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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-06
(45)【発行日】2023-10-17
(54)【発明の名称】フレーム構造体
(51)【国際特許分類】
   B62D 21/02 20060101AFI20231010BHJP
   B60P 1/44 20060101ALI20231010BHJP
【FI】
B62D21/02 Z
B60P1/44 E
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020066064
(22)【出願日】2020-04-01
(65)【公開番号】P2021160641
(43)【公開日】2021-10-11
【審査請求日】2023-03-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000005463
【氏名又は名称】日野自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100148013
【弁理士】
【氏名又は名称】中山 浩光
(72)【発明者】
【氏名】石井 聡訓
【審査官】福田 信成
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-112977(JP,A)
【文献】特開昭59-14574(JP,A)
【文献】特開2019-142391(JP,A)
【文献】特開平11-263243(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第10359078(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62D 21/02
B60P 1/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の前後方向に延在するメインフレームに適用されるフレーム構造体であって、
前記メインフレームの後端部分には、格納式テールゲートが懸架される懸架領域が設けられ、
前記懸架領域では、前記メインフレームの後端部分の下方側が切り欠かれることにより、前記メインフレームの本体部よりも上下幅が小さい幅狭部が形成され、
前記メインフレームには、前記本体部から前記幅狭部にわたって前記車両の前後方向に延在する補強部材が結合されているフレーム構造体。
【請求項2】
前記補強部材の後端は、前記メインフレームの後端と一致している請求項1記載のフレーム構造体。
【請求項3】
前記補強部材の下端は、前記幅狭部における前記メインフレームの下端と一致している請求項1又は2記載のフレーム構造体。
【請求項4】
前記メインフレームの前記本体部には、前記車両の前後方向に延在するインナー部材が結合され、
前記補強部材の前端部分には、前記インナー部材の後端部分の形状に対応する切欠部が設けられ、
前記インナー部材の後端は、前記切欠部において前記補強部材の前端部分に突き当てられている請求項1~3のいずれか一項記載のフレーム構造体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、フレーム構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のフレーム構造体として、例えば特許文献1に記載の床下格納式昇降装置に用いられるフレーム構造体がある。このフレーム構造体では、トラック等の車両の前後方向に延在するメインフレームの後端部分に、格納式テールゲートが懸架される懸架領域が設けられている。テールゲートは、メインフレームの後端部分に取り付けられたスライドガイドを備え、スライドガイドに対して摺動可能なランナを係合することにより、格納位置と昇降位置との間で駆動可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2012-040896号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
メインフレームの後端部分に格納式テールゲートが懸架される車両では、メインフレームとテールゲートとの干渉を避けるため、メインフレームの後端部分の形状を調整し、テールゲートの懸架領域に一定のスペースを確保する必要がある。従来のフレーム構造体では、例えばテールゲートの懸架領域に対応する部分でメインフレームの後端部分を切断し、メインフレームよりも幅狭の別フレームをメインフレームの上端に合わせて結合すると共に、当該結合部分に補強部材を接合した構造が採用されている。
