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特許7362424情報処理装置、情報処理方法、および情報処理システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-06
(45)【発行日】2023-10-17
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、および情報処理システム
(51)【国際特許分類】
   G06T 11/60 20060101AFI20231010BHJP
   G09G 5/30 20060101ALI20231010BHJP
   G09G 5/32 20060101ALI20231010BHJP
   G06F 3/0481 20220101ALI20231010BHJP
【FI】
G06T11/60 100B
G09G5/30 610Z
G09G5/32 640Z
G06F3/0481
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2019195806
(22)【出願日】2019-10-29
(65)【公開番号】P2021071744
(43)【公開日】2021-05-06
【審査請求日】2022-02-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 雅弘
(72)【発明者】
【氏名】武山 泰豊
(72)【発明者】
【氏名】山崎 智弘
【審査官】渡部 幸和
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0112664(US,A1)
【文献】特開2001-325200(JP,A)
【文献】特開2005-250916(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 11/60
G09G 5/30
G09G 5/32
G06F 3/0481
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
文書を含むテキスト表示画面を表示する文書表示制御部と、
前記文書に含まれる複数のテキスト範囲の各々を示すテキストボックス画像と、複数の前記テキスト範囲間の関係を示す関係画像と、を含む関係表示画面を表示する関係表示制御部
複数の前記テキスト範囲間の関係を示す情報である関係設定情報を設定する関係設定部と、
前記テキスト表示画面における前記テキスト範囲の表示位置、および、前記関係設定情報、の少なくとも一方に応じて、複数の前記テキストボックス画像の各々の前記関係表示画面における表示位置を決定する決定部と、
を備え、
前記関係表示制御部は、
前記テキストボックス画像と、設定された前記関係設定情報によって示される関係を示す前記関係画像と、を含む前記関係表示画面を表示し、
前記決定部は、
前記テキスト表示画面における前記テキスト範囲の表示位置を特定し、前記関係表示画面における対応する該表示位置から所定範囲内の領域を、該テキスト範囲を示す前記テキストボックス画像の表示位置として決定する、
情報処理装置。
【請求項2】
前記関係画像は、
前記テキストボックス画像間を結ぶ、線画像である、
請求項に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記関係表示制御部は、
前記テキストボックス画像と、前記関係設定情報によって示される関係を有する複数の前記テキストボックス画像間を連結する線画像を、前記関係設定情報に応じた表示形態で表した前記関係画像と、を含む前記関係表示画面を表示する、
請求項に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記文書表示制御部は、
前記テキスト範囲を強調した表示形態で表した前記テキスト表示画面を表示する、
請求項1~請求項3の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記関係表示制御部は、
前記テキスト表示画面に対して前記関係表示画面を、前記テキスト表示画面に含まれる前記文書のテキストの書字方向である第1方向の上流側または下流側に表示する、
請求項1~請求項4の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記決定部は、
前記テキスト表示画面における前記テキスト範囲の第2方向における表示位置を特定し、前記関係表示画面における対応する該表示位置から前記第2方向の前記所定範囲内の領域を、該テキスト範囲を示す前記テキストボックス画像の表示位置として決定する、
請求項1~請求項5の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記関係画像は、2つの前記テキストボックス画像の一方を始点とし他方を終点とする矢印画像であり、
前記決定部は、
前記関係表示画面における前記矢印画像の矢印の方向が同一方向となるように、前記テキストボックス画像の各々の前記関係表示画面における表示位置を決定する、
請求項~請求項の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記決定部は、
関係を有する複数の前記テキストボックス画像間の距離が、関係を有さない複数の前記テキストボックス画像間の距離に比べて短くなるように、前記テキストボックス画像の前記関係表示画面における表示位置を決定する、
請求項~請求項の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
コンピュータで実行される情報処理方法であって、
文書を含むテキスト表示画面を表示する文書表示制御ステップと、
前記文書に含まれる複数のテキスト範囲の各々を示すテキストボックス画像と、複数の前記テキスト範囲間の関係を示す関係画像と、を含む関係表示画面を表示する関係表示制御ステップ
複数の前記テキスト範囲間の関係を示す情報である関係設定情報を設定する関係設定ステップと、
前記テキスト表示画面における前記テキスト範囲の表示位置、および、前記関係設定情報、の少なくとも一方に応じて、複数の前記テキストボックス画像の各々の前記関係表示画面における表示位置を決定する決定ステップと、
を含み、
前記関係表示制御ステップは、
前記テキストボックス画像と、設定された前記関係設定情報によって示される関係を示す前記関係画像と、を含む前記関係表示画面を表示し、
前記決定ステップは、
前記テキスト表示画面における前記テキスト範囲の表示位置を特定し、前記関係表示画面における対応する該表示位置から所定範囲内の領域を、該テキスト範囲を示す前記テキストボックス画像の表示位置として決定する、
情報処理方法。
【請求項10】
表示部と、
文書を含むテキスト表示画面を前記表示部に表示する文書表示制御部と、
前記文書に含まれる複数のテキスト範囲の各々を示すテキストボックス画像と、複数の前記テキスト範囲間の関係を示す関係画像と、を含む関係表示画面を前記表示部に表示する関係表示制御部と、
複数の前記テキスト範囲間の関係を示す情報である関係設定情報を設定する関係設定部と、
前記テキスト表示画面における前記テキスト範囲の表示位置、および、前記関係設定情報、の少なくとも一方に応じて、複数の前記テキストボックス画像の各々の前記関係表示画面における表示位置を決定する決定部と、
を備え、
前記関係表示制御部は、
前記テキストボックス画像と、設定された前記関係設定情報によって示される関係を示す前記関係画像と、を含む前記関係表示画面を表示し、
前記決定部は、
前記テキスト表示画面における前記テキスト範囲の表示位置を特定し、前記関係表示画面における対応する該表示位置から所定範囲内の領域を、該テキスト範囲を示す前記テキストボックス画像の表示位置として決定する、
情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、情報処理装置、情報処理方法、および情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
