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特許7362236光センサを保護するための装置、運転支援システム、及び、対応する組み立て方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-06
(45)【発行日】2023-10-17
(54)【発明の名称】光センサを保護するための装置、運転支援システム、及び、対応する組み立て方法
(51)【国際特許分類】
   B60S 1/62 20060101AFI20231010BHJP
   B60R 11/02 20060101ALI20231010BHJP
   G01S 17/93 20200101ALI20231010BHJP
   G01S 7/481 20060101ALI20231010BHJP
【FI】
B60S1/62 120Z
B60R11/02 Z
G01S17/93
G01S7/481 Z
【請求項の数】 14
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2018094751
(22)【出願日】2018-05-16
(65)【公開番号】P2019006376
(43)【公開日】2019-01-17
【審査請求日】2021-04-09
(31)【優先権主張番号】1754334
(32)【優先日】2017-05-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】512092737
【氏名又は名称】ヴァレオ システム デシュヤージュ
【氏名又は名称原語表記】VALEO SYSTEMES D’ESSUYAGE
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100150717
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 和也
(72)【発明者】
【氏名】マルセル、トレブー
(72)【発明者】
【氏名】フレデリック、ブルタグノル
(72)【発明者】
【氏名】ジュゼッペ、グラッソ
【審査官】森本 康正
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-155468(JP,A)
【文献】登録実用新案第3010938(JP,U)
【文献】国際公開第2006/060868(WO,A1)
【文献】特開2008-165093(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2007-0034729(KR,A)
【文献】米国特許第05315333(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60S 1/00 - 1/68
B60R 11/02
G01S 17/93 -17/931
G01S 7/481
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車両(100)のための運転者支援システム(1)の光センサ(13)を保護するための装置(3)であって、前記光センサ(13)が光学素子(14)を備える装置(3)において、前記保護装置(3)が2つの組み立てられた別個のサブアセンブリ(B、C)を含み、
-前記サブアセンブリのうちの第1のサブアセンブリ(B)が回転軸(A1)を中心に回転できるように取り付けられ、この第1のサブアセンブリ(B)は、
・前記光センサ(13)を少なくとも部分的に受けるように構成されるハウジング(6)と、
・前記光センサ(13)の前記光学素子(14)の上流側に配置されるように構成される光学要素(9)と、
を含み、
-前記サブアセンブリのうちの第2のサブアセンブリ(C)が前記第1のサブアセンブリ(B)を回転駆動させるように構成されるアクチュエータ(5)を含み、前記アクチュエータ(5)がステータ(53)とロータ(51)とを備えるモータ(5)であり、
前記モータ(5)は、前記光学センサ(13)の下流側に配置され
前記ロータ(51)の軸方向移動は、前記ハウジング(6)の停止手段によって制限されることを特徴とする装置(3)。
【請求項2】
前記第1のサブアセンブリ(B)によって支持される少なくとも1つの第1の組み立て手段(71)を含む請求項1に記載の装置(3)。
【請求項3】
前記第1のサブアセンブリ(B)の前記ハウジング(6)は、その外周に、周辺スカートなどの少なくとも1つの第1の組み立て手段(71)を有する請求項2に記載の装置(3)。
【請求項4】
前記第2のサブアセンブリ(C)によって支持される少なくとも1つの第2の組み立て手段(73)を含む請求項2又は3に記載の装置(3)。
【請求項5】
前記ロータ(51)が前記少なくとも1つの第2の組み立て手段(73)を備える請求項4に記載の装置(3)。
【請求項6】
前記第2のサブアセンブリ(C)と組み立てられる前記第1のサブアセンブリ(B)をロックするための少なくとも1つの手段(79)を含む請求項1から5のいずれか一項に記載の装置(3)。
【請求項7】
前記光学要素(9)及び前記ハウジング(6)が単一部品を形成する請求項1から6のいずれか一項に記載の装置(3)。
【請求項8】
前記光センサ(13)のホルダ(17)を更に含む請求項1から7のいずれか一項に記載の装置(3)。
【請求項9】
前記モータ(5)が中空である請求項1から8のいずれか一項に記載の装置(3)。
【請求項10】
前記モータ(5)は、前記ステータ(53)に強固に固着される電磁コイル(57)と前記ロータ(51)に強固に固着される磁石(55)とを備えるブラシレスモータである請求項1から9のいずれか一項に記載の装置(3)。
【請求項11】
自動車両(100)のための運転者支援システム(1)であって、前記運転者支援システムが、光学素子(14)を備える光センサ(13)を含む、運転者支援システム(1)において、請求項1から10のいずれか一項に記載の前記光センサ(13)を保護するための装置(3)を更に含むことを特徴とする運転者支援システム(1)。
【請求項12】
請求項1から10のいずれか一項に記載の保護装置(3)を組み立てるためのプロセスにおいて、
