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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-06
(45)【発行日】2023-10-17
(54)【発明の名称】センサ及び電子装置
(51)【国際特許分類】
   G01C 19/5776 20120101AFI20231010BHJP
   G01C 19/5783 20120101ALI20231010BHJP
【FI】
G01C19/5776
G01C19/5783
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021028468
(22)【出願日】2021-02-25
(65)【公開番号】P2022129691
(43)【公開日】2022-09-06
【審査請求日】2023-02-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(74)【代理人】
【識別番号】110004026
【氏名又は名称】弁理士法人iX
(72)【発明者】
【氏名】丸藤 竜之介
(72)【発明者】
【氏名】小野 大騎
(72)【発明者】
【氏名】冨澤 泰
(72)【発明者】
【氏名】宮崎 史登
(72)【発明者】
【氏名】加治 志織
(72)【発明者】
【氏名】増西 桂
(72)【発明者】
【氏名】平賀 広貴
(72)【発明者】
【氏名】小川 悦治
【審査官】櫻井 仁
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-187018(JP,A)
【文献】特表2012-528335(JP,A)
【文献】特開2010-014428(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 19/00-19/72
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1センサ素子及び第2センサ素子を含むセンサ部と、
回路部と、
を備え、
前記第1センサ素子は、
第1支持部と、
前記第1支持部に支持され振動可能な第1可動部と、
前記第1可動部の振動に応じた第1信号を出力可能な第1電極であって、前記第1支持部から前記第1電極への向きは、第1方向に沿う、前記第1電極と、
前記第1可動部の前記振動に応じた第2信号を出力可能な第2電極であって、前記第1支持部から前記第2電極への方向は、前記第1方向と交差する第2方向に沿う、前記第2電極と、
を含み、
前記第2センサ素子は、
第2支持部と、
前記第2支持部に支持され振動可能な第2可動部と、
前記第2可動部の振動に応じた第3信号を出力可能な第3電極であって、前記第2支持部から前記第3電極への向きは、前記第1方向に沿う、前記第3電極と、
前記第2可動部の前記振動に応じた第4信号を出力可能な第4電極であって、前記第2支持部から前記第4電極への方向は、前記第2方向に沿う、前記第4電極と、
を含み、前記第2支持部から前記第3電極への向きは、前記第1支持部から前記第1電極への向きと逆であり前記第2支持部から前記第4電極への向きは、前記第1支持部から前記第2電極への向きと同じである、または、前記第2支持部から前記第3電極への向きは、前記第1支持部から前記第1電極への向きと同じであり前記第2支持部から前記第4電極への向きは、前記第1支持部から前記第2電極への向きと逆であり、
前記回路部は、演算部を含み、
前記演算部は、前記第1信号及び前記第2信号に基づく第1処理信号と、前記第3信号及び前記第4信号に基づく第2処理信号と、の差動演算結果を出力可能である、センサ。
【請求項2】
前記回路部は、
前記第1信号が入力される第1検出回路と、
前記第2信号が入力される第2検出回路と、
前記第3信号が入力される第3検出回路と、
前記第4信号が入力される第4検出回路と、
をさらに含み、
前記第1~第4検出回路に共通の電源が接続される、請求項1記載のセンサ。
【請求項3】
前記第1検出回路は、前記第2方向に振動する前記第1可動部に働く回転角速度による前記第1可動部の前記振動の前記第1方向の成分の振幅に応じた信号を出力可能であり、
前記第2検出回路は、前記第1方向に振動する前記第1可動部に働く前記回転角速度による前記第1可動部の前記振動の前記第2方向の成分の振幅に応じた信号を出力可能である、請求項2記載のセンサ。
【請求項4】
前記第3検出回路は、前記第2方向に振動する前記第2可動部に働く回転角速度による前記第2可動部の前記振動の前記第1方向の成分の振幅に応じた信号を出力可能であり、
前記第4検出回路は、前記第1方向に振動する前記第2可動部に働く前記回転角速度による前記第2可動部の前記振動の前記第2方向の成分の振幅に応じた信号を出力可能である、請求項2または3に記載のセンサ。
【請求項5】
前記回路部は、第1処理回路と、第2処理回路と、をさらに含み、
前記第1処理回路は、前記第1検出回路の出力及び前記第2検出回路の出力を入手して前記第1処理信号を前記演算部に供給可能であり、
前記第2処理回路は、前記第3検出回路の出力及び前記第4検出回路の出力を入手して前記第2処理信号を前記演算部に供給可能である、請求項2~4のいずれか1つに記載のセンサ。
