(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-05
(45)【発行日】2023-10-16
(54)【発明の名称】安全管理システム及び安全管理方法
(51)【国際特許分類】
G05B 9/02 20060101AFI20231006BHJP
【FI】
G05B9/02 A
(21)【出願番号】P 2020025381
(22)【出願日】2020-02-18
【審査請求日】2022-01-14
(73)【特許権者】
【識別番号】501137636
【氏名又は名称】東芝三菱電機産業システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108062
【氏名又は名称】日向寺 雅彦
(74)【代理人】
【識別番号】100168332
【氏名又は名称】小崎 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100146592
【氏名又は名称】市川 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100172188
【氏名又は名称】内田 敬人
(72)【発明者】
【氏名】林 将大
(72)【発明者】
【氏名】平山 光憲
【審査官】田中 友章
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-162965(JP,A)
【文献】特開2001-320698(JP,A)
【文献】特開2008-191823(JP,A)
【文献】実開平9-199(JP,U)
【文献】特開2013-246784(JP,A)
【文献】特開2007-122481(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B 9/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
人の侵入が制限された安全管理エリアに配置され、前記安全管理エリアを撮像した画像情報を生成する撮像装置と、
前記安全管理エリアの施錠と解錠を行う施錠装置と、
コントローラと、
を備え、
前記コントローラは、
前記施錠装置の施錠状態に関する情報が入力される入力部と、
前記画像情報に基づいて前記安全管理エリアの人の有無に関する人検知情報を生成するデータ収集装置と、
前記人検知情報に基づいて前記安全管理エリアに人が不在であると判断したときに、前記施錠装置の解錠状態の停止を命じる解錠停止信号を生成する制御部と、
前記解錠停止信号を前記施錠装置に出力する出力部と、
を有し、
前記データ収集装置は、
前記画像情報に写る物体と人の輪郭形状を抽出する人形状抽出部と、
前記輪郭形状を学習済人形状情報と比較して、一致した場合は人を検出したと判断し、一致しなかった場合は人を検出しなかったと判断して、前記人検知情報を生成する人形状認識部と、
を有する安全管理システム。
【請求項2】
前記制御部は、前記解錠停止信号を生成した後に前記安全管理エリアに配置された機械の稼働を許可する稼働許可信号を生成し、
前記出力部は、前記稼働許可信号を前記機械に出力する請求項1記載の安全管理システム。
【請求項3】
前記安全管理エリアに配置され、人の通過を検出して人の通過を表す通過検知情報を生成するライトカーテンをさらに備えた請求項1または2に記載の安全管理システム。
【請求項4】
前記制御部は、前記入力部を介して前記通過検知情報を取得する請求項3記載の安全管理システム。
【請求項5】
前記制御部は、前記通過検知情報と前記人検知情報に基づいて前記安全管理エリアに人が不在であると判断したときに前記解錠停止信号を生成する請求項3または4に記載の安全管理システム。
【請求項6】
前記安全管理エリアは、前記ライトカーテンによって第1分割エリアと第2分割エリアに区画され、
前記制御部は、前記人検知情報と前記通過検知情報とに基づいて前記第1分割エリア及び前記第2分割エリアに人が不在であると判断する請求項3~5のいずれか1つに記載の安全管理システム。
【請求項7】
前記第1分割エリアに、前記施錠装置が施錠と解錠を行う扉が配置された請求項6記載の安全管理システム。
【請求項8】
前記撮像装置は、前記第1分割エリアを撮像した画像情報を生成し、
前記制御部は、前記人検知情報に基づいて前記第1分割エリアに人が不在であると判断し、前記通過検知情報に基づいて前記第2分割エリアに人が不在であると判断する請求項6または7に記載の安全管理システム。
【請求項9】
前記機械は、前記第1分割エリアに配置された請求項6~8のいずれか1つに記載の安全管理システム。
【請求項10】
前記制御部は、前記第1分割エリアの人の不在を判断したときに前記稼働許可信号を生成する請求項9記載の安全管理システム。
【請求項11】
前記第2分割エリアに、前記制御部が前記出力部を介して稼働の許否を制御する第2の機械が配置されている請求項6~10のいずれか1つに記載の安全管理システム。
【請求項12】
前記制御部は、前記第2分割エリアの人の不在を判断したときに前記第2の機械の稼働を許可する第2稼働許可信号を生成する請求項11記載の安全管理システム。
【請求項13】
人の侵入が制限された安全管理エリアを撮像した画像情報を生成する工程と、
前記画像情報に基づいて前記安全管理エリアにおいて人の有無に関する人検知情報を生成する工程と、
前記人検知情報に基づいて前記安全管理エリアに人が不在であるか否かを判断する工程と、
前記安全管理エリアに人が不在であるときに、前記安全管理エリアの解錠を停止する工程と、
を備え、
前記人検知情報を生成する工程は、
前記画像情報に写る物体と人の輪郭形状を抽出する工程と、
前記輪郭形状を学習済人形状情報と比較して、一致した場合は人を検出したと判断し、一致しなかった場合は人を検出しなかったと判断して、前記人検知情報を生成する工程と、
を有する安全管理方法。
【請求項14】
前記安全管理エリアに配置されたライトカーテンが、人の通過を検出して人の通過状況を表す通過検知情報を生成する工程をさらに備え、
