(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-05
(45)【発行日】2023-10-16
(54)【発明の名称】取外し可能なパンチマウントアセンブリを使用したラムアセンブリ
(51)【国際特許分類】
B21D 22/28 20060101AFI20231006BHJP
B21D 51/26 20060101ALI20231006BHJP
【FI】
B21D22/28 L
B21D51/26 X
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022090628
(22)【出願日】2022-06-03
(62)【分割の表示】P 2019568733の分割
【原出願日】2018-04-11
【審査請求日】2022-06-10
(32)【優先日】2017-06-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505257497
【氏名又は名称】ストール マシーナリ カンパニー,エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Stolle Machinery Company,LLC
(74)【代理人】
【識別番号】110001438
【氏名又は名称】弁理士法人 丸山国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】クラッシュ,ケリー エー.
(72)【発明者】
【氏名】シュルツ,ニコラス
(72)【発明者】
【氏名】ジェイコブソン,ルーク ダブリュ.
【審査官】永井 友子
(56)【参考文献】
【文献】欧州特許出願公開第00584789(EP,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0121385(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0319200(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0059429(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B21D 22/28
B21D 51/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カップ2を缶ボディに加工するためのボディメーカ10において、
引っ込められた第1の位置と伸びた第2の位置との間で往復動作するラムアセンブリ12と、
前記ラムアセンブリ12を駆動する駆動アセンブリ14と、
ドーマアセンブリ18と、
前記ラムアセンブリ12が往復運動する際に前記ラムアセンブリ12から潤滑油及び冷却液を除去するシールアセンブリ13と、
前記ドーマアセンブリ18と前記シールアセンブリ13の間に配置されたダイパック16及び再絞りアセンブリ15と、
前記カップ2の開口が前記ラムアセンブリ12側に向くように前記カップ2を前記ダイパック16の前に配置するカップフィーダ20と、
を備えており、
前記ラムアセンブリ12は、前記駆動アセンブリ14に連結される細長いラム本体30と、前記ドーマアセンブリ18側に配置されるパンチアセンブリ38と、前記パンチアセンブリ38を着脱可能に支持すると共に前記ラム本体30に着脱可能に結合されるパンチマウントアセンブリ34とを含んでおり、
前記パンチマウントアセンブリ34及び前記パンチアセンブリ38が取り外された前記ラムアセンブリ12が前記第1の位置にある場合に、前記ラム本体30は前記再絞りアセンブリ15又は
前記シールアセンブリ13内に延びず、
前記ラムアセンブリ12は、前記パンチマウントアセンブリ34を介して前記パンチアセンブリ38が前記ラム本体30に取り付けられた前記ラムアセンブリ12が前記第1の位置にある場合に、前記再絞りアセンブリ15内に延びる、ボディメーカ。
【請求項2】
前記パンチアセンブリ38は、ほぼ円筒形であって、
前記パンチマウントアセンブリ34は、フランジ70と、前記フランジ70から互いに逆向きに延びる第1円筒状部62と第2円筒状部66とを備えており、前記第1円筒状部62は、前記ラム本体30に開けられたランディング穴52に挿入され、前記第2円筒状部66の外側には前記パンチアセンブリ38が配置される、請求項1に記載のボディメーカ。
【請求項3】
前記ランディング穴52はねじ穴54と繋がっており、
パンチ保持ボルト132が前記第2円筒状部66から
前記パンチマウントアセンブリ34に挿入されて、前記パンチ保持ボルト132の一方の端部は前記ねじ穴54と螺合する、請求項2に記載のボディメーカ。
【請求項4】
前記パンチアセンブリ38の一方の端部114は、前記パンチマウントアセンブリ34の長手方向に沿って前記第2円筒状部66から延出しており、
前記パンチアセンブリ38の一方の端部114には、略環状の保持部材130が、前記パンチアセンブリ38に嵌められて、前記パンチ保持ボルト132に貫通されるようにして配置されており、
前記保持部材130の外面134は、前記パンチアセンブリ38の一方の端面と係合するように構成されており、
前記パンチ保持ボルト132の他方の端部136は前記保持部材130の内面139と係合する、請求項3に記載のボディメーカ。
【請求項5】
前記保持部材130は、前記パンチアセンブリ38の内面から内向きに延出するフランジ122に係合する、請求項4に記載のボディメーカ。
【請求項6】
前記保持部材130は、前記パンチアセンブリ38の成形作業輪郭120の全部又は一部を画定する、請求項4又は請求項5に記載のボディメーカ。
【請求項7】
前記パンチアセンブリ38の一方の端部114は、前記パンチマウントアセンブリ34の長手方向に沿って前記第2円筒状部66から延出しており、
前記パンチアセンブリ38の一方の端部114には、略環状の保持部材130が嵌められており、
前記保持部材130の外面134は、前記パンチアセンブリ38の一方の端面と係合するよう構成されており、
前記パンチ保持ボルト132が前記保持部材130を貫通する
ように配置されて、前記パンチ保持ボルト132の一方の端部は、前記パンチマウントアセンブリ34の内面に設けられた
ねじ孔67と螺合し、
前記パンチ保持ボルト132の他方の端部136は前記保持部材130の内面139と係合する、請求項
3に記載のボディメーカ。
【請求項8】
前記保持部材130は、前記パンチアセンブリ38の内面から内向きに延出するフランジ122に係合する、請求項
7に記載のボディメーカ。
【請求項9】
前記保持部材130は、前記パンチアセンブリ38の成形作業輪郭120の全部又は一部を画定する、請求項
7又は請求項
8に記載のボディメーカ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
<関連出願の相互参照>
本願は、2017年6月13日に提出された米国特許出願第15/621,541号の利益を主張し、当該特許出願は、参照により全文が本明細書の一部となる。
【0002】
開示されて請求される概念は、ラムアセンブリに関しており、より具体的には、パンチマウントアセンブリを含むラムアセンブリに関しており、パンチマウントアセンブリが、ラム本体から分離できるように構成されることで、ラムアセンブリを駆動アセンブリから分離することなく、パンチマウントアセンブリに取り付けられたパンチをラムアセンブリから分離することができる。
