(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-06
(45)【発行日】2023-10-17
(54)【発明の名称】レーザキャビティ繰返率チューニングおよび高帯域幅安定化
(51)【国際特許分類】
H01S 3/02 20060101AFI20231010BHJP
【FI】
H01S3/02
(21)【出願番号】P 2021504267
(86)(22)【出願日】2019-07-23
(86)【国際出願番号】 US2019042982
(87)【国際公開番号】W WO2020023477
(87)【国際公開日】2020-01-30
【審査請求日】2022-06-09
(32)【優先日】2018-07-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-07-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520159592
【氏名又は名称】ユニバーシティ オブ メリーランド, カレッジ パーク
(73)【特許権者】
【識別番号】520132894
【氏名又は名称】イオンキュー インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100185269
【氏名又は名称】小菅 一弘
(72)【発明者】
【氏名】モンロー クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】フデック カイ
(72)【発明者】
【氏名】ミズラヒ ジョナサン
(72)【発明者】
【氏名】セティナ マルコ
(72)【発明者】
【氏名】クレイケメイアー サラ マーガレット
(72)【発明者】
【氏名】ゴールドマン マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ベック クリステン
【審査官】百瀬 正之
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-175078(JP,A)
【文献】特表2017-508301(JP,A)
【文献】特開平08-316553(JP,A)
【文献】特開平10-153726(JP,A)
【文献】特開2011-232400(JP,A)
【文献】特開2007-025390(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0002907(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2006/0182154(US,A1)
【文献】韓国登録特許第10-0882832(KR,B1)
【文献】特開2006-196638(JP,A)
【文献】特開平11-289122(JP,A)
【文献】特開2013-051381(JP,A)
【文献】特開2001-168440(JP,A)
【文献】特表2009-523564(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01S 3/00-3/40
G01N 21/00
G01N 21/17-21/61
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パルスレーザ用の出力光カプラーであって、
キャビティ出力カプラーミラーと、
前記キャビティ出力カプラーミラーに結合された圧電アクチュエータと、
ロックアセンブリであって、その内部で、前記キャビティ出力カプラーミラーと前記圧電アクチュエータとが、含まれ、1つ以上の適合性部品で所定位置に保たれる、ロックアセンブリと、
1つ以上の部品であって、前記ロックアセンブリに結合され、前記キャビティ出力カプラーミラーを有する前記ロックアセンブリの少なくとも1つの位置を調整することによって、
前記パルスレーザの周波数コムスペクトルを
チューニングするために複数の位置自由度を提供するように構成された、1つ以上の部品と、
を備え
、
前記ロックアセンブリは、前記圧電アクチュエータおよび前記キャビティ出力カプラーミラーを前記パルスレーザにおける環境振動から機械的に切り離すことによって、高帯域幅安定化を提供するように構成されている、出力光カプラー。
【請求項2】
請求項1に記載の出力光カプラーであって、前記1つ以上の部品は、1つ以上の原子量子ビットに関して
前記パルスレーザの
前記周波数コムスペクトルを
チューニングする、出力光カプラー。
【請求項3】
請求項2に記載の出力光カプラーであって、1つ以上の原子量子ビットは、1つ以上のトラップイオン量子ビットを含む、出力光カプラー。
【請求項4】
請求項1に記載の出力光カプラーであって、前記1つ以上の部品は、1つ以上の原子量子ビットを使用する量子情報処理のために、1つ以上の原子量子ビットに関して
前記パルスレーザの
前記周波数コムスペクトルを
チューニングする、出力光カプラー。
【請求項5】
請求項1に記載の出力光カプラーであって、前記1つ以上の部品は、
前記パルスレーザのキャビティ方向の長さに沿った
前記ロックアセンブリの長手方向移動、
前記パルスレーザのキャビティ方向の幅に沿った
前記ロックアセンブリの横方向移動、または長手方向移動と横方向移動との組み合わせを提供するように構成された1つ以上のアクチュエータを有するリニアステージを含む、出力光カプラー。
【請求項6】
請求項1に記載の出力光カプラーであって、前記1つ以上の部品は、前記ロックアセンブリの角度回転を提供するように構成された1つ以上のアクチュエータを有する回転ステージを含む、出力光カプラー。
【請求項7】
請求項1に記載の出力光カプラーであって、前記1つ以上の部品は、前記ロックアセンブリに角度傾斜を提供するように構成された1つ以上のアクチュエータを有する先端傾斜ミラーマウントを含む、出力光カプラー。
【請求項8】
請求項7に記載の出力光カプラーであって前記ロックアセンブリに対する角度傾斜は、1つの空間方向、2つの空間方向、または3つの空間方向である、出力光カプラー。
【請求項9】
請求項1に記載の出力光カプラーであって、前記1つ以上の部品を
前記パルスレーザのプレートに堅固に接続するように構成されたベースプレートをさらに備える出力光カプラー。
【請求項10】
請求項1に記載の出力光カプラーであって、前記1つ以上の部品は、3つの並進自由度および3つの先端傾斜自由度を含む6つの位置自由度を提供するように構成された、出力光カプラー。
【請求項11】
請求項1に記載の出力光カプラーであって、前記1つ以上の部品は、
ベースプレートに連結されたリニアステージであって、前記リニアステージが、1つの方向への垂直並進、1つまたは2つの方向への水平並進、またはそれらの組み合わせを提供するように構成されたリニアステージ、
前記リニアステージに結合された先端傾斜ミラーマウントであって、先端傾斜ミラーが、1つの方向、2つの方向、または3つの方向に先端傾斜を提供するように構成された、先端傾斜ミラーマウント、
前記先端傾斜ミラーマウントに結合された回転ステージであって、前記ロックアセンブリが前記回転ステージに結合された、回転ステージ、または
それらの組み合わせ、
を含む、出力光カプラー。
【請求項12】
請求項1に記載の出力光カプラーであって、前記1つ以上の部品のそれぞれは、前記位置自由度のそれぞれ1つを制御するための少なくとも1つのモータ駆動アクチュエータを含む、出力光カプラー。
【請求項13】
請求項1に記載の出力光カプラーであって、前記1つ以上の部品のそれぞれは、前記位置自由度のそれぞれ1つを制御するための少なくとも1つの圧電アクチュエータを含む、出力光カプラー。
【請求項14】
請求項1に記載の出力光カプラーであって、前記ロックアセンブリは、
ハウジング上部と、
