(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-05
(45)【発行日】2023-10-16
(54)【発明の名称】ヒータートレーシステム及びその使用方法
(51)【国際特許分類】
B65D 81/34 20060101AFI20231006BHJP
【FI】
B65D81/34 T
(21)【出願番号】P 2021556311
(86)(22)【出願日】2019-05-03
(86)【国際出願番号】 US2019030740
(87)【国際公開番号】W WO2019213621
(87)【国際公開日】2019-11-07
【審査請求日】2022-04-27
(32)【優先日】2018-05-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512020187
【氏名又は名称】フォエバー ヤング インターナショナル、 インク.
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【氏名又は名称】原 裕子
(74)【代理人】
【識別番号】100195257
【氏名又は名称】大渕 一志
(72)【発明者】
【氏名】ヤング、 ダニエル エル.
【審査官】吉澤 秀明
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-500619(JP,A)
【文献】特開2005-173675(JP,A)
【文献】特開2011-046608(JP,A)
【文献】特開2016-127910(JP,A)
【文献】特表2016-519584(JP,A)
【文献】特表2012-514754(JP,A)
【文献】特開平07-237357(JP,A)
【文献】特表2002-515579(JP,A)
【文献】実開平04-003975(JP,U)
【文献】特開2010-026452(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 81/34
A47J 36/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒータートレーシステムであって、
トレーの表面と透過性膜の層との間に密封された発熱反応物質を含むトレーと、
前記透過性膜の上に配置されかつ前記トレーに取り付けられて前記トレーとバリア層との間に前記透過性膜の層を囲むバリア層と、
前記バリア層に配置されて前記透過性膜への活性剤溶液の流体アクセスを提供する活性化ポートと、
1つ以上の温度センサとデータ収集装置とを含む温度通信システムと
を含み、
前記発熱反応物質は、活性剤溶液と混合されると発熱性ゲルを形成するように構成される、ヒータートレーシステム。
【請求項2】
前記発熱反応物質は、高吸収性ポリマー(SAP)粉末と混合された発熱反応性粉末を含み、前記データ収集装置は、前記1つ以上の温度センサと結合されたマイクロチップ又は近距離無線通信(NFC)パッシブプリント回路の少なくとも一方を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記データ収集装置は、前記発熱性ゲルによってもたらされる熱によって電力供給されるように構成される、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記データ収集装置は、温度データを生成するために、前記トレー又はその周囲環境の温度をリアルタイムで監視するように構成される、請求項2に記載のシステム。
【請求項5】
前記データ収集装置からのデータは、前記データ収集装置によってリモートデータベースに格納されるように構成される、請求項2に記載のシステム。
【請求項6】
前記データ収集装置は、食品提供者、配送サービス、消費者、又は最終配送場所の少なくとも1つに通信メッセージを送信するように構成される、請求項2に記載のシステム。
【請求項7】
前記データ収集装置は、温度データを解釈するように構成されたコンピューティングデバイスに温度データを無線で送信するように構成される、請求項2に記載のシステム。
【請求項8】
前記コンピューティングデバイスはモバイルデバイスである、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記データ収集装置は、前記データ収集装置から温度データ、位置データ、時間データ、又は消費者データのうちの少なくとも1つを収集、解釈、及び通信するコンピューティングデバイスにデータを無線で送信するように構成される、請求項2に記載のシステム。
【請求項10】
前記トレーは、ある温度範囲にわたって半透明と不透明の間で変化するように構成されたサーモクロミックインクを含むバーコードをさらに含み、前記バーコードは、前
記トレーの温度データを記録及び/又は報告するためにモバイルデバイスによって
撮影可能である、請求項2に記載のシステム。
【請求項11】
前記トレーは、ある温度範囲にわたって半透明と不透明の間で変化するように構成されたロイコ染料を含むバーコードをさらに含む、請求項2に記載のシステム。
【請求項12】
請求項1に記載のヒータートレーシステムを使用する方法であって、
活性化ポートを通して活性剤溶液を導入して、発熱反応物質と混合し、発熱性ゲルを形成することを含み、
前記発熱性ゲルから生成された熱が、前記ヒータートレーシステムの容器の内容物を所定の温度範囲で所定の持続時間にわたって温めるために使用される、方法。
【請求項13】
前記所定の持続時間は約40分から約2時間であり、前記所定の温度は140°F(60℃)より高く、前記容器の内容物は前記所定の持続時間にわたって少なくとも140°F(60℃)まで加熱される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記システムのデータ収集装置によって、前記システム、前記内容物、又は周囲環境のうちの少なくとも1つのリアルタイム温度を監視して、温度データ、位置データ、又は時間データのうちの少なくとも1つを生成することと、
前記温度データ、位置データ、又は時間データのうちの少なくとも1つを収集し、解釈し、かつ前記データ収集装置からコンピューティングデバイスへ通信することと
をさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
ヒータートレーシステムであって、
トレーの表面と透過性膜の層との間に密封された発熱反応物質を含むトレーであって、前記発熱反応物質は高吸収性ポリマー(SAP)粉末と混合された発熱反応性粉末を含むトレーと、
前記透過性膜の上に配置されかつ前記トレーに取り付けられて前記トレーとバリア層との間の前記透過性膜の層を囲むバリア層と、
前記バリア層に配置されて前記透過性膜への活性剤溶液の流体アクセスを提供する活性化ポートと、
前記活性化ポートの上に配置され、閉鎖位置にあるときに流体の侵入を妨げる前記活性化ポートのシールを提供する調整可能なタブと
を含み、
前記発熱反応物質は、活性剤溶液と混合されると発熱性ゲルを形成するように構成される、ヒータートレーシステム。
【請求項16】
前記トレーは生分解可能又は堆肥化可能な材料から成る、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
溶解可能な電解質組成物と攪拌棒とをさらに含む、請求項15に記載のシステム。
【請求項18】
前記溶解可能な電解質組成物は、前記溶解可能な電解質組成物が溶解されるときに所定の色を有する電解質溶液を形成するように構成された、着色された溶解可能な電解質組成物を含む、請求項
