(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-06
(45)【発行日】2023-10-17
(54)【発明の名称】ストッカ
(51)【国際特許分類】
A47G 29/122 20060101AFI20231010BHJP
G06Q 10/083 20230101ALI20231010BHJP
【FI】
A47G29/122 A
G06Q10/083
(21)【出願番号】P 2019019806
(22)【出願日】2019-02-06
【審査請求日】2022-01-14
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000237271
【氏名又は名称】株式会社FUJI
(74)【代理人】
【識別番号】110000017
【氏名又は名称】弁理士法人アイテック国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西田 淳一
【審査官】木戸 優華
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-276849(JP,A)
【文献】特開2013-126498(JP,A)
【文献】特開2003-041824(JP,A)
【文献】特開2004-180140(JP,A)
【文献】特開2017-147559(JP,A)
【文献】特開2017-022571(JP,A)
【文献】特開平10-232968(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47G 29/122
G06Q 10/083
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品の注文に対して、伝票番号と前記商品の購入者の情報とを関連付けた注文情報を記憶するストッカシステムに用いられ、前記商品としての物品の納品と受取とが可能な収容庫を有するストッカであって、
前記ストッカの周辺を撮像可能なカメラと、
音声入力が可能なマイクロフォンと、
納品者から物品の納品を受けるに際して、前記カメラの撮像により得られた撮像画像中に前記納品者が写っているか否かを判定すると共に前記マイクロフォンに入力される音声に基づいて前記納品者の本人認証を行な
い、本人認証がなされた後に、前記伝票番号の発音を要求するメッセージを出力する制御装置と、
を備え、
前記制御装置は
、
前記納品者を認識するための認識用の画像である配達者検知用画像と前記撮像画像とを比較することにより、前記撮像画像中に前記納品者が写っているか否かを判定
し、
前記マイクロフォンに入力される音声に基づいて伝票番号を認識するストッカ。
【請求項2】
請求項1に記載のストッカであって、
前記制御装置は、前記撮像画像中に納品者が写っていると判定すると、前記納品者が前記収容庫へ物品を納品するための納品用処理を開始し、前記撮像画像中に納品者以外の物体が写っていると判定すると、受取者が前記収容庫から物品を受け取るための受取用処理を開始する、
ストッカ。
【請求項3】
請求項2に記載のストッカであって、
音声案内を行なうスピーカを備え、
前記制御装置は、前記マイクロフォンによる音声入力と前記スピーカによる音声案内とによる音声のやり取りを伴って前記納品用処理または前記受取用処理を進行させる、
ストッカ。
【請求項4】
請求項3に記載のストッカであって、
表示装置を備えないディスプレイレスの装置である、
ストッカ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、ストッカについて開示する。
【背景技術】
【0002】
従来、訪問者をカメラで撮像し、得られた画像データ中に訪問者を識別可能な情報が含まれているか否かを判定し、当該情報が含まれていると判定すると、収納扉を解錠して収容室への預け入れを許容する届け物預かり装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、来訪者により操作部が操作されると、要件を伺う音声メッセージを出力し、来訪者が応答すると、その音声を認識して来訪者の応答種別を判定し、応答種別が「宅配」であった場合には宅配ボックスに荷物の入庫を案内する音声メッセージを出力する宅配ボックスも提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2010-233683号公報
