IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日置電機株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-測定装置 図1
  • 特許-測定装置 図2
  • 特許-測定装置 図3
  • 特許-測定装置 図4
  • 特許-測定装置 図5
  • 特許-測定装置 図6
  • 特許-測定装置 図7
  • 特許-測定装置 図8
  • 特許-測定装置 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-06
(45)【発行日】2023-10-17
(54)【発明の名称】測定装置
(51)【国際特許分類】
   G01R 15/12 20060101AFI20231010BHJP
【FI】
G01R15/12 Z
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020067165
(22)【出願日】2020-04-03
(65)【公開番号】P2021162541
(43)【公開日】2021-10-11
【審査請求日】2023-02-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000227180
【氏名又は名称】日置電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104787
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 伸司
(72)【発明者】
【氏名】隅田 博之
【審査官】島田 保
(56)【参考文献】
【文献】特開平5-60799(JP,A)
【文献】実開平2-89368(JP,U)
【文献】特開2014-154510(JP,A)
【文献】実開昭52-63464(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 15/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の検出プローブのうちの一方の検出プローブが装着可能な第1端子と、
前記一対の検出プローブのうちの他方の検出プローブが装着可能な第2端子と、
前記第1端子に一端が接続されたヒューズと、
前記ヒューズの他端と前記第2端子との間に接続された電流検出抵抗と、
前記第2端子に第1電位を印加する電圧印加部と、
前記電流検出抵抗の両端のうちの前記ヒューズ側の一端に接続されて、前記第1端子から、前記ヒューズおよび前記電流検出抵抗を介して、前記第2端子に至る第1経路に被測定電流が流れているときに前記電流検出抵抗の前記両端間に発生する第1被測定電圧を前記第1電位を基準として測定すると共に当該測定した第1被測定電圧の電圧値と当該電流検出抵抗の抵抗値とに基づいて前記被測定電流の電流値を測定する電流測定処理を実行する測定部とを備えている測定装置であって、
前記ヒューズの前記一端に一端が接続された第1スイッチと、
前記第1スイッチの他端に接続されると共に前記第1電位とは異なる第2電位を基準として動作して、当該第1スイッチがオン状態のときに、当該第1電位と当該第2電位との間の電位差に起因して、当該第1電位から、前記電流検出抵抗、前記ヒューズおよび当該第1スイッチを経由して当該第2電位に至る第2経路に電流が流れているか否かを検出するヒューズ検出部と、
前記第1スイッチが前記オン状態のときの前記ヒューズ検出部の検出結果に基づき前記ヒューズの接断状態を判別する判別部とを備えている測定装置。
【請求項2】
前記一方の検出プローブが装着可能な第3端子を備え、
前記測定部は、前記第3端子と前記第2端子との間に入力される第2被測定電圧を当該第2端子の前記第1電位を基準として測定する電圧測定処理を実行可能に構成され、
前記電流測定処理および前記電圧測定処理のうちの前記測定部に実行させる測定処理を選択するためのロータリースイッチを備え、
前記ロータリースイッチは、初期位置から回動方向に沿って前記電圧測定処理を選択するための第1位置および前記電流測定処理を選択するための第2位置がこの順に規定されると共に、当該第1位置と当該第2位置との中間位置において前記オン状態に一時的に移行する前記第1スイッチとして機能する回路を備えている請求項1記載の測定装置。
【請求項3】
前記ヒューズの前記他端と前記電流検出抵抗の前記ヒューズ側の一端との間に第2スイッチが介装され、
前記第3端子と前記測定部との間に第3スイッチが介装され、
前記ロータリースイッチは、当該ロータリースイッチの回動に伴い基板上を摺動する複数の接点部材と、当該複数の接点部材の前記基板上でのそれぞれの摺動軌跡における予め規定された領域内に形成されて当該摺動軌跡で移動する前記接点部材と相まって、前記第1スイッチとして機能する前記回路を構成する導体パターン対、前記第2スイッチとして機能する回路を構成する導体パターン対および前記第3スイッチとして機能する回路を構成する導体パターン対とを有し、
前記第1位置に前記第3スイッチとして機能する前記導体パターン対が形成され、前記第2位置に前記第2スイッチとして機能する前記導体パターン対が形成され、かつ前記中間位置に前記第1スイッチとして機能する前記導体パターン対が形成されている請求項2記載の測定装置。
【請求項4】
前記ロータリースイッチは、回動に伴って予め規定された複数のクリック位置においてクリック感覚が得られるクリック機構を備え、
前記第1位置および前記第2位置は、前記クリック位置に規定されると共に、前記中間位置は、前記クリック位置とは異なる位置に規定されている請求項2または3記載の測定装置。
【請求項5】
前記ヒューズの前記一端および前記第1スイッチの前記一端の接続点と前記第1端子との間に介装されると共に、当該第1スイッチのオン・オフ状態に連動して、当該第1スイッチがオン状態のときにはオフ状態に移行し、かつ当該第1スイッチがオフ状態のときにはオン状態に移行する第4スイッチを備えている請求項1記載の測定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被測定電流が流れる電流経路内に一対の電流プローブを介して接続されて、この被測定電流を測定する測定装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の測定装置として、本願出願人は下記の特許文献1に開示された測定装置(デジタルマルチメータ)を既に提案している。この提案されたデジタルマルチメータは、電流入力端子、電圧入力端子およびコモン端子を含む入力部と、ファンクション切替スイッチおよび複数の操作設定スイッチなどを含む操作設定部と、入力部から入力されるアナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換器と、デジタル表示器と、A/D変換器からのデジタル信号に操作設定部にて設定された所定の処理を行ってデジタル表示器に表示する中央処理手段(CPU)とを備えている。また、電流入力端子は、テストリードのプラグが差し込まれた時にそれに連動して導通する少なくとも一対の接触片を有している。また、一対の接触片のうちの一方の接触片には、その導通によって電流入力端子にテストリードが接続されたことを検出するテストリード検出手段が接続されている。また、一対の接触片のうちの他方の接触片は、直列接続されたヒューズおよび入力抵抗を介してコモン端子に接続されている。
【0003】
電流経路に流れる被測定電流をこの測定装置を用いて測定する際には、電流入力端子に接続されたテストリードおよびコモン端子に接続されたテストリードを介してこの測定装置を電流経路内に接続する。これにより、2つのテストリードのうちの一方のテストリードを介して測定装置内に流入した被測定電流は、ヒューズおよび入力抵抗を介して他方のテストリードから測定装置外に流出する。この構成により、入力抵抗には、被測定電流の電流値に比例した電圧(アナログ信号)が発生する。A/D変換器は、入力抵抗に発生するこの電圧をデジタル信号に変換して、CPUに出力する。CPUは、上記したように、このデジタル信号に操作設定部にて設定された所定の処理を行ってデジタル表示器に表示する。また、CPUは、電流入力端子にテストリードが実際に差し込まれている状態において、ヒューズ確認キーが押されたときに、テストリード検出手段からのテストリード有りの信号の出力を検出したときには、ヒューズ正常と判断し、一方、テストリード無しの信号の出力を検出したときには、ヒューズ異常と判断して、その判断の結果をデジタル表示器に表示する。
【0004】
このように、この測定装置(デジタルマルチメータ)によれば、電流入力端子にテストリードが実際に差し込まれている状態において、特定のスイッチ(ヒューズ確認キー)を押すことにより、実際に筐体などを開けることなく、筐体(装置)内に配置されているヒューズの正常、異常を知ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開平5-60799号公報(第2-3頁、第1図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、上記の測定装置では、ヒューズの正常、異常を判断するためには、電流入力端子にテストリードを差し込む必要があることから、測定装置単独で(つまり、テストリード無しで)、ヒューズの正常、異常を判別することができないという改善すべき課題が存在している。
【0007】
本発明は、かかる改善すべき課題に鑑みてなされたものであり、テストリード無しでヒューズの正常、異常を判別し得る測定装置を提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成すべく請求項1記載の測定装置は、一対の検出プローブのうちの一方の検出プローブが装着可能な第1端子と、前記一対の検出プローブのうちの他方の検出プローブが装着可能な第2端子と、前記第1端子に一端が接続されたヒューズと、前記ヒューズの他端と前記第2端子との間に接続された電流検出抵抗と、前記第2端子に第1電位を印加する電圧印加部と、前記電流検出抵抗の両端のうちの前記ヒューズ側の一端に接続されて、前記第1端子から、前記ヒューズおよび前記電流検出抵抗を介して、前記第2端子に至る第1経路に被測定電流が流れているときに前記電流検出抵抗の前記両端間に発生する第1被測定電圧を前記第1電位を基準として測定すると共に当該測定した第1被測定電圧の電圧値と当該電流検出抵抗の抵抗値とに基づいて前記被測定電流の電流値を測定する電流測定処理を実行する測定部とを備えている測定装置であって、前記ヒューズの前記一端に一端が接続された第1スイッチと、前記第1スイッチの他端に接続されると共に前記第1電位とは異なる第2電位を基準として動作して、当該第1スイッチがオン状態のときに、当該第1電位と当該第2電位との間の電位差に起因して、当該第1電位から、前記電流検出抵抗、前記ヒューズおよび当該第1スイッチを経由して当該第2電位に至る第2経路に電流が流れているか否かを検出するヒューズ検出部と、前記第1スイッチが前記オン状態のときの前記ヒューズ検出部の検出結果に基づき前記ヒューズの接断状態を判別する判別部とを備えている。
【0009】
また、請求項2記載の測定装置は、請求項1記載の測定装置において、前記一方の検出プローブが装着可能な第3端子を備え、前記測定部は、前記第3端子と前記第2端子との間に入力される第2被測定電圧を当該第2端子の前記第1電位を基準として測定する電圧測定処理を実行可能に構成され、前記電流測定処理および前記電圧測定処理のうちの前記測定部に実行させる測定処理を選択するためのロータリースイッチを備え、前記ロータリースイッチは、初期位置から回動方向に沿って前記電圧測定処理を選択するための第1位置および前記電流測定処理を選択するための第2位置がこの順に規定されると共に、当該第1位置と当該第2位置との中間位置において前記オン状態に一時的に移行する前記第1スイッチとして機能する回路を備えている。
【0010】