-一方では、前記第1のサブアセンブリ(B)が製造されるステップであって、前記第1のサブアセンブリが、
・前記光センサ(13)を少なくとも部分的に受けるように構成されるハウジング(6)と、
・前記光センサ(13)の前記光学素子(14)の上流側に配置されるように構成される光学要素(9)と、
を含む、ステップと、
-他方では、前記第2のサブアセンブリ(C)が製造されるステップであって、前記第2のサブアセンブリが、前記第1のサブアセンブリ(B)を回転駆動させるように構成される前記アクチュエータ(5)を含む、ステップと、
-前記2つのサブアセンブリ(B、C)が組み立てられるステップと、
を備えることを特徴とするプロセス。
【請求項13】
-前記光センサ(13)がホルダ(17)に取り付けられるサブステップと、
-前記光センサ(13)の前記ホルダ(17)が前記第2のサブアセンブリ(C)の前記アクチュエータ(5)の中空要素(51)の内部に配置されるサブステップと、
を備える請求項12に記載のプロセス。
【請求項14】
前記第1のサブアセンブリ(B)及び前記第2のサブアセンブリ(C)は、前記光センサ(13)の前記光軸(15)と平行な方向で互いに組み立てられる請求項13に記載のプロセス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運転者を支援する分野に関し、特に、特定の車両に設置される運転者支援システムに関し、運転者支援システムは、場合により、例えば対物レンズを備える、特に少なくとも1つのレンズを備えるカメラなどの光センサを含む。特に、本発明は、そのような光センサを保護するための装置に関する。また、本発明は、そのような保護装置を組み立てるための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、多くの自動車両には、フロントカメラ、リアカメラ、又は、側方視カメラが備えられる。これらのカメラは、特に、駐車支援システムなどの運転者支援システム、或いは更には、車線逸脱を検出するためのシステムの一部を形成する。
【0003】
後部ウインドスクリーン/窓に当て付いて車両の車室内に設置されて車両の後部ウインドスクリーンを通じて後方を向くカメラが知られている。これらのカメラは、鉱物や有機汚染物質によって引き起こされる外部気候事象や汚れから十分に保護される。しかしながら、車室の内部に設置されるそのようなカメラにおける画角は、特に例えば駐車支援システムにとって最適ではない。これは、それらのカメラによって車両の後方に近接して位置される障害物を見ることができないからである。
【0004】
したがって、このため、運転者支援システムのカメラを例えばフロントバンパー又はリアバンパーの領域或いは車両のフロントナンバープレート又はリアナンバープレートの領域において所望の用途に応じて様々な場所で車両の外部に設置することが好ましい。したがって、この場合、カメラは、その光学素子上に堆積されることにより光学素子の有効性を低下させる場合がある或いは更には光学素子を動作不能にする場合がある有機物又は鉱物汚れの飛散に非常に晒される。特に、雨天時には、雨や埃の飛散が観察され、この飛散は、そのようなカメラを備える運転者支援システムの操作性に多大な影響を及ぼす可能性がある。これらのカメラの光学素子の表面は、光学素子が良好な動作状態のままであることを保証するべく洗浄されなければならない。
【0005】
カメラ上の汚れの堆積に対抗するために、時間の経過とともに堆積される汚染要素を除去するべく、カメラの光学素子を洗浄するための装置、一般的には洗浄液の噴霧器を光学素子に近接して配置することが知られている。しかしながら、これらの噴霧器の使用は、噴霧器が多大な量の洗浄液の使用を要するため、そのような運転者支援システムの動作コストの増大をもたらす。
【0006】
1つの既知の解決策によれば、カメラの保護窓から汚れを取り除くために、カメラの保護窓を振動させるための手段が設けられる。しかしながら、保護窓の振動にもかかわらず、しつこい汚れの塊に対するそのような装置の有効性が制限される場合があることが分かってきた。
【0007】
他の解決策によれば、カメラが保護装置内に配置される。しかしながら、そのような保護装置は、設置するにはあまりにも大きすぎる。知られているように、自動車分野、特に運転者支援システムの分野では、体積を減らすことが常に求められる。
【0008】
最後に、自動車両に設置するためのこれらの保護装置とカメラとの組み立ては最適化されない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、光センサを保護するための代替的な装置を提供して、カメラなどの光センサ上の汚れの堆積を防止できるようにすることにより、前述の欠点を少なくとも部分的に軽減することを提案する。
【0010】
また、本発明は、体積を減少させるとともに、保護装置の組み立てを容易にすることも目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この目的のために、本発明の1つの主題は、自動車両のための運転者支援システムの光センサを保護するための装置であって、光センサが光学素子を備える装置において、
保護装置が2つの組み立てられた別個のサブアセンブリを含み、
-これらのサブアセンブリのうちの第1のサブアセンブリが回転軸を中心に回転できるように取り付けられ、この第1のサブアセンブリは、光センサを少なくとも部分的に受けるように構成されるハウジングと、光センサの光学素子の上流側に配置されるように構成される光学要素とを含み、
-サブアセンブリのうちの第2のサブアセンブリが第1のサブアセンブリを回転駆動させるように構成されるアクチュエータを含むことを特徴とする装置である。
【0012】
用語「別個」とは、2つのサブアセンブリが互いに独立して別々に製造され得るという事実を意味するように理解される。2つのサブアセンブリを組み立てることができるようにするインタフェースのみが、2つのサブアセンブリを組み立てることができるように設計されなければならない、又は、2つのサブアセンブリを組み立てることができるようにするのに適していなければならない。アセンブリインタフェースは、アクチュエータ及び/又はハウジングを適切に設計することによって適切にされてもよい。