【請求項6】
前記第1センサ素子は、第5電極及び第6電極をさらに含み、
前記第1方向において、前記第5電極と前記第1電極との間に前記第1支持部があり、
前記第2方向において、前記第6電極と前記第2電極との間に前記第1支持部があり、
前記第1可動部は、前記第5電極に印加される第1駆動信号及び前記第6電極に印加される第2駆動信号に応じて振動し、
前記第2センサ素子は、第7電極及び第8電極をさらに含み、
前記第1方向において、前記第3電極と前記第7電極との間に前記第2支持部があり、
前記第2方向において、前記第8電極と前記第4電極との間に前記第支持部があり、
前記第2可動部は、前記第7電極に印加される前記第1駆動信号及び前記第8電極に印加される前記第2駆動信号に応じて振動する、請求項1~5のいずれか1つに記載のセンサ。
【請求項7】
第1部材をさらに備え、
前記第1部材は、前記第1方向及び前記第2方向を含む平面と交差する第3方向において、前記第1センサ素子と前記第2センサ素子との間にある、請求項1~6のいずれか1つに記載のセンサ。
【請求項8】
第1部材及び第2部材をさらに備え、
前記第1センサ素子は、前記第1部材に固定され、
前記第2センサ素子は、前記第2部材に固定され、
前記第2センサ素子と前記第1センサ素子との間に前記第2部材があり、
前記第2部材と前記第1センサ素子との間に前記第1部材がある、請求項1~6のいずれか1に記載のセンサ。
【請求項9】
第1部材及び第2部材を含む筐体を備え、
前記第1センサ素子は、前記第1部材に固定され、
前記第2センサ素子は、前記第2部材に固定され、
前記第1部材と前記第2部材との間に前記第1センサ素子があり、
前記第1センサ素子と前記第2部材との間に前記第2センサ素子がある、請求項1~6のいずれか1つに記載のセンサ。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか1つに記載のセンサと、
前記センサから得られる信号に基づいて回路を制御可能な回路制御部と、
を備えた電子装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、センサ及び電子装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ジャイロセンサなどのセンサがある。センサ及び電子装置において、検出精度の向上が望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2020-187018号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の実施形態は、精度を向上できるセンサ及び電子装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施形態によれば、センサは、第1センサ素子及び第2センサ素子を含むセンサ部と、回路部と、を含む。前記第1センサ素子は、第1支持部と、前記第1支持部に支持され振動可能な第1可動部と、第1電極と、第2電極と、を含む。前記第1電極は、前記第1可動部の振動に応じた第1信号を出力可能である。前記第1支持部から前記第1電極への向きは、第1方向に沿う。前記第2電極は、前記第1可動部の前記振動に応じた第2信号を出力可能である。前記第1支持部から前記第2電極への方向は、前記第1方向と交差する第2方向に沿う。前記第2センサ素子は、第2支持部と、前記第2支持部に支持され振動可能な第2可動部と、第3電極及び第4電極を含む。前記第3電極は、前記第2可動部の振動に応じた第3信号を出力可能である。前記第2支持部から前記第3電極への向きは、前記第1方向に沿う。前記第4電極は、前記第2可動部の前記振動に応じた第4信号を出力可能である。前記第2支持部から前記第4電極への方向は、前記第2方向に沿う。前記第2支持部から前記第3電極への向きは、前記第1支持部から前記第1電極への向きと逆であり前記第2支持部から前記第4電極への向きは、前記第1支持部から前記第2電極への向きと同じである。または、前記第2支持部から前記第3電極への向きは、前記第1支持部から前記第1電極への向きと同じであり前記第2支持部から前記第4電極への向きは、前記第1支持部から前記第2電極への向きと逆である。前記回路部は、演算部を含む。前記演算部は、前記第1信号及び前記第2信号に基づく第1処理信号と、前記第3信号及び前記第4信号に基づく第2処理信号と、の差動演算結果を出力可能である。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、第1実施形態に係るセンサを例示する模式図である。
図2図2(a)~図2(d)は、第1実施形態に係るセンサを例示する模式図である。
図3図3(a)~図3(d)は、第1実施形態に係るセンサを例示する模式図である。
図4図4は、第1実施形態に係るセンサを例示する模式的断面図である。
図5図5は、第1実施形態に係るセンサを例示する模式的断面図である。
図6図6は、第1実施形態に係るセンサを例示する模式的断面図である。
図7図7は、第1実施形態に係るセンサを例示する模式的断面図である。
図8図8は、第1実施形態に係るセンサを例示する模式的断面図である。
