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特許7362585リチウムイオン二次電池用正極、リチウムイオン二次電池、及びリチウムイオン二次電池用正極の製造方法
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  • 特許-リチウムイオン二次電池用正極、リチウムイオン二次電池、及びリチウムイオン二次電池用正極の製造方法 図1
  • 特許-リチウムイオン二次電池用正極、リチウムイオン二次電池、及びリチウムイオン二次電池用正極の製造方法 図2
  • 特許-リチウムイオン二次電池用正極、リチウムイオン二次電池、及びリチウムイオン二次電池用正極の製造方法 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-06
(45)【発行日】2023-10-17
(54)【発明の名称】リチウムイオン二次電池用正極、リチウムイオン二次電池、及びリチウムイオン二次電池用正極の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 4/13 20100101AFI20231010BHJP
   H01M 4/62 20060101ALI20231010BHJP
   H01M 4/36 20060101ALI20231010BHJP
   H01M 4/139 20100101ALI20231010BHJP
【FI】
H01M4/13
H01M4/62 Z
H01M4/36 A
H01M4/139
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2020163579
(22)【出願日】2020-09-29
(65)【公開番号】P2022055888
(43)【公開日】2022-04-08
【審査請求日】2022-11-30
(73)【特許権者】
【識別番号】399107063
【氏名又は名称】プライムアースEVエナジー株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】520184767
【氏名又は名称】プライムプラネットエナジー&ソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】出口 祥太郎
(72)【発明者】
【氏名】坂井 遼太郎
【審査官】佐溝 茂良
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-009203(JP,A)
【文献】国際公開第2015/147234(WO,A1)
【文献】特表2014-532263(JP,A)
【文献】特開2020-129472(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 4/13
H01M 4/62
H01M 4/36
H01M 4/139
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
正極集電体と、
前記正極集電体上に形成された第1正極合材層と、
前記第1正極合材層上に形成された第2正極合材層と、を備え、
前記第1正極合材層及び前記第2正極合材層は、正極活物質と繊維状の導電材とを少なくとも含み、
前記第1正極合材層における前記導電材の長さは前記第2正極合材層における前記導電材の長さよりも短く、前記第1正極合材層における前記導電材の量は前記第2正極合材層における前記導電材の量よりも多く、
前記第2正極合材層における前記導電材の長さは前記第1正極合材層における前記導電材の長さよりも長く、前記第2正極合材層における前記導電材の量は前記第1正極合材層における前記導電材の量よりも少ない、
リチウムイオン二次電池用正極。
【請求項2】
前記第1正極合材層における前記導電材の長さが0.3μm以上1.2μm以下であり、
前記第2正極合材層における前記導電材の長さが0.6μm以上である、
請求項1に記載のリチウムイオン二次電池用正極。
【請求項3】
前記第1正極合材層における前記導電材の量が1質量%以上10質量%以下であり、
前記第2正極合材層における前記導電材の量が2質量%以下である、
請求項1または2に記載のリチウムイオン二次電池用正極。
【請求項4】
前記第2正極合材層における空隙率が前記第1正極合材層における空隙率よりも高い、請求項1~3のいずれか一項に記載のリチウムイオン二次電池用正極。
【請求項5】
前記第1正極合材層における空隙率が10%以上50%以下であり、
前記第2正極合材層における空隙率が30%以上70%以下である、
請求項4に記載のリチウムイオン二次電池用正極。
【請求項6】
前記第2正極合材層における密度が前記第1正極合材層における密度よりも低い、請求項1~5のいずれか一項に記載のリチウムイオン二次電池用正極。
【請求項7】
前記第1正極合材層における密度が2g/cc以上4g/cc以下であり、
