(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-05
(45)【発行日】2023-10-16
(54)【発明の名称】混合マニホールドおよびバルブシールアセンブリ
(51)【国際特許分類】
F16K 11/20 20060101AFI20231006BHJP
【FI】
F16K11/20 A
(21)【出願番号】P 2020565285
(86)(22)【出願日】2019-05-22
(86)【国際出願番号】 US2019033480
(87)【国際公開番号】W WO2019226747
(87)【国際公開日】2019-11-28
【審査請求日】2022-04-25
(32)【優先日】2018-05-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】308025451
【氏名又は名称】グラコ ミネソタ インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002664
【氏名又は名称】弁理士法人相原国際知財事務所
(72)【発明者】
【氏名】ロークサ, デビッド, ディ.
(72)【発明者】
【氏名】ファン クーレン, デニス, ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ユルム, ジェレミー, ピーター
【審査官】冨永 達朗
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第04117551(US,A)
【文献】米国特許第04193546(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 11/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の流体入口、第2の流体入口、第3の流体入口、および流体出口を有するバルブハウジングと、
前記第1の流体入口と前記流体出口との間に延在する第1の流体流路と、
前記第2の流体入口と前記流体出口との間に延在する第2の流体流路と、
前記第3の流体入口から延びる第3の流路であって、前記第1の流体流路に延びる第1の分岐部と前記第2の流体流路に延びる第2の分岐部とを含む、第3の流路と、
前記第1の分岐部と前記第1の流体流路との間の交差部の下流の位置で前記第1の流体流路に配置された第1の逆止バルブと、
前記第2の分岐部と前記第2の流体流路との間の交差部の下流の位置で前記第2の流体流路に配置された第2の逆止バルブと、
前記第1の流体流路内に配置され、前記第1の流体入口と前記流体出口との間の流体の流れを制御するように構成された第1のバルブと、
前記第2の流体流路内に配置され、前記第2の流体入口と前記流体出口との間の流体の流れを制御するように構成された第2のバルブと、更に、
前記第3の流路内に配置され、前記第3の流体入口から前記第1の分岐部および前記第2の分岐部への流体の流れを制御するように構成された第3のバルブ
と、
前記第1のバルブと前記第2のバルブとを同時に作動させることができるように、前記第1のバルブと前記第2のバルブとの間に延びると共に前記第1のバルブと前記第2のバルブとを連結する第1のハンドルと、
前記第3のバルブに接続され、第1の位置、第2の位置および第3の位置の間で前記第3のバルブを作動させるように構成された第2のハンドルと、を含み、
前記第3のバルブが前記第1の位置にあるときに前記第1の分岐部に流体を導き、前記第3のバルブが前記第2の位置にあるときに前記第2の分岐部に流体を導き、そして前記第3のバルブは第3の位置にあるときに前記第1の分岐部または前記第2の分岐部のいずれかに流体が流れることを防止する混合マニホールド。
【請求項2】
前記第1のハンドルは前記第1のバルブ及び前記第2のバルブが開いているときに、前記第2のハンドルが前記第3の位置から前記第3のバルブを作動させないようにするために、第2のハンドルの動きを妨げ、そして 前記第2のハンドルは前記第3のバルブが前記第1の位置および前記第2の位置のいずれかにあるときに、前記第1のハンドルが前記第1のバルブおよび前記第2のバルブを作動させないように、前記第1のハンドルの動きを妨げる、
請求項1に記載の混合マニホールド。
【請求項3】
前記第1のバルブは、
前記バルブハウジング内で、前記第1の流体流路と交差する第1のバルブ孔内に配置された第1のシール本体と、
前記第1のシール本体内に少なくとも部分的に配置された第1のバルブ部材と、を備え、
前記第1のバルブ部材は、
第1の外面を有する第1のヘッドと、
前記第1のヘッドを通って延在する第1の流体通路であって、前記第1の外面を通って延在する第1のオリフィスおよび前記第1の外面を通って延在する第2のオリフィスを含む第1の流体通路と、
前記第1のヘッドから延在し、且つ、前記第1のシール本体から突出している第1のステムと、を含む、
請求項1に記載の混合マニホールド。
【請求項4】
前記第1のヘッドは、更に、
第1の端部と、
第2の端部とを含み、
前記第1の外面が前記第1の端部と前記第2の端部との間に延在し、且つ、前記第1の外面が前記第1の端部と前記第2の端部との間でテーパ状とされ、
前記第1のステムは前記第2の端部から延在している、請求項
3に記載の混合マニホールド。
【請求項5】
前記第1の端部が第1の直径を有し、前記第2の端部が第2の直径を有し、前記第1の直径が前記第2の直径よりも大きい、請求項
4に記載の混合マニホールド。
【請求項6】
前記第1のヘッドの前記第1の端部と前記バルブハウジングとの間で前記第1のバルブ穴内に配置された第1のスペーサと、
前記第1のバルブ穴内に配置され、前記第1のステムの周囲に延在している第2のスペーサとを含む、請求項
4に記載の混合マニホールド。
【請求項7】
第1のバルブ孔内に延在し、前記第1のスペーサ、前記第1のシール本体および前記第2のスペーサを前記第1のバルブ孔内に圧縮するように構成されたパッキンナットを含み、
前記ステムが前記
パッキンナットを通って延在している、請求項6に記載の混合マニホールド。
【請求項8】
前記パッキンナットは、少なくとも11.3Nmまでトルクが加えられるように構成されている、請求項
7に記載の混合マニホールド。
【請求項9】
前記第1のシール本体はポリテトラフルオロエチレン(PTFE)から形成され、前記第1のバルブ部材は金属から形成されている、請求項
3に記載の混合マニホールド。
【請求項10】
第1のハンドルが、前記第1のステムと前記第2のバルブの第2のステムとに接続されて、前記第1のステムと前記第2のステムとを同時に作動させる、請求項
3に記載の混合マニホールド。
【請求項11】
前記第3のバルブは、
前記バルブハウジング内で、前記第3の流路と交差する第2のバルブ孔内に配置された第2のシール本体と、
前記第2のシール本体内に少なくとも部分的に配置された第2のバルブ部材と、を備え、
前記第2のバルブ部材は、
入口端部、ステム端部、及び前記入口端部と前記ステム端部との間に延在する第2の外面を有する、第2のバルブヘッドと、
前記第2のバルブヘッドを通って延在する第2の流体通路であって、前記入口端部を通って延在する流体入口と前記第2の外面を通って延在する流体出口とを含む第2の流体通路と、
前記第2のバルブヘッドから延び、第2のシール本体から突出する第2のバルブステムと、を含み、
前記第2の外面は、前記入口端部と前記ステム端部との間でテーパ状とされている、
請求項
3に記載の混合マニホールド。
【請求項12】
前記第2のバルブ部材は、第1の位置、第2の位置および第3の位置の間で回転可能であり、
前記流体出口は、前記第2のバルブ部材の前記第1の位置で、前記第1の分岐部に流体的に接続され、
前記流体出口は、前記第2のバルブ部材の前記第2の位置で、前記第2の分岐部に流体的に接続され、
前記流体出口は、前記第2のバルブ部材の前記第3の位置で、前記第1の分岐部および前記第2の分岐部のそれぞれから流体的に切り離される。請求項
11に記載の混合マニホールド。
【請求項13】
前記第1のシール本体は少なくとも1つの外側フラット部を含み、前記少なくとも1つの外側フラット部は、前記第1のバルブ孔内で少なくとも1つの内側フラット部と接するように構成され、前記第1のバルブ孔内での前記第1のシール本体の回転を防止する、請求項
3に記載の混合マニホールド。
【請求項14】
前記第1のバルブはバルブシールを含み、
前記バルブシールは、第1の本体端部と、第2の本体端部と、前記第1の本体端部と前記第2の本体端部との間に延在する本体孔とを有するシール本体と、
前記シール本体内に少なくとも部分的に配置されたバルブ部材とを含み、
前記バルブ部材が、
前記本体孔内に配置されるように構成され、第1のヘッド端部、第2のヘッド端部、および前記第1のヘッド端部と前記第2のヘッド端部との間に延在する外面を有するヘッドと、
前記第2のヘッド端部から延在し、前記第2の本体端部から前記本体孔から突出するように構成されたステムと、
前記ヘッドを通って延在する流体通路であって、第1のオリフィスおよび第2のオリフィスを含み、前記第2のオリフィスは前記外面を通って延在する、流体通路とを含んでおり、
前記外面は前記第1のヘッド端部と前記第2のヘッド端部との間でテーパ状とされ、前記本体孔は前記第1の本体端部と前記第2の本体端部との間でテーパ状とされる、
請求項1に記載の混合マニホールド。
【請求項15】
前記ヘッドは金属であり、前記シール本体はポリテトラフルオロエチレンを含む、請求項
14に記載
の混合マニホールド。
【請求項16】
前記バルブ部材は前記本体孔の軸線を中心に、開位置と閉位置との間で、前記シール本体に対して回転するように構成される、請求項
14に記載の
混合マニホールド。
【請求項17】
前記第1のオリフィスは前記外面を通って延在する、請求項
14に記載
の混合マニホールド。
【請求項18】
前記流体通路は、前記第1のオリフィスと前記第2のオリフィスとの間で直線状である請求項
17に記載
の混合マニホールド。
【請求項19】
前記第1のオリフィスは、前記外面の周りに前記第2のオリフィスから180度に配置される、請求項
18に記載
の混合マニホールド。
【請求項20】
前記第3のバルブは、バルブシールを含み、
前記バルブシールは、第1の本体端部と、第2の本体端部と、前記第1の本体端部と前記第2の本体端部の間に延在する本体孔とを有するシール本体と、
前記シール本体内に少なくとも部分的
に配置されたバルブ部材とを含み、
前記バルブ部材が、
前記本体孔に配置されるように構成されるとともに、第1のヘッド端部、第2のヘッド端部、および前記第1のヘッド端部と前記第2のヘッド端部との間に延在する外面を有するヘッドと、
