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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-06
(45)【発行日】2023-10-17
(54)【発明の名称】武器用デジタル照準システム
(51)【国際特許分類】
   F41G 11/00 20060101AFI20231010BHJP
   G03B 13/02 20210101ALI20231010BHJP
   H04N 23/55 20230101ALI20231010BHJP
   H04N 23/60 20230101ALI20231010BHJP
【FI】
F41G11/00
G03B13/02
H04N23/55
H04N23/60 500
【請求項の数】 8
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021211615
(22)【出願日】2021-12-24
(65)【公開番号】P2022158885
(43)【公開日】2022-10-17
【審査請求日】2022-10-06
(31)【優先権主張番号】17/220,996
(32)【優先日】2021-04-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】512002367
【氏名又は名称】トリジコン インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】TRIJICON,INC.
【住所又は居所原語表記】49385 Shafer Avenue, Wixom,Michigan 48393 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002789
【氏名又は名称】弁理士法人IPX
(72)【発明者】
【氏名】マウリシオ・ジェレマイア
(72)【発明者】
【氏名】ボス・アンドルー
【審査官】山本 賢明
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0061566(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0324260(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2020/0232762(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2009/0058881(US,A1)
【文献】欧州特許出願公開第3567335(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F41G 11/00
G03B 13/02
H04N 23/55
H04N 23/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングと、
前記ハウジングの長手軸に沿うように、前記ハウジング内に配置される光学要素列と、
前記ハウジングに支持され、前記光学要素列の倍率を調整するように構成された調整リングと、
前記調整リングと係合し、前記調整リングの回転をデジタル倍率に変換するように構成された検出器と、
を備え、
前記検出器は、センサー基板及び磁石基板を有
前記磁石基板は、複数の磁石を有し、
前記複数の磁石は、前記磁石基板に埋め込まれている、
小火器用のオプティック。
【請求項2】
ハウジングと、
前記ハウジングの長手軸に沿うように、前記ハウジング内に配置される光学要素列と、
前記ハウジングに支持され、前記光学要素列の倍率を調整するように構成された調整リングと、
前記調整リングと係合し、前記調整リングの回転をデジタル倍率に変換するように構成された検出器と、
を備え、
前記検出器は、センサー基板及び磁石基板を有
前記磁石基板は、複数の磁石を有し、
前記複数の磁石は、前記磁石基板上にプリントされている、
小火器用のオプティック。
【請求項3】
前記センサー基板は、前記複数の磁石の磁場を感知する磁場センサーを有する、
請求項1又は2に記載のオプティック。
【請求項4】
前記磁石基板は、前記調整リングと共に回転するように固定され、
前記センサー基板は、前記ハウジングに固定されている、
請求項1又は2に記載のオプティック。
【請求項5】
小火器用のオプティックを制御する方法であって、
検出器により、調整リングの回転を検出するステップ、
前記検出器により、前記調整リングの回転をデジタル信号に変換するステップ、
コントローラーにより、前記デジタル信号を倍率に関係づけるステップ、
前記コントローラーにより、前記オプティックの倍率を調整するステップ、
を備え、
前記調整リングの回転を検出するステップは、磁場センサーにより、磁石基板上の複数の磁石の位置の磁場変化を検出するステップを含み、
前記磁石基板は、前記調整リングの回転と共に回転するように構成されており
前記複数の磁石は、前記磁石基板に埋め込まれている、
方法。
【請求項6】
小火器用のオプティックを制御する方法であって、
検出器により、調整リングの回転を検出するステップ、
前記検出器により、前記調整リングの回転をデジタル信号に変換するステップ、
コントローラーにより、前記デジタル信号を倍率に関係づけるステップ、
前記コントローラーにより、前記オプティックの倍率を調整するステップ、
を備え、
前記調整リングの回転を検出するステップは、磁場センサーにより、磁石基板上の複数の磁石の位置の磁場変化を検出するステップを含み、
前記磁石基板は、前記調整リングの回転と共に回転するように構成されており
前記複数の磁石は、前記磁石基板上にプリントされている、
方法。
【請求項7】
小火器用のオプティックの制御システムであって、
調整リングの回転を検出するように構成された検出器を有し、
前記検出器は、前記調整リングの回転を、デジタル信号に変換するように構成されており、
前記デジタル信号を倍率に関係づけるように構成されたコントローラーを有し、
前記コントローラーは、前記オプティックの倍率を調整するように構成されており、
前記検出器は、磁場センサーにより、磁石基板上の複数の磁石の位置の磁場変化を検出するように構成されており、
前記磁石基板は、前記調整リングの回転と共に回転するように構成されており
前記複数の磁石は、前記磁石基板に埋め込まれている、
制御システム。
【請求項8】
小火器用のオプティックの制御システムであって、
調整リングの回転を検出するように構成された検出器を有し、
前記検出器は、前記調整リングの回転を、デジタル信号に変換するように構成されており、
前記デジタル信号を倍率に関係づけるように構成されたコントローラーを有し、
前記コントローラーは、前記オプティックの倍率を調整するように構成されており、
前記検出器は、磁場センサーにより、磁石基板上の複数の磁石の位置の磁場変化を検出するように構成されており、
前記磁石基板は、前記調整リングの回転と共に回転するように構成されており
前記複数の磁石は、前記磁石基板上にプリントされている、
制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、武器用デジタルオプティクス(光学系)に関し、またより具体的には、デジタルズーム機能を有するデジタルオプティクスに関する。
【背景技術】
【0002】
本節は、必ずしも従来技術ではない、本開示に関する背景情報を提示する。
【0003】
小火器用オプティクス(光学系)は、しばしばオプティックの倍率を変える能力を含む、それはズーム機能としても知られている。ズーム機能は、機械式ズームとデジタルズームの2つのうちのいずれか1つで実現される。機械式ズームは、オプティックのハウジング内の対物レンズを動かすことによって、対物レンズの調整に関わる。しばしば、ユーザーによりリングが回転させられて、ハウジング内の対物レンズを手動で動かす。
【0004】
一般的に、デジタルズームは、機械式ズームより、もっとはるかに複雑である。デジタルズームオプティクス(光学系)は、ズーム機能を設定するための複雑な複数のボタンおよびメニューを含んでいる。ユーザーは、複数のボタンおよびメニューを使用して、ズーム設定のための入力を行う。そして、オプティックは、ユーザーからの入力に従って、レンズを巧みに操作し、または調整する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本節では、本開示の全体的な概要が提供されるが、本開示の範囲全体又は全ての特徴が包括的に開示されるわけではない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示による例示的な小火器(火器または銃砲類)用オプティックは、ハウジング、光学要素列(光学系トレーン)(optics train)、調整リング、および検出器を含む。光学要素列は、ハウジング内に、ハウジングの長手軸に沿って配置される。調整リングは、ハウジングによって支持され、そして光学要素列の倍率を調整するように構成される。検出器は、調整リングと係合し、そして調整リングの回転をデジタル倍率に変換するように構成される。
【0007】
例示的なオプティックの検出器は、抵抗基板(抵抗板)および検出基板(検出板)を含んでもよい。検出基板は、抵抗基板と係合する指(フィンガーまたは指状のもの)を有してもよい。
【0008】
例えば、検出基板は、回転のために調整リングに固定されてもよく、そして抵抗基板はハウジングに固定されてもよい。
【0009】
例えば、指は抵抗基板上のペタル(ペタールまたは花弁状の構造物)と係合してもよい。
【0010】
例示的なオプティックの検出器は、センサー基板および磁石基板(磁気基板)を含んでもよい。
【0011】
例えば、磁石基板は、複数の磁石を含んでもよい。
【0012】
例えば、磁石は、磁石基板に埋め込まれてもよい。
【0013】
例えば、磁石は、磁石基板上にプリントされてもよい。
【0014】
例えば、センサー基板は、複数の磁石の磁場(磁界)を感知する磁場(磁界)センサーを含んでもよい。
【0015】
例えば、磁石基板は、回転のために調整リングに固定されてもよく、そしてセンサー基板はハウジングに固定されてもよい。
【0016】
本開示による小火器用オプティックを制御するための例示的な方法は、検出器によって調整リングの回転を検出すること、検出器によってその調整リングの回転をデジタル信号に変換すること、コントローラーによってデジタル信号の倍率への関係づけを行うこと、およびコントローラーによってオプティックの倍率を調整すること、を含んでいる。
【0017】
調整リングの回転の検出には、検出基板上の指と抵抗基板との間の抵抗変化を検出することを含んでもよい。検出基板は、調整リングの回転と共に回転するように構成されてもよい。
【0018】
調整リングの回転の検出には、磁石基板上の複数の磁石の位置の磁場変化を磁場センサーによって検出することを含んでもよい。磁石基板は、調整リングの回転と共に回転するように構成されてもよい。
【0019】
例えば、複数の磁石は、磁石基板に埋め込まれてもよい。
【0020】
例えば、複数の磁石は、磁石基板上にプリントされてもよい。
【0021】