ハウジング下部であって、前記圧電アクチュエータおよび前記キャビティ出力カプラーミラーが中に配置される密閉空間を前記ハウジング上部と共に形成するハウジング下部と、
を含み、
前記ハウジング上部および前記ハウジング下部は、制御された圧力および対応する周波数応答を提供するように共に保たれる、出力光カプラー。
【請求項15】
請求項
14に記載の出力光カプラーであって、
前記ロックアセンブリのハウジング上部は、キャップを含み、
前記ロックアセンブリのハウジング下部は、シャフトを含み、
前記ロックアセンブリのハウジング上部およびハウジング下部は、一組のねじおよびボルト、一組のねじ、またはくさび構造、のうちの1つ以上を介して、制御された圧力および対応する周波数特性を提供するように共に保たれる、出力光カプラー。
【請求項16】
請求項
14に記載の出力光カプラーであって、
前記ロックアセンブリのハウジング上部は、ねじ付きキャップを含み、
前記ロックアセンブリのハウジング下部は、ねじ付きシャフトを含み、
前記ロックアセンブリのハウジング上部およびハウジング下部は、前記ねじ付きキャップを前記ねじ付きシャフトに締め付けることによって、制御された圧力および対応する周波数特性を提供するように共に保たれる、出力光カプラー。
【請求項17】
請求項
16に記載の出力光カプラーであって、前記ねじ付きキャップおよび前記ねじ付きシャフトは、少なくとも一部が黄銅で作られている、出力光カプラー。
【請求項18】
請求項
14に記載の出力光カプラーであって、
前記ロックアセンブリのハウジング上部は、キャップを含み、
前記ロックアセンブリのハウジング下部は、シャフトと、前記シャフトが位置決めされる搭載プレートと、を含む、出力光カプラー。
【請求項19】
請求項
18に記載の出力光カプラーであって、前記キャップおよび前記シャフトは、少なくとも一部が黄銅で作られ、前記搭載プレートは、少なくとも一部がアルミニウムで作られている、出力光カプラー。
【請求項20】
請求項
14に記載の出力光カプラーであって、前記ロックアセンブリにおける前記1つ以上の適合性部品は、
密閉空間内で、前記キャビティ出力カプラーミラーと前記
ハウジング上部の内側部分との間に配置される第1の適合性部品と、
密閉空間内で、前記圧電アクチュエータと前記
ハウジング下部の内側部分との間に配置される第2の適合性部品と、
を含み、
第1の適合性部品および第2の適合性部品は、前記
ハウジング上部の前記
ハウジング下部への締め付けによって押圧される、出力光カプラー。
【請求項21】
請求項
20に記載の出力光カプラーであって、第1の適合性部品および第2の適合性部品のそれぞれは、機械的ガスケットである、出力光カプラー。
【請求項22】
請求項
20に記載の出力光カプラーであって、第1の適合性部品および第2の適合性部品のそれぞれは、Oリングである、出力光カプラー。
【請求項23】
請求項21に記載の出力光カプラーであって、第1の適合性部品および第2の適合性部品のそれぞれは、高真空または超高真空システムに適合する材料で作られている、出力光カプラー。
【請求項24】
請求項1に記載の出力光カプラーであって、前記圧電アクチュエータは、リング圧電アクチュエータである、出力光カプラー。
【請求項25】
請求項1に記載の出力光カプラーであって、
前記パルスレーザは、
YAGモード同期レーザ、
TkSappモード同期レーザ、または
ファイバベースの利得材料、
のうちの1つである、出力光カプラー。
【請求項26】
パルスレーザにおける出力光カプラーを調整する方法であって、
トラップイオン量子ビットに関する
前記パルスレーザの周波数コムスペクトルの変化を検出するステップと、
検出された変化に基づいて制御信号を生成するステップと、
前記出力光カプラーに前記制御信号を提供するステップであって、前記出力光カプラーが、
ロックアセンブリであって、その内部で、キャビティ出力カプラーミラーと、前記キャビティ出力カプラーミラーに結合された圧電アクチュエータと、が含まれ、前記キャビティ出力カプラーミラーおよび前記圧電アクチュエータが、前記ロックアセンブリの内部で1つ以上の適合性部品で所定位置に保たれる、ロックアセンブリと、
前記ロックアセンブリに結合された1つ以上の部品と、
を有する、提供するステップと、
前記制御信号に基づいて、前記1つ以上の部品を使用して前記ロックアセンブリの1つ以上の位置自由度を調整するステップであって、
前記調整は、
前記パルスレーザの
前記周波数コムスペクトルの
チューニングを可能にする、
調整するステップと、
を含
み、
前記ロックアセンブリは、前記圧電アクチュエータおよび前記キャビティ出力カプラーミラーを前記パルスレーザにおける環境振動から機械的に切り離すことによって、高帯域幅安定化を提供するように構成されている、
方法。
【請求項27】
請求項
26に記載の方法であって、前記1つ以上の部品は、
1つの方向への垂直並進、1つまたは2つの方向への水平並進、またはそれらの組み合わせを提供するように構成されたリニアステージ、
1つの方向、2つの方向、または3つの方向への先端傾斜を提供するように構成された先端傾斜ミラーマウント、
回転するように構成された回転ステージ、または
それらの組み合わせ、
を含み、
前記1つ以上の部品を使用して前記ロックアセンブリの1つ以上の位置自由度を調整するステップは、前記リニアステージ、前記先端傾斜ミラーマウント、前記回転ステージ、またはそれらの組み合わせを調整するステップを含む、方法。
【請求項28】
パルスレーザにおける出力光カプラーを調整する方法であって、
トラップイオン量子ビットに関する前記パルスレーザの周波数コムスペクトルの変化を検出するステップと、
検出された変化に基づいて制御信号を生成するステップと、
前記出力光カプラーに前記制御信号を提供するステップであって、前記出力光カプラーが、
ロックアセンブリであって、その内部で、キャビティ出力カプラーミラーと、前記キャビティ出力カプラーミラーに結合された圧電アクチュエータと、が含まれ、前記キャビティ出力カプラーミラーおよび前記圧電アクチュエータが、前記ロックアセンブリの内部で1つ以上の適合性部品で所定位置に保たれる、ロックアセンブリと、
前記ロックアセンブリに結合された1つ以上の部品と、
を有する、提供するステップと、
前記制御信号に基づいて、前記1つ以上の部品を使用して前記ロックアセンブリの1つ以上の位置自由度を調整するステップであって、前記調整は、前記パルスレーザの前記周波数コムスペクトルのチューニングを可能にする、
調整するステップと、
前記1つ以上の部品を使用して前記ロックアセンブリの1つ以上の位置自由度を調整するステップは、抑制されたACシュタルクシフトによる量子ビット操作を含む対象量子処理用途における特性を可能にするために、
前記パルスレーザの繰返率を
チューニングするように前記出力光カプラーに関連するキャビティ長を調整するステップ
を含み、
前記ロックアセンブリは、前記圧電アクチュエータおよび前記キャビティ出力カプラーミラーを前記パルスレーザにおける環境振動から機械的に切り離すことによって、高帯域幅安定化を提供するように構成されている、
方法。
【請求項29】
パルスレーザにおける出力光カプラーを調整する方法であって、
トラップイオン量子ビットに関する前記パルスレーザの周波数コムスペクトルの変化を検出するステップと、
検出された変化に基づいて制御信号を生成するステップと、
前記出力光カプラーに前記制御信号を提供するステップであって、前記出力光カプラーが、
ロックアセンブリであって、その内部で、キャビティ出力カプラーミラーと、前記キャビティ出力カプラーミラーに結合された圧電アクチュエータと、が含まれ、前記キャビティ出力カプラーミラーおよび前記圧電アクチュエータが、前記ロックアセンブリの内部で1つ以上の適合性部品で所定位置に保たれる、ロックアセンブリと、
