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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-06
(45)【発行日】2023-10-17
(54)【発明の名称】部品供給装置および部品搬送システム
(51)【国際特許分類】
   B65G 47/14 20060101AFI20231010BHJP
   G01B 11/00 20060101ALI20231010BHJP
   G01B 11/26 20060101ALI20231010BHJP
   B65G 47/91 20060101ALI20231010BHJP
   G01B 11/25 20060101ALI20231010BHJP
【FI】
B65G47/14 D
G01B11/00 H
G01B11/26 H
B65G47/91 Z
G01B11/25 H
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021563979
(86)(22)【出願日】2020-12-08
(86)【国際出願番号】 JP2020045716
(87)【国際公開番号】W WO2021117734
(87)【国際公開日】2021-06-17
【審査請求日】2022-06-17
(31)【優先権主張番号】P 2019223874
(32)【優先日】2019-12-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000141886
【氏名又は名称】株式会社京都製作所
(73)【特許権者】
【識別番号】000003311
【氏名又は名称】中外製薬株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(72)【発明者】
【氏名】今井 友太
(72)【発明者】
【氏名】東 裕晃
(72)【発明者】
【氏名】保坂 英明
【審査官】加藤 三慶
(56)【参考文献】
【文献】特開平06-298335(JP,A)
【文献】特開平08-002655(JP,A)
【文献】特開平06-040545(JP,A)
【文献】特開平09-166426(JP,A)
【文献】特開平04-283052(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 47/14
B07C 5/10
G01B 11/00
G01B 11/26
B65G 47/91
G01B 11/25
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の部品が載置される載置面を有するステージと、
前記ステージの載置面に対して斜め上方向から前記部品を撮像する撮像システムと、
前記撮像システムによって得られた画像情報に基づいて、前記ステージの載置面上の部品の位置および向きを検出する部品検出部と、
前記撮像システムが搭載される移動ヘッドと、を有し、
前記撮像システムが、
前記移動ヘッドから前記ステージの載置面に向かって且つ前記ステージの載置面に対して鋭角な第1の角度で、前記斜め上方向に対して交差する方向に延在するライン光を照射するライン光照射装置と、
前記移動ヘッドから前記ステージの載置面に向かって且つ前記ステージの載置面に対して鋭角な第2の角度で前記ステージの載置面上の前記ライン光を撮像するライン光撮像装置と、
を備え、
前記画像情報が、
前記ライン光照射装置が照射する前記ライン光を前記載置面に対し走査させ、
この走査による複数のライン光それぞれを前記ライン光撮像装置によって撮像し、
この撮像された複数のライン光それぞれの形状に基づいて算出された、前記ステージの載置面における高さ分布であって、
前記移動ヘッドが、前記ステージの載置面に対して相対的に且つ平行に、前記ライン光が延在する方向に対して交差する方向に移動する、部品供給装置。
【請求項2】
部品の三次元形状を示す部品形状データを記憶する記憶部を、さらに有し、
前記部品検出部が、前記高さ分布と前記部品形状データとに基づいて、前記載置面上における部品の位置および姿勢を検出する、請求項に記載の部品供給装置。
【請求項3】
前記高さ分布と前記部品の形状情報とに基づいて、前記部品が存在する前記ステージの載置面内の領域の面積を算出し、その算出面積と前記部品の大きさとに基づいて、前記載置面上の部品の個数を推定する部品数推定部を、さらに有する、請求項1または2に記載の部品供給装置。
【請求項4】
前記ステージを揺動するステージ揺動装置を、さらに有する、請求項1からのいずれか一項に記載の部品供給装置。
【請求項5】
前記部品が、有底円筒状の形状を備える、1からのいずれか一項に記載の部品供給装置。
【請求項6】
前記ステージの載置面が、前記移動ヘッドの移動方向に延在し、前記部品の外周面の一部分と係合する複数の溝を備える、請求項に記載の部品供給装置。
【請求項7】
前記移動ヘッドを前記ステージに対して直線的に接近させるまたは離間させる移動ヘッド駆動装置を、さらに有し、
前記移動ヘッド駆動装置が、
サーボモータと、
前記サーボモータに一端が連結された第1のリンクアームと、
前記第1のリンクアームの他端に一端が連結されるとともに、他端が前記移動ヘッドに連結された第2のリンクアームと、を含む、請求項からのいずれか一項に記載の部品供給装置。