本開示による小火器用オプティックに対する例示的な制御システムは、検出器とコントローラーを含んでいる。検出器は、調整リングの回転を検出し、そしてその調整リングの回転をデジタル信号に変換するように構成されている。コントローラーは、デジタル信号を倍率へ関係づけ、そしてオプティックの倍率を調整するように構成されている。
【0022】
例示的な制御システムの検出器は、検出基板上の指と抵抗基板との間の抵抗変化を検出するように構成されてもよい。検出基板は、調整リングの回転と共に回転するように構成されてもよい。
【0023】
例示的な制御システムの検出器は、磁石基板上の複数の磁石の位置の磁場変化を磁場センサーによって検出するように構成されてもよい。磁石基板は、調整リングの回転と共に回転するように構成されてもよい。
【0024】
例えば、複数の磁石は、磁石基板に埋め込まれてもよい。
【0025】
例えば、複数の磁石は、磁石基板上にプリントされてもよい。
【0026】
更なる適用分野は本明細書に提示される記載から明らかとなるであろう。本概要における記載及び特定の例は、例示または説明の目的のためだけに意図されており、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。
【0027】
本明細書に記載されている図面は、選択された実施形態(実施例)の例示または説明のみを目的としており、可能な実施態様の全てではなく、そして図面は、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1図1は、本開示によるデジタル照準システム、またはデジタルオプティックの斜視図である。
図2図2は、図1におけるオプティックの横断面図である。
図3図3は、図2におけるオプティックの1つの実施例の断面図である。
図4図4Aは、図3におけるオプティックの抵抗基板の斜視図である。図4Bは、図3におけるオプティックの検出基板の斜視図である。
図5図5は、図2におけるオプティックの別の実施例の断面図である。
図6図6Aは、図5におけるオプティックのセンサー基板の斜視図である。図6Bは、図5におけるオプティックの磁石基板の斜視図である。
図7図7は、図2におけるオプティックの別の実施例の断面図である。
図8図8Aは、図7におけるオプティックのセンサー基板の斜視図である。図8Bは、図7におけるオプティックの磁石基板の斜視図である。
図9図9は、図1におけるオプティックの照準システムの概略図である。
図10図10は、図1におけるオプティックの例示的な検出器の電気系統の概略図である。
図11図11は、図1におけるオプティックの照準システムを調整する方法を示すフローチャートである。
図12図12は、図1におけるオプティックの倍率を調整する方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図面のいくつかの図を通して、対応する参照符号は対応する部分を示す。
【0030】
以下に、添付の図面を参照して、例示的な実施形態をより詳細に説明する。
【0031】
例示的な実施形態は、本開示が綿密なものとなるように、かつその範囲を当業者に十分に伝えるように提示される。特定の構成部材、装置、及び方法の例のような多くの具体的な内容は、本開示の実施形態の完全な理解を与えるために記載される。具体的な内容は必ずしも使用(記載)しなくてもよいこと、例示的な実施形態は多くの異なる形態で具現することができること、及び例示的な実施形態は本開示の範囲を限定するものと解釈すべきではないことが、当業者には明らかであろう。幾つかの例示的な実施形態では、既知のプロセス、既知の装置構造、及び既知の技術は、詳細には説明しない。
【0032】
本明細書において用いられている専門用語は、特定の例示的な実施形態を説明することのみを目的としており、限定することを意図するものではない。本明細書において用いられる場合、単数形である「a」、「an」、及び「the」は、文脈がそうではないことをはっきりと示していない限り、複数形も含むことを意図し得るものである。用語「備える(comprises、comprising)」、「含む(including)」、及び「有する(having)」は包括的なものであり、したがって、述べられている特徴、整数、ステップ、動作(操作)、要素及び/又は構成部材の存在を明示しているものであるが、1つ又は複数の他の特徴、整数、ステップ、動作(操作)、要素、構成部材及び/又はこれらの群の存在又は追加を排除するものではない。本明細書に記載の方法ステップ、プロセス、及び動作(操作)は、実施順序として具体的に明記されていない限り、ここで説明又は例示されている特定の順序で必ず実施されるものと解釈するべきではない。付加的又は代替的なステップを用いることができることも理解するべきである。
【0033】
或る要素又は層が、他の要素又は層「の上にある(に接している)(on)」、「に係合される(engaged to)」、「に接続される(connected to)」、又は「に連結される(coupled to)」、ものと言及されている場合、或る要素又は層は、他の要素又は層の直接上にある、直接係合される、直接接続される、若しくは直接連結される、場合もあり、又は間に介在する要素又は層が存在する場合もある。対照的に、或る要素が別の要素又は層「の直接上にある」、「に直接係合される」、「に直接接続される」、又は「に直接連結される」、ものと言及されている場合、間に介在する要素又は層は存在しなくてもよいものである。要素間の関係を説明するために用いられている他の語句も同様に(例えば、「間に」対「直接間に」、「隣接した」対「直接隣接した」等)解釈するべきである。本明細書において用いられる場合、用語「及び/又は」は、関連の列挙されたもののうちの1つ又は複数のあらゆる全ての組み合わせを含むものである。
【0034】
種々の要素、構成部材、領域、層、及び/又はセクションを説明するために、第1の、第2の、第3の等の用語を本明細書において用いることができるが、これらの要素、構成部材、領域、層、及び/又はセクションはこれらの用語によって限定されるべきではない。これらの用語は、或る要素、構成部材、領域、層、又はセクションを別の要素、構成部材、領域、層、又はセクションと区別するためだけに用いることができる。本明細書において用いられる場合の「第1の」、「第2の」、及び他の数詞的な用語等の用語は、文脈によってはっきりと示されていない限り、或るシーケンス又は順序を示唆するものではない。したがって、以下に説明する第1の要素、構成部材、領域、層、又はセクションは、例示的な実施形態の教示から逸脱することなく第2の要素、構成部材、領域、層、又はセクションと呼ぶことができるであろう。
【0035】
「A、B、及びCの少なくとも1つ」という句は、非排他的論理「OR」を使用して、論理(A OR B OR C)を意味すると解釈されるべきであり、また、その句は、「Aの少なくとも1つ、Bの少なくとも1つ、及びCの少なくとも1つ」を意味すると解釈されるべきではない。「セット(set)」という用語は、必ずしも空の(何もない)セット(empty set)を除外するものではない。空でないセット(non-empty set)という用語は、空のセットの除外を指し示すために使われてもよい。サブセット(subset)という用語は、必ずしも適切なサブセットを必要とするものではない。言い換えれば、第1のセットの第1のサブセットは、第1のセットと同一の広がりを有する(等しい)と解釈されることができる。
【0036】
「内」、「外」、「下」、「下方」、「下側」、「上方」、「上側」等のような、空間的に相対的な用語は、図面に示されているように、或る要素又は特徴部の、別の要素(複数の場合もある)又は特徴部(複数の場合もある)に対する関係を説明するための記載を容易にするために、本明細書において用いることができる。空間的に相対的な用語は、図に示される向きに加え、使用時又は動作時の装置の異なる向きを含むことを意図することができる。例えば、図面の装置を逆さにした場合、他の要素又は特徴部の「下方」又は「下」として記載されている要素は、他の要素又は特徴部の「上方」の向きになる。したがって、「下方」という例示的な用語は上方及び下方の向きの双方を含むことができる。装置は別様の向きにある(90度又は他の向きで回転されている)こともでき、本明細書において用いる空間的に相対的な記述はそれに従って解釈することができる。
【0037】
図面において、矢印で示されている矢の方向は、一般に、イラストに関係する情報(データや指示など)の流れを示すものである。例えば、要素Aと要素Bが様々な情報を交換する場合で、要素Aから要素Bに送信される情報がイラストに関連する場合、矢印は要素Aから要素Bを指すことができる。この一方向の矢印は、要素Bから要素Aに送信される他の情報がないことを意味するものではない。さらに、要素Aから要素Bに送信される情報について、要素Bは、情報の要求または受信確認を要素Aに送信することができる。
【0038】
本出願において、以下の定義を含むものである。「モジュール」という用語または「コントローラ」という用語は、「回路」という用語に置き換えることができる。「モジュール」という用語は、コードを実行するプロセッサハードウェア(共有、専用、またはグループ)及びプロセッサハードウェアによって実行されるコードを格納するメモリハードウェア(共有、専用、またはグループ)を指すか、その一部であるか、またはそれを含む場合がある。
【0039】
モジュールは、1つまたは複数のインターフェース回路を含むことができる。いくつかの例では、インターフェース回路は、ローカルエリアネットワーク(LAN)またはワイヤレスパーソナルエリアネットワーク(WPAN)に接続する有線または無線のインターフェースを実装することができる。LANの例としては、米国電気電子学会(IEEE)標準802.11-2016(WIFIワイヤレスネットワーク標準としても知られる)及びIEEE標準802.3-2015(ETHERNET有線ネットワーク標準としても知られる)がある。WPANの例としては、IEEE標準802.15.4(ZigBee(登録商標) AllianceによるZIGBEE(登録商標)標準を含む)及びBluetooth(登録商標) Special Interest Group(SIG)によるブルートゥース(登録商標)(BLUETOOTH(登録商標))無線通信網標準(Bluetooth(登録商標) SIGによる、Core Specification versions 3.0、4.0、4.1、4.2、5.0、及び5.1を含む)がある。
【0040】
モジュールは、インターフェース回路を使用して他のモジュールと通信することができる。本開示においてのモジュールは、論理的に他のモジュールと直接通信するように示されている場合もあるが、様々な実施において、モジュールは、実際には通信システムを介して通信することができる。通信システムには、例えば、ハブ、スイッチ、ルーター、及びゲートウェイなどの物理的及び/または仮想ネットワーク機器が含まれる。いくつかの実装形態では、通信システムは、例えば、インターネットなどのワイドエリアネットワーク(WAN)に接続するか、またはそれと交差する。例えば、通信システムは、マルチプロトコルラベルスイッチング(MPLS)や仮想プライベートネットワーク(VPNs)などの技術を使用して、インターネットまたはポイントツーポイント専用回線を介して相互に接続された複数のLANを含むことができる。
