(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-05
(45)【発行日】2023-10-16
(54)【発明の名称】反射層を伴うマウント上の発光デバイス
(51)【国際特許分類】
H01L 33/60 20100101AFI20231006BHJP
H01L 33/58 20100101ALI20231006BHJP
H01L 33/50 20100101ALI20231006BHJP
【FI】
H01L33/60
H01L33/58
H01L33/50
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022001541
(22)【出願日】2022-01-07
(62)【分割の表示】P 2017533739の分割
【原出願日】2015-09-15
【審査請求日】2022-01-07
(32)【優先日】2014-09-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517152128
【氏名又は名称】ルミレッズ ホールディング ベーフェー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】ローレンス,ナサニエル ティー
(72)【発明者】
【氏名】シューキン,オレク
(72)【発明者】
【氏名】ヴァンポーラ,ケネス
【審査官】高椋 健司
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-151339(JP,A)
【文献】特開2002-176200(JP,A)
【文献】特開2011-138815(JP,A)
【文献】特開2013-077798(JP,A)
【文献】特開2010-040761(JP,A)
【文献】特表2003-515769(JP,A)
【文献】特表2013-545288(JP,A)
【文献】特開2010-028049(JP,A)
【文献】特開2009-004659(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0056776(US,A1)
【文献】特開2012-028501(JP,A)
【文献】特開2014-033168(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00-33/64
H01S 5/00- 5/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面を有するマウントと、
前記マウントの上面の部分に取り付けられた半導体発光ダイオード(LED)と、
前記LEDに隣接する前記マウントの前記上面に配置された、分布ブラッグリフレクタとしてのマルチ層リフレクタであり、屈折率が少なくとも1.2である低屈折率材料と屈折率が少なくとも2である高屈折率材料が交互に重なった少なくとも2つ以上の層を含み、全体の厚さが2μm以下である、前記マルチ層リフレクタと、
前記LEDと前記マルチ層リフレクタの上に配置された、第1屈折率を有するレンズと、
前記マルチ層リフレクタと前記レンズとの間に配置された低屈折率層であり、前記第1屈折率より低い第2屈折率を有し、屈折率の差異によりインターフェイスにおいて全内部反射を生じる、前記低屈折率層と、を含み、
前記マルチ層リフレクタは、少なくとも一つのポリマー層を含む、
デバイス。
【請求項2】
前記マウントの上面の、前記マルチ層リフレクタと直接的に接触している部分は、金属である、
請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記マウントの上面の、前記マルチ層リフレクタと直接的に接触している部分は、セラミック、プラスチック、および、リードフレームのうちの一つである、
請求項1に記載のデバイス。
【請求項4】
前記マルチ層リフレクタと前記レンズとの間に配置された前記低屈折率層は、1.3以下の屈折率を有する、
請求項1に記載のデバイス。
【請求項5】
前記マルチ層リフレクタと前記レンズとの間に配置された前記低屈折率層は、ガラス、フッ化物ガラス、フッ化マグネシウム、多孔性材料、および、多孔性二酸化ケイ素からなるグループから選択される、
請求項1に記載のデバイス。
【請求項6】
前記デバイスは、さらに、
前記レンズの中に配分された波長変換材料、を含む、
請求項1に記載のデバイス。
【請求項7】
前記マルチ層リフレクタと前記レンズとの間に配置された前記低屈折率層は、空気を含む、