17に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2018年5月3日に出願された米国仮特許出願第62/666,693号に対する優先権の利益を主張する2021年5月3日に出願された国際特許出願第PCT/US2019/030740号の国内段階であり、その優先権を主張するものであり、両出願のそれぞれの内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれるものとする。
【0002】
ケータリングサービス及び移動式食品サービスにおいて、食品を加熱及び加熱状態に維持するための現在のアプローチには、チェーフィング燃料を燃焼させる可搬式のユニットが含まれる。例えば、スターノ(Sterno)の青い炎を上げる装置参照。しかしながら、近年、この従来のアプローチは、食品が焦げたり乾燥したり、炎を上げる装置への不注意でホテルなどの建物が燃えたりするなどの多くの問題を引き起こしてきた。屋外でケータリングを行っているとき、ユニットの炎から発生した火災は、レクリエーション用の土地を破壊する火災も引き起こした。子供たちがユニットの青い炎に引かれて手を伸ばして触れ、その結果、重度の火傷又はそれ以上を負うことも知られている。これらの厄介な問題の結果として、多くの消防部長がこれらの炎を上げる可搬式の加熱ユニットを禁止する方向に動いている。
【0003】
業界の一部は、誘導コイルなどの電気的に制御されるオプションを使用することによってこれらの問題を克服するべく解決した。しかしながら、このアプローチは費用がかかり、より多くの技術的資源を必要とし、それ自身の安全性の問題があり、真に可搬式でも利用において柔軟でもない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
結果として、当技術分野を悩ませているこれら及び他の問題を克服する、安全で、シンプルで、費用対効果の高い可搬式の加熱システムに対する要求がある。本開示は、当技術分野におけるこれら及び他の関連する要求に対処する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書では、ヒータートレーアセンブリであって、トレーの表面と透過性膜の層との間に密封された粉末状膨張性発熱反応物質を含むトレーと、透過性膜の上に配置されかつトレーに取り付けられてトレーとバリア層との間に透過性膜の層を囲むバリア層と、バリア層に配置されて透過性膜への流体アクセスを提供する活性化ポートと、活性化ポートの上に配置され、閉鎖位置にあるときに流体の侵入を妨げる活性化ポートのシールを提供する調節可能なタブとを含むヒータートレーアセンブリが提供される。
【0006】
現在考えられている実施形態によれば多くの場合、透過性膜の層はバリア層と透過性膜の窓とを含む。また多くの場合、バリア層は透過性膜の窓を覆うように配置され、バリア層はトレーに封止されていない。
【0007】
高い頻度で含まれる実施形態では、トレーは水不透過性である。また高い頻度で、トレーは生分解可能又は堆肥化可能な材料から成る。しばしば含まれる実施形態によれば、ヒータートレーアセンブリ全体が生分解可能又は堆肥化可能な材料で構成される。
【0008】
現在考えられている実施形態によれば、発熱性組成物は多くの場合、活性剤溶液と混合すると発熱性ゲルを形成する。多くの場合、このゲルはLAVA GEL(登録商標)などの膨張性ゲルである。
【0009】
現在考えられている実施形態によれば、活性剤溶液は電解質溶液を含む。
【0010】
現在考えられている実施形態によれば、調節可能なタブは、活性化ポートの上で調節され又は取り除いて交換され得る剥離可能なタブを含む。多くの場合、調節可能なタブは、活性化ポートに対して開放位置と閉鎖位置との間で移動可能である。
【0011】
現在考えられている実施形態によれば、先行する請求項のいずれかのヒータートレーアセンブリを含むヒータートレーシステムであって、溶解可能な電解質組成物を、任意選択で撹拌棒と共にさらに含むシステムが提供される。多くの場合、撹拌棒は、溶解可能な電解質組成物を含む。また多くの場合、溶解可能な電解質組成物は、溶解可能な電解質組成物が溶解したときに所定の色を有する電解質溶液を形成する、着色された溶解可能な電解質組成物を含む。多くの場合、トレーはトレーの縁からトレーの内部に延びる複数の傾斜部を含み、複数の傾斜部は対応する向かい合った傾斜部を含む。多くの場合、溶解可能な電解質組成物は、液体透過性膜又は可溶性膜内に含まれる。
【0012】
現在考えられている実施形態によれば、透過性膜は多くの場合、3次元的に封止された透過性膜を含み、ヒータートレーアセンブリは、トレーとトレーの2つ以上の輪郭又は表面に結合された3次元的に封止された透過性膜との間に形成されたセクターポケット内に密封された自由に移動する発熱反応物質の1つ以上のセクターを含み、トレーの2つ以上の輪郭又は表面はトレーの内側表面を含む。
【0013】
特定の実施形態によれば、バリアフィルムは、剥離可能なフラップとフィルムリムとを含む。
【0014】
現在考えられている実施形態によれば、ヒータートレーアセンブリを使用する方法であって、発熱性組成物に電解質溶液を導入することを含む方法が提供される。多くの場合、このような実施形態によれば、ヒータートレーアセンブリ内で発熱反応が開始され、加熱される内容物を入れた容器が作動されたヒータートレーアセンブリ上に配置され、発熱反応が所定の温度範囲で所定の持続時間にわたって熱を生成して容器に供給し、それによって容器の内容物を加熱する。
【0015】
関連する現在考えられている実施形態によれば、所定の持続時間は2時間より長く、所定の温度は140°F(60℃)より大きく、容器の内容物は所定の持続時間にわたって少なくとも140°F(60℃)まで加熱される。
【0016】
現在考えられている実施形態によれば、ヒータートレーアセンブリの製造方法であって、トレーを成形することと、発熱反応物質を添加することと、トレーと、透過性膜と、バリア層と、調節可能なタブとを組み立てることとを含む製造方法が提供される。多くの場合、この方法は、トレーの縁からトレーの内部に延びる複数の傾斜部を有するヒータートレーを熱成形することであって、複数の傾斜部は対応する向かい合った傾斜部を含むことと、発熱反応物質をトレーの内部に導入することと、トレーの縁の周り、複数の傾斜部のそれぞれの下及び対応する向かい合った傾斜部の間で浸透膜を結合し、それによって複数の密封されたセクターポケットを形成することと、トレーの縁にバリア層を結合し、透過性膜を覆うことであって、バリア層は剥離可能なフラップとフィルムリムとを含むこととを含む。
【0017】
現在考えられている実施形態によれば、システムは、多くの場合、ヒータートレーアセンブリの少なくとも一部に関する温度データを測定し、その温度データをモバイルデバイスに通信するように構成されたデータ収集装置をさらに含む。関連する実施形態では、システムは、温度データを収集及び/又は解釈するように構成されたモバイルデバイス上に常駐するモバイルアプリケーションをさらに含む。
【0018】
現在考えられている実施形態によれば、ヒータートレーシステムは、ヒータートレーアセンブリ又はヒータートレーシステムが所定の温度で見えるようになるロイコ染料を含むように提供される。多くの場合、ロイコ染料は、2つ以上の異なるロイコ染料を含み、それぞれが異なる所定の温度で見えるようになる。多くの場合、ロイコ染料は、3つ以上の異なるロイコ染料を含み、それぞれが異なる所定の温度で見えるようになる。多くの場合、これらのロイコ染料は、ヒータートレーアセンブリ又はヒータートレーシステムの様々な場所に配置される。
【0019】