【0041】
様々な実装形態において、モジュールの機能は、通信システムを経由して接続されている複数のモジュール間で分散されことができる。例えば、複数のモジュールは、負荷分散システムによって分配された同じ機能を実装することができる。さらに別の例では、モジュールの機能は、サーバ(遠隔またはクラウドとしても知られる)モジュールとクライアント(またはユーザー)モジュールとの間で分割されることができる。例えば、クライアントモジュールは、クライアントデバイスで実行され、かつサーバーモジュールとネットワーク通信をすることにより実行される、ネイティブまたはウェブアプリケーションを含んでもよいものである。
【0042】
上述で使用されたコードという用語は、ソフトウェア、フォームウェア、及び/またはマイクロコードを含むことができ、また、それは、プログラム、ルーチン、関数、クラス、データ構造、及び/またはオブジェクトを指すことができる。共有プロセッサハードウェアは、複数のモジュールからの幾つかまたはすべてのコードを実行する単一のマイクロプロセッサを包含するものである。グループプロセッサハードウェアは、1つまたは複数のモジュールからの幾つかまたはすべてのコードを実行する、追加のマイクロプロセッサと組み合わされたマイクロプロセッサを包含するものである。複数のマイクロプロセッサと言及する時は、個別のダイ上の複数のマイクロプロセッサ、単一のダイ上の複数のマイクロプロセッサ、単一のマイクロプロセッサの複数のコア、単一のマイクロプロセッサの複数のスレッド、または上述の組み合わせを含むものである。
【0043】
共有メモリハードウェアは、複数のモジュールからの幾つかまたはすべてのコードを記憶する単一のメモリデバイスを包含するものである。グループメモリハードウェアは、1つまたは複数のモジュールからの幾つかまたはすべてのコードを記憶する、他のメモリデバイスと組み合わされたメモリデバイスを包含するものである。
【0044】
メモリハードウェアという用語は、コンピュータ読取可能媒体という用語のサブセットである。本明細書で使用されるコンピュータ読取可能媒体という用語は、媒体(搬送波上など)を通って伝搬する一時的な電気信号または電磁信号を包含するものではない。従って、コンピュータ読取可能媒体という用語は、有形で非一時的であると見なされるものである。非一時的なコンピュータ読取可能媒体の非限定的な例は、不揮発性メモリデバイス(フラッシュメモリデバイス、消去可能なプログラム可能な読取専用メモリデバイス、またはマスク読取専用メモリデバイスなど)、揮発性メモリデバイス(静的ランダムアクセスメモリデバイスまたは動的ランダムアクセスメモリデバイスなど)、磁気記憶装置メディア(アナログまたはデジタル磁気テープまたはハードディスクドライブなど)、及び光記憶装置メディア(CD、DVD、またはブルーレイディスクなど)である。
【0045】
本出願で説明される装置および方法は、コンピュータプログラムに具体化された1つまたは複数の特定の機能を実行するように汎用コンピュータを構成することによって作成された専用コンピュータによって、部分的または完全に実施されることができる。そのような装置と方法は、電子化(コンピュータ化された)装置および電子化(コンピュータ化された)方法として記載されてもよい。上述の機能ブロック及びフローチャート要素は、ソフトウェア仕様として機能し、熟練した技術者またはプログラマーの定型業務によって、コンピュータプログラムに変換することができる。
【0046】
コンピュータプログラムは、少なくとも1つの非一時的なコンピュータ読取可能媒体に記憶されているプロセッサ実行可能命令を含んでいる。コンピュータプログラムはまた、記憶されたデータを含むか、またはそれに依存することができる。コンピュータプログラムは、専用コンピュータのハードウェアと情報を交換する基本的な入出力システム(BIOS)、専用コンピュータの特定のデバイスと情報を交換するデバイスドライバ、1つまたは複数のオペレーションシステム、ユーザーアプリケーション、バックグラウンドサービス、バックグラウンドアプリケーションなどを含むことができる。
【0047】
コンピュータプログラムは、次のものを含むことができる: (i)HTML(ハイパーテキストマークアップ言語)、XML(拡張マークアップ言語)、またはJSON(JavaScriptオブジェクト表記)などの解析される説明文、(ii)アセンブリコード、(iii)コンパイラによってソースコードから生成されたオブジェクトコード、(iv)インタプリタによる実行用のソースコード、(v)ジャストインタイムコンパイラによるコンパイル及び実行用のソースコードなど。単なる例として、ソースコードは、次に挙げる言語の構文を使用して記述できる: C,C++,C#,Objective-C,Swift,Haskell,Go,SQL,R,Lisp,Java(登録商標),Fortran,Perl,Pascal,Curl,OCaml,Javascript(登録商標),HTML5(Hypertext Markup Language 5th revision),Ada,ASP(Active Server Pages),PHP(PHP: Hypertext Preprocessor),Scala,Eiffel,Smalltalk,Erlang,Ruby,Flash(登録商標),VisualBasic(登録商標),Lua,MATLAB(登録商標),SIMULINK(登録商標),及びPython(登録商標)。
【0048】
一般的に、武器用オプティクスは、機械式ズームとデジタルズームの2つのうちのいずれか1つの方法で、倍率(すなわち、ズーム機能)を調整してもよい。機械式ズームは、オプティックのハウジング内の対物レンズを動かすことによって、対物レンズを調整する。しばしば、ユーザーによってリングが回転させられることで、手動でハウジング内の対物レンズを動かす。
【0049】
一般的に、デジタルズームは、機械式ズームより、もっとはるかに複雑である。デジタルズームオプティクス(光学系)は、ユーザーによって操作される複雑な複数のボタンおよびメニューを含み、オプティックのズーム設定のための入力を提供する。そして、オプティックは、ユーザーからの入力に従って、倍率を巧みに操作し、または調整する。
【0050】
機械式ズームとデジタルズームのオプションのそれぞれには、独自の課題がある。例えば、機械式ズームは、ハウジング内で長軸方向に対物レンズを調整するために十分なハウジングの大きさを必要とする。このように、機械式ズーム機能を有するオプティクスは、部分的により複雑な、より大きくより重いオプティクスとなる傾向がある。オプティックは、それが達成するために構築された倍率範囲にさらに制限される。
【0051】
例えば、デジタルズームは、機能に関して、複雑さが要求される。ユーザーは、メニューをナビゲートし、そして入力にあたりボタンを使用しなければならない。これは、幾つかの状況(例えば、素早い焦点合わせと発射を必要とする状況、など)や荒れ模様の天気(寒さ、雨、など)において、課題になり得る。さらに、デジタルズームを有する多くのオプティクスが、費用の増加と複雑な処理システムを有する。
【0052】
本開示では、伝統的なズームタイプに比較して、複雑さと重量を減少させ、使いやすさを可能にし、そしてパーツの多様性を可能にしたオプティックのデジタルズームが記載されている。本開示のオプティックは、複雑なメニューおよびボタンを必要とはせず、機械タイプズームに類似して、リングを操作し、又は回転させることで調整する。しかしながら、本開示のオプティックは、機械式ズームオプティックを有するものと同様のハウジング空間を必要とせず、もっとはるかに小さいハウジング空間が必要であり、パッケージ全体がもっとはるかに小さいことを可能にしながら、倍率をデジタル的に調整する。このように、本開示のオプティックは、複雑さと重量の減少を提供する。
【0053】
さらに、本開示のオプティックは、交換可能な部品の能力を提供する。例えば、前半部と後半部は、混合されたり、一致されたり(ミックス・アンド・マッチ)して、新しい特徴でオプティクスを作成してもよい。オプティックの前半部は、対物レンズアセンブリ、センサー、およびカメラを含んでもよい。後半部は、アイピース(接眼レンズ、対眼レンズ)、ディスプレイ、プロセッサ、及びデジタルシステムのためのサポート電子機器(エレクトロニクス)を含んでもよい。例えば、前半部と後半部の間の区切りは、前半部におけるセンサーと後半部におけるディスプレイとの間の、電子機器のいくつかの層であってもよい。
【0054】
ここで図1及び図2を参照すると、本開示によるデジタル照準システム、またはデジタルオプティック、10が図示されている。デジタル照準システム10は、ハウジング14及びマウント18を含んでいてもよく、マウント18は、ハウジング14を武器(小火器)16に取り付け、または固定するためのものである。マウント18は、ハウジング14と一体に形成されていてもよい。あるいは、マウント18は、1つ又は複数の、例えばねじ(図2)またはそのような締結具(ファスナー)22によって、ハウジング14に取り付けられてもよい。マウント18は、ハウジング14を小火器16のレール26に取り付けるように構成されていてもよい。あるいは、マウント18は、ハウジング14を他の武器またはマウントシステム16に取り付けるように構成されていてもよい。
【0055】
例えば、マウント18は、マウント18と小火器16とを係合するための第1面、または底面、30を含んでもよい。マウント18は、小火器16のスライド、上面、またはレール26と接触してもよい。第1面30は、マウント18を小火器16に固定するために、第1面30の一方側の長手方向側38から延在する第1突起34を含んでもよい。第1突起34は、その長さに沿って延びているチャネル42を含んでもよい。チャネル42は、レール26の第1の側46を収容するために、V字形、U字形、四角形などであってもよい。第2突起50は、第1面30の反対側の長手方向側54から延在してもよい。第2突起50は、第1突起34のチャネル42の上半分62と類似の(しかし、ミラーリングされた)傾斜がつけられている傾斜内壁58を有していてもよい。クランプ66は、第2突起50の外表面70に位置合わせされて、そして傾斜内壁74を含んでもよい。傾斜内壁74は、下方に延在し、そして第2突起50の傾斜内壁58と位置合わせされている。クランプ66の傾斜内壁74は、第1突起34のチャネル42の下半分78と類似の(しかし、ミラーリングされた)傾斜がつけられてもよい。第1突起34、第2突起50、およびクランプ66は、マウント18を小火器16にクランプまたは固定するように協働してもよい。例えば、1つ又は複数の締結具82は、第1面30の穴86、第2突起50の穴86(穴は図示せず)、およびクランプ66の穴86(穴は図示せず)を介して延在し、そして第1突起34の穴90に挿通され(ねじ込まれて)て、マウント18を小火器16にクランプおよび固定してもよい。従って、締結具82は、マウント18が小火器16に対して動くことを防ぐものである。
【0056】
