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特許7362747オクルーダ、オクルーダと挿入カテーテルとで構成されるシステム、及びシステムを提供する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-06
(45)【発行日】2023-10-17
(54)【発明の名称】オクルーダ、オクルーダと挿入カテーテルとで構成されるシステム、及びシステムを提供する方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/12 20060101AFI20231010BHJP
【FI】
A61B17/12
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2021539881
(86)(22)【出願日】2020-01-09
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-14
(86)【国際出願番号】 EP2020050433
(87)【国際公開番号】W WO2020144284
(87)【国際公開日】2020-07-16
【審査請求日】2022-03-23
(31)【優先権主張番号】102019100530.2
(32)【優先日】2019-01-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】521289168
【氏名又は名称】カトナ メディカル ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】セントラ、マルコス
【審査官】鈴木 敏史
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/157316(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0184439(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0160753(US,A1)
【文献】特表2015-534880(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0338832(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の左心耳(10)を閉鎖するためのオクルーダ(12)であって、
近位端部(142)及び遠位端部(140)を備えると共に、自己拡張可能なフレーム(14)を備え、
拡張状態において、前記フレーム(14)は、実質的に球形の外側輪郭を有し、挿入位置において、前記オクルーダ(12)は、自己拡張した形態と比較して、前記近位端部(142)が近位方向に変位し、前記遠位端部(140)が遠位方向に変位する細長い外側輪郭を有することを特徴とし、
前記フレーム(14)の近位半球(32)の外側に、前記フレーム(14)を少なくとも部分的に覆う生体組織(40)が配置され、
前記生体組織(40)が、網状化法による処理によって安定化され、前記生体組織(40)に耐久性を付与するために、液体媒体で湿らせるか又は乾燥される、
オクルーダ(12)。
【請求項2】
網状化法が、特にグルタルアルデヒド及び/又はアルコールを使用する架橋処理を含むことを特徴とする、請求項1に記載のオクルーダ(12)。
【請求項3】
前記生体組織(40)を湿らせる前記液体媒体が、グルタルアルデヒド及び/又はアルコールであることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載のオクルーダ(12)。
【請求項4】
前記生体組織(40)が、最初にグリセロール及び/又は一価から三価のアルコールで湿らされ、次いで乾燥されることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載のオクルーダ(12)。
【請求項5】
前記生体組織(40)が、真空乾燥されるか又は風乾されることを特徴とする、請求項4に記載のオクルーダ(12)。
【請求項6】
乾燥された前記生体組織(40)は、エチレンオキシドで殺菌されていることを特徴とする、請求項5に記載のオクルーダ(12)。
【請求項7】
前記オクルーダ(12)を患者に挿入するために、前記フレーム(14)を、前記オクルーダ(12)が実質的に管状の外側輪郭を有する挿入位置に移動させることができる、請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載のオクルーダ(12)。
【請求項8】
前記フレーム(14)がその近位端に管状の端部(16)を備え、
及び/又は、前記フレーム(14)がその遠位端にポット状の端部(18)を備える、 請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載のオクルーダ(12)。