また、請求項3記載の測定装置は、請求項2記載の測定装置において、前記ヒューズの前記他端と前記電流検出抵抗の前記ヒューズ側の一端との間に第2スイッチが介装され、前記第3端子と前記測定部との間に第3スイッチが介装され、前記ロータリースイッチは、当該ロータリースイッチの回動に伴い基板上を摺動する複数の接点部材と、当該複数の接点部材の前記基板上でのそれぞれの摺動軌跡における予め規定された領域内に形成されて当該摺動軌跡で移動する前記接点部材と相まって、前記第1スイッチとして機能する前記回路を構成する導体パターン対、前記第2スイッチとして機能する回路を構成する導体パターン対および前記第3スイッチとして機能する回路を構成する導体パターン対とを有し、前記第1位置に前記第3スイッチとして機能する前記導体パターン対が形成され、前記第2位置に前記第2スイッチとして機能する前記導体パターン対が形成され、かつ前記中間位置に前記第1スイッチとして機能する前記導体パターン対が形成されている。
【0011】
また、請求項4記載の測定装置は、請求項2または3記載の測定装置において、前記ロータリースイッチは、回動に伴って予め規定された複数のクリック位置においてクリック感覚が得られるクリック機構を備え、前記第1位置および前記第2位置は、前記クリック位置に規定されると共に、前記中間位置は、前記クリック位置とは異なる位置に規定されている。
【0012】
また、請求項5記載の測定装置は、請求項1記載の測定装置において、前記ヒューズの前記一端および前記第1スイッチの前記一端の接続点と前記第1端子との間に介装されると共に、当該第1スイッチのオン・オフ状態に連動して、当該第1スイッチがオン状態のときにはオフ状態に移行し、かつ当該第1スイッチがオフ状態のときにはオン状態に移行する第4スイッチを備えている。
【発明の効果】
【0013】
請求項1記載の測定装置によれば、ヒューズ検出部が第1電位と第2電位との間の電位差に起因して第2経路に電流が流れているか否かを検出し、測定部がこのヒューズ検出部での検出結果に基づいてヒューズの接断状態(正常、異常)を判別することができるため、第1端子および第2端子に検出プローブを装着することなく、ヒューズの接断状態を測定装置単体で判別することができるため、極めて便利である。
【0014】
また、請求項2記載の測定装置によれば、ロータリースイッチで電圧測定処理に代えて電流測定処理の実行を選択する際には、電圧測定処理を選択するための第1位置と電流測定処理を選択するための第2位置との中間位置において、ヒューズが正常であるか異常であるかの検査が必ず自動的に実行されるため、ヒューズが異常のまま電流測定を実行することを確実に回避することができる。
【0015】
また、請求項3記載の測定装置によれば、ロータリースイッチで電圧測定処理を選択する際には、第3スイッチがオン状態に移行して第3端子と測定部とが接続されると共に、第2スイッチがオフ状態に移行して第1端子(電圧測定処理において使用されない端子)と測定部とが切り離され、一方、ロータリースイッチで電流測定処理を選択する際には、第3スイッチがオフ状態に移行して第3端子(電流測定処理において使用されない端子)と測定部とが切り離されると共に、第2スイッチがオン状態に移行して第1端子と測定部とが接続される。したがって、この測定装置によれば、電圧測定処理および電流測定処理のそれぞれにおいて使用されない端子を測定部から切り離すことができるため、使用されない端子を介して無用な信号が測定部に入力されるのを防止することができる。
【0016】
また、請求項4記載の測定装置によれば、ロータリースイッチを電圧測定処理を選択しているクリック位置(第1位置)から電流測定処理を選択するクリック位置(第2位置)へ回動させている中間位置(クリック位置とは異なる位置)において、ヒューズが正常であるか異常であるかの検査が必ず自動的に実行されるため、例えば、ヒューズの検査処理を選択するためのクリック位置を第1位置と第2位置との中間位置に設けて操作者に意識的にヒューズの検査処理を選択させる構成とは異なり、操作者に意識させることなく、ヒューズの検査処理を確実に実行することができる。
【0017】
また、請求項5記載の測定装置によれば、ヒューズ検出部が第1スイッチを介してヒューズの一端に接続されるときには、オフ状態となる第4スイッチにより、ヒューズ検出部と第1端子とを切り離すことができるため、測定装置の外部から第1端子を介してヒューズ検出部に予期せぬ電圧が印加されて、ヒューズ検出部が故障する事態を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】測定装置1Aの構成図である。
図2】測定装置1Aの正面2a(操作面)の構成を示す正面図である。
図3】測定装置1Aにおけるヒューズ検出部11およびその近傍の回路構成を説明するための構成図である。
図4】測定装置1Bの正面2a(操作面)の構成を示す正面図である。
図5】測定装置1Bにおけるヒューズ検出部11およびその近傍の回路構成を説明するための構成図である。
図6】測定装置1Aのロータリースイッチ3Aを説明するための構成図である。
図7】測定装置1Bのロータリースイッチ3Bを説明するための構成図である。
図8】測定装置1Aの他の構成図である。
図9】測定装置1Aにおけるヒューズ検出部11およびその近傍の他の回路構成を説明するための構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、測定装置の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
【0020】
まず、測定装置としての測定装置1Aの構成について、図1図3および図6を参照して説明する。
【0021】
まず、測定装置1Aの外観構成について図2を参照して説明する。測定装置1Aは、同図に示すように、一例としてハンディ型のデジタルマルチメータとして構成されて、平面視長方形のケース2の正面2a(操作面)には、回転軸Lを中心として予め規定された角度範囲AR(図2,6参照)内で回動自在に配設された機能選択用のロータリースイッチ3A、検出プローブが装着可能な(具体的には、検出プローブとしてのテストリードのプラグが挿入(差し込み)可能な)3つの端子4,5,6、および出力部7(本例では一例として後述するように表示装置)が少なくとも配置されている。
【0022】
また、ケース2の正面2aにおけるロータリースイッチ3Aの周りには、ロータリースイッチ3Aによって選択可能な機能を示す文字およびマーク(本例では一例として、電源をオフにする機能を示す「OFF」、電圧測定機能を示す「V」、抵抗測定機能を示す「Ω」、ヒューズ検査機能を示す「Check」および電流測定機能を示す「A」の文字の5つの機能を示す各文字と、ロータリースイッチ3Aを回動させてこれら5つの機能を選択する際のロータリースイッチ3Aの回動位置を示すドットマーク)が一例として等角度間隔で、時計方向に沿ってこの順で表記されている。また、測定装置1Aでは、「OFF」の文字に対応するドットマーク(文字の近傍のドットマーク)に回動されている位置をロータリースイッチ3Aの初期位置とするものとし、ロータリースイッチ3Aはこの初期位置から最も大きな回動角度の位置に規定された「A」の文字に対応するドットマークまでの角度範囲AR内で回動可能となっている。
【0023】
この測定装置1Aでは、このようにロータリースイッチ3Aを回動させることで、電源のオン・オフが可能であると共に、電圧測定、抵抗測定および電流測定が可能なため、上記の各端子4,5,6のうちの端子4は、第1端子としての電流入力端子4(A端子ともいう)に規定されて、図2に示すように、「A」の文字が近傍に表記されている。また、端子5は、第2端子としてのコモン端子5(COM端子ともいう)に規定されて、「COM」の文字が近傍に表記されている。また、端子6は、第3端子としての電圧入力端子6(VΩ端子ともいう)に規定されて、「VΩ」の文字が近傍に表記されている。
【0024】
この構成により、測定装置1Aは、ロータリースイッチ3Aを初期位置から回動させて電源をオンにし(測定装置1Aを起動し)、さらに「V」の文字に対応するドットマークの位置(第1位置)まで回動させた状態において、電圧測定機能を発揮することで、電圧入力端子6にプラグが挿入されたテストリード(一部または全体が赤色に形成された一方の検出プローブとしてのテストリード)と、コモン端子5にプラグが挿入された他のテストリード(一部または全体が黒色に形成された他方の検出プローブとしてのテストリード)との間に印加される第2被測定電圧としての測定電圧Vmの電圧値を測定すると共に、測定した電圧値Vm(理解の容易のため、測定電圧Vmと同じ符号を付すものとする)を出力部7に出力させる(本例では表示させる)。また、測定装置1Aは、ロータリースイッチ3Aをさらに「Ω」の文字に対応するドットマークの位置まで回動させた状態において、抵抗測定機能を発揮することで、電圧入力端子6にプラグが挿入されたテストリードと、コモン端子5にプラグが挿入された他のテストリードとの間に接続された抵抗体の抵抗値Rmを測定すると共に、測定した抵抗値Rmを出力部7に表示させる。また、測定装置1Aは、ロータリースイッチ3Aをさらに「Check」の文字に対応するドットマークの位置まで回動させた状態において、ヒューズ検査機能を発揮することで、コモン端子5および電圧入力端子6へのテストリードのプラグの挿入の有無に拘わらず、内蔵されているヒューズ9が正常であるか異常であるかの検査を実行すると共に、実行した検査の検査結果REを出力部7に表示させる。また、測定装置1Aは、ロータリースイッチ3Aをさらに「A」の文字に対応するドットマークの位置(第2位置)まで回動させた状態において、電流測定機能を発揮することで、電流入力端子4にプラグが挿入されたテストリード(通常は、電圧入力端子6に装着されるテストリードと共用されるため、一部または全体が赤色に形成された一方の検出プローブとしてのテストリード)と、コモン端子5にプラグが挿入された他のテストリードとを介して介装された不図示の電流経路(測定装置1Aの外部の電流経路)に流れる測定電流(被測定電流)Imの電流値を測定すると共に、測定した電流値Im(理解の容易のため、測定電流Imと同じ符号を付すものとする)を出力部7に表示させる。
【0025】
つまり、この測定装置1Aのロータリースイッチ3Aでは、「V」の文字の位置(第1位置)と「A」の文字の位置(第2位置)との中間位置にヒューズ検査機能を選択するための位置(以下、チェック位置ともいう)が規定されている。また、ロータリースイッチ3Aは、公知のクリック機構を備えて、上記の各機能を選択するための位置はクリック位置(一旦この位置に回動された後には、一定以上の外力が加わらない限りこの位置から回動し得ない位置。後述するダイヤル21における、操作者にとっては所謂クリック感覚を得られる位置)に規定されることで、機能の選択状態が安定して維持される構成となっている。
【0026】
また、測定装置1Aは、図示はしないが、一例として本願出願人が既に提案している特開2014-10007に開示のシャッター板を含む機構と同等の機構を備えて、ロータリースイッチ3Aの回動に連動して回動するこのシャッター板により、端子4(A端子:電流入力端子4)を遮蔽したり開口したりすること(具体的には、ロータリースイッチ3Aが「A」の文字に対応するドットマーク(電流測定機能を選択するためのドットマーク)およびその近傍に回動されているときにのみ開口すること)が可能に構成されている。なお、測定装置1Aは、この機構を採用しない構成を採用することもできる。
【0027】
次に、測定装置1Aの回路構成について図1,3を参照して説明する。
【0028】
測定装置1Aは、一例として、上記の3つの端子(電流入力端子4、コモン端子5および電圧入力端子6)、上記の出力部7、上記のロータリースイッチ3Aを有する操作部8、ヒューズ9、電流検出抵抗10、ヒューズ検出部11、測定部12、電源としての電池(バッテリ)13、および電源回路14を備えて構成されている。
【0029】
ロータリースイッチ3Aは、ケース2の正面2aに回転軸Lを中心として角度範囲AR内で回動自在に配設されたダイヤル21(図2,6参照)、ダイヤル21の裏面に配設されると共にケース2の内部に配設された不図示の基板上(基板の表面上)を摺動する(基板の表面に接触した状態でダイヤル21の回動に伴って、回転軸Lを中心とする円周上を移動する)複数の接点部材(本例では一例として図6に示すように、4つの接点部材22,23,24,25)、およびこの基板上に形成されると共に接点部材22,23,24,25と相まって複数のスイッチとして機能する複数の回路を構成する導体パターン対(本例では一例として図6に示すように、9つの導体パターン対27,28,29,30,31,32,33,34,35)を備えている。