前記第2正極合材層における密度が1.2g/cc以上2.8g/cc以下である、
請求項6に記載のリチウムイオン二次電池用正極。
【請求項8】
前記導電材は、枝分かれを有する繊維状の第1導電材と、枝分かれを有しない繊維状の第2導電材と、を少なくとも含み、
前記第1導電材は、前記正極活物質の表面に配置されており、
前記第2導電材は、前記正極活物質間に配置されており、
前記第2正極合材層における前記第2導電材の長さは、前記第1正極合材層における前記第2導電材の長さよりも長く、
前記第2正極合材層における前記第2導電材の量は、前記第1正極合材層における前記第2導電材の量よりも少ない、
請求項1~7のいずれか一項に記載のリチウムイオン二次電池用正極。
【請求項9】
前記第2正極合材層における前記導電材は、枝分かれを有する繊維状の第1導電材と、枝分かれを有しない繊維状の第2導電材と、を少なくとも含み、
前記第1導電材は、前記正極活物質の表面に配置されており、
前記第2導電材は、前記正極活物質間に配置されており、
前記第2正極合材層における前記第2導電材の長さは、前記第1正極合材層における前記導電材の長さよりも長く、
前記第2正極合材層における前記第2導電材の量は、前記第1正極合材層における前記導電材の量よりも少ない、
請求項1~7のいずれか一項に記載のリチウムイオン二次電池用正極。
【請求項10】
前記第1正極合材層の厚さが前記第1正極合材層および前記第2正極合材層の厚さの合計は30%以下である、請求項1~9のいずれか一項に記載のリチウムイオン二次電池用正極。
【請求項11】
前記導電材がカーボンナノチューブである、請求項1~10のいずれか一項に記載のリチウムイオン二次電池用正極。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか一項に記載のリチウムイオン二次電池用正極を有するリチウムイオン二次電池。
【請求項13】
正極集電体上に第1正極合材層を形成する工程と、
前記第1正極合材層上に第2正極合材層を形成する工程と、を備え、
前記第1正極合材層及び前記第2正極合材層は、正極活物質と繊維状の導電材とを少なくとも含み、
前記第1正極合材層における前記導電材の長さは前記第2正極合材層における前記導電材の長さよりも短く、前記第1正極合材層における前記導電材の量は前記第2正極合材層における前記導電材の量よりも多く、
前記第2正極合材層における前記導電材の長さは前記第1正極合材層における前記導電材の長さよりも長く、前記第2正極合材層における前記導電材の量は前記第1正極合材層における前記導電材の量よりも少ない、
リチウムイオン二次電池用正極の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リチウムイオン二次電池用正極、リチウムイオン二次電池、及びリチウムイオン二次電池用正極の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
リチウムイオン二次電池は、リチウムイオンを吸蔵・放出する正極および負極の間を、電解質中のリチウムイオンが移動することで充放電可能な二次電池である。特許文献1には、多層構造の電極合材層を備えたリチウムイオン二次電池に関する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特表2018-500714号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
リチウムイオン二次電池の正極は、正極集電体と、当該正極集電体上に形成された正極合材層とを備える。正極合材層は、正極活物質と導電材とを含んでいる。例えば正極活物質にはリチウム金属酸化物が用いられるが、リチウム金属酸化物は電子伝導性が低い。このため、カーボンブラックやカーボンナノチューブなどの導電材を用いて正極合材層中に導電パスを形成している。
【0005】
カーボンナノチューブは繊維状のカーボンであり、球状のカーボンブラックに比べて高い電子導電性を示す。また、カーボンナノチューブは繊維状であることから、正極合材層中において導電パスを効率的に形成することができる。このときカーボンナノチューブの長さが長いほど、正極合材層中において導電パスを効率的に形成することができる。一方で、カーボンナノチューブの長さが長くなるほど、カーボンナノチューブを分散させることが困難になるため、正極合材層中におけるカーボンナノチューブの添加量が限定される。
【0006】
また、正極集電体と正極合材層との間の電子抵抗に着目すると、正極集電体の表面は平滑であるので繊維状のカーボンナノチューブであっても正極集電体に絡みつくことができない。このため、正極集電体と正極合材層との間の導電パスは、カーボンナノチューブの長さに関係なく、正極合材層の正極集電体側に存在する導電材の量に依存する。したがって、正極合材層の正極集電体側における導電材の添加量が少ないと、正極集電体と正極合材層との間の電子抵抗が上昇する。
