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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-06
(45)【発行日】2023-10-17
(54)【発明の名称】天板付什器
(51)【国際特許分類】
   A47B 13/00 20060101AFI20231010BHJP
【FI】
A47B13/00 B
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019194333
(22)【出願日】2019-10-25
(65)【公開番号】P2021065521
(43)【公開日】2021-04-30
【審査請求日】2022-08-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000000561
【氏名又は名称】株式会社オカムラ
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【氏名又は名称】鈴木 三義
(72)【発明者】
【氏名】山本 崇之
(72)【発明者】
【氏名】▲崎▼本 隆之
【審査官】神尾 寧
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-238994(JP,A)
【文献】特開平04-117911(JP,A)
【文献】特開平10-094434(JP,A)
【文献】特開平05-220017(JP,A)
【文献】特開2017-190558(JP,A)
【文献】特開平11-093529(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 13/00-13/02
A47B 17/00
A47B 21/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水平方向に離間して配置された一対の脚体と、一対の前記脚体に架設された天板と、前記天板の下方に配置されると共に配線収容領域を有する配線ダクトとを備える天板付什器であって、
前記配線ダクトに対して着脱可能とされると共に前記配線ダクトに装着された装着姿勢にて前記配線収容領域の少なくとも一部を覆うカバー部を備え、
前記配線ダクトが、前記一対の脚体の離間方向に沿って延伸されると共に上面に配線が載置可能な底板と、前記離間方向と直交する水平方向における前記底板の一端から上方に向かって延設された立設片とを有し、
前記カバー部は、前記装着姿勢にて、前記離間方向と直交する水平方向における前記底板の他端に接続された状態で前記立設片と対向配置され、
前記カバー部は、
前記装着姿勢にて表裏面を前記離間方向と直交する水平方向に向けた平板状の基部と、
前記基部の上方に位置して下端が前記基部の上端に接続されると共に上下方向における中央部が前記立設片に向けて膨出するように湾曲された膨出片と
を有する
ことを特徴とする天板付什器。
【請求項2】
前記装着姿勢にて、前記カバー部は、上端が前記立設片の上端よりも前記天板に近接して配置されていることを特徴とする請求項記載の天板付什器。
【請求項3】
前記配線ダクト及び前記カバー部との一方に係合部が設けられると共に他方に被係合部が設けられ、前記被係合部に前記係合部が係合されることで前記カバー部が前記配線ダクトに装着可能とされていることを特徴とする請求項または記載の天板付什器。
【請求項4】
前記配線ダクトが、前記離間方向と直交する水平方向における前記底板の他端から上方に向かって延設されると共に前記立設片よりも上下方向寸法が小さい取付片を有し、
前記カバー部は、前記装着姿勢にて、前記取付片を上下方向から挟持可能な一対の挟持片を有し、
前記取付片が被係合部とされ、一対の前記挟持片が前記係合部とされている
ことを特徴とする請求項記載の天板付什器。
【請求項5】
前記配線ダクトは、前記底板と前記取付片とが鋭角に接続されることで形成される第1角部を有し、
前記第1角部は、前記底板と前記立設片とが接続されることで形成される第2角部よりも下方に位置する
ことを特徴とする請求項記載の天板付什器。
【請求項6】
前記カバー部は、前記膨出片の上端及び下端の少なくとも一方から他方に向けて突出して設けられた突出片を有することを特徴とする請求項いずれか一項に記載の天板付什器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、天板付什器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
オフィスや公共施設等の執務空間内においては、執務者の執務効率を向上させるために什器が設置される場合が一般的となっている。こうした什器の構成としては、離間して配置される複数の脚体と、これらの脚体に架設して設けられた板状の天板とを有したものが一般的となっている。また、近年は電子機器を用いた執務が一般的となってきているため、什器に天板上で使用される電子機器の配線ケーブル等を収容する配線ダクトが設けられているものが多く見られる。例えば特許文献1~3に開示されているように、こうした配線ダクトの取付構造としては、上向きに開口する樋状の配線ダクトを脚体の間に直接的あるいは間接的に架設する構造が多く採用されている。特許文献1~3に示された構造によれば、簡易的な構造でありながら、配線ケーブルや電源タップ等を配線ダクトに安定的かつ確実に収容することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第6019145号公報
