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特許7361702外部固定システム用のクイックアタッチメントクランプ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-05
(45)【発行日】2023-10-16
(54)【発明の名称】外部固定システム用のクイックアタッチメントクランプ
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/60 20060101AFI20231006BHJP
【FI】
A61B17/60
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020543165
(86)(22)【出願日】2018-12-20
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-06-03
(86)【国際出願番号】 EP2018086088
(87)【国際公開番号】W WO2019158262
(87)【国際公開日】2019-08-22
【審査請求日】2021-11-17
(31)【優先権主張番号】102018000002749
(32)【優先日】2018-02-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】510090807
【氏名又は名称】オーソフィックス ソチエタ ア レスポンサビリタ リミタータ
(74)【代理人】
【識別番号】110001896
【氏名又は名称】弁理士法人朝日奈特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヴェントゥリーニ、ダニエーレ
(72)【発明者】
【氏名】ザンドナ、エンリコ
(72)【発明者】
【氏名】ダル ゾーヴォ、キアラ
【審査官】白川 敬寛
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-055647(JP,A)
【文献】特開2012-125578(JP,A)
【文献】特表2009-504256(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0018541(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/60-17/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
創外固定器(100)用のクランプ(1)であって、バー(101)および/または骨用ネジ(102)のロックのための複数のアタッチメント(2;3;4)と、前記複数のアタッチメント(2;3;4)を通過して直列に接続する、部分的にねじが形成されたステム(50)が設けられた、コネクタ(5)とを備え、前記複数のアタッチメント(2;3;4)の1つの第1のアタッチメント(2)は、C字形の可撓性ブリッジ(22)によって接続された2つのアーム(20;21)を備え、前記ステム(50)は、前記可撓性ブリッジ(22)と前記アーム(20;21)の対向する自由端との間の中間位置で前記第1のアタッチメント(2)を通過し、前記自由端で、前記アーム(20;21)は、骨用ネジ(102)用のネジ収容受座(23)を画定し、前記ネジ収容受座(23)は、前記可撓性ブリッジ(22)を様々に変形させて、様々な直径を有する骨用ネジ(102)をクランプするように、選択的に構成可能であり、前記ネジ収容受座(23)が、4mm、5mmまたは6mmの直径を有する骨用ネジ(102)のクランプを可能にし、前記第1のアタッチメント(2)がまた、前記創外固定器(100)のバー(101)用のバー用収容受座(26)を提供し、前記バー用収容受座(26)が、前記バー(101)をクランプすることが可能な、前記可撓性ブリッジ(22)の内面によって構成され、前記可撓性ブリッジ(22)は、内部に円筒形の表面を有している、クランプ(1)。
【請求項2】
前記ネジ収容受座(23)内にクランプすることができる前記骨用ネジ(102)の様々な直径に対応する範囲内で、前記可撓性ブリッジ(22)が変形するときに孔(24)が前記ステム(50)に干渉しないように、前記第1のアタッチメント(2)の前記アーム(20;21)の1つが、前記第1のアタッチメント(2)を通過する前記ステム(50)に対して実質的により広い前記孔(24)を有している、請求項1に記載のクランプ(1)。
【請求項3】
前記孔(24)を有する前記第1のアタッチメント(2)のアームが、クランプ(1)の全体的な構造に対する内側アーム(20)である、すなわち、第2のアタッチメント(3)に並置されたアームである、請求項2に記載のクランプ(1)。
【請求項4】
