(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-06
(45)【発行日】2023-10-17
(54)【発明の名称】センサ
(51)【国際特許分類】
G01N 27/22 20060101AFI20231010BHJP
【FI】
G01N27/22 A
(21)【出願番号】P 2020155480
(22)【出願日】2020-09-16
【審査請求日】2022-09-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(74)【代理人】
【識別番号】110004026
【氏名又は名称】弁理士法人iX
(72)【発明者】
【氏名】山崎 宏明
【審査官】清水 靖記
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-152451(JP,A)
【文献】特開2019-056607(JP,A)
【文献】特開2020-041893(JP,A)
【文献】特開2019-049444(JP,A)
【文献】特開2000-180400(JP,A)
【文献】特開平07-218461(JP,A)
【文献】特開平10-282045(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第02169400(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 27/00 - G01N 27/92
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基体と、前記基体に固定された固定電極と、前記基体に固定された支持部と、前記支持部に支持された可動部と、を含むセンサ部と、
第1回路と、
を備え、
前記可動部は、前記固定電極と対向する可動電極を含む可動領域と、前記可動領域と前記支持部との間に設けられた第1支持領域と、を含み、
前記第1支持領域は、第1電極と、前記第1電極と絶縁された第2電極と、を含み、
前記固定電極と前記可動電極との間に間隙が設けられ、
前記センサ部から出力されるセンサ信号を検出し、
前記センサ信号は、前記センサ部の周囲のガスに含まれる第1元素の濃度に応じて変化する前記間隙の距離の変化に応じており、
前記第1回路は、前記第1電極と前記第2電極との間に電圧を加え
て前記第1電極と前記第2電極との間に電界を発生させて前記第1電極及び前記第2電極の周りの第1物質を制御する第1動作を実行可能な、センサ。
【請求項2】
前記固定電極から前記可動電極への方向は、第1方向に沿い、
前記第1方向において、前記第2電極の少なくとも一部は、前記第1電極と重ならない、請求項1記載のセンサ。
【請求項3】
前記固定電極から前記可動電極への方向は、第1方向に沿い、
前記第1方向において、前記第1電極は、前記第2電極と重なる、請求項1記載のセンサ。
【請求項4】
前記第1支持領域は、第1導電層を含み、
前記センサ部は、前記第1導電層の一部と接続された第1導電端子と、前記第1導電層の前記一部とは別の一部と接続された第2導電端子と、を含み、
前記第1導電端子と前記第2導電端子との間に電流が供給される、請求項1記載のセンサ。
【請求項5】
前記第1電極の形状は、前
記第1元素の濃度に応じて変化する、請求項1~4のいずれか1つに記載のセンサ。
【請求項6】
前記第1支持領域は、前記第1電極及び前記第2電極と絶縁された第1膜を含み、
前記第1膜の形状は、前
記第1元素の濃度に応じて変化する、請求項1~4のいずれか1つに記載のセンサ。
【請求項7】
前記第1支持領域は、前記第2電極と絶縁された第3電極を含み、
前記第1動作は、前記第2電極と前記第3電極との間に電圧を加え
て前記第2電極と前記第3電極との間に電界を発生させて前記第2電極及び前記第3電極の周りの前記第1物質を制御することを含む、請求項
1記載のセンサ。
【請求項8】
前記第1支持領域から前記可動領域への第2方向は、前記固定電極から前記可動電極への第1方向と交差し、
前記第1電極から前記第3電極への第3方向は、前記第1方向及び前記第2方向を含む平面と交差し、
前記第2電極の少なくとも一部の前記第3方向における位置は、前記第1電極の前記第3方向における位置と、前記第3電極の前記第3方向における位置と、の間にある、請求項
7記載のセンサ。
【請求項9】
前記第1電極は、前記固定電極から前記可動電極への第1方向から見たときに、前記第2電極を囲む、請求項
1記載のセンサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、センサに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、センサにおいて、検出性能の向上が望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の実施形態は、検出性能の向上が可能なセンサを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施形態によれば、センサは、センサ部と、第1回路と、を含む。前記センサ部は、基体と、前記基体に固定された固定電極と、前記基体に固定された支持部と、前記支持部に支持された可動部と、を含む。前記可動部は、前記固定電極と対向する可動電極を含む可動領域と、前記可動領域と前記支持部との間に設けられた第1支持領域と、を含む。前記第1支持領域は、第1電極と、前記第1電極と絶縁された第2電極と、を含む。前記第1回路は、前記第1電極と前記第2電極との間に電圧を加える第1動作を実行可能である。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】