本明細書では、ヒータートレーアセンブリが提供される。多くの場合、ヒータートレーアセンブリは、トレーとトレーの2つ以上の輪郭又は表面に結合された3次元的に封止された透過性膜との間に形成されたセクターポケット内に密封された自由に移動する発熱反応物質の1つ以上のセクターを含み、トレーの2つ以上の輪郭又は表面は内側表面を含む。多くの場合、ヒータートレーは、剥離可能なフラップとフィルムリムとを含むバリアフィルムをさらに含む。特定の頻度の高い実施形態では、ヒータートレーアセンブリ全体が、リサイクル可能又は堆肥化可能な材料で構成される。
【0020】
特定の実施形態では、ヒータートレーアセンブリを使用する方法が本明細書で提供される。多くの場合、このような方法では、ヒータートレーアセンブリ内で発熱反応が開始され、加熱される内容物を入れた容器が作動されたヒータートレーアセンブリ上に配置され、発熱反応が所定の温度範囲で所定の持続時間にわたって熱を生成して容器に供給し、それによって容器の内容物を加熱する。頻度の高い実施形態では、所定の持続時間は2時間より長く、所定の温度は140°Fより高く、容器の内容物は所定の持続時間にわたって少なくとも140°Fに加熱される。頻度の高い実施形態では、所定の持続時間は2時間より長く、所定の温度は165°Fより高く、容器の内容物は所定の持続時間にわたって少なくとも165°Fに加熱される。頻度の高い実施形態では、所定の持続時間は2時間より長く、所定の温度は170°Fより高く、容器の内容物は所定の持続時間にわたって少なくとも170°Fに加熱される。頻度の高い実施形態では、所定の持続時間は2時間より長く、所定の温度は140°F、145°F、150°F、155°F、160°F、165°F、170°F、175°F、180°F、185°F又は190°Fより高く、容器の内容物は、所定の持続時間にわたって少なくとも140°F、145°F、150°F、155°F、160°F、165°F、170°F、175°F、180°F、185°F又は190°Fに加熱される。特定の頻度の高い実施形態では、所定の温度は、容器の内容物の温度よりも高い。最も高い頻度で、容器は、食品トレーなどの食品を保持する容器であり、内容物は、消費可能な食品を含む。
【0021】
また、頻度の高い実施形態では、ヒータートレーアセンブリを実質的に製造する方法が提供される。多くの場合、この方法は、トレーの縁からトレーの内部に延びる複数の傾斜部を有するヒータートレーを熱成形することであって、複数の傾斜部は対応する向かい合った傾斜部を含むことと、発熱反応物質をトレーの内部に導入することと、トレーの縁の周り、複数の傾斜部のそれぞれの下及び対応する向かい合った傾斜部の間で透過性膜を結合し、それによって複数の密封されたセクターポケットを形成することと、トレーの縁にバリア層を結合し、透過性膜を覆うことであって、バリア層は剥離可能なフラップとフィルムリムとを含むこととを含む。特定の頻度の高い実施形態では、この方法は、意図された方法がトレーを形成することを必要としないように、予め形成されたトレー又は既存のトレーの使用を開始する。
【0022】
特定の実施形態では、断熱容器とヒータートレーアセンブリとを含むキットが提供される。
【0023】
これら及び他の実施形態、特徴、及び利点は、添付の図面と併せて本開示の様々な例示的な実施形態の以下のより詳細な説明を参照したとき、当業者に明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0024】
当業者は、以下に説明する図面が例示のみを目的としていることを理解するであろう。
【0025】
【
図1】本開示のヒートトレーアセンブリの一実施形態を示す。
【0026】
【
図2】
図1に示されるヒートトレーアセンブリの実施形態の別の図を示す。
【0027】
【
図3】剥離可能な頂部フィルムを有する本開示のヒートトレーアセンブリの別の実施形態を示す。
【0028】
【
図4】例示されたヒートトレーアセンブリで使用可能な例示的なトレーを示す。
【0029】
【
図5A】例示的なヒートトレー用の型の上面図を提供する。
【0030】
【
図5B】例示されたヒートトレーアセンブリで使用可能な
図5Aの型を用いて製造されたる例示的なトレーの底面図を提供する。
【0031】
【
図6】例示されたヒートトレーアセンブリで使用可能な例示的なトレーを示し、不織布層がトレーを覆っている。
【0032】
【
図7】本開示の例示的なヒートトレーアセンブリの最上部に配置された対象物(例えば、食品)トレーを示す。
【0033】
【
図8】食品の卓上保温鍋(チェーフィングディッシュ)を加熱/加温する例示的なヒートトレーシステムに関する温度対時間曲線を示す。
【0034】
【
図9】食品の卓上保温鍋を加熱/加温する例示的なヒートトレーシステムに関する別の温度対時間曲線を示す。
【0035】
【
図10】食品の卓上保温鍋を加熱/加温する例示的なヒートトレーアセンブリに関する別の温度対時間曲線を示す。
【0036】
【
図11】活性剤試薬ポケットを有する例示的な撹拌棒を示す。
【0037】
【
図12】バリアフィルムの開口部を覆う調節可能なタブを有する、本開示のヒートトレーアセンブリの別の実施形態の概略図を示す。
【0038】
【
図13】プルタップを欠く本開示のヒートトレーアセンブリの調節可能なタブの開口の実施形態の概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0039】
他に定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術的及び科学的用語は、本発明が属する当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書で言及される全ての特許、出願、公開された出願及び他の刊行物は、その全体が参照により組み込まれているものとする。このセクションに定める定義が、参照により本明細書に組み込まれている特許、出願、公開された出願及びその他の刊行物に記載されている定義に反するか又はその他の点で矛盾する場合、このセクションに定める定義が、参照により本明細書に組み込まれている定義よりも優先される。
【0040】
本明細書で使用される場合、「a」又は「an」は、「少なくとも1つ」又は「1つ以上」を意味する。
【0041】
本明細書で使用される場合、「及び/又は」という用語は、「及び」を意味する場合があり、「又は」を意味する場合があり、「排他的論理和」を意味する場合があり、「1つ」を意味する場合があり、「全てではないが一部」を意味する場合があり、「どちらでもない」を意味する場合があり、かつ/又は「両方」を意味する場合がある。
【0042】
「活性剤溶液」又は「活性剤液」という用語は、本開示の発熱性組成物のいずれかと接触したときに発熱反応を開始、増加又は再開させる水、水及び電解質、又は他の水溶液を意味し得ることが理解される。
【0043】
本明細書で使用される場合、「発熱性組成物」又は「発熱反応物質」は、組成物を使用する発熱反応の開始前、開始中、又は開始後に「発熱性組成物」又は「発熱反応物質」と呼ばれ得る。
【0044】
「ガルバニック合金」は、2つ以上の異なる金属塩の結合を含む、2つ以上の金属元素の結合によって作られる金属を意味し得ることが理解される。この結合は、例えば、ボールミルなどを用いた合金化プロセスを使用することを含む、合金化のための既知の手段によることが多い。
【0045】
本明細書で使用される場合、「ヒートトレー」及び「ヒータートレー」は、交換可能な用語であることが意図されている。
【0046】