【請求項8】
前記ライン光撮像装置が、前記サーボモータの回転角度と、予め求められた前記回転角度と前記移動ヘッドの位置との間の非線形関係とに基づいて、前記移動ヘッドが一定の移動量移動する度に前記ライン光を撮像する、請求項に記載の部品供給装置。
【請求項9】
請求項1からのいずれか一項に記載の部品供給装置と、
部品をピッキングして搬送する搬送装置と、
を備える部品搬送システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、部品をピッキングして搬送する搬送ロボットなどの搬送装置を含む部品搬送システムおよびその構成要素である搬送装置に部品を供給する部品供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば搬送ロボットなどの搬送装置が部品を適切にピッキングできるように、その部品の向き(姿勢)を揃えて配置するパーツフィーダなどの装置が知られている。例えば特許文献1に記載された装置の場合、複数の部品それぞれは、ステージの載置面上に搬送され、その載置面に形成された複数の直線溝に一部分が係合することにより、その向きが揃えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】実開平5-56828号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の装置の場合、部品が例えば有底円筒状の形状を備えていると、その開口方向が180度異なる複数の部品がステージの載置面上に混在する可能性がある。そのために、その部品をピッキングする搬送ロボットなどの搬送装置は、正しい向きで部品をピッキングできない可能性がある。
【0005】
そこで、本開示は、より確実に部品を正しい向きでピッキングすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記技術的課題を解決するために、本開示の一態様によれば、
複数の部品が載置される載置面を有するステージと、
前記ステージの載置面に対して斜め上方向から前記部品を撮像する撮像システムと、
前記撮像システムによって得られた画像情報に基づいて、前記ステージの載置面上の部品の位置および向きを検出する部品検出部と、
を備える、部品供給装置が提供される。
【0007】
また、本開示の別態様によれば、
本開示の一態様に係る部品供給装置と、
部品をピッキングして搬送する搬送装置と、
を備える部品搬送システムが提供される。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、より確実に部品を正しい向きでピッキングすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本開示の一実施の形態に係る部品搬送システムの概略的な側面図
図2】部品搬送システムの概略的な上面図
図3】部品搬送システムの構成を示すブロック図
図4】部品搬送システムが取り扱う一例の部品の斜視図
図5】ステージに照射されたライン光を示す斜視図
図6】ライン光撮像装置よって撮像された、ステージの載置面の一部分上の複数のライン光を示す図
図7図6に示す複数のライン光が照射されたステージの載置面の一部分の斜視図
図8】サーボモータの回転角度と移動ヘッドの位置との間の関係を示す図
図9】部品搬送システムにおける部品搬送動作の流れの一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示の一態様の部品供給装置は、複数の部品が載置される載置面を有するステージと、前記ステージの載置面に対して斜め上方向から前記部品を撮像する撮像システムと、前記撮像システムによって得られた画像情報に基づいて、前記ステージの載置面上の部品の位置および向きを検出する部品検出部と、を備える。
【0011】
このような態様によれば、より確実に部品を正しい向きでピッキングすることができる。
【0012】
例えば、前記部品供給装置は、前記撮像システムが、前記ステージ側に且つ前記ステージの載置面に対して鋭角な第1の角度で、前記斜め上方向に対して交差する方向に延在するライン光を照射するライン光照射装置と、前記ステージ側に且つ前記ステージの載置面に対して鋭角な第2の角度で前記ステージの載置面上の前記ライン光を撮像するライン光撮像装置と、を備え、前記画像情報が、前記ライン光照射装置が照射する前記ライン光を前記載置面に対し走査させ、この走査による複数のライン光それぞれを前記ライン光撮像装置によって撮像し、この撮像された複数のライン光それぞれの形状に基づいて算出された、前記ステージの載置面における高さ分布である、と好ましい。
【0013】
例えば、前記部品供給装置は、移動ヘッドを、さらに有し、前記移動ヘッドに、前記撮像システムが搭載され、前記移動ヘッドが、前記ステージの載置面に対して相対的に且つ平行に、前記ライン光が延在する方向に対して交差する方向に移動する、と好ましい。
【0014】
例えば、前記部品供給装置は、部品の三次元形状を示す部品形状データを記憶する記憶部を、さらに有していると好ましい。この場合、前記部品検出部が、前記高さ分布と前記部品形状データとに基づいて、前記載置面上における部品の位置および姿勢を検出する、と好ましい。
