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特許7362264コネクタ、および、そのコネクタのコネクタハウジング
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-06
(45)【発行日】2023-10-17
(54)【発明の名称】コネクタ、および、そのコネクタのコネクタハウジング
(51)【国際特許分類】
   H01R 4/2454 20180101AFI20231010BHJP
   H01R 13/58 20060101ALI20231010BHJP
   H01R 13/639 20060101ALI20231010BHJP
   H01R 24/20 20110101ALI20231010BHJP
   H01R 13/41 20060101ALN20231010BHJP
【FI】
H01R4/2454
H01R13/58
H01R13/639 Z
H01R24/20
H01R13/41
【請求項の数】 14
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019030019
(22)【出願日】2019-02-22
(65)【公開番号】P2019149372
(43)【公開日】2019-09-05
【審査請求日】2022-02-15
(31)【優先権主張番号】201820272005.3
(32)【優先日】2018-02-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】508079120
【氏名又は名称】タイコ エレクトロニクス (シャンハイ) カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100100077
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 充
(74)【代理人】
【識別番号】100136010
【弁理士】
【氏名又は名称】堀川 美夕紀
(74)【代理人】
【識別番号】100130030
【弁理士】
【氏名又は名称】大竹 夕香子
(74)【代理人】
【識別番号】100203046
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 聖子
(74)【代理人】
【識別番号】100121533
【弁理士】
【氏名又は名称】佐々木 まどか
(72)【発明者】
【氏名】シュ,チン
(72)【発明者】
【氏名】ツァーン,ホンボー
【審査官】鎌田 哲生
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-332796(JP,A)
【文献】特開2003-217700(JP,A)
【文献】米国特許第04101189(US,A)
【文献】特開2015-232932(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 4/24- 4/46
H01R 12/00-12/91
H01R 13/40-13/72
H01R 24/00-24/86
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの導電端子(10)と、本体部分(21)を備える絶縁ハウジング(20)と、を備えるコネクタ(100)であって、
前記少なくとも1つの導電端子(10)のそれぞれが、
-ベース部分(11)と、
-少なくとも1対の第1の締付け部分(12)と、を備え、
前記少なくとも1対の第1の締付け部分(12)が、前記ベース部分に形成され、その中に挿入されたワイヤを締め付けて接続するように構成されており、
前記絶縁ハウジング(20)は、
-少なくとも2つの隔壁(22)であり、前記2つの隔壁(22)間に取付け溝(23)が形成され、前記導電端子(10)を受け取るように構成されている、少なくとも2つの隔壁(22)と、
-前記2つの隔壁(22)のうちの少なくとも1つにおいて前記取付け溝(23)の一方の端部に形成され、前記2つの隔壁(22)のうちの他方の方へ突出する規制部(26)と、を含み、
前記規制部(26)が、前記ワイヤが前記取付け溝(23)から取り外されるのを防止するために、前記ワイヤの絶縁層に対して剛性が高いように構成されており

前記導電端子(10)の前記ベース部分(11)は、互いに反対側の位置にある2つの第1の縁部(111)および互いに反対側の位置にある2つの第2の縁部(112)を備え、
前記導電端子(10)は、それぞれ前記ベース部分(11)が位置する平面に直交して前記ベース部分(11)の前記第1の縁部(111)から上方へ延びる2対の第1の締付け部分(12)を備えており、