【文献】特開2013-126498号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、収容庫を有するストッカでは、セキュリティを確保するために、納品者(宅配業者)の本人認証を行なうことが望ましい。一方、近年、インターネット通信販売の普及に伴って宅配個数が急増し、納品者の負担が増していることから、物品を収容庫へ納品するに際しては、納品者の負担をできる限り軽減することも望まれる。
【0006】
本開示は、納品者の本人認証を適切に行ないつつ、納品者が収容庫へ物品を納品する際の負担をより軽減することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
【0008】
本開示は、物品の納品と受取とが可能な収容庫を有するストッカであって、前記ストッカの周辺を撮像可能なカメラと、音声入力が可能なマイクロフォンと、納品者から物品の納品を受けるに際して、前記カメラの撮像により得られた撮像画像中に前記納品者が写っているか否かを判定すると共に前記マイクロフォンに入力される音声に基づいて前記納品者の本人認証を行なう制御装置と、を備えることを要旨とする。
【0009】
この本開示のストッカは、収容庫とカメラとマイクロフォンと制御装置とを備える。制御装置は、納品者から物品の納品を受けるに際して、カメラの撮像により得られた撮像画像中に納品者が写っているか否かを判定すると共にマイクロフォンに入力される音声に基づいて納品者の本人認証を行なう。これにより、納品者は、ストッカの前に立ち、本人認証のための音声を発することで、例えばパスワード認識や声紋認識などで本人認証を行なうことにより収容庫へ物品を納品する際の手続きの少なくとも一部とすることができる。この結果、納品者の本人認証を適切に行ないつつ、納品者が収容庫へ物品を納品する際の負担をより軽減することができる。
【0010】
こうした本開示のストッカにおいて、前記制御装置は、前記撮像画像中に前記納品者が写っていると判定すると、前記納品者が前記収容庫へ物品を納品するための納品用処理を開始し、前記撮像画像中に前記納品者以外の物体が写っていると判定すると、受取者が前記収容庫から物品を受け取るための受取用処理を開始するものとしてもよい。こうすれば、来訪者の検知により納品用処理および受取用処理のいずれかを自動で開始させることができる。
【0011】
この場合の本開示のストッカにおいて、音声案内を行なうスピーカを備え、前記制御装置は、前記マイクロフォンによる音声入力と前記スピーカによる音声案内とによる音声のやり取りを伴って前記納品用処理または前記受取用処理を進行させるものとしてもよい。こうすれば、納品者や受取者が行なう手続きを操作部の操作を伴わずに行なうことが可能であり、操作部を省略して構成をより簡素化することができる。
【0012】
さらにこの場合の本開示のストッカにおいて、表示装置を備えないディスプレイレスの装置であるものとしてもよい。こうすれば、構成を更に簡素化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図3】制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。
【
図4】配達者19の認識の様子を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0015】
図1はストッカシステム10の構成図である。
図2はストッカ40の外観斜視図である。ストッカシステム10は、図示するように、販売管理システム20と、複数のストッカ40と、ストッカ40を管理するストッカ管理装置30と、を備える。販売管理システム20と複数のストッカ40とストッカ管理装置30は、インターネットなどのネットワーク11,12に接続されている。
【0016】
販売管理システム20は、購入者14(顧客)に商品17を販売するシステムであり、システムを管理する販売管理装置22を備える。販売管理装置22は、例えば、スーパーなど店舗21に設置され、ネットワーク12を介して購入者14の携帯端末15に対して商品17の販売のためのウェブサイトを提供する。
【0017】
ストッカ40(ストッカ40A,40B)は、オフィスやコンビニエンスストア、工場、駅、学校、マンションなどの様々な場所に設置され、販売管理システム20から配送される商品17の購入者14への受け渡しに用いられる。このストッカ40は、