【0015】
例えば、前記部品供給装置は、前記高さ分布と前記部品の形状情報とに基づいて、前記部品が存在する前記ステージの載置面内の領域の面積を算出し、その算出面積と前記部品の大きさとに基づいて、前記載置面上の部品の個数を推定する部品数推定部を、さらに有する、と好ましい。
【0016】
例えば、前記部品供給装置は、前記ステージを揺動するステージ揺動装置を、さらに有する、と好ましい。
【0017】
例えば、前記部品が、有底円筒状の形状を備える部品である、と好ましい。
【0018】
例えば、前記ステージの載置面が、前記移動ヘッドの移動方向に延在し、前記部品の外周面の一部分と係合する複数の溝を備えている、と好ましい。
【0019】
例えば、前記部品供給装置は、前記移動ヘッドを前記ステージに対して直線的に接近させるまたは離間させる移動ヘッド駆動装置を、さらに有している、と好ましい。また、前記移動ヘッド駆動装置が、サーボモータと、前記サーボモータに一端が連結された第1のリンクアームと、前記第1のリンクアームの他端に一端が連結されるとともに、他端が前記移動ヘッドに連結された第2のリンクアームと、を含んでいる、と好ましい。
【0020】
例えば、前記ライン光撮像装置が、前記サーボモータの回転角度と、予め求められた前記回転角度と前記移動ヘッドの位置との間の非線形関係とに基づいて、前記移動ヘッドが一定の移動量で移動する度に前記ライン光を撮像するように構成されている、と好ましい。
【0021】
本開示の別態様の部品搬送システムは、前記部品供給装置と、部品をピッキングして搬送する搬送装置と、を備える。
【0022】
このような態様によれば、より確実に部品を正しい向きでピッキングすることができる。
【0023】
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0024】
図1は、本開示の一実施の形態に係る部品搬送システムの概略的な側面図である。また、図2は、部品搬送システムの概略的な上面図である。さらに、図3は、部品搬送システムの構成を示すブロック図である。なお、図面に示すX-Y-Z座標系は、本開示の理解を容易にするためのものであって、本開示の実施の形態を限定するものではない。このX-Y-Z座標系において、X軸方向およびY軸方向は水平方向を示し、Z軸方向は鉛直方向を示している。
【0025】
図1および図2に示すように、本実施の形態に係る部品搬送システム10は、部品Pを搬送するためのシステムであって、クリーンルームCR内で部品Pを搬送するシステムである。
【0026】
図4は、部品搬送システムが取り扱う一例の部品の斜視図である。
【0027】
図4に示すように、本実施の形態の場合、部品搬送システム10は、有底円筒状の部品Pを取り扱う。具体的には、部品Pは、長さがLであって外径がφの円筒状であって、第1の端面Paと第2の端面Pbとを備える。第1の端面Paに開口Pcが形成されている。一方、第2の端面Pbには、開口が形成されていない。
【0028】
図1および図2に示すように、本実施の形態の場合、部品搬送システム10は、部品Pをピッキングして搬送する搬送装置としての搬送ロボット20と、その搬送ロボット20に部品Pを供給する部品供給装置30とを含んでいる。
【0029】
部品搬送システム10の搬送ロボット20は、部品Pをピッキングし、所定の場所(図示せず)に搬送し、そしてその所定の場所に所定の向き(例えば開口Pcが下向き状態)の部品Pを載置する多関節ロボットである。また、搬送ロボット20は、部品Pを保持するためのエンドエフェクタ22を備えている。エンドエフェクタ14は、例えば部品Pを吸引保持するように構成されている。なお、本実施の形態の場合、搬送ロボット20は、クリーンルームCRでの使用に適したクリーン環境用搬送ロボットである。
【0030】
部品搬送システム10の部品供給装置30は、搬送ロボット20に部品Pを供給するための装置であって、特に搬送ロボット20がピッキング可能に部品Pを供給するように構成されている。
【0031】
例えば具体的には、部品供給装置30は、複数の部品Pが載置される載置面32aを有するステージ32と、前記ステージ32の載置面32a上の部品Pに対して斜め上方向から撮像する撮像システムと、前記撮像システムによって得られた画像情報に基づいて、前記ステージ32の載置面32a上の部品Pの位置および向きを検出する部品検出部と、を備える。さらに具体的には、部品供給装置30は、複数の部品Pが載置されるステージ32と、ステージ32に対して相対的に移動する移動ヘッド34と、を備える。撮像システムは、移動ヘッド34に搭載された、ライン光をステージ32に照射するライン光照射装置36と、ステージ32上のライン光を撮像するライン光撮像装置38と、を備える。
【0032】
ステージ32は、水平(X軸方向およびY軸方向に対して平行)に展開して複数の部品Pが載置される載置面32aを備える。この載置面32a上の部品Pを、搬送ロボット20がピッキングする。部品Pは、搬入装置40を介してクリーンルームCRの外部から内部に搬入され、ステージ32の載置面32a上に配置される。このとき、複数の部品Pは、ランダムな位置および向き(姿勢)で載置される。
【0033】