前記第2のヘッド端部から延在し、前記第2の本体端部から前記本体孔から突出するよう構成されたステムと、
前記ヘッドから延在する流体通路であって第1のオリフィスおよび第2のオリフィスを含み、第2のオリフィスは前記外面を通って延在する流体通路とを含んでおり、
前記外面は、前記第1のヘッド端部と前記第2のヘッド端部との間でテーパ状とされ、前記バルブ孔は、前記第1の本体端部と前記第2の本体端部との間でテーパ状とされており、
前記第1のオリフィスは、前記第1のヘッド端部を通って延在する、請求項1に記載の混合マニホールド。
【請求項21】
前記流体通路は90度の屈曲部を含む、請求項
20に記載の
混合マニホールド。
【請求項22】
前記第1のオリフィスは第1の面取り縁部を含み、前記第2のオリフィスは第2の面取り縁部を含む、請求項
14に記載の
混合マニホールド。
【請求項23】
前記第1のヘッド端部が第1の直径を有し、前記第2のヘッド端部が第2の直径を有し、前記第1の直径が前記第2の直径よりも大きい、請求項
14に記載の
混合マニホールド。
【請求項24】
前記ステムは、前記第2のヘッド端部から延在する第1のステム部と、前記第1の部分から遠位端部まで延在する第2のステム部とを含む、請求項
14に記載の
混合マニホールド。
【請求項25】
前記第2のステム部は雄ねじを含む、請求項
24に記載の
混合マニホールド。
【請求項26】
前記第1のステム部は第1のステム直径を有し、前記第2のステム部は第2のステム直径を有し、前記第1のステム直径は前記第2のステム直径よりも大きい、請求項
25に記載の
混合マニホールド。
【請求項27】
前記第1のステム部は、複数のフラット部を含む、請求項
24に記載の
混合マニホールド。
【請求項28】
請求項1に記載の
混合マニホールドを作動させる方法であって、前記第1のハンドルを第1の位置に作動させ、それによって、
前記第1のバルブの第1のバルブ部材を第1のバルブ開位置に回転させ、
前記第2のバルブの第2のバルブ部材を第2のバルブ開位置に回転させ、
前記第1のハンドルが前記第1の位置にあるとき、前記第1のバルブ部材が配置された
前記第1の流路を通る樹脂と、前記第2のバルブ部材が配置された
前記第2の流路を通る触媒とを流し、前記第1のバルブ部材および前記第2のバルブ部材のそれぞれの
下流で前記樹脂と前記触媒とを混合し、
前記第1のハンドルを第2の位置に作動させ、それによって、前記第1のバルブ部材を第1のバルブ閉鎖位置に回転させ、前記第2のバルブ部材を第2のバルブ閉鎖位置に回転させ、
前記第1のハンドルが前記第2の位置にあるとき、前記第2のハンドルを中立位置から第1のフラッシュ位置及び第2のフラッシュ位置のいずれか一方に作動し、
前記第3のバルブの第3のバルブ部材を中立バルブ位置から第1のバルブフラッシュ位置及び第2のバルブフラッシュ位置のいずれか一方に回転させ、
前記第2のハンドルが前記第1のフラッシュ位置にあるとき、前記第3のバルブ部材を介して前記第1のバルブ部材の下流にある前記第1の流路の一部に溶剤を流し、
前記第2のハンドルが前記第2のフラッシュ位置にあるとき、前記第3のバルブ部材を介して前記第2のバルブ部材の下流の前記第2の流路の一部に溶剤を流す、方法。
【請求項29】
請求項
28に記載の方法であって、
前記第1のハンドルにより、かつ前記第1のハンドルが前記第1の位置にあるときに、前記中立位置から前記第1のフラッシュ位置および前記第2のフラッシュ位置のいずれかへの前記第2のハンドルの作動を阻止し、
第2のハンドルにより、かつ前記第2のハンドルが前記第1のフラッシュ位置及び前記第2のフラッシュ位置のいずれかあるとき、前記第2の位置から前記第1の位置への前記第1のハンドルの作動を阻止することを、さらに含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は2018年5月23日に出願された「バルブシール」という名称の米国仮出願第62/675,430号の利益を主張し、その開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本開示は、概して、流体制御に関する。より詳細には、本開示が複数の成分を分注(分配)するためのバルブおよびマニホールドに関する。
【背景技術】
【0003】
混合マニホールドは、複数成分の材料を形成する成分の複数個を混合(ミックス)するために、複数成分分注システムにおいて利用される。バルブは、各成分材料の流れを制御するために利用される。典型的には、バルブは修理や維持されるために(例えば、特定の耐用年数の後に再構築されるので)、バルブは分解可能でなければならず、これは再構築可能なバルブと称される。混合マニホールドは材料の望ましくない混合を引き起こし、それによって混合マニホールド内での硬化を引き起こすので成分材料のいずれかの望ましくない逆流を防止するための逆止バルブ(逆止弁)を含んでいる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
再構築可能なバルブの1つの潜在的な欠点は、シール面を維持することの困難さである。金属対金属でのシール面が十分なシールを提供できることは殆どなく、金属以外の材料を使用しなければならない。
【0005】
殆どのポリテトラフルオロエチレン(以下、「PTFE」)(特に、未使用およびガラスPTFE)のような材料は、シール面がバルブハウジング内の、対応するオリフィスに対して回転するオリフィスを含む場合、シール面として作用するには柔らかすぎる。PTFE材料を貫通して形成されたオリフィスはバルブステムが回転されると、削れや皺が発生し、これにより、バルブのシール能力が損なわれる。
【0006】
前述の再構築可能なバルブに関する別の潜在的な問題はシール面を圧縮することによって生じる摩擦であり、バルブを開閉するために過剰な量のトルク(回転力)の可能性がある。多くの場合、バルブの開閉に必要なトルクは手で開閉する能力を超える場合がある(そのため、レンチなどの工具が使用される)。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様によれば、混合マニホールドは、第1の流体入口、第2の流体入口、第3の流体入口、および流体出口を有するバルブハウジングと、第1の流体入口と流体出口との間に延在する第1の流体流路と、第2の流体入口と流体出口との間に延在する第2の流体流路と、第3の流体入口から延在する溶剤流路であって第1の流体流路に延在する第1の分岐部と第2の流体流路に延在する第2の分岐部とを含む前記溶剤流路と、第1の分岐部と第1の流体流路との間の交差部の下流の位置で第1の流体流路に配置された第1の逆止バルブと、第2の分岐部と第2の流体流路との間の交差部の下流の位置で第2の流体流路に配置された第2の逆止バルブと、第1の流体流路に配置され、第1の流体入口と流体出口との間の流体流を制御するように構成された第1のバルブと、第2の流体流路に配置され、第2の流体入口と流体出口との間の流体流を制御するように構成された第2のバルブと、前記溶剤流路内に配置され、前記第3の流体入口から前記第1の分岐部および前記第2の分岐部への流体の流れを制御するように構成された第3のバルブと、を含む。
【0008】
本開示の別の態様によれば、バルブシールは、第1の本体端部と、第2の本体端部と、第1の本体端部と第2の本体端部との間に延在する本体孔を有するシール本体と、前記シール本体内に少なくとも部分的に配置されたバルブ部材を含む。バルブ部材は本体孔内に配置され、第1のヘッド端部、第2のヘッド端部、および第1のヘッド端部と第2のヘッド端部との間に延在する外面を有するように構成されたヘッドと、第2のヘッド端部から延在し、本体孔から第2の端部から突出するように構成されたステムと、ヘッドを通って延在する流体通路であって、第1のオリフィスおよび第2のオリフィスを含む流体通路であって、外面を通って延在する第2のオリフィスとを備える、流体通路とを含む。外面は第1のヘッド端部と第2のヘッド端部との間でテーパ状とされ、本体孔は第1の本体端部と第2の本体端部との間でテーパ状とされている。
【0009】
本開示のさらに別の態様によれば、方法は、第1のハンドルを開位置に作動させ、それによって、第1のバルブの第1のバルブ部材を第1のバルブ開位置に回転させ、第2のバルブの第2のバルブ部材を第2のバルブ開位置に回転させ、第1のハンドルが第1の位置にあるとき、第1のバルブ部材が配置された第1の流路を通る樹脂と、第2のバルブ部材が配置された第2の流路を通る触媒とを流し、第1のバルブ部材および第2のバルブ部材のそれぞれの下流にある混合マニホールド内で樹脂と触媒とを混合し、第1のハンドルを第2の位置に作動させ、それによって、第1のバルブ部材を第1のバルブ閉鎖位置に回転させ、第2のバルブ部材を第2のバルブ閉鎖位置に回転させ、第1のハンドルが第2の位置にあるとき、第2のハンドルを中立位置から第1のフラッシュ位置及び第2のフラッシュ位置のいずれか一方に作動し、第3のバルブの第3のバルブ部材を中立バルブ位置から第1のバルブフラッシュ位置及び第2のバルブフラッシュ位置のいずれか一方に回転させ、第2のハンドルが第1のフラッシュ位置にあるとき、第3のバルブ部材を介して第1のバルブ部材の下流にある第1の流路の一部に溶剤を流し、第2のハンドルが第2のフラッシュ位置にあるとき、第3のバルブ部材を介して第2のバルブ部材の下流の第2の流路の一部に溶剤を流す。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図3】
図2Aの3-3線に沿って切り取られた、
図2Aに示されている混合マニホールドの断面図である。
【
図4A】
図2AのA-A線に沿って切り取られた、
図2Aに示されている混合マニホールドの断面図である。
【
図4B】
図2AのB-B線に沿って切り取られた、
図2Aに示された混合マニホールドの断面図である。
【
図5】
図2Aの5-5線に沿って切り取られた、
図2Aに示されている混合マニホールドの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本明細書に開示される装置、システム、および方法は、バルブオリフィスの削れ(ガウジング:gouging)を防止しながら、および/またはバルブシール面とバルブハウジングシール面との間の摩擦を最小化して、バルブのシール能力を向上させる解決策を提供し、バルブの旋回抵抗に影響を与える。
【0012】