「混合」という用語は、2つ以上のものを混合して、混合粉末(均一か否かにかかわらず)、均一混合物、又は均一粉末などの混合物を形成することを意味し得ることが理解される。2つ以上のものを「混合」するために使用することができるブレンダーには、ドラムミキサー、ブラウンミキサー、リボンブレンダー、ブレードブレンダー、V字型ブレンダー、バッチミキサーなどのような市販のミキサー及びブレンダーが含まれ得る。
【0047】
本明細書で使用される場合、「食品トレー」は、主に、食品を保持、保管、調理、及び/又は提供するように適合されたものを指すことが意図されている。これは、本開示のヒータートレーアセンブリを使用して加熱することができるターゲット容器のタイプの一例に過ぎず、したがって、食品トレーの使用は、食品以外の被加熱物が入っているターゲット容器、及び内容物を加える前又は内容物を取り出した後の容器を指すことが意図されている。
【0048】
図1及び
図2は、本開示のヒートトレーアセンブリの一実施形態を示す。図示のように、その中に配置された発熱性組成物を含むトレーが含まれている。図示の実施形態では、発熱性組成物は、トレーの複数の位置又は象限に配置されている。正方形又は長方形の構成が示されているが、円形、楕円形又は他の構成が考えられる。ヒートトレーは、最も高い頻度で、熱成形プラスチック、好ましくはリサイクル可能又は堆肥化可能なポリマーから形成されている。多くの場合、ヒートトレーは、ラクチドを脂肪族ポリエステル(CPLA)と共重合するような生体高分子から構成される。
【0049】
発熱性組成物は、最も高い頻度で、ヒートトレーに自由流動の形態で提供される粉末又は乾燥粒子組成物である。頻度がより低い実施形態では、発熱性組成物は、ヒートトレーの内部に配置された1つ以上の液体透過性袋内に提供される。
【0050】
水又は他の液体活性剤に対して透過性がある透過性膜(本明細書では不織布層、フィルム又は膜と呼ばれることもある)がヒートトレー上に配置されている。この透過性膜は、トレーの周辺周囲(例えば、縁、端、内側又は外側)に封止することができる。最も頻度の高い実施形態では、透過性膜は、ヒートトレーとヒートシール又は熱接着される。透過性膜はまた、ヒートトレーに接着され得る。透過性膜は、透過性膜とヒートトレーの表面との間に形成されたセクター又は象限ポケット内に発熱反応物質を閉じ込めるようにトレーに結合される。この象限ポケットは、透過性膜とヒータートレーとの間のボンド(又は接着剤又は機械的インターロック)の周縁の回りに隣接して密封されている。ヒータートレーは、本明細書で意図されるタイプの発熱反応物質を入れた少なくとも1つのセクターポケットを含む。より高い頻度で、ヒータートレーは、それぞれが本明細書で意図されるタイプの発熱反応物質を入れた2つ以上のセクターポケットを含む。多くの場合、ヒータートレーは、それぞれが本明細書で意図されるタイプの発熱反応物質を入れた4つ以上のセクターポケットを含む。頻度の高い実施形態では、透過性膜は不織布で構成されているが、様々な他の透過性材料及び材料構成が考えられる。頻度の高い実施形態では、透過性膜は、ポリ乳酸ポリマー(PLA)などのポリマー及び/又は木質線維のような、リサイクル可能又は堆肥化可能な成分から構成される。一般に、透過性膜は、一材料で構成され、(一度ヒートトレーの内部に配置された)発熱反応物質が透過性膜を通って漏れ出ること又は膜を通って1つの象限/セクターから別の象限/セクターへ移動することを防ぐように配置される。
【0051】
図示の実施形態では、活性剤液の袋が、透過性層より上に配置される。この活性剤袋は、水などの活性剤溶液を含む。袋は、引き裂くか、又は刺して穴を開ける、開ける、開封するなどの別の機構によって壊れやすいものである。引っ張って袋に裂け目又は開口を形成して活性剤溶液を放出することができる1つ以上のプルストリップなどの別の活性化機構がヒートトレーアセンブリと共に提供され得る。特定の実施形態では、発熱反応物質を活性化するために、ユーザは、バリア層からシールを取り除いて層を開封し、次いで活性剤液の袋に含まれるスターター要素のハンドル部分を引っ張り、ねじり、回し、又は動かし始める。発熱性組成物に活性剤液を導入する様々な他の機構、要素の配置、及びプロセスも考えられる。活性剤液の2つ以上の袋が、意図されるヒータートレーアセンブリに含まれ得る。
【0052】
図1~
図3に示すように、バリアフィルム20が活性剤より上に配置される。多くの場合、このバリアフィルムは、トレーの周囲(例えば、縁、端、内側又は外側)又はトレー上の透過性膜に封止されている。特定の実施形態では、層には活性剤液の袋が設けられている。このバリアフィルムは水不透過性フィルムであることができ、多くの場合、バリアフィルムはヒートトレーの内容物を密閉する。多くの場合、バリアフィルムは液体不透過性である。また多くの場合、バリアフィルムは、酸素不透過性などのガス不透過性である。高い頻度で、バリアフィルムは、酸素不透過性と水不透過性の両方である。最も頻度の高い実施形態では、バリアフィルムは、リサイクル可能又は堆肥化可能な生体高分子から成る。いかなる動作理論にも拘束されることを意図していないが、バリアフィルムは、トレーの内部を、例えば、活性剤の反応物を保存するために酸素欠乏環境に保つ。
図3に示すような実施形態では、このフィルムは、フィルムを引き裂いたり、刺して穴を開けたりすることなく開けることができる方法で提供され得る。
図1の実施形態には、剥離可能なフラップ/フィルムも設けられ得る。
図3に示すように、バリアフィルム/層20は、ヒートトレーの内容物又は内部へのアクセスを提供するために、ヒートトレー10を取り囲むフィルムリム又はフランジ21から剥離可能なフラップから成る。フランジ21は、バリア層20のフラップが開かれたときにヒートトレーの内部に張り出す材料の縁をしばしば提供するバリア層の周囲部分(例えば、スプラッシュスカート又はフランジ)である。特定の実施形態では、活性剤液の袋17は、バリアフィルム20の内部に配置される。バリアフィルムは、不注意による活性化を防ぎ、任意選択で、ヒートトレー10による正確な発熱反応及び熱伝達を提供するのを補助する。特定の実施形態では、バリアフィルム20は、活性剤液の袋17へのアクセスを提供し、又は活性剤液の袋17の配置又は交換を可能にするために開放される。このバリアフィルムは、トレー又はフランジに再シール可能であり得る。また、バリアフィルムには、ヒートトレーの内容物又は内部へのアクセスを提供するために壊れやすいレーザーエッチング部分が設けられ得る。剥離可能な層又はレーザーエッチング。動作中、フランジ21は不織布層上のスプラッシュスカートとして機能する。活性剤溶液が不織層に導入され又は注がれるとき、フランジの張り出しの特徴が、ヒートトレー10の外部への活性剤液の流出を防ぐように機能する。
【0053】
図4、
図5B及び
図6は、例示的なヒートトレー10の物理的配置の更なる態様を示す。
図4に示すように、トレーは、ヒートトレー13の縁からヒートトレー内部の底面まで延びる複数の傾斜部11を含む。図示の実施形態では、ヒートトレーの底部内側表面に一連のディンプル(小さなくぼみ)が設けられている。これらのディンプル12は、構造的、美的及び/又は機能的な目的を含む1つ以上の目的のために設けられる。例えば、ディンプル12は、発熱反応物質のごく一部を各ディンプルの凹部に集めるように作用し得る。また例えば、ディンプル12は、発熱性組成物が活性化されたときにその支持面への伝導熱損失の量を最小限に抑えるために、ヒートトレーが配置されている外面からヒートトレーを持ち上げるように作用する。これらのディンプル12は、最下層に形成され、ヒートトレー底部内側表面の主水平面より下に延在する。多くの場合、ヒートトレーがテーブルなどの表面に配置されるとき、ディンプル12の底部はテーブルに接触するが、主水平面はテーブルより上に保持されるように、これらのディンプル12は、ヒートトレー底部内側表面の主水平面をテーブルより上に保持する。
