(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-06
(45)【発行日】2023-10-17
(54)【発明の名称】ケーブル支持具
(51)【国際特許分類】
H02G 3/32 20060101AFI20231010BHJP
F16B 2/10 20060101ALI20231010BHJP
F16L 3/10 20060101ALI20231010BHJP
【FI】
H02G3/32
F16B2/10 Z
F16L3/10 A
(21)【出願番号】P 2019079316
(22)【出願日】2019-04-18
【審査請求日】2022-02-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000148276
【氏名又は名称】株式会社浅羽製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100198797
【氏名又は名称】大橋 裕
(72)【発明者】
【氏名】小林 篤生
【審査官】鈴木 大輔
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-074755(JP,A)
【文献】実開昭54-048999(JP,U)
【文献】実開昭52-071119(JP,U)
【文献】特開2013-005706(JP,A)
【文献】特開2004-088833(JP,A)
【文献】実開昭53-099595(JP,U)
【文献】実開昭59-107530(JP,U)
【文献】実公昭42-006442(JP,Y1)
【文献】特開2007-298113(JP,A)
【文献】実開昭51-042609(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16B 2/00-2/26
F16L 3/00-3/26
H02G 3/22-3/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右に突出して形成された係合ガイドリブ、この係合ガイドリブ間において正面側に突出形成され、上面がU字状のケーブル受け部、このケーブル受け部の正面側の中央から外側に突出形成され、留め金部が係合自在の突出部、前記係合ガイドリブと前記ケーブル受け部間において左右に形成された係止穴、から成る固定枠と、左右に突出して形成された指押え部、この指押え部の正面側の中央から下向きに形成され
た下り傾斜となる略台形状の留め金部及びこの留め金部の先端(上底)に設けられた掛止部、前記指押え部の中央から背面方向に向かって形成され、中間にx字状の係止部が形成された押え枠、この押え枠の中間部を覆うように取り付けられた
中空状のプロテクター、から成る弾性ケーブル押え材と、から構成されるケーブル支持具。
【請求項2】
平板状のベース板、このベース板の左右の両端を夫々対向する方向にコ字状に折り曲げて形成された屈曲ガイド、この左右の屈曲ガイド間において、ベース板から正面側に突出形成された滑止部、前記ベース板の上部及び下部に形成されたビス穴、から成る固定具の前記屈曲ガイド間に上方から前記係合ガイドリブを前記滑止部の位置まで挿入して前記固定枠を前記ベース板の正面に取り付けるよう構成される請求項1に記載のケーブル支持具。
【請求項3】
前記係合ガイドリブ及び前記固定枠は絶縁体で形成されていること、を特徴とする請求項1又は2に記載のケーブル支持具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケーブルを延長して配線する際に壁面、柱等にケーブルを吊設するようにして固定し、配線するケーブル支持具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のケーブル支持具は、配線の作業性等から簡単に固定作業ができるように、配線経路壁等に沿って取り付けた支持具にワンタッチで押し込むように固定する方式である。
このため、配線作業は比較的簡単にできるが、地震時等において、簡単に外れ易いという欠点がある。
【0003】
例えば、特開2017-55483には、より確実にケーブル保持部の開口部からのケーブルの抜け出しを防止しかつケーブルを十分に安定的に保持できるものとして、ケーブル保持部14が、第1の筒状形成部30と、第1の筒状形成部30よりも長い第2の筒状形成部34と、第1/2の筒状形成部30,34の先端部の対向面間によって画成される開口部38と、第1の筒状形成部30の先端部に設けられた抜止突起40と、第2の筒状形成部34の先端部に設けられかつ第2の筒状形成部34の内壁54に連結された第1の押え板部56と、第2の筒状形成部34の内壁54から第1の筒状形成部30に向かって突出された第2の押え板部58と、を備え、開口部38を通じてケーブル78が第1の押え板部56と第2の押え板部58の間に挟持された状態で、開口部38とケーブル78の間に抜止突起40が配設されるように構成したケーブル固定具が提案されている。
【0004】