【背景技術】
【0003】
一般的に、缶、限定ではないが、アルミニウム缶又はスチール缶などの缶は、金属シートとして始まって、そこから円状ブランクが切断される。以下では、缶がアルミニウム製として説明するが、材料の選択は、特許請求の範囲を限定するものではないことは理解される。ブランクは「カップ」に形成される。本明細書では、「カップ」は、底部と付随する側壁とを含む。更に、カップと結果として得られる缶ボディとは任意の断面形状を有することができるが、最も一般的な断面形状は略円形である。従って、カップと結果として得られる缶ボディとは任意の形状を有してよいが、以下の説明では、カップ、缶ボディ、パンチなどは略円形であるとして記載するものとする。
【0004】
カップは、駆動アセンブリと、往復ラムと、幾つかのダイとを含むボディメーカに供給される。一般に、駆動アセンブリはラムアセンブリに動作可能に連結されて、ラムアセンブリがダイ(又は、以下で説明する他のアセンブリ)内に延びていない後退した第1位置と、ラムアセンブリがダイ(又は、他のアセンブリ)内に延びている延出した第2位置の間でラムアセンブリを移動させる。即ち、細長いラムは、遠位端にパンチを含んでいる。ラムの前進行程毎に、まずカップがラムの前に配置される。カップは、ラムの前端を覆うように、より具体的にはラムの前端にあるパンチに配置される。カップは、ボディメーカの前端にある幾つかのアセンブリに通される。これらのアセンブリ、つまり、以下において本明細書で使用される「前方アセンブリ」には、ドーマ(domer)アセンブリ、ダイパック、再絞りアセンブリ、及びシールアセンブリが含まれる。シールアセンブリは、ラムが往復運動する際にラムから潤滑油及び冷却液を実質的に除去する。再絞りアセンブリはダイパックの一部としても認識でき、再絞りダイを含んでいる。再絞りダイは、結果として得られる缶ボディとほぼ同じ直径を有するようにカップを再成形する。再絞りダイは、カップの側壁の厚さを完全に薄くするものではない。再絞りダイを通過した後、ラムは幾つかのしごきダイを有するツールパックを通って移動する。より具体的には、ダイパックは、相互に離間して配置された複数のダイを有しており、各ダイは概ね円状の開口を有する。各ダイの開口は、上流側にある直近のダイの開口よりも僅かに小さい。故に、カップがしごきダイを通過すると、カップは細長くなって、側壁が薄くなる。
【0005】
更に、パンチの遠位端は凹状になっている。ラムが最大に延びるとドーマがある。ドーマは、ほぼ凸状のドームと、成形された周辺部とを有する。ラムが最大に延びると、カップの底部がドーマと係合する。カップの底部はドーム状に変形し、カップ底部の周辺部は所望に応じて成形され、典型的には、缶ボディの強度を高め、結果として生じる缶を積むことができるように内向きに曲げられる。カップは最後のしごきダイを通過し、ドーマに接触すると、缶ボディとなる。
【0006】
戻り行程において、缶ボディはパンチから取り外される。つまり、ラムがツールパックを通って後方に移動すると、缶ボディは固定されたストリッパと接触し、当該ストリッパは、缶ボディをツールパックへと後方に引き込まれるのを防止して、その結果、パンチから缶ボディを取り外す。代替的に、又はストリッパに加えて、ラムアセンブリは、ラム及びパンチを通して缶ボディの内部に加圧流体(ガス)を加えるように構成された空気圧システムを含む。加圧された液体は、缶ボディをパンチから排出する。
【0007】
ラムが初期位置に復帰した後、新たなカップがラムの前方に配置されて、サイクルが繰り返される。例えば、装飾、洗浄、印刷などの追加の仕上げ作業後に缶ボディは充填機に送られて、製品が充填される。その後、蓋が連結され、缶ボディにシールされて、缶が完成する。
【0008】
ボディメーカの速度と、ダイとラムの間の許容差が狭いこととに起因して、ラム本体を、ダイパックと正確に位置合わせする必要があることは理解される。同様に、前方マウントアセンブリに連結された他の要素は、ボディメーカの他の要素に対して正確に配置する必要がある。そうされない場合には、ラム/パンチがダイパック又は他の要素に接触して、それによって衝撃に巻き込まれる全ての要素にダメージを与える。
【0009】
既知のラムアセンブリの問題はその長さである。つまり、ラムアセンブリが引っ込められた第1の位置(「後死点(back dead center)」(又は「BDC」)としても認識される)にある場合、パンチを含むラムアセンブリの端部は、シールアセンブリを越えて、再絞りアセンブリ/ダイパック内に延びる。シールアセンブリのシール及びシールハウジングは、一体化されたリング状構造である。故に、シールアセンブリのシールを交換することは、一般的な工程であって、シールアセンブリとラムアセンブリを分離する必要がある。しかしながら、ラムアセンブリの長さが原因で、この手順は複雑で時間がかかる。即ち、例えば、シールアセンブリとラムアセンブリを分離するためには、ラムアセンブリの端部にわたってシールアセンブリを動かさなければならない。つまり、通常、ラムアセンブリの端部は再絞りアセンブリ内に延びており、ラムアセンブリをボディメーカの所定の位置に配置した状態で、シールアセンブリをラムアセンブリの端部から簡単に摺動させて取り外すことはできない。
【0010】
従って、シールアセンブリとラムアセンブリを分離するためには、一般的な手順では、ボディメーカの背面に向けてラムアセンブリを押した後で、ラムアセンブリ全体を取り外す必要がある。この手順によって、ダイパック及びその他の要素に対するラムアセンブリのアライメントが損なわれてしまう。或いは、ラムアセンブリが駆動アセンブリから分離されて、ボディメーカの前面に向かって引かれる。この手順もまた、ダイパック及びその他の要素に対するラムアセンブリのアライメントを損なってしまう。故に、シールを交換した後で、ラムアセンブリをボディメーカ/駆動アセンブリに再連結して、ダイパック及びその他の要素に対して再調整する必要がある。通常、この手順は数時間を要し、大抵の場合には複数の技術者によって実行される。これは問題である。
【0011】
この問題を解決するための試みの一つは、パンチとラム本体の間に中間カップリングを設けることであった。このような中間カップリングは、しかしながら、個々のラムと個々のパンチ用に機械加工された。つまり、中間カップリングは、個々のラムと個々のパンチに合うように機械加工された。更に、中間カップリングはツーパーツパンチ(two-part punch)を使用していた。つまり、パンチは、ノーズとしごき体(ironing body)とに分かれていた。これらの要素は、特定の向きに合うように機械加工された。故に、これらの要素は、操作の前に明確に定位される必要があって、そのために、定位デバイス/アセンブリが必要であった。例えば、中間カップリングには、中間カップリングをラム本体に向けて、パンチを中間カップリングに向けることができるように、幾つかのだぼ結合(ピンとボア)が含まれていた。更に、パンチ及び中間カップリングは、関連するラムよりも大きな半径を有していた。
【0012】