図4の実施形態には4つの傾斜部11が示されているが、これらの傾斜部11はより多くても少なくてもよい。実際には、各傾斜部は、多くの場合、ヒートトレーの反対側にある別の傾斜部の向かい側に配置される。頻度の高い実施形態では、ディンプルは、2つの対応する/向かい合った傾斜部の間に延びる平面に配置されない。以下に説明するように、各傾斜部11は、透過性膜15の結合又は接着のための表面を提供する。
図4は、本明細書に記載の特徴を含む実際のヒートトレーの描写を示す。
【0054】
図6は、トレーに結合された透過性膜を有する例示的なヒートトレーを示す。色が薄い部分は、結合されていない透過性膜を表している。透過性膜上の色が濃い線は、ヒートトレーに結合されている領域を表している。この実施形態に見られるように、図示されたヒートトレーには4つの区画が存在する。ヒートトレーが円形又は楕円形などの異なる物理的配置で提供される場合、「区画」の数及び位置は異なるが、同じ全体的な配置に平行であり、ヒートトレーの全領域を、発熱反応物質を配置するための所定の数の区画に分割する。これらの区画のそれぞれは、最も高い頻度で、自由流動性の粉末又は粒子の形態で発熱反応物質を含む。密閉された区画は、各区画に所定の量の発熱反応物質を含むように作用する。本明細書に記載され図示されている発熱反応物質の区画/セクターの配置は、輸送中に発熱反応物質の全体的な配置を維持し、ヒートトレーアセンブリが使用されているときに均一な反応及び加熱を確実にする。例えば、反応物が粉末の形態で提供される場合、斜めに保管されると、トレーの一方の側と他方の側に集まりやすくなる。このような配置は、発熱反応の遅延、失敗、部分的な発熱反応、又は問題のある発熱反応、又はトレーの上面に対する不均一な熱の生成をもたらす可能性がある。
【0055】
図6に見られるように、透過性膜は、ヒートトレーの上部周縁に結合されかつヒートトレーの内部底面に下降する各傾斜部の全長にわたって結合されるように、3次元的な配置である。この結合は、トレーの底部を横切って対応する傾斜部まで延び、そこでその対応する傾斜部を上って、ヒートトレーの反対側の上部周縁まで続く。各象限は、結合されないままで、自由流動性の発熱反応物質を含む。使用するとき、活性剤溶液がトレーの内部に加えられ(例えば、
図12、
図13の実施形態に関連して説明されるように、トレーの内部中央に注がれ)、各象限に均等に拡散又は流出して、発熱反応物質の活性化及び継続的な反応プロセスを開始及び維持する。
【0056】
図7は、ヒートトレーアセンブリ10の最上部に配置された食品トレー30を示す。例示された実施形態では、ヒートトレー10は、食品トレー30の底部全体を覆って食品トレー30全体にわたる均一な熱分布を容易にするように提供される。対応する長方形、インゲンマメ形、楕円形、正方形、円形、及び他の形状の配置が考えられる。
【0057】
図8は、食品トレーの内容物を加熱する本開示のヒートトレーアセンブリに関する例示的な熱対時間曲線を示す。この実施形態の食品トレーは、ご飯の上に1.61kgのチキンエンチラーダを載せたハーフパンのチェーフィングディッシュである。この実施形態における80gmの発熱反応物質の組成は、曲線の上部に記載されている。見てわかるように、温度は180°Fを少し超えて始まり、この温度は最初の長時間(ここでは約40分)維持され、そこでは高温が続き、2時間にわたって監視された。監視時間の終わりに、食品トレーの内容物は約150°Fであった。この曲線から、約150°Fの温度又はそれよりわずかに低い温度又は約140°Fの温度が、2時間よりはるかに長い時間維持されるであろう。
【0058】
図9は、食品トレーの内容物を加熱する本開示のヒートトレーアセンブリに関する別の例示的な熱対時間曲線を示す。この実施形態の食品トレーは、鶏もも肉のハーフパンチェーフィングディッシュである。食品トレーの内容物の温度を監視する2つの温度プローブが設けられている。見てわかるように、温度は171°Fで始まり、この温度は、2時間48分の監視時間にわたって、短時間の初期プローブ調整、それに続く温度の上昇、及び温度の漸減を含め、長時間維持された。監視時間の終わりに、ブループローブは約154°Fと測定され、ゴールドプローブは約142°Fと測定された。この曲線から、高温は、監視された2時間48分を超える時間維持されるであろう。
【0059】
図10は、食品トレーの内容物を加熱する本開示のヒートトレーアセンブリに関する別の例示的な熱対時間曲線を示す。この実施形態の食品トレーは、野菜を入れた浅型トレーである。この実施形態では、64グラムの遊離した発熱反応物質が含まれ、反応する。食品トレーの内容物の温度を監視する2つの温度プローブが設けられている。見てわかるように、温度は約170°Fで始まり、この温度は、2時間5分間の監視時間にわたって、短時間の初期プローブ調整、それに続く温度の上昇、及び温度の漸減を含め、長時間維持された。監視時間の終了時に、シリーズ1のプローブは約141°F、シリーズ2のプローブは約145°Fを測定した。この曲線から、高温は、監視された2時間5分を超えて延長する時間の間維持されるであろう。
【0060】
ヒートトレーシステムは、本説明によるヒートトレーアセンブリの複数の実施形態を含む。このようなヒートトレーシステムは、多くの場合、活性化ポート26を介した活性剤液の導入を提供するヒートトレーアセンブリを含む。
図12及び
図13は、これに関して例示的な実施形態を示す。このようなシステムは、エンドユーザが入手できる水を除いて、発熱反応を活性化するために必要な全てのものを含むことができる。水は、ヒートトレーアセンブリ10と共にパッケージに含まれてもよい。
【0061】
このようなシステムでは、発熱性組成物に電解質溶液を提供するための伝達手段が提供される。
図11は、撹拌棒40の形態におけるこのような一実施形態を示す。様々な他の構成が考えられる。
図11に示される撹拌棒40は、一端に電解質41を配置するための場所を有する細長い支持体を提供する。この場所は、図示の実施形態のように、塩などの粒状結晶性組成物などの電解質組成物を保持するように適合された、支持体に配置されたくぼみ又は溝を含むことができる。くぼみは、撹拌棒が輸送されているときに電解質組成物がこぼれないように、任意選択で透水性又は水溶解性の膜で囲まれていてもよい。このような実施形態は、使用前に所定の量の電解質を正確に配置することを可能にし、エンドユーザによる簡単で正確な信頼性の高い使用を可能にする。代替的な実施形態では、くぼみが撹拌棒内に配置され、その容積は、計量スプーンと同様に所定の量の電解質を保持するように適合されている。特定の関連する実施形態では、所定の量の電解質組成物が、独立式に使用されるか又は撹拌棒と一緒に使用されることができる、透過性又は溶解性の小袋で提供される。このような実施形態では、撹拌棒は、電解質組成物を配置するための場所を含んでいても、含んでいなくてもよい。他の関連する実施形態では、撹拌棒自体は、水との接触後又は接触時に溶解し始める所定の電解質組成物から少なくとも部分的に又は完全に形成される。
【0062】
撹拌棒は、天然又は合成材料を含む任意の好適な材料から形成することができる。例えば、撹拌棒を形成する材料は、天然又は合成の生分解性ポリマーであり得る。材料はまた、木材又は菌糸体などの天然材料を含み得る。
【0063】