前記第1のアタッチメント(2)の外側アーム(21)が、前記ステム(50)用の通過孔(25)を有し、前記コネクタ(5)が、前記ステム(50)と一体であり凸状表面(52)で前記ステム(50)とつながっているヘッド(51)を備え、前記外側アーム(21)は、凹状受座(28)を前記通過孔(25)の出口に備え、前記凹状受座(28)および前記凸状表面(52)は、球形または円筒形である、請求項3に記載のクランプ(1)。
【請求項5】
前記ネジ収容受座(23)が、前記第1のアタッチメント(2)の前記アーム(20;21)の前記自由端と一体であるそれぞれの顎部(27a;27b)の、互いに向かい合って対向している、鏡像となるV字形のプロファイルによって画定される、請求項1~4のいずれか1項に記載のクランプ(1)。
【請求項6】
前記コネクタ(5)が、前記ステム(50)の端部で、締め付け工具用の連結プロファイル(53)と、前記コネクタ(5)の手動の締め付けのための、前記連結プロファイル(53)に対して実質的に大きい直径を有する、締め付けノブ(54)とを提供する、請求項1~のいずれか1項に記載のクランプ(1)。
【請求項7】
前記締め付けノブ(54)が、ローレット加工または表面コーティングなどの、前記締め付けノブ(54)の手動での把持を容易にする手段を有する、請求項に記載のクランプ(1)。
【請求項8】
バー用収容受座(36)が設けられた第2のアタッチメント(3)、または1つまたは複数のネジ収容受座(42;43)が設けられた第3のアタッチメント(4)をさらに備える、請求項1~のいずれか1項に記載のクランプ(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に外部固定システムを構成する要素の連結を意図した、整形外科用途のクランプに関する。
【0002】
したがって、本発明は、整形外科領域、特に外傷手術において有用な用途を見出す。
【背景技術】
【0003】
整形外科では、通常、骨セグメントの安定化、整復および操作のための外部固定技術が利用される。このような技術は、患者の骨構造へのネジの使用に関連付けられた特定のクランプによって互いに関節でつながれた一連のバーによって構成される最も単純な形態で、剛性の外骨格の外科的適用を提供する。全体的に、採用される機械システムは創外固定器の名称を有している。
【0004】
病院の現実を構成する治療ニーズの多様性は、様々なタイプの固定器の差別化に寄与しており、それぞれの固定器には、意図される使用に適合された技術的および形態学的な特徴がある。そのため、特定の用途、主に外傷の用途、および緊急ベースで、いわゆるクイック固定器が開発され、これは、正確には固定の単純性と速度を特徴とすることに由来する。
【0005】
クイック固定器は、様々なタイプのクランプに接続された構造バーを備え、構造の関節点で構造バーを相互に接続すること(バー間のクランプ)を意図しているか、または構造バーを患者の骨に固定された非貫通ネジに関連付ける(バーとネジ間のクランプ)ように配置される。クランプの容易さと固定の安定性という反対のニーズを満たさなければならないため、これらのクランプはすべて、特定の設計の重要性を持つ要素である。
【0006】
これに関連して、市場は、欧州特許第1056407号に例示された、特定の操作ニーズを満たすために様々に組み立てることができる複数の構成部品を備えるクイック固定システムを提案している。
【0007】
特に、このようなシステムは、C形状の構成および比較的高い軸方向のバルク(bulk)を有するバー用アタッチメントと、バー用アタッチメントに対して軸方向のバルクが減少することを特徴とする、対向するプレートを有するネジ用アタッチメントの両方を提供する。このようなアタッチメントは、接続ネジを使用して相互に接続することができ、接続ネジは、相互接続するアタッチメントのタイプに適した方法で好適に選択されなければならない。したがって、外科医は2つのC字形アタッチメントと長いネジとを構成して、バー間のクランプを実現するか、またはC字形アタッチメントと、プレートアタッチメントと、短いネジとを構成して、バーとネジ間のクランプを得なければならない。
【0008】
上述のタイプのシステムは、それが意図する機能を満足のいく方法で実行したとしても、今日まで解決されていないいくつかの不便さを有している。
【0009】
最初の不便さは、組み立てられたクランプの使用の柔軟性の不足に関係している。クランプの機能は確かに、それを構成するアタッチメントによって厳密に規定されており、構成部品の多様性が、理論的に幅広い機能の組み合わせを可能にする限り、そのような可能性から恩恵を得るために、たとえば、様々な解剖学的部位に適合された様々な直径を有するネジ用アタッチメントを備える、構成部品の完全な装備の各操作での配置が必要とされる。
【0010】