【文献】特許第5816897号公報
【文献】特許第5849199号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、配線ダクトは、配線ケーブル等の収容物が配線ダクトから落下することを防止するため、底板を挟むようにして対向配置された一対の背の高い側壁部を有する樋状とされている。このため、配線ケーブル等を配線ダクトに配置する場合には、一方の側壁部を乗り越えるようにして配線ケーブル等を配線ダクトの内部に収容する必要がある。配線ケーブル等の配設作業は、作業者が天板の下方に潜り込んだ姿勢で行う場合も多い。このため、背の高い側壁部を乗り越えるようにして配線ケーブル等を配線ダクトに対して出し入れする作業は、作業者の負担となる。
【0005】
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、天板の下方に配線ダクトが設置された天板付什器において、配線ダクトに対する収容物の出し入れを行う場合の作業性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記課題を解決するための手段として、以下の構成を採用する。
【0007】
第1の発明は、水平方向に離間して配置された一対の脚体と、一対の上記脚体に架設された天板と、上記天板の下方に配置されると共に配線収容領域を有する配線ダクトとを備える天板付什器であって、上記配線ダクトに対して着脱可能とされると共に上記配線ダクトに装着された装着姿勢にて上記配線収容領域の少なくとも一部を覆うカバー部を備えるという構成を採用する。
【0008】
このような第1の発明によれば、配線ダクトの配線収容領域の少なくとも一部が着脱可能なカバー部によって覆われている。このため、カバー部を配線ダクトから取り外すことによって、配線収容領域を大きく露出させることができ、配線ダクトに対する収容物の出し入れを容易に行うことが可能となる。また、配線ダクトにカバー部を装着することで、配線収容領域をカバー部で覆うことができ、配線収容領域に収容された収容物が配線ダクトから脱落することを防止することができる。
【0009】
第2の発明は、上記第1の発明において、上記配線ダクトが、上記一対の脚体の離間方向に沿って延伸されると共に上面に配線が載置可能な底板と、上記離間方向と直交する水平方向における上記底板の一端から上方に向かって延設された立設片とを有し、上記カバー部が、上記装着姿勢にて、上記離間方向と直交する水平方向における上記底板の他端に接続された状態で上記立設片と対向配置されるという構成を採用する。
【0010】
このような第2の発明によれば、配線ダクトにカバー部が装着されることで、配線ダクトの底板を挟んで立設片とカバー部とが対向配置される。このため、配線収容領域が両側から立設片とカバー部とに挟まれることとなり、配線収容領域に収容された収容物が配線ダクトから脱落することを防止することができる。
【0011】
第3の発明は、上記第2の発明において、上記装着姿勢にて、上記カバー部が、上端が上記立設片の上端よりも上記天板に近接して配置されているという構成を採用する。
【0012】
このような第3の発明によれば、装着姿勢のカバー部が配線ダクトよりも天板に近づけて配置される。このため、カバー部と天板との隙間を小さくあるいは無くすことができ、カバー部と天板との間の隙間を介してカバー部側から配線収容領域の収容物が視認されることを防止することができる。
【0013】
第4の発明は、上記第2または第3の発明において、上記配線ダクト及び上記カバー部との一方に係合部が設けられると共に他方に被係合部が設けられ、上記被係合部に上記係合部が係合されることで上記カバー部が上記配線ダクトに装着可能とされているという構成を採用する。
【0014】
このような第4の発明によれば、係合部を被係合部に係合することで、カバー部を配線ダクトに対して簡易的かつ確実に装着することが可能となる。
【0015】
第5の発明は、上記第4の発明において、上記配線ダクトが、上記離間方向と直交する水平方向における上記底板の他端から上方に向かって延設されると共に上記立設片よりも上下方向寸法が小さい取付片を有し、上記カバー部が、上記装着姿勢にて、上記取付片を上下方向から挟持可能な一対の挟持片を有し、上記取付片が被係合部とされ、一対の上記挟持片が上記係合部とされているという構成を採用する。
【0016】
このような第5の発明によれば、カバー部に設けられた挟持片が配線ダクトの取付片を挟持することによって、カバー部が配線ダクトに対して装着される。このため、カバー部を配線ダクトにより強固に取り付けることが可能となり、意図せずにカバー部が配線ダクトから脱離することを防止することができる。
【0017】
第6の発明は、上記第5の発明において、上記配線ダクトが、上記底板と上記取付片とが鋭角に接続されることで形成される第1角部を有し、上記第1角部が、上記底板と上記立設片とが接続されることで形成される第2角部よりも下方に位置するという構成を採用する。
【0018】
このような第6の発明によれば、カバー部が装着される取付片によって形成される第1角部が第2角部よりも下方で鋭角とされている。このため、例えば第1角部が鈍角である場合と比較して、カバー部を第1角部に容易に係合することが可能となる。
【0019】