図1に示すように、前面に開閉可能な扉42を有する複数の箱状の収容庫41と、各収容庫41を制御する制御ユニット50と、を備える。各収容庫41は、
図2に示すように、扉42を施錠・解錠する電子錠43や、扉42の開閉状態を検知する開閉検知センサ44、庫内の物品の有無を検知する物品検知センサ45などを備える。
【0018】
制御ユニット50は、
図2に示すように、制御部51と、記憶部52と、通信部53と、カメラ54と、マイクロフォン55と、スピーカ56と、を備える。制御部51は、ストッカ40全体の制御を司るものであり、CPUやROM,RAM等を含むマイクロプロセッサとして構成される。記憶部52には、各収容庫41を管理するための管理情報が記憶される。この管理情報には、収容庫41ごとに、例えば、収容庫41の使用状況(庫内の物品の有無)や、収容庫41に収容された物品あるいは収容予定の物品の伝票番号、物品を納品するための配達者パスワード、物品を取り出すための購入者パスワードなどが含まれる。通信部53は、ストッカ管理装置30と通信が可能にネットワーク11に接続されている。カメラ54は、ストッカ40の前方の所定範囲を撮像可能に配置されており、商品17を配達に来た配達者19や商品17を受け取りに来た購入者14などの被写体を撮像する。マイクロフォン55は、配達者19や購入者14などの音声を認識するためのものである。スピーカ56は、配達者19が商品17を収容庫41に納品する際の手続きや購入者14が商品17を収容庫41から受け取る際の手続きを案内するための案内用の音声を出力する。
【0019】
ストッカ40は、表示装置を備えないディスプレイレスの装置として構成されている。ストッカ40は、本実施形態では、カメラ54とマイクロフォン55とスピーカ56とを用いて、配達者19が商品17を収容庫41に納品する際の手続きや購入者14が商品17を収容庫41から受け取る際の手続きを行なう。
【0020】
ストッカ管理装置30は、例えば、ストッカシステム10を提供する提供会社に設置されており、ストッカシステム10の管理運営を行う情報処理装置として構成されている。ストッカ管理装置30は、図示しないが、ストッカ管理装置30全体の制御を司る制御部や、各ストッカ40を管理するための各種情報を記憶する記憶部、各ストッカ40の制御ユニット50とネットワーク11を介して通信するための通信部を備える。なお、記憶部には、各ストッカ40を管理するために、各ストッカ40の識別情報や配置場所、各収容庫41の使用状況などの各種情報が記憶される。
【0021】
次に、こうして構成されたストッカシステム10の動作、特に、購入者14の商品17の注文から受取までの動作について説明する。まず、購入者14が商品17を注文する際の動作について説明する。購入者14は、携帯端末15などを操作して店舗21が提供するウェブサイトにアクセスし、希望する商品17を選択すると共に購入者14の情報や受け取りを希望する受取希望先のストッカ40などの情報を入力して、商品17の注文を行なう。商品17の注文が行なわれると、販売管理装置22は、入力された購入者14の情報や受取希望先のストッカ40の情報に伝票番号を付し、これらの情報を注文情報として記憶すると共にストッカ管理装置30へ送信する。これらの情報を受信したストッカ管理装置30は、受取希望先のストッカ40の使用状況から空き収容庫(物品が収容されていない収容庫)を検索して配送先の収容庫41を決定し、決定した配送先の収容庫41の番号を伝票番号と共に配送先のストッカ40の制御ユニット50と販売管理装置22とに送信する。また、ストッカ管理装置30は、商品17を再送先の収容庫41まで配送する配達者19の本人認証を行なうための配達者パスワードや商品17を受け取る購入者14の本人認証を行なうための購入者パスワードを生成し、生成したパスワードを伝票番号と共に配送先のストッカ40と販売管理装置22とに送信する。なお、ストッカ管理装置30は、受取希望先のストッカ40に空きがないと判定すると、空きがない旨の通知を販売管理装置22に送信する。販売管理装置22は、空きがない旨の通知を受けると、その通知を購入者14の携帯端末15に送信し、購入者14に受取希望先のストッカ40を変更させたり、注文のキャンセルを受け付けたりする。販売管理装置22は、ストッカ管理装置30から配送先の収容庫41の番号を受けると、配送先のストッカ40および収容庫41の番号を指定して配達者19に配送を依頼する。配達者19は、配送の依頼を受けると、配送先のストッカ40まで商品17を配送する。
