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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-06
(45)【発行日】2023-10-17
(54)【発明の名称】ロボット及びロボット用手先部材
(51)【国際特許分類】
   B25J 15/00 20060101AFI20231010BHJP
【FI】
B25J15/00 E
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019116532
(22)【出願日】2019-06-24
(65)【公開番号】P2021000709
(43)【公開日】2021-01-07
【審査請求日】2022-06-06
(73)【特許権者】
【識別番号】518175670
【氏名又は名称】株式会社アットロボティクス
(74)【代理人】
【識別番号】110002789
【氏名又は名称】弁理士法人IPX
(72)【発明者】
【氏名】竹中 司
【審査官】杉山 悟史
(56)【参考文献】
【文献】特開平9-239682(JP,A)
【文献】特開昭61-297089(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第107253189(CN,A)
【文献】特開平9-174481(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25J 1/00 ~ 21/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロボットであって、
ロッド部材と、第1の作用部と、第2の作用部と、を備え、
前記ロッド部材は、予め定められた空間内において、その位置及び/又は姿勢を変位可能に構成され、
前記第1の作用部は、
前記ロッド部材の一端に設けられ、且つ、
対象物に対して第1の作用を付加可能に構成され、
前記第2の作用部は、
前記ロッド部材の他端に設けられ、且つ、
前記対象物に対して前記第1の作用とは異なる第2の作用を付加可能に構成され、
前記ロッド部材が回動することで、前記対象物に対向する前記第1及び第2の作用部の一方を他方に切り替え可能に構成され、
前記ロッド部材が、直線的に延びるロッド本体と、第1のブラケットと、第2のブラケットと、をさらに備え
前記第1のブラケットは、前記ロッド本体の一端に形成され、
前記第2のブラケットは、前記ロッド本体から前記第1のブラケットと同方向に延びるように前記ロッド本体の他端に形成され、
前記第1のブラケットに前記第1の作用部が支持され、
前記第2のブラケットに前記第2の作用部が支持される、
ロボット。
【請求項2】
請求項に記載のロボットにおいて、
前記第1のブラケットと前記第2のブラケットが、前記ロッド本体に対して直角に形成され、前記第1の作用部と前記第2の作用部が、同一軸線上に位置する、
ロボット。
【請求項3】
請求項又は請求項に記載のロボットにおいて、
前記第1の作用部及び/又は前記第2の作用部の駆動源が、前記第1のブラケットと前記第2のブラケットの輪郭内に収まるように前記第1のブラケットと前記第2のブラケットとの間に配設される、
ロボット。
【請求項4】
請求項1~請求項のいずれか一項に記載のロボットにおいて、
前記第1の作用部と前記第2の作用部のいずれかが、前記対象物に関する情報を取得するためセンサ部である、
ロボット。
【請求項5】
ロボット用手先部材であって、
ロボットアームへの取付部と、ロッド部材と、第1の作用部と、第2の作用部と、を備え、
前記ロッド部材は、前記取付部に対して回動自在に構成され、
前記第1の作用部は、
前記ロッド部材の一端に設けられ、且つ、
対象物に対して第1の作用を付加可能に構成され、
前記第2の作用部は、
前記ロッド部材の他端に設けられ、且つ、
前記対象物に対して前記第1の作用とは異なる第2の作用を付加可能に構成され、
前記ロッド部材が回動することで、前記対象物に対向する前記第1及び第2の作用部の一方を他方に切り替え可能に構成され、
前記ロッド部材が、直線的に延びるロッド本体と、第1のブラケットと、第2のブラケットと、をさらに備え
前記第1のブラケットは、前記ロッド本体の一端に形成され、
前記第2のブラケットは、前記ロッド本体から前記第1のブラケットと同方向に延びるように前記ロッド本体の他端に形成され、
前記第1のブラケットに前記第1の作用部が支持され、
前記第2のブラケットに前記第2の作用部が支持される、
