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特許7361607気体中に存在する酸素の量を測定するためのデバイス、およびそのような測定デバイスを備える空気分離モジュール
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  • 特許-気体中に存在する酸素の量を測定するためのデバイス、およびそのような測定デバイスを備える空気分離モジュール 図1
  • 特許-気体中に存在する酸素の量を測定するためのデバイス、およびそのような測定デバイスを備える空気分離モジュール 図2
  • 特許-気体中に存在する酸素の量を測定するためのデバイス、およびそのような測定デバイスを備える空気分離モジュール 図3
  • 特許-気体中に存在する酸素の量を測定するためのデバイス、およびそのような測定デバイスを備える空気分離モジュール 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-05
(45)【発行日】2023-10-16
(54)【発明の名称】気体中に存在する酸素の量を測定するためのデバイス、およびそのような測定デバイスを備える空気分離モジュール
(51)【国際特許分類】
   G01N 27/26 20060101AFI20231006BHJP
   B01D 53/22 20060101ALI20231006BHJP
   B64D 13/00 20060101ALI20231006BHJP
   B64D 37/34 20060101ALI20231006BHJP
   G01N 1/00 20060101ALI20231006BHJP
   G01N 27/28 20060101ALI20231006BHJP
   G01N 27/409 20060101ALI20231006BHJP
   G01N 27/416 20060101ALI20231006BHJP
【FI】
G01N27/26 381B
G01N27/26 381C
G01N27/26 391A
B01D53/22
B64D13/00
B64D37/34
G01N1/00 101R
G01N27/28 M
G01N27/409 100
G01N27/416 381
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019557684
(86)(22)【出願日】2018-01-05
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-03-12
(86)【国際出願番号】 FR2018050025
(87)【国際公開番号】W WO2018127667
(87)【国際公開日】2018-07-12
【審査請求日】2020-09-02
【審判番号】
【審判請求日】2022-06-14
(31)【優先権主張番号】1750185
(32)【優先日】2017-01-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】514235879
【氏名又は名称】サフラン エアロテクニクス エスアーエス
(73)【特許権者】
【識別番号】509004859
【氏名又は名称】レール・リキード・ソシエテ・アノニム・プール・レテュード・エ・レクスプロワタシオン・デ・プロセデ・ジョルジュ・クロード
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】オリヴィエ・バンドルー
(72)【発明者】
【氏名】ネリー・ジルー
(72)【発明者】
【氏名】ノルベール・ポンシネ
(72)【発明者】
【氏名】ジョルジュ・ガスパル
(72)【発明者】
【氏名】ジル・ドレートル
(72)【発明者】
【氏名】ジャン-ミシェル・カズナーヴ
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ・ボゲット
【合議体】
【審判長】石井 哲
【審判官】松本 隆彦
【審判官】櫃本 研太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-172726(JP,A)
【文献】特開2012-202973(JP,A)
【文献】特開2010-54294(JP,A)
【文献】特開2013-185483(JP,A)
【文献】特開2001-206294(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0219554(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0263035(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N27/26
G01N27/409
G01N27/416
G01N27/419
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