図1(a)及び
図1(b)は、第1実施形態に係るセンサを例示する模式図である。
【
図2】
図2(a)及び
図2(b)は、第1実施形態に係るセンサの一部を例示する模式図である。
【
図3】
図3(a)~
図3(c)は、第1実施形態に係るセンサを例示する模式図である。
【
図4】
図4は、第1実施形態に係るセンサを例示する模式的断面図である。
【
図5】
図5(a)及び
図5(b)は、第2実施形態に係るセンサを例示する模式図である。
【
図6】
図6(a)及び
図6(b)は、第2実施形態に係るセンサの動作を例示するフローチャートである。
【
図7】
図7(a)及び
図7(b)は、実施形態に係る別のセンサの一部を例示する模式図である。
【
図8】
図8は、第3実施形態に係るセンサを例示するブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に、本発明の各実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚さと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0008】
(第1実施形態)
図1(a)及び
図1(b)は、第1実施形態に係るセンサを例示する模式図である。
図1(a)は、実施形態に係るセンサ110の模式的断面図である。
図1(b)は、センサ110の模式的回路図である。センサ110は、センサ部10と、第1回路70(
図1(b)参照)を含む。
図1(a)においては、第1回路70の図示は省略されている。例えば、センサ110は、第1元素(例えば水素)を含むガスを検出可能なガスセンサである。
【0009】
図1(a)に示すように、センサ部10は、基体20と、固定電極Ef1と、支持部23と、可動部25と、を含む。固定電極Ef1は、基体20に固定される。支持部23は、基体20に固定される。可動部25は、支持部23に支持される。可動部25は、基体20から離れる。可動部25と基体20との間には空隙G11が設けられる。可動部25は、例えば膜部である。
【0010】
可動部25は、第1支持領域25aと、可動領域25mと、を含む。第1支持領域25aは、可動領域25mと支持部23(第1部分23a)との間に設けられる。
【0011】
可動領域25mは、可動電極Em1を含む。可動電極Em1は、固定電極Ef1と対向する。可動電極Em1は、可動電極端子Tm1と電気的に接続される。この接続は、例えば、配線Wm1(
図1(b)参照)により行われる。固定電極Ef1は、固定電極端子Tf1と電気的に接続される。この接続は、例えば、配線Wf1(
図1(b)参照)により行われる。これらの配線の少なくとも一部は、例えば、支持部23に含まれる導電部材を含んでも良い。
【0012】
固定電極Ef1から可動電極Em1への方向をZ軸方向(第1方向)とする。Z軸方向に対して垂直な1つの方向をX軸方向とする。Z軸方向及びX軸方向に対して垂直な方向をY軸方向とする。
【0013】
第1支持領域25aは、第1電極E1と、第2電極E2と、を含む。第2電極E2は、第1電極E1と電気的に絶縁される。例えば、第1支持領域25aは、絶縁部25jを含む。絶縁部25jは、例えばSiNを含む。絶縁部25jは、第1電極E1と第2電極E2との間に設けられる。第1電極E1は、第1端子T1と電気的に接続される。この接続は、例えば、配線WT1(
図1(b)参照)により行われる。第2電極E2は、第2端子T2と電気的に接続される。この接続は、例えば、配線WT2(
図1(b)参照)により行われる。これらの配線の少なくとも一部は、例えば、支持部23に含まれる導電部材を含んでも良い。
【0014】
センサ110は、例えば、第1膜11を含む。この例では、第1電極E1が第1膜11を兼ねる。実施形態においては、第1膜11は、第1電極E1とは別でも良い。第1膜11は、例えば、可動部25の表面に設けられる。第1膜11は、例えば、露出している。第1膜11は、第1元素を含むガスと効率的に接触できる。例えば、第1膜11(第1電極E1)は、第1元素(例えば、水素など)を蓄えることができる。例えば、第1膜11に第1元素(例えば、水素など)が吸着する。第1膜11が第1元素を蓄えると第1膜11の特性が変化する。例えば、第1膜11が第1元素を蓄えると、第1膜11が膨張し、第1膜11の体積が増大する。第1膜の特性(例えば体積など)は、第1膜11の周辺のガスに含まれる第1元素の濃度の変化に応じて変化可能である。例えば、第1膜11(例えば第1電極E1)の形状は、センサ部10の周囲のガスに含まれる第1元素の濃度に応じて変化する。第1膜11の特性の変化に応じた信号を検出することで、第1膜11の周辺における、第1元素の有無、または、第1元素の濃度を検出することができる。
【0015】
可動領域25mは、固定電極Ef1から離れる。固定電極Ef1と可動電極Em1との間には、間隙G11が設けられる。可動電極Em1を含む可動領域25mは、第1膜11(第1電極E1)を含む支持領域に支持される。例えば、第1膜11(第1電極E1)は、可動電極Em1に対して固定される。第1膜11の特性(例えば体積)の変化に応じて、固定電極Ef1と可動電極Em1との間に生じる電気信号が変化する。電気信号の変化を検出することで、第1膜11の周辺における、第1元素の有無、または、第1元素の濃度が検出できる。
【0016】