電解質組成物は、多くの場合、特定の色、例えば、青色、オレンジ色、赤色、緑色、黄色を有する結晶性組成物の形態で提供される。着色は、電解質中の天然ミネラルの色相によって、又は食品グレードの食品着色料などの外部から加えられた着色剤によって提供され得る。電解質組成物の着色は、電解質組成物が水などの液体に溶解されるときに、電解質組成物から作られた電解質溶液に所定の色を与えるために提供される。利用において、電解質組成物は水と接触し、電解質組成物の色は、電解質組成物が溶解するときに電解質組成物から拡散し、得られる溶液にその色を与える。エンドユーザは、活性剤溶液が所望の/所定の色相を有し、溶解していない顆粒を有しない場合に、活性剤溶液がいつ適切に調製されたかを迅速に特定することができる。色の変化は混合物が完全に溶解していることを示し、それにより電解質組成物が発熱性組成物に注がれる前に完全に溶解されることを確実にする。これにより、電解質組成物が、ヒートトレーシステムの慣れていないユーザによって、水及び発熱性組成物に正しい割合で添加されることが確実になる。
【0064】
現在考えられているヒートトレーシステムは、多くの場合、電解質組成物と組み合わされて所定の量の活性剤液(図示せず)を提供する液体を測定する方法を含む。これに関して最も頻度の高い実施形態は、使い捨ての計量カップを含む。「カップ」という用語が使用されているが、これは最も幅広い種類で意図されており、その内部にある量の液体を受け入れることができること以外の特定の容積又は形状を意味するものではない。多くの場合、計量カップは、パッケージングのために平らになることができ、所定の量の液体を受け入れるように適合された内部容積を有するカップの配置を形成するために開くことができる、折り畳み可能なアセンブリ又はレイフラットスタンドアップガセット袋の形態である。多くの場合、カップは、(例えば、電解質組成物を溶解することによる)活性剤溶液の調製に耐えることができるが、その後、その完全性を失う可能性がありかつ/又は生分解性である、コート紙から成る。多くの場合、計量カップは、任意の材料から成り、所定の量の液体を受け入れることができる容器である。特定の実施形態では、電解質組成物は、活性剤カップの内部に配置される。特定の実施形態では、電解質組成物は、撹拌棒を使用せずに、活性剤カップの内部に配置される。
【0065】
所定の量の電解質は、本開示によれば、発熱性組成物の正確で信頼性の高い活性化のため、及び結果として生じる発熱反応の大きさを調整するために有用である。これに関して、電解質の量は、多くの場合、所定の量の水に溶解するために選択される。これにより、活性剤液中の所定の溶質濃度が得られる。所定の溶質濃度は、多くの場合、より長く持続するより低い温度の反応、又はより短い時間持続するより高い温度の反応を提供するために選択される。多くの場合、このような実施形態では、ヒートトレーアセンブリ内の発熱性組成物の量は一定のままであるが、所定の溶質濃度は、発熱反応の温度及び持続時間を調整するために変更される。利用において、より長い持続時間及びより低い温度の反応を提供することは、フードデリバリー又はケータリングの状況などで、食品が提供される前に一定範囲/時間にわたって輸送又は保管される場合に食品サービスの用途に有用であることが見出されている。また、利用において、より短い持続時間及びより高い温度の反応を提供することは、食品が特定の温度に調理され、特定の温度にされ、又は特定の温度に維持されるように、食品が適切かつ安全な提供温度まで運ばれる場合に食品サービスの用途に有用であることが見出されている。
【0066】
図12及び
図13は、ヒートトレーシステムに用いる例示的なヒートトレーアセンブリ10の上面図を示す。
図12のヒートトレーアセンブリは、複数の通気口23a、23b、26を有するバリアフィルム20で覆われている。調節可能なタブ25が、活性化ポート26の上に配置されている。調節可能なタブ25は、例えば、少なくとも部分的に接着剤が付いた紙又はフィルムの形態で、取り外し可能又は剥離可能であり得る。調節可能なタブはまた、バリアフィルム20と一体化されることができ、開放位置と閉鎖位置との間でスライドすることができる。調節可能なタブ25はまた、活性化ポート26を完全に遮断/閉鎖することから、活性化ポート26を部分的に遮断すること、活性化ポート26を全く遮断しないことまでの範囲で、活性化ポート26に対する異なる物理的配置の間で調節可能である。
【0067】
頻度の高い実施形態によれば、使用中、調節可能なタブは、活性剤溶液が導入される活性化ポートを露出するように調節される。次いで、活性剤溶液が発熱性組成物に浸透し、発熱反応を開始する。多くの場合、活性剤溶液は、活性化ポート26を通して導入されると、透過性膜15を透過する。所定の量の活性剤溶液又は電解質濃度が活性化ポート26を通して導入されると、調節可能なタブ25は、活性化ポート26を閉鎖又は遮断するように調節される。
【0068】
このような実施形態における特徴の配置は、発熱性組成物の均一な活性化を促進し、活性化の前又は後に、ヒートトレーアセンブリ又はシステムの固体又は液体成分がこぼれるのを阻止する。
【0069】
バリアフィルム20はまた、任意選択で通気口23a及び/又は23bを含む。これらの通気口は、スリット若しくは切れ目23a、又は刺し穴、ポート若しくは穴23bの形態であり得る。開口部の目的及び配置は、多くの場合、予め定められている。例えば、ポートは、多くの場合、発熱性組成物の活性化後のバリアフィルム20のバルーニングを阻止又は防止するために利用される。ここでのバルーニングは、ヒートトレー10基部に対してバリアフィルム20が上方へ円弧状に膨張することを指すことを意図している。このバルーニング現象の可能性は、例えば、発熱反応中のガスの発生及び放出、及び/又は発熱性組成物の膨潤から生じる(LAVA GEL(登録商標)などの膨張性/膨潤性の発熱性ゲルの場合)。ヒートトレーアセンブリは、バリアフィルム20の上に置かれた物を加熱するように適合されている。このため、バリアフィルムの膨張は、ヒートトレーと被加熱物との間の接触面積を減少させるので、被加熱物に十分な伝導性の加熱伝達能力を提供することに比べて、最適ではない状態である。通気口23a、23bは、最も頻度の高い実施形態では、通気を最適化し、バリアフィルムの膨張を低減し、ヒートトレー上に載っている被加熱物によって覆われ/遮断されるか、さもなければ塞がれる可能性を低減するために、ヒートトレーの外周に配置される。意図される用途及びヒートトレーによって与えられる熱のレベル及び/又は持続時間に応じて、通気口は、数、形状、バリアフィルム表面上の位置、及び/又はサイズが適合され得る。特定の実施形態では、通気口は、調節可能なタブ25に配置される。
【0070】
現在考えられているヒートトレーシステムは、多くの場合、多段階加熱プロファイルを提供する。このような実施形態では、
図11~
図13に関連して上述したようなヒートトレーシステムが提供され、作動される。調節可能なタブがトレーの上で閉じられると、発熱反応が第1の維持レベルで始まる。その後、被加熱物が作動されたヒートトレーアセンブリ上に配置され、これは、いかなる動作理論によって拘束されることも望まないが、反応物の更なる混合及び転位を促進し、それによって第2の加熱レベルを誘発する。最も高い頻度で、第2の加熱レベルは、第1の維持レベルよりも高い温度である。このような実施形態では、第1の維持レベルから第2の加熱レベルへの変化を誘発するために、発熱性組成物に外部の試薬又は物質が添加されない。
【0071】
このような多段階加熱プロファイルは、例えば、複数のヒートトレーが必要とされる場合に食品サービスにおいて有用である。このようなシナリオでは、トレーのユーザは、第1の維持レベルで1つ以上のトレーを作動させ、その後、これらのトレーは、食品トレー又は当技術分野で知られている他のテイクアウト用食品容器などの被加熱物と接触すると、第2の加熱レベルに誘発される。多くの場合、ユーザは、第1の維持レベルで複数のトレーを同時に又は順次に作動させ、その後、これらのトレーは、被加熱物と接触すると第2の加熱レベルに誘発される。
