(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-05
(45)【発行日】2023-10-16
(54)【発明の名称】プラズマリアクタ用電源装置
(51)【国際特許分類】
H02M 7/48 20070101AFI20231006BHJP
H05H 1/24 20060101ALI20231006BHJP
【FI】
H02M7/48 E
H05H1/24
(21)【出願番号】P 2020114336
(22)【出願日】2020-07-01
【審査請求日】2023-01-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000004547
【氏名又は名称】日本特殊陶業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】松元 裕次
(72)【発明者】
【氏名】小久保 一成
【審査官】柳下 勝幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-118750(JP,A)
【文献】特開2017-118751(JP,A)
【文献】特開2018-078734(JP,A)
【文献】特開平05-252409(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 7/48
H05H 1/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
接地側端子及び電源側端子を含む一次コイル、及び、
プラズマリアクタを両端に接続する二次コイル、を有する
フライバック型昇圧トランスと、
上記一次コイルの上記接地側端子と接地電位との間に接続されたローサイドスイッチ素子と、
上記一次コイルの上記電源側端子と直流電源の正極端子に接続する電源側端子との間に接続されたハイサイドスイッチ素子と、
上記ローサイドスイッチ素子をオンオフさせるローサイドドライバと、
上記ハイサイドスイッチ素子をオンオフさせるハイサイドドライバと、
上記ローサイドドライバ及び上記ハイサイドドライバによる上記ローサイドスイッチ素子及び上記ハイサイドスイッチ素子のオンオフを制御するドライバ制御部と、を備え、
上記一次コイルへの一度のエネルギのチャージで、接続した上記プラズマリアクタにおいて複数回に亘る正負交番放電を生じさせる
プラズマリアクタ用電源装置であって、
上記ドライバ制御部は、
接地電位に対する上記一次コイルの上記接地側端子の電圧であるローサイド電圧を検知し、正の第1しきい電圧を境界とした高低を示す二値のローサイド電圧信号を出力するローサイド電圧検知部と、
上記ローサイドスイッチ素子のターンオンを許容するローサイドターンオン許容期間を与える第1信号を生成する第1信号生成処理を実行可能に構成されたマイクロコントローラと、
ハードウェアロジック回路で構成され、
上記第1信号、及び、
上記ローサイド電圧信号が入力され、
上記ローサイドドライバに向けたローサイドドライブ制御信号、及び、
上記ハイサイドドライバに向けたハイサイドドライブ制御信号、を出力する
ドライブロジック回路であって、
上記ハイサイドスイッチ素子がオンとされており、
上記ローサイドターンオン許容期間内で、かつ、
上記ローサイド電圧信号において、上記ローサイド電圧が上記第1しきい電圧よりも低下したことを示すローサイド電圧低下エッジが発生した、
第1タイミングに、
上記ローサイドスイッチ素子をターンオンさせ、上記一次コイルへの通電によるチャージを行わせる上記ローサイドドライブ制御信号を出力するように構成された
ドライブロジック回路と、を有する
プラズマリアクタ用電源装置。
【請求項2】
請求項1に記載のプラズマリアクタ用電源装置であって、
前記マイクロコントローラは、
前記第1信号生成処理において、前記第1タイミングにおける、前記ドライブロジック回路での前記ローサイドスイッチ素子のターンオンの指示から、周期確保期間が経過した第2タイミングに、次回の前記ローサイドターンオン許容期間が開始する前記第1信号を生成する
プラズマリアクタ用電源装置。
【請求項3】
請求項2に記載のプラズマリアクタ用電源装置であって、
前記マイクロコントローラは、
前記ローサイドドライブ制御信号を用いて、前記第1タイミングを検知する第1タイミング検知処理と、
上記第1タイミング検知処理における上記第1タイミングの検知から、前記周期確保期間が経過した前記第2タイミングまでを計時する周期確保タイマー処理に加え、
上記第2タイミングの経過時に、前記ローサイドターンオン許容期間を開始する前記第1信号を生成する前記第1信号生成処理と、を実行可能に構成されている
プラズマリアクタ用電源装置。
【請求項4】
請求項1~請求項3のいずれか1項に記載のプラズマリアクタ用電源装置であって、
前記マイクロコントローラは、
前記ハイサイドスイッチ素子のターンオンを許容するハイサイドターンオン許容期間を与える第2信号を生成する第2信号生成処理をも実行可能に構成されており、
ドライブロジック回路は、
前記ローサイドスイッチ素子がオフとされており、
上記ハイサイドターンオン許容期間内で、かつ、
前記ローサイド電圧信号において、前記ローサイド電圧が前記第1しきい電圧を上回ったことを示すローサイド電圧上昇エッジが発生した、
第3タイミングに、
上記ハイサイドスイッチ素子をターンオンさせる前記ハイサイドドライブ制御信号を出力するように構成されている
プラズマリアクタ用電源装置。
【請求項5】
請求項4に記載のプラズマリアクタ用電源装置であって、
前記マイクロコントローラは、
前記第1タイミングにおける、前記ドライブロジック回路での前記ローサイドスイッチ素子のターンオンの指示から、チャージ期間が経過した第4タイミングに、上記ローサイドスイッチ素子をターンオフさせる指示をするターンオフ信号を生成するターンオフ信号生成処理をも実行可能に構成されており、
前記ドライブロジック回路は、
上記第4タイミングにおける上記ターンオフ信号の入力により、上記ローサイドスイッチ素子をターンオフさせる前記ローサイドドライブ制御信号を出力するように構成されている
プラズマリアクタ用電源装置。
【請求項6】
請求項5に記載のプラズマリアクタ用電源装置であって、
前記マイクロコントローラは、
前記第2信号生成処理において、
前記第4タイミングに、又は、
前記第4タイミングに続く、前記ローサイド電圧が前記第1しきい電圧を上回っているハイサイドターンオフ許容期間内に、
上記ハイサイドスイッチ素子をターンオフさせる指示をする前記第2信号を生成し、
前記ドライブロジック回路は、
上記第2信号の入力により、前記ハイサイドスイッチ素子をターンオフさせる前記ハイサイドドライブ制御信号を出力するように構成されている
プラズマリアクタ用電源装置。
【請求項7】
請求項6に記載のプラズマリアクタ用電源装置であって、
前記マイクロコントローラは、
前記第2信号生成処理において、前記ターンオフ信号生成処理を兼ねており、
前記第4タイミングに、
前記ローサイドスイッチ素子をターンオフさせる指示をすると共に、
前記ハイサイドスイッチ素子をターンオフさせる指示をする、
前記第2信号を生成し、
前記ドライブロジック回路は、
上記第2信号の入力により、
前記ローサイドスイッチ素子をターンオフさせる前記ローサイドドライブ制御信号を出力すると共に、
前記ハイサイドスイッチ素子をターンオフさせる前記ハイサイドドライブ制御信号を出力するように構成されている
プラズマリアクタ用電源装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラズマリアクタを駆動するプラズマリアクタ用電源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ディーゼルエンジンなどの内燃機関から排出される排ガスには、CO(一酸化炭素)、HC(炭化水素)、NOx(窒素酸化物)およびPM(Particulate Matter:粒子状物質)などが含まれる。
【0003】
これに対し、排ガスに含まれるPMなどを、プラズマリアクタを用いて除去する手法が提案されている。プラズマリアクタは、例えば、正負の電極パネルを複数備えている。これらの電極パネルは、誘電体内に電極を内蔵した構成とされており、正負の電極パネルは、排ガスの流れ方向と直交する方向に間隔を空けて、正極パネルと負極パネルとが交互に対向して配置されている。プラズマリアクタ用電源装置から正極パネルと負極パネルとの間にパルス状の高電圧が印加されると、誘電体バリア放電(無声放電)が生じて、正負の電極パネルの間の空間に低温プラズマ(非平衡プラズマ)が発生し、正負の電極パネル間を流れる排ガス中のPMなどが、酸化されてCO2,H2Oなどとされて除去されたり、無害化される。また、酸素からあるいは空気からオゾンを発生させるに当たって、プラズマリアクタを用いる場合もある。
【0004】
プラズマリアクタ用電源装置には、フライバック型昇圧トランスを用いる。例えば特許文献1では、このフライバック型昇圧トランスの一次コイルの接地電位側を、スイッチ素子を介して接地する一方、この一次コイルの電源側を直流電源の正極端子に直接接続する。また、フライバック型昇圧トランスの二次コイルを、プラズマリアクタの電極に接続する。そして、スイッチ素子をオンにすると、フライバック型昇圧トランスの一次コイルに電流が流れ、一次コイルにエネルギが蓄積される。その後、スイッチ素子をオフにすると、一次コイルに逆起電力が生じ、これに伴って、フライバック型昇圧トランスの二次コイルに、一次コイルとの巻数比に応じたパルス状の高電圧が発生する。そこで、スイッチ素子のオンとオフとを一定の周期で繰り返すことで、二次コイルに、間欠的にパルス状の高電圧を発生させ、これをプラズマリアクタの電極間に印加して放電を間欠的に生じさせる。