【0030】
この場合、ダイヤル21は、一例として、円盤体(本例では一例として、図2,6に示すように、円盤体とその上面に配置されたつまみとで構成されているが、円盤体のみの構成を採用することもできる)に形成されている。また、ダイヤル21(つまり、ロータリースイッチ3A)には、指示マーク(本例では一例として、三角形のマークであるが、この形状に限定されるものではない)が周縁部分に1つ設けられており、この指示マークを所望の機能を示す文字に対応するドットマークに合わすようにダイヤル21を回動させることで、ロータリースイッチ3Aによってこの所望の機能が選択される構成となっている。
【0031】
各接点部材22,23,24,25の具体的な構成については、図示はしないが、一例として本願出願人が既に提案している特開2014-154510に開示の接点部材と同じ構成が採用されているが、この構成に限定されるものではない。また、各接点部材22,23,24,25は、一例として図6に示すように、回転軸Lを通過する仮想直線上に一列に配置されている。具体的には、各接点部材22,23,24は、回転軸Lを基準として同じ半径側に、内周側から外周側に向けて接点部材22,23,24の順に、かつ重ならない状態で配置されている。一方、各接点部材25は、回転軸Lを基準として接点部材22,23,24とは反対の半径側に配置されている。
【0032】
この構成により、ダイヤル21(つまり、ロータリースイッチ3A)が角度範囲AR内で回動された際に、接点部材22,23,24,25の基板上での各摺動軌跡は、互いに重ならない円弧状軌跡となる。図6には、接点部材25の摺動軌跡(斜線を付した部分)のみを一例として示している。
【0033】
各導体パターン対27,28,29,30,31,32,33,34,35は、一例として等間隔で近接する2つ(一対)の円弧状の導体パターンで構成されると共に、各接点部材22,23,24,25のうちの対応する接点部材の基板上での摺動軌跡における予め規定された領域内に形成されて、この摺動軌跡で移動する接点部材(つまり、対応する接点部材)と相まって、ダイヤル21(つまり、ロータリースイッチ3A)の回動角度に応じて、オン状態(導体パターン対が接点部材を介して短絡されている状態)およびオフ状態(導体パターン対が接点部材を介して短絡されていない状態)のうちのいずれかの状態に移行するスイッチとして機能する回路(ロータリースイッチ3Aの有する回路)を構成する。
【0034】
具体的には、導体パターン対27は、対応する接点部材22の基板上での摺動軌跡における予め規定された領域(ロータリースイッチ3Aが初期位置から時計方向に回動された際に、「V」の文字に対応するドットマークに回動されたときから開始し、「A」の文字に対応するドットマークに回動されたときまで続く領域)内に形成されている。この構成により、導体パターン対27(区別のため、導体パターン27a,27bともいう)は、接点部材22と相まって、ロータリースイッチ3Aが初期位置(「OFF」の文字に対応するドットマークの位置)に在るときにはオフ状態となり、「V」の文字に対応するドットマークから「A」の文字に対応するドットマークまでの間に在るときにはオン状態となる電源用のスイッチSW1として機能して、図1に示すように、電池13と電源回路14との間に介装されている。
【0035】
また、導体パターン対28は、対応する接点部材23の基板上での摺動軌跡における予め規定された領域(ロータリースイッチ3Aが初期位置から時計方向に回動された際に、「V」の文字に対応するドットマークに回動されたときから開始し、「Ω」の文字に対応するドットマークに回動されたときまで続く領域)内に形成されている。この構成により、導体パターン対28(区別のため、導体パターン28a,28bともいう)は、接点部材23と相まって、ロータリースイッチ3Aが「V」の文字に対応するドットマークに在るときと、「Ω」の文字に対応するドットマークに在るときにはオン状態となり、ロータリースイッチ3Aがこれ以外の位置に在るときにはオフ状態となる第3スイッチとしてのスイッチSW2として機能して、図1に示すように、電圧入力端子6(VΩ端子)と測定部12を構成する後述のバッファアンプ52との間に介装されている。
【0036】
また、導体パターン対29は、対応する接点部材24の基板上での摺動軌跡における予め規定された領域(ロータリースイッチ3Aが初期位置から時計方向に回動された際に、「Ω」の文字に対応するドットマークの手前まで回動されたときから開始し、「Ω」の文字に対応するドットマークを若干過ぎるまで続く領域)内に形成されている。この構成により、導体パターン対29(区別のため、導体パターン29a,29bともいう)は、接点部材24と相まって、ロータリースイッチ3Aが「Ω」の文字に対応するドットマークに在るときにはオン状態となり、ロータリースイッチ3Aがこれ以外の位置に在るときにはオフ状態となるスイッチSW3として機能して、図1に示すように、電圧入力端子6(VΩ端子)と測定部12を構成する後述の定電流源53との間に介装されている。
【0037】
また、導体パターン対30は、対応する接点部材23の基板上での摺動軌跡における予め規定された領域(ロータリースイッチ3Aが初期位置から時計方向に回動された際に、「Check」の文字に対応するドットマークの手前まで回動されたときから開始し、「Check」の文字に対応するドットマークを若干過ぎるまで続く領域)内に形成されている。この構成により、導体パターン対30(区別のため、導体パターン30a,30bともいう)は、接点部材23と相まって、ロータリースイッチ3Aが「Check」の文字に対応するドットマークに在るときにはオン状態となり、ロータリースイッチ3Aがこれ以外の位置に在るときにはオフ状態となる第1スイッチとしてのスイッチSW4として機能して、図1に示すように、電流入力端子4(A端子)とヒューズ検出部11との間に介装されている。
【0038】
また、導体パターン対31は、対応する接点部材24の基板上での摺動軌跡における予め規定された領域(ロータリースイッチ3Aが初期位置から時計方向に回動された際に、「Check」の文字に対応するドットマークに回動されたときから開始し、「A」の文字に対応するドットマークに回動されたときまで続く領域)内に形成されている。この構成により、導体パターン対31(区別のため、導体パターン31a,31bともいう)は、接点部材24と相まって、ロータリースイッチ3Aが「Check」の文字に対応するドットマークに在るときと、「A」の文字に対応するドットマークに在るときにはオン状態となり、ロータリースイッチ3Aがこれ以外の位置に在るときにはオフ状態となる第2スイッチとしてのスイッチSW5として機能して、図1に示すように、ヒューズ9の他端と測定部12を構成する後述のバッファアンプ55との間に介装されている。
【0039】
また、導体パターン対32は、対応する接点部材25の基板上での摺動軌跡における予め規定された領域(ロータリースイッチ3Aが初期位置から時計方向に回動された際に、「V」の文字に対応するドットマークの手前まで回動されたときから開始し、「V」の文字に対応するドットマークを若干過ぎるまで続く領域)内に形成されている。この構成により、導体パターン対32は、接点部材25と相まって、ロータリースイッチ3Aが「V」の文字に対応するドットマークに在るときにはオン状態となり、ロータリースイッチ3Aがこれ以外の位置に在るときにはオフ状態となる接点信号S1を、測定部12を構成する後述の処理部58に出力するスイッチSW6(接点信号出力用のスイッチ)として機能する。
【0040】
また、導体パターン対33は、対応する接点部材25の基板上での摺動軌跡における予め規定された領域(ロータリースイッチ3Aが初期位置から時計方向に回動された際に、「Ω」の文字に対応するドットマークの手前まで回動されたときから開始し、「Ω」の文字に対応するドットマークを若干過ぎるまで続く領域)内に形成されている。この構成により、導体パターン対33は、接点部材25と相まって、ロータリースイッチ3Aが「Ω」の文字に対応するドットマークに在るときにはオン状態となり、ロータリースイッチ3Aがこれ以外の位置に在るときにはオフ状態となる接点信号S2を処理部58に出力するスイッチSW7(接点信号出力用のスイッチ)として機能する。
【0041】
また、導体パターン対34は、対応する接点部材25の基板上での摺動軌跡における予め規定された領域(ロータリースイッチ3Aが初期位置から時計方向に回動された際に、「Check」の文字に対応するドットマークの手前まで回動されたときから開始し、「Check」の文字に対応するドットマークを若干過ぎるまで続く領域)内に形成されている。この構成により、導体パターン対34は、接点部材25と相まって、ロータリースイッチ3Aが「Check」の文字に対応するドットマークに在るときにはオン状態となり、ロータリースイッチ3Aがこれ以外の位置に在るときにはオフ状態となる接点信号S3を処理部58に出力するスイッチSW8(接点信号出力用のスイッチ)として機能する。
【0042】
また、導体パターン対35は、対応する接点部材25の基板上での摺動軌跡における予め規定された領域(ロータリースイッチ3Aが初期位置から時計方向に回動された際に、「A」の文字に対応するドットマークの手前まで回動されたときから開始し、「A」の文字に対応するドットマークに回動されたときまで続く領域)内に形成されている。この構成により、導体パターン対35は、接点部材25と相まって、ロータリースイッチ3Aが「A」の文字に対応するドットマークに在るときにはオン状態となり、ロータリースイッチ3Aがこれ以外の位置に在るときにはオフ状態となる接点信号S4を処理部58に出力するスイッチSW9(接点信号出力用のスイッチ)として機能する。
【0043】
電流入力端子4は、ヒューズ9の一端とスイッチSW4の一端(一方の接点としての導体パターン30a)とに接続されている。ヒューズ9の他端は、スイッチSW5の一端(一方の接点としての導体パターン31a)に接続されている。スイッチSW5の他端(他方の接点としての導体パターン31b)は、電流検出抵抗10の両端のうちの一端(ヒューズ9側の一端)と後述のバッファアンプ55とに接続されている。スイッチSW4の他端(他方の接点としての導体パターン30b)は、ヒューズ検出部11に接続されている。
【0044】
コモン端子5は、電流検出抵抗10の他端と後述のバッファアンプ54とに接続されている。また、コモン端子5には、測定装置1Aの動作状態において、後述するようにバッファアンプ54から予め規定された一定電圧値のバイアス電圧Vbi1が第1電位として印加される。
【0045】
電圧入力端子6は、スイッチSW2の一端(一方の接点としての導体パターン28a)とスイッチSW3の一端(一方の接点としての導体パターン29a)とに接続されている。また、スイッチSW2の他端(他方の接点としての導体パターン28b)は、後述のバッファアンプ52に接続されている。また、スイッチSW3の他端(他方の接点としての導体パターン29b)は、後述の定電流源53に接続されている。
【0046】
出力部7は、一例として、LCD(Liquid Crystal Display)などを備えて構成された表示装置で構成されて、測定部12から出力される電圧値Vm、抵抗値Rm、電流値Imおよび検査結果RE(以下、これらをまとめて電圧値Vm等ともいう)を画面上に表示する(出力する)。なお、出力部7は、表示装置に代えて種々のインターフェース回路で構成することもでき、外部インターフェース回路で構成されたときには、外部インターフェース回路を介して伝送路で接続された外部装置に電圧値Vm等を出力し、また媒体用インターフェース回路で構成されたときには、この媒体用インターフェース回路に接続された記憶媒体に電圧値Vm等を記憶させる。
【0047】