請求項1に記載のデバイス。
【請求項8】
マウントの上の第1領域に対して半導体発光ダイオード(LED)を取り付けるステップと、
前記マウントの上の第2領域と直接的に接触している、分布ブラッグリフレクタとしてのマルチ層リフレクタを形成するステップであり、前記マルチ層リフレクタは、屈折率が少なくとも1.2である低屈折率材料と屈折率が少なくとも2である高屈折率材料が交互に重なった少なくとも2つ以上の層を含み、全体の厚さが2μm以下である、ステップと、
前記マルチ層リフレクタの上に低屈折率層を形成するステップであり、前記低屈折率層は、第2屈折率を有する、ステップと、
前記LED、前記低屈折率層、および前記マルチ層リフレクタにわたりレンズを配置するステップであり、前記レンズは、前記第2屈折率より
高い第1屈折率を有し、屈折率の差異によりインターフェイスにおいて全内部反射を生じる、ステップと、
を含み、
前記マルチ層リフレクタは、少なくとも一つのポリマー層を含む、
方法。
【請求項9】
前記マウントの前記第2領域は、金属を含む、
請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記マウントの前記第2領域は、セラミック、プラスチック、および、リードフレームのうちの一つを含む、
請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記マルチ層リフレクタの上に前記低屈折率層を形成するステップは、ゾルゲル法によって、多孔性層を形成するステップ、を含む、
請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記LED、前記低屈折率層、および前記マルチ層リフレクタにわたり前記レンズを配置するステップは、別個に形成されたレンズを接着するステップ、ラミネートするステップ、および、モールドするステップのうち一つを含む、
請求項8に記載の方法。
【請求項13】
前記レンズは、波長変換材料を含む、
請求項8に記載の方法。
【請求項14】
前記低屈折率層は、空気を含む、
請求項8に記載の方法。
【請求項15】
上面を有するマウントと、
前記マウントの上面の部分に取り付けられた半導体発光ダイオード(LED)と、
前記LEDに隣接する前記マウントの前記上面に配置された、分布ブラッグリフレクタとしてのマルチ層リフレクタであり、屈折率が少なくとも1.2である低屈折率材料と屈折率が少なくとも2である高屈折率材料が交互に重なった少なくとも2つ以上の層を含み、全体の厚さが2μm以下である、前記マルチ層リフレクタと、
前記LEDと前記マルチ層リフレクタの上に配置された、第1屈折率を有するレンズと、
前記マルチ層リフレクタと前記レンズとの間に配置された低屈折率層であり、前記第1屈折率より低い第2屈折率を有し、屈折率の差異によりインターフェイスにおいて全内部反射を生じる、前記低屈折率層と、を含み、
前記マルチ層リフレクタと前記レンズとの間に配置された前記低屈折率層は、ガラス、フッ化物ガラス、フッ化マグネシウム、多孔性材料、および、多孔性二酸化ケイ素からなるグループから選択される、
デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光デバイスに隣接して配置された反射層を伴うマウントの上に配置された発光デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオード(LED)、共振空洞発光ダイオード(RCLED)、垂直キャビティレーザーダイオード(VCSEL)、および、端面発光レーザーを含む、半導体発光デバイスは、現在利用可能な最も効率の良い光源である。可視スペクトルを横断してオペレーションできる高輝度発光デバイスの製造における現在の興味ある材料系は、III-V族半導体、特には、ガリウム、アルミニウム、インジウム、および窒素の2元、3元、および4元合金であり、III族窒化物としても参照されるものである。典型的に、III族窒化物の発光デバイスは、有機金属気相成長法(MOCVD)、分子線エピタキシー法(MBE)、または、他のエピタキシャル技術によって、サファイア、炭化ケイ素、III族窒化物、または、他の適切なサブストレートの上で、異なる組成およびドーパント濃度の半導体層のスタックをエピタキシャルに成長させることによって製造される。スタックは、サブストレート上に形成され、例えば、ケイ素(Si)を用いてドープされた一つまたはそれ以上のn型層、n型層の上に形成された活性領域における一つまたはそれ以上の発光層、および、活性領域の上に形成され、例えば、マグネシウム(Mg)を用いてドープされた一つまたはそれ以上のp型層を、しばしば、含んでいる。電気的接点が、n型とp型領域の上に形成されている。
