(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-06
(45)【発行日】2023-10-17
(54)【発明の名称】3Dフラッシュメモリモジュールチップおよびその製造方法
(51)【国際特許分類】
H10B 99/00 20230101AFI20231010BHJP
H10B 43/27 20230101ALI20231010BHJP
H10B 43/50 20230101ALI20231010BHJP
H01L 21/336 20060101ALI20231010BHJP
H01L 29/788 20060101ALI20231010BHJP
H01L 29/792 20060101ALI20231010BHJP
【FI】
H10B99/00 495
H10B43/27
H10B43/50
H01L29/78 371
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022018575
(22)【出願日】2022-02-09
【審査請求日】2022-02-09
(32)【優先日】2021-10-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-01-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】599129074
【氏名又は名称】旺宏電子股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100107423
【氏名又は名称】城村 邦彦
(74)【代理人】
【識別番号】100120949
【氏名又は名称】熊野 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100093997
【氏名又は名称】田中 秀佳
(72)【発明者】
【氏名】葉 騰豪
(72)【発明者】
【氏名】呂 函庭
【審査官】宮本 博司
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0172044(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2020/0381050(US,A1)
【文献】米国特許第09286991(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2021/0074716(US,A1)
【文献】特開平08-031187(JP,A)
【文献】特表2010-538497(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H10B 99/00
H10B 43/27
H10B 43/50
H01L 21/336
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
メモリチップであって、
それぞれが複数の3Dフラッシュメモリ構造を含む複数のタイル、および
前記タイルのそれぞれの前記3Dフラッシュメモリ構造の周りに配置された複数のヒータ、
を含む、メモリチップと、
前記ヒータのうちの少なくとも1つを駆動するために前記メモリチップに接合された制御チップと、
を含
み、
前記ヒータが前記3Dフラッシュメモリ構造の上方に配置され、前記制御チップに隣接している、
3Dフラッシュメモリモジュールチップ。
【請求項2】
前記メモリチップが、
第1の基板上に配置された複数の第1のトランジスタと、
前記第1のトランジスタの上方に位置する前記3Dフラッシュメモリ構造と、
第1の相互接続構造であって、前記3Dフラッシュメモリ構造が前記第1の相互接続構造内に埋め込まれている、第1の相互接続構造と、
をさらに含む、請求項1に記載の3Dフラッシュメモリモジュールチップ。
【請求項3】
前記第1の相互接続構造が、
前記3Dフラッシュメモリ構造と前記第1のトランジスタとの間に位置し、前記3Dフラッシュメモリ構造と前記第1のトランジスタとを電気的に接続する下部相互接続構造と、
前記3Dフラッシュメモリ構造上に位置し、前記3Dフラッシュメモリ構造に電気的に接続する上部相互接続構造と、
を含む、請求項
2に記載の3Dフラッシュメモリモジュールチップ。
【請求項4】
前記制御チップが、
それぞれが、
第2の基板上に位置する第2のトランジスタであって、前記第2のトランジスタのソース領域がグローバル電源に電気的に接続されている、第2のトランジスタと、
前記第2のトランジスタのドレイン領域に電気的に接続され、前記ヒータのうちの1つのヒータの第1の端部に電気的に接続された第1のパッドと、
接地され、前記ヒータのうちの前記1つのヒータの第2の端部に電気的に接続された第2のパッドと、
を含む、複数の駆動行
を含む、請求項
2に記載の3Dフラッシュメモリモジュールチップ。
【請求項5】
前記制御チップが、
前記駆動行の前記第2のトランジスタの複数のゲート層に電気的に結合された行デコーダと、
前記第2のトランジスタの複数のソース領域および前記グローバル電源に電気的に接続された列デコーダと、
をさらに含む、請求項
4に記載の3Dフラッシュメモリモジュールチップ。
【請求項6】
前記制御チップがアレイ状に配列された複数のタイルを含み、同じ列内の前記タイルの前記第2のトランジスタの前記ソース領域が互いに電気的に接続されている、請求項
4に記載の3Dフラッシュメモリモジュールチップ。
【請求項7】
前記制御チップと前記メモリチップとが接合構造によって接合されている、請求項
4に記載の3Dフラッシュメモリモジュールチップ。
【請求項8】
前記複数の3Dフラッシュメモリ構造が複数の3D ANDフラッシュメモリ構造、複数の3D NANDフラッシュメモリ構造、または複数の3D NORフラッシュメモリ構造を含む、請求項
4に記載の3Dフラッシュメモリモジュールチップ。
【請求項9】
メモリチップを形成するステップであって、
第1の基板上に複数のタイルを形成することであり、前記タイルのそれぞれが複数の3Dフラッシュメモリ構造を含む、第1の基板上に複数のタイルを形成すること、および
前記タイルのそれぞれの前記3Dフラッシュメモリ構造の周りに複数のヒータを形成すること、
を含む、メモリチップを形成するステップと、
制御チップを形成するステップと、
前記制御チップと前記メモリチップを接合するステップであって、前記制御チップが前記ヒータを駆動するように構成されている、前記制御チップと前記メモリチップを接合するステップと、
を含む、3Dフラッシュメモリモジュールチップの製造方法。
【請求項10】
前記ヒータが前記3Dフラッシュメモリ構造の上方に形成されている、請求項
9に記載の3Dフラッシュメモリモジュールチップの製造方法。
【請求項11】
前記ヒータが前記3Dフラッシュメモリ構造の周りの複数のスリットトレンチ内に形成されている、請求項
9に記載の3Dフラッシュメモリモジュールチップの製造方法。
【請求項12】
前記メモリチップを形成する前記ステップが、