図1は、複数成分の分注システム10の概略ブロック図である。システム10は、リザーバ12a~12cと、供給ライン14a~14cと、混合マニホールド16と、噴霧ホース18と、ディスペンサ20とを含んでいる。システム10は、複数の成分材料の混合および噴霧を容易にする。
【0013】
リザーバ12aは、多数の成分材料の第1の成分を貯蔵する。例えば、リザーバ12aは、樹脂を貯蔵することができる。リザーバ12bは、多数の成分材料の第2の成分を貯蔵する。例えば、リザーバ12bは触媒を貯蔵することができる。リザーバ12cは、ユーザが色の変化などの際に成分材料を交換するときに、システム10をフラッシュする(洗い流す)ための溶剤を格納する。
【0014】
供給ライン14aは、リザーバ12aと混合マニホールド16との間に延在する。供給ライン14aは、リザーバ12aから混合マニホールド16に第1の成分材料を供給する。供給ライン14bは、リザーバ12bと混合マニホールド16との間に延在する。供給ライン14bは、リザーバ12bから混合マニホールド16に第2の成分材料を供給する。第1の成分材料および第2の成分材料は混合マニホールド16内で混合(ミックス)され、混合マニホールド16から噴霧ホース18に供給される。使用者(ユーザ)は、例えばスプレーガンであるディスペンサ20を介して複数の成分材料を分注することができる。
【0015】
複数の成分材料を噴霧した後、システム10を溶剤でフラッシュする。供給ライン14cは、リザーバ12cと混合マニホールド16との間に延在する。供給ライン14cは、リザーバ12cから混合マニホールド16に溶剤を供給する。フラッシング中、溶剤は混合マニホールド16に流れ、スプレーホース18を通って下流に流れ、ディスペンサ20から放出される。混合マニホールド16は、混合マニホールド16内で複数の成分材料が硬化するのを防止するために、溶剤が、混合マニホールド16の、組み合わされた複数の成分材料が流入した部分を少なくとも通って流れるように構成される。
【0016】
混合マニホールド16は、システム10内の廃棄物を著しく少なくする。色が変更される場合、混合マニホールド16とディスペンサ20との間のスプレーホース18の長さのみをフラッシュする必要がある。供給ライン14a、14b内には混合された材料が流れないので、供給ライン14a、14bは溶剤でフラッシュされず、それによって、各フラッシュに必要な溶剤の体積を著しく減少させ、環境上の利益と金銭的節約の両方を提供する。
【0017】
図2Aは、混合マニホールド16の等角図である。
図2Bは
図2Aに示す混合マニホールド16の分解図であり、主ハンドル30および溶剤ハンドル32が除かれている。
図2Aおよび
図2Bは、一緒に参照される。混合マニホールド16は、主ハウジング22と、溶剤ハウジング24と、混合ハウジング26と、入口コネクタ28a、28b、28cと、主ハンドル30と、溶剤ハンドル32と、取付けブロック34a、34b、34cと、バルブ36a、36b、36cと、逆止バルブ38a~38dと、ミキサー40とを含む。主ハウジング22は、材料入口42a、42bと、材料出口44a、44bと、溶剤入口46a、46bと、バルブ孔48a、48bと、制限フランジ50aとを含む。溶剤ハウジング24は、バルブ孔48cおよび制限フランジ50cを含む。主ハンドル30は、脚部52a、52bおよびUリンク54を含む。バルブ36a、36bそれぞれは、バルブ部材56a、56bと、シール本体58a、58bと、内側スペーサ60a、60bと、外側スペーサ62a、62bおよびパッキンナット64a、64bを含む。バルブ部材56a、56bは、バルブヘッド66a、66bおよびバルブステム68a、68bを含む。バルブ36cは、バルブ部材56c、シール本体58c、内側スペーサ60c、外側スペーサ62c、及びパッキンナット64cを含む。バルブ部材56cは、バルブヘッド66cおよびバルブステム68cを含む。
【0018】
溶剤ハウジング24及び混合ハウジング26は、主ハウジング22に取り付けられている。入口コネクタ28a、28bは主ハウジング22に取り付けられる。入口コネクタ28a、28bは、リザーバ12a、12b(
図1)のようなリザーバから延びる供給ライン14a、14b(
図1)のようなホースを受け、主ハウジング22に成分材料を供給する。バルブ36a、36bは、主ハウジング22及び混合ハウジング26の境界部(インターフェース)に配置された材料出口44a、44bへの主ハウジング22を通る下流の成分材料の流れを制御する。逆止バルブ38a、38bは、主ハウジング22と混合ハウジング26との間の境界部に配置されている。逆止バルブ38a、38bは、主ハウジング22から混合ハウジング26への材料の流れを制御するように構成されている。混合ハウジング26はミキサー40において成分材料を一緒にし、これは混合を容易にし、そして複数の成分材料は、適用のために混合ハウジング26から下流に流れる。
【0019】
バルブ36a、36bは、混合マニホールド22を通る成分材料の流れを制御する。いくつかの例では、バルブ36a、36bは同一である。シール本体58a、58bは材料入口42a、42bと材料出口44a、44bとの間の流路内で、バルブ孔48a、48bにそれぞれ配置されている。バルブヘッド66a、66bは、材料入口42a、42bと材料出口44a、44bとの間の流路内のシール本体58a、58b内にそれぞれ配置される。内側スペーサ60a、60bは、バルブヘッド66a、66bの端部と混合マニホールド16の間の混合マニホールド16のバルブ孔48a、48b内に配置されている。バルブステム68a、68bはシール本体58a、58bから外側スペーサ62a、62bを通って延び、パッキンナット64a、64bを通ってバルブ孔48a、48bから出ている。パッキンナット64a、64bは、バルブ孔48a、48bに取り付けられ、バルブ孔48a、48b内で内側スペーサ60a、60b、外側スペーサ62a、62b、およびシール本体58a、58bを一緒に圧縮するように構成されている。パッキンナット64a、64bは任意の所望の方法で、例えば、ねじ接続(interfaced threading)によって、バルブ孔48a、48b内に取り付けることができる。いくつかの例ではパッキンナット64a、64bは約11.3ニュートンメートル(Nm)(約100インチポンド(in-lbf))までトルクを加えることができる。バルブステム68a、68bは、主ハンドル30に接続されている取付けブロック34a、34bにそれぞれ接続されている。
【0020】
バルブ部材56a、56bは、主ハンドル30に接続され、それぞれの開状態と閉状態との間で回転する。図示の例では各バルブ部材56a、56bは部品軸A-A上に配置されている。いくつかの例ではバルブ部材56a、56bは同軸であるが、バルブ部材56a、56bはバルブ部材56a、56bが同軸でないように配置することができることが理解される。いくつかの例では、バルブ部材56a、56bは平行軸上に配置される。主ハンドル30は、バルブ部材56a、56bの各々に取り付けられ、開状態と閉状態との間でバルブ部材56a、56bを同時に回転させる。開状態ではバルブ部材56a、56bは材料入口42a、42bと材料出口44a、44bとの間の流路を提供するように配置される。閉状態まで回転すると、バルブ部材56a、56bはバルブ部材56a、56bを通過して主ハウジング22内を下流に成分材料が流れることができないように、下流への流れを妨げる。主ハンドル30はバルブ部材56a、56bを同時に回転させるように構成された単一部品として説明されているが、主ハンドル30はバルブ部材56a、56bの個々の制御を可能にするために、2つの別個のハンドルに分割することができることが理解される。例えば、主ハンドル30は、Uリンク54で2つのサブハンドルに分割することができる。他の例では、バルブ部材56a、56bの位置間のフェザリング(feathering)を可能にしながら、主ハンドル30の2つの半体部を可撓性材料又は部品によって接合して、全閉と全開との間の同時回転を確実にすることができる。
【0021】
溶剤ハウジング24は主ハウジング22に取り付けられている。入口コネクタ28cは溶剤ハウジング24に接続され、溶剤ハウジング24に溶剤を供給するために、リザーバ12c(
図1)のようなリザーバから供給ライン14c(
図1)のようなホースを受け入れるように構成されている。バルブ36cは、入口コネクタ28cと主ハウジング22との間の溶剤ハウジング24を通って下流への溶剤の流れを制御するように構成されている。溶剤流路が溶剤ハウジング24を通って主ハウジング22内に延び、主ハウジング22を通って延びる流路に溶剤を供給する。
【0022】
逆止バルブ38c、38dは、主ハウジング22と溶剤ハウジング24の境界部に配置されている。逆止バルブ38c、38dは、それぞれの成分材料が溶剤ハウジング24に流入するのを防止するように構成されている。加えて、逆止バルブ38c、38dは、フラッシング中の溶剤ハウジング24への溶剤の望ましくない逆流を防止する。
【0023】
バルブ36cは、材料入口42cと溶剤入口46a、46bとの間の材料の流れを制御するように構成される。シール本体58cは、入口コネクタ28cと溶剤ハウジング24内の出口との間の流路内のバルブ孔48c内に配置され、溶剤入口46a、46bと対応するように構成される。バルブヘッド66cは、シール本体58c内に配置されている。バルブヘッド66cは材料入口42cからの溶剤流を溶剤入口46a、46bの一方または他方に導くように、または溶剤が溶剤入口46a、46bのいずれかに流れるのを防止するように構成される。
【0024】
内側スペーサ60cは、バルブヘッド66cの端部と溶剤ハウジング24の一部との間の溶剤ハウジング24のバルブ孔48c内に配置される。以下により詳細に示されるように、内側スペーサ60cは、溶剤がバルブヘッド66cを通って延びる通路に入ることを可能にする中央開口部を含む。バルブステム68cは、シール本体58cから出て、外側スペーサ62cを通って、パッキンナット64cを通ってバルブ孔48cから出ている。内側スペーサ60c及び外側スペーサ62cは、流体シールを提供する。パッキングナット64cは、バルブ孔48c内に取り付けられ、外側スペーサ62c、内側スペーサ60c、及びシール本体58を一緒に圧縮して、バルブ孔48c内のシールを容易にするように構成されている。パッキンナット64cは、パッキンナット64cと溶剤ハウジング24との間のねじ接続など、任意の所望の方法でバルブ孔48c内に取り付けることができる。いくつかの例では、パッキンナット64cが約11.3 Nm(約100 in-lbf)までトルクを加えることができる。バルブステム68cは、溶剤ハンドル32に接続された取付けブロック34cに接続されている。