【0022】
次に、配達者19が配送先のストッカ40に商品17を納品する際の動作と、購入者14がストッカ40から商品17を取り出す際の動作とについて説明する。
図3は、ストッカ40の制御ユニット50により実行される制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。
【0023】
制御ルーチンが実行されると、制御ユニット50の制御部51は、まず、カメラ54を駆動してストッカ40の前方を撮像する(ステップS100)。続いて、制御部51は、得られた撮像画像と物体検知用画像および配達者検知用画像とを比較する(ステップS110)。ここで、物体検知用画像は、例えば、商品17を包む段ボール箱や人体を認識するための人体認識用の画像である。また、配達者検知用画像は、例えば、配達者19が属する配達事業者の識別マークや服装(色や模様)などの配達者19の特徴部を認識するための配達者認識用の画像である。配達者19の検知は、本実施形態では、
図4に示すように、カメラ54により撮像された撮像画像中に配達者検知用画像(例えば配達事業者のマーク)が含まれているか否かにより行なわれる。制御部51は、ストッカ40の前方に物体が検知されたか否かを判定し(ステップS120)、物体が検知されたと判定すると、その物体が配達者であるか否かを判定する(ステップS130)。制御部51は、物体が検知されていないと判定すると、ステップS100に戻る。
【0024】
制御部51は、ステップS120において物体が検知され、且つ、ステップS130においてその物体が配達者19であると判定すると、配達者19の本人認証を行なうための配達者パスワード(PW)の発音を要求するメッセージ(例えば、「配達者パスワードを発音して下さい。」などのメッセージ)をスピーカ56から出力する(ステップS140)。そして、制御部51は、マイクロフォン55に入力される音声からパスワードの認識が成功したか否かを判定する(ステップS150)。制御部51は、パスワードの認識が成功しなかったと判定すると、ステップS140に戻って、再度、配達者パスワードの発音を要求するメッセージ(例えば、「もう一度、配達者パスワードを発音して下さい。」などのメッセージ)を出力する。一方、制御部51は、パスワードの認識が成功したと判定すると、認識されたパスワードとストッカ管理装置30から受信した配達者パスワードとが一致するか否かを判定する(ステップS160)。制御部51は、認識されたパスワードが配達者パスワードと一致しなかったと判定すると、ステップS140に戻って、再度、配達者パスワードの発音を要求するメッセージを出力する。
【0025】
制御部51は、認識されたパスワードが配達者パスワードと一致したと判定すると、次に、伝票番号の発音を要求するメッセージ(例えば、「伝票番号を発音して下さい。」などのメッセージ)をスピーカ56から出力する(ステップS170)。そして、制御部51は、マイクロフォン55に入力される音声から伝票番号の認識が成功したか否かを判定する(ステップS180)。制御部51は、伝票番号の認識が成功しなかったと判定すると、ステップS170に戻って、再度、伝票番号の発音を要求するメッセージ(例えば、「もう一度、伝票番号を発音して下さい。」などのメッセージ)を出力する。一方、制御部51は、伝票番号の認識が成功したと判定すると、認識された伝票番号とストッカ管理装置30から受信した伝票番号とが一致するか否かを判定、すなわち伝票番号が有効であるか否かを判定する(ステップS190)。制御部51は、伝票番号が有効でないと判定すると、ステップS170に戻って、再度、伝票番号の発音を要求するメッセージを出力する。一方、制御部51は、伝票番号が有効であると判定すると、対応する番号の空き収容庫41を解錠するよう電子錠43を制御すると共に(ステップS200)、納品を要求するメッセージ(例えば、「商品17を納品して下さい。」)をスピーカ56から出力する(ステップS210)。これにより、配達者19は、解錠された収容庫41の扉42を開けて商品17を納品することができる。そして、制御部51は、商品17の納品が完了するのを待つ(ステップS220)。ここで、納品の完了は、例えば、開閉検知センサ44と物品検知センサ45とを用いて、収容庫41の扉42が閉じられた状態で庫内に物品が有るか否かを判定することにより行なうことができる。