前記第1の基板上に複数の第1のトランジスタを形成するステップと、
前記第1のトランジスタの上方に前記3Dフラッシュメモリ構造を形成するステップと、
を含む、請求項
9に記載の3Dフラッシュメモリモジュールチップの製造方法。
【請求項13】
前記制御チップを形成する前記ステップが、
複数の駆動行を形成するステップであって、前記駆動行のそれぞれの形成が、
第2の基板上に第2のトランジスタを形成することと、
前記第2のトランジスタ上に第2の相互接続構造を形成することであり、前記第2のトランジスタのソース領域が前記第2の相互接続構造を介してグローバル電源に電気的に結合される、第2の相互接続構造を形成することと、
前記第2の相互接続構造上に第1のパッドを形成することであり、前記第1のパッドが前記第2の相互接続構造を介して前記第2のトランジスタのドレイン領域に電気的に接続される、第1のパッドを形成することと、
前記第2の相互接続構造上に第2のパッドを形成することであり、前記第2のパッドが前記第2の相互接続構造を介して接地に電気的に接続される、第2のパッドを形成することと、
を含む、複数の駆動行を形成するステップ、
を含む、請求項
12に記載の3Dフラッシュメモリモジュールチップの製造方法。
【請求項14】
前記第1のパッドを前記ヒータのうちの1つのヒータの第1の端部に電気的に接続するステップと、
前記第2のパッドを前記ヒータのうちの前記1つのヒータの第2の端部に電気的に接続するステップと、
をさらに含む、請求項
13に記載の3Dフラッシュメモリモジュールチップの製造方法。
【請求項15】
前記制御チップと前記メモリチップとが接合構造によってハイブリッド接合されている、請求項
9に記載の3Dフラッシュメモリモジュールチップの製造方法。
【請求項16】
前記複数の3Dフラッシュメモリ構造が複数の3D ANDフラッシュメモリ構造、複数の3D NANDフラッシュメモリ構造、または複数の3D NORフラッシュメモリ構造を含む、請求項
9に記載の3Dフラッシュメモリモジュールチップの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、半導体モジュールおよびその製造方法に関し、詳細には3Dフラッシュメモリモジュールおよびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
不揮発性メモリは、電源オフ時に記憶データが消失しないという利点を有するため、パーソナルコンピュータまたは他の電子機器に広く使用されるメモリとなっている。現在、業界で一般的に使用されている3次元(3D)メモリは、NORフラッシュメモリおよびNANDフラッシュメモリを含む。加えて、別のタイプの3Dメモリは、ANDフラッシュメモリであり、これは、高集積および高面積利用率を有する多次元メモリアレイに適用することができ、動作速度が速いという利点を有する。したがって、3Dメモリデバイスの開発が徐々に現在のトレンドになってきている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本開示は、フラッシュメモリに対して局所修復プロセスを行うことができる3Dフラッシュメモリモジュールチップおよびその製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示の一実施形態において、3Dフラッシュメモリモジュールチップは、メモリチップおよび制御チップを含む。メモリチップは、複数のタイルおよび複数のヒータを含む。タイルはそれぞれ、複数の3Dフラッシュメモリ構造を含む。ヒータは、タイルのそれぞれの3Dフラッシュメモリ構造の周りに配置されている。制御チップは、ヒータのうちの少なくとも1つを駆動するためにメモリチップと接合されている。
【0005】
本開示の一実施形態において、3Dフラッシュメモリモジュールチップを製造する方法は、以下のステップを含む。メモリチップが形成され、本ステップは、第1の基板上に、それぞれが複数の3Dフラッシュメモリ構造を含む複数のタイルを形成すること、およびタイルのそれぞれの3Dフラッシュメモリ構造の周りに複数のヒータを形成すること、を含む。制御チップが形成される。制御チップとメモリチップとが接合され、制御チップは、ヒータを駆動するように構成される。
【発明の効果】
【0006】
上記に基づいて、本開示による3Dフラッシュメモリモジュールチップおよびその製造方法では、追加の制御チップを使用してヒータを駆動し、フラッシュメモリの各セクタに対して局所修復プロセスを実行する。制御チップは、ヒータコントローラがメモリチップの面積を占有することを防止するために別個に製造されてもよく、制御チップは、プロセスのコストを削減するためにそれほど高度でないプロセスによって製造されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1A】本開示の一実施形態による3Dフラッシュメモリモジュールチップの概略斜視図である。
【
図1B】本開示の一実施形態による3Dフラッシュメモリモジュールチップの概略斜視図である。
【
図2A】本開示の一実施形態によるメモリチップの3Dフラッシュメモリ構造の部分上面図である。
【
図3A】本開示の別の実施形態によるヒータを有するメモリチップの部分上面図である。
【
図4A】本開示の別の実施形態によるヒータを有するメモリチップの部分上面図である。
【
図4B】本開示の別の実施形態によるメモリチップのヒータおよびパッドの部分上面図である。
【
図5A】本開示の一実施形態による制御チップの概略斜視図である。
【
図5B】本開示の一実施形態による制御チップの概略斜視図である。
【
図5C】本開示の一実施形態による制御チップの概略斜視図である。
【
図5D】本開示の一実施形態による制御チップの概略斜視図である。
【
図5E】本開示の一実施形態による制御チップの概略斜視図である。
【
図6A】本開示の一実施形態によるメモリチップおよび制御チップの概略斜視図である。
【
図7A】本開示の3Dフラッシュメモリモジュールチップを製造するプロセスの概略断面図である。
【
図7B】本開示の3Dフラッシュメモリモジュールチップを製造するプロセスの概略断面図である。
【
図7C】本開示の3Dフラッシュメモリモジュールチップを製造するプロセスの概略断面図である。
【
図8】本開示の別の実施形態による制御チップの概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
フラッシュメモリの性能は、複数回の動作後に著しく低下するため、フラッシュメモリに対して修復プロセスを実行する必要がある。修復プロセスでは、フラッシュメモリの電荷蓄積構造(例えば、窒化物層)を修復するために、ヒータを使用してフラッシュメモリを加熱することがある。現在の技術では、ワード線がヒータとして最も一般的に使用されている。しかしながら、ワード線の数が多く、他の構成要素(例えば、ワード線デコーダ)との構成関係が複雑であるため、フラッシュメモリ構造のレイアウト設計がより困難になる場合がある。