前記ロックアセンブリに結合された1つ以上の部品と、
を有する、提供するステップと、
前記制御信号に基づいて、前記1つ以上の部品を使用して前記ロックアセンブリの1つ以上の位置自由度を調整するステップであって、前記調整は、前記パルスレーザの前記周波数コムスペクトルのチューニングを可能にする、
調整するステップと、
前記1つ以上の部品を使用して前記ロックアセンブリの1つ以上の位置自由度を調整するステップは、量子ビット操作のコヒーレンス時間の安定化を含む対象量子処理用途における特性を可能にするために、
前記パルスレーザの繰返率を安定化させるように前記出力光カプラーに関連するキャビティ長を調整するステップ
を含み、
前記ロックアセンブリは、前記圧電アクチュエータおよび前記キャビティ出力カプラーミラーを前記パルスレーザにおける環境振動から機械的に切り離すことによって、高帯域幅安定化を提供するように構成されている、
方法。
【請求項30】
パルスレーザにおける出力光カプラーを調整する方法であって、
トラップイオン量子ビットに関する前記パルスレーザの周波数コムスペクトルの変化を検出するステップと、
検出された変化に基づいて制御信号を生成するステップと、
前記出力光カプラーに前記制御信号を提供するステップであって、前記出力光カプラーが、
ロックアセンブリであって、その内部で、キャビティ出力カプラーミラーと、前記キャビティ出力カプラーミラーに結合された圧電アクチュエータと、が含まれ、前記キャビティ出力カプラーミラーおよび前記圧電アクチュエータが、前記ロックアセンブリの内部で1つ以上の適合性部品で所定位置に保たれる、ロックアセンブリと、
前記ロックアセンブリに結合された1つ以上の部品と、
を有する、提供するステップと、
前記制御信号に基づいて、前記1つ以上の部品を使用して前記ロックアセンブリの1つ以上の位置自由度を調整するステップであって、前記調整は、前記パルスレーザの前記周波数コムスペクトルのチューニングを可能にする、
調整するステップと、
前記1つ以上の部品を使用して前記ロックアセンブリの1つ以上の位置自由度を調整するステップは、オフ共鳴遷移の較正および/または補正を可能にするために、前記周波数コムスペクトルにおける櫛歯からのオフ共鳴遷移を安定化させるように前記出力光カプラーに関連するキャビティ長を調整するステップ
を含み、
前記ロックアセンブリは、前記圧電アクチュエータおよび前記キャビティ出力カプラーミラーを前記パルスレーザにおける環境振動から機械的に切り離すことによって、高帯域幅安定化を提供するように構成されている、
方法。
【請求項31】
パルスレーザにおける出力光カプラーを調整する方法であって、
トラップイオン量子ビットに関する前記パルスレーザの周波数コムスペクトルの変化を検出するステップと、
検出された変化に基づいて制御信号を生成するステップと、
前記出力光カプラーに前記制御信号を提供するステップであって、前記出力光カプラーが、
ロックアセンブリであって、その内部で、キャビティ出力カプラーミラーと、前記キャビティ出力カプラーミラーに結合された圧電アクチュエータと、が含まれ、前記キャビティ出力カプラーミラーおよび前記圧電アクチュエータが、前記ロックアセンブリの内部で1つ以上の適合性部品で所定位置に保たれる、ロックアセンブリと、
前記ロックアセンブリに結合された1つ以上の部品と、
を有する、提供するステップと、
前記制御信号に基づいて、前記1つ以上の部品を使用して前記ロックアセンブリの1つ以上の位置自由度を調整するステップであって、前記調整は、前記パルスレーザの前記周波数コムスペクトルのチューニングを可能にする、
調整するステップと、
前記1つ以上の部品を使用して前記ロックアセンブリの1つ以上の位置自由度を調整するステップは、オフ共鳴周波数の最小化、較正、および/または補正を可能にするために、前記周波数コムスペクトルにおける他の櫛歯からのオフ共鳴周波数を安定化させて
位置決めするように前記出力光カプラーに関連するキャビティ長を調整するステップ
を含み、
前記ロックアセンブリは、前記圧電アクチュエータおよび前記キャビティ出力カプラーミラーを前記パルスレーザにおける環境振動から機械的に切り離すことによって、高帯域幅安定化を提供するように構成されている、
方法。
【請求項32】
パルスレーザにおける出力光カプラーを調整する方法であって、
トラップイオン量子ビットに関する前記パルスレーザの周波数コムスペクトルの変化を検出するステップと、
検出された変化に基づいて制御信号を生成するステップと、
前記出力光カプラーに前記制御信号を提供するステップであって、前記出力光カプラーが、
ロックアセンブリであって、その内部で、キャビティ出力カプラーミラーと、前記キャビティ出力カプラーミラーに結合された圧電アクチュエータと、が含まれ、前記キャビティ出力カプラーミラーおよび前記圧電アクチュエータが、前記ロックアセンブリの内部で1つ以上の適合性部品で所定位置に保たれる、ロックアセンブリと、
前記ロックアセンブリに結合された1つ以上の部品と、
を有する、提供するステップと、
前記制御信号に基づいて、前記1つ以上の部品を使用して前記ロックアセンブリの1つ以上の位置自由度を調整するステップであって、前記調整は、前記パルスレーザの前記周波数コムスペクトルのチューニングを可能にする、
調整するステップと、
前記1つ以上の部品を使用して前記ロックアセンブリの1つ以上の位置自由度を調整するステップは、フェーズインセンシティブ量子ビット操作を含む対象用途における異なる櫛歯の使用を可能にするために、前記周波数コムスペクトルにおける全ての櫛歯を安定化させるように前記出力光カプラーに関連するキャビティ長を調整するステップ
を含み、
前記ロックアセンブリは、前記圧電アクチュエータおよび前記キャビティ出力カプラーミラーを前記パルスレーザにおける環境振動から機械的に切り離すことによって、高帯域幅安定化を提供するように構成されている、
方法。
【請求項33】
パルスレーザにおける出力光カプラーを調整する方法であって、
トラップイオン量子ビットに関する前記パルスレーザの周波数コムスペクトルの変化を検出するステップと、
検出された変化に基づいて制御信号を生成するステップと、
前記出力光カプラーに前記制御信号を提供するステップであって、前記出力光カプラーが、
ロックアセンブリであって、その内部で、キャビティ出力カプラーミラーと、前記キャビティ出力カプラーミラーに結合された圧電アクチュエータと、が含まれ、前記キャビティ出力カプラーミラーおよび前記圧電アクチュエータが、前記ロックアセンブリの内部で1つ以上の適合性部品で所定位置に保たれる、ロックアセンブリと、
前記ロックアセンブリに結合された1つ以上の部品と、
を有する、提供するステップと、
前記制御信号に基づいて、前記1つ以上の部品を使用して前記ロックアセンブリの1つ以上の位置自由度を調整するステップであって、前記調整は、前記パルスレーザの前記周波数コムスペクトルのチューニングを可能にする、
調整するステップと、
前記1つ以上の部品を使用して前記ロックアセンブリの1つ以上の位置自由度を調整するステップは、モジュラー量子コンピュータにおける離れたモジュール間のコヒーレント量子ビット操作を可能にすることによってモジュラー量子コンピュータをスケールアップするために、
前記パルスレーザを他のレーザにロックするように前記出力光カプラーに関連するキャビティ長を調整するステップ
を含み、
前記ロックアセンブリは、前記圧電アクチュエータおよび前記キャビティ出力カプラーミラーを前記パルスレーザにおける環境振動から機械的に切り離すことによって、高帯域幅安定化を提供するように構成されている、