ハウジング14は、前半部94と後半部98を支持してもよい。前半部94と後半部98は、接着剤、溶接、または他の結合(ボンディング)によって永久的に組み付けられてもよい。あるいは、前半部94と後半部98は、螺合、スナップ嵌合(係合)、または他の締付具によって、取り外し可能にともに、固定されてもよい。
【0057】
図2を参照すると、ハウジング14の前半部94は、主要内部空間106を画定(規定)し、対物レンズアセンブリ110を支持するフロントハウジング102、カメラコア(カメラ)114、および調整システム118を含んでいてもよい。フロントハウジング102は、一般的に、管状または円柱状のハウジングであってもよく、そして第1の端部122と、第1の端部122と対向して配置される第2の端部126を含んでもよい。長手軸130は、第1の端部122と第2の端部126との間に延在してもよい。フロントハウジング102の第1の端部122は、ハウジング14の後半部98と係合してもよい。フロントハウジング102の第2の端部126は、フロントハウジング102の「自由端(遊端)」であってもよく、そしてデジタル照準システム10を介して視認されるように対象物と位置合わせされてもよい。
【0058】
フロントハウジング102が、対物レンズアセンブリ110、カメラコア114、および調整システム118を含んでいるとして図示され、説明されているが、フロントハウジング102が、対物レンズアセンブリ110とカメラコア114のみを含み、調整システム118は、ハウジング14の後半部98に含まれていてもよいことが分かる。
【0059】
対物レンズアセンブリ110は、フロントハウジング102の第2の端部126に近接して配置されてもよく、そして一連の対物レンズ134を含んでもよい。対物レンズ134は、少なくとも1つの保持カラー(保持環)138を介して、フロントハウジング102内に保持および支持されてもよい。1つの構成において、保持カラー(複数の場合もある)138は、フロントハウジング102の第2の端部126の開口部146内の雌ねじ(内ねじ)142に螺合することにより、フロントハウジング102の長手軸130に沿った所望の場所に対物レンズ134を位置決めし、保持する。
【0060】
例えば、対物レンズアセンブリ110は、凸平複レンズと凸平単レンズを含んでもよい。凸平複レンズは、適した接着剤によって一緒に固定された、実質的に複凸レンズ及び実質的に凹凸レンズを有する。レンズ134は、ねじ切りリテーナー(保持)リング(例えば、保持カラー138)を介して及び/又は接着剤により、フロントハウジング102の第2の端部126内に固定され得ることにより、レンズ134をフロントハウジング102に対して位置決めして取り付けてもよい。
【0061】
カメラコア114は、対物レンズアセンブリ110に隣接配置されてもよい。カメラコア114は、処理されてユーザーに提供される対象のシーン(目的のシーン)のデジタルビデオ画像を取り込んでもよい。対象のシーンは、フロントハウジング102の第2の端部126の開口部146を介して取り込まれるシーンであってもよい。画像は、カメラコア114によって連続的に取り込まれ、そしてディスプレイを通してユーザーに対して、流される(ストリームされる)ものでもよい(後述)。
【0062】
例えば、対象のシーンからの光は、デジタル照準システム10のフロントハウジング102の第2の端部126の開口部146に入り込んでもよく、そしてカメラコア114によって取り込まれてもよい。そして、本明細書中に記載されているように、画像は、処理され、及び/又はデジタル照準システム10のディスプレイに提供される。例えば、画像は、カメラコア114及び/又は処理システムの光学ズーム及び/又はデジタルズーム機能によって提供される対象のシーンのズーム画像であってもよい。
【0063】
カメラコア114は、様々なタイプのカメラのうちの1つであってもよい。カメラコア114は、光の様々な波長を検出するカメラセンサーを含んでもよく、またはカメラセンサーそのものであってもよい。例えば、カメラコア114は、可視光、赤外スペクトル波長、熱(熱線)スペクトルの波長、ハイパースペクトルの波長及び/又はアプリケーションにおいて適切な別のタイプのカメラの、画像を取り込んでもよい。このように、高解像度のデジタル画像、赤外画像、熱画像及び/又はいかなる所望のスペクトルの他のタイプの画像が取り込まれてもよい。
【0064】
調整システム118は、小火器に対してレチクル(焦点板・面)パターン(図示せず)を適正に位置合わせするために、ハウジング14に対して画像の部分を位置決めするように構成されてもよい。調整システム118は、偏流調整タレット150、仰角調整タレット154、輝度調整タレット158、または他のいかなるタイプの、例えばコントラスト、倍率調整などの、調整タレットまたは調整ノブを含んでもよい。偏流調整タレット150、仰角調整タレット154、および輝度調整タレット158は、共同してレチクルパターンの位置合わせを調整する。
【0065】
偏流調整タレット150の回転は、レチクルパターンの配置を水平方向に移動させてもよい。例えば、偏流調整タレット150の回転は、フロントハウジング102の調整システム118に隣接配置されているセンサー162によって検出されてもよい。センサー162は、以下に記載するプロセッサとコミュニケート(連通、通信)し得ることにより、レチクルパターンの水平方向の位置を動かしてもよい。
【0066】
例えば、センサー162は、単極、多投スイッチ、誘導型センサー、ホール効果センサー、または他のいかなるタイプの、タレットの回転と位置を検出する、回転センサーまたは他のセンサーであってもよい。単極、多投スイッチにおいて、タレットに接続され、タレットと共に回転するロッドは、ロッドが回転する際にプリント回路基板上の端子と電気的に接続する接点を含む。プリント回路基板の端子は、分圧器の回路ノードに接続されている。接点と端子間の電気接続で、回路を完全なものとし、センサー162からの出力を提供する。
【0067】
誘導型センサーにおいて、コイルは、センサー162のプリント回路基板にプリントされる。送信コイルは、位相が90度ずれるよう配置されている一対の受信コイルを電気的に連結する交流(AC)磁場(磁界)を発生させる。導電性ターゲットは、タレットに接続され、タレットと共に回転するロッドに付着(固着)されている。送信コイルが励磁され、そして受信コイルからのフィードバックがセンサー162から出力されることにより、タレットの位置情報を決定する。
【0068】
ホール効果センサーにおいて、タレットが回転する際に、磁束変化が検出される。タレットは、タレットに接続され、そしてタレットと共に回転するロッドを含む。ロッドは、その中心に磁石を有する小さいギアとインターフェイスする外向きギア歯を含む。磁石は、磁極がシリンダ軸に垂直となるように磁化される。タレットが回転する際、被噛合ギア歯は、磁石の回転を引き起こす。磁石が回転する際、磁場センサーは、磁極位置の変化を検出する。磁石の位置は、判定(判読)のために、デジタル化され、そしてセンサー162から出力される。
【0069】
仰角調整タレット154の回転は、レチクルパターンの配置を垂直方向に移動させてもよい。例えば、仰角調整タレット154の回転は、フロントハウジング102の調整システム118に隣接配置されているセンサー162、または、代替的に、第2センサー162によって検出されてもよい。センサー162、または代替の第2センサー162は、以下に記載するプロセッサとコミュニケート(連通、通信)し得ることにより、レチクルパターンの垂直方向の位置を動かしてもよい。
【0070】
輝度調整タレット158の回転は、レチクルの光の強度を増減させ、またはレチクルの色を変化させてもよい。例えば、輝度調整タレット158の回転は、フロントハウジング102の調整システム118に隣接配置されているセンサー162、または、代替的に、第2または第3センサー162によって検出されてもよい。センサー162、または代替の第2または第3センサー162は、以下に記載するプロセッサとコミュニケート(連通、通信)し得ることにより、ユーザーに対して表示されているレクチルを明るくしたり、レクチルを暗くしたり、またはレクチルの色を変化させてもよい。
【0071】
フロントハウジング102は、さらに、電源170を収容する第2内部空間166を画定(規定)してもよい。電源170は、例えばバッテリーのような蓄電ユニットであってもよい。電源170は、カメラコア114及び/又はデジタル照準システム10の他の機構、機能に電力を供給してもよい。
【0072】
NUC(Next Unit of Computing)174は、電源170に隣接配置され、そして調整システム118と整列させられてもよい。NUC174は、以下に記載するように、電源170から電力を受け取ってもよく、そしてカメラコア114とコミュニケート(連通、通信)してもよい。
【0073】
ハウジング14の後半部98は、内部空間182を画定(規定)し、そしてアイピース190によって支持される接眼レンズアセンブリ186、ズームアセンブリ194、ディスプレイ198、およびプロセッサ202を収容するバックハウジング178、を含んでもよい。バックハウジング178が、接眼レンズアセンブリ186、アイピース190、ズームアセンブリ194、ディスプレイ198、およびプロセッサ202を含んでいるとして図示され、また説明されているが、バックハウジング178が、追加的に調整システム118を含んでもよいことが分かり、またはバックハウジング178がアイピース190と接眼レンズアセンブリ186のみを含んで、そして、ズームアセンブリ194、ディスプレイ198、およびプロセッサ202が前半部94に含まれてもよいことが分かる。
【0074】
バックハウジング178は、一般的に、管状または円柱状のハウジングであってもよく、そして第1の端部206と、第1の端部206と対向して配置される第2の端部210を含んでもよい。長手軸212は、第1の端部206と第2の端部210との間に延在してもよく、そしてフロントハウジング102の長手軸130と整列していてもよい。
【0075】
バックハウジング178の第2の端部210は、フロントハウジング102の第1の端部122と係合されてもよい。例えば、バックハウジング178の第2の端部210は、フロントハウジング102の第1の端部122に螺合するか、接着固定されるか、圧入されるか、または、さもなければ係合してもよい。
【0076】
バックハウジング178の第1の端部206は、アイピース190と係合してもよい。例えば、アイピース190は、取付カラー(取付環)214を介して、第1の端部206においてバックハウジング178に調整可能に取り付けられる。バックハウジング178の第1の端部206は、取付カラー214の第1の一連のねじ山222と協働する一連のねじ山218を含むことにより、取付カラー214をバックハウジング178に固定することができる。アイピース190は、一連の雄ねじ(外ねじ)230および一連の雌ねじ(内ねじ)234を有するハウジング226を含む。雄ねじ230は、バックハウジング178の第2の一連の雌ねじ(内ねじ)238と係合することにより、バックハウジング178に対してアイピース190を取り付けたり、その調整を可能とする。従って、取付カラー214は、バックハウジング178の第1の端部206に対して、アイピース190を位置決めし、そしてアイピース190がバックハウジング178に対して接眼レンズアセンブリ186を支持し、位置決めすることを可能にする。