【0072】
特定の実施形態では、熱変色性インク粒子が発熱性組成物に含まれる。これらの粒子は、例えば、発熱性組成物が活性化され、所定の温度以上に達したときに、発熱性組成物の色を第1の非活性化色から赤色に変化させるために提供される。このような実施形態は、発熱反応が起こっているか又は順調に進んでいるかについての基本的な視覚的訴えを提供する。
【0073】
現在提供されているヒートトレーアセンブリは、所定の高い温度範囲で、トレーの内容物の長時間の可搬式の加熱を提供する。電気又は裸火は不要であり、したがって、本ヒートトレーアセンブリは完全に持ち運び可能であり、輸送中に移動しながらでも加熱又は加温を可能にする。また、例えば、ケータリング事業、フードデリバリー、又は他の移動式の食品又は食事提供者の環境における輸送及び/又は保管の場合などの、使用前のヒートトレーアセンブリの乱暴な取り扱いは、本開示のヒートトレーアセンブリの加熱性能に影響を及ぼさない。移動式フードデリバリー又は移動中の食事(例えば、車での食事)などの用途では、トレー又は再利用可能な食品容器(例えば、GoBox)などの他の食品貯蔵又は提供装置に入っている食品は、断熱バッグ又は断熱フードキャリアなどの熱囲い内で温めて調理することができる。このような密閉されかつ断熱された環境は、加熱された食品/食事の(場所及び/又は時間が)遠く離れた配達又は提示を提供するために、食品を長時間加熱、調理又は加温することを可能にする。
【0074】
本解決策とは異なり、火炎式加熱器は輸送中には使用できない。現在、火炎式加熱器のアプローチ(スターノ)では、食料はある場所に到着するが、セットアップして水を温め、火炎式加熱器を作動させるために、ケータリングははるかに早く到着しなければならない。また、火炎式加熱器は、水によって拡散される加熱面に不均一な加熱及びホットスポットを生成する。しかしながら、この環境での不均一な加熱は避けられない。このため、食品がそれぞれの加熱ユニットに置かれると、容器内の食品は不均一に加熱され、食品は中央部では水っぽくなり、食品容器の外側部分に向かってより硬くなり/過度に加熱され/乾燥する傾向があることが知られている。有利なことに、食品及び本明細書に開示されたシステムを使用する労働者は、食品を提供し、同時に現れることができる。なぜなら、食品は、開示された無炎加熱システムと通信して既に配送され得たからである。
【0075】
本明細書に開示された解決策は、本明細書で説明されたヒータートレーアセンブリの構成によって食品容器の内容物全体にわたる均一な加熱プロファイルを提供することによって、不均一な加熱問題に対処する。また、本開示のヒータートレーアセンブリは、任意選択で特定の用途に調整される、発熱反応物質の様々な量(すなわち、重量又は体積)の使用を可能にする。これに関して、発熱反応物質の量は、所定の持続時間にわたって所定の熱レベルを提供するように予め決定される。加熱される食品又は他の物の特定の温度は、密度、配置、構成部品、及び/又は体積に基づいて様々であり得るが、物に供給される熱の量は、予め決定することができる。被加熱物の既知の特徴に基づいて、特定の量の発熱反応物質が、多くの場合、特定の持続時間にわたって特定の温度に物を加熱するために提供される。一実施形態では、ヒートトレーアセンブリは、食品トレー内の食品を約140°F(60℃)から170°F(76.7℃)に加熱し、その温度又は範囲を3時間以上維持する。一実施形態では、ヒートトレーアセンブリは、食品トレー内の食品を約140°F(60℃)から170°F(76.7℃)に加熱し、その温度又は範囲を2時間以上維持する。一実施形態では、ヒートトレーアセンブリは、食品トレー内の食品を約140°F(60℃)から150°F(65.6℃)に加熱し、その温度又は範囲を2時間以上維持する。一実施形態では、ヒートトレーアセンブリは、食品トレー内の食品を約140°F(60℃)、約145°F(62.8℃)、約150°F(65.6℃)、約155°F(68.3℃)、約160°F(71.1℃)、約165°F(73.9℃)、約175°F(79.4℃)、又は約180°F(82.2℃)に加熱し、その温度又は範囲を1時間以上、2時間以上、又は3時間以上維持する。したがって、本実施形態では、ヒートトレーアセンブリは、食品を加熱するが、食品を加熱しすぎない。
【0076】
使用するとき、例示的なヒートトレーアセンブリは、バリアフィルムのフラップを剥がし、活性剤溶液の袋を取り外し、活性剤の袋を開き、ヒータートレーの内部で透過性膜に袋の内容物を注ぐことによって作動し、透過性膜で溶液が発熱反応物質へと透過し、発熱反応物質が活性剤溶液を吸収し、膨潤して温度が上昇する。次に、内容物(例えば、食品)が入ったトレーをヒータートレーに置き、内容物を加熱する。
【0077】
様々な発熱反応物質が、現在説明されている実施形態でLAVA GEL(登録商標)(フォーエバーヤングインターナショナル社、(ネバダ州ラスベガス))と共に利用され得る。LAVA GEL(登録商標)は、(活性剤としての)水又は生理食塩水などの電解質溶液の単純な添加により、長時間にわたって非常に制御された温度を示すことが知られているLAVAゲル(登録商標)などの発熱性ゲルの使用は、重要な利点をもたらす。活性剤が水の場合、ゲルは水を隔離する。発熱性ゲルは、ヒータートレーの基部内で(乾燥粉末混合物の体積に対して)膨張し、透過性膜を圧迫する。透過性膜上に置かれた食品トレーはゲルを圧迫し、ゲルは食品トレーの輪郭に一致するように適応し、それによって食品トレーの均一な接触及び伝導加熱を提供する。これにより、発熱反応物質と活性剤液とから形成された発熱ゲルは、食品トレーを迅速かつ均一に加熱することができる。
【0078】
したがって、発熱反応物質は一般に、水又は電解質溶液などの活性剤溶液と混合されたときに発熱反応を起こす材料であり得る、第1の発熱反応物質などの反応物質の組み合わせである。例えば、第1の発熱反応物質は、塩水などの電解質溶液と発熱反応するマグネシウム鉄合金粉末であり得る。発熱反応物質は、高い頻度で、高吸収性ポリマー(SAP)粉末と混合された発熱反応性粉末を含む。この混合物に水又は電解質溶液を添加すると、SAP粉末がゲルを形成する間、発熱反応によって熱が発生する。ゲルは、比較的非吸収性の粉末と比較して、水又は水性ゲルの高い比熱容量により、発生した熱を吸収し、長時間にわたって保持する。頻度の高い実施形態では、発熱反応物質は、発熱ゲルを生成するときに体積が膨張して、膨張した加熱ゲルを生成する。この反応は、意図された加熱目的のために十分に温かいままであるが、さもなければユーザに損傷を与えるか食品を焦がすであろう、火傷するほど熱い高温を回避する。
【0079】
特定の実施形態では、複数の異なる活性化段階を有する多段階加熱が提供され、この場合、新たな又は再び始まった発熱反応が、ヒータートレーで誘発される以前の発熱反応から離れた時間にヒータートレーで誘発される。発熱反応物質を用いた、考えられる一般的なタイプの多段階反応の例は、米国特許出願公開第2015/0297394号のものであり得る。複数の加熱段階のそれぞれは、異なる加熱プロファイルによって特徴付けられ得る。例えば、調理又は初期加熱段階は、特定の持続時間にわたって高温を用いて食品を調理するための第1段階として提供することができ、その後、より低い温度でより長い持続時間にわたって熱を提供する加温段階が続く。多くの場合、第1段階は第2段階より短い。このような実施形態では、未調理の食品は、第1の反応及び任意選択で第2の反応を開始することを除いて、人間の介入が最小限か又は全くなしで、電気又は炎を用いずに、移動可能な環境で長い持続時間にわたって調理及び加温することができる。