【0005】
しかしながら、このようなフレーム構造体では、メインフレームに別のフレームを結合するため、フレーム断面が不連続となる。このため、フレームの強度及び剛性を確保するに際して、メインフレームと別フレームとの結合部分に大幅な補強を施す必要が生じ、フレーム構造体の高重量化及び高コスト化が課題となっていた。
【0006】
本開示は、上記課題の解決のためになされたものであり、軽量かつ低コストで格納式テールゲートの懸架領域を構築できるフレーム構造体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一側面に係るフレーム構造体は、車両の前後方向に延在するメインフレームに適用されるフレーム構造体であって、メインフレームの後端部分には、格納式テールゲートが懸架される懸架領域が設けられ、懸架領域では、メインフレームの後端部分の下方側が切り欠かれることにより、メインフレームの本体部よりも上下幅が小さい幅狭部が形成され、メインフレームには、本体部から幅狭部にわたって車両の前後方向に延在する補強部材が結合されている。
【0008】
このフレーム構造体では、メインフレームの後端部分の下方側が切り欠かれることにより、メインフレームの本体部よりも上下幅が小さい幅狭部が形成されている。幅狭部を設けることにより、メインフレームの懸架領域に一定のスペースを確保することができ、メインフレームとテールゲートとの干渉を回避できる。また、このフレーム構造体では、メインフレームの後端部分を切断して別フレームを結合する構造とは異なり、メインフレームの後端部分においてフレーム断面の連続性が維持される。メインフレームには、本体部から幅狭部にわたって車両の前後方向に延在する補強部材が結合されているが、メインフレームの後端部分のフレーム断面の連続性が維持されることで後端部分の一定の強度及び剛性が確保できるため、補強部材による補強を簡素化できる。したがって、このフレーム構造体では、軽量かつ低コストで格納式テールゲートの懸架領域を構築できる。
【0009】
補強部材の後端は、メインフレームの後端と一致していてもよい。この場合、補強部材によってメインフレームの後端部分の強度及び剛性を一層高めることができる。また、補強部材がメインフレームの後端まで延びることで、メインフレームに対する補強部材の締結位置に自由度を持たせることができる。このため、懸架領域に懸架される格納式テールゲートの取付位置に応じてメインフレームに対する補強部材の締結位置を調整することが可能となり、格納式テールゲートの架装性の向上が図られる。
【0010】
補強部材の下端は、幅狭部におけるメインフレームの下端と一致していてもよい。この場合、補強部材によるメインフレームの後端部分の強度及び剛性の向上と、懸架領域における十分なスペースの確保とを両立できる。
【0011】
メインフレームの本体部には、車両の前後方向に延在するインナー部材が結合され、補強部材の前端部分には、インナー部材の後端部分の形状に対応する切欠部が設けられ、インナー部材の後端は、切欠部において補強部材の前端部分に突き当てられていてもよい。この場合、補強部材の前端部分とインナー部材の後端部分との突き当て部分において、フレームの局所的な断面変化を低減することができる。したがって、インナー部材と補強部材との間でメインフレームに局所的な応力集中が生じることを抑制でき、補強部材の大型化及び高重量化を回避できる。
【発明の効果】
【0012】
本開示によれば、軽量かつ低コストで格納式テールゲートの懸架領域を構築できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】テールゲートが懸架されたフレーム構造体の側面図である。
図2】本開示の一実施形態に係るフレーム構造体の斜視図である。
図3図2に示したフレーム構造体の側面図である。
図4図3におけるIV-IV線断面図である。
図5図3におけるV-V線断面図である。
図6】インナー部材と補強部材との接続部分を示す要部拡大図である。
図7図3におけるVII―VII線断面図である。
図8】テールゲートの締結例を示す側面図である。
図9】テールゲートの別の締結例を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照しながら、本開示の一側面に係るフレーム構造の好適な実施形態について詳細に説明する。
【0015】