【0077】
接眼レンズアセンブリ186は、一連のレンズ242を含んでもよい。接眼レンズアセンブリ186は、1つ又は複数の保持カラー(保持環)246によって、バックハウジング178に対してアイピース190により支持されてもよい。例えば、保持カラー246は、雌ねじ250に螺合することにより、アイピース190内の接眼レンズアセンブリ186のレンズ242を保持および位置決めすることができる。
【0078】
例えば、接眼レンズアセンブリ186は、一般的に、デジタル照準システム10の、対物レンズアセンブリ110から反対側にある端部に配置され、そして、両凸単レンズまたは実質的に複凸タイプレンズであってもよいアイピースレンズ、および複接眼レンズを含む。以下、アイピースレンズは、複凸アイピースレンズとして記載される。複接眼レンズは、適した接着剤によって一緒に固定された実質的に複凸レンズ及び実質的に複凹レンズを含んでもよい。複凸アイピースレンズと複接眼レンズは、ねじ切りリテーナー(保持)リング(例えば、保持カラー246)を介して、アイピース190に対して所望の位置に保持されてもよい。ねじ切りリテーナーリングが開示されているが、複凸アイピースレンズと複接眼レンズは、接着剤の使用によって、代替的に及び/又は付加的にアイピース190に取り付けられることができる。
【0079】
ズームアセンブリ194は、バックハウジング178内に支持されてもよく、そしてプロセッサ202とコミュニケート(連通、通信)してもよい。ズームアセンブリ194は、調整リング254と検出器258を含んでもよい。調整リング254は、バックハウジング178の外面の周りに位置していてもよく、そしてバックハウジング178に対して回転するように構成されていてもよい。調整リング254の回転は、検出器258とのコミュニケーション(連通、通信)を通して、デジタル照準システム10の倍率を調整する。例えば、調整リング254の左から右への回転が、ディスプレイ198の倍率を上げてもよい。あるいは、調整リング254の左から右への回転が、ディスプレイ198の倍率を下げてもよい。
【0080】
接眼レンズアセンブリ186、ズームアセンブリ194、カメラコア114、ディスプレイ198、および対物レンズアセンブリ110は協働して、デジタル照準システム10の光学要素列(光学系トレーン)(optics train)を形成してもよい。図に示されるように、光学要素列は、フロントハウジング102の長手軸130とバックハウジング178の長手軸212とに沿って位置している。光学要素列は、ハウジング14と協働して、対象物体の拡大画像を提供してもよい。
【0081】
図3図4A、および図4Bを参照すると、1つの構成において、ズームアセンブリ194aは、抵抗基板300と検出基板304を有する検出器258aを含んでもよい。検出器258aは、調整リング254の回転をデジタル信号に変換してもよい。図4Aに示すように、抵抗基板300は、プレート306と複数のペタル(ペタールまたは花弁状の構造物)308を含んでもよい。プレート306は、対向平面を有するパネルまたは厚板であってもよい。例えば、プレート306は、複合部材、セラミック材料、または他の非導電性の材料で形成されてもよい。
【0082】
複数のペタル308の各々は、プレート306上の電気接点であってもよい。例えば、複数のペタル308は、プレート306の面310上に環状に形成されてもよく、そしてセンターディスク312の周りに放射状に配置されてもよい。あるいは、複数のペタル308は、検出基板304の回転の測定をするために好適であるとみなされる、あらゆるパターンで形成されてもよい。
【0083】
複数のペタル308は、表面領域を最大限にカバーすることが可能な形であってもよいが、各ペタル308の間の間隔(ギャップ)314は残すものである(複数のペタル308を識別し、分離するため)。例えば、ペタル308は台形の形状を有することにより、各ペタル308を区別するための複数の間隔314と共に、リング(環)を形成してもよい。あるいは、ペタル308は、特定の実施形態に適するいかなる形状を有していてもよい。ペタル308の各々は、ペタル308から離れて放射状に延在するタブまたは他の突起316を含んでいてもよい。ペタル308、タブ316、およびセンターディスク312は、同一のまたは類似する材料で、及び/又は同一のまたは類似する表面特徴を有するように形成されてもよい。
【0084】
ペタル308(つまり、それとタブ316およびセンターディスク312も)は、ペタル308が抵抗基板300と区別され、そして検出器258aによって検出されるように、抵抗基板300の材料と異なる材料で形成されてもよい。あるいは、ペタル308は、異なる表面特徴、帯磁(磁化)、異なる色、またはペタル308を抵抗基板300と区別する、いかなる他の特徴を含んでいてもよい。例えば、ペタル308は、金、銅、または他の金属のような導電材料で形成されてもよい。
【0085】
図4Bに図示するように、検出基板304は、プレート318およびその上に固定される1つ又は複数の指(フィンガーまたは指状のもの)320(例えば、2つの指320)を含んでもよい。プレート318は、対向平面を有するパネルまたは厚板であってもよい。例えば、プレート318は、複合部材、セラミック材料、または他の非導電性の材料で形成されてもよい。
【0086】
各々の指(複数の場合もある)320は、基部324、アーム328、および接点332を含んでもよい。基部324は、一般的に長方形の(あるいは他の形状の)基部であってもよく、そして締結具(例えば、ねじ、接着剤、または他の適切な締結具)によってプレート318の面330に固定されてもよい。アーム328は、接点332を基部324と接続する。例えば、アーム328は、V字形、またはU字形のアームであってもよい。あるいは、アーム328は、実施形態の特定の要求に適するいかなる形状であってもよい。接点332は、アーム328の自由端336における、バルジ(膨隆、膨張部)、突起、または隆起であってもよい。
【0087】
基部324、アーム328、および接点332は、単一の、一体構造の(モノリシックに形成された)指320であってもよい。例えば、指320は、金属(例えば、金、銅、アルミニウムなど)のような導電材料、または、いかなる他の適切な導電材料で形成されてもよい。アーム328は、基部324と共にモノリシックに形成されてもよく、そしてV字形、U字形、または他の形状にするための処理中に折り曲げられてもよい。接点332は、アーム328と共にモノリシックに形成されてもよく、そして接点332は、バルジまたは突起を形成するための処理中にプレス加工(型押し加工、スタンプ)されてもよい。
【0088】
組み立てられた際には(図3)、検出基板304のプレート318は、調整リング254と一体となっているか、あるいは調整リング254に固定されて、それと共に回転しているディスク340に固定されている。例えば、プレート318は、検出基板304の穴348内に受け入れられる1つ又は複数の締結具344によってディスク340に固定されてもよい。あるいは、例えば、プレート318は、ディスク340と一体に形成されてもよい。あるいは、例えば、指(複数の場合もある)320は、ディスク340に直接固定されてもよく、それにより別体のプレート318を設ける必要性をなくすことができる。あるいは、検出基板304のプレート318は、調整リング254と共に回転するように調整リング254と一体的に形成されているか、または調整リング254に固定されてもよく、それにより別体のディスク340を設ける必要性をなくすことができる。あるいは、プレート318は、接着剤または他のタイプの固定機構によってディスク340に固定されてもよい。
【0089】
プレート318は、ディスク340上に位置し、そして指(複数の場合もある)320は、プレート318(またはディスク340)上に位置していることにより、抵抗基板300上のペタル308と接触、または係合することができる。さらに、ディスク340は、指(複数の場合もある)320がペタル308と接触または係合するように、バックハウジング178に対して位置決めされる。例えば、各々の指320の接点332は、抵抗基板300上のペタル308と接触するように位置決めされる。
【0090】
抵抗基板300のプレート306は、バックハウジング178に固定される。例えば、プレート306は、バックハウジング178の壁に固定されてもよく、バックハウジング178の半径方向内向きの突起に固定されてもよく、あるいはバックハウジング178の内壁のチャネル内に固定されてもよい。例えば、プレート306は、バックハウジング178に圧入されてもよい。あるいは、例えば、プレート306は、締結具、接着材、またはいかなる他のタイプの固定機構によって、バックハウジング178に固定されてもよい。あるいは、例えば、プレート306は、バックハウジング178と一体に、バックハウジング178とモノリシックに形成されてもよい。
【0091】
既に記載の通り、抵抗基板300のプレート306は、バックハウジング178に固定されるように取り付けられるのに対して、検出基板304のプレート318は、調整リング254と共に回転するように取り付けられる。調整リング254が回転させられる際に、検出基板304が(および、いくつかの構成においては、ディスク340も)ともに回転する。検出基板304の回転によって、指(複数の場合もある)320がペタル308の周りを回転する。回転の変化は、指(複数の場合もある)320とペタル308との間の抵抗の変化によって検出される。
【0092】
図5図6A、および図6Bを参照すると、代替的な構成において、ズームアセンブリ194bは、センサー基板400と磁石基板404を有する検出器258bを含んでもよい。検出器258bは、調整リング254の回転をデジタル信号に変換してもよい。図6Aに図示するように、センサー基板400は、プレート406とセンサー408とを含んでもよい。プレート406は、対向平面を有するパネルまたは厚板であってもよい。例えば、プレート406は、複合部材、セラミック材料、または他の非導電性の材料で形成されてもよい。
【0093】
センサー408は、例えば、磁場センサー、ホール効果センサー、超小型電気機械式、MEMSセンサー、またはいかなる他のセンサーであってもよい。センサー408は、プレート406の面410上に位置し、磁石基板404の回転を検出してもよい。例えば、センサー408は、プレート406の面410上の12時位置に位置してもよい。あるいは、センサー408は、プレート406上の6時位置、3時位置、9時位置、またはいかなる他の位置に位置してもよい。センサー408は、プレート406上へのセンサー408の固定と、そしてセンサー408からのデータ転送の供給との両方の機能を果たす、複数のタブ412によって、プレート406上に固定されてもよい。例えば、複数のタブ412は、金属(例えば、銅、アルミニウムなど)のような導電材料、またはいかなる他の導電材料で形成されてもよい。
【0094】