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2019年7月22日に出願された米国非仮出願第16/518,714号(発明の名称「レーザキャビティ繰返率調整および高帯域幅安定化」)、および2018年7月23日に出願された米国仮特許出願第62/702,096号(発明の名称「レーザキャビティ繰返率調整および高帯域幅安定化」)の優先権を主張し、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、IARPAによるAward No.W911NF1610082の下で政府の支援を受けてなされた。当該政府は、本発明に一定の権利を有する。
【0003】
本開示の態様は、概して、高出力レーザのための出力カプラーアセンブリに関し、より具体的には、レーザキャビティ繰返率調整および高帯域幅安定化を可能にする出力カプラーアセンブリに関する。
【背景技術】
【0004】
トラップされた原子イオンを用いることによって作られる量子ビットまたはキュービットは、ユニバーサルおよび完全にプログラム可能機械を供給してきた量子情報処理(QIP)アプローチの一つである。個々におよび全体的にアドレス可能な量子ビット遷移は、モード同期レーザによって放出されるパルス列によって生成される周波数コムによって駆動することができる。周波数空間におけるコムラインの位置は、システマティクスを最小化するとともに望ましくない遷移をなくしながら、これらの遷移を効果的に駆動するために重要である。周波数コムの位相雑音は、量子ビット忠実度に直接影響することがあり、抑制する必要がある。従って、周波数コム内の歯の特性を制御、調整、および/または安定化することが望ましい。
【0005】
半導体産業にサービスを通常提供する工業用レーザは、最も進歩した、信頼性のある、安定した入手可能な紫外線パルスレーザであり、その産業における高水準な投資から大いに恩恵を受けている。しかしながら、半導体産業は、特に、量子計算または同様のレベルの制御、調整、および/または安定化を必要とする他の用途に必要とされる高精度レベルまで、上述のタイプの特性を有するレーザを通常必要としない。
【0006】
従って、量子情報処理およびレーザによって生成される周波数コムの特徴にセンシティブである他の用途に使用するためのレーザの特性を改善することができる装置またはシステムが、望ましい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
以下は、そのような態様の基本的な理解を提供するために、1つ以上の態様の簡略化された概要を提示する。この概要は、全ての意図された態様の広範な概観ではなく、全ての態様の主要なまたは重要な要素を識別することも、任意のまたは全ての態様の範囲を線引きすることも意図されていない。その目的は、後に提示されるより詳細な説明の前置きとして、1つ以上の態様のいくつかの概念を簡略化された形態で提示することである。
【0008】
市販のレーザのアーキテクチャを活用することによって、本開示は、オフ共鳴結合およびシステマティクスを最小化(または最大化)するために原子量子ビット(量子ビット)に物理的に関連する範囲にわたる周波数コムの同調性、関連する測定(例えば、分光法)のための周波数コムの走査、周波数コムの安定化、および周波数コム上の位相雑音の抑制を可能にする、出力カプラーアセンブリの使用を提案する。
【0009】
出力カプラーアセンブリは、必要な自由度(DOF)を有する搭載構造を含むように構成され、搭載構造の様々な構成要素は、原位置動作および周波数コムの最適化を可能にするために、外部制御のためにピエゾ(あるいはモータ)駆動される。出力カプラーアセンブリの一部である高帯域幅ロックアセンブリは、周波数コムの緊密なロックおよび位相雑音の抑制のために使用されてよい。高帯域幅ロックアセンブリのハウジングは、例えばゴムOリングなどの、適合性材料で作られている機械的ガスケット間のミラー-ピエゾアクチュエータの組み合わせを囲んで加圧する。機械的ガスケット(例えば、ゴムOリング)は、ミラーとピエゾアクチュエータとを、周囲の環境振動から機械的に切り離し、それは、そうでなければミラーマウントを通って平行移動するであろう。機械的ガスケットに一定量の圧力を加えることによって、特定の共鳴を完全に減衰させることができ、一方、他の共鳴における利得を減少させ、それらの周波数を増加させることができる。
【0010】
本開示の一態様では、キャビティ出力カプラーミラーと、キャビティ出力カプラーミラーに結合された圧電アクチュエータと、キャビティ出力カプラーミラーおよび圧電アクチュエータが中に配置されたロックアセンブリと、ロックアセンブリに結合された1つ以上の部品とを含む、パルスレーザ(例えば、モード同期レーザ)のための出力光カプラーが記載される。パルスレーザは、量子情報処理または量子計算に関連する複数の用途を含む、異なる用途に使用することができる。1つ以上の部品は、キャビティ出力カプラーミラーを用いてロックアセンブリの少なくとも1つの位置を調整することによって、パルスレーザの周波数コムスペクトルを調整するために複数の位置自由度を提供するように構成される。
【0011】
本開示の一態様では、トラップイオン量子ビットに関するパルスレーザの周波数コムスペクトルの変化を検出することと、検出された変化に基づいて制御信号を生成することと、出力光カプラーに制御信号を提供することとを含み、出力光カプラーが、内部にキャビティ出力カプラーミラーおよび圧電アクチュエータを有するロックアセンブリと、ロックアセンブリに結合された1つ以上の部品とを有する、パルスレーザ内の出力光カプラーを調整する方法が記載される。パルスレーザは、量子情報処理または量子計算に関連する複数の用途を含む、異なる用途に使用することができる。この方法は、制御信号に基づいて、1つ以上の部品を使用してロックアセンブリの1つ以上の位置自由度を調整することをさらに含み、この調整は、パルスレーザの周波数コムスペクトルの調整を可能にする。
【0012】
本明細書で説明される技術のそれぞれは、量子情報処理(QIP)システムまたは装置において、およびコンピュータ可読媒体の一部として、実施され得る。
【0013】
添付の図面は、いくつかの実施形態のみを示しており、従って、範囲を限定するものと見なされるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本開示の態様によるレーザキャビティ内の出力光カプラーの例を示す図である。
【
図2】本開示の態様による出力光カプラーの等角図を示す図である。
【
図3】本開示の態様による出力光カプラーの高帯域幅ロックアセンブリの等角図を示す図である。
【
図4A】本開示の態様による
図3の高帯域幅ロックアセンブリの側面図を示す図である。
【
図4B】本開示の態様による
図3の高帯域幅ロックアセンブリの断面図を示す図である。
【
図5】本開示の態様によるモード同期レーザを使用するトラップイオンベースのQIPシステムの例を示すブロック図である。
【
図6】本開示の態様によるコンピュータ装置の例を示す図である。
【
図7】本開示の態様による量子計算動作のためのレーザキャビティ繰返率を調整する方法の例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
添付の図面に関連して以下に記載される詳細な説明は、様々な構成の説明として意図されており、本明細書で説明される概念が実施され得る唯一の構成を表すことを意図していない。詳細な説明は、様々な概念の完全な理解を提供する目的で、特定の詳細を含む。しかしながら、これらの概念は、これらの特定の詳細なしに実施され得ることは、当業者には明らかであろう。場合によっては、そのような概念を曖昧にすることを避けるために、周知の構成要素がブロック図の形態で示される。
【0016】