【0009】
本開示の実施形態は、いくつかの3Dフラッシュメモリモジュールチップを提供しており、メモリチップの3Dフラッシュメモリ構造の上方または側壁の周りにヒータが配置され、メモリチップは、制御チップがヒータを駆動してメモリチップのローカルセクタに対して修復プロセスを行うことができるように制御チップと接合されている。
【0010】
図1Aおよび
図1Bは、本開示の一実施形態による3Dフラッシュメモリモジュールチップの概略斜視図である。
図2Aは、本開示の一実施形態によるメモリチップの3Dフラッシュメモリ構造の部分上面図である。
図2Bは、
図2AのI-I’線に沿った断面図である。
図3Aは、本開示の別の実施形態によるヒータを有するメモリチップの部分上面図である。
図3Bは、
図3AのI-I’線に沿った断面図である。
【0011】
図1Aおよび
図1Bを参照すると、本開示の一実施形態による3Dフラッシュメモリモジュールチップ(3D集積回路(3D IC)とも呼ばれる)5000は、メモリチップ1000および制御チップ2000を含む。メモリチップ1000は、複数の3Dフラッシュメモリ構造1100および複数のヒータ1200を含む。ヒータ1200は、3Dフラッシュメモリ構造1100の周りに配置されている。一部の実施形態では、ヒータ1200は、
図1Aに示すように、3Dフラッシュメモリ構造1100の上方に配置されている。他の実施形態では、ヒータ1200は、
図1Bに示すように、3Dフラッシュメモリ構造1100間のスリットトレンチ1110内に配置されている。制御チップ2000は、メモリチップ1000の上方に配置され、メモリチップ1000内のヒータ1200を駆動する。制御チップ2000とメモリチップ1000は、接合構造3000によって互いに接合されてもよい。
【0012】
図1Aおよび
図1Bを参照すると、メモリチップ1000の3Dフラッシュメモリ構造1100は、(
図2Aおよび
図2Bに示すような)3D ANDフラッシュメモリ構造、3D NANDフラッシュメモリ構造(図示せず)、または3D NORフラッシュメモリ構造(図示せず)であってもよい。3D ANDフラッシュメモリ構造を例として、本開示の3Dフラッシュメモリ構造1100を説明するが、本開示の実施形態はこれに限定されない。
【0013】
図2Aおよび
図2Bを参照すると、メモリチップ1000は、複数のタイルTを含むことができる。タイルTは、複数の列および複数の行を含むアレイ状に配置されてもよい。本実施形態では、例示のために4つのタイルT(例えば、T1~T4)が示されている。4つのタイルTのうち、タイルT1とタイルT2とが1つの行に配置され、タイルT3とタイルT4とが別の行に配置されている。タイルT1とタイルT3とが1つの列に配置され、タイルT2とタイルT4とが別の列に配置されている。各タイルTは、複数のセクタB(例えば、B1~B4)を含むことができる。各セクタBは、3Dフラッシュメモリ構造1100を含む。3Dフラッシュメモリ構造1100は、X方向に延在し、Y方向に配列されている。2つの隣接する3Dフラッシュメモリ構造1100は、スリットトレンチ1110によって互いに分離されている。
【0014】
図2Bを参照すると、3Dフラッシュメモリ構造1100のそれぞれは、複数のメモリセルによって形成されたメモリアレイを少なくとも含むことができる。具体的には、3Dフラッシュメモリ構造1100は、第1の基板(例えば、半導体基板)1010上の1つまたは複数の能動デバイス(例えば、第1のトランジスタ1020)の上方に配置されてもよい。第1のトランジスタ1020は、例えば、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)電界効果トランジスタである。したがって、本アーキテクチャは、アレイ下相補型金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(CMOS under Array(CUA))アーキテクチャと呼ばれることもある。
【0015】
図2Bを参照すると、3Dフラッシュメモリ構造1100は、半導体ダイのバックエンドオブライン(BEOL)において配置されてもよい。例えば、3Dフラッシュメモリ構造1100は、第1の相互接続構造1030に埋め込まれてもよい。第1の相互接続構造1030は、例えば、下部相互接続構造1032および上部相互接続構造1034を含む。下部相互接続構造1032は、第1の基板(例えば、半導体基板)1010上の1つまたは複数の能動デバイス(例えば、第1のトランジスタ1020)の上方で、3Dフラッシュメモリ構造1100のメモリアレイの下方に配置されている。上部相互接続構造1034は、3Dフラッシュメモリ構造1100のメモリアレイの上方に配置されている。下部相互接続構造1032は、例えば、下部第1金属層BM1、下部第2金属層BM2、および下部第3金属層BM3、ならびにそれらの間のビアBV1およびBV2を含む。上部相互接続構造1034は、例えば、上部第1金属層TM1および上部第2金属層TM2、ならびにそれらの間のビアTV1を含む。下部相互接続構造1032および上部相互接続構造1034の金属層とビアの数は、上記に限定されない。
【0016】
図2Bを参照すると、3Dフラッシュメモリ構造1100は、複数のゲートスタック構造52を含む。ゲートスタック構造52のそれぞれは、下部相互接続構造1032上に形成されている。ゲートスタック構造52のそれぞれは、第1の基板1010のアレイ領域ARから階段領域SRまでX方向に延在する。ゲートスタック構造52は、第1の基板1010の表面上に垂直に積み重ねられた複数のゲート層(ワード線とも呼ばれる)38および複数の絶縁層54を含む。Z方向において、ゲート層38は、間に配置された絶縁層54によって互いに電気的に絶縁されている。ゲート層38は、タングステンなどの金属層を含む。一部の実施形態では、ゲート層38は、チタン(Ti)、窒化チタン(TiN)、タンタル(Ta)、窒化タンタル(TaN)、またはそれらの組合せなどのバリア層37をさらに含む。絶縁層54は、例えば酸化ケイ素である。
【0017】
ゲート層38は、(
図2Bに示す)第1の基板1010の表面に平行な方向に延在する。階段領域SR内のゲート層38は、(
図2Bに示す)階段構造SCを有することができ、それにより、下側ゲート層38は、上側ゲート層38よりも長く、下側ゲート層38の端部は、上側ゲート層38の端部を越えて横方向に延在する。ゲート層38を接続するためのコンタクトC1は、階段領域SR内のゲート層38の端部上に着地して、ゲート層38のそれぞれを、コンタクトC1および上部相互接続構造1034を介して下部相互接続構造1032の導電線(例えば、下部第3金属層BM3の導電線)に接続することができる。
【0018】
図2Bを参照すると、3Dフラッシュメモリ構造1100は、複数のチャネルピラー16をさらに含む。チャネルピラー16は、アレイ領域ARのゲートスタック構造52を貫いて連続的に延びている。一部の実施形態では、チャネルピラー16は、上面図においてリング形状のプロファイルを有してもよい。チャネルピラー16の材料は、ドープされていないポリシリコンなどの半導体であってもよい。