前記判断する工程は、前記人検知情報と前記通過検知情報に基づいて判断する請求項13記載の安全管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、安全管理システム及び安全管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
産業プラントは多数の機械で構成されている。稼働中の動作により人に危害を与える可能性のある一部の機械は、柵や壁などで囲われ、例えばPLC(Programmable Logic Controller)によって施錠管理された安全管理エリアに配置されており、安全管理エリア内に人が不在であるときに機械を稼働させて安全を確保している。しかしながら、施錠管理のみでは人の不在を確実に確認できないという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
実施形態は、信頼性が高い安全管理システム及び安全管理方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態に係る安全管理システムは、人の侵入が制限された安全管理エリアに配置され、前記安全管理エリアを撮像した画像情報を生成する撮像装置と、前記安全管理エリアの施錠と解錠を行う施錠装置と、コントローラを備える。前記コントローラは、入力部、データ処理装置、出力部、及び、制御部を有するコントローラを有する。前記入力部は、前記施錠装置の施錠状態に関する情報が入力される。前記データ収集装置は、前記画像情報に基づいて前記安全管理エリアの人の有無に関する人検知情報を生成する。前記制御部は、前記人検知情報に基づいて前記安全管理エリアに人が不在であると判断したときに、前記施錠装置の解錠状態の停止を命じる解錠停止信号を生成する。前記出力部は、前記施錠装置に前記解錠停止信号を出力する。
【0006】
実施形態に係る安全管理方法は、人の侵入が制限された安全管理エリアを撮像した画像情報を生成する工程と、前記画像情報に基づいて前記安全管理エリアにおいて人の有無に関する人検知情報を生成する工程と、前記人検知情報に基づいて前記安全管理エリアに人が不在であるか否かを判断する工程と、前記安全管理エリアに人が不在であるときに、前記安全管理エリアの解錠を停止する工程と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本実施形態では、信頼性が高い安全管理システム及び安全管理方法が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1実施形態に係る安全管理システムを示す図である。
【
図2】第1実施形態に係る安全管理システムと安全管理エリアを示す図である。
【
図3】第1実施形態に係る安全管理システムの基本動作を示すフローチャートである。
【
図4】第1実施形態における画像処理を示すフローチャートである。
【
図5】第1実施形態におけるデータ収集装置の処理を示す図である。
【
図6】第1実施形態における人形状抽出部の処理を示す図である。
【
図7】第1実施形態における人形状認識部の処理を示す図である。
【
図8】第1実施形態における開閉管理を示すフローチャートである。
【
図9】第2実施形態に係る安全管理システムを示す図である。
【
図10】第2実施形態に係る安全管理システムと安全管理エリアを示す図である。
【
図11】第2実施形態における侵入確認を示すフローチャートである。
【
図12】第2実施形態における侵入確認を示すフローチャートである。
【
図13】第2実施形態における立入処理を示すフローチャートである。
【
図14】第2実施形態の第1変形例に係る安全管理システムと安全管理エリアを示す図である。
【
図15】第2実施形態の第1変形例における立入処理を示すフローチャートである。
【
図16】第2実施形態の第2変形例に係る安全管理システムと安全管理エリアを示す図である。
【
図17】第2実施形態に係る第3変形例に係る安全管理システムと安全管理エリアを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態について説明する。
なお、図面は模式的または概念的なものであり、各構成の大きさや配置などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ構成を表す場合であっても、図面により寸法の比率が異なって表される場合もある。また、本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して詳細な説明を適宜省略する。
【0010】
(第1実施形態)
<安全管理システムの構成>
図1は、本実施形態に係る安全管理システムを示す図である。
図2は、本実施形態に係る安全管理システムと安全管理エリアを示す図である。
【0011】
図1、
図2に示すように、本実施形態に係る安全管理システム101は、例えば、プラント施設に付随するものであって、プラント施設内の複数の安全管理エリアSAに設置された様々な機械7をコントローラ1の管理によって安全な状態で稼働させるものである。
【0012】
本実施形態に係る安全管理システム101には、コントローラ1と、施錠装置3と、安全管理エリアSAの画像情報Vを生成する撮像装置4とが設けられている。コントローラ1には、入力部11、制御部12、出力部13、及び、データ収集装置14が設けられている。データ収集装置14は制御部12に接続されている。安全管理エリアSAは、人の通過を阻止する柵21で囲われ、柵21には人の通過を可能とする扉22が設けられており、扉22は施錠装置3によって施錠及び解錠が行われる。これによって安全管理エリアSAへの人の侵入が制限されている。
【0013】
以下、本実施形態の説明は、プラント施設内の1つの安全管理エリアSAに関して詳述する。「安全管理エリアSA」とは、プラント等の工業施設において、機械7が稼働している際は人が機械7に接近しないように人の立ち入りが禁止されており、機械7が停止している等の所定の条件下で人の立ち入りが許可されるエリアを意味する。
【0014】
<コントローラ>