【請求項9】
近位半球(32)が第1のアンカー手段(34)を有し、
及び/又は、遠位半球(35)が第2のアンカー手段(36)を有する、
請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載のオクルーダ(12)。
【請求項10】
オクルーダ(12)を患者に挿入し、前記オクルーダ(12)を前記患者の左心耳(10)上に配置するためのシステムであって、
挿入カテーテル(104)と、
生体組織(40)を備える請求項1から請求項9までのいずれか1項に記載のオクルーダ(12)と、
を備えるシステム。
【請求項11】
前記オクルーダ(12)が、前記挿入カテーテル(104)内に圧縮された構成で挿入位置に配置され、前記配置は、前記オクルーダ(12)が前記挿入位置で前記左心耳に供給され、前記挿入位置で解放されることができるような配置であることを特徴とする、
請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記挿入カテーテル(104)が、内側チューブ(108)、外側チューブ、及び挿入管(111)を含み、
前記オクルーダ(12)が、前記挿入管(111)内に収容された前記生体組織(40)を含むことを特徴とする、
請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
請求項10から請求項12までのいずれか1項に記載のシステムを提供するための方法であって、
生体組織(40)が、最初に網状化法によって安定化され、前記生体組織(40)に耐久性を持たせるために、液体媒体で湿らせるか又は乾燥される、
方法。
【請求項14】
前記液体媒体が、グルタルアルデヒド及び/又はアルコールを含み、
前記生体組織(40)を備える前記オクルーダ(12)が、患者に挿入される直前に前記挿入カテーテル(104)上に配置される、
請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記生体組織(40)が、真空乾燥されるか又は風乾され、
前記生体組織(40)を備える前記オクルーダ(12)が、前記挿入カテーテル(104)に導入され、耐久性を持たせた上で、利用可能な状態にされている、
請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、患者の左心耳(auricula cordis sinistra)を閉鎖するためのオクルーダに関する。また、本発明は、患者にオクルーダを挿入するための関連システムと、そのシステムを提供する方法とに関する。
【背景技術】
【0002】
心耳(auriculae atrii or atrial appendages)は、哺乳類の心臓の心房にある突起部である。医学的に"auricula cordis sinistra"として知られる左心耳(LAA:left atrial appendage)は、肺動脈管に隣接しており、特に心房細動の患者において、脳卒中の原因となる血栓が頻繁に発生する部位である。したがって、左心耳の血栓を予防することは、脆弱な患者における有効な脳卒中予防法である。
【0003】
この脳卒中予防のために、突起部に導入され、例えばテフロン(登録商標)フィルムを使用してアクセスを閉鎖するインプラントが開発されている。これらのインプラントはLAA(左心耳)オクルーダと呼ばれる。これらのインプラントは、突起部内に挿入され、特にアンカー要素を用いてそこに固定され、その結果、特にその近位端領域を介して、液密に突起部内へのアクセスを閉鎖する。挿入は主に、血管内技術を用いて、即ち、特に、インプラントを使用場所に運ぶ挿入カテーテルを用いて行われる。オクルーダは、特に体積を減らした状態で使用場所に運ばれ、そこで拡張する。オクルーダには、一般に、自己拡張性の材料、例えば、形状記憶合金が使用される。この種のオクルーダは、WO2015/079023A1から既知である。
【0004】
また、DE102015104785A1は、閉鎖要素によって突起部を閉鎖するためのデバイスを開示しており、ここで、2つのアンカー要素は、任意の組織を損傷することなく閉鎖要素を固定している。
【0005】
また、US2018/0338832A1及びWO2013/158608A1は、とりわけ、僧帽弁が人工弁に置き換えられるか、又はその機能が改善される低侵襲性の手順によって僧帽弁上に配置されるためのデバイスを開示する。
【0006】