【0019】
図2Bを参照すると、3Dフラッシュメモリ構造1100は、絶縁性充填層24、絶縁性ピラー28、複数の導電性ピラー(例えば、ソースピラーとして機能する)32a、および複数の導電性ピラー(例えば、ドレインピラーとして機能する)32bをさらに含む。導電性ピラー32a、32bおよび絶縁性ピラー28は、チャネルピラー16内に配置されており、それぞれ、ゲート層38に対して垂直な方向(Z方向)に延在している。導電性ピラー32aおよび32bは、絶縁性充填層24および絶縁性ピラー28によって互いに分離され、チャネルピラー16に電気的に接続されている。導電性ピラー32a、32bは、例えばドープされたポリシリコンである。絶縁性充填層24は、例えば酸化ケイ素であり、絶縁性ピラー28は、例えば窒化ケイ素である。
【0020】
図2Bを参照すると、電荷蓄積構造40は、チャネルピラー16とゲート層38との間に配置されている。電荷蓄積構造40は、トンネル層(またはバンドギャップ工学設計されたトンネル酸化物層と呼ばれる)14、電荷蓄積層12、およびブロッキング層36を含むことができる。電荷蓄積層12は、トンネル層14とブロッキング層36との間に配置されている。一部の実施形態では、トンネル層14、電荷蓄積層12、およびブロッキング層36は、例えば、酸化ケイ素、窒化ケイ素、および酸化ケイ素である。一部の実施形態では、
図2Bに示すように、電荷蓄積構造40の一部(例えば、トンネル層14)は、ゲート層38に垂直な方向(すなわち、Z方向)に連続的に延在し、電荷蓄積構造40の他の部分(例えば、電荷蓄積層12およびブロッキング層36)は、ゲート層38を取り囲む。他の実施形態では、電荷蓄積構造40(例えば、トンネル層14、電荷蓄積層12、およびブロッキング層36)は、ゲート層38を取り囲む(図示せず)。ゲート層38のそれぞれと、ゲート層38によって取り囲まれた電荷蓄積構造40、チャネルピラー16、ソースピラー32a、およびドレインピラー32bとがメモリセル20を画定する。したがって、3Dフラッシュメモリ構造1100のそれぞれは、複数のメモリセル20から構成されるメモリアレイを少なくとも含む。
【0021】
3Dフラッシュメモリ構造1100は、ローカルビット線LBLn、ローカルソース線LSLn、グローバルビット線GBLn、およびグローバルソース線GSLnをさらに含む。ローカルビット線LBLnおよびローカルソース線LSLnは、上部相互接続構造1034の上部第1金属層TM1内に位置し、コンタクトC2を介してソースピラー32aおよびドレインピラー32bにそれぞれ電気的に接続されている。グローバルビット線GBLnおよびグローバルソース線GSLnは、上部相互接続構造1034内の上部ビア(図示せず)を介して、ローカルビット線LBLnおよびローカルソース線LSLnにそれぞれ電気的に接続されている。
【0022】
異なる動作方法によると、メモリセル20で1ビット動作または2ビット動作を行うことができる。例えば、ソースピラー32aおよびドレインピラー32bに電圧が印加されると、ソースピラー32aおよびドレインピラー32bがチャネルピラー16に接続されているため、電子は、チャネルピラー16に沿って移動し、電荷蓄積構造40全体に蓄積され得る。したがって、メモリセル20で1ビット動作を行うことができる。加えて、ファウラー・ノルトハイムトンネリングを伴う動作の場合、電子または正孔は、ソースピラー32aとドレインピラー32bとの間の電荷蓄積構造40内にトラップされ得る。ソース側注入、チャネルホットエレクトロン注入、またはバンド間トンネリングホットキャリア注入を伴う動作の場合、電子または正孔は、ソースピラー32aおよびドレインピラー32bの一方に隣接する電荷蓄積構造40内に局所的にトラップされ得る。したがって、メモリセル20で、シングルレベルセル(SLC、1ビット)またはマルチレベルセル(MLC、2ビット以上)動作を行うことができる。
【0023】
動作中、選択されたワード線(ゲート層)38に電圧が印加され、例えば、対応するメモリセル20の対応する閾値電圧(Vth)よりも高い電圧が印加されると、選択されたワード線38と交差するチャネルピラー16のチャネル領域がオンになり、電流がローカルビット線LBLnからドレインピラー32bに入り、オンしたチャネル領域を介してソースピラー32aに流れ、最終的にローカルソース線LSLnに流れるようになる。
【0024】
図3Aおよび
図3Bを参照すると、メモリチップ1000は、複数のヒータ1200をさらに含む。ヒータ1200は、3Dフラッシュメモリ構造1100の上方の誘電体層1040内に配置されてもよい。誘電体層1040の材料は、例えば、酸化ケイ素である。ヒータ1200は、銅またはタングステンなどの金属層1202を含む。一部の実施形態では、ヒータ1200は、チタン、タンタル、窒化チタン、窒化タンタル、またはそれらの組合せなどのバリア層1204をさらに含む。
【0025】
図3Aを参照すると、一部の実施形態では、1つのヒータ1200が各セクタB上に配置され、任意の2つの隣接するセクタBの2つのヒータ1200は、互いに分離されている。ヒータ1200は、X方向に延在することができる。一実施形態において、ヒータ1200は、(
図3Aおよび
図3Bに示すように)アレイ領域AR内に配置され、階段領域SRまで延在する。一実施形態において、ヒータ1200は、アレイ領域AR内に配置されてもよいが、階段領域SRには配置されない(図示せず)。言い換えれば、ヒータ1200の長さは、3Dフラッシュメモリ構造1100のX方向の長さよりも大きくても、等しくても、または小さくてもよい。
【0026】
加えて、各セクタBに複数のヒータ1200を配置してもよく、例えば、アレイ領域ARと階段領域SRにそれぞれ1つのヒータ1200を配置してもよく、別々に加熱を行ってもよい(図示せず)。しかしながら、本開示の実施形態は、これに限定されない。別の実施形態では、隣接する2つ、3つ、またはそれ以上のセクタBの複数のヒータ1200を1つのヒータ(図示せず)にまとめて、複数のセクタBの3Dフラッシュメモリ構造1100を同時に加熱することもできる。
【0027】
図3Aを参照すると、上面図におけるヒータ1200の形状は、例えば、矩形または別の形状である。複数のセクタB上のヒータ1200は、同じ幅または異なる幅を有することができる。アレイ領域ARにおけるヒータ1200の幅W1は、階段領域SRにおけるヒータ1200の幅W2と同じである。しかしながら、本開示は、これに限定されない。ヒータ1200の形状は、実際の要件または設計に従って変更されてもよい。アレイ領域ARにおけるヒータ1200の幅W1は、階段領域SRにおけるヒータ1200の幅W2よりも大きくても、等しくても、または小さくてもよい。
【0028】
図1A、
図1B、および