第7の発明は、上記第2~第6いずれかの発明において、上記カバー部が、上記装着姿勢にて表裏面を上記離間方向と直交する水平方向に向けた平板状の基部と、上記基部の上方に位置して下端が上記基部の上端に接続されると共に上下方向における中央部が上記立設片に向けて膨出するように湾曲された膨出片と、上記膨出片の上端及び下端の少なくとも一方から他方に向けて突出して設けられた突出片とを有するという構成を採用する。
【0020】
このような第7の発明によれば、湾曲された膨出片の内側に作業者が指を挿入し、突出片に指を掛けることで、カバー部を配線ダクトから離脱させる方向に容易に移動させることが可能となる。したがって、カバー部を配線ダクトから脱離する場合の作業性を向上させることが可能となる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、カバー部を配線ダクトから取り外すことによって、配線ダクトに対する収容物の出し入れを容易に行うことが可能となり、配線ダクトにカバー部を装着することで、配線収容領域に収容された収容物が配線ダクトから脱落することを防止することができる。つまり、本発明によれば、天板の下方に配線ダクトが設置された天板付什器において、配線ダクトに対する収容物の出し入れを行う場合の作業性を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の第1実施形態のデスクを備えるデスクユニットの概略構成を示す斜視図である。
図2】本発明の第1実施形態のデスクの概略構成を示す斜視図である。
図3】本発明の第1実施形態のデスクの概略構成を示す分解斜視図である。
図4】本発明の第1実施形態のデスクが備える配線ダクトを含む拡大側面図である。
図5】本発明の第2実施形態のデスクが備える配線ダクトを含む部分分解斜視図である。
図6】本発明の第2実施形態のデスクが備える配線ダクトを含む部分斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
(第1実施形態)
以下、図面を参照して、本発明に係る天板付什器の第1実施形態について説明する。なお、以下の実施形態においては、本発明に係る天板付什器をデスク2として備えるデスクユニット1について説明する。
【0024】
図1は、デスクユニット1の概略構成を示す斜視図である。デスクユニット1は、オフィスや公共施設等の執務空間に設置され、執務者に対して電子機器等を効率的に扱う作業スペースを提供するための什器であり、図1に示すように、デスク2(天板付什器)と、ワゴン3と、クランプ装置4と、照明装置5と、卓上タップ6とを備えている。なお、デスクユニット1は、ワゴン3、クランプ装置4、照明装置5及び卓上タップ6の全てを備える構成を必須とするものではなく、これらのいずれかあるいは複数を備えない構成とすることも可能である。また、デスクユニット1に対して、他のオプション機器等を備えるようにしても良い。さらに、デスク2を単体で使用することも可能である。
【0025】
以下の説明においては、デスクユニット1で執務を行う執務者から見てデスクユニット1の手前側を前、奥側を後、左手側を左、右手側を右と称する。すなわち、図1に示すように、デスク2の後述する一対の脚体10が離間して配列される方向を左右方向、左右方向と直交する水平方向を前後方向とする。また、重力方向(デスク2が載置される床面の法線に沿う方向)を上下方向とする。
【0026】
図2は、デスク2の斜視図である。また、図3は、デスク2の一部を分解した分解斜視図である。デスク2は、執務者が使用する電子機器等を載置可能とする作業面を提供する什器であり、図2及び図3に示すように、一対の脚体10と、天板11と、幕板12と、配線ダクト13と、カバー部14と、縦配線ダクト15とを備えている。
【0027】
各々の脚体10は、4本の直線状のフレームが四角の枠状に連結されてなる枠状フレーム10aと、枠状フレーム10aの下端に接続されたアジャスタ10bを備えている。これらの脚体10は、床面にアジャスタ10bを当接させ、天板11を下方から支持する。これらの一対の脚体10は、図2に示すように、枠状フレーム10a同士を対向させた状態で、左右方向に離間して配置されている。すなわち、本実施形態においては、左右方向が一対の脚体10の離間方向とされている。なお、脚体10は、例えば枠状フレーム10aの開口部を塞ぐパネルを備える構成や、枠状フレーム10aに換えてパネル状フレームを備える構成を採用することも可能である。
【0028】
天板11は、上下方向に表裏面を向けた板状の部材であり、本実施形態においては左右方向を長手方向とし、前後方向を短手方向とする平面視矩形状とされている。この天板11は、左縁下面と右縁下面との各々に脚体10が不図示の締結具等で固定されており、これらの脚体10によって下方から支持されている。このような天板11の上面は、執務者が電子機器等を載置する作業面を形成している。なお、天板11の前後方向の長さ寸法は、脚体10の前後方向の長さ寸法と略同一とされている。
【0029】
幕板12は、一方の脚体10の後端部と、他方の脚体10の後端部とを接続する板状の部材であり、不図示の締結具によって各々の脚体10と固定されている。この幕板12は、脚体10の枠状フレーム10aに直接固定される幕板縦フレーム12aと、幕板縦フレーム12aに支持された幕板パネル12bとを有している。幕板縦フレーム12aは、幕板12の左右端に各々配置されており、不図示の締結具によって枠状フレーム10aに固定されている。幕板パネル12bは、左右端部の各々が幕板縦フレーム12aに固定されたパネル体であり、表裏面を前後方向に向けて配置されている。この幕板パネル12bの上端縁及び下端縁は、前方に向けて折り返されている。