文書に含まれる単語または文節間の係り受け関係をアノテーションするツールが提案されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【文献】「WebAnno3」Eckart de Castilho, R., Mujdricza-Maydt, E., Yimam, S.M., Hartmann, S., Gurevych, I., Frank, A. and Biemann, C. (2016): A Web-based Tool for the Integrated Annotation of Semantic and Syntactic Structures. In Proceedings of the LT4DH workshop at COLING 2016, Osaka, Japan国際公開第05/101253号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来技術では、文書中において離れた位置関係にある複数のテキスト範囲同士の関係をユーザに分かりやすく提供することは困難であった。このため、従来では、文書に含まれる複数のテキスト範囲同士の関係の視認性向上を図る事は困難な場合があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の情報処理装置は、文書表示制御部と、関係表示制御部と、関係設定部と、決定部と、を備える。文書表示制御部は、文書を含むテキスト表示画面を表示する。関係表示制御部は、前記文書に含まれる複数のテキスト範囲の各々を示すテキストボックス画像と、複数の前記テキスト範囲間の関係を示す関係画像と、を含む関係表示画面を表示する。関係設定部は、複数の前記テキスト範囲間の関係を示す情報である関係設定情報を設定する。前記決定部は、前記テキスト表示画面における前記テキスト範囲の表示位置、および、前記関係設定情報、の少なくとも一方に応じて、複数の前記テキストボックス画像の各々の前記関係表示画面における表示位置を決定する。前記関係表示制御部は、前記テキストボックス画像と、設定された前記関係設定情報によって示される関係を示す前記関係画像と、を含む前記関係表示画面を表示する。前記決定部は、前記テキスト表示画面における前記テキスト範囲の表示位置を特定し、前記関係表示画面における対応する該表示位置から所定範囲内の領域を、該テキスト範囲を示す前記テキストボックス画像の表示位置として決定する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】実施形態の情報処理システムの模式図。
図2】実施形態の情報処理システムの機能的構成を示すブロック図。
図3】実施形態の表示画面の模式図。
図4】実施形態の管理情報のデータ構成を示す模式図。
図5】実施形態の表示画面の模式図。
図6】実施形態の情報処理の流れを示すフローチャート。
図7】実施形態の割込処理の流れを示すフローチャート。
図8】実施形態の情報処理装置のハードウェア構成図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に添付図面を参照して、情報処理装置、情報処理方法、および情報処理システムを詳細に説明する。
【0008】
図1は、本実施形態の情報処理システム1の一例を示す模式図である。情報処理システム1は、情報処理装置10と、表示部12と、入力部14と、を備える。情報処理装置10と、表示部12および入力部14とは、無線または有線により通信可能に接続されている。
【0009】
情報処理装置10は、専用または汎用コンピュータである。情報処理装置10は、後述する特有の表示画面を表示部12に表示する。
【0010】
表示部12は、各種の画像を表示する。表示部12は、例えば、有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ、LCD(Liquid Crystal Display、投影装置などである。
【0011】
入力部14は、ユーザからの各種指示を受付ける。入力部14は、例えば、キーボード、マウス、タッチパネル、マイクロフォン、などである。なお、表示部12と入力部14とを一体的に構成したUI(ユーザ・インタフェース)部16としてもよい。この場合、UI部16を、入力機構と出力機構とを備えたタッチパネルとしてもよい。また、UI部16は、更に、音声を出力するスピーカを含む構成であってもよい。
【0012】
本実施形態では、情報処理システム1は、1つの表示部12を備えた構成である場合を一例として説明する。しかし、情報処理システム1は、2以上の表示部12を備えた構成であってもよい。この場合、情報処理装置10は、複数の表示部12の各々に画像を表示する形態であってもよい。
【0013】
図2は、情報処理システム1の機能的構成の一例を示すブロック図である。
【0014】
情報処理システム1は、情報処理装置10と、表示部12と、入力部14と、を備える。情報処理装置10と、表示部12と、入力部14とは、データまたは信号を授受可能に接続されている。
【0015】
情報処理装置10は、制御部18と、記憶部20と、通信部22と、を備える。制御部18と、記憶部20と、通信部22とは、データまたは信号を授受可能に接続されている。
【0016】
なお、情報処理装置10を、表示部12および入力部14の少なくとも一方を含む構成としてもよい。また、記憶部20、表示部12、および入力部14の少なくとも1つと、制御部18とを、ネットワーク等を介して通信可能に接続してもよい。すなわち、記憶部20、表示部12、および入力部14の少なくとも1つを、情報処理装置10に対してネットワークを介して接続された外部装置に設けてもよい。また、制御部18に含まれる後述する機能部の少なくとも1つを、該外部装置に設けた構成としてもよい。外部装置は、例えば、外部サーバなどである。
【0017】
記憶部20は、各種データを記憶する。記憶部20は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、ハードディスク、光ディスク等である。なお、記憶部20は、情報処理装置10の外部に設けられた記憶装置であってもよい。また、記憶部20は、記憶媒体であってもよい。具体的には、記憶媒体は、プログラムや各種情報を、LAN(Local Area Network)やインターネットなどを介してダウンロードして記憶または一時記憶したものであってもよい。また、記憶部20を、複数の記憶媒体から構成してもよい。
【0018】
本実施形態では、記憶部20は、管理情報20Aを記憶する。管理情報20Aの詳細は後述する。
【0019】
通信部22は、ネットワークなどを介して外部装置と通信するための通信インターフェースである。
【0020】
制御部18は、表示部12へ表示画面を表示する制御を行う。本実施形態では、制御部18は、テキスト表示画面と、関係表示画面と、の2つの表示画面を表示部12へ表示する制御を実行する。
【0021】
図3は、制御部18が表示する表示画面40の一例を示す模式図である。表示画面40は、テキスト表示画面60と、関係表示画面50と、を含む。なお、制御部18は、テキスト表示画面60と関係表示画面50とを、異なる表示部12に表示してもよい。本実施形態では、テキスト表示画面60と関係表示画面50とを含む表示画面40を、1つの表示部12へ表示する形態を一例として説明する。
【0022】
テキスト表示画面60とは、文書30を表示するための表示画面である。文書30とは、複数の文字からなるテキストを含むデータである。すなわち、文書30には、複数の文字から構成されたテキストが含まれる。
【0023】
文書30には、1または複数のテキスト範囲62が含まれる。テキスト範囲62とは、文字の羅列からなるテキストの特定の範囲である。テキスト範囲62は、後述する制御部18の処理によって設定される。
【0024】
関係表示画面50とは、テキストボックス画像52と、関係画像54と、を表示するための表示画面である。
【0025】
テキストボックス画像52とは、文書30に含まれる複数のテキスト範囲62の各々を示す画像である。テキストボックス画像52は、例えば、テキスト範囲62に含まれるテキストと、該テキストを囲む枠線と、によって表される箱状の画像である。また、テキストボックス画像52は、例えば、テキスト範囲62に含まれるテキストを模式化して示した画像、テキスト範囲62に含まれるテキストを表形式で表した画像、などであってもよい。
【0026】
なお、1つのテキストボックス画像52は、1つのテキスト範囲62を纏めて示した画像である。このため、文書30に複数のテキスト範囲62が含まれる場合、関係表示画面50は、該複数のテキスト範囲62の各々に対応する、複数のテキストボックス画像52を含むこととなる。なお、1つのテキストボックス画像52は、複数のテキスト範囲62を纏めて示した画像であってもよい。