例えば、第1膜11が膨張すると、第1膜11を含む可動部25(例えばダイアフラム)が変形する。可動部25の変形は、第1膜11の膨張により生じる応力に起因する。可動部25が変形すると、固定電極Ef1と可動電極Em1との間の距離d1が変化する。固定電極Ef1と可動電極Em1との間の距離d1が変化すると、固定電極Ef1と可動電極Em1との間の静電容量が変化する。静電容量の変化を検出することで、第1膜11の周辺における、第1元素の有無、または、第1元素の濃度が検出できる。この例では、センサ部10は、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)構造を有する。
【0017】
このように、1つの例において、距離d1(間隙G11の距離)が、センサ部10の周囲のガスに含まれる第1元素の濃度に応じて変化する。距離d1の変化を静電容量の変化として検出することで、第1元素を検出できる。実施形態において、センサ部10の周辺のガスに含まれる第1元素の濃度に応じて、第1膜11の他の特性(例えば、導電率など)が変化しても良い。他の特性の変化を検出することで、第1元素を検出できる。
【0018】
図1(b)に示すように、第1回路70は、例えば、検出回路71を含む。検出回路71は、固定電極端子Tf1及び可動電極端子Tm1と電気的に接続される。検出回路71は、可動電極端子Tm1を介して、可動電極Em1と電気的に接続される。検出回路71は、固定電極端子Tf1を介して、固定電極Ef1と電気的に接続される。検出回路71は、検出信号Sig1を出力可能である。検出信号Sig1は、センサ部10の周囲のガスに含まれる第1元素の濃度に応じて変化する。
【0019】
例えば、センサ部10からセンサ信号Sig0が出力可能である。センサ信号Sig0は、固定電極Ef1と可動電極Em1との間に生じる。センサ信号Sig0は、例えば、固定電極端子Tf1と可動電極端子Tm1との間に生じる。センサ信号Sig0は、センサ部10の周囲のガスに含まれる第1元素の濃度に応じて変化する。例えば、検出回路71から出力される検出信号Sig1は、センサ信号Sig0に応じる。検出回路71は、センサ信号Sig0を処理して、検出信号Sig1として出力できる。処理は、例えば、増幅を含んでも良い。増幅は、参照値との差の導出を含んでも良い。
【0020】
第1回路70は、例えば、電圧回路72を含む。電圧回路72は、第1端子T1を介して、第1電極E1と電気的に接続される。電圧回路72は、第2端子T2を介して、第2電極E2と電気的に接続される。第1回路70(電圧回路72)は、第1電極E1と第2電極E2との間に電圧を加える第1動作を実行可能である。
【0021】
例えば、ガス中において、第1物質(例えば、水分子、硫黄、窒素、及びシロキサン(HMDS)の少なくともいずれかを含む)は、極性を有する。第1動作によって、第1電極E1と第2電極E2との間に電界を発生させることができる。これにより、例えば、第1膜11(この例において第1電極E1)の周囲に電界を発生させることができる。発生した電界によって、例えば、第1物質を制御することができる。これにより、センサの検出性能が向上できる。
【0022】
第1回路70は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などを含んでも良い。第1回路70の少なくとも一部は、センサ110に含まれても良い。第1回路70の少なくとも一部は、センサ110とは別に設けられても良い。
【0023】
この例では、基体20は、基板20s、絶縁膜20i及び絶縁部20jを含む。基板20sは、例えばSi基板である。基板20sの上に絶縁膜20iが設けられ、絶縁膜20iの上に絶縁部20jが設けられる。絶縁部20jは、例えばSiNを含む。絶縁部20jは、例えば固定電極Ef1の上下面に設けられる。
【0024】
支持部23は、絶縁膜20iの上に設けられる。支持部23は、例えば、SiNを含む。支持部23が可動部25を支持することで、間隙G11が形成できる。これにより、距離d1が変化可能である。可動部25の可動領域25mは、絶縁部25iを含む。絶縁部25iは、例えばSiNを含む。絶縁部25iは、例えば可動電極Em1の上下面に設けられる。
【0025】
図1(a)に示すように、この例では、第1支持領域25aは、第3電極E3をさらに含む。第3電極E3は、第2電極E2と電気的に絶縁される。第3電極E3は、第3端子T3と電気的に接続される。この接続は、例えば、配線WT3により行われる。この配線のすくなくとも一部は、支持部23に含まれる導電部材を含んでも良い。この例では、第3電極E3は、第1膜11を兼ねる。第1膜11(第3電極E3)の特性の変化に応じて、第1膜11の周辺における、第1元素の有無、または、第1元素の濃度が検出できる。例えば、第1電極E1に加えて第3電極E3を設けた場合、第1元素の検出感度を向上できる。実施形態においては、第1膜11は、第3電極E3とは別でも良い。
【0026】
図1(b)に示すように、電圧回路72は、第3端子T3を介して、第3電極E3と電気的に接続される。例えば、第1回路70の第1動作は、第2電極E2と第3電極E3との間に電圧を加えることを含む。これにより、第3電極E3と第2電極E2との間に電界を発生させることができる。例えば、発生した電界によって、第1膜11の周囲における第1物質を制御することができる。例えば、第1電極E1に加えて第3電極E3を設けた場合、第1物質を制御しやすくなる。これにより、センサの検出性能が向上できる。
【0027】
図1(a)に示すように、この例では、可動部25は、さらに第2支持領域25bを含む。可動領域25mは、第1支持領域25aと第2支持領域25bとの間にある。第2支持領域25bは、可動領域25mと支持部23(第2部分23b)との間にある。
【0028】
第2支持領域25bは、第4電極E4と、第5電極E5と、第6電極E6と、を含む。第5電極E5は、第4電極E4及び第6電極E6と電気的に絶縁される。例えば、第2支持領域25bは、絶縁部25kを含む。絶縁部25kは、例えばSiNを含む。絶縁部25kは、第4電極E4と第5電極E5との間、及び、第5電極E5と第6電極E6との間に設けられる。