図1は、テールゲートが懸架されたフレーム構造体の側面図である。図1に示すフレーム構造体1は、例えばコンテナを有するトラック等の車両下部後方に適用される構造体である。
【0016】
格納式のテールゲートTは、フレーム構造体1に固定される基体部3と、基体部3に接続された伸縮ロッド4と、二つ折りの状態で伸縮ロッド4の先端に接続されたゲートパネル5と、ゲートパネル5に接続されたリフトアーム6とを備えている。また、テールゲートTは、フレーム構造体1に取り付けられたスライドガイド8と、スライドガイド8に沿って摺動可能なランナ(不図示)とを備えている。リフトアーム6とゲートパネル5とは、ランナの摺動に伴って車両前後方向に駆動可能となっている。
【0017】
同図に示すように、テールゲートTは、フレーム構造体1に設けられた懸架領域B(後述)に懸架されている。荷物の搬入等を行う際には、伸縮ロッド4が車両後方に伸長し、ゲートパネル5がコンテナの後方まで進出した後、リフトアーム6の稼働によりゲートパネル5が上に駆動する。荷物の搬入等が完了した後には、リフトアーム6の稼働によりゲートパネル5が下方に駆動した後、伸縮ロッド4が元の位置まで短縮することにより、ゲートパネル5が懸架領域Bに退避する。二つ折りのゲートパネル5は、電動で開閉するものであってもよいし、手動で開閉するものであってもよい。また、ゲートパネル5は、二つ折りのものに限られず、様々な種類のものを用いることが可能である。
【0018】
図2は、本開示の一実施形態に係るフレーム構造体の斜視図である。また、図3は、その側面図であり、図4は、図3におけるIV-IV線断面図である。図2図4に示すように、フレーム構造体1は、メインフレーム2と、インナー部材21とを含んで構成されている。
【0019】
メインフレーム2は、車両のシャシーを構成する左右一対の部材であり、車両の前後方向に延在している(図2図4では、一方のメインフレームのみを図示する)。メインフレーム2は、例えば断面略C字状の金属製の型材によって構成されている。メインフレーム2の本体部23は、側面部2aと、側面部2aの上下端から側面部2aと直交して同方向に張り出す上面部2b及び底面部2cとを有している。側面部2aには、メインフレーム2と他の部材との結合に用いられる貫通孔2dが設けられている。本実施形態では、側面部2aの上部及び下部においてメインフレーム2の延在方向に複数の貫通孔2dがそれぞれ配列されている。
【0020】
インナー部材21は、メインフレーム2の本体部23を補強する部材であり、本体部23の長手方向に沿って延在している。インナー部材21は、例えば断面略L字状の金属製の型材によって構成されている。インナー部材21は、例えばメインフレーム2の上面部2bと略等幅の側面部21a及び側面部21bを有している。側面部21bには、メインフレーム2と同様に、インナー部材21と他の部材との結合に用いられる貫通孔21dが設けられている。側面部21aは、側面部21bの幅方向の一端から側面部21bと直交する方向に張り出している。
【0021】
本実施形態では、インナー部材21は、メインフレームにおける本体部23の側面部2aの上部及び下部にそれぞれ配置されている。上部のインナー部材21では、側面部21bが本体部23の側面部2aに当接し、側面部21aが本体部23の上面部2bに当接している。また、下部のインナー部材21では、側面部21bが本体部23の側面部2aに当接し、側面部21aが本体部23の底面部2cに当接している。上下のインナー部材21は、例えば貫通孔2d,21dを用いたボルト―ナット締結により、メインフレーム2の本体部23に対して強固に結合されている。
【0022】
続いて、メインフレーム2の後端部分の構成について詳細に説明する。
【0023】
メインフレーム2の後端部分には、上述した格納式のテールゲートTの懸架領域Bが設けられている。メインフレーム2の後端部分には、この懸架領域Bに対応して、メインフレーム2の本体部23よりも上下幅が小さい幅狭部24が形成されている。この幅狭部24は、メインフレーム2の後端部分の下方側が切り欠かれることによって形成されている。本実施形態では、メインフレーム2の後端部分の下方側に形成された切欠部F1は、メインフレーム2の側面視において略矩形状をなしている。
【0024】
切欠部F1の寸法は、メインフレーム2の強度及び寸法、テールゲートTの重量及び寸法、テールゲートTを献花した状態での車両の地上高等を考慮し、適宜設計され得る。本実施形態では、切欠部F1の前後方向の長さは、懸架領域Bに懸架されるテールゲートTの格納状態における前後方向の長さよりも大きくなっており、切欠部F1の上下方向の長さは、メインフレーム2の側面部2aの上下幅の半分以下程度となっている。