さらに、EP1729682B1は、ステントとして大動脈に導入され、拡張されると動脈瘤(嚢胞形成)を修復する管腔内血管プロテーゼを開示している。US2011/184439A1には、血管壁の穴を両側から塞ぐためのオクルーダが開示されており、このオクルーダは、生体材料を備えた2つのスクリーンと、2つのスクリーンを接続する円筒状の中央部分とを備えている。また、WO2006/036837A2には、血管壁の穴を塞ぐためのオクルーダが開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明によって対処される問題は、特に、既知のオクルーダの生体適合性を改善することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この問題は、請求項1の特徴を有するオクルーダによって解決される。したがって、特に患者の左心耳を閉鎖するためのオクルーダが提案される。オクルーダは、自己拡張可能なフレームを備え、生体組織はフレーム上に配置され、生体組織は少なくとも部分的にフレームを覆う。生体組織は、特にフレームの外側に配置される。生体組織は、特にオクルーダの生体適合性を高めるために使用される。生体組織は、特にフレームの外側に配置することができ、これにより患者の自然組織及び/又は患者の循環血液と接触することができる。この点に関して、生体組織は、特にオクルーダが配置された状態にあるときに、左心耳を液密に閉鎖するために使用することができる。また、オクルーダが左心耳に配置された後、生体組織上に自然の細胞又は皮膚層が形成され、その結果、生体組織上で成長することも考えられる。特に、生体組織を提供することによって、生体適合性の向上を図ることができる。特に、生体組織は、WO2015/079023A1に開示されているようなテフロン(登録商標)製のカバー、又は任意の他の合成材料で作られたカバーの代わりに使用することができる。その結果、オクルーダの生体適合性を全体として向上させることができる。
【0009】
生体組織は、特に網状化法による処理によって安定化される。網状化は、好ましくは、特にグルタルアルデヒド及び/又はアルコールを使用する架橋処理によって行うことができる。殺菌のために及び/又は生体組織に耐久性を付与するために、生体組織を液体媒体で持続的に湿らせるか、又は湿らせた後で乾燥させることもできる。生体組織は、まず液体媒体で殺菌された後で、乾燥、特に真空乾燥されることが考えられる。液体媒体は、好ましくはグリセロール及び/又は一価から三価アルコールである。
【0010】
フレームは、特に、可撓性の自己拡張性の材料で構成されているか、又はこの種の材料を含むことができる。この材料は、金属又はプラスチック材料とすることができる。しかしながら、有利には、形状記憶特性を有する金属合金である。ニッケル-チタン合金、例えばニチノール(登録商標)合金が特に好ましい。これらの材料からインプラントを製造し、焼戻しによって再成形するプロセスは、多くのケースで説明されている。このタイプの形状記憶金属は、外部からの圧力で変形させることができ、この圧力が無くなると、自動的に記憶された形状に戻る。これにより、オクルーダを挿入位置の形に変形させて、カテーテルによってオクルーダを意図された位置に持っていき、次いでオクルーダを解放すると、オクルーダが拡張して、それによって記憶された形状をとるか、又はその上で記憶された形状に押し込むことが可能になる。
【0011】
本発明の有利な展開では、生体組織は、動物組織、特に哺乳動物の組織である。この種の組織は、オクルーダのフレーム上に配置するのに特に適している。特に、この種の組織は、人間の患者の組織と比較的高い生体適合性を有する。
【0012】
本発明のさらに有利な実施形態では、組織は心膜である。この種の膜は、生体適合性の点で、及び左心耳を確実に液密に閉鎖するために、特に有利であることが証明されている。しかしながら、腹膜組織、横隔膜組織、又は小腸のもしくは心膜組織の粘膜下組織など、膜形式の任意の他の動物組織も考えられる。
【0013】
また、オクルーダは、拡張状態において実質的に球状の外形を有することが有利である。この種の球形又はボール状の外側輪郭は、左心耳を閉鎖するために、オクルーダを左心耳内に特に有利に配置することを可能にする。これは特に、オクルーダ又はオクルーダを配置するための挿入カテーテルが、解放中に患者の左心耳に対してどれだけ正確に配置されているかに関係なく、また、左心耳の大きさ及び輪郭にも関係がない。その結果、この場合には、自己拡張可能なオクルーダは、特に、拡張形態において球形又は実質的に球形の外形に展開し、そうすることでオクルーダが解放されたときに、オクルーダが左心耳の内壁と接触するようになる。オクルーダは、例えば、左心耳の内側の環状線に沿って静止することができる。
【0014】
オクルーダが配置された状態では、フレームの外側の近位半球は、その少なくとも一部が、特に少なくとも半分が、さらには少なくとも3分の2が、さらには完全に又は実質的に完全に、生体組織によって覆われていることが特に好ましい。その結果、特に左心耳における血栓形成のリスクとその結果として生じる脳卒中のリスクを低減するために、生体組織によって左心耳を閉鎖することができる。配置された状態では、オクルーダは環状線に沿って左心耳に対して静止していることが考えられる。そこから近位方向に進むと、生体組織によってフレームの外側が完全に又は実質的に覆われ、その結果、この部分だけが大動脈を通る血液循環に曝されることが特に考えられる。また、オクルーダが配置された後で、患者の身体によって生体組織上に皮膚層が形成され、最終的に新たに形成された皮膚層が生体組織上に形成されて、左心耳が閉鎖されることも考えられる。