操作部8は、本例ではロータリースイッチ3Aのみで構成されている。なお、本例では、ロータリースイッチ3Aに含まれるスイッチで電源をオン・オフするスイッチを構成しているが、電源をオン・オフするスイッチを操作部8の1つの構成要素としてロータリースイッチ3Aと別体に設ける構成を採用することもできる。また、操作部8は、ロータリースイッチ3Aによって選択されている機能(電圧測定機能、抵抗測定機能、ヒューズ検査機能および電流測定機能)を示す接点信号S1,S2,S3,S4を後述する処理部58に出力する。
【0048】
ヒューズ9は、ケース2の内部に配設されて、電流測定の際に測定装置1A内に形成される電流経路(電流入力端子4から、ヒューズ9、スイッチSW5および電流検出抵抗10を介してコモン端子5に至る第1経路RO1(図3参照))に予め規定された電流値(ヒューズの定格遮断電流値)以上の電流値の電流が流れたときに瞬時に溶断して、この電流経路を構成する構成要素(テストリードが挿入されている電流入力端子4およびコモン端子5や、電流検出抵抗10や、スイッチSW5や、これらの構成要素を接続する配線(線材や基板に形成された導体パターン))を保護する。電流検出抵抗10は、既知の抵抗値Ro(例えば、数Ω未満の小さい抵抗値)の固定抵抗で構成されている。
【0049】
ヒューズ検出部11は、ケース2の内部に配設されて、ロータリースイッチ3Aによってヒューズ検査機能が選択されている際に測定装置1A内に形成される経路(バイアス電圧Vbi1(第1電位)に規定されているコモン端子5から、電流検出抵抗10、オン状態のスイッチSW5(第2スイッチ)、ヒューズ9およびオン状態のスイッチSW4(第1スイッチ)を経由して第2電位(本例では一例として、電池13の負極が接続される測定装置1A内での基準電位(装置内のグランドGの電位))に至る第2経路RO2。図3参照)に、この第1電位と第2電位との電位差に起因する電流が流れているか否かを検出することで、ヒューズ9の接断状態を(溶断していないか状態(正常)か、溶断している状態(異常)かを)検出する。また、ヒューズ検出部11は、その検出結果を示す信号Sdを生成して測定部12を構成する後述する処理部58に出力する。
【0050】
本例では一例として、ヒューズ検出部11は、図3に示すように、エミッタ端子がグランドGに接続されたトランジスタ(NPN型のバイポーラトランジスタ)41、スイッチSW4の他端(導体パターン30b)とトランジスタ41のベース端子との間に接続された抵抗42、トランジスタ41のベース端子とエミッタ端子との間に並列に接続された抵抗43、およびトランジスタ41のコレクタ端子に一端が接続されると共に他端に作動電圧Vop(電源回路14からグランドGを基準として出力される正の定電圧であって、出力部7、ヒューズ検出部11および測定部12を動作させるための電圧)が印加される抵抗44で構成されて、グランドGの第2電位を基準として動作するように構成されている。
【0051】
測定装置1Aでは、測定部12は、測定装置1A内での基準電位(グランドGの電位)を基準として正の電圧であるバイアス電圧Vbi1を生成して、コモン端子5に印加する。このため、ヒューズ9が正常のとき(溶断していないとき)には、各スイッチSW4,SW5がオン状態に移行した場合(ロータリースイッチ3Aによってヒューズ検査機能が選択された場合)に、第2経路RO2には、バイアス電圧Vbi1とグランドGの電位との電位差に起因して、バイアス電圧Vbi1からヒューズ検出部11に向かう電流(ヒューズ検出部11への流入電流)が流れる。この場合、ヒューズ検出部11では、この流入電流は、抵抗42および抵抗43を経由してグランドGに流れる。そして、この流入電流の電流値が、トランジスタ41のベースエミッタ間電圧Vbe(0.6V程度)を抵抗43の抵抗値で除算して得られる電流値を超えるものであるときには、この超える分の電流がベース電流としてトランジスタ41のベース端子からエミッタ端子に流れて、トランジスタ41がオフ状態からオン状態に移行する。このヒューズ検出部11では、図3に示すように、トランジスタ41のコレクタエミッタ間電圧Vceが信号Sdとして出力されることから、このようにしてトランジスタ41がオフ状態からオン状態に移行したときには、信号Sdの信号レベル(電圧値)は、オフ状態のときのコレクタエミッタ間電圧Vce(=作動電圧Vop)から、オン状態のときのコレクタエミッタ間電圧Vce(グランドGの電位とほぼ同じ電圧)に変化する。
【0052】
一方、ヒューズ9が異常のとき(溶断しているとき)には、各スイッチSW4,SW5がオン状態に移行した場合(ロータリースイッチ3Aによってヒューズ検査機能が選択された場合)でも、第2経路RO2には上記の電流は流れない。これにより、ヒューズ検出部11では、トランジスタ41がオフ状態となることから、信号Sdの信号レベル(電圧値)は、オフ状態のときのコレクタエミッタ間電圧Vce(=作動電圧Vop)となる。
【0053】
なお、図3に示すヒューズ検出部11についての回路構成は一例であり、この回路構成に限定されるものではない。例えば、図示はしないが、図3に示す回路の後段に信号Sdの論理を反転して出力する回路を付加することで、電流が検出されていないときに、グランドGの電位とほぼ同じ電圧となり、電流が検出されているときに、作動電圧Vopとなる論理の信号Sdを出力する構成とすることもできる。
【0054】
測定部12は、一例として図1に示すように、基準電圧源51、バッファアンプ52、定電流源53、バッファアンプ54,55、セレクタ56、A/D変換器57および処理部58を備えて構成されて、ケース2の内部に配設されている。
【0055】
具体的には、基準電圧源51は、電源回路14から出力される作動電圧Vopに基づいて、それぞれがグランドGを基準とする予め規定された正の一定電圧値の直流電圧であるバイアス電圧Vbi1,Vbi2を生成して、バイアス電圧Vbi1についてはバッファアンプ54に、またバイアス電圧Vbi2についてはA/D変換器57にそのリファレンス電圧(作動電圧Vop以下の電圧)として出力する。本例のA/D変換器57は、後述するように、ゼロボルトからリファレンス電圧(つまり、バイアス電圧Vbi2)までの入力電圧(正の電圧である後述の選択電圧Vs)をデジタル値Dsに変換する構成(入力電圧範囲がゼロボルト以上リファレンス電圧(バイアス電圧Vbi2)以下となる構成)である。このことから、バイアス電圧Vbi1は、A/D変換器57のミッドスケールとなる電圧値(バイアス電圧Vbi2の1/2の電圧値)に規定されている。例えば、A/D変換器57の作動電圧VopがDC3Vまたはその近傍の電圧のときには、バイアス電圧Vbi2は通常、この作動電圧Vop以下であって、作動電圧Vopの近傍の電圧値に規定されることから、バイアス電圧Vbi1は、このバイアス電圧Vbi2の1/2となるDC1.5Vまたはその近傍の電圧値に規定される。
【0056】
バッファアンプ52は、スイッチSW2の他端(他方の接点としての導体パターン28b)と、セレクタ56の複数の入力端子のうちの一つの入力端子との間に配設されて、グランドGを基準として電圧入力端子6に生じている第2検出電圧Vd2を、オン状態のスイッチSW2を介して高い入力インピーダンスで入力すると共に低い出力インピーダンスでセレクタ56の一つの入力端子に出力する。
【0057】
測定装置1Aでは、電圧測定および抵抗測定のときには、電圧入力端子6に接続されたテストリードおよびコモン端子5に接続されたテストリードを介して不図示の測定対象に接続される。このため、電圧入力端子6およびコモン端子5間には、測定対象に生じている測定電圧Vm(交流電圧または直流電圧。抵抗測定のときには、定電流源53から供給される測定用電流I1が測定対象である抵抗体(抵抗値Rm)に流れることによって抵抗体の両端間に生じる電圧)が入力される。また、測定装置1Aでは、上記したようにコモン端子5にバイアス電圧Vbi1が印加される構成となっている。このため、バッファアンプ52は、測定電圧Vmにコモン端子5の電圧(バイアス電圧Vbi1)分が加算された第2検出電圧Vd2(=Vm+Vbi1)を入力して、セレクタ56に出力する。
【0058】
この第2検出電圧Vd2は、セレクタ56において選択されたときには、そのままA/D変換器57に選択電圧Vsとして出力される。上記したようにA/D変換器57の入力電圧範囲はゼロボルト以上リファレンス電圧(本例ではバイアス電圧Vbi2)以下であることから、測定電圧Vmの範囲(測定装置1Aにおける測定電圧範囲)は、-Vbi1≦Vm≦Vbi1となる。
【0059】
定電流源53は、スイッチSW3の他端(他方の接点としての導体パターン29b)に接続されて、処理部58によって制御されることにより、抵抗測定のときに予め規定された一定電流値(既知)の交流電流または直流電流(本例では一例として、交流電流)を測定用電流I1として生成して出力する。理解の容易のため、測定用電流I1の電流値についても、符号I1を付すものとする(電流値I1と表記するものとする)と、この測定装置1Aにおける測定電圧範囲は、上記したように、-Vbi1≦Vm≦Vbi1であることから、測定装置1Aでの測定抵抗範囲は、ゼロオームを超え、Vbi1/I1オーム以下の抵抗値となる。
【0060】
バッファアンプ54は、電圧印加部として機能して、基準電圧源51から出力されるバイアス電圧Vbi1を高い入力インピーダンスで入力すると共に、低い出力インピーダンスでコモン端子5に印加(出力)する。
【0061】
バッファアンプ55は、スイッチSW5の他端(他方の接点としての導体パターン31b)と、セレクタ56の複数の入力端子のうちの他の一つの入力端子との間に配設されている。また、バッファアンプ55は、グランドGを基準として電流入力端子4(詳細には、電流検出抵抗10の一端(ヒューズ9側の一端))に生じている第1検出電圧Vd1を、高い入力インピーダンスで入力すると共に低い出力インピーダンスでセレクタ56の上記の他の一つの入力端子に出力する。
【0062】
測定装置1Aは、電流測定のときには、電流入力端子4に接続されたテストリードおよびコモン端子5に接続されたテストリードを介して、測定電流(被測定電流)Imの流れる不図示の電流経路に介装される。このため、スイッチSW5がオン状態のとき(ロータリースイッチ3Aにより電流測定機能が選択されているとき)で、かつヒューズ9が正常のときには、電流入力端子4からコモン端子5に至る第1経路RO1に測定電流Imが流れる。また、電流検出抵抗10の両端間には、測定電流Imが流れることにより、第1被測定電圧としての電圧降下Vdp(=Im×Ro)が発生する。また、測定装置1Aでは、上記したようにコモン端子5にバイアス電圧Vbi1が印加される構成となっている。このため、バッファアンプ55は、この電圧降下Vdpにコモン端子5の電圧(バイアス電圧Vbi1)分が加算された第1検出電圧Vd1(=Im×Ro+Vbi1。グランドGを基準とする電圧)を入力して、セレクタ56に出力する。
【0063】
この第1検出電圧Vd1は、セレクタ56において選択されたときには、そのままA/D変換器57に選択電圧Vsとして出力される。上記したようにA/D変換器57の入力電圧範囲はゼロボルト以上リファレンス電圧(本例ではバイアス電圧Vbi2)以下であることから、測定電流Imの範囲(測定装置1Aにおける測定電流範囲)は、-Vbi1/Ro≦Im≦Vbi1/Roとなる。
【0064】
セレクタ56は、例えば、アナログスイッチやリレーなどを用いて構成されて、入力される複数の電圧のうちから処理部58によって選択された1つの電圧を選択電圧Vsとしてそのまま出力する。本例では上記したように、セレクタ56には、第1検出電圧Vd1と第2検出電圧Vd2とが電圧信号として入力されるため、セレクタ56は、これらの検出電圧Vd1,Vd2のうちの選択された一方の電圧を選択電圧Vsとして出力する。
【0065】