分析されることになる気体中に存在する酸素の量を測定するためのデバイス(1)であって、前記酸素の量を測定するための少なくとも1つの測定用のプローブ部材と、測定用の前記プローブ部材と連通することが意図された、分析されることになる気体を供給するための第1の入口(5)と、分析された気体を排出するための出口(7)とを備えたデバイスにおいて、測定用の前記プローブ部材と連通することが意図された第2の入口(6)を備え、較正ガス中に存在する酸素の量の測定により、較正ガス中に存在する酸素の実際の既知の量に対する測定用の前記プローブ部材の測定のドリフトを決定することが可能になるように、当該デバイス(1)に、既知の量の酸素を有する較正ガスが選択的に供給されることを可能にしており、
決定された前記ドリフトに基づいて測定用の前記プローブ部材の自動較正を実行するために、測定用の前記プローブ部材と通信するマイクロコントローラ(9)を備えており、且つ前記マイクロコントローラ(9)は、プローブの経年劣化テストに対するデータを組み込んでおり、
酸素の量を測定するための少なくとも1つの前記プローブ部材が、気体中に存在する酸素の分圧を測定することが可能であるジルコニウムプローブ(4)を備えており、
前記デバイスは、前記ジルコニウムプローブ(4)に配置された温度センサ(18)であって、前記マイクロコントローラ(9)が、測定された温度に基づいて前記ジルコニウムプローブ(4)の供給電圧を変化させることが可能であるように、前記マイクロコントローラ(9)に接続された温度センサ(18)を備えていることを特徴とするデバイス(1)。
【請求項2】
前記マイクロコントローラ(9)によって制御される選択モジュール(13)であって、前記第1の入口(5)から来る気体または前記第2の入口(6)から来る較正ガスのどちらかを分析するために、選択されたときに、前記第1の入口(5)または前記第2の入口(6)を測定用の前記プローブ部材と連通させることが可能である選択モジュール(13)を備えていることを特徴とする、請求項1に記載のデバイス(1)。
【請求項3】
前記選択モジュール(13)が空気選択モジュールであることを特徴とする、請求項2に記載のデバイス(1)。
【請求項4】
前記空気選択モジュール(13)が、当該デバイス(1)の前記第1の入口(5)および前記第2の入口(6)にそれぞれ接続された2つの入口(15、16)と、測定用の前記プローブ部材と連通する出口(17)と、を備えているソレノイドバルブ(14)を備えていることを特徴とする、請求項3に記載のデバイス(1)。
【請求項5】
前記ジルコニウムプローブ(4)に配置され、前記マイクロコントローラ(9)によって支配される圧力センサ(10)を備えていることを特徴とする、請求項1に記載のデバイス(1)。
【請求項6】
航空機の少なくとも1つの燃料タンクを不活性化するためのシステム内で不活性化ガスを生成する空気分離モジュール(20)であって、少なくとも1つの透過性膜を内側に有し、前記膜を通過することが意図された圧縮空気のための入口(22)と、酸素富化空気のための出口(23)と、不活性化ガスと呼ばれる酸素欠乏空気のための出口(21)と、を備えた空気分離モジュール(20)において、請求項1から5のいずれか一項に記載のデバイス(1)を備え、前記デバイスの第1の入口(5)が、当該空気分離モジュール(20)の酸素欠乏空気のための前記出口(21)に接続され、前記デバイスの第2の入口(6)が、較正ガス源(24)に接続され、或いは、これに接続されることが意図されている、ことを特徴とする空気分離モジュール(20)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、気体中に存在する酸素の量を測定するためのデバイス、ならびにそのような測定デバイスを備える空気分離モジュールに関する。「酸素の量」は、より詳細には、酸素の割合またはパーセンテージを指す。
【0002】
本発明は、有利には、たとえば、飛行機などの航空機機内で不活性ガスを生じさせるためのシステムによって生成される気体中に含まれる酸素のパーセンテージまたは分圧を確認するために適用可能である。
【0003】
別の有利な適用例は、たとえば、その可燃性性質を確認するための、燃料タンクなどの容積内に存在する酸素のパーセンテージの測定に包含される。
【背景技術】
【0004】
航空学の分野では、空気流が通過するポリマー膜などの透過性膜を有する空気分離モジュールを備える、航空機の燃料タンクを不活性するためのシステムが知られている。膜の窒素および酸素に対する透過率が異なることにより、システムは、高い窒素含有量をもつ空気流および高い酸素含有量をもつ空気流が得られるように、空気流を分割する。
【0005】
窒素富化空気部分が航空機の燃料タンクへ運搬され、その結果この場所内に存在する空気とケロシン蒸気の混合物の酸素濃度が減少され前記タンクを不活性にする。
【0006】
あるいは、酸素富化空気部分は、適切な手段を使用して処置された後、客室に再導入されてよい。
【0007】
これらの適用例では、特に燃料タンクを不活性にすることが意図された気体に関して、前記空気分離モジュールによって排出された気体中に存在する酸素の量を正確に知ることが重要である。
【0008】
そのために、ジルコニウムプローブを備える測定用手段を実施する測定デバイスを使用して、前記気体中で必要な測定を実行し、酸素の量を決定することが知られている。ジルコニウムプローブは、特に、固定電圧によって給電される。