工業用レーザまたは他の高性能レーザは、信頼性が高く安定した紫外線(ETV)パルスレーザー(例えば、モード同期レーザ)として使用することができる。1つの例では、レーザは、赤外(IR)スペクトルの光を生成し、周波数倍加(可視スペクトルに)を使用し、次に、和周波数発生(本質的に周波数3倍増)を行ってよく、UVが生成される。本明細書に記載の技術は、IR、可視、および/またはUVスペクトルの光を生成するものを含む、全てのタイプのレーザに適用し得る。しかしながら、これらのレーザは、例えば、トラップイオン量子コンピュータまたは量子情報処理(QIP)システムにおいて、実行される量子計算用途に必要な種類のレーザ特性および高精度レベルを提供するように一般に構成されていない。例えば、圧力が変化すると、または温度が変化すると、レーザの有効キャビティ長も同様に変化する。量子アルゴリズムまたはシミュレーションにおいて実施される量子ゲートの忠実度は、調整された安定したレーザ出力を有する能力に依存し、そのレーザ出力は、従来の工業用レーザがこれらの環境変化のために提供することができない可能性がある。従って、量子計算用途のために、これらの変化を迅速に追跡し、レーザの出力を安定化するために何らかの形のフィードバックを提供することが、必要である。
【0017】
工業用レーザで生じ得る別の問題は、機械的振動および/または共鳴の結合であり、それは、パルスレーザが量子計算用途に有効に使用されるために必要とされる動作帯域幅を制限し得る。
【0018】
上述の問題に対処する1つのアプローチは、レーザの繰返率または反復率をより良く制御し、それによってパルスレーザの周波数領域における周波数コム(歯)をより良く制御するために、レーザのキャビティ内の関連する間隔を制御するトランスデューサまたは他の同様の装置を有する機械的アセンブリを使用することである。モード同期レーザでは、繰返率は、特定の時間単位においてレーザによって生成されるパルスの数を指し得る。モード同期は、レーザの共振キャビティの縦モード間に固定位相関係を誘起することによって、ピコ秒またはフェムト秒のオーダーの極めて短い持続時間の光のパルスを生成するのに使用され、一方、これらのモード間の強め合う干渉は、パルス列を生成させる。これが起こると、レーザは「モード同期」(または「位相同期」)していると言われる。モード同期レーザとして使用することができるレーザの種類は、単にYAGレーザまたはTkSapp(チタンドープサファイア)レーザと称される、結晶ベースのNd:YAG(ネオジムドープイットリウムアルミニウムガーネット)レーザなどの固体レーザ、または利得媒体としてエルビウムドープファイバを使用するファイバベースのレーザとすることができる。
【0019】
さらに、機械的アセンブリは、周囲の環境振動を機械的に切り離し、および/または、利得を低減し、他の共振の周波数を増加させながら、ある共振を減衰させることによって、高帯域幅動作を提供するように構成されてよい。
【0020】
レーザキャビティの繰返率の調整および高帯域幅の安定化のための本明細書に記載される様々な技術に関するさらなる詳細は、
図1-7に関連して、以下に提供される。
【0021】
図1は、本開示の態様によるレーザキャビティ120内に位置決めされた出力光カプラー130の例を示す
図100である。
図100では、レーザ110の内側の部分図が示されており、レーザキャビティ120およびレーザキャビティ120内の出力光カプラー130の位置決めが示されている。
図100は、レーザ110の内部空洞を図示するために取り出されたレーザ110の頂部の一部分を示す。レーザ110は、例えば、YAGレーザ、TkSappレーザ、またはファイバベースのレーザなどの、パルスレーザ(例えば、モード同期または位相同期レーザ)とすることができる。レーザ110は、量子計算動作または量子情報処理を含むがこれらに限定されない、異なる用途のための1つ以上の光ビームを生成するのに使用されることができ、レーザ110の出力が、レーザ110によって放出されるパルス列によって生成される周波数コムで個々のおよび全体的なアドレス可能な量子ビット遷移を駆動するのに使用され得るようになっている。上述したように、周波数空間におけるコムラインの位置は、システマティクスを最小化するとともに望ましくない遷移をなくしながら、これらの遷移を効果的に駆動するために重要である。周波数コムの位相雑音は、量子ビット忠実度に直接影響することがあり、抑制する必要がある。
【0022】
図100における出力光カプラー130の位置は、限定するものではなく、説明のために提供される。従って、出力光カプラー130は、レーザ110内で、光カプラー130によって生成された光ビームをレーザ110の出力に結合するのに適した位置に配置されてよい。さらに、レーザキャビティ120は、レーザ110の内側部分を示すことを意図しており、出力光カプラー130以外のかなり多くの部品を含んでよい。例えば、例として、レーザキャビティ120は、レーザキャビティ構成要素115を含んでよく、レーザキャビティ構成要素115は、1つ以上の光要素および/または1つ以上の光電子要素を有し、少なくとも1つの光ビーム116を生成し、それは、他の光要素117aおよび117b(例えば、ミラーまたは反射面)を用いて、光カプラー130に少なくとも部分的に連結され得る。光カプラー130は、光ビーム116を使用して、レーザ110の出力に結合される光ビームを生成し得る。本開示の目的のために、キャビティ長(またはキャビティの長さ)は、レーザ110またはレーザキャビティ120の物理的寸法を表す必要はなく、代わりに、レーザキャビティ120内の光路を指してよい。キャビティ長は、光キャビティ、共振キャビティ、または光共振器とも称され、光波のための定在波キャビティ共振器を形成するミラーおよび/または他の光要素の配置を含む。従って、キャビティ長は、少なくとも部分的に、出力光カプラー130(またはその中の構成要素)の位置によって定められてよく、従って、キャビティ長に必要とされ得る任意の調整は、本開示で説明されるように、出力光カプラー130(またはその中の構成要素)に調整を行うことによって達成され得る。
【0023】
図2は、
図1の出力光カプラー130などの出力光カプラーの等角図を示す
図200を示す。一実施形態では、出力光カプラー130の搭載構造は、ベースプレート210、リニアステージ220、ステージコネクタプレート230、先端傾斜ミラーマウント240、回転ステージ250、ピエゾコネクタステージ260、ピエゾトランスデューサ(ピエゾ)270、およびキャビティ出力カプラーミラー280、のうちの1つ以上を含んでよい。
【0024】
ベースプレート210は、出力光カプラー130をレーザ(例えば、レーザ110)に機械的かつ剛的に結合または接続するためのレーザに適したプレートである。すなわち、ベースプレート210は、レーザキャビティ120の内側の平坦な部分に物理的に取り付けられている。リニアステージ220は、1つ以上の方向(例えば、横平面、水平面、または垂直面)に沿った長い正確な移動を提供し、対象用途に関する周波数コムスペクトルの完全な制御を可能にする。例えば、リニアステージ220は、対象用途のために1つまたは2つの方向に水平並進を提供するように構成することができる。さらに、いくつかの実施形態では、リニアステージ220は、対象用途のために、1つまたは2つの方向への水平並進、垂直並進、またはそれらの組合せを提供するように構成することができる。場合によっては、対象用途が量子情報処理である場合、周波数コムスペクトルは、トラップイオン量子ビット(または複数のトラップイオン量子ビット)に関して制御されてよい。ステージコネクタプレート230は、先端傾斜ミラーマウント240および回転ステージ250をリニアステージ220に取り付ける。いくつかの実施形態では、先端傾斜ミラーマウント240は、複数の自由度(DOF)での移動も可能にすることができる。この配置または構成は、周波数の走査ならびにパワードループおよびドリフトの最適化を含む、原位置最適化に必要な全ての位置自由度を可能にする。例えば、キャビティ出力カプラーミラー280は、最適な位置を得るために、直線的に平行移動、回転、および/または傾斜させることができる。いくつかの実施形態では、よりロバストおよび/または安定した動作を提供するために、サポートされる自由度および/または回転の数は、