ロボット用手先部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動で作業を行うロボットに関する。本発明はまた、ロボットの構成要素となるロボット用手先部材に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、自動で作業を行うロボットにおいては、特許文献1等に記載されているように、対象物に対して所望の作用を付加可能に構成されるエンドエフェクタがロボットアームの先端に設けられ、ロボットアームを多軸的に作動させることで、対象物に対するエンドエフェクタの位置や姿勢が自在に制御可能とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平9-174481号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のロボットにおいては、ロボットに行わせる作業の変更に応じて、個々の作業に適するエンドエフェクタに付け替えるか、又は、作業の種類ごとに別々のロボットを稼働させる等の必要があった。このため、全体としての作業効率が悪かったり、設備費がかさんだりする等の問題があった。
【0005】
そこで、ロボットハンドの先端に作用の異なる複数のエンドエフェクタを予め設けておき、作業の種類に応じてエンドエフェクタを選択的に使用することが考えられる。この場合、作用部としての各エンドエフェクタを、対象物に対して可能な限り簡単な機構で機動的に切り替えることができ、且つ、対象物に対する各エンドエフェクタの位置合わせも簡単且つ確実に行えるように構成することが好ましい。
【0006】
本発明は、かかる事情を鑑みてなされたものであり、対象物に対して異なる作用を付加し得る二つの作用部のそれぞれが、簡単な機構で機動的に切り替え可能であり、且つ、各作用部の対象物への位置合わせが容易且つ確実に行えるロボットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、ロボットであって、ロッド部材と、第1の作用部と、第2の作用部と、を備え、前記ロッド部材は、予め定められた空間内において、その位置及び/又は姿勢を変位可能に構成され、前記第1の作用部は、前記ロッド部材の一端に設けられ、且つ、対象物に対して第1の作用を付加可能に構成され、前記第2の作用部は、前記ロッド部材の他端に設けられ、且つ、前記対象物に対して前記第1の作用とは異なる第2の作用を付加可能に構成され、前記ロッド部材が回動することで、前記対象物に対向する前記第1及び第2の作用部の一方を他方に切り替え可能に構成される、ロボットが提供される。
【0008】
本発明に係るロボットによれば、ロッド部材が回動することで、対象物に対向する第1及び第2の作用部の一方を他方に切り替えることができるので、作用部の切り替えが簡単な機構で機動的に行え、且つ、各作用部の対象物への位置合わせも容易且つ確実に行える、という有利な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明に係るロボットの簡略説明図である。
図2図2Aは、本発明の実施の一形態に係るロボット用手先部材の全体斜視図、図2Bは同側面図である。
図3図3Aは、本発明の他の実施の形態に係るロボット用手先部材の全体斜視図、図3Bは同側面図である。
図4図4Aは、本発明の他の実施の形態に係るロボット用手先部材の全体斜視図、図4Bは同側面図である。
図5図5Aは、本発明の他の実施の形態に係るロボット用手先部材の全体斜視図、図5Bは同側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
【0011】
1.基本構成
まず、図1を参照して、本発明に係るロボット1の基本構成を説明する。図1に示すように、本発明に係るロボット1は、ロボットアーム2と、このロボットアーム2に取付可能に構成されるロボット用手先部材3と、を備える。
【0012】
ロボットアーム2は、それ自体周知の多関節(多軸)のロボットアームであり、制御装置4による自動制御により、先端部2aを三次元的に自在に変位させることができる。ロボットアーム2の先端部2aには、ロボット用手先部材3が取り付けられる。このロボット用手先部材3も、ロボットアーム2と同様に、制御装置4によって自動制御される。
【0013】
ロボット用手先部材3は、ロボットアーム2への取付部5と、ロッド部材6と、第1の作用部7と、第2の作用部8と、を備える。ロボット用手先部材3は、取付部5によってロボットアーム2に取り付けられる。取付部5の具体的な構成は任意である。
【0014】