【0007】
このように、正極合材層中、及び正極集電体と正極合材層との間に十分な導電パスを形成することができない場合は正極が高抵抗となり、リチウムイオン二次電池の出力が低下するという問題がある。
【0008】
上記課題に鑑み本発明の目的は、正極の抵抗を低減させることが可能なリチウムイオン二次電池用正極、リチウムイオン二次電池、及びリチウムイオン二次電池用正極の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様にかかるリチウムイオン二次電池用正極は、正極集電体と、前記正極集電体上に形成された第1正極合材層と、前記第1正極合材層上に形成された第2正極合材層と、を備える。前記第1正極合材層及び前記第2正極合材層は、正極活物質と繊維状の導電材とを少なくとも含み、前記第1正極合材層における前記導電材の長さは前記第2正極合材層における前記導電材の長さよりも短く、前記第1正極合材層における前記導電材の量は前記第2正極合材層における前記導電材の量よりも多く、前記第2正極合材層における前記導電材の長さは前記第1正極合材層における前記導電材の長さよりも長く、前記第2正極合材層における前記導電材の量は前記第1正極合材層における前記導電材の量よりも少ない。
【0010】
本発明の一態様にかかるリチウムイオン二次電池は、上述のリチウムイオン二次電池用正極を有するリチウムイオン二次電池である。
【0011】
本発明の一態様にかかるリチウムイオン二次電池用正極の製造方法は、正極集電体上に第1正極合材層を形成する工程と、前記第1正極合材層上に第2正極合材層を形成する工程と、を備える。前記第1正極合材層及び前記第2正極合材層は、正極活物質と繊維状の導電材とを少なくとも含み、前記第1正極合材層における前記導電材の長さは前記第2正極合材層における前記導電材の長さよりも短く、前記第1正極合材層における前記導電材の量は前記第2正極合材層における前記導電材の量よりも多く、前記第2正極合材層における前記導電材の長さは前記第1正極合材層における前記導電材の長さよりも長く、前記第2正極合材層における前記導電材の量は前記第1正極合材層における前記導電材の量よりも少ない。
【発明の効果】
【0012】
本発明により、正極の抵抗を低減させることが可能なリチウムイオン二次電池用正極、リチウムイオン二次電池、及びリチウムイオン二次電池用正極の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】実施の形態にかかるリチウムイオン二次電池用正極の構成例を説明するための断面図である。
図2】実施の形態にかかるリチウムイオン二次電池用正極の製造方法を説明するためのフローチャートである。
図3】実施の形態にかかるリチウムイオン二次電池用正極が備える正極合材層の他の構成例を説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本実施の形態にかかるリチウムイオン二次電池用正極の構成例を説明するための断面図である。図1に示すように、本実施の形態にかかるリチウムイオン二次電池用正極1は、正極集電体10と、正極集電体10上に形成された第1正極合材層11と、第1正極合材層11上に形成された第2正極合材層12と、を備える。
【0015】
正極集電体10は、金属箔や金属板で構成されている。正極集電体10には、例えば、アルミニウムまたはアルミニウムを主成分とする合金を用いることができる。
【0016】
第1正極合材層11及び第2正極合材層12は、正極活物質13と繊維状の導電材15、16とを少なくとも含む。
【0017】
正極活物質13は、リチウムイオンを吸蔵・放出可能な材料であり、例えばコバルト酸リチウム(LiCoO)、マンガン酸リチウム(LiMn)、ニッケル酸リチウム(LiNiO)、アルミ酸リチウム(LiAlO)等を用いることができる。例えば、コバルト酸リチウム(LiCoO)、ニッケル酸リチウム(LiNiO)、アルミ酸リチウム(LiAlO)を任意の割合で混合したNCA系の材料を用いてもよい。一例を挙げると、LiNi0.8Co0.15Al0.05を用いることができる。また、LiCoO、LiMn、LiNiOを任意の割合で混合した材料を用いてもよい。例えば、これらの材料を等しい割合で混合したニッケルコバルトマンガン酸リチウム(LiNi1/3Co1/3Mn1/3)を用いてもよい。
【0018】
正極活物質13の粒径は、例えば3~15μmである。なお、本発明において各々の材料の粒径はメジアン径D50であり、レーザー回折・散乱法を用いて測定した値である。また、正極活物質はこれらの材料に限定されることはなく、リチウムイオンを吸蔵・放出可能な材料であればどのような材料であってもよい。
【0019】