図3Bを参照すると、メモリチップ1000は、接合層1300をさらに含む。接合層1300は、パッド1302および絶縁層1304を有する。絶縁層1304は、ヒータ1200上に配置されている。絶縁層1304の材料は、例えば、酸化ケイ素である。パッド1302は、各ヒータ1200の表面の絶縁層1304に配置されている。パッド1302の材料は、例えば、銅である。パッド1302は、パッド1302a、1302bを有する。パッド1302a、1302bは、ヒータ1200の第1の端部E1および第2の端部E2にそれぞれ接続されている。
【0029】
上記の実施形態では、3Dフラッシュメモリ構造1100は、3D ANDフラッシュメモリ構造であり、ヒータ1200は、(
図3A、
図3B、および
図6Aに示すように)3D ANDフラッシュメモリ構造の上方に配置されている。他の実施形態では、3Dフラッシュメモリ構造1100は、3D ANDフラッシュメモリ構造であり、ヒータ1200は、(
図4A~
図4Cに示すように)3D ANDフラッシュメモリ構造間のスリットトレンチ1110内に配置されている。
【0030】
図4Aは、本開示の別の実施形態によるヒータを有するメモリチップの部分上面図である。
図4Bは、本開示の別の実施形態によるメモリチップのヒータおよびパッドの部分上面図である。
図4Cは、
図4BのII-II’線に沿った断面図である。
【0031】
図4Aおよび
図4Cを参照すると、複数のヒータ1200が、3Dフラッシュメモリ構造1100間のスリットトレンチ1110内に配置されている。ヒータ1200は、ゲートスタック構造52の複数のゲート層38および複数の絶縁層54の周りに配置されている。ヒータ1200は、(
図4Cに示すように)絶縁ライナ層1112によってゲート層38および絶縁層54から分離されている。絶縁ライナ層1112は、酸化ケイ素または窒化ケイ素などの絶縁材料を含む。ヒータ1200は、銅またはタングステンなどの金属層1202を(
図4Cに示すように)含む。一部の実施形態では、ヒータ1200は、(
図4Cに示すように)バリア層1204をさらに含む。バリア層1204は、絶縁ライナ層1112と金属層1202との間に配置されている。バリア層1204は、例えば、チタン、タンタル、窒化チタン、窒化タンタル、またはそれらの組合せである。
【0032】
一部の実施形態では、1つのヒータ1200がスリットトレンチ1110のそれぞれに配置されている。例えば、ヒータ1200は、X方向に延在することができる。一実施形態において、ヒータ1200は、(
図4Aおよび
図4Bに示すように)アレイ領域AR内に配置され、階段領域SRまで延在する。一実施形態において、ヒータ1200は、アレイ領域AR内に配置されてもよいが、階段領域SRには配置されない(図示せず)。言い換えれば、ヒータ1200の長さは、3Dフラッシュメモリ構造1100のX方向の長さよりも大きくても、等しくても、または小さくてもよい。
【0033】
あるいは、複数のヒータ1200がスリットトレンチ1110のそれぞれに配置されてもよい。例えば、アレイ領域ARおよび階段領域SRにそれぞれ1つのヒータ1200を設けてもよく、別々に加熱が行われてもよい(図示せず)。しかしながら、本開示の実施形態は、これに限定されない。
【0034】
加えて、
図4Aを参照すると、上面図におけるヒータ1200の形状は、例えば、矩形または別の形状である。複数のスリットトレンチ1110内のヒータ1200は、同じ幅または異なる幅を有することができる。しかしながら、本開示は、これに限定されない。ヒータ1200の形状は、実際の要件または設計に従って変更されてもよい。
【0035】
図4Bおよび
図4Cを参照すると、コンタクトC3が各ヒータ1200の2つの端部(すなわち、E1およびE2)の表面上にそれぞれ配置されている。コンタクトC3は、上部相互接続構造1034を介して上方のパッド1302aおよび1302bに接続されてもよく、それにより、メモリチップ1000のヒータ1200は、上部相互接続構造1034ならびにパッド1302aおよび1302bを介して制御チップ2000に電気的に接続され得る。パッド1302a、1302bの材料は、例えば、銅である。
【0036】
図5A~
図5Eは、本開示の一実施形態による制御チップの概略斜視図である。
図6Aは、本開示の一実施形態によるメモリチップおよび制御チップの概略斜視図である。
図6Bは、
図6Aの概略回路図である。
【0037】
図5Aを参照すると、制御チップ2000は、複数のタイルT’を含むことができる。タイルT’は、アレイ状に配置されてもよい。本実施形態では、4つのタイルT’(例えば、T1’~T4’)が説明のための例として取り上げられる。4つのタイルT’のうち、タイルT1’とタイルT2’は、1つの行に配置され、タイルT3’とタイルT4’は、別の行に配置されている。タイルT1’とタイルT3’は、1つの列に配置され、タイルT2’とタイルT4’は、別の列に配置されている。
【0038】
図5Aおよび
図5Eを参照すると、各タイルT’は、複数の駆動行2000Rおよび駆動列2000Cを含む。
図5Eに示すように、駆動行2000Rのそれぞれは、第2のトランジスタ2020と、第2の相互接続構造2030と、パッド2052と、を含む。第2のトランジスタ2020は、第2の基板2010の活性領域2012上に配置されている。第2の基板2010は、シリコン基板などの半導体基板であってもよい。第2のトランジスタ2020は、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)トランジスタであってもよい。第2のトランジスタ2020は、(
図5A~
図5Eに示すような)プレーナトランジスタ、または(
図8に示すような)フィントランジスタであってよい。
【0039】
図5Eおよび
図8を参照すると、第2のトランジスタ2020は、ゲート誘電体層2024、ゲート層2028、ソース領域2022a、およびドレイン領域2022bを含む。ゲート誘電体層2024は、例えば、酸化ケイ素または高誘電率材料である。ゲート層2028は、例えば、ドープされたポリシリコンまたはタングステンである。ゲート層2028は、ゲート誘電体層2024上に位置する。ゲート層2028は、ストリップ形状を有し、その延在方向は、例えば、
図6Aに示すように、(例えば、X方向に延在する)ヒータ1200の延在方向と同じである。一部の実施形態では、
図5Aに示すように、2つの隣接する行(例えば、タイルT1’とT2’、またはタイルT3’とT4’)の第2のトランジスタ2020のゲート層2028は、電気的に接続されていてもよい。
【0040】
図5Cおよび
図5Eを参照すると、第2のトランジスタ2020のソース領域2022aおよびドレイン領域2022bは、ゲート層2028の両側の活性領域2012内に配置されている。ソース領域2022aおよびドレイン領域2022bは、N型またはP型ドーパントなどのドーパントを含む。一部の実施形態では、2つの隣接する第2のトランジスタ2020は、ソース領域2022aを共有する。
【0041】
図5Bおよび
図5Cを参照すると、第2の相互接続構造2030は、第2のトランジスタ2020上に配置されている。第2の相互接続構造2030は、(