図9図9は、第1実施形態に係るセンサを例示する模式的断面図である。
図10図10は、第2実施形態に係る電子装置を例示する模式図である。
図11図11(a)~図11(h)は、電子装置の応用を例示する模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に、本発明の各実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚さと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0008】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係るセンサを例示する模式図である。
図1に示すように、第1実施形態に係るセンサ110は、センサ部10U及び回路部70を含む。センサ部10Uは、第1センサ素子10及び第2センサ素子20を含む。
【0009】
第1センサ素子10は、第1支持部10S、第1可動部10M、第1電極11及び第2電極12を含む。
【0010】
第1可動部10Mは、第1支持部10Sに支持される。第1可動部10Mは、振動可能である。例えば、第1支持部10Sと第1可動部10Mとを接続する第1ばね部材10Wが設けられる。第1可動部10Mは、第1ばね部材10Wを介して、第1支持部10Sに支持される。
【0011】
第1電極11は、第1可動部10Mの振動に応じた第1信号Sg1を出力可能である。第1支持部10Sから第1電極11への向きは、第1方向に沿う。第1方向は、例えばY軸方向である。
【0012】
Y軸方向に対して垂直な1つの方向をX軸方向とする。Y軸方向及びX軸方向に対して垂直な方向をZ軸方向とする。
【0013】
第2電極12は、第1可動部10Mの振動に応じた第2信号Sg2を出力可能である。第1支持部10Sから第2電極12への方向は、第2方向に沿う。第2方向は、第1方向と交差する。第2方向は、例えば、X軸方向である。
【0014】
第2センサ素子20は、第2支持部20S、第2可動部20M、第3電極23及び第4電極24を含む。
【0015】
第2可動部20Mは、第2支持部20Sに支持される。第2可動部20Mは、振動可能である。例えば、第2支持部20Sと第2可動部20Mとを接続する第2ばね部材20Wが設けられる。第2可動部20Mは、第2ばね部材20Wを介して、第2支持部20Sに支持される。
【0016】
第3電極23は、第2可動部20Mの振動に応じた第3信号Sg3を出力可能である。第2支持部20Sから第3電極23への向きは、第1方向(Y軸方向)に沿う。
【0017】
第4電極24は、第2可動部20Mの振動に応じた第4信号Sg4を出力可能である。第2支持部20Sから第4電極24への方向は、第2方向(X軸方向)に沿う。
【0018】
この例では、第1支持部10Sから第2支持部20Sへの方向は、第1方向及び第2方向を含む平面(例えばX-Y平面)に沿う。例えば、第1支持部10SのZ軸方向における位置は、第2支持部20SのZ軸方向における位置と同じである。後述するように、第1支持部10SのZ軸方向における位置は、第2支持部20SのZ軸方向における位置と異なっても良い。
【0019】
図1に示すように、この例では、第2支持部20Sから第3電極23への向きは、第1支持部10Sから第1電極11への向きと逆である。第2支持部20Sから第4電極24への向きは、第1支持部10Sから第2電極12への向きと同じである。このように、実施形態においては、2つのセンサ素子の間で、2つの検出向きの1つが逆である。
【0020】
回路部70は、演算部75を含む。演算部75は、第1信号Sg1及び第2信号Sg2に基づく第1処理信号Sp1と、第3信号Sg3及び第4信号Sg4に基づく第2処理信号Sp2と、の差動演算結果を出力可能である。第1処理信号Sp1は、第1可動部10Mの回転に応じている。第2処理信号Sp2は、第2可動部20Mの回転に応じている。差動演算結果は、第1センサ素子10及び第2センサ素子20の回転角度に応じている。センサ110は、例えば、センサ部10Uの回転角度に関する情報を検出結果として出力可能である。
【0021】
例えば、センサ部10Uに回転の力が加わる。回転は、例えばZ軸方向を中心とする成分を含む。回転の力に応じた回転角速度が、センサ部10Uに加わる。これにより、第1可動部10M及び第2可動部20Mにおける振動の状態が変化する。振動の状態の変化に応じて、第1~第4信号Sg1~Sg4gが変化する。これらの信号に基づく信号を処理(例えば積分処理)することで、回転角度を検出できる。
【0022】
例えば、温度の変化などの影響により、1つのセンサ素子から得られる信号がシフトする場合がある。温度の変化などの影響により、検出対象の回転角速度または回転角度が、真の値からシフトする場合がある。1つのセンサ素子から得られる信号は、検出対象の回転に応じた変化と、温度などの別の要因に応じた変化と、を含む。このため、正確な検出が困難な場合が生じる。
【0023】