【0003】
図1は、パッケージされた蛍光体変換半導体構造体デバイスを図示しており、より詳細には米国特許第8680556号明細書において説明されている。
図2は、より詳細に、
図1の複合反射層を図示している。
図1のデバイスは、パッケージ300の上に配置され、かつ、蛍光体を含むカプセル材340によってカバーされた、LED302を含んでいる。LED302から発せられた光、カプセル材304の中で蛍光体から発せられた光、および、カプセル材304の退出表面で反射された光は、サブストレート300に向かって発せられ得る。この光の少なくとも一部分は、複合層362で反射されて、パッケージを出て行けるようにリダイレクトされる。
【0004】
図2は、反射複合層362の一つの可能なコンフィグレーションを示している。このコンフィグレーションにおいては、一式の絶縁層(dielectric layer)308が一式の金属層の上に形成されている。金属層310に隣接する絶縁層308の部分は、接着層312であってよい。サブストレート300に隣接する金属層310の部分も、また、接着層312であってよい。米国特許第8680556号明細書において説明される実施例において、サブストレート300に最も近い複合層における材料は、銀である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、マウント上でLEDに隣接して配置された反射層を伴う、マウントの上に配置されたLEDを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施例は、マウントの上面に取り付けられた半導体発光ダイオード(LED)を含んでいる。LEDに隣接するマウントの上面にマルチ層リフレクタが配置されている。マルチ層リフレクタは、低屈折率材料と高屈折率材料が交互に重なった層のペアを含む。マルチ層リフレクタと直接的に接触している上面の部分は無反射性である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、反射性パッケージ表面を伴う従来技術のパッケージされたLEDの断面図である。
【
図2】
図2は、
図1のデバイスにおける反射表面の一つの実施例の断面図である。
【
図3】
図3は、LEDの一つの実施例の断面図である。
【
図4】
図4は、マウントと直接的に接触しているマルチ層リフレクタを伴って、マウント上に配置されているLEDの断面図である。
【
図5】
図5は、マウント上の導電性パッドと直接的に接触しているマルチ層リフレクタを伴って、マウント上に配置されているLEDの断面図である。
【
図6】
図6は、マルチ層リフレクタと低屈折率層を伴って、マウント上に配置されているLEDの断面図である。
【
図7】
図7は、低屈折率層を伴って、マウント上に配置されているLEDの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の実施例においては、半導体発光ダイオードといった、発光デバイスが、少なくとも一つの反射層を伴いパッケージ上に配置されている。
図3は、III族窒化物LEDの一つの実施例を図示している。あらゆる適切な半導体発光デバイスが使用されてよく、かつ、本発明の実施例は、
図3において説明されるLEDに限定されるものではない。
【0009】
図3のデバイスにおいて、光の大部分は、成長基板(growth substrate)を通じてLEDから引き出される。そうしたデバイスは、フリップチップデバイスとして参照されてよい。
図3のLEDは、従来技術において知られるように、成長基板10の上でIII族窒化物の半導体構造体を成長させることによって形成される。成長基板は、しばしば、サファイアであってよいが、例えば、非III族窒化物材料、SiC、Si、GaN、または複合サブストレート、といった、あらゆる適切なサブストレートであってよい。その上でIII族窒化物の半導体構造体が成長させられる成長基板の表面は、成長の以前に、パターン化され、粗面化され、または、テクスチャ付けされてよく、デバイスからの光の抽出を改善することができる。成長表面とは反対側の成長基板の表面(つまり、フリップチップコンフィグレーションにおいて大部分の光がそこを通じて引き出される表面)は、成長の以前または成長の後で、パターン化され、粗面化され、または、テクスチャ付けされてよく、デバイスからの光の抽出を改善することができる。