【0029】
第4電極E4は、第4端子T4と電気的に接続される。第5電極E5は、第5端子T5と電気的に接続される。第6電極E6は、第6端子T6と電気的に接続される。この例では、第4電極E4及び第6電極E6は、第1膜11を兼ねる。第1膜11(第4電極E4及び第6電極E6)の特性の変化に応じて、第1膜11の周辺における、第1元素の有無、または、第1元素の濃度が検出できる。例えば、第4電極E4及び第6電極E6を設けた場合、第1元素の検出感度をさらに向上できる。実施形態においては、第1膜11は、第4電極E4及び第6電極E6とは別でも良い。
【0030】
図1(b)に示すように、電圧回路72は、第4端子T4を介して、第4電極E4と電気的に接続される。電圧回路72は、第5端子T5を介して、第5電極E5と電気的に接続される。電圧回路72は、第6端子T6を介して、第6電極E6と電気的に接続される。例えば、第1回路70の第1動作は、第4電極E4と第5電極E5との間に電圧を加えることを含む。例えば、第1回路70の第1動作は、第5電極E5と第6電極E6との間に電圧を加えることを含む。これにより、第4電極E4と第5電極E5との間、及び、第5電極E5と第6電極E6との間に電界を発生させることができる。例えば、発生した電界によって、第1膜11の周囲における第1物質を制御することができる。これにより、センサの検出性能が向上できる。第4~第6電極E4~E6は、第1~第3電極E1~E3と同様の構成を有しても良い。
【0031】
第1膜11(この例において第1電極E1、第3電極E3、第4電極E4及び第6電極E6など)は、例えば、第2元素を含む。第2元素は、Pd、Pt及びAuよりなる群から選択された少なくとも1つを含む。第2元素は、第1元素が水素である場合に、触媒として機能しても良い。
【0032】
第1膜11(この例において第1電極E1、第3電極E3、第4電極E4及び第6電極E6など)は、例えば、第3元素を含んでも良い。第3元素は、Si、P及びBよりなる群から選択された少なくとも1つを含む。第1膜11が第3元素を含むことで、第1元素が水素である場合に、例えば、高い反応速度が得られる。
【0033】
第1膜11(この例において第1電極E1、第3電極E3、第4電極E4及び第6電極E6など)は、例えば、第4元素をさらに含んでも良い。第4元素は、Cu、Ag、Ni、Fe及びCrよりなる群から選択された少なくとも1つを含む。第1膜11が第4元素を含むことで、第1元素が水素である場合に、例えば、高い反応速度が得られる。
【0034】
可動電極Em1、固定電極Ef1、第2電極E2及び第5電極E5は、例えば、Ti、Al及びTiNよりなる群から選択された少なくとも1つを含む。
【0035】
この例では、絶縁部25iに導電層25sが設けられ、絶縁部25jに導電層25tが設けられ、絶縁部25kに導電層25uが設けられる。これにより、例えば、可動領域25m、第1支持領域25a及び第2支持領域25bの反りを調整することができる。導電層25s、導電層25t及び導電層25uは、例えばメッシュ状でもよく、省略されてもよい。
【0036】
図2(a)及び
図2(b)は、第1実施形態に係るセンサの一部を例示する模式図である。
図2(a)は、第1実施形態に係るセンサの一部を例示する模式的断面図である。
第1動作において、第1電極E1の電位及び第3電極E3の電位は、例えばプラスである。第1動作において、第2電極E2の電位は、例えばマイナスである。
図2に示すように、第1動作において、例えば第1電極E1から第2電極E2へ向かう電界EL1が生じる。第1動作において、例えば第3電極E3から第2電極E2へ向かう電界EL2が生じる。
【0037】
センサにおいて、第1元素の濃度を検出する前に、第1膜11(この例において第1電極E1及び第3電極E3)に第1物質が付着又は吸着していることがある。この場合、第1元素の濃度を検出するときに、検出感度が低下したり応答時間が長くなったりすることがあると考えられる。
【0038】
例えば、第1元素が水素である場合、湿度が高いとセンサの感度が低下することがある。湿度が高い場合には、濃度の検出前に第1膜11上に水分子が付着していることがあると考えられる。この場合、水素濃度の検出のときに、第1膜11に水素が吸着しにくくなることがあると考えられる。
【0039】
これに対して、実施形態においては、電界EL1及び電界EL2により、第1物質を制御することができる。例えば、第1元素の濃度などを検出する前において、電界EL1及び電界EL2により、第1物質が第1膜11に付着することを抑制できる。これにより、例えば、検出感度の低下を抑制することができる。
【0040】
例えば、第1方向(Z軸方向)において、第2電極E2の少なくとも一部は、第1電極E1と重ならない。これにより、例えば第1支持領域25aの表面に電界が発生しやすくなる。例えば、第1電極E1の周辺において、電界EL1の方向は、第1電極E1から第1支持領域25aの外側へ向かう成分を含む。これにより、例えば、第1電極E1に第1物質が付着または吸着することを抑制できる。例えば、電界によって第1物質を第1膜11から遠ざけやすい。この例では、第1方向において、第2電極E2は、第1電極E1と重ならない。
【0041】
図2(b)は、第1実施形態に係る別のセンサの一部を例示する模式的平面図である。