実施形態においては、2つのセンサ素子が設けられる。2つのセンサ素子のそれぞれから得られる信号は、検出対象の回転に応じた変化と、温度などの別の要因に応じた変化と、を含む。2つのセンサ素子のそれぞれから得られる信号を差動処理することで、温度などの別の要因による影響を除去できる。実施形態においては、上記のように、2つのセンサ素子の間で、2つの検出向きの1つが逆である。このような配置の場合、回転に応じた信号成分がキャンセルされない。従って、温度などの別の要因による影響が除去され、検出対象の角度を高い精度で検出できる。実施形態によれば、精度を向上できるセンサが提供できる。
【0024】
例えば、以下ようなの参考例が考えられる。参考例においては、第2支持部20Sから第3電極23への向きが第1支持部10Sから第1電極11への向きと同じであり、第2支持部20Sから第4電極24への向きは、第1支持部10Sから第2電極12への向きと同じである。この場合、回転による信号はキャンセルされない。この参考例において、2つのセンサ素子からの信号を差動処理すると、2つのセンサ素子が同じ特性を有する場合、処理結果は、0となる。
【0025】
実施形態においては、2つのセンサ素子の間で、2つの検出向きの1つが逆である。2つのセンサ素子は、回転しても重ならない。温度などの別の要因による影響が除去され、検出対象の角度を高い精度で検出できる。
【0026】
以下、2つのセンサ素子における検出向きの例について説明する。
図2(a)~図2(d)、及び、図3(a)~図3(d)は、第1実施形態に係るセンサを例示する模式図である。
これらの図においては、第1支持部10S、第1可動部10M、第1電極11、第2電極12、第2支持部20S、第2可動部20M、第3電極23及び第4電極24の位置の例が示されている。これらの図において、他の部材は省略されている。
【0027】
図2(a)及び図2(b)に示す第1構造CF1及び第2構造CF2においては、第2支持部20Sから第3電極23への向きは、第1支持部10Sから第1電極11への向きと逆である。第2支持部20Sから第4電極24への向きは、第1支持部10Sから第2電極12への向きと同じである。
【0028】
図2(c)及び図2(d)に示す第3構造CF3及び第4構造CF4においては、第2支持部20Sから第3電極23への向きは、第1支持部10Sから第1電極11への向きと同じである。第2支持部20Sから第4電極24への向きは、第1支持部10Sから第2電極12への向きと逆である。
【0029】
第1~第4構成CF1~CF4においては、例えば、第1センサ素子10から第2センサ素子20への方向は、第1方向及び第2方向を含む平面(X-Y平面)に沿って良い。第1センサ素子10の第3方向における位置は、第2センサ素子20の第3方向における位置と実質的に同じで良い。第3方向は、第1方向及び第2方向を含む平面と交差する。第3方向は、例えば、Z軸方向である。
【0030】
図3(a)~図3(d)に示す第5~第8構成CF5~CF8において、第1センサ素子10の第3方向における位置は、第2センサ素子20の第3方向における位置と異なっても良い。例えば、第1センサ素子10の少なくとも一部が、Z軸方向において、第2センサ素子20と重なっても良い。
【0031】
図3(a)及び図3(b)に示す第5構造CF5及び第6構造CF6においては、第2支持部20Sから第3電極23への向きは、第1支持部10Sから第1電極11への向きと逆である。第2支持部20Sから第4電極24への向きは、第1支持部10Sから第2電極12への向きと同じである。
【0032】
図3(c)及び図3(d)に示す第7構造CF7及び第8構造CF8においては、第2支持部20Sから第3電極23への向きは、第1支持部10Sから第1電極11への向きと同じである。第2支持部20Sから第4電極24への向きは、第1支持部10Sから第2電極12への向きと逆である。
【0033】
このような構造により、2つのセンサ素子の間で、2つの検出向きの1つが逆になる。差動処理を実施することで、温度などの別の要因による影響が除去され、検出対象の角度を高い精度で検出できる。2つのセンサ素子の間で2つの検出向きの1つを逆にすることで、簡単な構成の回路により、高い精度の検出が容易になる。
【0034】
図1に示すように、回路部70は、第1~第4検出回路71~75を含んで良い。第1検出回路71に、第1信号Sg1が入力される。第2検出回路72に、第2信号Sg2が入力される。第3検出回路73に、第3信号Sg3が入力される。第4検出回路74に、第4信号Sg4が入力される。これらの検出回路は、上記の信号に応じて検出信号Vy1、Vx1、Vy2及びVx2を出力する。
【0035】
第1~第4検出回路71~74に共通の電源が接続されることが好ましい。これにより、これらの検出回路の特性が均一になる。例えば、共通の電気的なグランドが複数の検出経路に適用される。例えば、共通の電源電圧が複数の検出経路に適用される。複数の検出回路の特性がより均一にできる。
【0036】
例えば、回路部70は、電源回路77を含んで良い。電源回路77は、第1~第4検出回路71~74に電力を供給可能である。
【0037】
第1検出回路71は、例えば、第2方向に振動する第1可動部10Mに働く回転角速度による第1可動部10Mの振動の第1方向の成分の振幅に応じた信号(検出信号Vy1)を出力可能である。第2検出回路72は、第1方向に振動する第1可動部10Mに働く回転角速度による第1可動部10Mの振動の第2方向の成分の振幅に応じた信号(検出信号Vx1)を出力可能である。