導電材15、16はそれぞれ、第1正極合材層11及び第2正極合材層12中に導電パスを形成するための材料である。具体的には、導電材15は第1正極合材層11中、及び正極集電体10と第1正極合材層11との間(界面)に導電パスを形成する。導電材16は第2正極合材層12中に導電パスを形成する。導電材15、16は、例えばカーボンナノチューブを用いて構成することができる。
【0020】
本実施の形態では、第1正極合材層11における導電材15の長さが第2正極合材層12における導電材16の長さよりも短く、第1正極合材層11における導電材15の量が第2正極合材層12における導電材16の量よりも多くなるように構成している。換言すると、第1正極合材層11における導電材15の長さが相対的に短く、第1正極合材層11における導電材の量が相対的に多くなるように構成している。
【0021】
また、本実施の形態では、第2正極合材層12における導電材16の長さが第1正極合材層11における導電材15の長さよりも長く、第2正極合材層12における導電材16の量が第1正極合材層11における導電材15の量よりも少なくなるように構成している。換言すると、第2正極合材層12における導電材16の長さが相対的に長く、第2正極合材層12における導電材の量が相対的に少なくなるように構成している。
【0022】
このように本実施の形態にかかるリチウムイオン二次電池用正極では、第2正極合材層12の導電材16として相対的に長い導電材16を用いているので、少ない添加量で第2正極合材層12中に導電パスを効率的に形成することができる。また、第1正極合材層11の導電材15として相対的に短い導電材15を用いているので、導電材15の分散を容易にすることができ、第1正極合材層11中への導電材15の添加量を増やすことができる。したがって、第1正極合材層11中、及び正極集電体10と第1正極合材層11との間(界面)に導電パスを効率的に形成することができる。特に、正極集電体10と第1正極合材層11との間(界面)における抵抗を低減できる。よって、本実施の形態にかかる発明により、リチウムイオン二次電池用正極の抵抗を低減させることができる。
【0023】
また、本実施の形態では、第2正極合材層12の導電材16として相対的に長い導電材16を用いているので、導電材16が絡みやすく第2正極合材層12の剥離強度も向上する。また、充放電による正極活物質13の膨張収縮に起因する導電パスの切断を抑制できる。
【0024】
なお、第1正極合材層11の導電材15は相対的に短いため絡まりづらく、剥離強度が低下することが懸念される。しかしながら、第1正極合材層11の導電材15の添加量は相対的に多いため、剥離強度の低下を抑制することができる。また、充放電による正極活物質13の膨張収縮に起因する導電パスの切断についても同様に、第1正極合材層11の導電材15の添加量が相対的に多いので導電パスが切断されることを抑制できる。
【0025】
例えば、第1正極合材層11における導電材15の長さは0.3μm以上1.2μm以下、好ましくは0.3μm以上0.8μm以下である。第2正極合材層12における導電材16の長さは0.6μm以上、好ましくは1μm以上3μm以下である。また、導電材15、16の太さは1nm以上30nm以下、好ましくは1nm以上20nm以下である。
【0026】
第1正極合材層11における導電材15の量は1質量%以上10質量%以下、好ましくは1質量%以上5質量%以下である。なお、この場合の導電材15の量は、第1正極合材層11を100質量%とした場合の導電材15の量(質量%)である。
【0027】
また、第2正極合材層12における導電材16の量は2質量%以下、好ましくは0.1質量%以上1質量%以下である。なお、この場合の導電材16の量は、第2正極合材層12を100質量%とした場合の導電材16の量(質量%)である。
【0028】
また、本実施の形態では、第2正極合材層12における空隙率が第1正極合材層11における空隙率よりも高い。例えば、第1正極合材層11における空隙率は10%以上50%以下、好ましくは30%以上50%以下である。第2正極合材層12における空隙率は30%以上70%以下、好ましくは55%以上70%以下である。
【0029】
また、本実施の形態では、第2正極合材層12における密度が第1正極合材層11における密度よりも低い。例えば、第1正極合材層11における密度は2g/cc以上4g/cc以下、好ましくは2.2g/cc以上2.8g/cc以下である。第2正極合材層12における密度は1.2g/cc以上2.8g/cc以下、好ましくは1.5g/cc以上2.0g/cc以下である。
【0030】
第2正極合材層12では導電材16の添加量が少ないので第2正極合材層12の空隙率が高く(密度が低く)なるが、導電材16の長さが長いので第2正極合材層12中に導電パスを効率的に形成することができる。また、第2正極合材層12では空隙率が高い(密度が低い)ので、Liイオンの供給がスムーズになり低抵抗となる。
【0031】
また、第1正極合材層11は相対的に空隙率が低い(密度が高い)が、正極集電体10と第1正極合材層11との接点が増えるので低抵抗となる。