図2(b)は、第1実施形態に係るセンサ110aにおける、第1電極E1、第2電極E2及び第3電極E3を示す。この例では、第1電極E1と第3電極E3とが連続する。第3電極E3は、第1電極E1と一体でもよい。例えば、第1電極E1(及び第3電極E3)は、Z軸方向から見たときに、第2電極E2を囲む。例えば、第1電極E1(及び第3電極E3)は、Z軸方向から見たときに、環状である。同様に、第4電極E4と第6電極E6とが連続してもよい。第4電極E4と第6電極E6とは一体でもよい。第4電極E4(及び第6電極E6)は、Z軸方向から見たときに、第5電極E5を囲んでもよい。例えば、第4電極E4(及び第6電極E6)は、Z軸方向から見たときに、環状である。これ以外については、センサ110aには、センサ110と同様の説明を適用できる。
【0042】
第1電極E1、第3電極E3、第4電極E4及び第6電極E6は、短絡され同一電位であってもよい。
【0043】
図3(a)~
図3(c)は、第1実施形態に係るセンサを例示する模式図である。
図3(a)は、
図3(b)及び
図3(c)の矢印AAからみた模式的平面図である。
図3(b)は、
図3(a)のA1-A2線断面図である。
図3(c)は、
図3(a)のB1-B2線断面図である。実施形態に係るセンサ111は、センサ部10及び第1回路70(
図1(b)参照)を含む。センサ部10は、基体20、固定電極Ef1、支持部23及び可動部25を含む。可動部25は、第1支持領域25a、第2支持領域25b及び可動領域25mを含む。可動領域25mは、可動電極Em1を含む。第1支持領域25aは、第1電極E1、第2電極E2及び第3電極E3を含む。第2支持領域25bは、第4電極E4、第5電極E5及び第6電極E6を含む。可動部25は、複数の穴を含んでもよい。例えば、複数の穴から可動部25と基体20との間の層をエッチングすることで、可動部25と基体20との間の空隙が設けられてもよい。
【0044】
図3(a)に示すように、この例では、第1支持領域25aから可動領域25mへの第2方向(例えばX軸方向)は、第1方向(Z軸方向)と交差する。第1電極E1から第3電極E3への第3方向(例えばY軸方向)は、第1方向及び第2方向を含む平面と交差する。平面視において、第2電極E2の少なくとも一部は、例えば、第1電極E1と第3電極E3との間にある。
図3(a)及び
図3(b)に示すように、第2電極E2の少なくとも一部の第3方向における位置は、第1電極E1の第3方向における位置と、第3電極E3の第3方向における位置と、の間にある。これにより、例えば、第1動作において適切な電界が発生しやすい。例えば、第2電極E2は、第1電極E1と可動領域25mとの間に設けられない。例えば、第2電極E2は、第3電極E3と可動領域25mとの間に設けられない。これにより、例えば、第1電極E1及び第3電極E3の変形により生じる応力が、可動部25へ伝達されやすい。
【0045】
図3(a)に示すように、第4電極E4から第6電極E6への第4方向(例えばY軸方向)は、第1方向及び第2方向を含む平面と交差する。第4方向は、第3方向と平行でも良い。平面視において、第5電極E5の少なくとも一部は、例えば、第4電極E4と第6電極E6との間にある。第5電極E5の少なくとも一部の第4方向における位置は、第4電極E4の第4方向における位置と、第6電極E6の第4方向における位置と、の間にある。例えば、第5電極E5は、第4電極E4と可動領域25mとの間に設けられない。例えば、第5電極E5は、第6電極E6と可動領域25mとの間に設けられない。
【0046】
図3(a)に示すように、この例では、可動部25は、複数の接続部26を含む。複数の接続部26は、例えば、ばね部である。複数の接続部26は、第1支持領域25aと可動領域25mとを接続する。複数の接続部26は、第2支持領域25bと可動領域25mとを接続する。第1支持領域25a及び第2支持領域25bは、複数の接続部26を介して、可動領域25mを支持する。複数の接続部26の幅は、第1電極E1の幅より狭い。複数の接続部26は平面視において屈曲した形状である。複数の接続部26は、例えば、SiN及びTiNの少なくともいずれかを含む。
【0047】
図4は、第1実施形態に係るセンサを例示する模式的断面図である。
図4に示すように、センサ112においても、センサ部10及び第1回路70(
図1(b)参照)が設けられる。センサ部10は、基体20、固定電極Ef1、支持部23及び可動部25を含む。可動部25は、第1支持領域25a、第2支持領域25b及び可動領域25mを含む。可動領域25mは、可動電極Em1を含む。第1支持領域25aは、第1電極E1、及び第2電極E2を含む。第2支持領域25bは、第4電極E4、及び第5電極E5を含む。
【0048】
この例では、第1方向(Z軸方向)において、第1電極E1は、第2電極E2と重なる。第1方向において、第1電極E1の全体が第2電極E2と重なっても良い。第1方向において、第4電極E4は、第5電極E5と重なる。第1方向において、第4電極E4の全体が第5電極E5と重なっても良い。この例においても、第1方向(Z軸方向)において、第2電極E2の少なくとも一部は、第1電極E1と重ならない。これにより、例えば可動部25の表面に電界が発生しやすくなる。
【0049】
(第2実施形態)
図5(a)及び
図5(b)は、第2実施形態に係るセンサを例示する模式図である。
図5(a)は、実施形態に係るセンサ113の模式的断面図である。
図5(b)は、センサ113の模式的回路図である。
図5(a)及び
図5(b)に示すように、センサ113においても、センサ部10及び第1回路70が設けられる。センサ部10及び第1回路70の構成には、センサ110に関して説明した構成を適用できる。
【0050】
第1支持領域25aは、第1導電層27aを含む。
図5(a)に示すように、第2電極E2の第1方向における位置は、第1電極E1の第1方向における位置と第1導電層27aの第1方向における位置との間である。
【0051】