また、本実施の形態の場合、ステージ32の載置面32aは、水平面部32bと、その水平面部32bに移動ヘッド34の移動方向(X軸方向)に延在するように形成された複数の溝32cとから構成されている。溝32cは、搬送ロボット20がピッキング可能な状態で部品Pの外周面の一部分と係合する断面形状を備える。本実施の形態の場合、部品Pのほぼ半分が溝32cに係合し、残りの部分が水平面部32bから突出する。さらに、本実施の形態の場合、部品供給装置30は、ステージ32を揺動させてその載置面32a上の複数の部品Pの位置および向きを変更するアクチュエータなどのステージ揺動装置42を含んでいる。これらの溝32cおよびステージ揺動装置42の役割については後述する。
【0034】
部品供給装置30の移動ヘッド34は、ステージ32の載置面32a上の部品Pの位置および向きを検出するためのライン光照射装置36とライン光撮像装置38を搭載する移動体である。
【0035】
具体的には、移動ヘッド34は、ステージ32の載置面32aに対して相対的に且つ平行(X軸方向)に移動する。本実施の形態の場合、移動ヘッド34は、水平方向には移動しないステージ32に対して接近するまたは離間する。また、移動ヘッド34は、接近した状態のとき、その一部分がステージ32の載置面32aの上方に位置する。さらに、移動ヘッド34は、移動ヘッド駆動装置44によって駆動される。
【0036】
図1および図2に示すように、本実施の形態の場合、移動ヘッド駆動装置44は、サーボモータ46と、サーボモータ46に一端が連結された第1のリンクアーム48と、第1のリンクアーム48の他端に一端が連結されるとともに、他端が移動ヘッド34に連結された第2のリンクアーム50とを含んでいる。
【0037】
サーボモータ46は、タイミングプーリ52を備え、そのタイミングプーリ52を鉛直方向(Z軸方向)に延在する回転中心線C1を中心にして回転させる。第1のリンクアーム48の一端には、鉛直方向に延在する駆動シャフト54が取り付けられている。その駆動シャフト54にタイミングプーリ56が設けられている。このタイミングプーリ56は、タイミングベルト58を介してサーボモータ46のタイミングプーリ52に対して駆動連結されている。この駆動連結により、駆動シャフト54が鉛直方向に延在する回転中心線C2を中心にして回転される。
【0038】
第2のリンクアーム50の一端は、第1のリンクアーム48の他端に対して、鉛直方向(Z軸方向)に延在する回転中心線C3を中心にして回動可能に連結されている。また、第2のリンクアーム50の他端は、移動ヘッド34に対して、鉛直方向に延在する回転中心線C4を中心にして回動可能に連結されている。
【0039】
なお、サーボモータ46と、タイミングプーリ52、56と、タイミングベルト58とがクリーンルームCRの外部に配置され、駆動シャフト54がクリーンルームCRの内部から外部に延在している。
【0040】
このような移動ヘッド駆動装置44によれば、サーボモータ46が、タイミングプーリ52、56、タイミングベルト58を介して駆動シャフト54を回転させることにより、第1および第2のリンクアーム48、50が移動ヘッド34を駆動する。このような駆動連結によれば、サーボモータ46が正転または逆転することにより、移動ヘッド34がステージ32に対して接近するまたは離間することができる。
【0041】
なお、移動ヘッド駆動装置44(そのサーボモータ46)によって駆動される移動ヘッド34が直線的に移動してステージ32に対して接近するまたは離間するように、ガイド装置60が設けられている。ガイド装置60は、水平方向(X軸方向)に延在するレール62と、レール62に係合してレール62の延在方向に移動するガイドブロック64とから構成されている。このガイドブロック64が移動ヘッド34に取り付けられることにより、移動ヘッド34が直線的に移動する。
【0042】
このような構成の移動ヘッド駆動装置44によれば、移動ヘッド34に搭載されたライン光照射装置36とライン光撮像装置38に接続する複数のケーブル(電源ケーブル、信号ケーブルなど)を、第1および第2のリンクアーム48、50、駆動シャフト54の内部を通過させてクリーンルームCRの外部に引き出すことができる。
【0043】
移動ヘッド34に搭載されたライン光照射装置36は、ステージ32にライン光を照射する。
【0044】
図5は、ステージに照射されたライン光LLを示す斜視図である。なお、図5では、ステージ32は、概略的に示されている。
【0045】
図5に示すように、ライン光照射装置36は、ステージ32の載置面32a上に、ライン光LLを照射するように構成されている。例えば、ライン光照射装置36は、スリット状の出射口を備えるレーザ装置である。
【0046】
具体的には、ライン光照射装置36は、撮像システムの撮像方向(ステージ32の載置面32a上の部品Pに対して斜め上方向)、すなわち本実施の形態の場合には移動ヘッド34の移動方向(X軸方向)に交差する方向(Y軸方向)に延在するライン光LLを照射する。ライン光LLの長さ(Y軸方向のサイズ)は、ステージ32の載置面32aの幅Wに実質的に一致する。
【0047】
また、ライン光照射装置36は、図1に示すように移動ヘッド34に対してステージ32側に、且つ、ステージ32の載置面32aに対して鋭角な第1の角度αで、ライン光LLを照射する。第1の角度αは、例えば、60度である。