【0025】
以下でより詳細に説明するように、バルブ36cは、第1の流動位置、第2の流動位置、および遮断位置の間で移動可能な三方バルブである。バルブ部材56cは溶剤ハンドル32が第1の流動位置、第2の流動位置、および遮断位置の間でバルブ部材56cを回転できるように、溶剤ハンドル32に接続されている。第1の流動位置では、バルブ36cが溶剤入口46aで主ハウジング22に溶剤を導き、溶剤入口46bへの溶剤の流れを防止する。第2の流動位置では、バルブ36cが溶剤入口46bで主ハウジング22に溶剤を導き、溶剤入口46aへの溶剤の流れを防止する。遮断位置では、バルブ36cは溶剤が溶剤入口46aまたは溶剤入口46bのいずれかに流れるのを防止する。
【0026】
動作中、混合マニホールド16は、塗布のために下流に複数の成分材料を提供するか、または塗布後に様々なラインを洗浄するための溶剤を提供する。いくつかの例では、混合マニホールド16が比較的コンパクトであり、取付けハードウェアを含むことができる。例えば、混合マニホールド16は、混合マニホールド16が使用者と共に移動するように使用者に取り付けるように構成することができる。一例では、混合マニホールド16が使用者のベルトに接続するように構成された取付けハードウェアを含むことができる。
【0027】
複数の成分材料を提供するために、主ハンドル30および溶剤ハンドル32は、
図2Aに示される位置に配置される。
図2Aに示す位置では、バルブ36cは遮断位置にあり、バルブ36a、36bは開状態にある。溶剤ハンドル32は、主ハンドル30によって形成されたUリンク54内に配置されている。したがって、主ハンドル30は溶剤ハンドル32が回転するのを防止し、それによってバルブ36cを遮断位置に維持する。
【0028】
バルブ36a、36bの各々が開状態にあるとき、第1及び第2の成分材料は、バルブ36a、36bを通って下流に流れ、逆止バルブ38a、38bを通って混合ハウジング26に入る。成分材料は混合され、複数成分材料として適用のために下流に送達される。
【0029】
噴霧の終了時や材料交換を行う時などに、成分材料の流れを停止させるために、使用者は、
図2Aに示されている上昇位置から下降位置まで、軸A-Aを中心に主ハンドル30を旋回させる。制限フランジ50aは主ハウジング22から突出し、取付けブロック34aと係合して取付けブロック34aの回転を制限するように構成される。同様の制限フランジ(図示せず)は、取付けブロック34bの回転を制限するために主ハウジング22の反対側から突出することができる。これにより、制限フランジはバルブ部材56a、56bの回転を制限し、バルブ部材56a、56bが、過剰回転または過小回転を防止することによって、所望の位置にあることを確実にする。
【0030】
主ハンドル30を下位置にシフトさせると、バルブ36a、36bの各々が閉状態になるようにバルブ部材56a、56bが回転する。このように、バルブ部材56a、56bは、成分材料が主ハウジング22を通って流れ、そして混合ハウジング26に向かうのを防止する。
【0031】
混合マニホールド16は混合マニホールド16内および混合マニホールド16の下流構成内での複数成分材料の望ましくない硬化を防止するために、溶剤でフラッシュされる。主ハンドル30が下降位置にある状態では、溶剤ハンドル32は溶剤軸S-Sの周りを自由に回転することができる。溶剤ハンドル32はバルブ36aに向かって回転することができ、それによってバルブ36cを第1の流動位置にシフトさせ、そこでバルブ36cは、バルブ36aから主ハウジング22を通って下流に延びる流路に溶剤を導く。制限フランジ50cは溶剤ハウジング24から突出し、取付けブロック34cの一部と係合して取付けブロック34cの回転を制限し、従って溶剤ハンドル32及びバルブ部材56cの回転を制限するように構成されている。
【0032】
溶剤はその流路を通って、主ハウジング22の下流、そして混合ハウジング26に流れ、それによってその流路をフラッシュする。次いで、使用者は、溶剤ハンドル32をバルブ36bに向かってシフトさせ、それによってバルブ36cを、バルブ36cがバルブ36bから主ハウジング22を通って下流に延びる流路に溶剤を導く第2の流動位置にシフトさせることができる。溶剤はその流路を通って、主ハウジング22から下流に流れ、混合ハウジング26に流れ、それによってその流路をフラッシュする。次に、溶剤ハンドル32を回転させて
図2Aに示す中間の遮断位置に戻し、それによってバルブ36cを遮断位置に戻し、溶剤の流れを遮断することができる。溶剤ハンドル32がバルブ36aに向かって回転すると、溶剤ハンドル32は主ハンドル30の脚部52aと干渉する。
【0033】
溶剤ハンドル32がバルブ36bに関して回転されると、溶剤ハンドル32は主ハンドル30の脚部52bと干渉する。溶剤ハンドル32はフラッシング中に下方位置から上方位置への主ハンドル30の作動を防止するために、脚部52a、52bと干渉する。そのように、使用者はバルブ36cが第1の流動位置または第2の流動位置のいずれかにあるときに、バルブ36a、36bのいずれかが開状態に移行するのを防止される。これにより、混合マニホールド16は成分材料が混合マニホールド16を通って流れているときに溶剤の流れを防止し、さらに、溶剤が混合マニホールド16をフラッシングしているときに成分の流れを防止する。
【0034】
バルブ36a、36b、36cは実質的に同一とすることができ、これにより、使用者の部品在庫を減らすことができる。シール本体58a~58c、内側シール60a~60c、および外側シール62a~62cの各々は同一とすることができる。バルブ部材56a及び56bは同一であり得るが、バルブ部材56cはバルブヘッド66cを通る通路の配向においてのみ変化し得る。
【0035】
混合マニホールド16は、著しい利点を提供する。主ハンドル30を介してバルブ部材56a、56bを連結することによって、両方のバルブ36a、36bが同じ状態(例えば、開状態または閉状態)にあることが保証される。さらに、それぞれの状態間の回転バルブ部材56a、56bは、シール本体58a、58bおよびバルブ部材56a、56bの摩耗を低減する。さらに、主ハンドル30はバルブ36a、36bが開いているときに使用者が溶剤の流れを開始するのを防止し、それによって望ましくない汚染を防止する。さらに、溶剤ハンドル32は、主ハンドル30と干渉して、フラッシング中に使用者が成分材料の流れを開始するのを防止する。これにより、混合マニホールド16は、使用者が不注意に望ましくない流れを開始しないことを保証する。さらに、混合マニホールド16は比較的コンパクトであり、成分材料のすべての混合を容易にする。したがって、必要とされる溶剤が少なくなり、それによって材料および廃棄コストが節約される。加えて、バルブ36a、36b、36cは、全ての混合マニホールド16を分解することなく、迅速に分解及び再構築及び/又は交換することができる。このように、メンテナンスおよびダウンタイムが低減され、それによって効率が向上する。さらに、バルブ36a、36b、36cは、約10.4メガパスカル(MPa)(約1,500ポンド/平方インチ(psi))以上の流体圧力で効果的なシールを提供することができる。いくつかの例ではバルブ36a、36b、36cは約41.5MPa(約6,000psi)までの流体圧力で効果的なシールを提供することができる。いくつかの例ではバルブ36a、36b、36cは2万サイクル以上の改善されたサイクル寿命を有する。改善されたサイクル寿命は、既存のバルブよりも最大10倍長い。
【0036】
図3は、
図2Aの3-3線に沿って切り取られた混合マニホールド16の断面図である。混合マニホールド16の、主ハウジング22、混合ハウジング26、入口コネクタ28a、28b、主ハンドル30、取付けブロック34a、34b、バルブ36a、36b、逆止バルブ38a、38b及びミキサー40が示されている。混合マニホールド16は、流路70a、70bをさらに含む。主ハウジング22は、材料入口42a、42b、材料出口44a、44b、バルブ穴48a、48bを含む。バルブ36a、36bそれぞれは、バルブ部材56a、56b、シール本体58a、58b、内側スペーサ60a、60b、外側スペーサ62a、62bおよびパッキンナット64a、64bを含む。バルブ部材56a、56bは、バルブヘッド66a、66bおよびバルブステム68a、68bを含む。バルブヘッド66a、66bは通路72a、72bを含む。シール本体58a、58bは、開口74a、74bを含む。ミキサー40は、本体76及びステム78を含む。
【0037】
流路70a、70bはそれぞれ、材料入口42a、42bと材料出口44a、44bとの間で主ハウジング22を通って延びている。流路70a、70bは更に、混合ハウジング26を通ってミキサー40まで延びている。入口コネクタ28a、28bは、材料入口42a、42bで主ハウジング22に取り付けられている。混合ハウジング26は、主ハウジング22に取り付けられ、材料出口44a、44bから材料を受け取るように構成されている。流路70bは、ミキサー40のステム78に材料を供給する。流路70aは、ミキサー40の本体76に材料を供給する。これにより、ミキサー40は、流路70bから成分材料を流路70aから成分材料の流れに注入することによって、材料が適切に混合されることを保証する。
【0038】
分岐路84a、84b(
図4A~4Cに示される)は、交差部80a、80bで、流路70a、70bそれぞれ内に延びている。分岐路84a、84bは、流路70a、70bに溶剤を供給するように構成される。交差部80a、80bは、バルブ36a、36bと逆止バルブ38a、38bとの間に配置され、溶剤がバルブ36a、36bの下流および逆止バルブ38a、38bの上流の流路70a、70bに流入するようになっている。
【0039】
逆止バルブ38a、38bおよびバルブ36a、36bは、それぞれ流路70a、70bに配置されている。図示の例では、逆止バルブ38a、38bは主ハウジング22と混合ハウジング26の境界部に配置されている。そのようにして、逆止バルブ38a、38bは、逆止バルブ38a、38bの下流の流路70a、70bの部分からのいずれかの成分材料の逆流を防止する。例えば、第1の成分材料を流路70aに供給する材料ラインに圧力低下がある場合、流路70b内の圧力によって、第2の成分材料がステム78の上流に流れ込むことができる。逆止バルブ38aは第2の成分材料が上流で主ハウジング22に流入するのを防止し、それによってバルブ36aを任意の潜在的な汚染から隔離する。このように、逆止バルブ38aは第2の成分材料に曝され得る流路70aの部分を制限し、それによって、望ましくない硬化を防ぐために、溶剤でのフラッシングを必要とする。逆止バルブ38bは、バルブ36bおよび流路70bと同様の保護を提供する。逆止バルブ38a、38bはそれによってバルブ36a、36bを望ましくない汚染から隔離し、逆止バルブ38a、38bの下流のそれらの部分へのフラッシングを必要とする流路70a、70bの部分を制限する。