図5Cに示すような)誘電体層2031と、誘電体層2031内に位置する複数のコンタクト2032および2034と、複数の導電線2036および2040と、複数のビア2038および2042と、を含む。コンタクト2032は、ソース領域2022aおよびドレイン領域2022b上にそれぞれ着地し、ソース領域2022aおよびドレイン領域2022bと電気的に接続されている。コンタクト2034は、ゲート層2028上に着地し、ゲート層2028に電気的に接続されている。コンタクト2032は、
図5Bおよび
図5Dに示すように、X方向に沿って延在するストリップ形状を有し、ゲート層2028と実質的に平行である。コンタクト2034の形状は、コンタクト2032の形状とは異なり、例えば、
図5Bに示すように、柱状形状であってもよい。(
図5Cに示すような)導電線2036および2040は、それぞれコンタクト2032および2034上に配置されている。導電線2036および導電線2040は、ビア2038によって互いに電気的に絶縁されている。ビア2042は、導電線2040上に配置され、導電線2040を上方の接合層2050に電気的に接続する。誘電体層2031は、例えば、酸化ケイ素である。コンタクト2032および2034、導電線2036および2040、ならびにビア2038および2042は、タングステンまたは銅などの金属層を含む。コンタクト2032および2034、導電線2036および2040、ならびにビア2038および2042は、チタン、タンタル、窒化チタン、窒化タンタル、またはそれらの組合せなどのバリア層(図示せず)をさらに含むことができる。
【0042】
図5Cを参照すると、駆動行2000Rのそれぞれのパッド2052は、制御チップ2000の接合層2050の一部である。接合層2050は、パッド2052および絶縁層2054を有する。絶縁層2054は、第2の相互接続構造2030上に位置する。パッド2052は、絶縁層2054内に位置し、第2の相互接続構造2030のビア2042に電気的に接続されている。パッド2052の材料は、例えば、銅である。絶縁層2054の材料は、例えば、酸化ケイ素である。
【0043】
図5Aおよび
図5Eを参照すると、パッド2052は、パッド2052aおよびパッド2052bを含む。具体的には、駆動行2000Rのそれぞれは、X方向に沿って配置された一対のパッド2052a、2052bを含む。
図1A、
図1B、および
図6Aに示すように、パッド2052aは、ヒータ1200の第1の端部E1に電気的に接続され、パッド2052bは、ヒータ1200の第2の端部E2に電気的に接続され、接地されている。
図5Cおよび
図5Dを参照すると、各パッド2052aは、ビア2042aを介して下方の導電線2040aに電気的に接続されている。同じタイルT’内の導電線2040aは、
図5Aおよび
図5Cに示すように、第2のトランジスタ2020のドレイン領域2022bにそれぞれ電気的に接続されるように、互いに分離され、電気的に絶縁されている。各パッド2052bは、
図5Dに示すように、ビア2042bを介して下方の導電線2040bに電気的に接続されている。同じ列内のタイルT’(例えば、タイルT1’とT3’、またはタイルT2’とT4’)のパッド2052bは、
図5Aおよび
図5Dに示すように、同じ導電線2040bを介して接地に電気的に接続されている。
【0044】
図5C、
図1A、および
図1Bを参照すると、制御チップ2000の接合層2050とメモリチップ1000の接合層1300とが互いに接合されて、接合構造3000が形成されている。具体的には、制御チップ2000の絶縁層2054の位置と、メモリチップ1000の絶縁層1304の位置とが互いに対応し、互いに接合されている。制御チップ2000のパッド2052a、2052bの位置と、メモリチップ1000のパッド1302a、1302bの位置とが互いに対応し、互いに接合されている。
【0045】
図5A、
図5C、および
図5Dを参照すると、制御チップ2000の列2000Cは、同じ列内のタイルT’(例えば、タイルT1’とT3’、またはタイルT2’とT4’)の複数の第2のトランジスタ2020の複数の共有ソース領域2022aを、導電線2040cを介してグローバル電源2100に電気的に結合している。
【0046】
図5A、
図5C、および
図5Dを参照すると、制御チップ2000の第2のトランジスタ2020のドレイン領域2022bは、
図5Cに示すように、第2の相互接続構造2030および接合層2050のパッド2052aに接続されている。パッド2052aは、
図6Aに示すように、メモリチップ1000のヒータ1200の第1の端部E1に接続されたパッド1302aと電気的に接続されている。一実施形態において、制御チップ2000の駆動行2000Rのそれぞれは、
図6Aおよび
図6Bに示すように、メモリチップ1000の1つの対応するセクタBの1つのヒータ1200を制御することができる。
【0047】
図5Eを参照すると、一部の実施形態において、制御チップ2000は、列デコーダ2300および行デコーダ2200をさらに含む。列デコーダ2300は、グローバル電源2100に電気的に接続されている。列アドレス信号A3およびA4を受信した後、列デコーダ2300は、1つの列(例えば、
図5Aの列2000C
1)の複数のタイル(本例では2つのタイル、例えば、
図5AのタイルT1’およびT3’)を選択する。したがって、グローバル電源2100は、第2の相互接続構造2030の導電線2040c(
図5Aに示す)を介して、選択された列(例えば、
図5Aの列2000C
1)のタイル(例えば、
図5AのタイルT1’およびT3’)のそれぞれの第2のトランジスタ2020の共有ソース領域2022aに供給される。行デコーダ2200は、駆動行2000Rの第2のトランジスタ2020のゲート層2028に電気的に接続されている。行デコーダ2200は、行アドレス信号A0~A2(または制御信号と呼ばれる)を受信した後、入力された行アドレス信号をデコードして、第2のトランジスタ2020のうちの1つ(例えば、
図5Aの第2のトランジスタ2020
1)または複数を選択してオンにする。
【0048】
一般に、メモリチップ1000は、メモリアレイを制御するための制御ロジックユニットを含み、制御ロジックユニット内のレジスタは、各セクタBのメモリアレイの消去回数のステータス信号を記憶する。消去回数が所定の回数に達すると、ステータス信号が制御チップ2000に送られる。
【0049】
図6Aおよび
図6Bを参照すると、修復プロセス中に、制御チップ2000は、受信したステータス信号に基づいて、修復を必要とするタイルTおよびセクタB(例えば、
図6AのタイルT1のセクタB1)に対応する行アドレス信号および列アドレス信号を生成し、行アドレス信号および列アドレス信号をそれぞれ行デコーダ2200および列デコーダ2300に送信することができる。列デコーダ2300は、受信した列アドレス信号に従って1つの列(例えば、
図6Aの列2000C
1)を選択して、この列(例えば、