【0013】
これは、保護装置に取り付けられるようになっている光センサ、すなわち、第1のサブアセンブリによって保護されるべく光学要素の背後に配置されるようになっている光センサに関して柔軟性をもたらす。具体的には、任意のタイプの光センサが第1のサブアセンブリによって収容されてもよく、また、光センサのホルダが第2のサブアセンブリに入り込むように設計されてもよい。
【0014】
更に、第2のサブアセンブリは、第1のサブアセンブリの内部に配置されない。したがって、ハウジングは、アクチュエータも収容するように過大寸法にされる必要がない。
【0015】
最後に、これらの2つのサブアセンブリは、付加的な共通ホルダを必要とせずに、互いに組み立てられて自動車両に設置され得る。
【0016】
光センサを保護するための前記装置は以下の特徴のうちの1つ以上を個別に又は組み合わせて更に有してもよい。すなわち、
-アクチュエータは、ステータとロータとを備えるモータであり、
-前記装置は、第1のサブアセンブリによって支持される及び/又は第2のサブアセンブリによって支持される少なくとも1つの組み立て手段を含み、
-前記装置は、第1のサブアセンブリによって支持される少なくとも1つの第1の組み立て手段を含み、
-第1のサブアセンブリのハウジングは、その外周に、少なくとも1つの第1の組み立て手段を有し、
-ハウジングは、第1の組み立て手段を形成する周辺スカートを有し、
-周辺スカートなどの第1の組み立て手段は、光学要素の反対側に配置され、
-前記装置は、第2のサブアセンブリによって支持される少なくとも1つの第2の組み立て手段を含み、
-前記少なくとも1つの第2の組み立て手段は、前記少なくとも1つの第1の組み立て手段と相互作用するように構成され、
-前記少なくとも1つの第2の組み立て手段は、第2サブアセンブリのアクチュエータの要素の外周に設けられ、
-第2の組み立て手段を支持するアクチュエータの要素はハウジングと対向して配置され、
-前記少なくとも1つの第2の組み立て手段が周辺スロートを含み、
-周辺スロートは、第1の組み立て手段の周辺スカートに対して相補的であり、
-前記アクチュエータは、光学要素の反対側でハウジングと組み立てられ、
-ロータが前記少なくとも1つの第2の組み立て手段を備え、
-前記装置は、第2のサブアセンブリと組み立てられる第1のサブアセンブリをロックするための少なくとも1つの手段を含み、
-ロック手段は、スナップ固着手段、接着結合、溶接、或いは更には、超音波溶接から選択されてもよく、
-光学要素及びハウジングが単一部品を形成し、
-光学要素は、第1のサブアセンブリの回転軸に対して中心付けられて配置され、
-前記装置が光センサのホルダを更に含み、
-モータが中空であり、
-中空モータは、特に給電及び/又は信号の処理のために光センサの相互接続部を受けるように構成され、
-ステータは、光センサのホルダを少なくとも部分的に受けるように中空であり、
-ロータは、光センサのホルダを少なくとも部分的に受けるために中空であり、
-モータは、ステータに強固に固着される電磁コイルと、ロータに強固に固着される磁石とを備えるブラシレスモータであり、
-前記装置が少なくとも2つのベアリングを含み、
-第2のサブアセンブリは、保護装置の固定部と可動部との間に配置される少なくとも2つのベアリングを含み、
-第2のサブアセンブリは、保護装置の固定部と可動部との間、特にモータのステータとロータとの間、又は、ロータと光センサのホルダとの間に配置される少なくとも1つの磁気ベアリングを含む。
【0017】
また、本発明は、光学素子を備える光センサを含む運転者支援システムに関する。本発明によれば、前記システムは、先に規定されるような光センサを保護するための装置を含む。
【0018】
本発明の1つの態様によれば、光学要素が光センサに対して中心付けられて配置される。
【0019】
また、本発明は、先に規定されるような保護装置を組み立てるためのプロセスに関し、このプロセスは、
-一方では、第1のサブアセンブリが製造されるステップであって、前記第1のサブアセンブリが、光センサを少なくとも部分的に受けるように構成されるハウジングと、光センサの光学素子の上流側に配置されるように構成される光学要素とを含む、ステップと、
-他方では、第2のサブアセンブリが製造されるステップであって、前記第2のサブアセンブリが、第1のサブアセンブリを回転駆動させるように構成されるアクチュエータを含む、ステップと、
-2つのサブアセンブリが組み立てられるステップと
を備える。
【0020】
したがって、2つのサブアセンブリを簡単に組み立てることができ、それにより、保護装置を迅速に設置することができる。
【0021】
特に、2つのサブアセンブリは、いつでも互いに組み立てできる状態で受けられ得る。付加的な動作を行なう必要がない。すなわち、例えば、光センサを所定の位置に置くことができる前にモータをハウジング内に配置する必要がなく、また、光学要素をハウジングに固定する必要がない。アセンブリを自動車両に設置することができる前に、2つのサブアセンブリが例えば共通のホルダ内に並べて配置される付加的な作業を行なう必要もない。
【0022】
本発明の1つの態様によれば、前記プロセスは、
-光センサがホルダに取り付けられるサブステップと、
-光センサのホルダが第2のサブアセンブリのアクチュエータの中空要素の内部に配置されるサブステップと、
を備える。
【0023】
本発明の他の態様によれば、第1のサブアセンブリ及び第2のサブアセンブリは、光センサの光軸と平行な方向で互いに組み立てられる。
【0024】
好適には、第1のサブアセンブリ及び第2のサブアセンブリは、光センサの光軸に沿って整列されるように組み立てられる。
【0025】
本発明の他の特徴及び利点は、例示的で非限定的な例として与えられる以下の説明及び添付図面を読むとより明確に分かるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明に係る運転者支援システムを備える自動車両を概略的に示す。