【0025】
切欠部F1では、メインフレーム2の側面部2aの下側部分と底面部2cとが切り欠かれている。したがって、幅狭部24では、図5に示すように、メインフレーム2の側面部2aの上側部分と上面部2bとによって構成される断面L字状部分50が、本体部23から連続してメインフレーム2の後端2eに至るまで延在した状態となっている。なお、切欠部F1によってメインフレーム2の側面部2aに形成される隅部及び角部には、面取り加工或いは角取り加工などが施されていてもよい。
【0026】
幅狭部24の形成にあたり、メインフレーム2には、本体部23から幅狭部24にわたって車両の前後方向に延在する補強部材25が結合されている。補強部材25は、メインフレーム2の幅狭部24の強度及び剛性を補う部材であり、例えば断面略C字状の金属製の型材によって構成されている。具体的には、補強部材25は、幅狭部24の上下幅に対応する幅の側面部25aと、メインフレーム2の上面部2bと略等幅の上面部25bと、メインフレーム2の底面部2cと略等幅の底面部25cとを有している。側面部25aの上部には、メインフレーム2と同様に、補強部材25と他の部材との結合に用いられる貫通孔25dが設けられている。上面部25b及び底面部25cは、側面部25aの上下端から側面部25aと直交して同方向に張り出している。
【0027】
メインフレーム2に補強部材25を結合するにあたり、側面部25aは、メインフレーム2の側面部2aに当接し、上面部25bは、メインフレーム2の上面部2bに当接している(図5参照)。補強部材25は、例えば貫通孔2d,25dを用いたボルト―ナット締結により、メインフレーム2の幅狭部24に対して強固に結合されている。
【0028】
補強部材25の前後方向の寸法は、幅狭部24の強度及び剛性の確保、懸架領域Bのスペースの確保、フレーム構造体1の軽量化等を考慮し、適宜設計しうる。本実施形態では、図3に示すように、補強部材22の後端25e側は、メインフレーム2の後端2eの位置まで延びており、補強部材25の後端25eとメインフレーム2の後端2eとが一致している。また、本実施形態では、補強部材25の側面部25aの上下幅と、上面部25b及び底面部25cの厚さとの合計は、幅狭部24におけるメインフレーム2の側面部2aの上下幅と一致している。これにより、補強部材25の下端25fと幅狭部24におけるメインフレーム2の下端2fとは一致している。
【0029】
また、図6に示すように、補強部材25の前端部分25g側は、本体部23と幅狭部24との境界部分よりも前方に位置している。この補強部材25の前端部分25gには、側面視におけるインナー部材21の後端部分21eの形状に対応する切欠部F2が設けられている。本実施形態では、切欠部F2は、補強部材25の前端部分25gの上方側が切り欠かれることによって、側面視で矩形に形成されている。切欠部F2の上下方向の長さは、インナー部材21の上下幅と略等しくなっている。切欠部F2の前後方向の長さは、特に制限はないが、例えば補強部材25の前端部分25gが一定の長さにわたって上下のインナー部材21,21間に位置するような長さとなっている。
【0030】
このような切欠部F2は、補強部材25の配置にあたってのインナー部材21の後端部分21eの逃げ部として機能する。本実施形態では、上側のインナー部材21の後端部分21eが切欠部F2で切り欠かれた領域に位置し、補強部材25の前端部分25gに突き当てられている。インナー部材21の後端部分21eと補強部材25の前端部分25gでは、図6及び図7に示すように、インナー部材21の側面部21bと補強部材25の側面部25aとが連続し、インナー部材21の側面部21aと補強部材25の上面部25bとが連続する。したがって、インナー部材21の後端部分21eと補強部材25の前端部分25gとが離間している場合と比較して、フレームの局所的な断面変化が低減されている。
【0031】
以上説明したように、このフレーム構造体1では、メインフレーム2の後端部分の下方側が切り欠かれることにより、メインフレーム2の本体部23よりも上下幅が小さい幅狭部24が形成されている。幅狭部24を設けることにより、メインフレーム2の懸架領域Bに一定のスペースを確保することができ、メインフレーム2とテールゲートTとの干渉を回避できる。また、このフレーム構造体1では、メインフレーム2の後端部分を切断して別フレームを結合する構造とは異なり、メインフレーム2の後端部分において断面L字状部分50の連続性が維持される。メインフレーム2には、本体部23から幅狭部24にわたって車両の前後方向に延在する補強部材22が結合されているが、メインフレーム2の後端部分の断面L字状部分50の連続性が維持されることで後端部分の一定の強度及び剛性が確保できるため、補強部材22による補強を簡素化できる。たがって、このフレーム構造体1では、軽量かつ低コストでテールゲートTの懸架領域Bを構築できる。