【0005】
また、例えば特許文献2のプラズマリアクタ用電源装置では、このフライバック型昇圧トランスの一次コイルの接地電位側(ローサイド)をスイッチ素子を介して接地するほか、この一次コイルの電源側(ハイサイド)は別のスイッチ素子を介して直流電源の正極端子に接続する。また、フライバック型昇圧トランスの二次コイルを、プラズマリアクタの電極に接続する。そして、2つのスイッチ素子をオンにすると、フライバック型昇圧トランスの一次コイルに電流が流れ、一次コイルにエネルギが蓄積される。その後、ローサイドのスイッチ素子をオフにすると、一次コイルに逆起電力が生じ、これに伴って、フライバック型昇圧トランスの二次コイルに、一次コイルとの巻数比に応じたパルス状の高電圧が発生する。そこで、スイッチ素子のオンとオフとを一定の周期で繰り返すことで、二次コイルに、間欠的にパルス状の高電圧を発生させ、プラズマリアクタの電極間に印加して放電を間欠的に生じさせる。
【0006】
加えてこの特許文献2の電源装置では、フライバック型昇圧トランスの一次コイルに印加される一次電圧を高めるため、ローサイドのスイッチ素子と並列に接続されたスナバ回路、ダイオード、昇圧用コンデンサなどを設けて、二次コイルにパルス状の高電圧を発生させた後に残ったエネルギを昇圧用コンデンサに蓄積する。そして、再びローサイドのスイッチ素子をオンした際に、一次コイルに印加される電圧が直流電源の電圧と昇圧用コンデンサの電圧との和となり、直流電源の電圧よりも高くなるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2017-150456号公報
【文献】特開2017-118751号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、いずれの文献のプラズマリアクタ用電源装置においても、ローサイドのスイッチ素子をオンにした後にオフした場合に、二次コイルに1発のパルス状の高電圧を発生させるのに留まる。即ち、これらのプラズマリアクタ用電源装置は、ローサイドのスイッチ素子をオンにした後にオフする毎に、二次コイルに1発のパルス状の高電圧を発生させるものであり、一次コイルに蓄積したエネルギを、プラズマリアクタにおける誘電体バリア放電に十分に活用できず、エネルギ効率が低かった。
【0009】
本発明は、かかる現状に鑑みてなされたものであって、一次コイルへの一度のエネルギのチャージで、プラズマリアクタにおいて複数回に亘る正負交番放電を生じさせることができるプラズマリアクタ用電源装置において、さらにエネルギ効率の良好なプラズマリアクタ用電源装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するための本発明の一態様は、接地側端子及び電源側端子を含む一次コイル、及び、プラズマリアクタを両端に接続する二次コイル、を有するフライバック型昇圧トランスと、上記一次コイルの上記接地側端子と接地電位との間に接続されたローサイドスイッチ素子と、上記一次コイルの上記電源側端子と直流電源の正極端子に接続する電源側端子との間に接続されたハイサイドスイッチ素子と、上記ローサイドスイッチ素子をオンオフさせるローサイドドライバと、上記ハイサイドスイッチ素子をオンオフさせるハイサイドドライバと、上記ローサイドドライバ及び上記ハイサイドドライバによる上記ローサイドスイッチ素子及び上記ハイサイドスイッチ素子のオンオフを制御するドライバ制御部と、を備え、上記一次コイルへの一度のエネルギのチャージで、接続した上記プラズマリアクタにおいて複数回に亘る正負交番放電を生じさせるプラズマリアクタ用電源装置であって、上記ドライバ制御部は、接地電位に対する上記一次コイルの上記接地側端子の電圧であるローサイド電圧を検知し、正の第1しきい電圧を境界とした高低を示す二値のローサイド電圧信号を出力するローサイド電圧検知部と、上記ローサイドスイッチ素子のターンオンを許容するローサイドターンオン許容期間を与える第1信号を生成する第1信号生成処理を実行可能に構成されたマイクロコントローラと、ハードウェアロジック回路で構成され、上記第1信号、及び、上記ローサイド電圧信号が入力され、上記ローサイドドライバに向けたローサイドドライブ制御信号、及び、上記ハイサイドドライバに向けたハイサイドドライブ制御信号、を出力するドライブロジック回路であって、上記ハイサイドスイッチ素子がオンとされており、上記ローサイドターンオン許容期間内で、かつ、上記ローサイド電圧信号において、上記ローサイド電圧が上記第1しきい電圧よりも低下したことを示すローサイド電圧低下エッジが発生した、第1タイミングに、上記ローサイドスイッチ素子をターンオンさせ、上記一次コイルへの通電によるチャージを行わせる上記ローサイドドライブ制御信号を出力するように構成されたドライブロジック回路と、を有するプラズマリアクタ用電源装置システムである。
【0011】
このプラズマリアクタ用電源装置では、一次コイルへの一度のエネルギのチャージで、接続したプラズマリアクタにおいて複数回に亘る正負交番放電を生じさせるので、一次コイルにも減衰しながらも正負交番する電圧が発生し、ローサイド素子にも一次コイルに発生する交番電圧に応じて時間とともに変化する電圧が掛かる。このため、ローサイド素子のターンオンをいわゆるソフトスイッチングとするには、ターンオンのタイミングを適切に選択する必要がある。
【0012】
これに対し上述の装置では、ローサイドスイッチ素子(以下、単にローサイド素子とも言う。)をターンオンさせて、一次コイルへの通電によるチャージを行わせるにあたり、ローサイド素子に掛かるローサイド電圧が正の第1しきい電圧よりも低下した第1タイミングに、ローサイド素子をターンオンさせる、いわゆるソフトスイッチングを行う。このため、このローサイド素子のターンオンにおける損失を減少させることができ、エネルギ効率を高めた装置とすることができる。
【0013】
なお、ドライバ制御部のうちマイクロコントローラでは、生成する第1信号によって、直接、ローサイド素子のターンオンを指示するのではなく、ローサイドターンオン許容期間を与える。その一方、ドライバ制御部のうちドライブロジック回路は、ハイサイドスイッチ素子(以下、単にハイサイド素子とも言う。)がオンとされており、(第1信号によって与えられた)ローサイドターンオン許容期間内で、かつ、ローサイド電圧が第1しきい電圧よりも低下したことを示すローサイド電圧低下エッジが入力された第1タイミングに、ローサイドスイッチ素子をターンオンさせ、一次コイルへの通電によるチャージを行わせるローサイドドライブ制御信号を出力するように構成されている。
【0014】
このように、ドライバ制御部にマイクロコントローラを用いることで、このマイクロコントローラで作動するソフトウェアによって、内燃機関の作動状態などの変動要因や使用するプラズマリアクタの品番の違いなどを考慮して、第1信号で与えるローサイドターンオン許容期間の始期(開始タイミング)や長さ、終期(終了タイミング)などを適切かつ容易に設定することが出来る。その一方、予め定めた論理処理を短時間で処理できるドライブロジック回路をも用いるので、ハイサイドスイッチ素子がオンとされており、第1信号で設定されたローサイドターンオン許容期間内で、かつ、ローサイド電圧検知部からの、ローサイド電圧が第1しきい電圧よりも低下したことを示すローサイド電圧低下エッジが入力された第1タイミングに、ローサイド素子をターンオンさせ、一次コイルへの通電によるチャージを行わせるローサイドドライブ制御信号を、遅滞なく出力することが出来る。
【0015】
なお、ローサイドスイッチ素子及びハイサイドスイッチ素子としては、耐電圧の高い電力制御用のスイッチ素子を用いると良く、例えば、パワーMOSFET、IGBT、サイリスタ、GTO、トライアックなどを用いることができる。
【0016】
また、ローサイドドライバは、ドライバ制御部のドライブロジック回路から入力されたローサイドドライブ制御信号に従って、ローサイドスイッチ素子をオンオフさせる。同様に、ハイサイドドライバは、ドライバ制御部のドライブロジック回路から入力されたハイサイドドライブ制御信号に従って、ハイサイドスイッチ素子をオンオフさせる。
【0017】
ドライバ制御部は、ローサイド電圧検知部、マイクロコントローラ、及びドライブロジック回路を有している。このうち、ローサイド電圧検知部は、ローサイド電圧の高低を示すハイレベルとローレベルの二値で与えられるローサイド電圧信号を出力する。また、マイクロコントローラは、CPU、ROM、RAM及び入出力インターフェース部を有し、ROM等に記憶させたソフトウェア(プログラム)に従って作動する。ドライブロジック回路は、ハードウェアロジック回路で構成されている。具体的には、例えば、個々の論理回路を組み合わせたり、汎用ロジックICに含まれているANDゲートなどのゲート回路を組み合わせて構成したり、プログラマブルロジックデバイス (programmable logic device: PLD)、ASICなどで構成することもできる。
【0018】
ローサイド電圧検知部が出力するローサイド電圧信号のうち、「ローサイド電圧低下エッジ」とは、二値で示されるローサイド電圧信号の波形において、ローサイド電圧が第1しきい電圧よりも低下したことを示す、ハイレベルからローレベルへの、又は、ローレベルからハイレベルへの切り替わりをいう。
【0019】
更に、プラズマリアクタとしては、前述のように、内燃機関の排ガス中のPMなどの除去に用いるものや、供給された空気や酸素を用いてオゾンを発生させるものなどを例示することができる。