図2a】第1及び第2のサブアセンブリを備える図1の運転者支援システムの光センサを保護するための装置の斜視図である。
図2b図2aの分解図である。
図2c】第2のサブアセンブリが部分的に縦断面である図2aの保護装置の斜視図である。
図3a図2a~図2cの保護装置の部分縦断面図である。
図3b図3aの分解図である。
図4図2a~図3bの保護装置の第2のサブアセンブリの横断面図である。
図5】保護装置の一変形例である。
図6】保護装置の他の変形例である。
図7a図2a~図3bの保護装置を組み立てるステップを示す。
図7b図2a~図3bの保護装置を組み立てるステップを示す。
図7c図2a~図3bの保護装置を組み立てるステップを示す。
図7d図2a~図3bの保護装置を組み立てるステップを示す。
図7e図2a~図3bの保護装置を組み立てるステップを示す。
図7f図2a~図3bの保護装置を組み立てるステップを示す。
図7g図2a~図3bの保護装置を組み立てるステップを示す。
図7h図2a~図3bの保護装置を組み立てるステップを示す。
図7i図2a~図3bの保護装置を組み立てるステップを示す。
【発明を実施するための形態】
【0027】
これらの図において、同一の要素は同じ参照符号を用いて参照される。
【0028】
以下の実施形態は例である。説明は1つ以上の実施形態に言及するが、このことは、それぞれの言及が同じ実施形態に関連すること、又は、特徴が単一の実施形態のみに適用されることを必ずしも意味しない。様々な実施形態の単一の特徴は、他の実施形態をもたらすために組み合わされ又は置き換えられてもよい。
【0029】
説明では、例えば第1の要素又は第2の要素などの特定の要素には添え字が付される。この場合、添え字は、類似しているが同一ではない要素を区別して示すために使用されるにすぎない。この添え字付与は、ある要素の他の要素に対する優先順位を示唆するものではなく、そのような命名は本明細書の範囲から逸脱することなく容易に置き換えられ得る。この添え字付与は、時間的な順序を意味するものでもない。
【0030】
図1は、本発明に係る少なくとも1つの運転者支援システム1を備える自動車両100を示す。
【0031】
運転者支援システム1は、特に、少なくとも1つの光センサ13と、光センサ13を保護するための装置3とを含み、これらは図2a~図3bにおいてより明確に分かる。
【0032】
光センサ13は、例えば、カメラなどの画像捕捉光センサ13である。光センサは、小型フォトダイオードのマトリクスアレイを含むCCD(電荷結合素子)センサ又はCMOSセンサであってもよい。他の変形例によれば、光センサがLIDARセンサであってもよく、LIDARは「光検出及び測距」を表わす。
【0033】
図2a~図3bにおいてより明確に分かるように、光センサ13は光軸15の光学素子14を含む。光学素子14は例えば対物レンズである。対物レンズは、少なくとも1つのレンズ、特に視野及び分解能に応じて複数のレンズ、例えば2~10個のレンズ、一般的には4つ又は5つのレンズ、或いは更には魚眼の場合には10個のレンズを含んでもよい。光学素子14のレンズの少なくとも1つは例えば凸状(湾曲状)であり、その凸面は、例えば、例として魚眼の場合、光センサ13の外側へと向けられる。
【0034】
光センサ13のホルダ17(図2b~図3b)が設けられてもよい。このホルダ17は、光学素子14とは反対側の光センサ13の背後に配置される。
【0035】
図示の実施形態では、光センサ13が保護装置3内に取り付けられるようになっている。より正確には、光センサ13、特にそのホルダ17は、保護装置3内に固定して取り付けられるようになっている。
【0036】
図1に示される例において、保護装置3は、バンパーの領域で車両100の前面に設置される。勿論、変形例として、保護装置3は、車両100の後部、例えばバンパー又はナンバープレートの領域に設置されてもよい。また、保護装置は、例えば車両の側部に、例えばバックミラーの領域に設置されてもよい。
【0037】
保護装置3は、任意の既知の技術を用いて、車両100の任意の要素2に対して、例えば車体の要素に対して、或いは、バンパー、バックミラー、又は、ナンバープレートなどの外部要素に対して固着されてもよい。この目的のために、非包括的に、クリップのシステム、螺合システム、又は、接着結合システムについて言及されてもよい。
【0038】
保護装置
より正確には、図2a~図6を参照すると、保護装置3は、互いに離間されて互いに組み立てられる第1のサブアセンブリB及び第2のサブアセンブリCを含む。言い換えると、2つのサブアセンブリB,Cは、それらが組み立てられるときに保護装置3を形成する。
【0039】
好適には、これらの2つのサブアセンブリB,Cは、光センサ13の光軸15に沿って整列される。
【0040】
第1のサブアセンブリBは、回転軸A1を中心に回転可能に取り付けられる。記載された実施形態によれば、この第1のサブアセンブリBは自動車両100のための付属品4を形成し、その機能は光センサ13を保護することである。第1のサブアセンブリBは、光センサ13を少なくとも部分的に受けるように構成されるハウジング6と、光センサ13の光学素子14の上流側に配置されるように構成される光学要素9とを含む。第1のサブアセンブリBの少なくとも特定の要素は、部分的又は完全に透明であってもよい。
【0041】
第2のサブアセンブリCは、第1のサブアセンブリBを回転駆動するように構成されるアクチュエータ5、より正確にはモータ5を含む。したがって、保護装置3は電動装置である。
【0042】
以下、これらの2つのサブアセンブリB,Cの様々な要素について更に詳しく説明する。
【0043】
第1のサブアセンブリ
光学要素9はハウジング6に対して強固に固着される(図2a~図3b、図5、及び、図6参照)。光学要素9及びハウジング6が単一部品を形成してもよい。或いは、ハウジング6及び光学要素9が2つの別個の強固に固着される部品であってもよい。
【0044】
ハウジング6及び光学要素9は回転軸A1を中心に回転できる。ハウジング6及び光学要素9の回転軸A1は、好適には、光センサ13の光軸15と一致する。
【0045】