センサ部10は、第1導電端子Tc1と第2導電端子Tc2とを含む。第1導電端子Tc1は、第1導電層27aの一部と接続される。第2導電端子Tc2は、第1導電層27aの別の一部と接続される。導電端子と導電層とを電気的に接続する配線の少なくとも一部は、支持部23に設けられる導電部材を含んでも良い。
【0052】
図5(b)に示すように、第1回路70は、例えば、導電層用回路73を含む。導電層用回路73は、第1導電端子Tc1を介して、第1導電層27aと電気的に接続される。導電層用回路73は、第2導電端子Tc2を介して、第1導電層27aと電気的に接続される。第1回路70(導電層用回路73)から、第1導電端子Tc1と第2導電端子Tc2との間に電流が供給される。第1回路70は、第1導電端子Tc1及び第2導電端子Tc2を介して、第1導電層27aに電流を供給する第2動作を実行可能である。
【0053】
第1導電層27aは、例えば、ヒータである。第1回路70から第1導電層27aに電流が供給されたときに、第1導電層27aの温度が上昇する。第1導電層27aにより第1膜11(この例において第1電極E1及び第3電極E3)の温度を上昇させることで、第1膜11に付着もしくは吸着した第1物質を除去でき、更に第1元素に対する検出速度を向上させることができる。
【0054】
この例では、第2支持領域25bは、第2導電層27bを含む。
図5(a)に示すように、第5電極E5の第1方向における位置は、第4電極E4の第1方向における位置と第2導電層27bの第1方向における位置との間である。
【0055】
センサ部10は、第3導電端子Tc3と第4導電端子Tc4とを含む。第3導電端子Tc3は、第2導電層27bの一部と接続される。第4導電端子Tc4は、第2導電層27bの別の一部と接続される。
【0056】
図5(b)に示すように、導電層用回路73は、第3導電端子Tc3を介して、第2導電層27bと電気的に接続される。導電層用回路73は、第4導電端子Tc4を介して、第2導電層27bと電気的に接続される。第1回路70(導電層用回路73)から、第3導電端子Tc3と第4導電端子Tc4との間に電流が供給される。第1回路70の第2動作は、第3導電端子Tc3及び第4導電端子Tc4を介して、第2導電層27bに電流を供給することを含んでも良い。第1回路70から第2導電層27b(例えばヒータ)に電流が供給されたときに、第1膜11(この例において第4電極E4及び第6電極E6)に付着もしくは吸着した第1物質を除去でき、更に第1元素に対する検出速度などを向上させることができる。
【0057】
図6(a)及び
図6(b)は、第2実施形態に係るセンサの動作を例示するフローチャートである。
図6(a)及び
図6(b)は、センサ113の起動の動作シーケンスを示す。
【0058】
図6(a)に示すように、センサ113が通電される(ステップS110)。第1回路70は、第1電極E1と第2電極E2との間に電圧を加える第1動作の実行を開始する(ステップS120)。これにより、例えば、第1電極E1の周囲に電界が発生する。例えば、第1物質が第1電極E1に付着することを抑制できる。
【0059】
第1回路70は、第1導電端子Tc1と第2導電端子Tc2との間に電圧を加える(ステップS130)。すなわち、第1回路70は、第1導電層27aに電流を供給する第2動作の実行を開始する。第1回路70は、待機する(ステップS140)。これにより、第1導電層27aの温度が上昇する。例えば、第1電極E1の温度が上昇し、第1膜11に付着もしくは吸着した第1物質を除去できる。第1回路70は、第1導電端子Tc1と第2導電端子Tc2との間に電圧をオフにする(ステップS150)。すなわち、第1回路70は、第2動作の実行を終了する。センサ113の起動が完了する(ステップS160)。起動が完了した後において、第1元素の検出動作が行われる。検出動作において、起動動作時に行われた第1電極E1と第2電極E2との間に電圧を加える第1動作(ステップS120)の実行は継続されている。そのため、第1膜11には第1物質の付着もしくは吸着が抑制されており、第1元素の検出性能が向上する。
【0060】
このように、第1回路70は、第1動作の開始後に、第1導電層27aに電流を供給する第2動作を実行可能である。これにより、例えば、第1電極E1の周囲の第1物質を制御することができ、第1物質の付着もしくは吸着を抑制することができる。第1動作は、ステップS120からステップS160まで継続されても良い。第1動作の実行中に第2動作が実行されても良い。例えば、第1回路70は、第1元素の濃度の検出時において、第1動作を継続しても良い。例えば、第1元素の検出感度を向上できる。
【0061】
第1動作において加えられる電圧は、例えば直流成分を含む。第1動作において加えられる電圧は、交流成分を含んでも良い。交流成分の周波数は、例えば、100kHz以上1MHz以下、20MHz以上50MHz以下、または1GHz以上100GHz以下である。これにより、例えば、第1物質が第1電極E1に付着することを抑制しやすい。
【0062】
図6(b)に示すように、ステップS120の代わりに、ステップS121が実行されても良い。第1回路70は、ステップS140とステップS150との間において、第1電極E1と第2電極E2との間に電圧を加える第1動作の実行を開始する(ステップS121)。このように、第1回路70は、第2動作の実行中に第1動作の実行を開始しても良い。これにより、例えば、第1電極E1の周囲の第1物質を制御することができ、第1物質の付着もしくは吸着を抑制することができる。例えば、第1元素の検出感度を向上できる。第1動作は、ステップS121からステップS160の終了まで継続されても良い。第2動作の実行中に第1動作が実行されても良い。起動が完了した後において、第1元素の検出動作が行われる。検出動作において、起動動作時に行われた第1電極E1と第2電極E2との間に電圧を加える第1動作(ステップS120)の実行は継続されている。そのため、第1膜11には第1物質の付着もしくは吸着が抑制されており、第1元素の検出性能が向上する。