【0032】
第1正極合材層11と第2正極合材層12の密度差(空隙率の差)は、製造時においてプレス回数に差を設けることで生じさせてもよい。例えば、第1正極合材層11のプレス回数を第2正極合材層12のプレス回数よりも多くすることで、第1正極合材層11の密度を高くする(空隙率を低くする)ことができる。
【0033】
また、導電材(カーボンナノチューブ)15、16は短いほど潰れやすく、長いほど潰れにくいという性質を有するので、この性質を利用して一度のプレスで密度差(空隙率の差)を生成してもよい。つまり、第1正極合材層11の導電材15は短く潰れやすいので、同じ回数プレスした際に、第1正極合材層11のほうが第2正極合材層12よりも密度が高くなる(空隙率が低くなる)。
【0034】
また、本実施の形態では、第1正極合材層11の厚さbが第1正極合材層11および第2正極合材層12の合計厚さaの50%以下、好ましくは30%以下、より好ましくは20%以下としてもよい。第1正極合剤層11は、正極集電体10との間(界面)に導電パスを形成する役割を担うものであるため、薄くても良い。例えば、第1正極合材層11および第2正極合材層12の合計厚さaは、20μm以上150μm以下としてもよい。
【0035】
第1正極合材層11および第2正極合材層12は更に、分散剤、及びバインダーを含んでいてもよい。
【0036】
分散剤としては、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルブチラール(PVB)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリアルキレンポリアミン、ベンゾイミダゾールなどが挙げられる。
【0037】
バインダー14には、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリアクリル酸、ポリアクリレート等を用いることができる。
【0038】
次に、本実施の形態にかかるリチウムイオン二次電池用正極の製造方法について説明する。図2は、本実施の形態にかかるリチウムイオン二次電池用正極の製造方法を説明するためのフローチャートである。
【0039】
リチウムイオン二次電池用正極を製造する際は、まず正極ペーストを準備する(ステップS1)。本実施の形態では、第1正極合材層11を形成するための第1正極ペーストと第2正極合材層12を形成するための第2正極ペーストの二種類の正極ペーストを準備する。
【0040】
具体的には、第1正極ペーストは正極活物質13と導電材15と溶媒とを少なくとも含む。第2正極ペーストは正極活物質13と導電材16と溶媒とを少なくとも含む。正極活物質13および導電材15、16には上述した材料を用いることができる。溶媒には、例えばイソプロピルアルコール、N-メチルピロリドン、水等を用いることができる。正極ペーストには更に、分散剤、及びバインダーを含めてもよい。分散剤、及びバインダーには上述した材料を用いることができる。
【0041】
次に、ステップS1で準備した第1正極ペーストを用いて正極集電体10上に第1正極合材層11を形成する(ステップS2)。具体的には、第1正極ペーストを正極集電体10上に塗工し、その後乾燥させることで正極集電体10上に第1正極合材層11を形成する。
【0042】
正極集電体10には、上述した材料を用いることができる。第1正極ペーストの粘度は、500~30000mpsとすることが好ましい。乾燥温度は、100℃~200℃とすることが好ましい。
【0043】
次に、ステップS1で準備した第2正極ペーストを用いて第1正極合材層11上に第2正極合材層12を形成する(ステップS3)。具体的には、第2正極ペーストを第1正極合材層11上に塗工し、その後乾燥させることで第1正極合材層11上に第2正極合材層12を形成する。この場合も第2正極ペーストの粘度は、500~30000mpsとすることが好ましい。乾燥温度は、100℃~200℃とすることが好ましい。
【0044】
本実施の形態では、ステップS3の後、第1正極合材層11および第2正極合材層12をプレスするプレス工程を更に備えていてもよい。
【0045】
なお、上述のリチウムイオン二次電池用正極の製造方法は一例であり、本実施の形態では上記以外の製造方法を用いてもよい。例えば、ステップS1で準備した第1正極ペーストを正極集電体10上に塗工した後、更に第2正極ペーストを塗工し、これらを乾燥・プレスすることで、正極集電体10上に第1正極合材層11および第2正極合材層12を形成してもよい。つまり、第1正極合材層11および第2正極合材層12の乾燥工程とプレス工程を共通化してもよい。
【0046】
また、例えば、ステップS1で準備した第1正極ペーストを正極集電体10上に塗工した後、乾燥・プレスして正極集電体10上に第1正極合材層11を形成する。その後、第2正極ペーストを第1正極合材層11上に塗工した後、乾燥・プレスして第1正極合材層11上に第2正極合材層12を形成する。つまりこの製造方法では、第1正極合材層11および第2正極合材層12の各々において、乾燥工程とプレス工程を個別に行っている。