【0038】
第3検出回路73は、第2方向に振動する第2可動部20Mに働く回転角速度による第2可動部20Mの振動の第1方向の成分の振幅に応じた信号(検出信号Vy2)を出力可能である。第4検出回路74は、第1方向に振動する第2可動部20Mに働く回転角速度による第2可動部20Mの振動の第2方向の成分の振幅に応じた信号(検出信号Vx2)を出力可能である。
【0039】
検出信号Vy1、Vx1、Vy2及びVx2に基づく信号が演算部75に供給される。この例では、回路部70は、第1処理回路76a及び第2処理回路76bをさらに含む。第1処理回路76aは、第1検出回路71の出力(検出信号Vy1)、及び、第2検出回路72の出力(検出信号Vx1)を入手して、第1処理信号Sp1を演算部75に供給可能である。第2処理回路76bは、第3検出回路73の出力(検出信号Vy2)、及び、第4検出回路74の出力(検出信号Vx2)を入手して、第2処理信号Sp2を演算部75に供給可能である。
【0040】
第1処理回路76aは、例えば、第1検出回路71の出力(検出信号Vy1)、及び、第2検出回路72の出力(検出信号Vx1)に基づいて、第1可動部10Mの回転の角度に関する情報(第1処理信号Sp1)を算出可能である。第2処理回路76bは、例えば、第3検出回路73の出力(検出信号Vy2)、及び、第4検出回路74の出力(検出信号Vx2)に基づいて、第2可動部20Mの回転の角度に関する情報(第2処理信号Sp2)を算出可能である。
【0041】
図1に示すように、第1センサ素子10は、第5電極15及び第6電極16を含んで良い。第1方向(例えばY軸方向)において、第5電極15と第1電極11との間に第1支持部10Sがある。第2方向(例えばX軸方向)において、第6電極16と第2電極12との間に第1支持部10Sがある。第1可動部10Mは、第5電極15に印加される第1駆動信号Sv1及び第6電極16に印加される第2駆動信号Sv2に応じて振動する。
【0042】
第2センサ素子20は、第7電極27及び第8電極28をさらに含んで良い。第1方向(例えばY軸方向)において、第3電極23と第7電極27との間に第2支持部20Sがある。第2方向(例えばX軸方向)において、第8電極28と第4電極24との間に第支持部20Sがある。第2可動部20Mは、第7電極27に印加される第1駆動信号Sv1及び第8電極28に印加される第2駆動信号Sv2に応じて振動する。
【0043】
回路部70は、駆動回路78をさらに含んで良い。駆動回路78は、第5電極15及び第7電極27に第1駆動信号Sv1を供給可能である。駆動回路78は、第6電極16及び第8電極28に第2駆動信号Sv2を供給可能である。
【0044】
これらの駆動信号に応じて、第1可動部10M及び第2可動部20Mが振動する。外から加わる回転の力(回転角速度)により、振動の状態が変化する。振動の状態が変化は、例えば、コリオリ力に基づく。
【0045】
例えば、第1処理回路76aにおいて、以下の第1式で表される角度θが算出される。例えば、第2処理回路76bにおいて、以下の第2式で表される角度θが算出される。
【0046】
【数1】

【数2】

上記において、「Ω」は、検出対象の角速度である。「T」は、温度である。「a」は、第1センサ素子10における係数である。「a」は、第2センサ素子20における係数である。「a」及び「a」は、1つの関係を有する。例えば、a/aは、定数である。
【0047】
演算部75において、これらの角度に基づいて、以下の第3式に関する演算が実施される。
【0048】
【数3】
【0049】
第3式の右辺が、検出対象の角度に対応する。
【0050】
例えば、回路部70(または演算部75)は、電子回路(コンピュータなどを含む)で良い。センサ110は、例えば、センサ装置210(例えば、IMU:Inertial Measurement Unit)に含まれても良い。
【0051】
図1に示すように、第1センサ素子10は、調整用電極E1などの別の電極を含んでも良い。第2センサ素子20は、調整用電極E2などの別の電極を含んでも良い。
【0052】
図4は、第1実施形態に係るセンサを例示する模式的断面図である。
図4に示すように、実施形態に係るセンサ110において、センサ部10Uは、第1基体31を含む。第1基体31は、例えば、基板である。第1基体31は、例えば、半導体基板(例えばシリコン基板など)で良い。第1基体31の上に、第1センサ素子10及び第2センサ素子20が形成される。例えば、第1支持部10Sは、第1基体31の一部に固定される。第2支持部20Sは、第1基体31の別の一部に固定される。第1支持部10Sから第2支持部20Sへの方向は、第1方向及び第2方向を含む平面(例えばX-Y平面)に沿う。
【0053】
センサ110は、筐体40を含んでも良い。センサ部10Uは、筐体40のなかに設けられる。筐体40は、例えば、第1部材41及び第2部材42を含む。センサ部10Uは、例えば、第1部材41に固定される。センサ部10Uは、第1部材41と第2部材42との間にある。
【0054】
図5は、第1実施形態に係るセンサを例示する模式的断面図である。
