(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-06
(45)【発行日】2023-10-17
(54)【発明の名称】金属ホウ化物及びその使用
(51)【国際特許分類】
C01B 35/04 20060101AFI20231010BHJP
C01B 35/02 20060101ALI20231010BHJP
【FI】
C01B35/04 A
C01B35/02
(21)【出願番号】P 2020520124
(86)(22)【出願日】2018-11-07
(86)【国際出願番号】 US2018059680
(87)【国際公開番号】W WO2019094506
(87)【国際公開日】2019-05-16
【審査請求日】2021-11-02
(32)【優先日】2017-11-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】508255090
【氏名又は名称】ザ リージェンツ オブ ザ ユニバーシティ オブ カリフォルニア
(74)【代理人】
【識別番号】110003694
【氏名又は名称】弁理士法人有我国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100072604
【氏名又は名称】有我 軍一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100140501
【氏名又は名称】有我 栄一郎
(72)【発明者】
【氏名】ターナー,クリストファー エル
(72)【発明者】
【氏名】ケイナー,リチャード ビー
(72)【発明者】
【氏名】アコポフ,ゲオルギー
(72)【発明者】
【氏名】イェン,マイケル ティー
【審査官】神野 将志
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第106116593(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0041313(US,A1)
【文献】Ke Ma, Xiaozhou Cao, He Yang, Xiangxin Xue,Ceramics International,2017年,43(12),pp.8551-8555,https://doi.org/10.1016/j.ceramint.2017.03.059
【文献】Itoh, H., Matsudaira, T., Naka, S.,J. Mater. Sci.,1987年,22,pp.2811-2815,https://doi.org/10.1007/BF01086475
【文献】Mohammadi, Reza, Christopher L. Turner, Miao Xie, Michael T. Yeung, Andrew T. Lech, Sarah H. Tolbert and Richard B. Kaner,Chemistry of Materials,2016年,28,pp.632-637
【文献】Reza Mohammadi et al.,PNAS,108(27), pp.10958-10962,https://doi.org/10.1073/pnas.1102636108
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C01B 35/04
C01B 35/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複合マトリクスを調製する方法であって、ある量のWとある量のB及びMとを、B対W及びMの比が3.5~8.5当量のB対1当量のW及びMとなる比で混合して、前記複合マトリクスを形成することを含み、
前記複合マトリクスは、
W
1-xMxB
4を含み、
式中、
Wは、タングステンであり;
Bは、ホウ素であり;
Mは、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、ジルコニウ ム(Zr)、ニオブ(Nb)、モリブデン(Mo)、ルテニウム(Ru)、ハフニウム(Hf)、タンタル(Ta)、レニウム(Re)、イットリウム(Y)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)、リチウム(Li)及びアルミニウム(Al)の群から選択される少なくとも1つの元素であり;
xは、0.001から0.999であって、
i)W、B及びMを混ぜ合わせて混合物を形成し、ii)前記混合物を反応容器に移し、iii)前記混合物を、W、B及びMの間の反応を引き起こすに十分な温度に加熱することで、所定量のWとB及びMとを一体化して前記複合マトリクスを製造することからなり、かつ、
その際、前記混合物を15分又はそれ以上の時間加熱する、
ことを含む、複合マトリクスの調製方法。
【請求項2】
前記反応容器と前記混合物とは、ライナーによって分離される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
大気中の酸素の少なくとも10%が前記反応容器から除去される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記混合物は、約1200℃から約2200℃の間の温度に加熱される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記混合物は、約90分、120分、180分、240分、360分又はそれ以上の時間加熱される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記混合物は、誘導炉又は慣用の炉によって加熱される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
Mは、バナジウム(V)、クロム(Cr)、ニオブ(Nb)、モリブデン(Mo)、タンタル(Ta)、及びレニウム(Re)からなる群より選択される少なくとも1つの元素である、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
BとW及びMとの比が、約6当量より少ないB対1当量のW及びMである、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
BとW及びMとの比が、6.0~約4.0当量のB対1当量のW及びMである、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
xは、0.001~0.5である、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
BとW及びMとの比が、5当量より少ないB対1当量のW及びMである、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記反応容器と前記混合物とは、金属ライナーによって分離される、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記複合マトリクスは、約24.2の2シータにおける少なくとも1つのX線回折パターン反射によって特徴づけられる結晶性固体である、請求項1項に記載の方法。
【請求項14】
前記結晶性固体は、約34.5または約45.1の2シータにおける少なくとも1つのX線回折パターン反射によってさらに特徴づけられる、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記混合物は、約15分~540分間加熱される請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記xは、0.001~0.200、又は0.201~から0.400である、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記混合物は、ホットプレス、スパーク・プラズマ焼結、慣用の炉又は誘導炉によって加熱される、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記ライナーは、n-BNライナー又は金属ライナーである、請求項2に記載の方法。
【請求項19】
前記複合マトリクスの密度は、4.0~9.0g/cm
3である、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
相互参照
本出願は、2017年11月8日に出願された米国特許仮出願第62/583,316号の利益を主張するものであり、この出願は、参照によって本明細書に組み込まれる。
【0002】
連邦政府支援の研究に関する記述
本発明は、全米科学財団(National Science Foundation)によって授与された助成金第0654431号及び同第1506860号の下、政府の支援を受けて行われた。政府は、本発明に一定の権利を有する。
【背景技術】
【0003】
多くの製造プロセスにおいて、材料は、切断、成形、または穴開けされ、その表面は耐摩耗性コーティングで保護されなければならない。ダイヤモンドは、従来、その優れた機械的特性、例えば、>70GPaの硬度のために、こうした用途に最適な材料であった。しかしながら、ダイヤモンドは、自然界では希少であり、高温及び高圧条件の組み合わせが必要とされるため、人工的に合成するのが難しい。したがって、ダイヤモンドの工業的利用は、一般にコストによって制限される。さらに、ダイヤモンドは、不良な切断性能につながる材料の表面における黒鉛化及び脆性炭化物の形成のため、鉄合金の高速切断ための適した選択肢ではない。金属ホウ化物は、その望ましい特性及びさらなる合成容易性のため、ダイヤモンドに対する魅力的な代替物である可能性もある。
【発明の概要】
【0004】
本発明によれば、W、B及びMを、3.5~8.5当量のB対1当量のW及びMとなる比で混合して、
W1-xMxB4を含み、
式中、
Wは、タングステンであり;
Bは、ホウ素であり;
Mは、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、ジルコニウム(Zr)、ニオブ(Nb)、モリブデン(Mo)、ルテニウム(Ru)、ハフニウム (Hf)、タンタル(Ta)、レニウム(Re)、イットリウム(Y)、オスミウム(O s)、イリジウム(Ir)、リチウム(Li)及びアルミニウム(Al)の群から選択される少なくとも1つの元素であり;
xは、0.001から0.999である、
複合マトリクスを製造する方法であって、
i)前記W、B及びMを混ぜ合わせて混合物を形成し、
ii)前記混合物を反応容器に移し、
iii)前記混合物を、W、B及びMの間の反応を引き起こすに十分な温度に加熱することで、所定量のW、B及びMを一体化して前記複合マトリクスを製造することからなり、
かつ、その際、前記混合物を約15分又はそれ以上の時間加熱する、
ことを含む、方法が提供される。
【0005】
熱力学的に安定な四ホウ化タングステン複合マトリクスを生成する方法であって、本方法は、
a)加圧室にホウ素(B)及びタングステン(W)の混合物を添加することであって、ホウ素対タングステンの比は、4から11.9当量の間のホウ素対1当量のタングステンである、添加することと;
b)混合物を圧縮して、圧縮原料混合物を形成することと;
c)圧縮原料混合物を反応容器に添加することと;
d)反応容器に真空を適用すること、反応容器を不活性ガスでフラッシングすること、またはそれらの組み合わせによって反応容器内に不活性雰囲気を作り出すことと;
e)反応容器を約1200℃から約2200℃の間の温度に加熱して、熱力学的に安定なWB4複合マトリクスを生成することと、を含む、方法が本明細書において開示されている。
【0006】
本明細書に記載されている方法によって生成された複合マトリクスを含むツールが本明細書において開示されている。
【0007】
参照による組み込み
本明細書において言及されるすべての公報、特許、及び特許出願は、それぞれの個々の公報、特許、または特許出願が具体的に及び個別に参照により組み込まれることが示されたのと同程度に参照によって本明細書に組み込まれる。
【0008】
添付の特許請求の範囲の独自性とともに本発明のさまざまな態様が記載される。本発明の原理が利用される例となる実施形態を記載する以下の詳細な説明、及び添付の図面を参照することによって、本発明の特徴及び利点がさらに良く理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】X線回折技術によって決定されたWB
4の結晶構造を示す。
【
図2】多様なホウ素含有量を有するWB
xのX線粉末ディフラクトグラムを示す。
【
図3】W
1-xTa
xB
4のX線粉末ディフラクトグラムを示す。
【
図4】W
1-xNb
xB
4のX線粉末ディフラクトグラムを示す。
【
図5】W
1-xV
xB
4のX線粉末ディフラクトグラムを示す。
【
図6】W
1-xMo
xB
4のX線粉末ディフラクトグラムを示す。
【
図7】W
1-xRe
xB
4のX線粉末ディフラクトグラムを示す。
【
図8】W
1-xCr
xB
4のX線粉末ディフラクトグラムを示す。
【
図9】空気中における熱重量分析によって測定した1:11.6及び1:9.0のW:B比で調製されたWB
4の熱安定性を示す。
【
図10】1:11.6から1:4.5のW対B比で調製されたWB
xの選択されたサンプルのSEM像を示す。
【
図11】W対B比1:4.5で調製されたWB
xの選択されたサンプルのSEM像及び元素マップを示す。
【
図12】W
0.668Ta
0.332B
4合金のSEM像及び元素マップを示す。
【発明の詳細な説明】
【0010】
四ホウ化タングステンは、切断または研磨するために使用されるツールのための超硬質コーティングとして有用である。ある場合には、四ホウ化タングステンは、1当量のタングステン対12当量のホウ素の比のタングステン及びホウ素を用いて調製される。そのような場合、タングステンに対するホウ素の高い比は、四ホウ化タングステン複合物から分離できない一ホウ化タングステン及び二ホウ化タングステンなどの金属副生成物の形成を排除する。金属副生成物の存在は、複合物の機械的特性に悪影響を及ぼす。さらに、過剰なホウ素はまた、工業環境の状況において有害で、高価な場合もある。
【0011】
複合マトリクスを調製する方法であって、十分な量のWをある量のB及び任意にMと混合して、複合マトリクスを形成することを含み、
B対W及びMの比は、12当量未満のB対1当量のW及びMであり;
複合マトリクスは、
W1-xMxB4を含み、
式中、
Wは、タングステンであり;
Bは、ホウ素であり;
Mは、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、ジルコニウム(Zr)、ニオブ(Nb)、モリブデン(Mo)、ルテニウム(Ru)、ハフニウム(Hf)、タンタル(Ta)、レニウム(Re)、イットリウム(Y)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)、リチウム(Li)及びアルミニウム(Al)の群から選択される少なくとも1つの元素であり;
xは、0から0.999である、方法が本明細書に記載されている。
【0012】
いくつかの実施形態において、混合することは、i)W、B、及び任意にMを混合して、混合物を形成することと、ii)混合物を反応容器に移すことと、iii)混合物を、W、B、及び任意にMの間の反応を引き起こすのに十分な温度に加熱して、複合マトリクスを形成することと、を含む。
【0013】
いくつかの実施形態において、反応は、固相反応である。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの反応成分は、部分的に溶解される。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの反応成分は、完全に溶解される。いくつかの実施形態において、反応容器は、混合物を反応容器に移した後だが、混合物を加熱する前に不活性雰囲気下にさらに供される。いくつかの実施形態において、不活性雰囲気を作り出すために酸素が反応容器から除去される。
【0014】
いくつかの実施形態において、不活性雰囲気を作り出すために反応容器に真空が適用される。いくつかの実施形態において、真空は、反応容器から少なくとも99%の酸素を除去するのに十分な時間適用される。いくつかの実施形態において、真空は、少なくとも10分、20分、30分以上適用される。いくつかの実施形態において、反応容器は、不活性雰囲気を作り出すために不活性ガスでパージされる。いくつかの実施形態において、不活性ガスは、アルゴン、窒素、またはヘリウムを含む。いくつかの実施形態において、反応容器は、反応容器から酸素を除去するために真空の適用及び反応容器の不活性ガスによるフラッシングの少なくとも1サイクルに供される。
【0015】
いくつかの実施形態において、混合物は、約1200℃から約2200℃の間の温度に加熱される。いくつかの実施形態において、混合物は、約1400℃、1500℃、1600℃、1700℃、1800℃、2000℃、2100℃、または約2200℃の温度に加熱される。いくつかの実施形態において、混合物は、約15分、90分、120分、180分、240分、360分以上加熱される。いくつかの実施形態において、混合物は、電気アーク炉によって加熱される。いくつかの実施形態において、電気アーク炉の反応容器は、混合物を反応容器に移した後だが、混合物を加熱する前に不活性雰囲気に供される。いくつかの実施形態において、不活性雰囲気は、反応容器に真空を適用すること、反応容器を不活性ガスでフラッシングすることまたは任意のそれらの組み合わせのいずれかによって作り出される。いくつかの実施形態において、反応容器は、電気絶縁材料で任意にコーティングされる。いくつかの実施形態において、反応容器の表面の最大約95%、90%、85%、80%、70%、60%、50%、40%、30%以下は、電気絶縁材料で任意にコーティングされる。いくつかの実施形態において、絶縁材料は、六方晶窒化ホウ素(h-BN)を含む。いくつかの実施形態において、混合物は、液体溶液が形成されるまで加熱される。
【0016】
いくつかの実施形態において、混合物は、誘導炉によって加熱される。いくつかの実施形態において、誘導炉は、電磁誘導によって加熱される。いくつかの実施形態において、電磁誘導のために使用される電磁放射は、電波の周波数及び波長を有する。いくつかの実施形態において、混合物は、高温圧縮によって加熱される。いくつかの実施形態において、混合物は、プラズマ放電焼結によって加熱される。いくつかの実施形態において、反応容器は、混合物を反応容器に移した後だが、混合物を加熱する前に不活性雰囲気に供される。いくつかの実施形態において、不活性雰囲気は、反応容器に真空を適用することまたは反応容器を不活性ガスでフラッシングすることのいずれかと組み合わせて反応容器から酸素を除去することによって作り出される。いくつかの実施形態において、不活性ガスは、高純度アルゴンである。
【0017】
いくつかの実施形態において、Mは、群:バナジウム(V)、クロム(Cr)、ニオブ(Nb)、モリブデン(Mo)、タンタル(Ta)、及びレニウム(Re)から選択される少なくとも1つの元素である。いくつかの実施形態において、xは、0.001から0.999である。いくつかの実施形態において、xは、0.201~0.400である。いくつかの実施形態において、xは、0.401~0.600である。いくつかの実施形態において、xは、0.601~0.800である。いくつかの実施形態において、xは、0.801~0.999である。いくつかの実施形態において、B対W及びMの比は、5当量未満のB対1当量のW及びMである。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W1-xVxB4を含む。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W1-xCrxB4を含む。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W1-xNbxB4を含む。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W1-xMoxB4を含む。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W1-xTaxB4を含む。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W1-xRexB4を含む。
【0018】
いくつかの実施形態において、xは、0である。いくつかの実施形態において、B対Wの比は、約11.9から約9当量の間のB対1当量のWである。いくつかの実施形態において、B対Wの比は、約11.6、約11、約10.5、約10、約9.5、または約9当量のB対1当量のWである。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、WB4を含む。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、1:11.6のW対B比で形成される。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、450℃未満で酸化耐性を有する。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、1:10.5のW対B比で形成される。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、1:9.0のW対B比で形成される。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、465℃未満で酸化耐性を有する。
【0019】
いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、4.0g/cm
3
以上の密度を有する。いくつかの実施形態において、本方法は、金属副生成物をさらに形成する。いくつかの実施形態において、金属副生成物は、二ホウ化タングステンまたは一ホウ化タングステンである。いくつかの実施形態において、金属副生成物は、複合マトリクスのパーセンテージに対して10%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、0.1%、0.05%、または0.01%未満である。
【0020】
熱力学的に安定な四ホウ化タングステン複合マトリクスを生成する方法であって、本方法は、
a)加圧室にホウ素(B)及びタングステン(W)の混合物を添加することであって、ホウ素対タングステンの比は、4から11.9当量の間のホウ素対1当量のタングステンである、添加することと;
b)混合物を圧縮して、圧縮原料混合物を形成することと;
c)圧縮原料混合物を反応容器に添加することと;
d)反応容器に真空を適用すること、反応容器を不活性ガスでフラッシングすること、またはそれらの組み合わせによって反応容器内に不活性雰囲気を作り出すことと;
e)反応容器を約1200℃から約2200℃の間の温度に加熱して、熱力学的に安定なWB4複合マトリクスを形成することと、を含む、方法が本明細書において開示されている。
【0021】
いくつかの実施形態において、圧縮原料混合物は、電気アーク炉によって加熱される。いくつかの実施形態において、アーク炉電極は、グラファイトまたはタングステン金属を含む。いくつかの実施形態において、反応容器は、電気絶縁材料で任意にコーティングされる。いくつかの実施形態において、反応容器の表面の最大約95%、90%、85%、80%、70%、60%、50%、40%、30%以下は、電気絶縁材料で任意にコーティングされる。いくつかの実施形態において、絶縁材料は、六方晶窒化ホウ素(h-BN)を含む。いくつかの実施形態において、絶縁材料は、炭素を含まない。いくつかの実施形態において、圧縮原料混合物は、任意に六方晶窒化ホウ素を含む電気絶縁材料によってアーク炉電極から遮蔽される。
【0022】
いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、1000マイクロメートル未満のサイズの粒子または微結晶から構成される。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、100マイクロメートル未満のサイズの粒子または微結晶から構成される。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、50マイクロメートル未満のサイズの粒子または微結晶から構成される。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、10マイクロメートル未満のサイズの粒子または微結晶から構成される。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、1マイクロメートル未満のサイズの粒子または微結晶から構成される。
【0023】
いくつかの実施形態において、圧縮原料混合物は、誘導炉によって加熱される。いくつかの実施形態において、誘導炉は、電磁誘導によって加熱される。いくつかの実施形態において、電磁誘導のために使用される電磁放射は、電波の周波数を有する。いくつかの実施形態において、混合物は、高温圧縮によって加熱される。いくつかの実施形態において、混合物は、プラズマ放電焼結によって加熱される。いくつかの実施形態において、反応容器は、水冷される。いくつかの実施形態において、反応容器は、グラファイトライニングされている。いくつかの実施形態において、グラファイトは、反応容器内で加熱される。いくつかの実施形態において、圧縮原料混合物は、任意に六方晶窒化ホウ素を含む電気絶縁材料によってグラファイトライニング反応容器から遮蔽される。
【0024】
いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、500マイクロメートル未満のサイズの微結晶から構成される。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、200マイクロメートル未満のサイズの微結晶から構成される。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、50マイクロメートル未満のサイズの微結晶から構成される。
いくつかの実施形態において、複合マトリクスの密度は、約5.0g/cm3から約7.0g/cm3の間である。いくつかの実施形態において、複合マトリクスの密度は、約5.1g/cm3から約6.2g/cm3の間である。
【0025】
いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、1:11.6のW対B比で形成される。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、450℃未満で酸化耐性を有する。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、1:10.5のW対B比で形成される。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、1:9.0のW対B比で形成される。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、465℃未満で酸化耐性を有する。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、4.0g/cm3以上の密度を有する。
【0026】
式(II):
W1-xMxB4(II)
の複合マトリクスを生成する方法であって、
式中、
Wは、タングステンであり;
Bは、ホウ素であり;
Mは、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、ジルコニウム(Zr)、ニオブ(Nb)、モリブデン(Mo)、ルテニウム(Ru)、ハフニウム(Hf)、タンタル(Ta)、レニウム(Re)、イットリウム(Y)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)、リチウム(Li)及びアルミニウム(Al)の群から選択される少なくとも1つの元素であり;