【0030】
図4は、配線ダクト13を含む拡大側面図である。なお、図4では、脚体10を省略して図示している。この図に示すように、幕板12の上部には、幕板12の上端縁が巻回されるようにして3度屈曲されて折り返されることによって形成された折返し部12cが形成されている。この折返し部12cは、下方から配線ダクト13の後述する後方立設片13bの先端部を挿入可能な挿入空間K1を形成している。また、折返し部12cの先端には、前方から後方に向けて挿入空間K1の内部に突出した被係止片12dが設けられている。この被係止片12dは、左右方向に延伸して設けられており、後方立設片13bの上端に設けられた後述する爪部13dを上方から係止可能とされている。
【0031】
また、本実施形態においては、図4に示すように、幕板12の折返し部12cと天板11とが上下方向に離間されることで、天板11と幕板12との間に隙間Sが設けられている。この隙間Sによって、天板11の後方側から配線ダクト13の配線収容領域Rに配線ケーブル等を出し入れすることができる。
【0032】
配線ダクト13は、天板11の下方に配置されており、左右方向に延伸する配線収容領域Rを有している。この配線ダクト13は、図4に示すように、底板13aと、後方立設片13b(立設片)と、前方立設片13c(取付片)とを有している。底板13aは、配線ダクト13の底部を形成しており、配線等の収容物が載置可能な載置面を上方に向けた板状とされている。この底板13aは、左右方向に長い長板状とされており、例えば図3に示すように、幕板12の一方の幕板縦フレーム12aから他方の幕板縦フレーム12aに至る長さ寸法とされている。
【0033】
後方立設片13bは、底板13aの後方側端部(脚体10の離間方向と直交する水平方向における一端)から上方に向けて立設されており、左右方向にて底板13aの後方側端部の全域に設けられている。また、後方立設片13bの上端縁には、幕板12の折返し部12cに設けられた被係止片12dに係止可能な爪部13dが形成されている。この爪部13dは、後方側から前方に向けて水平に突出するように設けられており、左右方向にて後方立設片13bの全域に設けられている。この爪部13dが、折返し部12cの被係止片12dに上方から係止されることで、幕板12に対して配線ダクト13が支持される。このような後方立設片13bは、図4に示すように、幕板12の幕板パネル12bに対して面接触あるいは近接して対向配置されている。
【0034】
前方立設片13cは、底板13aの前方側端部(脚体10の離間方向と直交する水平方向における他端)から上方に向けて立設されており、左右方向にて底板13aの前方側端部の全域に設けられている。この前方立設片13cの上下方向寸法は、図4に示すように、後方立設片13bの上下方向寸法よりも小さい。つまり、前方立設片13cは、後方立設片13bよりも低く形成されている。このような前方立設片13cは、カバー部14が係合される被係合部として機能する。
【0035】
また、配線ダクト13は、図4に示すように、底板13aと前方立設片13cとが鋭角に接続されることで形成される第1角部13eを有している。この第1角部13eは、底板13aと後方立設片13bとが接続されることで形成される第2角部13fよりも下方に位置されている。より詳細に説明すると、底板13aの前方側の縁部が前方に向かうに連れて下方に変位するように傾斜されている。なお、底板13aの前方側の縁部を除く領域は、前方側の縁部と異なり上面が水平とされている。このような底板13aの前方側の縁部の先端に鉛直姿勢の前方立設片13cが接続されることによって、底板13aと前方立設片13cとが鋭角に接続されてなる第1角部13eが形成されている。
【0036】
このような配線ダクト13は、例えば板金や硬質樹脂によって形成されており、底板13aと後方立設片13bと前方立設片13cによって囲まれた配線収容領域Rを形成している。このような配線収容領域Rは、図4に示すように、上方に向けて開放されており、上方から配線等を出し入れ可能とされている。また、配線ダクト13は、左右方向の端部が開放されている。このため、配線ダクト13の左右方向の端部を介して配線ダクト13の外部から配線収容領域Rに対して配線等を挿通することが可能とされている。
【0037】
カバー部14は、配線ダクト13に対して着脱可能とされ、配線ダクト13に装着された装着姿勢にて配線ダクト13の配線収容領域Rを前方側から覆う部材である。カバー部14の左右方向の幅寸法は、例えば幕板12の一方の幕板縦フレーム12aから他方の幕板縦フレーム12aまでの離間寸法よりも短い。本実施形態においては、カバー部14の左右方向の幅寸法が幕板12の一方の幕板縦フレーム12aから他方の幕板縦フレーム12aまでの離間寸法の半分とされており、一方の幕板縦フレーム12aから他方の幕板縦フレーム12aまでに2つのカバー部14が装着可能とされている。つまり、複数(本実施形態においては2つ)のカバー部14によって、配線ダクト13の配線収容領域Rの全体を覆う構成とされている。
【0038】
各々のカバー部14は、可撓性を有しており、例えば軟質樹脂によって形成されている。このような各々のカバー部14は、図4に示すように、基部14aと、下側挟持片14bと、上側挟持片14cと、把手部14d(膨出片)と、下側指掛片14eと、上側指掛片14fとを有している。
【0039】