コントローラ1は、通信線5によって機械7と施錠装置3に接続され、機械7の稼働を許可及び禁止し、施錠装置3に施錠及び解錠を命じるものである。コントローラ1は、例えばPLC(Programmable Logic Controller)である。コントローラ1は、例えば入力部11と、入力部11から入手した情報に基づいて制御信号を生成する制御部12と、制御部12で生成した制御信号を出力する出力部13とから基本的に構成される。本実施形態のコントローラ1においては、更にデータ収集装置14が組み込まれ、制御部12に直接接続されている。
【0015】
入力部11は、複数の接続端子を有し、接続端子に通信線5が接続され、通信線5に接続された施錠装置3と機械7から情報を取得する。入力部11は、通信線5を構成する通信線51aを介して施錠装置3に接続され、施錠装置3から施錠情報Lを取得し、通信線5を構成する通信線51bを介して機械7に接続され、機械7から稼働情報Mを取得する。「施錠情報L」とは、施錠装置3が施錠状態であるか解錠状態であるかを表す情報である。「施錠状態」とは、施錠装置3が扉22を施錠している状態をいう。「解錠状態」とは、施錠装置3が扉22を解錠している状態をいう。「稼働情報M」とは、機械7が稼働状態であるか、停止状態であるかを表す情報である。「稼働状態」とは、機械7が稼働している状態をいう。「停止状態」とは、機械7が稼働していない状態をいう。
【0016】
制御部12は、予め設定された制御内容に従って施錠装置3の施錠と解錠を管理する施錠管理信号と、機械7の稼働と停止を管理する稼働管理信号と、安全管理エリアSAの安全確認を命ずる安全確認信号A1を生成する。制御部12の制御内容は、オペレータがプログラミングにより変更可能である。
【0017】
施錠管理信号は、例えば施錠装置3に解錠を命じる解錠信号と、解錠を停止する解錠停止信号A2と、施錠情報Lの入力を求める施錠情報要求信号等の信号である。稼働管理信号は、機械7について稼働を許可する稼働許可信号A4と稼働を禁止する稼働禁止信号A5等の信号である。安全確認信号A1は、データ収集装置14に安全管理エリアSAの人の有無に関する人検知情報Dの生成を命ずるものである。
【0018】
また、制御部12は、人検知情報Dに基づいて安全管理エリアSAにおける人の有無を判断し、施錠情報Lに基づいて施錠装置3の施解錠状態を判断し、これらの結果に基づいて所定の制御を行う。
【0019】
出力部13は、複数の接続端子を有し、接続端子に通信線5が接続され、通信線5に接続された施錠装置3と機械7に制御部12で生成された制御信号を送信する。出力部13は、通信線5を構成する通信線52aを介して施錠装置3に接続され、通信線5を構成する通信線52bを介して機械7に接続されている。制御部12で生成された施錠管理信号と稼働管理情報は、施錠装置3と機械7が接続された接続端子にそれぞれ出力され、通信線52a、52bを介して施錠装置3と機械7にそれぞれ送信される。
【0020】
データ収集装置14は、配線53、54がそれぞれ接続された入出力端末を有する入出力部14aと、処理部14bを含む。入出力部14aは、制御部12と配線53を介して接続され、撮像装置4と配線54を介して接続されている。処理部14bは、安全管理エリアSAの人の有無に関する人検知情報Dを生成し、制御部12からの安全確認信号A1に基づいて撮像命令などの信号を生成する。データ収集装置14は、専用のハードウエアでもよく、汎用のパーソナルコンピュータによって実現してもよい。
【0021】
コントローラ1の具体的な構成は上記に限定されない。例えば、コントローラ1は、PLCではなく、DCS(Distributed Control System)等であってもよい。
【0022】
<安全管理エリアSA>
図2に示すとおり、安全管理エリアSAには、その外郭を覆う柵21、扉22、施錠装置3、撮像装置4、及び、機械7が配置されている。安全管理エリアSAは、機械7の稼働に伴って発生する可能性のある危険要因から人を守るために、柵21と扉22に覆われた閉鎖的空間である。安全管理エリアSAは、施錠装置3によって扉22の施錠と解錠を管理されることにより、人の侵入が制限されている。柵21は、例えば、前柵21aと、前柵21aの両側に前柵21aに対して交差して配置された側柵21b、21cと、前柵21aに対して平行であって側柵21b、21cに対して交差した位置に配置された奥柵21dとを有する。前柵21aは、中央に人が通行可能な入口と、入口を開閉する扉22が配置されている。扉22は、例えば、前柵21aに対して平行移動することで入口を開閉する。
【0023】
<施錠装置>
図1に示すとおり、施錠装置3は、被係止部31と、係止部32と、励磁部33と、検知部34を有する。被係止部31は、例えば扉22に設けられている。係止部32は、例えば前柵21aに設けられている。被係止部31と係止部32が係合することによって、扉22を施錠状態にする。励磁部33は、係止部32を励磁により変位させ、被係止部31との係合を解き、扉22を解錠するものである。検知部34は、扉22の施錠及び解錠を検知するものである。
【0024】
以下、各構成について詳述する。
被係止部31は、扉22が閉じた状態において、励磁により変位されていない係止部32と係合する位置に設けられている。
【0025】
図1に示すとおり、係止部32は、被係止部31と励磁部33の間で励磁部33側に設けられた軸を中心に回動可能に設けられている。係止部32の一端は、閉じた状態の扉22の被係止部31に向かって、例えば
図1に示す矢印の方向に向かって例えばバネにより付勢されている。これにより、励磁部33が消磁状態のときは、閉じた扉22の被係止部31に係止部32が係合し、例えば扉22の平行移動を制限し、扉22を施錠状態にする。励磁部33が励磁されると、係止部32の他端は、励磁部33に向かって回動して引き寄せられ、係止部32の一端と被係止部31の係合を解き、扉22を解錠状態にする。
【0026】
励磁部33は、例えばソレノイドであって、通信線52aを介して出力部13に接続されている。励磁部33は、出力部13からの解錠信号により電圧が印加されて励磁され、解錠停止信号A2により電圧の印加が停止され消磁される。