A/D変換器57は、一例として、グランドGを基準とする作動電圧Vopで動作して、グランドGの電位(ゼロボルト)を基準として入力される正の電圧信号を予め規定されたサンプリング周期でサンプリングすることにより、リファレンス電圧として入力されるバイアス電圧Vbi2をフルスケール範囲としてデジタル値に変換するように構成されている。つまり、A/D変換器57は、ゼロボルト以上リファレンス電圧(バイアス電圧Vbi2)以下の電圧範囲が入力電圧範囲となっている。このため、A/D変換器57は、セレクタ56から出力される選択電圧Vsについて、ゼロボルトのときには最小値のデジタル値Ds(この場合、すべてのビットが数値「0」になるデジタル値)に変換して出力し、(Vbi2-1LSB)の電圧値のときには最大値(フルスケール)のデジタル値Ds(すべてのビットが数値「1」になるデジタル値)に変換して出力する。また、A/D変換器57は、選択電圧Vsの電圧値がゼロボルトを超え(Vbi2-1LSB)の電圧値未満の電圧値のときにはその電圧値に比例したデジタル値Dsに変換して出力する。これにより、A/D変換器57は、選択電圧Vsがバイアス電圧Vbi2の1/2の電圧値(つまり、バイアス電圧Vbi1の電圧値)のときには、ミッドスケールのデジタル値Ds(MSBのみが数値「1」になり、他のビットは数値「0」になる値)に変換して出力する。
【0066】
したがって、A/D変換器57は、バイアス電圧Vbi1分が加算されている第2検出電圧Vd2(=Vm+Vbi1)を構成する測定電圧Vm、およびバイアス電圧Vbi1分が加算されている第1検出電圧Vd1(=Im×Ro+Vbi1)を構成する電圧降下Vdp(=Im×Ro)について、ゼロボルト以上バイアス電圧Vbi1以下の正側電圧範囲内の電圧値のときには、MSBが数値「1」であって、他のビットがこの電圧値に比例して変化し、またゼロボルト未満で、絶対値がバイアス電圧Vbi1の絶対値以下の負側電圧範囲内の電圧値のときには、MSBが数値「0」であって、他のビットがこの電圧値の絶対値に比例して変化するデジタル値Dsに変換して出力する。つまり、A/D変換器57は、第1検出電圧Vd1および第2検出電圧Vd2を、コモン端子5の電位(バイアス電圧Vbi1:第1電位)を基準として測定して、測定された電圧を示すデジタル値Dsを出力する。
【0067】
処理部58は、CPUおよびメモリ(いずれも図示せず)を備えて構成されて、グランドGを基準とする作動電圧Vopで動作して、操作部8のロータリースイッチ3Aから出力される接点信号S1,S2,S3,S4に基づいてロータリースイッチ3Aによって選択されている機能(電圧測定機能、抵抗測定機能、ヒューズ検査機能および電流測定機能)を特定して、特定した機能に対応した処理(電圧測定処理、抵抗測定処理、電流測定処理およびヒューズ検査処理のいずれか)を実行する。
【0068】
電池13は、一次電池や二次電池で構成されると共に、負極がグランドGに接続されると共に、正極がスイッチSW1の一端(一方の接点としての導体パターン27a)に接続されている。また、電池13は、グランドGの電位(負極の電位)を基準として正の電圧となる正電圧Vbaを正極から出力する。電源回路14は、例えば、DCDCコンバータで構成されると共に、不図示の入力端子がスイッチSW1の他端(他方の接点としての導体パターン27b)に接続されている。また、電源回路14は、オン状態のスイッチSW1を介して入力される電池13からの正電圧Vbaに基づいて、測定装置1A内の各構成要素のための作動電圧Vop(グランドGを基準とする正の定電圧)を生成して不図示の出力端子から出力する。
【0069】
次いで、測定装置1Aの動作について説明する。
【0070】
まず、測定装置1Aでは、ロータリースイッチ3Aが初期位置(「OFF」の文字に対応するドットマーク)に回動されているときには、図6において実線で示すように、各接点部材22~25は対応する導体パターン対27~35から外れた位置に位置している。つまり、すべてのスイッチSW1~SW9において、それぞれのスイッチSW1~SW9を構成する導体パターン対27~35が、対応する接点部材22~25によって短絡されていない状態となっている。これにより、すべてのスイッチSW1~SW9がオフ状態となっていることから、電源回路14も、オフ状態のスイッチSW1により、電池13から切り離されている(正電圧Vbaが供給されない状態となっている)。このため、電源回路14は、作動電圧Vopの生成および出力を停止している。したがって、測定装置1Aは停止状態となっている。
【0071】
次いで、測定対象の測定電圧Vmを測定するために、ロータリースイッチ3Aが初期位置から電圧測定機能を示す「V」の位置(「V」の文字に対応するドットマークの位置)に回動されたときには、図6において破線で示すように、各接点部材22~25のうちの接点部材22は、対応する導体パターン対27上に位置して導体パターン対27を短絡し(スイッチSW1がオン状態に移行し)、また接点部材23は、対応する導体パターン対28上に位置して導体パターン対28を短絡し(スイッチSW2がオン状態に移行し)、また接点部材25は、対応する導体パターン対32上に位置して導体パターン対32を短絡する(スイッチSW6がオン状態に移行する)。
【0072】
測定装置1Aでは、スイッチSW1がオン状態に移行することにより、電池13から電源回路14に正電圧Vbaが供給される。また、電源回路14は、作動電圧Vopの生成および出力を開始する。これにより、測定装置1Aは動作状態に移行する。測定装置1Aでは、この動作状態は、ロータリースイッチ3Aが、電圧測定機能を示す「V」の位置から電流測定機能を示す「A」の位置(「A」の文字に対応するドットマークの位置)までのいずれかの位置に回動されているときに維持される。
【0073】
この動作状態では、基準電圧源51は、バイアス電圧Vbi1,Vbi2を生成すると共に、バイアス電圧Vbi1についてはバッファアンプ54に出力し、バイアス電圧Vbi2についてはA/D変換器57に出力する。また、バッファアンプ54は、入力されるバイアス電圧Vbi1をコモン端子5に低出力インピーダンスで印加する。また、A/D変換器57は、このバイアス電圧Vbi2をリファレンス電圧としたA/D変換動作を実行して、セレクタ56から出力される選択電圧Vsをデジタル値Dsに変換して出力する。
【0074】
また、測定装置1Aでは、スイッチSW2がオン状態に移行することにより、電圧入力端子6およびバッファアンプ52はオン状態のスイッチSW2を介して接続される。これにより、バッファアンプ52は、グランドGを基準として電圧入力端子6に生じている第2検出電圧Vd2を入力して、セレクタ56の一つの入力端子に出力する。
【0075】
測定装置1Aでは、電圧測定のときには、コモン端子5および電圧入力端子6にテストリードが装着(テストリードのプラグが挿入)されて、この一対のテストリードを介して不図示の測定対象に接続される(一対のテストリード間に測定電圧Vmが入力される)。なお、この測定装置1Aでは、ロータリースイッチ3Aが「A」の文字に対応するドットマーク(電流測定機能を選択するためのドットマーク)およびその近傍に回動されているときにのみ、電流入力端子4が開口し、ロータリースイッチ3Aがこれ以外の位置に回動されているときには、電流入力端子4はロータリースイッチ3Aの回動に連動して回動するシャッター板によって遮蔽されている。したがって、測定装置1Aでは、電流測定以外のときに、テストリードのプラグが電流入力端子4に誤って挿入されることが防止されている。
【0076】
また、測定装置1Aでは、スイッチSW6がオン状態に移行することにより、操作部8から処理部58に対して、ロータリースイッチ3Aが「V」の文字に対応するドットマークに在ることを示す接点信号S1が出力される(接点信号S1がオフ状態からオン状態に移行する)。処理部58は、この接点信号S1の出力を検出して、電圧測定処理を実行する。
【0077】
この電圧測定処理では、処理部58は、セレクタ56に対する制御を実行して、バッファアンプ52からセレクタ56に入力されている第2検出電圧Vd2を選択させて、選択電圧Vsとして出力させる。これにより、A/D変換器57は、選択電圧Vsとしてセレクタ56から出力されている第2検出電圧Vd2をサンプリングして、デジタル値Dsを処理部58に出力する。
【0078】
処理部58は、このデジタル値Dsに基づいて、電圧入力端子6およびコモン端子5間に入力(印加)されている測定電圧Vmを算出(測定)して、出力部7に表示させる。これにより、測定電圧Vmの測定が完了する。
【0079】
続いて、測定対象としての抵抗体の抵抗値Rmを測定するために、ロータリースイッチ3Aが初期位置から抵抗測定機能を示す「Ω」の位置(「Ω」の文字に対応するドットマークの位置)に回動されたときには、図6において破線で示すように、各接点部材22~25のうちの接点部材22は、対応する導体パターン対27上に位置して導体パターン対27を短絡し(スイッチSW1がオン状態に移行し)、また接点部材23は、対応する導体パターン対28上に位置して導体パターン対28を短絡し(スイッチSW2がオン状態に移行し)、また接点部材24は、対応する導体パターン対29上に位置して導体パターン対29を短絡し(スイッチSW3がオン状態に移行し)、また接点部材25は、対応する導体パターン対33上に位置して導体パターン対33を短絡する(スイッチSW7がオン状態に移行する)。
【0080】
測定装置1Aでは、スイッチSW1がオン状態に移行することにより、電池13から電源回路14に正電圧Vbaが供給されて、電源回路14は作動電圧Vopの生成および出力を開始する。これにより、測定装置1Aは動作状態に移行する。
【0081】
この動作状態では、基準電圧源51は、バイアス電圧Vbi1,Vbi2を生成すると共に、バイアス電圧Vbi1をバッファアンプ54に出力し、バイアス電圧Vbi2をA/D変換器57に出力する。また、バッファアンプ54は、このバイアス電圧Vbi1をコモン端子5に低出力インピーダンスで印加する。また、A/D変換器57は、このバイアス電圧Vbi2をリファレンス電圧としたA/D変換動作を実行して、セレクタ56から出力される選択電圧Vsをデジタル値Dsに変換して出力する。
【0082】
また、測定装置1Aでは、スイッチSW2がオン状態に移行することにより、電圧入力端子6およびバッファアンプ52はオン状態のスイッチSW2を介して接続される。これにより、バッファアンプ52は、グランドGを基準として電圧入力端子6に生じている第2検出電圧Vd2を入力して、セレクタ56の一つの入力端子に出力する。また、スイッチSW3がオン状態に移行することにより、電圧入力端子6および定電流源53はオン状態のスイッチSW3を介して接続される。
【0083】
測定装置1Aでは、抵抗測定のときには、コモン端子5および電圧入力端子6にテストリードが装着(テストリードのプラグが挿入)されて、この一対のテストリードを介して不図示の抵抗体(測定対象)に接続される(一対のテストリード間に抵抗体(抵抗値Rm)が接続される)。なお、電流入力端子4はシャッター板によって遮蔽されているため、テストリードのプラグの電流入力端子4への誤挿入は防止されている。
【0084】
また、測定装置1Aでは、スイッチSW7がオン状態に移行することにより、操作部8から処理部58に対して、ロータリースイッチ3Aが「Ω」の文字に対応するドットマークに在ることを示す接点信号S2が出力される(接点信号S2がオフ状態からオン状態に移行する)。処理部58は、この接点信号S2の出力を検出して、抵抗測定処理を実行する。
【0085】
この抵抗測定処理では、処理部58は、セレクタ56に対する制御を実行して、バッファアンプ52からセレクタ56に入力されている第2検出電圧Vd2を選択させて、選択電圧Vsとして出力させる。また、処理部58は、定電流源53に対する制御を実行して、測定用電流I1(既知の電流値I1)の出力を開始させる。これにより、この測定用電流I1は、オン状態のスイッチSW3から、電圧入力端子6、一対のテストリード間に接続されている不図示の抵抗体を経由して、バイアス電圧Vbi1に規定されているコモン端子5に流れる。この場合、抵抗体(抵抗値Rm)に測定用電流I1が流れることにより、電圧入力端子6およびコモン端子5間には測定電圧Vm(=Rm×I1)が入力される。また、測定装置1Aでは、上記したようにコモン端子5にバイアス電圧Vbi1が印加される構成となっている。このため、バッファアンプ52は、測定電圧Vmにコモン端子5の電圧(バイアス電圧Vbi1)分が加算された第2検出電圧Vd2(=Vm+Vbi1)を入力して、セレクタ56に出力する。
【0086】