xは、0.001から0.999であり;
本方法は、
a)加圧室にホウ素、タングステン、及びMの混合物を添加することであって、ホウ素対タングステン及びMの比は、3.5から5.0当量の間のホウ素対1当量のタングステン及びMである、添加することと;
b)混合物を圧縮して、圧縮原料混合物を形成することと;
c)圧縮原料混合物を反応容器に添加することと;
d)反応容器に真空を適用すること、反応容器を不活性ガスでフラッシングすること、またはそれらの組み合わせによって反応容器内に不活性雰囲気を作り出すことと;
e)反応容器を約1200℃から約2200℃の間の温度に加熱して、式(II)の複合マトリクスを形成することと、を含む、方法が本明細書に記載されている。
【0027】
いくつかの実施形態において、圧縮原料混合物は、電気アーク炉によって加熱される。いくつかの実施形態において、アーク炉電極は、グラファイトまたはタングステン金属製である。いくつかの実施形態において、圧縮原料混合物は、任意に六方晶窒化ホウ素を含む電気絶縁材料によってアーク炉電極から部分的に遮蔽される。
【0028】
いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、100マイクロメートル未満のサイズの粒子または微結晶から構成される。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、50マイクロメートル未満のサイズの粒子または微結晶から構成される。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、10マイクロメートル未満のサイズの粒子または微結晶から構成される。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、1マイクロメートル未満のサイズの微結晶から構成される。
【0029】
いくつかの実施形態において、圧縮原料混合物は、誘導炉によって加熱される。いくつかの実施形態において、誘導炉は、電磁誘導によって加熱される。いくつかの実施形態において、電磁誘導のために使用される電磁放射は、電波の周波数を有する。いくつかの実施形態において、混合物は、高温圧縮によって加熱される。いくつかの実施形態において、混合物は、プラズマ放電焼結によって加熱される。いくつかの実施形態において、反応容器は、水冷される。いくつかの実施形態において、反応容器は、グラファイトライニングされている。いくつかの実施形態において、高周波誘導は、炭素に合わせられ、グラファイトは、反応容器内で加熱される。いくつかの実施形態において、圧縮原料混合物は、任意に六方晶窒化ホウ素を含む電気絶縁材料によってグラファイトライニング反応容器から遮蔽される。
【0030】
いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、100マイクロメートル未満のサイズの粒子または微結晶から構成される。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、50マイクロメートル未満のサイズの粒子または微結晶から構成される。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、10マイクロメートル未満のサイズの粒子または微結晶から構成される。
【0031】
いくつかの実施形態において、xは、0.001~0.200である。いくつかの実施形態において、xは、0.201~0.400である。いくつかの実施形態において、xは、0.401~0.600である。いくつかの実施形態において、xは、0.601~0.800である。いくつかの実施形態において、xは、0.801~0.999である。
【0032】
いくつかの実施形態において、Mは、群:バナジウム(V)、クロム(Cr)、ニオブ(Nb)、モリブデン(Mo)、タンタル(Ta)、及びレニウム(Re)から選択される少なくとも1つの元素である。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W1-xVxB4を含む。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W1-xCrxB4を含む。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W1-xNbxB4を含む。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W1-xMoxB4を含む。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W1-xTaxB4を含む。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W1-xRexB4を含む。
【0033】
式(III):
W1-xMxB4(III)
の複合マトリクスを含む複合材料を生成する方法であって、複合材料に対する式(III)の複合マトリクス及びホウ素のパーセンテージは、少なくとも95%であり、式中、
Wは、タングステンであり;
Bは、ホウ素であり;
Mは、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、ジルコニウム(Zr)、ニオブ(Nb)、モリブデン(Mo)、ルテニウム(Ru)、ハフニウム(Hf)、タンタル(Ta)、レニウム(Re)、イットリウム(Y)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)、リチウム(Li)及びアルミニウム(Al)の群から選択される少なくとも1つの元素であり;
xは、0から0.999であり;
本方法は、
a)加圧室にホウ素、タングステン、及び任意にMの混合物を添加することであって、ホウ素対タングステン及び任意にMの比は、12.0当量未満のホウ素対1当量のタングステン及び任意にMである、添加することと;
b)混合物を圧縮して、圧縮原料混合物を形成することと;
c)反応容器の内側を電気絶縁体で部分的にライニングして、絶縁反応容器を形成することと;
d)圧縮原料混合物を絶縁反応容器に添加することと;
e)絶縁反応容器に真空を適用すること、絶縁反応容器を不活性ガスでフラッシングすること、またはそれらの組み合わせによって反応容器内に不活性雰囲気を作り出すことと;
f)圧縮原料混合物の少なくとも95%以上が溶解するまで、圧縮原料混合物をアーク溶解することと;
g)絶縁反応容器を冷却して、それにより、式(III)の複合マトリクスを含む複合材料を形成することと、を含む、方法が本明細書において開示されている。
【0034】
いくつかの実施形態において、複合材料は、金属副生成物をさらに含み、任意に上記金属副生成物は、複合マトリクスのパーセンテージに対して4%、3%、2%、1%、0.5%、0.1%、0.05%、または0.01%未満である。いくつかの実施形態において、金属副生成物は、二ホウ化タングステンまたは一ホウ化タングステンである。いくつかの実施形態において、反応容器の表面の最大約95%、90%、85%、80%、70%、60%、50%、40%、30%以下は、電気絶縁材料でコーティングされる。いくつかの実施形態において、圧縮原料混合物は、任意に六方晶窒化ホウ素を含む電気絶縁材料によってアーク炉電極から部分的に遮蔽される。いくつかの実施形態において、絶縁材料は、六方晶窒化ホウ素(h-BN)を含む。
【0035】
いくつかの実施形態において、圧縮原料混合物は、電気アーク炉またはプラズマアーク炉によって溶解される。いくつかの実施形態において、アーク炉電極は、グラファイトまたはタングステン金属製である。いくつかの実施形態において、反応容器は、水冷される。いくつかの実施形態において、反応容器の冷却速度は、制御される。いくつかの実施形態において、反応容器は、周囲温度に冷まされる。
【0036】
いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、100マイクロメートル未満のサイズの粒子または微結晶から構成される。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、123~133マイクロメートル未満のサイズの粒子または微結晶から構成される。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、10マイクロメートル未満のサイズの粒子または微結晶から構成される。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、1マイクロメートル未満のサイズの微結晶から構成される。
【0037】
いくつかの実施形態において、反応容器は、不活性雰囲気を作り出すために不活性ガスでパージされる。いくつかの実施形態において、不活性ガスは、アルゴン、窒素、またはヘリウムを含む。いくつかの実施形態において、反応容器は、反応容器から酸素を除去するために真空の適用及び反応容器の不活性ガスによるフラッシングの少なくとも1サイクルに供される。
【0038】
いくつかの実施形態において、xは、0である。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、WB4を含む。いくつかの実施形態において、B対Wの比は、約11.9から約9当量の間のB対1当量のWである。いくつかの実施形態において、B対Wの比は、約11.6、約11、約10.5、約10、約9.5、または約9当量のB対1当量のWである。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、1:11.6のW対B比で形成される。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、450℃未満で酸化耐性を有する。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、1:10.5のW対B比で形成される。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、1:9.0のW対B比で形成される。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、465℃未満で酸化耐性を有する。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、4.0g/cm3以上の密度を有する。
【0039】
いくつかの実施形態において、xは、0.001から0.999である。いくつかの実施形態において、xは、0.201~0.400である。いくつかの実施形態において、xは、0.401~0.600である。いくつかの実施形態において、xは、0.601~0.800である。いくつかの実施形態において、xは、0.801~0.999である。
【0040】
いくつかの実施形態において、B対W及びMの比は、5当量未満のB対1当量のW及びMである。いくつかの実施形態において、Mは、群:バナジウム(V)、クロム(Cr)、ニオブ(Nb)、モリブデン(Mo)、タンタル(Ta)、及びレニウム(Re)から選択される少なくとも1つの元素である。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W1-xVxB4を含む。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W1-xCrxB4を含む。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W1-xNbxB4を含む。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W1-xMoxB4を含む。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W1-xTaxB4を含む。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W1-xRexB4を含む。
【0041】
式(I):
W1-xMxB4(I)
の化合物を含む複合マトリクスであって、
式中、
Wは、タングステンであり;
Bは、ホウ素であり;
Mは、群:バナジウム(V)、クロム(Cr)、ニオブ(Nb)、モリブデン(Mo)、タンタル(Ta)、及びレニウム(Re)から選択される少なくとも1つの元素であり;
xは、0.001から0.999である、複合マトリクスが本明細書において開示されている。
【0042】
いくつかの実施形態において、xは、0.001~0.200である。いくつかの実施形態において、xは、0.201~0.400である。いくつかの実施形態において、xは、0.401~0.600である。いくつかの実施形態において、xは、0.601~0.800である。いくつかの実施形態において、xは、0.801~0.999である。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W1-xVxB4である。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W1-xCrxB4である。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W1-xNbxB4である。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W1-xMoxB4である。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W1-xTaxB4である。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W1-xRexB4である。
【0043】
本明細書において開示されている方法のいずれかによって生成される複合マトリクスが本明細書において開示されている。
【0044】
本明細書において開示されている方法のいずれかによって生成された複合マトリクスを含むツールが本明細書において開示されている。
【0045】
複合マトリクスを調製する方法であって、ある量のWをある量のB及び任意にMと混合して、複合マトリクスを形成することを含み、B対W及びMの比は、12当量未満のB対1当量のW及びMであり;複合マトリクスは、W1-xMxB4を含み、Wは、タングステンであり;Bは、ホウ素であり;Mは、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、ジルコニウム(Zr)、ニオブ(Nb)、モリブデン(Mo)、ルテニウム(Ru)、ハフニウム(Hf)、タンタル(Ta)、レニウム(Re)、イットリウム(Y)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)、リチウム(Li)及びアルミニウム(Al)の群から選択される少なくとも1つの元素であり;xは、0から0.999である、方法が本明細書に記載されている。
【0046】
いくつかの実施形態において、本方法は、i)W、B、及び任意にMを混合して、混合物を形成することと、ii)混合物を反応容器に移すことと、iii)混合物を、W、B、及び任意にMの間の反応を引き起こすのに十分な温度に加熱して、複合マトリクスを形成することと、をさらに含む。いくつかの実施形態において、大気中の酸素の少なくとも10%が反応容器から除去される。いくつかの実施形態において、混合物は、約1200℃から約2200℃の間の温度に加熱される。いくつかの実施形態において、混合物は、約15分、90分、120分、180分、240分、360分以上加熱される。
【0047】
いくつかの実施形態において、混合物は、誘導炉または従来の炉によって加熱される。いくつかの実施形態において、Mは、群:バナジウム(V)、クロム(Cr)、ニオブ(Nb)、モリブデン(Mo)、タンタル(Ta)、及びレニウム(Re)から選択される少なくとも1つの元素である。いくつかの実施形態において、xは、0である。いくつかの実施形態において、B対Wの比は、約11.9から約9当量の間のB対1当量のWである。いくつかの実施形態において、xは、0.001から0.999である。いくつかの実施形態において、B対W及びMの比は、5当量未満のB対1当量のW及びMである。
【0048】
いくつかの実施形態において、反応容器及び反応混合物は、金属ライナーによって分離される。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、約24.2の2シータにおける少なくとも1つのX線回折パターン反射によって特徴づけられる結晶性固体である。いくつかの実施形態において、結晶性固体は、約34.5または約45.1の2シータにおける少なくとも1つのX線回折パターン反射によってさらに特徴づけられる。
【0049】
熱力学的に安定な四ホウ化タングステン複合マトリクスを生成する方法であって、本方法は、a)加圧室にホウ素(B)及びタングステン(W)の混合物を添加することであって、ホウ素対タングステンの比は、4から11.9当量の間のホウ素対1当量のタングステンである、添加することと;b)混合物を圧縮して、圧縮原料混合物を形成することと;c)圧縮原料混合物を反応容器に添加することと;d)反応容器に真空を適用すること、反応容器を不活性ガスでフラッシングすること、またはそれらの組み合わせによって反応容器内に不活性雰囲気を作り出すことと;e)反応容器を約1200℃から約2200℃の間の温度に加熱して、熱力学的に安定なWB4複合マトリクスを形成することと、を含む、方法が本明細書において開示されている。
【0050】
いくつかの実施形態において、圧縮原料混合物は、誘導炉または従来の炉によって加熱される。いくつかの実施形態において、反応容器及び反応混合物は、金属ライナーによって分離される。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、約24.2の2シータにおける少なくとも1つのX線回折パターン反射によって特徴づけられる結晶性固体である。いくつかの実施形態において、結晶性固体は、約34.5または約45.1の2シータにおける少なくとも1つのX線回折パターン反射によってさらに特徴づけられる。本明細書に記載されている方法によって生成された複合マトリクスを含むツールが本明細書において開示されている。
【0051】
特定の実施形態において、低減された、または検知不可能な量の金属副生成物(または副産物)を含む四ホウ化タングステンを含む複合マトリクス(例えば、複合物の20%未満、15%、10%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%以下が金属副生成物である)を生成する方法が本明細書に記載されている。いくつかの実施形態において、12当量未満のホウ素対1当量のタングステンの比の四ホウ化タングステンを含む複合マトリクスを製造する方法も本明細書に記載されている。5当量未満のホウ素対1当量のタングステン及び金属を利用する四ホウ化タングステン合金が、本明細書においてさらに開示されている。いくつかの実施形態において、四ホウ化タングステン複合物または四ホウ化タングステン合金がツールまたは研磨材に利用される。
【0052】
金属ホウ化物複合マトリクス
式(I):
W1-xMxB4(I)
の化合物を含む複合マトリクスであって、式中、
Wは、タングステンであり;
Bは、ホウ素であり;
Mは、群:バナジウム(V)、クロム(Cr)、ニオブ(Nb)、モリブデン(Mo)、タンタル(Ta)、及びレニウム(Re)から選択される少なくとも1つの元素であり;
xは、0.001から0.999である、複合マトリクスが本明細書において開示されている。
【0053】
いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W1-xMxB4であり、約1対4から約1対5のすべての金属原子対ホウ素原子の比で調製される。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W1-xMxB4であり、約1対4.0のすべての金属原子対ホウ素原子の比で調製される。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W1-xMxB4であり、約1対4.1のすべての金属原子対ホウ素原子の比で調製される。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W1-xMxB4であり、約1対4.2のすべての金属原子対ホウ素原子の比で調製される。
【0054】
いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W1-xMxB4であり、約1対4.3のすべての金属原子対ホウ素原子の比で調製される。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W1-xMxB4であり、約1対4.4のすべての金属原子対ホウ素原子の比で調製される。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W1-xMxB4であり、約1対4.5のすべての金属原子対ホウ素原子の比で調製される。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W1-xMxB4であり、約1対4.6のすべての金属原子対ホウ素原子の比で調製される。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W1-xMxB4であり、約1対4.7のすべての金属原子対ホウ素原子の比で調製される。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W1-xMxB4であり、約1対4.8のすべての金属原子対ホウ素原子の比で調製される。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W1-xMxB4であり、約1対4.9のすべての金属原子対ホウ素原子の比で調製される。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W1-xMxB4であり、約1対5.0のすべての金属原子対ホウ素原子の比で調製される。
【0055】
本明細書に記載されている、または本明細書の方法によって調製される複合マトリクスのいくつかの実施形態において、xは、包括的に範囲0.001から0.999内の値を有する。
【0056】
いくつかの実施形態において、xは、包括的に範囲0.005から0.99、0.01から0.95、0.05から0.9、0.1から0.9、0.001から0.6、0.005から0.6、0.01から0.6、0.05から0.6、0.1から0.6、0.2から0.6、0.3から0.6、0.4から0.6、0.001から0.55、0.005から0.55、0.01から0.55、0.05から0.55、0.1から0.55、0.2から0.55、0.3から0.55、0.4から0.55、0.45から0.55、0.001から0.5、0.005から0.5、0.01から0.5、0.05から0.5、0.1から0.5、0.2から0.5、0.3から0.5、0.4から0.5、0.5から0.55、0.45から0.5、0.001から0.4、0.005から0.4、0.01から0.4、0.05から0.4、0.1から0.4、0.2から0.4、0.001から0.3、0.005から0.3、0.01から0.3、0.05から0.3、0.1から0.3、0.001から0.2、0.005から0.2、0.01から0.2、0.05から0.2、または0.1から0.2内の値を有する。
【0057】
いくつかの実施形態において、xは、包括的に範囲0.1から0.9内の値を有する。いくつかの実施形態において、xは、包括的に範囲0.001から0.6、0.005から0.6、0.001から0.4、または0.001から0.2内の値を有する。いくつかの実施形態において、xは、包括的に範囲0.001から0.6内の値を有する。いくつかの実施形態において、xは、包括的に範囲0.001から0.5内の値を有する。いくつかの実施形態において、xは、包括的に範囲0.001から0.4内の値を有する。いくつかの実施形態において、xは、包括的に範囲0.001から0.3内の値を有する。
【0058】
いくつかの実施形態において、xは、包括的に範囲0.001から0.2内の値を有する。いくつかの実施形態において、xは、包括的に範囲0.01から0.6内の値を有する。いくつかの実施形態において、xは、包括的に範囲0.01から0.5内の値を有する。いくつかの実施形態において、xは、包括的に範囲0.01から0.4内の値を有する。いくつかの実施形態において、xは、包括的に範囲0.01から0.3内の値を有する。いくつかの実施形態において、xは、包括的に範囲0.01から0.2内の値を有する。いくつかの実施形態において、xは、包括的に範囲0.1から0.8内の値を有する。いくつかの実施形態において、xは、包括的に範囲0.1から0.7内の値を有する。
【0059】
いくつかの実施形態において、xは、包括的に範囲0.1から0.6内の値を有する。いくつかの実施形態において、xは、包括的に範囲0.1から0.5内の値を有する。いくつかの実施形態において、xは、包括的に範囲0.1から0.4内の値を有する。いくつかの実施形態において、xは、包括的に範囲0.1から0.3内の値を有する。いくつかの実施形態において、xは、包括的に範囲0.1から0.2内の値を有する。いくつかの実施形態において、xは、包括的に範囲0.2から0.8内の値を有する。いくつかの実施形態において、xは、包括的に範囲0.2から0.7内の値を有する。いくつかの実施形態において、xは、包括的に範囲0.2から0.6内の値を有する。いくつかの実施形態において、xは、包括的に範囲0.2から0.5内の値を有する。 いくつかの実施形態において、xは、包括的に範囲0.2から0.4内の値を有する。
【0060】
いくつかの実施形態において、xは、包括的に範囲0.2から0.3内の値を有する。いくつかの実施形態において、xは、包括的に範囲0.3から0.8内の値を有する。いくつかの実施形態において、xは、包括的に範囲0.3から0.7内の値を有する。いくつかの実施形態において、xは、包括的に範囲0.3から0.6内の値を有する。いくつかの実施形態において、xは、包括的に範囲0.3から0.5内の値を有する。いくつかの実施形態において、xは、包括的に範囲0.3から0.4内の値を有する。いくつかの実施形態において、xは、包括的に範囲0.4から0.8内の値を有する。いくつかの実施形態において、xは、包括的に範囲0.4から0.7内の値を有する。いくつかの実施形態において、xは、包括的に範囲0.4から0.6内の値を有する。いくつかの実施形態において、xは、包括的に範囲0.4から0.5内の値を有する。
【0061】
本明細書に記載されている、または本明細書の方法によって調製される複合マトリクスのいくつかの実施形態において、xは、少なくとも0.001及び0.999未満である。いくつかの実施形態において、xは、少なくとも0.001及び0.9未満である。いくつかの実施形態において、xは、少なくとも0.001及び0.6未満である。いくつかの実施形態において、xは、少なくとも0.001及び0.5未満である。いくつかの実施形態において、xは、少なくとも0.001及び0.4未満である。いくつかの実施形態において、xは、少なくとも0.001及び0.3未満である。
【0062】
いくつかの実施形態において、xは、少なくとも0.001及び0.2未満である。いくつかの実施形態において、xは、少なくとも0.001及び0.05未満である。いくつかの実施形態において、xは、少なくとも0.01及び0.5未満である。いくつかの実施形態において、xは、少なくとも0.01及び0.4未満である。いくつかの実施形態において、xは、少なくとも0.01及び0.3未満である。いくつかの実施形態において、xは、少なくとも0.01及び0.2未満である。いくつかの実施形態において、xは、少なくとも0.1及び0.5未満である。いくつかの実施形態において、xは、少なくとも0.1及び0.4未満である。いくつかの実施形態において、xは、少なくとも0.1及び0.3未満である。いくつかの実施形態において、xは、少なくとも0.1及び0.2未満である。