【0027】
関係画像54とは、複数のテキスト範囲62間の関係を示す画像である。テキスト範囲62間の関係とは、複数のテキスト範囲62間の、因果関係、同一関係、相関関係、包含関係、時間関係、などである。
【0028】
因果関係とは、複数のテキスト範囲62の間に原因と結果の関係があることを意味する。同一関係とは、複数のテキスト範囲62の間に、同等の関係があることを意味する。相関関係とは、2つのテキスト範囲62の内、一方が変化すると他方も変化する関係があることを意味する。包含関係とは、一方のテキスト範囲62に他方のテキスト範囲62が含まれる関係であることを意味する。時間関係とは、一方のテキスト範囲62が他方のテキスト範囲62より、時間的に前、または時間的に後に位置する事象であることを意味する。なお、テキスト範囲62間の関係の種類は、これらに限定されない。
【0029】
図3には、関係画像54が、複数のテキストボックス画像52間を結ぶ、線画像である場合を一例として示した。線画像は、延伸方向の一端部が1つのテキストボックス画像25に接触配置され、延伸方向の他端部が、他の1つのテキストボックス画像52に接触配置された線状の画像である。具体的には、線画像は、直線の画像、延伸方向の一端部(始点)および他端部(終点)の少なくとも一方を矢印形状とした矢印画像、などである。なお、関係画像54は、複数のテキストボックス画像52の各々に対応するテキスト範囲62の関係を示す画像であればよく、線画像に限定されない。例えば、関係画像54は、関係を有する複数のテキストボックス画像52を示すアニメーション画像などであってもよい。
【0030】
本実施形態では、制御部18は、管理情報20Aを用いて、テキスト表示画面60および関係表示画面50の表示部12への表示制御を実行する。
【0031】
図4は、管理情報20Aのデータ構成の一例を示す模式図である。
【0032】
管理情報20Aは、表示部12へ表示する文書30に関する情報を管理するための情報である。管理情報20Aには、制御部18の処理によって各種のデータが登録または更新される。また、制御部18は、管理情報20Aに登録された情報を用いて、表示部12にテキスト表示画面60および関係表示画面50を表示する。
【0033】
管理情報20Aは、文書30と、表示管理情報と、を対応付けたデータベースである。すなわち、管理情報20Aは、文書30ごとに、表示管理情報を登録したデータベースである。なお、管理情報20Aのデータ形式は、データベースに限定されない。管理情報20Aには、1以上の文書30が登録されていればよい。
【0034】
表示管理情報は、制御部18が表示部12へ表示画面40を表示する時に用いる情報である。表示管理情報は、文書表示情報と、テキスト範囲情報と、関係設定情報と、テキストボックス画像情報と、を含む。
【0035】
文書表示情報は、文書30の表示に関する情報である。文書表示情報は、例えば、行間、フォントサイズ、拡大率、などを含む。
【0036】
行間とは、文書30を表示するときのテキストの行と行との間隔を示す情報である。図3を用いて説明する。行とは、テキストの書字方向(図3中、矢印X方向参照)に沿って配列されたテキストの配列方向である。書字方向とは、文字を書き進める方向、または、文字を読み進める方向を意味する。本実施形態では、テキストの書字方向が、矢印X方向である場合を一例として説明する。なお、以下では、テキストの書字方向を、第1方向Xと称して説明する。また、第1方向Xに直交する方向を、第2方向Yと称して説明する。
【0037】
フォントサイズとは、文書30に含まれる文字の表示サイズである。拡大率とは、文書30を表示するときの基準表示倍率に対する拡大率を示す情報である。
【0038】
図4に戻り説明を続ける。次に、テキスト範囲情報について説明する。
【0039】
テキスト範囲情報とは、文書30に含まれるテキスト範囲62に関する情報である。本実施形態では、テキスト範囲情報は、テキスト位置、テキスト表示位置、および、テキスト範囲62の表示形態、などの情報を含む。
【0040】
テキスト位置とは、文書30におけるテキスト範囲62の位置を示す情報である。テキスト位置は、例えば、文書30のN文字目からM文字数の範囲、などの情報によって表される。NおよびMは、1以上の整数である。
【0041】
テキスト表示位置とは、文書30を含むテキスト表示画面60における、テキスト範囲62の表示位置を示す情報である。図3を用いて説明する。例えば、テキスト表示位置は、テキスト表示画面60の特定の位置(例えば、位置A)を原点とした二次元座標空間における、テキスト範囲62の表示位置を示す位置座標によって表される。二次元座標空間は、例えば、表示部12の表示面に沿った二次元平面上の座標である。位置Aは、例えば、テキスト表示画面60における、第1方向Xおよび第2方向Yの各々の上流側端部の交点の位置である。
【0042】
テキスト範囲62の表示形態とは、テキスト表示画面60におけるテキスト範囲62の表示形態を示す情報である。テキスト範囲62の表示形態は、例えば、強調表示、などである。強調表示とは、他の領域に比べて強調して表示することを意味する。強調表示は、例えば、ユーザの注視を促す色(例えば、赤、黄色、など)、太字、拡大表示、枠線表示、アニメーション表示、などである。アニメーション表示とは、テキスト範囲62に注視を促すキャラクタ画像などの動画像を表示することを意味する。
【0043】
図4に戻り説明を続ける。次に、関係設定情報について説明する。
【0044】
関係設定情報とは、複数のテキスト範囲62間の関係を示す情報である。関係設定情報は、関係情報と、関係強度情報と、を含む。なお、関係設定情報は、関係の種類情報を更に含んでいてもよい。本実施形態では、関係設定情報は、関係情報、関係強度情報、および関係の種類情報、を含む形態を一例として説明する。
【0045】
関係情報とは、複数のテキスト範囲62が関係することを示す情報である。言い換えると、関係情報は、何れのテキスト範囲62とテキスト範囲62とが関係するかを示す情報である。例えば、関係情報は、テキスト範囲62の識別情報と、複数の識別情報の各々によって識別されるテキスト範囲62が関係することを示す情報と、によって表される。
【0046】
関係強度情報は、複数のテキスト範囲62間の、関係の強さ、および、関係の確からしさ、の少なくとも一方を示す情報である。
【0047】
関係の種類情報は、関係の種類を示す情報である。関係の種類情報は、上述したように、例えば、因果関係、同一関係、相関関係、包含関係、時間関係、などである。
【0048】
次に、テキストボックス画像情報について説明する。
【0049】
テキストボックス画像情報とは、テキストボックス画像52に関する情報である。本実施形態では、テキストボックス画像情報は、関係表示画面50におけるテキストボックス画像52の表示位置、および、テキストボックス画像52の表示形態、などの情報を含む。
【0050】
テキストボックス画像52の表示位置とは、関係表示画面50における、テキストボックス画像52の表示位置を示す情報である。図3を用いて説明する。例えば、テキストボックス画像52の表示位置は、関係表示画面50の特定の位置(例えば、位置B)を原点とした二次元座標空間における、テキストボックス画像52の表示位置を示す位置座標によって表される。位置Bは、位置Aに対応する位置であればよい。具体的には、位置Bは、関係表示画面50における、第1方向Xおよび第2方向Yの各々の上流側端部の交点の位置である。
【0051】
テキストボックス画像52の表示形態とは、関係表示画面50におけるテキストボックス画像52の表示形態を示す情報である。テキストボックス画像52の表示形態は、例えば、強調表示、などである。強調表示の定義は、上記と同様である。
【0052】
図4に戻り説明を続ける。このようなデータ構成の管理情報20Aに含まれる各情報は、制御部18の処理によって登録および更新される。また、制御部18は、管理情報20Aを用いて、テキスト表示画面60および関係表示画面50の表示部12への表示制御を実行する。
【0053】
図2に戻り説明を続ける。次に、制御部18について詳細に説明する。
【0054】