図2の
図200の例よりも少なくてよい。そのような場合、搭載構造は、
図2に記載されたものよりも少ない部品を含み得るが、必要とされる適切な自由度および/または回転を可能にするのに十分である。一例において、出力光カプラー130が回転に反応しない場合、回転ステージ250を省略してよい。別の例では、出力光カプラー130が先端傾斜に反応しない場合、先端傾斜ミラーマウント240を省略してよい。
【0025】
ピエゾコネクタステージ260は、上述の構造に取り付けられ、ピエゾ270およびキャビティ出力カプラーミラー280の原位置外取り付けを可能にし、これは、以下でより詳細に説明される高帯域幅ロックアセンブリ(例えば、
図4B参照)の一部として取り付けられてよい。
【0026】
リニアステージ220、先端傾斜ミラーマウント240、および回転ステージ250のそれぞれは、圧電アクチュエータまたはモータ駆動アクチュエータを用いて実施することができる。従って、リニアステージ220、先端傾斜ミラーマウント240、および回転ステージ250のそれぞれは、それぞれの位置自由度を制御するための1つ以上の制御信号が提供されてよく、個々の制御信号は、レーザキャビティ繰返率調整を可能にするためにキャビティ出力カプラーミラー280の適切な位置決めを集合的に提供し得る。
【0027】
図3は、
図1の出力光カプラー130のなどの、出力光カプラーと共に使用される高帯域幅ロックアセンブリの等角図を示す
図300を示す。
図300の例で記載のロックアセンブリは、加圧キャップ310と、シャフト320と、搭載プレート330とを含む。キャップ310およびシャフト320は、上部(例えば、キャップ310)および下部(例えば、シャフト320)を有するハウジングを形成することができる。
【0028】
いくつかの実施形態では、搭載プレート330は、シャフト320と一体化されて、ロックアセンブリのハウジングの単一部品を形成してよい。
【0029】
キャップ310は、ねじ付きキャップとすることができ、シャフト320は、ねじ付きシャフトとすることができ、ねじ付きキャップをねじ付きシャフトに締め付けることによって、それらを一緒に保持することができる。
【0030】
キャップ310およびシャフト320は、追加的にまたは代替的に、一組のねじ、一組のねじおよびボルト、くさび構造、または2つ以上の構造部品を一緒に機械的に保持するのに適した任意の他の種類の技術によって、一緒に保持することができる。
【0031】
一例では、キャップ310およびシャフト320は、少なくとも部分的に、黄銅または他の同様の材料から作製されることができ、一方、搭載プレート330は、少なくとも部分的に、アルミニウムまたは他の同様の材料から作製されることができる。これらの材料は、高真空または超高真空条件またはシステム、または他の要求の厳しい動作環境で動作できるように、選択されてよい。従って、キャップ310、シャフト320、および搭載プレート330が作製される材料は、ガス放出の少ない材料であってよい。金属やプラスチックの中には、高真空および超高真空システムでの使用に適したものがある。
【0032】
キャップ310およびシャフト320は、
図2の
図200に関連して上述したピエゾ270および/またはキャビティ出力カプラーミラー280を内部に配置することができる密閉空間を有するハウジングを、共に形成するまたは提供する。これは、ロックアセンブリの制御された圧力および対応する周波数応答を可能にする。
【0033】
図4Aおよび4Bは、それぞれ、
図3の
図300の高帯域幅ロックアセンブリの側面図および横断面図を示す、
図400aおよび400bを示す。例えば、
図400a単独は、ロックアセンブリの中央を通る断面A-Aを示す側面図を示し、その詳細は
図400bに記載されており、
図400bでは、キャップ310、シャフト320、および搭載プレート330の配置が示されている。上述したように、いくつかの実施形態では、シャフト320および搭載プレート330は、単一部品または構造に一体化することができる。
【0034】
図400bに示すように、キャップ310は、キャビティ出力カプラーミラー280の上部または表面とキャップ310の内側部分または表面との間に位置決めまたは配置される第1または上部適合性材料(Oリングなど)410に圧力を提供するように、シャフト320上に位置決め(例えば、締め付け)することができる。キャップ310の締め付けは、搭載プレート330の上部または表面とピエゾ270の下部または表面との間に位置決めまたは配置された第2または下部適合性材料(例えば、Oリングなどの機械的ガスケット)420にも圧力を提供する。キャップ310および搭載プレート330は、適合性材料(例えば、Oリングなどの機械的ガスケット)を固定することができる溝を有するように構成することができる。これらの溝は、これらの部品(例えば、
図3参照)の円形形状に適合するように円形構成を有してよいが、本開示は、そのように限定される必要はなく、溝は、円形以外の異なる構成を有してよい。さらに、複数の溝が、複数の適合性材料を収容するのに使用されてよい。
【0035】
上述のように、キャップ310は、ねじ付きキャップとすることができ、シャフト320は、ねじ付きシャフトとすることができ、キャップ310をシャフト320にねじ込むことによって、それらを一緒に保持することができる。そのような例では、キャップ310は、
図400aおよび400bに示されているように、シャフト320の外側に螺合されてよい。他の例では、キャップ310は、軸320の内側に螺合されてよい。
【0036】
図4Aおよび
図4Bに示される異なる部品または構造に使用される材料は、それらが高真空または超高真空条件またはシステムで作動できるように、選択されてよい。従って、キャップ310、シャフト320、搭載プレート330、適合性材料410および420、キャビティ出力カプラーミラー280、および/またはピエゾ270は、好ましくは、ガス放出の少ない材料から作製される。
【0037】
キャップ310およびシャフト320を用いてロックアセンブリを適切な圧力まで加圧することにより、固有共振のゲインを減少させ、それらの周波数を増加させることによって、ロックアセンブリの高周波挙動を部分的に可能にする。この圧力に対する不感性は、ロックアセンブリおよび出力光カプラー130の製造性および汎用性にとって利点である。従って、一般に、ロックアセンブリは、広範囲の圧力に無反応であり、広範囲の圧力にわたって動作し、最適な圧力は、例えばマイケルソン干渉計を使用して、または繰返率ロックセットアップに掃引正弦ノイズ源を追加して、広帯域伝達関数測定から決定することができる。
【0038】
図400bに示されるピエゾ270は、中心に開口部を有するリング型圧電アクチュエータとすることができる。キャップ310は、中心に開口部または透明な媒体を有することもでき、従って、キャビティ出力カプラーミラー280および搭載プレート330は、ロックアセンブリ(および従って、出力光カプラー130)に入射する光の少なくとも一部がレーザから結合されることを可能にすることができる。
【0039】
図5は、本開示の態様によるQIPシステム500の例を示す。QIPシステム500は、量子計算システム、量子計算ネットワーク、コンピュータ装置、トラップイオン量子コンピュータなどとも称され得る。一態様では、QIPシステム500は、実施される量子ゲートの忠実度が、例えば、量子ビットとして使用されるトラップされたイオンに適用される調整された安定したレーザ出力を有する能力に依存する、量子計算動作、アルゴリズム、またはシミュレーションを実施または実行するのに使用され得る。QIPシステム500は、