【0063】
本明細書に記載されている、または本明細書の方法によって調製される複合マトリクスのいくつかの実施形態において、xは、約0.001、0.005、0.01、0.05、0.1、0.15、0.2、0.25、0.3、0.35、0.4、0.41、0.42、0.43、0.44、0.45、0.46、0.47、0.48、0.49、0.5、0.51、0.52、0.53、0.54、0.55、0.56、0.57、0.58、0.59、0.6、0.65、0.7、0.8、0.9、0.95、0.99、または約0.999の値を有する。いくつかの実施形態において、xは、約0.001の値を有する。いくつかの実施形態において、xは、約0.005の値を有する。
【0064】
いくつかの実施形態において、xは、約0.01の値を有する。いくつかの実施形態において、xは、約0.05の値を有する。いくつかの実施形態において、xは、約0.1の値を有する。いくつかの実施形態において、xは、約0.15の値を有する。いくつかの実施形態において、xは、約0.2の値を有する。いくつかの実施形態において、xは、約0.3の値を有する。いくつかの実施形態において、xは、約0.4の値を有する。いくつかの実施形態において、xは、約0.41の値を有する。いくつかの実施形態において、xは、約0.42の値を有する。いくつかの実施形態において、xは、約0.43の値を有する。
【0065】
いくつかの実施形態において、xは、約0.44の値を有する。いくつかの実施形態において、xは、約0.45の値を有する。いくつかの実施形態において、xは、約0.46の値を有する。いくつかの実施形態において、xは、約0.47の値を有する。いくつかの実施形態において、xは、約0.48の値を有する。いくつかの実施形態において、xは、約0.49の値を有する。いくつかの実施形態において、xは、約0.5の値を有する。いくつかの実施形態において、xは、約0.51の値を有する。
【0066】
いくつかの実施形態において、xは、約0.52の値を有する。いくつかの実施形態において、xは、約0.53の値を有する。いくつかの実施形態において、xは、約0.54の値を有する。いくつかの実施形態において、xは、約0.55の値を有する。いくつかの実施形態において、xは、約0.56の値を有する。いくつかの実施形態において、xは、約0.57の値を有する。いくつかの実施形態において、xは、約0.58の値を有する。いくつかの実施形態において、xは、約0.59の値を有する。いくつかの実施形態において、xは、約0.6の値を有する。いくつかの実施形態において、xは、約0.7の値を有する。いくつかの実施形態において、xは、約0.8の値を有する。いくつかの実施形態において、xは、約0.9の値を有する。いくつかの実施形態において、xは、約0.99の値を有する。
【0067】
本明細書に記載されている、または本明細書の方法によって調製される複合マトリクスのいくつかの実施形態において、xは、0.001~0.200である。いくつかの実施形態において、xは、0.201~0.400である。いくつかの実施形態において、xは、0.401~0.600である。いくつかの実施形態において、xは、0.601~0.800である。いくつかの実施形態において、xは、0.801~0.999である。
【0068】
本明細書に記載されている、または本明細書の方法によって調製される複合マトリクスのいくつかの実施形態において、xは、約0.05である。いくつかの実施形態において、xは、約0.25である。いくつかの実施形態において、xは、約0.50である。いくつかの実施形態において、xは、約0.75である。いくつかの実施形態において、xは、約0.80である。いくつかの実施形態において、xは、約0.85である。いくつかの実施形態において、xは、約0.90である。いくつかの実施形態において、xは、約0.95である。
【0069】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載されている、または本明細書の方法によって調製される複合マトリクスは、金属副生成物を含み、それは、複合マトリクスのパーセンテージに対して20%未満、15%、12%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、0.1%、0.05%、または0.01%である。いくつかの実施形態において、金属副生成物は、二ホウ化タングステン(WB2)または一ホウ化タングステン(WB)である。
【0070】
いくつかの実施形態において、金属副生成物は、非タングステン金属ホウ化物である。いくつかの実施形態において、非タングステン金属ホウ化物は、TiB2、ZrB2、HfB2、VB、VB2、NbB2、NbB2、CrB、CrB2、Cr2B、Cr3B4、Cr4B、Cr5B3、MoB、MoB2、Mo2B4、Mo2B5、MnB、MnB2、MNB4、Mn2B、Mn4B、Mn3B4、ReB2、Re3B、Re7B2、FeB、Fe2B、RuB2、Ru2B3、OsB、Os2B3、OsB2、CoB、Co2B、IrB、Ir2B、NiB、Ni2B、Ni3B、CuB、またはZnBである。
【0071】
いくつかの実施形態において、元素のホウ素の少なくとも1つの同素体が複合マトリクス中に存在する。ホウ素の同素体としては、以下の状態のホウ素が挙げられる:アルファ菱面体晶、アルファ正方晶、ベータ菱面体晶、ベータ正方晶、斜方晶(ガンマ)、ボロフェン、ボロスフェレン及び非晶質ホウ素。
【0072】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載されている、または本明細書の方法によって調製される複合マトリクスは、式(I~IV)の化合物、ホウ素、及び金属副生成物を含む。いくつかの実施形態において、式(I~IV)の化合物及びホウ素は、複合マトリクスの重量の80%以上を占める。いくつかの実施形態において、式(I~IV)の化合物及びホウ素は、複合マトリクスの重量の85%以上を占める。いくつかの実施形態において、式(I~IV)の化合物及びホウ素は、複合マトリクスの重量の88%以上を占める。いくつかの実施形態において、式(I~IV)の化合物及びホウ素は、複合マトリクスの重量の90%以上を占める。
【0073】
いくつかの実施形態において、式(I~IV)の化合物及びホウ素は、複合マトリクスの重量の91%以上を占める。いくつかの実施形態において、式(I~IV)の化合物及びホウ素は、複合マトリクスの重量の92%以上を占める。いくつかの実施形態において、式(I~IV)の化合物及びホウ素は、複合マトリクスの重量の93%以上を占める。いくつかの実施形態において、式(I~IV)の化合物及びホウ素は、複合マトリクスの重量の94%以上を占める。いくつかの実施形態において、式(I~IV)の化合物及びホウ素は、複合マトリクスの重量の95%以上を占める。
【0074】
いくつかの実施形態において、式(I~IV)の化合物及びホウ素は、複合マトリクスの重量の96%以上を占める。いくつかの実施形態において、式(I~IV)の化合物及びホウ素は、複合マトリクスの重量の97%以上を占める。いくつかの実施形態において、式(I~IV)の化合物及びホウ素は、複合マトリクスの重量の98%以上を占める。いくつかの実施形態において、式(I~IV)の化合物及びホウ素は、複合マトリクスの重量の99%以上を占める。いくつかの実施形態において、式(I~IV)の化合物及びホウ素は、複合マトリクスの重量の99.5%以上を占める。いくつかの実施形態において、式(I~IV)の化合物及びホウ素は、複合マトリクスの重量の99.9%以上を占める。いくつかの実施形態において、式(I~IV)の化合物及びホウ素は、複合マトリクスの重量の99.95%以上を占める。いくつかの実施形態において、式(I~IV)の化合物及びホウ素は、複合マトリクスの重量の99.99%以上を占める。
【0075】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載されている、または本明細書の方法によって調製される複合マトリクスにおける複合材料に対する式(I)の複合マトリクス及びホウ素のパーセンテージは、少なくとも80%、85%、88%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、99.9%、99.95%、または99.99%である。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されている、または本明細書の方法によって調製される複合マトリクスにおける複合材料に対する式(II)の複合マトリクス及びホウ素のパーセンテージは、少なくとも80%、85%、88%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、99.9%、99.95%、または99.99%である。
【0076】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載されている、または本明細書の方法によって調製される複合マトリクスにおける複合材料に対する式(III)の複合マトリクス及びホウ素のパーセンテージは、少なくとも80%、85%、88%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、99.9%、99.95%、または99.99%である。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されている、または本明細書の方法によって調製される複合マトリクスにおける複合材料に対する式(IV)の複合マトリクス及びホウ素のパーセンテージは、少なくとも80%、85%、88%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、99.9%、99.95%、または99.99%である。
【0077】
いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W1-xVxB4である。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W0.95V0.05B4である。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W0.90V0.10B4である。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W0.85V0.15B4である。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W0.80V0.20B4である。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W0.75V0.25B4である。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W0.70V0.30B4である。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W0.65V0.35B4である。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W0.60V0.40B4である。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W0.55V0.45B4である。
【0078】
いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W0.50V0.50B4である。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W0.45V0.55B4である。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W0.40V0.60B4である。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W0.35V0.65B4である。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W0.30V0.70B4である。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W0.25V0.75B4である。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W0.20V0.80B4である。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W0.15V0.85B4である。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W0.10V0.90B4である。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W0.05V0.95B4である。
【0079】
いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W1-xCrxB4である。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W0.95Cr0.05B4である。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W0.90Cr0.10B4である。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W0.85Cr0.15B4である。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W0.80Cr0.20B4である。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W0.75Cr0.25B4である。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W0.70Cr0.30B4である。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W0.65Cr0.35B4である。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W0.60Cr0.40B4である。
【0080】
いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W0.55Cr0.45B4である。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W0.50Cr0.50B4である。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W0.45Cr0.55B4である。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W0.40Cr0.60B4である。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W0.35Cr0.65B4である。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W0.30Cr0.70B4である。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W0.25Cr0.75B4である。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W0.20Cr0.80B4である。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W0.15Cr0.85B4である。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W0.10Cr0.90B4である。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W0.05Cr0.95B4である。
【0081】
いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W1-xNbxB4である。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W0.95Nb0.05B4である。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W0.90Nb0.10B4である。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W0.85Nb0.15B4である。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W0.80Nb0.20B4である。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W0.75Nb0.25B4である。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W0.70Nb0.30B4である。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W0.65Nb0.35B4である。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W0.60Nb0.40B4である。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W0.55Nb0.45B4である。
【0082】
いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W0.50Nb0.50B4である。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W0.45Nb0.55B4である。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W0.40Nb0.60B4である。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W0.35Nb0.65B4である。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W0.30Nb0.70B4である。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W0.25Nb0.75B4である。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W0.20Nb0.80B4である。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W0.15Nb0.85B4である。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W0.10Nb0.90B4である。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W0.05Nb0.95B4である。
【0083】
いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W1-xMoxB4である。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W0.95Mo0.05B4である。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W0.90Mo0.10B4である。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W0.85Mo0.15B4である。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W0.80Mo0.20B4である。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W0.75Mo0.25B4である。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W0.70Mo0.30B4である。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W0.65Mo0.35B4である。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W0.60Mo0.40B4である。
【0084】
いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W0.55Mo0.45B4である。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W0.50Mo0.50B4である。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W0.45Mo0.55B4である。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W0.40Mo0.60B4である。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W0.35Mo0.65B4である。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W0.30Mo0.70B4である。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W0.25Mo0.75B4である。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W0.20Mo0.80B4である。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W0.15Mo0.85B4である。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W0.10Mo0.90B4である。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W0.05Mo0.95B4である。
【0085】
いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W1-xTaxB4である。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W0.95Ta0.05B4である。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W0.90Ta0.10B4である。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W0.85Ta0.15B4である。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W0.80Ta0.20B4である。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W0.75Ta0.25B4である。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W0.70Ta0.30B4である。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W0.65Ta0.35B4である。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W0.60Ta0.40B4である。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W0.55Ta0.45B4である。
【0086】
いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W0.50Ta0.50B4である。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W0.45Ta0.55B4である。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W0.40Ta0.60B4である。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W0.35Ta0.65B4である。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W0.30Ta0.70B4である。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W0.25Ta0.75B4である。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W0.20Ta0.80B4である。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W0.15Ta0.85B4である。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W0.10Ta0.90B4である。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W0.05Ta0.95B4である。
【0087】
いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W1-xRexB4である。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W0.95Re0.05B4である。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W0.90Re0.10B4である。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W0.85Re0.15B4である。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W0.80Re0.20B4である。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W0.75Re0.25B4である。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W0.70Re0.30B4である。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W0.65Re0.35B4である。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W0.60Re0.40B4である。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W0.55Re0.45B4である。
【0088】
いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W0.50Re0.50B4である。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W0.45Re0.55B4である。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W0.40Re0.60B4である。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W0.35Re0.65B4である。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W0.30Re0.70B4である。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W0.25Re0.75B4である。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W0.20Re0.80B4である。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W0.15Re0.85B4である。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W0.10Re0.90B4である。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W0.05Re0.95B4である。
【0089】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載されている硬度は、ビッカース硬度試験によって測定される。いくつかの実施形態において、硬度は、0.49ニュートン(N)の荷重下で測定される。
【0090】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載されている、または本明細書の方法によって調製される複合マトリクスは、約10から約70GPaの硬度を有する。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されている複合マトリクスは、約10から約60GPa、約10から約50GPa、約10から約40GPa、約10から約30GPa、約20から約70GPa、約20から約60GPa、約20から約50GPa、約20から約40GPa、約20から約30GPa、約30から約70GPa、約30から約60GPa、約30から約50GPa、約30から約45GPa、約30から約40GPa、約30から約35GPa、約35から約70GPa、約35から約60GPa、約35から約50GPa、約35から約40GPa、約40から約70GPa、約40から約60GPa、約40から約50GPa、約45から約60GPaまたは約45から約50GPaの硬度を有する。
【0091】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載されている複合マトリクスは、約30から約50GPa、約30から約45GPa、約30から約40GPa、約30から約35GPa、約35から約50GPa、約35から約40GPa、約40から約50GPa、または約45から約50GPaの硬度を有する。
【0092】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載されている、または本明細書の方法によって調製される複合マトリクスは、約10GPa、約15GPa、約20GPa、約25GPa、約30GPa、約31GPa、約32GPa、約33GPa、約34GPa、約35GPa、約36GPa、約37GPa、約38GPa、約39GPa、約40GPa、約41GPa、約42GPa、約43GPa、約44GPa、約45GPa、約46GPa、約47GPa、約48GPa、約49GPa、約50GPa、約51GPa、約52GPa、約53GPa、約54GPa、約55GPa、約56GPa、約57GPa、約58GPa、約59GPa、約60GPa以上の硬度を有する。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されている複合マトリクスは、約10GPa以上の硬度を有する。
【0093】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載されている複合マトリクスは、約15GPa以上の硬度を有する。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されている複合マトリクスは、約20GPa以上の硬度を有する。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されている複合マトリクスは、約25GPa以上の硬度を有する。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されている複合マトリクスは、約30GPa以上の硬度を有する。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されている複合マトリクスは、約31GPa以上の硬度を有する。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されている複合マトリクスは、約32GPa以上の硬度を有する。
【0094】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載されている複合マトリクスは、約33GPa以上の硬度を有する。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されている複合マトリクスは、約34GPa以上の硬度を有する。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されている複合マトリクスは、約35GPa以上の硬度を有する。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されている複合マトリクスは、約36GPa以上の硬度を有する。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されている複合マトリクスは、約37GPa以上の硬度を有する。
【0095】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載されている複合マトリクスは、約38GPa以上の硬度を有する。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されている複合マトリクスは、約39GPa以上の硬度を有する。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されている複合マトリクスは、約40GPa以上の硬度を有する。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されている複合マトリクスは、約41GPa以上の硬度を有する。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されている複合マトリクスは、約42GPa以上の硬度を有する。
【0096】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載されている複合マトリクスは、約43GPa以上の硬度を有する。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されている複合マトリクスは、約44GPa以上の硬度を有する。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されている複合マトリクスは、約45GPa以上の硬度を有する。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されている複合マトリクスは、約46GPa以上の硬度を有する。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されている複合マトリクスは、約47GPa以上の硬度を有する。
【0097】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載されている複合マトリクスは、約48GPa以上の硬度を有する。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されている複合マトリクスは、約49GPa以上の硬度を有する。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されている複合マトリクスは、約50GPa以上の硬度を有する。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されている複合マトリクスは、約51GPa以上の硬度を有する。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されている複合マトリクスは、約52GPa以上の硬度を有する。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されている複合マトリクスは、約53GPa以上の硬度を有する。
【0098】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載されている複合マトリクスは、約54GPa以上の硬度を有する。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されている複合マトリクスは、約55GPa以上の硬度を有する。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されている複合マトリクスは、約56GPa以上の硬度を有する。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されている複合マトリクスは、約57GPa以上の硬度を有する。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されている複合マトリクスは、約58GPa以上の硬度を有する。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されている複合マトリクスは、約59GPa以上の硬度を有する。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されている複合マトリクスは、約60GPa以上の硬度を有する。
【0099】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載されている、または本明細書の方法によって調製される複合マトリクスは、約20μm以下の粒子サイズまたは微結晶サイズを有する。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、約15μm以下、約12μm以下、約10μm以下、約8μm以下、約5μm以下、約2μm以下または約1μm以下の粒子サイズまたは微結晶サイズを有する。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、約15μm以下の粒子サイズまたは微結晶サイズを有する。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、約12μm以下の粒子サイズまたは微結晶サイズを有する。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、約10μm以下の粒子サイズまたは微結晶サイズを有する。
【0100】
いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、約9μm以下の粒子サイズまたは微結晶サイズを有する。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、約8μm以下の粒子サイズまたは微結晶サイズを有する。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、約7μm以下の粒子サイズまたは微結晶サイズを有する。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、約6μm以下の粒子サイズまたは微結晶サイズを有する。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、約5μm以下の粒子サイズまたは微結晶サイズを有する。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、約4μm以下の粒子サイズまたは微結晶サイズを有する。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、約3μm以下の粒子サイズまたは微結晶サイズを有する。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、約2μm以下の粒子サイズまたは微結晶サイズを有する。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、約1μm以下の粒子サイズまたは微結晶サイズを有する。
【0101】
いくつかの実施形態において、粒子サイズは、平均粒子サイズである。いくつかの実施形態において、微結晶サイズは、平均微結晶サイズである。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されている、または本明細書の方法によって調製される複合マトリクスは、約100μm以下、50μm以下、40μm以下、30μm以下、20μm以下、10μm以下、8μm以下、6μm以下、5μm以下、4μm以下、3μm以下、2μm以下、1μm以下の平均粒子サイズまたは平均微結晶サイズを有する。
【0102】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載されている、または本明細書の方法によって調製される複合マトリクスは、高密度化複合マトリクスである。いくつかの実施形態において、密度は、12.0g/cm3以下である。いくつかの実施形態において、密度は、9.0g/cm3以下である。いくつかの実施形態において、密度は、8.0g/cm3以下である。いくつかの実施形態において、密度は、7.0g/cm3以下である。いくつかの実施形態において、密度は、6.0g/cm3以下である。いくつかの実施形態において、密度は、5.0g/cm3以下である。いくつかの実施形態において、密度は、4.0g/cm3以下である。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されている複合マトリクスは、4.0~9.0g/cm3の密度またはその間の密度を有する。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されている複合マトリクスは、4.0~7.0g/cm3の密度またはその間の密度を有する。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されている複合マトリクスは、4.0~6.0g/cm3の密度またはその間の密度を有する。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されている複合マトリクスは、5.0~6.0g/cm3の密度またはその間の密度を有する。
【0103】
いくつかの実施形態において、WB4を含む複合マトリクスは、10.0g/cm3以下の密度を有する。いくつかの実施形態において、WB4を含む複合マトリクスは、9.0g/cm3以下の密度を有する。いくつかの実施形態において、WB4を含む複合マトリクスは、8.5g/cm3以下の密度を有する。いくつかの実施形態において、WB4を含む複合マトリクスは、8.0g/cm3以下の密度を有する。いくつかの実施形態において、WB4を含む複合マトリクスは、7.5g/cm3以下の密度を有する。いくつかの実施形態において、WB4を含む複合マトリクスは、7.0g/cm3以下の密度を有する。いくつかの実施形態において、WB4を含む複合マトリクスは、6.5g/cm3以下の密度を有する。いくつかの実施形態において、WB4を含む複合マトリクスは、6.0g/cm3以下の密度を有する。いくつかの実施形態において、WB4を含む複合マトリクスは、5.5g/cm3以下の密度を有する。いくつかの実施形態において、WB4を含む複合マトリクスは、5.0g/cm3以下の密度を有する。いくつかの実施形態において、WB4を含む複合マトリクスは、4.5g/cm3以下の密度を有する。
【0104】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載されている、または本明細書の方法によって調製される複合マトリクスは、酸化に耐性がある。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、400℃未満で酸化に耐性がある。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、410℃未満で酸化に耐性がある。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、420℃未満で酸化に耐性がある。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、440℃未満で酸化に耐性がある。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、450℃未満で酸化に耐性がある。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、460℃未満で酸化に耐性がある。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、465℃未満で酸化に耐性がある。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、475℃未満で酸化に耐性がある。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、490℃未満で酸化に耐性がある。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、500℃未満で酸化に耐性がある。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、550℃未満で酸化に耐性がある。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、600℃未満で酸化に耐性がある。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、650℃未満で酸化に耐性がある。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、700℃未満で酸化に耐性がある。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、800℃未満で酸化に耐性がある。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、900℃未満で酸化に耐性がある。
【0105】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載されている複合材料は、酸化に耐性がある。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されている複合材料は、耐酸化性を有する。例えば、複合材料がツールの表面にコーティングされる場合、複合材料は、複合材料でコーティングされていないツールと比較してツールの酸化速度を低下させる。代替例において、複合材料がツールの表面にコーティングされる場合、複合材料は、複合材料でコーティングされていないツールと比較してツールの酸化を妨げる。いくつかの実施形態において、複合材料は、酸化の発生を阻害するか、または酸化速度を低下させる。
【0106】
いくつかの実施形態において、複合マトリクスのコーティングは、コーティングされていないツールと比較してツールの酸化速度を低下させた。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、少なくとも1%、少なくとも2%、少なくとも3%、少なくとも4%、少なくとも5%、少なくとも6%、少なくとも7%、少なくとも8%、少なくとも9%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、または少なくとも90%だけ酸化速度を低下させる。
【0107】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載されている複合マトリクスの単位格子は、X線回折によって決定され、特徴づけられる六方晶である。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されている複合マトリクスの単位格子は、P63/mmmまたはP63/mmcである。いくつかの実施形態において、複合マトリクスの単位格子は、六方晶であり、aの長さは、5.100から5.300Åの間であり、aは、単位格子の2つの隣接頂点間の最短の長さであり、cの長さは、6.200から6.500Åの間であり、cは、単位格子の2つの隣接頂点間の最長の長さである。
【0108】
いくつかの実施形態において、複合マトリクスW1-xTaxB4は、六方晶であり、aの長さは、5.150から5.300Åの間であり、cの長さは、6.300から6.450Åの間である。
【0109】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載されている複合マトリクスは、固溶体相を含む。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されている複合材料は、固溶体を形成する。
【0110】
製造の方法
特定の実施形態において、複合マトリクスを調製する方法であって、十分な量のWをある量のB及び任意にMと混合して、複合マトリクスを形成することを含み、
B対W及びMの比は、12当量未満のB対1当量のW及びMであり;
複合マトリクスは、
W1-xMxB4を含み、
式中、
Wは、タングステンであり;
Bは、ホウ素であり;
Mは、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、ジルコニウム(Zr)、ニオブ(Nb)、モリブデン(Mo)、ルテニウム(Ru)、ハフニウム(Hf)、タンタル(Ta)、レニウム(Re)、イットリウム(Y)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)、リチウム(Li)及びアルミニウム(Al)の群から選択される少なくとも1つの元素であり;
xは、0から0.999である、方法が本明細書において開示されている。
【0111】
いくつかの実施形態において、混合するステップは、i)W、B、及び任意にMを混合して、混合物を形成することと、ii)混合物を反応容器に移すことと、iii)混合物を、W、B、及び任意にMの間の反応を引き起こすのに十分な温度に加熱して、複合マトリクスを形成することと、を含む。いくつかの実施形態において、混合するステップは、i)W、及びBを混合して、混合物を形成することと、ii)混合物を反応容器に移すことと、iii)混合物を、W、及びBの間の反応を引き起こすのに十分な温度に加熱して、複合マトリクスを形成することと、を含む。いくつかの実施形態において、混合するステップは、i)W、B、及びMを混合して、混合物を形成することと、ii)混合物を反応容器に移すことと、iii)混合物を、W、B、及びMの間の反応を引き起こすのに十分な温度に加熱して、複合マトリクスを形成することと、を含む。
【0112】
いくつかの実施形態において、混合するステップは、i)W、B、及び任意にMを混合して、混合物を形成することと、ii)混合物を反応容器に移すことと、iii)混合物が溶解するまで混合物をアーク溶解することと;iv)混合物を冷却することと、を含む。
【0113】
特定の実施形態において、式(II):
W1-xMxB4(II)
の複合マトリクスを生成する方法であって、
式中、
Wは、タングステンであり;
Bは、ホウ素であり;
Mは、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、ジルコニウム(Zr)、ニオブ(Nb)、モリブデン(Mo)、ルテニウム(Ru)、ハフニウム(Hf)、タンタル(Ta)、レニウム(Re)、イットリウム(Y)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)、リチウム(Li)及びアルミニウム(Al)の群から選択される少なくとも1つの元素であり;
xは、0.001から0.999であり;
本方法は、
a)加圧室にホウ素、タングステン、及びMの混合物を添加することであって、ホウ素対タングステン及びMの比は、3.5から8.0当量の間のホウ素対1当量のタングステン及びMである、添加することと;
b)混合物を圧縮して、圧縮原料混合物を形成することと;
c)圧縮原料混合物を反応容器に添加することと;
d)反応容器に真空を適用すること、反応容器を不活性ガスでフラッシングすること、またはそれらの組み合わせによって反応容器内に不活性雰囲気を作り出すことと;
e)反応容器を約1200℃から約2200℃の間の温度に加熱して、式(II)の複合マトリクスを形成することと、を含む、方法も本明細書において開示されている。
【0114】
特定の実施形態において、式(III):
W1-xMxB4(III)
の複合マトリクスを含む複合材料を生成する方法であって、複合材料に対する式(III)の複合マトリクス及びホウ素のパーセンテージは、少なくとも95%であり、
式中、
Wは、タングステンであり;
Bは、ホウ素であり;
Mは、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、ジルコニウム(Zr)、ニオブ(Nb)、モリブデン(Mo)、ルテニウム(Ru)、ハフニウム(Hf)、タンタル(Ta)、レニウム(Re)、イットリウム(Y)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)、リチウム(Li)及びアルミニウム(Al)の群から選択される少なくとも1つの元素であり;
xは、0から0.999であり;
本方法は、
a)加圧室にホウ素、タングステン、及び任意にMの混合物を添加することであって、ホウ素対タングステン及び任意にMの比は、12.0当量未満のホウ素対1当量のタングステン及び任意にMである、添加することと;
b)混合物を圧縮して、圧縮原料混合物を形成することと;
c)反応容器の内側を電気絶縁体で部分的にライニングして、絶縁反応容器を形成することと;
d)圧縮原料混合物を絶縁反応容器に添加することと;
e)絶縁反応容器に真空を適用すること、絶縁反応容器を不活性ガスでフラッシングすること、またはそれらの組み合わせによって反応容器内に不活性雰囲気を作り出すことと;
f)圧縮原料混合物の少なくとも95%以上が溶解するまで、圧縮原料混合物をアーク溶解することと;
g)絶縁反応容器を冷却して、それにより、式(III)の複合マトリクスを含む複合材料を形成することと、を含む方法も本明細書においてさらに開示されている。
【0115】
特定の実施形態において、複合マトリクスを調製する方法であって、十分な量のWをある量のZ及びMと混合して、複合マトリクスを形成することを含み、
Z対W及びMの比は、12当量未満のB対1当量のW及びMであり;
複合マトリクスは、
W1-xMxZyを含み、
式中、
Wは、タングステンであり;
Zは、ホウ素(B)、ケイ素(Si)またはベリリウム(Be)であり;
Mは、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、ジルコニウム(Zr)、ニオブ(Nb)、モリブデン(Mo)、ルテニウム(Ru)、ハフニウム(Hf)、タンタル(Ta)、レニウム(Re)、イットリウム(Y)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)、リチウム(Li)及びアルミニウム(Al)の群から選択される少なくとも1つの元素であり;