しかし、上記ケーブル固定具は、作業性は改善されているが、地震の大きさによってはケーブルが固定具から外れ易い不安がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、固定作業を簡単に行うことができると共に、地震時の大きな揺れに対して有効なケーブル支持具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、ケーブル支持具において、左右に突出して形成された係合ガイドリブ、この係合ガイドリブ間において正面側に突出形成され、上面がU字状のケーブル受け部、このケーブル受け部の正面側の中央から外側に突出形成され、留め金部が係合自在の突出部、前記係合ガイドリブと前記ケーブル受け部間において左右に形成された係止穴、から成る固定枠と、左右に突出して形成された指押え部、この指押え部の正面側の中央から下向きに形成された下り傾斜となる略台形状の留め金部及びこの留め金部の先端(上底)に設けられた掛止部、前記指押え部の中央から背面方向に向かって形成され、中間にx字状の係止部が形成された押え枠、この押え枠の中間部を覆うように取り付けられた中空状のプロテクター、から成る弾性ケーブル押え材と、から構成されることを特徴とするものである。
【0008】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のケーブル支持具において、平板状のベース板、このベース板の左右の両端を夫々対向する方向にコ字状に折り曲げて形成された屈曲ガイド、この左右の屈曲ガイド間において、ベース板から正面側に突出形成された滑止部、前記ベース板の上部及び下部に形成されたビス穴、から成る固定具の前記屈曲ガイド間に上方から前記係合ガイドリブを前記滑止部の位置まで挿入して前記固定枠を前記ベース板の正面に取り付けるよう構成されること、を特徴とするものである。
【0009】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のケーブル支持具において、前記係合ガイドリブ及び前記固定枠は絶縁体で形成されていること、を特徴とするものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、固定枠及び弾性ケーブル押え材でケーブルを押えるようにして固定しているため、地震の揺れ程度でケーブルは支持具から外れない。
【0011】
また、固定枠及び弾性ケーブル押え材は指先だけで簡単に取り付け及び取り外すことができるため、作業に特別な工具を必要としない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図7】ケーブル支持具の使用状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施例を
図1~
図7に基づいて詳細に説明する。
【実施例1】
【0014】
図1は弾性ケーブル押え材の説明図であり、符号の1は弾性ケーブル押え材、2は指押え部3の中央から下向きに形成された留め金部、3は弾性ケーブル押え材1の左右に水平状に突出した指押え部、4は留め金部2の先端に形成された掛止部、5は指押え部3の中央から背面方向に向かって形成され、中間にx字状の係止部6が形成された押え枠、7は押え枠5の中間部を覆うように取り付けられたプロテクター7である。
【0015】
図5は固定枠の説明図であり、符号の10は固定枠、11は固定枠10の左右に突出して形成された係合ガイドリブ、12は係合ガイドリブ11間において正面側に一体的に突出した上面U字状のケーブル受け部、13は係合ガイドリブ11とケーブル受け部12間において左右に形成された係止穴、14はケーブル受け部12の正面側の中央から外側に突出して形成された下方に掛止部4が係合自在の突出部である。
【0016】
なお、係合ガイドリブ11及び固定枠10はゴム等の絶縁体で形成してもよい。
【0017】
図6は固定具の説明図であり、符号の30は固定具、31は固定枠10と係合するベース板、32は係合ガイドリブ11が上方から挿入自在の屈曲ガイド部、33はビス孔、40は滑止部である。
【0018】
図7は、ケーブル支持具の使用状態を示す説明図であり、先ず固定具30をビス孔33を使用しビス等により壁面に固定した後、係合ガイドリブ11を上方から屈曲ガイド32内に挿入し、固定枠10をベース板31に沿わせながら滑止部40の位置まで下方向にスライドさせて、固定枠10は固定具31に係止される。
【0019】
次に、弾性ケーブル押え材1の係止部6をそれぞれ両側から係止穴13に挿入することにより弾性ケーブル押え材1を固定枠10に係合させた後、ケーブル受け部12と係合するようにケーブル50を矢印aの方向に挿入する。
【0020】
次に、指押え部3を矢印bの方向に指で押し、プロテクター7をケーブル50の外表面に押し当てながら弾性ケーブル押え材1の留め金部2の掛止部4を突出部14に引っ掛けることにより、ケーブル50はケーブル支持具に固定される。
【0021】
また、ケーブル50は、指押え部3を矢印bの方向に指で押し、留め金部2の掛止部4を突出部14から外すことによりプロテクター7の圧着状態から開放され、ケーブル支持具から取り外すことができる。
【符号の説明】
【0022】
1 弾性ケーブル押え材
2 留め金部
3 指押え部
4 掛止部
5 弾性押え枠
6 係止部
7 プロテクター
10 固定枠
11 係合ガイドリブ
12 ケーブル受け部
13 係止穴
14 突出部