図6Aの列2000C
1)に位置するタイル(例えば、
図5AのタイルT1’およびT3’)の導電線2040cにグローバル電源2100を供給する。行デコーダ2200は、受信した行アドレス信号に従って、1つの駆動行2000R
1の第2のトランジスタ2020
1を選択してオンにする。したがって、電流は、グローバル電源2100から導電線2040cを介して第2のトランジスタ2020
1のソース領域2022aに流れ、第2のトランジスタ2020
1のチャネルおよびドレイン領域2022bを通過し、次いで、第2の相互接続構造2030およびパッド2052aを介してメモリチップ1000のパッド1302aに流れ込み、次いで、ヒータ1200(例えば、1200
1)の第1の端部E1に入ることができる。その後、電流は、ヒータ1200
1内を流れ、メモリチップ1000のパッド1302bを介してヒータ1200
1の第2の端部E2から流れ出て、次いで、制御チップ2000のパッド2052bに入り、次いで、導電線2040bを介して接地に電気的に接続される。本開示の実施形態では、制御チップ2000の第2のトランジスタ(ドライバ)2020(例えば、2020
1)を用いて、特定のヒータ1200(例えば、1200
1)に高い駆動電流を供給することが可能であり、その結果、ヒータ1200(例えば、1200
1)として機能する導体が加熱されて、特定のタイルT(例えば、T1)内の特定のセクタB(例えば、B1)の3Dフラッシュメモリ構造1100内の電荷蓄積層を修復する。
【0050】
図1Aおよび
図1Bを参照すると、一部の実施形態では、修復プロセスでは、制御チップ2000は、1つのヒータ1200(例えば、1200
1)を駆動して、1つのセクタB(例えば、B1)の3Dフラッシュメモリ構造1100(例えば、1100
1)内の電荷蓄積層を修復することができる。
図1Bを参照すると、他の実施形態では、修復を行う際に、制御チップ2000は、2つのヒータ1200(例えば、1200
2および1200
3)を同時に駆動して、1つのセクタB(例えば、B2)の3Dフラッシュメモリ構造1100(例えば、1100
2)内の電荷蓄積層を修復することもできる。
【0051】
図7A~
図7Cは、本開示の3Dフラッシュメモリモジュールチップを製造するプロセスの概略断面図を示す。
【0052】
図7Aを参照すると、ウエハ1010Wが用意され、複数のメモリチップ1000がウエハ1010W上に形成される。メモリチップ1000間には、スクライブラインSLが設けられている。メモリチップ1000の形成方法は、以下の通りである。
図3Bを参照すると、1つまたは複数の能動デバイス(例えば、第1のトランジスタ)1020が、最初にウエハ1010W上に形成される。次に、下部相互接続構造1032が能動デバイス1020上に形成される。下部相互接続構造1032は、ダマシン、デュアルダマシンなどの任意の既知の方法によって形成することができる。その後、1つの絶縁層(例えば、酸化ケイ素)54と別の絶縁層(図示せず、例えば、窒化ケイ素)を交互に積み重ねることによって形成された絶縁スタック構造(図示せず)が、下部相互接続構造1032上に形成される。次に、任意の既知の方法に従って、電荷蓄積構造40のトンネル層14、チャネルピラー16、ならびに導電性ピラー32aおよび32bが絶縁スタック構造内に形成される。トンネル層14の材料は、酸化ケイ素などの誘電体材料であってもよい。チャネルピラー16の材料は、ドープされていないポリシリコンなどの半導体であってもよい。導電性ピラー32a、32bは、例えばドープされたポリシリコンである。
【0053】
次いで、リソグラフィおよびエッチングプロセスを実行して、絶縁スタック構造内にスリットトレンチ1110を形成し、絶縁スタック構造を複数のセクタBに分割する。
【0054】
その後、ゲート置換プロセスを実行して、ゲートスタック構造52を形成する。最初に、エッチングプロセスを実行して、エッチング液をスリットトレンチ1110に注入して絶縁スタック構造内の別の絶縁層を除去し、複数の水平開口部34を形成し、次いで水平開口部34内にゲート層38を形成する。一部の実施形態では、ゲート層38が形成される前に、電荷蓄積層12およびブロッキング層36も水平開口部34内に形成される。電荷蓄積層12は、例えば、窒化ケイ素である。ブロッキング層36の材料は、例えば、酸化アルミニウム(Al2O3)、酸化ハフニウム(HfO2)、酸化ランタン(La2O5)、遷移金属酸化物、ランタニド酸化物、またはそれらの組合せなどの、7以上の誘電率を有する高誘電率材料である。ゲート層38は、例えば、タングステンである。一部の実施形態では、ゲート層38が形成される前に、バリア層37が形成される。バリア層37の材料は、例えば、チタン(Ti)、窒化チタン(TiN)、タンタル(Ta)、窒化タンタル(TaN)、またはそれらの組合せである。
【0055】
次に、スリットトレンチ1110にスリットSLTを形成する。スリットSLTを形成する方法は、ゲートスタック構造52上およびスリットトレンチ1110内に絶縁性充填材料を充填し、次いでエッチバックプロセスまたは平坦化プロセスによってゲートスタック構造52上の過剰な絶縁性充填材料を除去することを含む。絶縁性充填材料は、例えば、酸化ケイ素である。
【0056】
その後、上部相互接続構造1034(ローカルビット線LBLn、ローカルソース線LSLn、グローバルビット線GBLn、およびグローバルソース線GSLnを含む)が、ゲートスタック構造52上に形成される。上部相互接続構造1034は、ダマシン、デュアルダマシンなどの任意の既知の方法によって形成することができるが、本明細書では詳細に説明しない。
【0057】
図3Aおよび
図3Bを参照すると、本実施形態では、上部相互接続構造1034(ローカルビット線LBL
n、ローカルソース線LSL
n、グローバルビット線GBL
n、およびグローバルソース線GSL
nを含む)が形成された後、上部相互接続構造1034の上方にヒータ1200がさらに形成される。ヒータ1200を形成する方法は、例えば、最初に上部相互接続構造1034の上方に誘電体層1040を形成することを含む。誘電体層1040の材料は、例えば、酸化ケイ素である。一部の実施形態では、誘電体層1040が平坦な表面を有するように、化学機械平坦化プロセスなどの平坦化プロセスがさらに実行される。その後、リソグラフィおよびエッチングプロセスを実行して、誘電体層1040内に複数の溝OP1を形成する。次いで、誘電体層1040上および溝内にバリア材料層および金属材料層を順次形成する。次に、化学機械平坦化プロセスなどの平坦化プロセスを実行して、誘電体層1040の表面上のバリア材料層および金属材料層を除去し、溝内にバリア層1204および金属層1202を形成する。金属材料層は、例えば、銅またはタングステンである。バリア材料層は、例えば、チタン、タンタル、窒化チタン、窒化タンタル、またはそれらの組合せである。
【0058】