一対の前記第1の締付け部分(12)には、前記導電端子(10)が前記絶縁ハウジング(20)から係合解除されるのを防止するために外方に延びる少なくとも一つの止め部(123)が設けられている、
コネクタ(100)。
【請求項2】
前記取付け溝(23)の前記端部には、第1の挿入スロット(24)が設けられ、
前記第1の挿入スロット(24)の底部が、前記第1の締付け部分(12)の底部と実質上同一平面上にあり、
前記規制部(26)は、前記第1の挿入スロット(24)の2つの対向する側壁に形成されている、
請求項1に記載のコネクタ。
【請求項3】
前記規制部(26)は、前記第1の挿入スロット(24)を通って前記ワイヤの軸方向に延びている、
請求項2に記載のコネクタ。
【請求項4】
前記規制部(26)は、
-傾斜した案内面(261)と、
-前記取付け溝(23)の側壁が位置する平面に実質上直交している規制面(262)と、を含んでいる、
請求項1~3のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項5】
前記取付け溝(23)の側壁には、前記第1の締付け部分(12)を収容して前記導電端子(10)を前記絶縁ハウジング(20)内に保持するように構成された収容溝(25)が形成されている、
請求項1~4のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項6】
記導電端子(10)は、1対の第2の締付け部分(13)をさらに備え、
前記1対の第2の締付け部分(13)は、前記第1の締付け部分(11)の延出方向とは逆方向に前記ベース部分(11)の前記第2の縁部(112)から曲がり、次いで前記第2の縁部(112)に対して平行な方向に互いの方へ斜めに延び、
前記絶縁ハウジング(20)は、前記第1の挿入スロット(24)が位置する前記端部とは反対側の前記取付け溝(23)の他方の端部に配置された第2の挿入スロット(27)をさらに含み、
前記第2の締付け部分(13)間の空間が、前記第2の挿入スロット(27)に連通しており、前記導電端子(10)に嵌合するように構成された相手側導電端子が、前記第2の挿入スロット(27)内へ挿入され、前記第2の締付け部分(13)によって締め付けられる、
請求項2に記載のコネクタ。
【請求項7】
前記1対の第2の締付け部分(13)の端部には、前記相手側導電端子をしっかりと締め付けるために互いの方へ突出する突起(131)が設けられている、
請求項6に記載のコネクタ。
【請求項8】
前記絶縁ハウジング(20)の前記本体部分(21)には、前記ワイヤの挿入方向にロック部分(28)が設けられ、
前記ロック部分(28)は、前記相手側導電端子をロックするように構成されている、
請求項7に記載のコネクタ。
【請求項9】
前記導電端子(10)の前記ベース部分(11)は、一つの平面上に形成されている、
請求項1~8のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項10】
前記第1の締付け部分(12)の中間に、中に挿入された前記ワイヤを締め付けるためにワイヤ締付け溝(121)が設けられている、
請求項1~9のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項11】
前記第1の締付け部分(12)には、前記ワイヤ締付け溝(121)の上端にワイヤ貫通部分(122)が設けられ、
前記ワイヤが前記導電端子(10)内へ挿入されるとき、前記ワイヤ貫通部分(122)は、前記ワイヤの前記絶縁層を貫通して前記ワイヤの導体を露出させ、その結果、前記ワイヤの前記導体が前記導電端子(10)に電気的に接続される、
請求項10に記載のコネクタ。
【請求項12】
前記1対の第1の締付け部分(12)の両側のそれぞれに前記止め部(123)が設けられている、
請求項に記載のコネクタ。
【請求項13】
絶縁層を有するワイヤを保持するように適合されたコネクタハウジング(20)であって、
前記コネクタハウジング(20)は、
本体部分(21)と、
規制部(26)と、を備え、
前記本体部分(21)は、少なくとも2つの隔壁(22)を含み、前記2つの隔壁(22)間に取付け溝(23)が形成され、導電端子(10)を受け取るように構成されており、
前記規制部(26)は、前記2つの隔壁(22)のうちの少なくとも1つにおいて前記取付け溝(23)の一方の端部に形成され、前記2つの隔壁(22)のうちの他方の隔壁(22)の方へ突出し、かつ、
前記規制部(26)は、前記取付け溝(23)からの前記ワイヤの取外しに耐えるために、前記ワイヤの前記絶縁層に対して剛性が高いように構成されているとともに、