図6Bに図示するように、磁石基板404は、プレート414および一連の磁石416を含んでもよい。プレート414は、対向平面を有するパネルまたは厚板であってもよい。例えば、プレート414は、複合部材、セラミック材料、または他の非導電性の材料で形成されてもよい。
【0095】
一連の磁石416は、プレート414上、またはプレート414中に固定されてもよい。例えば、磁石基板404は、プリント磁石基板であってもよい。例えば、磁石416は、磁石416がプレート414の一部(単一の、一体的に、モノリシックの部分として)であるようにプレート414の面418上にプリントされてもよい。追加の精密な磁石416がプレート414上にプリントされ得るので、プリントされた磁石416は、調整数の増加を可能にする。調整数の増加は、付加的な感度とさらに緻密で正確なズーム機能を提供する。
【0096】
あるいは、磁石416は、プレート414中のスロット内で固定されてもよい、それにより、磁石416がプレート414の前面及び/又は背面と面一となるか、プレート414の前面及び/又は背面を越えて突出するか、またはプレート414の前面及び/又は背面をわずかに越えて突出するようになる。あるいは、磁石416は、プレート414内に埋め込まれてもよい、それにより、磁石416がプレート414の前面および背面と面一となるか、またはプレート414の前面および背面の間に配置されるかの、いずれかになる。あるいは、磁石416は、プレート414の面上、例えばプレート414の前面418上、に固定されてもよい。
【0097】
一連の磁石416は、例えば、プレート414上に、環状にまたは半円形状に形成されてもよい。あるいは、センサー408が一連の磁石416に基づいて磁石基板404の位置を検出することができる限り、一連の磁石416は、あらゆるパターンでプレート414上に形成されてもよい。例えば、磁石416は、磁石基板404上に環状に、半円形に、または他のパターンにおいて、ペア(例えば、11のペア、または任意の数のペア)にグループ分けされてもよい。あるいは、磁石416は、環状に、半円形に、または他のパターンにおいて、任意の数で、一つ一つが互いに間隔をあけるか、または一つ一つがグループ分けされていてもよい。
【0098】
図5を参照すると、組み立てられた際には、磁石基板404は、ディスク420(ディスク340に類似)に固定される。このディスク420は、調整リング254と一体となっているか、または調整リング254に固定されているかのどちらかであり、そして調整リング254と共に回転する。例えば、磁石基板404、より具体的にはプレート414は、磁石基板404の穴428内に受け入れられる1つ又は複数の締結具424(例えば、ねじなど)によってディスク420に固定されてもよい。あるいは、例えば、磁石基板404は、磁石基板404とディスク420が、単一の、モノリシックな部品であるように、ディスク420と一体に形成されてもよい。あるいは、例えば、磁石416は、前述のように配列されて、ディスク420に直接固定されてもよく、それにより別体のプレート414を設ける必要性をなくすことができる。あるいは、磁石基板404は、調整リング254と一体に形成されるか、または調整リング254に固定されて、共に回転してもよく、それにより別体のディスク420を設ける必要性をなくすことができる。あるいは、磁石基板404のプレート414は、接着剤またはいかなる他のタイプの固定機構によってディスク420に固定されてもよい。
【0099】
プレート414(またはディスク420)上の磁石416は、センサー408が磁石416を検出できるように、センサー基板400から所定の距離をあけた所に位置している。例えば、センサー基板400に対するプレート414の特定の場所において、センサー408は、磁石基板404のプレート414上の磁石416の存在、または磁石416のペア/グループの存在を検出する。例えば、センサー408が、センサー基板400のプレート406の12時位置に位置する時、センサー408は、磁石基板404のプレート414の12時位置において、磁石416の存在、または磁石416のペア/グループの存在を検出する。
【0100】
センサー基板400のプレート406は、バックハウジング178に固定されている。例えば、プレート406は、バックハウジング178の壁に固定されてもよく、バックハウジング178の半径方向内向きの突起に固定されてもよく、あるいはバックハウジング178の内壁のチャネル内に固定されてもよい。例えば、プレート406は、バックハウジング178に圧入されてもよい。あるいは、例えば、プレート406は、締結具、接着材、またはいかなる他のタイプの固定機構によって、バックハウジング178に固定されてもよい。あるいは、例えば、プレート406は、バックハウジング178と一体に、そしてバックハウジング178とモノリシックに形成されてもよい。
【0101】
既に記載の通り、センサー基板400のプレート406は、バックハウジング178に固定されるように取り付けられるのに対して、磁石基板404のプレート414は、調整リング254と共に回転するように取り付けられる。調整リング254が回転させられる際に、磁石基板404が(および、いくつかの構成においては、ディスク420も)ともに回転する。磁石基板404の回転によって、センサー408によって検出される磁石416が回転する。従って、回転の変化は、センサー基板400上のセンサー408によって検出される(例えば、磁石416とセンサー408との間の磁場変化)。
【0102】
図7図8A、および図8Bを参照すると、代替的な構成において、ズームアセンブリ194cは、センサー基板500と磁石基板504を有する検出器258cを含んでもよい。検出器258cは、調整リング254の回転をデジタル信号に変換してもよい。図8Aに図示するように、センサー基板500は、プレート506とセンサー508とを含んでもよい。プレート506は、対向平面を有するパネルまたは厚板であってもよい。例えば、プレート506は、複合部材、セラミック材料、または他の非導電性の材料で形成されてもよい。
【0103】
センサー508は、例えば、磁場センサー、MEMSセンサー、ホール効果センサー、または別のセンサーであってもよい。センサー508は、プレート506の面510上に位置し、磁石基板504の回転を検出してもよい。センサー基板500は、センサー基板400と同一、または類似していてもよい。また同様に、センサー508は、センサー408と同一、または類似していてもよい。
【0104】
一例として、センサー508は、プレート506の面510上の12時位置に位置してもよい。あるいは、センサー508は、プレート506上の6時位置、3時位置、9時位置、またはいかなる他の位置に位置してもよい。センサー508は、プレート506上へのセンサー508の固定と、そしてセンサー508からのデータ転送の供給との両方の機能を果たす、複数のタブ512によって、プレート506の面510上に固定されてもよい。例えば、複数のタブ512は、金属(例えば、金、銅、アルミニウムなど)のような導電材料、またはいかなる他の導電材料で形成されてもよい。
【0105】
図8Bに図示するように、磁石基板504は、プレート514および一連の磁石516を含んでもよい。プレート514がプレート414よりはるかに厚いこと、および磁石516がプリントされた磁石416の代わりとしての物理的な磁石であること以外は、プレート514はプレート414に類似していてもよく、磁石516は磁石416に類似していてもよい。
【0106】
プレート514は、対向平面を有するパネルまたはディスクであってもよい。例えば、プレート514は、円柱状のディスクであってもよい。プレート514は、例えば、複合部材、セラミック材料、または他の非導電性の材料で形成されてもよい。
【0107】
磁石516がプレート514の一部となるように、例えば、磁石516は、プレート514の穴518内に固定され、そしてプレート514の前面および背面と面一であってもよい。あるいは、磁石516は、穴518内に固定されてもよい、それにより、磁石516がプレート514の前面及び/又は背面を越えて突出するか、またはプレート514の前面及び/又は背面をわずかに越えて突出するようになる。あるいは、磁石516は、プレート514内に埋め込まれてもよい、それにより、磁石516がプレート514の前面および背面と面一であるか、プレート514の前面および背面の間に配置されるかの、いずれかになる。あるいは、磁石516は、プレート514の面上、例えばプレート514の前面上、に固定されてもよい。
【0108】
一連の磁石516は、プレート514上に、環状にまたは半円形状に形成されてもよい。あるいは、センサー508が一連の磁石516に基づいて磁石基板504の位置を検出することができる限り、一連の磁石516は、あらゆるパターンでプレート514上に形成されてもよい。一例として、磁石516は、円筒磁石のような細長い磁石であってもよい。あるいは、磁石516は、いかなる断面形状を有していてもよい。
【0109】
磁石基板504は、プレート514の上半分に半円形状に配置される磁石516と、プレート514の下半分のスロットまたはチャネル520を含んでもよい。一例として、スロットまたはチャネル520は、半円形状に切られ、磁石516の形をミラーリングしてもよい。あるいは、スロット520は、細長いスロットまたは一連の複数のスロットであってもよい。例えば、スロット520は、固定軸を受け入れることにより、磁石基板504の回転を制限してもよい。代替的にまたは付加的に、スロット520は、信号線が通過する穴を提供してもよい。
【0110】
図7を参照すると、組み立てられた際には、磁石基板504は、より具体的にはプレート514は、調整リング254に固定され、そして調整リング254と共に回転する。例えば、磁石基板504のプレート514は、プレート514の穴(複数の場合もある)528内に受け入れられる1つ又は複数の締結具524(例えば、ねじなど)によって調整リング254に固定されてもよい。例えば、穴(複数の場合もある)528は、プレート514の周壁532に形成されてもよく、そしてプレート514の中心に対して、放射状に延在してもよい。この構成において、磁石基板504は、調整リング254に直接固定されるため、ディスク(例えばディスク420または340)は含まれなくてもよい。あるいは、締結具524が必要とならないように、磁石基板504のプレート514は、調整リング254と一体に形成されることにより、単一のモノリシックな部品として作成されてもよい。あるいは、例えば、磁石基板504のプレート514は、ディスクと一体に形成されてもよい。あるいは、磁石基板504のプレート514は、接着剤またはいかなる他のタイプの固定機構によってディスクに固定されてもよい。
【0111】
プレート514の磁石516は、センサー508が磁石516を検出できるように、センサー基板500からの所定の距離をあけた所に位置している。例えば、センサー基板500に対する磁石基板504のプレート514の特定の場所において、センサー508は、磁石基板504上の磁石516の存在を検出する。例えば、センサー508が、センサー基板500のプレート506の12時位置に位置する時、センサー508は、磁石基板504のプレート514の12時位置において、磁石516の存在を検出する。
【0112】