【0027】
施錠装置3の施錠状態は、扉22が閉じた状態において係止部32が被係止部31と係合して扉22の移動を制限する状態である。施錠装置3の解錠状態は、扉22が開いた状態、または、扉22が閉じていても、励磁部33の励磁により係止部32が被係止部31に係合しておらず、扉22を開けることができる状態である。
【0028】
検知部34は、例えば電気接点を含み、通信線51aに接続されている。検知部34は、例えば被係止部31の係止部32の間に配置されている。検知部34は、被係止部31と係止部32の係合または非係合によって電気接点が切り替わることにより、施錠情報Lを生成することができる。詳細には、入力部11は、検知部34が接続された通信線51aに所定の電圧を印加する。係止部32が被係止部31と係合しているときは、検知部34の電気接点がオン状態となるため、入力部11には所定の電流が入力され、制御部12は、これを施錠状態を表す施錠情報Lと認識する。係止部32が被係止部31と係合していないときは、検知部34の電気接点がオフ状態となるため、入力部11は電流を検出せず、制御部12は、これを解錠状態を表す施錠情報Lと認識する。
【0029】
<撮像装置>
撮像装置4は、安全管理エリアSAに設置され、複数のカメラ41~45を含む。カメラ41~45は、それぞれ安全管理エリアSAの内部を撮像して画像情報Vを生成する。撮像装置4は、相互通信可能な配線54を介してデータ収集装置14に接続されている。これにより、撮像装置4は、画像情報Vをデータ収集装置14に送信し、データ収集装置14で生成された信号を受信することができる。以下、安全管理エリアSAにおけるカメラ41~45の配置の一例を説明する。
【0030】
図2に示すように、カメラ41、42は、前柵21aの扉22の両側に配置されている。カメラ41は、前柵21aと機械7の間と側柵21cと機械7の間の空間を主に撮像した画像情報V1を生成する。カメラ42は、前柵21aと機械7の間と側柵21bと機械7の間の空間を主に撮像した画像情報V2を生成する。
【0031】
カメラ43、44は、一対の側柵21b、21cの中央にそれぞれ配置されている。カメラ43は、前柵21aと奥柵21dの間であって機械7と側柵21bの間の空間を主に撮像した画像情報V3を生成する。カメラ44は、前柵21aと奥柵21dの間であって機械7と側柵21cの間の空間を主に撮像した画像情報V4を生成する。
【0032】
カメラ45は、奥柵21dの中央に配置され、側柵21bと側柵21cの間であって奥柵21dと機械7の間の空間を主に撮像した画像情報V5を生成する。以上により、安全管理エリアSAにおける機械7の周囲の画像情報Vは、画像情報V1~V5から構成される。
【0033】
データ収集装置14について更に詳述する。
図5に示すように、データ収集装置14の処理部14bは、人形状抽出部14ba、人形状認識部14bb、及び、人検出結果出力部14bcを含む。これらにより、画像情報Vから人を検出し人検知情報Dを生成する。人検知情報Dは入出力部14aから制御部12に送信される。また、処理部14bは、制御部12から取得した安全確認信号A1に基づいて画像情報の取得を命じる画像収集信号B1を生成し、入出力部14aから撮像装置4に送信する。
【0034】
本実施形態においては、データ収集装置14は、制御部12に直接接続することでコントローラ1に直接付加して形成されているが、これに限られない。例えば、データ収集装置14は、入力部11と出力部13の空いている接続端子に他の通信線5を介して外部から接続してもよい。
【0035】
<機械>
機械7は、安全管理エリアSAにおいて柵21の内側に配置されている。機械7には、リレー部7aと本体部7bが設けられている。リレー部7aは、通信線51bを介して入力部11に接続され、通信線52bを介して出力部13に接続されている。リレー部7aは、制御部12が生成した稼働管理信号が入力され、本体部7bの稼働を許可又は禁止する。本体部7bは、機械7の本来の機能を実現する部分である。リレー部7aは、機械7が稼働しているか否かを表す稼働情報Mを生成する。稼働情報Mは、リレー部7aから通信線51bを介して入力部11に送信される。
【0036】
次に、本実施形態の動作について説明する。
【0037】
<安全管理システムの動作>
図3は、本実施形態に係る安全管理システムの基本動作を示すフローチャートである。安全管理システム101による安全管理は、安全管理エリアSAについて画像処理S2、開閉管理S3、及び退去処理S4を組み合わせて行われる。画像処理S2においては、撮像装置4が安全管理エリアSAの画像情報Vを生成し、データ収集装置14が画像情報Vに基づいて安全管理エリアSAの人の有無に関する人検知情報Dを生成する。開閉管理S3においては、安全管理エリアSAにおける人の有無に応じて制御部12が施錠装置3を管理する。退去処理S4においては、機械7の稼働を許可する。
【0038】
例えば、コントローラ1が、安全確認信号A1を生成し、安全管理エリアSAの人の有無を確認する画像処理S2を行い、人の有無に合わせて開閉管理S3を行い、人の不在が確認できたら退去処理S4を行う。退去処理S4の完了により、機械7は稼働できる状態となる。機械7の稼働中または稼働許可中は、施錠装置3による解錠を禁止して施錠状態を維持する。
【0039】
以下に、画像処理S2について詳述する。
図4は、本実施形態における画像処理を示すフローチャートである。
図5は、本実施形態におけるデータ収集装置の処理を示す図である。
図6は、本実施形態における人形状抽出部の処理を示す図である。
図7は、本実施形態における人形状認識部の処理を示す図である。
【0040】
図3に示すように、制御部12は、画像処理S2の開始の条件である安全確認信号A1を生成する(ステップS1)。安全確認信号A1は、安全管理エリアSA内の例えば人の有無の確認などの安全確認を開始するためのものである。生成された安全確認信号A1は、入出力部14aに入力され、処理部14bは、画像収集信号B1を生成する。画像収集信号B1は、入出力部14aから出力され、撮像装置4のカメラ41~45に入力される。カメラ41~45は、予め設定された視点で安全管理エリアSAを撮像し、画像情報V1~V5を生成する。画像情報V1~V5は、安全管理エリアSAにおける機械7の周囲を撮像した画像情報Vを構成する。