【0015】
生体組織は、特にPTFE糸を用いてフレームに縫い付けられることが特に好ましい。他の固定方法を用いて固定することも考えられる。しかしながら、フレーム構造に縫い付けることは特に容易である。この目的には、外科的縫合、特にPTFEによる縫合が適している。
【0016】
また、オクルーダを患者に挿入するために、フレームを、オクルーダが実質的に管状の外形を有する挿入位置に移動させることができると、特に好ましい。この状態では、オクルーダの外径が特に小さくなるため、特に挿入カテーテルによって意図した位置にもっていくことができる。特に、オクルーダに印加された形状から始めて、圧縮された構成に変換され、挿入カテーテルから解放された後、印加された自己拡張された構成に展開し、それによって左心耳の内側に静止するようになる。
【0017】
フレームには、少なくとも1つのX線マーカが配置されていることが好ましく、複数のX線マーカが配置されていることが特に好ましい。これにより、オクルーダを特に正確な方法で左心耳上に配置することができ、その後、オクルーダを解放することができる。X線マーカは、特に、オクルーダの外側に沿って一定の距離で配置することができる。特に、これらは、特に球状のオクルーダの円周に沿って配置することができる。X線マーカが配置されている領域は、オクルーダが配置された状態にある場合、左心耳の内壁に対して静止するようにすることができる。したがって、X線マーカは、特に、オクルーダが配置された状態にある場合に、近位半球と遠位半球とを分ける切断面から切断することができる。生体組織が、X線マーカもカバーすることが考えられる。
【0018】
フレームは、好ましくは、その近位端に管状端部を備える。オクルーダが配置された状態では、管状端部は、結果的にフレームの近位端の領域にある。特に、左心耳上にオクルーダを配置するための挿入カテーテルは、この管状端部を通してフレーム内に挿入され得る。生体組織が開口部を有することが考えられ、その結果、挿入カテーテルは、開口部を通り、次いで管状端部を通って、フレーム内に挿入され得る。生体組織は、挿入カテーテルがオクルーダから取り外された後、組織の開口部が液密又は実質的に液密に閉鎖されるように、弾性的に撓むように設計され得る。これにより、最終的に、左心耳を液密又は実質的に液密に閉鎖することができる。
【0019】
この文脈において、本発明の1つの特に好ましい展開では、フレームは、その遠位端にポット形状の端部を備える。したがって、このポット形状の端部は、管状のフレーム部と隣接するベース部とを有することができ、これにより、心耳上に配置された状態にあるときに、オクルーダの遠位端の領域にポット形状の遠位端部を形成する。挿入カテーテルの一部は、オクルーダを左心耳上の意図した位置にもたらすために、このカップ形状の端部の中又は上に配置され得る。
【0020】
この文脈において、本発明の特に好ましい展開では、フレームは、管状の端部とポット形状の端部との間に、網状のフレーム部を形成するために、複数の分岐及び再結合するウェブを備えている。したがって、網状又はフレーム状のフレーム部を、オクルーダの近位端部と遠位端部との間に設けることができる。拡張された構成では、このフレーム部は、球状又は実質的に球状をとることができる。
【0021】
フレームは一体的に形成されていることが、特に好ましい。したがって、フレームは、特に、遠位端部及び近位端部と、それらの間の網状のフレーム部とを備えることができる。一体型のフレームは、レーザ切断によって、ウォータジェット法によって、又は放電加工(EDM)によって製造することができる。したがって、特に、複数の分岐及び再結合するウェブは、管状部分から「切り出す(cut out)」ことが可能となっている。しかしながら、網状のフレーム構造を、編組構造(braided structure)から作ることも考えられる。
【0022】
オクルーダの近位半球は、有利には第1のアンカー手段を有する。追加的に又は代替的に、遠位半球は、第2のアンカー手段を有する。
【0023】
オクルーダが配置された状態では、近位半球は、結果的に第1のアンカー手段を有することができる。これらは、特に、フックとして設計することができ、近位方向を向く端部を有する湾曲構造を有することができる。
【0024】
追加的に又は代替的に、遠位半球は、第2のアンカー手段を有することができる。これらは、特に、バーブ(barbs)として設計することができ、特に、近位方向を向く棒状の部分を含むことができる。
【0025】