【0010】
半導体構造体は、n型とp型領域との間に挟まれた発光または活性領域を含んでいる。n型領域16が、最初に成長されてよく、そして、異なる組成とドーパント濃度の複数の層を含んでいる。例えば、バッファ層または核形成層(nucleation layer)といった準備層、n型であるか又は意図的にドープされないでよいもの、および、効率的に光を発するのに発光領域について望ましい特定の光学的、材料的、または電気的な特性のためにデザインされたn型デバイス、または、p型デバイスさえも、含むものである。発光または活性領域18は、n型領域の上に成長される。適切な発光領域の例は、単一の厚い又は薄い発光層、または、バリア層によって分離された複数の厚い又は薄い発光層を含んでいる、複数の量子井戸型(quantum well)発光領域を含む。p型領域20が、次に、発光領域の上に成長されてよい。n型領域と同様に、p型領域は、異なる組成、厚さ、およびドーパント濃度の複数の層を含んでよい。意図的にドープされないか叉はn型である層を含むものである。
【0011】
半導体構造体の成長の後で、p型領域の表面上に反射性p接点が形成される。p接点21は、しばしば、反射性金属およびガード金属(guard metal)といった、複数の導電層を含む。反射性材料のエレクトロマイグレーションを妨げ又は低減し得るものである。反射性金属は、しばしば、銀であるが、あらゆる適切な材料が使用されてよい。p接点21の形成の後で、p接点21、p型領域20、および活性領域18の一部が取り除かれ、その上にn接点22が形成されるn型領域16の一部が露出される。n接点22とp接点21は、ギャップ25によって相互に電気的に分離されており、ギャップは、ケイ素(silicon)の酸化物または他のあらゆる適切な材料といった絶縁体を用いて埋められてよい。複数のn接点ビア(via)が形成されてよい。n接点22とp接点21は、
図3に図示された配置に限定されるものではない。n接点とp接点は、従来技術において知られるように、絶縁体/金属のスタックを用いて接合パッドを形成するように再配置されてよい。
【0012】
LEDを別の構造体に対して電気的及び物理的に取り付けるために、一つまたはそれ以上のインターコネクト26と28が、n接点22とp接点21の上に形成されるか、または、電気的に接続される。インターコネクト26は、
図3においてn接点22に対して電気的に接続されている。インターコネクト28は、p接点21に対して電気的に接続されている。インターコネクト26と28は、絶縁層24とギャップ27によって、n接点22とp接点21から、および、相互に電気的に分離されている。インターコネクト26と28は、例えば、半田、スタッドバンプ(stud bump)、金(gold)層、または、あらゆる他の適切な構造体であってよい。多くの個別のLEDが、一つのウェファ上に形成され、次に、デバイスのウェファから切り出される(diced)。サブストレート10は、半導体構造体の成長の後で、または、個々のデバイスの形成の後で、薄くされてよい。いくつかの実施例において、サブストレートは、
図3のデバイスから取り除かれる。
図3のデバイスから抽出される大部分の光は、サブストレート10(または、サブストレート10を取り除くことによって露出された半導体構造体の表面)を通じて引き出される。
【0013】
図4、5、6、および7は、マウント上に形成された異なる反射層を伴う、パッケージされたLEDを示している。
図4、5、6、および7のそれぞれにおいて、LED1は、マウント40の上面42に対して電気的および物理的に取り付けられている。
【0014】
LED1は、表面42の上に形成された導電性構造体44に対して電気的に接続されてよい。導電性構造体44は、典型的には、金属パッドである。金属パッドは、例えば、
図4、において図示されるように、LED1と実質的に同じサイズであってよく、または、例えば、
図5、において図示されるように、LED1によってカバーされない上面42の全て又は一部をカバーしてよい。金属パッド44は、例えば、上面42の上、または、マウント40の底面上、に形成された接合パッド(図に示されていない)に対して電気的に接続される。マウント40の底面上の接合パッドは、例えば、マウントの中、または、あらゆる他の適切な構造体を通じて、形成されたビア、示されていないもの、を通じて、金属パッド44に対して接続されてよい。