【0047】
次に、本実施の形態にかかるリチウムイオン二次電池用正極の他の構成例について説明する。図3は、本実施の形態にかかるリチウムイオン二次電池用正極が備える正極合材層の他の構成例を説明するための模式図である。
【0048】
本実施の形態では、導電材として、枝分かれを有する繊維状の第1導電材21と、枝分かれを有しない繊維状の第2導電材22と、を用いてもよい。図3に示すように、第1導電材21は、正極活物質13の表面に配置されており、第2導電材22は、正極活物質13間に配置されている。第1導電材21および第2導電材22は、例えばカーボンナノチューブを用いて構成することができる。
【0049】
本実施の形態では、第2正極合材層12(図1参照)における導電材として、枝分かれを有する繊維状の第1導電材21と、枝分かれを有しない繊維状の第2導電材22と、を用いてもよい。この場合は、第1導電材21は、第2正極合材層12の正極活物質13の表面に配置されており、第2導電材22は、第2正極合材層12の正極活物質13間に配置されている。また、第2正極合材層12における第2導電材22の長さは、第1正極合材層11における導電材15の長さよりも長く、第2正極合材層12における第2導電材22の量は、第1正極合材層11における導電材15の量よりも少なくなるように構成する。
【0050】
また、本実施の形態では、第1正極合材層11および第2正極合材層12(図1参照)における導電材として、枝分かれを有する繊維状の第1導電材21と、枝分かれを有しない繊維状の第2導電材22と、を用いてもよい。この場合は、第1導電材21は、第1正極合材層11および第2正極合材層12の正極活物質13の表面に配置されており、第2導電材22は、第1正極合材層11および第2正極合材層12の正極活物質13間に配置されている。また、第2正極合材層12における第2導電材22の長さは、第1正極合材層11における第2導電材22の長さよりも長く、第2正極合材層12における第2導電材22の量は、第1正極合材層11における第2導電材22の量よりも少なくなるように構成する。
【0051】
ここで、枝分かれを有しない繊維状の導電材とは、枝分かれを有しない1本の繊維状の導電材のみならず、一部に枝分かれ(側鎖)を有していてもその枝(側鎖)の長さが短い繊維状の導電材も含むものとする。例えば、側鎖の長さが主鎖の長さの1/30より短い場合には、枝分かれを有しない繊維状の導電材であるものとする。
【0052】
第1導電材21のアスペクト比(主鎖の長さ/主鎖の太さ)は50以上であることが好ましく、80以上であることが更に好ましい。また、第1導電材21のアスペクト比(主鎖の長さ/主鎖の太さ)の上限については、合材層内で第1導電材21が分散できれば、特に限定されないが4000以下であることが好ましい。第1導電材21の側鎖の長さの合計を主鎖の長さで除算した値は0.1以上であることが好ましく、0.3以上であることが更に好ましい。ここで、主鎖の長さとは1本の第1導電材21の中で最も長くなる箇所を測定したときの長さであり、側鎖の長さとはその主鎖から分岐している部分の長さである。
【0053】
また、第1導電材21の主鎖の1/10以上の長さの側鎖の本数を、第1導電材21の総数で除算した値が0.3以上であることが好ましく、0.5以上であることが更に好ましく、より好ましくは1以上、更に好ましくは3以上であることが好ましい。当該算出方法について簡潔に説明すると、例えば、4本の第1導電材21のうち、側鎖(主鎖の1/10以上の長さ)の本数が1本である第1導電材21が2本、側鎖(主鎖の1/10以上の長さ)の本数が0本である第1導電材21が2本である場合、第1導電材21の主鎖の1/10以上の長さの側鎖の本数を、第1導電材21の総数で除算した値は、(2本+0本)/4本=0.5となる。
【0054】
特に本実施の形態では、第1導電材21のアスペクト比(主鎖の長さ/主鎖の太さ)が50以上であり、第1導電材21の側鎖の長さの合計を主鎖の長さで除算した値が0.3以上であり、第1導電材21の主鎖の1/10以上の長さの側鎖の本数を第1導電材21の総数で除算した値を0.5以上とすることが好ましい。
【0055】
なお、本実施の形態においてアスペクト比とは、正極合剤層を塗工・乾燥後のアスペクト比であり、正極ペーストで溶媒に分散させる際に導電材が切断されてしまう場合もあるので、その場合は、それも考慮し、導電材を選定する。
【0056】
また、本実施の形態では、正極合材層11中において、第2導電材22に対する第1導電材21の質量比(第1導電材21の質量/第2導電材22の質量)が0.2~0.5であることが好ましい。
【0057】