前記コネクタハウジング(20)の前記本体部分(21)の第一面には、前記ワイヤの挿入方向にロック部分(28)が設けられ、
前記ロック部分(28)は、前記導電端子(10)に嵌合するように構成された相手側導電端子をロックするように構成されており、
前記本体部分(21)の前記第一面は、前記規制部(26)から離れる側を向いている、
コネクタハウジング。
【請求項14】
前記規制部(26)は、傾斜した案内面(261)と、前記取付け溝(23)の側壁が位置する平面に実質上直交している規制面(262)とを含んでいる、
請求項13に記載のコネクタハウジング。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、中国国家知識産権局に2018年2月26日に出願された中国特許出願第201820272005.3号の利益を主張する。その開示全体が、参照により本明細書に組み込まれている。
【0002】
本開示の実施形態は、コネクタおよびこのコネクタのコネクタハウジングに関し、特にワイヤを電子デバイスに電気的に接続するように適合されたコネクタおよびこのコネクタのコネクタハウジングに関する。
【背景技術】
【0003】
関連技術では、ワイヤは、概してコネクタによって、電気デバイスに電気的に接続される。コネクタは、導電端子および絶縁ハウジングを備え、導電端子および絶縁ハウジング内へワイヤを挿入して、導電端子と絶縁ハウジングとの間の電気的接続を実現する。関連技術では、たとえば、ワイヤが導電端子および絶縁ハウジング内へ挿入されるとき、絶縁ハウジングの規制部が弾性変形して、ワイヤを挿入することを可能にし、次いでこの変形が解放され、規制部はワイヤを保持し、同時に導電端子はワイヤの絶縁層を貫通して、ワイヤの導体との電気的接続を行う。しかし、規制部が弾性変形することを可能にするために、規制部は弾性構造を有する必要がある。この弾性構造により、ハウジングの強度が低減し、したがってワイヤは、ワイヤの挿入方向とは逆方向の力を受けると、ハウジングから容易に取り外される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、上記の問題を解決することができるコネクタおよびこのコネクタのコネクタハウジングを提供することが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示によって解決される技術的な課題は、コネクタおよびこのコネクタのコネクタハウジングを提供することであり、このコネクタハウジングによって、ワイヤを絶縁ハウジング内にしっかりと保持することができる。
【0006】
本開示の一態様によれば、以下の少なくとも1つの導電端子と、絶縁ハウジングとを備えるコネクタが提供される。
<少なくとも1つの導電端子>
少なくとも1つの導電端子は、各導電端子が、
ベース部分、および
少なくとも1対の第1の締付け部分を備える。
少なくとも1対の第1の締付け部分が、ベース部分に形成され、その中に挿入されたワイヤを締め付けて接続するように構成されている。
<絶縁ハウジング>
絶縁ハウジングは、本体部分を備える。
絶縁ハウジングの本体部分は、少なくとも2つの隔壁と、規制部と、を含む。
少なくとも2つの隔壁は、2つの隔壁間に取付け溝が形成され、導電端子を受け取るように構成されている。
規制部は、2つの隔壁のうちの少なくとも1つにおいて取付け溝の一方の端部に形成され、2つの隔壁のうちの他方の方へ突出する。
規制部は、ワイヤが取付け溝から取り外されるのを防止するために、ワイヤの絶縁層に対して剛性を有するように構成される。
【0007】
本開示の例示的な実施形態によれば、取付け溝の端部には、第1の挿入スロットが設けられる。第1の挿入スロットの底部が、第1の締付け部分の底部と実質上同一平面上にあり、規制部は、第1の挿入スロットの2つの対向する側壁に形成される。
【0008】
本開示の例示的な実施形態によれば、規制部は、第1の挿入スロットを通ってワイヤの軸方向に延びる。
【0009】
本開示の例示的な実施形態によれば、規制部は、傾斜した案内面と、取付け溝の側壁が位置する平面に実質上直交している規制面とを含む。
【0010】
本開示の例示的な実施形態によれば、取付け溝の側壁には、第1の締付け部分を収容して導電端子を絶縁ハウジング内に保持するように構成された収容溝が形成される。
【0011】