【0048】
そして、移動ヘッド34がステージ32の載置面32aに対して移動することにより、具体的にはライン光LLが延在する方向(Y軸方向)に対して交差する方向(X軸方向)に移動することにより、ライン光LLがステージ32の載置面32a上を移動、すなわち走査、する。なお、移動ヘッド34とステージ32の載置面32aとは相対的に移動するものであればよく、ステージ32の載置面32aが移動ヘッド34に対して移動する態様であっても構わない。
【0049】
移動ヘッド34に搭載されたライン光撮像装置38は、ステージ32の載置面32a上のライン光LLを撮像する。
【0050】
図6は、ライン光撮像装置によって撮像された、ステージの載置面の一部分上の複数のライン光LLを示す図である。なお、図6は、異なるタイミングにそれぞれ撮像された複数のライン光LLを示している。また、図7は、図6に示す複数のライン光LLが照射されたステージの載置面の一部分の斜視図である。
【0051】
ライン光撮像装置38は、例えばカメラであって、移動ヘッド34が予め決められた一定の距離を移動する度に、ステージ32の載置面32a上のライン光LLを撮像する。すなわち、ライン光LLの反射光が、ライン光撮像装置38の撮像素子の受光面に入射する。
【0052】
また、ライン光撮像装置38は、図5に示すように、移動ヘッド34に対してステージ32側に、且つ、ステージ32の載置面32aに対して鋭角な第2の角度βで、ステージ32上のライン光LLを撮像する。すなわち、ライン光撮像装置38の光軸OAが、ステージ32と第2の角度βで交差する。第2の角度βは45度である。なお、第2の角度βは、第1の角度αに近い角度である方が好ましく、第1の角度αと等しくてもよい。
【0053】
図6および図7に示すように、ライン光撮像装置38によって撮像されるライン光LLの形状は、そのライン光LLが照射された物体(ステージ32の載置面32aや部品P)の部分の表面形状に対応する。すなわち、ライン光LLの形状は、ライン光LLが照射された物体の部分の高さ分布を表している。例えば、溝32cの最底部を基準(Z=0)とする高さの分布を表している。したがって、移動ヘッド34の移動中にライン光撮像装置38によって撮像された複数のライン光LLそれぞれの形状から、ステージ32の載置面32a全体における高さ分布を得ることができる。
【0054】
図3に示すように、部品搬送システム10は、制御装置70を備える。
【0055】
制御装置70は、移動ヘッド駆動装置44、ライン光照射装置36、ライン光撮像装置38、およびステージ揺動装置42を制御し、搬送ロボット20がピッキング可能な部品Pを供給するように構成されている。そのために、制御装置70は、ステージ32の載置面32aに載置された複数の部品Pの位置および向きを検出するように構成されている。
【0056】
具体的には、制御装置70は、移動ヘッド駆動装置44を制御する移動ヘッド制御部72と、ライン光照射装置36を制御する照射装置制御部74と、ライン光撮像装置38を制御する撮像装置制御部76と、ステージ揺動装置42を制御するステージ制御部78と、ステージ32の載置面32a全体における高さ分布を算出する高さ分布算出部80と、算出された高さ分布に基づいて載置面32a上における部品Pの位置および向きを検出する部品検出部82と、搬送ロボット20がピッキングして搬送する部品を決定する搬送部品決定部84と、ステージ32の載置面32a上の部品Pの個数を推定する部品数推定部86と、ハードディスクなどの記憶部88とを備える。
【0057】
制御装置70は、例えば、CPUとメモリやハードディスクなどの記憶装置とから構成されている。記憶装置(記憶部88)に記憶されているプログラムにしたがって動作することにより、CPUは、移動ヘッド制御部72、照射装置制御部74、撮像装置制御部76、ステージ制御部78、高さ分布算出部80、部品検出部82、搬送部品決定部84、および部品数推定部86として機能する。
【0058】
移動ヘッド制御部72は、ステージ32の載置面32a上に載置された複数の部品Pの位置および向きを検出するために、移動ヘッド駆動装置44を制御して移動ヘッド34を移動させる。そのために、移動ヘッド制御部72は、移動ヘッド駆動装置44のサーボモータ46を制御することにより、移動ヘッド34の移動速度や位置を制御する。具体的には、サーボモータ46に搭載されたエンコーダからの信号に基づいて、サーボモータ46の回転角度θを制御する。この回転角度θを制御することにより、移動ヘッド34の移動速度や位置を制御する。
【0059】
なお、本実施の形態の場合、図1および図2に示すように、サーボモータ46は、第1のリンクアーム48と第2のリンクアーム50とからなるリンク機構部を介して移動ヘッド34に駆動連結されている。したがって、サーボモータ46の回転角度θと移動ヘッド34の位置は、線形性の関係ではない。
【0060】
図8は、サーボモータの回転角度と移動ヘッドの位置との間の関係を示す図である。
【0061】