【0063】
図7(a)及び
図7(b)は、実施形態に係る別のセンサの一部を例示する模式図である。
図7(a)は、センサ114の第1支持領域25aの模式的断面図であり、
図7(b)は、センサ114の第1
支持領域25aの模式的平面図である。
この例においては、第1膜11は、第1電極E1及び第3電極E3とは別に設けられる。第1電極E1と第2電極E2と第3電極E3は、Z軸方向に垂直な方向(例えばY軸方向)において並ぶ。第2電極E2は、第1電極E1と第3電極E3との間に設けられる。絶縁
部25jの一部は、第1電極E1と第2電極E2との間、及び、第2電極E2と第3電極E3との間に設けられる。第2電極E2は、第1電極E1及び第3電極E3と電気的に絶縁される。
【0064】
第1膜11の少なくとも一部は、Z軸方向において第2電極E2と重なる。絶縁部25jの一部は、第1膜11と第1~第3電極E1~E3との間に設けられる。第1膜11と第1~第3電極E1~E3とは、電気的に絶縁される。
【0065】
例えば、第1電極E1の電位と、第3電極E3の電位とは、同じとされる。第1回路70の第1動作により、第1電極E1と第2電極E2との間、及び第3電極E3と第2電極E2との間に電界を発生させることができる。例えば、発生した電界によって、第1膜11の周囲における第1物質を制御することができる。これにより、センサの検出性能を向上できる。
【0066】
上記以外については、センサ114には、上述のセンサ110~113のいずれかと同様の説明を適用することができる。第2支持領域25bは、
図7(a)及び
図7(b)に示した第1支持領域25aと同様であってもよい。
【0067】
(第3実施形態)
図8は、第3実施形態に係るセンサを例示するブロック図である。
図8に示すように、実施形態に係るセンサモジュール210は、実施形態に係るセンサ(この例では、センサ110)と、電池81と、無線通信回路83と、アンテナ85と、筐体87と、を含む。
【0068】
例えば、センサ110、電池81及び無線通信回路83は、筐体87の内部に設けられる。アンテナ85の少なくとも一部は、筐体87の外部に設けられる。筐体87は、例えば、地面、床、または壁などに取り付けられる。
【0069】
電池81は、センサ110に接続される。電池81は、センサ110に電力を供給可能である。無線通信回路83は、センサ110に接続される。無線通信回路83は、センサ110で検出された値に応じた信号を送信可能である。アンテナ85は、無線通信回路83と接続される。アンテナ85を介して、信号が送信される。
【0070】
実施形態は、以下の構成(例えば技術案)を含んでも良い。
(構成1)
基体と、前記基体に固定された固定電極と、前記基体に固定された支持部と、前記支持部に支持された可動部と、を含むセンサ部と、
第1回路と、
を備え、
前記可動部は、前記固定電極と対向する可動電極を含む可動領域と、前記可動領域と前記支持部との間に設けられた第1支持領域と、を含み、
前記第1支持領域は、第1電極と、前記第1電極と絶縁された第2電極と、を含み、
前記第1回路は、前記第1電極と前記第2電極との間に電圧を加える第1動作を実行可能な、センサ。
【0071】
(構成2)
前記固定電極から前記可動電極への方向は、第1方向に沿い、
前記第1方向において、前記第2電極の少なくとも一部は、前記第1電極と重ならない、構成1記載のセンサ。
【0072】
(構成3)
前記固定電極から前記可動電極への方向は、第1方向に沿い、
前記第1方向において、前記第2電極は、前記第1電極と重ならない、構成1記載のセンサ。
【0073】
(構成4)
前記固定電極から前記可動電極への方向は、第1方向に沿い、
前記第1方向において、前記第1電極は、前記第2電極と重なる、構成1記載のセンサ。
【0074】
(構成5)
前記第1支持領域は、第1導電層を含み、
前記センサ部は、前記第1導電層の一部と接続された第1導電端子と、前記第1導電層の前記一部とは別の一部と接続された第2導電端子と、を含み、
前記第1導電端子と前記第2導電端子との間に電流が供給される、構成1記載のセンサ。
【0075】
(構成6)
前記固定電極から前記可動電極への方向は、第1方向に沿い、
前記第2電極の第1方向における位置は、前記第1電極の第1方向における位置と前記第1導電層の第1方向における位置との間にある、構成5記載のセンサ。
【0076】
(構成7)
前記センサ部から出力されるセンサ信号は、前記センサ部の周囲のガスに含まれる第1元素の濃度に応じて変化する、構成5または6に記載のセンサ。
【0077】
(構成8)
前記第1回路は、前記第1導電層に電流を供給する第2動作をさらに実行可能であり、前記第1動作の開始後に前記第2動作を実行する、構成5~7のいずれか1つに記載のセンサ。
【0078】
(構成9)
前記第1回路は、前記第1導電層に電流を供給する第2動作をさらに実行可能であり、前記第2動作の実行中に前記第1動作の実行を開始する、構成5~7のいずれか1つに記載のセンサ。
【0079】
(構成10)
前記固定電極と前記可動電極との間に間隙が設けられ、
前記間隙の距離は、前記センサ部の周囲のガスに含まれる第1元素の濃度に応じて変化する、構成1~6のいずれか1つに記載のセンサ。
【0080】
(構成11)
前記センサ部の周囲のガスに含まれる第1元素の濃度に応じて、前記可動電極と前記固定電極との間の静電容量が変化する、構成1~6のいずれか1つに記載のセンサ。