【0040】
バルブ孔48a、48bは混合マニホールド16内に延在し、それぞれ流路70a、70bと交差する。バルブ36a、36bは、バルブ孔48a、48b内に配置され、流路70a、70bを通る下流の成分材料の流れを制御するように構成される。内側スペーサ60a、60bは、各バルブ孔48a、48bの底部とバルブ部材56a、56bとの間のバルブ孔48a、48b内に配置される。シール本体58a、58bは、バルブ孔48a、48b内に配置されている。シール本体58a、58bは、主ハウジング22に対してシールするように構成されている。いくつかの例ではシール本体58a、58bはグラファイト注入ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)から作製することができる。開口74aはシール本体58a内に延び、流路70aに対応している。開口74aは、第1の成分材料がバルブヘッド66a内の通路72aに出入りするための開口部を提供する。開口74bはシール本体58b内に延び、流路70bに対応している。開口74bは第2の成分材料がバルブヘッド66b内の通路72bに流入し、また通路から流出するための開口部を提供する。
【0041】
バルブ部材56a、56bは、シール本体58a、58b内に部分的に配置され、シール本体58a、58bおよびバルブ孔48a、48bから延びている。バルブヘッド66a、66bは、シール本体58a、58b内に配置され、シール本体58a、58bの内面に対してシールするように構成される。いくつかの例ではバルブヘッド66a、66bは金属から形成することができる。通路72a、72bはそれぞれバルブヘッド66a、66bを通って延び、バルブ36a、36bが開状態にあるときに、材料がバルブ36a、36bを通って下流に流れるための流路を提供するように構成されている。図示の例では、通路72a、72bは通路72a、72bの入口及び出口がバルブヘッド66a、66bの周囲で約180度離れて配置されるように、バルブヘッド66a、66bの反対側を通って延びている。これにより、通路72a、72bは、バルブヘッド66a、66bを通る真っ直ぐな通路とすることができる。しかし、通路72a、72bは、バルブ36a、36bの上流の流路70a、70bの部分とバルブ36a、36bの下流の流路70a、70bの部分との間の材料の流れを制御するのに適した任意の所望の構成とすることができることが理解される。
【0042】
図示のように、バルブヘッド66a、66bは、バルブ孔48a、48b内に最も遠くまで延びる端部がバルブヘッド66a、66bの対向端部よりも広くなるようにテーパが付けられている。シール本体58a、58bを通る孔(ボア)はバルブヘッド66a、66bのテーパに対応するプロファイルを含み、それによってバルブヘッド66a、66bとシール本体58a、58bとの間のシールを強化する。バルブヘッド66a、66bおよびシール本体58a、58bはバルブステム68a、68bに向かって内側に先細りするように示されているが、バルブヘッド66a、66bおよびシール本体58a、58bは任意の所望の対応するプロファイルを有することができることが理解される。例えば、バルブヘッド66a、66bおよびシール本体58a、58bはバルブステム68a、68bまたはバルブヘッド66a、66bに向かって外側に向かってテーパを付けることができ、他の選択肢の中でも特に球状にすることができる。
【0043】
バルブヘッド66a、66bとシール本体58a、58bとの間に示されるテーパ状の境界部(インターフェース)は、シールの強化を助長する。パッキンナット64a、64bによって加えられる圧縮力はシール本体58a、58bをさらにバルブ孔48a、48b内に駆動し、それによってシール本体58a、58bとバルブヘッド66a、66bとの係合を締め付ける。このように、テーパ状の境界部は漏れを抑制する。加えて、テーパ状の境界部は、バルブ36a、36bの取り付け及び取り外しを容易にする。設置に際して、バルブ部材56a、56bは、バルブヘッド66a、66bがシール本体58a、58bの内部に配置されて係合するまで、シール本体58a、58bに通される。次いで、組み立てられたバルブ部材56a、56bおよびシール本体58a、58bをバルブ孔48a、48bに挿入することができる。取り外しに際して、バルブ部材56a、56bはバルブ孔48a、48bから引き抜くことができ、バルブ部材56a、56bはテーパ状の境界部での係合により、バルブ孔48a、48bからシール本体58a、58bを運ぶことができる。
【0044】
バルブステム68a、68bはそれぞれバルブヘッド66a、66bから伸びている。バルブステム68a、68bは、外側スペーサ62a、62b及びパッキンナット64a、64bを通ってバルブ孔48a、48bから延びている。バルブステム68a、68bは、取付けブロック34a、34b内に延びて貫通している。バルブステム68a、68bの外側及び取付けブロック34a、34bの内側のフラットな面は、取付けブロック34a、34bに対するバルブステム68a、68bの回転を妨げている。主ハンドル30は、主ハンドル30を貫通して取付けブロック34a、34b内に延びるファスナーなどによって取付けブロック34a、34bに取り付けられる。主ハンドル30の脚部52a、52bは、それぞれステム68a、68bの遠位部分の周りに延びることができる。回転する主ハンドル30は、取付けブロック34a、34bおよびバルブ部材56a、56bの両方の回転を引き起こす。
【0045】
外側スペーサ62a、62bは、内側スペーサ60a、60bからシール体58a、58bの反対側のバルブ孔48a、48b内に配置されている。図示の例では、外側スペーサ62a、62bおよび内側スペーサ60a、60bはそれぞれ、1つまたは複数のシールリングから形成される。外側スペーサ62a、62bはそれぞれ3つのシールリングを含むものとして示されているが、外側スペーサ62a、62bはバルブ孔48a、48bをシールするのに必要なだけ多く又は少ない数のシールリングを含むことができることが理解される。パッキンナット64a、64bは任意の所望の方法で、例えば、ねじ接続によって、バルブ孔48a、48b内に取り付けることができる。パッキンナット64a、64bは、バルブ孔48a、48b内に取り付けられ、バルブ孔48a、48b内のバルブ36a、36bのシール要素を圧縮して、バルブ孔48a、48b内のシールを容易にするように構成されている。パッキンナット64a、64bは、内側シール60a、60b、外側シール62a、62b、シール本体58a、58bおよびバルブ孔48a、48b内のシールを容易にするために一緒にバルブ部材56a、56bを圧縮することができる。
【0046】
運転中、バルブ部材56a、56bは、開状態(
図3に示す)と閉状態との間で回転するように構成されている。主ハンドル30は、同時作動のためにバルブ部材56a、56bを連結する。バルブ36aの動作は例示として詳細に示され、バルブ36bはバルブ36aと実質的に同じ方法で動作することが理解される。バルブ部材56aを開状態にすると、通路72aはシール本体58aの開口74aに合わせられる。これにより、流路がバルブ36aを通って開かれ、成分材料が流路72aを通って下流に流れ、流路70aを通って逆止バルブ38aに流れる。成分材料は逆止バルブ38aを開き、成分材料がミキサー40で流路70aから流出するようにする。
【0047】
主ハンドル30は、バルブ部材56aを閉状態にシフトするために回転させることができる。閉鎖状態では、通路72aは、成分材料がバルブ36aを通って下流に流れるのを防止するように、開口74aから流体的に切り離される。バルブ36aの下流の流路70aの部分は、それによって、バルブ36aの上流の流路70aの部分から流体的に隔離される。バルブ部材56aは、開状態と閉状態との間で約90度回転する。しかしながら、通路72aが開状態で開口74aに流体的に接続され、閉状態で開口74aから流体的に切り離される限り、他の回転度が可能であることが理解される。
【0048】
バルブ36a、36bをそれぞれの閉状態にすると、次いで、フラッシュ(洗い流し)プロセスを開始することができる。フラッシング中、溶剤は交差部80a、80bで流路70a、70bに流入する。バルブ36a、36bは、溶剤がバルブ36a、36bの上流の流路70a、70bの部分に流れるのを防止する。溶剤は、逆止バルブ38a、38bおよびミキサー40を通って、分注点まで下流に流れる。それによって、溶剤はバルブ36a、36bの下流の流路70a、70bの部分から、ミキサー40内から、および混合マニホールド16と分注点との間の任意の流路から、任意の成分材料または混合された材料をフラッシュする。
【0049】
混合マニホールド16は、著しい利点を提供する。逆止バルブ38a、38bは、バルブ36a、36bの下流に配置され、逆止バルブ38a、38bの上流の流路70a、70bの部分への成分材料または混合材料のいずれかの逆流を防止する。これにより、これは特に溶剤でフラッシュするのが困難である、混合された材料がバルブ36a、36bに逆流することを防止する。さらに、バルブヘッド66a、66bとシール本体58a、58bとの間のテーパ状の境界部はシールの強化を助長し、バルブ36a、36bの取り付けおよび取り外しを容易にする。主ハンドル30を介してバルブ部材56a、56bを連結することによって、両方のバルブ36a、36bが同じ状態(例えば、開状態または閉状態)にあることが保証される。さらに、バルブ部材56a、56bの回転では、シール本体58a、58bとバルブ部材56a、56bとのそれぞれの状態で摩耗を低減する。
【0050】
図4Aは、
図2AのA-A線に沿って切り取られた混合マニホールド16の断面図である。
図4Bは、
