面が固定部56に近接配置される。この状態で、梁7Bの第一端部71の固定孔75と、第一支持ブラケット5のネジ孔561とを位置合わせする。固定孔75とネジ孔561とが位置合わせされた状態で、ネジ901を用いて梁7Bの第一端部71を固定部56に固定する。この時、梁7Bの第二端部72は、第二支持ブラケット6に対して仮固定状態であるため、梁7Bの第二支持ブラケット6に対する幅方向Xの位置を微調整できる。すなわち、一対の側壁110,120間の寸法誤差に対して対応可能に構成されている。
【0053】
前側Fの梁7Aも後側Rの梁7Bと同様の方法で、第一支持ブラケット5に固定する。なお、前側Fの梁7Aは、挿入凹部52に挿入後、前側Fにずらして梁保持部54に収容し、上記と同様の方法で固定する。梁7A,7Bは、一対の支持ブラケット5,6に固定された状態で、上面が水平に配置される。
【0054】
次に、天板部材3を固定する。天板部材3を梁7A,7Bの上方から近付けて、本体部78上に載置する。天板部材3の位置決め部34を、緩衝材77に当接させる。続いて、梁7A,7Bの下方からネジ906を天板部材固定孔76に挿入し、梁7A,7Bと天板部材3とを固定する。
【0055】
続いて、底部材4を固定する。図7図11に示すように、底部材4を梁7A,7Bの下方から上方に持ち上げ、底部材4の立ち上がり片50を天板部材3の挿入溝33に挿入する。このとき、底部材4の幅方向Xの両側の凹部49内に各支持ブラケット5,6の壁固定部51および収容部622が配置される。また、底部材4の幅方向Xの両側の各凸部422が第一支持ブラケット5のカウンター固定部552と第二支持ブラケット6の固定具61の板部618に当接し、幅方向Xの中央部の各凸部421が梁7A,7Bの下固定部73に当接する。
【0056】
続いて、ネジ905で下方から、底部材4を梁7A,7Bおよび支持ブラケット5,6に固定し、カウンター1の取付が終了する。
【0057】
図9図12に示すように、浴室ユニット100にカウンター1が取り付けられると、カウンター1の後端が後壁130から離間して配置される。カウンター1が取り付けられると、第二支持ブラケット6の外装体62の収容部622の外面が一部露出する。外装体62はカウンター本体2と同じ材料・同じ色で形成されているため、外装体62が露出しても、カウンター本体2と外観上一体化して見える。なお、図12は、折れ戸の場合を図示している。
【0058】
本実施形態では、浴室ユニット100の一対の側壁110,120間に架設されるカウンター1であって、側壁110,120間の略全長にわたって設けられ、浴室ユニット100の後壁130との間に全長にわたって隙間dが形成されているカウンター本体2を備えている。このように構成することで、シャワー使用時に、後壁130の表面131に付着した水やシャンプーの泡などが、表面131を伝ってそのまま床面160まで障害物がなくスムーズに流れる。床面160に流れてきた水などは床面160の勾配により排水口161(図2参照)まで導かれる。したがって、清掃しやすいカウンター1を提供することができる。また、隙間dが形成されていることにより、使用者が着座状態から立ち上がる際に、手のひらをカウンター1の上面に、指を隙間dに入れることにより立ち上がりやすい。
【0059】
カウンター本体2の上面15が、後壁130に向かって下り傾斜になっている。このように構成することで、シャワー使用時に、カウンター1の上面15に付着した水やシャンプーの泡などが、後壁130側へ流れ、隙間dから下方へとスムーズに導かれる。床面160に流れてきた水などは床面160の勾配により排水口161まで導かれる。カウンター1の後壁130側に隙間dが形成されていることにより、カウンター1の上面15に水などが滞留することがなくなり、上面15が水垢などで汚れてしまうのを抑制することができる。また、使用者がカウンター1に着座した際に、後壁130に向かって下り傾斜になっていることにより、座りやすい。
【0060】
後壁130に対向するカウンター本体2の後板部46が、上方から下方に向かって後壁130から離れるテーパ面18で構成されている。このように構成することにより、使用者が着座状態から立ち上がる際に、手のひらをカウンター1の上面に、指を隙間dに入れ、さらに指先をテーパ面18に支持させることにより、よりスムーズに立ち上がることができる。また、カウンター1を清掃する際に、テーパ面18を形成することで隙間dが大きくなり、清掃しやすい。
【0061】
一対の側壁110,120に取り付けられた一対の支持ブラケット5,6と、一対の支持ブラケット5,6の間を架け渡すように設けられた梁7A,7Bと、を備え、カウンター本体2は、梁7A,7Bを隠蔽するように一対の支持ブラケット5,6に支持されている。カウンター1をこのように構成することにより、所望の耐荷重を確保するとともに、後壁130から独立したカウンター1を実現することができる。
【0062】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【0063】
例えば、上述の実施形態では、カウンター1の上面15は後壁130に向かって下り傾斜になっている場合の説明をしたが、傾斜方向は任意に設定可能である。
【0064】
また、後板部46にテーパ面18を形成した場合の説明をしたが、テーパ面18はなくてもよい。
【0065】
上記実施形態では、一対の側壁110,120間にカウンター1を設置した場合で説明したが、浴槽を有する浴室ユニットの場合、浴槽側面のエプロンと側壁との間にカウンター1を設置すればよい。
【符号の説明】
【0066】
1…カウンター(浴室用カウンター)、2…カウンター本体、5…第一支持ブラケット(支持ブラケット)、6…第二支持ブラケット(支持ブラケット)、7A…梁、7B…梁、15…上面、18…テーパ面、46…後板部(背面)、110…第一側壁(側壁)、120…第二側壁(側壁)、130…後壁、d…隙間
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