また、直流電源としては、例えば、直流安定化電源やバッテリのほか、バッテリとバッテリ電圧を昇圧又は降圧した出力電圧を出力するDC-DCコンバータとからなる直流電源も挙げられる。
【0020】
上述のプラズマリアクタ用電源装置であって、前記マイクロコントローラは、前記第1信号生成処理において、前記第1タイミングにおける、前記ドライブロジック回路での前記ローサイドスイッチ素子のターンオンの指示から、周期確保期間が経過した第2タイミングに、次回の前記ローサイドターンオン許容期間が開始する前記第1信号を生成するプラズマリアクタ用電源装置とすると良い。
【0021】
プラズマリアクタは、容量性負荷であり、その容量成分の大きさは、電極パネル周囲の気体(排気ガス等)の温度や湿度などによって変動する。このため、プラズマリアクタに複数回に亘る正負交番放電を生じさせる場合、交番放電の交番周期は、プラズマリアクタの容量成分の変動に影響されて変動する。このため、繰り返し行う一次コイルへのエネルギのチャージの周期(チャージ周期)を予め固定した長さに定めると、変化するローサイド電圧Vldsと、ローサイド素子をターンオンさせるタイミングとを前述のようにして合わせることが困難となり、いわゆるソフトスイッチングができない場合が生じる虞がある。
【0022】
これに対してこのプラズマリアクタ用電源装置では、マイクロコントローラで、第2タイミングに、次回のローサイドターンオン許容期間(期間P2とする)が開始する第1信号を生成する。このため、ローサイドターンオン許容期間P2中に、ローサイド素子のオンさせるようにすれば良く、プラズマリアクタの容量成分の変動などによって交番放電の交番周期に変動が生じても、いわゆるソフトスイッチングとなる適切なタイミング(第1タイミング)でローサイド素子をオンさせることができる。
【0023】
但し、前回のローサイド素子のオン(第1タイミング)から、次回のローサイド素子のオン(次の第1タイミング)までのチャージ周期(周期Tlooとする)を正確には定めることはできない。しかし、このチャージ周期Tlooを、周期確保期間(期間P1とする)以上で、周期確保期間P1とローサイドターンオン許容期間P2との和以下(P1≦Ploo≦P1+P2)の範囲に定めることができる。かくして、一次コイルへのチャージの繰り返し周期であるチャージ周期Tlooの値を、上記の範囲で概ね定め、プラズマリアクタにおけるチャージの繰り返しを制御することができる。
【0024】
更に上述のプラズマリアクタ用電源装置であって、前記マイクロコントローラは、前記ローサイドドライブ制御信号を用いて、前記第1タイミングを検知する第1タイミング検知処理と、上記第1タイミング検知処理における上記第1タイミングの検知から、前記周期確保期間が経過した前記第2タイミングまでを計時する周期確保タイマー処理に加え、上記第2タイミングの経過時に、前記ローサイドターンオン許容期間を開始する前記第1信号を生成する前記第1信号生成処理と、を実行可能に構成されているプラズマリアクタ用電源装置とすると良い。
【0025】
上述の装置では、マイクロコントローラの第1タイミング検知処理で、ドライブロジック回路が出力するローサイドドライブ制御信号から第1タイミングを検知し、周期確保タイマー処理で、周期確保期間が経過した第2タイミングまで待つ。そして、第1信号生成処理では、この第2タイミングの経過時にローサイドターンオン許容期間を開始する第1信号を生成するので、確実に、周期確保期間P1を確保することができる。
【0026】
更に、前述のいずれか1項に記載のプラズマリアクタ用電源装置であって、前記マイクロコントローラは、前記ハイサイドスイッチ素子のターンオンを許容するハイサイドターンオン許容期間を与える第2信号を生成する第2信号生成処理をも実行可能に構成されており、ドライブロジック回路は、前記ローサイドスイッチ素子がオフとされており、上記ハイサイドターンオン許容期間内で、かつ、前記ローサイド電圧信号において、前記ローサイド電圧が前記第1しきい電圧を上回ったことを示すローサイド電圧上昇エッジが発生した、第3タイミングに、上記ハイサイドスイッチ素子をターンオンさせる前記ハイサイドドライブ制御信号を出力するように構成されているプラズマリアクタ用電源装置とすると良い。
【0027】
上述の装置では、(ローサイド素子のターンオンによって開始させる)一次コイルへの通電によるチャージに備えて、予めハイサイド素子をオンさせておくにあたり、ローサイド電圧が第1しきい電圧を上回った第3タイミングに、ハイサイド素子をターンオンさせる。ところで、ローサイド電圧が第1しきい電圧を上回ったことは、ハイサイド電圧が、ローサイド電圧における第1しきい電圧に対応する第2しきい電圧よりも低下したことを示すものでもある。従って、この第3タイミングにおけるハイサイド素子のターンオンは、ソフトスイッチングとなっている。このため、このハイサイド素子のターンオンにおける損失を減少させることができ、さらにエネルギ効率を高めた装置とすることができる。
【0028】
加えて、マイクロコントローラでは、生成する第2信号によって、直接、ハイサイド素子のターンオンを指示するのではなく、ハイサイドターンオン許容期間を与える。その一方、ドライブロジック回路では、ローサイド素子がオフとされており、(第2信号によって与えられた)ハイサイドターンオン許容期間内で、かつ、ローサイド電圧上昇エッジが入力された第3タイミングに、ハイサイドスイッチ素子をターンオンさせるハイサイドドライブ制御信号を出力するように構成されている。
【0029】
このように、マイクロコントローラを用いることで、このマイクロコントローラで作動するソフトウェアによって、内燃機関の作動状態などの変動要因や使用するプラズマリアクタの品番の違いなどを考慮して、第2信号で与えるハイサイドターンオン許容期間の始期(開始タイミング)や長さ、終期(終了タイミング)などを適切かつ容易に設定することが出来る。その一方、予め定めた論理処理を短時間で処理できるドライブロジック回路をも用いるので、ローサイド素子がオフとされており、第2信号で設定されたハイサイドターンオン許容期間内で、かつ、ローサイド電圧上昇エッジが入力された第3タイミングに、ハイサイド素子をターンオンさせるハイサイドドライブ制御信号を遅滞なく出力することが出来る。
【0030】
さらに上述のプラズマリアクタ用電源装置であって、前記マイクロコントローラは、前記第1タイミングにおける、前記ドライブロジック回路での前記ローサイドスイッチ素子のターンオンの指示から、チャージ期間が経過した第4タイミングに、上記ローサイドスイッチ素子をターンオフさせる指示をするターンオフ信号を生成するターンオフ信号生成処理をも実行可能に構成されており、前記ドライブロジック回路は、上記第4タイミングにおける上記ターンオフ信号の入力により、上記ローサイドスイッチ素子をターンオフさせる前記ローサイドドライブ制御信号を出力するように構成されているプラズマリアクタ用電源装置である。
【0031】
この装置では、マイクロコントローラで、第4タイミングに、ローサイドスイッチ素子をターンオフさせる指示をするターンオフ信号を生成し、ドライブロジック回路では、ターンオフ信号の入力により、ローサイド素子をターンオフさせるローサイドドライブ制御信号を出力する。これにより、この装置では、マイクロコントローラで実行するソフトウェアによって、一次コイルへのチャージ期間(期間Pcとする)の長さを各回で同じに揃えたり、内燃機関の運転状況などに応じて、適宜の長さに変更調整することが出来る。このため例えば、チャージ期間の長さを各回で同じに揃えることにより、一次コイルにチャージされるエネルギを揃えることができ、各回の放電の状況(交番放電の回数や放電の強さなど)を揃えることができる。また、内燃機関の運転状況など、プラズマリアクタに届くガスの状況に応じて、チャージ期間の長さを適宜の長さに変化させることで、1回のチャージで蓄えられるエネルギの量を増減させ、排気ガスの浄化能力を高めたり低下させたりすることも出来る。
【0032】
なお、マイクロコントローラは、生成したターンオフ信号を、前述の第1信号及び第2信号とは別に出力し、ドライブロジック回路はこのターンオフ信号を第1信号及び第2信号とは別に入力するようにすると良い。また、マイクロコントローラが出力し、ドライブロジック回路に入力する第2信号に、ターンオフ信号を兼用させることもできる。
【0033】
また上述のプラズマリアクタ用電源装置であって、前記マイクロコントローラは、前記第2信号生成処理において、前記第4タイミングに、又は、前記第4タイミングに続く、前記ローサイド電圧が前記第1しきい電圧を上回っているハイサイドターンオフ許容期間内に、上記ハイサイドスイッチ素子をターンオフさせる指示をする前記第2信号を生成し、前記ドライブロジック回路は、上記第2信号の入力により、前記ハイサイドスイッチ素子をターンオフさせる前記ハイサイドドライブ制御信号を出力するように構成されているプラズマリアクタ用電源装置とすると良い。
【0034】
この装置では、マイクロコントローラで、前述の第2信号として、ローサイド素子をターンオフさせるのと同じ第4タイミングに、又は、第4タイミングに続くハイサイドターンオフ許容期間内に、ハイサイド素子をターンオフさせる指示をする第2信号を生成し、ドライブロジック回路では、第2信号の入力により、ハイサイド素子をターンオフさせるハイサイドドライブ制御信号を出力する。
これにより、ハイサイド素子をオフとし、ハイサイド素子に電流が流れず電圧が掛かり、ハイサイド電圧が正となる状態を実現できるから、一次コイル及び二次コイルに正負交番電圧を発生させ、プラズマリアクタに正負交番放電を発生させることが出来る。