本開示の例示的な実施形態によれば、ベース部分は、互いに反対側の位置にある2つの第1の縁部および互いに反対側の位置にある2つの第2の縁部を備える。導電端子は、それぞれベース部分が位置する平面に直交してベース部分の第1の縁部から上方へ延びる2対の第1の締付け部分を備える。導電端子は、1対の第2の締付け部分をさらに備える。1対の第2の締付け部分は、第1の締付け部分の延出方向とは逆方向に沿ってベース部分の第2の縁部から曲がり、次いで第2の縁部に対して平行な方向に互いの方へ斜めに延びる。絶縁ハウジングは、第1の挿入スロットが位置する端部とは反対側の取付け溝の他方の端部に配置された第2の挿入スロットをさらに含む。第2の締付け部分間の空間は、第2の挿入スロットに連通しており、導電端子に嵌合するように構成された相手側導電端子が、第2の挿入スロット内へ挿入され、第2の締付け部分によって締め付けられる。
【0012】
本開示の例示的な実施形態によれば、1対の第2の締付け部分の端部には、相手側導電端子をしっかりと締め付けるために互いの方へ突出する突起が設けられる。
【0013】
本開示の例示的な実施形態によれば、絶縁ハウジングの本体部分には、ワイヤの挿入方向にロック部分が設けられ、ロック部分は、相手側導電端子をロックするように構成される。
【0014】
本開示の例示的な実施形態によれば、ベース部分は、互いに反対側の位置にある2つの第1の縁部と、互いに反対側の位置にある2つの第2の縁部と、を備える。導電端子は、それぞれベース部分が位置する平面に直交してベース部分の第1の縁部から上方へ延びる2対の第1の締付け部分を備える。
【0015】
本開示の例示的な実施形態によれば、第1の締付け部分の中間に、中に挿入されたワイヤを締め付けるためにワイヤ締付け溝が設けられる。
【0016】
本開示の例示的な実施形態によれば、第1の締付け部分には、ワイヤ締付け溝の上端にワイヤ貫通部分が設けられる。ワイヤが導電端子内へ挿入されるとき、ワイヤ貫通部分は、ワイヤの絶縁層を貫通してワイヤの導体を露出させ、その結果、ワイヤの導体が導電端子に電気的に接続される。
【0017】
本開示の例示的な実施形態によれば、1対の第1の締付け部分の両側のうちの少なくとも一方には、導電端子が絶縁ハウジングから係合解除されるのを防止するために外方に延びる止め部(stop)が設けられる。
【0018】
本開示の別の態様によれば、絶縁層を有するワイヤを保持するように適合されたコネクタハウジングが提供される。このコネクタハウジングは、(1)少なくとも2つの隔壁を含み、2つの隔壁間に取付け溝が形成され、導電端子を受け取るように構成された本体部分と、(2)2つの隔壁のうちの少なくとも1つにおいて取付け溝の一方の端部に形成され、取付け溝が形成された隔壁とは反対側の2つの隔壁のうちの他方の方へ突出する規制部と、を備える。規制部は、取付け溝からのワイヤの取外しに耐えるために、ワイヤの絶縁層に対して剛性を有するように構成される。
【0019】
本開示の例示的な実施形態によれば、規制部は、傾斜した案内面と、取付け溝の側壁が位置する平面に実質上直交している規制面とを含む。
【0020】
本開示の他の目的および利点は、添付の図面と併せて本開示の以下の説明から明らかになり、本開示の包括的な理解を与えることができる。
【0021】
本開示の上記その他の特徴は、本開示の例示的な実施形態について添付の図面を参照して詳細に説明することによって、より明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本開示の例示的な実施形態によるコネクタを説明するための斜視図である。
図2図1のコネクタを説明するための別の斜視図である。
図3図1のコネクタをさらに説明するための斜視図である。
図4図1のコネクタの導電端子を説明するための斜視図である。
図5図1のコネクタの絶縁ハウジングを説明するための斜視図である。
図6図5の絶縁ハウジングの上面図である。
図7図5の絶縁ハウジングの正面図である。
図8図5の絶縁ハウジングの背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本開示の技術的な解決策について、添付の図面と併せて以下の実施形態を参照してさらに詳細に以下に説明する。本明細書では、同じまたは類似の参照番号が、同じまたは類似の部分を示す。添付の図面を参照する本開示の実施形態の以下の説明は、本開示の概略的な発明の概念について説明することが意図され、本開示に対する限定として解釈されるべきではない。
【0024】
加えて、以下の詳細な説明では、説明の目的で、開示する実施形態の徹底的な理解を提供するために、多数の特有の詳細について記載される。しかし、これらの特有の詳細がなくても1つまたは複数の実施形態を実践することができることが明らかであろう。他の例では、よく知られている構造およびデバイスは、図面を簡略化するために概略的に説明する。
【0025】