xは、少なくとも0.001及び0.999未満であり;
yは、少なくとも3.5である、方法が本明細書において開示されている。
【0116】
特定の実施形態において、式(IV):
W1-xMxZy(IV)
の複合マトリクスを生成する方法であって、
式中、
Wは、タングステンであり;
Zは、ホウ素(B)、ケイ素(Si)またはベリリウム(Be)であり;
Mは、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、ジルコニウム(Zr)、ニオブ(Nb)、モリブデン(Mo)、ルテニウム(Ru)、ハフニウム(Hf)、タンタル(Ta)、レニウム(Re)、イットリウム(Y)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)、リチウム(Li)及びアルミニウム(Al)の群から選択される少なくとも1つの元素であり;
xは、0.001から0.999であり;
yは、3.5から12.0であり;
本方法は、
a)加圧室にホウ素、タングステン、及びMの混合物を添加することであって、ホウ素対タングステン及びMの比は、3.5から5.0当量の間のホウ素対1当量のタングステン及びMである、添加することと;
b)混合物を圧縮して、圧縮原料混合物を形成することと;
c)圧縮原料混合物を反応容器に添加することと;
d)反応容器に真空を適用すること、反応容器を不活性ガスでフラッシングすること、またはそれらの組み合わせによって反応容器内に不活性雰囲気を作り出すことと;
e)反応容器を約1200℃から約2200℃の間の温度に加熱して、式(IV)の複合マトリクスを形成することと、を含む、方法も本明細書において開示されている。
【0117】
いくつかの実施形態において、xは、0であり、複合マトリクスは、WB4を含む。いくつかの実施形態において、B対Wの比は、約15.0から約4当量の間のB対1当量のWである。いくつかの実施形態において、B対Wの比は、約12から約4当量の間のB対1当量のWである。いくつかの実施形態において、B対Wの比は、約12から約6当量の間のB対1当量のWである。いくつかの実施形態において、B対Wの比は、約12から約8当量の間のB対1当量のWである。いくつかの実施形態において、B対Wの比は、約11.9から約9当量の間のB対1当量のWである。いくつかの実施形態において、B対Wの比は、約11から約9当量の間のB対1当量のWである。いくつかの実施形態において、B対Wの比は、約10.5から約9.5当量の間のB対1当量のWである。
【0118】
いくつかの実施形態において、B対Wの比は、約15.0、約13.0、約12.0、約11.9、約11.8、約11.6、約11.4、約11.2、約11.0、約10.8、約10.7、約10.6、約10.5、約10.4、約10.3、約10.2、約10.1、約10、約9.9、約9.8、約9.7、約9.6、約9.5、約9.3、約9.1、約8.8、約8.5、約8.2、約8.0、約7、約6、約5、または約4当量のB対1当量のWである。
【0119】
いくつかの実施形態において、Mは、群:バナジウム(V)、クロム(Cr)、ニオブ(Nb)、モリブデン(Mo)、タンタル(Ta)、及びレニウム(Re)から選択される少なくとも1つの元素である。
【0120】
いくつかの実施形態において、B対W及びMの比は、4当量未満のB対1当量のW及びMである。いくつかの実施形態において、B対W及びMの比は、4.5当量未満のB対1当量のW及びMである。いくつかの実施形態において、B対W及びMの比は、4.6当量未満のB対1当量のW及びMである。いくつかの実施形態において、B対W及びMの比は、4.7当量未満のB対1当量のW及びMである。いくつかの実施形態において、B対W及びMの比は、4.8当量未満のB対1当量のW及びMである。いくつかの実施形態において、B対W及びMの比は、4.9当量未満のB対1当量のW及びMである。いくつかの実施形態において、B対W及びMの比は、5当量未満のB対1当量のW及びMである。いくつかの実施形態において、B対W及びMの比は、5.1当量未満のB対1当量のW及びMである。いくつかの実施形態において、B対W及びMの比は、5.2当量未満のB対1当量のW及びMである。いくつかの実施形態において、B対W及びMの比は、5.3当量未満のB対1当量のW及びMである。いくつかの実施形態において、B対W及びMの比は、5.4当量未満のB対1当量のW及びMである。いくつかの実施形態において、B対W及びMの比は、5.5当量未満のB対1当量のW及びMである。いくつかの実施形態において、B対W及びMの比は、6当量未満のB対1当量のW及びMである。いくつかの実施形態において、B対W及びMの比は、10当量未満のB対1当量のW及びMである。
【0121】
いくつかの実施形態において、xは、包括的に範囲0.001から0.999内の値を有する。いくつかの実施形態において、xは、包括的に範囲0.005から0.99、0.01から0.95、0.05から0.9、0.1から0.9、0.001から0.6、0.005から0.6、0.01から0.6、0.05から0.6、0.1から0.6、0.2から0.6、0.3から0.6、0.4から0.6、0.001から0.55、0.005から0.55、0.01から0.55、0.05から0.55、0.1から0.55、0.2から0.55、0.3から0.55、0.4から0.55、0.45から0.55、0.001から0.5、0.005から0.5、0.01から0.05から0.5、0.1から0.5、0.2から0.5、0.3から0.5、0.4から0.5、0.5から0.55、0.45から0.5、0.001から0.4、0.005から0.4、0.01から0.4、0.05から0.4、0.1から0.4、0.2から0.4、0.001から0.3、0.005から0.3、0.01から0.3、0.05から0.3、0.1から0.3、0.001から0.2、0.005から0.2、0.01から0.2、0.05から0.2、または0.1から0.2内の値を有する。
【0122】
いくつかの実施形態において、xは、包括的に範囲0.1から0.9内の値を有する。いくつかの実施形態において、xは、包括的に範囲0.001から0.6、0.005から0.6、0.001から0.4、または0.001から0.2内の値を有する。いくつかの実施形態において、xは、包括的に範囲0.001から0.6内の値を有する。いくつかの実施形態において、xは、包括的に範囲0.001から0.5内の値を有する。いくつかの実施形態において、xは、包括的に範囲0.001から0.4内の値を有する。いくつかの実施形態において、xは、包括的に範囲0.001から0.3内の値を有する。いくつかの実施形態において、xは、包括的に範囲0.001から0.2内の値を有する。いくつかの実施形態において、xは、包括的に範囲0.01から0.6内の値を有する。
【0123】
いくつかの実施形態において、xは、包括的に範囲0.01から0.5内の値を有する。いくつかの実施形態において、xは、包括的に範囲0.01から0.4内の値を有する。いくつかの実施形態において、xは、包括的に範囲0.01から0.3内の値を有する。いくつかの実施形態において、xは、包括的に範囲0.01から0.2内の値を有する。いくつかの実施形態において、xは、包括的に範囲0.1から0.8内の値を有する。いくつかの実施形態において、xは、包括的に範囲0.1から0.7内の値を有する。いくつかの実施形態において、xは、包括的に範囲0.1から0.6内の値を有する。いくつかの実施形態において、xは、包括的に範囲0.1から0.5内の値を有する。いくつかの実施形態において、xは、包括的に範囲0.1から0.4内の値を有する。
【0124】
いくつかの実施形態において、xは、包括的に範囲0.1から0.3内の値を有する。いくつかの実施形態において、xは、包括的に範囲0.1から0.2内の値を有する。いくつかの実施形態において、xは、包括的に範囲0.2から0.8内の値を有する。いくつかの実施形態において、xは、包括的に範囲0.2から0.7内の値を有する。いくつかの実施形態において、xは、包括的に範囲0.2から0.6内の値を有する。いくつかの実施形態において、xは、包括的に範囲0.2から0.5内の値を有する。いくつかの実施形態において、xは、包括的に範囲0.2から0.4内の値を有する。いくつかの実施形態において、xは、包括的に範囲0.2から0.3内の値を有する。いくつかの実施形態において、xは、包括的に範囲0.3から0.8内の値を有する。
【0125】
いくつかの実施形態において、xは、包括的に範囲0.3から0.7内の値を有する。いくつかの実施形態において、xは、包括的に範囲0.3から0.6内の値を有する。いくつかの実施形態において、xは、包括的に範囲0.3から0.5内の値を有する。いくつかの実施形態において、xは、包括的に範囲0.3から0.4内の値を有する。いくつかの実施形態において、xは、包括的に範囲0.4から0.8内の値を有する。いくつかの実施形態において、xは、包括的に範囲0.4から0.7内の値を有する。いくつかの実施形態において、xは、包括的に範囲0.4から0.6内の値を有する。いくつかの実施形態において、xは、包括的に範囲0.4から0.5内の値を有する。
【0126】
いくつかの実施形態において、xは、少なくとも0.001及び0.999未満である。いくつかの実施形態において、xは、少なくとも0.001及び0.9未満である。いくつかの実施形態において、xは、少なくとも0.001及び0.6未満である。いくつかの実施形態において、xは、少なくとも0.001及び0.5未満である。いくつかの実施形態において、xは、少なくとも0.001及び0.4未満である。いくつかの実施形態において、xは、少なくとも0.001及び0.3未満である。いくつかの実施形態において、xは、少なくとも0.001及び0.2未満である。いくつかの実施形態において、xは、少なくとも0.001及び0.05未満である。いくつかの実施形態において、xは、少なくとも0.01及び0.5未満である。いくつかの実施形態において、xは、少なくとも0.01及び0.4未満である。
【0127】
いくつかの実施形態において、xは、少なくとも0.01及び0.3未満である。いくつかの実施形態において、xは、少なくとも0.01及び0.2未満である。いくつかの実施形態において、xは、少なくとも0.1及び0.5未満である。いくつかの実施形態において、xは、少なくとも0.1及び0.4未満である。いくつかの実施形態において、xは、少なくとも0.1及び0.3未満である。いくつかの実施形態において、xは、少なくとも0.1及び0.2未満である。
【0128】
いくつかの実施形態において、xは、約0.001、0.005、0.01、0.05、0.1、0.15、0.2、0.25、0.3、0.35、0.4、0.41、0.42、0.43、0.44、0.45、0.46、0.47、0.48、0.49、0.5、0.51、0.52、0.53、0.54、0.55、0.56、0.57、0.58、0.59、0.6、0.65、0.7、0.8、0.9、0.95、0.99、または約0.999の値を有する。いくつかの実施形態において、xは、約0.001の値を有する。いくつかの実施形態において、xは、約0.005の値を有する。いくつかの実施形態において、xは、約0.01の値を有する。
【0129】
いくつかの実施形態において、xは、約0.05の値を有する。いくつかの実施形態において、xは、約0.1の値を有する。いくつかの実施形態において、xは、約0.15の値を有する。いくつかの実施形態において、xは、約0.2の値を有する。いくつかの実施形態において、xは、約0.3の値を有する。いくつかの実施形態において、xは、約0.4の値を有する。いくつかの実施形態において、xは、約0.41の値を有する。いくつかの実施形態において、xは、約0.42の値を有する。いくつかの実施形態において、xは、約0.43の値を有する。いくつかの実施形態において、xは、約0.44の値を有する。いくつかの実施形態において、xは、約0.45の値を有する。いくつかの実施形態において、xは、約0.46の値を有する。いくつかの実施形態において、xは、約0.47の値を有する。
【0130】
いくつかの実施形態において、xは、約0.48の値を有する。いくつかの実施形態において、xは、約0.49の値を有する。いくつかの実施形態において、xは、約0.5の値を有する。いくつかの実施形態において、xは、約0.51の値を有する。いくつかの実施形態において、xは、約0.52の値を有する。いくつかの実施形態において、xは、約0.53の値を有する。いくつかの実施形態において、xは、約0.54の値を有する。いくつかの実施形態において、xは、約0.55の値を有する。いくつかの実施形態において、xは、約0.56の値を有する。いくつかの実施形態において、xは、約0.57の値を有する。いくつかの実施形態において、xは、約0.58の値を有する。いくつかの実施形態において、xは、約0.59の値を有する。いくつかの実施形態において、xは、約0.6の値を有する。いくつかの実施形態において、xは、約0.7の値を有する。いくつかの実施形態において、xは、約0.8の値を有する。いくつかの実施形態において、xは、約0.9の値を有する。いくつかの実施形態において、xは、約0.99の値を有する。
【0131】
いくつかの実施形態において、xは、0.001~0.200である。いくつかの実施形態において、xは、0.201~0.400である。いくつかの実施形態において、xは、0.401~0.600である。いくつかの実施形態において、xは、0.601~0.800である。いくつかの実施形態において、xは、0.801~0.999である。
【0132】
いくつかの実施形態において、xは、約0.05である。いくつかの実施形態において、xは、約0.25である。いくつかの実施形態において、xは、約0.50である。いくつかの実施形態において、xは、約0.75である。いくつかの実施形態において、xは、約0.80である。いくつかの実施形態において、xは、約0.85である。いくつかの実施形態において、xは、約0.90である。いくつかの実施形態において、xは、約0.95である。
【0133】
いくつかの実施形態において、yは、約3.5である。いくつかの実施形態において、yは、約3.75である。いくつかの実施形態において、yは、約4.0である。いくつかの実施形態において、yは、約4.25である。いくつかの実施形態において、yは、約4.5である。いくつかの実施形態において、yは、約4.75である。いくつかの実施形態において、yは、約5.0である。いくつかの実施形態において、yは、約5.5である。いくつかの実施形態において、yは、約6.0である。いくつかの実施形態において、yは、約6.5である。いくつかの実施形態において、yは、約7.0である。いくつかの実施形態において、yは、約7.5である。いくつかの実施形態において、yは、約8.0である。いくつかの実施形態において、yは、約8.5である。いくつかの実施形態において、yは、約9.0である。いくつかの実施形態において、yは、約9.5である。いくつかの実施形態において、yは、約10.0である。いくつかの実施形態において、yは、約10.5である。いくつかの実施形態において、yは、約11.0である。いくつかの実施形態において、yは、約11.5である。いくつかの実施形態において、yは、約12.0である。
【0134】
いくつかの実施形態において、Zは、ホウ素である。いくつかの実施形態において、Zは、ベリリウムである。いくつかの実施形態において、Zは、ケイ素である。
【0135】
いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W1-xVxB4を含む。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W1-xCrxB4を含む。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W1-xNbxB4を含む。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W1-xMoxB4を含む。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W1-xTaxB4を含む。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、W1-xRexB4を含む。
【0136】
特定の実施形態において、熱力学的に安定な四ホウ化タングステン複合マトリクスを生成する方法であって、本方法は、
a)加圧室にホウ素(B)及びタングステン(W)の混合物を添加することであって、ホウ素対タングステンの比は、4から11.9当量の間のホウ素対1当量のタングステンである、添加することと;
b)混合物を圧縮して、圧縮原料混合物を形成することと;
c)圧縮原料混合物を反応容器に添加することと;
d)反応容器に真空を適用すること、反応容器を不活性ガスでフラッシングすること、またはそれらの組み合わせによって反応容器内に不活性雰囲気を作り出すことと;
e)反応容器を約1200℃から約2200℃の間の温度に加熱して、熱力学的に安定なWB4複合マトリクスを形成することと、を含む、方法が本明細書においてさらに開示されている。
【0137】
いくつかの実施形態において、混合物は、電気アーク炉、誘導炉、または任意に放電プラズマ焼結機を備えたホットプレスにおいて加熱、溶解または焼結される。
【0138】
いくつかの実施形態において、反応は、固相反応である。いくつかの実施形態において、反応は、混合物中の少なくとも1つの成分の部分的な溶解を必要とする。いくつかの実施形態において、反応は、混合物中の少なくとも1つの成分の完全な溶解を必要とする。
【0139】
特定の実施形態において、酸化耐性複合マトリクスを生成する方法が本明細書に記載されている。いくつかの実施形態において、酸化耐性複合マトリクスを調製する方法は、(a)ホウ素及び金属を一緒に十分な時間混合して、粉末混合物を生成することと;(b)粉末混合物を、ペレットを形成するのに十分な圧力下で圧縮することと;(c)複合マトリクスを生成するのに十分な温度でペレットを焼結、加熱、または溶解することと、を含む。
【0140】
いくつかの実施形態、例えば、式(II)の複合マトリクス、式(III)の複合マトリクス、式(IV)の複合マトリクス、熱力学的に安定な四ホウ化タングステン複合マトリクス、及び/または酸化耐性複合マトリクスを生成するための本明細書に記載されている方法は、不活性雰囲気または真空下における元素の混合物の焼結、加熱、または溶解を必要とする。いくつかの実施形態において、混合物を反応容器へ移した後、あらゆる加熱に先立って、不活性または真空雰囲気が導入される。いくつかの実施形態において、反応容器に真空が適用される。いくつかの実施形態において、真空は、少なくとも10分、20分、30分以上適用される。いくつかの実施形態において、反応容器から酸素が除去される。いくつかの実施形態において、反応容器から少なくとも99%の酸素を除去するのに十分な時間真空が適用される。
【0141】
いくつかの実施形態において、不活性雰囲気は、ヘリウム、アルゴンまたは窒素などの不活性ガスである。いくつかの実施形態において、反応容器は、不活性雰囲気を作り出すために不活性ガスでパージされる。いくつかの実施形態において、反応容器は、反応容器から酸素を除去するために真空の適用及び反応容器の不活性ガスによるフラッシングの少なくとも1サイクルに供される。ある場合には、反応容器は、反応容器から酸素を除去するために真空の適用及び反応容器の不活性ガスによるフラッシングの2、3、4、5、6サイクル以上に供される。ある場合に、この処理は、所望の酸素レベルが持続されるまで繰り返される。
【0142】
いくつかの実施形態において、ホウ素が溶解し、他の金属を溶かして、液体溶液を形成するまで、混合物は加熱される。いくつかの実施形態において、液体ホウ素は、金属を溶かさず、混合物は、ホウ素及び金属が溶解する、例えば、ホウ素及び金属の少なくとも80%、85%、90%、95%、99%、または100%が溶解するまで加熱される。いくつかの実施形態において、いくらかの量のホウ素(例えば、10%未満、5%、1%、0.5%、または0.1%のホウ素)は、加熱の間に揮発する。
【0143】
いくつかの実施形態において、混合時間は、約5分から約6時間である。いくつかの実施形態において、混合時間は、約5分、約10分、約15分、約20分、約30分、約45分、約1時間、約1.5時間、約2時間、約3時間、約4時間、約5時間、または約6時間である。いくつかの実施形態において、混合時間は、少なくとも5分以上である。いくつかの実施形態において、混合時間は、約10分以上である。いくつかの実施形態において、混合時間は、約20分以上である。いくつかの実施形態において、混合時間は、約30分以上である。いくつかの実施形態において、混合時間は、約45分以上である。いくつかの実施形態において、混合時間は、約1時間以上である。いくつかの実施形態において、混合時間は、約2時間以上である。いくつかの実施形態において、混合時間は、約3時間以上である。いくつかの実施形態において、混合時間は、約4時間以上である。いくつかの実施形態において、混合時間は、約5時間以上である。いくつかの実施形態において、混合時間は、約6時間以上である。いくつかの実施形態において、混合時間は、約8時間以上である。いくつかの実施形態において、混合時間は、約10時間以上である。いくつかの実施形態において、混合時間は、約12時間以上である。
【0144】
いくつかの実施形態において、ペレットを形成するために最大36,000psiの圧力が利用される。いくつかの実施形態において、圧力は、最大34,000psiである。いくつかの実施形態において、圧力は、最大32,000psiである。いくつかの実施形態において、圧力は、最大30,000psiである。いくつかの実施形態において、圧力は、最大28,000psiである。いくつかの実施形態において、圧力は、最大26,000psiである。いくつかの実施形態において、圧力は、最大24,000psiである。いくつかの実施形態において、圧力は、最大22,000psiである。いくつかの実施形態において、圧力は、最大20,000psiである。いくつかの実施形態において、圧力は、最大18,000psiである。いくつかの実施形態において、圧力は、最大16,000psiである。いくつかの実施形態において、圧力は、最大15,000psiである。いくつかの実施形態において、圧力は、最大14,000psiである。いくつかの実施形態において、圧力は、最大10,000psiである。いくつかの実施形態において、圧力は、最大8,000psiである。いくつかの実施形態において、圧力は、最大5,000psiである。いくつかの実施形態において、圧力は、最大3,000psiである。いくつかの実施形態において、圧力は、最大2,000psiである。いくつかの実施形態において、圧力は、最大1,000psiである。
【0145】
いくつかの実施形態において、ペレットは、液圧プレスを使用して圧縮される。いくつかの実施形態において、粉末は、1~20トンの荷重下で圧縮される。いくつかの実施形態において、粉末は、2~18トンの荷重下で圧縮される。いくつかの実施形態において、粉末は、4~16トンの荷重下で圧縮される。いくつかの実施形態において、粉末は、6~14トンの荷重下で圧縮される。いくつかの実施形態において、粉末は、8~12トンの荷重下で圧縮される。いくつかの実施形態において、粉末は、9~11トンの荷重下で圧縮される。
【0146】
いくつかの実施形態において、ペレットは、液圧プレスを使用して圧縮される。いくつかの実施形態において、粉末は、1トンの荷重下で圧縮される。いくつかの実施形態において、粉末は、2トンの荷重下で圧縮される。いくつかの実施形態において、粉末は、3トンの荷重下で圧縮される。いくつかの実施形態において、粉末は、4トンの荷重下で圧縮される。いくつかの実施形態において、粉末は、5トンの荷重下で圧縮される。いくつかの実施形態において、粉末は、6トンの荷重下で圧縮される。いくつかの実施形態において、粉末は、7トンの荷重下で圧縮される。いくつかの実施形態において、粉末は、8トンの荷重下で圧縮される。いくつかの実施形態において、粉末は、9トンの荷重下で圧縮される。いくつかの実施形態において、粉末は、10トンの荷重下で圧縮される。いくつかの実施形態において、粉末は、11トンの荷重下で圧縮される。いくつかの実施形態において、粉末は、12トンの荷重下で圧縮される。いくつかの実施形態において、粉末は、13トンの荷重下で圧縮される。いくつかの実施形態において、粉末は、14トンの荷重下で圧縮される。いくつかの実施形態において、粉末は、15トンの荷重下で圧縮される。いくつかの実施形態において、粉末は、20トンの荷重下で圧縮される。いくつかの実施形態において、金属及びホウ素は、ペレットではない形態に圧縮される。
【0147】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載の方法は、元素の混合物の焼結、加熱、または溶解をさらに含む。いくつかの実施形態において、混合物は、混ぜ合わされたものである。いくつかの実施形態において、焼結、加熱、または溶解は、複合マトリクスを形成する。いくつかの実施形態において、焼結、加熱、または溶解中の温度は、1000℃から4000℃である。いくつかの実施形態において、焼結、加熱、または溶解中の温度は、1100℃から3600℃である。いくつかの実施形態において、焼結、加熱、または溶解中の温度は、1200℃から2200℃である。いくつかの実施形態において、焼結、加熱、または溶解中の温度は、1300℃から2200℃である。いくつかの実施形態において、焼結、加熱、または溶解中の温度は、1400℃から2200℃である。いくつかの実施形態において、焼結、加熱、または溶解中の温度は、1000℃から1800℃である。
【0148】
いくつかの実施形態において、焼結、加熱、または溶解中の温度は、1000℃から1700℃である。いくつかの実施形態において、焼結、加熱、または溶解中の温度は、1200℃から1800℃である。いくつかの実施形態において、焼結、加熱、または溶解中の温度は、1300℃から1700℃である。いくつかの実施形態において、焼結、加熱、または溶解中の温度は、1000℃から1600℃である。いくつかの実施形態において、焼結、加熱、または溶解中の温度は、1500℃から1800℃である。いくつかの実施形態において、焼結、加熱、または溶解中の温度は、1500℃から1700℃である。いくつかの実施形態において、焼結、加熱、または溶解中の温度は、1500℃から1600℃である。いくつかの実施形態において、焼結、加熱、または溶解中の温度は、1600℃から2200℃である。いくつかの実施形態において、焼結、加熱、または溶解中の温度は、1600℃から1900℃である。
【0149】
いくつかの実施形態において、焼結、加熱、または溶解中の温度は、1600℃から1800℃である。いくつかの実施形態において、焼結、加熱、または溶解中の温度は、1600℃から1700℃である。いくつかの実施形態において、焼結、加熱、または溶解中の温度は、1700℃から2200℃である。いくつかの実施形態において、焼結、加熱、または溶解中の温度は、1700℃から1900℃である。いくつかの実施形態において、焼結、加熱、または溶解中の温度は、1700℃から1800℃である。いくつかの実施形態において、焼結、加熱、または溶解中の温度は、1800℃から2000℃である。いくつかの実施形態において、焼結、加熱、または溶解中の温度は、1800℃から1900℃である。いくつかの実施形態において、焼結、加熱、または溶解中の温度は、1900℃から2200℃である。
【0150】