より正確には、ハウジング6はモータ5によって回転駆動されるようになっており、これにより、光学要素9を回転駆動させることができる。したがって、光学要素9はハウジング6と共に回転駆動され、それにより、光学要素9を遠心作用によって洗浄できる。
【0046】
好ましくは、ハウジング6は密閉ハウジングである。ハウジング6は、当業者に知られる任意の適した材料から形成されてもよい。
【0047】
光センサ13は、ハウジング6内に少なくとも部分的に取り付けられる。この目的のために、ハウジング6は、光センサ13を受けるように構成される区画室19(図3a及び図3b参照)を含む。より正確には、ハウジング6は、光センサ13のための区画室19を画定する壁21を含む。
【0048】
この壁21は、光学要素9及びハウジング6の回転軸A1に中心付けられてもよい。この例では、壁21が略円筒形の一般的形状を成す。
【0049】
壁21及び光学要素9が単一部品を形成してもよい。変形例として、壁21及び光学要素9が2つの別個の強固に固着される部品であってもよい。特に、壁21の前端は光学要素9に強固に固着される。非限定的な例として、壁21及び光学要素9は、超音波溶接によって強固に固着されてもよい。したがって、ハウジング6及び光学要素9が1つ以上の部品であってもよい。ハウジング6が光学要素9に強固に固着されるため、密閉ユニットが形成され、したがって、この密閉ユニットは、光センサ13を受けるようになっているハウジング6の内部に汚れが入り込むことを防止する。
【0050】
変形例として又は更に加えて、好適には結露を制限するための少なくとも1つの手段が設けられ、以下では、この手段が結露防止手段と称される。そのような結露防止手段はハウジング6に組み込まれてもよい。特に、少なくとも1つの結露防止手段がハウジング6の壁21に配置されてもよい。
【0051】
非限定的な例として、結露防止手段は、少なくとも1つの貫通オリフィス210をハウジング6に、この例では壁21に備えてもよい(図2a~図3b参照)。1つ以上のオリフィス210が穿孔によって形成されてもよい。好ましくは、複数のオリフィス210が設けられる場合、それらのオリフィスはハウジング6の回転軸A1に対して対称的に配置される。
【0052】
図3a及び図3bに示される例では、2つのオリフィス210が設けられ、前記オリフィスはハウジング6の回転軸A1に対して対称に配置される。オリフィス210は、保護装置3が組み立てられたときにハウジング6の内部とハウジング6の外部との間を連通させる。非限定的な例として、各オリフィス210は約5mmの直径を有してもよい。
【0053】
加えて、1つ以上の半透膜211が設けられてもよく、前記膜はそれぞれ少なくとも1つのオリフィス210に配置される。図3a及び図3bには2つの膜211が概略的に示される。各膜211は、例えば接着結合によって或いは更には超音波溶接によって関連するオリフィス210にシール状態で固着されてもよい。これらの膜211は、記載された実施形態では、空気を透過でき、水を透過できない。したがって、1つ以上の膜211は、ハウジング6の内部の空気の循環を促進させる。これにより、光学素子14と光学要素9との間で良好な換気を達成でき、したがって、結露の蓄積が防止される。
【0054】
好適には、より軽量な1つのオリフィス210又は複数のオリフィス210を補償するための少なくとも1つの手段が更に設けられる。図3a及び図3bに示される特定の例では、2つの膜211がハウジング6の回転軸A1に対して対称的に配置され、この対称的な配置によって、ハウジング6の回転中に遠心力に対して重量効果を制限することができる。
【0055】
光学要素9は、それに関する限り、光センサ13の光学素子14を、この光学素子14を損傷させる可能性がある汚れ又は固体破片の想定し得る飛散から保護するようになっている。したがって、光学要素は、光センサ13を保護するための該当する要素、より正確には、光センサ13を保護するためのマスクであり、また、この光学要素9は、外部からもたらされる攻撃、すなわち、水飛散、汚染物質、石の小片に晒されるが、汚染堆積物や水垢にも晒される。
【0056】
保護装置3が車両100(読者は図1も参照されたい)に設置されると、光学素子14及び光学要素9は、好適には、車両100の要素2に設けられる開口から突出する。
【0057】
記載された実施形態では、光学要素9が光センサ13から離間される。
【0058】
この光学要素9は光軸91を有する。
【0059】
光学要素9は保護装置3の前面に配置される。図示の例において、光学要素9は、付属品4の前面に或いは更にはハウジング6の前面に配置される。「ハウジング6の前面」又はより一般的には「保護装置3の前面」という表現は、保護装置3が車両100(読者は図1も参照されたい)に設置されるときに光センサ13がその画像捕捉に関与する道路シーンに面して配置されるようになっている部分を意味するように理解される。一方、「ハウジング6の後部」又は「保護装置3の後部」という表現はそれぞれ、前面と反対側の部分を意味するように理解される。したがって、この後部は、光センサ13がその画像捕捉に関与する道路シーンから最も遠い該当部分である。
【0060】
更に、光学要素9は、光センサ13の上流側、より正確には光学素子14の上流側に配置されるようになっている(図2a~図3b、図5、及び、図6)。本文において、上流側という用語は、光軸15に対して、及び、光センサ13がその画像捕捉に関与する道路シーンに対して規定される。言い換えると、「光学素子14の上流側」という表現は、光学素子14と光センサ13がその画像捕捉に関与する道路シーンとの間に光学要素9が配置される光軸15に沿う位置を意味するように理解される。
【0061】
この光学要素9は、好適には、光学素子14の表面の全てを覆うように寸法付けられる。したがって、光学要素9は光センサ13の視野内に配置される。この目的のために、光学要素9は、光センサ13の有効性を低下させないように透明である。この光学要素9は、ガラス又はポリカーボネイトなどの透明プラスチックから形成されてもよい。
【0062】
光学要素9は、光センサ13に対して中心付けられるように、より正確には光学素子14に対して中心付けられるように配置されてもよい。光学要素9は、その光軸91が光センサ13の光軸15と一致するように配置される。