基部14aは、平板状とされており、カバー部14が装着姿勢である場合に表裏面が前後方向に向けられる部位である。これらの基部14aに下側挟持片14bと、上側挟持片14cと、把手部14dと、下側指掛片14e(突出片)と、上側指掛片14f(突出片)とが接続されている。また、基部14aの上下方向寸法は、配線ダクト13の上下方向寸法よりも大きい。このため、基部14aの下端を配線ダクト13の下端位置に合わせた場合には、基部14aの上端は、配線ダクト13よりも上方に位置することとなる。
【0040】
下側挟持片14bは、上側挟持片14cと共に、配線ダクト13の前方立設片13cを上下方向から挟持する部位であり、基部14aの下端に設けられている。この下側挟持片14bは、図4に示すように、基部14aの下端から後方に向けて突出されており、前後方向における途中位置まで後方に向かうに連れて上方に変位するように傾斜され、上記途中位置を超えてからは後方に向かうに連れて下方に変位するように傾斜されている。つまり、下側挟持片14bは、左右方向から見て、前後方向における中間位置が頂部となる山型の形状とされている。
【0041】
上側挟持片14cは、基部14aの後ろ側の面から後方に向けて突出されており、後方に向かうに連れて下方に変位するように傾斜されている。この上側挟持片14cは、上側挟持片14cの根本位置から下側挟持片14bの根本位置までの離間距離が、配線ダクト13の前方立設片13cの上下方向寸法と略同一となるように配置されている。
【0042】
これらの下側挟持片14bと上側挟持片14cとは、配線ダクト13の前方立設片13cを上下方向から挟持可能な一対の挟持片である。図4に示すように、前方立設片13cの下端に下側挟持片14bが係止されると、前方立設片13cの上端に上側挟持片14cが係止される。つまり、これらの下側挟持片14bと上側挟持片14cとは、前方立設片13cを被係合部として、前方立設片13cを上下方向から挟持可能な係合部として用いられる。
【0043】
このような下側挟持片14bと上側挟持片14cとを備えるカバー部14は、下側挟持片14bと上側挟持片14cとが前方立設片13cに係合されることによって、配線ダクト13に対して係合される。つまり、本実施形態においては配線ダクト13及びカバー部14との一方であるカバー部14に係合部が設けられると共に他方である配線ダクト13に被係合部が設けられ、被係合部に係合部が係合されることでカバー部14が配線ダクト13に装着可能とされている。
【0044】
把手部14dは、基部14aの上端と接続されており基部14aの上方に位置されている。この把手部14dは、図4に示すように、下端が基部14aの上端に接続されており、左右方向から見て、上下方向における中央部が後方側(すなわち後方立設片13b)に向けて膨出するように湾曲されている。つまり、把手部14dは、図4に示すように、左右方向から見て、C形状とされている。
【0045】
このような把手部14dは、前方に向けて開放された内側空間Kを形成している。この内側空間Kは、配線ダクト13に対してカバー部14を着脱する場合に、作業者が指を挿入して下側指掛片14eあるいは上側指掛片14fに指を掛けるための空間として用いられる。また、この内側空間Kは、基部14aに対してワゴン3の背面(後面)が当接した場合に、ワゴン3の背面側に設けられた把手3bを収容可能とする空間としても用いられる。
【0046】
把手部14dはカバー部14の上部を形成しており、把手部14dの上端はカバー部14の上端となっている。このような把手部14dの上端位置は、カバー部14が装着姿勢である場合に、天板11の下面に対して当接可能な位置とされている。つまり、カバー部14が装着姿勢である場合には、把手部14dの上端(すなわち、カバー部14の上端)は、天板11の下面に対して当接される。このため、カバー部14が装着姿勢である場合には、カバー部14と天板11との間に隙間が生じない。このように本実施形態においては、カバー部14は、装着姿勢にて、上端が後方立設片13bの上端よりも天板11に近接して配置されている。
【0047】
下側指掛片14eは、把手部14dの下端に設けられており、上方に向けて突出されている。より詳細には、本実施形態においては、基部14aと把手部14dとが略直角に屈曲して接続されており、このような基部14aと把手部14dとの接合箇所から上方に向けて突出するように下側指掛片14eが設けられている。つまり、下側指掛片14eは、把手部14dの上端及び下端の一方である下端に設けられており、他方である上端に向けて突出されている。上側指掛片14fは、把手部14dの上端から下方に向けて突出されている。つまり、上側指掛片14fは、把手部14dの上端及び下端の一方である上端に設けられており、他方である下端に向けて突出されている。
【0048】
これらの下側指掛片14eと上側指掛片14fとは、配線ダクト13に対してカバー部14を着脱する場合に、作業者が指を掛けるための部位である。例えば、作業者は、下側指掛片14eと上側指掛片14fとのいずれか一方に指を掛け、前側に引き出すことでカバー部14を配線ダクト13から引き離す。
【0049】
図2及び図3に示すように、縦配線ダクト15は、2つの脚体10のうち、左側の脚体10に固定されている。具体的には、左側の脚体10の枠状フレーム10aを形成する4つの直線状のフレームのうち、後方に配置された縦フレームの前側面に当接された状態で固定されている。この縦配線ダクト15は、デスク2の外部から配線ダクト13に配線ケーブルを案内するための部材であり、配線等を収容する内部空間を有する本体ダクト15aと、本体ダクト15aを枠状フレーム10aに固定する固定具15bと、本体ダクト15aに着脱可能とされた着脱ダクト15cとを備えている。