この解決策にも幾つかの問題があった。第一に、個々のラムと個々のパンチの中間カップリングの機械加工には時間がかかり、高い費用を要していた。更に、ラムカップリングに中間カップリングを配置し、パンチを中間カップリングに配置する必要があって、時間がかかる。更に、幾つかの要素を互いに連結する、つまり、パンチノーズをしごき体に、パンチアセンブリを中間カップリングに、中間カップリングをラム本体に連結する必要があって、時間がかかって問題であった。更に、パンチアセンブリ及び中間カップリングよりもラム本体を狭くすることは、中間カップリングとラム本体の界面での予期しないトルク/応力を与え得るであろう。更に、中間カップリングとラム本体は、締結具の軸方向の通路/ねじ穴を可能にする最小限度の厚さを必要とした。この厚さは、中間カップリングとラム本体を重くさせた。
【0013】
即ち、ラムアセンブリを取り外してからラムアセンブリを再び取り付けて再調整することなく、シールアセンブリ内のシールを交換できるボディメーカが必要とされている。更に、既存のボディメーカ、パンチ、ダイパックなどと互換性のある新しいアセンブリが必用とされている。
【発明の概要】
【0014】
これらのニーズ及びその他のニーズは、開示されて特許請求の範囲に記載された概念の少なくとも1つの実施形態によって満たされる。当該概念は、細長いラム本体とパンチマウントアセンブリとを含むラムアセンブリを提供する。ラム本体の長さは低減されている。パンチマウントアセンブリは、相補的長さを有する細長い本体を含んでいる。パンチマウントアセンブリはラム本体に連結される。組み立てられたパンチマウントアセンブリとラム本体は、動作可能長さを有する。
【0015】
つまり、本明細書では、「短い長さ」を有するラム本体とは、ラム本体が、ラムアセンブリが引っ込められた第1の位置、即ちBDCにある場合にダイパック及び/又は再絞りアセンブリ内に延びないような長さを有することを意味する。更に、本明細書では、「非常に短い長さ」のラム本体は、引っ込められた第1の位置、即ちBDCにある場合にシールアセンブリ内に延びないような長さを有することを意味する。更に、本明細書では、ラムアセンブリの「動作可能長さ」とは、ラムアセンブリが延びた第2の位置にあると、ラムアセンブリがカップをドーマアセンブリに係合させる、又は、ドーマアセンブリがない場合には、カップがダイパックを通過するほどにラムアセンブリが十分な長さを有することを意味する。更に、本明細書では、パンチマウントアセンブリの「相補的長さ」は、パンチマウントアセンブリが、パンチマウントアセンブリが「短い長さ」又は「非常に短い長さ」のラム本体に連結される場合に、ラム本体とパンチマウントアセンブリの合計長さが、ラムアセンブリの「動作可能長さ」になるような長さを有することを意味する。
【0016】
この構成では、シールアセンブリのシールの交換には、ラム本体とパンチマウントアセンブリを分離する工程と、シールによって規定されたラム通路からパンチマウントアセンブリ又はラム本体を取り除く工程と、シールを交換する工程とが含まれる。更に、以下で説明するように、パンチマウントアセンブリと、ラムアセンブリ及びパンチアセンブリとの構成は、上記の問題を解決する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
本発明は、添付図面と併せて、好適な実施形態に関する以下の説明から完全に理解することができる。
【0018】
【
図1】
図1は、ボディメーカの概略を部分的に示す側断面図である。
【
図2】
図2は、ラムアセンブリを部分的に分解した等角図である。
【
図3A】
図3Aは、ラムアセンブリの第1の端部の詳細を示す側断面図である。
【
図4】
図4は、ラムアセンブリの第2の端部の詳細を示す側断面図である。
【
図6】
図6は、パンチマウントアセンブリの一実施形態の側断面図である。
【
図7】
図7は、別の実施形態であるパンチマウントアセンブリを備えたラムアセンブリの第2の端部の側断面図である。
【
図8】
図8は、開示された方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図面に示されており、以下の説明に記載される具体的な要素は、単に開示される概念の例示的な実施形態に過ぎず、例示のためだけに非限定的な例として提供されると理解される。従って、特定の寸法、向き、アセンブリ、使用される構成要素の数、実施形態の構成、及び本明細書に開示される実施形態のその他の物理的特性は、開示される概念の範囲に関する限定とみなすべきではない。
【0020】
本明細書で使用される方向表現、例えば、時計回り、反時計回り、左、右、上、下、上方、下方、及びその派生語は、図示される要素の向きに関連しており、本明細書に明示されない限り特許請求の範囲を限定するものではない。
【0021】
後述するように、ボディメーカ10は、細長往復ラムアセンブリ12とドーマアセンブリ18とを含む。本明細書では、ドーマアセンブリ18は、ボディメーカ10の「前(forward)」端に配置される。本明細書では、ラムアセンブリ12がドーマアセンブリ18に隣接する場合、ラムアセンブリ12は、行程の「前」端に位置する。本明細書では、ボディメーカ10の「後」又は「背」端は、「前」端の反対側に位置する。更に、本明細書では、ボディメーカ10は、後述するラムアセンブリ本体30の長軸に平行な「長手」方向と、「長手」方向にほぼ水平及び垂直な「横」方向とを有する。
【0022】
本明細書では、「ある」及び「その」の単数形は、文脈上特に明示されない限り、複数形を含む。
【0023】
本明細書では、「[動詞]するように構成された」は、特定された要素又はアセンブリが、特定された動詞を実行するように形成された、サイズ決めされた、配置された、連結された、及び/又は構成された構造を有することを意味する。例えば、「移動するように構成された」部材は、別の要素に移動可能に連結されて部材を移動させる要素を含む、又は部材は、別の要素又はアセンブリに応答して移動するように別の様式で構成される。よって、本明細書では、「[動詞]するように構成された」は、機能ではなく構造を指す。更に、本明細書では、「[動詞]するように構成された」は、特定された要素又はアセンブリが、特定された動詞を実行するように意図及び設計されることを意味する。よって、特定された動詞を単に実行できるだけで、特定された動詞を実行するように意図及び設計されていない要素は、「[動詞]するように構成されていない」。
【0024】
本明細書では、「関連付けられる」は、要素が同じアセンブリの一部である、及び/又は共に動作する、又は何らかの様式で相互に作用することを意味する。例えば、自動車は4つのタイヤと4つのハブキャップを有する。全ての要素が自動車の部品と連結されているが、各ハブキャップは特定のタイヤと「関連付けられる」と理解される。
【0025】