【0063】
光軸91はこの例では光学要素9の回転軸A1とも一致する。言い換えると、光学要素9は回転軸A1に対して中心付けられて配置されてもよい。
【0064】
光学要素9は特に回転軸A1に対して軸対称であってもよい。
【0065】
記載された実施形態において、光学要素9は、反対側にある内面9a及び外面9bを含む。内面9a及び外面9bは、光センサ13がハウジング6内にあるときに光センサ13の視野内に完全に又は部分的に位置される。
【0066】
内面9a及び外面9bは、光センサ13の光学素子14の視野内で、略平坦であってもよく、又は、完全に平坦であってもよい。
【0067】
変形例として、内面9a及び外面9bは、非球面状或いは更には双曲線状の一般的形状を成してもよい。
【0068】
また、光学素子14と光学要素9との間の結露形成を防止するために、光学要素9の内面9aが好適には防曇性を有する。光学要素9の内面9aは、光センサ13の光学素子14と対向して配置されるようになっている表面である。特に、光学要素9の内面9aは防曇コーティングを有する。
【0069】
変形例として又は更に加えて、光学要素9の内面9a及び/又は外面9bは、以下の特性、すなわち、疎水性、赤外線フィルタ、光触媒性、超疎水性、疎油性、親水性、或いは更には、超親水性、ストーンチップ耐性、或いは更には、汚れの付着を減少させることができるようにする任意の他の表面処理のうちの1つ以上を有してもよい。
【0070】
特に、光学要素9の外面の疎水性により、水がこの外面に付着できないため、任意の水滴が染みを残すことなく外面から流れ出る。これにより、運転者支援システム(G)1の正確な動作に悪影響を及ぼし得る光学要素9上の鉱物又は有機汚染物質の付着及び水垢の存在の可能性を制限できる。好適には、疎水性のペリクルを形成するために、Rain-X(登録商標)タイプの溶液などの液体溶液が光学要素9の外面9b上に堆積されてもよい。
【0071】
これらの例示的な実施形態は、非限定的な例示として与えられる。例えば、当業者は、この外面9bに対する汚れの付着を制限できるようにする他の特性を有する外面9bを有する透明な光学要素9を使用することができる。
【0072】
随意的に、保護装置3の光学要素9は、気象条件が何であっても運転者支援システム1が正しく動作できることを保証し得るようにするべく、例えば除霜抵抗器又は除霜フィラメントなどの一体型の除霜システム又は霜取りシステムを備えてもよい。
第2のサブアセンブリ
【0073】
前述したように、第2のサブアセンブリCは、第1のサブアセンブリBを回転駆動させるためのモータ5を含んでもよい。このために、モータ5は、ハウジング6及び光学要素9を回転駆動させるべくハウジング6に結合される。
【0074】
モータ5は、回転軸A2を中心に回転できるように取り付けられる。回転軸A2は、第1のサブアセンブリBの回転軸A1及び光センサ13の光軸15と一致してもよい。
【0075】
更に、好適には、保護装置3の内部への水蒸気及び/又は他の汚染物の侵入を制限するために、モータ5の後部へのケーブル又はワイヤの通過のための密閉構造が設けられる。
【0076】
モータ5はロータ51及び固定ステータ53を備え、ロータ51は固定ステータ53に対して回転できる。
【0077】
ハウジング6及び光学要素9はモータ5のロータ51に対して強固に固着される。
【0078】
図3a~図5に示される例では、ロータ51がステータ53の周囲に配置される。したがって、ステータ53が内部であり、ロータ51が外部である。更に、図5の例では、ステータ53が光センサ13のホルダ17を形成してもよい。すなわち、ホルダ17及びステータ53が単一部品を形成する。
【0079】
或いは、図6に示すように、ステータ53がロータ51の周囲に配置されてもよい。
【0080】
また、モータ5がハウジング6の後部と組み立てられる。記載された実施形態では、モータ5が光学要素9とは反対側でハウジング6と組み立てられる。したがって、光センサ13を受けるようになっているハウジング6の内部に汚れが入り込むことを防止する密閉ユニットが形成される。
【0081】
更に、この例では、モータ5が光センサ13の延長に配置される。付属品4、光センサ13、及び、モータ5は、この例では、光センサ13の光軸15に沿って整列される。
【0082】
モータ5は好適には中空である。モータは、光センサ13を少なくとも部分的に受けてもよい。特に、図示の構成において、中空モータ5は、光センサ13の後部で、すなわち、光学素子14の反対側で光センサ13のホルダ17を受けてもよい。
【0083】
内部ステータ53及び外部ロータ51を伴う図2b~図3bに示される構成において、ステータ53は、光センサ13のホルダ17を少なくとも部分的に受けてもよい。
【0084】
外部ロータ51及び光学ホルダ17を形成するステータ53を伴う図5に示される構成において、中空ロータ51は、光センサ13のホルダ17を形成するステータ53を少なくとも部分的に受けてもよい。
【0085】
内部ロータ51を伴う図6に示される構成では、内部ロータが光センサ13のホルダ17を少なくとも部分的に受けてもよい。
【0086】
モータ5は、例えば、車両100(読者は図1も参照されたい)の一般的な電気回路に接続される電源によって電力が供給される。
【0087】
モータは、特に、該当する小サイズの電気モータ或いは更には小型電気モータであってもよい。
【0088】
「小サイズの電気モータ」という表現は、本発明の文脈において、その重量が10kg未満或いは更には1kg未満であって特に車両内の機器を作動させるために使用されるステッピングモータ、アクチュエータ、ブラシ付き又はブラシレスDCモータ、非同期モータ又は同期モータを意味するように理解される。
【0089】
「小型電気モータ」という表現は、本発明の文脈において、その重量が200g未満或いは更には100g未満、好ましくは30g~100g、例えば30g~60gのステッピングモータ、アクチュエータ、ブラシ付き又はブラシレスDCモータ、非同期モータ又は同期モータを意味するように理解される。
【0090】