【0081】
(構成12)
前記第1電極の形状は、前記センサ部の周囲のガスに含まれる第1元素の濃度に応じて変化する、構成1~6のいずれか1つに記載のセンサ。
【0082】
(構成13)
前記第1支持領域は、前記第1電極及び前記第2電極と絶縁された第1膜を含み、
前記第1膜の形状は、前記センサ部の周囲のガスに含まれる第1元素の濃度に応じて変化する、構成1~6のいずれか1つに記載のセンサ。
【0083】
(構成14)
前記第1支持領域は、前記第2電極と絶縁された第3電極を含み、
前記第1動作は、前記第2電極と前記第3電極との間に電圧を加えることを含む、構成1~13のいずれか1つに記載のセンサ。
【0084】
(構成15)
前記第1支持領域から前記可動領域への第2方向は、前記固定電極から前記可動電極への第1方向と交差し、
前記第1電極から前記第3電極への第3方向は、前記第1方向及び前記第2方向を含む平面と交差し、
前記第2電極の少なくとも一部の前記第3方向における位置は、前記第1電極の前記第3方向における位置と、前記第3電極の前記第3方向における位置と、の間にある、構成14記載のセンサ。
【0085】
(構成16)
前記第1電極は、前記固定電極から前記可動電極への第1方向から見たときに、前記第2電極を囲む、構成1~15のいずれか1つに記載のセンサ。
【0086】
(構成17)
前記可動部は、第2支持領域を含み、
前記可動領域は、前記第1支持領域と前記第2支持領域との間にあり、
前記第2支持領域は、第4電極と、前記第4電極と絶縁された第5電極と、を含み、
前記第1動作は、前記第4電極と前記第5電極との間に電圧を加えることを含む、構成1~16のいずれか1つに記載のセンサ。
【0087】
(構成18)
前記第2支持領域は、前記第5電極と絶縁された第6電極を含み、
前記第1動作は、前記第5電極と前記第6電極との間に電圧を加えることを含む、構成17に記載のセンサ。
【0088】
(構成19)
前記第1支持領域から前記可動領域への第2方向は、前記固定電極から前記可動電極への第1方向と交差し、
前記第4電極から前記第6電極への第4方向は、前記第1方向及び前記第2方向を含む平面と交差し、
前記第5電極の少なくとも一部の前記第4方向における位置は、前記第4電極の前記第4方向における位置と、前記第6電極の前記第4方向における位置と、の間にある、構成18記載のセンサ。
【0089】
(構成20)
前記第1電極は、Pd、Pt及びAuよりなる群から選択された少なくとも1つを含む、構成1~19のいずれか1つに記載のセンサ。
【0090】
(構成21)
前記第1電極と前記第2電極との間の前記電圧は、交流成分を含む、構成1~20のいずれか1つに記載のセンサ。
【0091】
(構成22)
前記交流成分の周波数は、100kHz以上1MHz以下、20MHz以上50MHz以下、または1GHz以上100GHz以下である、構成21記載のセンサ。
【0092】
実施形態によれば、検出性能の向上が可能なセンサが提供できる。
【0093】
本願明細書において、「電気的に接続」には、直接接触して接続される場合の他に、他の導電性部材などを介して接続される場合も含む。
【0094】
本願明細書において、「垂直」及び「平行」は、厳密な垂直及び厳密な平行だけではなく、例えば製造工程におけるばらつきなどを含むものであり、実質的に垂直及び実質的に平行であれば良い。
【0095】
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、センサに含まれるセンサ部及び第1回路などの各要素の具体的な構成に関しては、当業者が公知の範囲から適宜選択することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができる限り、本発明の範囲に包含される。
【0096】
各具体例のいずれか2つ以上の要素を技術的に可能な範囲で組み合わせたものも、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に含まれる。
【0097】
その他、本発明の実施の形態として上述したセンサを基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全てのセンサも、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。
【0098】
その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
【0099】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0100】
10…センサ部、 11…第1膜、 20…基体、 20i、20j…絶縁膜、 20s…基板、 23…支持部、 25…可動部、 25a…第1支持領域、 25b…第2支持領域、 25i、25j、25k…絶縁部、 25s、25t、25u…導電層、 25m…可動領域、 26…接続部、 27a…第1導電層、 27b…第2導電層、 70…第1回路、 71…検出回路、 72…電圧回路、 73…導電層用回路、 81…電池、 83…無線通信回路、 85…アンテナ、 87…筐体、 110、110a、111、112、113、114…センサ、 AA…矢印、 E1~E6…第1~第6電極、 EL1、EL2…電界、 Ef1…固定電極、 Em1…可動電極、 G11…間隙、 S110~S160…ステップ、 Sig0…センサ信号、 Sig1…検出信号、 T1~T6…第1~T6端子、 Tc1~Tc4…第1~第4導電端子、 Tf1…固定電極端子、 Tm1…可動電極端子、 Wf1、Wm1、WT1~WT4…配線、 d1…距離