【0050】
このようなデスク2に対しては、例えば図1に示すように、床面から引き出された電源タップDが取り付けられている。電源タップDは、コンセントの差込口が設けられたタップ本体部D1と、タップ本体部D1に接続された配線ケーブルD2とを備えている。このような電源タップDのタップ本体部D1が配線ダクト13の配線収容領域Rに載置され、タップ本体部D1に接続された配線ケーブルD2が配線ダクト13及び縦配線ダクト15を介して例えば床面まで到達される。
【0051】
図1に戻り、ワゴン3は、デスクユニット1を用いる執務者の手荷物等を収容可能とする什器であり、2つの脚体10の間であって天板11の下方に収容可能とされている。このワゴン3は、手荷物等を出し入れ可能な本体部3aと、本体部3aの上部の前面側と後面側との各々に本体部3aから突出して設けられる把手3bとを有している。本体部3aの下面には不図示のキャスタが設けられており、把手3bを把持してワゴン3を容易に前後方向に移動可能とされている。
【0052】
このようなワゴン3は、デスク2に対して後ろ側に移動させると、図4に示すように、ワゴン3の背面がカバー部14の基部14aに当たることで位置決めされる。このとき、ワゴン3の背面側に設けられた把手3bは、カバー部14の把手部14dが形成する内側空間Kに収容される。
【0053】
クランプ装置4は、照明装置5や卓上タップ6を支持するための取付具である。本実施形態においては、クランプ装置4は、天板11の後縁部を上下方向から挟持することで、天板11に対して固定されている。なお、本実施形態のデスクユニット1が照明装置5及び卓上タップ6を備えていることから、クランプ装置4は2つ設けられている。一方のクランプ装置4には照明装置5が接続され、他方のクランプ装置4には卓上タップ6が接続されている。
【0054】
照明装置5は、デスクユニット1の執務者によって光源のオンオフが切り替え可能とされた装置であり、クランプ装置4を介してデスク2の天板11に対して固定されている。この照明装置5は、電源タップDに接続するための配線ケーブルを有している。この配線ケーブルは、天板11と幕板12との間に形成された隙間S(図4参照)を介して、配線ダクト13の配線収容領域Rに引き込まれており、配線収容領域Rの内部にて電源タップDのタップ本体部D1と接続されている。
【0055】
卓上タップ6は、デスクユニット1の執務者が個人使用の電子機器に対して給電を行うための給電ケーブルを接続可能とするための装置であり、この卓上タップ6は、電源タップDに接続するための配線ケーブルを有している。この配線ケーブルは、天板11と幕板12との間に形成された隙間S(図4参照)を介して、配線ダクト13の配線収容領域Rに引き込まれており、配線収容領域Rの内部にて電源タップDのタップ本体部D1と接続されている。
【0056】
このような構成の本実施形態のデスクユニット1が備えるデスク2において、配線ダクト13に対して電源タップDのタップ本体部D1や配線ケーブルD2等を出し入れする場合には、まずワゴン3を天板11の下方から前方に引き出す。続いて、カバー部14を配線ダクト13から取り外す。例えば、作業者は、カバー部14の把手部14dの内部に指を差し入れ、下側指掛片14eあるいは上側指掛片14fに指を掛けてカバー部14を前側に引き出す。これによって、カバー部14の下側挟持片14b及び上側挟持片14cと、配線ダクト13の前方立設片13cとの係合が解かれ、カバー部14が配線ダクト13から取り外される。これによって、配線ダクト13の配線収容領域Rを前方から覆っていたカバー部14が取り除かれ、配線収容領域Rが前方に向けて広く開放される。
【0057】
このように配線収容領域Rが前方に向けて開放された状態で、配線収容領域Rへの電源タップDの出し入れを行う。また、照明装置5の配線ケーブルと電源タップDとの接続状態や、卓上タップ6の配線ケーブルと電源タップDとの接続状態の変更も、配線収容領域Rが前方に向けて開放された状態で行う。
【0058】
カバー部14を配線ダクト13に取り付ける場合には、例えばまずカバー部14の上側挟持片14cを配線ダクト13の前方立設片13cの上端に掛ける。続いて、前方立設片13cの上端を回動中心として下側挟持片14bが配線ダクト13に近づくようにカバー部14を回動させる。さらに、下側挟持片14bを配線ダクト13の下方に押し込み、下側挟持片14bの復元力によって下側挟持片14bを前方立設片13cの下端(第1角部13e)に係止する。これによって、配線ダクト13の前方立設片13cが上下方向から上側挟持片14cと下側挟持片14bとによって挟持され、カバー部14が配線ダクト13に対して取り付けられる。
【0059】
以上のような本実施形態のデスクユニット1が備えるデスク2は、水平方向に離間して配置された一対の脚体10と、一対の脚体10に架設された天板11と、天板11の下方に配置されると共に配線収容領域Rを有する配線ダクト13とを備えている。また、デスク2は、配線ダクト13に対して着脱可能とされると共に配線ダクト13に装着された装着姿勢にて配線収容領域Rの少なくとも一部を覆うカバー部14を備えている。
【0060】
このようなデスク2によれば、配線ダクト13の配線収容領域Rの少なくとも一部が着脱可能なカバー部14によって覆われている。このため、カバー部14を配線ダクト13から取り外すことによって、配線収容領域Rを大きく露出させることができ、配線ダクト13に対する収容物の出し入れや配線ダクト13での作業を容易に行うことが可能となる。また、配線ダクト13にカバー部14を装着することで、配線収容領域Rをカバー部14で覆うことができ、配線収容領域Rに収容された収容物が配線ダクト13から脱落することを防止することができる。