制御部18は、文書表示制御部18Aと、関係表示制御部18Bと、範囲設定部18Cと、関係設定部18Dと、決定部18Eと、を備える。文書表示制御部18A、関係表示制御部18B、範囲設定部18C、関係設定部18D、および決定部18Eの少なくとも1つは、例えば、1または複数のプロセッサにより実現される。例えば、上記各部は、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサにプログラムを実行させること、すなわちソフトウェアにより実現してもよい。上記各部は、専用のIC(Integrated Circuit)などのプロセッサ、すなわちハードウェアにより実現してもよい。上記各部は、ソフトウェアおよびハードウェアを併用して実現してもよい。複数のプロセッサを用いる場合、各プロセッサは、各部のうち1つを実現してもよいし、各部のうち2以上を実現してもよい。
【0055】
文書表示制御部18Aは、テキスト表示画面60を表示部12に表示する制御を行う。文書表示制御部18Aは、表示制御対象の文書30を管理情報20Aから読取り、該文書30を含むテキスト表示画面60を表示部12へ表示する。表示制御対象の文書30は、例えば、ユーザによる入力部14の操作指示によって入力された文書30である。文書表示制御部18Aは、入力部14から受付けた文書識別情報によって識別される文書30を表示制御対象として特定し、管理情報20Aから読取ればよい。
【0056】
このとき、文書表示制御部18Aは、表示制御対象として特定した文書30に対応する文書表示情報およびテキスト範囲を、管理情報20Aから読取る。そして、文書表示制御部18Aは、該文書30に含まれる、テキスト範囲情報に含まれるテキスト位置によって特定されるテキスト範囲62を、該テキスト範囲情報に含まれるテキスト範囲62の表示形態によって示される表示形態で表示する。
【0057】
このため、図3に示すように、テキスト表示画面60には、文書30に含まれる複数のテキスト範囲62(例えば、テキスト範囲62A~テキスト範囲62H)の各々が、該テキスト範囲62以外のテキストの領域とは異なる表示形態で強調して表示される。すなわち、文書表示制御部18Aは、テキスト範囲62を強調した表示形態で表したテキスト表示画面60を表示部12へ表示する。
【0058】
なお、管理情報20Aは、範囲設定部18C、関係設定部18D、および決定部18Eによって更新される(詳細後述)。このため、文書表示制御部18Aは、新たな文書30を表示するとき、および、範囲設定部18C、関係設定部18D、または決定部18Eによって管理情報20Aが更新されたときに、上記表示処理を実行すればよい。
【0059】
図2に戻り説明を続ける。関係表示制御部18Bは、テキストボックス画像52と、関係画像54と、を含む関係表示画面50を表示部12へ表示する表示制御を行う。
【0060】
関係表示制御部18Bは、表示制御対象の文書30に対応する関係設定情報およびテキストボックス画像情報を管理情報20Aから読取る。
【0061】
関係表示制御部18Bは、文書表示制御部18Aによって表示制御対象として特定された文書30を、表示制御対象の文書30として特定すればよい。すなわち、関係表示制御部18Bは、文書表示制御部18Aによってテキスト表示画面60に表示制御されている文書30に対応する関係設定情報およびテキストボックス画像情報を、管理情報20Aから読取ればよい。
【0062】
そして、関係表示制御部18Bは、読取った複数のテキストボックス画像情報の各々によって特定されるテキストボックス画像52を関係表示画面50に表示する。詳細には、関係表示制御部18Bは、テキストボックス画像情報に含まれる、テキストボックス画像52の表示位置に、対応するテキスト範囲情報によって示されるテキスト範囲62のテキストを、テキストボックス画像52の表示形態によって示される表示形態で表示する。
【0063】
また、関係表示制御部18Bは、テキストボックス画像情報に対応する関係設定情報を読取り、関係情報によって示される複数のテキスト範囲62の各々に対応する複数のテキストボックス画像52間に、関係画像54を表示する。詳細には、関係表示制御部18Bは、該複数のテキストボックス画像52を連結する線画像である関係画像54をテキスト表示画面60に表示する。
【0064】
このため、図3に示すように、関係表示画面50には、文書30に含まれる複数のテキスト範囲62の各々に対応する複数のテキストボックス画像52と、複数のテキストボックス画像52間を連結する関係画像54と、が表示される。
【0065】
なお、関係表示制御部18Bは、関係設定情報に含まれる関係強度および関係の種類情報に応じた表示形態の関係画像54を表示することが好ましい。
【0066】
例えば、関係の種類情報が、因果関係、包含関係、または時間関係を示す場合を想定する。この場合、関係表示制御部18Bは、これらの関係の上流側のテキストボックス画像52を始点とし、該始点から該関係の下流側のテキストボックス画像52を終点とする矢印画像を、関係画像54として表示する(関係画像54A~関係画像54D、関係画像54F~関係画像54G参照))。関係の上流側とは、因果関係の場合には原因となるテキスト範囲62のテキストボックス画像52を意味する。関係の上流側とは、包含関係の場合には他方のテキスト範囲62を包含する側のテキスト範囲62のテキストボックス画像52を意味する。関係の上流側とは、時間関係の場合には時間的に前に位置する事象であるテキスト範囲62のテキストボックス画像52を意味する。
【0067】
また、例えば、関係表示制御部18Bは、関係の種類情報が、同一関係または相関関係である場合を想定する。この場合、関係表示制御部18Bは、これらの関係を有する複数のテキストボックス画像52を連結する直線画像を、関係画像54として表示する(関係画像54E参照)。
【0068】
そして、このとき、関係表示制御部18Bは、関係設定情報に含まれる関係強度に応じた形態で、関係画像54を表示する。例えば、関係表示制御部18Bは、関係強度情報が強い関係または強い確からしさを示す情報であるほど、より太い線で表した関係画像54を表示する。
【0069】
なお、関係表示制御部18Bは、表示部12に表示されたテキスト表示画面60に対して、該テキスト表示画面60に含まれる文書30のテキストの書字方向である第1方向Xの上流側または下流側に、関係表示画面50を表示することが好ましい。具体的には、例えば、図3に示すように、関係表示制御部18Bは、テキスト表示画面60に対して第1方向Xの下流側に、関係表示画面50を配置することが好ましい。テキスト表示画面60と関係表示画面50とをこのような配置とすることで、文書30に含まれるテキスト範囲62同士の関係の視認性向上を更に図ることができる。
【0070】
なお、管理情報20Aは、範囲設定部18C、関係設定部18D、および決定部18Eによって更新される(詳細後述)。このため、関係表示制御部18Bは、新たな文書30を表示するとき、および、範囲設定部18C、関係設定部18D、または決定部18Eによって管理情報20Aが更新されたときに、上記表示処理を実行すればよい。
【0071】
なお、関係表示画面50に表示されているテキストボックス画像52の表示位置がユーザによる入力部14の操作指示などによって変更される場合がある。この場合、関係表示制御部18Bは、該テキストボックス画像52のテキストボックス画像情報に含まれる、テキストボックス画像52の表示位置を、変更後の表示位置に更新すればよい。
【0072】
また、関係表示画面50に表示されているテキストボックス画像52について、ユーザによる入力部14の操作指示などによって削除指示が入力される場合がある。この場合、関係表示制御部18Bは、該テキストボックス画像52のテキストボックス画像情報と、対応するテキスト範囲62のテキスト範囲情報とを、管理情報20Aから削除すればよい。
【0073】