【0015】
マウント40は、例えば、セラミック構造体、プラスチック構造体、一つまたはそれ以上の電気的分離層を伴う金属層、リードフレーム、または、あらゆる他の適切な構造体であってよい。
【0016】
図4、5、6、および7のそれぞれにおいては、LED1とマウント40の上に透明カバー46が配置されている。カバー46は、しばしば、
図4、5、6、および7に示されるように、ドームレンズ、フレネルレンズ、または、あらゆる他の適切な構造体といった、光学部品である。いくつかの実施例において、カバー46は、単純に、等角で(conformal)、透明な材料シートである。カバー46は、LEDとマウントから分離して形成され、そして、接着又はあらゆる他の適切な技術によって取り付けられてよく、もしくは、その場で、例えば、ラミネート、モールド、または、あらゆる他の適切なプロセスによって形成されてよい。いくつかの実施例においては、一つまたはそれ以上の材料が、カバー46を形成する透明材料と混合されている。透明材料と混合される適切な材料の例は、一つまたはそれ以上の波長変換材料を含んでいる。パウダー状の蛍光体、屈折率を調整するための材料、散乱を生じさせるパーティクル、または、あらゆる他の適切な材料、といったものである。
【0017】
図4、5、6、および7のそれぞれにおいては、LED1によってカバーされていないマウント40の上面42の全て又は一部が、一つまたはそれ以上の反射層によってカバーされている。反射層は、マウント40によって光が吸収されるのを防ぐことができ、または、マウント40によって吸収される光の量を削減することができる。LED1によって発せられた変換されていない光、及び/又は、カバー46の中の蛍光体によって発せられた変換されている光、を反射することによるものである。反射層は、カバー46からの抽出を増加し得るものであり、デバイスの効率を増加し得る。
【0018】
図4と5においては、マルチ層リフレクタ(multi-layer reflector)48が、マウント40の上面42の上に配置されている。マルチ層リフレクタは、例えば、高屈折率と低屈折率材料が交互に重なった層に係るマルチ層のペアであってよい。低屈折率材料は、いくつかの実施例において少なくとも1.2の屈折率を有してよく、そして、いくつかの実施例においては1.6以上の屈折率を有してよい。高屈折率材料は、いくつかの実施例において少なくとも2の屈折率を有してよく、そして、いくつかの実施例においては3以上の屈折率を有してよい。低屈折率材料は、SiO
2又はあらゆる他の適切な材料であってよい。高屈折率材料は、TiO
2、Ta
2O
5、又はあらゆる他の適切な材料であってよい。
【0019】
マルチ層リフレクタは、分布ブラッグリフレクタ(distributed Bragg reflector、DBR)であってよい。あらゆる適切な数量の層のペアが使用されてよい。いくつかの実施例においては少なくとも2つのペア、いくつかの実施例においては50以下の層のペア、いくつかの実施例においては少なくとも5つのペア、いくつかの実施例においては40以下のペア、および、いくつかの実施例においては12以下のペア、である。DBRの全体の厚さは、いくつかの実施例において少なくとも100nm、いくつかの実施例において2μm以下、いくつかの実施例において少なくとも500nm、および、いくつかの実施例において5μm以下、である。いくつかの実施例において、DBRにおける一つまたはそれ以上の層は、ポリマーである。
【0020】
図4のデバイスにおいては、金属パッド44が、LED1と実質的に同じサイズの領域に限定されている。マルチ層リフレクタ48が、マウント40の上面42の上、に配置され、かつ、直接的に接触するようにである。いくつかの実施例において、マウント40の上面42は、反射性でない表面であってよい。
図5のデバイスにおいては、金属パッド44が、LED1のフットプリントより大きい上面42の一部をカバーしている。マルチ層リフレクタ48が、金属パッド44の上に配置され、かつ、直接的に接触するようにである。金属パッドは、LED1によって発せられた光を実質的に反射性でない金属であってよい。そうした非反射性金属の例は、Cu、Al、Au、これらの組み合わせ、または、あらゆる他の適切な金属又は伝導性材料を含んでいる。
【0021】
図6においては、マルチ層リフレクタ48が、低屈折率層50と結合されている。マルチ層リフレクタ48、
図4と5に付属するテキストにおいて上記に説明されたあらゆるマルチ層リフレクタであってよいが、図示されるように、上面42と直接的に接触するように配置され、または、