生体組織は、フレーム上に配置される前に、網状化法による処理によって安定化されることが好ましい。したがって、例えばグルタルアルデヒド及び/又はアルコールを使用する架橋処理によって、生体組織を最初に安定化させることが考えられる。生体組織は、特にオクルーダに固定された後、オクルーダが使用されることが意図されるまで液体媒体中に保存され、患者に配置される直前にオクルーダと一緒にカテーテル上に配置されるだけであることが考えられる。しかしながら、特に、生体組織をこの方法で乾燥させ、耐久性を持たせることも考えられる。生体組織を、最初にグリセロール及び一価から三価のアルコールで処理することが考えられる。次に、組織を乾燥させる、特に真空乾燥させ得る。生体組織を耐久性のあるものにするために、任意の他の組織乾燥プロセスも考えられる。このようにして乾燥させた組織は、結果的にオクルーダのフレーム上に配置することができる。この状態で、オクルーダを、挿入カテーテルの中又は上に配置することができる。次いで、生体組織を含む挿入カテーテル及びオクルーダからなるシステムは、特にガス状のエチレンオキシド(EtO)によって殺菌され、保存期間中はこの構成で耐久性よく保存され得る。
【0026】
冒頭に述べた問題は、オクルーダを患者に挿入し、そのオクルーダを患者の左心耳に配置するためのシステムであって、挿入カテーテルとその上に配置された本発明のオクルーダとを含むシステムと、システムを提供する方法とによっても解決される。本システムによって、オクルーダは、結果的に左心耳に供給され、次いでそこで解放され得る。オクルーダは、挿入カテーテルがオクルーダ内に挿入される管状の近位端部を有することが特に考えられる。挿入カテーテルは、特に、外側チューブ及び内側チューブを有することができる。この場合、外側チューブは、遠位方向において内側チューブよりも前で終端することができる。外側チューブは、オクルーダの近位端部に移動結合され(be movement-coupled)得、一方、内側チューブはオクルーダの遠位端部に移動結合され得る。内側チューブの遠位端領域は、オクルーダのポット形状の遠位端部に挿入することができる。内側チューブと外側チューブとを互いに対して相対的に変位させて、最初に、オクルーダを伸張した状態、即ち、オクルーダが特に管状構成を有することができる挿入位置に移動させ、次に、オクルーダを左心耳上の意図した位置に移動させることが可能であると考えられる。その後、オクルーダを解放して、特に球形の自己拡張した構成に押し込み、それによって、オクルーダが左心耳に対して静止するようにすることができる。
【0027】
また、生体組織がフレームに適用された後に、オクルーダが挿入カテーテル内に既に配置されていると、保存及び/又はオペレータへの輸送のために有利である(事前装填システム)。挿入カテーテル及びオクルーダからなるシステムを、特にエチレンオキシド(EtO)を用いて殺菌することにより、システムは耐久性よく保存及び輸送され得る。このことは、システムが患者に導入される直前にも有利である。なぜなら、オクルーダは挿入カテーテルとは別個の部分として提供されておらず、オペレータはオクルーダを挿入カテーテル上に配置する必要がないからである。したがって、本実施形態では、作業工程を省略することができ、その結果、汚染又は操作エラーのリスクがより少なくなる。
【0028】
本発明のシステムを提供するための方法において、まず、生体組織を網状化法によって安定化させる、次に、生体組織を液体媒体で湿らせ、及び/又は、殺菌のために且つ耐久性を持たせるために生体組織を乾燥させる。生体組織は、特に真空乾燥によって乾燥させることができ、その後、オクルーダ上に配置し、挿入管内に導入することができる(乾燥状態)。次いで、システム全体を、挿入管内に存在するオクルーダと共に、オペレータ、特に医師が利用できるようにすることができる(事前装填システム)。しかしながら、生体組織を含むオクルーダが、殺菌液槽内(湿潤状態)において挿入カテーテルとは別個にオペレータに利用可能にされること、及び、オクルーダが、システムが使用される直前に挿入カテーテルに固定されること、が考えられる(ユーザ装填システム)。
【0029】
本発明のさらなる詳細及び有利な実施形態は、以下の説明に見出すことができ、それに基づいて、図面に示される本発明の実施形態がより詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1図1は、左心耳上に配置される一実施形態によるオクルーダの概略平面図である。
図2図2は、図1によるオクルーダの概略斜視図である。
図3図3は、図2によるオクルーダの半分の平面図である。
図4図4は、図2によるオクルーダのフレーム部分の破断概略図である。
図5図5は、一実施形態による挿入ユニットの概略斜視図である。
図6図6は、図1の挿入ユニットの概略断面図であり、挿入位置にある挿入管にオクルーダが配置されている。
図7図7は、挿入管のない図6に対応する概略断面図である。
図8図8は、図1の挿入ユニットの概略断面図であり、オクルーダは、オクルーダから挿入ユニットが取り外される前の構成で、挿入ユニット上に配置されている。
図9図9は、オクルーダの近位端周辺の領域の概略断面図であり、その上に挿入ユニットが配置されている。
図10図10は、挿入ユニットの内側チューブをオクルーダから取り外した状態の、図9に基づく図である。
図11図11は、ルアーコネクタを挿入ユニットから取り外した状態の、挿入ユニットの近位領域の図である。