いくつかの実施形態において、焼結、加熱または溶解のための温度は、約1000℃、約1100℃、約1200℃、約1300℃、約1400℃、約1500℃、約1600℃、約1700℃、約1800℃、約1900℃、約2000℃、約2100℃、約2200℃、または約2300℃である。いくつかの実施形態において、温度は、約1000℃である。いくつかの実施形態において、温度は、約1100℃である。いくつかの実施形態において、温度は、約1200℃である。いくつかの実施形態において、温度は、約1300℃である。いくつかの実施形態において、温度は、約1400℃である。いくつかの実施形態において、温度は、約1500℃である。いくつかの実施形態において、温度は、約1600℃である。いくつかの実施形態において、温度は、約1700℃である。いくつかの実施形態において、温度は、約1800℃である。いくつかの実施形態において、温度は、約1900℃である。いくつかの実施形態において、温度は、約2000℃である。いくつかの実施形態において、温度は、約2100℃である。いくつかの実施形態において、温度は、約2200℃である。いくつかの実施形態において、温度は、約2300℃である。
【0151】
いくつかの実施形態において、混合物は、約5分、10分、15分、20分、30分、60分、90分、120分、180分、240分、300分、360分、420分、480分、540分以上加熱される。
【0152】
いくつかの実施形態において、加熱は、標的温度にるつぼを加熱することまたは組成物を加熱することにより行われる。いくつかの実施形態において、るつぼまたは反応の加熱は、1分当たり約1℃の速度で行われる。いくつかの実施形態において、るつぼまたは反応の加熱は、1分当たり約5℃の速度で行われる。いくつかの実施形態において、るつぼまたは反応の加熱は、1分当たり約10℃の速度で行われる。いくつかの実施形態において、るつぼまたは反応の加熱は、1分当たり約15℃の速度で行われる。いくつかの実施形態において、るつぼまたは反応の加熱は、1分当たり約20℃の速度で行われる。いくつかの実施形態において、るつぼまたは反応の加熱は、1分当たり約25℃の速度で行われる。いくつかの実施形態において、るつぼまたは反応の加熱は、1分当たり約30℃の速度で行われる。
【0153】
いくつかの実施形態において、るつぼまたは反応の加熱は、1分当たり約35℃の速度で行われる。いくつかの実施形態において、るつぼまたは反応の加熱は、1分当たり約40℃の速度で行われる。いくつかの実施形態において、るつぼまたは反応の加熱は、1分当たり約45℃の速度で行われる。いくつかの実施形態において、るつぼまたは反応の加熱は、1分当たり約50℃の速度で行われる。いくつかの実施形態において、るつぼまたは反応の加熱は、1分当たり約55℃の速度で行われる。いくつかの実施形態において、るつぼまたは反応の加熱は、1分当たり約60℃の速度で行われる。いくつかの実施形態において、るつぼまたは反応の加熱は、1分当たり約65℃の速度で行われる。いくつかの実施形態において、るつぼまたは反応の加熱は、1分当たり約70℃の速度で行われる。いくつかの実施形態において、るつぼまたは反応の加熱は、1分当たり約75℃の速度で行われる。いくつかの実施形態において、るつぼまたは反応の加熱は、1分当たり約80℃の速度で行われる。いくつかの実施形態において、るつぼまたは反応の加熱は、1分当たり約90℃の速度で行われる。いくつかの実施形態において、るつぼまたは反応の加熱は、1分当たり約100℃の速度で行われる。
【0154】
いくつかの実施形態において、るつぼまたは反応の加熱は、約1℃から約100℃の速度で行われる。いくつかの実施形態において、るつぼまたは反応の加熱は、少なくとも約1℃の速度で行われる。いくつかの実施形態において、るつぼまたは反応の加熱は、最大約100℃の速度で行われる。
【0155】
いくつかの実施形態において、るつぼまたは反応の加熱は、約1℃から約5℃、約1℃から約10℃、約1℃から約20℃、約1℃から約30℃、約1℃から約40℃、約1℃から約50℃、約1℃から約60℃、約1℃から約70℃、約1℃から約80℃、約1℃から約90℃、約1℃から約100℃、約5℃から約10℃、約5℃から約20℃、約5℃から約30℃、約5℃から約40℃、約5℃から約50℃、約5℃から約60℃、約5℃から約70℃、約5℃から約80℃、約5℃から約90℃、約5℃から約100℃、約10℃から約20℃、約10℃から約30℃、約10℃から約40℃、約10℃から約50℃、約10℃から約60℃、約10℃から約70℃、約10℃から約80℃、約10℃から約90℃、約10℃から約100℃、約20℃から約30℃、約20℃から約40℃、約20℃から約50℃、約20℃から約60℃、約20℃から約70℃、約20℃から約80℃、約20℃から約90℃、約20℃から約100℃、約30℃から約40℃、約30℃から約50℃、約30℃から約60℃、約30℃から約70℃、約30℃から約80℃、約30℃から約90℃、約30℃から約100℃、約40℃から約50℃、約40℃から約60℃、約40℃から約70℃、約40℃から約80℃、約40℃から約90℃、約40℃から約100℃、約50℃から約60℃、約50℃から約70℃、約50℃から約80℃、約50℃から約90℃、約50℃から約100℃、約60℃から約70℃、約60℃から約80℃、約60℃から約90℃、約60℃から約100℃、約70℃から約80℃、約70℃から約90℃、約70℃から約100℃、約80℃から約90℃、約80℃から約100℃、または約90℃から約100℃の速度で行われる。
【0156】
いくつかの実施形態において、加熱は、標的温度にるつぼを加熱することまたは組成物を加熱することにより行われる。反応またはるつぼの温度は、その後、ある期間保持される。いくつかの実施形態において、反応またはるつぼは、約5分、10分、15分、20分、30分、60分、90分、120分、180分、240分、300分、360分、420分、480分、540分以上標的温度に保持される。
【0157】
いくつかの実施形態において、焼結、加熱、または溶解は、電流を使用して行われる。いくつかの実施形態において、溶解は、アーク溶解によって行われる。いくつかの実施形態において、アーク溶解は、50アンペア(A)以上の電流(I)により行われる。いくつかの実施形態において、アーク溶解は、60A以上のIにより行われる。いくつかの実施形態において、アーク溶解は、65A以上のIにより行われる。いくつかの実施形態において、アーク溶解は、70A以上のIにより行われる。いくつかの実施形態において、アーク溶解は、75A以上のIにより行われる。いくつかの実施形態において、アーク溶解は、80A以上のIにより行われる。いくつかの実施形態において、アーク溶解は、90A以上のIにより行われる。いくつかの実施形態において、アーク溶解は、100A以上のIにより行われる。
【0158】
いくつかの実施形態において、アーク炉電極は、グラファイトまたはタングステン金属製である。いくつかの実施形態において、反応容器は、水冷される。
【0159】
いくつかの実施形態において、アーク溶解は、不活性ガス雰囲気において実施される。いくつかの実施形態において、アーク溶解は、アルゴン雰囲気において実施される。いくつかの実施形態において、アーク溶解は、ヘリウム雰囲気において実施される。いくつかの実施形態において、アーク溶解は、窒素雰囲気において実施される。
【0160】
いくつかの実施形態において、アーク溶解は、0.01~10分間実施される。いくつかの実施形態において、アーク溶解は、0.01~8分間実施される。いくつかの実施形態において、アーク溶解は、0.01~6分間実施される。いくつかの実施形態において、アーク溶解は、0.01~5分間実施される。いくつかの実施形態において、アーク溶解は、0.01~4分間実施される。いくつかの実施形態において、アーク溶解は、0.5~3分間実施される。いくつかの実施形態において、アーク溶解は、0.8~2.5分間実施される。いくつかの実施形態において、アーク溶解は、1~2分間実施される。
【0161】
いくつかの実施形態において、アーク溶解は、混合物が溶解するまで実施される。混合物の溶解は、視覚的に、または混合物の性質の変化、例えば、耐性、熱容量、熱流、もしくは温度の変化によって観察されてもよい。いくつかの実施形態において、アーク溶解は、混合物が部分的に溶解するまで実施される。いくつかの実施形態において、アーク溶解は、混合物の大部分が溶解するまで実施される。いくつかの実施形態において、アーク溶解は、混合物が完全に溶解するまで実施される。いくつかの実施形態において、アーク溶解は、混合物が少なくとも50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%、または99%溶解するまで実施される。いくつかの実施形態において、アーク溶解は、混合物が約50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%、または99%溶解するまで実施される。
【0162】
いくつかの実施形態において、焼結は、室温で行われる。ある場合には、焼結は、約23℃から27℃の間の温度範囲で行われる。ある場合には、焼結は、約24℃、約25℃、または約26℃の温度で行われる。
【0163】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載されている焼結、加熱、または溶解は、高温及び高圧、例えば、高温圧縮を伴う。高温圧縮は、圧力及び高温の同時印加を伴うプロセスであり、これは、材料(例えば、本明細書に記載されている複合マトリクス)の高密度化の速度を加速することができる。いくつかの実施形態において、1000℃から2200℃の温度及び最大36,000psiの圧力が高温圧縮中に使用される。いくつかの実施形態において、加熱は、プラズマ放電焼結によって達成される。
【0164】
他の実施形態において、本明細書に記載されている焼結ステップは、高圧及び室温、例えば、常温圧縮を伴う。そのような実施形態において、最大36,000psiの圧力が使用される。
【0165】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載されている焼結、加熱、または溶解は、炉において行われる。いくつかの実施形態において、炉は、誘導炉である。いくつかの実施形態において、誘導炉は、電磁誘導によって加熱される。いくつかの実施形態において、電磁誘導のために使用される電磁放射は、電波の周波数及び波長を有する。いくつかの実施形態において、電磁誘導のために使用される電磁放射は、約3Hzから約300GHzの周波数及び1mmから10,000kmの波長を有する。いくつかの実施形態において、周波数は、約3Hzから約30Hzである。いくつかの実施形態において、周波数は、約30Hzから約300Hzである。
【0166】
いくつかの実施形態において、周波数は、約300Hzから約3000Hzである。いくつかの実施形態において、周波数は、約3kHzから約30kHzである。いくつかの実施形態において、周波数は、約30kHzから約300kHzである。いくつかの実施形態において、周波数は、約300kHzから約3000kHzである。いくつかの実施形態において、周波数は、約3MHzから約30MHzである。いくつかの実施形態において、周波数は、約30MHzから約300MHzである。いくつかの実施形態において、周波数は、約300MHzから約3000MHzである。いくつかの実施形態において、周波数は、約3GHzから約30GHzである。いくつかの実施形態において、周波数は、約30GHzから約300GHzである。
【0167】
いくつかの実施形態において、反応容器は、炭素グラファイトでライニングされ、これは、10~50kHzの周波数の電磁放射によって誘導加熱される。いくつかの実施形態において、周波数は、約50Hzから約400kHzである。いくつかの実施形態において、周波数は、約60Hzから約400kHzである。いくつかの実施形態において、周波数は、約100Hzから約400kHzである。いくつかの実施形態において、周波数は、約1kHzから約400kHzである。いくつかの実施形態において、周波数は、約10kHzから約300kHzである。
【0168】
いくつかの実施形態において、周波数は、約50kHzから約200kHzである。いくつかの実施形態において、周波数は、約100kHzから約200kHzである。いくつかの実施形態において、周波数は、約1kHzから約50kHzである。いくつかの実施形態において、周波数は、約50kHzから約100kHzである。
【0169】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載されている加熱または溶解は、従来の炉において行われる。いくつかの実施形態において、従来の炉は、金属コイルの使用または燃焼によりるつぼまたはサンプルを加熱する。
【0170】
いくつかの実施形態において、原料混合物は、加熱時に酸素及び炭素と反応する。電気アーク炉、誘導炉、従来の炉、高温圧縮またはプラズマ焼結による混合物の加熱は、原料混合物の大部分が酸素または炭素と接触していない必要がある。いくつかの実施形態において、反応混合物(圧縮または別の方法)は、絶縁材料によって反応室から任意に遮蔽される。いくつかの実施形態において、反応混合物は、電気絶縁材料によって反応室から任意に遮蔽される。いくつかの実施形態において、混合物の表面の最大約95%、90%、85%、80%、70%、60%、50%、40%、30%以下は、電気絶縁材料によって反応室から任意に遮蔽される。いくつかの実施形態において、絶縁材料は、六方晶窒化ホウ素(h-BN)を含む。いくつかの実施形態において、絶縁材料は、炭素を含まない。いくつかの実施形態において、圧縮原料混合物は、任意に六方晶窒化ホウ素を含む電気絶縁材料によってアーク炉電極から遮蔽される。
【0171】
いくつかの実施形態において、反応室は、ライナーによって反応混合物から分離される。いくつかの実施形態において、ライナーは、h-BNライナーである。いくつかの実施形態において、ライナーは、金属ライナーである。いくつかの実施形態において、ライナーは、1つ以上の遷移金属から構成される。いくつかの実施形態において、金属ライナーは、第4族、第5族、第6族、または第7族遷移金属を含む。いくつかの実施形態において、金属ライナーは、以下の元素の少なくとも1つを含む:Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Tc、及びRe。いくつかの実施形態において、金属ライナーは、Nb、Ta、Mo、またはWを含む。いくつかの実施形態において、金属ライナーは、Nbを含む。いくつかの実施形態において、金属ライナーは、Taを含む。いくつかの実施形態において、金属ライナーは、Moを含む。いくつかの実施形態において、金属ライナーは、Wを含む。
【0172】
いくつかの実施形態において、ライナーは、約0.05mmの厚さを有する。いくつかの実施形態において、ライナーは、約0.10mmの厚さを有する。いくつかの実施形態において、ライナーは、約0.15mmの厚さを有する。いくつかの実施形態において、ライナーは、約0.20mmの厚さを有する。いくつかの実施形態において、ライナーは、約0.25mmの厚さを有する。いくつかの実施形態において、ライナーは、約0.30mmの厚さを有する。いくつかの実施形態において、ライナーは、約0.05mmの厚さを有する。いくつかの実施形態において、ライナーは、約0.35mmの厚さを有する。いくつかの実施形態において、ライナーは、約0.40mmの厚さを有する。いくつかの実施形態において、ライナーは、約0.05mmの厚さを有する。いくつかの実施形態において、ライナーは、約0.45mmの厚さを有する。いくつかの実施形態において、ライナーは、約0.50mmの厚さを有する。いくつかの実施形態において、ライナーは、約0.75mmの厚さを有する。いくつかの実施形態において、ライナーは、約1.0mmの厚さを有する。いくつかの実施形態において、ライナーは、約5.0mmの厚さを有する。いくつかの実施形態において、ライナーは、約10.0mmの厚さを有する。
【0173】
いくつかの実施形態において、ライナーは、約0.05mm以上の厚さを有する。いくつかの実施形態において、ライナーは、約0.10mm以上の厚さを有する。いくつかの実施形態において、ライナーは、約0.15mm以上の厚さを有する。いくつかの実施形態において、ライナーは、約0.20mm以上の厚さを有する。いくつかの実施形態において、ライナーは、約0.25mm以上の厚さを有する。いくつかの実施形態において、ライナーは、約0.30mm以上の厚さを有する。いくつかの実施形態において、ライナーは、約0.05mm以上の厚さを有する。いくつかの実施形態において、ライナーは、約0.35mm以上の厚さを有する。いくつかの実施形態において、ライナーは、約0.40mm以上の厚さを有する。いくつかの実施形態において、ライナーは、約0.05mm以上の厚さを有する。いくつかの実施形態において、ライナーは、約0.45mm以上の厚さを有する。いくつかの実施形態において、ライナーは、約0.50mm以上の厚さを有する。いくつかの実施形態において、ライナーは、約0.75mm以上の厚さを有する。いくつかの実施形態において、ライナーは、約1.0mm以上の厚さを有する。いくつかの実施形態において、ライナーは、約5.0mm以上の厚さを有する。いくつかの実施形態において、ライナーは、約10.0mm以上の厚さを有する。
【0174】
いくつかの実施形態において、混合物は、アーク溶解、誘導炉、または従来の炉によって完全に溶解され、冷まされる。冷却の速度は、複合マトリクス内に生じる微結晶のサイズの一因となる。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、10,000マイクロメートル未満のサイズの微結晶から構成される。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、1000マイクロメートル未満のサイズの微結晶から構成される。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、500マイクロメートル未満のサイズの微結晶から構成される。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、400マイクロメートル未満のサイズの微結晶から構成される。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、300マイクロメートル未満のサイズの微結晶から構成される。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、200マイクロメートル未満のサイズの微結晶から構成される。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、100マイクロメートル未満のサイズの微結晶から構成される。
【0175】
いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、75マイクロメートル未満のサイズの微結晶から構成される。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、50マイクロメートル未満のサイズの微結晶から構成される。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、25マイクロメートル未満のサイズの微結晶から構成される。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、20マイクロメートル未満のサイズの微結晶から構成される。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、10マイクロメートル未満のサイズの微結晶から構成される。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、5マイクロメートル未満のサイズの微結晶から構成される。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、4マイクロメートル未満のサイズの微結晶から構成される。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、3マイクロメートル未満のサイズの微結晶から構成される。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、2マイクロメートル未満のサイズの微結晶から構成される。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、1マイクロメートル未満のサイズの微結晶から構成される。
【0176】
いくつかの実施形態において、反応容器は、水冷される。いくつかの実施形態において、反応容器は、グラファイトライニングされている。
【0177】
いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、結晶性である。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、表3において見られるWB4のX線粉末回折パターンで確認される1つ以上のピークを含むX線粉末回折パターンを示す。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、約24.2に少なくとも1つのX線粉末回折パターンのピークを示す。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、約34.5に少なくとも1つのX線粉末回折パターンのピークを示す。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、約45.1に少なくとも1つのX線粉末回折パターンのピークを示す。
【0178】
いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、約47.5に少なくとも1つのX線粉末回折パターンのピークを示す。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、約61.8に少なくとも1つのX線粉末回折パターンのピークを示す。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、約69.2に少なくとも1つのX線粉末回折パターンのピークを示す。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、約69.4に少なくとも1つのX線粉末回折パターンのピークを示す。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、約79.7に少なくとも1つのX線粉末回折パターンのピークを示す。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、約89.9に少なくとも1つのX線粉末回折パターンのピークを示す。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、約110.2に少なくとも1つのX線粉末回折パターンのピークを示す。
【0179】
いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、約34.5または約45.1に少なくとも1つのX線粉末回折パターンのピークを示す。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、約47.5、約61.8、約69.2、約69.4、約79.7、約89.9、約または約110.2に少なくとも1つのX線粉末回折パターンのピークを示す。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、約24.2、約28.1、約34.5、約42.5、約45.1、約47.5、約55.9、約61.8、約69.2、約69.4±0.2、79.7、約89.9、または約110.2に少なくとも1つのX線粉末回折パターンのピークを示す。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、約24.2、約28.1、約34.5、約42.5、約45.1、約47.5、約55.9、約61.8、約69.2、約69.4±0.2、79.7、約89.9、または約110.2に少なくとも2つのX線粉末回折パターンのピークを示す。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、約24.2、約28.1、約34.5、約42.5、約45.1、約47.5、約55.9、約61.8、約69.2、約69.4±0.2、79.7、約89.9、または約110.2に少なくとも3つのX線粉末回折パターンのピークを示す。
【0180】
いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、約24.2、約28.1、約34.5、約42.5、約45.1、約47.5、約55.9、約61.8、約69.2、約69.4±0.2、79.7、約89.9、または約110.2に少なくとも4つのX線粉末回折パターンのピークを示す。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、約24.2、約28.1、約34.5、約42.5、約45.1、約47.5、約55.9、約61.8、約69.2、約69.4±0.2、79.7、約89.9、または約110.2に少なくとも5つのX線粉末回折パターンのピークを示す。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、約24.2、約28.1、約34.5、約42.5、約45.1、約47.5、約55.9、約61.8、約69.2、約69.4±0.2、79.7、約89.9、または約110.2に少なくとも6つのX線粉末回折パターンのピークを示す。
【0181】
ツール及び研磨材
摩耗及び断裂は、ツール及び機械の通常の使用の一部である。例えば、摩損、凝着摩耗、摩滅、拡散摩耗、疲労摩耗、エッジチッピング(または早期摩耗)、及び酸化摩耗(または腐食摩耗)を含むさまざまなタイプの摩耗メカニズムがある。摩損は、切れ端などの硬い粒子または破片が切断ツールの表面上を通過するか、またはすり減らすときに起こる。凝着摩耗または摩滅は、破片がツールから微小な断片を取り除くときに起こる。拡散摩耗は、結晶格子の原子が高濃度の領域から低濃度の領域に移動するときに起こり、その移動はツールの表面構造を脆弱にする。疲労摩耗は、2つの表面が高圧下で互いに接触して滑り動くときに微小なレベルで起こり、表面クラックを生じる。エッジチッピングまたは早期摩耗は、ツールの表面から材料が小さく破壊され外れるときに起こる。酸化摩耗または腐食摩耗は、ツールの表面と酸素の間の化学反応の結果として起こる。
【0182】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載されている複合マトリクス(例えば、式(I)の複合マトリクス、式(II)の複合マトリクス、式(III)の複合マトリクス、及び/または式(IV)の複合マトリクス)は、ツールまたは研磨材を作製、改変、またはコーティングするために使用される。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されている複合マトリクス(例えば、式(I)の複合マトリクス、式(II)の複合マトリクス、式(III)の複合マトリクス、及び/または式(IV)の複合マトリクス)は、ツールまたは研磨材の表面にコーティングされる。いくつかの実施形態において、ツールまたは研磨材の表面は、本明細書に記載されている複合マトリクス(例えば、式(I)の複合マトリクス、式(II)の複合マトリクス、式(III)の複合マトリクス、及び/または式(IV)の複合マトリクス)を用いて改変される。いくつかの実施形態において、ツールまたは研磨材の表面は、本明細書に記載されている複合マトリクス(例えば、式(I)の複合マトリクス、式(II)の複合マトリクス、式(III)の複合マトリクス、及び/または式(IV)の複合マトリクス)を含む。
【0183】