また、ユーザによる入力部14の操作指示によって、関係表示画面50に含まれる特定のテキストボックス画像52が選択される場合がある。この場合、文書表示制御部18Aおよび関係表示制御部18Bは、選択されたテキストボックス画像52および該テキストボックス画像52に対応するテキスト範囲62の表示形態を、これらが同じテキストを示す情報であることを示す表示形態に変更することが好ましい。例えば、文書表示制御部18Aおよび関係表示制御部18Bは、選択されたテキストボックス画像52と対応するテキスト範囲62とを同時にハイライト表示、これらを結ぶ線画像の表示、これらの間を移動する画像のアニメーション表示、などを行う事が好ましい。同様に、ユーザによる入力部14の操作指示によって、テキスト表示画面60に含まれる特定のテキスト範囲62が選択される場合がある。この場合、文書表示制御部18Aおよび関係表示制御部18Bは、選択されたテキスト範囲62および該テキスト範囲62に対応するテキストボックス画像52の表示形態を、これらが同じテキストを示す情報であることを示す表示形態に変更することが好ましい。例えば、文書表示制御部18Aおよび関係表示制御部18Bは、選択されたテキスト範囲62と対応するテキストボックス画像52とを同時にハイライト表示、これらを結ぶ線画像の表示、これらの間を移動する画像のアニメーション表示、などを行う事が好ましい。
【0074】
図3には、一例として、関係表示画面50におけるテキストボックス画像52Eが選択された状態である場合を一例として示した。この場合、文書表示制御部18A及び関係表示制御部18Bは、テキストボックス画像52Eと、テキストボックス画像52Eに対応するテキスト範囲62Eと、をハイライト表示する。また、更に、文書表示制御部18Aおよび関係表示制御部18Bは、選択されたテキストボックス画像52Eに対して関係を有し且つ関係方向の下流側に隣接して位置するテキストボックス画像52Cおよびテキスト範囲62Cについても、同様にハイライト表示してもよい。
【0075】
図2に戻り説明を続ける。次に、範囲設定部18C、関係設定部18D、および決定部18Eについて説明する。範囲設定部18C、関係設定部18D、および決定部18Eは、管理情報20Aへの表示管理情報の登録および更新(変更)を行う機能部である。
【0076】
まず、範囲設定部18Cについて説明する。範囲設定部18Cは、文書30に含まれるテキスト範囲62を設定する。テキスト範囲62を設定する、とは、文書30に含まれるテキスト範囲62を特定し、該テキスト範囲62のテキスト範囲情報を管理情報20Aへ登録することを意味する。
【0077】
範囲設定部18Cは、ユーザによる入力部14の操作指示による指定、または、テキスト解析などによって、文書30に含まれるテキスト範囲62を設定する。
【0078】
例えば、ユーザは、テキスト表示画面60に表示された文書30を視認しながら入力部14を操作することで、所望のテキスト範囲62を選択する。入力部14は、選択を受付けたテキスト範囲62のテキスト位置およびテキスト表示位置を、文書表示制御部18Aへ出力する。
【0079】
文書表示制御部18Aは、入力部14から受付けたテキスト位置およびテキスト表示位置を、該文書30に対応するテキスト範囲情報として管理情報20Aへ登録する。文書表示制御部18Aは、テキスト範囲62ごとに、テキスト範囲情報を管理情報20Aへ登録する。
【0080】
なお、範囲設定部18Cは、新たなテキスト範囲情報を管理情報20Aへ登録する際には、テキスト範囲62の表示形態として、予め定めた表示形態(例えば、テキストボックス画像52を特定の色で表示する強調表示)を示す情報を管理情報20Aへ登録すればよい。
【0081】
なお、テキスト表示画面60に表示されている文書30の表示領域がユーザによる入力部14の操作指示などによってスクロールされる場合がある。この場合、テキスト表示画面60に含まれるテキスト範囲62の各々の表示位置が変更される。このため、範囲設定部18Cは、テキスト表示画面60におけるテキスト範囲62の表示位置が変更される毎に、該テキスト範囲62のテキスト範囲情報に含まれる、テキスト表示位置を現在の表示位置に更新すればよい。
【0082】
また、範囲設定部18Cは、管理情報20Aに登録したテキスト範囲情報に対応するテキストボックス画像情報として、初期値を管理情報20Aに登録する。テキストボックス画像情報の初期値は、関係表示画面50におけるテキストボックス画像52の表示位置、および、テキストボックス画像52の表示形態、の各々の初期値である。初期値は、予め定めればよい。例えば、初期値は、テキスト表示画面60におけるテキスト範囲62の表示位置を、関係表示画面50における位置Bを原点とした二次元座標に座標変換した表示位置である。
【0083】
なお、範囲設定部18Cは、ユーザによる入力部14の操作指示による指定に代えて、または該指定と共に、テキスト解析によるテキスト範囲62の解析結果を設定してもよい。
【0084】
例えば、範囲設定部18Cは、文書30をテキスト解析することで、文書30に含まれる複数のテキスト範囲62を特定する。テキスト解析には、公知の方法や、学習モデルなどを用いればよい。そして、範囲設定部18Cは、特定したテキスト範囲62のテキスト位置およびテキスト表示位置を、該文書30に対応するテキスト範囲情報として管理情報20Aへ登録すればよい。
【0085】
次に、関係設定部18Dについて説明する。関係設定部18Dは、関係設定情報を設定する。関係設定情報を設定する、とは、複数のテキスト範囲62間の関係を特定し、該関係を示す情報である関係設定情報を管理情報20Aへ登録することを意味する。すなわち、関係設定部18Dは、複数のテキスト範囲62が関係することを示す関係情報と、該関係の強さを示す関係強度情報と、を含む関係設定情報を設定する。
【0086】
関係設定部18Dは、ユーザによる入力部14の操作指示による指定、または、テキスト解析などによって、関係設定情報を設定する。
【0087】
例えば、ユーザは、関係表示画面50に表示された複数のテキストボックス画像52を視認しながら入力部14を操作することで、所望の複数のテキストボックス画像52の間を結ぶ線画像を入力する。具体的には、例えば、因果関係などの方向性のある関係を想定する。この場合、ユーザは、入力部14を操作することで、始点となるテキストボックス画像52から終点となるテキストボックス画像52へのマウスドラッグなどの操作を行う。この入力操作により、ユーザは、2つのテキストボックス画像52の間の関係を方向付で入力する。
【0088】
この入力操作により、入力部14は、何れのテキストボックス画像52のテキスト範囲62が関係するかを示す情報である関係情報を受付け、制御部18へ出力する。関係設定部18Dは、該関係情報を入力部14から受付ける。そして、関係設定部18Dは、受付けた関係情報を、該テキスト範囲62のテキスト範囲情報に対応する関係設定情報として管理情報20Aへ登録する。
【0089】
このとき、例えば、ユーザによる入力部14の操作指示などによって表示画面40上の特定の領域が指示されたと想定する。この場合、関係設定部18Dは、関係の種類情報および関係強度情報の少なくとも一方を選択するための選択画面を関係表示画面50に表示する。ユーザは、該選択画面を視認しながら入力部14を操作することで、所望の関係の種類情報、および、所望の関係強度情報を選択する。関係設定部18Dは、関係の種類情報および関係強度情報を入力部14から受付ける。そして、関係設定部18Dは、受付けた関係の種類情報および関係強度情報を更に含む該関係設定情報を、管理情報20Aへ登録する。ユーザは、関係の種類情報の変更または関係の削除指示についても、入力部14を操作することで入力できる。
【0090】
なお、関係設定部18Dは、ユーザによる入力部14の操作指示による指定に代えて、または該指定と共に、テキスト解析などよる解析結果を、関係設定情報として設定してもよい。
【0091】
例えば、関係設定部18Dは、文書30をテキスト解析することで、文書30に含まれる複数のテキスト範囲62について、複数のテキスト範囲62が関係することを示す関係情報と、該関係の強さを示す関係強度情報と、を含む関係設定情報を導出する。このテキスト解析には、公知の方法や、学習モデルなどを用いればよい。そして、関係設定部18Dは、導出した関係設定情報を、管理情報20Aへ登録すればよい。
【0092】
次に、決定部18Eについて説明する。決定部18Eは、関係表示画面50に含まれる複数のテキストボックス画像52の各々の、関係表示画面50における表示位置を決定する。また、決定部18Eは、テキスト表示画面60における文書30の文書表示情報を決定する。
【0093】
まず、決定部18Eによる文書表示情報の決定について説明する。決定部18Eは、テキスト表示画面60に表示する文書30について、表示時の行間、フォントサイズ、拡大率、などの文書表示情報を決定する。決定部18Eは、これらの情報を決定し、管理情報20Aを更新する。
【0094】