図6のコンピュータ装置600の量子コンピュータ実装に対応し得る。
【0040】
QIPシステム500は、光制御装置520によって一旦イオン化された原子種(例えば、トラップされたイオン)をトラップするイオントラップ570を有するチャンバ550に原子種を提供するソース560を含むことができる。光制御装置520内の光源530は、1つ以上のレーザ源を含むことができ、1つ以上のレーザ源は、原子種のイオン化、原子イオンの制御(例えば、位相制御)、光制御装置51020内の画像システム540内で動作する画像処理アルゴリズムによって監視および追跡することができる原子イオンの蛍光、および/またはレーザキャビティ繰返率調整および高帯域幅安定化に関連して上述したものを含む他の態様に使用することができる。
【0041】
一実施形態では、光制御装置520内の光源530は、1つ以上のレーザを含むことができる。例えば、光源530は、モード同期レーザ535(または何らかの形態のパルスレーザ)と、モード同期レーザ535を制御するモード同期レーザ制御装置537とを含むことができる。モード同期レーザ535は、
図1および
図2に関連して上述したものなどの、出力光カプラーを有することができ、これは、
図3、
図4Aおよび
図4Bに関連して上述したものなどの、キャビティ出力カプラーミラーおよびピエゾをロックするための高周波ロックアセンブリを有することができる。モード同期レーザ制御装置537は、検出およびフィードバック制御を実行して、モード同期レーザ535によって生成される周波数コムスペクトルが量子計算動作に適切であることを確実にするように、構成することができる。代わりに、モード同期レーザ535およびモード同期レーザ制御装置537は、光源530内の他の光源とは別に実装されてよい。モード同期レーザ制御装置537は、出力光制御装置の様々な部品または要素を制御する(例えば、動作自由度を制御する)信号を生成する出力光カプラー制御装置539を含んでよい。さらに、周波数コムスペクトルの検出およびフィードバック制御は、出力光カプラー制御装置539によって追加的にまたは代替的に実行されてよい。
【0042】
画像システム540は、原子イオンがイオントラップ570に供給されている間(例えば、計数のため)、またはイオントラップ570に供給された後(例えば、原子イオン状態を監視するため)、原子イオンを監視するための高解像度イメージャ(例えば、CCDカメラ)を含むことができる。一態様では、画像システム540は、光制御装置520とは別に実装することができるが、しかしながら、画像処理アルゴリズムを使用して原子イオンを検出し、識別し、分類するための蛍光の使用は、光制御装置520と調整する必要があり得る。
【0043】
QIPシステム500は、アルゴリズム部品510も含んでよく、アルゴリズム部品510は、上述の実装を利用する量子アルゴリズム(例えば、量子フーリエ変換(QFT)、量子ゲートのシーケンスを含む量子回路、量子シミュレーション)を実行するために、QIPシステム500の他の部分(図示せず)と共に動作し得る。アルゴリズム部品510は、量子回路、またはその等価物の実装を可能にするために、QIPシステム500の様々な部品(例えば、光制御装置520へ)に命令を提供し得る。すなわち、アルゴリズム部品510は、例えば、イオントラップ570内にトラップされたイオンを量子ビットとして使用して、異なる計算プリミティブを物理的表現にマッピングすることを可能にし得る。
【0044】
ここで
図6を参照すると、本開示の態様による例示的コンピュータ装置600が示されている。コンピュータ装置600は、例えば、単一のコンピューティング装置、複数のコンピューティング装置、分散コンピューティングシステム、またはコンピューティングネットワークの少なくとも一部を、表すことができる。コンピュータ装置600は、量子コンピュータ、古典的コンピュータ、または量子および古典的計算機能の組合せとして、構成されてよい。
【0045】
一例では、コンピュータ装置600は、本明細書で説明する特徴のうちの1つ以上に関連する処理機能を実行するためのプロセッサ610を含んでよい。プロセッサ610は、単一または複数組のプロセッサまたはマルチコアプロセッサを含んでよい。さらに、プロセッサ610は、統合処理システムおよび/または分散処理システムとして実施されてよい。プロセッサ610は、中央処理装置(CPU)、量子処理装置(QPU)、グラフィカル処理装置(GPU)、またはそのような種類のプロセッサの組み合わせを、含んでよい。一態様では、プロセッサ610は、トラップ(例えば、イオントラップ570)内のトラップされたイオンの鎖または線形結晶を使用して実施されてよい。
【0046】
一例では、コンピュータ装置600は、本明細書で説明する機能を実行するためにプロセッサ610によって実行可能な命令を記憶するためのメモリ620を含んでよい。一実施形態では、例えば、メモリ620は、本明細書で説明する1つ以上の機能または動作を実行するためのコードまたは命令を記憶するコンピュータ可読可能な記憶媒体に対応し得る。一例では、メモリ620は、1つ以上のメモリ量子ビットを含んでよい。
【0047】
さらに、コンピュータ装置600は、本明細書で説明するように、ハードウェア、ソフトウェア、およびサービスを利用して、一人以上の関係者との通信の確立および維持を提供する通信構成要素630を含んでよい。通信構成要素630は、コンピュータ装置600上の部品間で、ならびにコンピュータ装置600と、通信網を介して配置された装置および/またはコンピュータ装置600にシリアルにまたはローカルに接続された装置などの外部装置との間で、通信を搬送し得る。例えば、通信構成要素630は、1つ以上のバスを含んでよく、外部装置とのインターフェースのために動作可能な送信機および受信機にそれぞれ関連する送信チェーン構成要素および受信チェーン構成要素をさらに含んでよい。
【0048】
さらに、コンピュータ装置600は、データストア640を含んでよく、データストア640は、本明細書で説明する実施形態に関連して使用される情報、データベース、およびプログラムのマス・ストレージを提供する、ハードウェアおよび/またはソフトウェアの任意の適切な組み合わせとすることができる。例えば、データストア640は、オペレーティングシステム660(例えば、古典的OS、または量子OS)のためのデータリポジトリであってよい。一実施形態では、データストア940は、メモリ620を含んでよい。
【0049】
コンピュータ装置600は、コンピュータ装置600のユーザから入力を受信するように動作可能であり、ユーザに提示するための出力を生成するようにまたは異なるシステムに(直接的にまたは間接的に)提供するようにさらに動作可能な、ユーザインタフェース構成要素650も、含み得る。ユーザインタフェース構成要素650は、キーボード、ナンバーパッド、マウス、タッチセンシティブディスプレイ、デジタイザ、ナビゲーションキー、ファンクションキー、マイクロフォン、音声認識コンポーネント、ユーザから入力を受信することができる任意の他の機構、またはそれらの任意の組み合わせを含むがこれらに限定されない、1つ以上の入力装置を含み得る。さらに、ユーザインタフェース構成要素650は、ディスプレイ、スピーカ、触覚フィードバック機構、プリンタ、出力をユーザに提示することができる任意の他の機構、またはそれらの任意の組み合わせを含むがこれらに限定されない、1つ以上の出力装置を含み得る。
【0050】