図2AのB-B線に沿って切り取られた混合マニホールド16の断面図である。主ハウジング22、溶剤ハウジング24、混合ハウジング26、入口コネクタ28c、主ハンドル30、溶剤ハンドル32、取付けブロック34a、34b、34c、バルブ36c、及び混合マニホールド16の逆止バルブ38c、38dが示されている。溶剤ハウジング24は、材料入口42cと、バルブ孔48cと、溶剤流路82とを含む。溶剤流路82は、分岐路84a、84bを含む。バルブ36cは、バルブ部材56c、シール本体58c、内側スペーサ60c、外側スペーサ62c、及びパッキンナット64cを含む。バルブ部材56cは、バルブヘッド66cおよびバルブステム68cを含む。バルブヘッド66cは通路72cを含む。シール本体58cは、開口74c及び外側フラット部86cを含む。バルブ孔48cは内側フラット部88cを含む。
【0051】
溶剤流路82は、材料入口42cと主ハウジング22との間で溶剤ハウジング24を通って延びる。溶剤流路82はさらに、主ハウジング22を通って交差部80a、80bまで延びる。バルブ孔48cは溶剤ハウジング24内に延び、溶剤流路82と交差する。分岐路84a、84bは、バルブ孔48cから下流に延びる溶剤流路82の一部を形成する。分岐路84a、84bは、それぞれ交差部80a、80bまで延在する。交差部80a、80bは、分岐路84a、84bと流路70a、70b(
図3に最も良く示されている)との間の接続部に配置されている。分岐路84a、84bは、それぞれ、交差部80a、80bで流路70a、70bに溶剤を供給するように構成される。
【0052】
逆止バルブ38c、38dは、それぞれ、分岐路84a、84b内で、溶剤ハウジング24と主ハウジング22との境界部に配置されている。したがって、逆止バルブ38c、38dは、成分材料が流路70a、70bから分岐路84a、84bに流入するのを防止する。逆止バルブ38c、38dは、フラッシング中の分岐路84a、84bへの溶剤の逆流をさらに防止する。これにより、逆止バルブ38c、38dは、バルブ36cを成分材料または混合材料のいずれかからの潜在的な汚染から隔離する。
【0053】
バルブ36cは、バルブ孔48c内に配置され、分岐路84a、84bを通る下流の成分材料の流れを制御するように構成される。シール本体58cは、いずれかの外側フラット部86cが、いずれの内側フラット部88cと接するように取り付けることができる。外側フラット部86cはシール本体58cが設置に際してバルブ孔48c内で適切に整列されることを確実にするために、内側フラット部88cと対応している。
【0054】
内側スペーサ60cは、バルブ孔48cの底部とバルブ部材56cとの間のバルブ孔48c内に配置される。開口部が内側スペーサ60cを通って延び、内側スペーサ60cを通ってバルブ部材56cの通路72cに溶剤が入るための流路を提供する。シール本体58cは、バルブ孔48c内に配置されている。シール本体58cは、バルブ孔48c内で溶剤ハウジング24に対してシールするように構成される。いくつかの例では、シール本体58cはグラファイト注入PTFEから作製することができる。
【0055】
バルブ部材56cは、シール本体58c内に部分的に配置され、シール本体58c及びバルブ孔48cから出て延びている。バルブヘッド66cは、シール本体58c内に配置され、シール本体58cの内面に対してシールするように構成されている。いくつかの例では、バルブヘッド66cは金属から形成することができる。通路72cはバルブヘッド66cを通って延び、材料がバルブ36cを通って分岐路84a、84bの1つに下流に流れるための流路を提供するように構成される。図示されるように、通路72cは、材料入口42cから分岐路84a、84bの1つに溶剤を送るために90度の屈曲部を含む。しかしながら、通路72cは、材料入口42cから分岐路84a、84bの一方または他方に溶剤を選択的に配送するための任意の所望の構成とすることができることが理解される。
【0056】
図示のように、バルブヘッド66cは、バルブ孔48c内に最も遠くに延びる端部がバルブヘッド66cの対向端部よりも広くなるようにテーパが付けられている。シール本体58cを通る孔(ボア)はバルブヘッド66cのテーパに対応するプロファイルを含み、それによってバルブヘッド66cとシール本体58cとの間のシールを強化する。バルブヘッド66c及びシール本体58cはバルブステム68cに向かって内側にテーパを付けて示されているが、バルブヘッド66c及びシール本体58cは任意の所望の対応するプロファイルを有することができることが理解される。例えば、バルブヘッド66c及びシール本体58cはバルブステム68cに向かって外向きにテーパをつけることができ、又はバルブヘッド66cは、他の選択肢の中でも球状にすることができる。
【0057】
バルブヘッド66cとシール本体58cとの間に示されるテーパ状の境界部は、シールの強化を助長する。パッキンナット64cによって加えられる圧縮力はシール本体58cをさらにバルブ孔48c内に駆動し、それによってシール本体58cとバルブヘッド66cとの係合を締め付ける。バルブ36cの上流の溶剤の流体圧力は、バルブ部材56cとシール本体58cとの間のシールをさらに強化する。上流の圧力は、バルブ部材56c上を上方に押し上げ、それによって、バルブヘッド66cとシール本体58cとの間の境界部における係合を締め付ける。このように、テーパ状の境界部は漏れを抑制する。加えて、テーパ状の境界部は、バルブ36cの取付け及び取外しを容易にする。
【0058】
バルブステム68cはバルブヘッド66cから、外側スペーサ62c及びパッキンナット64cを通ってバルブ孔48cから延びている。バルブステム68cは、取付けブロック34c内に延びて貫通している。バルブステム68cの外側及び取付ブロック34cの内側のフラットな面は、取付けブロック34cに対するバルブステム68cの回転を妨げている。バルブステム68cの端部にナットをねじ込んで、バルブステム68cを取付けブロック34cに固定することができる。固定ねじを取付けブロック34cにねじ込むことにより、バルブステム68cを取付けブロック34cに固定することができる。溶剤ハンドル32は、溶剤ハンドル32を通って取付けブロック34c内に延びる留め具などによって、取付けブロック34cに取り付けられる。溶剤ハンドル32は、バルブステム68cの遠位部分の周りに延び得る。回転溶剤ハンドル32は、取付けブロック34cおよびバルブ部材56cの両方の回転を引き起こす。
【0059】
外側スペーサ62cは、内側スペーサ60cからシール本体58cの反対側のバルブ孔48c内に配置されている。パッキンナット64cは、バルブ孔48c内に取り付けられ、バルブ孔48c内のバルブ36cのシール要素を圧縮するように構成されている。パッキンナット64cは任意の所望の方法で、例えば、ねじ接続によって、バルブ孔48c内に取り付けることができる。
【0060】
バルブ36cは、第1の流動位置、第2の流動位置、および遮断位置の間で移動可能である三方バルブである。バルブ36cは、分岐路84a、84bの一方または他方に溶剤の流れを導くように構成される。作動中、主ハンドル30は、バルブ36a、36bの各々(
図3に最もよく見られる)を閉状態に配置するようにシフトされる。バルブ36a、36bが閉じた状態では、主ハンドル30は主ハンドル30が溶剤ハンドル32の作動を妨害しないような位置にある。従って、溶剤ハンドル32はバルブ部材56cの位置、従って溶剤の流れを制御するために、3つの位置の間で作動され得る。いくつかの例では、バルブ部材56cが各位置間で約90度回転することができる。いくつかの例では、バルブ部材56cが最も遠い回転範囲の間で約180度回転することができる。例えば、バルブ部材56cは、第1の流動位置と第2の流動位置との間で約180度回転することができる。
【0061】
バルブ部材56cは溶剤ハンドル32が第1の流動位置、第2の流動位置、および遮断位置の間でバルブ部材56cを回転できるように、溶剤ハンドル32に接続されている。第1の流動位置において、バルブ部材56cは、通路72cが材料入口42cと分岐路84aとを流体的に接続するように位置決めされる。バルブ部材56cが第1の流動位置にある状態で、溶剤は、分岐路84aを通って下流に流れ、逆止バルブ38cを通って、交差部80aで流路70aに流入することができる。これにより、溶剤は流路70aから材料をフラッシュすることができる。
【0062】
第2の分岐路84bを洗浄するために、溶剤ハンドル32を回転させて、バルブ部材56cを第2の流動位置に配置する。第2の流動位置において、バルブ部材56cは、通路72cが材料入口42cと分岐通路84bとを流体的に接続するように配置される。バルブ部材56cが第2の流動位置にある状態で、溶剤は、分岐路84bを通って下流に流れ、逆止バルブ38dを通って、交差部80bで流路70bに流入することができる。これにより、溶剤は、流路70bから材料をフラッシュすることができる。
【0063】
フラッシング後、溶剤ハンドル32を中立位置に戻すことができ、それによってバルブ部材56cを遮断位置(
図4Aおよび4Bに示す)に置く。遮断位置では、通路72cの出口はシール体58cを通って孔(ボア)を形成する壁面に向いている。バルブヘッド66cとシール本体58cとの間のシールは、バルブ部材56cが遮断位置にある状態で、溶剤が分岐路84a、84bのいずれかに流れるのを防止する。
【0064】
第1の流動位置では、バルブ部材56cが溶剤を分岐路84aに導き、溶剤が分岐路84bに流れるのを防止する。第2の流動位置では、バルブ36cが溶剤を分岐路84bに導き、溶剤が分岐路84aに流れるのを防止する。遮断位置では、バルブ36cは溶剤が分岐路84a、84bのいずれかに流れるのを防止する。したがって、バルブ36cは、一度に1つの成分側の選択的な洗浄を容易にする。これにより、使用者は、材料を流路70aおよび流路70bから別々にフラッシュすることができる。各流路70a、70bを別々にフラッシュすることにより、流路70a、70bが完全に洗い流されることが保証される。
【0065】
混合マニホールド16は、著しい利点を提供する。逆止バルブ38c、38dは、バルブ36cの下流に配置され、分岐路84a、84bへの成分材料または混合材料のいずれかの流動を阻止する。バルブヘッド66cとシール本体58cとの間のテーパ状の境界部は、シール性を高め、バルブ36cの取り付け及び取り外しを容易にする。さらに、上流側の溶剤圧力はテーパのために、バルブヘッド66cとシール本体58cとの間のシールを強化する。バルブ36cは流路70a、70bを別々にフラッシングすることを容易にし、これは、各流路70a、70bが材料を完全に洗い流されることを確実にする。同時に流路70a、70bに溶剤を流すことは、流路70a、70bの一方または他方における粘度の違いまたは材料の蓄積により、流路70a、70bの一方または他方のフラッシングを阻害することがある。
【0066】
図5は、