【0061】
また、デスク2においては、配線ダクト13が、一対の脚体10の離間方向に沿って延伸されると共に上面に配線が載置可能な底板13aと、離間方向と直交する水平方向における底板13aの一端から上方に向かって延設された後方立設片13bとを有している。また、カバー部14が、装着姿勢にて、離間方向と直交する水平方向における底板13aの他端に接続された状態で後方立設片13bと対向配置されている。
【0062】
このようなデスク2によれば、配線ダクト13にカバー部14が装着されることで、配線ダクト13の底板13aを挟んで後方立設片13bとカバー部14とが対向配置される。このため、配線収容領域Rが両側から後方立設片13bとカバー部14とに挟まれることとなり、配線収容領域Rに収容された収容物が配線ダクト13から脱落することを防止することができる。
【0063】
また、デスク2においては、装着姿勢にて、カバー部14の上端が後方立設片13bの上端よりも天板11に近接して配置されている。このため、カバー部14と天板11との隙間を小さくすることができ、カバー部14と天板11との間の隙間を介してカバー部14側から配線収容領域Rの収容物が視認されることを防止することができる。なお、本実施形態においては、カバー部14の上端が装着姿勢にて天板11の下面に当接するように、カバー部14の上端位置が決められている。このため、カバー部14と天板11との隙間を無くすことができる。
【0064】
また、デスク2においては、配線ダクト13及びカバー部14との一方であるカバー部14に係合部(下側挟持片14b及び上側挟持片14c)が設けられると共に他方である配線ダクト13に被係合部(前方立設片)が設けられ、被係合部に係合部が係合されることでカバー部14が配線ダクト13に装着可能とされている。このため、係合部を被係合部に係合することで、カバー部14を配線ダクト13に対して簡易的かつ確実に装着することが可能となる。なお、配線ダクト13及びカバー部14との一方であるカバー部14に被係合部を設け、他方である配線ダクト13に係合部を設けるようにすることも可能である。
【0065】
また、デスク2においては、配線ダクト13が、離間方向と直交する水平方向における底板13aの他端から上方に向かって延設されると共に後方立設片13bよりも上下方向寸法が小さい前方立設片13cを有し、カバー部14が、装着姿勢にて、前方立設片13cを上下方向から挟持可能な一対の下側挟持片14b及び上側挟持片14cを有し、前方立設片13cが被係合部とされ、一対の下側挟持片14b及び上側挟持片14cが係合部とされている。このようなデスク2によれば、カバー部14に設けられた下側挟持片14b及び上側挟持片14cが配線ダクト13の前方立設片13cを挟持することによって、カバー部14が配線ダクト13に対して装着される。このため、カバー部14を配線ダクト13により強固に取り付けることが可能となり、意図せずにカバー部14が配線ダクト13から脱離することを防止することができる。
【0066】
また、デスク2においては、配線ダクト13が、底板13aと前方立設片13cとが鋭角に接続されることで形成される第1角部13eを有し、第1角部13eが、底板13aと後方立設片13bとが接続されることで形成される第2角部13fよりも下方に位置している。このため、例えば第1角部13eが鈍角である場合と比較して、カバー部14を第1角部13eに容易に係合することが可能となる。また、第1角部13eとカバー部14との接触面積が減少して面圧が高まり、意図せずにカバー部14が配線ダクト13から脱離することをより防止することができる。
【0067】
また、デスク2においては、カバー部14が、装着姿勢にて表裏面を離間方向と直交する水平方向に向けた平板状の基部14aと、基部14aの上方に位置して下端が基部14aの上端に接続されると共に上下方向における中央部が後方立設片13bに向けて膨出するように湾曲された把手部14dと、把手部14dの上端及び下端の一方である下端に設けられており、他方である上端に向けて突出された下側指掛片14eと、把手部14dの上端及び下端の一方である上端に設けられており、他方である下端に向けて突出された上側指掛片14fとを備えている。このようなデスク2によれば、湾曲された把手部14dの内側に作業者が指を挿入し、下側指掛片14eあるいは上側指掛片14fに指を掛けることで、カバー部14を配線ダクト13から離脱させる方向に容易に移動させることが可能となる。したがって、カバー部14を配線ダクト13から脱離する場合の作業性を向上させることが可能となる。
【0068】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について、図5及び図6を参照して説明する。なお、本実施形態の説明において、上記第1実施形態と同様の部分については、その説明を省略あるいは簡略化する。
【0069】
図5は、本実施形態のデスク2が備える配線ダクト13を含む部分分解斜視図である。また、図6は、本実施形態のデスク2が備える配線ダクト13を含む部分斜視図である。これらの図に示すように、本実施形態において配線ダクト13は、複数の吊具13gと、これらの吊具13gによって支持される樋部13hとを備えている。
【0070】