図5に示すように、実施形態に係るセンサ111において、第1センサ素子10は、第1基体31を含む。第2センサ素子20は、第2基体32を含む。センサ部10Uは、筐体40のなかに設けられる。第1センサ素子10及び第2センサ素子20は、筐体40の第1部材41に固定される。この例においても、第1センサ素子10から第2センサ素子20への方向は、第1方向及び第2方向を含む平面(X-Y平面)に沿う。
【0055】
図6は、第1実施形態に係るセンサを例示する模式的断面図である。
図6に示すように、実施形態に係るセンサ112は、第1部材41を含む。第1部材41は、第1方向及び第2方向を含む平面と交差する第3方向(例えばZ軸方向)において、第1センサ素子10と第2センサ素子20との間にある。センサ部10Uは、筐体40のなかに設けられる。
【0056】
図7は、第1実施形態に係るセンサを例示する模式的断面図である。
図7に示すように、実施形態に係るセンサ113において、第1部材41は、第1センサ素子10と第2センサ素子20との間にある。第1センサ素子10は、第1基体31を含む。第2センサ素子20は、第2基体32を含む。センサ部10Uは、筐体40のなかに設けられる。
【0057】
センサ110~113において、第1センサ素子10の温度は、第2センサ素子20の温度と実質的に同じである。例えば、第1基体31を介して2つのセンサ素子の温度が実質的に同じなる。例えば、第1部材41を介して2つセンサ素子の温度が実質的に同じなる。第1センサ素子10の温度と、第2センサ素子20の温度と、の差は、例えば、5℃以下で良い。温度が実質的に同じことで、より高い精度の検出が可能なる。
【0058】
図8は、第1実施形態に係るセンサを例示する模式的断面図である。
図8に示すように、実施形態に係るセンサ114は、第1部材41及び第2部材42を含む。第1センサ素子10は、第1部材41に固定される。第2センサ素子20は、第2部材42に固定される。第2センサ素子20と第1センサ素子10との間に第2部材42がある。第2部材42と第1センサ素子10との間に第1部材41がある。
【0059】
第1部材41、第2部材42、第1センサ素子10及び第2センサ素子20は、筐体40のなかに設けられる。この例では、第1部材41及び第2部材42は、筐体40と接続される。第2部材42の温度は、第1部材41の温度と実質的に同じになる。
【0060】
図9は、第1実施形態に係るセンサを例示する模式的断面図である。
図9に示すように、実施形態に係るセンサ115は、筐体40を含む。筐体40は、第1部材41及び第2部材42を含む。第1センサ素子10は、第1部材41に固定される。第2センサ素子20は、第2部材42に固定される。第1部材41と第2部材42との間に第1センサ素子10がある。第1センサ素子10と第2部材42との間に第2センサ素子20がある。第2部材42の温度は、第1部材41の温度と実質的に同じである。
【0061】
センサ114及び115において、例えば、第1部材41及び第2部材42を介して2つのセンサ素子の温度が実質的に同じなる。第1センサ素子10の温度と、第2センサ素子20の温度と、の差は、例えば、5℃以下で良い。温度が実質的に同じことで、より高い精度の検出が可能なる。
【0062】
(第2実施形態)
第2実施形態は、電子装置に係る。
図10は、第2実施形態に係る電子装置を例示する模式図である。
図10に示すように、実施形態に係る電子装置310は、実施形態に係るセンサと、回路制御部170と、を含む。図10の例では、センサとして、センサ110(またはセンサ装置210)が描かれている。回路制御部170は、センサから得られる信号S1に基づいて回路180を制御可能である。回路180は、例えば駆動装置185の制御回路などである。実施形態によれば、高精度の検出結果に基づいて、駆動装置185を制御するための回路180などを高精度で制御できる。
【0063】
図11(a)~図11(h)は、電子装置の応用を例示する模式図である。
図11(a)に示すように、電子装置310は、ロボットの少なくとも一部でも良い。図11(b)に示すように、電子装置310は、製造工場などに設けられる工作ロボットの少なくとも一部でも良い。図11(c)に示すように、電子装置310は、工場内などの自動搬送車の少なくとも一部でも良い。図11(d)に示すように、電子装置310は、ドローン(無人航空機)の少なくとも一部でも良い。図11(e)に示すように、電子装置310は、飛行機の少なくとも一部でも良い。図11(f)に示すように、電子装置310は、船舶の少なくとも一部でも良い。図11(g)に示すように、電子装置310は、潜水艦の少なくとも一部でも良い。図11(h)に示すように、電子装置310は、自動車の少なくとも一部でも良い。電子装置310は、例えば、ロボット及び移動体の少なくともいずれかを含んでも良い。
【0064】
例えば、ロボット、自動運転、及び航空機などに向けて高精度のセンサが開発されている。センサは、例えば、ジャイロセンサなどを含む。例えば、製造ばらつきなどに起因して、センサの特性は必ずしも一定ではない。例えば、センサの特性の不均一を補正するための補正が行われる。この補正の効果は、温度が変化すると減少する。
【0065】
実施形態においては、2つのセンサ素子を用いることで、温度の影響を抑制できる。例えば、温度のドリフトなどの使用環境の変化の影響を抑制できる。