図2Aの5-5線に沿って切り取られた混合マニホールド16の断面図である。主ハウジング22、溶剤ハウジング24、混合ハウジング26、バルブ36a、および混合マニホールド16の逆止バルブ38a、38cが示されている。流路70a、溶剤流路82の分岐路84aの一部、および交差部80aが示されている。バルブ36aのバルブ部材56aおよびシール本体58aが示されている。バルブ部材56aのバルブヘッド66aおよび通路72aが示されている。シール本体58aは、開口74a及び外側フラット部86aを含む。バルブ孔48aは内側フラット部88aを含む。
【0067】
シール本体58aは、バルブ孔48a内に配置されている。シール本体58a、シール本体58b(
図3に最も良く示されている)、及びシール本体58c(
図4A及び4Bに最も良く示されている)の各々は、同一とすることができる。シール本体58aは、バルブ孔48a内に配置されている。シール本体58aは、いずれか一方の内側フラット部88aと接する、いずれかの外側フラット部86aと共に設置することができる。外側フラット部86aはシール本体58aの設置に際してバルブ孔48a内で適切に合わされることを確実にするために、内側フラット部88aに対応している。
【0068】
バルブ36aは、
図5に開状態で示されている。バルブ36aは、複数成分材料の塗布中は開放状態にある。そのように、通路72aは、シール本体58a内の開口74aの間のバルブ36aを通って成分材料が流れるための流路を提供する。成分材料は、逆止バルブ38aを通ってミキサー40(
図3に最もよく見られる)へ下流に流れることができる。逆止バルブ38cは、成分材料が分岐路84aに流入するのを防止する。この適用の後、バルブ部材56aは閉状態に回転され、そこで通路72aは本体の開口74aから流体的に切り離される。これによりバルブ36aは、成分材料がバルブ36aを通って下流に流れるのを防止する。
【0069】
流路70aのフラッシングを開始するために、バルブ36c(
図4Aおよび4Bに最も良く見られる)を第1の流動位置に回転させて、溶剤を分岐路84aに導く。溶剤は分岐路84aを通り、逆止バルブ38cを通って交差部80aに流れる。溶剤は交差部で流路70aに入り、バルブ36a、逆止バルブ38aを通って下流へ流れることができる。バルブ36aは、溶剤がバルブ36aを越えて上流に流れるのを防止する。従って、溶剤は、バルブ36aの下流に配置された流路70aの全ての部分を洗い流す。溶剤は、逆止バルブ38aを通って下流に流れ、ミキサー40および流路70aの下流に配置された他の構成要素に流れる。
【0070】
図6は、バルブ36aの部分拡大断面図である。主ハウジング22の一部が示されている。バルブ孔48aおよび流路70aの一部が示されている。バルブ36aは、バルブ部材56a、シール本体58a、内側スペーサ60a、外側スペーサ62a、及びパッキンナット64aを含む。バルブ部材56aは、バルブヘッド66aとステム68aとを含む。バルブヘッド66aは、通路72aと、第1の端部90aと、第2の端部92aと、外面94aとを含む。
通路72aはオリフィス(開口部)96aを含む。シール本体58aは、開口74aと、孔(ボア)98aと、第1の端部100aと、第2の端部102aとを含む。
【0071】
バルブ孔48aは主ハウジング22内に延び、流路70aと交差する。バルブ36aは、バルブ孔48a内に取り付けられている。内側スペーサ60aは、バルブヘッド66aの第1の端部90aと主ハウジング22との間のバルブ孔48a内に配置される。シール本体58aは、バルブ孔48a内に配置されている。シール本体58aは、主ハウジング22に対してシールするように構成されている。本体の開口74aは、シール本体58aを通って孔98aまで延びている。本体の開口74aは流路70aを形成する通路に対応している。いくつかの例では、シール本体58aはシール材料から形成することができる。例えば、シール本体58aは、グラファイト注入PTFEから形成することができる。
【0072】
バルブヘッド66aは、孔98a内に配置され、シール本体58aを通って延びている。ステム68aはバルブヘッド66aの第2の端部92からシール本体58aの第1の端部100の外に延び、バルブ孔48aから突出する。ステム68aは、第2スペーサ62a及びパッキンナット64aを形成するシールリングを貫通して延びている。バルブヘッド66aの第1の端部90aは、シール本体58aの第2の端部102aを越えて孔98aから延びている。第1の端部90aは内側スペーサ60aに接触し、これに対してシールすることができる。外面94aは、バルブヘッド66aの第1の端部90aと第2の端部92aとの間に延在する。外面94aは、シール本体58aの壁部形成の孔98aに対して支持されシールするように構成されている。オリフィス96aは外面94aを通って延び、材料が通路72aに出入りするための開口を提供する。通路72aは、オリフィス96a間のバルブヘッド66aを通って延びている。
【0073】
外面94aは、第1の端部90aと第2の端部92aとの間でテーパが付けられている。したがって、バルブヘッド66aは、円錐台形とすることができる。図示の例では、第2の端部92aがバルブヘッド66aが第1の端部90aと第2の端部92aとの間で直径が減少するように、第1の端部90aよりも小さい直径を有する。孔98aは同様に、第2の端部102aと第1の端部100aとの間でテーパ状にされ、バルブヘッド66aのテーパ状の外面94aと嵌合する。
【0074】
第2のスペーサ62aは、バルブ孔48a内に配置され、シール本体58aの第1の端部100aに当接する。図示の例では第2のスペーサ62aが複数のシールリングから形成されているのに対して、内側スペーサ60aは単一のシールリングから形成されている。内側スペーサ60a及び第2スペーサ62aを形成するリングは、同一とすることができる。第2のスペーサ62aは複数のシーリングリングから形成されるように示されているが、第2のスペーサ62aはバルブ孔48a内でシールするための任意の適切な構成とすることができることが理解される。パッキングナット64aは主ハウジング22に接続し、バルブ36aの他の構成要素をバルブ孔48a内に固定する。パッキンナット64aは任意の所望の方法で、例えばねじ接続によって、バルブ孔48a内に固定することができる。設置に際して、パッキンナット64aが第2のスペーサ62a、シール本体58a、バルブ部材56a、及びバルブ孔48a内の内側スペーサ60aを圧縮するようにトルクが加えられる。バルブ36aの要素を圧縮することにより、シール本体58aと主ハウジング22aとの間、及びバルブヘッド66aとシール本体58aとの間のシールが容易になる。
【0075】
作動中、バルブ36aは複数の成分材料の適用中となり、
図6に示す開状態に置かれる。開状態では、オリフィス96aは、通路72aがバルブ36aの上流側および下流側に配置された流路70aの部分の間の流路を提供するように、開口74aに合わせられる。バルブ部材56aは、流路70aから流体的に通路72aが切り離された閉状態で回転することができる。閉状態では、バルブ36aがバルブ36aの上流側および下流側に配置された流路70aの部分の間で材料が流れるのを防止する。
【0076】
バルブ36aは、大きな利点を提供する。バルブヘッド66aとシール本体58aとの間のテーパ状の境界部は、シールを強化する。パッキングナット64aによって加えられる圧縮力はテーパ状の境界部により、孔98a内のバルブヘッド66aの係合を締め付ける。このように、テーパ状の境界部は漏れを抑制する。加えて、テーパ状の境界部は、バルブ36aの取付け及び取外しを容易にする。設置に際して、バルブ部材56aは、バルブヘッド66aがシール本体58aの内部に配置されて係合するまで、シール本体58aに通される。組み立てられたバルブ部材56aおよびシール本体58aは、バルブ孔48aに挿入することができる。取り外しの際、バルブ部材56aは、バルブ孔48aから引き出すことができる。バルブ部材56aはテーパ状の境界部での係合により、バルブ穴48aからシール本体58aを引き出すことができる。
【0077】
図7は、溶剤バルブ36cの部分拡大断面図である。溶剤ハウジング24の一部が示されている。バルブ孔48cおよび溶剤流路82の一部が示されている。バルブ36cは、バルブ部材56c、シール本体58c、内側スペーサ60c、外側スペーサ62c、及びパッキンナット64cを含む。バルブ部材56cは、バルブヘッド66c及びステム68cを含む。バルブヘッド66cは、通路72c、第1の端部90c、第2の端部92c、及び外面94cを含む。通路72cはオリフィス96cを含む。シール本体58cは、開口74cと、孔98cと、第1の端部100cと、第2の端部102cとを含む。
【0078】
バルブ孔48cは溶剤ハウジング24内に延び、溶剤流路82と交差する。分岐路84a、84bはバルブ孔48cから延びている。バルブ36cは、バルブ穴48c内に取り付けられている。内側スペーサ60cは、バルブヘッド66cの第1の端部90cと主ハウジング22との間のバルブ孔48c内に配置される。シール本体58cは、バルブ孔48c内に配置されている。シール本体58cは、主ハウジング22に対してシールするように構成されている。開口74cは、シール本体58cを通って孔98cまで延びている。開口74cは、分岐路84a、84bを形成する通路に対応している。いくつかの例では、シール本体58cがシール材料から形成することができる。例えば、シール本体58cは、グラファイト注入PTFEから形成することができる。
【0079】
バルブヘッド66cは、孔98c内に配置され、シール本体58cを貫通して延在する。ステム68cはバルブヘッド66cの第2の端部92cからシール本体58cの第1の端部100cの外に延び、バルブ孔48cの外に突出する。ステム68cは外側スペーサ62cを形成するシールリングを通って延び、パッキンナット64cを通って延びる。バルブヘッド66cの第1の端部90cは、シール本体58cの第2の端部102cを越えて孔98cから延びている。第1の端部90cは内側スペーサ60cに接触し、これに対してシールすることができる。内側スペーサ60cは、バルブヘッド66cが回転中に耐えるためのベアリング面を提供する。
【0080】