A/D変換器57は、選択電圧Vsとしてセレクタ56から出力されている第2検出電圧Vd2をサンプリングして、デジタル値Dsを処理部58に出力する。処理部58は、このデジタル値Dsに基づいて、電圧入力端子6およびコモン端子5間に入力(印加)されている測定電圧Vmを算出(測定)する。また、処理部58は、算出した測定電圧Vmを測定用電流I1の電流値I1(既知)で除算することにより、抵抗体の抵抗値Rmを算出(測定)して、出力部7に表示させる。これにより、抵抗体についての抵抗値Rmの測定が完了する。
【0087】
次いで、ケース2内に配設されたヒューズ9を検査するために、ロータリースイッチ3Aが初期位置からヒューズ検査機能を示す「Check」の位置(「Check」の文字に対応するドットマークの位置)に回動されたときには、図6において破線で示すように、各接点部材22~25のうちの接点部材22は、対応する導体パターン対27上に位置して導体パターン対27を短絡し(スイッチSW1がオン状態に移行し)、また接点部材23は、対応する導体パターン対30上に位置して導体パターン対30を短絡し(スイッチSW4がオン状態に移行し)、また接点部材24は、対応する導体パターン対31上に位置して導体パターン対31を短絡し(スイッチSW5がオン状態に移行し)、また接点部材25は、対応する導体パターン対34上に位置して導体パターン対34を短絡する(スイッチSW8がオン状態に移行する)。
【0088】
測定装置1Aでは、スイッチSW1がオン状態に移行することにより、電池13から電源回路14に正電圧Vbaが供給されて、電源回路14は作動電圧Vopの生成および出力を開始する。これにより、測定装置1Aは動作状態に移行する。
【0089】
この動作状態では、基準電圧源51は、バイアス電圧Vbi1,Vbi2を生成すると共に、バイアス電圧Vbi1をバッファアンプ54に出力し、バイアス電圧Vbi2をA/D変換器57に出力する。また、バッファアンプ54は、このバイアス電圧Vbi1をコモン端子5に低出力インピーダンスで印加する。また、A/D変換器57は、このバイアス電圧Vbi2をリファレンス電圧としたA/D変換動作を実行して、セレクタ56から出力される選択電圧Vsをデジタル値Dsに変換して出力する。
【0090】
また、測定装置1Aでは、スイッチSW4,SW5がオン状態に移行することにより、電流入力端子4は、オン状態のスイッチSW4を介してヒューズ検出部11に接続されると共に、ヒューズ9およびオン状態のスイッチSW5を介してバッファアンプ55に接続される。これにより、バッファアンプ55は、グランドGを基準として電流検出抵抗10の一端(ヒューズ9側の一端)に生じている第1検出電圧Vd1を入力して、セレクタ56の他の一つの入力端子に出力する。
【0091】
測定装置1Aでは、このヒューズ検査のときには、コモン端子5および電圧入力端子6へのテストリードの装着(テストリードのプラグの挿入)は不要である。なお、電流入力端子4はシャッター板によって遮蔽されているため、テストリードのプラグの電流入力端子4への誤挿入は防止されている。
【0092】
また、測定装置1Aでは、スイッチSW8がオン状態に移行することにより、操作部8から処理部58に対して、ロータリースイッチ3Aが「Check」の文字に対応するドットマークに在ることを示す接点信号S3が出力される(接点信号S3がオフ状態からオン状態に移行する)。処理部58は、この接点信号S3の出力を検出して、ヒューズ検査処理を実行する。
【0093】
このヒューズ検査処理では、測定部12(具体的には、処理部58)は、ヒューズ検出部11から出力される信号Sdの信号レベル(この信号レベルがヒューズ検出部11での検出結果を示すものとなっている)に基づき、判別部として機能して、ヒューズ9の接断状態を判別する。上記したように、ヒューズ検出部11は、ヒューズ9が正常のとき(溶断していないとき)には、この検出結果を示すべく、グランドGの電位とほぼ同じ電圧値で信号Sdを出力し、一方、ヒューズ9が異常のとき(溶断しているとき)には、この検出結果を示すべく、作動電圧Vopとほぼ同じ電圧値で信号Sdを出力する。したがって、処理部58は、例えば、グランドGの電位と作動電圧Vopの電圧値との中間電圧(作動電圧Vopの電圧値の約1/2の電圧値)を閾値電圧値として、検出した信号Sdの信号レベル(電圧値)がこの閾値電圧値よりも低いときには、ヒューズ9は正常である(溶断していない)と判別し、一方、検出した信号Sdの信号レベル(電圧値)がこの閾値電圧値よりも高いときには、ヒューズ9は異常である(溶断している)と判別して、この判別結果を出力部7に表示させる。これにより、ヒューズ9の検査が完了する。このように、この測定装置1Aでは、テストリード無しでヒューズ9の正常・異常を検査することが可能となっている。
【0094】
続いて、測定装置1Aの外部の不図示の電流経路(測定対象)に流れる測定電流Imを測定するために、ロータリースイッチ3Aが初期位置から電流測定機能を示す「A」の位置(「A」の文字に対応するドットマークの位置)に回動されたときには、図6において破線で示すように、各接点部材22~25のうちの接点部材22は、対応する導体パターン対27上に位置して導体パターン対27を短絡し(スイッチSW1がオン状態に移行し)、また接点部材24は、対応する導体パターン対31上に位置して導体パターン対31を短絡し(スイッチSW5がオン状態に移行し)、また接点部材25は、対応する導体パターン対35上に位置して導体パターン対35を短絡する(スイッチSW9がオン状態に移行する)。
【0095】
測定装置1Aでは、スイッチSW1がオン状態に移行することにより、電池13から電源回路14に正電圧Vbaが供給されて、電源回路14は作動電圧Vopの生成および出力を開始する。これにより、測定装置1Aは動作状態に移行する。
【0096】
この動作状態では、基準電圧源51は、バイアス電圧Vbi1,Vbi2を生成すると共に、バイアス電圧Vbi1をバッファアンプ54に出力し、バイアス電圧Vbi2をA/D変換器57に出力する。また、バッファアンプ54は、このバイアス電圧Vbi1をコモン端子5に低出力インピーダンスで印加する。また、A/D変換器57は、このバイアス電圧Vbi2をリファレンス電圧としたA/D変換動作を実行して、セレクタ56から出力される選択電圧Vsをデジタル値Dsに変換して出力する。
【0097】
また、測定装置1Aでは、スイッチSW5がオン状態に移行することにより、電流入力端子4は、ヒューズ9およびオン状態のスイッチSW5を介してバッファアンプ55に接続される。これにより、バッファアンプ55は、グランドGを基準として電流検出抵抗10の一端(ヒューズ9側の一端)に生じている第1検出電圧Vd1を入力して、セレクタ56の他の一つの入力端子に出力する。
【0098】
測定装置1Aでは、電流測定のときには、電流入力端子4およびコモン端子5にテストリードが装着(テストリードのプラグが挿入)されて、測定装置1Aは、この一対のテストリードを介して測定対象である不図示の電流経路に介装される。これにより、測定装置1A内に形成されている電流経路(電流入力端子4から、ヒューズ9、スイッチSW5および電流検出抵抗10(既知の抵抗値Ro)を介してコモン端子5に至る第1経路RO1(図3参照))に、測定対象である電流経路に流れる測定電流Im(電流値Im)が流れる。なお、電流入力端子4を遮蔽していた不図示のシャッター板は、ロータリースイッチ3Aの電流測定機能を示す「A」の位置への回動に連動して回動して、電流入力端子4を開口させる。これにより、テストリードのプラグを電流入力端子4に挿入することが可能となる。
【0099】
また、測定装置1Aでは、上記したように、「V」の文字に対応するドットマークの位置(第1位置)と「A」の文字に対応するドットマークの位置(第2位置)との間(中間)に、「Check」の文字に対応するドットマークが配置されている(処理部58がヒューズ検査処理を実行する位置が規定されている)。このため、測定装置1Aでは、ロータリースイッチ3Aで電流測定機能を選択する際には、その直前に、必ずヒューズ9が正常であるか異常であるかの検査が実行されて、その検査結果が出力部7に表示されることから、ヒューズ9が異常のまま電流測定を実行することを確実に回避することが可能となっている。
【0100】
また、測定装置1Aでは、電流検出抵抗10に測定電流Imが流れることにより、電流検出抵抗10の両端間には電圧降下Vdp(=Im×Ro)が発生する。測定装置1Aでは、上記したようにコモン端子5にバイアス電圧Vbi1が印加される構成となっているため、バッファアンプ55は、電圧降下Vdpにコモン端子5の電圧(バイアス電圧Vbi1)分が加算された第1検出電圧Vd1(=Im×Ro+Vbi1)を入力して、セレクタ56に出力する。
【0101】
また、測定装置1Aでは、スイッチSW9がオン状態に移行することにより、操作部8から処理部58に対して、ロータリースイッチ3Aが「A」の文字に対応するドットマークに在ることを示す接点信号S4が出力される(接点信号S4がオフ状態からオン状態に移行する)。処理部58は、この接点信号S4の出力を検出して、電流測定処理を実行する。
【0102】
この電流測定処理では、処理部58は、セレクタ56に対する制御を実行して、バッファアンプ55からセレクタ56に入力されている第1検出電圧Vd1を選択させて、選択電圧Vsとして出力させる。これにより、A/D変換器57は、選択電圧Vsとしてセレクタ56から出力されている第1検出電圧Vd1をサンプリングして、デジタル値Dsを処理部58に出力する。
【0103】
処理部58は、このデジタル値Dsに基づいて、電流検出抵抗10での電圧降下Vdp(=Im×Ro)を算出(測定)し、この算出した電圧降下Vdpを抵抗値Roで除算することにより、測定電流Imの電流値Imを算出(測定)して、出力部7に表示させる。これにより、測定電流Imの測定が完了する。
【0104】
また、測定装置1Aでは、電圧測定、抵抗測定、ヒューズ検査または電流測定が完了した後には、初期位置(「OFF」の文字に対応するドットマークの位置)にロータリースイッチ3Aが戻されたときに、電源をオフにする(測定装置1Aを停止させる)。なお、電流測定の完了後は、電流入力端子4に装着したテストリードを取り外した後に、ロータリースイッチ3Aを初期位置に戻すようにする。
【0105】
このように、この測定装置1Aは、電流入力端子4に一端が接続されたヒューズ9と、ヒューズ9の他端とコモン端子5との間に接続された電流検出抵抗10と、コモン端子5にバイアス電圧Vbi1をグランドGを基準として印加するバッファアンプ54と、第1経路RO1に測定電流Imが流れているときに電流検出抵抗10の両端間に発生する電圧降下Vdpをコモン端子5の第1電位(バイアス電圧Vbi1)を基準として測定すると共にこの測定した電圧降下Vdp(の電圧値)と電流検出抵抗10の抵抗値Roとに基づいて測定電流Imの電流値Imを測定する電流測定処理を実行する測定部12(具体的には処理部58)とを備えている。また、測定装置1Aは、ヒューズ9の一端に一端が接続されたスイッチSW4(第1スイッチ)と、スイッチSW4の他端に接続されると共にグランドGの電位(第2電位:第1電位とは異なる電位)を基準として動作して、スイッチSW4がオン状態のときに、第1電位と第2電位との間の電位差(本例では、バイアス電圧Vbi1)に起因して第2経路RO2に電流が流れているか否かを検出するヒューズ検出部11と、スイッチSW4がオン状態のときのヒューズ検出部11の検出結果に基づきヒューズ9の接断状態を判別する測定部12(具体的には処理部58)とを備えている。
【0106】
したがって、この測定装置1Aによれば、電流入力端子4およびコモン端子5にテストリードを装着する(テストリードのプラグを差し込むこと)ことなく、ヒューズ9の接断状態を測定装置1A単体で判別することができるため、極めて便利である。
【0107】
また、この測定装置1Aでは、測定部12に実行させる処理(電圧測定処理または電流測定処理)を選択するためのロータリースイッチ3Aを備える構成であって、ロータリースイッチ3Aは、初期位置から回動方向に沿って電圧測定処理を選択するための第1位置(「V」の文字に対応するドットマーク)および電流測定処理を選択するための第2位置(「A」の文字に対応するドットマーク)がこの順に規定され、第1位置と第2位置との中間においてのみスイッチSW4(第1スイッチ)がオン状態になるように構成されている。