例えば、決定部18Eは、テキスト表示画面60に含まれる複数のテキスト範囲62の表示密度、関係表示画面50に含まれる複数のテキストボックス画像52の表示密度、などに応じて、文書表示情報を決定する。例えば、決定部18Eは、関係表示画面50に含まれる複数のテキストボックス画像52の表示密度が、ユーザによる視認性を損なう密度の閾値未満となるように、文書表示情報を決定する。
【0095】
また、例えば、決定部18Eは、予め定めた数の複数のテキスト範囲62が1画面のテキスト表示画面60内に含まれるように、表示時の行間、フォントサイズ、拡大率、などの文書表示情報を決定してもよい。また、決定部18Eは、関係表示画面50に表示されている全てのテキストボックス画像52に対応するテキスト範囲62が1画面のテキスト表示画面60内に含まれるように、表示時の行間、フォントサイズ、拡大率、などの文書表示情報を決定してもよい。また、決定部18Eは、関係設定部18Dによって設定されたテキストボックス画像52および該テキストボックス画像52と関係を有するテキストボックス画像52の全てに対応するテキスト範囲62が、1画面のテキスト表示画面60内に含まれるように、文書表示情報を決定してもよい。
【0096】
そして、決定部18Eは、決定した文書表示情報を、管理情報20Aへ登録する。上述したように、文書表示制御部18Aおよび関係表示制御部18Bは、管理情報20Aに基づいて関係表示画面50およびテキスト表示画面60を表示する。このため、決定部18Eによって管理情報20Aが更新される毎に、更新後の新たな情報に応じた関係表示画面50および関係表示画面50が表示部12へ表示される。
【0097】
次に、決定部18Eによるテキストボックス画像52の表示位置の決定について説明する。
【0098】
決定部18Eは、テキスト表示画面60におけるテキスト範囲62の表示位置であるテキスト表示位置、および、テキスト範囲62に対応するテキストボックス画像52の関係設定情報、の少なくとも一方を管理情報20Aから読取る。そして、決定部18Eは、これらのテキスト表示位置および関係設定情報の少なくとも一方に応じて、複数のテキストボックス画像52の各々の関係表示画面50における表示位置を決定する。
【0099】
例えば、決定部18Eは、範囲設定部18Cまたは関係設定部18Dによって、管理情報20Aに新たな情報が登録されたとき、または、管理情報20Aの少なくとも一部の情報が更新されたときに、テキストボックス画像52の表示位置の決定処理を実行する。例えば、決定部18Eは、範囲設定部18Cによって新たなテキスト範囲62が設定された場合に、決定処理を実行する。また、決定部18Eは、ユーザによる入力部14の操作指示などによってテキストボックス画像52の表示位置が移動された場合に、決定処理を実行する。なお、決定部18Eは、所定タイミング毎、または、ユーザによる入力部14の操作指示によって予め定めたボタンまたはボタン画像が指示された場合に、決定処理を実行してもよい。
【0100】
そして、決定部18Eは、決定したテキストボックス画像52の表示位置を、テキストボックス画像情報として管理情報20Aに登録する。文書表示制御部18Aおよび関係表示制御部18Bは、管理情報20Aの表示管理情報の少なくとも一部が変更または更新されるごとに、上記表示制御を実行する。このため、決定部18Eによって管理情報20Aが更新される毎に、更新後の新たな情報に応じた関係表示画面50および関係表示画面50が表示部12へ表示される。
【0101】
本実施形態では、決定部18Eは、以下の条件1~条件6の少なくとも1つを満たすように、テキストボックス画像52の表示位置を決定する。
【0102】
まず、条件1について説明する。条件1を満たす表示位置の決定処理とは、以下の処理である。この場合、決定部18Eは、テキスト表示画面60におけるテキスト範囲62の表示位置を特定し、関係表示画面50における対応する該表示位置から所定範囲内の領域を、該テキスト範囲62を示すテキストボックス画像52の表示位置として決定する。
【0103】
具体的には、決定部18Eは、テキスト表示画面60に含まれる複数のテキスト範囲62の各々について、管理情報20Aにおけるテキスト範囲情報を読取る。そして、決定部18Eは、該テキスト範囲情報に含まれるテキスト表示位置を読取る。これらの処理により、決定部18Eは、複数のテキスト範囲62の各々について、テキスト表示画面60における表示位置を示す位置座標を特定する。
【0104】
そして、決定部18Eは、テキスト表示画面60の位置Aを原点とした位置座標で表されるテキスト範囲62の表示位置を、関係表示画面50の位置Bを原点とした位置座標の座標空間に座標変換する。例えば、決定部18Eは、テキスト表示画面60におけるテキスト範囲62の各々の位置座標を、関係表示画面50における位置座標として特定する。そして、決定部18Eは、特定した該位置座標の位置から所定範囲内の領域を、該テキスト範囲62を示すテキストボックス画像52の表示位置として決定する。所定範囲は、予め定めればよい。
【0105】
この処理によって、決定部18Eは、テキスト表示画面60の位置Aを原点としたテキスト範囲62の各々の表示位置を、関係表示画面50の位置Bを原点とした表示位置に変換し、該変換した表示位置を、テキストボックス画像52の表示位置として決定する。すなわち、決定部18Eは、関係表示画面50における、テキスト表示画面60のテキスト範囲62の各々の表示位置に略一致する位置を、テキストボックス画像52の表示位置として決定することができる。
【0106】
次に、条件2について説明する。条件2を満たす表示位置の決定処理とは、以下の処理である。この場合、決定部18Eは、テキスト表示画面60におけるテキスト範囲62の、第2方向Yにおける表示位置を特定する。そして、決定部18Eは、関係表示画面50における該表示位置から第2方向Yの所定範囲内の領域を、該テキスト範囲62を示すテキストボックス画像52の表示位置として決定する。
【0107】
この場合、決定部18Eは、テキスト表示画面60に含まれる複数のテキスト範囲62の各々について、管理情報20Aにおけるテキスト範囲情報を読取る。そして、決定部18Eは、該テキスト範囲情報に含まれるテキスト表示位置を読取る。このとき、決定部18Eは、テキスト表示位置として、第2方向Yにおける位置座標を読取る。
【0108】
そして、決定部18Eは、テキスト表示画面60の位置Aを原点とした位置座標で表されるテキスト範囲62の表示位置を、関係表示画面50の位置Bを原点とした位置座標の座標空間に座標変換する。例えば、決定部18Eは、テキスト表示画面60におけるテキスト範囲62の各々の第2方向Yの位置座標を、関係表示画面50における第2方向Yの位置座標に座標変換する。そして、決定部18Eは、特定した該位置座標の位置から所定範囲内の領域を、該テキスト範囲62を示すテキストボックス画像52の表示位置として決定する。所定範囲は、予め定めればよい。
【0109】
この場合、決定部18Eは、関係表示画面50における、テキスト表示画面60のテキスト範囲62の各々の第2方向Yの表示位置に略一致する位置を、テキストボックス画像52の表示位置として決定することができる。
【0110】
次に、条件3について説明する。条件3を満たす表示位置の決定処理とは、以下の処理である。この場合、決定部18Eは、関係表示画面50における関係画像54である矢印画像の矢印の方向が同一方向となるように、テキストボックス画像52の各々の関係表示画面50における表示位置を決定する。
【0111】
矢印の方向が同一方向となるようにテキストボックス画像52の表示位置を決定する、とは、関係画像54である矢印画像の矢印の方向が同一方向に少しでも近づくように、複数のテキストボックス画像52の各々の表示位置を決定することを意味する。このため、全ての関係画像54である矢印画像の矢印方向が完全に一致することを意味するものではない。
【0112】
次に、条件4について説明する。条件4を満たす表示位置の決定処理とは、以下の処理である。この場合、決定部18Eは、関係を有する複数のテキストボックス画像52間の距離が、関係を有さない複数のテキストボックス画像52間の距離に比べて短くなるように、テキストボックス画像52の関係表示画面50における表示位置を決定する処理である。
【0113】