【0032】
また、このフレーム構造体1では、本体部23の上面部2b及び幅狭部24の上面部2bがメインフレーム2の連続体となっているため、本体部23と幅狭部24との間で上面部2bの平坦化が図られている。このため、上面部2bを平坦化するための新たな部材(アウター部材等)を設ける必要もない。
【0033】
また、本実施形態では、補強部材25の後端25eは、メインフレーム2の後端2eと一致している。これにより、補強部材25によってメインフレーム2の後端部分の強度及び剛性を一層高めることができる。また、補強部材25がメインフレーム2の後端2eまで延びることで、メインフレーム2に対する補強部材25の締結位置に自由度を持たせることができる。このため、懸架領域Bに懸架されるテールゲートTの固定領域Xに応じてメインフレーム2に対する補強部材25の締結位置を調整することが可能となり、テールゲートTの架装性の向上が図られる。
【0034】
図8の例では、テールゲートTは、幅狭部24前方に位置する固定領域Xにおいて幅狭部24に結合されている。また、図9の例では、テールゲートTは、幅狭部24前方、後方、及びそれらの中間に位置する複数の固定領域Xにおいて幅狭部24に結合されている。このような各種のテールゲートTの態様に対し、補強部材25の後端25eがメインフレーム2の後端2eまで延びていることで、固定領域Xにおいて貫通孔2dが塞がれたとしても、固定領域X以外の任意の位置でメインフレーム2と補強部材25とを締結することができる。
【0035】
また、本実施形態では、補強部材25の下端25fは、幅狭部24におけるメインフレーム2の下端2fと一致している。したがって、補強部材25によるメインフレーム2の後端部分の強度及び剛性の向上と、懸架領域Bにおける十分なスペースの確保とを両立できる。
【0036】
また、本実施形態では、メインフレーム2の本体部23に車両の前後方向に延在するインナー部材21が結合されていると共に、補強部材25の前端部分25gにインナー部材21の後端部分21eの形状に対応する切欠部F2が設けられている。そして、インナー部材21の後端部分21eは、切欠部F2において補強部材25の前端部分25gに突き当てられている。このような構成により、補強部材25の前端部分25gとインナー部材21の後端部分21eとの突き当て部分において、フレームの局所的な断面変化を低減することができる。したがって、インナー部材21と補強部材25との間でメインフレーム2に局所的な応力集中が生じることを抑制でき、補強部材25の大型化及び高重量化を回避できる。
【0037】
以上、本開示の好適な実施形態について説明してきたが、本開示は必ずしも上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。例えば上記実施形態では、補強部材25の後端25eは、メインフレーム2の後端2eと一致しているが、補強部材25の後端25eは、必ずしもメインフレーム2の後端2eの位置まで延びていなくてもよい。また、上記実施形態では、補強部材25の下端25fは、メインフレーム2の幅狭部24における下端2fと一致しているが、補強部材25の下端25fは、必ずしもメインフレーム2の幅狭部24における下端2fと一致していなくてもよい。すなわち、補強部材25の下端25fは、メインフレーム2の幅狭部24における下端2fよりも下方に位置していてもよく、下端2fよりも上方に位置していてもよい。
【0038】
さらに、上記実施形態では、補強部材25の前端部分25gには、インナー部材21の後端部分21eの形状に対応する切欠部F2が設けられているが、切欠部F2は、必ずしも設けられていなくてもよい。この場合、切欠部F2の無い補強部材25の前端部分25gがインナー部材21の後端部分21eに直接突き当てられていてもよい。
【符号の説明】
【0039】
1…フレーム構造体、2…メインフレーム、2e,25e…後端、2f,25f…下端、21…インナー部材、21e…後端部分、25…補強部材、25g…前端部分、23…本体部、24…幅狭部、B…懸架領域、F2…切欠部、T…テールゲート(格納式テールゲート)。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9