図8に示すように、サーボモータ46の回転角度θの変化に対して、移動ヘッド34の位置Hx(X軸方向の位置)は、線形的に変化せず、非線形的に変化する。なお、移動ヘッド34がステージ32から最も離れた待機位置(図1および図2において実線で示す位置)に位置するとき、位置Hxと回転角度θはゼロである。したがって、移動ヘッド制御部72は、サーボモータ46のエンコーダから取得した回転角度θと、予め求められた図8に示す非線形な関係とに基づいて、移動ヘッド34の移動速度や位置を制御する。
【0062】
制御装置70における照射装置制御部74は、ステージ32の載置面32a上に載置された複数の部品Pの位置および向きを検出するときに、ライン光照射装置36を起動させる。これにより、ライン光照射装置36は、ライン光LLを照射し続ける。その結果、移動ヘッド34が移動しているとき、ライン光LLがステージ32の載置面32a上を移動する。部品Pの位置および向きの検出が完了すると、照射装置制御部74は、ライン光照射装置36を停止させる(ライン光LLの照射が停止する)。
【0063】
制御装置70における撮像装置制御部76は、ライン光撮像装置38を制御することにより、移動ヘッド34が一定の移動量で移動する度に、ライン光撮像装置38にステージ32上のライン光LLを撮像させる。移動ヘッド34が一定の移動量で移動したタイミングは、サーボモータ46の回転角度θと、図8に示すような予め求められたサーボモータ46の回転角度θと移動ヘッド34の位置Hxとの間の非線形な関係とに基づいて得ることができる。より具体的には、例えば、制御装置70は、リンク駆動のサーボモータ46からエンコーダパルス情報を取り込み、記憶部88内に保有するリンク機構部の駆動軸回転量とライン光撮像装置38の水平移動量の変換テーブルをもとにタイミングを補正した撮像トリガをライン光撮像装置38に出力する。その撮像トリガにしたがって撮像したスキャンデータ(すなわち複数のライン光画像データ)を、制御装置70はライン光撮像装置38から取得する。これにより、図6に示すように、ステージ32の載置面32aの複数の異なる位置、すなわち移動ヘッド34の一定の移動量に対応する一定の間隔をあけた複数の位置に照射された複数のライン光LLを撮像することができる。
【0064】
制御装置70におけるステージ制御部78は、所定のタイミングに、図1に示すステージ揺動装置42を制御してステージ32を揺動させる。これにより、ステージ32の載置面32a上の複数の部品Pの位置および向きを変更する。本実施の形態の場合、ステージ32の揺動により、いくつかの部品Pは、その一部分が載置面32aの溝32cに係合する。その結果、そのいくつかの部品Pの開口Pcは、移動ヘッド34に向くまたはその反対方向に向く。
【0065】
ステージ制御部78がステージ揺動装置42を介してステージ32を揺動させる所定のタイミングは、例えば、図1および図2に示す搬入装置40がステージ32の載置面32a上に複数の部品Pを搬入(配置)したタイミングである。このタイミングにステージ32が揺動されることにより、搬入装置40を介して搬入されて載置面32a上で積み重なる複数の部品Pが、載置面32a全体にわたってならされる。なお、別の所定のタイミングについては後述する。
【0066】
制御装置70における高さ分布算出部80は、図6に示すように、ライン光撮像装置38によって撮像された複数のライン光LLの形状に基づいて、ステージ32の載置面32aにおける高さ分布を算出する。例えば、載置面32aの溝32cの最底部を基準(Z=0)とする高さ分布を算出する。
【0067】
制御装置70における部品検出部82は、分布算出部80によって算出された高さ分布に基づいて、ステージ32の載置面32a上の部品Pの位置および向きを検出する。
【0068】
具体的には、本実施の形態の場合、部品Pの外径φや長さLについての情報が予め記憶部88に記憶されている。これらのサイズの情報と高さ分布とに基づいて、部品Pの位置が検出される。例えば、図6に示すように、部品Pの外周面に照射されたライン光LLの部分LLa上の点S1の高さは部品Pの外径φと実質的に一致する。この高さが部品Pの長さLと実質的に同一長さの直線上に分布する高さ分布の領域(対応するステージ32の載置面32a内の領域)が、部品Pの位置として検出される。なお、本実施の形態の場合、高さの基準が溝32cの最底部であるため、溝32cに係合する部品Pが検出される。
【0069】
また、本実施の形態の場合、部品Pの肉厚(外周面と内周面との間の距離)についての情報が予め記憶部88に記憶されている。この肉厚の情報と高さ分布とに基づいて、部品Pの向きが検出される。例えば、図6に示すように、部品Pの内周面Pdに照射されたライン光LLの部分LLb上の点S2の高さは、溝32cの最底部がゼロであるので、部品Pの肉厚に実質的に一致する。この高さの分布に基づいて、部品Pの向きが検出される、すなわち開口Pcの向きが検出される。
【0070】
この開口Pcの向きの検出は、上述したようにまた図5に示すように、ライン光照射装置36がステージ32の載置面32aに対して鋭角な第1の角度αでライン光LLを照射することによって実現する。すなわち、ライン光LLが部品Pの内周面に照射されることによって実現する。さらに加えて、ライン光撮像装置38がステージ32の載置面32aに対して鋭角な第2の角度βで撮像することによって実現する。すなわち、部品Pの内周面を撮像することによって実現する。
【0071】