図12図12は、本発明によるシステムを提供するための方法ステップを示す。
【発明を実施するための形態】
【0031】
まず、図1は、参照符号10で示される患者の左心耳を概略的に示す。脳卒中のリスクを低減するために、左心耳10にオクルーダ12を導入して、左心耳10へのアクセスを閉鎖する。
【0032】
オクルーダ12は、最初は、一体的に形成されたフレーム14を備えている。このフレームは、管状の近位端部16と、ポット形状の遠位端部18とを含む。ポット形状の遠位端部18は、ポット形状の構造を形成するために、円柱状のシース部20及びベース部22を備える。オクルーダは、2つの端部16、18の間に網状フレーム部24を有する。この網状フレーム部24は、図4において、切り開かれた形態で特に明確に見ることができる。管状の近位端部16から出発して、網状フレーム部分24は最初に、多数のウェブ26を有する。これらは、網状構造を形成するために、ウェブ25の分岐した網状組織に合流する。そうすることにより、ひし形の構造28が形成される。遠位方向29において、ウェブ25は、遠位端部18に通じる個々のウェブ30に再び収束する。
【0033】
配置された状態(図1参照)では、オクルーダ12は、近位半球32及び遠位半球35を有する。近位半球32の領域には、多数の第1のアンカー手段34が設けられている。これらは、円周に沿った円形の線に沿って延在し、近位方向27を向く端部を有するフックの形をしている。第2のアンカー手段36は、遠位半球35の領域に形成される。これらは、同様に、円周に沿った円形の線に沿って延在し、棒状の形状を有し、近位方向27に円周面から斜めに突出している。アンカー手段34、36も、フレーム14と一体に形成されている。
【0034】
オクルーダ12のフレーム14は、自己拡張型の材料、例えば、形状記憶合金、特にニチノール(登録商標)合金で構成されている。オクルーダ12に印加された拡張形状は球形である(図2参照)。オクルーダ12は、その中心点を通って近位方向又は遠位方向に延びる長手方向軸38を有する。また、この長手方向軸38は、管状の近位端部16の中心長手方向軸を通って、そして遠位端部18の中心長手方向軸を通って延びている(図2を参照)。近位半球32は、生体組織40によって完全に覆われている。この生体組織40は、特に生体膜(biological membrane.)である。特に、それは心膜(pericardium membrane)であり得る。組織40は、第1のアンカー手段34が開口部を通って突出するように、開口部を備えている。また、組織40は、管状の近位端部16を通して、挿入カテーテルをオクルーダ12に挿入するための挿入開口部を有する。オクルーダ12が解放された後に、挿入カテーテルがオクルーダ12から取り外されると、弾性的に撓む組織40は、挿入開口部が実質的に液密に閉鎖されるように収縮することができる。その結果、組織40の全体が、近位半球32を実質的に液密に閉鎖し、フレーム14を実質的に覆う。外科用糸42によって概略的に示されるように、組織は、PTFE糸によってフレーム14に縫い付けられる。
【0035】
近位半球32及び遠位半球35の分割面44の近傍には、近位半球32の領域の円周上に、多数のX線マーカ37が配置されている。これらは、オクルーダ12が左心耳内に正確に位置決めされることを可能にする。その結果、外科医は、オクルーダ12を特に正確に位置決めして配置することができる。
【0036】
全体として、生体組織40を設けることによって、比較的高い生体適合性を有するオクルーダ12を提供することができる。この場合、オクルーダ12が左心耳上に配置された後、患者の自然組織は生体組織40上で成長することができる。生体組織40を使用した結果、全体的に高い生体適合性が得られ、したがって、左心耳を閉鎖するための外科的介入が成功する可能性が高くなる。
【0037】
以下では、オクルーダ12を患者に挿入し、オクルーダ12を患者の左心耳10内で解放するためのシステムが、一実施形態に従って説明される。
【0038】
図5は、挿入ユニット100の全体を示す。挿入ユニット100は、駆動ユニット102及び挿入カテーテル104の両方を備えている。挿入カテーテル104は、内側チューブ108と外側チューブ110とを備えている。内側チューブ108は、外側チューブ110を通って延びている。さらに、外側チューブ110は、遠位方向29において内側チューブ108の手前で終端する。図6に示すように、挿入カテーテル104は、外側チューブ110を取り囲む挿入管111を有することもできる。駆動ユニット102は、オペレータ、特に外科医の手で保持することができ、全体として細長い形状を有するハウジング114を備える。
【0039】
また、駆動ユニット102は、ハウジング114内に回転可能に配置された作動要素116を備える。作動要素116は中空であり、第1の駆動ねじ118及び第2の駆動ねじ120を有し、第1の駆動ねじ118は第2の駆動ねじ120の近位にある(図6図7及び図8参照)。作動要素116は、特に一体に形成されている。