しかも、ローサイド素子のターンオフと同じ第4タイミングに、あるいは、ローサイド電圧が第1しきい電圧を上回っており、従ってこれとは逆に、ハイサイド電圧は、ローサイド電圧における第1しきい電圧に対応する第2しきい電圧よりも低下しているハイサイドターンオフ許容期間内に、ハイサイド素子をターンオフさせる。このため、ハイサイド素子のターンオフに当たっても、いわゆるソフトスイッチングを行うことができる。このため、このハイサイド素子のターンオフにおける損失を減少させることが出来、さらに、エネルギ効率を高めた装置とすることができる。
【0035】
さらに、上述のプラズマリアクタ用電源装置であって、前記マイクロコントローラは、前記第2信号生成処理において、前記ターンオフ信号生成処理を兼ねており、前記第4タイミングに、前記ローサイドスイッチ素子をターンオフさせる指示をすると共に、前記ハイサイドスイッチ素子をターンオフさせる指示をする、前記第2信号を生成し、前記ドライブロジック回路は、上記第2信号の入力により、前記ローサイドスイッチ素子をターンオフさせる前記ローサイドドライブ制御信号を出力すると共に、前記ハイサイドスイッチ素子をターンオフさせる前記ハイサイドドライブ制御信号を出力するように構成されているプラズマリアクタ用電源装置とすると良い。
【0036】
この装置では、第2信号によって、ローサイドスイッチ素子及びハイサイドスイッチ素子を、第4タイミングにおいて同時にターンオフさせるので、マイクロコントローラにおける制御が容易になると共に、マイクロコントローラからドライブロジック回路に入力される信号の数を低減して、ドライバ制御部の構成を簡易に出来る。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【
図1】実施形態に係るプラズマリアクタ用電源装置で駆動するプラズマリアクタの概略構成を示す説明図である。
【
図2】バッテリ及びプラズマリアクタに接続した、実施形態に係るプラズマリアクタ用電源装置の概略回路構成を示す説明図である。
【
図3】実施形態に係るプラズマリアクタ用電源装置の駆動制御のフローチャートである。
【
図4】実施形態に係るプラズマリアクタ用電源装置を駆動した場合の各部の動作を示すタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照しつつ説明する。
図1にプラズマリアクタPRの概略構成を、また、
図2に実施形態に係るプラズマリアクタ用電源装置10の概略構成を示す。また、
図3にプラズマリアクタ用電源装置10の駆動制御のフローチャートを示す。
【0039】
<プラズマリアクタの説明>
まず、プラズマリアクタ用電源装置10で駆動するプラズマリアクタPRについて説明する。プラズマリアクタPRは、たとえば、自動車のエンジン(図示しない)から排出される排ガスGSに含まれるPM、CO、HC、NOx等を除去するために、エンジンの排気管EXの途中に介装される。
【0040】
プラズマリアクタPR(
図1参照)は、バッテリBT(バッテリ電圧Vs、例えばVs=12V(公称))に接続されたプラズマリアクタ用電源装置10で駆動される。このプラズマリアクタPRでは、矩形板状の正放電電極Dpが矩形板状の誘電体Dd内に内蔵された正極パネルPNpと、矩形板状の負放電電極Dnが矩形板状の誘電体Dd内に内蔵された負極パネルPNnとを有しており、これらが、間隙GPを介して厚み方向に交互に積層されている。積層された正極パネルPNpと負極パネルPNnとは、間隙GPが排ガスGSの流れに沿う方向(
図1において左右方向)に延びる姿勢に配置されている。正放電電極Dp及び負放電電極Dnの材質としては、例えばタングステンが例示できる。また、誘電体Ddの材質としては、アルミナが例示できる。
【0041】
本実施形態においては、後述するように、プラズマリアクタPRの正放電電極Dpと負放電電極Dnとの間に、プラズマリアクタ用電源装置10から出力される正負交番しつつ減衰する正弦波状で高電圧の二次コイル出力電圧VL2(
図4(g)欄参照)が繰り返し(例えば、周波数が概ね100kHz)印加される。プラズマリアクタ用電源装置10の出力電圧VL2が放電電極Dp,Dn間に印加されると、正極パネルPNpと負極パネルPNnと間に誘電体バリア放電が生じ、この誘電体バリア放電によって間隙GPに低温プラズマが発生する。この低温プラズマの発生により、電極パネルPNp,PNn間を流通する排ガスGSに含まれるPMなどが酸化(燃焼)されて除去されるなど、無害化される。
【0042】
<プラズマリアクタ用電源装置の説明>
次いで、プラズマリアクタPRを駆動するプラズマリアクタ用電源装置10ついて説明する。このプラズマリアクタ用電源装置10は、フライバック型昇圧トランス1、通電制御用のローサイド素子4及びハイサイド素子5、スナバコンデンサ6、及び、上述のローサイド素子4及びハイサイド素子5のオンオフを制御する素子制御部11を備えている。素子制御部11は、ローサイド素子4をオンオフさせるローサイドゲートドライバ12、ハイサイド素子5をオンオフさせるハイサイドゲートドライバ13、及びコントローラ(ドライバ制御部)15を有している。コントローラ15は、ローサイド電圧Vldsを検知する電圧検知部14L、マイクロコントローラ20、ドライブロジック回路30を有している。
【0043】
フライバック型昇圧トランス1は、一次コイル2および二次コイル3を有している。一次コイル2の電源側端子2sは、ハイサイド素子5を介して電源側端子10bpに接続されている。この電源側端子10bpには、バッテリBTの正極端子BTPが接続される。一方、一次コイル2の接地側端子2eは、ローサイド素子4を介して、接地電位GNDに接続(接地)されている。二次コイル3のうち
図2において上側の一端は正極端子3pとされ、プラズマリアクタPRの正放電電極Dpに接続される。一方、二次コイル3の他端は負極端子3nとされ、プラズマリアクタPRの負放電電極Dnに接続される。
【0044】
なお、本実施形態では、一次コイル2に生じる一次コイル電圧VL1は、
図2に矢印で示すように、接地側端子2eを基準として電源側端子2sが高電位となるとき正の値をとり、その逆のときに負の値をとるものとする。また、一次コイル2に流れる一次コイル電流IL1は、電源側端子2sから接地側端子2eに向けて流れるときに正の値をとり、その逆向きに流れるときに負の値をとるものとする。さらに、二次コイル3に生じる二次コイル出力電圧VL2は、負極端子3nを基準として正極端子3pが高電位となるとき正の値をとり、その逆のときに負の値をとるものとする。
【0045】
ローサイド素子4は、本実施形態では
図2に示すように、たとえば、エンハンスメント型のnMOSFETであり、そのドレイン端子Dが一次コイル2の接地側端子2eに接続され、ソース端子Sが接地電位GNDに接続されている。一方、ゲート端子Gは、ローサイドゲートドライバ12に接続しており、このローサイドゲートドライバ12からのゲートドライブ信号Slgによりローサイド素子4のオンオフが切り替わる。なお、このローサイド素子4は、ドレイン-ソース間に寄生ダイオードを有している。
【0046】
一方、ハイサイド素子5は、本実施形態では
図2に示すように、たとえば、エンハンスメント型のnMOSFETであり、そのドレイン端子Dが一次コイル2の電源側端子2sに接続され、ソース端子Sが電源側端子10bpを通じてバッテリBTの正極端子BTPに接続される。一方、ゲート端子Gは、ハイサイドゲートドライバ13に接続しており、このハイサイドゲートドライバ13からのゲートドライブ信号Shgによりハイサイド素子5のオンオフが切り替わる。なお、このハイサイド素子5も、ドレイン-ソース間に寄生ダイオードを有している。
【0047】
スナバコンデンサ6は、一次コイル2の接地側端子2eと電源側端子2sとに導通して、一次コイル2と並列に接続されている。なお、スナバコンデンサ6は、直列又は並列に接続された複数のコンデンサによって構成してもよい。
【0048】
素子制御部11は、前述したように、ローサイドゲートドライバ12、ハイサイドゲートドライバ13、及びコントローラ15を有する。ローサイドゲートドライバ12は、コントローラ15の出力するローサイドドライブ制御信号Sldrによる指示により、ゲートドライブ信号Slgを送出してローサイド素子4のオンオフを切り替える。また、ハイサイドゲートドライバ13は、コントローラ15の出力するハイサイドドライブ制御信号Shdrによる指示により、ゲートドライブ信号Shgを送出してハイサイド素子5オンオフを切り替える。
【0049】
コントローラ15は、前述したように、電圧検知部14L、マイクロコントローラ20、ドライブロジック回路30を有している。
このうち、電圧検知部14Lは、ローサイド素子4のドレイン-ソース間に生じるローサイド電圧Vlds、即ち、接地電位GNDに対する一次コイル2の接地側端子2eの電圧(接地側端子2eの電位)を検知し、正の第1しきい電圧Vth1を境界とした高低を示すハイレベル/ローレベルの二値を取るローサイド電圧信号Slvd(
図4(h)欄参照)を、ドライブロジック回路30に向けて出力する。第1しきい電圧Vth1は、バッテリ電圧Vsよりも低い、予め定めた値(例えば、20V)に設定する。
なお、本実施形態の電圧検知部14Lでは、
図4の(e)(h)欄を見れば理解できるように、ローサイド電圧Vldsが第1しきい電圧Vth1以下の場合(Vlds≦Vth1)にローサイド電圧信号Slvdがハイレベルとされる一方、ローサイド電圧Vldsが第1しきい電圧Vth1を越えた場合(Vlds>Vth1)にはローレベルとされるように設定されている。
【0050】