本開示の概略的な技術的概念によれば、少なくとも1つの導電端子および絶縁ハウジングを備えるコネクタが提供される。導電端子は、ベース部分および少なくとも1対の第1の締付け部分を備える。少なくとも1対の第1の締付け部分は、ベース部分に形成され、その中に挿入されたワイヤを締め付けて接続するように構成される。絶縁ハウジングは、(1)少なくとも2つの隔壁を含み、2つの隔壁間に取付け溝が形成され、導電端子を受け取るように構成された本体部分と、(2)2つの隔壁のうちの少なくとも1つにおいて取付け溝の一方の端部に形成され、2つの隔壁のうちの他方の方へ突出する規制部と、を備える。規制部は、ワイヤが取付け溝から取り外されるのを防止するために、ワイヤの絶縁層に対して剛性を有するように構成される。
【0026】
図1は、本開示の例示的な実施形態によるコネクタを説明するための斜視図である。図2は、図1のコネクタを説明するための別の斜視図である。図3は、図1のコネクタをさらに説明するための斜視図である。
【0027】
図1図3に示すように、図示の実施形態では、少なくとも1つの導電端子10および絶縁ハウジング20を備えるコネクタ100が提供される。
【0028】
図4は、図1に示したコネクタの導電端子を説明するための斜視図である。
【0029】
例示的な実施形態では、各導電端子10が、単一の導電シート、たとえば銅シートのみから形成される。すなわち、導電端子10が広げられた場合、導電端子10は1片の導電シートである。図4に示すように、図示の実施形態では、導電端子10は、ベース部分11および2対の第1の締付け部分12を備える。ベース部分11は、互いに反対側の位置にある2つの第1の縁部111と、第1の縁部111に直交している互いに反対側の位置にある2つの第2の縁部112とを備える。各対の第1の締付け部分12は、ベース部分11が位置する平面に直交してベース部分11の第1の縁部111から上方へ延び、その中に挿入されたワイヤを締め付けて接続する。
【0030】
図4に示すように、図示の実施形態では、第1の締付け部分12の中間に、中に挿入されたワイヤを締め付けるためにワイヤ締付け溝121が形成される。さらに、第1の締付け部分12には、ワイヤ締付け溝121の上端にワイヤ貫通部分122が設けられる。ワイヤが導電端子10内へ挿入される際、ワイヤ貫通部分122は、ワイヤの絶縁層を貫通してワイヤの導体を露出させ、導体がワイヤ締付け溝121内へさらに挿入されると、導体は導電端子10に電気的に接続される。したがって、ワイヤは導電端子10に電気的に接続される。例示的な実施形態では、1対の第1の締付け部分12の両側のうちの少なくとも一方には、導電端子10が絶縁ハウジング20から係合解除されるのを防止するために外方に延びる止め部123が設けられる。図4に示すように、1対の第1の締付け部分12の両側には、それぞれ止め部123が設けられている。
【0031】
図5は、図1に示したコネクタの絶縁ハウジングを説明するための斜視図である。図6は、図5の絶縁ハウジングの上面図である。図7は、図5の絶縁ハウジングの正面図、図8は、図5の絶縁ハウジングの背面図である。
【0032】
図5図8に示すように、絶縁ハウジング20は、少なくとも2つの隔壁22を含む本体部分21を備える。2つの隔壁22間に取付け溝23が形成され、導電端子10を受け取るように構成される。2つの隔壁22のうちの少なくとも1つにおいて取付け溝23の一方の端部に規制部26が形成され、2つの隔壁のうちの他方の方へ突出する。規制部は、ワイヤの絶縁層に対して剛性を有するように構成され、その結果、ワイヤは規制部26を通過して取付け溝23に入る際に径方向に弾性変形し、ワイヤがワイヤの挿入とは逆方向に引っ張られたとき、取付け溝23内へ挿入されたワイヤが取付け溝23から取り外されるのを防止する。
【0033】
図5に示すように、それぞれ隔壁22の両側で取付け溝23の一方の端部に2つの規制部26が形成され、それによってワイヤがワイヤの挿入とは逆方向に引っ張られたとき、取付け溝23内へ挿入されたワイヤが取付け溝23から取り外されるのを確実に防止する。
【0034】
図5図8に示すように、説明的な実施形態では、取付け溝23には、規制部26が形成されたその一方の端部に第1の挿入スロット24が形成される。規制部26は、第1の挿入スロット24の2つの対向する側壁に形成される。導電端子10が取付け溝23に取り付けられるとき、第1の挿入スロット24の底部が、導電端子10の第1の締付け部分12の底部と実質上同一平面上になる。
【0035】