【0009】
しかしながら、このタイプの測定デバイスは、環境条件に敏感であり、測定デバイスが提供する測定は、制御できずにドリフトする可能性がある。実際、ジルコニウムプローブによって行われる測定は、前記プローブの環境使用条件に基づいて、特に測定用手段が保たれる周囲温度に基づいて、可変である。
【0010】
さらに、プローブによって行われる測定は、ジルコニウムベースの高感度素子の経年変化に対処しないため、経時的にランダムにドリフトする。
【0011】
別の欠点はプローブの管理にあり、これは、その製造プロセスに関連する相違に対処しない。
【0012】
最後に、不活性化ガス(inerting gas)を分析することからなる考慮される適用例では、測定デバイスの精度の確認は、プローブによって発された信号がドリフトしていないことを確実にすることを目的とし、頻度が非常に低く、特にメンテナンス作業中にのみ行われる。さらに、説明される分析器は、誤動作の発生源を決定することを可能にする機能を有し、その結果メンテナンス作業中に時間を節約することを可能にする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
したがって、本発明の1つの目的は、気体中に存在する酸素の量を経時的に確実かつ正確に測定することを可能にするデバイスを提案することによって、これらの欠点を解消することである。
【0014】
本発明の別の目的は、特に、その測定のドリフトを制限するように、またはそのドリフトをなくしさえするように、環境条件に敏感でない測定用バイスを提供することである。
【0015】
本発明の別の目的は、航空機燃料タンクを不活性化するためのシステムの空気分離モジュールの出口において据え付け可能である測定デバイスを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
そのために、最新技術により分析されることになる気体中に存在する酸素の量を測定するためのデバイスであって、酸素の量を測定するための少なくとも1つの部材と、分析されることになる気体を供給するための、測定用部材と連通することが意図された第1の入口と、前記分析された気体を排出するための出口とを備える、デバイスが開発された。
【0017】
本発明によれば、デバイスは、測定用部材と連通することが意図された第2の入口を備え、較正ガス中に存在する酸素の量の測定により、較正ガス中に存在する酸素の実際の既知の量に対する測定用の前記部材の測定の潜在的なドリフトを決定することが可能になるように、前記デバイスに、既知の量の酸素を有する較正ガスが選択的に供給されることを可能にする。
【0018】
実際、較正ガスは、測定デバイスによって与えられる測定が変えられず、実際は現実に対応することを確認することを可能にする。たとえば、使用される較正ガスは、周囲空気であってよく、その組成は、地球周辺および15キロメートルの高度までの任意の点において、20.9%酸素であることが知られている。このようにして、周囲空気中に存在する酸素の実際の量の値を本発明によるデバイスによって与えられる測定の値と比較することによって、一方では測定用部材の潜在的なドリフトを確認し、他方では正確な測定を提供するように測定用の前記部材を較正することが可能である。
【0019】
有利には、本発明による測定デバイスは、決定されたドリフトに基づいて測定用部材の自動再較正を実行するために測定用部材によって支配されたマイクロコントローラを備える。この動作は、リアルタイムで任意の瞬間に、単純かつ迅速に行われ得る。したがって、メンテナンス作業によって、測定用部材のドリフトが確認され、必要な場合はドリフトが再較正されるのを待つことは必要でない。したがって、本発明による測定デバイスは、使用範囲全体にわたって最適な測定精度を有する。
【0020】
特定の一実施形態によれば、本発明による測定デバイスは、マイクロコントローラによって制御され、第1の入口から来る気体または第2の入口から来る較正ガスのどちらかを分析するために、選択されたとき第1の入口または第2の入口を測定用部材と連通させることが可能である選択モジュールを備える。
【0021】
具体的な一実施形態によれば、好ましくは空気式である、選択モジュールは、測定デバイスの第1の入口および第2の入口にそれぞれ接続された2つの入口と、測定用部材と連通する出口とを備えるソレノイドバルブを備える。
【0022】
たとえば、酸素の量を測定するための部材は、気体中に存在する酸素の分圧を測定することが可能であるジルコニウムプローブを備え、この分圧から、気体中に存在する酸素の量を推定することが可能である。
【0023】
有利には、デバイスは、ジルコニウムプローブにおいて配置され、マイクロコントローラが、プローブのコアを一定の温度に保つように、測定された温度に基づいてジルコニウムプローブの供給電圧を変化させることが可能であるように、マイクロコントローラによって支配される温度センサを備える。
【0024】
有利には、本発明によるデバイスは、測定用ポイントにおける圧力を測定するためにジルコニウムプローブにおいて配置された圧力センサを備える。前記圧力センサは、前記マイクロコントローラが、気体中に存在する酸素のパーセンテージを酸素の分圧から計算することを可能にするように、マイクロコントローラによって支配される。