図2において一点鎖線で示すマイクロコントローラ20は、図示しないCPU、ROM、RAM、入出力回路などからなり、予め記憶された所定のプログラム(ソフトウェア)に従って作動する。このマイクロコントローラ20は、プラズマリアクタPRを駆動するにあたり、チャージ制御、交番放電制御、ハイサイドオフ制御、回生制御などの各制御のため、ドライブロジック回路30に向けて出力する第1信号Sg1を生成する第1信号生成処理21、第2信号Sg2を生成する第2信号生成処理22、第1時刻検知処理23、周期確保タイマー処理24、ターンオフ信号生成処理25などの各処理を実行可能とされている。なお、本実施形態においては、ターンオフ信号生成処理25は、第2信号生成処理22の一部として実行される。
【0051】
図2において破線で示すドライブロジック回路30は、ハードウェアロジック回路で、具体的には汎用ロジックICを組み合わせて構成されており、マイクロコントローラ20から第1信号Sg1及び第2信号Sg2が入力され、また電圧検知部14Lからローサイド電圧信号Slvdが入力される一方、これらを倫理処理して、ローサイドゲートドライバ12に向けたローサイドドライブ制御信号Sldr及びハイサイドゲートドライバ13に向けたハイサイドドライブ制御信号Shdrとして出力する。本実施形態におけるドライブロジック回路30は、具体的には例えば、
図2に示すように接続された、2つのSRフリップフロップ33,34と、ANDゲート31及びNORゲート32とから構成されている。
【0052】
さらに具体的には、ドライブロジック回路30は、ANDゲート31に、マイクロコントローラ20からの第1信号Sg1と、電圧検知部14Lからのローサイド電圧信号Slvdを入力し、そのAND出力をローサイドSRフリップフロップ(ローサイドFFともいう)33のS端子(セット端子)に入力する。また、このローサイドFF33のR端子(リセット端子)には、マイクロコントローラ20からの第2信号Sg2を入力し、ローサイドFF33のQ出力端子から、ローサイドゲートドライバ12に向けて、ローサイドドライブ制御信号Sldrを出力する構成としてある。一方、NORゲート32に、第2信号Sg2とローサイド電圧信号Slvdを入力し、そのNOR出力をハイサイドSRフリップフロップ(ハイサイドFFとも言う)34のS端子に入力する。またこのハイサイドFF34のR端子にも、ローサイドFF33のR端子と同じく、第2信号Sg2が入力し、ハイサイドFF34のnotQを出力するQB出力端子から、ハイサイドゲートドライバ13に向けて、ハイサイドドライブ制御信号Shdrを出力する構成としてある。
【0053】
このため、ANDゲート31は、入力される第1信号Sg1とローサイド電圧信号Slvdの両者がハイレベルとなった場合にのみハイレベルが出力されるものであり、この出力はローサイドFF33のS端子に入力される(
図4(h),(j),(l)欄参照)。ローサイドFF33では、S端子にハイレベルの信号が入力されると、R端子にハイレベルの信号が入力されるまで、Q出力端子はハイレベルの信号を出力し続ける一方、R端子にハイレベルの信号が入力されると、S端子にハイレベルの信号が入力されるまで、Q出力端子はローレベルの信号を出力し続ける。ローサイドFF33のQ出力端子から出力されるローサイドドライブ制御信号Sldrの指示に応じて、ローサイドゲートドライバ12からゲートドライブ信号Slgが出力されローサイド素子4がオンオフされるので、ローサイドドライブ制御信号Sldrとローサイドゲートドライバ12の出力するゲートドライブ信号Slgとは同期して変化する(
図4(b),(l)欄参照)。
【0054】
一方、NORゲート32は、入力される第2信号Sg2とローサイド電圧信号Slvdの両者がローレベルとなった場合にのみハイレベルが出力されるものであり、この出力はハイサイドFF34のS端子に入力される(
図4(h),(i),(k)欄参照)。ハイサイドFF34では、S端子にハイレベルの信号が入力されると、R端子にハイレベルの信号が入力されるまで、QB出力端子はローレベルの信号を出力し続ける一方、R端子にハイレベルの信号が入力されると、S端子にハイレベルの信号が入力されるまで、QB出力端子はハイレベルの信号を出力し続ける。ハイサイドFF34のQB出力端子から出力されるハイサイドドライブ制御信号Shdrの指示に応じて、ハイサイドゲートドライバ13からゲートドライブ信号Shgが出力されハイサイド素子5がオンオフされるので、ハイサイドドライブ制御信号Shdrの反転とハイサイドゲートドライバ13の出力するゲートドライブ信号Shgとは同期して変化する(
図4(a),(k)欄参照)。
【0055】
なお、ローサイドFF33のQ出力端子から出力するローサイドドライブ制御信号Sldrは、分岐して、マイクロコントローラ20にも入力されている。
【0056】
<プラズマリアクタ用電源装置の制御>
プラズマリアクタPRを作動させるためのプラズマリアクタ用電源装置10の制御について、
図3のフローチャート及び
図4のタイミングチャートを用いて説明する。
本実施形態では、このプラズマリアクタ用電源装置10の制御により、プラズマリアクタPRには、
図4(g)欄に示す、正負交番しつつ減衰する正弦波状(例えば、約100kHzの周波数)の高電圧の二次コイル出力電圧VL2が、概ね50数μsのチャージ周期Tloo毎(
図4(b)欄参照)に間欠的に繰り返し印加される。これによって、プラズマリアクタPRに、繰り返す誘電体バリア放電をチャージ周期Tloo毎に間欠的に生じさせる。
【0057】
先ず前提として、第1時刻T1及び第2時刻T2よりも前(後述する第3時刻T3)には、予めコントローラ15によりハイサイドゲートドライバ13のゲートドライブ信号Shgがハイレベルとされており、ハイサイド素子5がオンとされている状態を考える(
図4(a)欄参照)。これにより、ハイサイド電圧Vhds(
図4(d)欄参照)は、ほぼ0とされている。但しこの時点では、ローサイド素子4がオフにされているので、一次コイル2には通電されない。
【0058】
なお、ハイサイドゲートドライバ13は、入力されたハイサイドドライブ制御信号Shdrに応じたゲートドライブ信号Shgを、ハイサイドスイッチ素子5のゲート端子Gに向けて出力して、ハイサイドスイッチ素子5をオンオフさせる。ハイサイドゲートドライバ13は、入力されたハイサイドドライブ制御信号Shdrを論理反転させ、かつ、電圧レベルを正側にシフトさせて、ハイサイドスイッチ素子5のゲート端子Gの駆動に適する大きさ(具体的には、ハイレベルはバッテリBTの正極電位よりも高く、ローレベルはバッテリBTの正極電位よりも低い電位)のゲートドライブ信号Shgを出力する。
【0059】
一方、ローサイドゲートドライバ12は、入力されたハイサイドドライブ制御信号Sldrに応じたゲートドライブ信号Slgを、ローサイドスイッチ素子4のゲート端子Gに向けて出力して、ローサイドスイッチ素子4をオンオフさせる。ローサイドゲートドライバ12は、入力されたローサイドドライブ制御信号Sldrの電圧レベルを調整し、ローサイドスイッチ素子4のゲート端子Gの駆動に適する大きさ(具体的には、ハイレベルは接地電位よりも高く、ローレベルは接地電位よりも低い電位)のゲートドライブ信号Slgを出力する。
【0060】
さらに、前回の第1時刻T1(前回、一次コイル2へのチャージを開始した時刻)から、所定の周期確保期間P1(本実施形態では、例えば50μs)が経過した第2時刻T2の後に、ローサイド素子4のターンオンを許容するローサイドターンオン許容期間P2(本実施形態では、例えば10μs)を設けておく。具体的には、マイクロコントローラ20において、ローサイド素子4のターンオンを許容するローサイドターンオン許容期間P2を与える第1信号Sg1を生成する第1信号生成処理21(
図2参照)を実行する。即ち、第2時刻T2からローサイドターンオン許容期間P2に亘り、ハイレベルとした第1信号Sg1(
図4(j)欄参照)を、マイクロコントローラ20で生成し、ドライブロジック回路30のANDゲート31に入力する。
【0061】
さらに詳細には、マイクロコントローラ20は、ローサイドFF33のQ出力端子から得たローサイドドライブ制御信号Sldrを用いて、第1時刻T1を検知する第1時刻検知処理23と、この第1時刻検知処理23における第1時刻T1の検知から、周期確保期間P1(例えば本実施形態では50μs)が経過した第2時刻T2までを計時する周期確保タイマー処理24を実行するのに加え、前述の第1信号生成処理21において、第2時刻T2の経過時に、ローサイドターンオン許容期間P2を開始する第1信号Sg1を生成する。
【0062】
但し、この第2時刻T2の時点では、ローサイド電圧Vlds(
図4(e)欄参照)が第1しきい電圧Vth1よりも高い(Vlds>Vth1)ために、電圧検知部14LからANDゲート31に入力されるローサイド電圧信号Slvdが、ローレベルであるので、ANDゲート31の出力(ローサイドFF33のS端子の入力)はローレベルにされたままである。また、ローサイドFF33のR端子に入力される第2信号Sg2もローレベルにされている。ローサイドFF33のQ出力端子から出力されローサイドゲートドライバ12に入力されるローサイドドライブ制御信号Sldrもローレベルにされている。
【0063】
その後、チャージステップS1(
図3参照)において、素子制御部11のコントローラ15でチャージ制御を行う。具体的には、上述のように、ハイサイド素子5が既にオンとされており、ローサイドターンオン許容期間P2内の第1時刻T1に、ローサイド素子4をターンオンさせる。具体的には、一次コイル電圧VL1の交番変化と共に変化するローサイド電圧Vlds(