図5図8に示すように、説明的な実施形態では、規制部26は、第1の挿入スロット24を通ってワイヤの軸方向に延び、したがって規制部26は、ワイヤの絶縁層に対して剛性を示す。好ましくは、規制部26は、規制部26がワイヤの絶縁層に対して剛性を示すのに十分に広い横断面を有する。この配置によって、ワイヤが取付け溝23または第1の挿入スロット24内へ挿入されたとき、規制部26は変形せず、その代わりに、ワイヤの絶縁層が変形して、取付け溝23または第1の挿入スロット24に完全に入り、それによってワイヤに対する規制部26の制限作用を強化する。したがって、ワイヤは、その挿入方向とは逆方向に引っ張られたときに絶縁ハウジングから容易に取り外されることが防止される。
【0036】
図5および図7に示すように、説明的な実施形態では、規制部26は、傾斜した案内面261と、取付け溝23の側壁が位置する平面に実質上直交している規制面262とを含む。ワイヤが取付け溝23または第1の挿入スロット24内へ挿入されるとき、案内面261は、ワイヤを案内して取付け溝23の側壁に沿って摺動させる。挿入力が増大するにつれて、ワイヤの絶縁層が変形して、ワイヤは第1の挿入スロット24に入り、その後、ワイヤの絶縁層は変形から回復し、この時点で、規制面262はワイヤを阻止し、ワイヤが第1の挿入スロット24から離れるのを防止する。
【0037】
図5および図6に示すように、例示的な実施形態では、取付け溝23の側壁には、それぞれ第1の締付け部分12を収容するように構成された収容溝25が設けられる。第1の締付け部分12が収容溝25内に収容されることによって、導電端子10は絶縁ハウジング20内に保持される。さらに、例示的な実施形態では、止め部123が設けられた第1の締付け部分12を収容する絶縁ハウジング20の収容溝25の端部に受取り溝が形成され、導電端子10の止め部123を受け取って導電端子10を絶縁ハウジング20内にしっかりと保持するように構成される。
【0038】
図4に示すように、例示的な実施形態では、導電端子10は、1対の第2の締付け部分13をさらに含む。1対の第2の締付け部分13は、第1の締付け部分12の延出方向とは逆方向にベース部分11の第2の縁部112から曲がり、次いで第2の縁部112に対して平行な方向に互いの方へ斜めに延びる。図5および図7に示すように、例示的な実施形態では、絶縁ハウジング20は、第1の挿入スロット24が位置する端部とは反対側の取付け溝23の他方の端部に配置された第2の挿入スロット27をさらに含む。導電端子10が絶縁ハウジング20内に取り付けられたとき、第2の締付け部分13間の空間は、第2の挿入スロット27に連通している。導電端子10に嵌合するように構成された相手側導電端子を、第2の挿入スロット27内へ挿入して、第2の締付け部分13によって締め付けることができ、したがって導電端子10は、相手側導電端子に電気的に接続される。
【0039】
さらに、図4に示すように、例示的な実施形態では、1対の第2の締付け部分13の端部には、相手側導電端子をしっかりと締め付けるために互いの方へ突出する突起131が設けられる。
【0040】
図5図8に示すように、例示的な実施形態では、絶縁ハウジング20の本体部分21には、ワイヤの挿入方向にロック部分28が設けられ、ロック部分28は、導電端子10に係合した相手側導電端子をロックするように構成される。
【0041】
このようにして、絶縁ハウジング20によって、ワイヤを絶縁ハウジング内にしっかりと保持することができ、ワイヤは、その挿入方向とは逆方向に引っ張られたとき、絶縁ハウジングから取り外されることが防止される。
【0042】
上記の実施形態は例示であることが意図され、当業者であれば上記の実施形態に修正を加えることができ、構造上および原理上矛盾することなく、様々な実施形態に記載する構造を自由に組み合わせることができることを、当業者には理解されたい。
【0043】
本開示について、添付の図面を参照して説明したが、図面に開示する実施形態は、本開示の好ましい実施形態を例示することが意図され、本開示に対する限定と解釈されるべきではない。
【0044】
本開示の概略的な概念のいくつかの実施形態について図示および説明したが、本開示の原理および趣旨から逸脱することなく、これらの実施形態に修正を加えることができ、本開示の範囲は、特許請求の範囲およびその均等物に定義されることが、当業者には理解されよう。
【0045】
「備える」または「含む」という用語は、他の要素またはステップを排除しないものとして理解されるべきであり、「a」または「an」という用語は、複数の要素またはステップを排除しないものとして理解されるべきであることに留意されたい。さらに、特許請求の範囲におけるあらゆる参照番号は、本開示に対する限定と理解されるべきではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8