【0040】
また、ハウジング114内には、第1の伝達要素122及び第2の伝達要素124も配置されている。2つの伝達要素122、124は、全体として螺旋形状を有する。第1伝達要素122は、ねじ部126とヘッド部128とを有する。第2の伝達要素124は、これに対応して、ねじ部130とヘッド部132とを有する。2つの伝達要素122、124は、特にそれぞれ一体に形成することができる。第1の伝達要素122は、この場合、内側チューブ108に移動結合され、一方、第2の伝達要素124は、外側チューブ110に移動結合される。第1の伝達要素122のヘッド部128は、内側チューブ108に固定されたルアーコネクタ134と相互作用する。ルアーコネクタ134は、第1の伝達要素122のヘッド部128上に着脱可能に配置されている。
【0041】
第2の伝達要素124のヘッド部132は、移動結合を目的として、外側チューブ110と相互作用する。外側チューブ110は、ヘッド部132上に着脱可能に配置されている。
【0042】
外側チューブ110の遠位端において、外側チューブ110は、図10に特に明確に見ることができる2つの係止フィンガ状の端部136を有する。これらは、外側チューブ110と一体に形成されており、弾性的に撓むように変形させることができる。全体として、挿入ユニット100の動作モードは、以下の通りである。
【0043】
オクルーダ12を左心耳10に挿入するために、挿入カテーテル104は、まずオクルーダ12上に配置されて、挿入ユニット100及びオクルーダ12からなるシステムを形成し、オクルーダ12を左心耳10に運び、次いで、オクルーダ12を解放する。
【0044】
オクルーダ12は、最初は自己拡張された形状であり、したがって、球形の外側輪郭を有している(図2参照)。外側チューブ110は、オクルーダ12の生体組織40内の挿入開口部(図示せず)を通り、管状の近位端部16を通ってオクルーダ12内に挿入される。次いで、内側チューブ108は、オクルーダ12及び外側チューブ110を通過し、オクルーダ12のポット形状の遠位端部18上に配置される。係止フィンガ状部136は、内側チューブ108によって半径方向の内側方向への弾性変形に対して固定されているので、係止フィンガ136は、管状の近位端部16に対して形嵌め方式で(in a form-fitting manner)静止するようになる。
【0045】
次いで、オペレータ、特に外科医は、ハウジング114を手に取り、作動要素116を回転させることができる。図7に示すように、作動要素116は、まず、2つの伝達要素122、124のヘッド状の部分128、132が互いに向かって移動するように、回転される。その結果、外側チューブ110の遠位端137及び内側チューブ108の遠位端138は、互いに離れるように移動する。その結果、オクルーダ12の遠位端140は遠位方向29に変位し、オクルーダの近位端142は近位方向27に変位する。全体として、オクルーダ12はこの場合、挿入位置に移動されるので、オクルーダ12は全体として圧縮された形態となり、自己拡張された形態と比較して、縮小された直径dを有する細長い外形を有することになる(図7参照)。したがって、オクルーダは、オペレータによってその挿入位置にもたらされる(ユーザ装填システム)。
【0046】
あるいは、オクルーダ12が、予め構成されたシステムとして、挿入カテーテル104上で利用可能にされることが考えられる。オクルーダ12は、挿入管111によって取り囲まれて保護され、その挿入位置に「装填」された状態で利用可能になる(事前装填システム)。
【0047】
オクルーダ12は、特に、挿入管111内に、耐久性を持たせた生体組織を備えることができる。生体組織は、液体媒体を用いて、好ましくはグリセロールなどのアルコール中で調整され、次いで真空乾燥され得る。さらに、生体組織は、エチレンオキシド(EtO)によって殺菌することができ、この構成では、圧縮された挿入位置において、挿入カテーテル104又はその挿入管111内に耐久性を持たせて保存することができる。
【0048】
上述のように、圧縮された挿入位置では、オクルーダ12が、挿入カテーテル104と共に血管内に挿入され、そして、さらに左心耳まで、意図した位置まで運ばれ得る。オクルーダ12の位置は、X線マーカ37によって決定することができる。オクルーダ12の中央領域、即ち、X線マーカ37の領域は、左心耳に対して静止するように意図されている。
【0049】
挿入カテーテル104が挿入管111を備える場合、オクルーダ12が左心耳10上のその位置に到達したときに、挿入管111は外側チューブ110に対して引き抜かれ、それによってオクルーダを解放することができる。
【0050】