図5に図示されるように、金属パッド44と直接的に接触するように配置されている。低屈折率層50は、マルチ層リフレクタ48の上に形成されている。マウント40と低屈折率層50との間に、マルチ層リフレクタ48が配置されるようにである。
【0022】
低屈折率層50は、いくつかの実施例においては1.4より小さい低屈折率を伴う材料であってよく、いくつかの実施例においては1.3以下であり、いくつかの実施例においては1.2以下であり、そして、いくつかの実施例においては少なくとも1.1である。いくつかの実施例において、低屈折率層50は、空気であり、典型的には、屈折率が1である。低屈折率層50とカバー46との間のインターフェイスにおいては、これらの2つの層間における屈折率の差異(contrast)により、インターフェイスにおける少なくともいくらかの光インシデントが、全内部反射によって反射されるようにすることができる。カバー46は、しばしば、シリコーン(silicone)であり、一般的には、1.4と1.6との間の屈折率を有している。カバー46を形成しているシリコーンに対して材料が加えられてよい。カバー46の屈折率を増加させるためであり、低屈折率層とカバーとの間の差異を増すであろうものであって、反射される光の量を増やし得るものである。例えば、カバー46の屈折率は、いくつかの実施例においては少なくとも1.5であり、いくつかの実施例においては少なくとも2であり、そして、いくつかの実施例においては2.5以下であってよい。
【0023】
適切な低屈折率材料は、低屈折率ガラスを含んでいる。MgF又は他のフッ化物ガラス、低屈折率ポリマー、および、多孔性SiO2といった多孔性材料、といったものである。低屈折率材料は、あらゆる適切なプロセスによって形成されてよい。多孔性または他の低屈折率材料は、例えば、ゾルゲル法(sol gel process)を使用してデポジットされてよい。
【0024】
図7においては、マルチ層リフレクタなしで低屈折率層50が使用されている。低屈折率層50は、
図6に付属するテキストにおいて上記に説明されたあらゆる低屈折率層であってよいが、図示されるように、上面42と直接的に接触するように配置され、または、
図5に図示されるように、金属パッド44と直接的に接触するように配置されてよい。
【0025】
図4、5、6、および7で説明された反射層は、あらゆる適切な技法によって形成されてよい。例えば、反射層は、LED1がマウントに取り付けられた後で、かつ、カバーが形成/取り付けられる前に、形成されてよい。例えば、LED1をマスキングすること、または、そうでなければ、反射層がLED1の上に形成されるのを妨げることによるものである。反射層は、例えば、選択的な成長またはあらゆる他の適切な技法によって、後にLED1が配置される領域においては形成されなくてよい。もしくは、反射層は、例えば、従来のフォトリソグラフィ技術によって、LED1が配置される開口部を形成するように変造されてよい。LED1と反射層との間にはギャップが存在してよく、または、
図4、5、6、および7に示されるように、LED1と反射層はギャップなしで配置されてよい。反射層の上面は、LED1の上面と同じ高さであってよく、もしくは、反射層の上面が、LED1の上面より高いか、または、低くてよい。
【0026】
いくつかの実施例においては、一つ以上のLEDが、反射層を伴ってマウント上に配置されてよい。いくつかの実施例においては、LED以外のデバイスが、反射層を伴ってマウント上に配置されてよい。
【0027】
上記の実施例において、半導体発光デバイスは、青色またはUV光を発するIII族窒化物であるが、レーザーダイオード、および、III-V族材料、III族リン化物、III族ヒ化物、II-VI族材料、ZnO、または、Siベース材料といった他の材料系から作られた半導体発光デバイス、といった半導体発光デバイスが、LEDの他にも使用されてよい。
【0028】
本発明を詳細に説明してきたが、当業者であれば、本開示が与えられると、ここにおいて説明された発明のコンセプトの精神から逸脱することなく、本発明について変更がなされ得ることが正しく理解されよう。例えば、ここにおいて記述されたあらゆる実施例において説明されたあらゆる機能は、ここにおいて記述されたあらゆる実施例の中に含まれ、または、省略されてよい。従って、本発明の範囲は、図示され、かつ、説明された特定の実施例について限定されることが意図されているものではない。