本明細書では、2つ以上の部品又は構成要素が「連結される」という表現は、連結が発生する限り、それらの部品が、直接的、又は間接的に、即ち、1つ以上の中間部品又は構成要素を通じて、共に接合される、又は動作することを意味するものとする。本明細書では、「直接連結される」は、2つの要素が互いに直接接触することを意味する。本明細書では、「固定的に連結される」又は「固定される」は、2つの構成要素が、相互に一定の向きを維持しながら移動するように連結されることを意味する。従って、2つの要素が連結されると、これらの要素の全ての部分が連結される。しかしながら、第1の要素の特定の部分が第2の要素に連結される、例えば、車軸の第1の端部が第1の車輪に連結されるというような記載は、第1の要素の特定の部分が、第1の要素の他の部分に比べて第2の要素により近く配置されることを意味する。更に、重力によってのみ別の物体上の適所に載置される物体は、上側の物体がそれ以外の方法でほぼ適所に保持されない限り、下側の物体に「連結」されていない。つまり、例えば、テーブル上の本はテーブルに連結されていないが、テーブルに糊付けされる本はテーブルに連結されている。
【0026】
本明細書では、「着脱可能に連結される」又は「一時的に連結される」という表現は、ある構成要素が別の構成要素に実質上一時的に連結されることを意味する。つまり、2つの構成要素は、構成要素どうしの接合又は分離が容易であり、構成要素にダメージを及ぼさないように連結される。例えば、限られた数の、容易にアクセス可能な締結具、即ち、アクセスが難しくない締結具によって相互に固定された2つの構成要素は、「着脱可能に連結されており」、溶接された、又はアクセスが難しい締結具によって接合された2つの構成要素は、「着脱可能に連結されていない」。「アクセスが難しい締結具」は、締結具へのアクセス前に1又は複数の他の構成要素を取り外す必要がある締結具のことであり、「他の構成要素」は、限定はされないが、例えばドアなどのアクセス装置ではない。
【0027】
本明細書では、「一時的に配置される」は、第1の要素又はアセンブリが、第1の要素を分離する又はそれ以外の形で操作することなく、第1の要素/アセンブリを移動させることができるように、第2の要素又はアセンブリに載置されていることを意味する。例えば、テーブルに単に載っている本、即ち、テーブルに糊付け又は固定されていない本は、テーブルに「一時的に配置される」。
【0028】
本明細書では、「動作可能に連結される」は、第1の位置と第2の位置、又は第1の配置と第2の配置の間で移動可能な複数の要素又はアセンブリが、第1の要素が一方の位置/配置から他方の位置/配置に移動し、第2の要素も両者の位置/配置間で移動するように連結されることを意味する。なお、逆が成り立たないように、第1の要素が別の要素に「動作可能に連結され」てもよい。
【0029】
本明細書では、「連結アセンブリ」は、2つの又は2つを超えるカップリング又はカップリング構成要素を含む。連結アセンブリのカップリング又は構成要素は一般的には、同じ要素又は他の構成要素の一部ではない。よって、「連結アセンブリ」の構成要素は、以下の説明で同時に記載されないことがある。
【0030】
本明細書では、「カップリング」又は「カップリング構成要素」は、連結アセンブリの1又は複数の構成要素である。つまり、連結アセンブリは、共に連結されるように構成された少なくとも2つの構成要素を含む。連結アセンブリの構成要素は、相互に適合可能であると理解される。例えば、連結アセンブリでは、一方のカップリング構成要素がスナップソケットである場合には、他方のカップリング構成要素はスナッププラグであって、一方のカップリング構成要素がボルトである場合には、他方のカップリング構成要素はナットである。
【0031】
本明細書では、「締結具」は、2つ以上の要素を連結するように構成された別個の構成要素である。よって、例えば、ボルトは「締結具」であるが、さねはぎ(tongue-and-groove)継ぎは「締結具」ではない。つまり、さねはぎ要素は、連結されている要素の一部であり、別個の構成要素ではない。
【0032】
本明細書では、「対応する」は、2つの構造構成要素が相互に類似したサイズと形状を有し、最小摩擦量で連結され得ることを示す。よって、部材に対応する開口は、部材が最小摩擦量で開口を通過できるように、部材よりも僅かに大きいサイズを有する。この定義は、2つの構成要素が「ぴったりと」嵌合する場合には変更される。かかる状況では、構成要素間の寸法差がはるかに小さくなるために、摩擦量が増加する。開口を画定する要素及び/又は開口に挿入される構成要素が、変形可能又は圧縮可能な材料から作製される場合、開口は、開口に挿入される構成要素よりも僅かに小さくてもよい。表面、形状、及び線に関して、2つ以上の「対応する」表面、形状、又は線はほぼ同一のサイズ、形状、及び輪郭を有する。
【0033】
本明細書では、「面状体」又は「面状部材」は、概ね薄い要素であって、対向する幅広の略平行面、即ち、面状部材の平面だけでなく、幅広平行面の間を延びる薄縁面も含む。つまり、本明細書では、「面状」要素は本来、2つの対向平面を有する。周辺部、ひいては縁面は、例えば、矩形面状部材のように略直線部を有してもよい、又はディスクのように湾曲していてよく、又は任意の他の形状を有してもよい。
【0034】
本明細書では、「移動経路」又は「経路」は、移動する要素と関連付けられる場合、移動中に要素が通る空間を含む。よって、移動する要素は本来、「移動経路」又は「経路」を有する。
【0035】
本明細書では、2つの又は2つを超える部品又は構成要素が相互に「係合する」という表現は、それらの要素が、直接的に、或いは、1又は複数の中間要素又は構成要素を介して相互に力を加えること、又は付勢することを意味する。更に、可動部品に関して本明細書では、可動部品は、ある位置から別の位置への移動中に別の要素に「係合し」てよく、及び/又はいったん記載される位置に至ったら別の要素に「係合し」てよい。よって、「要素Aは、要素の第1の位置まで移動すると、要素Bに係合する」と、「要素Aは、要素の第1の位置に至ると、要素Bに係合する」とは等価の表現であり、この表現は、要素Aは、要素の第1の位置に移動する間に要素Bに係合する、及び/又は要素の第1の位置にいる間、要素Bに係合することを意味すると理解される。
【0036】
本明細書では、「動作可能に係合する」は、「係合し、移動する」ことを意味する。つまり、「動作可能に係合する」は、移動可能又は回転可能な第2の構成要素を移動させるように構成された第1の構成要素と関連して使用されるとき、第1の構成要素が、第2の構成要素を移動させるのに十分な力を加えることを意味する。例えば、ねじ回しは、ねじと接触させて配置することができる。力がねじ回しに加えられないと、ねじ回しは単にねじに「連結される」だけである。軸方向力がねじ回しに加えられると、ねじ回しがねじを圧迫して、ねじに「係合する」。しかしながら、回転力がねじ回しに加えられると、ねじ回しは、ねじに「動作可能に係合して」、ねじを回転させる。更に、電子構成要素では、「動作可能に係合する」は、ある構成要素が制御信号又は電流によって別の構成要素を制御することを意味する。
【0037】
本明細書では、「一体型」という文言は、単一の片又はユニットとして作製されている構成要素を意味する。つまり、別個に作製された後に共にユニットとして連結される構成要素は、「一体型」構成要素又は「一体型」構造体ではない。
【0038】
本明細書では、「幾つかの」という用語は、1又はそれを超える整数(即ち、複数)を意味するものとする。
【0039】
本明細書では、「[x]が第1の位置と第2の位置との間を移動する」、又は「[y]が、第1の位置と第2の位置との間で[x]を移動させるように構成される」という表現において、「[x]」は、要素又はアセンブリの名称である。更に、[x]が複数の位置の間を移動する要素又はアセンブリである場合、「その」という代名詞は、「[x]」、即ち、「その」という代名詞の後に言及される要素又はアセンブリを意味する。