【0041】
図4に示すように、画像情報Vは、データ収集装置14の入出力部14aに送信され、処理部14bに入力される(ステップS21)。
図5に示すように、全ての画像情報V1~V5は、処理部14bにおいて人形状抽出部14ba、人形状認識部14bb、人検出結果出力部14bcによって処理され、人検知情報Dが生成される(ステップS22)。
【0042】
図6に示すように、人形状抽出部14baは、画像情報V1~V5全てについて物体配列情報を生成する。物体配列情報とは、全ての画像情報V1~V5について、これらに写る物体の輪郭形状を抽出し、配列情報をそのまま維持したものである。例えば、
図5の左側に示すような重なり合った物体と人が並んだ画像情報から、
図5の右側に示すような並びをそのまま維持した物体と人の輪郭形状のみをそれぞれ表した物体配列情報を生成する。
【0043】
図5及び
図7に示すように、人形状認識部14bbには、人形状蓄積部14bdが併設されている。人形状認識部14bbは、取得した全ての物体配列情報と人形状蓄積部14bdに蓄積された学習済人形状情報を比較して人検知情報Dを生成する(ステップS22)。詳細には、人検知情報Dは、全ての物体配列情報と学習済人形状情報が1つでも一致した場合は人を検出したことを表す人検出情報となり、一致しなかった場合は人を検出しなかったことを表す人未検出情報となる。
【0044】
人検出結果出力部14bcは、人形状認識部14bbから取得した人検知情報Dを入出力部14aに出力する。制御部12は、入出力部14aから人検知情報Dを取得する。
【0045】
図4に示すように、制御部12は、人検知情報Dに基づいて安全管理エリアSA内の人の有無を判断する(ステップS23)。人検知情報Dが人検出情報である場合、制御部12は、安全管理エリアSAに人が存在すると判断し、再び安全確認信号A1を生成して送信し(ステップS1)、安全管理エリアSAの人の不在を確認するまで画像処理S2を繰り返す。人検知情報Dが人未検出情報である場合、制御部12は、安全管理エリアSAの人の不在を判断して画像処理S2は終了し、開閉管理S3へ進む。
【0046】
以下、開閉管理S3について詳述する。
図8は、本実施形態における開閉管理を示すフローチャートである。開閉管理S3においては、制御部12は、解錠停止信号A2を生成する(ステップS31)。解錠停止信号A2は、出力部13から施錠装置3の励磁部33に出力される。解錠停止信号A2によって励磁部33への電圧の印加が停止され、励磁部33は消磁される。
【0047】
消磁された時に扉22が解錠状態の場合は、係止部32の一端は被係止部31に向かって回動する。係止部32は被係止部31に係合し、扉22は施錠状態になる。消磁された時に扉22が施錠状態の場合は、そのまま施錠状態は維持される。
【0048】
次に、制御部12は、施錠情報Lの入力を求める施錠情報要求信号を生成する(ステップS32)。施錠情報要求信号により、入力部11は通信線51aに電圧を印加し、制御部12には、検知部34を介した電流の有無による施錠情報Lが入力される(ステップS33)。
【0049】
制御部12は、施錠情報Lに基づいて施錠装置3の施解錠状態を判断する(ステップS34)。制御部12は、オン状態の施錠情報Lが入力された場合、施錠装置3は施錠状態であると判断し、オフ状態の施錠情報Lが入力された場合、施錠装置3は解錠状態であると判断する。
【0050】
制御部12は、施錠装置3が解錠状態であると判断したときは、再び施錠情報要求信号を生成し(ステップ32)、施錠装置3の施錠状態を判断するまでステップS32~S34を繰り返す。制御部12は、施錠装置3が施錠状態であると判断したときは、開閉管理S3を終了して退去処理S4へ進む。
【0051】
退去処理S4において、制御部12は、稼働許可信号A4を生成してリレー部7aに出力する。これにより、リレー部7aは本体部7bに稼働を許可し、本体部7bは稼働を開始できる状態になる。
【0052】
次に、本実施形態の効果について説明する。
安全管理システム101においては、コントローラ1、施錠装置3、及び、撮像装置4を備え、画像処理S2、開閉管理S3、及び、退去処理S4を行うことにより、安全管理エリアSAが無人であることを確認した上で、機械7を安全に稼働させることができる。安全管理エリアSAの画像情報Vに基づいてデータ収集装置14が人検知情報Dを生成し、制御部12が人検知情報Dに基づいて安全管理エリアSAの人の有無を判断し、人の有無に合わせて開閉管理S3及び退去処理S4を行うことにより、簡便かつ信頼性の高い安全管理システムにすることができる。
【0053】
なお、データ収集装置14と撮像装置4による画像処理を行わず、制御部12が通常は施錠装置3を施錠状態にしておき、解錠状態を表す施錠情報Lが入力された場合に、人が安全管理エリアSAに侵入したことを推定することもできる。しかし、解錠状態を示す施錠情報Lだけでは安全管理エリアSAの人の有無を正確に判断することが困難である。これに対して、本実施形態によれば、制御部12は、画像処理S2で生成された人検知情報Dに基づいて安全管理エリアSAの人の有無を判断し、その結果に合わせて開閉管理S3及び退去処理S4を行うため、安全管理エリアSAの安全管理をより簡便かつ確実に行うことができる。
【0054】
(第2実施形態)
<安全管理システムの構成>
図9は、本実施形態に係る安全管理システムを示す図である。説明の便宜上、
図9は、ライトカーテン6に関する構成を強調したものであり、その他の構成はカメラ41~44の台数以外は
図1と同じであるため省略している。
図10は、本実施形態に係る安全管理システムと安全管理エリアを示す図である。
【0055】