別の不便さは、上で提案されたシステムの使用の相対的な複雑さに関係し、これも、潜在的に組み立てられ得る多数の構成部品に起因する。所望の単一の組み立てに正しい構造要素(たとえば、上述のように、バー間のクランプを実現するための長いネジ)を選択する必要性は、外科医の混乱を招く原因となる。
【0011】
別の不便さは、人間工学的な閉鎖システムがほとんどないことから結果として生じ、これには、事前の組み立て段階においても、オペレータが六角レンチで接続ネジを締める必要がある。先行技術による固定システムは、米国特許出願公開第2007/0038217号明細書および米国特許出願公開第2008/0247818号明細書に開示されている。
【0012】
したがって、本発明の根底にある技術的問題は、背景技術で説明された不便さの少なくともいくつかを解決することにあり、特に、当該領域で知られているデバイスと比べて優れた用途の柔軟性および使用の容易さを提供されたクランプを供給することにある。
【発明の概要】
【0013】
本発明の根底にある解決策の概念は、選択的に可変の寸法のネジ用の受座(seat)が設けられた少なくとも1つのアタッチメントを利用することで、単一のクランプで様々な直径の骨用ネジのブロックを可能にすることである。
【0014】
したがって、上記の技術的問題は、好ましくはクイックアタッチメントタイプの創外固定器用のクランプによって解決され、当該クランプは、バーおよび/または骨用ネジのブロックのための複数のアタッチメントと、複数のアタッチメントを通過して直列に接続する、少なくとも部分的にねじが形成されたステムが設けられた、コネクタとを備え、複数のアタッチメントの少なくとも1つの第1のアタッチメントは、C字形の可撓性ブリッジによって接続された2つのアームを備え、ステムは、可撓性ブリッジとアームの対向する自由端との間の中間位置で第1のアタッチメントを通過し、自由端で、アームは、骨用ネジ用のネジ収容受座(screw housing seat)を画定し、ネジ収容受座は、可撓性ブリッジを様々に変形させて、様々な直径を有する骨用ネジをクランプするように、選択的に構成可能である。
【0015】
したがって、クランプを調節し、アームの自由端に設けられた顎部を互いに近づけたり遠ざけたりすることを可能にするのは、ブリッジの可撓性であり、これにより、ネジ収容受座が画定される。
【0016】
好ましくは、ネジ収容受座は、骨の様々な解剖学的部位または様々な寸法(たとえば、手首、足に対しては4mm、上腕骨、足首に対しては5mm、骨盤、大腿骨、脛骨に対しては6mm)を提供するために、少なくとも4mm、5mmおよび6mmの直径で骨用ネジのクランプを可能にするように構成されている。
【0017】
第1のアタッチメントの変形を妨げないために、アームの少なくとも1つ、好ましくは内側アーム、すなわち構造の端部の方ではなく別のクランプの近くで見られるアームは、第1のアタッチメントを通過するステムに対して実質的により広い拡大孔を有している。それにより、少なくとも、ネジ収容受座内にクランプすることができる骨用ネジの直径の所望の変動に対応する範囲内で、可撓性ブリッジが変形するときに拡大孔がステムに干渉しない。
【0018】
さらに、内側アームはまた、ステム用の通過孔を有することが好ましい。そのような通過孔は、ステムの幅と実質的に合致し、それ故、拡大孔の幅よりも小さい幅を有することが好ましい場合でも、アタッチメントの所望の湾曲を可能にするために必要なステムのミスアラインメントを可能にするようなクリアランスを有している。
【0019】
利点として、コネクタは、ステムと一体であり凹状表面でステムとつながっているヘッドを備えることができ、第1のアタッチメントの外側アームは、外側アームがステムに垂直な状態に対して曲げられたときでさえ、凹状表面に接触して合致するように構成された凸状受座を通過孔の出口に備えている。
【0020】
好ましくは、凸状受座および凹状表面は、クランプ状態での表面間の恒久的な接触を保証するように、球形または円筒形である。
【0021】
ネジ収容受座は、好ましくは、第1のアタッチメントのアームの自由端と一体であるそれぞれの顎部の、互いに向かい合って対向している、鏡像となる(specular)V字形のプロファイル(profiles)によって画定される。ネジ収容受座のこのような形態は、様々な直径の骨用ネジ上の線接触の安定性を確かなものとする。
【0022】
ネジ収容受座はまた、好ましくは、骨用ネジのステム用の円錐形の挿入ガイドスロープを提供する。
【0023】
利点として、第1のアタッチメントはまた、創外固定器のバー用のバー用収容受座を提供することができる。そのような受座は、アタッチメントの形態を使用して、可撓性ブリッジの略円弧として形成された、内側プロファイルによって画定される。
【0024】