【0040】
本明細書では、「[要素、点、又は軸]を中心に配置される」、又は「[要素、点、又は軸]を中心に延びる」、又は「[要素、点、又は軸]を中心に[X]度」などの表現における「中心に」は、それを中心に包囲、延在、又は測定されることを意味する。測定又はそれに類似した状況で使用される場合、「約」は、「おおよそ」、即ち、当業者によって理解される、測定に関する近似的な範囲を意味する。
【0041】
本明細書では、円状又は円筒状の物体の「径方向側面/面」は、その中心又は中心を通過する高度線周りに延びる、或いはその中心又は中心を通過する高度線を包囲する側面/面である。本明細書では、円状又は円筒状本体の「軸方向側面/面」は、中心を通過する高度線にほぼ垂直に延びる面において延びる側面である。つまり、一般的には、円筒状スープ缶の場合、「径方向側面/面」は略円状側壁であり、「軸方向側面/面」はスープ缶の上部と底部である。
【0042】
本明細書では、「缶」及び「容器」という用語は、任意の既知の又は適切な容器を指すためにほぼ置換可能に使用され、物質(限定することなく、例えば、液体、食品、任意のその他の適切な物質)を収容するように構成され、限定はされないが、ビールやソーダ缶などの飲料缶だけでなく食料缶も明確に含む。
【0043】
本明細書では、「略曲線状」は、複数の湾曲部と、湾曲部と面状部の組合せと、相互に角度を成すことによって曲線を形成する複数の面状部分又はセグメントとを有する要素である。
【0044】
本明細書では、「輪郭」は、物体を画定する線又は表面を意味する。つまり、例えば、断面で見ると、3次元物体の表面は2次元物体の表面に変換される。よって、3次元の面の輪郭の一部は、2次元の線の輪郭によって表される。
【0045】
本明細書では、「周辺部」は、画定された領域、表面、又は輪郭の外縁の領域を意味する。
【0046】
本明細書では、「一般的に」は、当業者によって理解されるように、修飾される用語に関連して「一般的な方法で」を意味する。
【0047】
本明細書では、「略」は、当業者によって理解されるように、修飾される用語に関連して「概ね」を意味する。
【0048】
本明細書では、「にて」は用語に関して、当業者によって理解されるように、修飾される用語に関連して位置及びその近傍を意味する。
【0049】
図1に示されるように、缶ボディメーカ10は、カップ2を缶ボディ3に変換するように構成されている。カップ2は、実質的に閉じた空間を画定する付随した側壁を備えた底部を有する(何れも符号で特定されていない)。底の反対側のカップ2の端は、開いている。缶ボディメーカ10は、例示的な実施形態では、ハウジング又はフレームアセンブリ11(以下「フレームアセンブリ」11)と、往復運動する細長いラムアセンブリ12と、駆動アセンブリ14と、シールアセンブリ13と、再絞りアセンブリ15と、ダイパック16と、ドーマアセンブリ18と、カップフィーダ20(概略的に示される)と、ストリッパアセンブリ22(概略的に示される)と、取出しアセンブリ24とを含んでいる。本明細書では、再絞りアセンブリ15及びダイパック16は、「前方アセンブリ」26として纏めて特定される。シールアセンブリ13は、幾つかの環状シール19(以下、「シールアセンブリシール」19)を含む。シールアセンブリのシール19は、ラム本体の移動経路の一部を規定する。例示的な実施形態では、缶ボディメーカ10はまた、ガイドアセンブリ28を含む。ガイドアセンブリ28は、ベアリング又は同様の構造(図示せず)を含む。ガイドアセンブリ28は、前方アセンブリ26とキャリッジ32(後述する)の間において、キャリッジの移動経路の前端に配置されている。
【0050】
駆動アセンブリ14は、フレームアセンブリ11に連結されており、そして、ラムアセンブリ12に、また、例示的な実施形態ではキャリッジ32に動作可能に連結される。駆動アセンブリ14は、ラムアセンブリ12に往復運動をもたらすように構成されており、ラムアセンブリ12の長手方向軸にほぼ平行な方向又は当該長手方向軸に沿った方向にラムアセンブリ12を往復運動させる。
【0051】
ラムアセンブリ12は、例示的な実施形態では、本開示に関係のないガイドアセンブリ、冷却アセンブリ、及び/又はカップ排出アセンブリ(図示せず)などの幾つかの要素を含む。しかしながら、ラムアセンブリ、冷却アセンブリ、及び/又はカップ排出アセンブリは、ラムアセンブリ本体30内において通路を含むことに留意のこと。本開示の目的のため、また、
図2乃至
図5に示されるように、ラムアセンブリ12の要素は、細長いラムアセンブリ本体30(或いは、本明細書では「ラム本体」30)と、キャリッジ32(
図1)と、パンチマウントアセンブリ34と、幾つかのカップリング36と、パンチアセンブリ38とを含む。即ち、ラムアセンブリ12は、近位の第1の端部40と、遠位の第2の端部42と、長手方向軸44とを有する細長い実質的に円状の本体30を含む。例示的な実施形態では、ラム本体30は、上記で定義された「短い長さ」又は「非常に短い長さ」を有する。
【0052】
キャリッジ32は、ラム本体の第1のカップリング構成要素を含んでおり、第1のカップリング構成要素は、幾つかのねじ穴(何れも図示せず)などであるが、これに限定されない。知られているように、キャリッジ32とラム本体30の間のカップリング、及び/又はキャリッジ32とフレームアセンブリ11の間のカップリングは、シム(図示せず)などの調整手段を含む。調整手段は、ラム本体30、ひいてはラムアセンブリ12を前方アセンブリ26と位置合わせするために使用される。本明細書では、「位置合わせされた」ラム本体30(又は、ラムアセンブリ12)は、ラム本体が前方アセンブリ26と位置合わせされて、動作の準備ができていることを意味する。
【0053】
ラム本体の第1の端部40は、ラム本体の第2のカップリング構成要素36(
図3A)を含んでおり、第2のカップリング構成要素36は、キャリッジのラム本体の第1カップリング構成要素に、連結され、直接連結され、又は固定されるように構成されている。即ち、例示的な実施形態では、ラム本体の第2のカップリング構成要素は、ねじ穴(図示せず)に連結されるように構成された締結具である。この連結は一時的な連結であり、この実施形態は例示に過ぎず、他の構成も一般的であることは理解される。ラム本体の第2の端部42は、パンチマウントアセンブリの第1のカップリング構成要素50を含む。ラム本体のパンチマウントアセンブリの第1のカップリング構成要素50(以下、「パンチマウントアセンブリ第1カップリング構成要素」50)は、以下に説明するように、パンチマウントアセンブリ34に連結され、直接連結され、又は固定されるように構成される。例示的な実施形態では、パンチマウントアセンブリ第1カップリング構成要素50は、ランディング穴52とねじ穴54(以下、「ラム本体第2端部ねじ穴」54)とを含んでおり、これらは共にラム本体の長手方向軸44に沿って延びている。本明細書では、「ランディング穴(landing bore)」は、穴を画定する側壁がラム本体の長手方向軸44と実質的に揃えられており、実質的に滑らかな表面を有するように機械加工された細長い穴である。故に、ランディング穴52は、ラム本体の長手方向軸44と実質的に揃えられた長手方向軸56を有する。ランディング穴52は、ラム本体の第2の端部42の軸方向面に配置されている。ラム本体第2端部ねじ穴54は、ランディング穴52に隣接しており、ラム本体の第1の端部40により近い側に配置されている。図示されていない例示的な実施形態では、ラム本体30は、冷却アセンブリ及び/又はカップ排出アセンブリの通路を含む。パンチマウントアセンブリ34はまた、以下で説明されるように、パンチの第1のカップリング構成要素58を含む。パンチの第1のカップリング構成要素58は、後述するパンチの第2のカップリング構成要素106に連結され、直接連結され、又は固定されるように構成されている。