ロッド部材6は、取付部5に対して回動自在に構成される。すなわち、ロッド部材6の回動駆動源となるモータ9が取付部5に固定され、モータ9の出力軸9a上にロッド部材6が配設される。ロッド部材6は、直線的に延びるロッド本体10を含む。ロッド本体10の長さの略半分の位置に、モータ9の出力軸9aが固着される。そして、ロッド本体10の一端10aに第1の作用部7が設けられ、他端10bに第2の作用部8が設けられる。
【0015】
第1の作用部7は、対象物Aに対して第1の作用を付加可能に構成され、第2の作用部8は、前記対象物Aに対して第1の作用とは異なる第2の作用を付加可能に構成される。第1の作用部7及び第2の作用部8の具体例としては、例えば、対象物Aに対して所定の作業を行うための工具を回転駆動させるスピンドル部、対象物Aを把持するためのグリッパハンド部、対象物Aに関する情報を取得するための、レーザ式又はカメラ式等の適宜の形式のセンサ部等、が挙げられる。ここで、対象物Aに関する情報とは、例えば、対象物Aの存在の有無、対象物Aの位置、対象物Aの性状や形状等、ロボット1が対象物Aに対して作業を行うのに役立つあらゆる情報の中の少なくとも一つをいう。
【0016】
本発明においては、ロッド部材6が回動することで、対象物Aに対向する第1及び第2の作用部7,8の一方を他方に切り替え可能に構成される。具体的には、第1及び第2の作用部7,8の一方7が対象物Aに対向した状態[図1Aの状態]から、ロッド部材6が180度回動することで、第1及び第2の作用部7,8の他方8が対象物Aに対向した状態[図1Bの状態]へと切り替えることができ、作用部7,8のこのような切り替えを必要に応じて適時に行いながら対象物Aへの作業を遂行することができる。
【0017】
本実施の形態によれば、ロッド部材6が回動することで、対象物Aに対向する第1及び第2の作用部7,8の一方を他方に切り替えることができるので、作用部7,8の切り替えが簡単な機構で機動的に行え、且つ、各作用部7,8の対象物Aへの位置合わせも容易且つ確実に行える。特に、ロッド部材6が、直線的に延びるロッド本体10を備え、このロッド本体10が180度回動することで作用部7,8の切り替えが行われるので、全体としての機動性が一層高くなる。
【0018】
2.具体的な態様
次に、図2図5を参照して、本発明の様々な実施の形態を説明する。図2図5において、図1と同一又は均等な部材又は要素については同一の符号を付して、重複する説明を省略する。同様に、図2図5において、互いに同一又は均等な部材又は要素については同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
【0019】
図2図5のロボット用手先部材3-2~3-5は、いずれも、ロボットアームへの取付部5が二股部として形成され、この二股部の基部5aに、ロッド部材6の回動駆動源としてのモータ9が配設されている。
【0020】
また、図2図5のロボット用手先部材3-2~3-5は、ロッド部材6の具体的な構成の点において、図1のものと異なっている。すなわち、図2図5のロボット用手先部材3-2~3-5においては、ロッド部材6が、直線的に延びるロッド本体10に加えて、第1のブラケット11と、第2のブラケット12と、をさらに備える。
【0021】
第1のブラケット11は、ロッド本体10の一端に形成され、第2のブラケット12は、ロッド本体10の他端に形成される。第1のブラケット11と第2のブラケット12は、ロッド本体10から互いに同方向に延びている。そして、第1のブラケット11に第1の作用部7が支持され、第2のブラケット12に第2の作用部8が支持される。
【0022】
図2図5の実施の形態では、ロッド部材6が第1及び第2のブラケット11,12を備えるので、これらのブラケットを利用して、ロッド部材6に対して第1及び第2の作用部7,8を容易に取り付けることができる。また、第1及び第2の作用部7,8をそれぞれ支持する第1及び第2のブラケット11,12が、ロッド本体10から互いに同方向へ延びているので、ロッド部材6の回動による対象物Aへの第1及び第2の作用部7,8の位置合わせがより容易且つ確実に行える。
【0023】
さらに、図2図5の実施の形態では、第1のブラケット11と第2のブラケット12が、ロッド本体10に対して直角に形成され、第1の作用部7と第2の作用部8が、同一の軸線X上に位置する。これにより、ロッド部材が180度回転することにより常に、対象物Aに対向する第1及び第2の作用部7,8の一方を他方に切り替えることができる。よって、作用部7,8の切り替えと作用部7,8の対象物Aへの位置合わせがより一層簡単且つ機動的に行える。