単一の第1のアタッチメント上のバー/ネジを組み合わせたアタッチメントの可能性は、クランプの使用の未知の柔軟性を保証し、単一の構成部品を様々な用途に選択することができるため、組み立てを大幅に容易にする。
【0025】
好ましくは、バー用収容受座を画定する円弧は、180°より大きい角度に対応し、バーを包み込み、締め付け構成においてバーへの圧力を増加させる。
【0026】
コネクタは、好ましくは、ステムの端部で、締め付け工具用の連結プロファイル、好ましくはキーヘッド用の多角形凹部、たとえば六角レンチ用の六角形凹部と、コネクタの手動の締め付けのための、連結プロファイルに対して実質的に大きい直径を有する、締め付けノブとを提供する。
【0027】
したがって、締め付けノブは、予備の締め付け段階で利点を有して使用することができ、システムの人間工学的な組み立てが可能になる。
【0028】
好ましくは、締め付けノブは、連結プロファイルに対してキャビティによって分離された外周つばによって画定される。
【0029】
締め付けノブはまた、特にそれ自体の外周面に、エラストマーなどの高グリップ材料におけるローレット加工または表面コーティングなどの、その手動での把持を容易にする手段を有することができる。
【0030】
クランプは、既に述べた第1のアタッチメントに加えて、バー用収容受座のみが設けられた第2のアタッチメント、または代替的に、1つまたは複数のネジ収容受座が設けられた第3のアタッチメントを備えることができる。
【0031】
様々なアタッチメントの材料は、限定されないが、機械的耐性および滅菌を低コストで活用させるように、ガラスまたは炭素繊維で強化されたプラスチック(ポリエーテルイミド、ポリスルホン、ポリアリールアミド、または同等のもの)であり得る。
【0032】
コネクタには、AISI300クラスの単純なステンレス鋼、またはアルミニウム合金もしくはチタン合金を利用することができる。
【0033】
また、アタッチメントの設計の特殊性および制限された公差の欠如が、3次元プリンティングの技術の採用を示唆していることも留意される。
【0034】
限定されない例として与えられた添付の図面を参照して、本発明の好ましいが限定されない実施形態の以下の詳細な説明において、さらなる特徴および利点がより大きな範囲で示される。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】本発明による整形外科用固定器用のクランプの一部をなす第1のアタッチメントの斜視図を示す。
図2図1のアタッチメントの異なる角度による斜視図を示す。
図3図1のアタッチメントの正中面に沿って切断された側面図を示す。
図4】正中面に沿って切断された図1のアタッチメントの斜視図を示す。
図5】本発明による整形外科用固定器用のクランプの一部をなす第2のアタッチメントの斜視図を示す。
図6図5のアタッチメントの異なる角度による斜視図を示す。
図7】正中面に沿って切断された図5のアタッチメントの斜視図を示す。
図8図5のアタッチメントの平面図を示す。
図9図5のアタッチメントの側面図を示す。
図10図5のアタッチメントの正中面に沿って切断された側面図を示す。
図11】本発明による整形外科用固定器用のクランプの第3のアタッチメントの正面図を示す。
図12図11の第3のアタッチメントの側面図を示す。
図13】本発明による整形外科用固定器用のクランプの一部をなすコネクタの斜視図を示す。
図14図13のコネクタの正中面に沿って切断された斜視図を示す。
図15図13のコネクタの正中面に沿って切断された側面図を示す。
図16】本発明によるタイプの整形外科用固定器用の代替コネクタの斜視図を示す。
図17図16のコネクタの異なる角度による斜視図を示す。
図18図16のコネクタの別の異なる角度による斜視図を示す。
図19】本発明による整形外科用固定器用のクランプの一部をなすスペーサの斜視図を示す。
図20図19のスペーサの異なる角度による斜視図を示す。
図21図19のスペーサの正中面に沿って切断された斜視図を示す。
図22】本発明による創外固定器用のクランプの斜視図を示す。
図23】異なる角度による図22のクランプの斜視図を示す。
図24図22のクランプの分離された部品の図を示す。
図25】創外固定器のバーに適用された図22のクランプの正面図を示す。
図26】互いに垂直に合致された創外固定器の2つのバーに適用された図22のクランプの斜視図を示す。
図27図26の構成の分離された部品の図を示す。
図28】骨用ネジに対して垂直に合致された創外固定器のバーに適用された図22のクランプの斜視図を示す。
図29】本発明によるクランプの構成部品を組み立てることによって実現することができる、創外固定器用のクランプの第1の変形の斜視図を示す。
図30図29のクランプの正中面に沿って切断された斜視図を示す。
図31図29のクランプの分離された部品の図を示す。
図32】患者の手首の関節に対応する骨部位に合致された、図29のタイプの2つのクランプを備える、創外固定器を示す。