オクルーダ12を完全に解放するために、図8に示すように、作動要素116を回転させて、ヘッド状の部分128、132が互いに遠ざかるようにする。その結果、内側チューブ108は近位方向27に移動し、外側チューブ110は遠位方向29に移動する。この相対移動の過程で、オクルーダ12の近位端142及びオクルーダ12の遠位端140は、互いに向かって移動される。その結果、オクルーダ12の直径dが大きくなる。オクルーダ12は、自己拡張した形状に押し込まれ、その結果、オクルーダの近位端142及び遠位端140は互いに向かって押し込まれる。
【0051】
この場合、オクルーダ12の中央部分の位置は、特に変化しない。これは、中心線144を参照して図7及び図8に示されている。中心線144は、図7に示されるように、オクルーダが意図した位置に到達したときに、近位端142と遠位端140との間でオクルーダ12の中央部を通って延びている。したがって、オクルーダ12の中央部は、図8に示すように、オクルーダが解放されたときに正しい位置に留まり、したがって、位置が変わらない。
【0052】
図7に示す位置では、内側チューブ108は、オクルーダ12のポット形状の遠位端部18に、近位方向27に力嵌め方式で(in a force-fitting manner)保持されている。その結果、内側チューブ108の近位方向への移動中に、オクルーダ12の遠位端部18も近位方向27に移動する。オクルーダ12が図8に示すような位置に移動されると、力嵌めの力が小さくなるので、図11に示すように、比較的手間をかけずにルアーコネクタ134をヘッド状部128から取り外すことができる。その結果、ルアーコネクタ134、ひいては内側チューブ108を、外側チューブ110を介してオクルーダ12から引き抜くことができる。
【0053】
次に、図11に示すように、ここでは、係止フィンガ状部136が、半径方向内側に弾性的に移動できるので、外側チューブ110をオクルーダ12から引き抜くことができる。続いて、オクルーダ12は、図1に示すような自己拡張した形状をとることが可能な解放位置をとることができる、又は、いずれにしても自己拡張した最終形状に押し込まれて、左心耳をしっかりと閉鎖することができる。オクルーダ12が解放された後に、挿入カテーテルがオクルーダ12から取り外されると、弾性的に撓む組織40は、組織40の挿入開口部(図示せず)が実質的に液密に閉鎖されるように収縮することができる。その結果、組織40の全体が、近位半球32を実質的に又は完全に液密に閉鎖し、フレーム14を実質的に又は完全に覆う。その後、患者の皮膚が生体組織40上で成長することで、左心耳を永久的かつ安定的に閉鎖することができる。
【0054】
提案された構成の結果として、挿入カテーテル104は、特に簡単な方法でオクルーダ12から引き抜くことができる。これは、特に、オクルーダ12にトルクを加えることなく、又はほとんど加えずに達成することができる。これにより、挿入カテーテル104をオクルーダ12から引き抜くときに、オクルーダが望ましくない方法で意図した位置から変位してしまうリスクが低減される。
【0055】
本発明によるシステムを提供するための方法は、図12に概略的に示されており、以下のステップを提供する。
【0056】
方法ステップ200において、まず、生体材料(biological material)、特に心膜が提供され、方法ステップ201において、それは網状化法(架橋)、特にグルタルアルデヒド及び/又はアルコールを用いた網状化法によって安定化される。
【0057】
次の方法ステップ210において、網状の生体材料は、次に、オクルーダ又はそのフレームに固定され得る、特に縫い付けることができる。続く方法ステップ211において、生体材料を含むオクルーダは、液体媒体中に保存されて、耐久性を付与される。液体媒体は、グルタルアルデヒド及び/又はアルコールであり得る。方法ステップ212において、挿入カテーテルはオクルーダとは別に、特にガス状のエチレンオキシド(EtO)を使用して殺菌される。次に、オクルーダ及び挿入カテーテルが互いに別々にパッケージ化されて、医師に利用可能にされる。方法ステップ213では、一般には手術室で、湿らせたオクルーダが、挿入カテーテルに取り付けられるか、又は挿入カテーテルに配置される(ユーザ装填システム)。
【0058】
方法ステップ210から213の代わりに、方法ステップ220から224は、方法ステップ201に続くことができる。方法ステップ220において、生体材料が、特にグリセロール及び/又は一価から三価のアルコールを用いて乾燥される、特に真空乾燥又は風乾される。方法ステップ221において、生体材料は、オクルーダ又はそのフレームに固定され、特に縫い付けられる。方法ステップ222において、オクルーダは、生体材料と共に挿入カテーテル内に導入される。方法ステップ222では、生体材料を含むオクルーダは、特に気体エチレンオキシド(EtO)を使用して、挿入カテーテル内で殺菌される。このようにして予め組み立てられたシステムは、適宜パッケージ化されて保存され、方法ステップ224において、事前に装填されたシステムとして手術室の医師に利用可能にされる。これで、システムを使用する準備が整う。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12