次に、条件5について説明する。条件5を満たす表示位置の決定処理とは、以下の処理である。この場合、決定部18Eは、所定数以上の数のテキストボックス画像52が、関係表示画面50における第1方向Xに沿って配列される事を抑制する処理である。詳細には、上記条件1~条件4の少なくとも1つを満たすようにテキストボックス画像52の表示位置を決定した場合、関係表示画面50の第2方向Yにおける略同じ表示位置に、複数のテキストボックス画像52が第1方向Xに沿って配置される場合がある。このため、決定部18Eは、所定数以上の数のテキストボックス画像52が第1方向Xに沿って配列された構成となる場合、該複数のテキストボックス画像52の内の少なくとも1つの第2方向Yにおける位置を変更する。
【0114】
次に、条件6について説明する。条件6を満たす表示位置の決定処理とは、以下の処理である。この場合、決定部18Eは、関係表示画面50における複数のテキストボックス画像52間の距離が、予め定めた最低表示距離以下とならないように、テキストボックス画像52の各々の表示位置を調整する処理である。最低表示距離は、予め定めればよい。例えば、最低表示距離は、0を超える値である。詳細には、上記条件1~条件5の少なくとも1つを満たすようにテキストボックス画像52の表示位置を決定した場合、少なくとも一部のテキストボックス画像52間の距離が、最低表示距離以下となる場合がある。このため、決定部18Eは、条件6を満たす表示位置の決定処理を行ってもよい。
【0115】
決定部18Eは、上記条件1~条件6の少なくとも1つを満たすように、以下の式(1)を用いて、テキストボックス画像52の表示位置を決定すればよい。
【0116】
【数1】
【0117】
式(1)中、d(x)、d(x)、d(x)は、各々、以下の式(2)~(4)の各々で表される。
【0118】
【数2】
【0119】
【数3】
【0120】
【数4】
【0121】
式(1)~式(4)中、uは、関係表示画面50における、テキストボックス画像52の表示位置(位置座標)を示す。iは、テキストボックス画像52の識別情報を示す。tは、式(1)の繰返しの算出回数(イテレーション回数)を示す。すなわち、“ui,t+1”は、“i”によって識別されるテキストボックス画像52の、今回算出した表示位置である。“ui,t”は、“i”によって識別されるテキストボックス画像52の、前回算出した表示位置である。
【0122】
式(1)~式(4)中、αおよびβは、定数である。sは、テキスト表示画面60におけるテキスト範囲62の表示位置(位置座標)を示す。
【0123】
また、式(1)~式(4)中、e(a,b)は、識別情報“a”によって識別されるテキストボックス画像52から、識別情報“b”によって識別されるテキストボックス画像52への、関係画像54である矢印画像を示す。
【0124】
また、式(1)~式(4)中、zは、特定の単位ベクトルを示す。rは、ランダムな単位ベクトルを示す。
【0125】
なお、式(1)~式(4)中、太字で表した部分は、テキスト表示画面60におけるテキスト範囲62の表示位置(位置座標)、関係表示画面50におけるテキストボックス画像52の表示位置(位置座標)、あるいは関係表示画面50における方向を表す2次元ベクトルである。太字で表した部分とは、具体的には、上記式(1)における、“ui,t+1”、“ui,t”、“s”、“uk,t”、“z”、“r”である。
【0126】
また、式(1)中、αの項は、条件1および条件2の項である。また、αの項は、条件6の項である。αの項は、条件4の項である。αの項は、条件5の項である。αの項は、条件3の項である。
【0127】
決定部18Eは、関係表示画面50に含まれる全ての複数のテキストボックス画像52の各々について、上記式(1)を用いて、関係表示画面50における表示位置“ui,t+1”を算出する算出処理を繰り返し実行する。この算出処理の繰返し回数が、上記算出回数(イテレーション回数)に相当する。そして、決定部18Eは、該算出処理を1回行うごとに、複数のテキストボックス画像52の各々の前回算出した表示位置からの移動距離を算出する。更に、決定部18Eは、複数のテキストボックス画像52の各々の前回算出からの該移動距離の総和を総移動量として算出する。そして、決定部18Eは、この総移動量が一定の閾値を下回るまで、上記算出処理を繰り返し実行する。決定部18Eは、この総移動量が一定の閾値を下回ったときの、テキストボックス画像52の各々の表示位置“ui,t+1”を、テキストボックス画像52の各々の表示位置として決定すればよい。そして、決定部18Eは、決定した表示位置を、複数のテキストボックス画像52の各々のテキストボックス画像情報として管理情報20Aに登録すればよい。
【0128】
なお、決定部18Eは、上記式(1)における、α、α、α、α、およびαの項の各々に重み付け値を付与し、該重み付け値を調整してもよい。この調整により、決定部18Eは、上記条件1~条件6の各々の重み付けを調整してもよい。
【0129】
例えば、条件1の項であるαの項の重み付け値を、他の項(α、α、α、およびα)の重み付け値より小さくした場合を測定する。この場合、図5に示すように、関係表示画面50に含まれるテキストボックス画像52の各々の表示位置は、テキスト表示画面60におけるテキスト範囲62の表示位置に応じた位置より、テキストボックス画像52同士の関係性を重視したレイアウトとなる。すなわち、関係画像54である矢印画像が同じ方向を向くように調整されたレイアウトとなる。この場合、情報処理装置10は、ユーザに対して、複数のテキストボックス画像52間の関係性を、より視認しやすく提供することができる。また、情報処理装置10は、ユーザによる関係設定情報の操作指示時の視認性の向上を図ることができる。
【0130】
なお、なお、α、α、α、α、およびαの項の各々の重み付け値は、ユーザによる入力部14の操作指示などによって、適宜変更可能としてもよい。
【0131】
次に、本実施形態の情報処理装置10が実行する情報処理の流れの一例を説明する。
【0132】
図6は、情報処理装置10が実行する情報処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0133】
文書表示制御部18Aは、表示制御対象の文書30を管理情報20Aから読取る(ステップS100)。文書表示制御部18Aは、ステップS100で読取った文書30に対応する文書表示情報およびテキスト範囲情報を、管理情報20Aから読取る(ステップS102)。そして、文書表示制御部18Aは、ステップS100で読取った文書30をステップS102で読取った文書表示情報で示し、且つ、ステップS102で読取ったテキスト範囲情報のテキスト範囲62を含むテキスト表示画面60を、表示部12へ表示する(ステップS104)。
【0134】
関係表示制御部18Bは、ステップS100で読取った文書30に対応する関係設定情報およびテキストボックス画像情報を管理情報20Aから読取る(ステップS106)。
【0135】
関係表示制御部18Bは、読取った複数のテキストボックス画像情報の各々によって特定されるテキストボックス画像52と、関係設定情報によって表される関係画像54と、を含む関係表示画面50を、表示部12へ表示する(ステップS108)。
【0136】
ステップS102~ステップS108の処理によって、表示部12には、図3または図5に示す、関係表示画面50およびテキスト表示画面60が表示される。なお、ステップS102~ステップS108の処理は、図6に示す順に実行する形態に限定されない。これらのステップS102~ステップS108の処理の少なくとも一部を、重複するタイミングで並列に実行してもよい。
【0137】
次に、制御部18は、表示画面40の表示処理を終了するか否かを判断する(ステップS110)。例えば、制御部18は、ユーザによる入力部14の操作指示などによって終了指示を示す信号を受付けたか否かを判別することで、ステップS110の判断を行う。ステップS110で否定判断すると(ステップS110:No)、上記ステップS102へ戻る。一方、ステップS110で肯定判断すると(ステップS110:Yes)、本ルーチンを終了する。
【0138】
次に、本実施形態の情報処理装置10が図6の情報処理時に実行する割込処理を説明する。本実施形態の情報処理装置10は、図6の情報処理時に、図7に示す割込処理を繰り返し実行する。
【0139】
図7は、情報処理装置10が実行する割込処理の流れの一例を示す、フローチャートである。
【0140】