図33】本発明によるクランプの構成部品を組み立てることによって実現することができる、創外固定器用のクランプの第2の変形を示す。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下に説明する好ましい実施形態は、添付の図面において参照符号1、1’および1’’で識別される、クランプの様々な変形を実現するように組み合わせ可能な複数の構成部品を備えるシステムを提供する。
【0037】
そのようなクランプ1;1’;1’’は、背景技術に関する前の議論で明記されたように、外部整形外科用固定器100、特に図32に例示されるタイプのクイック固定器の接続要素として機能するように計画されている。クランプ1;1’;1’’は、直径4mm、5mmまたは6mmの、2つの接続バー101の間、またはバー101と骨用ネジ102との間の一時的に剛性を有する接続を迅速かつ効率的な方法で実現するように構成されている。
【0038】
図22図28に例示されるクランプ1の第1の変形は、コネクタ5によって好適に一緒に保持された、第1のアタッチメント2および第2のアタッチメント3を備え、これが実現されることで、第1のアタッチメント2の顎部と第2のアタッチメント3の顎部との間にそれぞれ配置される2つのスペーサ6も提供される。スペーサは、センタリング機能を実行することに加えて、第2のアタッチメント3の場合には、アタッチメントの湾曲を制限するように効果的に間隔をあけ、すべての破損のリスクを防ぐ役割も果たす。
【0039】
コネクタ5は、図13図15に個別に示されるように、ねじが形成された端部55が設けられたステム50を備える。ステム50の反対側の端部は、補強およびセンタリング用の拡大カラー57を提供し、その後、略球形の凹状表面52によってヘッド51が拡大カラー57に接合される。
【0040】
カラー57は、アタッチメントのステム50と通過孔との間の遊び(plays)を低減することを可能にする直径を有し、アタッチメント2、3のインターフェースへの相互の歯付き面の接合を促進する。
【0041】
ヘッド51は、外側にローレット加工されたリングナットを提供し、これは締め付けノブ54を画定する。内側では、ステム50とは反対の方向に開いているキャビティ56によって締め付けノブから分離された、連結プロファイル53が採用されるが、この特定の場合では、六角レンチ用の六角形凹部が採用される。
【0042】
コネクタはまた、ねじが形成された端部55にねじ込まれるように採用された、締め付けナット57を提供し、上記要素間に挿入されたアタッチメント2、3を包む。さらに、計画の変形例では、締め付けナットを第2のアタッチメント3に組み込むことができることに留意されたい。
【0043】
図1図4に個別に示される第1のアタッチメント2には2つのアームが設けられ、2つのアームは、組み立てられたクランプ1の全体的な構造に対して、それぞれ、内側アーム20および外側アーム21として識別される。内側アーム20および外側アーム21は、C字形の可撓性ブリッジ22によって、すなわち、相互平行の残りの(rest)構造の外側でその湾曲を可能にする弾性ヒンジによって接続される。
【0044】
可撓性ブリッジ22は、内部に円筒形の表面を有し、これは180°よりわずかに大きな弧で進行し、その後、2つの内側アーム20および外側アーム21の内部の平面につながる。このような表面は、バー用収容受座(bar housing seat)26を画定し、その内部で、創外固定器100の接続バー101をクランプすることができる。
【0045】
可撓性ブリッジ22とは反対側の端部では、内側アーム20および外側アーム21は、それぞれの顎部27a、27bを有する。そのような顎部27a、27bは、アームの他の部分に対して厚くなっており、対向する平面を有してアタッチメントに対して横方向に伸長された2つのV字形のスプラインが設けられている。向かい合った2つのスプラインは、コネクタ5のクランプによってアームに与えられた湾曲に応じて、4mm、5mmまたは6mmのネジを含むことができるネジ収容受座23を画定する。
【0046】
内側アーム20および外側アーム21は、コネクタ5のステム50の通過のために採用されたそれぞれの孔24、25をさらに備える。内側アーム20上に実現される孔は、ステム50の周囲に対して実質的により大きな面積を有する、アームの伸長の意味で伸長された楕円形の拡大孔24である。反対に、外側アーム21の通過孔25は、円形であり、ステム50に実質的に比例し、それでもなお十分なクリアランスを提供して、アタッチメント2の湾曲を可能にする。
【0047】
通過孔25の外側には、球状フレア、すなわち、コネクタ5の凹状表面52のための凸状受座28が実現され、これは、ステム50に対して外側アーム21が垂直でない状態でも実質的に接触して載置される。