いくつかの実施形態において、ツールまたは研磨材は、切断ツールを含む。いくつかの実施形態において、ツールまたは研磨材は、切断、穴開け、エッチング、製版、研削、彫刻、または艶だしのためのツールまたはツールの構成要素を含む。いくつかの実施形態において、ツールまたは研磨材は、メタルボンド研磨ツール、例えば、メタルボンド研磨ホイールまたは研削ホイールなどを含む。いくつかの実施形態において、ツールまたは研磨材は、穴開けツールを含む。いくつかの実施形態において、ツールまたは研磨材は、ドリルビット、インサートまたはダイスを含む。いくつかの実施形態において、ツールまたは研磨材は、ダウンホールツール類に使用されるツールまたは構成要素を含む。いくつかの実施形態において、ツールまたは研磨材は、エッチングツールを含む。いくつかの実施形態において、ツールまたは研磨材は、製版ツールを含む。いくつかの実施形態において、ツールまたは研磨材は、研削ツールを含む。いくつかの実施形態において、ツールまたは研磨材は、彫刻ツールを含む。いくつかの実施形態において、ツールまたは研磨材は、艶だしツールを含む。
【0184】
特定の用語
別に定義されない限り、本明細書において使用されるすべての技術及び科学用語は、特許請求される主題が属する分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。詳細な説明は、例であり、説明のためのものに過ぎず、特許請求されるいかなる主題も限定されないことが理解されるべきである。本出願において、単数の使用は、別に具体的に明記されない限り複数を含む。本明細書において使用される場合、単数形「a」、「an」及び「the」は、文脈が明らかに別のことを規定していない限り複数の指示対象を含むことに留意すべきである。本出願において、「または(or)」の使用は、別に指定されない限り、「及び/または」を意味する。さらに、「含むこと(including)」という用語ならびに「含む(include)」、「含む(includes)」及び「含まれる(included)」などのその他の形態の使用は、非限定的である。
【0185】
本開示のさまざまな特徴が1つの実施形態の文脈で記載されている場合もあるが、特徴は、個別にまたは任意の適した組み合わせで提供されてもよい。反対に、明確にするために、本開示が個別の複数の実施形態の文脈で本明細書に記載されている場合もあるが、本開示は1つの実施形態に実装されてもよい。
【0186】
本明細書における「いくつかの実施形態」、「ある実施形態」、「一実施形態」、「別の実施形態」または「他の実施形態」という言及は、その実施形態と関連して記載されている個々の特徴、構造、または特性が本開示の少なくとも一部の実施形態に含まれるが、必ずしもすべての実施形態に含まれる訳ではないことを意味する。
【0187】
本明細書中で使用される場合、範囲及び量は、「約」特定の値または範囲として表される場合がある。約は、厳密な量も含む。したがって、「約5GPa」は、「約5GPa」を意味し、「5GPa」も意味する。一般に、「約」という用語は、実験誤差の範囲内であると予測されるであろう量、例えば、±5%、±10%または±15%を含む。いくつかの実施形態において、「約」は、±5%を含む。いくつかの実施形態において、「約」は、±10%を含む。いくつかの実施形態において、「約」は、±15%を含む。いくつかの実施形態において、2シータにおけるX線粉末回折ピークを言及する場合、「約」という用語は、±0.2オングストロームを含む。
【0188】
「部分的に」という用語は、95%未満である量を示すことが意図される。
【0189】
「完全に」という用語は、95%以上である量を示すことが意図される。
【0190】
「熱力学的に安定な」または「安定な」という用語は、23℃及び1気圧の圧力の環境で化学平衡にある物質の状態を示す。本明細書に記載されている安定な状態は、23℃及び1気圧においてエネルギーを消費も、放出もしない。
【0191】
「複合マトリクス」及び「複合物」という用語は、同義に使用することができ、少なくとも1つの成分が上記の変数M及びxを伴う結晶性W1-xMxB4である原子の集団を指す。結晶性W1-xMxB4の少なくとも1つの成分は、本明細書において開示されているとおりのX線粉末回折ピークを示す。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、結晶性W1-xMxB4を含む。いくつかの実施形態において、複合マトリクスは、基本的に結晶性W1-xMxB4からなる。
【0192】
本明細書中で使用される節の見出しは、系統化のために過ぎず、記載されている主題を限定するものと解釈されるべきではない。
【実施例】
【0193】
これらの実施例は、説明のためのみに提供され、本明細書において示される特許請求の範囲を限定するものではない。
【0194】
実施例1.X線回折
CuKαX線照射(λ=1.5418Å)を利用してBruker D8 Discover粉末X線回折計(Bruker Corporation、Germany)において粉末XRDを行った。以下のスキャンパラメーターを使用した:5~100° 2θ範囲、0.3秒の1ステップ当たりの時間、0.1055°/秒のスキャン速度で0.0353°のステップサイズ。粉末X線回折データ中に存在する相を確認するために、Joint Committee on Powder Diffraction Standards(JCPDS)データベースを利用した。UltraDry EDS検出器(Thermo Scientific、U.S.A.)を備えたFEI Nova 230高分解能走査型電子顕微鏡(FEI Company、U.S.A.)においてサンプルの組成及び純度を測定した。単位胞パラメーターを求めるためにMaudソフトウェアを利用してリートベルト法を行った。
【0195】
表1は、アーク溶解によって多様なホウ素対金属の比で調製したWB4に関する単位胞データ、密度及び%相を示す。「純粋な」WB
4
の密度は、8.5~9.5g/cm3の間であり、これには、粒界に沈殿する過剰なホウ素は入らないであろう。「現実世界」のサンプルの場合、配合がW:B=1:10(最大1:12)であるような過剰なホウ素があると、サンプルは、5.15g/cm3の密度を有することになる。粒界の結晶性ホウ素の存在によりホウ素含有量が増加するため密度が低下する。ホウ素は、2.29g/cm3の密度を有するため、加重平均がシフトして、総合密度を低下させる。
【0196】
四ホウ化タングステンの結晶構造(P6
3/mmc)を
図1に示す。タングステン原子を黒で示し、ホウ素原子は、部分的な占有を示すために半分灰色で半分が塗られた原子で示す。多様なホウ素組成物でアーク溶解によって調製したWB
4のX線粉末ディフラクトグラムを
図2に示す。W:Bのすべての比で四ホウ化タングステンが生じ、二ホウ化タングステン、WB
2は、1:9.0未満のW:B比で出現する。
【0197】
【0198】
表中、括弧内に標準偏差を示し、%相値は、SEM像の領域解析から算出し、XRDからの四ホウ化タングステン相の密度は、8.40g/cm3である。
【0199】
密度(ρ)測定は、空気中及び補助液(エタノール)中でサンプルの重量を測定することによって、密度測定キット(Mettler-Toledo、U.S.A.)を利用して実施し、以下の式を使用して密度を算出した。
【0200】
【0201】
式中、Aは、空気中のサンプルの重量であり、Bは、補助液(エタノール)中のサンプルの重量であり、ρ0は、補助液の密度(エタノール - 0.789g/cm3)であり、ρLは、空気の密度(0.0012g/cm3)である。
【0202】
これらのデータは、四ホウ化タングステン相がタングステン対ホウ素のあらゆる比で存在することを示している。さらに、いかなる副次的なタングステン・ホウ素相も伴わないWB4が1:11.6から1:9.0のW:B比で容易に調製できるが、使用される化学量論のために、過剰な結晶性ホウ素(β-菱面体晶ホウ素)がサンプル中に存在することになる。相図からわかるとおり、低級ホウ化物相、二ホウ化タングステンは、1:11.6以下のW:B比で出現し、pXRDから、二ホウ化物ピークは、1:8.5以下のW:B比で現れる。タングステン・ホウ素系に関する相図を分析して、四ホウ化タングステンが不一致溶融相及び包晶分解生成物であるため、1:4の名目上の組成W:Bの溶解物を冷却するときに過剰なホウ素と共存する可能性があることに留意すべきである。表1は、WB4に関する単位胞データを示し、これは、11.6から4.5のホウ素比に関して、四ホウ化タングステン相に対する格子定数に顕著な変化がないことを示す。
【0203】
表2は、アーク溶解によって4.5対1のホウ素対金属の比で調製したW
1-xTa
xB
4に関する単位胞データを示す。
図2に示されるW
1-xTa
xB
4のX線粉末ディフラクトグラム。四ホウ化タングステンは、Taのすべての濃度で生じ、二ホウ化タングステン、WB
2は、25at.%Taのタンタル含有量でなくなり、可視のTaB
2のピークは、50at.%Taのタンタル含有量で出現する。W
0.668Ta
0.332B
4の組成を有するサンプルは、WB
4のピークのみを含む。
【0204】
【0205】
表中、括弧内に標準偏差を示す。
【0206】
表3は、本明細書において開示されている方法によって合成した結晶性WB4から収集したX線粉末回折データを示す。表3は、ミラー指数(h,k,l)、距離(オングストローム)、及び2シータ(度)に換算した各回折ピークの位置を含む。表3はまた、2シータ=24.232に位置する回折ピークと比較した各回折ピークの相対強度も含む。回折データは、銅放射線源(λ=1.5418Å)を利用したX線回折計を用いて293Kで収集した。
【0207】
【0208】
図3は、アーク溶解によって、4.5対1のホウ素対金属の比で調製したW
1-xTa
xB
4のX線粉末ディフラクトグラムを示す。
【0209】
図4は、アーク溶解によって、4.5対1のホウ素対金属の比で調製したW
1-xNb
xB
4のX線粉末ディフラクトグラムを示す。四ホウ化タングステンは、Nbのすべての濃度で生じる。二ホウ化タングステン、WB
2は、33.2at.%Nbのニオブ含有量でなくなり、可視のNbB
2のピークは、33.2at.%Nbのニオブ含有量で出現する。
【0210】
図5は、アーク溶解によって、4.5対1のホウ素対金属の比で調製したW
1-xV
xB
4のX線粉末ディフラクトグラムを示す。四ホウ化タングステンは、Vのすべての濃度で生じる。可視のVB
2のピークは、33.3at.%Vのバナジウム含有量で出現する。
【0211】
図6は、アーク溶解によって、4.5対1のホウ素対金属の比で調製したW
1-xMo
xB
4のX線粉末ディフラクトグラムを示す。1:4.5のM:B比で調製したW
1-xMo
xB
4の合金の粉末XRDパターン(15~80° 2Θ)。モリブデンも類似の結晶構造MoB
4を有する四ホウ化物を生じるため、四ホウ化タングステンはMoのすべての濃度で生じる。Moのすべての濃度で二ホウ化タングステン、WB
2が存在し、MoB
2は、約50at.%Moで生じる。
【0212】
図7は、アーク溶解によって、4.5対1のホウ素対金属の比で調製したW
1-xRe
xB
4のX線粉末ディフラクトグラムを示す。1:4.5のM:B比で調製したW
1-xRe
xB
4の合金の粉末XRDパターン(15~80° 2Θ)。四ホウ化タングステンは、0~41.5at.%ReのReの濃度で生じる。0~25.0at.%ReのReの濃度で二ホウ化タングステン、WB
2が存在し、ReB
2は、Reのすべての濃度で生じる。
【0213】
図8は、アーク溶解によって、4.5対1のホウ素対金属の比で調製したW
1-xCr
xB
4のX線粉末ディフラクトグラムを示す。1:4.5のM:B比で調製したW
1-xCr
xB
4の合金の粉末XRDパターン(15~80° 2Θ)。四ホウ化タングステンは、0~41.5at.%CrのCrの濃度で生じる。0~41.5at.%CrのReの濃度で二ホウ化タングステン、WB
2が存在し、CrB
2は、25~50at.%CrのCrのすべての濃度で生じる。
【0214】
実施例2.熱分析
熱重量分析を実施するためにPyris Diamond TGA/DTAユニット(TG-DTA、Perkin-Elmer Instruments、U.S.A.)を利用し、それぞれ以下の加熱プロフィールを用いた:空気中において20℃/分の速度で25から200℃に加熱、200℃で30分間保持して、あらゆる水分を除去、2℃/分の速度で200から1000℃に加熱、1000℃で2時間保持及び5℃/分の速度で1000から25℃に冷却。得られた相(複数可)を特定するために、その後、XRD分析を実施した。
【0215】
図9は、空気中における熱重量分析によって判定した1:11.6及び1:9.0のW:B比で調製した四ホウ化タングステン合金の熱安定性を示す。これらのデータは、これら両方の合金が、補外開始法(W:B=11.6のWB
4に対しては約450℃及びW:B=1:9.0に対しては約465℃)を使用して約455℃の温度に安定であることを示している。
【0216】
実施例3.硬度測定
ピラミッド型のダイヤモンド圧子先端部を備えたロードセル式マルチビッカース硬度計(Leco、U.S.A.)を使用して研磨したサンプルに対して硬度測定を行った。0.49、0.98、1.96、2.94及び4.9Nの各印加荷重下で、サンプル表面の無作為に選択された箇所に10個のへこみを作った。500×の倍率で高分解能光学顕微鏡、Zeiss Axiotech 100HD(Carl Zeiss Vision GmbH、Germany)を使用してへこみの対角線の長さを測定した。下記式を使用してビッカース硬度値(Hv、GPa単位)を算出し、各荷重当たり10個のすべてのへこみの値を平均した。
【0217】
【0218】
式中、dは、マイクロメートル単位の各へこみの対角線の算術平均長さであり、Fは、ニュートン(N)単位の印加荷重である。
【0219】
W
1-xTa
xB
4、c-BN、ダイヤモンド、WB
4及びRe
4のビッカース微小圧痕硬度の測定値を表4に示す。多様なホウ素対金属の比で調製したWB
4のビッカース微小圧痕硬度の測定値を
図10に示す。9.0~11.6対1のB:W比で調製したWB
4の硬度は、0.49Nで約40GPa以上の硬度を有する。
【0220】
【0221】
実施例4.走査電子顕微鏡法及びエネルギー分散型X線解析(SEM及びEDS)
図11は、アーク溶解によって、4.5から11.6の多様なホウ素含有量で調製したWB
4のSEM像を示す。黒い領域は、ホウ素に対応し、灰色の領域は、金属相(四及び二ホウ化タングステン)に対応する。1:8.5を超えるW:Bのサンプルに関しては、四ホウ化タングステン及びホウ素のみが存在し、1:8.5未満のW:Bのサンプルに関しては、WB
2(薄い灰色の領域)が四ホウ化タングステンの横に見られる。すべての画像は、1000×の倍率で取得し、画像中のスケールバーは100μmである。
【0222】
図12は、W:B=1:4.5の比のWB
4の合金の表面のSEM像を示す。黒い領域は、ホウ素に対応し、灰色の領域は、金属相:四ホウ化タングステン(濃い灰色)及びWB
2(薄い灰色)に対応する。画像は、1000×(左)、2000×(中央)及び5000×(右)の倍率で取得し、画像中のスケールバーは、それぞれ100、50及び20μmである。W:B=1:4.5の比のWB
4のサンプルに関する(下側)SEM画像及びEDSマップ(ホウ素 K線及びタングステン L線)。黒い領域は、結晶のβ-菱面体晶ホウ素(Bマップに見られる)に対応する。Wマップは、WB
2と対応するタングステンが「豊富な」領域及び四ホウ化タングステンと対応するよりタングステンが「少ない」領域を示す。画像及びマップは2000×の倍率で取得し、画像中のスケールバーは50μmである。
【0223】
W0.668、Ta0.332、B4.5合金に対するホウ素(K線)、タンタル(L線)及びタングステン(L線)のEDS元素マップを見ると、これは、金属・ホウ素相中のタンタル及びタングステンの両方の存在を示し、ホウ素が豊富な領域がβ-菱面体晶ホウ素であることがわかる。
【0224】
実施例5.電気アーク炉を用いた調製
電気アーク炉(EAF、プラズマアーク炉としても知られている)は、材料を溶解するための局部的な過熱ガスをもたらすために電流放電を使用する。これは、より高速な溶解を容易にするために導電性材料を有することが有利であるが、必須ではない。電極は、一般的にグラファイト(炭素)またはタングステン金属製である。反応容器は、金属(例えば、銅、タングステン、またはモリブデン)製であり、反応容器及び電極の両方は、水冷されなければならず、そうでなければ、それらが溶解プロセスにおいて消費されることになる。EAF合成では、反応充填物が完全に溶解される。この溶解は、化学量論が1:4を超えるM:Bである限り、四ホウ化物相の形成を促進する。反応混合物が化学量論より下である場合、これは、WB2及びWB4の混合物を生成することになる。EAF炉に関して、導電性パスの存在は、アークを出すために導電点を伴う。したがって、るつぼ/大釜は、h-BNなどの電気絶縁材料で完全にコーティングされていなくてもよい。よって、導電性炉床/大釜の部分が露出することが必要である。ある場合には、材料は、導電性パスが妨げられない限り、h-BNコーティングあり、またはなしで溶解されてもよい。
【0225】
多様なホウ素含有量のWB4の合金(1タングステンに対する11.6、10.5、10.0、9.5、9.0、8.5、8.0、7.0、6.0及び4.5のホウ素比)、ならびにTa、Nb、V、Mo、Re及びCrを含むWB4の合金を、以下を使用して調製した:タングステン(99.95%、Strem Chemicals、U.S.A.)、非晶質ホウ素(99+%、Strem Chemicals、U.S.A.)、タンタル(99.9%、Materion、U.S.A.)、ニオブ(99.8%、Strem Chemicals、U.S.A.)、バナジウム(99.5%、Strem Chemicals、U.S.A.)、モリブデン(99.9%、Strem Chemicals、U.S.A.)、レニウム(99.99%、Cerac Specialty Inorganics、now Materion)、クロム(99.9%、Research Organics/Inorganics Chemical Corp.)。これらのWB4の合金に対してM:B比を1:4.5に維持した。1-x W:x Ta:4.5B、1-x W:x Nb:4.5B、1-x W:x Mo:4.5B、1-x W:x Re:4.5B及び1-x W:x Cr:4.5Bのサンプルに関して、x=0.083、0.166、0.250、0.332、0.415及び0.500である。1-y W:y V:4.5Bに関しては、y=0.166、0.332、0.500、0.668及び0.854である。
【0226】
所望の割合の金属粉末及びホウ素を算出し、計量し、めのう乳鉢中で乳棒により混合して、確実に均質にした。その粉末の混合物を、液圧プレス(Carver)を使用して10トンの荷重下でペレットに圧縮した。これらの常温圧縮したペレットを、その後、水冷銅炉床の上のアーク溶解室に入れ、アルゴン雰囲気中でI=70アンペアの電流を使用して、t=1~2分間アーク溶解した。
【0227】
アーク炉によるWB4の合成
反応混合物(1対8.0のW対B比)を、水冷炭素(または銅)炉床を有する反応容器に入れた。炉床の部分は、炭素炉床における炭素と混合物の間の相互作用を妨げるためにh-BNでコーティングした。電気伝送のための導電性パスを設けるために、部分的な被覆のみ維持した。銅炉床を使用する場合は、h-BNコーティングを必要としない。反応容器は、独立型にした。ガス体からの酸素の除去を促進するために反応容器を真空下に入れ、およそ10分間保持し、その後、高純度アルゴンで満たして、周囲圧力に戻した。加熱の間、反応をアルゴンで動的にパージしたが、例えば、ヘリウムなどの別のシールドガスの動的な流れも使用されてもよい。静的なガス体も許容される結果を得た。電極と炉床板の間に電気アークが確立された。アンペア数/パワーが高まるにつれ、反応混合物は、溶解し始め、まとまった。混合物の溶解後、電気アークを終了し、複合物を冷ました。複合微結晶サイズは、ミリメートル台であったが、冷却速度を増加させること、または反応量を減らすことによって縮小させることが可能である。0.5gの反応量は、サブミクロンの結晶性複合物をもたらす。
【0228】
実施例6.誘導炉を用いた調製
誘導炉は、るつぼまたは原料を局所的に加熱するために調整可能な無線周波数(RF)誘導を使用する。ホウ素は、電気絶縁体であるため、大半の状況では、RFの影響を受けにくい。タングステンは、RFに影響されやすく、ある場合には、ホウ素との反応を開始するための原料に、より大きな粒子サイズが使用される。工業規模では、反応容器は、水冷され、グラファイトライニングされる。RFシステムは、一般に炭素を加熱するよう調整され、これが、物理的接触により、溶解のための材料を加熱する。反応充填物が少なくとも95%及び最大100%溶解されない場合、固相反応だけが起こることになる。グラファイトのるつぼの壁と反応充填物の直接接触は妨げる必要がある。六方晶窒化ホウ素(h-BN)は、反応充填物を炭素のるつぼの壁から物理的に分離するために使用される例となる材料である。この材料は、熱伝導であるが、電気絶縁であり、RFコイルの効果に影響を与えることはない。誘導加熱は、無線周波数の影響を受けやすい材料を必要とし、炭素は、従来、るつぼとして使用されるため、ライナーが必須である。
【0229】
誘導炉によるWB4の合成
反応混合物(1対8.0のW対B比)を、h-BNの層/コーティングで物理的に絶縁された炭素るつぼに入れるか、またはインナーh-BNるつぼを備えた炭素るつぼに入れた。反応混合物が反応混合物中の混入物質など、または反応器の壁との接触により炭素に直接曝露されると、WB2の合成が促進されることになる。存在する炭素は、タングステンにわずかに溶解でき、それにより、ホウ素と競合し、準安定の四ホウ化物相よりも二ホウ化物相を触媒する。
【0230】
ガス体からの酸素の除去を促進するために反応容器を真空下に入れ、およそ10分間保持する。反応容器を高純度アルゴンで満たして、周囲圧力に戻し、加熱を開始した。ガス体は、静的であった。加熱の増加速度は、1分当たり20℃で1700℃の温度までを目標とした。この温度を180分間保持した。保持後、電源を停止し、反応容器を冷ました。反応生成物はWB4であり、存在するWB2は最小量から検知不可能なレベルであった。生成物は、WB4のマイクロメートルサイズの微結晶(≦50μm)を生じた。
【0231】
実施例7.放電プラズマ焼結を伴うホットプレスを用いた調製
高温圧縮は、焼結を引き起こすのに十分な高温で圧粉体を形成するための高圧低ひずみプロセスである。反応混合物をあらゆる反応性材料から分離するためにh-BNライニングモールドを使用する。放電プラズマ焼結が利用される場合、高圧での導電性及び熱的加熱を可能にさせるためにグラファイトモールドを使用する。反応混合物を分離しない同等の反応と比較して、副生成物形成を最小限にするか、または低減するために反応中は反応混合物をグラファイトライニングから分離する。放電プラズマ焼結は、圧縮された反応混合物を焼結するために指向性パルスDC電流を利用する。
【0232】
ホットプレスによるWB4の合成
反応混合物(1対8.0のW対B比)を非炭素容器に充填し、それを、その後、グラファイト含有反応容器に入れ、それが、熱伝導性で、導電性の経路をもたらす。反応混合物の炭素との直接接触を避ける必要があった。反応容器は、真空及び/または不活性ガス雰囲気が存在する落ち着いた環境である。ガス体からの酸素の除去を促進するために反応容器を真空下に入れ、およそ10分間保持する。反応容器を高純度アルゴンで満たして、周囲圧力に戻し、加熱を開始した。合成は、真空下で行われてもよい。最小0.5MPaから最大50MPa以上に及ぶ機械的圧力または液圧を印加し、全合成プロセスをとおして維持した。加熱の増加速度は、1分当たり50℃で1400℃の温度までを目標とした。この温度を60分間保持した。温度での保持後、電源を停止し、反応容器を周囲温度まで冷ました。反応生成物はWB4であり、存在するWB2は最小量から検知不可能なレベルであった。
【0233】
実施例8.従来の炉を用いた調製
従来の炉は、るつぼを局所的に加熱し、原料を溶解するために金属コイルを使用する。工業規模では、反応容器は、水冷され、グラファイトライニングされる。反応充填物が少なくとも95%及び最大100%溶解されない場合、固相反応だけが起こることになる。グラファイトのるつぼの壁と反応充填物の直接接触は妨げる必要がある。六方晶窒化ホウ素(h-BN)、モリブデン、またはタングステンライナーは、反応充填物を炭素のるつぼの壁から物理的に分離するために使用される例となる材料である。
【0234】
従来の炉によりWB4の合成
反応混合物(1対8.0のW対B比)を、0.25mmの厚さを有する物理的に分離するモリブデン、タングステン、ニオブ、またはタンタルライナーを備えた炭素るつぼに入れた。ガス体からの酸素の除去を促進するために反応容器を真空下に入れ、およそ10分間保持する。反応容器を高純度アルゴンで満たして、周囲圧力に戻し、加熱を開始した。ガス体は、静的であった。加熱の増加速度は、1分当たり20℃で1700℃の温度までを目標とした。この温度を180分間保持した。保持後、反応容器を冷ました。反応生成物はWB4であり、存在するWB2は最小量から検知不可能なレベルであった。生成物は、WB4のマイクロメートルサイズの微結晶(≦50μm)を生じた。
【0235】
実験
多様なホウ素含有量のWB4の合金及びTa、Nb、V、Mo、Re及びCrを含むWB4の合金を、以下を使用して調製した:タングステン(99.95%、Strem Chemicals、U.S.A.)、非晶質ホウ素(99+%、Strem Chemicals、U.S.A.)、タンタル(99.9%、Materion、U.S.A.)、ニオブ(99.8%、Strem Chemicals、U.S.A.)、バナジウム(99.5%、Strem Chemicals、U.S.A.)、モリブデン(99.9%、Strem Chemicals、U.S.A.)、レニウム(99.99%、Cerac Specialty Inorganics、now Materion)、クロム(99.9%、Research Organics/Inorganics Chemical Corp.)。
【0236】
所望の割合の金属粉末及びホウ素を算出し、計量し、めのう乳鉢中で乳棒により混合して、確実に均質にした。その粉末の混合物を、液圧プレス(Carver)を使用して10トンの荷重下でペレットに圧縮した。これらの常温圧縮したペレットを、その後、水冷銅炉床の上のアーク溶解室に入れ、アルゴン雰囲気中でI=70アンペアの電流を使用して、t=1~2分間アーク溶解した。
【0237】
調製したサンプルをダイヤモンドソー(Ameritool Inc.、U.S.A.)を使用して二等分に切断した。一方の半分を粉末X線回折(PXRD)分析のために使用し、Plattner式破砕機を使用して粉末(<40μm)に破砕した。他方の半分は、走査電子顕微鏡法(SEM)/エネルギー分散型分光法(EDS)及びビッカース硬度試験のために使用し、エポキシ/硬化剤セット(Allied High Tech Products Inc.、U.S.A.)を使用してエポキシ中に封入した。
【0238】
光学的に平坦な表面を実現するために、半自動式研磨ステーション(South Bay Technology Inc.、U.S.A.)上でSiC研磨紙(120~1200グリットサイズ、Allied High Tech Products Inc.、U.S.A.)及びダイヤモンドフィルム(30から1マイクロメートル粒子径、South Bay Technology Inc.、U.S.A.)を使用してサンプルを研磨した。
【0239】
本開示の好適な実施形態を本明細書に示し、記載してきたが、そのような実施形態が例として示されたに過ぎないことは当業者には明らかであろう。本開示から逸脱することなく数々の変形、変更、及び置換が当業者には思い浮かぶであろう。当然のことながら、本開示を実施する際に本明細書に記載されている本開示の実施形態に対するさまざまな代替物が利用されてもよい。添付の請求項が本開示の範囲を定義し、これらの特許請求の範囲の範囲内の方法及び構造ならびにそれらの等価物がそれにより範囲に含まれることが意図される。
【0240】