範囲設定部18Cは、テキスト範囲62を設定するか否かを判断する(ステップS200)。例えば、範囲設定部18Cは、表示部12に表示された文書30に対して、ユーザによる入力部14の操作指示によってユーザの所望の範囲の選択を受付けたときに、テキスト範囲62を設定すると判断する。
【0141】
ステップS200で否定判断すると(ステップS200:No)、後述するステップS206へ進む。一方ステップS200で肯定判断すると(ステップS200:Yes)、ステップS202へ進む。ステップS202では、範囲設定部18Cは、ステップS200で入力部14から受付けたテキスト位置およびテキスト表示位置を、該文書30に対するテキスト範囲情報として管理情報20Aへ登録する(ステップS202)。なお、文書30における同じテキスト位置を含むテキスト範囲62のテキスト範囲情報が、管理情報20Aへ登録済である場合がある。この場合、範囲設定部18Cは、入力部14から受付けたテキスト位置およびテキスト表示位置を示すテキスト範囲情報となるように、管理情報20Aを更新すればよい。
【0142】
範囲設定部18Cは、ステップS202で管理情報20Aに登録または更新したテキスト範囲情報に対応するテキストボックス画像情報として、初期値を管理情報20Aに登録する(ステップS204)。
【0143】
次に、関係設定部18Dが、関係設定情報を設定するか否かを判断する(ステップS206)。例えば、関係設定部18Dは、表示部12に表示された関係表示画面50に対して、ユーザによる入力部14の操作指示によって関係設定情報の入力を受付けたか否かを判別することで、ステップS206の判断を行う。ステップS206で否定判断すると(ステップS206:No)、後述するステップS210へ進む。
【0144】
ステップS206で肯定判断すると(ステップS206:Yes)、ステップS208へ進む。ステップS208では、関係設定部18Dは、入力部14から受付けた関係設定情報を管理情報20Aへ登録する(ステップS208)。
【0145】
次に、決定部18Eが、テキストボックス画像52および関係画像54の少なくとも一方の表示調整を行うか否かを判断する(ステップS210)。例えば、決定部18Eは、予め定めた表示調整条件を満たすか否かを判別することで、ステップS210の判断を行う。表示調整条件は、例えば、管理情報20Aに新たな情報が登録されたとき、管理情報20Aの少なくとも一部の情報が更新されたとき、所定タイミングとなったとき、または、ユーザによる入力部14の操作指示によって予め定めたボタンまたはボタン画像が指示されたとき、などである。
【0146】
ステップS210で否定判断すると(ステップS210:No)、後述するステップS216へ進む。ステップS210で肯定判断すると(ステップS210:Yes)、ステップS212へ進む。
【0147】
ステップS212では、決定部18Eは、関係表示画面50に含まれる複数のテキストボックス画像52の各々の、関係表示画面50における表示位置を決定する(ステップS212)。また、決定部18Eは、テキスト表示画面60における文書30の文書表示情報を決定する。上述したように、例えば、決定部18Eは、条件1~条件6の少なくとも1つを満たすように、テキストボックス画像52の表示位置を決定する。
【0148】
そして、決定部18Eは、管理情報20Aの表示管理情報を更新する(ステップS214)。すなわち、決定部18Eは、決定したテキストボックス画像情報、関係設定情報、文書表示情報を管理情報20Aへ登録することで、管理情報20Aを更新する。
【0149】
次に、制御部18は、表示画面40の表示処理を終了するか否かを判断する(ステップS216)。ステップS216の判断は、上記ステップS110(図6参照)と同様である。ステップS216で否定判断すると(ステップS216:No)、上記S200へ戻る。一方、ステップS216で肯定判断すると(ステップS216:Yes)、本ルーチンを終了する。
【0150】
なお、ステップS200~ステップS204、ステップS206~ステップS208、ステップS210~ステップS214、のこれらの処理の実行順は、図7に示す処理順に限定されない。
【0151】
以上説明したように、本実施形態の情報処理装置10は、関係表示制御部18Bを備える。関係表示制御部18Bは、文書30に含まれる複数のテキスト範囲62の各々を示すテキストボックス画像52と、複数のテキスト範囲62間の関係を示す関係画像54と、を含む関係表示画面50を表示する。
【0152】
このように、情報処理装置10は、文書30を表示するためのテキスト表示画面60とは別の関係表示画面50を用意し、該関係表示画面50に、テキスト範囲62に対応するテキストボックス画像52と関係画像54とを表示する。
【0153】
このため、本実施形態の情報処理装置10は、文書30におけるテキスト範囲62の位置関係に依存しないテキストボックス画像52という表示形式で、関係を有する複数のテキスト範囲62の各々を表示することができる。例えば、文書30において離れた位置関係にある複数のテキスト範囲62の間に関係がある場合であっても、これらのテキスト範囲62の関係を容易に認識可能な形態の関係表示画面50を表示することができる。
【0154】
従って、本実施形態の情報処理装置10は、文書30に含まれる複数のテキスト範囲62同士の関係の視認性向上を図ることができる。
【0155】
また、本実施形態の情報処理装置10は、決定部18Eが、テキスト表示画面60におけるテキスト範囲62の表示位置、および、関係画像54の関係設定情報、の少なくとも一方に応じて、複数のテキストボックス画像52の各々の表示位置を決定する。
【0156】
このため、本実施形態の情報処理装置10は、関係表示画面50におけるテキストボックス画像52の表示位置を自動レイアウトすることができる。このため、本実施形態の情報処理装置10は、上記効果に加えて、ユーザによる作業効率および確認効率の向上を図ることができる。
【0157】
次に、上記実施形態における情報処理装置10の、ハードウェア構成の一例を説明する。
【0158】
図8は、上記実施形態に係る情報処理装置10の、ハードウェア構成図の一例である。
【0159】
情報処理装置10は、CPU86などの制御装置と、ROM(Read Only Memory)88やRAM(Random Access Memory)90やHDD(ハードディスクドライブ)92などの記憶装置と、各種機器とのインターフェースであるI/F部82と、各種情報を出力する出力部80と、ユーザによる操作を受付ける入力部94と、各部を接続するバス96とを備えており、通常のコンピュータを利用したハードウェア構成となっている。
【0160】
情報処理装置10では、CPU86が、ROM88からプログラムをRAM90上に読み出して実行することにより、上記各部がコンピュータ上で実現される。
【0161】
なお、情報処理装置10で実行される上記各処理を実行するためのプログラムは、HDD92に記憶されていてもよい。また、情報処理装置10で実行される上記各処理を実行するためのプログラムは、ROM88に予め組み込まれて提供されていてもよい。
【0162】
また、情報処理装置10で実行される上記処理を実行するためのプログラムは、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルでCD-ROM、CD-R、メモリカード、DVD(Digital Versatile Disk)、フレキシブルディスク(FD)等のコンピュータで読み取り可能な記憶媒体に記憶されてコンピュータプログラムプロダクトとして提供されるようにしてもよい。また、情報処理装置10で実行される上記処理を実行するためのプログラムを、インターネットなどのネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するようにしてもよい。また、情報処理装置10で実行される上記処理を実行するためのプログラムを、インターネットなどのネットワーク経由で提供または配布するようにしてもよい。
【0163】
なお、上記には、本発明の実施形態を説明したが、上記実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0164】
1 情報処理システム
10 情報処理装置
12 表示部
18A 文書表示制御部
18B 関係表示制御部
18C 範囲設定部
18D 関係設定部
18E 決定部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8