非限定的な例として、モータ5は特にブラシレスモータであってもよい。図2b~図4に示される例において、モータ5は、ロータ51に強固に固着される少なくとも1つの磁石55と、ステータ53に取り付けられる所定数の電磁コイル57、特に少なくとも3つの電磁コイル57とを備える。電磁コイル57は、ロータ51に強固に固着される磁石55を駆動させることができるようにするべく電力が供給されるようになっている。モータ5は、このために、電磁コイル57への電力の供給を制御するための回路59を備える。この制御回路59は、車両100(読者は図1及び図3aも参照されたい)の一般的な電気回路に接続される給電配線ハーネス61に接続されてもよい。
【0091】
モータ5は、1000~50000回転/分、好ましくは5000~20000回転/分、更に一層好ましくは7000~15000回転/分の回転速度を有してもよい。そのような回転速度は、光学要素9上に堆積された任意の汚れを遠心効果によって除去できるようにし、したがって、光センサ13の光学要素14を清潔に保つことができるようにして運転者支援システム1の最適な動作を確保する。
【0092】
したがって、保護装置3は、回転部31とも呼ばれる可動部31と、固定部33とを含む(図3a、図5、又は、図6参照)。
【0093】
可動部31は、モータ5の少なくともロータ51と、ロータ51に強固に固着される少なくとも1つの可動要素、例えば特に付属品4、すなわち、この例ではハウジング6及び光学要素9を備える。
【0094】
固定部33はモータ5の少なくともステータ53を備える。同様に、固定部33は、ステータ53に固着される要素又はホルダを備えてもよい。勿論、要素又はホルダは、ステータ53に直接に固着されてもよく、固着されなくてもよい。この例では、これに限定されないが、電動装置3の固定部33は、光センサ13の固定ホルダ17を含む。この固定ホルダ17は特にステータ53に固着される。光センサ13のホルダ17及びステータ53は、好適には、例えば図3aにおいてより明確に分かるように、制御回路59を給電配線ハーネス61に接続できるようにするべく、それぞれの相補的な開口63,65を含む。
【0095】
更に、保護装置3、特に第2のサブアセンブリCは、とりわけ、1つ以上のベアリング27,28(図2b~図6参照)を備えてもよい。図2b~図6の例では、第2のサブアセンブリCが2つのベアリング27,28を備える。
【0096】
これらのベアリング27,28はそれぞれ、保護装置3の可動部31と固定部33との間に配置される。ベアリング27,28は略環状の一般的形状を成す。加えて、2つのベアリング27,28はモータ5と同心的に配置される。
【0097】
図3a又は図6に示される特定の例を参照すると、ベアリングのうちの一方、例えばベアリング27は、ロータ51と、光センサ13のホルダ17の一部、特に前部との間に配置されてもよい。他方のベアリング、これらの例ではベアリング28は、モータ5のロータ51とステータ53との間に配置される。或いは、ロータ51とステータ53との間に2つのベアリング27,28が配置されてもよい。
【0098】
或いは、ロータ51とステータ53との間に2つのベアリング27,28が配置されてもよい。特に、図5に示される変形実施形態では、光センサ13のホルダ17を形成するロータ51とステータ53との間に2つのベアリング27,28が配置される。
【0099】
図2b~図4に示される例では、ベアリング27,28がボールベアリングであるように示される。勿論、他の変形も考えられる。好適には、ベアリング27,28のうちの少なくとも1つが磁気ベアリングであってもよい。そのような磁気ベアリングは、機械的なベアリングを用いる保護装置3が動作されるときに一般的に発生される騒音や摩擦を回避できるようにする。1つの変形例によれば、一方のベアリングが磁気的であってもよく、また、他方のベアリングがボールベアリングなどの機械的なベアリングであってもよい。他の変形例によれば、電動装置3が単一の磁気ベアリングを備えてもよい。
【0100】
最後に、ベアリング27,28を拘束するためのクリップなどの手段67が設けられてもよい(図2b~図3b参照)。
【0101】
アセンブリ
図2b~図3b、図5及び図6を参照すると、第1のサブアセンブリBを第2のサブアセンブリCと組み立てることができるようにするべく、保護装置3は、第1のサブアセンブリによって支持される及び/又は第2のサブアセンブリによって支持される少なくとも1つの組み立て手段を含む。
【0102】
記載される実施形態において、保護装置3は、第1のサブアセンブリBにより支持される少なくとも1つの第1の組み立て手段71を更に含む。相補的に、保護装置3は、第2のサブアセンブリCにより支持される少なくとも1つの第2の相補的な組み立て手段73を含んでもよい。
【0103】
第1の組み立て手段又はそれぞれの第1の組み立て手段71は、例えば、関連付けられる相補的な第2の相補的組み立て手段73と相互作用するために設けられる。
【0104】
第1の組み立て手段71及び第2の組み立て手段73に関する第1及び第2という用語の使用は、これらの要素を区別して示すことができるようにする。この命名は、1つの組み立て手段の他の組み立て手段に対する優先順位又は依存性を示唆するものではなく、そのような命名は本明細書本文の範囲から逸脱することなく容易に置き換えられ得る。
【0105】
一般に、1つ以上の第1の組み立て手段71及び1つ以上の第2の組み立て手段73は相補的組み立て手段70と呼ばれてもよい。特に、当該相補的組み立て手段70は、一方では第1のサブアセンブリBによって支持され、他方では第2のサブアセンブリCによって支持される。
【0106】
2つのサブアセンブリB,C間の結合は各サブアセンブリB,Cの外周で行なわれてもよい。より正確には、この結合は、円筒形の一般的な形状のハウジング6の外周で、及び、ロータ51の外周で行なわれてもよい。
【0107】
言い換えると、第1のサブアセンブリBのハウジング6は、その周囲に、1つ以上の第1の組み立て手段71を有する。相補的に、第2のサブアセンブリCのロータ51は、その外周に、ハウジング6の1つ以上の組み立て手段71と相互作用するように設けられる1つ以上の第2の組み立て手段73を有する。
【0108】