第1導電材21と第2導電材22とを用いてリチウムイオン二次電池用正極を製造する際は、次のようにして正極ペーストを準備する。具体的には、正極活物質13と第1導電材21と溶媒とを少なくとも含む正極ペーストを混練する(第1混練工程)。第1混練工程における正極ペーストの粘度は50000mPa・s以上、好ましくは80000mPa・s以上とすることが好ましく、200000mPa・s以下とすることが好ましい。または、第1混練工程における正極ペーストの固形分濃度NVを50wt%以上、好ましくは60wt%以上としてもよい。
【0058】
正極活物質13および第1導電材21には上述した材料を用いることができる。溶媒には、例えばイソプロピルアルコール、N-メチルピロリドン、水等を用いることができる。正極ペーストには更に、分散剤、及びバインダーを含めてもよい。分散剤、及びバインダーには上述した材料を用いることができる。
【0059】
第1導電材21は枝分かれにより複数の側鎖が存在するので、側鎖が存在しない導電材と比べて、効率的に正極活物質13に第1導電材21を絡めることができ、正極活物質13の表面の導電パスを良好に形成することができる。特に、第1混練工程における正極ペーストの粘度を上述の範囲、すなわち粘度を高めに設定することで、正極活物質13に第1導電材21を効率的に絡めることができる。
【0060】
その後、第1混練工程で混練した正極ペーストに第2導電材22を加えて混練する(第2混練工程)。第2導電材22は枝分かれがないため、正極活物質13に絡みつきづらく、正極合材層中において1本の導電材として存在する。このため、第2導電材22は、正極合材層中において正極活物質13間を繋ぐ導電パスを良好に形成することができる。
【0061】
第2混練工程における正極ペーストの粘度は、500~30000mPa・s、好ましくは500~10000mPa・s程度に調整する。正極ペーストの粘度が低すぎると、正極ペーストを正極集電体10上に塗工する際に塗工しづらくなるからである。また、正極ペーストの粘度が高すぎると、正極ペーストを正極集電体10上に塗工した際に、正極ペースト中における第2導電材22の流動性が悪くなり、第2導電材22による導電パスの形成が妨げられるからである。
【0062】
以降、図2に示したフローと同様のフローを用いて、リチウムイオン二次電池用正極を製造することができる。
【0063】
次に、本実施の形態にかかるリチウムイオン二次電池について説明する。
以下では一例として、捲回電極体を備えるリチウムイオン二次電池について説明する。捲回電極体は、長尺状の正極シート(正極)と長尺状の負極シート(負極)とを長尺状のセパレータを介して積層し、この積層体を捲回し、得られた捲回体を側面方向から押しつぶすことで形成する。正極シートには、上述したリチウムイオン二次電池用正極を用いることができる。負極シートも正極シートと同様に、箔状の負極集電体の両面に負極活物質を含む負極合材層が形成された負極を用いることができる。
【0064】
リチウムイオン二次電池の容器は、上端が開放された扁平な直方体状の容器本体と、その開口部を塞ぐ蓋体とを備える。容器を構成する材料としては、アルミニウム、スチール等の金属材料が好ましい。または、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)、ポリイミド樹脂等の樹脂材料を成形した容器であってもよい。容器の上面(つまり、蓋体)には、捲回電極体の正極と電気的に接続される正極端子および捲回電極体の負極と電気的に接続される負極端子が設けられている。
【0065】
そして、捲回電極体の両端部の正極シートおよび負極シートが露出した部分(正極合材層および負極合材層がない部分)に、正極リード端子および負極リード端子をそれぞれ設け、上述の正極端子および負極端子とそれぞれ電気的に接続する。このようにして作製した捲回電極体を容器本体に収容し、蓋体を用いて容器本体の開口部を封止する。その後、蓋体に設けられた注液孔から電解液を注液し、注液孔を封止キャップで閉塞することにより、リチウムイオン二次電池を作製することができる。
【実施例
【0066】
次に本発明の実施例について説明する。
下記の方法を用いて、実施例および比較例にかかるサンプルを作製した。
【0067】
<実施例>
図2に示したフローを用いて、実施例1にかかるサンプルを作製した。まず、正極活物質としてLiNi1/3Co1/3Mn1/3を、第1正極合材層(下層)用の導電材として長さ0.8μm、太さ20nmのカーボンナノチューブ(CNT1)を、第2正極合材層(上層)用の導電材として長さ1.2μm、太さ10nmのカーボンナノチューブ(CNT2)を、バインダーとしてPVdFを、溶媒としてNMPを、それぞれ準備した。このとき使用した正極活物質の粒径(D50)は5~10μmであった。
【0068】
その後、正極活物質、導電材(CNT1)、バインダー、及び溶媒を混練して第1正極ペーストを準備した。また、正極活物質、導電材(CNT2)、バインダー、及び溶媒を混練して第2正極ペーストを準備した。第1及び第2正極ペーストの粘度は、8000mPa・sとした。なお、正極ペーストの粘度は、レオメータ(アントンパール社製MCR-302、コーンプレートCP-50-1)を使用し、25℃、せん断速度10-2-1~103-1の条件で測定した。