一実施形態では、ユーザインタフェース構成要素650は、オペレーティングシステム660の動作に対応するメッセージを送信および/または受信し得る。さらに、プロセッサ610は、オペレーティングシステム660および/またはアプリケーションまたはプログラムを実行してよく、メモリ620またはデータストア640は、それらを格納し得る。
【0051】
コンピュータ装置600がクラウドベースのインフラストラクチャソリューションの一部として実装されるとき、ユーザインタフェース構成要素650は、クラウドベースのインフラストラクチャソリューションのユーザがコンピュータ装置600と遠隔的に交信することを可能にするのに使用されてよい。
【0052】
コンピュータ装置600の態様は、本明細書で説明される出力光カプラーおよび高周波ロックアセンブリに関連して示される構成要素または構造のうちの1つ以上を実装するおよび/またはそれで実装されることができる。
【0053】
図7は、パルスレーザにおける出力光カプラーを調整する方法700の一例を示すフローチャートである。方法700は、上述のQIPシステム500またはコンピュータ装置600によって実行され得る。方法700は、量子情報処理を含むがそれに限定されない、異なる用途で使用されてよい。
【0054】
ブロック710で、方法700は、トラップイオン量子ビットに関するパルスレーザの周波数コムスペクトルの変化を検出することを含む。一例では、光制御装置520および/またはモード同期レーザ制御装置537は、レーザキャビティの動作の補正を必要とするパルスレーザの出力の変化を監視および検出することができる。
【0055】
ブロック720で、方法700は、検出された変化に基づいて制御信号を生成することを含む。一例では、光制御装置520および/またはモード同期レーザ制御装置537は、モード同期レーザ535に調整のために提供される1つ以上のフィードバック制御信号を生成することができる。
【0056】
ブロック730で、方法700は、出力光カプラーに制御信号を提供し、出力光カプラーは、内部にキャビティ出力カプラーミラーおよび圧電アクチュエータがあるロックアセンブリと、ロックアセンブリに結合された1つ以上の部品(例えば、
図2参照)とを有することを含む。
【0057】
ブロック740で、方法700は、制御信号に基づいて、1つ以上の部品を使用してロックアセンブリの1つ以上の位置自由度を調整し、調整は、パルスレーザの周波数コムスペクトルの調整を可能にすることを、含む。
【0058】
方法700の一態様では、複数の部品は、パルスレーザのキャビティ方向の長さに沿って長手方向移動を提供するように構成されたアクチュエータを有するリニアステージを含み、複数の部品のうちの1つ以上を使用してロックアセンブリの1つ以上の位置自由度を調整することは、リニアステージを調整することを含む。
【0059】
方法700の一態様では、複数の部品は、ロックアセンブリの角度回転を提供するように構成されたアクチュエータを有する回転ステージを含み、複数の部品のうちの1つ以上を使用してロックアセンブリの1つ以上の位置自由度を調整することは、回転ステージを調整することを含む。
【0060】
方法700の一態様では、複数の部品は、ロックアセンブリに角度傾斜を提供するように構成されたアクチュエータを有する先端傾斜ミラーマウントを含み、複数の部品のうちの1つ以上を使用してロックアセンブリの1つ以上の位置自由度を調整することは、先端傾斜ミラーマウントを調整することを含む。
【0061】
方法700の別の態様では、1つ以上の部品は、1つの方向への垂直並進、1つまたは2つの方向への水平並進、またはそれらの組み合わせを提供するように構成されたリニアステージ、1つの方向、2つの方向、または3つの方向への先端傾斜を提供するように構成された先端傾斜ミラーマウント、回転するように構成された回転ステージ、またはそれらの組み合わせ(例えば、
図2参照)を含み、1つ以上の部品を使用してロックアセンブリの1つ以上の位置自由度を調整することは、リニアステージ、先端傾斜ミラーマウント、回転ステージ、またはそれらの組み合わせを調整することを含む。
【0062】
方法700は、様々な用途に関連して使用されてよい。例えば、キャビティ長の調整は、モード同期レーザの繰返率を調整して、抑制されたACシュタルクシフトによる量子ビット操作など、用途でのターゲット特性を可能にする。別の例では、長期間にわたるキャビティ長の安定化は、量子ビット操作のコヒーレンス時間など、対象用途の性能にとって重要であり得る。さらに別の例では、キャビティ長の安定化は、他の櫛歯からなど、オフ共鳴遷移を安定化させ、それが較正および/または補正されることができるようになっている。さらに別の例では、キャビティ長の調整は、他の櫛歯からなど、オフ共鳴遷移を安定化させて周波数空間に位置付け、それが最小化、較正、および/または補正されることができるようになっている。さらに別の例では、キャビティ長の安定化は、(フィードフォワードとは対照的に)全ての櫛歯を安定化させ、フェーズインセンシティブ量子ビット操作など、いくつかの対象用途にとって重要である異なる櫛歯の使用を可能にする。さらに、キャビティ長の調整および安定化は、例えば、離れたモジュール間のコヒーレント量子ビット操作を、可能にすることにより、モジュラー量子コンピュータのスケールアップのために複数のレーザを一緒にロックすることを可能にする。
【0063】
従って、方法700の別の態様では、1つ以上の部品を使用してロックアセンブリの1つ以上の位置自由度を調整することは、抑制されたACシュタルクシフトで量子ビット操作を含む対象量子処理用途における特徴を可能にするために、パルスレーザの繰返率を調整するように出力光カプラーに関連するキャビティ長を調整することを含む。
【0064】
方法700の別の態様では、1つ以上の部品を使用してロックアセンブリの1つ以上の位置自由度を調整することは、量子ビット操作のコヒーレンス時間の安定化を含む対象量子処理用途における特徴を可能にするために、パルスレーザの繰返率を安定化させるように出力光カプラーに関連するキャビティ長を調整することを含む。
【0065】
方法700の別の態様では、1つ以上の部品を使用してロックアセンブリの1つ以上の位置自由度を調整することは、オフ共鳴遷移の較正および/または補正を可能にするために、周波数コムスペクトル内の櫛歯からのオフ共鳴遷移を安定化させるように出力光カプラーに関連するキャビティ長を調整することを含む。
【0066】
方法700の別の態様では、1つ以上の部品を使用してロックアセンブリの1つ以上の位置自由度を調整することは、オフ共鳴周波数の最小化、較正、および/または補正を可能にするために、周波数コムスペクトル内の他の櫛歯からの共鳴周波数を安定化させて位置決めするように出力光カプラーに関連するキャビティ長を調整することを含む。
【0067】
方法700の別の態様では、1つ以上の部品を使用してロックアセンブリの1つ以上の位置自由度を調整することは、フェーズインセンシティブ量子ビット操作を含む対象用途における異なる櫛歯の使用を可能にするために、周波数コムスペクトルにおける全ての櫛歯を安定化させるように出力光カプラーに関連するキャビティ長を調整することを含む。
【0068】
方法700の別の態様では、1つ以上の部品を使用してロックアセンブリの1つ以上の位置自由度を調整することは、モジュラー量子コンピュータにおける離れたモジュール間のコヒーレント量子ビット操作を可能にすることによってモジュラー量子コンピュータをスケールアップするために、パルスレーザを他のレーザにロックするように出力光カプラーに関連するキャビティ長を調整することを含む。
【0069】
本開示は、示された実施形態に従って提供されたが、当業者は、実施形態に変化があることがあり、それらの変化が本開示の範囲内にあることを容易に認識するであろう。従って、添付の「特許請求の範囲」から逸脱することなく、当業者によって多くの修正が行われてよい。