【0025】
本発明は、航空機の少なくとも1つの燃料タンクを不活性化させるシステム内で不活性化ガスを生成する空気分離モジュールも提供しようともする。このモジュールは、少なくとも1つの透過性膜を内側に有し、膜を通過することが意図された圧縮空気のための入口と、酸素富化空気のための出口と、不活性化ガスと呼ばれる酸素欠乏空気のための出口とを備える。本発明によれば、空気分離モジュールは、前述の特徴による測定デバイスを備え、その第1の入口は、空気分離モジュールの酸素欠乏空気のための出口に接続され、その第2の入口は、較正ガス源に接続される、またはこれに接続されることが意図されている。
【0026】
他の利点および特性は、添付の図面に基づいて、測定デバイスの非限定的な例によって提供される、本発明の以下の説明からさらに明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明による測定デバイスの動作図を示す詳細な概略図である。
図2】たとえば空気分離モジュールから来る気体中に存在する酸素の量を測定するための、本発明による測定デバイスの空気式選択モジュールと測定用部材との間の接続を示す概略図である。
図3】たとえば周囲空気などの較正ガス中に存在する酸素の量を測定するための、図2の概略図に類似した概略図である。
図4】酸素の量を測定するためのデバイスを備える、本発明による空気分離モジュールの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1を参照すると、本発明は、気体中に存在する酸素の量を測定するためのデバイス(1)に関し、有利には、航空機の不活性化システムの空気分離モジュールによって排出された気体中に存在する酸素の量を測定することに適用可能である。
【0029】
本発明による測定デバイス(1)は、たとえば、ジルコニウムプローブ(4)をたとえば備える、酸素の量を測定するための少なくとも1つの部材(3)を含むケーシング(2)を備える。ケーシング(2)は、分析されることになる気体を供給するために前記プローブ(4)と連通することが意図された第1の入口(5)と、既知の量の酸素を有する、周囲空気などの較正ガスをプローブ(4)に供給するためにプローブ(4)と選択的に連通することが意図された第2の入口(6)と、前記分析された気体を排出するための出口(7)とを備える。
【0030】
そのために、測定用部材(3)は、気体が供給されることが意図された入口(3a)と、ケーシング(2)の出口(7)に接続された排出出口(3b)とを備える。既知の様式では、プローブ(4)は、安定化ジルコニウムから作製された検出セル(8)を備え、気体中に存在する酸素の分圧を測定するための電極を実施する。ジルコニウムプローブ(4)、たとえばタイプKGZ10のプローブは、最新技術からよく知られており、約4.5Vの直流電圧がマイクロコントローラ(9)によって供給される。気体中に存在する酸素のパーセンテージを推定するために、本発明によるデバイス(1)は、測定用ポイントにおける圧力を測定するためにジルコニウムプローブ(4)において配置され、酸素のパーセンテージを酸素の分圧から計算することを可能にするようにマイクロコントローラ(9)によって支配される圧力センサ(10)を備える。
【0031】
実際には、図4を参照すると、考慮される有利な適用例では、測定デバイス(1)は、第1の入口(5)によって、たとえば、燃料タンクを不活性にするために酸素欠乏気体を燃料タンクに供給することが意図された空気分離モジュール(20)の不活性化ガス出口(21)に接続される。より具体的には、空気分離モジュール(20)は、少なくとも1つの透過性膜を内側に有し、膜を通過することが意図された圧縮空気のための入口(22)と、酸素富化空気のための出口(23)と、不活性化ガスと呼ばれる酸素欠乏空気のための出口(21)とを備える。酸素欠乏気体流は、入口(5)を通過することによってデバイス(1)を通過し、したがって測定用部材(3)の入口(3a)によって測定のためのジルコニウムプローブ(4)と連通し、次に、測定部材の出口(3b)を通り、デバイス(1)の出口(7)を通って排出される。この気体中に存在する酸素の量の測定は、連続的にリアルタイムで分析される。本出願では、測定デバイス(1)の入口(5、6)および出口(7)は、炎の前進を止めるためのフィルタと要素(11)とを備える。デバイス(1)は、測定デバイス(1)の内部で一定の圧力を維持することを可能にし、測定を歪ませることを可能にしない、排水口(12)も備える。
【0032】
実際には、測定デバイス(1)によって与えられる測定のドリフトを確認すること、特に、周囲空気などの較正ガス源(24)に接続された第2の入口(6)に切り換えることが必要であるとき、デバイス(1)は、デバイス(1)の第1の入口(5)および第2の入口(6)にそれぞれ接続された2つの入口(15、16)と、ジルコニウムプローブ(4)と連通する出口(17)とを備えるソレノイドバルブ(14)を備える、好ましくは空気式(13)である、選択モジュールを備える。
【0033】