【0108】
したがって、この測定装置1Aによれば、ロータリースイッチ3Aで電圧測定機能に代えて電流測定機能を選択する際(測定部12に実行させる処理として電圧測定処理に代えて電流測定処理を選択する際)には、その直前に、ヒューズ9が正常であるか異常であるかの検査が必ず自動的に実行されて、その検査結果が出力部7に表示されることから、ヒューズ9が異常のまま電流測定を実行することを確実に回避することができる。
【0109】
また、測定装置1Aでは、ヒューズ検査機能を示す「Check」の文字およびこの文字に対応するドットマークをケース2の正面2aに表記すると共に、このドットマークの位置をロータリースイッチ3Aにおけるクリック位置に規定する構成(つまり、測定装置1Aの操作者に対してロータリースイッチ3Aを回動させてヒューズ検査機能を意識的に選択させる構成)を採用しているが、この構成に限定されるものではない。例えば、図示はしないが、スイッチSW4を構成するための導体パターン対30およびスイッチSW8を構成するための導体パターン対34はそのまま残して、ヒューズ検査機能を示す「Check」の文字およびこの文字に対応するドットマークについては表記しない構成(つまり、ヒューズ検査機能を操作者に選択させるための専用の位置をロータリースイッチ3Aに設けない構成。言い換えれば、ヒューズ検査機能が選択される位置(上記のチェック位置)をクリック位置とは異なる位置(隣接する2つのクリック位置の間の位置)に規定する構成)を採用することもできる。この構成を採用した測定装置1Aにおいても、ロータリースイッチ3Aで電流測定機能を選択する際(測定部12に実行させる処理として電流測定処理を選択する際)には、その直前にスイッチSW4およびスイッチSW8がオン状態に一時的に移行するため、必ずヒューズ9が正常であるか異常であるかの検査が自動的に実行されて(操作者がダイヤル21を操作して意識的にヒューズ検査機能を選択するという行為を行うこと無く、つまり、操作者に意識させることなく実行されて)、その検査結果が出力部7に表示されることから、ヒューズ9が異常のまま電流測定を実行することを確実に回避することができる。
【0110】
なお、上記の測定装置1Aでは、ヒューズ検査機能(測定部12に実行させる処理としてヒューズ検査処理)をロータリースイッチ3Aで選択する構成を採用しているが、この構成に限定されるものではない。例えば、ヒューズ検査機能(測定部12に実行させる処理としてヒューズ検査処理)を選択するための単独のスイッチを有する構成を採用することもできる。以下、この構成を採用した測定装置1Bについて説明する。なお、測定装置1Aと同一の構成については同一の符号を付して重複する説明を省略する。また、測定装置1Aと同様の動作についても重複する説明を省略する。
【0111】
まず、測定装置1Bの構成について図4図5および図7を参照して説明する。
【0112】
まず、測定装置1Bの外観構成について図4を参照して説明する。測定装置1Bは、同図に示すように、一例としてハンディ型のデジタルマルチメータとして構成されて、平面視長方形のケース2の正面2a(操作面)には、回転軸Lを中心として予め規定された角度範囲AR(図4,7参照)内で回動自在に配設された機能選択用のロータリースイッチ3B、検出プローブが装着可能な(具体的には、検出プローブとしてのテストリードのプラグが挿入(差し込み)可能な)3つの端子4,5,6(電流入力端子4、コモン端子5および電圧入力端子6)、出力部7、およびCheckボタン15が少なくとも配置されている。
【0113】
また、ケース2の正面2aにおけるロータリースイッチ3Bの周りには、ロータリースイッチ3Bによって選択可能な機能を示す文字およびマーク(電源をオフにする機能を示す「OFF」、電圧測定機能を示す「V」、抵抗測定機能を示す「Ω」および電流測定機能を示す「A」の文字の4つの機能を示す各文字と、ロータリースイッチ3Bを回動させてこれら4つの機能を選択する際のロータリースイッチ3Bの回動位置を示すドットマーク)が一例として等角度間隔で、時計方向に沿ってこの順で表記されている。また、測定装置1Aでは、「OFF」の文字に対応するドットマークの位置(初期位置)から最も大きな回動角度の位置に規定された「A」の文字に対応するドットマークまでの角度範囲AR内で回動可能となっている。
【0114】
この構成により、測定装置1Bは、ロータリースイッチ3Bを初期位置から回動させて電源をオンにし(測定装置1Bを起動し)、さらに「V」の文字に対応するドットマークの位置まで回動させた状態において、電圧測定機能を発揮することで、電圧入力端子6にプラグが挿入されたテストリードと、コモン端子5にプラグが挿入された他のテストリードとの間に印加される第2被測定電圧としての測定電圧Vmの電圧値Vmを測定して出力部7に出力(本例では表示)させる。また、測定装置1Bは、ロータリースイッチ3Bをさらに「Ω」の文字に対応するドットマークの位置まで回動させた状態において、抵抗測定機能を発揮することで、電圧入力端子6にプラグが挿入されたテストリードと、コモン端子5にプラグが挿入された他のテストリードとの間に接続された抵抗体の抵抗値Rmを測定して出力部7に表示させる。また、測定装置1Bは、ロータリースイッチ3Bをさらに「A」の文字に対応するドットマークの位置まで回動させた状態において、電流測定機能を発揮することで、電流入力端子4にプラグが挿入されたテストリードと、コモン端子5にプラグが挿入された他のテストリードとを介して介装された不図示の電流経路(測定装置1Aの外部の電流経路)に流れる測定電流Imの電流値Imを測定して出力部7に表示させる。
【0115】
また、測定装置1Bは、起動状態において、コモン端子5および電圧入力端子6へのテストリードのプラグの挿入の有無に拘わらず、またロータリースイッチ3Bの回動位置に拘わらず(「V」の文字、「Ω」の文字および「A」の文字に対応するいずれのドットマークの位置においても)、Checkボタン15を押下することにより、ヒューズ検査機能を発揮して、ヒューズ9が正常であるか異常であるかの検査を実行すると共に、実行した検査の検査結果REを出力部7に表示させる。
【0116】
次に、測定装置1Bの回路構成について図5を参照して説明する。また、測定装置1Bの回路全体の構成については特に図示しないが、主たる構成は測定装置1Aと同一であることから、測定装置1Aについての図1を併せて参照しつつ説明する。また、測定装置1Aの回路構成と同一の回路構成については同一の符号を付して重複する説明を省略し、相違する構成について主として説明する。
【0117】
まず、測定装置1Bの構成について説明すると、測定装置1Bは、測定装置1Aと同様にして、上記の3つの端子(電流入力端子4、コモン端子5および電圧入力端子6)、上記の出力部7、ロータリースイッチ3Bを有する操作部8、ヒューズ9、電流検出抵抗10、ヒューズ検出部11、測定部12、電源としての電池(バッテリ)13、電源回路14およびCheckボタン15を備えて構成されている。
【0118】
ロータリースイッチ3Bは、ケース2の正面2aに回転軸Lを中心として角度範囲AR内で回動自在に配設されたダイヤル21(図4,7参照)、ダイヤル21の裏面に配設されると共にケース2の内部に配設された不図示の基板上(基板の表面上)を摺動する複数の接点部材(本例では一例として図7に示すように、4つの接点部材22,23,24,25)、およびこの基板上に形成されると共に接点部材22,23,24,25と相まって複数のスイッチとして機能する導体パターン対(本例では一例として図7に示すように、7つの導体パターン対27,28,29,31,32,33,35)を備えている。
【0119】
この構成により、ダイヤル21(つまり、ロータリースイッチ3B)が角度範囲AR内で回動された際に、接点部材22,23,24,25の基板上での各摺動軌跡は、互いに重ならない円弧状軌跡となる。図7には、接点部材25の摺動軌跡(斜線を付した部分)のみを一例として示している。
【0120】
各導体パターン対27,28,29,31,32,33,35は、一例として等間隔で近接する2つの円弧状の導体パターンで構成されると共に、各接点部材22,23,24,25のうちの対応する接点部材の基板上での摺動軌跡における予め規定された領域内に形成されて、この摺動軌跡で移動する接点部材(つまり、対応する接点部材)と相まって、ダイヤル21(つまり、ロータリースイッチ3B)の回動角度に応じて、オン状態およびオフ状態のうちのいずれかの状態に移行するスイッチとして機能する。
【0121】
具体的には、導体パターン対27は、対応する接点部材22の基板上での摺動軌跡における予め規定された領域(ロータリースイッチ3Bが初期位置から時計方向に回動された際に、「V」の文字に対応するドットマークに回動されたときから開始し、「A」の文字に対応するドットマークに回動されたときまで続く領域)内に形成されている。この構成により、導体パターン対27は、接点部材22と相まって、図1に示す電源用のスイッチSW1として機能する。
【0122】
また、導体パターン対28は、対応する接点部材23の基板上での摺動軌跡における予め規定された領域(ロータリースイッチ3Aが初期位置から時計方向に回動された際に、「V」の文字に対応するドットマークに回動されたときから開始し、「Ω」の文字に対応するドットマークに回動されたときまで続く領域)内に形成されている。この構成により、導体パターン対28は、接点部材23と相まって、図1に示すスイッチSW2として機能する。
【0123】
また、導体パターン対29は、対応する接点部材24の基板上での摺動軌跡における予め規定された領域(ロータリースイッチ3Bが初期位置から時計方向に回動された際に、「Ω」の文字に対応するドットマークの手前まで回動されたときから開始し、「Ω」の文字に対応するドットマークを若干過ぎるまで続く領域)内に形成されている。この構成により、導体パターン対29は、接点部材24と相まって、図1に示すスイッチSW3として機能する。
【0124】
また、導体パターン対31は、対応する接点部材24の基板上での摺動軌跡における予め規定された領域(ロータリースイッチ3Bが初期位置から時計方向に回動された際に、「A」の文字に対応するドットマークの手前まで回動されたときから開始し、「A」の文字に対応するドットマークに回動されたときまで続く領域)内に形成されている。この構成により、導体パターン対31は、接点部材24と相まって、図1に示すスイッチSW5として機能する。
【0125】
また、導体パターン対32は、対応する接点部材25の基板上での摺動軌跡における予め規定された領域(ロータリースイッチ3Bが初期位置から時計方向に回動された際に、「V」の文字に対応するドットマークの手前まで回動されたときから開始し、「V」の文字に対応するドットマークを若干過ぎるまで続く領域)内に形成されている。この構成により、導体パターン対32は、接点部材25と相まって、ロータリースイッチ3Bが「V」の文字に対応するドットマークに在るときにはオン状態となり、ロータリースイッチ3Bがこれ以外の位置に在るときにはオフ状態となる接点信号S1を、測定部12の処理部58に出力するスイッチSW6として機能する。
【0126】
また、導体パターン対33は、対応する接点部材25の基板上での摺動軌跡における予め規定された領域(ロータリースイッチ3Bが初期位置から時計方向に回動された際に、「Ω」の文字に対応するドットマークの手前まで回動されたときから開始し、「Ω」の文字に対応するドットマークを若干過ぎるまで続く領域)内に形成されている。この構成により、導体パターン対33は、接点部材25と相まって、ロータリースイッチ3Bが「Ω」の文字に対応するドットマークに在るときにはオン状態となり、ロータリースイッチ3Bがこれ以外の位置に在るときにはオフ状態となる接点信号S2を処理部58に出力するスイッチSW7として機能する。
【0127】