制御部51は、商品17の納品が完了したと判定すると、商品17が納品された収容庫41を施錠するよう電子錠43を制御すると共に(ステップS230)、対応する収容庫41の使用状況を物品有り状態とすることで管理情報を更新して(ステップS240)。更新された管理情報は、ストッカ管理装置30へ送信され、ストッカ管理装置30で管理される。ストッカ管理装置30は、受信した管理情報に基づいて配送先のストッカ40に商品17が納品された旨の通知を販売管理装置22に送信する。販売管理装置22は、ストッカ管理装置30から配送先のストッカ40に商品17が納品された旨の通知を受けると、その通知を伝票番号および購入者パスワードと共に購入者14の携帯端末15に送信する。購入者14は、配送先のストッカ40に出向き、伝票番号と購入者パスワードとを入力することにより、ストッカ40から商品17を受け取ることができる。
【0026】
制御部51は、ステップS120において物体が検知されたが、ステップS130においてその物体が配達者19でないと判定すると、来訪者が配達者19でなく購入者14の可能性があると判断し、購入者14が商品17を受け取るための処理を進める。すなわち、制御部51は、購入者パスワードの発音を要求するメッセージ(例えば、「購入者パスワードを発音して下さい。」などのメッセージ)をスピーカ56から出力する(ステップS250)。そして、制御部51は、マイクロフォン55に入力される音声からパスワードの認識が成功したか否かを判定する(ステップS260)。制御部51は、パスワードの認識が成功しなかったと判定すると、ステップS250に戻って、再度、購入者パスワードの発音を要求するメッセージ(例えば、「もう一度、購入者パスワードを発音して下さい。」などのメッセージ)を出力する。一方、制御部51は、パスワードの認識が成功したと判定すると、認識されたパスワードとストッカ管理装置30から受信した購入者パスワードとが一致するか否かを判定する(ステップS270)。制御部51は、認識されたパスワードが購入者パスワードと一致しなかったと判定すると、ステップS250に戻って、再度、購入者パスワードの発音を要求するメッセージを出力する。
【0027】
制御部51は、認識されたパスワードが購入者パスワードと一致したと判定すると、次に、伝票番号の発音を要求するメッセージ(例えば、「伝票番号を発音して下さい。」などのメッセージ)をスピーカ56から出力する(ステップS280)。そして、制御部51は、マイクロフォン55に入力される音声から伝票番号の認識が成功したか否かを判定する(ステップS290)。制御部51は、伝票番号の認識が成功しなかったと判定すると、ステップS280に戻って、再度、伝票番号の発音を要求するメッセージ(例えば、「もう一度、伝票番号を発音して下さい。」などのメッセージ)を出力する。一方、制御部51は、伝票番号の認識が成功したと判定すると、認識された伝票番号に対応する物品がいずれかの収容庫41に収容中であるか否かを判定する(ステップS300)。この判定は、例えば、認識された伝票番号と同じ伝票番号が管理情報に記憶され、且つ、その伝票番号に対応する収容庫41の使用状況が物品有り状態であるか否かを判定することにより行なわれる。制御部51は、認識された伝票番号に対応する物品がいずれの収容庫41にも収容されていないと判定すると、ステップS280に戻って、再度、伝票番号の発音を要求するメッセージ(例えば、もう一度、伝票番号を発音して下さい。」などのメッセージ)を出力する。一方、制御部51は、認識された伝票番号に対応する物品がいずれかの収容庫41に収容中であると判定すると、認識された伝票番号に対応する番号の収容庫41を解錠するよう電子錠43を制御すると共に(ステップS310)、商品17の受取を要求するメッセージ(例えば、「商品を受け取って下さい。」)をスピーカ56から出力する(ステップS320)。これにより、購入者14は、解錠された収容庫41の扉42を開けて商品17を取り出すことができる。そして、制御部51は、商品17の受取が完了するのを待つ(ステップS330)。ここで、受取の完了は、例えば、開閉検知センサ44と物品検知センサ45とを用いて、収容庫41の扉42が閉じられた状態で庫内に物品が無くなったか否かを判定することにより行なうことができる。制御部51は、商品17の受取が完了したと判定すると、商品17が取り出された収容庫41を施錠するよう電子錠43を制御すると共に(ステップS340)、対応する収容庫41の使用状況を物品無し状態とすることで管理情報を更新して(ステップS350)。更新された管理情報は、ストッカ管理装置30へ送信され、ストッカ管理装置30で管理される。これにより、収容庫41の使用状況が空き状態となり、ストッカ管理装置30は、以降、その収容庫41を配送先に指定することが可能となる。