番号付実施形態
以下の実施形態は、本明細書において開示されている特徴の組み合わせの非限定的変形を列挙する。特徴の組み合わせのその他の変形も意図される。特に、これらの番号付実施形態のそれぞれは、列挙されている順序とは無関係にすべての先行するまたは後続の番号付実施形態に従属するか、または関連することが意図される。
【0241】
1.複合マトリクスを調製する方法であって、十分な量のWをある量のB及び任意にMと混合して、前記複合マトリクスを形成することを含み、B対W及びMの比は、12当量未満のB対1当量のW及びMであり;前記複合マトリクスは、W1-xMxB4を含み、Wは、タングステンであり;Bは、ホウ素であり;Mは、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、ジルコニウム(Zr)、ニオブ(Nb)、モリブデン(Mo)、ルテニウム(Ru)、ハフニウム(Hf)、タンタル(Ta)、レニウム(Re)、イットリウム(Y)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)、リチウム(Li)及びアルミニウム(Al)の群から選択される少なくとも1つの元素であり;xは、0から0.999である、前記方法。
【0242】
2.前記混合することは、i)W、B、及び任意にMを混合して、混合物を形成することと、ii)前記混合物を反応容器に移すことと、iii)前記混合物を、W、B、及び任意にMの間の反応を引き起こすのに十分な温度に加熱して、前記複合マトリクスを形成することと、を含む、実施形態1に記載の方法。
【0243】
3.前記反応は、固相反応である、実施形態2に記載の方法。
4.少なくとも1つの反応成分は、部分的に溶解される、実施形態2に記載の方法。
5.少なくとも1つの反応成分は、完全に溶解される、実施形態2に記載の方法。
6.前記反応容器は、前記混合物を前記反応容器に移した後だが、前記混合物を加熱する前に不活性雰囲気下にさらに供される、実施形態2に記載の方法。
7.前記不活性雰囲気を作り出すために酸素が前記反応容器から除去される、実施形態6に記載の方法。
【0244】
8.前記不活性雰囲気を作り出すために前記反応容器に真空が適用される、実施形態6~7のいずれか1つに記載の方法。
9.前記反応容器から少なくとも99%の酸素を除去するのに十分な時間、前記真空が適用される、実施形態8に記載の方法。
10.前記真空は、少なくとも10分、20分、30分以上適用される、実施形態8または9に記載の方法。
11.前記反応容器は、前記不活性雰囲気を作り出すために不活性ガスでパージされ る、実施形態2~10のいずれか1つに記載の方法。
12.前記不活性ガスは、アルゴン、窒素、またはヘリウムを含む、実施形態11に記載の方法。
【0245】
13.前記反応容器は、前記反応容器から酸素を除去するために真空の適用及び前記反応容器の不活性ガスによるフラッシングの少なくとも1サイクルに供される、実施形態2~12のいずれか1つに記載の方法。
14.前記混合物は、約1200℃から約2200℃の間の温度に加熱される、実施形態2~13のいずれか1つに記載の方法。
15.前記混合物は、約1400℃、1500℃、1600℃、1700℃、1800℃、2000℃、2100℃、または約2200℃の温度に加熱される、実施形態14に記載の方法。
【0246】
16.前記混合物は、約15分、90分、120分、180分、240分、360分以上加熱される、実施形態2~15のいずれか1つに記載の方法。
17.前記混合物は、電気アーク炉によって加熱される、実施形態2~16のいずれか1つに記載の方法。
18.前記電気アーク炉の反応容器は、前記混合物を前記反応容器に移した後だが、前記混合物を加熱する前に不活性雰囲気に供される、実施形態17に記載の方法。
【0247】
19.前記不活性雰囲気は、前記反応容器に真空を適用すること、前記反応容器を不活性ガスでフラッシングすることまたは任意のそれらの組み合わせのいずれかによって作り出される、実施形態17または18に記載の方法。
20.前記反応容器は、電気絶縁材料で任意にコーティングされる、実施形態17~19のいずれか1つに記載の方法。
【0248】
21.前記反応容器の表面の最大約95%、90%、85%、80%、70%、60%、50%、40%、30%以下は、前記電気絶縁材料で任意にコーティングされる、実施形態20に記載の方法。
22.前記絶縁材料は、六方晶窒化ホウ素(h-BN)を含む、実施形態20または21に記載の方法。
【0249】
23.前記混合物は、液体溶液が形成されるまで加熱される、実施形態17~22のいずれか1つに記載の方法。
24.前記混合物は、誘導炉によって加熱される、実施形態2~16のいずれか1つに記載の方法。
25.前記誘導炉は、電磁誘導によって加熱される、実施形態24に記載の方法。
【0250】
26.電磁誘導のために使用される電磁放射は、電波の周波数及び波長を有する、実施形態25に記載の方法。
27.前記混合物は、高温圧縮によって加熱される、実施形態2~16のいずれか1つに記載の方法。
28.前記混合物は、プラズマ放電焼結によって加熱される、実施形態2~16のいずれか1つに記載の方法。
【0251】
29.反応容器は、前記混合物を前記反応容器に移した後だが、前記混合物を加熱する前に不活性雰囲気に供される、実施形態25~28のいずれか1つに記載の方法。
30.前記不活性雰囲気は、前記反応容器に真空を適用することまたは前記反応容器を不活性ガスでフラッシングすることのいずれかと組み合わせて前記反応容器から酸素を除去することによって作り出される、実施形態25~29のいずれか1つに記載の方法。
【0252】
31.前記不活性ガスは、高純度アルゴンである、実施形態30に記載の方法。
32.Mは、群:バナジウム(V)、クロム(Cr)、ニオブ(Nb)、モリブデン(Mo)、タンタル(Ta)、及びレニウム(Re)から選択される少なくとも1つの元素である、実施形態1~31のいずれか1つに記載の方法。
33.xは、0である、実施形態1~31のいずれか1つに記載の方法。
【0253】
34.B対Wの比は、約11.9から約9当量の間のB対1当量のWである、実施形態33に記載の方法。
35.B対Wの比は、約11.6、約11、約10.5、約10、約9.5、または約9当量のB対1当量のWである、実施形態34に記載の方法。
36.xは、0.001から0.999である、実施形態1~32のいずれか1つに記載の方法。
【0254】
37.xは、0.201~0.400である、実施形態36に記載の方法。
38.xは、0.401~0.600である、実施形態36に記載の方法。
39.xは、0.601~0.800である、実施形態36に記載の方法。
40.xは、0.801~0.999である、実施形態36に記載の方法。
41.B対W及びMの比は、5当量未満のB対1当量のW及びMである、実施形態37~40のいずれか1つに記載の方法。
【0255】
42.前記複合マトリクスは、W1-xVxB4を含む、実施形態41に記載の方法。
43.前記複合マトリクスは、W1-xCrxB4を含む、実施形態41に記載の方法。
44.前記複合マトリクスは、W1-xNbxB4を含む、実施形態41に記載の方法。
45.前記複合マトリクスは、W1-xMoxB4を含む、実施形態41に記載の方法。
46.前記複合マトリクスは、W1-xTaxB4を含む、実施形態41に記載の方法。
【0256】
47.前記複合マトリクスは、W1-xRexB4を含む、実施形態41に記載の方法。
48.前記複合マトリクスは、WB4を含む、実施形態35に記載の方法。
49.前記複合マトリクスは、1:11.6のW対B比で形成される、実施形態48に記載の方法。
50.前記複合マトリクスは、450℃未満で酸化耐性を有する、実施形態49に記載の方法。
【0257】
51.前記複合マトリクスは、1:10.5のW対B比で形成される、実施形態48に記載の方法。
52.前記複合マトリクスは、1:9.0のW対B比で形成される、実施形態48に記載の方法。
53.前記複合マトリクスは、465℃未満で酸化耐性を有する、実施形態52に記載の方法。
54.前記複合マトリクスは、4.0g/cm3以上の密度を有する、実施形態1~53のいずれか1つに記載の方法。
【0258】
55.前記方法は、金属副生成物をさらに形成する、実施形態1~54のいずれか1つに記載の方法。
56.前記金属副生成物は、二ホウ化タングステンまたは一ホウ化タングステンである、実施形態55に記載の方法。
57.前記金属副生成物は、前記複合マトリクスのパーセンテージに対して10%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、0.1%、0.05%、または0.01%未満である、実施形態55に記載の方法。
【0259】
58.熱力学的に安定な四ホウ化タングステン複合マトリクスを生成する方法であって、f)加圧室に前記混合物を添加する際の、ホウ素対タングステンの比は、4から11.9当量の間のホウ素対1当量のタングステンにすることと;g)前記混合物を圧縮して、圧縮原料混合物を形成することと;h)前記圧縮原料混合物を反応容器に添加することと;i)前記反応容器に真空を適用すること、前記反応容器を不活性ガスでフラッシングすること、またはそれらの組み合わせによって前記反応容器内に不活性雰囲気を作り出すことと;j)前記反応容器を約1200℃から約2200℃の間の温度に加熱して、前記熱力学的に安定なWB
4
複合マトリクスを形成することと、を含む、前記方法。
【0260】
59.前記圧縮原料混合物は、電気アーク炉によって加熱される、実施形態58に記載の方法。
60.前記アーク炉電極は、グラファイトまたはタングステン金属を含む、実施形態59に記載の方法。
61.前記反応容器は、電気絶縁材料で任意にコーティングされる、実施形態60に記載の方法。
【0261】
62.前記反応容器の表面の最大約95%、90%、85%、80%、70%、60%、50%、40%、30%以下は、前記電気絶縁材料で任意にコーティングされる、実施形態61に記載の方法。
63.前記絶縁材料は、六方晶窒化ホウ素(h-BN)を含む、実施形態61または62に記載の方法。
64.前記絶縁材料は、炭素を含まない、実施形態61または62に記載の方法。
【0262】
65.前記圧縮原料混合物は、任意に六方晶窒化ホウ素を含む前記電気絶縁材料によって前記アーク炉電極から遮蔽される、実施形態59~64のいずれか1つに記載の方法。
66.前記複合マトリクスは、1000マイクロメートル未満のサイズの粒子または微結晶から構成される、実施形態59~65のいずれか1つに記載の方法。
67.前記複合マトリクスは、100マイクロメートル未満のサイズの粒子または微結晶から構成される、実施形態59~65のいずれか1つに記載の方法。
【0263】
68.前記複合マトリクスは、50マイクロメートル未満のサイズの粒子または微結晶から構成される、実施形態59~65のいずれか1つに記載の方法。
69.前記複合マトリクスは、10マイクロメートル未満のサイズの粒子または微結晶から構成される、実施形態59~65のいずれか1つに記載の方法。
70.前記複合マトリクスは、1マイクロメートル未満のサイズの粒子または微結晶から構成される、実施形態59~65のいずれか1つに記載の方法。
71.前記圧縮原料混合物は、誘導炉によって加熱される、実施形態58に記載の方法。
【0264】
72.前記誘導炉は、電磁誘導によって加熱される、実施形態71に記載の方法。
73.電磁誘導のために使用される電磁放射は、電波の周波数を有する、実施形態72に記載の方法。
74.前記混合物は、高温圧縮によって加熱される、実施形態58に記載の方法。
75.前記混合物は、プラズマ放電焼結によって加熱される、実施形態58に記載の方法。
76.前記反応容器は、水冷される、実施形態71~75のいずれか1つに記載の方法。
【0265】
77.前記反応容器は、グラファイトライニングされている、実施形態71~75のいずれか1つに記載の方法。
78.グラファイトは、前記反応容器内で加熱される、実施形態77に記載の方法。
79.前記圧縮原料混合物は、任意に六方晶窒化ホウ素を含む電気絶縁材料によって前記グラファイトライニング反応容器から遮蔽される、実施形態78に記載の方法。
80.前記複合マトリクスは、500マイクロメートル未満のサイズの微結晶から構成される、実施形態71~79のいずれか1つに記載の方法。
【0266】
81.前記複合マトリクスは、200マイクロメートル未満のサイズの微結晶から構成される、実施形態71~79のいずれか1つに記載の方法。
82.前記複合マトリクスは、50マイクロメートル未満のサイズの微結晶から構成される、実施形態71~79のいずれか1つに記載の方法。
83.前記複合マトリクスの密度は、約5.0g/cm3から約7.0g/cm3の間である、実施形態58~82のいずれか1つに記載の方法。
84.前記複合マトリクスの密度は、約5.1g/cm3から約6.2g/cm3の間である、実施形態83に記載の方法。
85.前記複合マトリクスは、1:11.6のW対B比で形成される、実施形態58~84のいずれか1つに記載の方法。
【0267】
86.前記複合マトリクスは、450℃未満で酸化耐性を有する、実施形態85に記載の方法。
87.前記複合マトリクスは、1:10.5のW対B比で形成される、実施形態58~84のいずれか1つに記載の方法。
88.前記複合マトリクスは、1:9.0のW対B比で形成される、実施形態58~84のいずれか1つに記載の方法。
89.前記複合マトリクスは、465℃未満で酸化耐性を有する、実施形態88に記載の方法。
90.前記複合マトリクスは、4.0g/cm3以上の密度を有する、実施形態58~89のいずれか1つに記載の方法。
【0268】
91.式(II):W1-xMxB4(II)の複合マトリクスを生成する方法であって、Wは、タングステンであり;Bは、ホウ素であり;Mは、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、ジルコニウム(Zr)、ニオブ(Nb)、モリブデン(Mo)、ルテニウム(Ru)、ハフニウム(Hf)、タンタル(Ta)、レニウム(Re)、イットリウム(Y)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)、リチウム(Li)及びアルミニウム(Al)の群から選択される少なくとも1つの元素であり;xは、0.001から0.999であり;前記方法は、f)加圧室にホウ素、タングステン及びMの混合物を添加することであって、ホウ素対タングステン及びMの比は、3.5から5.0当量の間のホウ素対1当量のタングステン及びMである、前記添加することと;g)前記混合物を圧縮して、圧縮原料混合物を形成することと;h)前記圧縮原料混合物を反応容器に添加することと;i)前記反応容器に真空を適用すること、前記反応容器を不活性ガスでフラッシングすること、またはそれらの組み合わせによって前記反応容器内に不活性雰囲気を作り出すことと;j)前記反応容器を約1200℃から約2200℃の間の温度に加熱して、式(II)の前記複合マトリクスを形成することと、を含む、前記方法。
【0269】
92.前記圧縮原料混合物は、電気アーク炉によって加熱される、実施形態91に記載の方法。
93.前記アーク炉電極は、グラファイトまたはタングステン金属製である、実施形態92に記載の方法。
94.前記圧縮原料混合物は、任意に六方晶窒化ホウ素を含む電気絶縁材料によって前記アーク炉電極から部分的に遮蔽される、実施形態92~93のいずれか1つに記載の方法。
95.前記複合マトリクスは、100マイクロメートル未満のサイズの粒子または微結晶から構成される、実施形態92~93のいずれか1つに記載の方法。
【0270】
96.前記複合マトリクスは、50マイクロメートル未満のサイズの粒子または微結晶から構成される、実施形態92~93のいずれか1つに記載の方法。
97.前記複合マトリクスは、10マイクロメートル未満のサイズの粒子または微結晶から構成される、実施形態92~93のいずれか1つに記載の方法。
98.前記複合マトリクスは、1マイクロメートル未満のサイズの微結晶から構成される、実施形態92~93のいずれか1つに記載の方法。
99.前記圧縮原料混合物は、誘導炉によって加熱される、実施形態91に記載の方法。
100.前記誘導炉は、電磁誘導によって加熱される、実施形態99に記載の方法。
【0271】
101.電磁誘導のために使用される電磁放射は、電波の周波数を有する、実施形態100に記載の方法。
102.前記混合物は、高温圧縮によって加熱される、実施形態91に記載の方法。
103.前記混合物は、プラズマ放電焼結によって加熱される、実施形態91に記載の方法。
104.前記反応容器は、水冷される、実施形態99~103のいずれか1つに記載の方法。
105.前記反応容器は、グラファイトライニングされている、実施形態99~104のいずれか1つに記載の方法。
【0272】
106.高周波誘導は、炭素に合わせられ、前記グラファイトは、前記反応容器内で加熱される、実施形態105に記載の方法。
107.前記圧縮原料混合物は、任意に六方晶窒化ホウ素を含む電気絶縁材料によって前記グラファイトライニング反応容器から遮蔽される、実施形態99~106のいずれか1つに記載の方法。
108.前記複合マトリクスは、100マイクロメートル未満のサイズの粒子または微結晶から構成される、実施形態99~107のいずれか1つに記載の方法。
109.前記複合マトリクスは、50マイクロメートル未満のサイズの粒子または微結晶から構成される、実施形態99~107のいずれか1つに記載の方法。
110.前記複合マトリクスは、10マイクロメートル未満のサイズの粒子または微結晶から構成される、実施形態99~107のいずれか1つに記載の方法。
【0273】
111.xは、0.001~0.200である、実施形態91~110のいずれか1つに記載の方法。
112.xは、0.201~0.400である、実施形態91~110のいずれか1つに記載の方法。
113.xは、0.401~0.600である、実施形態91~110のいずれか1つに記載の方法。
114.xは、0.601~0.800である、実施形態91~110のいずれか1つに記載の方法。
115.xは、0.801~0.999である、実施形態91~110のいずれか1つに記載の方法。
【0274】
116.Mは、群:バナジウム(V)、クロム(Cr)、ニオブ(Nb)、モリブデン(Mo)、タンタル(Ta)、及びレニウム(Re)から選択される少なくとも1つの元素である、実施形態91~110のいずれか1つに記載の方法。
117.前記複合マトリクスは、W1-xVxB4を含む、実施形態116に記載の方法。
118.前記複合マトリクスは、W1-xCrxB4を含む、実施形態116に記載の方法。
【0275】
119.前記複合マトリクスは、W1-xNbxB4を含む、実施形態116に記載の方法。
120.前記複合マトリクスは、W1-xMoxB4を含む、実施形態116に記載の方法。
121.前記複合マトリクスは、W1-xTaxB4を含む、実施形態116に記載の方法。
122.前記複合マトリクスは、W1-xRexB4を含む、実施形態116に記載の方法。
【0276】
123.式(III):W1-xMxB4(III)の複合マトリクスを含む複合材料を生成する方法であって、前記複合材料に対する式(III)の前記複合マトリクス及びホウ素のパーセンテージは、少なくとも95%であり、Wは、タングステンであり;Bは、ホウ素であり;Mは、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、ジルコニウム(Zr)、ニオブ(Nb)、モリブデン(Mo)、ルテニウム(Ru)、ハフニウム(Hf)、タンタル(Ta)、レニウム(Re)、イットリウム(Y)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)、リチウム(Li)及びアルミニウム(Al)の群から選択される少なくとも1つの元素であり;xは、0から0.999であり;前記方法は、h)加圧室にホウ素、タングステン、及び任意にMの混合物を添加することであって、ホウ素対タングステン及び任意にMの比は、12.0当量未満のホウ素対1当量のタングステン及び任意にMである、前記添加することと;i)前記混合物を圧縮して、圧縮原料混合物を形成することと;j)前記反応容器の内側を電気絶縁体で部分的にライニングして、絶縁反応容器を形成することと;k)前記圧縮原料混合物を前記絶縁反応容器に添加することと;l)前記絶縁反応容器に真空を適用すること、前記絶縁反応容器を不活性ガスでフラッシングすること、またはそれらの組み合わせによって前記反応容器内に不活性雰囲気を作り出すことと;m)前記圧縮原料混合物の少なくとも95%以上が溶解するまで、前記圧縮原料混合物をアーク溶解することと;n)前記絶縁反応容器を冷却して、それにより、式(III)の前記複合マトリクスを含む前記複合材料を形成することと、を含む前記方法。
【0277】
124.前記複合材料は、金属副生成物をさらに含み、任意に前記金属副生成物は、前記複合マトリクスのパーセンテージに対して4%、3%、2%、1%、0.5%、0.1%、0.05%、または0.01%未満である、実施形態123に記載の方法。
125.前記金属副生成物は、二ホウ化タングステンまたは一ホウ化タングステンである、実施形態123または124に記載の方法。
126.前記反応容器の表面の最大約95%、90%、85%、80%、70%、60%、50%、40%、30%以下は、電気絶縁材料でコーティングされる、実施形態123~125のいずれか1つに記載の方法。
【0278】
127.前記圧縮原料混合物は、任意に六方晶窒化ホウ素を含む電気絶縁材料によってアーク炉電極から部分的に遮蔽される、実施形態123~126のいずれか1つに記載の方法。
128.前記絶縁材料は、六方晶窒化ホウ素(h-BN)を含む、実施形態123~127のいずれか1つに記載の方法。
129.前記圧縮原料混合物は、電気アーク炉またはプラズマアーク炉によって溶解される、実施形態123~128のいずれか1つに記載の方法。
【0279】
130.前記アーク炉電極は、グラファイトまたはタングステン金属製である、実施形態129に記載の方法。
131.反応容器は、水冷される、実施形態123~130のいずれかに記載の方法。
132.前記反応容器の冷却速度は、制御される、実施形態123~131のいずれか1つに記載の方法。
133.前記反応容器は、周囲温度に冷まされる、実施形態123~130のいずれか1つに記載の方法。
134.前記複合マトリクスは、100マイクロメートル未満のサイズの粒子または微結晶から構成される、実施形態123~133のいずれか1つに記載の方法。
【0280】
135.前記複合マトリクスは、123~133マイクロメートル未満のサイズの粒子または微結晶から構成される、実施形態123~133のいずれか1つに記載の方法。
136.前記複合マトリクスは、10マイクロメートル未満のサイズの粒子または微結晶から構成される、実施形態123~133のいずれか1つに記載の方法。
137.前記複合マトリクスは、1マイクロメートル未満のサイズの微結晶から構成される、実施形態123~133のいずれか1つに記載の方法。
138.前記反応容器は、前記不活性雰囲気を作り出すために不活性ガスでパージされる、実施形態123~137のいずれか1つに記載の方法。
139.前記不活性ガスは、アルゴン、窒素、またはヘリウムを含む、実施形態138に記載の方法。
【0281】
140.前記反応容器は、前記反応容器から酸素を除去するために真空の適用及び前記反応容器の不活性ガスによるフラッシングの少なくとも1サイクルに供される、実施形態123~137のいずれか1つに記載の方法。
141.xは、0である、実施形態123~140のいずれか1つに記載の方法。
142.前記複合マトリクスは、WB
4
を含む、実施形態141に記載の方法。
143.B対Wの比は、約11.9から約9当量の間のB対1当量のWである、実施形態141または142に記載の方法。
【0282】
144.B対Wの比は、約11.6、約11、約10.5、約10、約9.5、または約9当量のB対1当量のWである、実施形態143に記載の方法。
145.前記複合マトリクスは、1:11.6のW対B比で形成される、実施形態144に記載の方法。
146.前記複合マトリクスは、450℃未満で酸化耐性を有する、実施形態145に記載の方法。
147.前記複合マトリクスは、1:10.5のW対B比で形成される、実施形態144に記載の方法。
148.前記複合マトリクスは、1:9.0のW対B比で形成される、実施形態144に記載の方法。
【0283】
149.前記複合マトリクスは、465℃未満で酸化耐性を有する、実施形態148に記載の方法。
150.前記複合マトリクスは、4.0g/cm3以上の密度を有する、実施形態123~149のいずれか1つに記載の方法。
151.xは、0.001から0.999である、実施形態123~140のいずれか1つに記載の方法。
【0284】
152.xは、0.201~0.400である、実施形態151に記載の方法。
153.xは、0.401~0.600である、実施形態151に記載の方法。
154.xは、0.601~0.800である、実施形態151に記載の方法。
155.xは、0.801~0.999である、実施形態151に記載の方法。
156.B対W及びMの比は、5当量未満のB対1当量のW及びMである、実施形態151~155のいずれか1つに記載の方法。
【0285】
157.Mは、群:バナジウム(V)、クロム(Cr)、ニオブ(Nb)、モリブデン(Mo)、タンタル(Ta)、及びレニウム(Re)から選択される少なくとも1つの元素である、実施形態151~156のいずれか1つに記載の方法。
【0286】
158.前記複合マトリクスは、W1-xVxB4を含む、実施形態157に記載の方法。
159.前記複合マトリクスは、W1-xCrxB4を含む、実施形態157に記載の方法。
160.前記複合マトリクスは、W1-xNbxB4を含む、実施形態157に記載の方法。
161.前記複合マトリクスは、W1-xMoxB4を含む、実施形態157に記載の方法。
162.前記複合マトリクスは、W1-xTaxB4を含む、実施形態157に記載の方法。
【0287】
163.前記複合マトリクスは、W1-xRexB4を含む、実施形態157に記載の方法。
164.式(I):W1-xMxB4(I)の化合物を含む複合マトリクスであって、Wは、タングステンであり;Bは、ホウ素であり;Mは、群:バナジウム(V)、クロム(Cr)、ニオブ(Nb)、モリブデン(Mo)、タンタル(Ta)、及びレニウム(Re)から選択される少なくとも1つの元素であり;xは、0.001から0.999である、前記複合マトリクス。
【0288】
165.xは、0.001~0.200である、実施形態144に記載の複合マトリクス。
166.xは、0.201~0.400である、実施形態144に記載の複合マトリクス。
167.xは、0.401~0.600である、実施形態144に記載の複合マトリクス。
168.xは、0.601~0.800である、実施形態144に記載の複合マトリクス。
169.xは、0.801~0.999である、実施形態144に記載の複合マトリクス。
【0289】
170.前記複合マトリクスは、W1-xVxB4である、実施形態144~149のいずれか1つに記載の複合マトリクス。
171.前記複合マトリクスは、W1-xCrxB4である、実施形態144~149のいずれか1つに記載の複合マトリクス。
172.前記複合マトリクスは、W1-xNbxB4である、実施形態144~149のいずれか1つに記載の複合マトリクス。
173.前記複合マトリクスは、W1-xMoxB4である、実施形態144~149のいずれか1つに記載の複合マトリクス。
174.前記複合マトリクスは、W1-xTaxB4である、実施形態144~149のいずれか1つに記載の複合マトリクス。
【0290】
175.前記複合マトリクスは、W1-xRexB4である、実施形態144~149のいずれか1つに記載の複合マトリクス。
176.実施形態1~56、57~89、90~121、または122~162に記載の方法によって生成される、複合マトリクス。
177.実施形態1~56、57~89、90~121、または122~162に記載の方法によって生成された、複合マトリクスを含む、ツール。