【0054】
図2、
図3乃至
図4、及び
図6に示すように、パンチマウントアセンブリ34は、パンチアセンブリ38を支持するように構成されており、実際に支持する。パンチマウントアセンブリ34は、ラム本体30に対して「相補的長さ」を有する細長い本体60を含む。パンチマウントアセンブリの本体60(本明細書では「マウント本体」60として特定される)は、第1の端部62、中間部分64、第2の端部66、及び長手方向軸68を含む。本明細書では、「パンチマウントアセンブリの本体の第1の端部62」は、以下で述べるように、パンチマウントアセンブリ本体の第1の端部62の軸方向面/側からパンチマウントアセンブリ本体の中間部分のフランジ70に隣接する位置まで延びる。同様に、「パンチマウントアセンブリ本体の第2の端部66」は、パンチマウントアセンブリ本体の第2の端部66の軸方向面/側からパンチマウントアセンブリ本体の中間部分のフランジ70に隣接する位置まで延びる。例示的な実施形態では、パンチマウント中間部分64はフランジ70を画定しており、当該フランジは、図示したような径方向に延びるフランジ70、又は、径が減少したパンチマウントアセンブリ本体の第1の端部62によって画定される後向きフランジ(図示せず)である。即ち、パンチマウントアセンブリ本体の第1の端部62は第1の半径を有し、パンチマウントアセンブリ本体の第2の端部66は第2の半径を有する。例示的な実施形態では、パンチマウントアセンブリ本体の第1の半径は、パンチマウントアセンブリ本体の第2の半径より小さい。
【0055】
パンチマウントアセンブリ本体の第1の端部62は、パンチマウントアセンブリの第2のカップリング構成要素72を画定する。パンチマウントアセンブリの第2のカップリング構成要素72は、パンチマウントアセンブリ第1カップリング構成要素50に連結され、直接連結され、又は固定されるであるように構成されている。例示的な実施形態では、パンチマウントアセンブリの第2のカップリング構成要素72は、パンチマウントアセンブリ本体60の径減少部74(本明細書では「径減少部」74としても特定される)を含む。例示的な実施形態では、径減少部74はランディング76である。本明細書では、「ランディング」は、関連する長手方向軸に実質的に平行な外面と実質的に滑らかな表面とを有する細長い構造体である。従って、パンチマウントアセンブリのランディング76は、パンチマウントアセンブリ本体の長手方向軸68と実質的に平行に延びる長手方向軸78を有する。更に、本明細書では、「ランディング」は、関連する「ランディング穴」に密接に対応するサイズ及び形状にされており、関連する「ランディング穴」にランディングが挿入されると、ランディングの長手方向軸78とランディング穴52の長手方向軸56とは実質的に揃えられる。更に、本明細書では、「ランディング」及び「ランディング穴」は互いに非常に密接に対応していることから、ランディング/ランディング穴によって連結される要素は、互いに対する要素の向きに拘わらず、互いに自動的に揃えられる。即ち、ランディング及びランディング穴によって連結された要素を位置合わせする場合に、ランディング及びランディング穴を連結すること以外の更なる位置合わせ又は向き合わせ工程/手段は必要とされない。従って、ランディング及びランディング穴を用いてパンチアセンブリ38をラム本体30に連結することは、上述の問題を解決する。
【0056】
更に、本明細書に開示されるランディングの使用は、パンチマウントアセンブリ34をラム本体30に連結するために、軸方向に延びる締結具の使用を必要としない。これは、パンチマウントアセンブリ34の本体の厚さが、締結具の通路/ねじ穴を可能にするのに十分である必要がないことを意味する。従って、パンチマウントアセンブリ34は、「減量(reduced mass)」パンチマウントアセンブリ34である。一般的な締結具用の通路/ねじ穴を含まない物体は、そのような締結具の通路/ねじ穴を含む物体よりも薄くなり得るので、本明細書の「減量」体である。更に、本明細書では、以下に説明するパンチ保持ボルト132は、一般的な締結具ではない。
【0057】
径方向に延びるフランジ70がある実施形態では、パンチマウントアセンブリ本体の第1の半径とパンチマウントアセンブリ本体の第2の半径とは共に、径方向に延びるフランジ70の半径よりも小さい。この構成、そして、例示的な実施形態では、径方向に延びるフランジ70(即ち、パンチマウントアセンブリ34)、ラム本体30、及びパンチアセンブリ38の半径は、実質的に同じである。この構成では、他の要素に対して薄い要素はない。これによって、ラムアセンブリが異常な応力及びトルクを生成する可能性が低くなるので、上記の問題が解決される。
【0058】
更に、
図7に示すように、例示的な一実施形態では、パンチマウントアセンブリの第2のカップリング構成要素72は、ラム本体第2端部ねじ穴54に連結されるように構成された雄ねじ80も含む。パンチマウントアセンブリの第2のカップリング構成要素の雄ねじ80は、ランディング76の遠位に配置されている。別の例示的な実施形態では、
図3乃至
図4及び
図6に示すように、パンチマウントアセンブリの第2のカップリング構成要素72はまた、以下で説明する長手方向カップリング穴90及びパンチ保持ボルト132を含む。この実施形態では、長手方向カップリング穴90は、パンチの第1のカップリング構成要素58でもある。更に、この実施形態では、パンチ保持ボルト132は、パンチマウントアセンブリの第2のカップリング構成要素72の、そして、後述するパンチ第2のカップリング構成要素106の一部として特定される。パンチマウントアセンブリの第2のカップリング構成要素の長手方向カップリング穴90は、パンチマウントアセンブリ本体の長手方向軸68にほぼ沿ってパンチマウントアセンブリ本体60を通って延びる。以下に説明するように、パンチ保持ボルト132は、長手方向カップリング穴90を通って延びて、ラム本体第2端部ねじ穴54と螺合する。
【0059】
パンチマウントアセンブリ本体の第2の端部66は、径方向輪郭99を含んでおり、当該輪郭99は、パンチアセンブリ38を支持するように構成され、支持する。この実施形態では、径方向輪郭99は実質的に円形である。それら要素が実質的に円形ではない別の実施形態では、「径方向」輪郭は、パンチアセンブリの形状に対応するように形作られた「外周」輪郭、又は概ね円形の「径方向」輪郭の一方であることは理解される。更に、ある実施形態では、パンチマウントアセンブリの第2のカップリング構成要素が雄ねじ80を含んでおり、パンチマウントアセンブリ本体の第2の端部66は概ね堅固であって、パンチマウントアセンブリ本体の長手方向軸68に沿って延びる軸方向ねじ穴67(