なお、高さ分布に基づいて部品Pの位置および向きを高い精度で検出するために、部品検出部82は、部品Pの三次元形状を示す部品形状データ90、例えば3D-CADデータや点群データを用いてもよい。高さ分布は、ステージ32の載置面32a上の物体の表面形状を示している。その表面形状の一部分と3D-CADデータ上の表面形状または点群データの複数の点とが実質的に一致すれば、その一部分が部品Pの表面であると高い確度で判断することができる。その結果、部品Pの位置および向きを高い精度で検出することができる。この場合、部品Pの部品形状データ90は、記憶部88に記憶されている。
【0072】
制御装置70における搬送部品決定部84は、部品検出部84によって位置および向きが検出された複数の部品Pの中から、搬送ロボット20が搬送する対象の部品Pを決定する。
【0073】
具体的には、複数の部品Pが接触している状態および重なる状態である場合、そのような部品Pを搬送ロボット20がピッキングできない可能性がある。したがって、本実施の形態の場合、搬送部品決定部84は、搬送ロボット20のエンドエフェクタ22が同一の姿勢でピッキング可能な部品P、すなわちステージ32の載置面32aの溝32c上の部品Pを、搬送対象の部品として決定する。そして、その決定した部品Pの位置および向きについて情報を、搬送ロボット20に送信する。これにより、搬送ロボット20は、部品Pを正しい向きでピッキングすることができる。
【0074】
なお、搬送ロボット20が、複数の部品Pそれぞれの位置および向きの情報に基づいて、ピッキング可能な部品Pを判別するように構成されている場合には、この搬送部品決定部84とステージ32の溝32cを省略することが可能である。
【0075】
制御装置70の部品数推定部86は、ステージ32の載置面32a上の部品Pの個数を推定する。
【0076】
本実施の形態の場合、搬入装置40は、ステージ32の載置面32a上に任意の個数の部品Pを配置する。そのために、部品数推定部86が、その載置面32a上の部品Pの個数を推定する。具体的には、部品数推定部86は、高さ分布算出部80によって算出された高さ分布に基づいて部品Pの個数を推定する。
【0077】
まず、部品数推定部86は、高さ分布と部品Pの形状情報とに基づいて、部品Pが存在するステージ32の載置面32a内の領域の面積を算出する。本実施の形態の場合、部品Pが円筒状であるため、形状情報の一部である外径φの半分または長さLに比べて大きい高さが分布するステージ32の載置面32a内の領域を特定し、その面積を算出する。なお、本実施の形態の場合、載置面32aには部品Pの半分と係合する複数の溝32cが設けられているので、載置面32aの水平面部32bの高さに比べて高い領域の面積が算出される。次に、部品数推定部86は、その算出面積と部品Pの大きさとに基づいて、部品Pの個数を算出する。例えば、算出面積を部品Pの平均断面積で割り算することにより、部品Pの概ねの個数を算出することができる。
【0078】
部品数推定部86によって推定された部品Pの個数の情報は、種々の用途で使用される。
【0079】
例えば、搬送ロボット20がステージ32上の複数の部品Pの搬送を開始する前に、部品数推定部86によって部品Pの個数が推定される。この推定された部品Pの個数と搬送ロボット20によって搬送された部品Pの個数とにより、ステージ32上に残る部品Pの個数を確認することができる。
【0080】
例えば、このステージ32上に残る部品Pの個数が所定数以下になると、ステージ32の載置面32a上に新たな複数の部品Pが配置される。これにより、搬送ロボット20は、高い稼働率で部品搬送を実行し続けることができる。また例えば、ステージ32上に残る部品Pの数が十分に多いにもかかわらず、搬送部品決定部84が搬送対象の部品Pを決定することができない場合、ステージ制御部78によってステージ32が揺動される。これにより、ステージ32上に残っていた部品Pが、搬送ロボット20がピッキング可能な位置および向きに変更される。
【0081】
ここからは、部品搬送システム10における部品搬送動作の流れについて説明する。
【0082】
図9は、部品搬送システムにおける部品搬送動作の流れの一例を示す図である。
【0083】
図9に示すように、まず、ステップS100において、図1および図2に示すように、搬入装置40によってステージ32の載置面32a上に複数の部品Pが搬入(配置)される。
【0084】
次に、ステップS110において、制御装置70のステージ制御部78が、ステージ揺動装置42を介してステージ32を揺動させる。これにより、ステップS100で配置されて積み重なる複数の部品Pが、ステージ32の載置面32a全体にわたってならされる。
【0085】
続いて、ステップS120において、制御装置70の移動ヘッド制御部72が移動ヘッド駆動装置44を介して移動ヘッド34を移動させる。その移動ヘッド34の移動とともに、照射装置制御部74がライン光照射装置36にライン光LLをステージ32の載置面32aに照射させつつ、撮像装置制御部76がライン光撮像装置38にステージ32の載置面32a上のライン光LLを撮像させる。
【0086】
ステップS130において、制御装置70の高さ分布算出部80が、ステップS120でライン光撮像装置38によって撮像された複数のライン光LLそれぞれの形状に基づいて、ステージ32の載置面32aにおける高さ分布を算出する。
【0087】