吊具13gは、図5及び図6に示すように、略J形の部材であり、上部に幕板12の折返し部12cに係止される係止片13iを備えている。また。吊具13gの下部の後端には、樋部13hの後述する嵌合穴13qに対して嵌合される嵌合突起13jが設けられている。さらに、吊具13gの下部の前端には、樋部13hの上部に配置される枢軸13kが設けられている。この枢軸13kは、吊具13gの係止片13iが幕板12の折返し部12cに係止された状態にて、左右方向を軸方向とする向きで設けられている。本実施形態においては、吊具13gが左右方向に配列されて、離散的に複数設けられている。
【0071】
樋部13hは、左右方向に延伸する底板13mと、底板13mの前端縁から上方に立設された前方立設片13nと、底板13mの後端縁から上方に立設された後方立設片13pとを有している。この樋部13hの後方立設片13pには、吊具13gの嵌合突起13jが前方から嵌合される嵌合穴13qが設けられている。略J形の吊具13gの下部前端面には前方に向けて突出する係止部(不図示)が設けられており、この係止部が樋部13hの前方立設片13nの係止段部に係止され、さらに嵌合穴13qに嵌合突起13jが嵌合されることで、樋部13hが吊具13gと接続される。
【0072】
また、本実施形態においては、カバー部14の下端に、吊具13gの枢軸13kに対して回動可能に接続される筒部14gが設けられている。このような筒部14gが吊具13gの枢軸13kに回動可能に接続されることで、カバー部14の全体が枢軸13kを中心として回動可能とされる。
【0073】
このようなカバー部14は、上端が天板11の下面に当接されることによって、配線ダクト13が備える吊具13gの枢軸13kと天板11との間に挟持され、配線ダクト13に装着された状態となる。このような装着姿勢にて、カバー部14は、配線ダクト13と天板11との間の隙間を埋め、配線ダクト13の配線収容領域を前方から覆う。
【0074】
一方、カバー部14は、配線ダクト13が備える吊具13gの枢軸13kと天板11との間から引き抜かれた状態では、筒部14gが枢軸13kに接続されているため、配線ダクト13から完全に離間されない。このため、作業者が、脱離状態のカバー部14を見失うことを防止することができ、カバー部14の操作性を向上させることが可能となる。
【0075】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されないことは言うまでもない。上述した実施形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の趣旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0076】
例えば、上記第1実施形態においては、配線ダクト13が前方立設片13cを備える構成について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではない。本発明によれば、カバー部14によって配線ダクトから収容物が脱落することを防止できるため、例えば配線ダクト13が前方立設片13cを省略することも可能である。さらに、例えば幕板12によって収容物の後方への脱落を防止できる場合等には、後方立設片13bを省略する構成を採用することも可能である。
【0077】
また、上記第1実施形態においては、装着姿勢にてカバー部14の上端が天板11の下面に当接される構成について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、装着姿勢にてカバー部14と天板11との間に小さな隙間が形成される構成を採用することも可能である。
【0078】
また、上記第1実施形態においては、カバー部14が下側指掛片14e及び上側指掛片14fとの両方を備える構成を採用した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではない。カバー部14が下側指掛片14e及び上側指掛片14fのいずれかのみを備える構成を採用することも可能である。
【0079】
また、上記実施形態においては、幕板12と天板11との間に隙間Sが設けられた構成について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではない。幕板12と天板11との間に隙間を設けない構成を採用することも可能である。
【符号の説明】
【0080】
1……デスクユニット、2……デスク(天板付什器)、3……ワゴン、3a……本体部、3b……把手、4……クランプ装置、5……照明装置、6……卓上タップ、10……脚体、11……天板、12……幕板、13……配線ダクト、13a……底板、13b……後方立設片(立設片)、13c……前方立設片(取付片)、13d……爪部、13e……第1角部、13f……第2角部、13g……吊具、13h……樋部、13i……係止片、13j……嵌合突起、13k……枢軸、13m……底板、13n……前方立設片、13p……後方立設片、13q……嵌合穴、14……カバー部、14a……基部、14b……下側挟持片(挟持片)、14c……上側挟持片(挟持片)、14d……把手部(膨出片)、14e……下側指掛片(突出片)、14f……上側指掛片(突出片)、14g……筒部、15……縦配線ダクト、15a……本体ダクト、15b……固定具、15c……ダクトカバー、D……電源タップ(収容物)、D1……タップ本体部、D2……配線ケーブル、R……配線収容領域、S……隙間
図1
図2
図3
図4
図5
図6