【0080】
他の発熱反応物質、例えば、2017年12月13日に出願された特許協力条約出願第PCT/US2017/066208号及び2016年12月13日に出願された米国仮特許出願第62,433,766号に開示されているものなどが、本ヒータートレーアセンブリでの使用のために考えられる。どちらも、その全体が参照により組み込まれている。
【0081】
本開示によれば、ヒートトレーは、最も高い頻度で、生分解可能又は堆肥化可能な材料で形成される。特定の実施形態では、ヒートトレーは自己堆肥化可能である。自己堆肥化可能なヒートトレーの1つの例示的な実施形態では、ヒートトレーはポリ乳酸プラスチックから成り、中温性細菌が発熱性組成物又は活性剤溶液に組み込まれる。この点に関して、アミコラトプシス、ブレビバチルス、バチルススミシー、ジオバチルス・サーモカテニュロータス、バチルススミシー、パエニバチルス・アミロリティカス、ボルデテラ・ペツリイ、シュードモナス、及びバチルス・アミロリクエファシエンスを含む、様々な好適な細菌株が考えられる。好適な株は、中温性であるか、又はより好ましくは、発熱性組成物に組み込まれる場合、発熱反応における熱発生中又は発生後に生存及び/又は成長するという点で、好熱性又はサーモトロピックである。このような細菌は高温で成長/拡大する。特定の実施形態では、ヒートトレーアセンブリ又はシステムは、生分解性ポリマーを分解することができる酵素を生成する中温性及び/又は好熱性細菌株に加えて、本明細書に記載の態様及び構成要素を有する自己堆肥化可能なヒートトレーを含む。
【0082】
温度センサ/報告通信システムが、特定の意図された実施形態で提供される。このようなシステムは、食品安全を守る手段、ならびに食品安全規則の遵守及び施行を強化する。例示的な実施形態では、ヒートトレーシステムにデータ収集システムが設けられる。このようなヒートトレーシステムは、多くの場合、企業又は個人の食事の配達を対象としている。
【0083】
このような実施形態によれば、マイクロチップ又はNFCパッシブプリント回路などのデータ収集装置が、温度センサなどの1つ以上のセンサと結合される。特定の実施形態では、データ収集装置は、ペルチェ効果(例えば、発熱反応によってもたらされる熱)によって電力供給される。特定の他の実施形態では、必要に応じて、外部電源を利用して、データ収集装置からの/へのデータ通信に電力を供給する。このデータ収集装置はまた、任意選択で特定の実施形態において、1つ以上のヒートトレーアセンブリを含む輸送コンテナに含まれる。このような実施形態では、データ収集装置は、ヒートトレーアセンブリに含まれても含まれなくてもよい。最も頻度の高い実施形態では、データ収集装置は、食品の温度又は食品を取り巻く周囲環境の指標を提供するように適合され、配置される。このデータ収集装置は、最も高い頻度で、ブルートゥース(登録商標)、近距離無線通信(NFC)、ジグビー、無線周波数識別(RFID)などの当技術分野で既知かつ利用可能な無線通信方法を介して、携帯電話などのモバイルデバイスにローカル無線データ通信して提供される。モバイルデバイスは、任意選択で、有線又は無線の方法でデータベース又はデータ記憶装置とデータ通信して提供されてもよい。実際には、データ収集装置は、温度データを生成するために、ヒートトレー又はその周囲環境の温度のリアルタイム監視を行う。この温度データは、任意選択で、しかし高い頻度で、このようなデータ監視に適したモバイルアプリケーションを含むモバイルデバイスにローカルで通信される。このデータ又はその順列は、処理又はアップロードされ、クラウドベースのサーバ又はロケーションなどのリモートデータベースに格納され得る。データは、コンプライアンスの監視に使用することも、顧客が使用するサービスとして提供することもできる。特定の実施形態では、データ収集装置によって収集された温度又は他の環境データに関する情報を提供するプリントアウト、記録又は通信(例えば、電子メール、テキストなど)が、食品提供者、配送サービス、消費者、及び/又は最終配送場所に提供される。
【0084】
特定の実施形態では、エンドユーザによってすぐに使用可能な形式で本明細書に記載されるように環境(温度を含む)及び/又は消費者データを収集、解釈、及び通信するモバイルデバイスアプリケーションが提供される。
【0085】
特定の他の食品安全の実施形態では、一連の記号、デザイン、絵柄、形状、又はバーコードのラベルが提供され、バーコードは、特定の温度又は温度範囲で無色/透明又は半透明から不透明/暗色/黒色/有色に変化するサーモクロミックインク又はロイコ染料(本明細書では総称してロイコ染料と呼ぶ)で印刷される。1つ以上の異なるロイコ染料が、現在考えられている実施形態による単一のヒートトレーアセンブリで利用され、それぞれが異なる転移温度を有する。特定の実施形態では、ヒートトレーは、現在考えられている実施形態による単一のヒートトレーアセンブリに2つ以上の異なるロイコ染料を含み、それぞれが異なる転移温度を有する。特定の実施形態では、ヒートトレーは、現在考えられている実施形態による単一のヒートトレーアセンブリに3つ以上の異なるロイコ染料を含み、それぞれが異なる転移温度を有する。しばしば含まれる実施形態によれば、ロイコ染料で印刷された記号、デザイン、絵柄、形状、又はバーコードは、ユーザが温度計を使用することなくヒートトレーがその温度又は所定の温度範囲内にあることを確認することができるように、特定の予め定められた温度で見ることができる。多くの場合、関連する実施形態によれば、記号、デザイン、絵柄、形状、又はバーコードは、ヒートトレーの温度を記録及び/又は報告するモバイルアプリケーションに動作可能に接続されたモバイルデバイスによって画像化される。モバイルデバイスで提供される機能を使用して、記号、デザイン、絵柄、形状、又はバーコードを画像化するときの場所及び時間も多くの場合、同時に収集又は記録される。フードデリバリーの状況における利用では、食品又は食品容器がヒートトレーと熱連通状態に置かれたとき、又はその前後に、ヒートトレー上の識別可能な記号、デザイン、絵柄、形状、又はバーコードが画像化され、その後、より遅い時間に再び画像化される。このより遅い時間は、多くの場合、食品の受け渡し又は配達の時間であり、また多くの場合、より遅い時間には、食品がレストラン又はキッチンなどの調理場所を出発するときなどの中間時点も含まれる。
【0086】
追加データも収集し、モバイルアプリケーションとの機能データ通信で提供することができる。例えば、食品関連のライフスタイルに基づく傾向、人口統計、位置に基づく注文、注文方法、及び他のデータも収集することができる。このようなデータは、サービス又は広告を調整する企業、医療提供者、及び/又は規制機関に提供又は使用され得る。
【0087】
本発明の他の特徴及び利点は、以下の詳細な説明及び特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【0088】
上記の刊行物又は文献の引用は、上記のいずれかが適切な先行技術であると認めることを意図したものではなく、またこれらの刊行物又は文献の内容又は日付に関する承認を構成するものでもない。
【0089】
当業者であれば、上述の実施形態に基づいて現在開示されている方法、システム及び装置の更なる特徴及び利点を理解するであろう。したがって、現在開示されている方法、システム及び装置は、添付の特許請求の範囲によって示されている場合を除き、特に図示され、説明されているものによって限定されるべきではない。本明細書に引用されている全ての刊行物及び参考文献は、その全体が参照により及び/又はそれらが本明細書に引用されている特定の理由により、本明細書に明示的に組み込まれているものとする。