【0069】
第1正極ペーストの各々の原料の混合比は、正極活物質を55~60質量%、導電材(CNT1)を4質量%、バインダーを0.3~2質量%、及び溶媒を30~45質量%とした。第2正極ペーストの各々の原料の混合比は、正極活物質を55~60質量%、導電材(CNT2)を2質量%、バインダーを0.3~2質量%、及び溶媒を30~45質量%とした。
【0070】
次に、混練後の第1正極ペーストを正極集電体であるアルミニウム箔に塗工した。そして、第1正極ペーストを乾燥温度120℃の条件で2分間乾燥させて正極集電体上に第1正極合材層を形成した。その後、第1正極合材層を線圧1t/cmの条件でプレスした。第1正極合材層の厚さは10μmであった。
【0071】
次に、混練後の第2正極ペーストを第1正極合材層の上に塗工した。そして、第2正極ペーストを乾燥温度120℃の条件で2分間乾燥させて第1正極合材層上に第2正極合材層を形成した。その後、第2正極合材層を線圧0.7t/cmの条件でプレスした。第1正極合材層および第2正極合材層の厚さの合計は50μmであった。
【0072】
実施例2にかかるサンプルでは、第1正極合材層(下層)用の導電材として長さ0.5μm、太さ12nmのカーボンナノチューブ(CNT1)を、第2正極合材層(上層)用の導電材として長さ1.2μm、太さ10nmのカーボンナノチューブ(CNT2)をそれぞれ用いた。また、第1正極ペーストの各々の原料の混合比は、正極活物質を55~60質量%、導電材(CNT1)を2質量%、バインダーを0.3~2質量%、及び溶媒を30~45質量%とした。第2正極ペーストの各々の原料の混合比は、正極活物質を55~60質量%、導電材(CNT2)を0.3質量%、バインダーを0.3~2質量%、及び溶媒を30~45質量%とした。これ以外については実施例1と同様である。
【0073】
実施例3にかかるサンプルでは、第1正極合材層(下層)用の導電材として長さ0.5μm、太さ12nmのカーボンナノチューブ(CNT1)を、第2正極合材層(上層)用の導電材として長さ0.8μm、太さ20nmのカーボンナノチューブ(CNT2)を用いた。また、第1正極ペーストの各々の原料の混合比は、正極活物質を55~60質量%、導電材(CNT1)を2質量%、バインダーを0.3~2質量%、及び溶媒を30~45質量%とした。第2正極ペーストの各々の原料の混合比は、正極活物質を55~60質量%、導電材(CNT2)を1質量%、バインダーを0.3~2質量%、及び溶媒を30~45質量%とした。これ以外については実施例1と同様である。
【0074】
<比較例>
比較例1として、導電材にカーボンブラックを使用したサンプルを作製した。使用したカーボンブラックの粒径は30~50nmであった。カーボンブラックの添加量は10質量%とした。なお、比較例1では正極集電体上に1層の正極合材層を形成した。これ以外については実施例1と同様である。
【0075】
比較例2として、長さ1.2μm、太さ10nmのカーボンナノチューブを導電材として使用したサンプルを作製した。導電材の添加量は2質量%とした。なお、比較例2では正極集電体上に1層の正極合材層を形成した。これ以外については実施例1と同様である。なお、比較例2にかかるサンプルは、実施例1にかかるサンプルにおいて第1正極合材層を省略したサンプルに対応している。
【0076】
<サンプルの評価>
各々のサンプルの正極合材層の抵抗値を日東精工アナリテック社製(旧三菱ケミカルアナリテック)MCP-T610を用いて測定した。測定した抵抗値を表1に示す。表1に示すように、実施例1~3にかかるサンプルでは、比較例1、2にかかるサンプルと比べて抵抗値が低くなった。特に、実施例2では抵抗値が最も低い値となった。
【0077】
実施例1と比較例2とを比べると、比較例1にかかるサンプルでは抵抗値が490(mΩ)であったのに対して、実施例1にかかるサンプルでは抵抗値が455(mΩ)であった。したがって、実施例1のように第1正極合材層(下層)を設けることで、正極集電体と正極合材層との間の抵抗を低減できたといえる。また、導電材にカーボンブラックを使用した比較例1では、抵抗値が最も高い値となった。したがって、カーボンブラックよりもカーボンナノチューブのほうが、正極合材層中に導電パスを効率的に形成することができた。
【0078】
【表1】
【0079】
以上、本発明を上記実施の形態に即して説明したが、本発明は上記実施の形態の構成にのみ限定されるものではなく、本願特許請求の範囲の請求項の発明の範囲内で当業者であればなし得る各種変形、修正、組み合わせを含むことは勿論である。
【符号の説明】
【0080】
1 正極
10 正極集電体
11 第1正極合材層
12 第2正極合材層
13 正極活物質
15、16 導電材
21 第1導電材
22 第2導電材
図1
図2
図3