図3Bを参照すると、ヒータ1200を形成した後、接合層1300が形成される。接合層1300の形成方法は、以下の通りである。最初に、ヒータ1200および誘電体層1040上に絶縁層1304を形成した後、リソグラフィおよびエッチングプロセスを実行して、絶縁層1304に複数のパッド開口部OP2を形成する。パッド開口部OP2の底部は、ヒータ1200を露出させる。その後、絶縁層1304上およびパッド開口部OP2内に導電層を形成する。次いで、化学機械平坦化プロセスなどの平坦化プロセスを実行して、絶縁層1304上の導電層を除去し、パッド開口部OP2内にパッド1302を形成する。
【0059】
上記の実施形態では、メモリチップ1000のヒータ1200は、上部相互接続構造1034が形成された後に形成される。他の実施形態では、メモリチップ1000のヒータ1200は、上部相互接続構造1034が形成される前に形成されてもよい。
【0060】
図4Cを参照すると、メモリチップ1000のヒータ1200は、3Dフラッシュメモリ構造1100のゲートスタック構造52が形成された後、上部相互接続構造1034(ローカルビット線LBL
n、ローカルソース線LSL
n、グローバルビット線GBL
n、およびグローバルソース線GSL
nを含む)が形成される前に、ゲートスタック構造52間のスリットトレンチ1110内に形成される。
【0061】
図4Aおよび
図4Cを参照すると、ヒータ1200を形成する方法は、例えば、最初にスリットトレンチ1110内にライナ材料層を形成することを含む。ライナ材料層は、例えば、酸化ケイ素または窒化ケイ素である。次に、ゲートスタック構造52上およびスリットトレンチ1110内にバリア材料層および金属材料層を順次形成する。次いで、化学機械平坦化プロセスなどの平坦化プロセスを実行して、ゲートスタック構造52の表面上のバリア材料層および金属材料層を除去し、スリットトレンチ1110内に絶縁ライナ層1112、バリア層1204、および金属層1202を形成する。金属材料層は、例えば、銅またはタングステンである。バリア材料層は、例えば、チタン、タンタル、窒化チタン、窒化タンタル、またはそれらの組合せである。
【0062】
図4Bおよび
図4Cを参照すると、ヒータ1200が形成された後、上部相互接続構造1034(ローカルビット線LBL
n、ローカルソース線LSL
n、グローバルビット線GBL
n、およびグローバルソース線GSL
nを含む)が形成される。その後、接合層1300が、上述の方法に従って上部相互接続構造1034上に形成される。
【0063】
図7Aを参照すると、複数の制御チップ2000が設けられている。制御チップ2000の形成方法は、以下の通りである。
図5Cを参照すると、第2のトランジスタ2020が第2の基板(ウエハ)2010上に形成される。次いで、第2の相互接続構造2030が第2のトランジスタ2020上に形成される。第2の相互接続構造2030は、ダマシン、デュアルダマシンなどの任意の既知の方法によって形成することができる。その後、接合層2050が、上述の方法に従って第2の相互接続構造2030上に形成される。次に、ダイシングを行って複数の制御チップ2000を形成する。
【0064】
図7Bを参照すると、制御チップ2000の接合層2050とメモリチップ1000の接合層1300とが接合されて、接合構造3000が形成されている。接合方法は、例えば、ハイブリッド接合プロセスである。一部の実施形態では、制御チップ2000がウエハ1010W上のメモリチップ1000と接合された後、制御チップ2000の側壁の周りに封止層(図示せず)がさらに形成される。
【0065】
図7Cを参照すると、ダイシングプロセスを行って互いに独立した複数の3Dフラッシュメモリモジュールチップ5000を形成する。
【0066】
以上をまとめると、本開示では、メモリチップと制御チップを接合して3Dフラッシュメモリモジュールチップを形成する。制御チップのドライバが高い駆動電流を供給してメモリチップ内のヒータを加熱することで、フラッシュメモリの電荷蓄積構造を修復して、より高い消去速度を達成し、フラッシュメモリの耐久性を向上させることが可能である。さらに、制御チップは、メモリチップの制御ロジックユニットのステータス信号に従って、対応するセクタを局所的に加熱することができる。加えて、接合によって形成された3Dフラッシュメモリモジュールチップでは、制御チップを別個に製造することができ、メモリチップ内に大面積のヒータコントローラを形成する必要がない。したがって、ヒータコントローラがメモリチップの面積を占有することを防止することができ、制御チップをそれほど高度でないプロセスで製造することができ、プロセスのコストを削減することができる。
【産業上の利用可能性】
【0067】
本発明の3Dフラッシュメモリモジュールチップおよびその製造方法は、3Dメモリデバイスおよびその製造方法に適用することができる。
【符号の説明】
【0068】
14:トンネル層
16:チャネルピラー
20:メモリセル
24:絶縁性充填層
28:絶縁性ピラー
32a:導電性ピラー/ソースピラー
32b:導電性ピラー/ドレインピラー
34:水平開口部
36:ブロッキング層
37,1204:バリア層
38,2028:ゲート層
40:電荷蓄積構造
52:ゲートスタック構造
54,1304,2054:絶縁層
1000:メモリチップ
1010:第1の基板
1010W:ウエハ
1020:能動デバイス(第1のトランジスタ)
1030:第1の相互接続構造
1032:下部相互接続構造
1034:上部相互接続構造
1040,2031:誘電体層
1100,11001,11002:3Dフラッシュメモリ構造
1110:スリットトレンチ
1112:絶縁ライナ層
1200,12001,12002,12003:ヒータ
1202:金属層
1300,2050:接合層
3000:接合構造
1302,1302a,1302b,2052,2052a,2052b:パッド
2000:制御チップ
2000C,2000C1:列
2000R,2000R1:駆動行
2010:第2の基板
2012:活性領域
2020,20201:第2のトランジスタ
2022a:ソース領域
2022b:ドレイン領域
2024:ゲート誘電体層
2030:第2の相互接続構造
2032,2034,C1,C2,C3:コンタクト
2036,2040,2040a,2040b,2040c:導電線
2038,2042,2042a,2042b:ビア
2100:グローバル電源
2200:行デコーダ
2300:列デコーダ
5000:3Dフラッシュメモリモジュールチップ
A0,A1,A2:行アドレス信号
A3,A4:列アドレス信号
AR:アレイ領域
B,B1,B2,B3,B4:セクタ
BM1:下部第1金属層
BM2:下部第2金属層
BM3:下部第3金属層
BV1,BV2,TV1:ビア
TM1:上部第1金属層
TM2:上部第2金属層
E1:第1の端部
E2:第2の端部
OP1:溝
OP2:パッド開口部
SC:階段構造
SL:スクライブライン
SLT:スリット
SR:階段領域
T,T’,T1,T1’,T2,T2’,T3,T3’,T4,T4’:タイル
W1,W2:幅
I-I’,II-II’:線
X,Y,Z:方向