【0024】
図2の実施の形態は、第1の作用部としてスピンドル部13を備え、第2の作用部としてレーザセンサ部14を備える。スピンドル部13は、それ自体公知の構成のものであり、対象物Aに対して所定の作業を行う工具(図示せず)を回転駆動するものである。様々な種類の工具をスピンドル部13の出力軸13aに取り付けて使用することができる。図2の例では、スピンドル部13は、出力軸13aの回転機構を内蔵するケーシング13bと、このケーシング13bに固着され、出力軸13aを回転駆動するモータ13cと、を備え、これらが一体化された状態で第1のブラケット11に取り付けられている。ケーシング13bと出力軸駆動用モータ13cは、同一軸線X上に位置しており、且つ、第1及び第2のブラケット11,12の輪郭内に収まるように、第1及び第2のブラケット11,12同士の間に位置している。このため、ロボット用手先部材3-2がコンパクトとなり、ロッド部材6の円滑な回動にも貢献できる。
【0025】
レーザセンサ部14は、それ自体公知の構成のものであり、第2のブラケット12の外面上に配設され、第2のブラケット12上で前記軸線Xを中心として回動自在である。レーザセンサ部14は、レーザ光軸14aとレーザセンサ14bとを備え、前記軸線X上に位置するレーザ光軸14aを中心として第2のブラケット12上で回動自在である。なお、レーザセンサ部14に加えて、不図示の接触式プローブを設けるようにしてもよい。
【0026】
レーザセンサ部14を回転駆動するモータ14dは、第1のブラケット11と第2のブラケット12の輪郭内に収まるように、第1のブラケット11と第2のブラケット12との間に配設される。このため、レーザセンサ部駆動用モータ14dの配設態様がコンパクトとなり、ロッド部材6の円滑な回動にも貢献できる。図2の例では、レーザセンサ部駆動用モータ14dが、ロッド本体10とスピンドル部13との間に配設されている。なお、図示は省略しているが、レーザセンサ部駆動用モータ14dとレーザセンサ部13とを駆動上連結する伝動部は、第2のブラケット12内に収納されている。
【0027】
図2の実施の形態によれば、ロッド部材6を回動させてスピンドル部13とレーザセンサ部14とを適宜切り替えながら作業を行うことで、レーザセンサ部14によって得た、対象物Aに関する情報を生かしながら、スピンドル部13による作業を進めることができる。
【0028】
図3の実施の形態は、第1の作用部として図2と同様にスピンドル部13を備え、第2の作用部としてカメラセンサ部15を備える。カメラセンサ部15は、それ自体公知の構成のものであり、第2のブラケット12の外面上に配設される。ロッド部材6上において、スピンドル部13とカメラセンサ部15は、同一の軸線X上に位置している。
【0029】
図3の実施の形態においても、ロッド部材6を回動させてスピンドル部13とカメラセンサ部15とを適宜切り替えながら作業を行うことで、カメラセンサ部15によって得た、対象物Aに関する情報を生かしながら、スピンドル部13による作業を進めることができる。
【0030】
なお、図3の実施の形態では、図2のものとは異なり、センサ部15を回転駆動するモータが不要である。このため、図3の例では、第1及び第2のブラケット11,12の長さを図2よりも短く形成してある。
【0031】
図4の実施の形態は、第1の作用部としてグリッパハンド部16を備え、第2の作用部として、図3と同様のカメラセンサ部15を備える。グリッパハンド部16は、それ自体公知の構成のものであり、対象物Aを把持するための一対のフィンガ16a,16bと、フィンガ駆動用のモータ16cと、を一体に備える。一対のフィンガは、固定フィンガ16aと可動フィンガ16bであり、可動フィンガ16bが固定フィンガ16aに対して接近離隔方向へ移動することで、対象物Aを把持したり把持を解除したりする。グリッパハンド部16は、第1のブラケット11の外面上に配設されている。
【0032】
なお、図4の実施の形態では、ロッド部材6において、ロッド本体10の長さが他の実施の形態のものより短く形成されているが、他の実施の形態のものと同様の長さを有するものとしてもよい。
【0033】
図5の実施の形態は、第1の作用部として、図2及び図3と同様のスピンドル部13を備え、第2の作用部として、図4と同様のグリッパハンド部16を備える。図5の実施の形態によれば、ロッド部材6を回動させてスピンドル部13とグリッパハンド部16とを必要に応じて適宜切り替えながら作業を行うことで、対象物Aの加工と対象物Aの把持及び移動等の作業を迅速に切り替え実施することができる。
【0034】
3.効果