様々な図示の実施形態において、ハウジング6は、第1の組み立て手段71を形成する周辺スカートを有する。相補的に、ロータ51は、第2の組み立て手段73を形成するとともに2つのサブアセンブリB,Cの組み立て時に周辺スカートを受けるように構成される周辺スロートを有する。以下、周辺スカート及び周辺スロートにはそれぞれ参照符号71,73が付される。
【0109】
第1の組み立て手段71、この例では周辺スカート71は、光学要素9の反対側に配置される。これは、ハウジング6の後部、より一般的には第1のサブアセンブリBの後部に対応する。
【0110】
第2の組み立て手段73、この例では周辺スロートは、ハウジング6と対向して位置されるロータ51の側に配置される。
【0111】
言い換えると、ハウジング6及びロータ51はそれぞれ、2つのサブアセンブリB,Cを組み立てることができるようにする組み立てインタフェースを有する。記載された実施形態では、ハウジング6の周辺スカート71が組み立てインタフェースを形成する。相補的に、周辺スロート73を境界付ける周壁を備えるロータ51の端部75(図2b及び図3bを参照)は、相補的な組み立てインタフェースを形成する。この端部は、該当する縦方向端部又は軸方向端部75である。
【0112】
加えて、2つのサブアセンブリB,C間、すなわち、この例では、ハウジング6とロータ51との間の密閉性は、接着結合によって達成されてもよい。勿論、当業者に知られている任意の他の手段を使用して、2つのサブアセンブリB,C間の密閉性を達成してもよい。
【0113】
更に、ロータ51の軸方向移動を制限できるようにする当接部77などの停止手段が設けられてもよい。この当接部77は、例えば、ハウジング6上の周辺リブによって形成される。図示の例において、周辺スカート71は、この周辺リブ又は当接部77からモータ5の方向に延びる。
【0114】
最後に、第1のサブアセンブリB及び第2のサブアセンブリCを組み立て位置に保持してロックできるようにする少なくとも1つのロック手段79(図2b参照)が設けられてもよい。非限定的な例として、このロックはスナップ固着によって達成されてもよい。この目的のために、周辺スロート73を境界付けるロータ51の壁の対応する開口(図示せず)に係合するように構成されるスナップ固着ラグなどの1つ以上のスナップ固着手段79が設けられてもよい。特に、回転とその後のスナップ固着とから成る複合動作によってロックが達成されるようにしてもよい。
【0115】
変形例として、ロックは、接着結合、溶接、或いは更には、超音波溶接によって達成されてもよい。勿論、当業者に知られている任意の他の手段を用いて、2つのサブアセンブリB,Cが所定の位置にロックされたままとなるようにしてもよい。
【0116】
組み立てプロセス
図7a~図7iを参照すると、図2a~図4に関連して前述したような保護装置3は、以下のステップ、すなわち、
-一方では、第1のサブアセンブリBが製造されるステップと、
-他方では、第2のサブアセンブリが製造されるステップと、
-2つのサブアセンブリB,Cが組み立てられるステップと、
を備える組み立てプロセスを使用して組み立てられてもよい。
【0117】
勿論、前述のような組み立てプロセスは、図5及び図6に示される変形例に適用されてもよい。
【0118】
前述のように、第1のサブアセンブリBは、ハウジング6及び光学要素9が単一部品を形成するように製造されてもよい。
【0119】
第2のサブアセンブリCの製造は、様々な組み立てステップを実施することを含んでもよい。
【0120】
図7aに示されるステップでは、ベアリング28がステータ53の周囲に配置されてもよい。その後、制御回路59がベアリング28の前方でステータ53の周囲に配置されてもよい(図7b参照)。この制御回路59は、その後、給電配線ハーネス61に接続されてもよい。図7cに示される他のステップでは、電磁コイル57がステータ53に固着されてもよい。
【0121】
並行して、これらの様々なステップの前又は後において、ロータ51に、例えばロータ51の内部に(図7d参照)、又は変形例として、内部ロータ51及び外部ステータ53を伴う図6の構成ではロータ51の外部に磁石55が固着されてもよい。
【0122】
次に、ロータ51とステータ53とが組み立てられてもよい。
【0123】
組み立てプロセスの中間ステップでは、光センサ13がホルダ17に取り付けられる。
【0124】
他の中間ステップにおいて、特に2つのサブアセンブリB,Cが組み立てられる前に、光センサ13のホルダ17が第2のサブアセンブリCのモータ5の内部に配置されてもよい(図7g及び図7h)。
【0125】
光センサ13は、特に、第1のサブアセンブリBが第2のサブアセンブリCと組み立てられた後に、第1のサブアセンブリBのハウジング6の内部に配置されてもよく(図7i参照)、第2のサブアセンブリC内に光センサ13のホルダ17が取り付けられる。
【0126】
特に、第1のサブアセンブリB及び第2のサブアセンブリCは、光センサ13の光軸15と平行な方向で互いに組み立てられる。
【0127】
更に、図示の実施形態では、2つのサブアセンブリB,Cが光軸15に沿って整列されるように組み立てられる。
【0128】
最後に、2つのサブアセンブリB,Cは、互いに組み立てられるそれらの位置でロックされてもよい。また、保護装置3を密閉状態にする1つ以上のステップが更に設けられてもよい。
【0129】
勿論、このプロセスのステップの順序が逆にされてもよい。
【0130】
したがって、動作時、アクチュエータ、より正確にはモータ5は、ハウジング6及びハウジング6に強固に固着される光学要素9を光センサ13に対して回転させるように駆動させる。ハウジング6及び光学要素9の回転は、汚れが受ける遠心力による汚れの除去を確保する。したがって、光センサ13の視野は常に制限されずに清浄である。
【0131】
加えて、この保護装置3が容易に組み立てられる2つの別個のサブアセンブリB,Cを成して形成されるという事実は、保護装置3の組み立て及び自動車両100における保護装置の設置を簡略化できる。
図1
図2a
図2b
図2c
図3a
図3b
図4
図5
図6
図7a
図7b
図7c
図7d
図7e
図7f
図7g
図7h
図7i