図7)を含む。この実施形態では、パンチマウントアセンブリ本体の第2の端部のねじ穴67は、パンチの第1のカップリング構成要素58の一部である。従って、パンチの第1のカップリング構成要素58は、パンチマウントアセンブリ本体の第2の端部66に配置される。
【0060】
パンチアセンブリ38は、本体102と保持アセンブリ104を含む。パンチアセンブリ本体102は中空であり、例示的な実施形態では、ほぼ円筒形であって、パンチマウントアセンブリ本体の第2の端部66の外面、即ち、径方向輪郭99にほぼ対応する大きさの内径を有する。例示的な実施形態では、パンチアセンブリ本体102は単一構造体である。この構成では、パンチアセンブリ本体102は、互いに連結される要素を有していない。単一構造体として、パンチアセンブリ本体102は、互いに対して位置合わせ及び向き合わせる必要がある別個の部分を有していない。従って、単一パンチアセンブリ本体102の使用は、上記の問題を解決する。パンチアセンブリ本体102は、第1の端部112及び第2の端部114を含む。パンチアセンブリ本体の第1の端部112は、パンチマウントアセンブリ本体の中間部分のフランジ70に当接するように構成されており、当接する。パンチアセンブリ本体の第2の端部114は、成形作業輪郭120の全部又は一部を画定する。知られているように、輪郭120を形成するパンチアセンブリ本体は、ラムアセンブリ12がドーマアセンブリ18に直に隣接すると、選択された輪郭をカップ底部に形成するように構成されている。更に、例示的な実施形態では、パンチアセンブリ本体の第2の端部114の内面124はテーパー状であるか、及び/又は、径が減少するステップを含む。パンチアセンブリ本体の第2の端部114は、後述するパンチアセンブリの中空部108を画定する。パンチアセンブリ本体102はまた、フランジ122(
図7)を含んでおり、フランジ122は、パンチアセンブリ本体の第2の端部114の近くにあるが離間して配置されており、内側に延びる。パンチアセンブリ本体のフランジ122は、パンチアセンブリ保持アセンブリ104と係合するように構成されており、これと係合する。
【0061】
パンチアセンブリ本体102は、パンチマウントアセンブリ本体の第2の端部66、即ち、径方向輪郭99を覆うように配置される。更に、パンチアセンブリ本体102がパンチマウントアセンブリ本体の第2の端部66上に配置されると、パンチアセンブリ本体の遠位部分116は、パンチマウントアセンブリ本体の第2の端部66を越えて、前方に延びる。この構成では、パンチアセンブリの中空部108がある。
【0062】
パンチアセンブリの保持アセンブリ104は、パンチの第2のカップリング構成要素106である。言い換えると、パンチアセンブリの保持アセンブリ104の全ての要素は、パンチの第2のカップリング構成要素106の要素である。パンチアセンブリの保持アセンブリ104は、保持部材130及び保持ボルト132を含む。保持部材130は、図示したように、パンチアセンブリ本体の第2の端部114の内面に対応する大きさにされた環状体であって、パンチアセンブリ本体の成形作業輪郭120の全部又は一部を画定してよい。例示的な実施形態では、保持部材130の外面134はテーパー状である、及び/又は半径が減少したステップを含む。即ち、保持部材130の外面は、パンチアセンブリ本体の第2の端部の内面124にほぼ対応する。保持部材130は更に、パンチアセンブリ本体のフランジ122に係合するように構成されており、係合する。保持ボルト132は、幅広の第1の端部136とねじ付き第2の端部138とを含む。保持ボルトの第1の端部136は、保持部材の内面139にほぼ対応するサイズ及び形状にされている。
【0063】
ある実施形態では、パンチマウントアセンブリの第2のカップリング構成要素は雄ねじ80を含んでおり、保持ボルトの第2の端部138は、パンチマウントアセンブリ本体の第2の端部の軸方向ねじ穴67に対応する。更に、この実施形態では、保持ボルト132の長さは、パンチアセンブリ本体102が設置されると、パンチアセンブリの中空部108からパンチマウントアセンブリ本体の第2端部のねじ穴67まで概ね延びる。この構成では、パンチアセンブリ本体102がパンチマウントアセンブリ本体の第2の端部66を覆うように配置されると、保持部材130がパンチアセンブリの中空部108に配置されて、保持部材の外面134は、パンチアセンブリ本体の第2の端部の内面124に連結又は直接連結される。更に、保持ボルト132は保持部材130に通されて、保持ボルトの第1の端部136が保持部材の内面139に連結又は直接連結される。更に、保持ボルトの第2の端部138は、パンチマウントアセンブリ本体の第2の端部のねじ穴67と螺合する。保持ボルト132がパンチマウントアセンブリ本体の第2の端部のねじ穴67に引き込まれると、保持ボルトの第1の端部136は保持部材の内面139と係合する。この係合によって、保持部材130がパンチアセンブリ本体102と係合し、パンチアセンブリ本体102を後方へと、パンチマウントアセンブリ本体の中間部のフランジ70に抗じるように付勢する。これによって、パンチアセンブリ本体102がパンチマウントアセンブリ34に固定される。パンチマウントアセンブリの第2のカップリング構成要素72が長手方向カップリング穴90を含む実施形態では、保持ボルト132は十分な長さを有しており、パンチマウントアセンブリ本体60を通って延びる。本明細書では、そのような長さの保持ボルト132は、「延長長さ保持ボルト」132とされる。更に、本明細書では、「延長長さ保持ボルト」132は、上記で定義された「締結具」ではない。
【0064】
この構成では、パンチアセンブリ本体102及び保持部材130と、パンチマウントアセンブリ34とは、単一のカップリング構成要素によってラムアセンブリ本体30に連結され、保持ボルト132は、ラム本体の第2の端部のねじ穴54と係合する。故に、パンチアセンブリ38及び/又はパンチマウントアセンブリ34は、「限定された数のカップリング構成要素」又は「非常に限定された数のカップリング構成要素」のうちの1つによってラムアセンブリ本体30に連結される。本明細書では、「限定された数のカップリング構成要素」は、5つ未満のカップリング構成要素を意味する。本明細書では、「非常に限られた数のカップリング構成要素」とは、3つ未満のカップリング構成要素を意味する。この段落の定義では、カップリングが通過する開口/通路は、カップリング構成要素と見なされる。「限られた数のカップリング構成要素」又は「非常に限られた数のカップリング構成要素」を、パンチアセンブリ38及び/又はパンチマウントアセンブリ34、ラムアセンブリ本体30に使用することで、上記の問題が解決される。更に、例示的な実施形態では、パンチアセンブリ38及び/又はパンチマウントアセンブリ34は、「締結具」によってラムアセンブリ本体30に連結されない。
【0065】