図4(e),(f)欄参照)が第1しきい電圧Vth1よりも低下した(Vlds<Vth1)ために、電圧検知部14Lの出力するローサイド電圧信号Slvd(
図4(h)欄参照)が、ローレベルからハイレベルに切り替わるローサイド電圧低下エッジEgllが発生した第1時刻T1に、ローサイド素子4をターンオンさせる。第1時刻T1に、ローサイド電圧信号Slvdが、ローレベルからハイレベルに切り替わると、ANDゲート31の出力がハイレベルに切り替わり、ローサイドFF33のS端子に入力される。このため、ローサイドFF33のQ出力端子から出力されるローサイドドライブ制御信号Sldrもハイレベルに切り替わり、ローサイドゲートドライバ12に入力される。このため、ゲートドライブ信号Slgも切り替えられて、ローサイド素子4がオンとされる。
【0064】
すると、バッテリBTから、ハイサイド素子5、フライバック型昇圧トランス1の一次コイル2、ローサイド素子4を通じて、接地電位GNDに向けて、一次コイル電流IL1が流れ始める(
図4(c)欄参照)。なお、一次コイル2のインダクタンスにより、一次コイル電流IL1としては、時間と共に増加する三角波パターンの正の電流となる。そしてこれにより一次コイル2にエネルギがチャージ(蓄積)される。
【0065】
この本実施形態の装置10では、ローサイド素子4をターンオンさせて、一次コイル2への通電によるチャージを行わせるにあたり、ローサイド素子4のドレイン-ソース間に掛かるローサイド電圧Vldsが正の第1しきい電圧Vth1よりも低下した第1時刻T1に、ローサイド素子4をターンオンさせる、いわゆるソフトスイッチングを行っている。このため、このローサイド素子4のターンオンにおける損失を減少させることができ、エネルギ効率を高めた装置10とすることができる。
【0066】
しかも、コントローラ15のうちマイクロコントローラ20では、生成する第1信号によって、直接、ローサイド素子のターンオンを指示するのではなく、ローサイドターンオン許容期間P2を与える。その一方、コントローラ15のうちドライブロジック回路30は、ハイサイド素子5が既にオンとされており、ローサイドターンオン許容期間P2内で、かつ、ローサイド電圧低下エッジEgllが入力された第1時刻T1に、ローサイド素子4をターンオンさせ、一次コイル2への通電によるチャージを行わせるローサイドドライブ制御信号Sldrを出力するように構成されている。
【0067】
このように、マイクロコントローラ20を用いることで、このマイクロコントローラ20で作動するソフトウェアによって、多様な要因を考慮して、第1信号Sg1で与えるローサイドターンオン許容期間P2の始期(第2時刻T2:開始タイミング)や長さ、終期(終了タイミング)などを適切かつ容易に設定することが出来る。その一方、予め定めた論理処理を短時間で処理できるドライブロジック回路30をも用いているので、ハイサイド素子5が既にオンとされており、第1信号Sg1で設定されたローサイドターンオン許容期間P2内で、かつ、電圧検知部14Lからのローサイド電圧低下エッジEgllが入力された第1時刻T1に、ローサイドドライブ制御信号Sldrを、遅滞なく出力することが出来る。
【0068】
しかも、マイクロコントローラ20は、第1信号生成処理21において、第1時刻T1における、ドライブロジック回路30でのローサイド素子4のターンオンの指示から、周期確保期間P1が経過した第2時刻T2に、次回のローサイドターンオン許容期間P2が開始する第1信号Sg1(
図4(j)欄参照)を生成している。
【0069】
プラズマリアクタPRは容量性負荷であり、その大きさが変動するため、プラズマリアクタPRに複数回に亘る正負交番放電を生じさせる場合、交番放電の交番周期も変動する。このため、一次コイルへのチャージ周期を固定した長さとすると、変化するローサイド電圧Vldsと、ローサイド素子をターンオンさせるタイミングとを前述のようにして合わせることが困難となり、いわゆるソフトスイッチングができない場合が生じる虞がある。
【0070】
しかしこの装置10では、マイクロコントローラ20で、第2時刻T2に、ローサイドターンオン許容期間P2が開始する第1信号Sg1を生成する。このため、ローサイドターンオン許容期間P2中に、ローサイド素子4のオンさせるようにすれば良く、プラズマリアクタPRの容量成分の変動などによって交番放電の交番周期に変動が生じても、いわゆるソフトスイッチングとなる適切なタイミング(第1時刻T1)でローサイド素子4をオンさせることができる。
【0071】
但し、前回のローサイド素子4のオン(第1時刻T1)から、次回のローサイド素子4のオン(次の第1時刻T1)までのチャージ周期Tlooを正確には定めることはできない。しかし、このチャージ周期Tlooを、周期確保期間P1以上で、周期確保期間P1とローサイドターンオン許容期間P2との和以下(P1≦Ploo≦P1+P2)の範囲に定めることができる。かくして、一次コイルへのチャージの繰り返し周期であるチャージ周期Tlooの値を、上記の範囲で概ね定め、プラズマリアクタPRにおけるチャージの繰り返しを制御することができる。
なお本実施形態では、このようにすることで、プラズマリアクタPR(
図4(g)欄参照)において、第1時刻T1から次の第1時刻T1において、複数回の正負交番放電(正放電3回、負放電2回の合計5回)が間欠的に生じる周期の長さをP1~P1+P2の範囲(本実施形態では、50~60μsの範囲)とすることができる。
【0072】
またこの装置10では、マイクロコントローラ20の第1時刻検知処理23で、ドライブロジック回路30(ローサイドFF33)が出力するローサイドドライブ制御信号Sldrから第1時刻T1を検知し、周期確保タイマー処理24で、周期確保期間P1が経過した第2時刻T2まで待つ。そして、第1信号生成処理21では、この第2時刻T2の経過時にローサイドターンオン許容期間P2を開始する第1信号Sg1を生成するので、確実に、周期確保期間P1を確保することができる。
【0073】
次いで、ローサイド素子4をオンした第1時刻T1からマイクロコントローラ20において定めるチャージ期間Pcが経過したら(第4時刻T4)、交番放電ステップS2(
図3参照)において、コントローラ15により交番放電制御を行う。具体的には、マイクロコントローラ20において、第1時刻T1におけるドライブロジック回路30でのローサイド素子4のターンオンの指示から、チャージ期間Pcが経過した第4時刻T4に、ローサイド素子4をターンオフさせる指示をするターンオフ信号Sgfを生成するターンオフ信号生成処理25をも実行する。但し、本実施形態では、マイクロコントローラ20において、ターンオフ信号Sgfを、第1信号Sg1及び第2信号Sg2とは別に生成するのではなく、第2信号Sg2をターンオフ信号Sgfに兼用している。即ち、第4時刻T4に、ローレベルからハイレベルに切り換える第2信号Sg2を生成する。
【0074】
これと共に、本実施形態のドライブロジック回路30は、第4時刻T4におけるターンオフ信号Sgf(第2信号Sg2)の入力により、ローサイド素子4をターンオフさせるローサイドドライブ制御信号Sldrを出力し、ローサイドゲートドライバ12に入力するように構成されている。具体的には、第4時刻T4に、ローサイドFF33のR端子にハイレベルのターンオフ信号Sgf(第2信号Sg2)を入力することで、S端子の信号レベルに関わらず、ローサイドFF33のQ出力端子から出力されるローサイドドライブ制御信号Sldrはローレベルとされて、ローサイドゲートドライバ12に向けて出力される。これにより前述のように、第4時刻T4の後、ローサイドゲートドライバ12からは、速やかにローサイド素子4をオフさせるゲートドライブ信号Slgが出力され、ローサイド素子4が強制的にオフとされる(
図4(b)欄参照)。このようにして第4時刻T4にローサイド素子4をオフとして一次コイル2を流れる一次コイル電流IL1を遮断すると、第4時刻T4の直後に、一次コイル2は、電源側端子2sよりも接地側端子2eが高電位となる負の高電圧VL1を発生する(
図4(f)欄参照)。このため、ローサイド素子4のドレイン-ソース間に掛かるローサイド電圧Vldsは、正の大きな波形となる(
図4(e)欄参照)。
【0075】
なお、スナバコンデンサ6は、ローサイド素子4をオフとした第4時刻T4の後に、一次コイル2に発生するサージ電圧を吸収して過電圧を低減し、ローサイド素子4及びハイサイド素子5を保護している。
【0076】
このように第4時刻T4の後、一次コイル2に蓄積されているエネルギが開放されて、フライバック型昇圧トランス1の二次コイル3には、まず、正のパルス状で高電圧の二次コイル出力電圧VL2が発生する(
図4(g)欄参照)。そしてこれにより、二次コイル3に接続されているプラズマリアクタPRには、まず、正放電電極Dp側を正電位とする誘電体バリア放電(正極放電)が発生する。
【0077】
さらに、容量性のプラズマリアクタPRと二次コイル3との共振、及び一次コイル2とスナバコンデンサ6との共振により、
図4(g)欄に示すように、第4時刻T4以降、二次コイル3には、二次コイル出力電圧VL2として、減衰しつつ正負交番する正弦波状の交番電圧が発生する。これにより、プラズマリアクタPRには、正放電電極Dp側を正電位とする正極放電と、これとは逆に正放電電極Dp側を負電位とする負極放電とが交番して発生する。なお、本実施形態においては、第1時刻T1から第4時刻T4までの一次コイル2への一度のチャージで、第4時刻T4から次回の第1時刻T1までに、二次コイル出力電圧VL2が正側に4回、負側に3回振れる波形のパルスが発生する例を示している。
【0078】