【0048】
最後に、内側アーム20が、その中間部分の1つで、円筒状のブッシュ29によって画定されることに留意されたい。このようなブッシュは、並置されたアタッチメントの対応する歯に対して拘束されるように採用された半径方向の歯29aを示し、クランプ1の曲げ安定性を保証する。さらに、外面には、角度基準として使用することができ、接続バー101と骨用ネジ102との間の垂直性を保証することができ、特定の場合には90°の角度で等間隔に配置された隆起部29bが設けられている。
【0049】
図5図10に個別に示されている第2のアタッチメント3は、骨用ネジ用受座を画定する顎部が設けられていないことを除いて、第1のアタッチメント2と類似した構造を有している。それにはまた、C字形の可撓性ブリッジ32に接続された、組み立てられたクランプ1の全体的な構造に対する、2つのアーム、すなわち、内側アーム30および外側アーム31が設けられている。
【0050】
この場合、可撓性ブリッジ32はまた、バー用収容受座36を画定し、その内部に、創外固定器100の接続バー101をクランプすることができる。
【0051】
内側アーム30および外側アーム31は、コネクタ5のステム50の通過のために採用されたそれぞれの孔34、35を備える。内側アーム30上に実現される孔は、第1のアタッチメント2の内側アーム20上で得られるものに類似した拡大孔34である。ここでも、外側アーム21上の通過孔35は、ステム50に実質的に比例し、十分なクリアランスを提供して、第2のアタッチメント3の湾曲を可能にする。
【0052】
通過孔35の外側には、締め付けナット57のハウジングのために六角形凹部38が実現され、これは、前述のように、印刷プロセス中に第2のアタッチメント3自体に組み込むことができる。
【0053】
また、この場合、内側アーム30は、中間部分ではなく、末端で円筒状のブッシュ39によって画定される。このようなブッシュは、並置されたアタッチメントの歯に対して拘束されるように採用された半径方向の歯39aおよび互いに90°間隔をあけられた基準の隆起部39bを示す。
【0054】
図19図21に個別に示されたスペーサ6は、略円筒状のスリーブであり、それ自体をステム50上で取り囲むように採用された、対向するフランジおよび側面の平坦部が設けられ、単一のアタッチメント2;3のアーム20、21;30、31を分離するか、または上述のように、特に第1のアタッチメント2と組み合わせて使用する場合には、単にセンタリング機能を有し得る。
【0055】
図29図32に例示されるクランプ1’の第2の変形は、上記のタイプの第2のアタッチメント3および第3のアタッチメント4を備え、これらはコネクタ5’によって一緒に保持される。
【0056】
図11および図12に個別に例示さる第3のアタッチメント4は、実質的に対向して形成された2つのプレート40によって構成され、その境界に骨用ネジ102を保持するためのスプラインおよび/または横溝を画定する。スプラインおよび/または横溝は、互いに90°で交差し、異なる直径および/または異なる中心間距離を有する骨用ネジ102のための2対の受座を画定する。特に、この特定の場合では、前後方向において、プレート40は、およそ20mmの中心間距離を有する、直径が5mmまたは6mmのネジを保持するための2つの横溝41を画定し、左右方向において、プレートは、およそ14mmの中心間距離を有する、直径が4mmのネジを保持するための2つの通過孔42を画定する。
【0057】
図16図18に個別に例示される、クランプ1’のこのタイプのコネクタ5’は、前述のコネクタとはわずかに異なる。実際、それは、長さが短いステム50’およびヘッドプロファイル51’を提示し、円周のアバットメント52’のみが第3のアタッチメント4の外側部分のみに装填され、ここでヘッドプロファイル51’は曲がりやすいカンチレバーとして実現される。特に、図30に示すように、このような円周のアバットメント52’は、第3のアタッチメント4の半径方向の歯に衝突しない。
【0058】
図33に例示されるクランプ1の第3の変形は、第2のアタッチメント3、および互いに重なり合った2つの第3アタッチメント4を備え、コネクタ5によって一緒に保持されている。
【0059】
明らかに、上記の本発明に対して、当業者は、一時的かつ特定のニーズを満たすために、いくらかの修正および変形を導入することができるが、すべては以下の請求項によって定義される本発明の保護の分野に含まれる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
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図9
図10
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