この実施形態では、保持ボルト132は、パンチマウントアセンブリ本体の第2の端部のねじ穴67と螺合するのではなく、パンチマウントアセンブリ本体60を通って延び、保持ボルトの第2の端部138は、ラム本体第2端部ねじ穴54と螺合する。パンチアセンブリの保持アセンブリ104の他の部分は、上述の実施形態と同様であって、同様に作用する。故に、パンチアセンブリ38は、パンチマウントアセンブリ34に連結し、直接連結し、又は固定される。パンチマウントアセンブリ34は、ラム本体30に連結し、直接連結し、又は固定される。ラム本体30は、駆動アセンブリ14に連結される。
【0066】
知られているように、各サイクルにおいて、カップフィーダ20はダイパック16の前にカップ2を配置し、開口端はラムアセンブリ12に向く。カップ2がダイパック16の前に配置されると、再絞りアセンブリ15は、再絞りダイ(図示せず)に対してカップ2を付勢する。駆動アセンブリ14は、ラム本体30に往復運動をもたらして、ラム本体30をその長手方向軸44に沿って前後に移動させる。即ち、ラム本体30は、引き込まれた第1の位置と伸びた第2の位置との間を往復するように構成されている。引き込まれた第1の位置では、ラムアセンブリ12はダイパック16から離間しているが、シールアセンブリ13を通って延びている。伸びた第2の位置では、ラムアセンブリ本体30はダイパック16を通って延びる。故に、往復ラムアセンブリ12は、前方に(図示では左に)進んで、再絞りアセンブリ15を通ってカップ2に係合する。カップ2は、ダイパック16内の再絞りダイ(図示せず)及び幾つかのしごきダイ(符号なし)を通って移動する。カップ2は、ダイパック16内で缶ボディ3に変換される。ラムアセンブリ12が第1の位置に向かって移動すると、つまり、ラムアセンブリ12が駆動アセンブリ14に向かって移動すると、ストリッパアセンブリ22は缶ボディ3をパンチアセンブリ38から取り外す。ストリッパアセンブリ22は、戻り行程でパンチアセンブリ38から缶ボディ3を取り外すように構成されており、実際に取り外す。取出しアセンブリ24は、缶ボディ3が、パンチアセンブリ38から取り外されると、即ち、本質的に同時に缶ボディ3と動作可能に係合するように構成されており、実際に動作可能に係合する。取出しアセンブリ24は、ラムアセンブリ12の経路から缶ボディ3を取り除く。本明細書では、「サイクル」とは、ラムアセンブリ12が引き込まれた第1の位置にある状態で始まるラムアセンブリ12のサイクルを意味することが理解される。
【0067】
故に、ラム本体30は、短い長さ又は非常に短い長さを有する。パンチマウントアセンブリ34は相補的長さを有する。ラム本体30は、パンチマウントアセンブリ34に連結、直接連結、又は固定されて、組み立てられたパンチマウントアセンブリ34及びラム本体30は、動作可能長さを有する。この構成では、ラムアセンブリ12は従来のラムアセンブリのように動作する。即ち、動作中、ラムアセンブリ12はシールアセンブリのシール19を通って延びており、第1の位置にある場合、ラムアセンブリ12は前方アセンブリ26へと延びる。シールアセンブリのシール19を交換する必要がある場合には、ラムアセンブリ12は部分的に分解される。即ち、パンチマウントアセンブリ34はラム本体30から分離される。ラム本体30が短い長さを有する場合、駆動アセンブリ14に連結されたラムアセンブリ12の部分は、もはや前方アセンブリ26内には延びない。従って、シールアセンブリ13を、ガイドアセンブリ28から分離して、ラム本体30から外すことができる。ラム本体30から外されると、シールアセンブリのシール19が交換される。次に、シールアセンブリ13がラム本体30に配置され、即ち、ラム本体がシールアセンブリのシール19を通って配置され、シールアセンブリ13がガイドアセンブリ28に連結される。次に、パンチマウントアセンブリ34がラム本体30に再連結される。これで、ラムアセンブリ12の使用準備が整う。従って、ラムアセンブリ12を駆動アセンブリ14から分離する必要がないため、ラムアセンブリを前方アセンブリ26と再度位置合わせする必要がない。ラム本体30が非常に短い長さを有する場合、工程は、シールアセンブリ13がガイドアセンブリ28から取り外されないことを除いて同じである。故に、短い長さ、又は非常に短い長さを有するラム本体30と、相補的長さを有するパンチマウントアセンブリ34は、上述の問題を解決する。更に、ランディング76及びランディング穴52は、連結される際に位置合わせを必要としないことから、ランディング76及びランディング穴52も、上述の問題を解決する。
【0068】
従って、ボディメーカのシールアセンブリ13のシール19を交換する方法は、ボディメーカにシールアセンブリとラムアセンブリを設ける工程1000であって、ラムアセンブリはラム本体とパンチマウントアセンブリを含んでおり、ラム本体は短い長さを有しており、パンチマウントアセンブリは相補的長さを有しており、パンチマウントアセンブリはラム本体に連結されており、組み立てられたパンチマウントアセンブリ及びラム本体は動作可能長さを有しており、シールアセンブリは通路を規定し、シールアセンブリは幾つかのほぼ環状のシールを含んでおり、それらシールはシールアセンブリの通路に配置されており、ラム通路を規定し、ラムアセンブリはラム通路を通って延びる、工程1000と、ラム本体とパンチマウントアセンブリを分離する工程1002と、ラム通路内のラムアセンブリ構成要素をラム通路から除く工程1004と、シールを交換する工程1006と、パンチマウントアセンブリを再装着する工程1008と、を含んでいる。更に、本明細書では、「シールを交換する工程1006」とは、シールアセンブリ13内のシール19を取り外して、シールアセンブリ13内に新しいシール19を装着することを意味する。更に、本明細書では、「パンチマウントアセンブリを再装着する工程1008」は、パンチマウントアセンブリ34をラム本体30に連結することを意味する。
【0069】
更に、先に詳述したように、ラムアセンブリ12は前方構成要素26と再位置合わせする必要はない。従って、パンチマウントアセンブリを再装着する工程1008は、幾つかの前方アセンブリに対してラムアセンブリを再位置合わせすることを含まない。
【0070】
更に、本明細書では、「ラム通路内のラムアセンブリ構成要素をラム通路から取り除く工程1004」は、ラム本体30が短い長さを有する場合には、パンチマウントアセンブリ34を取り除くことを意味し、ラム本体30が非常に短い長さを有する場合には、シールアセンブリ13をラム本体30から移動させること又はパンチマウントアセンブリ34を取り除くことを意味する。何れの状況でも、ラムアセンブリ12には、ラム通路又はシールアセンブリ13/シールアセンブリのシール19を通って延びる部分はない。故に、ラム通路からラム通路内のラムアセンブリ構成要素を取り除く工程1004は、パンチマウントアセンブリがラム通路に配置されている場合、ラム通路からパンチマウントアセンブリを取り除く工程1020を、パンチマウントアセンブリがラム通路の前方に配置されている場合、パンチマウントアセンブリを取り除いて、ラム通路からラム本体を移動させる工程1022を含む。
【0071】
本発明の特定の実施形態について詳細に説明したが、当業者であれば、それらの詳細に対する様々な修正や代替を、本開示の教示全体に鑑み開発することができると認識されるであろう。従って、開示される特定の構成は、単に例示であることを意図しており、添付の特許請求の範囲及びその全ての均等物の全範囲を、提供される発明の範囲に関して限定するものではない。