センサー基板500のプレート506は、バックハウジング178に固定されている。例えば、プレート506は、バックハウジング178の壁に固定されてもよく、バックハウジング178の半径方向内向きの突起に固定されてもよく、あるいはバックハウジング178の内壁のチャネル内に固定されてもよい。例えば、プレート506は、バックハウジング178に圧入されてもよい。あるいは、例えば、プレート506は、締結具、接着材、またはいかなる他のタイプの固定機構によって、バックハウジング178に固定されてもよい。あるいは、例えば、プレート506は、バックハウジング178と一体に、そしてバックハウジング178とモノリシックに形成されてもよい。
【0113】
既に記載の通り、センサー基板500のプレート506は、バックハウジング178に固定されるように取り付けられるのに対して、磁石基板504のプレート514は、調整リング254と共に回転するように取り付けられる。調整リング254が回転させられる際に、磁石基板504がともに回転する。磁石基板504の回転によって、センサー508によって検出される磁石516が回転する。従って、回転の変化は、センサー基板500上のセンサー508によって検出される(例えば、磁石516とセンサー508との間の磁場変化)。
【0114】
図2図3図5、および図7のいずれかを参照すると、ディスプレイ198が、例えば、プロセッサ202とバックハウジング178の第1の端部206との間に配置され得ることにより、ディスプレイ198がアイピース190の接眼レンズアセンブリ186を介して視認される。ディスプレイ198は、プロセッサ202からデータを受信し、そしてユーザーがアイピース190を介して見るための画像を表示してもよい。ディスプレイ198は、カメラコア114、プロセッサ202、及び/又は入力ポート(図示せず)から受信した画像(例えば、画像は、直接カメラコア114から、プロセッサ202を介して、及び/又は1つ又は複数の外部カメラから、直接受信されてもよい)を選択的に表示してもよい。異なるタイプのディスプレイ198が使用されてもよい。例えば、様々な実施形態において、ディスプレイ198は、液晶表示体(LCD)、デジタルライトプロセッシング(DLP)ディスプレイ(例えば、それは一定の実施形態においては、従来のLCD実装よりも明るい画像を提供し得る)、有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイ、プラズマディスプレイ、ブラウン管(CRT)ディスプレイ、または特定のアプリケーションにおいて適切な別のタイプのディスプレイとして、実施されてもよい。例えば、ディスプレイ198は、カメラコア114からの対象物体とレチクル(例えば、十字線(十字マーク)または赤色ドット)を含む画像を投影してもよい。
【0115】
プロセッサ202は、バックハウジング178の第1の端部206と第2の端部210との間に位置していてもよく、そして所望の様態において適切なハードウェア及び/又はソフトウェアを使用することで、カメラコア114によって取り込まれる画像を調整してもよい。例えば、プロセッサ202はカメラコア114によって取り込まれる画像を調整し得ることにより、異なる環境条件、対象物体の異なる距離、及び/又は他の要素を補填してもよい。さらに、プロセッサ202は、取り込まれる画像にデジタルズーム操作を実行し、ズーム画像をディスプレイ198に提供してもよい。
【0116】
以下にさらなる詳細が記載されるように、本開示の機能を実施および実行するように構成されるプロセッサ202は、1つ又は複数のプロセッサ、モジュール、及び/又は1つ又は複数のプリント回路基板(PCB)のような電気回路構成(要素)を含んでもよい。例えば、プロセッサ202は、本開示の機能と方法を成し遂げ、実行するために、メモリに記憶されるコンピュータ実行可能命令を実行するように構成されるプロセッサを含むコントローラーであってもよい。さらに、本開示の例において、プロセッサ202によって実行されるべき機能と方法が記載されているが、その機能と方法はシステムコントローラー及び/又は遠隔コンピュータによって代替的に実行されることができる。
【0117】
図9を参照すると、プロセッサ202は、関連する部分において、カメラコア114、検出器258、センサー162、およびディスプレイ198とコミュニケート(連通、通信)しているコントローラー600を含んでもよい。
【0118】
コントローラー600は、カメラコア114と通信し、ディスプレイ198のために処理される画像を受信してもよい。例えば、カメラコア114は、処理されてユーザーに提供される対象のシーンのデジタルビデオ画像を取り込んでもよい。対象のシーンは、フロントハウジング102の第2の端部126内の開口部146を介して取り込まれるシーンであってもよい。画像は、カメラコア114によって連続的に取り込まれ、処理のためにコントローラー600にストリームされてもよい。例えば、対象のシーンからの光は、デジタル照準システム10のフロントハウジング102の第2の端部126の開口部146に入り込んでもよく、そしてカメラコア114によって取り込まれてもよい。例えば、画像は、カメラコア114の光学ズーム及び/又はデジタルズーム機能によって提供される対象のシーンのズーム画像であってもよい。そして、画像は、コントローラー600によって処理され、そしてディスプレイ198へ送られてもよい。
【0119】
コントローラー600は、ターゲット(対象物)から反射され、そして対物レンズアセンブリ110を介して透過した光を処理することにより、デジタル信号を生成してもよい。カメラコア114の電荷結合素子(CCD)の画素が、光を受ける時、光の強度に応じた電荷が生成される。コントローラー600は、電荷を電気信号に変換することにより、各画素によって受信された光の強度(濃度値)を得ることができる。そして、コントローラー600は、各画素の光の強度に基づいて、画像を構成する。例えば、各画素は、光の強度の256値のデータを転送してもよい、ここで、単色で、黒は「0」と見なされ、白は「256」と見なされ、さらに灰色(白と黒を半々に含む)は「127」とみなされる。コントローラー600がいったん画像を処理し、そして再構成すれば、コントローラー600は、ディスプレイ198に画像信号を渡してもよい。
【0120】
コントローラー600は、検出器258およびカメラコア114とコミュニケート(連通、通信)していてもよい。既に記載の通り、検出器258は、調整リング254においての変化を検出し、そしてその変化をデジタル信号としてコントローラー600に伝達してもよい。例えば、図3図4Bを参照すると、検出器258は、指320の接点332と抵抗基板300との間の抵抗変化を検出する。検出基板304が回転する際に、接点332は、ペタル308とセンターディスク312を横切ることで、抵抗を変化させる。検出器258は、抵抗変化をデジタル信号としてコントローラー600に伝達する。コントローラー600は、抵抗変化を追跡、探知することにより、調整リング254の位置と、その位置と関連する所望の倍率を決定する。
【0121】
例えば、図10をさらに参照すると、調整リング254の回転は、360度以下とみなしてもよい。接点332は、調整リング254と共に回転し、そして本体ハウジングと接続されている別々の接点に電気的に接続する(図10では、簡単化のため、単接点のみが表現されている)。これらの別々の接点は、抵抗基板300上の個々のペタル308であり、その抵抗基板300はバックハウジング178へ固定して取り付けられている(図10では、簡単化のため、10個のペタル308のみが表現されている)。図10に示されるように、各ペタル308は、分圧器608の様々な回路ノード604に接続されている。接点332は、コントローラー600とインターフェイスする内部導電リングへの回路(図示せず)を完成させる(例えば、アナログ入力)。コントローラー600は、測定された電圧に基づいて調整リング254の位置を決定する。
【0122】
あるいは、調整リング254の回転は、誘導性センシング(感知)によって決定されてもよい。ワイヤループ内の誘導の原理および渦電流を使用して、ワイヤループのセットの近位で回転する導電性ターゲットの相対位置を検出することにより、調整リング254の回転を高精度で検出することができる。送信コイルは、電気的に90度位相がずれて配置された一対の受信コイルに連結する交流磁場を生成し、正弦・余弦関係を可能にする。その技術は線形可変差動変圧器に類似しているが、物理的に固定子に配置されるコイルではなく、プリント回路基板(PCB)にプリントされたコイルを利用する。導電性ターゲットが調整リング254と共に回転する接点332である一方で、コイル(送信および受信)は、バックハウジング178へ固定して取り付けられた抵抗基板300にプリントされたペタル308とセンターディスク312である。検出器258は、送信コイルを励磁し、受信コイルからのフィードバックを解釈し、そしてデジタルズームに適用される、位置情報をデジタル信号として、コントローラー600に伝達する。
【0123】
あるいは、例えば、図5図6Bを参照すると、検出器258(258b)は、プリント磁石基板404の磁場センサー408と磁石416との間の磁場変化を検出する。磁石基板404は、調整リング254の回転と共に回転する際、磁石416は、磁場センサー408の前で回転する、それにより磁束(強弱)を変化させ、そして電圧を生成させる。検出器258は、(電圧としての)磁場変化をデジタル信号としてコントローラー600に伝達する。コントローラー600は、磁場変化を追跡、探知することにより、調整リング254の位置と、その位置と関連する所望の倍率を決定する。プリント磁石基板404のプリントされた磁石416は、調整の数を著しく増加させることで、より正確で緻密なズーム変更をもたらす。
【0124】
あるいは、例えば、図7図8Bを参照すると、検出器258(258c)は、磁場センサー508と磁石基板504に埋め込まれた磁石516との間の磁場変化を検出する。磁石基板504は、調整リング254の回転と共に回転する際、磁石516は、磁場センサー508の前で回転する。検出器258は、磁場変化をデジタル信号としてコントローラー600に伝達する。コントローラー600は、磁場変化を追跡、探知することにより、調整リング254の位置と、その位置と関連する所望の倍率を決定する。
【0125】
あるいは、ホール効果方法は、調整リング254が回転される際に、磁束の変化を検出できるものである。調整リング254は、中心に磁石を有する小さいギアとインターフェイスする内向きギア歯を含んでもよい。磁石は、磁極が円筒形磁石の長手軸と垂直となるように磁化される。調整リング254が回転する際、被噛合ギア歯は、磁石の回転を引き起こす。磁石が回転する際、磁場センサーは、磁極位置の変化を検出する。磁石の位置は、検出器258によってデジタル化され、そしてさらなる判定(判読)のため及びズームを適用するために、コントローラー600に伝達される。
【0126】