【0028】
ここで、本実施形態の構成要素と本開示の構成要素との対応関係を明らかにする。本実施形態の収容庫41が本開示の収容庫に相当し、カメラ54がカメラに相当し、マイクロフォン55がマイクロフォンに相当し、制御部51が制御装置に相当する。また、スピーカ56がスピーカに相当する。
【0029】
以上説明した本実施形態のストッカ40では、制御部51は、配達者19から商品17の納品を受けるに際して、カメラ54の撮像により得られた撮像画像中に配達者19(納品者)が写っているか否かを判定すると共にマイクロフォン55に入力される音声に基づいて配達者19の本人認証を行なう。これにより、配達者19は、ストッカ40の前に立ち、本人認証のための音声を発することにより、本人認証を受けることができ、ストッカ40の空き収容庫41に商品17を納品することができる。この結果、配達者19の本人認証を適切に行ないつつ、配達者19が収容庫41へ物品を納品する際の負担をより軽減することができる。
【0030】
また、本実施形態のストッカ40では、制御部51は、撮像画像中に配達者19(納品者)が写っていると判定すると、配達者19が収容庫41へ商品17を納品するための手続き(納品用処理)を開始し、撮像画像中に配達者19以外の物体が写っていると判定すると、購入者14が収容庫41から商品17を受け取るための手続き(受取用処理)を開始する。これにより、来訪者を識別して納品用処理および受取用処理のいずれかを自動で開始させることができ、来訪者の手続負担をより軽減することができる。
【0031】
さらに、本実施形態のストッカ40は、音声案内を行なうスピーカ56を備える。そして、制御部51は、マイクロフォン55による音声入力とスピーカ56による音声案内とによる音声のやり取りを伴って手続き(納品用処理や受取用処理)を進行させる。これにより、配達者19や購入者14が行なう手続きを操作部の操作を伴わずに行なうことが可能であり、操作部を省略して構成をより簡素化することができる。加えて、ストッカ40は、表示装置を備えないから、構成を更に簡素化することができ、低コスト化を図ることができる。
【0032】
なお、本開示は上述した各実施形態に何ら限定されることはなく、本開示の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
【0033】
例えば、上述した実施形態では、ストッカ40は、表示装置を備えないものとし、スピーカ56から出力する音声によって配達者19や購入者14に対して必要な手続きを案内するものとした。しかし、ストッカ40は、表示装置を備え、表示装置による画面表示によって必要な手続きを案内してもよい。この場合、ストッカ40は、スピーカ56を備えないものとしてもよい。
【0034】
また、上述した実施形態では、ストッカ40は、配達者19や購入者14が行なう手続きの全てをマイクロフォン55およびスピーカ56による音声のやり取りにより行なうものとした。しかし、ストッカ40は、コードを読み取り可能な読取部を有し、手続きの一部(例えば、伝票番号の入力)を、マイクロフォン55による音声入力に代えて読取部によるコードの読み取りにより行なうものとしてもよい。
【0035】
また、上述した実施形態では、ストッカ40は、配達者19や購入者14から発音されたパスワードを認識することで、配達者19や購入者14の本人認証を行なうものとした。しかし、ストッカ40は、ストッカ管理装置30に配達者19や購入者14の声紋を予め登録しておくことで、ストッカ管理装置30から取得される声紋を用いて配達者19や購入者14の本人認証を行なうようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本開示は、収容庫やストッカの製造産業などに利用可能である。
【符号の説明】
【0037】
10 ストッカシステム、11,12 ネットワーク、14 購入者、15 携帯端末、17 商品、19 配達者、20 販売管理システム、21 店舗、22 販売管理装置、30 ストッカ管理装置、40,40A,40B ストッカ、41 収容庫、42 扉、43 電子錠、44 開閉検知センサ、45 物品検知センサ、50 制御ユニット、51 制御部、52 記憶部、53 通信部、54 カメラ、55 マイクロフォン、56 スピーカ。