本実施形態に係る安全管理システム102には、第1の実施形態に係る安全管理システム101の構成に加えて、さらにライトカーテン6が設けられている。ライトカーテン6は、安全管理エリアSAに設けられ、安全管理エリアSA内の所定箇所の人の通過を検出する。ライトカーテン6は、投光ユニット61と受光ユニット62を有する。受光ユニット62は、通信線52cを介して出力部13に接続されるとともに、通信線51cを介して入力部11に接続される。受光ユニット62は出力部13から信号を受信し、入力部11に信号を送信する。本実施形態においては、制御部12は、ライトカーテン6の情報にも基づいて、安全管理エリアSAへの人の侵入の有無を判断し、この結果に基づいて安全管理エリアSAの安全管理を行う。
【0056】
<ライトカーテン>
投光ユニット61は、一の方向に並んだ複数の投光部を含む柱形状をなし、通過検出期間Tにおいて連続的に複数の投光部から光を照射することによって、帯状に配列された光を照射する。受光ユニット62は、一の方向に並んだ複数の受光部を含む柱形状をなし、通過検出期間Tにおいて複数の受光部が帯状に配列された照射光を受光し続ける。通過検出期間Tにおいて例えば人が投光ユニット61と受光ユニット62との間を通過すると、いくつかの投光部から出射した光が人によって一定期間遮られ、いくつかの受光部は一定期間光を検出しない。これにより、受光ユニット62は、例えば人が投光ユニット61と受光ユニット62の間を一回通過したことを検出する。
【0057】
ライトカーテン6は、上面視において安全管理エリアSAを横切る1つの検出線63上に配置される。これにより、受光ユニット62は、人が検出線63上に存在すること及び通過したことを検出できる。
【0058】
投光ユニット61は、例えば、側柵21bの近傍において、床面に垂直に配置されている。受光ユニット62は、例えば、側柵21cの近傍において、床面に垂直に配置されている。各投光部と各受光部を結ぶ線分が検出線63となる。これにより、投光ユニット61から照射された帯状の照射光は、上面視において検出線63を通過するように進行し、受光ユニット62によって受光される。
【0059】
検出線63は、安全管理エリアSAの上面視において扉22が設けられた前柵21aに平行に、前柵21aと機械7の間の空間に設定されている。これにより、扉22から人が侵入した場合すぐに検出線63を通過するため、ライトカーテン6は、安全管理エリアSAへの人の侵入を検知することができる。
【0060】
投光ユニット61と受光ユニット62の間には、床面に平行に設けられた検出線63が例えば垂直方向に多段に設定される。検出線63は、人が床面を歩行して通過した場合にその人が横切るような高さ範囲に位置している。これにより、ライトカーテン6は人の通過を確実に検出することができる。
【0061】
受光ユニット62は、制御部12で生成された安全確認信号A6が入力されると、入力された時より前の通過検出期間Tにおいて検出線63を人が通過した回数を表す通過検知情報Pを生成し、通信線51cを介して入力部11に出力する。通過検出期間Tは、例えば、今回入力された安全確認信号A6より1つ前の安全確認信号A6が入力された時から今回入力された安全確認信号A6の入力された時までの期間である。
【0062】
<コントローラ>
コントローラ1の制御部12は、安全管理エリアSAについて人の侵入の確認を命ずる安全確認信号A6と、侵入があった場合、安全管理エリアSA内の監視の開始を命ずる立入処理開始信号A7を生成する。
【0063】
制御部12は、安全確認信号A6を入力部11の通信線52cが接続された端末に出力し、通信線52cを介して受光ユニット62に入力する。通過検知情報Pを取得した制御部12は、通過検知情報Pに基づいて安全管理エリアSAへの人の侵入の有無を判断する。
【0064】
また、制御部12は、立入処理開始信号A7をデータ収集装置14に出力する。制御部12は、人検知情報Dに基づいて人が存在すると判断すると、機械7の稼働を禁止する稼働禁止信号A5を生成する。
【0065】
<撮像装置>
図10に示すとおり、撮像装置4は、4台のカメラ41~44を有する。カメラ41、42は、前柵21aにおいて扉22の両側にそれぞれ配置されている。カメラ41は、前柵21aと機械7の間と側柵21cと機械7の間の空間を主に撮像した画像情報V1を生成する。カメラ42は、前柵21aと機械7の間と側柵21bと機械7の間の空間を主に撮像した画像情報V2を生成する。カメラ43、44は、カメラ41、41bに対面させ、奥柵21dの両端に配置されている。カメラ43は、機械7と側柵21c及び奥柵21dの間の空間を主に撮像した画像情報V3を生成する。カメラ44は、機械7と側柵21b及び奥柵21dの間の空間を主に撮像した画像情報V4を生成する。以上により、安全管理エリアSAにおける機械7の周囲の画像情報Vは、画像情報V1~V4から構成される。
【0066】
次に、本実施形態の動作について説明する。
【0067】
<安全管理システムの動作>
図11は、本実施形態に係る安全管理システムの基本動作を示すフローチャートである。安全管理システム102は、安全管理エリアSAについて侵入確認S5、立入処理S6、開閉管理S3、及び、退去処理S4を実施する。先ず、開放状態にある安全管理エリアSAの安全管理について説明する。
【0068】
侵入確認S5においては、ライトカーテン6が生成した通過検知情報Pに基づいて、開放状態にある安全管理エリアSAへの人の侵入の有無を制御部12が判断する。安全管理エリアSAの開放状態とは、機械7が稼働しておらず、施錠装置3が解錠状態にある状態である。立入処理S6においては、安全管理エリアSAに人が侵入したと判断した場合に、画像処理S2を行い、制御部12が人の有無に合わせて施錠装置3を施錠または解錠する。
【0069】
以下に、侵入確認S5について詳述する。
図12は、本実施形態における侵入確認を示すフローチャートである。
図11に示すように、制御部12は、侵入確認S5の開始の条件である安全確認信号A6を生成する(ステップS1)。生成された安全確認信号A6は、通信線52cを介して受光ユニット62に入力される。受光ユニット62は、通過検出期間T内において受光が途絶えた回数を表す通過検知情報Pを通信線51cを介して入力部11へ入力する(ステップS51)。