図2および図3を参照すると、ソレノイドバルブ(14)は、ソレノイドバルブ(14)の第1の入口(15)または第2の入口(16)を閉鎖するように、およびデバイス(1)の第2の入口(6)または第1の入口(5)をジルコニウムプローブ(4)と連通させるために他方の入口を開くように、マイクロコントローラ(9)によって制御される。
【0034】
したがって、マイクロコントローラ(9)は、較正ガス中に存在する酸素の既知の実際の量に対するプローブ(4)の潜在的なドリフトを決定することを可能にするように、較正ガス中に存在する酸素の量の定期的測定を実行するために、測定デバイス(1)の第2の入口(6)をプローブ(4)と連通させることが可能である。実際、既知の実際の量、すなわち周囲空気の場合は地球周辺および高度が15kmまでの任意の点において20.9%酸素とともに得られる測定と比較して、マイクロコントローラ(9)は、ジルコニウムプローブ(4)による測定の潜在的なドリフトを決定する。
【0035】
マイクロコントローラ(9)は、決定されたドリフトに基づいて前記プローブ(4)の自動再較正を実行することを可能にするためにジルコニウムプローブ(4)によって支配される。マイクロコントローラ(9)は、たとえば、ジルコニウムプローブ(4)によって測定された値に重みを適用して、前記測定を既知の実際の値に再調整する。したがって、プローブ(4)は、リアルタイムで、メンテナンス作業を必要とすることなく、自動的に再較正される。
【0036】
測定精度を最適化するために、デバイス(1)は、ジルコニウムプローブ(4)において配置され、マイクロコントローラ(9)が、特にプローブのコアを一定の温度に保つように、測定された温度に基づいてジルコニウムプローブ(4)の供給電圧を変化させることが可能であるように、マイクロコントローラ(9)によって支配される温度センサ(18)を備える。そのために、抵抗器(19)は、必要な場合はプローブを加熱することを可能にする。
【0037】
したがって、本発明による測定デバイス(1)は、一方では、供給電圧を、プローブ(4)の周囲温度および個々の特性の関数として変化させることを可能にする。この管理は、測定の精度を改善し、環境条件に敏感でなく、一方、動作中に必要な場合は測定を再較正するために、プローブのコアを一定の温度に保つことをもたらす。
【0038】
測定は、酸素の分圧を供給し、したがってこれは、具体的にはエンジン空気の回収からの、自律的呼吸用酸素生成システムの実装形態に関するが、プローブ(4)の近くに設置された絶対圧センサ(10)を介して酸素パーセンテージに変換される、頭字語「On-Board Oxygen Generating」(機上酸素生成)による、OBOGS適用例に、またはたとえば燃料タンクを不活性化するための不活性ガス生成システムの実装形態に関する、頭字語「On-Board Inert Gas Generation Systems」(機上不活性ガス生成システム)による、OBIGGS適用例に、使用される。
【0039】
コマンドおよび制御ロジックのすべては、本発明によるデバイス(1)へ統合されたマイクロコントローラ(9)から作成される。このマイクロコントローラ(9)は、アラームまたは測定デバイス(1)のさまざまな構成要素の適切な動作信号を生成するためにも使用される。
【0040】
マイクロコントローラ(9)は、たとえば、異なる周囲温度サイクル、周囲圧力、供給圧力、および酸素含有量レベルの関数として少なくとも1ダースのジルコニウムプローブ(4)の平均応答を決定するために可変の環境条件の下でテストされた前記プローブを特徴づける補正曲線を呈するソフトウェアと関連づけられる。これらの曲線は、デバイス(1)へ統合され、適用可能な場合はデバイス(1)のドリフトを補正することを可能にする。
【0041】
ソフトウェアは、その自然なドリフトを決定し、自己確認および自己較正機能を組み込むことを可能にするために、プローブの経年劣化テストに対するデータも組み込む。ソフトウェアは、特に、プローブの制御の較正および適合法則を含む。
【0042】
マイクロコントローラ(9)はまた、たとえば、規則的な間隔で、較正ガス中に存在する酸素の量の測定を回収するようにソレノイドバルブ(14)を制御することを可能にし、前記測定から、時間の関数としてジルコニウムプローブ(4)のドリフトのグラフを作成する。
【0043】
したがって、上記から、本発明による測定デバイス(1)は、その測定のドリフトを制限するように、またはそのドリフトをなくしさえするように、環境条件に敏感でなく、測定の自動でリアルタイムの再較正を可能にし、それによってメンテナンス作業を制限しながら、気体中に存在する酸素の量を確実かつ正確に測定することを可能にすることが明らかになる。
【符号の説明】
【0044】
1 測定デバイス、デバイス
2 ケーシング
3 測定用部材、部材
4 ジルコニウムプローブ、プローブ
5 第1の入口、入口
6 第2の入口
7 出口
8 検出セル
9 マイクロコントローラ
10 圧力センサ、絶対圧センサ
11 要素
12 排水口
13 空気式
14 ソレノイドバルブ
15 第1の入口
16 第2の入口
17 出口
18 温度センサ
19 抵抗
20 空気分離モジュール
21 不活性化ガス出口、出口
22 入口
23 出口
24 較正ガス源
図1
図2
図3
図4