【0066】
実施形態において、例えば、共通の熱的なグランドが2つの素子に適用される。実施形態において、例えば、共通の電気的なグランド及び電源電圧が複数の検出回路に適用される。より高い精度の検出が可能なる。
【0067】
実施形態は、以下の構成(例えば技術案)を含んでも良い。
(構成1)
第1センサ素子及び第2センサ素子を含むセンサ部と、
回路部と、
を備え、
前記第1センサ素子は、
第1支持部と、
前記第1支持部に支持され振動可能な第1可動部と、
前記第1可動部の振動に応じた第1信号を出力可能な第1電極であって、前記第1支持部から前記第1電極への向きは、第1方向に沿う、前記第1電極と、
前記第1可動部の前記振動に応じた第2信号を出力可能な第2電極であって、前記第1支持部から前記第2電極への方向は、前記第1方向と交差する第2方向に沿う、前記第2電極と、
を含み、
前記第2センサ素子は、
第2支持部と、
前記第2支持部に支持され振動可能な第2可動部と、
前記第2可動部の振動に応じた第3信号を出力可能な第3電極であって、前記第2支持部から前記第3電極への向きは、前記第1方向に沿う、前記第3電極と、
前記第2可動部の前記振動に応じた第4信号を出力可能な第4電極であって、前記第2支持部から前記第4電極への方向は、前記第2方向に沿う、前記第4電極と、
を含み、前記第2支持部から前記第3電極への向きは、前記第1支持部から前記第1電極への向きと逆であり前記第2支持部から前記第4電極への向きは、前記第1支持部から前記第2電極への向きと同じである、または、前記第2支持部から前記第3電極への向きは、前記第1支持部から前記第1電極への向きと同じであり前記第2支持部から前記第4電極への向きは、前記第1支持部から前記第2電極への向きと逆であり、
前記回路部は、演算部を含み、
前記演算部は、前記第1信号及び前記第2信号に基づく第1処理信号と、前記第3信号及び前記第4信号に基づく第2処理信号と、の差動演算結果を出力可能である、センサ。
【0068】
(構成2)
前記第1処理信号は、前記第1可動部の回転に応じ、
前記第2処理信号は、前記第2可動部の回転に応じた、構成1記載のセンサ。
【0069】
(構成3)
前記差動演算結果は、前記第1センサ素子及び前記第2センサ素子の回転角度に応じる、構成1または2に記載のセンサ。
【0070】
(構成4)
前記回路部は、
前記第1信号が入力される第1検出回路と、
前記第2信号が入力される第2検出回路と、
前記第3信号が入力される第3検出回路と、
前記第4信号が入力される第4検出回路と、
をさらに含み、
前記第1~第4検出回路に共通の電源が接続される、構成1~3のいずれか1つに記載のセンサ。
【0071】
(構成5)
前記回路部は、
前記第1信号が入力される第1検出回路と、
前記第2信号が入力される第2検出回路と、
前記第3信号が入力される第3検出回路と、
前記第4信号が入力される第4検出回路と、
前記第1~第4検出回路に電力を供給可能な電源回路と、
を含む、構成1~3のいずれか1つに記載のセンサ。
【0072】
(構成6)
前記第1検出回路は、前記第2方向に振動する前記第1可動部に働く回転角速度による前記第1可動部の前記振動の前記第1方向の成分の振幅に応じた信号を出力可能であり、
前記第2検出回路は、前記第1方向に振動する前記第1可動部に働く前記回転角速度による前記第1可動部の前記振動の前記第2方向の成分の振幅に応じた信号を出力可能である、構成4または5に記載のセンサ。
【0073】
(構成7)
前記第3検出回路は、前記第2方向に振動する前記第2可動部に働く回転角速度による前記第2可動部の前記振動の前記第1方向の成分の振幅に応じた信号を出力可能であり、
前記第4検出回路は、前記第1方向に振動する前記第2可動部に働く前記回転角速度による前記第2可動部の前記振動の前記第2方向の成分の振幅に応じた信号を出力可能である、構成4~6のいずれか1つに記載のセンサ。
【0074】
(構成8)
前記回路部は、第1処理回路と、第2処理回路と、をさらに含み、
前記第1処理回路は、前記第1検出回路の出力及び前記第2検出回路の出力を入手して前記第1処理信号を前記演算部に供給可能であり、
前記第2処理回路は、前記第3検出回路の出力及び前記第4検出回路の出力を入手して前記第2処理信号を前記演算部に供給可能である、構成4~7のいずれか1つに記載のセンサ。
【0075】
(構成9)
前記第1センサ素子は、第5電極及び第6電極をさらに含み、
前記第1方向において、前記第5電極と前記第1電極との間に前記第1支持部があり、
前記第2方向において、前記第6電極と前記第2電極との間に前記第1支持部があり、
前記第1可動部は、前記第5電極に印加される第1駆動信号及び前記第6電極に印加される第2駆動信号に応じて振動し、
前記第2センサ素子は、第7電極及び第8電極をさらに含み、
前記第1方向において、前記第3電極と前記第7電極との間に前記第2支持部があり、
前記第2方向において、前記第8電極と前記第4電極との間に前記第支持部があり、
前記第2可動部は、前記第7電極に印加される前記第1駆動信号及び前記第8電極に印加される前記第2駆動信号に応じて振動する、構成1~8のいずれか1つに記載のセンサ。
【0076】
(構成10)