【0070】
制御部12は、安全管理エリアSAへの人の侵入の有無を判断する(ステップS52)。0回を表す通過検知情報Pであれば、制御部12は、安全管理エリアSAへの侵入は無かったと判断する。この場合、制御部12は、定期的に安全確認信号A6を生成し(ステップS1)、1以上の回数を表す通過検知情報Pが入力されるまで侵入確認S5を繰り返す。1回以上を表す通過検知情報Pであれば、制御部12は、安全管理エリアSAに人が侵入したと判断して、侵入確認S5を終了する。
【0071】
なお、制御部12は、安全確認信号A6を生成しなくてもよい。具体的には、侵入確認S5の開始は、投光ユニット61と受光ユニット62を常時作動させた状態において、受光ユニット62が受光しなくなった時に1回を表す通過検知情報Pを生成し、通過検知情報Pに基づいて制御部12が人の侵入の有無を判断することにしてもよい。
【0072】
以下に、立入処理S6について詳述する。
図13は、本実施形態における立入処理を示すフローチャートである。立入処理S6は、安全管理エリアSAに人の侵入があった場合に、安全管理エリアSAの人の不在を確認するまで画像情報V1を用いて安全管理エリアSAを監視して機械7の稼働を禁止することである。安全管理エリアSAの監視は、前述の画像処理S2と同様の処理によって行う。
【0073】
制御部12は、安全管理エリアSAに人の侵入があったと判断して侵入確認S5が終了すると、立入処理の開始を命ずる立入処理開始信号A7を生成する(ステップS61)。立入処理開始信号A7は、制御部12からデータ収集装置14に入力される。処理部14bは画像収集信号B1を生成して、撮像装置4に出力する。撮像装置4は、画像情報Vを生成し、データ収集装置14に入力する(ステップS62)。処理部14bは、画像情報Vから人検知情報Dを生成する(ステップS63)。
【0074】
制御部12は、人検知情報Dが人検出情報である場合、安全管理エリアSAにまだ人が存在すると判断し、稼働禁止信号A5を生成する(ステップS65)。制御部12は、人の不在を確認するまで上記の立入処理S6を繰り返すことにより安全管理エリアSAの監視をする。出力部13から稼働禁止信号A5を取得した機械7のリレー部7aは、本体部7bの稼働を禁止する。制御部12は、人検知情報Dは人未検出情報である場合、安全管理エリアSAに侵入した人は退出したと判断して、立入処理S6を終了する。その後、第1実施形態と同様に、開閉管理S3、退去処理S4へと進む。
【0075】
一方、機械7の稼働準備状態においては、侵入確認S5において人の侵入が検出されなかった場合は、ステップS52からステップS1ではなく、立入処理S6に進む。立入処理S6においても人の不在が確認されたときは、開閉管理S3に進む。開閉管理S3において、施錠情報Lにより施錠装置3の施錠状態を確認したときは、退去処理S4に進み、リレー部7aに稼働許可信号A4を送信して機械7を再稼働できる状態にする。
【0076】
次に、本実施形態の効果について説明する。
安全管理システム102においては、侵入確認S5、立入処理S6、開閉管理S3、及び、退去処理S4を組み合わせることにより、開放状態にある安全管理エリアSAの安全管理を簡便化し信頼性を担保することができる。扉22の前に配置されたライトカーテン6が、安全管理エリアSAへの人の侵入を検出して侵入確認S5をし、人の侵入があった場合は撮像装置4によって安全管理エリアSAの監視をし、人が存在するときは機械7の稼働を禁止することにより、より簡便かつ効率的に開放状態にある安全管理エリアSAの安全管理を行うことができる。
【0077】
(第2実施形態の第1変形例)
次に、第2実施形態に係る第1変形例について説明する。
図14は、本変形例に係る安全管理システムと安全管理エリアを示す図である。本変形例に係る安全管理システムは、ライトカーテン6が安全管理エリアSAの所定の空間について人の有無を検知する。
【0078】
例えば、側柵21b、21cにカメラを設置することが不可能であるため、または、機械71、72に隠れることによって撮像不能となる撮像不能空間UVについては、ライトカーテン6による通過検知情報P1に基づいて人の有無を検知させる。
【0079】
投光ユニット61と受光ユニット62は、それらの間に設定される検出線66が上面視において機械71と機械72の間にある撮像不能空間UVの中央を貫通するように配置されている。ライトカーテン6の位置及び数は、撮像不能空間UVに侵入した人が不可避的に検出線66に接触するように設定する。これにより、人が撮像不能空間UVに侵入した場合、受光ユニット62のいくつかの受光部は人によって受光を遮られ、人の存在を検知する。これにより、ライトカーテン6が生成する通過検知情報P1は、撮像不能空間UVについて人の有無を表すものとなる。
【0080】
次に、第2実施形態の第1変形例の動作について説明する。
侵入確認S5と退去処理S4については、第2実施形態と同様であるため、立入処理S6について以下に述べる。
図15は、本変形例における立入処理S6を示すフローチャートである。立入処理S6は、第2実施形態の立入処理S6と異なり、撮像不能空間UV以外の安全管理エリアSAを撮像して生成された画像情報Vと、撮像不能空間UVにおける人の存在を表す通過検知情報P1に基づいて安全管理エリアSAの人の有無を判断する。
【0081】
侵入確認S5が終了したら、制御部12は、生成した立入処理開始信号A7を、配線53からデータ収集装置14に出力するとともに、通信線52cを介して受光ユニット65に入力する。受光ユニット65は、通過検知情報P1を生成し、通信線51cを介して制御部12に入力する(ステップS611)。コントローラ1は、撮像装置4が生成した画像情報Vが入力され(ステップS62)、処理部14bによって人検知情報Dが生成される(ステップS63)。
【0082】
制御部12は、通過検知情報P1と人検知情報Dに基づいて安全管理エリアSAにおける人の有無を判断する(ステップS64)。
【0083】
次に、第2実施形態の第1変形例の効果を説明する。