このような実施形態によれば、以下の効果を奏することができる。
【0035】
(1)ロッド部材が回動することで、対象物に対向する第1及び第2の作用部の一方を他方に切り替えることができるので、作用部の切り替えが簡単な機構で機動的に行え、且つ、各作用部の対象物への位置合わせも容易且つ確実に行える。
【0036】
(2)ロッド部材が、直線的に延びるロッド本体を備えるので、全体としての機動性が一層高くなる。
【0037】
(3)ロッド部材が第1及び第2のブラケットを備えるので、これらのブラケットを利用して、ロッド部材に対して第1及び第2の作用部を容易に取り付けることができる。また、第1及び第2の作用部をそれぞれ支持する第1及び第2のブラケットが、ロッド本体に対して互いに同方向に延びているので、ロッド部材の回動による対象物への第1及び第2の作用部の位置合わせがより容易且つ確実に行える。
【0038】
(4)ロッド部材が180度回転することにより常に、対象物に対向する第1及び第2の作用部の一方を他方に切り替えることができるので、作用部の切り替えと作用部の対象物への位置合わせがより一層簡単且つ機動的に行える。
【0039】
(5)駆動源の配設態様がコンパクトとなり、ロッド部材の円滑な回動に貢献できる。
【0040】
(6)ロッド部材を回動させて第1の作用部と第2の作用部とを適宜切り替えながら作業を行うことで、センサ部によって得た、対象物に関する情報を生かしながら作業を進めることができる。
【0041】
(7)取付部によってロボットアームに取り付けることにより、上記(1)同様の作用効果を奏する。
【0042】
(8)第1の作用部と第2の作用部が、同一軸線上に配置されることで、2つのエンドエフェクタにおけるロボットの操作のための制御点を同一軸線上に位置させることができる。すなわち、第1の作用部と第2の作用部の位置と姿勢の関係を最小限に抑え、ロボット制御点の座標変換が容易となる。結果として第1の作用部の軌道座標点を、第2の作用部の軌道座標点に変換できる。そして、制御点の切り替えに伴う位置と姿勢の誤差を少なくし精度を向上させることができる。
【0043】
4.結言
すなわち、ロッド部材と、第1の作用部と、第2の作用部と、を備え、前記ロッド部材は、予め定められた空間内において、その位置及び/又は姿勢を変位可能に構成され、前記第1の作用部は、前記ロッド部材の一端に設けられ、且つ、対象物に対して第1の作用を付加可能に構成され、前記第2の作用部は、前記ロッド部材の他端に設けられ、且つ、前記対象物に対して前記第1の作用とは異なる第2の作用を付加可能に構成され、前記ロッド部材が回動することで、前記対象物に対向する前記第1及び第2の作用部の一方を他方に切り替え可能に構成される、ロボットが提供される。
【0044】
また、ロボットアームへの取付部と、ロッド部材と、第1の作用部と、第2の作用部と、を備え、前記ロッド部材は、前記取付部に対して回動自在に構成され、前記第1の作用部は、前記ロッド部材の一端に設けられ、且つ、対象物に対して第1の作用を付加可能に構成され、前記第2の作用部は、前記ロッド部材の他端に設けられ、且つ、前記対象物に対して前記第1の作用とは異なる第2の作用を付加可能に構成され、前記ロッド部材が回動することで、前記対象物に対向する前記第1及び第2の作用部の一方を他方に切り替え可能に構成される、ロボット用手先部材が提供される。
【0045】
最後に、本発明に係る種々の実施形態を説明したが、これらは、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。当該新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。当該実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0046】
1 :ロボット
2 :ロボットアーム
2a :先端部
3 :ロボット用手先部材
3-2 :ロボット用手先部材
4 :制御装置
5 :取付部
5a :基部
6 :ロッド部材
7 :第1の作用部
8 :第2の作用部
9 :モータ
9a :出力軸
10 :ロッド本体
10a :一端
10b :他端
11 :第1のブラケット
12 :第2のブラケット
13 :スピンドル部
13a :出力軸
13b :ケーシング
13c :出力軸駆動用モータ
14 :レーザセンサ部
14a :レーザ光軸
14b :レーザセンサ
14d :レーザセンサ部駆動用モータ
15 :センサ部
16 :グリッパハンド部
16a :固定フィンガ
16b :可動フィンガ
16c :モータ
図1
図2
図3
図4
図5