あるいは、光学センサーは、調整リング254の位置の変化を検出できるものである。調整リング254は、調整リング254が回転する際に回転するように固定されるディスク(ディスク340及び420に類似)を含むことが可能である。ディスクは、光学センサーによって検出可能な表面の特徴(例えば、テクスチャー、色分け判別マークなど)を含んでもよい。調整リング254が回転される際に、ディスクは回転される。ディスクが回転する際に、光学センサーは、位置の変化を検出する。ディスク(および調整リング254)の位置は、検出器258によってデジタル化され、そしてさらなる判定(判読)のため及びズームを適用するために、コントローラー600に伝達される。
【0127】
再び図9を参照すると、コントローラー600は、検出された倍率の変化を検出器258から受信し、そして決定する。例えば、コントローラー600は、様々な位置、抵抗、電圧、及び/又は磁場強度と、倍率および対物レンズアセンブリ位置とを互いに関係づけるチャートを保存する。コントローラー600は、カメラコア114の現在の倍率を追跡、探知する。コントローラー600が、位置、抵抗、及び/又は磁場強度を示すデジタル信号を検出器258から受信すると、コントローラー600はこの値と倍率を関係づける。コントローラー600は、カメラコア114を、決定された倍率に調整する。
【0128】
コントローラー600は、センサー162とコミュニケート(連通、通信)して、レチクルの偏流、仰角、及び/又は輝度を検出および調整してもよい。例えば、偏流調整タレット150、仰角調整タレット154、及び/又は輝度調整タレット158の回転は、フロントハウジング102の調整システム118に隣接配置されているセンサー162によって検出されてもよい。センサー162は、コントローラー600へ、その調整を伝達してもよい。コントローラー600は、センサー162からのその調整と、特定の偏流、仰角、及び/又は輝度の値を関係づけてもよく、そして補正(修正)をカメラコア114に出力してもよい。
【0129】
図11を参照すると、本教示に従った制御アルゴリズム700のためのフローチャートが示されている。制御アルゴリズム700は、例えば、コントローラー600または別の適切なコントローラーによって実行されることができる。図11に示す制御アルゴリズム700は、コントローラー600によって実行される制御アルゴリズム700の高レベルなプロセスの概要であり、704から開始される。708において、センサー162および検出器258は、その変化について、例えばコントローラー600によって、監視される。
【0130】
712において、コントローラー600は、センサー162及び/又は検出器258における変化が生じているかどうか判定する。検出器258及び/又はセンサー162の変化は、それぞれ、調整リング254及び/又は、偏流調整タレット150、仰角調整タレット154、および輝度調整タレット158の1つの動き、移動を示す。もしもそれがイエス(Y)の場合、コントローラー600は、716において、変化がセンサー162出力においてであるかどうかを判定する。もしも、712においてノー(N)の場合、メソッド700は、708へ戻る。
【0131】
もしも716においてイエス(Y)の場合、720において、コントローラー600は、センサー162出力の変化が、偏流調整タレット150、仰角調整タレット154、及び/又は輝度調整タレット158の回転によるものかどうかを判定する。上述の通り、センサー162は、偏流調整タレット150、仰角調整タレット154、及び輝度調整タレット158の全てにおいての回転を検出する単一センサーであってもよく、またはセンサー162は、偏流調整タレット150、仰角調整タレット154、及び輝度調整タレット158の各々について1つのセンサーからなる、複数のセンサーであってもよい。
【0132】
例えば、オペレーターまたはユーザーにより、偏流調整タレット150が回転される時、センサー162は偏流調整タレット150の回転と位置とを検出してもよい。例えば、センサー162は、単極、多投スイッチ、誘導型センサー、ホール効果センサー、または他のいかなるタイプの、タレットの回転と位置を検出する、回転センサーまたは他のセンサーであってもよい。センサー162は、偏流調整タレット150の変化と位置を示す信号を出力する。
【0133】
同様に、オペレーターまたはユーザーにより、仰角調整タレット154が回転される時、センサー162が仰角調整タレット154の回転と位置を検出し、それを示す信号を出力してもよい。オペレーターまたはユーザーにより、輝度調整タレット158が回転される時、センサー162が輝度調整タレット158の回転と位置を検出し、それを示す信号を出力してもよい。
【0134】
724において、センサー162からの出力は、特定の偏流、仰角、または輝度と関係づけられる。例えば、センサー162出力が、コントローラー600によって保存されるチャートにおいて、特定の偏流、仰角、または輝度と関係づけられてもよい。あるいは、特定の偏流、仰角または輝度は、センサー162出力から、さもなければ、決定されてもよい。例えば、デジタル設定への調整のために異なる入力を提供する特定のメニュー入力に対して、出力は、終始一貫していても、あるいは変化していてもよい。
【0135】
728において、カメラコア114は、特定の偏流、仰角、または輝度に従って調整されてもよい。例えば、コントローラー600は、カメラコア114及び/又はレクチルを直接調整することにより、特定の偏流、仰角、または輝度を、反映させてもよい。あるいは、コントローラー600は、制御信号をNUC174へ送信することにより、カメラコア114及び/又はレチクルを、特定の偏流、仰角、または輝度が反映するように調整してもよい。
【0136】
732において、メソッド700は終了する。
【0137】
もしも716においてノー(N)の場合、コントローラー600は、736において、変化が検出器258出力においてであるかどうかを判定する。もしもそれがノー(N)の場合、メソッド700は、708へ戻る。もしも736においてイエス(Y)の場合、コントローラー600は、740において、検出器258からのデジタル信号を受信する。その信号は、電気信号、抵抗信号、または磁場信号であってもよい。
【0138】
744において、コントローラー600は、信号を解釈して、倍率を決定する。例えば、検出器258は、抵抗変化をコントローラー600に伝達する。コントローラー600は、抵抗変化(例えば電圧)を追跡、探知して、調整リング254の位置を決定する。コントローラー600は、調整リング254の位置を、所望の倍率と関係づける(例えば、コントローラー600のメモリに保存されるチャートを使用して)。
【0139】
あるいは、例えば、検出器258は、送信コイルを励磁し、受信コイルからのフィードバックを解釈し、そして位置情報をコントローラー600に伝達する。コントローラー600は、調整リング254の位置を、所望の倍率と関係づける(例えば、コントローラー600のメモリに保存されるチャートを使用して)。
【0140】
あるいは、例えば、検出器258は、測定された磁場データをコントローラー600に伝達する。コントローラー600は、その変化を追跡、探知することにより、調整リング254の位置を決定する。
【0141】
748において、カメラコア114は、特定の倍率に従って調整されてもよい。例えば、コントローラー600は、カメラコア114を直接調整してもよい。あるいは、コントローラー600は、制御信号をNUC174へ送信することにより、カメラコア114を、特定の倍率が反映するように調整してもよい。
【0142】
752において、メソッド700は終了する。
【0143】
図12を参照すると、本教示に従って、デジタル照準システム10の倍率を調整するメソッド800のためのフローチャートが示されている。アルゴリズム800は、例えば、コントローラー600、検出器258、または別の適切なコントローラーによって実行されることができる。図12に示すアルゴリズム800は、アルゴリズム800の高レベルなプロセスの概要であり、804から開始される。808において、オペレーターまたはユーザーにより、調整リング254が回転される。
【0144】
812において、検出基板304、または磁石基板404、504は、調整リング254と共に回転する。例えば、検出基板304、または磁石基板404、504は、調整リング254と共に回転するために、調整リング254に直接固定されてもよい(例えば、単一のモノリシックな部品として、またはそこに固定される個々の部品として)。あるいは、例えば、検出基板304、または磁石基板404、504は、調整リング254と共に回転するために固定された、ディスク340、420に固定されてもよい(例えば、単一のモノリシックな部品として、またはそこに固定される個々の部品として)。
【0145】
816において、抵抗における変化または磁場における変化が検出される。例えば、検出器258は、指320の接点332と抵抗基板300との間の抵抗変化を検出してもよい。検出基板304が回転する際に、接点332は、ペタル308とセンターディスク312を横切ることで、抵抗又は電圧を変化させる。検出器258は、抵抗変化又は電圧をデジタル信号としてコントローラー600に伝達する。
【0146】
あるいは、例えば、検出器258は、磁場センサー408、508と、プリント磁石基板404の磁石416、あるいは磁石基板504に埋め込まれた磁石516とのそれぞれの間の磁場変化を検出してもよい。磁石基板404,504が調整リング254の回転と共に回転する際、磁石416,516は、磁場センサー408、508の前で回転する。検出器258は、磁場変化をデジタル信号としてコントローラー600に伝達する。
【0147】
820において、検出器258からの信号に基づいて、所望の倍率と、現在の倍率からの倍率の変化が決定される。例えば、コントローラー600は、検出器258からの信号を受信する。コントローラー600は、様々な調整リング254の位置及び/又は磁場/電圧と一連の前もってセットされた倍率とを関係づけるチャートを保存していてもよい。コントローラー600は、磁場または電圧を調整リング254の位置に変換し、そして調整リング254の位置を前もってセットされた倍率と関係づけてもよい。あるいは、コントローラー600は、磁場または電圧を前もってセットされた倍率に直接変換してもよい。
【0148】
824において、カメラコア114の倍率は、新しい倍率へ調整されてもよい。例えば、コントローラー600は、カメラコア114を直接調整してもよい。あるいは、コントローラー600は、制御信号をNUC174へ送信することにより、カメラコア114を、特定の倍率が反映するように調整してもよい。
【0149】
828において、メソッド800は終了する。
【0150】
実施形態の上述の記載は例示及び説明のために提示されている。上述の記載は網羅的にすることも本開示を限定することも意図しない。特定の実施形態の個々の要素又は特徴は概して、その特定の実施形態に限定されないが、適用可能な場合、具体的に図示又は説明がされていないとしても、入れ替え可能であり、選択された実施形態において用いることができる。特定の実施形態の個々の要素又は特徴を多くの方法で変えることもできる。そのような変形は、開示から逸脱するものとしてみなされるべきではなく、そのような変形が全て開示の範囲内に含まれることを意図する。
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