本変形例によれば、安全管理システムは、安全管理エリアSAに撮像不能空間UVがあっても、ライトカーテン6を撮像不能空間UVに配置することによって、撮像不能空間UVの人の有無を表す通過検知情報P1を生成することができる。また、通過検知情報P1と画像情報Vから生成された人検知情報Dによって安全管理エリアSAの人の有無を判断することができる。
【0084】
本変形例における上記以外の構成、動作及び効果は、第2実施形態と同様である。
【0085】
(第2実施形態の第2変形例)
次に、第2実施形態に係る第2変形例について説明する。
図16は、本変形例に係る安全管理システムと安全管理エリアを示す図である。本変形例に係る安全管理システムも、同様にライトカーテン6が安全管理エリアSAの所定の空間について人の有無を検知する。
【0086】
図16に示すように本変形例におけるライトカーテン6は、撮像不能空間UVの両外側に2つ配置している。2つのライトカーテン6は、投光ユニット641、651と受光ユニット642、652の間に設定される検出線661、662が上面視において撮像不能空間UVの外側の側柵21b側と側柵21c側にそれぞれ設定される。これにより、一方のライトカーテン6は、撮像不能空間UVへの側柵21b側からの人の侵入の有無を表す通過検知情報P1を生成することができる。他方のライトカーテン6は、撮像不能空間UVへの側柵21c側からの人の侵入の有無を表す通過検知情報P2を生成することができる。
【0087】
このように設けられた二つのライトカーテン6による通過検知情報P1、P2は、撮像不能空間UVへの人の侵入を検出することができる。制御部12は、撮像不能空間UVへの人の侵入の有無を表す通過検知情報P1、P2と撮像不能空間UV以外の安全管理エリアSAの人の有無を表す人検知情報Dと併せて、安全管理エリアSAの人の有無を判断することができる。
【0088】
本変形例における上記以外の構成、動作及び効果は、第2実施形態の第1変形例と同様である。
【0089】
(第2実施形態の第3変形例)
次に、第2実施形態の第3変形例について説明する。
図17は、本変形例に係る安全管理システムと安全管理エリアSAを示す図である。本実施形態においては、安全管理エリアSAは、壁23に囲われた密閉された部屋であり、その略中央に検出線66を設定する投光ユニット64と受光ユニット65からなる新たなライトカーテン6が設置されている。安全管理エリアSAは、検出線63と新たなライトカーテン6によって第1分割エリアSA1と第2分割エリアSA2に区画されている。
【0090】
本変形例においては、安全管理エリアSAを閉鎖しているのは頑丈な例えば壁23であり、第1分割エリアSA1と第2分割エリアSA2をそれぞれ閉鎖する柵や施錠装置を新たに設けることが困難である。このため、本変形例においては、新たなライトカーテン6を配置して、第1分割エリアSA1と第2分割エリアSAまたは安全管理エリアSA全体についてそれぞれ安全管理を行う。
【0091】
機械71は、第1分割エリアSA1の略中央に配置され、機械72は、第2分割エリアSA2の略中央に配置されている。機械71は、少なくとも第1分割エリアSA1に人がいなければ、安全に稼働できるものとする。機械72は、少なくとも第2分割エリアSA2に人がいなければ、安全に稼働できるものとする。
【0092】
撮像装置4は、カメラ41~43が第1分割エリアSA1に配置され、第1分割エリアSA1の画像情報VAを生成し、カメラ44が第2分割エリアSA2に配置され、第2分割エリアSA2の画像情報VBを生成する。
【0093】
次に、第2実施形態の第3変形例の動作について説明する。
第2分割エリアSA2へは、第1分割エリアSA1を通過しなければ侵入できない。したがって、第1分割エリアSA1については、侵入確認S5は、扉22がある第1分割エリアSA1について行う。立入処理S6は、安全管理エリアSA全体について行う。退去処理S4は、安全管理エリアSA全体について行う。これにより、施錠装置3を解錠停止信号A2で扉22を施錠すれば、機械71の稼働許可信号A4を生成し、機械71を稼働することができる。
【0094】
また、第2分割エリアSA2については、侵入確認S5は、第2分割エリアSA2について行う。立入処理S6は、第2分割エリアSA2について行う。退去処理S4は、第2分割エリアSA2について行う。
【0095】
次に、本変形例についての効果について説明する。
閉鎖する柵や施錠装置を新たに設けるのは困難な場所にライトカーテン6を設置することにより、ライトカーテン6で分割された第1分割エリアSA1と第2分割エリアSAにして安全管理をすることができる。また、これらの分割エリアSA1、SA2について、それぞれ機械71、72を配置することができ、各分割エリアSA1、SA2について安全管理を別個に行うことができる。
【0096】
本変形例における上記以外の構成、動作及び効果は、第2実施形態と同様である。
【符号の説明】
【0097】
1 コントローラ、3 施錠装置、4 撮像装置、5,51a~51c,52a~52c 通信線、6 ライトカーテン、7 機械、7a リレー部、7b 本体部、11 入力部、12 制御部、13 出力部、14 データ収集装置、14a 入出力部、14b 処理部、14ba 人形状抽出部、14bb 人形状認識部、14bc 人検出結果出力部、14bd 人形状蓄積部、21 柵、21a 前柵、21b 側柵、21c 側柵、21d 奥柵、22 扉、23 壁、31 被係止部、32 係止部、33 励磁部、34 検知部、41~45 カメラ、53,54 配線、61,64,641,642 投光ユニット、62,65,651,652 受光ユニット、63,66,661,662 検出線、71,72 機械、71a,72a リレー部、101,102 安全管理システム、A1,A6 安全確認信号、A2 解錠停止信号、A4 稼働許可信号、A5 稼働禁止信号、A7 立入処理開始信号、B1 画像収集信号、D 人検知情報、L 施錠情報、M 稼働情報、P,P1,P2 通過検知情報、SA 安全管理エリア、SA1 第1分割エリア、SA2 第2分割エリア、UV 撮像不能空間、V,V1~V5,VA,VB 画像情報