また、導体パターン対35は、対応する接点部材25の基板上での摺動軌跡における予め規定された領域(ロータリースイッチ3Bが初期位置から時計方向に回動された際に、「A」の文字に対応するドットマークの手前まで回動されたときから開始し、「A」の文字に対応するドットマークに回動されたときまで続く領域)内に形成されている。この構成により、導体パターン対35は、接点部材25と相まって、ロータリースイッチ3Bが「A」の文字に対応するドットマークに在るときにはオン状態となり、ロータリースイッチ3Bがこれ以外の位置に在るときにはオフ状態となる接点信号S4を処理部58に出力するスイッチSW9として機能する。
【0128】
以上の構成により、ロータリースイッチ3Bは、上記したロータリースイッチ3Aが備えていたスイッチSW4(導体パターン対30が接点部材23と相まって機能するスイッチ)およびスイッチSW8(導体パターン対34が接点部材25と相まって機能するスイッチ)を備えていない構成となっている。
【0129】
Checkボタン15は、例えば、ケース2内に配設された2極双投型(2回路2接点)のスイッチ16(図5参照)に設けられた操作ボタン(押しボタンスイッチ)がケース2の正面2aに設けられた不図示の孔から外部に突出することで構成されている。また、スイッチ16は、本例では一例としてモメンタリ動作するスイッチ(常態においては、可動接点Wが、2つの固定接点X,Yのうちの固定接点Xに接続され、操作ボタンに対する操作(押下操作)が行われているときにのみ固定接点Yに接続される回路を備えたスイッチ)で構成されている。
【0130】
具体的には、図5に示すように、スイッチ16を構成する2つの回路16a,16bのうちのの回路16aについては、一例として、可動接点Wがヒューズ検出部11に接続されると共に、2つの固定接点X,Yのうちの固定接点Xが未接続状態で、かつ固定接点Yがヒューズ9の一端に接続されることで、ヒューズ9の一端とヒューズ検出部11との間に介装されて、測定装置1Aではロータリースイッチ3AのスイッチSW4が機能していた第1スイッチとして機能する。また、他の回路16bについては、可動接点Wがヒューズ9の一端に接続されると共に、2つの固定接点X,Yのうちの固定接点Xが電流入力端子4に接続され、かつ固定接点Yが未接続状態となることで、ヒューズ9の一端および回路16aの固定接点Y(第1スイッチの一端)の接続点と電流入力端子4との間に介装されて、第4スイッチとして機能する。
【0131】
この構成により、第1スイッチとして機能する回路16aにおいて、ヒューズ9の一端とヒューズ検出部11とを接続する状態を回路16aのオン状態とし、ヒューズ9の一端とヒューズ検出部11とを切り離す状態を回路16aのオフ状態とし、また第4スイッチとして機能する回路16bにおいて、ヒューズ9の一端と電流入力端子4とを接続する状態を回路16bのオン状態とし、ヒューズ9の一端と電流入力端子4とを切り離す状態を回路16bのオフ状態としたときに、第4スイッチとしての回路16bは、第1スイッチとしての回路16aのオン・オフ状態に連動して、第1スイッチ(回路16a)がオン状態のときにはオフ状態に移行し、かつ第1スイッチ(回路16a)がオフ状態のときにはオン状態に移行する。
【0132】
次いで、測定装置1Bの動作について説明する。なお、ロータリースイッチ3Bが初期位置(「OFF」の文字に対応するドットマーク)に回動されているときの動作、ロータリースイッチ3Bが電圧測定機能を示す「V」の位置(「V」の文字に対応するドットマークの位置)に回動されたときの電圧測定のための動作、ロータリースイッチ3Bが抵抗測定機能を示す「Ω」の位置(「Ω」の文字に対応するドットマークの位置)に回動されたときの抵抗測定のための動作については、測定装置1Aと同様であるため、説明を省略する。
【0133】
この測定装置1Bでは、ロータリースイッチ3Bが電流測定機能を示す「A」の位置(「A」の文字に対応するドットマークの位置)に回動されたときであって、Checkボタン15に対する操作が行われていないとき(押下されていないとき)には、図5に示すスイッチSW5がオン状態に移行しており、またスイッチ16を構成する2つの回路16a,16bは図5において実線で示す接続状態となっている。これにより、第1経路RO1(測定装置1Bでは、電流入力端子4から、回路16b、ヒューズ9、スイッチSW5および電流検出抵抗10を介してコモン端子5に至る電流経路)に測定電流Imが流れ得る状態となっている。したがって、測定装置1Bでは、処理部58が、ロータリースイッチ3Bが電流測定機能を示す「A」の位置に回動されている状態において操作部8から出力される接点信号S4(スイッチSW9がオン状態に移行することで出力される接点信号)を検出して、測定装置1Aと同様の電流測定処理を実行して、電流値Imを測定する。
【0134】
一方、測定装置1Bでは、測定部12(具体的には、処理部58)は、ロータリースイッチ3Bが電流測定機能を示す「A」の位置に回動されている状態において、上記したヒューズ検査処理についても併せて実行可能に構成されており、テストリード無しでヒューズ9の正常・異常を検査する。
【0135】
この測定装置1Bでは、ヒューズ検出部11は、上記したように、スイッチ16の回路16aを介してヒューズ9の一端に接続されている。このため、ロータリースイッチ3Bが電流測定機能を示す「A」の位置に回動されているとき(つまり、スイッチSW5がオン状態のとき)であって、ヒューズ9が正常であり、かつCheckボタン15が押下されているとき(回路16aの可動接点Wが、図5において破線で示すように固定接点Yに接続されているとき)にのみ第2経路RO2に電流が流れることから、ヒューズ検出部11は、このときにのみ信号レベル(電圧値)がグランドGの電位とほぼ同じ電圧値となる信号Sdを出力し、それ以外のとき(ロータリースイッチ3Bが「A」の位置以外の位置に回動されていて、スイッチSW5がオフ状態のときや、ロータリースイッチ3Bが「A」の位置に回動されていたとしても、Checkボタン15が押下されていないときや、ロータリースイッチ3Bが「A」の位置に回動され、かつCheckボタン15が押下されていたとしても、ヒューズ9が異常のとき(溶断しているとき))には、第2経路RO2に電流が流れないことから、信号レベル(電圧値)が作動電圧Vopとなる信号Sdを出力する。
【0136】
これにより、処理部58は、ロータリースイッチ3Bが電流測定機能を示す「A」の位置に回動されているときに実行しているヒューズ検査処理において、最初に、出力部7に「Checkボタン15を押下してください」などのヒューズチェックを促すメッセージを表示させ、その後に、ヒューズ検出部11から出力されている信号Sdの信号レベルが一時的であってもグランドGの電位とほぼ同じ電圧値となることを検出したときには、ヒューズ9が正常であると判別して、上記のメッセージに代えて、正常である旨の検査結果を出力部7に表示させる。また、処理部58は、ヒューズ検査処理においてヒューズ9が正常であると判別したときにのみ、電流測定処理を実行する。
【0137】
したがって、この測定装置1Bによっても、電流入力端子4およびコモン端子5にテストリードを装着する(テストリードのプラグを差し込むこと)ことなく、ヒューズ9の接断状態を測定装置1B単体で判別することができる。
【0138】
また、この測定装置1Bでは、上記したように、回路16aは、回路16bのオン・オフ状態に連動して、回路16bがオン状態のときにはオフ状態に移行し、かつ回路16bがオフ状態のときにはオン状態に移行する。このため、Checkボタン15が押下されて、ヒューズ検出部11が回路16aを介してヒューズ9の一端に接続されるときには、オフ状態となる回路16bにより、ヒューズ検出部11と電流入力端子4とが切り離される。したがって、この測定装置1Bによれば、測定装置1Bの外部から電流入力端子4を介してヒューズ検出部11に予期せぬ電圧が印加されて、ヒューズ検出部11が故障する事態を防止することができる。
【0139】
なお、電流入力端子4を介してヒューズ検出部11に予期せぬ電圧が印加される事態が生じないときには、図示はしないが、スイッチ16として単極単投型(1回路1接点)などのスイッチを使用して、図5に示す回路16aの位置に介装し、ヒューズ9の一端については電流入力端子4に直接接続する構成を採用することもできる。
【0140】
また、図示はしないが、上記のスイッチ16として、例えば、上記の回路16a,16bに加えて他の回路16cを有する3極双投型(3回路2接点)のスイッチを使用して、この回路16cを、Checkボタン15が押下されたことを示す接点信号を処理部58に出力するために使用する構成を採用することで、処理部58は、この接点信号が出力されているときの信号Sdの信号レベル(電圧値)に基づき、ヒューズ9の正常・異常を確実に判別して出力部7に表示させることが可能となる。
【0141】
また、図1および図3に示すように、スイッチSW5(第2スイッチ)として機能する回路およびスイッチSW2(第3スイッチ)として機能する回路を有するロータリースイッチ3Aを備えた構成を採用した測定装置1Aでは、ロータリースイッチ3Aで電圧測定処理の実行が選択された際には、スイッチSW2(第3スイッチ)がオン状態に移行して、電圧入力端子6(第3端子)と測定部12のバッファアンプ52とが接続されると共に、スイッチSW5(第2スイッチ)がオフ状態に移行して、電流入力端子4(第1端子)と測定部12のバッファアンプ55とが切り離される。また、ロータリースイッチ3Aで電流測定処理の実行が選択された際には、スイッチSW2(第3スイッチ)がオフ状態に移行して、電圧入力端子6(第3端子)と測定部12のバッファアンプ52とが切り離されると共に、スイッチSW5(第2スイッチ)がオン状態に移行して、電流入力端子4(第1端子)と測定部12のバッファアンプ55とが接続される。これにより、この構成の測定装置1Aでは、電圧測定処理および電流測定処理のそれぞれにおいて、使用されない端子を測定部12から切り離すことができるため、使用されない端子を介して無用な信号が測定部12に入力されるのを防止することができる。
【0142】
一方、上記したようなシャッター板を含む機構を備えた構成では、ロータリースイッチ3Aの回動に連動して回動するシャッター板により、電流入力端子4について、電流測定機能が選択されてないときには遮蔽し、電流測定機能が選択されているときにのみ開口することができることから、例えば、図8および図9に示す構成の測定装置1Aのように、スイッチSW5を省く構成(ロータリースイッチ3AからスイッチSW5を構成する回路を省く構成)、つまり、ヒューズ9の他端と、電流検出抵抗10の一端およびバッファアンプ55とを直接接続する構成とすることもできる。この図8および図9に示す構成の測定装置1Aにおいても、電圧測定処理において使用されない端子である電流入力端子4については測定部12に接続されたままの状態であるもののシャッター板で遮蔽でき、また電流測定処理において使用されない端子である電圧入力端子6については測定部12から切り離すことができるため、使用されない端子を介して無用な信号が測定部12に入力されるのを防止することができる。なお、図8および図9に示す測定装置1Aについては、スイッチSW5を省いた構成以外の構成については、図1および図3に示す測定装置1Aの構成と同一であるため、同一の構成については同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
【0143】
また、上記の測定装置1A,1Bとして、抵抗測定機能を備える構成を採用しているが、これに限定されるものではなく、図示はしないが、電圧測定機能および電流測定機能を備えているが、抵抗測定機能を備えていない構成の測定装置においても、上記のヒューズ検査機能を備える構成を採用することができるのは勿論である。
【符号の説明】
【0144】
1A,1B 測定装置
3A,3B ロータリースイッチ
4 電流入力端子
5 コモン端子
6 電圧入力端子
9 ヒューズ
10 電流検出抵抗
11 ヒューズ検出部
12 測定部
54 バッファアンプ(電圧印加部)
G グランド(第2電位)
SW4 スイッチ(第1スイッチ)
Vbi1 バイアス電圧(第1電位)
Vdp 電圧降下(第1被測定電圧)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9