この装置10では、前述のように、マイクロコントローラ20で、第4時刻T4に、ローサイド素子4をターンオフさせる指示をするターンオフ信号Sgf(第2信号Sg2)を生成し、ドライブロジック回路30では、ターンオフ信Sgf号の入力により、ローサイド素子4をターンオフさせるローサイドドライブ制御信号Sldrを出力する。これにより、この装置10では、マイクロコントローラ25で実行するソフトウェアによって、一次コイル2へのチャージ期間Pcの長さを、チャージの各回で同じに揃えたり、内燃機関の運転状況などに応じて、適宜の長さに変更調整することが出来る。このため例えば、チャージ期間の長さを各回で同じに揃えることにより、一次コイル2にチャージされるエネルギを揃えることができ、各回の放電の状況(交番放電の回数や放電の強さなど)を揃えることができる。また、内燃機関の運転状況など、プラズマリアクタPRに届くガスの状況に応じて、チャージ期間Pcの長さを適宜の長さに変化させることで、1回のチャージで蓄えられるエネルギの量を増減させ、放電の強さを変えるなどにより、排気ガスの浄化能力を高めたり低下させたりすることも出来る。
【0079】
また本実施形態では、第4時刻T4における交番放電ステップS2の開始と同時に、ハイサイドオフステップS3も実行し、コントローラ15でハイサイドオフ制御も行う(
図2参照)。即ち、本実施形態では、
図4(a),(b)欄に示すように、第4時刻T4にローサイド素子4を強制的にオフしたのと同時に、ハイサイド素子5もオフとする。具体的には、マイクロコントローラ20において、下記する第2信号Sg2を生成する第2信号生成処理22(
図2参照)を実行する。具体的には、第4時刻T4に、ローサイド素子4のほか、ハイサイド素子5をもターンオフさせる指示をする第2信号Sg2を生成する。さらに具体的には、
図4(i)欄に示すように、第4時刻T4に、ローレベルからハイレベルに切り替わる第2信号Sg2を生成する。そして、この第2信号Sg2を、ローサイドFF33のR端子のほか、ハイサイドFF34のR端子、及び、ドライブロジック回路30のNORゲート32にそれぞれ入力する。なお前述したように、第2信号Sg2はターンオフ信号Sgfを兼用している。
【0080】
本実施形態のドライブロジック回路30は、この第2信号Sg2の入力により、ハイサイド素子5をターンオフさせるハイサイドドライブ制御信号Shdrを出力し、ハイサイドゲートドライバ13に入力するように構成されている。具体的には、第4時刻T4に、ハイサイドFF34のR端子にハイレベルの第2信号Sg2を入力することで、S端子の信号レベルに関わらず、ハイサイドFF34のQB出力端子からは、ハイレベルのハイサイドドライブ制御信号Shdrがハイサイドゲートドライバ13に向けて出力される。ハイサイドゲートドライバ13は負論理で動作するように構成されており、第4時刻T4の後、速やかにハイサイド素子5をオフさせるゲートドライブ信号Shgが出力され、ハイサイド素子5がオフとされる。
【0081】
この装置10では、上述のようにすることで、ハイサイド素子5をオフとし、ハイサイド素子5に電流が流れず電圧が掛かり、ハイサイド電圧Vhdsが正となる状態を実現できるから、一次コイル2及び二次コイル3に正負交番電圧を発生させ、プラズマリアクタPRに正負交番放電を発生させることが出来る。
しかも、第4時刻T4において、ハイサイド電圧Vhdsは、0Vとなっている。即ち、ハイサイド素子5のドレイン-ソース間には、電圧が掛かっていない(
図4(d)欄参照)。このため、第4時刻T4でのハイサイド素子5のターンオフも、いわゆるソフトスイッチングとなっており、このハイサイド素子5のターンオフにおける損失を減少させることが出来、さらに、エネルギ効率を高めた装置とすることができる。
【0082】
特に本実施形態の装置10では、前述のようにマイクロコントローラ20は、第2信号生成処理22において、ターンオフ信号生成処理25を兼ねており(
図2参照)、第4時刻T4に、ローサイド素子4をターンオフさせる指示をすると共に、ハイサイド素子5をターンオフさせる指示をする第2信号Sg2を生成する。そしてドライブロジック回路30は、(ターンオフ信号Sgfを兼ねる)第2信号Sg2の入力により、ローサイド素子4をターンオフさせるローサイドドライブ制御信号Sldrを出力すると共に、ハイサイド素子5をターンオフさせるハイサイドドライブ制御信号Shdrを出力するように構成されている。
【0083】
このためこの装置10では、第2信号Sg2によって、ローサイド素子4及びハイサイド素子5を、第4時刻T4において同時にターンオフさせるので、マイクロコントローラ20における制御が容易になると共に、マイクロコントローラ20からドライブロジック回路30に入力される信号の数を低減して、コントローラ15の構成を簡易に出来る。
【0084】
なお、
図4(d),(f)欄から理解できるように、第4時刻T4から始まるハイサイドターンオフ許容期間P5においては、電源側端子2sよりも接地側端子2eが高電位となる負の高い一次コイル電圧VL1が発生しており、一次コイル電流IL1も流れていないので、ハイサイド電圧Vhdsはほぼ0となる。従って、交番放電ステップS2の開始の後に、ハイサイドオフステップS3を実行することもできる。即ち、第4時刻T4に続くこの期間P5の期間中に、ハイサイド素子5をターンオフさせることもできる。
【0085】
つまり、マイクロコントローラ20の第2信号生成処理22において、第4時刻T4に続く、ローサイド電圧Vldsが第1しきい電圧Vth1を上回っているハイサイドターンオフ許容期間P5内に、ハイサイド素子5をターンオフさせる指示をする第2信号Sg2を生成する。これと共に、ドライブロジック回路30は、第2信号Sg2の入力により、ハイサイド素子5をターンオフさせるハイサイドドライブ制御信号Shdrを出力し、ハイサイドゲートドライバ13に入力するように構成しても良い。具体的には、第4時刻T4に続く期間P5に、ハイサイドFF34のR端子にハイレベルの第2信号Sg2を入力することで、QB出力端子からハイレベルのハイサイドドライブ制御信号Shdrを出力させても良い。このようにしても、負論理で動作するハイサイドゲートドライバ13は、期間P5内の第2信号Sg2の入力後、速やかにハイサイド素子5をオフさせるゲートドライブ信号Shgが出力され、ハイサイド素子5がオフとされる。
【0086】
このようにしても、ハイサイド素子5をオフとし、ハイサイド素子5に電流が流れず電圧が掛かり、ハイサイド電圧Vhdsが正となる状態を実現できるから、一次コイル2及び二次コイル3に正負交番電圧を発生させ、プラズマリアクタPRに正負交番放電を発生させることが出来る。
しかも、期間P5においても、ハイサイド電圧Vhdsは0Vとなっている(
図4(d)欄参照)。このため、期間P5におけるハイサイド素子5のターンオフも、いわゆるソフトスイッチングとすることができ、このハイサイド素子5のターンオフにおける損失を減少させ、さらに、エネルギ効率を高めた装置とすることができる。
【0087】
次いで、回生ステップS4(
図3参照)において、第4時刻T4におけるローサイド素子4のオフから予め定めたハイサイドオフ期間P3が経過したら(第3時刻T3)、ハイサイド素子5をオンとする。これにより、ハイサイドターンオフ許容期間P5の経過後にも、プラズマリアクタPRに正負交番する放電が発生する期間を確保する。その上で、その後のハイサイドターンオン許容期間P4には、二次コイル3とプラズマリアクタPRに、さらには、一次コイル2とスナバコンデンサ6に、なおも残留しているエネルギの一部を、バッテリBTに回生させる。また、前述したようにローサイド素子4のターンオンによって開始させる一次コイル2への通電によるチャージに備えて、予めハイサイド素子5をオンさせておくこともできている。
【0088】
具体的には、マイクロコントローラ20において、第4時刻T4から所定のハイサイドオフ期間P3(例えば本実施形態では、第4時刻T4以降、ローサイド電圧Vldsが正側に2回振れた後で3回振れる前までの期間)に亘ってハイレベルとする第2信号Sg2(
図4(i)欄参照)を生成し、この期間P3においては、ハイサイド素子5がターンオンするのを禁止しオフ状態を維持させる。これにより、少なくともハイサイドオフ期間P3に亘って、プラズマリアクタPRにおいて、正負交番する放電を発生させることができる。
【0089】
一方、ハイサイドオフ期間P3の経過後から次回のハイサイドオフ期間P3が開始する第4時刻T4までの、ハイサイドターンオン許容期間P4には、ハイサイド素子5のターンオンを許容する。そして、ハイサイドターンオン許容期間P4が開始した後の第3時刻T3に、ハイサイド素子5をターンオンさせるハイサイドドライブ制御信号Shdrを出力する。具体的には、マイクロコントローラ20は、第2信号生成処理22において、ハイサイドオフ期間P3の経過後から次回のハイサイドオフ期間P3が開始する第4時刻T4まで、ハイサイド素子5のターンオンを許容するハイサイドターンオン許容期間P4を与える第2信号Sg2を生成する。さらに具体的には、ハイサイドターンオン許容期間P4に亘り、ローレベルとした第2信号Sg2(
図4(i)欄参照)を、マイクロコントローラ20で生成し、ドライブロジック回路30のNORゲート32、ローサイドFF33及びハイサイドFF34のR端子にそれぞれ入力する。
【0090】
一方、ドライブロジック回路30は、ローサイド素子4がオフとされており(
図4(ab)欄参照)、ハイサイドターンオン許容期間P4内で、かつ、ローサイド電圧信号Slvd(
図4(h)欄参照)において、ローサイド電圧Vlds(