外面94cは、バルブヘッド66cの第1の端部90cと第2の端部92cとの間に延在する。外面94cは、シール本体58cの壁部形成の孔98cに対して支持されシールするように構成されている。外面94cは、第1端部90cと第2端部92cとの間でテーパ状である。したがって、バルブヘッド66cは、円錐台形とすることができる。図示の例では、バルブヘッド66cが第1の端部90cと第2の端部92cとの間で直径が減少するように、第2の端部92cが第1の端部90cよりも小さい直径を有している。孔98cは同様に、第2の端部102cと第1の端部100cとの間でテーパ状にされ、バルブヘッド66cのテーパ状の外面94cと嵌合する。
【0081】
第1のオリフィス96cはバルブヘッド66cの第1の端部90cを通って延び、材料が材料入口42cから通路72cに入るための開口を提供する。このように、バルブヘッド66cを通るオリフィス96cは、通路72cの入口オリフィスとすることができる。材料は材料入口42cから、内側スペーサ60cの中央開口部を通って流れ、入口オリフィス96cを通って通路72cに入る。第2のオリフィス96cは外面94cを通って延び、材料が通路72cを出るための開口を提供する。したがって、外面94cを通るオリフィス96cは、通路72cの出口オリフィスとすることができる。通路72cは、オリフィス96c間のバルブヘッド66cを通って延びている。図示の例では、通路72cが入口オリフィス96cと出口オリフィス96cとの間の湾曲部を含む。オリフィス96cと通路72cの配向は、3つの別個の流量制御位置の間で作動可能な三方バルブであるバルブ36cを助長する。図示の例では、通路72cの曲がりは約90度である。しかしながら、曲がり部は、材料入口42cから分岐路84a、84bに流れを向け直すための任意の所望の構成であってもよいことが理解される。
【0082】
外側スペーサ62cは、バルブ孔48c内に配置され、シール本体58cの第1端部100cに当接する。図示の例では、外側スペーサ62cは複数のシールリングから形成されているのに対して、内側スペーサ60cは単一のシールリングから形成されている。内側スペーサ60cおよび外側スペーサ62cを形成するリングは、同一とすることができる。外側スペーサ62cは複数のシールリングから形成されるように示されているが、外側スペーサ62cはバルブ孔48c内でシールするための任意の適切な構成とすることができることが理解される。パッキンナット64cは溶剤ハウジング24に接続し、バルブ36cの他の構成要素をバルブ孔48c内に固定する。パッキンナット64cは任意の所望の方法、例えば、ねじ接続によって、バルブ孔48c内に固定することができる。設置に際して、パッキンナット64cが外側スペーサ62c、シール本体58c、バルブ部材56c、及びバルブ穴48c内の内側スペーサ60cを圧縮するようにトルクが加えられている。バルブ36cの要素を圧縮することにより、シール本体58cと主ハウジング22cとの間、及びバルブヘッド66cとシール本体58cとの間のシールが容易になる。
【0083】
作動中、バルブ36cは、第1の流動位置、第2の流動位置、および遮断位置の間で移動可能である。バルブ部材56cが第1の流動位置(
図7に示す)にある状態で、バルブ部材56cは、溶剤を分岐路84aに導く。溶剤は、分岐路84aを通って流路70a(
図3に最も良く示されている)に流れ、流路70aをフラッシュする。バルブ部材56cは、第1流量位置から第2流量位置まで約180度回転する。第2の流動位置では、バルブ部材56cが溶剤を分岐路84bに導き、流路70bをフラッシュする(
図3に最も良く見られる)。バルブ部材56cは、第1の流動位置または第2の流動位置のいずれかから遮断位置まで約90度回転する。実際、バルブ部材56cは、バルブ部材56cが第1流量位置および第2流量位置の一方から他方へ回転するときの遮断位置にある。遮断位置では、外面94cを通って延びる出口オリフィス96cがシール本体58cのバルブ孔98cを形成する壁部と合わせられ、それによって、通路72cを通る流路を密封し、溶剤がいずれかの分岐路84a、84bに流れるのを防止する。
【0084】
上流側の溶剤圧力は、バルブ36cが遮断位置にある状態でバルブ36cに作用する。上流の溶剤圧力は、バルブ部材56cに加えられた上向きの圧力がバルブヘッド66cとシール本体58cとの間のテーパ状の境界部を締め付けるので、バルブ部材56cとシール本体58cとの間のシールを強化する。
【0085】
バルブ36cは、大きな利点を提供する。バルブヘッド66cとシール本体58cとの間のテーパ状の境界部は、シール性を高める。パッキンナット64cによって加えられる圧縮力は、テーパ状の境界部による孔98cとバルブヘッド66cとの係合を締め付ける。このように、テーパ状の境界部は漏れを抑制する。テーパ状の境界部は、上流側の溶剤圧力がバルブヘッド66cを押してシール本体58cとより密接に係合させるので、シールをさらに容易にする。加えて、テーパ状の境界部は、バルブ36cの取付け及び取外しを容易にする。設置の際、バルブ部材56cは、バルブヘッド66cがシール本体58cの内部に配置されて係合するまで、シール本体58cに通される。組み立てられたバルブ部材56cおよびシール本体58cは、孔98cに挿入することができる。取り外しの際には、バルブ部材56cを孔98cから引き出すことができる。バルブ部材56cはバルブ部材56cがバルブ孔48cから引っ張られるときに、テーパ状の境界部での係合のために、バルブ孔48cからシール本体58cを引き出すことができる。
【0086】
図8Aは、バルブ部材56の等角図である。
図8Bは、バルブ部材56の側面立面図である。
図8Cは、
図8BのC-C線に沿って切り取られたバルブ部材56の断面図である。
図8A~8Cは、一緒に参照される。バルブ部材56は、バルブヘッド66とステム68とを含む。バルブヘッド66は、通路72、第1の端部90、第2の端部92、外面94、及びオリフィス96を含む。各オリフィス96は、面取り縁部104を含む。ステム68は、第1の部分106と第2の部分108とを含む。第1の部分106は、ステムフラット部110を含む。第2の部分108は、ねじ部(threading)112を含む。
【0087】
バルブ部材56は、バルブ部材56a(
図2Bに最もよく見られる)及びバルブ部材56b(
図2Bに最もよく見られる)と同一である。バルブ部材56はバルブ部材56c(
図2Bに最もよく見られる)と類似しているが、バルブ部材56cはバルブヘッド66c(
図7)の第1の端部90c(
図7)を通る入口オリフィス96c(
図7)を含み、一方、バルブ部材56は外面を通る入口オリフィスおよび出口オリフィス96の両方を含む。バルブ部材56は、種々の位置の間でA-A軸を中心に回転するように構成されている。いくつかの例では、バルブ部材56は金属性である。
【0088】
通路72はバルブヘッド66を通って延び、バルブヘッド66を通って材料が流れるための流路を提供するように構成されている。外面94は、バルブヘッド66の第1の端部90と第2の端部92との間に延在する。オリフィス96は外面94を通って延在し、通路72のための入口及び出口を提供する。各オリフィス96は、各オリフィス96の周りに環状に延びる面取り縁部104を含む。面取り縁部104はバルブ部材56が使用中に回転するときに、あらゆるシール材料の削れやシェービングを防止する。オリフィス96は概ね円形として示されているが、オリフィス96は猫の目のような任意の所望の形状にできることが理解される。
【0089】
バルブヘッド66の第1の端部90は第1の直径D1を有し、バルブヘッド66の第2の端部92は、第2の直径D2を有する。図示の例では、外面94が第1の端部90と第2の端部92との間でテーパ状となるように、第1の直径D1が第2の直径D2よりも大きい。しかし、バルブヘッド66はシール本体58a(
図2Bおよび
図3に最も良く見られる)、シール本体58b(
図2Bおよび
図3に最も良く見られる)、および/またはシール本体58c(
図2Bおよび
図4Aに最も良く見られる)などの、シールと密封し、それに対して回転するのに適した任意の構成であり得ることが理解される。例えば、第1の直径D1は第2の直径D2とほぼ同じ大きさとすることができ、又は第1の直径D1は外面94が第2の端部92から第1の端部90に向かって内側に先細りするように、第2の直径D2よりも小さくすることができる。別の例では、バルブヘッド66は球状であってもよい。
【0090】
ステム68は、バルブヘッド66の第2の端部92から延びている。図示の例では、第2の端部92が第2の端部92の縁部とステム68との間に配置された環状の平坦面を含む。したがって、ステム68は、第2の直径D2よりも小さい第3の直径D3を有する。しかしながら、第3の直径D3は、いくつかの例では第2の直径D2とほぼ同じであり得ることが理解される。
【0091】
第1の部分106は、バルブヘッド66の第2の端部92から第2の部分108まで延びている。第1の部分106は、第1の部分106の遠位端に配置されたステムフラット部110を含む。ステムフラット部110は、第1の部分106に沿って長手方向に延びている。ステムフラット部110は、取付けブロック34a、34b、および34c(
図2Aに最もよく見られる)のような取付けブロック内の対向するフラットと係合するように構成されている。このように、バルブ部材56は、同時回転のために取付けブロックに固定される。第1の部分106は反対側のフラットを含めて示されているが、第1の部分106は取付けブロックと嵌合するための任意の所望のロック・キー構成となり得ることが理解される。例えば、第1の部分106の遠位端は、3つ、4つ、5つ、または任意の他の所望の数のステムフラット部110など、3つ以上のフラットを含むことができる。取付けブロックは、第1の部分106を受け入れるための嵌合用の開口部を備えるよう構成することができる。
【0092】
第2の部分108は、第1の部分106の遠位端から突出する。第2の部分108は、ねじ部112を含む。第2の部分108は、第3の直径D3よりも小さい第4の直径D4を有する。いくつかの例では、第4の直径D4が対向するステムフラット部110間の第1の部分106の幅とほぼ同じである。第2部分108は、バルブ部材56が取り付けられた取付けブロックから突出するように構成されている。ねじ部112は、取付けブロックをバルブ部材56に固定するためのナットを受け入れるように構成される。第2の部分108はねじ部(threading)112を含むことができるが、第2の部分108は取付けブロックをバルブ部材56上に固定するために、ナットのような止め具を受け入れるための任意の所望の構成とすることができることが理解される。
【0093】
本発明は好ましい実施形態に関して説明されているが、当業者であれば、様々な変更が、本発明の要旨および範囲から逸脱することなく形状および細部になされてもよいことは認識できる。