前記回路部は、駆動回路をさらに含み、
前記駆動回路は、前記第5電極及び前記第7電極に前記第1駆動信号を供給可能であり、
前記駆動回路は、前記第6電極及び前記第8電極に前記第2駆動信号を供給可能である、構成9記載のセンサ。
【0077】
(構成11)
前記センサ部は、第1基体をさらに含み、
前記第1支持部は、前記第1基体の一部に固定され、
前記第2支持部は、前記第1基体の別の一部に固定され、
前記第1支持部から前記第2支持部への方向は、前記第1方向及び前記第2方向を含む平面に沿う、構成1~10のいずれか1つに記載のセンサ。
【0078】
(構成12)
第1部材を含む筐体をさらに備え、
前記センサ部は、前記筐体のなかに設けられ、
前記第1センサ素子及び前記第2センサ素子は、前記第1部材に固定された、構成1~10のいずれか1つに記載のセンサ。
【0079】
(構成13)
前記第1センサ素子から前記第2センサ素子への方向は、前記第1方向及び前記第2方向を含む平面に沿う、構成12記載のセンサ。
【0080】
(構成14)
第1部材をさらに備え、
前記第1部材は、前記第1方向及び前記第2方向を含む平面と交差する第3方向において、前記第1センサ素子と前記第2センサ素子との間にある、構成1~10のいずれか1つに記載のセンサ。
【0081】
(構成15)
第1部材及び第2部材をさらに備え、
前記第1センサ素子は、前記第1部材に固定され、
前記第2センサ素子は、前記第2部材に固定され、
前記第2センサ素子と前記第1センサ素子との間に前記第2部材があり、
前記第2部材と前記第1センサ素子との間に前記第1部材がある、構成1~10のいずれか1に記載のセンサ。
【0082】
(構成16)
筐体をさらに備え、
前記第1部材、前記第1センサ素子及び前記第2センサ素子は、前記筐体のなかに設けられた、構成14または15に記載のセンサ。
【0083】
(構成17)
第1部材及び第2部材を含む筐体を備え、
前記第1センサ素子は、前記第1部材に固定され、
前記第2センサ素子は、前記第2部材に固定され、
前記第1部材と前記第2部材との間に前記第1センサ素子があり、
前記第1センサ素子と前記第2部材との間に前記第2センサ素子がある、構成1~10のいずれか1つに記載のセンサ。
【0084】
(構成18)
前記第1センサ素子の温度と、前記第2センサ素子の温度と、の差は、5℃以下である、構成1~17のいずれか1つに記載のセンサ。
【0085】
(構成19)
構成1~18のいずれか1つに記載のセンサと、
前記センサから得られる信号に基づいて回路を制御可能な回路制御部と、
を備えた電子装置。
【0086】
(構成20)
前記電子装置は、ロボット及び移動体の少なくともいずれかを含む、構成19記載の電子装置。
【0087】
実施形態によれば、精度を向上できるセンサ及び電子装置が提供できる。
【0088】
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、センサに含まれるセンサ部、センサ素子、支持部、可動部、電極及び回路部などの各要素の具体的な構成に関しては、当業者が公知の範囲から適宜選択することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができる限り、本発明の範囲に包含される。
【0089】
また、各具体例のいずれか2つ以上の要素を技術的に可能な範囲で組み合わせたものも、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に含まれる。
【0090】
その他、本発明の実施の形態として上述したセンサを基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全てのセンサも、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。
【0091】
その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
【0092】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0093】
10、20…第1、第2センサ素子、 10M、20M…第1、第2可動部、 10S、20S…第1、第2支持部、 10U…センサ部、 10W、20W…第1、第2ばね部材、 11、12…第1、第2電極、 15、16…第5、第6電極、 23、24…第3、第4電極、 27、28…第7、第8電極、 31、32…第1、第2基体、 40…筐体、 41、42…第1、第2部材、 70…回路部、 71~74…第1~第4検出回路、 75…演算部、 76a、76b…第1、第2処理回路、 77…電源回路、 78…駆動回路、 110~115…センサ、 170…回路制御部、 180…回路、 185…駆動装置、 210…センサ装置、 310…電子装置、 CF1~CF8…第1~第8構造、 E1、E2…調整用電極、 S1…信号、 Sg1~Sg4…第1~第4信号、 Sp1、Sp2…第1、第2処理信号、 Sv1、Sv2…第1、第2駆動信号、 Vx1、Vx2、Vy1、Vy2…検出信号
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11