図4(e)欄参照)が第1しきい電圧Vth1を上回ったことを示すローサイド電圧上昇エッジEghlが発生した第3時刻T3に、ハイサイド素子5をターンオンさせるハイサイドドライブ制御信号Shdrを出力するように構成されている。具体的には、上述のように、ハイサイドターンオン許容期間P4内は、第2信号Sg2はローレベルとされている。ローサイド電圧信号Slvd(
図4(h)欄参照)において、第3時刻T3にハイレベルからローレベルに切り替わるローサイド電圧上昇エッジEghlが発生すると、既にローレベルの第2信号が入力されていたNORゲート32の出力は、第3時刻T3にローレベルからハイレベルに切り替わる。このため、このNORゲート32の出力がS端子に入力されたハイサイドFF34のQB出力端子からは、ハイレベルからローレベルに切り替わったハイサイドドライブ制御信号Shdrが出力される。そして、この信号Shdrが入力されたハイサイドゲートドライバ13により、ハイサイド素子5をターンオンされる(
図4(a)欄参照)。
【0091】
上述の装置10では、前述したようにローサイド素子4のターンオンによって開始させる一次コイル2への通電によるチャージに備えて、予めハイサイド素子5をオンさせておくにあたり、ローサイド電圧Vldsが第1しきい電圧Vth1を上回った第3時刻T3に、ハイサイド素子5をターンオンさせる。ところで、ローサイド電圧Vldsが第1しきい電圧Vth1を上回ったこと(Vlds>Vth1)は、ハイサイド電圧Vhdsが、ローサイド電圧Vldsにおける第1しきい電圧Vth1に対応する第2しきい電圧Vth2よりも低下したこと(Vhds<Vth2)を示すものにもなっている。以下で説明する。
【0092】
図2及び
図4(d),(e)欄から理解できるように、ローサイド素子4及びハイサイド素子5のいずれもがオフとされている第4時刻T4から第3時刻T3までの期間(
図4(a)(b)欄参照)においては、ローサイド素子4のうち、ソース端子Sの電位はそもそも接地電位GNDに固定されている一方、ドレイン端子Dの電位は接地電位GNDから切り離された状態となっている。同様に、ハイサイド素子5のうち、ソース端子Sの電位はそもそもバッテリBTの正極端子BTPの電位(例えば+12V)に固定されている一方、ドレイン端子Dの電位は正極端子BTPの電位から切り離された状態となっている。その中で、一次コイル2には、前述のように、正負に交番する一次コイル電圧VL1(
図4(f)欄参照)が生じている。このため、正のローサイド電圧Vldsが発生する期間と、正のハイサイド電圧Vhdsが発生する期間とは、逆の期間となる。
【0093】
従って、本実施形態では、ローサイド電圧信号Slvd(
図4(h)欄参照)がハイレベルである場合は、ローサイド電圧Vldsが第1しきい電圧Vth1以下であることを示すほか、間接的に、ハイサイド電圧Vhdsがバッテリ電圧Vsよりも低い第2しきい電圧Vth2よりも大きな正の値となっていることを示している。逆に、このローサイド電圧信号Slvdがローレベルである場合は、ローサイド電圧Vldsが第1しきい電圧Vth1よりも大きな正の値となっていることを示すほか、間接的に、ハイサイド電圧Vhdsが第2しきい電圧Vth2以下であることを示している。このため、ローサイド電圧信号Slvdが、ハイレベルからローレベルに変化するローサイド電圧上昇エッジEghlが発生するタイミング(例えば第3時刻T3)は、ハイサイド電圧Vhdsが、第2しきい電圧Vth2よりも大きな正の値から第2しきい電圧Vth2以下の値になったことをも示している。
【0094】
そして、第3時刻T3は、ハイサイドオフ期間P3の経過後のうち、振動する一次コイル電圧VL1が正から負の値に変化するために、ハイサイド素子5のドレイン-ソース間に掛かるハイサイド電圧Vhdsが、正の値から第2しきい電圧Vth2より小さい(Vhds<Vth2)ほぼ0になるタイミングである。即ち、この第3時刻T3には、ハイサイド素子5のドレイン-ソース間には、大きな電圧が掛かっていない(
図4(d)欄参照)。従って、第3時刻T3におけるハイサイド素子5のターンオンは、いわゆるソフトスイッチングとなっている。このため、ハイサイド素子5のターンオンにおける損失を減少させることができ、さらにエネルギ効率を高めた装置10とすることができる。
【0095】
加えて、本実施形態のマイクロコントローラ20では、生成する第2信号Sg2によって、直接、ハイサイド素子5のターンオンを指示するのではなく、ハイサイドターンオン許容期間P4を与える。その一方、ドライブロジック回路30では、第3時刻T3に、ハイサイド素子5をターンオンさせるハイサイドドライブ制御信号を出力するように構成されている。
【0096】
このように、マイクロコントローラ20を用いることで、このマイクロコントローラ20で作動するソフトウェアによって、内燃機関の作動状態などの変動要因や使用するプラズマリアクタPRの品番の違いなどを考慮して、第2信号Sg2で与えるハイサイドターンオン許容期間P4の始期(第4時刻T4:開始タイミング)や長さ、終期(終了タイミング)などを適切かつ容易に設定することが出来る。その一方、予め定めた論理処理を短時間で処理できるドライブロジック回路30をも用いるので、ローサイド素子4が既にオフとされており、第2信号Sg2で設定されたハイサイドターンオン許容期間P4内で、かつ、ローサイド電圧上昇エッジEghlが入力された第3時刻T3に、ハイサイドドライブ制御信号Shdrを遅滞なく出力することが出来る。
【0097】
しかも、ハイサイド素子5を第3時刻T3でターンオンさせたことにより、
図4(c)(d)(f)欄に示すように、第3時刻T3の後で次回の第1時刻T1よりも前の期間のうち、一次コイル電圧VL1として(バッテリ電圧Vsよりも高い)正電圧が発生して、ハイサイド電圧Vhdsが正の値となるはずの第5時刻T5~第6時刻T6の期間に、バッテリ電圧Vsにほぼ等しい一次コイル電圧VL1及びごく低いハイサイド電圧Vhdsしか発生しない一方、負の一次コイル電流IL1がバッテリBTに向けて流れている。このようにしてバッテリBTに向けてエネルギを回生することができ、プラズマリアクタ用電源装置10のエネルギ効率をさらに良好とすることができる。また、このようにして一次コイル2等に残留しているエネルギを十分減少させることで、次回の第1時刻T1~第4時刻T4のチャージ期間Pcにおける一次コイル2へのエネルギチャージをスムーズに行い得る利点もある。
なお、
図4(g)欄に示すように、回生により、時刻T5~T6には、二次コイル出力電圧VL2の大きさも、ごく小さくなっている。
【0098】
なお本実施形態では、
図4に示すように、第3時刻T3として、電圧検知部14Lにおけるローサイド電圧信号Slvdが、ハイレベルからローレベルに変化したタイミングを用いた。
しかし例えば、ハイサイドターンオン許容期間P4の期間のうち、ローサイド電圧信号Slvdが、ハイレベルからローレベルに変化してから1μs間に亘りローレベルが継続した後など、ハイサイドターンオン許容期間P4の期間のうち、電圧検知部14Lによって間接的に検知したハイサイド電圧Vhdsが第2しきい電圧Vth2以下であることを検知している期間(即ち、ローサイド電圧信号Slvdがローレベルである期間)の中から選んだ適宜のタイミングを、第3時刻T3として、ハイサイド素子5をターンオンさせるソフトオン制御を実行しても良い。
【0099】
第3時刻T3にハイサイド素子5をターンオンさせた後は、次回の第1時刻T1以降において、チャージステップS1から回生ステップS4を繰り返す。
【0100】
以上において、本発明を実施形態に即して説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更して適用できることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0101】
PR プラズマリアクタ
GND 接地電位
BT バッテリ(直流電源)
Vs バッテリ電圧(直流電源の出力電圧)
BTP (バッテリの)正極端子
10 プラズマリアクタ用電源装置
1 フライバック型昇圧トランス
2 (フライバック型昇圧トランスの)一次コイル
2e (一次コイルの)接地側端子
2s (一次コイルの)電源側端子
3 (フライバック型昇圧トランスの)二次コイル
3p (二次コイルの)正極端子
3n (二次コイルの)負極端子
VL2 二次コイル出力電圧
4 ローサイドスイッチ素子
Vlds ローサイド電圧
5 ハイサイドスイッチ素子
Vhds ハイサイド電圧
6 スナバコンデンサ
11 素子制御部
14L 電圧検知部(ローサイド電圧検知部)
Slvd ローサイド電圧信号
Egll ローサイド電圧低下エッジ
Eghl ローサイド電圧上昇エッジ
15 コントローラ(ドライバ制御部)
20 マイクロコントローラ
21 第1信号生成処理
22 第2信号生成処理
23 第1時刻検知処理(第1タイミング検知処理)
24 周期確保タイマー処理
25 ターンオフ信号生成処理
Tloo チャージ周期
Pc チャージ期間
P5 ハイサイドターンオフ許容期間
Sg1 第1信号
Sg2 第2信号
Sgf ターンオフ信号
T1 第1時刻(第1タイミング)
T2 第2時刻(第2タイミング)
T3~T6 時刻
TP1 第1経過タイミング
30 ドライブロジック回路
Sldr ローサイドドライブ制御信号
Shdr ハイサイドドライブ制御信号
31 ANDゲート
32 NORゲート
33 ローサイドSRフリップフロップ
34 ハイサイドSRフリップフロップ
Vth1 第1しきい電圧
Vth2 第2しきい電圧
S1 チャージステップ
S2 交番放電ステップ
S3 ハイサイドオフステップ
S4 回生ステップ