ステップS140において、制御装置70の部品数推定部86が、ステップS130で算出された高さ分布に基づいて、ステージ32の載置面32a上の部品Pの個数を推定する。
【0088】
ステップS150において、制御装置70の部品検出部82が、ステップ130で算出された高さ分布に基づいて、ステージ32の載置面32a上の部品Pの位置および向きを検出する。
【0089】
ステップS160において、制御装置70の搬送部品決定部84は、ステップS150で位置および向きが検出された複数の部品Pの中から、搬送ロボット20が搬送する搬送対象の部品Pを決定する。
【0090】
ステップS170において、搬送ロボット20が、ステップS160で搬送対象として決定された部品Pをピッキングし、所定の場所に搬送する。
【0091】
ステップS180において、ステップS170で搬送ロボット20が部品Pを搬送した後、ステージ32上に残る部品Pの個数が所定数以上であるか否かが判定される。ステージ32上に残る部品Pの個数が所定数以上である場合、ステップS190に進む。そうでない場合、ステップS100に戻る。
【0092】
ステップS190において、ステージ32上に残る部品Pの中に搬送対象の部品Pが存在するか否かが判定される。搬送対象の部品Pがステージ32上に存在する場合には、ステップS200に進む。そうでない場合、ステップS110に戻る。
【0093】
ステップS200において、部品Pの搬送を終了する指示の有無が判定される。搬送終了の指示がある場合、部品搬送が終了する。そうでない場合、ステップS170に戻る。
【0094】
以上、本実施の形態によれば、部品をピッキングして搬送する部品搬送において、部品を正しい向きでピッキングすることができる。
【0095】
以上、上述の実施の形態を挙げて本開示を説明したが、本開示の実施の形態はこれらに限らない。
【0096】
例えば、上述の実施の形態においては、ライン光照射装置36が照射するライン光LLを載置面32aに対して走査させ、この走査による複数のライン光LLそれぞれをライン光撮像装置38によって撮像し、この撮像された複数のライン光LLそれぞれの形状に基づいて、ステージ32の載置面32aにおける高さ分布を算出する。そのための手段の一つとして、複数の部品Pが載置されるステージ32と、ステージ32に対して相対的に移動する移動ヘッド34と、この移動ヘッド34に、ライン光照射装置36とライン光撮像装置38と、を搭載し、この移動ヘッド34をステージ32の載置面32aに対して相対的に且つ平行に移動させる、という構成を例示したが、この構成に限定されるものではない。
【0097】
例えば、「移動」は、平行ではない移動、すなわち、移動ヘッド34とステージ32の載置面32aとの間隔(距離)が変化するような移動、であっても構わない。このような場合、例えば、ライン光撮像装置38により載置面32a上に照射されたライン光LLを撮像する際に、撮像箇所の載置面32aとライン光撮像装置38との間隔(距離)も何らかの手段で取得する。そして、その取得した間隔(距離)を、撮像された複数のライン光LLそれぞれの形状に基づいてステージ32の載置面32aにおける高さ分布を算出する際の補正データとして用いる。
【0098】
また例えば、平行/非平行に限らず、移動を伴わない手段であっても構わない。具体的には、ライン光照射装置36および/またはライン光撮像装置38は固定されており、その固定角度のみを制御することによって、例えばライン光LLの載置面32aでの位置を移動(走査)させたり、必要に応じて、そのライン光LLの移動(走査)に追従して、ライン光撮像装置38の撮像ポジションを変化させたりする態様、を例示することができる。このような場合においても、撮像時の条件等を、適宜取得し、撮像された複数のライン光それぞれの形状に基づいてステージ32の載置面32aにおける高さ分布を算出する際の補正データとして用いればよい。
【0099】
また例えば、上述の実施の形態の場合、図4に示すように、搬送対象の部品は有底円筒状の形状を備えるが、本開示の実施の形態は、これに限らず、様々な形状の部品にも適用可能である。
【0100】
また例えば、上述の実施の形態の場合、部品をピッキングして搬送する搬送装置は部品を吸引保持するエンドエフェクタを備える多関節ロボットであるが、本開示の実施の形態はこれに限らない。ステージに載置されている部品をピッキングして搬送できるのであれば、搬送装置の形態は多関節ロボットに限らない。
【0101】
すなわち、本開示の一実施の形態に係る部品搬送システムは、広義には、複数の部品が載置される載置面を有するステージと、前記ステージの載置面に対して斜め上方向から前記部品を撮像する撮像システムと、前記撮像システムによって得られた画像情報に基づいて、前記ステージの載置面上の部品の位置および向きを検出する部品検出部と、を備える。
【0102】
また、本開示の別の実施の形態に係る部品供給システムは、広義には、本開示の別態様に係る部品供給装置と、部品をピッキングして搬送する搬送装置と、を備える。
【産業上の利用可能性】
【0103】
本開示は、部品をピッキングして搬送する搬送ロボットなどの搬送装置を使用する部品搬送において適用可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9